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吸血妃譚・第一夜~死村の聖女

#ダークセイヴァー #吸血妃譚

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#吸血妃譚


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●プロローグ
「……行った、かしら」
 瓦礫の隙間から様子を伺い、彼女は僅かに胸を撫で下ろした。
 まだ危険が去った訳ではないが、とりあえず火急の事態は免れたようだ。
「お姉ちゃん……」
「大丈夫。ヴァンパイア達はいなくなったわ」
 不安そうな子供たちを安心させるように、彼女は優しく微笑みを浮かべる。
(でも……)
 脅威は一旦去った、と言うだけの事。そのうちまた、戻ってくるだろう。
 この場に留まり続けるのは危険すぎる……だが、だからといって、この隠れ場所を抜け出して、逃げ切れるとも思えない。
 諦めて街を立ち去ってくれるのを願うしかないが、それも、望みは薄そうだ。
「きっと、助かるわ。だから、もう少し、頑張りましょうね」
 子供たちを勇気づけるように言いながら、しかし、その言葉を一番信じられないのは彼女自身だ。無垢な信頼を寄せてくれる子供たちに心の痛みを覚えながら、彼女はそれでも、希望を口にし続ける。
 ――この世界のどこにも、希望などないのに。

●グリモアベースにて
「やあやあ猟兵諸君。くるるちゃんの召集に集まってくれて感謝するねっ」
 グリモアベースに集まった猟兵達を前に腕を広げ、鏡繰・くるる(属性過積載型バーチャル男の娘・f00144)は愛らしい笑顔と共に元気よく切り出した。
「今回は、ダークセイヴァーに行って、ヴァンパイアの企みを阻止して欲しい」
 人類がオブリビオンに敗北し、ヴァンパイアに支配される世界、ダークセイヴァー。そのヴァンパイアの一人が、数十人ほどの村人が住む小さな村を滅ぼした。
「ところが、その滅んだ村で、ヴァンパイアはまだ何かを探してるみたいなんだ。もしかしたら、生存者がいるのかもしれない」
 なぜ、ヴァンパイアがその村に執着しているのかは分からないが、もし生存者がいるならば、助け出さなくてはならないだろう。
「とりあえず、今はヴァンパイア達は一旦村を去っているみたいだけど……戻ってくるのは時間の問題だよ。だから、その前に、村を探索して、ヴァンパイアが探している何かを見つけ出してほしい」

「探索の注意点だけど……もし生存者がいたとしたら、多分、強く警戒しているんじゃないかな」
 ダークセイヴァーにおいて、猟兵の存在は全く知られていない。急に村に猟兵達が現れたとしても、「ヴァンパイアの仲間かもしれない」と思われるのは間違いないだろう。探し出すにしても、呼びかけるだけでは出て来てくれない可能性が高い。見つけ出した後も、生存者の疑いを晴らし、信頼を得るのは重要だ。
 そこまで説明した後、くるるは一旦言葉を切って、静かに目を閉じる。
「あと……ヴァンパイアに殺された犠牲者の死体は、まだその辺に転がされてるからね。出来れば、埋葬してあげると良いと思う」

 さて。何かを見つける事が出来たとして……村に滞在し続ければ、戻ってきたヴァンパイア達との遭遇は免れない。
「まず最初は、レッサーヴァンパイア……ヴァンパイアに血を吸われて後天的に吸血鬼になった奴らが襲ってくると思う」
 知性はほとんどないが、狂乱状態に陥る事で、集団敵としてはかなり高い戦闘能力を発揮する。勝てない相手ではないが、油断はならないだろう。
 また、死体を同族に変える力を持っているので、犠牲者の埋葬が済んでいない場合は、それを用いて数を増やしてくる可能性がある。

「レッサーヴァンパイアを倒せば、その主であるヴァンパイアが姿を現すんじゃないかな」
 ヴァンパイアとしては、さほど格は高くない。とはいえ、レッサー達に比べれば遥かに強く、数十本の刀剣を生み出して攻防に使ってくる。
 また、血の誓約書によって相手の動きを封じ、その隙に刀剣で全身を串刺しにする、という戦法を得意とするようだ。
「そうそう、もし何か考えがあれば、なぜこの村に執着しているのか、聞き出して見るのも良いかも知れないね」
 もちろん、ただ聞いて素直に話してくれる筈もない。何らかの話術が必要となるだろう。

「と、説明はこんな所かな。ただ……これは予知って言うより、ボクの勘ではあるんだけど」
 くるるは少し真剣な表情で考え込む。
「これは……何か大きな事件に繋がる幕開けになるかもしれない。そんな予感がするんだ。勘、だけどね」
 そこまで言ってからすぐに表情を切り替え、わざとらしいほど可愛い笑みを浮かべると、くるるは猟兵達を見渡す。
「まあ、とにかく今は目先の事を考えよう。ばっちり解決してきてね。良い知らせを待ってるよ」


一二三四五六
 さあ、ダークセイヴァーを舞台にしたキャンペーンの、幕開けです。

 ごきげんよう。一度やってみたかった。一二三四五六です。

 本作は、一二三による連作シナリオ「吸血妃譚」シリーズの第一話となります。
 完結後、ストーリーの繋がる続編を公開する予定ですが、本シナリオだけでも「生存者を救出してヴァンパイアを倒す」と言う当面の事件は解決しますので、二話以降の参加は必須ではありません。逆に、本シナリオに参加せずとも、二話以降に参加する事は可能です。

 第一章の冒険『廃村に潜む影』はシュトフテア・ラルカ(伽藍洞の機械人形・f02512)さん、第二章の集団戦『レッサーヴァンパイア』はリーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)さんの宿敵です。投稿ありがとうございます。
 第三章の『ヴァンパイア』は山田さんのヤツです。

