●怖いぞオバチャン。
神奈川県某所。具体的には、海が見えそうで見えない、バブルの頃には賑わったけど令和の時代にはすっかり廃墟と化したホテルのパーティ会場で、笑い声が響く。
「HAHAHAHAHAHAHA!!!! アイルビーバック、ジャパン!! ここがミーのサクセスストーリーのリスタートポイントデース!!」
英語混じりと言うか日本語混じりと言うかの哄笑。
復活ダークネス改めオブリビオンとなったご当地アメリカン怪人、そのご当地幹部であるアメリカンコンドルは、白煙と……肉の焼けるいい匂いをまとっている。
その背後には、バーベキューの機材やら食器やら調味料やらが大量に用意されており、周囲にはアメリカっぽい特徴を持った怪人たちが忙しそうに動き回っていた。
「エスパーをこのブレイズゲートにおびき寄せ洗脳して戦力を増やし、そしてワールドイズマイン……フッフッフ、パーフェクト!」
拳を振り上げたその時、だんッ!! と鈍く激しい音とともにまな板へ巨大な包丁が叩きつけられた。
切断された豚の首が壁にぶつかり落ちて転がるのを気にもせず、下手人たちは思い思いに得物を振るっては豚だの鶏だのをぶった斬り、あるいはマグロやサケなども斬り分けている。
どうやら、食材の処理中らしい。
「うるっさいねえ! あんたもぶった斬られたいようだね!」
「オバチャンたちは準備で忙しいんだ!」
「さっさと|斬るもの《肉》を用意しな!」
凶気じみた表情で怒鳴る集団は、よくよく見ると皆同じ姿をしていた。
一見するとちょっと癖の強い中年女性だが、巨大な包丁を手にするその姿は血にまみれている。
その禍々しさは、アメリカンコンドルの比ではない。
「Oh……ジャパニーズオバチャン怖いデース……どうしてこんなのがミーの……」
「何か言ったかい!?」
「オバチャンじゃ不満そうだね!」
血と脂に濡れぬらりと光る包丁が、ご当地怪人へと向けられた。
「|SAY, AAAAAAAAGGGGGGGGHHHHHHHH《悲鳴を上げな》!!!!!!!!」
「|GYYYYYYYYYYYYAAAAAAAAAAAAAAAA《何でそうなりマスカ》!!!!!!!!!!!!」
●アメリカンコンドルは今のところ無事です。
「はい、こんにちは。今回は、オバチャンを倒してアメリカンバーベキューを阻止してアメリカン成敗をしてもらいたいの」
ふんわりとほほえみ、白嶺・調音(ホワイトリッジ・f43856)が猟兵たちに告げる。
なんて?
「みんな、ブレイズゲートは知っているかしら? ええと、そうね……かんたんに言えば、ダンジョンみたいなものなのだけど。それがね、神奈川県にあるホテルの廃墟で突然発生してしまうの。そんなに大きくはないけど、注意しないといけないかしら」
かつての時代、「ブレイズゲート」と呼ばれる、様々な異常現象に覆われたダークネスのはびこる迷宮化建造物があった。
これは2028年10月末にはすべて消滅すると考えられているが、今、オブリビオンによって「突発的なブレイズゲートの発生」が引き起こされることが予知された。
「だけどね、そのブレイズゲートの内部がどのような状況になっているのかについては、ちょっとよく分からないの。元々、ブレイズゲートってそうした性質を持つものらしいのだけど、うまく予知できなくてごめんなさいね」
心から申し訳なさそうに詫びる調音。
確かなことは、オブリビオンはこのブレイズゲートを利用して「何らかの企み」を成そうとしていること、そしてこいつを倒せばブレイズゲートは消滅することである。
「そのオブリビオンの企みとはね。この世界の一般人、エスパーの人たちを「ヤンキーエスパー戦闘員」に洗脳して」
「いや、ヤンキーエスパー戦闘員ってなに?」
説明を遮る至極もっともな疑問に、調音はそうねえ、と視線を彷徨わせ、
「まず、ご当地怪人という敵から説明するわね。これは、その名の通りご当地のご当地パワー……ガイアパワーを操って、いろいろ悪いことをしていい感じに計画を進めて最終的には世界征服を狙っているの」
「|ご当地パワー《ガイアパワー》」
「はい。それで、みんなに倒してほしいのは、アメリカンガイアパワーを操るアメリカのご当地幹部、アメリカンコンドルです」
はいこれ、と差し出した資料にあるその写真。
コンドルの頭を持ち、星条旗っぽい服装(?)に、胸に輝くドルマーク。
「すごく……アメリカでドルでコンドルだね」
「なのです!」
複雑な表情を浮かべる猟兵に、うふふっと笑う。
「それで、エスパーの人たちをアメリカ的な言動の「ヤンキーエスパー戦闘員」に洗脳する事件を起こしてしまうんですって」
アメリカンコンドルは、このブレイズゲートのなかで儀式を行い、エスパーたちをおびき寄せて洗脳し、「ヤンキーエスパー戦闘員」にしてしまう。
猟兵の皆にはこれを阻止してもらいたいが、その儀式の場へたどり着く途中には、殺人を繰り返し殺戮技術の研鑽を高める六六六人衆、オバチャンが無数に存在する。
襲いかかるオバチャンをしのいで儀式の場、パーティ会場へたどり着くと、そこではアメリカンコンドルが主催しアメリカン怪人が給仕したり色々するアメリカンバーベキューが行われており、おびき寄せられたエスパーがすでに何人かそこにいるので、彼らに被害が出ないように注意しながら倒してほしい。
「エスパーの人たちはちょっと洗脳されかかっているけれど、会話は通じるから、説得すれば言うことを聞いてくれると思う。オバチャンはいないから、アメリカン怪人をなんとかして儀式……というか、ヤンキーエスパー戦闘員化の阻止をお願いするわね」
「ちなみにバーベキューの食材って普通のもの?」
「普通の食材で、普通に食べられるものよ。もちろんアメリカンに調理されているわ」
なるほど。
そして儀式を阻止すれば、アメリカンコンドルとの一騎打ちである。
「アメリカンコンドルはご当地幹部として力のある存在で、その危険度は作戦級……大規模な軍勢を率いて事件を起こす可能性がある。コミカルに見えても油断ができない相手だから、充分に備えてね」
少しだけ険しい表情を浮かべ、それから祈るように胸に手を当て、グリモア猟兵はゆっくりと頭を下げた。
「それじゃあ、いってらっしゃい。気をつけて帰ってきてね」
鈴木リョウジ
こんにちは、鈴木です。
今回お届けするのは、ブレイズゲート探索。
●新たに発生するブレイズゲート
かつての時代、様々な異常現象に覆われたダークネスはびこる迷宮化建造物は「ブレイズゲート」と総称されていました。
これらのブレイズゲートは2028年10月末にはすべて消滅すると考えられているのですが、今、オブリビオンによって「突発的なブレイズゲートの発生」が引き起こされることが予知されました。
ですが、突如として発生した小さなブレイズゲートの内部がどのような状況になっているのかについては、一切の予知が得られていません。元々、ブレイズゲートとはそうした性質を持つもののようです。
確かなことは、オブリビオンはこのブレイズゲートを利用して「何らかの企み」を成そうとしていること、そしてこれを倒せばブレイズゲートは消滅することです。
第1章【集団戦】ブレイズゲートと化した廃ホテルの迷宮に踏み込むと、殺人を繰り返し殺戮技術の研鑽を高める、六六六人衆のオバチャンの群れが、あちこちから現れ襲いかかってきます。活きのいい肉に群がるオバチャンたちをなんとかして突破してください。
第2章【冒険】アメリカンコンドルの狙いである、エスパーをアメリカ的な言動の「ヤンキーエスパー戦闘員」に洗脳する儀式の場、パーティ会場では、おびき寄せられたエスパーたちを相手に、アメリカンバーベキューが盛大に行われています。雑用係をしているアメリカン怪人は、さほど強くありません。プレイング中に「倒す」などの文言が一言でもあれば倒せます。
第3章【ボス戦】アメリカンご当地怪人であり、アメリカンご当地幹部である、アメリカンコンドルとの戦いです。アメリカンコンドルを倒せばブレイズゲートは消滅します。
それでは、よろしくお願いいたします。
第1章 集団戦
『オバチャン』
|
POW : オバチャンが死ねって言ったら死にな!
レベルm半径内に【無味無臭のサイキック毒】を放ち、命中した敵から【生命力】を奪う。範囲内が暗闇なら威力3倍。
SPD : オバチャン、ナメられるのが一番嫌いなんだよねえ
敵を【出刃包丁】で攻撃する。その強さは、自分や仲間が取得した🔴の総数に比例する。
WIZ : オバチャンはどこにでもいるのさ!
【ギャッハハハハハ!という不快な笑い声】と共に、同じ世界にいる任意の味方の元に出現(テレポート)する。
イラスト:100
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●ブレイズゲート探索の、その一歩
そこは、一見ただの廃ホテルであった。
かつては優美な建物であっただろうに、今は窓が割れ、壁の装飾は崩れ、一階部分を鬱蒼とした草木や蔓が覆ってている。
しかし、触れれば外れ落ちそうなその玄関扉の向こうでは、復活ダークネス……いや、オブリビオンが待ち構えているのだ。
猟兵たちは互いに顔を見合わせ、探索の準備と心構えを済ませたことを確認すると、注意深く玄関扉を押し開き──。
「おや、若い|子《肉》が来たようだね!」
「なんだい、元気がないじゃないかい!」
「オバチャン、湿っぽいのは嫌いだよ!」
四方からけたたましい声がしたと思った次の瞬間、猟兵たちの周囲に一種独特な存在がいっせいに現れた。
その姿を例えるなら、というか、もうそれそのものなのだが、ド派手なオバチャンである。
普通のホテルであれば、玄関扉を入ってすぐにロビーやフロントカウンターといったものがあるはずだが、さして広くない空間には得体の知れないものが乱雑に積まれたカートが行く手を塞ぐようにいくつもあったり、常軌を逸した密度で扉が並んでいる。
つながる先もわからない扉の前に立つオバチャンの群れは、どこもそこもド派手という他ないその容姿のなかで、ひときわ目を引く巨大な包丁を、指差すように振り上げる。
「さっきから斬るのが豚だの鶏だのばっかりでうんざりしていたんだ。ここらでそろそろ人間をぶった斬りたいねえ!!」
凶悪な要望に、猟兵たちは得物を向けて拒絶を示した。
外見からは想像できない迷宮……ブレイズゲートと化した廃ホテルでの戦いが、始まる。
クローネ・マックローネ
NGなし、絡みOK、アドリブ歓迎
【SPD判定】
強調したい時は「★」を、それ以外の時は「♪」を語尾につけるよ♪
ダークネスについては武蔵坂学園が保有するのと同レベルの知識があるよ♪
オバチャンを舐めてかかる気はないけど、同じ顔のオバチャンが群れているのを見て思わず「うへぇ…」って顔になるよ♪
|プレスター・ジョンの国《ソウルボード》でうんざりする程会ってた相手だし、とっとと全員始末して次の敵に行かせてもらうね★
UCは「ワタシのソロモンの悪魔変身」★
物理攻撃無効のこの姿なら斬り殺される事は無いはず♪
稲妻の魔法による【範囲攻撃】とドスソードによる【切断】で攻撃するね♪
加陽・詩帆
アメリカンコンドルなあ…
何か記録で見た気はすんが、まあ復活してまで碌でもねえ事考えてんのは分かんぜ
なら俺達灼滅者がやる事は1つだ!
