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【社会科演習】巫女喫茶『葛城の社』一日アルバイト

#コイネガウ日本 ー秋葉原解放自治区ー #期末試験 #二年目の一学期の期末試験 #二年目の七月分シナリオ

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#コイネガウ日本 ー秋葉原解放自治区ー
#期末試験
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#二年目の七月分シナリオ


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●注意
 当依頼は、PBWアライアンス『コイネガウ』からのシナリオです。
 PBWアライアンス『コイネガウ』の詳細を以下でご確認お願いします。
 公式サイト:(https://koinegau.net/)
 公式総合旅団:(https://tw6.jp/club?club_id=4737)
 日本の世界観:(https://tw6.jp/club/thread?thread_id=131552&mode=last50)



 荘厳なる朱の鳥居の先は、皆様をお迎え致しますは古めかしくも手入れの行き届いた庭園の風景。
 その只中に伸びる石畳の道をしばし歩まれますれば、やがて庭園の中心、本殿へと行き着くでしょう。
 開かれたる門扉の先にて、皆様をおもてなしする場が設けられてございます――。

『いらっしゃいませ神様ー♪』

 本殿にて皆様をおもてなし致しますは、当社にて修行を積む巫女達。
 修行の途上なれど器量はいずれ劣らず。皆様に快い時を過ごして頂くべく、誠心誠意ご奉仕致します。

『『葛城の杜』巫女一同、神々の皆様方のご降臨を心よりお待ち申し上げております――』



 ――長い黒髪の巫女を中心とし、一列に並んだ巫女達がお辞儀するシーンにて、その動画が一時停止されると。
「というわけで、今期の社会科試験の会場は此方ですわ!」
 希島学園教師、四之森・曼珠(未来形魔女・f38525)は堂々宣言した。

 今期の試験は、日本――『秋葉原解放自治区』でも一部教科の受験が可能となっている。社会科もまた、そのうちの一教科であるのだが。
「此方のコンセプトカフェ『葛城の杜』で一日|店員《キャスト》として働いてくること、それが此度の社会科試験となりますわ!」
 コンカフェの一日バイト、という試験内容に首を傾げる生徒も少なくないかもしれない。
 曼珠曰く。
「此方の『葛城の杜』ですが、日本に古くから伝わる『土蜘蛛伝説』に取材したコンセプトを持つコンカフェとの事でして」
 古き日本の権力機構にまつろう事なく独自の勢力と文化を保ち続けた人外の種、それが土蜘蛛。迫害を受けて表舞台からは姿を消すも、彼らと思しき存在は日本各地にその痕跡を残してきた。その総称が『土蜘蛛伝説』だ。
「日本各地の農村に、土蜘蛛を現地の土地神として崇め奉る信仰が生まれました。土蜘蛛を神社に祀り、巫女達が供物を備え祭儀を執り行うことで、御利益を祈ったり感謝を捧げたりしていたようですね」
 日本の壊滅に伴い、それら信仰の多くは絶えてしまった。かつての信仰と、其に伴う伝説を風化させてはならぬと考える者が現れるのも、自然な流れではあるだろう。
「そんな土蜘蛛信仰の存在を、後世に伝えるという理念の元、『葛城の杜』は創業されたとのことですわ」
 然し、その具体的な形がコンカフェというのは如何なものなのだろうか。
「因みにコンカフェなのは提唱者の土蜘蛛様の趣味だそうです」
 現代において土蜘蛛は秋葉原解放自治区の支配層だ。純然たる趣味が押し通ってしまう余地はあるのかもしれない。

 ともあれ、そのコンカフェにてどう働けば良いのか。
「まず、『葛城の杜』の|店員《キャスト》の立場は、土地神として崇められる土蜘蛛様方にお仕えする巫女となります」
 日本の一般的な神社に勤める巫女と基本は同じである。勿論制服は巫女装束となるが、標準的な意匠のものもあればある程度の改造が施されたものもあるそうだ。
「お客様はかの|店《神社》に降臨なされた土蜘蛛――神様という設定です。文字通り『お客様は神様です』という訳ですわね」
 その為、店員は客のことを神様と呼ぶこととなる。但し、マナーの悪い客に対しては『荒神様をお鎮めする』という名目のもと強制排除が許可されているとのこと。
「お料理の提供は『供物の奉納』、代金をお支払い頂くのは『御利益をお授け頂く』……といった風に、店舗としての活動はコンセプトに沿って言い換えることが推奨されますが、それっぽい表現であれば概ね大丈夫ですわ」
 巫女の中にはフランクなノリの者もいるだろう、ということで形式にはあまり拘らないらしい。
「また、特定の時間には『祭儀』と称してパフォーマンスやゲームといったイベントが催されます。神楽舞という名のダンスであったり、御御籤という名のトランプゲームであったり、他にも色々と種類があるようです」
 公序良俗に反するものでなければ大体のイベントが網羅されているようなので、やってみたいイベントがあれば尋ねてみると良いだろう。
「あ、因みに男子生徒の皆さんも巫女ですので悪しからず」
 そこで思い出したように曼珠が宣う。曰く、かつての土蜘蛛信仰の場には神主は存在しなかったらしい。