 補足。
 オープニング冒頭『●プロローグ』の部分は、いわゆるプレイヤー情報(キャラクターは知らない)です。それを踏まえた上でプレイングをかけましょう。参考にするのは全く問題ありません。
 第一章、WIZ選択肢の『情報をもたらした者を探して話を聞く』は、『生存者の信頼を得る』的な感じに読み替えてください。まあ大事なのは能力値ではなくプレイングなので、WIZが低いから信頼を得られない訳ではありません。
 第三章、ヴァンパイアに対する情報の聞き出しは、プレイングで具体的な手段を用いて行ってください。言いくるめやコミュ力等のスキルは、その手段の助けにはなりますが、スキルだけで聞き出す事は出来ません。逆に手段が良ければスキルは不要です。
 何も思いつかなければ、普通に戦って倒してしまっても、何の問題もありません。ここで情報を聞き出さなかったからと言って、何か致命的な問題が発生する事は無いのでご安心を。

 それでは、皆様のプレイングを楽しみにお待ちしております。
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第1章 冒険 『廃村に潜む影』

POW   :    邪魔な瓦礫などを撤去して痕跡を探す。

SPD   :    足跡や何かを動かした跡などを探して調査する。

WIZ   :    情報をもたらした者を探して話を聞く。

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

デナイル・ヒステリカル
オブリビオンが執着する『何か』
万が一ということもあります
先の戦争のように、オブリビオン・フォーミュラに繋がる要素なのかもしれない
無視することはできません

情報がほしい。
疑心暗鬼になっている人に対して、僕から何かを語りかけ信頼を得ようとするのならば、それは誠意の外には思い付きませんね
しかし初対面の人が猟兵を信頼してくれるでしょうか?

妙案が思い付くまでは、犠牲となった人の遺体を埋葬することに注力しましょう
あくまで何かしらの案を構築するまでの一時的な行動で他意はありません
祈りの一つでも唱えられれば良かったのですが、僕にそのプログラムは存在しません

僕は僕が出来ることに専念しましょう
※アドリブ連携歓迎です


ソフィア・ウェスタ
生存者がいたとしても警戒してる……うーん、どーしたもんかなー。
私、話術には自信ないから、会話で信頼を得るってのは苦手なのよね。
そうなると態度で示さなきゃってなるけど……

まあとりあえず、誰かいませんかーって呼びかけはして見ようかな。敵じゃないことを主張しても出てきてくれないんだろうけど。

もし誰か見つけて、その人が怪我をしてるようなら、生まれながらの光で治療しようかなって。


犠牲者の遺体の埋葬は、信頼してもらえてから、村の人と一緒にやりたいな。勝手に知り合いの遺体をいじられたくはないだろうし……


木目・一葉
ヴァンパイア自ら小さな村を滅ぼすとは妙な話だ
奴らに生存者が見つかると危険だ
だからこそ慎重にいこう

【SPD】
・準備
小さな村だ
自給自足に限りがあるから行商と交流していた筈
この村付近を通りかかる行商に【コミュ力】で村の噂や重要人物のことを聞き出し【情報収集】しておく

・村到着
準備の情報から重要人物の家が凡そ分かるなら、そこから調査だ
敵が諦めたことから瓦礫か物置の中だろう
更に障害物で塞がれた為に敵の触れた痕跡がなく、尚且つその前に人の足跡や何か引き摺られた跡(血痕も含む)がある箇所を【失せ物探し】で探す
生存者を発見したら、警戒されてるだろうから先に包帯など応急処置品を彼らの前に置き、あとは味方へ知らせる


龍ヶ崎・紅音
アドリブ・絡み歓迎

【POW】

私の【怪力】で瓦礫を撤去しながら痕跡を探しておくよ。もし、生存者を見つけたら警戒させないように声をかけるよ。けがで歩けないひとがいたらおんぶなどで安全な場所に運んでおくよ。それでますます警戒が薄まればいいけどね…。

あと、死体は見つけ次第埋葬して、弔いの白い花を供えておくね
それにしてもひどい……。いつか、敵を取ってあげるからね…。

ドラゴンランスの「ホムラ」は生存者を怖がらせないように槍の形態に変化させといて持っておくね。


イデアール・モラクス
普通に考えれば我が愛しき故郷ダークセイヴァーの日常に過ぎぬ事件…だが、グリモア猟兵が何かを感じているならば常ならぬ何かがあるのだろう。
クク…楽しみだ。

・信用を得て情報を得る
UC【愛欲の軍勢】を用いて数多の騎士、魔術師や神官を引き連れて村に向かう。
「誰ぞ生存者はおらぬか!
我が名はイデアール、救世騎士団の長である」
というレジスタンスのフリをして村の片付けと生存者捜索を騎士達にさせ、信頼を得るよう仕向ける。
「生き残りがいたか…何があった?
この村には何がある?」
『全力魔法・属性攻撃・高速詠唱』で【神聖属性の治癒魔法】を使い生存者を治療しながら『誘惑』の力で魅了しながら情報収集してみよう。

※アドリブ歓迎


カイム・クローバー
生存者?ヴァンパイアが襲った村に?んー…けど、人間を見下してるような連中だぜ?必死になって生き残りを探すとは思えねーが…。
【S】
ま、言われた通りに生存者の線が濃いってんで、そっちで調べてみるかな。【追跡】【忍び足】技能とUCの使用。生存者が生きてるなら何らかの痕跡があるはずだ。足跡、隠れることが出来そうな場所、食料品などがありそうな場所なら長期の滞在も可能とは思うが…水の不足は深刻だろう。
懐柔って訳じゃないが水ぐらいなら携帯食料と共に持ってる。生存者がいるなら【コミュ力】使って渡すぜ。ジョークの一つでも言って場を和ませれれば良いが。
俺は便利屋BlackJack。猟兵だ。ヴァンパイアを狩りに来た