復活ダークネス…あー、いやオブリビオンだっけか?
それを|灼滅《スレイ》するだけだ!
ロケットハンマー『烈火』を担いでブレイズゲートへ突入だ!
血を燃やし、明かり代わりにしながら探索してくぜ
全くこれで襲ってくんのがおばちゃんだっつーんだから、ギャップあんよな
毒の気配に注意しながら、暗闇を作らねーように燃やし続けるぜ
オバチャンが出て来たら退治するまでだ!
烈火にファイアブラッドの火を入れて稼働だ
轟炎駆動!
でけえ体だ、当てやしい!
燃え盛るハンマーでぶっ叩いて、倒していくぜ!
ただの廃墟にしか見えないホテルの正面入口では、外れ落ちそうな玄関扉が軋んでいる。
かつては美しかったでだろうその建物を見上げ、玄関扉へ視線を落としてから、加陽・詩帆(灼熱の獣・f44003)が唸った。
「アメリカンコンドルなあ……何か記録で見た気はすんが、まあ復活してまで碌でもねえ事考えてんのは分かんぜ」
なら俺達灼滅者がやる事は1つだ!
そう意気込む灼滅者に、首肯するクローネ・マックローネ(|闇《ダークネス》と|神《デウスエクス》を従える者・f05148)。
灼滅者ではないがダークネスについての知識を持つ彼女は、今回相対することとなる敵についても少なからず知っている。
いや、今はダークネスではなかったか。
「復活ダークネス……あー、いやオブリビオンだっけか? それを|灼滅《スレイ》するだけだ!」
『烈火』の名を冠したロケットハンマーを担ぎ、勢いよく玄関扉を開けると、ホテル……否、ブレイズゲートへと突入する。
外から見た様ではガラスの割れた窓が規則正しく並んでいたが、内部には一切の光がない。照明器具はあるのだろうが、ひとつとして明かりが灯っていない。
まったくの暗闇に、詩帆が自身の血を燃やし、それを明かり代わりとして周囲の様子を探る。
往時には瀟洒な内装であっただろうに、ボロボロに傷ついた壁や剥がれかけた壁紙には、得体の知れない汚れがこびりついていた。
「全くこれで襲ってくんのがおばちゃんだっつーんだから、ギャップあんよな」
暗闇から襲いかかるおばちゃんの集団。ホラー映画もかくやといった衝撃だ。
オバチャンが出て来たら退治するまでだ! と闊達に笑ったその時。
「襲ってくるのがおばちゃんで悪かったねえ!」
「誰だっていつかはおばちゃんになるんだよ!」
「あんたもおばちゃんの餌食にしてやろうか!」
一斉に声がした次の瞬間、猟兵たちを取り囲むように何人ものおばちゃん……いや、何体ものオブリビオンが現れた。
派手な色のアフロヘアにド派手なデザインの服を着て、鮮血が滴り落ちる包丁を構えたそのインパクトに、うわっと悲鳴をあげそうになるのをこらえ、詩帆は自身に流れる灼熱の血を炎としてなお熱く燃え上がらせる。
その炎は強く熱く輝き、ともすれば暗くなるブレイズゲート内をいっそう明るく照らした。
「オバチャン、ナメられるのが一番嫌いなんだよねえ!」
巨大な包丁を振りかざし、鈍重な外見からは予想できないほど素早く飛びかかるオブリビオン。
その切っ先を跳躍してかわし、すっと息を吸った。
『クルクルクログロクローネちゃん♪ ビリビリパワーの悪魔ちゃんになぁ~れ★』
詠唱に従い、その姿が魔法を得意とするソロモンの悪魔へと変じる。
「そんなんでオバチャンに勝てると思ってんのかい!」
ギャハハハハ!! と声を揃えて狂笑する集団は皆同じ顔で、いつも笑顔を絶やさないクローネでさえ、思わず「うへぇ……」と言わん顔になる。
しかしすぐに笑みを浮かべ、無骨な日本刀……ドスソードを構えた。
「何が悪魔ちゃんだ、ガキが寝言を言うんじゃないよ!」
「若けりゃ自分を何だと言っていいと思ってんのかい!」
「これだから最近の若いもんは!」
どこか嫉妬めいた色を含んだ喚声とともに、オバチャンたちが一斉に襲いかかる。
ふふん♪ と自信げに笑って、あえて攻撃を避けないクローネ。
(「物理攻撃無効のこの姿なら斬り殺される事は無いはず♪」)
予想のとおりに、クローネの黒い肌は凶悪な刃に傷ひとつつけられず、掴みかろうとする太い腕をドスソードの一閃で斬り捨てる。ならばと飛びかかりその体重で押しつぶしてやろうとするオバチャンを、電撃が撃って落とした。
「チッ……めんどくさいね!」
「プレスター・ジョンの国ソウルボードでうんざりする程会ってた相手だし、とっとと全員始末して次の敵に行かせてもらうね★」
軽妙な宣言を聞いて、詩帆は思わず笑ってしまう。
「いくぜ『烈火』! 最大駆動だ!」
轟炎駆動!
燃え盛る炎をロケットハンマーにまとわせ、オブリビオンへと攻撃を放つ。振り抜いた強打をオバチャンは難なく包丁で打ち逸し、哄笑が奔った。
「威勢がいいだけじゃオバチャンの相手にならないねえ!」
喝破とともに、包丁が詩帆へと振り下ろされる。とっさに掲げて受け止めた烈火を通じて重く鈍い衝撃が伝わり、きりと歯を食いしばって床を踏みしめた。
「っく……」
「オバチャンを退治するんじゃなかったのかね! そら、退治する前にそっちが死んじまうよ! いいや、死ね!」
下卑た笑みでの挑発。得物を握る手が徐々に力を込められなくなるのは、ただ力負けしているだけではない。
「そら、オバチャンが死ねって言ったら死にな!」
怒号と同時に、霧のようなものが吹き出す。それがサイキック毒であると即座に理解し、渾身の力を込めてオブリビオンを突き放して距離を取る。
毒に冒されてじりじりと生命力を奪われようとする詩帆を目掛けて、オバチャンたちが包丁を振り回して斬りかかろうとし、
「そうはさせないよ★」
クローネの電撃が迸り、まとめてオブリビオンの動きを阻止した。
短く礼を告げ、まとう炎をなお燃えたぎらせた烈火でオバチャンと対峙する。
決して動きが鈍いわけではないが、でっぷりと太った身体は的とするに十分に大きい。注意深く狙わずとも、当てることは難事ではない。
「ギャッ!」
「グェッ!」
強打と炎に焼かれ、オブリビオンは潰れるような奇声を上げて悶える。トドメとばかりにもう一撃入れれば、倒れ伏して動かない。
「でけえ体だ、当てやしい!」
快哉を口にしながら次の敵を狙う。
苦々しい顔で襲いかかるオバチャンをクローネがまとめて電撃で撃ち、傷を負わせたところを詩帆の炎撃で叩き倒していく。討ちこぼした敵はクローネの斬撃の餌食となった。
攻撃を仕掛けた隙を狙って叩き込まれた包丁を烈火で受け流し、返す一撃で打ちのめす灼滅者の姿が、自ら燃やす炎に照らし出される。
「ああ、忌々しい!」
それは、ブレイズゲートに潜むダークネスが、幾度も見てきた光景。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
フローレンス・セブンスター
〇チーム名:アポカリプス・ドクターズ
『人間をぶった斬りたい』?-その言葉は高くつくぞ。
ジェシー、サジタリア。こんな狂人共に容赦はいらん。派手にいけ!
私も、ドクワゴン内からドローン(UC)で援護しよう。
-それにしても【ブレイズゲート】か。
かつては灼滅者たちが鍛錬やアイテム探索の為に踏み込んだダンジョンのような場所だと聞いたが…。
余裕があったらここの探索も行おう。
もしかしたらその名残の品が手に入るかもしれない。
助手たちの情報も含めて、
探索の成果は何らかの形で残しておこう。
(データをドローンのICチップに転送させて後に残そう。
コレを読み取ってくれる人がいてくれればの話だが-)
サジタリア・ロスエリアン
〇チーム名:アポカリプス・ドクターズ
(ドクターの言葉を聞いた後で)
りょ、了解しまシタ!いきなりフルパワーでいきマスヨ!
(UC発動後)
『ご安心を。敵にだけ当たるよう弾道計算致しました』<サポートAIの声
ユーベルコードで倒せなくても、キャバリアのロケットランスで薙ぎ払いマス!
敵を倒した後は、可能な限りブレイズゲートの探索を行いマス。
通行の邪魔になる障害物はキャバリアで撤去しまスネ。
相方(ジェシー)と一緒に、周囲の状況をモニタリングして、
その都度ドクターのコンピューターへデータを転送しマス。
(細かい部分はマスターに一任します)
ジェシー・オーガスタス
〇チーム名:アポカリプス・ドクターズ
(ドクター(フローレンス)の言葉を聞いた後)
了解!-でも、こういう場所じゃ自慢のマシンで対抗できないな。
じゃあこっちで!(UC発動)
!?「サジット(サジタリアの事)ちゃん…無茶しすぎ」
大胆な相方(の行動)にたじろぎつつも、
戦車の随伴歩兵のような感じで、援護射撃で彼女のサポートに回ります。
敵を倒した後はブレイズゲートの捜索を行います。
サジタリアのキャバリアの後に付いて回り、
サイバーゴーグルで周囲を観察。それをドクターのコンピューターにデータを転送。
(このホテル跡の全体像を纏める事が出来れば、後に続く猟兵達の助けになるかも)
「ただの肉を斬っているだけじゃあ面白くないからね!」
「活きのいいやつ、それも腕が立つなら殺り甲斐があるよ!」
先陣を切って戦いを始めた猟兵たちに惹きつけられて、あとからあとからとオブリビオンが現れる。
それは、「アポカリプス・ドクターズ」の3人に向けても同じであった。
「『人間をぶった斬りたい』? -その言葉は高くつくぞ」
ブレイズゲートへ進入した際に聞いた言葉を口にし、フローレンス・セブンスター(サイバー“ヘヴィースモーカー”ドクター・f25726)は表情を険しくする。
「ジェシー、サジタリア。こんな狂人共に容赦はいらん。派手にいけ!」
「りょ、了解しまシタ! いきなりフルパワーでいきマスヨ!」
弾かれたように応えたサジタリア・ロスエリアン(故郷を追われし|異邦人《ストレンジャー》・f39226)の駆るキャバリアの駆動音が猛る。
轟音を頼もしく聞きながら、ジェシー・オーガスタス(世界を駆ける運び屋・f25752)も彼女に応えた。
「了解! -でも、こういう場所じゃ自慢のマシンで対抗できないな」
キャバリアの運用は可能でも、ジェシーの試算には支障がある。最適な選択肢を素早く決める。
「じゃあこっちで!」
AI搭載型戦術ドローンを召喚し、早速駆使しようとしたその時。
BAGOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOM!!!!!!!!