「と、このような処ですわね。それでは皆様、此方の試験を受けられる場合は、期日までにわたくしへご連絡くださいませ♪」
 説明を終え、良い笑顔と共にそう結ぶ曼珠であった。


五条新一郎
 注:このシナリオは、コイネガウ暦20X4年7月における「期末試験」の物語です。
「日本・秋葉原」の3箇所の試験場をクリアすると新しい「種族とジョブ」の報酬が出ます。
 各MSによるシナリオはどれも内容が独立している為、重複参加に制限はありません。

 注2:試験と報酬の一覧表は以下です。
 ヤタ・ガラスMS:【歴史演習】。戦闘。種族「鋏角衆」解禁。
 雅瑠璃MS:【化学演習】。お色気。種族「蜘蛛童」解禁。
 五条新一郎MS:【社会科演習】。日常。ジョブ「土蜘蛛の巫女」解禁。

 巫女みこカフェー。
 五条です。

 此度は希島学園期末試験と致しまして、秋葉原解放特別区にての巫女コンカフェで働くシナリオをお送り致します。
 巫女になりきって|お客様《神様》方を全力でおもてなし下さいませ。

●目的
 コンセプトカフェ『葛城の杜』の一日店員として勤め上げる。
 尚、男性でも巫女です。

●舞台
 希望峰アース、秋葉原経済特区の一角にあるコンセプトカフェ『葛城の杜』。
 店内は神社の本殿を模しており、板張りの床に2~4人掛けの座卓が幾つか設置されてます。
 店奥にはパフォーマンス用の舞台があります。

●メニュー
 軽食:おにぎりやお茶漬けなど。
 甘味:お団子や餡蜜など。現在は夏季限定メニューのかき氷もあります。
 日本茶類:抹茶や緑茶、番茶など。

●行動例
 ・接客をする。
 店員は巫女、客は神様という設定での接客となりますが、過剰に畏まずともOKです。

 ・パフォーマンスをする。
 巫女がやりそうなことなら何でもOKです。現実の巫女がやらなさそうなことでもOKです。
 公序良俗に反するものやあんまり暴力的過ぎるもの等でなければだいたいOKです。

●プレイングについて
 OP公開後、タグにてプレイング募集期間を掲示致しますので、その間にプレイングを募集します。
 募集開始前のプレイングは一度お返しする可能性が高くなります。再送は歓迎です。

 それでは、皆様のかしこむプレイングお待ちしております。
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第1章 日常 『プレイング』

POW   :    肉体や気合で挑戦できる行動

SPD   :    速さや技量で挑戦できる行動

WIZ   :    魔力や賢さで挑戦できる行動

イラスト:YoNa

👑11
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

海北・奈美
はあ、巫女カフェかあ……
同じ秋葉原でも前に体験したヴァルキュリーズ・カフェとは
また違う感じだねえ

この巫女装束はちょっと恥ずかしいなあ
巨乳の奈美が着るため改造が施されたそれは
意図したものではないが、胸が強調されるデザインになっていた

ようこそ御越しくださいました神様。本日のおましどころはこちらでございます。
(……なんかそれっぽくしゃべればいいって言われたけど、こんなんでいいのかなあ?)