オリヴィア・ローゼンタール
既に起こってしまった惨劇……
生存者がいるのならば、ひとりでも多く助けましょう

【守護霊獣の召喚】で獅子を召喚し【騎乗】
獅子の機動力で駆け回って生存者やその痕跡を探す
気紛れな吸血鬼のこと、いつ戻ってくるやもしれません
可能な限り探し回りましょう

倒壊具合などでどちらから襲撃されたか、逃げるならどこへ、など被害者視点で考える
瓦礫の飛び散っている方向から考えて、こちらから攻撃が加えられ……
ここから火の手が上がったとすれば、反対側に逃れるとして……

発見したら【怪力】【救助活動】を駆使しながら【優しさ】も忘れないように
空腹の子供がいれば携帯保存食を分け与えます
毒が入っていないことの証明に半分ほど齧ってみせます


弥久・銀花
【POW】
とりあえず、瓦礫とか撤去して痕跡を探しがてら新しく建物を建築しやすくしておきましょう……。

生存者の人が居たら、例え廃墟でも自分の家を勝手に撤去されると憤慨するのでしょうけど、廃墟なんて住めないし崩れたら危ないですからね。

【怪力17】のスキルで廃墟を解体して、まだ使えそうな木材や釘、家財などと、焼けたりしてもう駄目な物とに分けて置いて置きます。

一番無事そうな建物の傍に使えそうな物を積んで大きな布に蝋とか油を塗って被せて置けば、何時か誰かが村を再興しようとした時に役立つでしょう。




(アドリブ、他の人との絡み、大きな負傷やピンチシーン歓迎です)


アイ・リスパー
「滅ぼされた村ですか。
これがこの世界の日常なのですね……」

やりきれない思いを感じながらも、現実をしっかりと見つめます。

「もし生存者がいるならば、ヴァンパイアが戻る前に保護しなければ」

ヴァンパイアの探し物というのも気になりますが、人の命より大切な宝はありません。

電脳空間から『偵察用ドローン』を召喚して、生存者を驚かせないように高空からの望遠モードで探索させますね。

生存者を発見したら、すぐに向かいます。

「えっと、私は怪しいものではありませんよっ」

と言っても信じてもらえないですよね。

「えと、あめ玉くらいしか持ってませんが、食べます?」

落ち着いてくれたら、何が起こったのかを聞き込みましょう。


日和見・カナタ
依頼を解決したら余った時間でお宝探しをしようかなーと思ってましたけど、それどころでは無いみたいですね。
既に被害が出てしまっているのは口惜しいですが、生存者が居るなら放っておく訳にはいきません。
すぐに助けに行ってヴァンパイア達の魔の手から守りましょう!

村に着いたら【ガジェットドローン】と【ミニマム・アナライザー】で探索を始めますね!
村にあるものや生存者の場所など得られた情報を他の方と共有していきます!

説得は…不甲斐ないですけど私には出来なさそうなので、埋葬のお手伝いをしましょうか。
【ガジェットショータイム】で出した機材を使って埋葬用の穴や墓石の準備をしておきますよ!


アリーシャ・マクファーソン
ヴァンパイア共の犠牲者がここにも……やるせないわね。
待っていなさい。直ぐに仇を地獄に落としてあげるわ。

【POW】
ここはそのうち戦場になる。
場を整えつつ、生存者の捜索をしましょうか。

まずは死者を弔いましょう。
瓦礫や邪魔な土を【氷雪之茨鞭】を使って撤去しましょうか。
氷の棺に死者の骸を収めて、土を被せましょう。
もしすぐに天に召されないというなら、少しそこで待っていなさいな。
憎きヴァンパイアのそっ首が飛ぶところを、特等席で見れるわよ。

死者の埋葬が終わったら、瓦礫をどけて出来た場所を捜索してみましょうか。
警戒を解く手段?……目の前で腕を切って、赤い血でも流して見せれば同じ人間だと分かってくれるかしらね。


ユーリ・ヴォルフ
アドリブ絡み大歓迎です

ダークセイヴァーは友人の故郷と聞いている
これほど重苦しい世界で生きてきたとは…
犠牲者には十字を切り黙祷し
踏み荒らされない場所を探し埋葬
もう少し早く訪れることが出来たならば
救う事が出来たのだろうか…?胸が痛いな

「吸血鬼の探し物」が生存者である可能性を考慮し
『聞き耳』で音に注意し
崩壊した家屋や人が隠れやすそうな場所にアタリをつけ瓦礫をどかし探索

生存者と会えたら
距離を保ったまま両掌に炎を生み出し話しかけよう
「私はどちらかというと…ヴァンパイアハンターだ。
貴方がたを守護させてはもらえないだろうか?」
私は異国の地の守護者。力持たぬ者が襲われようとしているのならば放っては置けないのだ


露木・鬼燈
んー、生存者の捜索だけだったら難しくはないけどね。
問題はその後だよね。
いー感じに接触して信頼を得ないといけない。
…状況的に結構厳しいよね。
まぁ、見つけないことには始まらない。
秘伝忍法、結。
30㎝程度のこれなら狭い所にも入れるからね。
で、見つけたら近づいて…どうしよう?
呼びかけるだけじゃダメっぽい?
まぁ、そうだよね。
んー、やっぱりお腹空いてるよね?
とゆーことで、料理なのです。
生活魔法を駆使して手早く作るっぽい。
シチューにパリッと焼いたベーコン。
これにパンとラクレットチーズも付けちゃうのです。
まぁ、その気になるまで気長に待つです。
待ってる間に他の猟兵も集まるだろうしね。
説得してくれてもいいんだよ?