飛翔するサジタリアのキャバリアによる全搭載武装の同時攻撃が、およそ視界に映るすべての相手……それこそ、敵味方関係なく……へと叩き込まれた。
「!?」
驚いたのはジェシーだけではない。
オブリビオンたちと、それらと戦っている他の猟兵たちも、突然の攻撃に慌てて逃げ或いは防御体勢を取る様子が、もうもうと立ち上る煙のなかに見えた。
『ご安心を。敵にだけ当たるよう弾道計算致しました』
サポートAIの声が補足するが、ちょっと心配になる。
「派手にやりゃいいってもんじゃないよ!」
「最近の若いのはやることが雑すぎるわ!」
「聞こえマセーン!」
オバチャンたちの文句を、再度ぶっ放した攻撃で強制的に黙らせ、それをかいくぐって襲撃してくるものにはロケットランスを振るい薙ぎ払う。
さすがのオバチャンたちも、あまりの猛攻に接近することができない。
「サジットちゃん……無茶しすぎ」
大胆な相方(の行動)にたじろぎつつも、戦車の随伴歩兵のように、援護射撃でサジタリアのサポートに回るジェシー。
助手たちの動きと様子を逐次確認しながら、フローレンスもドクワゴン内からドローンを飛ばして彼女たちを援護する。
「-それにしても【ブレイズゲート】か」
かつては灼滅者たちが鍛錬やアイテム探索の為に踏み込んだダンジョンのような場所だと聞いたが……。
武蔵坂学園には、灼滅者以外にも、エクスブレインという立場の一般生徒が所属している。
予知以外にも猟兵の転送やユーベルコードの使役もできるグリモア猟兵と違い、できることは未来予知だけだが、ブレイズゲート内部ではエクスブレインの予知ができない。
そのため、灼滅者たちは自らブレイズゲートを訪れ探索し、情報を得ていた。
余裕があったらここの探索も行おう。もしかしたらその名残の品が手に入るかもしれない。
そう考えていたが、多少の波があるとはいえ続々と現れるオブリビオンが容赦なく襲いかかってくる。
戦力はこちらのほうが上である。じっくりと時間をかけるほどの余裕はないが、それでも戦闘しながら探索をすることはできた。
しかし、かつて存在したブレイズゲートと違い、この廃ホテルのブレイズゲートには、収集するに値するような物品は特に見当たらない。
あるいは、オブリビオン……かつてのダークネスの所持品をそれとするべきか。
思案しながら探索を進める。
モニタリングしつつ障害物を撤去しながら進むサジタリアのキャバリアの後に、ジェシーが付いて回り、サイバーゴーグルで周囲を観察する。それをフローレンスのコンピューターにデータを転送していく。
(「このホテル跡の全体像を纏める事が出来れば、後に続く猟兵達の助けになるかも」)
そう考え、できるだけ詳細に集められたデータを、受け取ったフローレンスがまとめて、ドローンをそばに寄せる。
(「データをドローンのICチップに転送させて後に残そう。コレを読み取ってくれる人がいてくれればの話だが-」)
今この場でできなかったとしても、再現性のない現象だとしても。何かしら意味はあるだろう。
幾度目かに襲いかかってくるオブリビオンの群れが、キャバリアの攻撃で薙ぎ倒されるのを見つめながら、ドローンを放った。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
イヌイ・イヌバシリ
※絡み・アドリブ歓迎であります
「なんだかお話を聞く限り|大変な《とんでもねー》ことになっているでありますが…まぁ気を取り直していくでありますよー!全員御用であります!」
と、元気よく突入しますがオバチャンに圧倒されます。本能的恐怖!
ひとまず依頼内容から優先順位をオバチャン<<儀式阻止と考えまして攻撃は他の方に任せて逃げ……いやいや儀式会場を探すでありますよ!そういう要員もひとりはいなければでありますからね!
ホラ自分、種族柄鼻が効くのでバーベキューの匂いなんかを辿り…通り抜けられなそうな扉や障害物なんかはUCを使って無理やりGo!
オバチャンからの避難経路を確保しながら会場を目指すでありますよ!
生浦・栴
アドリブ絡み歓迎
放置してたら自滅して呉れぬだろうかと思うのだが
巻き込まれる者が居るのならば然う云うてもおられんし蟲毒化しても面倒か
それにしてもアグレッシヴよな
俺は後衛なんだがとぼやきながらUCを展開
包丁の素材にどんなものを好んでいるのか多少の興味はあるが纏めてエネルギーに変えて攻撃手段を奪っておこう
勿論あの巨体だけでも俺は負ける気しかしないので(生粋の後衛なので)エネルギー体を周囲に渦巻かせて守りに使っておく
敵の位置の把握に少々難はあるが面倒なので気配のある方向へ属性魔法の雷でも叩き込んでおこう
声の座標が随分取っ散らかっているが包丁以外でも何らか金属類を纏っているようだからまあ当たるだろう
「なんだかお話を聞く限り|大変な《とんでもねー》ことになっているでありますが……まぁ気を取り直していくでありますよー! 全員御用であります!」
と、元気よくブレイズゲートに突入したイヌイ・イヌバシリ(飴色の弾丸・f43704)を待ち受けていたものは。
「「「「なんだいあんたは!!」」」」
あまりにもハキハキとした大声で否応なく注目を集めてしまい、当然集まってきたオバチャンに圧倒される。本能的恐怖!
「こっちにゃ用事はないよ!」
「斬り刻まれたいか!?」
包丁片手ににじり寄ってくるオバチャン集団に、イヌイのしっぽがぼわっと膨らむ。
ひとまず依頼内容から優先順位をオバチャン<<儀式阻止と考えまして攻撃は他の方に任せて逃げ……いやいや儀式会場を探すでありますよ!
そういう要員もひとりはいなければでありますからね!
作戦変更と同時に、オブリビオンの群れが一斉に猟兵へと攻めかかる。とんでもない圧力に、慌てて逃げ出した。
追われる間にどんどんと増える敵に捕まりそうになったその時。
「おぅ!?」
別の方向からぐっと掴まれて、突進するオバチャン集団の進行方向から引っ張り出された。
「大事ないか、犬の娘御」
「た、助かったであります!」
小脇に抱えられたまま礼を言った相手は、オブリビオンから距離を取りながら、彼女の言葉に偽りないと確かめる。
イヌイをおろしながら、放置してたら自滅して呉れぬだろうかと思うのだが、とひとりごつのは生浦・栴(calling・f00276)。
「巻き込まれる者が居るのならば然う云うてもおられんし蟲毒化しても面倒か」
「いやーでもおびき寄せようとしているから自滅は無理じゃないですかね!」
それもそうか。
今も数を増やしつつあるオブリビオンは、どう見ても自滅しそうにない。
「それにしてもアグレッシヴよな」
俺は後衛なんだがとぼやきながら、素早く詠唱を口にする。
『我が声に根幹から従え 汝は……』
獲物を横取りされる形になったオブリビオンは、苛立ちと歓喜を隠さず沸き立ち、声を荒げた。
「色男だからって特別扱いはしないよ!」
「相手にとって不足はないってもんさ!」
ギャッハハハハハ! と笑う声が重なり、猟兵たちから一番近い位置にいるオバチャンのそばに別のオバチャンが現れてはまた現れる。
このままでは、無数のオバチャンを相手することになりかねない。
「行くでありますよ!」
一声かけて走り出すイヌイの後を追いながら、栴がオブリビオンの武器を一瞥する。
(「包丁の素材にどんなものを好んでいるのか多少の興味はあるが」)
特別違うものを使っているようには見えないが、知る機会はないだろう。執着せず、エネルギー体へと変換し自身のものと操り、エネルギー体を周囲に渦巻かせて守りに使う。
「勿論あの巨体だけでも俺は負ける気しかしないので」
「自分もであります!」
なので直接戦闘は回避しよう。
罵声と怒声を背に受けながら、敵の気配のある方向へ雷の属性魔法を奔らせる。声の座標が随分取っ散らかっており、敵の位置の把握に少々難はあるが、群れているのでそう当たりにくいものでもない。
包丁以外でも左のすべての指でギラつく指輪でも、耳より大きいのではと思うほどのピアスでも、何らか金属類を纏っているのだから。
栴が敵の足止めと攻撃を担う一方で、イヌイはと言うと、注意深く周囲を探る。
「ホラ自分、種族柄鼻が効くのでバーベキューの匂いなんかを辿り……」
すんすんすんすん……あっすごいいい匂いする……肉の焼ける、脂とソースの匂い……おなかがすいちゃう……。
じゃなくて。
「こっちであります!」
一見鍵穴のないドアへと、十手を引っ掛ける。あるはずのない鍵が開けられ、あるはずのない道が暴かれた。
直通ではないだろうが、この先をたどった先に目的地がある。
「オバチャンからの避難経路を確保しながら会場を目指すでありますよ!」
言って、ドアの向こうの通路へと飛び込んだ。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
戒道・蔵乃祐
お、オバチャンオブザデッド…
|オビリビオン《 復活ダークネス 》になったので、嘗てと同じ様にブレイズゲートを介して分割存在になりもするし、逆に分割存在として取り込まれることなくコンドルの様に活動することも出来るんですね…
|ファジー《よくわかんない》ですね…
ただこのままだとヤンキーエスパー戦闘員を利用した日本アメリカン化計画が始まってしまいそうですし、その前に退場してもらいましょう
◆邪氣虎牙紋
聞き耳+心眼でオバチャンの笑い声を目安に見当を付け、襲い掛かってくる出刃包丁をジャストガード+武器受けで迎撃
乱れ撃ち+グラップルの反撃で片っ端から早業+重量攻撃を叩き込む
年寄りは無駄口が止まらないんですね…
李・蘭玲
ふむ、日本の中年女性とはあれほど威圧的なのですか?
