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ブレイズゲートは突然に。

#サイキックハーツ #ブレイズゲート #ご当地怪人

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#ブレイズゲート
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●怖いぞオバチャン。
 神奈川県某所。具体的には、海が見えそうで見えない、バブルの頃には賑わったけど令和の時代にはすっかり廃墟と化したホテルのパーティ会場で、笑い声が響く。
「HAHAHAHAHAHAHA!!!! アイルビーバック、ジャパン!! ここがミーのサクセスストーリーのリスタートポイントデース!!」
 英語混じりと言うか日本語混じりと言うかの哄笑。
 復活ダークネス改めオブリビオンとなったご当地アメリカン怪人、そのご当地幹部であるアメリカンコンドルは、白煙と……肉の焼けるいい匂いをまとっている。
 その背後には、バーベキューの機材やら食器やら調味料やらが大量に用意されており、周囲にはアメリカっぽい特徴を持った怪人たちが忙しそうに動き回っていた。
「エスパーをこのブレイズゲートにおびき寄せ洗脳して戦力を増やし、そしてワールドイズマイン……フッフッフ、パーフェクト!」
 拳を振り上げたその時、だんッ!! と鈍く激しい音とともにまな板へ巨大な包丁が叩きつけられた。
 切断された豚の首が壁にぶつかり落ちて転がるのを気にもせず、下手人たちは思い思いに得物を振るっては豚だの鶏だのをぶった斬り、あるいはマグロやサケなども斬り分けている。
 どうやら、食材の処理中らしい。
「うるっさいねえ! あんたもぶった斬られたいようだね!」
「オバチャンたちは準備で忙しいんだ!」
「さっさと|斬るもの《肉》を用意しな!」
 凶気じみた表情で怒鳴る集団は、よくよく見ると皆同じ姿をしていた。
 一見するとちょっと癖の強い中年女性だが、巨大な包丁を手にするその姿は血にまみれている。
 その禍々しさは、アメリカンコンドルの比ではない。
「Oh……ジャパニーズオバチャン怖いデース……どうしてこんなのがミーの……」
「何か言ったかい!?」
「オバチャンじゃ不満そうだね!」
 血と脂に濡れぬらりと光る包丁が、ご当地怪人へと向けられた。
「|SAY, AAAAAAAAGGGGGGGGHHHHHHHH《悲鳴を上げな》!!!!!!!!」
「|GYYYYYYYYYYYYAAAAAAAAAAAAAAAA《何でそうなりマスカ》!!!!!!!!!!!!」

●アメリカンコンドルは今のところ無事です。
「はい、こんにちは。今回は、オバチャンを倒してアメリカンバーベキューを阻止してアメリカン成敗をしてもらいたいの」
 ふんわりとほほえみ、白嶺・調音(ホワイトリッジ・f43856)が猟兵たちに告げる。
 なんて?
「みんな、ブレイズゲートは知っているかしら? ええと、そうね……かんたんに言えば、ダンジョンみたいなものなのだけど。それがね、神奈川県にあるホテルの廃墟で突然発生してしまうの。そんなに大きくはないけど、注意しないといけないかしら」
 かつての時代、「ブレイズゲート」と呼ばれる、様々な異常現象に覆われたダークネスのはびこる迷宮化建造物があった。
 これは2028年10月末にはすべて消滅すると考えられているが、今、オブリビオンによって「突発的なブレイズゲートの発生」が引き起こされることが予知された。
「だけどね、そのブレイズゲートの内部がどのような状況になっているのかについては、ちょっとよく分からないの。元々、ブレイズゲートってそうした性質を持つものらしいのだけど、うまく予知できなくてごめんなさいね」
 心から申し訳なさそうに詫びる調音。
 確かなことは、オブリビオンはこのブレイズゲートを利用して「何らかの企み」を成そうとしていること、そしてこいつを倒せばブレイズゲートは消滅することである。
「そのオブリビオンの企みとはね。この世界の一般人、エスパーの人たちを「ヤンキーエスパー戦闘員」に洗脳して」
「いや、ヤンキーエスパー戦闘員ってなに?」
 説明を遮る至極もっともな疑問に、調音はそうねえ、と視線を彷徨わせ、
「まず、ご当地怪人という敵から説明するわね。これは、その名の通りご当地のご当地パワー……ガイアパワーを操って、いろいろ悪いことをしていい感じに計画を進めて最終的には世界征服を狙っているの」
「|ご当地パワー《ガイアパワー》」
「はい。それで、みんなに倒してほしいのは、アメリカンガイアパワーを操るアメリカのご当地幹部、アメリカンコンドルです」
 はいこれ、と差し出した資料にあるその写真。
 コンドルの頭を持ち、星条旗っぽい服装(?)に、胸に輝くドルマーク。
「すごく……アメリカでドルでコンドルだね」
「なのです!」
 複雑な表情を浮かべる猟兵に、うふふっと笑う。
「それで、エスパーの人たちをアメリカ的な言動の「ヤンキーエスパー戦闘員」に洗脳する事件を起こしてしまうんですって」
 アメリカンコンドルは、このブレイズゲートのなかで儀式を行い、エスパーたちをおびき寄せて洗脳し、「ヤンキーエスパー戦闘員」にしてしまう。
 猟兵の皆にはこれを阻止してもらいたいが、その儀式の場へたどり着く途中には、殺人を繰り返し殺戮技術の研鑽を高める六六六人衆、オバチャンが無数に存在する。
 襲いかかるオバチャンをしのいで儀式の場、パーティ会場へたどり着くと、そこではアメリカンコンドルが主催しアメリカン怪人が給仕したり色々するアメリカンバーベキューが行われており、おびき寄せられたエスパーがすでに何人かそこにいるので、彼らに被害が出ないように注意しながら倒してほしい。
「エスパーの人たちはちょっと洗脳されかかっているけれど、会話は通じるから、説得すれば言うことを聞いてくれると思う。オバチャンはいないから、アメリカン怪人をなんとかして儀式……というか、ヤンキーエスパー戦闘員化の阻止をお願いするわね」
「ちなみにバーベキューの食材って普通のもの?」
「普通の食材で、普通に食べられるものよ。もちろんアメリカンに調理されているわ」
 なるほど。
 そして儀式を阻止すれば、アメリカンコンドルとの一騎打ちである。
「アメリカンコンドルはご当地幹部として力のある存在で、その危険度は作戦級……大規模な軍勢を率いて事件を起こす可能性がある。コミカルに見えても油断ができない相手だから、充分に備えてね」
 少しだけ険しい表情を浮かべ、それから祈るように胸に手を当て、グリモア猟兵はゆっくりと頭を下げた。
「それじゃあ、いってらっしゃい。気をつけて帰ってきてね」