月宮・ユイ
滅ぼされた村ですか…
いえ、今は過去を見ている場合ではありませんね
とはいえ生存者が居たとしても、口下手の私では言葉で説得するのは難しいでしょうね
ここは決して傷つけるために来たのではない、と行動で示しましょう

”世界知識、怪力、優しさ、祈り”
【人形劇団】:女性型。ベールで顔隠し簡素な喪服にローブ姿。スコップ
[デバイス、道具袋]:棺桶とお花と用意
知識とお墓を見て埋葬方法確認。人形に手伝わせつつ方法に合わせ犠牲者の方を埋葬
時間があれば【楽園箱庭】内で再生修復したい所ですが…
野晒のままでは忍びなく、加え吸血鬼達に利用されるなんて嫌ですから
「安らかな眠りがありますように…」

アレンジアドリブ・絡み協力歓迎


リーヴァルディ・カーライル
…ん。何か大きな事件の前兆と感じるグリモア猟兵…。
私のする事に何も変わりはないけど、頭の片隅に置いておこう。

微弱な生命力を吸収する魔力を周囲に放つ範囲攻撃の呪詛(非殺傷)で生存者を探す
第六感と暗視を頼りに痕跡を見切り、捜索する

…ん。そこの瓦礫の中にいる。勘だけど…。

首尾良く生存者を発見したら説得
魔方陣を刻んだ小石を瓦礫の中に転がして、
【常夜の鍵】の説明をして瓦礫の外に同じ魔法陣を作成
少しでも信じて良いと思ったら石に触れてこちらな来て欲しいと告げて、彼らの行動を待つ

私達は猟兵。吸血鬼や魔獣を狩る者よ…。

…貴女達を助けに来たの。
怪しい人間を警戒する気持ちは分かるけど、どうかこの手を取って欲しい…。


仁科・恭介
※アドリブ歓迎

【SPD】
襲われた村で闇雲にに捜すのは高率が悪いと思い、【従順なる影達】を放つ。
追跡させるのは(我慢している)【吸血】欲求による猟兵以外の血の気配。(【失せ物探し】)
生存者が居るなら、怯えて居るなら、温かいが震えているような血の匂いがするはずだと。
複数固まって居るなら更に強くなるはずと。

上手く反応して生存者を見つけられたら、他の猟兵に精神ケアを依頼する。(活性化した【吸血】欲求を静める必要があるため)
「流石に目が真紅と茶色に変わるのは怖いよね」

ヒットせず蹂躙した村人達に反応したら、死体を調べ表情や攻撃の痕、死体の年齢から何か関連が無いかを調べたあと、できる限り多くの死体を埋葬する


ティオレンシア・シーディア
※アドリブ掛け合い絡み大歓迎

…このテのことが珍しくないどころか日常茶飯事ってあたり、つくづくこの世界詰みかけてるわねぇ。
ま、ホントに詰ませないためにあたしたちがいるんだけど。

正直あたし探し物ってあんまり得意じゃないし、埋葬のほうに回ろうかしらねぇ。
〇暗視・第六感・力溜めとか活用して作業するわぁ。瓦礫の下敷きになって亡くなってる人もいるだろうし。
ついでにどっちの方角から来たかとかどこを重点的に探したかとか〇情報収集できたらいいわねぇ。

生存者見つけたら…どうしようかしらねぇ?
キャラメルでも渡してお話しようかしらぁ?
〇コミュ力活用できたらいいけど…あたし結構初対面だと胡散臭いって言われるのよねぇ…


四季乃・瑠璃
【ダブル】で分身

生存者と吸血鬼が探していたというものの捜索を実施。
二人で邪魔な瓦礫を火力を加減しながら爆破する等して撤去しながら探すよ。一応、確認した後も、巻き込み防止に逐一爆破前に「爆破するから隠れてる人がいたら出て来てね~」と声掛けしてから爆破し、痕跡等を探すよ。

生存者が見つかったら、多分、壊滅からロクなもの食べてないと思うし、UDCアースから持ち込んだ水とチョコレートバー(高栄養食品)、レトルトだけど暖かいスープをあげて、毛布を掛けてあげるよ。一応、台車二台分、二人で分けて物質を用意してきたから足りると思うけど…。
生存者が落ち着いたら、何があったのかとか教えて貰おうかな。

※アドリブ等歓迎


フランチェスカ・ヴァレンタイン
【WIZ】行動

「汝らの御魂に安らかなる癒しのあらんことを――」

他の方と協力して犠牲者の死体を弔いつつ、昔取った杵柄ではありますが聖句を捧げて冥福を祈りましょう
よもや今になって改めて神職の真似事をする機会があるとは思いませんでしたわね
神なるモノではなく、天に還る魂の安息に対しての祈りではありますが――鎮魂は必要でしょうし、ね

生存者に対しては、そうですわね…… たまには容姿を活かしてみましょうか
この世界であればこう、翼を広げて優しげに微笑みかければ天の御使いに見えたりするのではないかと
後光を差すよな感じでUCを限定展開すればより完璧だと思うのですけれど……警戒、解けますかね?

※アドリブ・絡み大歓迎


フラウロス・ハウレス
蓮(f10083)と。

ふん……ここにも吸血鬼の影、か。
どこに行っても晴れぬ霧ばかりだな。
地道に吸血鬼を探すのもやむを得ぬか。どれ、妾も力を貸そう。

周囲に気を張りながら、瓦礫を片付けていこう。
生存者を見つけたとして、それが吸血鬼に知れては厄介だ。
隠れ場所を奪うのは気が引けなくもないが……こうしていても埒は開かないのでな。
「ここにも居らぬ、か。なれば次だ」