…祖国でも大差なかった気がしますね
なんにせよ、品性と慎みの大切さが解りますねぇ
侵入したら、義眼で敵の位置を解る範囲で情報収集、奇襲を狙います
屋内で毒を散布されるのは厄介ですが……電気銃でカーペットや壁紙を撃ち、火を起こして暗闇は潰しますか
威力3倍対策してから、頃合いを見てUCを発動しますよ
斬りかかってきたところに拳をポンとつけて、発勁を流し、爆散させましょう
申し訳ないですが、私はもう肉体を放棄しまして…
それでも肉が切りたいのでしたら、頭部に脳が詰まっていますよ?
(無表情で)…潰せるものなら潰してみなさい、容易くやられる気はないですから。
「お、オバチャンオブザデッド……」
迷宮と化した建物内で響く狂声に、物陰から機会をうかがっていた戒道・蔵乃祐(荒法師・f09466)が顔をしかめた。
無数の血まみれのオバチャンが、包丁を振り回し喚き散らしながら猟兵を追い回す様子は、もはやバイオハザードである。
「ふむ、日本の中年女性とはあれほど威圧的なのですか?」
義眼を向けて、解る範囲での情報収集をはかりながら疑問を口にする李・蘭玲(老巧なる狂拳・f07z136)。
記憶のなかから比較対象を選び出し、類似点と相違点を並べていき、結論を出した。
「……祖国でも大差なかった気がしますね」
なんにせよ、品性と慎みの大切さが解りますねぇ。
ここまで凶悪な|中年女性《オバチャン》はそうそういないと思いたいが。
そのオバチャンたちが、攻撃をかいくぐり見失った猟兵を探してうろついているのを、蔵乃祐は気づかれないように注意しながら観察する。
「|オブリビオン《復活ダークネス》になったので、嘗てと同じ様にブレイズゲートを介して分割存在になりもするし、逆に分割存在として取り込まれることなくコンドルの様に活動することも出来るんですね……」
かつてもすべてを解き明かしたわけではないが、また新たな謎が生まれているようだ。
それであっても、かつての記憶が今この世界でも通用するとは限らない。
「|ファジー《よくわかんない》ですね……」
とはいえ、灼滅者に加え猟兵という新たな戦力が、新たに発生したブレイズゲートで復活ダークネス改めオブリビオンと相対している。
いずれブレイズゲートとの関係、あるいはブレイズゲートについてをも、すべてではなくとも解き明かすだろう。
「ただこのままだとヤンキーエスパー戦闘員を利用した日本アメリカン化計画が始まってしまいそうですし、その前に退場してもらいましょう」
蘭玲と視線を交わし、音を立てずに移動する彼女を見送る。
(「屋内で毒を散布されるのは厄介ですが……電気銃でカーペットや壁紙を撃ち、火を起こして暗闇は潰しますか」)
支度を整え、奇襲のついでに燃えそうなものを確認すると、蘭玲が行動を起こした。
敵目掛けて攻撃を仕掛け、次いで壁などに銃撃を叩き込んで炎を上げる。不意打ちを受けて動揺するオバチャンを、別のオバチャンが押しのけて猟兵の前へと飛び出す。
彼女の一見細い体躯目掛けて得物を振り回す敵へ拳打を見舞い、間隙なく次の目標を見定めた。
「太極絶招生者必滅,物极必反会者定離,然而我在这里……」
敵の挙動に注意しながら、蔵乃祐は平静に言葉を紡ぐ。
「然れど僕は此処に居る」
詠唱を終えると同時に、襲い掛かってくるオバチャンが繰り出す包丁の一閃を、巨大な大連珠で受け止めた。互いのそれはどちらも傷つかず、弾かれず。ギリとした膠着の後、互いに弾き離れる。
「こっちは斬りがいがありそうだ!」
ギャッハハハハハ! っといびつな高笑いとともに、続々と現れ集まるオブリビオン。
無論、わざわざ斬られてやる義理はない。
これほど集まっていれば、よく狙わずとも当たるだろう。筋骨隆々とした巨躯を躍らせ、乱れ撃ちとグラップルの反撃でこちらから捕捉すると、片っ端から攻撃を叩き込んだ。
一撃の重さのみならず、当たれば白虎の紋様が付与され、本物の獣のように肉体を食い破る攻撃に、オバチャンたちが食い荒らされる。
「軽く当てていきますよ」
握った拳を前に突き出す蘭玲のその姿が炎に照らしあげられ、さながら修羅の如く。
「その拳ごとぶった斬ってやるよ!」
「枯れ枝みたいなもんだろうけどね!」
ギャハハハハ! と下卑た笑いとともに包丁を叩きつけるオブリビオン。
蘭玲は身体をずらして攻撃を避けると、わずかな動作で踏み込み触れるような軽さで拳を当てる。
その瞬間、自身に何が起こったかオブリビオンは理解できただろうか。
「ギェッ!」
「ヴォッ!」
濁った悲鳴か、それともただ発生した音か。軽い一撃を受けた巨大な肉体が、跡形もなく爆散する。
オブリビオンだったものの破片がぐちぐちと落ちるなか、身動ぐことなく立ち尽くす蘭玲。
「申し訳ないですが、私はもう肉体を放棄しまして……それでも肉が切りたいのでしたら、頭部に脳が詰まっていますよ?」
ふっと表情をなくした顔で、義眼がじらと輝いた。
「……潰せるものなら潰してみなさい、容易くやられる気はないですから」
静かな断言に、六六六人衆は怪鳥の如き叫笑で応える。
「そんならその小さい頭を狙うだけさ!」
「肉じゃなきゃいけないこたぁないけどね!」
ゲラゲラと笑うオバチャンへ素早く距離を縮め、拳を繰り出し叩き潰すと蔵乃祐が再び顔をしかめた。
「年寄りは無駄口が止まらないんですね……」
言って、はっと蘭玲へ視線を向けた。
あなたのことではないと詫びる蔵乃祐に、彼の倍以上も年齢が違う老婦人は、温厚な笑みを浮かべる。
その時、先行して経路探索をしていた猟兵から、目的地とそこへ至るルートの特定ができたと報告が上がった。
ほんの一瞬に満たない隙をついて攻撃を仕掛けてきたオブリビオンをいなし、
「行きましょうか」
「ええ」
頷くと同時に吹き飛ばす。
そして顧みることなく、次の場所へと向かった。
このブレイズゲートで行われようとしている儀式の、その場所へ。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第2章 冒険
『オブリビオンの儀式を破れ』
|
POW : 儀式を行っている配下達を暴力で無力化する
SPD : 儀式の素材として集められた生贄を逃がす
WIZ : 敵の儀式を構成する魔術を解析し、干渉を仕掛ける
イラスト:ゆひゃん
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●肉の饗宴(バーベキュー的な意味で)
猟兵たちの探索の結果、アメリカンコンドルとその配下のアメリカン怪人が待ち受ける場所へと到達することができた。
エスパーたちをおびき寄せて洗脳し、「ヤンキーエスパー戦闘員」にしてしまうための儀式の場だ。
おびき寄せられた人々の正気を奪うための|肉の焼ける匂い《香り》と、心を揺らがせる|主に肉料理《供餐》、そしてその精神に深く潜り込む|至れり尽くせり《境遇》。
すなわち、「儀式を行っている配下達」とは、いろいろせっせと仕事をしているアメリカン怪人。
「儀式の素材として集められた生贄」とは、おびき寄せられたエスパーたち。
そして、「敵の儀式を構成する魔術を解析し、干渉を仕掛ける」とは、アメリカンバーベキューの魅力をどうにかすること。
「……儀式といえば儀式の条件は揃っているかなあ」
ていうかお肉の焼ける匂いがすごいする。あっ、一応魚とかお菓子もあるの? じゃあ野菜は……野菜もとろうね。
「HAHAHAHAHAHAHA!!!! 来マシタネ|灼滅者《スレイヤー》……じゃないが、敵なら同じことデース!」
高らかに笑うアメリカンコンドルの前に、食材や飲み物が乗ったトレイやトングや食器やその他諸々を手にしたアメリカン怪人たちが、守るように立ちはだかる。
戦いの前に、エスパーたちを巻き込んではならないと彼らに声をかけると。
「おにくおいしいね」
「あめりかんすごい」
「あめりかのこになる」
などと、様子のおかしい様子で食べたり飲んだりしている。
目の前にはでっかい肉。でっかいお菓子。でっかいジュースのボトル。実にアメリカン。
……………………。
「確かにアメリカン羨ましいけど、それはそれ! これはこれ!」
ちょっと心が揺らいでしまった猟兵たちが誘惑を振り払う。
アメリカンコンドルは不敵に笑い、
「ミーと戦う前に、まずはこの儀式を止めてみせることデスネ! 但し、アメリカンバーベキューは食べたら最後、ユーキャントストップ!」
猟兵たちを試すように宣言するのだった。
李・蘭玲
おや、つまり日本の夏を捨てると?
でしたら思い出させましょう、“夏の贅沢”をね
食材は黒塗りの高級車(装備品)に積んだテイで。
儀式はニオイや食事に依りそうですね
エスパーが食べる前にBBQを食べ尽くす、という手もありますが
私は“日本の夏”を強調しますよ
まず調理器具を奪って、とうもろこしを焼きます
醤油を塗って焦がした香り…うーん、イイですねぇ
ついでにイカ焼き、焼き鳥と瓶ラムネを用意し、UCで呼びだしたUDCに食べさせます
一心不乱に食べる姿が、さらに魅力的に映るかもしれません
隣の芝生は青い、といいますからねぇ
お忘れですか?
日本の夏の風物詩、アメリカにはないですよ
本 当 に 手放しても、後悔しませんか?