鈴木リョウジ
 こんにちは、鈴木です。
 今回お届けするのは、ブレイズゲート探索。

●新たに発生するブレイズゲート
 かつての時代、様々な異常現象に覆われたダークネスはびこる迷宮化建造物は「ブレイズゲート」と総称されていました。
 これらのブレイズゲートは2028年10月末にはすべて消滅すると考えられているのですが、今、オブリビオンによって「突発的なブレイズゲートの発生」が引き起こされることが予知されました。
 ですが、突如として発生した小さなブレイズゲートの内部がどのような状況になっているのかについては、一切の予知が得られていません。元々、ブレイズゲートとはそうした性質を持つもののようです。
 確かなことは、オブリビオンはこのブレイズゲートを利用して「何らかの企み」を成そうとしていること、そしてこれを倒せばブレイズゲートは消滅することです。

 第1章【集団戦】ブレイズゲートと化した廃ホテルの迷宮に踏み込むと、殺人を繰り返し殺戮技術の研鑽を高める、六六六人衆のオバチャンの群れが、あちこちから現れ襲いかかってきます。活きのいい肉に群がるオバチャンたちをなんとかして突破してください。
 第2章【冒険】アメリカンコンドルの狙いである、エスパーをアメリカ的な言動の「ヤンキーエスパー戦闘員」に洗脳する儀式の場、パーティ会場では、おびき寄せられたエスパーたちを相手に、アメリカンバーベキューが盛大に行われています。雑用係をしているアメリカン怪人は、さほど強くありません。プレイング中に「倒す」などの文言が一言でもあれば倒せます。
 第3章【ボス戦】アメリカンご当地怪人であり、アメリカンご当地幹部である、アメリカンコンドルとの戦いです。アメリカンコンドルを倒せばブレイズゲートは消滅します。

 それでは、よろしくお願いいたします。
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第1章 集団戦 『オバチャン』

POW   :    オバチャンが死ねって言ったら死にな!
レベルm半径内に【無味無臭のサイキック毒】を放ち、命中した敵から【生命力】を奪う。範囲内が暗闇なら威力3倍。
SPD   :    オバチャン、ナメられるのが一番嫌いなんだよねえ
敵を【出刃包丁】で攻撃する。その強さは、自分や仲間が取得した🔴の総数に比例する。
WIZ   :    オバチャンはどこにでもいるのさ!
【ギャッハハハハハ!という不快な笑い声】と共に、同じ世界にいる任意の味方の元に出現(テレポート)する。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●ブレイズゲート探索の、その一歩
 そこは、一見ただの廃ホテルであった。
 かつては優美な建物であっただろうに、今は窓が割れ、壁の装飾は崩れ、一階部分を鬱蒼とした草木や蔓が覆ってている。
 しかし、触れれば外れ落ちそうなその玄関扉の向こうでは、復活ダークネス……いや、オブリビオンが待ち構えているのだ。
 猟兵たちは互いに顔を見合わせ、探索の準備と心構えを済ませたことを確認すると、注意深く玄関扉を押し開き──。
「おや、若い|子《肉》が来たようだね!」
「なんだい、元気がないじゃないかい!」
「オバチャン、湿っぽいのは嫌いだよ!」
 四方からけたたましい声がしたと思った次の瞬間、猟兵たちの周囲に一種独特な存在がいっせいに現れた。
 その姿を例えるなら、というか、もうそれそのものなのだが、ド派手なオバチャンである。
 普通のホテルであれば、玄関扉を入ってすぐにロビーやフロントカウンターといったものがあるはずだが、さして広くない空間には得体の知れないものが乱雑に積まれたカートが行く手を塞ぐようにいくつもあったり、常軌を逸した密度で扉が並んでいる。
 つながる先もわからない扉の前に立つオバチャンの群れは、どこもそこもド派手という他ないその容姿のなかで、ひときわ目を引く巨大な包丁を、指差すように振り上げる。
「さっきから斬るのが豚だの鶏だのばっかりでうんざりしていたんだ。ここらでそろそろ人間をぶった斬りたいねえ!!」
 凶悪な要望に、猟兵たちは得物を向けて拒絶を示した。
 外見からは想像できない迷宮……ブレイズゲートと化した廃ホテルでの戦いが、始まる。