見つけたとしても、蓮など他の猟兵らで安全が保たれるまではいなかったフリをしてやろう。
「……フン、ここもハズレか。そろそろ奴の情報を待つとするか」

安全が確保できたら救助しよう。
「大きな声は出すなよ?」
助け出したら情報を聞き出す……のは他に任せる。


結城・蓮
フラウロス(f08151)と参加だ。

また吸血鬼か。
どうにもキミといると吸血鬼騒動が多いね、血風姫?
ま、仕方あるまい。ボクはボクなりに動いてみよう。

フラウロスと別れて、痕跡を探しながら村を駆け回ろう。
死体を見かけたときは村の真ん中にでも纏めておく。
埋葬するにも火葬するにも、一箇所の方が楽だろう。

足跡や息遣いなどの痕跡を見かけたらゆっくり歩み寄る。
説得班がいるなら説得は任せて周囲の警戒をするが、説得班が居なければボクが説得に当たろう。
「おっと、そんなに警戒しなくても大丈夫だよ。
そうだね、キミにはお花をあげようか。何もない所から、ほら。
ボク達はキミ達の味方さ。だから、良かったら話を聞かせてくれる?」



「これがこの世界の日常なのですね……」
 アイが抱いた、やりきれない思い。それは、少なからず他の猟兵達も抱いている思いだろう。
 その村は、ほんの少し前まで人が住んでいた気配を残し――そして、その『人』が、あちらこちらに倒れ、その身を冷たい風に晒している。そんな、この世界ではよくある光景を描いていた。
「でも、もし生存者がいるならば、ヴァンパイアが戻る前に保護しなければ」
「ええ。既に被害が出てしまっているのは口惜しいですが……助けられる命は助けたいです」
 アイと、そしてカナタも、村内にドローンを飛ばして探索する。それが映し出すのは、さらに多くの、物言わぬ死体。
「お宝探しなんてする余裕、なさそうです。気分にもなれませんけど」
 陰鬱な光景に、ため息を漏らすカナタ。冒険とお宝を好み、未知に心を躍らせる少女にとっても、この光景は心を沈ませるばかりだ。
「まあ、これもわが愛しき故郷では、よくある光景に過ぎぬよ」
 しかしイデアールにとっては、そんな光景も日常。無論好ましいとは思わないが、今更心を大きく揺さぶられる事はない。
「まあとはいえ、今回は常ならぬ何かがあるのだろうが。クク、楽しみだ」
 グリモア猟兵が抱いたその予感。それを思って笑みを浮かべた魔女は、下腹の紋を輝かせる。
「まあ、そのためにも、まずは生存者を探さねばな。そぉら、出番だぞ、わが軍勢よ!」
 呼び起こすは、契りを結んだ男達の霊。愛欲の騎士達を従え、探索を開始する。
「秘伝忍法、結。これで手早く探せるっぽい!」
 人海戦術を取るのは鬼燈もだ。己の分身を呼び、村へと放つ。
「こんなにいるんだから、生存者の捜索だけだったら難しくはないよね」
 楽観を口にする鬼燈。もっともその楽観は捜索に限った話であり、その後を思えば表情は真剣に引き締まる。

「人間を見下してるような連中が、必死になって生き残りを探すとは思えねーが……」
「吸血鬼は気まぐれですからね。いつ戻ってくるやもしれませんし、なるべく急いで探さなくては」
 カイムとオリヴィアは、痕跡の方面から探索場所を絞り込んでいく。黄金に輝く獅子の上、周囲を見渡すオリヴィア。
「この辺りは建物の破壊も酷いですね。逃げるとしたら別方向でしょうか」
「そうだな。ある程度大きな建物の方が避難場所には良いかと思ったが。これじゃあ隠れ場所もなさそうだ」
 カイムは、己の分身と手分けして瓦礫の下を伺い、地下室のようなものもない事を確認する。
「まあ、避難するなら水や食料も必要だ。ある程度、場所は限られてくるよな」
「それに、戦闘の起こった場所を推測すれば……あら?」
 そうして探索を続けていると、瓦礫を前に考え込む一葉と出会った。近づいてきた2人に気づき、顔をあげる。
「ああ。見てくれ、ひどい有様だろう」
 水を向けられてその瓦礫を見れば、確かに、他の建物より破壊の度合いがさらに酷い。念入りに、と言う言葉が良く似合う。
 加えて、瓦礫も退かされ、探索された痕がある。
「これは……」
「僕がやったんじゃない。来た時には最初からこうなっていたよ」
 つまりこれは、ヴァンパイア達がやった事だ。
「事前に、村の情報を集めてから来たんだけどね。ここには、教会が建っていたらしい」
「教会、ですか」
 シスターとして心を痛めるオリヴィア。それと同時に一つの推論も頭に浮かぶ。
「ヴァンパイアらしく、神を憎んでいた、とも取れますが……」
「ああ。それにしては、探索が念入りにすぎる。破壊だけなら分かるんだがな」
 当然、誰が見てもここにもうなにもない。その確証を得るために、これほど徹底した、としか考えられない。
「さっき村長の家も見てきたが、ここまでじゃなかった」
「つまり……」
 カイムも同じ考えに辿り着き、それを口にする。
「ヴァンパイアどもの求める『何か』は教会に関係している……って事か」
「その可能性は高そうだ。そして、未だ探索を続けている所を見れば、まだそれは見つかっていない、と」
 結論付けると、探索を再開すべく動き出す一葉。
「そうですね。もし吸血鬼が教会を目当てにしていたなら……むしろ教会から離れた所の方に隠れている可能性が高そうですね」
「よし、じゃあ村の反対側を探してみるとしよう」
 オリヴィアとカイムも頷き、探索を再開する。
「ここまで破壊する位執着しているのなら……生存者がいた場合、奴らに見つかるのは特に危険だからな。早く見つけないと」
 一葉も、頭の中の村の地図を確かめながら、走り出す。