「あめりかんおいしい」
「あめりかんすごい」
抑揚のない調子でアメリカン称賛しながらバーベキューに舌鼓を打つエスパーたちの姿に、蘭玲は目をすがめた。
「おや、つまり日本の夏を捨てると?」
問わずの問いに口元を歪める。
「でしたら思い出させましょう、“夏の贅沢”をね」
「オゥ!?」
パチリと指を鳴らすと、食器を運んでいた通りすがりのアメリカン怪人が、不幸にも黒塗りの高級車に追突されてしまう。
(「儀式はニオイや食事に依りそうですね」)
そう考え、車内に積んである食材を取り出し用意を始める蘭玲。
(「エスパーが食べる前にBBQを食べ尽くす、という手もありますが」)
私は“日本の夏”を強調しますよ。
「失礼します」
「ワッツ!?」
手近なアメリカン怪人からさくっと調理器具を奪うと、すでに加熱済みの上にとうもろこしを並べた。
熱されて甘い香りを放つ黄金色の粒へ、たっぷりと黒い滴を塗りつける。途端、沸き立つ薫香。
「醤油を塗って焦がした香り……うーん、イイですねぇ」
彼女の言葉につられ、周囲のエスパー、いやアメリカン怪人ですら、耐えきれずざわめいている。
「この匂いは……」
「Oh……これがソイソースのフレグラントスメル……」
「あまくてしょっぱい……」
「|スウィート&ソルティ《甘じょっぱい》?」
「違う、あまくてしょっぱいんだ……」
醤油を塗った焼きとうもろこしは、とうもろこしの甘さを焦がした醤油の塩気が引き立たせる。
そして、何よりもその匂い。
「あら。これだけではありませんよ」
ついでにイカ焼き、焼き鳥を並べて焼いて、
「えっ……い、イカも焼いちゃうの……!?」
「あれがジャパニーズヤキトリ……!」
瓶ラムネを用意し、
「瓶のラムネなんてひさしぶりに見る……!」
準備が整ったところで、「それは自分たちも食べていいものですか」と言う機会を伺っているエスパーとアメリカン怪人をちらりと見てから、
「今日は……あなたにお願いしましょうか」
自身の保有するUDCを呼び出して、どうぞと促す。
「Hmmm……あのボトルのグラスボールは一体……?」
興味津々のアメリカン怪人の目の前で、UDCがキャップ部分を強く押し込む。
プシュッ! と心地よい音を立てたと思うと、キャップごと押し込まれたガラス玉の栓が外れ、瓶とキャップのごくわずかな隙間からラムネがふきこぼれた。
それは決して派手ではない、しかし確かな衝撃。
「おおおおおおお…………!!」
「FOOOOOOOOOOO!!!!」
何故歓声を上げたのか、彼らには理解できただろうか。
いや、分かるまい。この静かな感動は。
強すぎないがしっかりと味付けされた焼き物の|塩《えん》|味《み》をラムネの爽やかな甘味で和らげ、また塩味を楽しむ。
UDCの一心不乱に食べる姿が、嗅覚と聴覚を刺激された彼らには、さらに魅力的に映っているようだ。
(「隣の芝生は青い、といいますからねぇ」)
とはいえ、これほどに強く五感を刺激されてはかなうまい。
エスパーたち(とアメリカン怪人)は、バーベキューに伸ばしていた手を止めて、猟兵とUDCを凝視している。
「お忘れですか?」
静かな蘭玲の言葉と眼光に、エスパーたちはびくりと身を震わせた。
焼くだけならどこでも何でもできる。しかし、醤油の焦げた匂いとともに食べるのは、他のアジア地域でも似たような調理法はあるだろうが、日本に住む者にとっては日本のものである。
無論、現代において入手の容易困難はあろうが、日本の食材は外国でも手に入ろう。
しかし、この「夏の空気」だけは日本でしか手に入らない、日本という文化そのものとさえ言えよう。
「日本の夏の風物詩、アメリカにはないですよ」
ああ。
風鈴の音が、あるいは祭りの賑わいが、またあるいは蝉時雨が幻に聞こえる──。
「本 当 に 手放しても、後悔しませんか?」
「すいません絶対後悔します!!」
「日本の夏最高です!!」
「ジャパニーズサマーイズビューティフル!」
念を押すように一音ずつ強調した問いに、エスパーたちとついでにアメリカン怪人は屈したのだった。
成功
🔵🔵🔴
アニタ・エヴァーフィールド
(全体的にテンションぶっちぎりです)
だ…駄目よぅ…!
お食事にお肉だけなんて絶対駄目!
お野菜、お魚、ご飯…それに飲み物…!
お食事はバランスよくないと駄目だわ!
駄目よぅー!!
ええ、ええ、白いご飯を用意するわ!とっても大きな炊飯器で!
パンもいいけど白いご飯が必要なの!
ユーベルコードのお茶はそうね、お肉に合うような…ディンブラ…ケニア…もちろんストレートで
あなたたちも、自分たちが作った料理が雑に食べられるのは嫌でしょう?(アメリカン怪人へ向けて)
「おにくおいしい」「あめりかんすごい」じゃないわ、美味しいご飯はバランスよく食べるものなの!
ぴゃあああああああああああああん!!!!(悲鳴)
戒道・蔵乃祐
えっ、どうしようかな…?
とりあえず、なるようになるでしょう、多分(楽観的)
一緒におにく食べます。う
まいうまい😋
実はショート動画で外国の方が大袈裟な調理器具で料理作る動画をぼんやり眺めるの結構好きなんです…本格的なバーベキューコンロだとやっぱり出来上がりが違うのかなあ
憧れのビーフ・ブリスケット・バーガーです
でもこの後が大変ですね…摂った糖と脂を燃焼しなければいけないので…
何?って何です?健全な精神は健全な肉体に宿るのはエスパーでも同じなんですよ。病死は克服しても、ボロボロの身体で寿命以外で死ぬことも出来ないのは生き地獄でしょう?
一緒にブートキャンプ頑張りましょうね😁
ダンベル何キロ持てますか?
肉肉しい肉の洪水。
「えっ、どうしようかな……? とりあえず、なるようになるでしょう、多分」
楽観的な独り言で頷く戒道・蔵乃祐(荒法師・f09466)。
失礼しますと一声かけて、近くのエスパーと一緒におにくを食べる。うまいうまい😋
気持ちのよい食いっぷりに、調理しているアメリカン怪人も嬉しそうだ。
「実はショート動画で外国の方が大袈裟な調理器具で料理作る動画をぼんやり眺めるの結構好きなんです……本格的なバーベキューコンロだとやっぱり出来上がりが違うのかなあ」
持ち運べるとは到底思えない、お店の什器くらいの大きさがあるグリルセットをじっと見てしまう。ロースターがついているだけでなく、スモークもできるやつだ。
見られていることに気づいたアメリカン怪人が、なかの肉の状態を確かめながら蔵乃祐に、何か気になるのかと聞いてくる。
これいくらぐらいしますかね? ジャパニーズ円だとこれぐらいネー。もし買うならこの店が|イニクスペシブ《inexpensive》ヨ。……なるほど!
などとやり取りしている間に、グリルから巨大な肉塊が現れた。
昨晩から準備して朝からずっと焼き続ける体力、持てる限りの技術、決して手を抜かぬ忍耐力をつぎ込み、最高傑作と力説されたその肉塊こそは、「バーベキューのエベレスト」と称されるビーフ・ブリスケット。
焼き立てと言いたいところだが、このビーフ・ブリスケットは長い時間をかけた後に寝かせて、肉汁をしっかりと染み込ませる。
そうしてようやく完成したものを、もちろんそのまま食べても美味い。巨大な肉塊を分厚くスライスし、あるいはじっくり時間をかけて柔らかく仕上げた肉をほぐして、滴り落ちた肉汁とソースをかける。
そこへ用意するのは、バンズ、バゲット、それともライ麦パン。チーズとピクルスは入れるも入れないもお好みで。
そうして完成したのが、憧れのビーフ・ブリスケット・バーガーです。
周囲のエスパーたちやアメリカン怪人も、彼の真似をして思い思いにサンドを作る。
「だ……駄目よぅ……!」
早速かぶりつこうとした彼らの耳に聞こえたのは、アニタ・エヴァーフィールド(さまよいゆくこころ・f26832)の震える声。
どうしたのかと訊くより先に、ビッとウサギ耳を揺らして、ぐっと拳を握りしめた。
「お食事にお肉だけなんて絶対駄目!」
はい。
…………はい?
「お野菜、お魚、ご飯……それに飲み物……! お食事はバランスよくないと駄目だわ!」
駄目よぅー!!
もはや絶叫である。
一応、主にポテトとビーンズだが野菜はある。魚介類も、片手で足りる種類しかないけどなくはない。ご飯は……ご飯はアメリカンじゃないので……。
しかしここは日本。そしてここにいるのは日本人(※オブリビオンは除く)。
ええ、ええ、白いご飯を用意するわ! とっても大きな炊飯器で!
どんっ!! とどこからともなく巨大な炊飯器を取り出しテーブルの上に置く。
「パンもいいけど白いご飯が必要なの!」
言いながら、丼によそったご飯の上によくほぐしたビーフ・ブリスケットをたっぷり乗せて、ネギをパラッと散らしたら温泉卵と白ごまをオン。
スライスだったらローストビーフ丼っぽくもできる。
「これ絶対美味しいやつ……」
「お肉とお米は最強……」
「ジャパニーズビーフドンブリイズパーフェクトフード……」
聖杯のごとく丼を掲げてから食らいつくエスパーたちとアメリカン怪人の食いっぷりに、満足げな笑みを浮かべる。
「お茶はそうね、お肉に合うような……ディンブラ……ケニア……もちろんストレートで」
アイスティーのほうがいいかしら、と思案しながら視線を移して、ふと目についた先。
「あなたたちも、自分たちが作った料理が雑に食べられるのは嫌でしょう?」
「「「えっ」」」
不意の問いに、アメリカン怪人たちの声が重なった。
そりゃまあ肉ばっかり食われるのもなー、美味い美味いって言ってもらえるのは嬉しいけどなー、それしか食ってもらえないのはなー。といったことを、互いに顔を見合わせてもそもそ交わす。
それを聞いたアニタは耳をぴくりと震わせ、再び声を張り上げた。
「「おにくおいしい」「あめりかんすごい」じゃないわ、美味しいご飯はバランスよく食べるものなの!」
ぴゃあああああああああああああん!!!!
渾身の悲鳴が響く。
とはいえ、彼女が用意したものもバランスをよくするとは言えないのは禁句である。でも美味しければOKです。
お肉! ご飯! お肉! お茶! お肉! ご飯! …………。…………?
お肉とご飯とお茶しかない……?
「もしかして私、美味しいに全振りしていたかしら……!?」
おかわりのご飯を丼によそいながらはっと気付くアニタ。
「でもこの後が大変ですね……摂った糖と脂を燃焼しなければいけないので……」
「え」
「何?」
今なんて言った?