正直ここまで堅苦しく言い替える必要はないのかもしれない
しかし、隠れもしない巨乳美少女の奈美が
少々胸を強調したような改造巫女装束を着て
不慣れな堅苦しい言葉で接客する姿は
一部の神様(お客さま)にはかなり刺さったようだった



 巫女喫茶『葛城の杜』のバックヤード。この店にての社会科演習試験に参加する学生達は、此処で勤務内容の説明や制服となる巫女服の支給などを受けていた。
「同じ秋葉原でも、前に体験したヴァルキュリーズ・カフェとはまた違う感じだねえ」
 諸々を終え、更衣室へとやってきた学生達。そのうちの一人、海北・奈美(新入学生・f39579)は、以前の日本留学の際に体験入店したメイド喫茶を思い返す。コンカフェという点では同一の業態でこそあるが、彼方が華々しい雰囲気であるに対し、此方は落ち着いた雰囲気であるように思えるが。
「……でも、この巫女服はちょっと恥ずかしいなあ」
 渡された巫女服へと袖を通した奈美、軽い羞恥と困惑に頬を仄赤く染める。視線は胸元――己の豊かな双房が殊更に強調された其処へと落ちる。
 学生達に支給された巫女服は、事前の採寸結果に基づいて生徒一人一人の体格に合わせ作られている。奈美が纏ったそれが胸を目立たせる意匠なのは、胸を収められるよう調整を施した結果であろう。
「でもまあ、やるしかないか」
 どのみちこれを着なければ試験参加もできないのだ。奈美は意を決して頷くと、ホールへと歩み出て開店準備へと加わっていった。

 やがて開店時刻を迎え、『葛城の杜』の営業が開始される。程なくして、店の入口の戸の開く音がした。
「――あ」
 ちょうど入口の傍にいた奈美、入店してきた男性と目が合う。ならば応対するのは自分の役目だ。ならば。
「――ようこそ御越しくださいました神様。本日のおましどころはこちらでございます」
 巫女として、神様に応対するような口調で以て。深くお辞儀してみせた後、案内するつもりのテーブルを恭しく掌で示してみせる。
「……おおう。これはご丁寧に……ってか、見慣れない巫女さんだね?」
 対する男性、奈美の丁寧な……堅苦しささえある口調に何故か驚いたような様子を見せつつも。どうやら常連であるのか、初めて見る奈美の姿に率直な疑問を口にする。
「はい。私はこの地について学ぶべく、今日一日神様方にお仕え致します事となった者にございます」
 奈美はやはり堅い口調にて理由を語ってみせる。男性の方は納得したように頷いているが。
(……こ、こんなんでいいのかなぁ?)
 しかし奈美、内心では困惑も示していた。何しろ事前の説明では『それっぽく喋っていれば大丈夫』としか言われていなかったので。此処まで堅苦しい口調を使わなくても良いような気もするが。
(まあ、|お客さん《かみさま》も悪い気はしてないようだし、とりあえず問題は無い……かな?)
 男性の反応は悪いものとは思えない。ならば、この方向で続けていった方が良いのだろう。奈美は内心にてそう結論付けた。

 その後も何名かの客が訪れ、店内は俄かに忙しさを増す。そんな中でも、奈美は慣れない様子を見せつつも業務をこなしてゆく。
「ご所望の供物を捧げにあがりました。どうぞお収めくださいませ」
 テーブルへと料理を運べば、恭しく捧げるような動きで卓へと料理を並べてゆく。労う男性客らに深々一礼すると、すす、っと静かに咳より離れてゆく。
「「……………いい」」
 先程まで客がいたテーブルの片づけ作業に取り組む奈美の姿を眺める、別のテーブルにつく男性客ら。奈美の様子をじっと目で追いながら語りだす。
「あの子良いよな、可愛いし乳でかいし」
「乳がっつり強調した巫女服着てるし」
「何よりあの喋り方がいいよな」
「お堅い喋りに慣れてないのに頑張って喋ってる感じ、尊い」
 |奥の間《バックヤード》へと引っ込んでいく奈美を見送りつつ、そんな会話を交わし合う。鼻の下は伸びに伸びている。
「もう、神様ったらあの子のことばっかりー」
「え、ああごめんねえ」
 卓に同席している巫女――正規の従業員である巫女が抗議するような声を上げれば、男性客達は何だかデレデレした調子で謝罪してみせる。お互い、別にその行為自体は悪いことではないと理解するが故の反応である。
「まあ、あの子が可愛いのはアタシも同意ですけど」
 巫女も男性達の見解には賛同していた。曰く、それ故に敢えて口調については何も言っていないのだとか。
「どうせ今日一日限りの体験入店ですし、好きなようにやって貰えば良いと思うんですよ」
「え、あの子今日しかいないの!?」
「何でそんなに残念がるんですか神様ったら!」
 その事実に男性客らは本気で落胆したかのような反応を示す。巫女、これには流石に抗議せざるを得ないようだった。
「ようこそお越しくださいました、神様――」
 そんな風に一部の客の趣向を刺していたとは露ほども知らぬまま。奈美は相変わらずの口調で以て、新たに訪れる|神《きゃく》に対応していったとか。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リン・ベルナット
アドリブとか大歓迎だよ!