「さあ、新鮮な血の臭いを探してね」
 ある程度探索すべき場所を絞り込むと、猟兵達はそこに捜索を集中し始めた。恭介は狼の影を呼び出し、臭いを嗅がせて探る。
「っ……ふぅ……流石にこれだけ血の臭いが多いと紛らわしいな」
 辺りにはまだ死体が転がっている。狼の鼻が鋭敏でも、そこから目当ての血の臭いを探すのはなかなか難しい。
「それでも……こっちの方、な気がする」
 だが、死者の血と生者の血では、大きな違いがある。
 ――吸いたくなるかどうか。
「っ……!」
 一瞬、茶色の瞳が紅く染まった。すぐに、溢れる吸血衝動を抑えるように首を振る。
「大丈夫……?」
「う……うん、大丈夫」
 声をかけるリーヴァルディの首筋すら魅力的な餌に感じ……必死に自分を鎮める。
「これじゃあ、生存者と出会っても、怖がらせちゃうよね……」
 だが、その衝動を完全に抑えきっても、血の臭いを嗅ぎ分けられない。表に出し、けれど溺れないように。意志を強く持ち、己を律する。
「あまり無理は、しない方が……ん」
 気遣っていたリーヴァだが、ふとその顔を上げる。その手に浮かべた紅い陣を翳して、意識を集中する。
「今……確かに……」
 そこから広げるのは、呪詛の力。微弱な生命力を吸収する魔力で、その対象を探査していく。
 無論、本当に生命力を吸ってしまっては元も子もない。効果を限りなく0に近づけ、薄く、薄く引き伸ばす。
「ん。そこの瓦礫の山の下にいる。勘だけど……」
「……っ。私もそう思う……ごめん、後は任せるよ」
 無垢で、無力な血の臭いに、吸血衝動が最大限に達した恭介。どうしてか、いつも以上に血の魅力を感じると、耐えられず、その場を全力で離れる。
「うん、十分……やっぱり瓦礫の中だね」
 その様子は、リーヴァの呪詛の裏付けとなる。確かに、ここに生存者がいる。
「よし。誰かいませんかー! ……やっぱり返事はないか」
 ソフィアがダメ元で大声で呼びかけるが、何も帰って来ない。
「って言うか、そもそも出て来れないんじゃないですかね、これ」
「あー……ありそう」
 銀花と瑠璃が口にする通り、そこにある瓦礫は相当に量も多い。中に空間があると考えても、隠れていると言うよりは、埋もれていると言った有様だ。
「まあ、だからこそ見つからなかったんだろうけど。無茶するなー」
「逆に言うと、そうでもしないと見つかっちゃうって状況だったんじゃないかな?」
 緋瑪が推測するにおそらく、中に避難した後、外から別の村人が瓦礫を崩したのだろう。そして紅音が推測するように、そんな無茶までする必要があったのだ。
「ふむ。なれば我らで瓦礫を撤去せねばなるまいな。やむを得ぬ、妾も力を貸そう」
「家主さんには悪いですけど、これ以上崩れたら危ないですしね」
 フラウロスと銀花が言うように、瓦礫の撤去に移る猟兵達。常人より力の強い者も多いため、撤去は比較的スムーズに進む。
「……と、言っても、この量は流石に多いなぁ」
 建物一つ分の瓦礫だ。思わずぼやく紅音を見ると、それなら、と懐を探る緋瑪。
「よし、じゃあ……爆破しよう!」
「ええっ、大丈夫なの?」
 慌てる紅音だが、緋瑪は、そして瑠璃も自信満々だ。
「一応プロだからね、中に被害が出ないように表面だけ爆破すれば、スムーズに進むと思う」
「多少手荒だけど、ヴァンパイアがいつ帰って来るかも分からないから、早めに撤去しないとだしね」
 ――この場合のプロとは、爆発のプロではなく爆『殺』のプロなのだが、そこは口に出さないでおく。
「あまり大きすぎる音は出さぬようにな。爆音で吸血鬼に感づかれては厄介だ」
「うん、任せて。村の外には聞こえない程度に抑えるよ」
 フラウロスの言葉にも請け負うと、本体と分身、2人で手早く爆弾を設置していく。
「一応ー、出来れば壁から離れててくださいねー!」
 中に大声で呼びかけた後、爆破。多くの瓦礫が、砕け、吹き飛んだ。
「……こんな所かな。これ以上は、流石に中が危険だから無理」
「なら、あとは改めて力仕事ですね」
 よし、と気合を入れる銀花。一際大きな塊を、人狼の怪力でグッと気合を入れて持ち上げる。
「なぁに。この程度、力仕事のうちには入らん」
 フラウロスも、見た目は幼子だと言うのに、己の身の丈ほどもある岩塊すら持ち上げて見せた。
「隠れ場所を奪うのは気が引けなくもないが……こうしていても埒は開かないのでな。悪く思うでないぞ?」
 そうして改めて瓦礫を撤去していく猟兵達。それほど大きな瓦礫は、大半が砕け、撤去もよりスムーズに進む。
「さて……そろそろ何か出てきそうなものだけど」
「……あ」
 氷の茨鞭を巻き付けて、瓦礫を引きずり出すアリーシャ。と、先程から耳を澄ませていたユーリが、ピクリと反応する。
「そこだ。その瓦礫の下から、今、か細いが声がした」
「わかったわ、そこね?」
 指差された瓦礫をアリーシャが引きずり出すと……ようやく、中に隠された、地下室の階段に辿り着く。
「そ……それ以上、近づかないでください!」
 その階段の下。武器……と言うにはあまりに心許ない、おそらくは伐採用の斧を構えた一人のシスターが、子供たちを庇うように、猟兵達に立ちはだかった。