一転して神妙な表情になる蔵乃祐に、聞こえた範囲の全員が彼を見た。
「何? って何です? 健全な精神は健全な肉体に宿るのはエスパーでも同じなんですよ。病死は克服しても、ボロボロの身体で寿命以外で死ぬことも出来ないのは生き地獄でしょう?」
全人類がエスパーとなったことで、寿命以外で死ぬことはなくなった。が、裏を返せばそれは「死なない」というだけで、肥満や高血圧、高コレステロール等々の「死なないけど健康に支障がある」症状については言及されない。
つまり、エスパーでも健康を気にしなくていけないわけではないのだ。アメリカン怪人は関係ないけどこの際一緒である。
「一緒にブートキャンプ頑張りましょうね😁」
「水分の提供は任せて!」
ユーベルコードではないティーポットを手に、アニタが声を張り上げる。
あっこれ逃げられないやつだ。
しかし一縷の望みをかけてそろりそろりと少しずつその場を離れようとした人々の肩に、がっしりとした手が置かれた。
かすれた悲鳴がこぼれるのを気にせず、笑顔で向けられた言葉。
「ダンベル何キロ持てますか?」
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
焼傍ヶ原・ヨネマ(サポート)
(連携・アドリブ歓迎、NG無し)
焼きそばを愛し、焼きそばの為に生きて、焼きそばで競う焼きそバトラー、それが私。
どんな相手でもどんな状況でもどんな世界でも、焼きそば1つで切り抜けるつもりよ
ユーベルコードは何を使ってもいいわ、焼きそば!焼きそば!戦闘・日常・冒険全て焼きそばを使うわよ
クローネ・マックローネ
NGなし、絡みOK、アドリブ歓迎
【SPD判定】
強調したい時は「★」を、それ以外の時は「♪」を語尾につけるよ♪
|バーベキュー《これ》を物理的に台無しにする、というのは個人的にはしたくないなぁ…♪
まずは正気に戻して、それから脱出したいと思わせた方が良いかな?
UCは『ワタシの心身広域回復術』★
このUCの効果で一時的にでも正気を取り戻させたら、香りで再度正気を失う前に【怪力/運搬/救助活動】でエスパー達を素早く引き剥がすよ♪
更に【コミュ力/言いくるめ/料理/救助活動】で脱出後に手料理を振舞うと約束して、ここを出る気にさせるね♪
可能なら、脱出後に使う用にここの食材や飲み物を外へ持ち出したいね♪
イヌイ・イヌバシリ
※絡み・アドリブ歓迎であります
わぁ、道中もいい匂いしてましたがこれは予想以上にアメリカ〜ン…野菜もあるけど大体ポテトでありますね…あっケーキが青い!?こっちは虹色!?
いやぁ|どうなること《誘惑に負ける》かと不安でしたが、若干食欲減退が勝ってるであります。
エスパーさん達はほっといても大丈夫では?と踏み、アメリカンコンドルに「今日のメインはコンドルの丸焼きであります!」的な、挑発には挑発で返すアメリカ〜ンな感じで乗りつつ。
オバチャンと違ってあのくらいの戦闘員でしたら自分でも相手出来そうですし一丁|闘《や》るでありますか!ご飯を食べたら運動もするでありますよ!カロリー消費の難しさを知れい!
ガーリックにジンジャー、ビネガー……それに様々なスパイスがブレンドされたソースが熱される香り。
「わぁ、道中もいい匂いしてましたがこれは予想以上にアメリカ〜ン……野菜もあるけど大体ポテトでありますね……あっケーキが青い!?こっちは虹色!?」
いやぁどうなること誘惑に負けるかと不安でしたが、若干食欲減退が勝ってるであります。
ほっとするイヌイだが、うっかりすると誘惑があっちからこっちから。
|バカデカチョコケーキ《デビルズケーキ》や|チョコクリームクッキーのドーナツ《フライドクッキー》、はたまた|スポンジにたっぷりべったりチョコクリームを塗りたくった塊《チョコケーキ》などが、激甘な香りをさせて迫ってくる。全部甘いな?
甘くないものでも、肉を焼いた時に滴り落ちた肉汁と混じり合ったソースをフライドポテトにつけたり、パンの上へ肉と一緒にマッシュポテトを乗せたり。
もちろんなかまで真っ赤なカップケーキや、独特な立体感のあるクリームケーキもある。
そんないろいろな料理を眺めて、クローネ・マックローネは思案する。
「|バーベキュー《これ》を物理的に台無しにする、というのは個人的にはしたくないなぁ……♪」
食べ物を悪用するのが悪いのであって、食べ物に罪はない。
「おにくおいしい」
「あれんじおいしい」
エスパーたちの視線は定まらず、しかし目の前の肉料理をしっかりと捉えているのを見て、アメリカンコンドルがニヤリと笑う。
「フフフ……ヤンキーエスパー戦闘員になれば、アメリカンフーズがたくさん食べられマスヨ!」
「わあいあめりかんだいすき」
「やんきーえすぱーになる」
「我々はあまり食べてませんケドネー」
平坦な調子で賛同するエスパーの言葉に、彼らに給仕しているアメリカン怪人がポツッと言った。
その様子を見て、イヌイはあることに気付く。
(「エスパーさん達はほっといても大丈夫では?」)
彼らは食事に集中というかそれ以外のことを考えられないようなので、範囲攻撃などを仕掛けなければ被害を受けることはあるまい。
普通の殴る蹴る程度であればダメージを受けることはないが、それがユーベルコードによるものであれば命に関わりかねない。今の洗脳されつつある状態であれば、無理矢理に引き剥がすのは得策ではないだろう。
「さあどうシマスカ、猟兵! 彼らがミーの手駒となるのは時間の問題デスヨ!」
「ふっふん、何がアメリカンフーズでありますか!」
すかさず言い返す。
「今日のメインはコンドルの丸焼きであります!」
挑発には挑発で返すイヌイ。ちなみに実際のコンドルは、動物の死肉を食べるため不衛生であり、食用に向いていないのでチャレンジしてはいけない。
挑発を受けたアメリカンコンドルは、チチチ、と指を振る。
「ダークネス……今はオブリビオンと言うのデスカ。何が何でも食べようとするのはムサシザカにもいたので、今さら怖くアリマセーン!」
「ひぇっ……食べられ慣れているでありますか!?」
「フード系ご当地怪人の宿命デース!」
さすがにヒト型のダークネスは食べていないと思う。
「|バット《しかし》、ミーに挑戦すると言うなら受けて立ちマショウ! 但し、ミーのところまで辿り着けたらデスケドネ!」
HAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHA!!!!
腹筋を使った高笑いが響き渡った。
(「まずは正気に戻して、それから脱出したいと思わせた方が良いかな?」)
イヌイがアメリカンコンドルの気を引いている間に、クローネはユーベルコードを
虚ろな様子で称賛しながら料理を食べていたエスパーたちが、ふっとその顔に精気を取り戻す。
「あ、あれ……?」
「何で食べてるんだ?」
「ちょっと胃もたれする……」
正気に返ったばかりで状況がよく掴めていない彼らを素早くバーベキューから引き剥がし、にこっと笑った。
「クローネちゃんのお願い、聞いてほしいな♪」
「え、えっと……?」
笑顔に困惑するエスパーたちに、情報量を絞って説明し、とにかく今はこの場にいるのはよくないと告げて、それから、
「ここから出たら、クローネちゃんの手料理をいっぱい食べさせてあげる★」
もちろんバーベキュー以外で、と言い添えると、曖昧な意識のままバーベキュー料理を食べ続けていたエスパーたちは、安堵と期待の混じった笑みで応えた。
「お肉以外はありがたいなあ……」
味付けの濃い肉料理を延々と食べ続けていた彼らにとって、それ以外の料理であることは胃にも舌にも心にもありがたい。
いくら美味しい料理でも、そればかりでは飽きるしつらくなってくる。
「Hmmm……そうはさせマセン! 食らえ、スパイシーバーベキュースメル!」
アメリカンコンドルの喝破とともに、アメリカン怪人たちがいっせいにコンロやロースターの上で焼かれる肉の香ばしい匂いを|ファイヤーブラスター《火吹き棒》などで吹き広げる。
その匂いを嗅いだエスパーたちの表情が再び茫洋としはじめ──。
「合意と見て宜しいですね」
不意に凛とした声が響き、ふわと香ばしい……焼きそばソースの薫りがした。
「ど、どちらさまでありますか!?」
突然の登場に驚くイヌイの前で箸が閃く。
「焼きそばを愛し、焼きそばの為に生きて、焼きそばで競う焼きそバトラー、それが私」
焼傍ヶ原・ヨネマ(生粋の焼きそバトラー・f42520)が、焼きそばのようにカールした焼きそば色の髪をふわりと背に払い、豊かな胸を張る。
「どんな相手でもどんな状況でもどんな世界でも、焼きそば1つで切り抜けるつもりよ」
「焼きそばってすごいんだね♪」
予想外の焼きそば活用法に感心するクローネ。
ともあれ、バーベキューの香りは焼きそばの薫りで抑えられるだろう。
「ダムン、イェーガー!」
「準備の手間と時間を無駄にされてたまるカ!」
「肉はオバチャンたちが斬ってくれたケドネ!」
妨害されたアメリカン怪人たちが殺気立ち、調理器具を離れて攻撃体勢へと移る。
その動向を注意深く見ていたイヌイは、敵の力量をはかりながら自身も構えた。
(「オバチャンと違ってあのくらいの戦闘員でしたら自分でも相手出来そうですし一丁|闘《や》るでありますか!」)
明らかな敵対に、オブリビオンが集まってくる。さほど強くはないと分かっていても、数が揃えば気が引き締まった。
「ご飯を食べたら運動もするでありますよ! カロリー消費の難しさを知れい!」
「そっくりそのまま返してヤル!」
武器でもあるらしい調理道具を振りかざして飛びかかってくるアメリカン怪人を軽くいなし、
「これを、」
「ギャッ!」
俊速の爪撃!
「こうして」
「グワッ!」
渾身のキック!
そして!
「……こう!」
「アバーッ!」
全力の噛みつき!