試験だけど楽しそう!伝統的な服装って普段着る機会がないし気合いれて頑張るぞー!

巫女服を着たらパフォーマンスをしたいと思ってるよ!体を動かすのは好きだし得意分野なら貢献できそうだもんね!

体を動かすことになるし、巫女服を着たらまずは【念入りな準備運動】だね!
普段着ないような服装だからこそしっかりとした準備が大切だよね!

肝心のパフォーマンスだけどやっぱり神楽舞だね!体を動かす分野なら得意だしね!

パフォーマンスをするにしてもなにかアピールポイントが欲しくなるよね…
うーん…そうだ、スポーツヒーローとして得意なジャンプを取り入れよう!派手さがあればお客さんも喜んでくれるはずだよね!


コニー・バクスター
コニーの巫女カフェの一日の紹介だよ!
期末試験もめげずに萌えて合格するね!

朝から昼のシフトでは、料理する。
コニーのおにぎり、巫女の御利益があるコニギリを作るよ!
兎の形をしたおにぎりで中には日本産の梅や昆布とかが具だよ。
巫女カクテル(ノンアルコール)も提供するよ!
コニーカクテル(カクテル風の人参ジュースでフルーツ盛り)だね。
作る最中は、萌え萌えと詠唱して念を込めるよ!

昼から夜のシフトでは、パフォーマンスする。
店内のステージで巫女のバンドチームでロックを奏でるよ!
コニーはキーボードを弾きながら巫女の萌えソングを歌う。
巫女バンドはアキバで有名で音楽や動画の配信もあるのだ!

アドリブ・連携歓迎。
NG無し。



「こんにちはー♪ コニーの巫女カフェの一日の紹介だよ!」
 開店前の巫女カフェ『葛城の杜』で元気よく挨拶するのはコニー・バクスター(ガンスリンガー・ラビット・ガール・f36434)。試験の模様を動画撮影するため、店に許可を取ってスマホのカメラを回しているのだ。
「今日は此方の巫女カフェ『葛城の杜』での一日巫女さん体験♪ ……まあ、あくまでも期末試験なんだけどね」
 出来れば試験とは関係なく体験したかった、と少し気落ちしたりもするが。それでもめげずに萌えて合格する、と意気は十全。
「だけど、試験でも楽しそうだよね!」
 そんなコニーに元気づけるかのように、リン・ベルナット(スポーツヒーロー・f17042)が声をかける。コニーと共にこの店での試験を受けるべくやってきた希人だ。
「そこは確かだよね! あ、リンさんも良かったら意気込みを聞かせて欲しいな!」
 応えて笑ってみせるコニー、其処でふと思い出したようにリンへと提案しつつスマホを向ける。折角なので自分以外の働く姿も動画に収めたい、ということらしい。
「ん、そうだね。伝統的な服装って普段着る機会無いし、気合い入れて頑張るよ!」
 其に嫌な顔ひとつ見せることなく答えてみせるリン。ヒーローとしてもアスリートとしても、カメラを向けられるのには慣れているのかもしれない。
「ありがと♪ っと、そろそろ開店時間かな?」
「おっと、そうみたいだね。よっし、それじゃー気合いを入れて……っと」
 そんなやり取りを経たところで開店の時間が迫ってきた。気付いたリンは準備運動を始める。此度は接客のみならずパフォーマンスも行う予定、それに巫女服という不慣れな衣装を着てのものということで、普段スポーツを行う時にも匹敵する入念さで準備運動を行っていく。
 そうして準備が済めば、後は|神《きゃく》を待つばかり。楽しみつつ、頑張ろう。そう頷きあう二人であったとか。