「えっと、私達は怪しいものではありませんよっ」
「そう、あなた達を助けに来たの!」
 警戒心を露わにするそのシスターに、アイと紅音が呼びかける。
「私達はヴァンパイアではない。どちらかというと……ヴァンパイアハンターだ」
 敵意の無い事を示すように、一定の距離を取って手を上げると、ゆっくりと警戒を解こうとするユーリ。
「我が名はイデアール、救世騎士団の長である」
「俺は便利屋BlackJack。猟兵だ。ヴァンパイアを狩りに来た」
 イデアールとカイムも立場を明確にし、信頼を得ようと試みる。
「貴方がたを守護させてはもらえないだろうか?」
「……信じられ、ません」
 だが、シスターはその警戒を崩さず、猟兵達を信用しない。いや――。
(信じたい、と言う気持ちは有るみたいですね)
 アイが推察したように、決して取り付く島もない、と言う訳でもない。
 まあ、当然だ。猟兵達が敵であれば、彼女達に身を守る術はない。現実的には、むしろ猟兵達を信じるしかないのだ。
(そう分かっていて、それでも、容易には信じられない……)
 それほどまでに世界に救いがないと。最初に感じたやるせなさを、より強く覚え、アイは表情を曇らせ……そして同時に、なんとしても助けたいと願う。
「あっ……大丈夫? その子、怪我をしてる」
 視線を巡らせていたソフィアが、それに気づいて声を上げた。シスターに庇われている子供たちの中に、一人、苦しげに横たわっている者がいる。
 一応、応急手当は施されているが、このような地下室の即席避難所に満足な治療道具はなく、身体も心も休まらない。
「私に、治療させて貰えないかな?」
「治療……ですか?」
 その言葉に、迷いを見せるシスター。それを見て取ると、ソフィアはそっと近づき、手をかざす。
「あっ……」
「大丈夫。見ていて」
 口はあまり上手い方ではない。信頼を得るためには行動で見せるしかない。聖痕を輝かせ、子供の傷を治療する。
「っ……聖者様……いえ、そんな……」
「あはは、そんな偉そうなものじゃないけどね」
 安らかな寝息を立て始める子供を見て、迷いを深めるシスター。ここが畳み掛ける所とみて、フランチェスカが歩み寄る。
「大丈夫ですわ。わたし達は、味方です」
「あ……」
 白翼を広げ、優しげに微笑むフランチェスカ。その身体は神霊の如く後光を輝かせ、光る羽毛を舞い散らせる。
 本来を言えばキマイラに過ぎないが……この世界において、その姿は別のものを想起させる。
「天使、様……?」
 呆然と呟き、シスターは斧を降ろす。
「……わかり、ました。ひとまずは、あなた方を信用します」
 未だ完全に信用出来ない所に、この世界の絶望の根深さを感じさせつつ……それでも大分警戒を緩めた姿に、猟兵達はひとまず胸を撫で下ろした。

 その地下室は狭く、多くの人間が入る事はできず……それどころか、子供たちだけですら狭く、避難生活には適さない。
 と言う事で、ひとまず地下室からは出て来た。見渡せば生存者は、シスターの他は子供ばかり、大人の生存者は見られない。
「村人さん達を埋葬させてもらっても、良いかな?」
「それは、私がやります、が……手伝って頂いても、良いでしょうが」
 ソフィアの提案に、少し考え込むシスター。様々なリスクを鑑みつつ、いつまでも死体を放置しておく訳にはいかない、自分の手で葬ってあげたいと言う想いや、子供たちに親の死体を見せたくないと言う懸念と天秤にかけて、頷きを返す。
「ありがとう」
「……いえ。お礼を言わなくてはならないのは、こちらの方です」
 礼を言う彼女の姿を、アイは横からそっと伺う。
(少しは、心を開いてくれたでしょうか?)
 シスターとて、猟兵達の好意はすでに理解している。それでも信じきれないのは、子供たちの命を預かったという責任感か。むしろ、信じられない事に罪悪感を持っているようにも見受けられる。
「なら、誠意は行動で示しましょうか」
 元より、ユイはあまり口を動かすのは得意ではない。喪服を纏った女性型の人形たちを呼び寄せると、死体を集めさせる。
「ここでの埋葬は、どうすればいいの?」
「そう、ですね、本来は火葬なのですが……」
 その間、そこは聞いておかねばならぬと、口下手なりに問いかけると、シスターも、それは答えなければと応じる。
「今は、燃料も、時間もありません。略式の埋葬としましょう」
 木で十字を組み、死体の脚に括り付ける。それは、単純に聖印としての意味合いと同時に、脚を封じる事で『現世に戻ってこないように』と言う祈りもあるらしい。
「なら、その十字架はこれで作りましょう」
 廃材を集めていた銀花が、その中から木材を見繕う。不幸中の幸い……と言うにはあまりに皮肉だが、何にせよ材料には事欠かない。
「復興……は、すぐには難しいかもしれませんけど。まあ、何かしらの役には、立てたいじゃないですか」
 すでに大人が一人しかいないこの村が再び蘇るのは不可能にせよ、ただヴァンパイアに壊されてそのまま、というのも気に食わない。
 木材以外もいずれ何かの役に立つはずと、使えそうなものは全て集めていく。
「今は無理でも、いつか、きっと……」
 それを成し遂げるには、本当に長い時が必要かもしれないけれど。それでもと、精力的に村を走り回っていく。
「お墓は……この辺りですか」
「大分、酷い……」
 墓地は……これから埋葬する分だけではなく、当然、元あった墓場も有ったのだが。これも当然と言うべきか、墓石は無残に破壊されている。
「このままにしておくには忍びないですね。私がなんとかしましょう」
「わかりました、じゃあ新しいお墓の用意は、こっちでしますね」
 壊された墓石の一つ一つを、生み出した箱庭に取り込んでいくユイ。その中で修復を始める。
 その間、カナタは巨大な蒸気機関つきスコップを生み出すと、墓穴を掘り進めていく。
「説得は……不甲斐ないですけど私には出来なさそうなので。せめて力仕事で役に立ちますよ」
「では、僕も手伝いましょう」
 デナイルも名乗りを上げ、一緒に墓穴を掘り進める。
「何かしら、気の利いた言葉でもプログラムされていればよかったのですが」
 バーチャルキャラクターである彼は、プログラムされた事しか出来ない……少なくともそう自認している。
 その中に、話術で信頼を得るなどと言うプログラムは入っていない。
「オブリビオンが執着する『何か』……先の戦争のように、オブリビオン・フォーミュラに繋がる要素なのかもしれない」
 そのような物が、そうそう出てくるとは思えない。それでも、万が一の懸念を、彼は捨てきれない。
「そうでなくとも、無視することはできません。……ですが、僕に信頼を得る方法はプログラムされていない」
 ゆえに、とにかく行動するしかない。
「僕のプログラムには、祈りの一つもありませんからね」
「そうですね。とにかく、自分に出来る事をやっていきましょう」
 それを申し訳ないと思う気持ちは、プログラムであるのかどうか。何であれ、黙々と穴を掘り続けるデナイル。
 カナタもそれを見て、スコップを操る義手に力をこめる。
「そのまま埋めるよりは……せめて、ね」
 アリーシャは、氷で棺を生み出していく。
「そうだな。少しでも安らかに眠って欲しいものだ」
「ひどい姿だものね……本当に、少しでも……」
 ユーリと紅音が、その棺に死体を収めていく。
 村人たちの死体についた傷は様々だ。剣で斬られた者、血を吸われ干からびた者、乱暴に力で肉体を引き千切られた者。
 共通しているのは、どれも無残な死を迎えている事、どれも絶望と苦痛に表情が歪んでいる事。
「友人の故郷と聞いていたが、これほど重苦しい世界とは、な……」
 やりきれなさを、胸の痛みを感じて俯くユーリ。
「もう少し早く訪れることが出来たならば、救う事が出来たのだろうか……?」
「言っても詮ない事、だわ」
 すでに、襲撃は起こり、死が振り撒かれた後。もし、は存在しない。
「まあ、でもそうは言っても……やるせないわね」
 棺を作り続けながら、首を振るアリーシャ。手を動かしていても、どこまでも気が重くなりそうだ。
 だからその代わりに、怒りを燃やす。理不尽な死を齎したヴァンパイア達への怒りを。
「待っていなさい。直ぐに仇を地獄に落としてあげるわ」
「うん。仇は、取ってあげるからね」
 その決意を確かに、紅音も強く槍を握る。その槍の正体である白銀の竜が、主と怒りを共有するように柄を揺らした。