「とどめの焼きそば!」
「焼きそばとはいったいーッ!」
ヨネマの一撃に倒れた。
なるほど確かに強くないが、油断はできない。
猟兵とオブリビオンの戦いにエスパーを巻き込まないように注意して誘導し、
(「可能なら、脱出後に使う用にここの食材や飲み物を外へ持ち出したいね♪」)
そう考えて素早く周囲の状況を確かめると、調理器具だけでなく、食材を保管するための様々な収納、小さいものはクーラーボックスであったり、大きいものは頑丈そうな折りたたみコンテナや冷蔵ケースであったりといったものが置かれている。
小さいものなら自分たちにも持てるとのエスパーたちの申し出を受け、脱出の際には頼むと伝えた。
「さて……じゃあ、あとはボスを倒すだけだね♪」
笑みを浮かべるクローネの宣告に、アメリカンコンドルもまた笑みで返すのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
第3章 ボス戦
『アメリカンコンドル』
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POW : 空母『スイミングコンドル2世』
レベル×1体の【アメリカンご当地怪人】を召喚する。[アメリカンご当地怪人]は【アメリカ】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。
SPD : フューチャーインサイダー
【まるで未来を見て来たかのように】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ : ブラックマンデーリーマンショック
【胸のドルマーク】から【ブラックマンデー光線】を放ち、自身からレベルm半径内の敵の【預貯金を破壊して、精神】だけを攻撃する。
イラスト:キリタチ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●|アメリカンコンドルは倒れず《Make American Great Again》
(バーベキューによる)煙が晴れていく。
そんなに充満していた覚えはないが、とにかく煙が晴れた後に、腕組みをしたアメリカンコンドルが猟兵たちを迎えた。
「OK、|猟兵《Jaeger》! ここからはフェイタルバトルといきマショウ!」
ニヤリと笑い、バッと翼を広げる。
気がつけば、いつの間にかアメリカン怪人もバーベキュー関連の器具も綺麗に片付けられている。
洗脳されかけていたエスパーたちは、部屋の隅で、本来このパーティ会場に置かれていたであろうテーブルや椅子といった家具で囲われ、囚われているというよりは避難とかそんな感じである。
ブレイズゲートの外へ逃がすことはしなくても、エスパーたちを人質に取るということはないようだ。
「サマーフェスタはともかく、マッスルプリーズされては、ただでさえ暑いジャパンサマーが暑苦しくなってシマイマス! なので、普通のバトルデスヨ!」
「なんかごめん」
でも屋内でバーベキューやるのも暑いと思うんだ。
フフフと笑い、アメリカンコンドルが胸を張ると、ドルマークがなお輝く。
「ミーが勝てば世界征服のリスタート、ユーたちが勝てばバーベキューの材料をプレゼントしてやりマース! グリルやロースターもフォーユー!」
対等な条件ではないが、かつてのようにご当地怪人という組織そのものと敵対しているわけではないこの場にあっては、アメリカンコンドルを倒したからとこれ以上の進展は見込めないだろう。
猟兵たちにとっては、未知の領域であるブレイズゲートの探索。それが目的である。
ともあれ、|オブリビオン《復活ダークネス》もブレイズゲートも放っておくことはできない。
そのためにも、今目の前の敵を倒さなければ。
李・蘭玲
※八極拳は蹴撃×
GHQ解体後にポツダム宣言は通りません
戦争裁判の決議も不要、ここで終わらせますよ
まず出現するアメリカ怪人に説きます
皆さん、先ほどから英語で話してますが…それ英国発祥ですよね?
アメリカンを主張するなら、ネイティブアメリカの言語を使うもの…本当にアメリカ怪人なのですか?
突っ込まれようと呆然としようと関係なく、全員UCでぶっ飛ばします
拳。拳こそが正義です
アメドルさん、あなたもです
あなたは近代アメリカを象徴しても、ネイティブではない
アメリカのご当地怪人なら… 母 国 語 話せますよね?
彼は特別に六合大槍でしばきましょう、これが中●国の歴史と伝統の重みです
ご当地にこそ歴史あり…ですよ?
戒道・蔵乃祐
スイミングコンドル2世じゃねーか
完成度たけーなオイ
|鯨並みの《アームストロング砲》!(ロック万とかSa六sとかコーブラーーみたいなポーズ)
突如脳内に溢れるHEYSAYの記憶
リメイクブームか!
さあ!仕切り直しやアメリカンメンドリクン!!|ターキーーー《 おにくおいしかったね! 》
◆限界跳躍・業蹴撃
グローバルジャスティスと命運を共にした五大ご当地幹部でしたね
その無念は如何程であったか
未だ大首領復活の兆しは見えませんが、ご当地怪人の結束はとても強固だ
幾度蘇ろうとも、何度でも骸の海に送り返しましょう
グラップル+乱れ撃ちで取り巻きを蹴散らし、限界突破+ジャンプからの重量攻撃
見様見真似ご当地キックです!
アニタ・エヴァーフィールド
世界征服…!
知っているわ、すごく手間とお金がかかるのよね…?
かつて|軍拡競争《チキンレース》の時代では、あんまりお金がかかりすぎて、大国から転落してしまった国もあると聞くわ…
えっと…(思案)…悪いひと!
私は強くないから、他の人のお手伝いね
紅茶の時間で動きを鈍らせ鎧砕きで防御力を削ぎながら、属性を与えた魔法剣で2回攻撃をして、確実にダメージを与えられるよう頑張るわ
攻撃は時計を盾にして受け止めたり、避けられないなら覚悟を決めて、オーラ防御で身を守りながらランスチャージで突破を試みるの
それにしても、アメリカンってわりとふんわりした定義よね…
でも私たちも、台湾ラーメンとかトルコライスとか言うものね…?
ずず、ず。と、巨大な影が現れる。
屋内にあるには異様なそれ……ご当地空母に、蔵乃祐が息を呑んだ。
「スイミングコンドル2世じゃねーか、完成度たけーなオイ」
|鯨並みの《アームストロング砲》!
腕を高く掲げる蔵乃祐に、アメリカンコンドルが苦い顔で制止した。
「HEYHEYHEYHEY、いろいろ引っかかりそうなアレコレは勘弁してクダサーイ!」
巨大な空母から現れるアメリカン怪人たちも、「ソーリー、現れて早々に偉い人からお叱りを受けるのはノーサンキュー……」という反応だ。
突如脳内に溢れるHEYSAYの記憶。いやちょっとその前に足を突っ込んでいた気もするけども。
ちなみに彼のオマージュの初出はすべて前の時代である。えっ嘘……。
リメイクブームか!
「さあ! 仕切り直しやアメリカンメンドリクン!! |ターキーーー《おにくおいしかったね!》」
「│Turkey《間抜け》と言ったことを後悔させてやるゼ!」
蔵乃祐の挑発に負けぬ大音声で喝破するアメリカンコンドルの声にびくりとして、アニタはふるりと頭を振る。
「世界征服……!」
そのキーワード。
「知っているわ、すごく手間とお金がかかるのよね……?」
「知識に偏りがないカ?」
まあ確かにそうなんだけども。
「かつて|軍拡競争《チキンレース》の時代では、あんまりお金がかかりすぎて、大国から転落してしまった国もあると聞くわ……」
「世界征服を目的にしているわけではなかったと思うデース」
世界の覇権を争ったという意味ではそうとも言えるかもしれないが。
「えっと……」
つまり、えっと。……えっと?
「……悪いひと!」
「ミーはアメリカンご当地幹部デスカラネ!」
フフンと得意げなアメリカンコンドルを見据え、蘭玲が宣告する。
「GHQ解体後にポツダム宣言は通りません。戦争裁判の決議も不要、ここで終わらせますよ」
歴史を繰り返す必要も、歴史に従う必要もないのだから。
「皆さん、先ほどから英語で話してますが……それ英国発祥ですよね?」
「Huh?」
蘭玲の問いにきょとんとするアメリカン怪人たち。
「アメリカンを主張するなら、ネイティブアメリカの言語を使うもの……本当にアメリカ怪人なのですか?」
「Hmmm……」
顎を撫でて首を傾げる。
彼らの出した反応は。
「一般に言うアメリカンとは、|アメリカ合衆国《ユナイテッド・ステイツ》成立以降を指すものダカラ、|英国英語《キングスイングリッシュ》か|米国英語《アメリカンイングリッシュ》で間違いないネー」
「そうでないナラ、最初にアメリカ大陸に到達した|スペイン語《スパニッシュ》ダナ」
「│待て待て《ウェイトウェイト》、現在のステイツに限定しなければフランス語も」
「そもそもネイティブ・アメリカンは民族という枠だけでなく氏族もあるカラ、厳密に定義するコトは」
意外に真面目な議論だった。
そんな喧々諤々と議論するオブリビオンへ向けて、蘭玲がすと腰を落とし身を引いてから拳を鋭く突き出す。狙われたアメリカン怪人は防御姿勢を取ったが、拳が当たると同時に周囲が破壊され、攻撃を受けた1体だけでなく数体を巻き込んでぶっ飛ばした。
「拳。拳こそが正義です」
「ひと、それを強引という! のだわ!」
キラリと義眼を光らせ宣言する蘭玲へ、ポットを持ったまま声を上げるアニタ。
オブリビオンから放たれた攻撃にぴゃっと悲鳴をこぼしながら、そっとポットへ手を添える。傾ければほろほろとこぼれ落ちる紅茶をカップに受け止めた。
さあどうぞ、紅茶を召し上がれ。そう促されて承諾する敵はない。
「アメドルさん、あなたもです」
「ム」
蘭玲に略して呼ばれたアメリカンコンドルは、その翼をばっと広げたまま猟兵を見据える。
「あなたは近代アメリカを象徴しても、ネイティブではない」
アメリカンコンドルのまとうアメリカン要素は、│星と縞模様《スターズアンドストライプス》、胸のドルマーク、翼のラウンデルマークなどなどだが、それらは近代に制定されたものばかりだ。
「アメリカのご当地怪人なら…… 母 国 語 話せますよね?」
じらりと睨めつける蘭玲に、アメリカンコンドルは腕を組んで胸を張る。
その問いにまるで動じていないことを表すように。
「ユーたちも日常的に英語を使うなら、ネイティブではないのにという矛盾がアル。そして逆に、学んでさえいれば、ネイティブではないのに使うことができるという理屈にナリマスネ?」
言って、それから「Haash yitʼéego éí tʼáá ákogi ádíínííł ńtʼééʼ?」と続けた。
蘭玲は応えず、身の丈の倍ほどもある長槍を振るう。襲いかかる爪撃を打ち払って素早く踏み込み喉を狙ったが、オブリビオンに身をかわして避けられる。
「グローバルジャスティスと命運を共にした五大ご当地幹部でしたね」
その無念は如何程であったか。
蔵乃祐が口にした、遠く、しかし忘れようもない名を耳にしたアメリカンコンドルは、わずかに口元を歪めた。
猟兵となった者のなかには、かの戦いの記録を知る者もいよう。かの『アメリカンコンドル』のことを知る者もいよう。
復活ダークネスであるこのアメリカンコンドルが、あの『アメリカンコンドル』と同じかは分からない。だが、その本質は変わるまい。
(「未だ大首領復活の兆しは見えませんが、ご当地怪人の結束はとても強固だ」)
その結束の象徴でもある、大首領グローバルジャスティスの復活に関する報告は未だないが、五大ご当地幹部は皆│復活ダークネス《オブリビオン》として復活している。
再び集結した上で結託されては、立ち向かうのは難しくなるだろう。
「幾度蘇ろうとも、何度でも骸の海に送り返しましょう」
ぐっと握った拳になお力を込めた。
そうはさせないとばかりに飛びかかってくるアメリカン怪人たちを掴み、組み伏せてから投げ飛ばす。
テンポよく攻撃を組み合わせて着実に敵を減らす蔵乃祐に感心してため息をつくアニタ。
「それにしても、アメリカンってわりとふんわりした定義よね……」
掲げた懐中時計で攻撃を防ぎ、
「でも私たちも、台湾ラーメンとかトルコライスとか言うものね………?」
反対の手で構えた剣を振るって少しでもダメージを与えようと奮戦するアニタに、アメリカンコンドルは鋭利な爪で斬りかかろうと迫る。
「そういうご当地怪人もいるとは思いマスが、ミーはアメリカのご当地幹部なので詳しくは知りマセンネ!」
「ぴゃっ!」
かろうじて避けられたのは、ユーベルコードの効果があるからだ。
「戦わないで、お茶でもどうかしら……!」
「ノーサンキュー!」
「ぴゃーん!」
お誘いのお返しに叩き込まれた一撃をギリギリで防ぐ。
そこへ、蔵乃祐の全体重を乗せた飛び蹴りが、アメリカンコンドルに突き刺さった。
「│勧 善 懲 悪 《見様見真似ご当地キック》!!」
「グヌゥッ!」
周囲ごと破壊する勢いにたまらずたたらを踏んだところを、蘭玲の槍撃が狙う。
「これが中●国の歴史と伝統の重みです。ご当地にこそ歴史あり……ですよ?」
深く食い込む穂先を押し返そうと掴みながら、アメリカンコンドルは吐き捨てた。
「我らご当地怪人が重んじるのは、歴史でも伝統でもナイのだ」
ご当地とは、そういうものではないのだ。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
クローネ・マックローネ
NGなし、絡みOK、アドリブ歓迎
【POW判定】
強調したい時は「★」を、それ以外の時は「♪」を語尾につけるよ♪
ふっふっふ…言ったね?