 開店後、程なくして客が入り始める。まずは接客業務だ。
「いらっしゃいませ神様! ご案内しますね!」
 リンは笑顔で来訪せし|神々《きゃく》を迎え、席へと案内してゆく。そのまま注文を取れば、丁寧なお辞儀の後でキッチンへと下がり。
「|供物のご要望《オーダー》入りましたー! えーと、コニギリが二つに、鎮守の緑に綿津見の青でーす」
 受けた注文をキッチンスタッフへと伝達する。因みに後者二つはこの店のオリジナルカクテル。いずれもノンアルコールである。
「はーいっ! 可愛く美味しく作ってくよー♪」
 オーダーに応えるはコニー。昼シフトにおいては調理担当スタッフとしてキッチンに入ることにしていたのだ。
 まず最初に作るはコニギリ。『コニーのおにぎり』と『巫女のおにぎり』を掛けて巫女の御利益アリとの触れ込みを伴わせたコニー提案のメニューである。
「美味しくなーれ、萌え萌えぎゅっ♪」
 そんな詠唱と共に、兎のような縦長の形へと握り込んでゆく。因みに具は梅と昆布。日本産の食材で統一しているのだ。
「も、萌え萌えぎゅ……っ?」
 カクテルの方は正規の従業員が担当しているが、コニーの指導に基づき彼女と同じように萌えの念を注ぎ込もうとしている。ちょっと気恥ずかしさはあるようだが。
「ふふっ、これは美味しくなってるの間違いなしだね! そう思うよね、神様?」
「然り! 巫女の愛こそ我々にとって最大のご馳走なれば!」
 そんな調理の様子はテーブルからでもしっかり見えてたりする。出来上がりを待つリンと客の一人とが、そんなやり取りを交わしながら見ていたとか。

 夕~夜のシフトに入れば正規のスタッフも増え、通常業務には充分な人員が揃う。となれば。
「そろそろパフォーマンスタイムだね! 巫女バンドは準備万端だよ!」
 コニーはその為に呼んできた巫女服姿の女性達と共にいつでも出られる構え。曰く、彼女達は秋葉原解放自治区において有名なバンドだそうで、各種配信活動にも余念が無いのだとか。勿論、コンセプトの合うこのカフェでも頻繁にパフォーマンスを披露しているとのことだが、今回はコニーが飛び入りメンバーとして参加する形なのだそうだ。
「おお、本格的なバンドだねー! ……そうだ!」
 その錚々たる様相に感心げな様子のリン、何やら妙案が思いついたようで声を上げる。何かといえば。
「私もダンス担当として一緒にパフォーマンスさせてもらっていいかな!」
 元々|神楽舞《ダンス》を披露するつもりでいたリン。しかし其処にバンドの生演奏による音楽が伴うとなれば、お互いのパフォーマンスがより高まることだろうと考えた様子。
「勿論だよっ♪ みんなで最高のパフォーマンス、神様達に|捧げ《みせ》てあげようね!」
 コニーもバンドメンバー達も否を唱える理由は無く。いざ、即興コラボレーションの開幕である。

「神様方こんばんはー!」
「今宵は皆様に、私達の歌と踊りを奉納させて頂きますっ♪」
 ステージに一同が上がれば、集まった|神《客》達から歓声が上がる。其に応えながら位置についた一同、演奏の開始と共に各々のパフォーマンスを開始する。
「身体を動かすことなら大得意だからね! 神様達のための私のダンス、めいっぱい楽しんでね!」
 流れるアップテンポなロックに合わせ、リンは腕を振り脚を上げ身を翻し、全身を大きく使ったダンスを披露。その動きは大胆でありつつも流麗であり、纏う装束のひらめく様は神秘的でさえあり。見る者の視線を、余すことなく釘付けとする。
『かしこみ~かしこみ~たてまつる~♪ かわいく~たのしく~うたいます~♪』
 コニーはヴォーカルとして歌を披露。その歌詞はまさしく王道的な萌え系電波ソングであり、コニー自身の歌声もあってとても楽しくノリの良いリズムを作り出す。見る者達がいずれも、リズムに合わせて身体を揺らしながら手拍子を入れている様は、彼女達の歌と踊りとが観客達の心を掴んでいる証拠と言えた。
『神様~どうか私を見守って~ハイっ!』
 サビを歌いきったコニーが一声合図すると同時、リンがその場で徐に跳躍。そのまま空中で宙返りを決めて、客席のド真ん中へと着地を決めれば。そのダイナミックな動きに度肝を抜かれた客達から盛大な歓声と拍手が上がる。
『みんなありがとー♪ でも、まだまだ行くよぉ!』
「もっといっぱい楽しんでってね、神様達!」
 歓声を受けて笑顔を見せながらも、まだ己らのパフォーマンスはこれからが本番とばかり笑う二人。その日の『葛城の杜』のパフォーマンスステージは、殆ど閉店時間直前まで盛り上がり続けたらしいとか。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

有山・優音
●アドリブ歓迎

せやせや、お客様は神様やからね!大切にもてなしたるよ!
(巫女装束を着用し)
お帰りなさいませ神様~!下界の視察どないでした?肩凝ってはりません?ささ、こちらの上座へどうぞお座り下さい!
。o(「かみ」だけに上座やね!なんて思ってるけど言わん方がええね)
今日の供物どれがええでしょうか?民から沢山供物預かってはりますけども。
はーい抹茶とかき氷ですね!ほな少々お待ち下さい!

(バックヤードにて)
……あたしこんなん初めてなんやけど、ちゃんと敬えてるやろか?
ちょっと心配になってきたわ……。
まあ、あたしはあたしらしく出来たらそれでええよね!

急いで供物運んだるよ!――あーっ足元躓いてもうたっ!!



「お帰りなさいませ神様~!」
 多くの|神《客》を迎え盛況な巫女喫茶『葛城の杜』。新たに訪れた二人連れの|神《客》を元気よくお迎えする有山・優音(あまはん・f39297)の声は賑やかな中でもよく通る。
「あれ、見慣れない巫女さんだね。新人さん?」
「今日一日巫女体験としてお勤めさせて頂いてまして! それより神様、下界の視察はどないでした? 肩凝ってはりません?」
 疑問符を浮かべる客に対しにこやかな笑顔で応え、間髪入れず|神《お客》様を気遣ってみせる。肩を揉むジェスチャーも交えつつ。
「まあボチボチかなぁ。肩は……後で揉んで欲しいかも」
「ほんなら後程お伺いしますわー♪ ささ、どうぞ此方の上座へ!」
 なんて遣り取りを交わしつつ、|神《客》を席へと案内してゆく。尚「『かみ』だけに『|上《かみ》座』やね!」なんて思ったが口には出さない。絶対スベる気がした。
「今日の供物はどれがええでしょうか? 民から沢山供物預かってはりますけれども」
 |神《客》が席へとつけば早速|供物目録《メニュー》を差し出す。二人して其を眺める|神《客》達、暫くして頷けば。
「それじゃあカキ氷貰おうかな。宇治金時で」
「俺は抹茶をお願い。アイスで」
「はーい、抹茶とカキ氷ですね! ほな少々お待ち下さい!」
 注文を受けた優音は元気良く返事すると、|注文《オーダー》を通すべくキッチンへと下がっていった。

「……ふー」
 キッチンでオーダーを伝えた後、優音はバックヤードにて一息。その表情は、少しだけ悩んでいるかの様子で。
「あれ、どうしたの優音ちゃん?」
 其処に声をかけてきたのは、この店の正規の従業員である巫女の女性。休憩に来た処に優音の姿を見かけたので、声をかけたとのこと。
「あー、いえ、こーゆーお仕事ってあたし初めてなんですけど、お客さんのコトちゃんと神様っぽく敬えてるやろか……って」
 そんな彼女に、優音も思う処を明かす。何しろ接客業自体の経験がほぼ無い身の上、ちゃんと巫女として振る舞えているか心配、と。
「なるほどー。ウチのお店はそこまで堅苦しくなる必要は無いって方針だから、優音さんは寧ろ丁寧にやれてる方だと思うけど……」
 曰く、正規の従業員には優音以上にフランクな巫女の方が多いらしい。優音、「それはええんやろか……」と思ったとか思わなかったとか。
「まあでも、大事なのは自分が自分らしくやることだと思うから。優音ちゃんはこれまで通りやってくれれば大丈夫だよ」
 寧ろ正式に就職してくれると嬉しいんだけどな、なんて宣うのには、自分にはかねてよりの夢があるからと固辞する優音だが。
「そっか。……うん、せやね」
 あくまでも己らしくあれば良し。そのやり方が間違っていないと分かれば安心を覚えたようで。すっきりした笑顔で、優音は頷いた。
「と、もうそろそろお料理出来るみたい」
「おっと、そうでした! ほな、急いで|供物《お料理》運んできまーす!」
 其処に先の客が注文した|供物《オーダー》が完成。ならば早速届けねばと、優音はホールへ戻ってゆく――ところが、その十数秒後。
「――おわーーーーっ!!?」
 如何やら足元何かに躓いて転びそうになったらしい。店内に、優音の盛大な叫び声が響き渡ったとか。



 というようなことがありつつも、生徒達は無事に『葛城の杜』にての一日の勤務を完遂。
 試験結果は、文句なしの全員合格であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年08月06日


挿絵イラスト