こちらが勝てたら食材をプレゼントすると♪
よぅし、絶対勝ってやるからね!
UCは『クローネちゃんのご当地大好きなお友達★』★
こちらは日本のご当地怪人を召喚するよ♪
【ご当地パワー/武器から光線/範囲攻撃】技能によるご当地ビームやご当地名産品による【範囲攻撃】で戦うね♪
クローネちゃんは長ドスによる【切断】攻撃とネクロオーブによる【エネルギー弾】攻撃を使い分けて戦うよ♪
敵の攻撃は【鉄壁/硬化/オーラ防御/回復力/激痛耐性】で耐えるね♪
「シット! なかなかやりマスネ!」
負傷を受け舌打ちするアメリカンコンドルに、クローネが笑みを深くする。
「ふっふっふ……言ったね? こちらが勝てたら食材をプレゼントすると♪」
かなりの数の|食材処理要員《オバチャン》がいたことから、その量は十二分にあるだろう。また、用意された器具類の豊富さからも、鮮度管理も申し分ないに違いない。
それをプレゼントすると、このご当地幹部は言った。
自分の言葉を疑うのかと言わんばかりに、アメリカンコンドルは星条旗の胸を張る。
「ミーが嘘をつく理由はナッシング! ケチなことも言いマセン、フードもシーズニングもひとつ残らず持って帰りナサイ!」
「よぅし、絶対勝ってやるからね!」
宣言同士がぶつかり合い、アメリカンご当地怪人たちが身構える。
猟兵はいかなる攻撃手段を用意しているのか。無数にも思える視線を受け止めて、クローネはふふんと笑った。
「ご当地大好きな子達を紹介するね♪ クローネちゃんのご当地大好きなお友達★」
彼女の周囲に現れたご当地怪人たちは、アメリカンコンドルの従えるご当地怪人がアメリカンであるように、日本らしい特徴を備えている。
わずかな間、なにかを言いたげに見つめ、それからアメリカンご当地幹部は鋼鉄の翼を広げた。
「カモン、ジャパン! ミーのドリーム、ジャマはさせないデース!」
大呼一声、双方のご当地怪人が同時に攻撃を仕掛ける。
「食らえ!」
日本ご当地怪人のご当地の象徴をかたどったマークからビームが放たれ、アメリカンご当地怪人が武器を掲げて弾く。他方、アメリカンご当地怪人の繰り出す攻撃を、日本ご当地怪人が振るったご当地名産品で受け流した。
「おっと♪」
ご当地怪人同士の戦いのなか、隙を狙って仕掛けられた一撃を、オーラ防御で防ぐクローネ。手にした長ドスを持ち替えて斬り伏せると、畳み掛けるように襲いかかる敵へエネルギー弾を撃ち懸ける。
アメリカンコンドルもまた、アメリカンご当地怪人へ攻撃を仕掛ける日本ご当地怪人を、その翼で薙ぎ払い胸からビームを叩きつけた。
剣戟繰り広げられる間を縫って移動するクローネは、人ひとり分より広く開いた空間で踏み込み、
「ごめんね♪」
「ワッツ!?」
手近なアメリカンご当地怪人を踏み台にして、一息に距離を縮める。
アメリカンコンドルは、向かってくる猟兵から目をそらさない。
「いっくよー★」
「来い、|猟兵《イェーガー》!」
言葉とは裏腹に、クローネが刃光鋭く一閃を振り抜く。アメリカンコンドルの鋭い爪ががづっと掴み取り、地面に叩きつけた。全身への衝撃に、ひゅ、と短く息を吐いてかすかに身悶えたが、激痛に耐えすぐに体勢を整える。
わずかな遅れを狙ったアメリカンコンドルが追撃をかけるのを避け、ネクロオーブに力を込める。撃ち出された光弾を翼で防がれると同時に、長ドスを構えて攻め掛けた。
日本ご当地怪人が彼女の支援に入り、攻撃を防ぐ妨害をする。無論戦闘力はご当地幹部の比ではなくすぐに無力化されるが、猟兵の攻撃を通すには充分だ。
アメリカンコンドルを守ろうと間に入ってきたアメリカンご当地怪人をやり過ごし、その敵を組み伏せる日本ご当地怪人に後を任せて再度目標を定める。
「ミーのドリームをジャマするなら、何度でもビートオフしてやりマース!」
誇り高きアメリカの象徴が傷つきながらも、アメリカンご当地幹部は言い放つ。
だが、決して倒せない相手ではない。
成功
🔵🔵🔴
瑠璃・やどり(サポート)
『いっくよー!』
人狼の白虎拳士 × 降魔拳伝承者
普段の口調は「快活(私、~君、なの、よ、なんだね、なの?)」
考えるより行動するタイプ。
元気に戦場を駆け回り、ハンマー「双喜」を振り回して攻撃。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。アドリブ・連携歓迎。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
アニタ・エヴァーフィールド
夢。そうね、|夢《ドリーム》…
私も、みんなも、果てしない夢を持ってる
この世界で、あなたの夢はどうなるのかしら?
私は強くないから、他の人のお手伝いね
紅茶の時間で動きを鈍らせ鎧砕きで防御力を削ぎながら、属性を与えた魔法剣で2回攻撃をして、確実にダメージを与えられるよう頑張るわ
攻撃は時計を盾にして受け止めたり、避けられないなら覚悟を決めて、オーラ防御で身を守りながらランスチャージで突破を試みるの
ずっと、ずっと憧れて願ってきたのよね
…でもやっぱりね、その|夢《サイキックハーツ》は、叶ってはいけないと思うわ
傷を負ってなお強い意志を宿すアメリカンコンドルの姿を前にして、アニタはそっと息をつく。
「夢。そうね、|夢《ドリーム》……」
かつて、このダークネスはただひとつの夢を抱いて戦い、灼滅者の前に立ちはだかった。
それは到底灼滅者には許容できないものであったが、しかし同時に、彼らご当地怪人にとってそれは悲願であった。
互いに相容れないその夢を譲らないために戦ったのだ。
「私も、みんなも、果てしない夢を持ってる」
そして、叶えるためには途方もない道をゆかなければならない。
「ユーのドリームが何であろうと、ミーのドリームのジャマはさせない」
アメリカンコンドルの宣言に、武器を構えて猟兵は頷いた。
それはこちらも同じだと。
「この世界で、あなたの夢はどうなるのかしら?」
かつてとは違う、この世界で。
「いっくよー!」
はつらつとした声が弾け、合図となる。
飛び出した瑠璃・やどり(チャイナウルフガール・f03550)が、打出の小槌風の大きなハンマーを、敵目掛けて思いっきり振り抜く。
アメリカンコンドルの周囲にアメリカンご当地怪人たちが集まって立ちはだかり、あるものは彼女の攻撃を防ぎ、あるものはその隙をついて攻撃を仕掛けようと襲いかかった。
「わっと!」
同時に仕掛けられ思わずたたらを踏むやどりの前で、アニタが柔らかな紅茶の香りをまとわせて跳躍する。
「アメリカにも、紅茶はあったわね……いえ、海に飲ませるのではなくて」
「|How do you like me now《パーティは終わりデース》!」
彼女の抱えるティーポットから滴り落ちる紅茶を薙ぎ払い、アメリカンコンドルは素早く、しかしその動きは鈍りながら爪で抉りかかる。
ぽんとティーポットを放して凶爪をウサギ時計で受け止め、距離を取ると同時に、アメリカンご当地怪人の妨害を振り払ったやどりの放つ強打がアメリカンコンドルを狙い撃った。
「シット……!」
吐き捨ててかわそうとするが、武器を持ち替えたアニタの煌刃に追われ避けきれない。すっごいパワーを乗せて繰り出された打撃は、アメリカンコンドルの臓腑に容赦なくダメージを叩き込む。
攻撃を予想し、回避することはできる。できるが、アニタのユーベルコードによって行動が鈍り、回避しきる結果に至れない。
ごぶ、と咳き込み、アメリカンコンドルは猟兵を睥睨する。濁った苦鳴を吐くご当地幹部を守ろうと、アメリカンご当地怪人たちが走り寄ろうとするのを、猟兵たちの攻撃が追い払い打ちのめす。
魔法剣を両手でしっかりと構えて、アニタはアメリカンコンドルを見つめた。
「ずっと、ずっと憧れて願ってきたのよね」
いつかは叶うと信じていたそれは、|果てしない夢《アメリカンドリーム》。
「……でもやっぱりね、その|夢《サイキックハーツ》は、叶ってはいけないと思うわ」
ぐ、っと強く踏み込み迷わずに振り抜いた一閃を、やどりの双喜が次いで打ち抜く。
直撃を受けた|復活ダークネス《オブリビオン》は、衝撃でぐらりとその姿勢を崩し、
「……栄光、あれ……!!」
絞り出した声が風に散るともに、その姿がざらと崩れて消えていった。
支配者を失ったブレイズゲートは、その特異性を失い元の廃ホテルへと戻っていく。
オブリビオンの出現は今しばらくはないだろうが、無謀な探索者を寄せつけないために念入りに封じて、猟兵たちは廃墟を後にするのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