「生存者は……やっぱりあの子達だけかしらぁ」
 村内を改めて探索し、別の生存者がいないかを探すティオレンシア。だが、命の気配は全く見受けられない。
「真っ先にあのシスターに子供だけを預けて、匿ってもらった……って所、みたいねぇ」
 シスターの態度や言葉を見ても、その推論は間違っていないだろう。そうして、大人達は子供たちから目を逸らすために各々逃げ回り……全て殺されたのだ。
「このテのことが珍しくないどころか日常茶飯事ってあたり、つくづくこの世界詰みかけてるわねぇ……うぁ」
 大きな瓦礫を退かすと、その下で潰れた死体を見つけた。その死者を悼みつつ、陰鬱な気分になってため息を漏らす。
「ま、ホントに詰ませないためにあたしたちがいるんだけど」
 猟兵として、その気持ちをより強くする。こんな悲劇がずっと繰り返される世界。そのままにはしておけない。
「それは、それとして……」
 もう1つ。それとは別の理由も、彼女の気分を少々重くする。
「あたしってそんなに、胡散臭いかしら……」
 大人びた美貌から口にした極甘のロリボイスに、子供たちが思わず怯えてしまったのを思い出して、はぁ、と深くため息を漏らした。

 そんな子供たちには、多くの猟兵達が持ってきた食事を配っていた。
 避難をはじめてからあまり食べ物を口にしていなかったようで、初めて見る猟兵を警戒しつつも、食欲が勝る。
 無論、シスターが『食べても構わない』と言ったがゆえの事で、彼らの、シスターに対する強い信頼も伺える。
「ほら、慌てて食べると喉につかえますよ?」
「大丈夫……ごほっ、ごほっ」
 オリヴィアの持ってきた保存食をがっつき、むせ返る少年。
「ああ、もう、ほら、だから……水を飲んでくださいな。ゆっくりと、ですよ」
「ごほっ、ごほっ……ふ、ふぅ……」
 ようやくひと心地ついた少年に優しく微笑みかけると、少年は少し顔を赤くする。
 優しく落ち着いた雰囲気、信頼する相手と同じシスターであるオリヴィアは、特に子供たちに懐かれていた。――特に少年に、と言うのと、彼女の大人っぽい身体つきは、決して無関係ではないだろう。
「クク……まあ、もう少し大きくなったら相手をしてやろう」
「は、はい……」
 だが、その証拠……というには、同様に少年の相手をするイデアールの姿は少々色気がすぎるか。彼女の蠱惑的な態度で、少年たちの将来は狂わないか心配である。
「……あめ玉、食べます?」
「うん、ありがとう、お姉ちゃん」
 彼らに持ってきた飴を配りつつ、ドギマギしてもらえないのは何だかとても複雑なアイである。いや、別に優しさに身体つきは要らない筈だ。
「ほら、もう少しで出来るから、ちゃんとお行儀良く待つっぽいー」
 その一方、少女達や、色気より食い気気味のもっと若い子供達は、鬼燈の創る料理に興味津々だ。
 具たくさんのあつあつシチューに、パリッと焼いた香ばしいベーコン。
「それに、この白パンに、とろっとろのラクレットチーズも付けちゃうのです!」
「「「おおー!」」」
 『お腹が空いているから』と言うより、この世界の小さな村の子供達にとっては、普通にご馳走そのものである。
「手際が良いな。良くこんな場所で、しかもそんな材料だけで、それだけの料理が作れるものだ」
「楽しく生きるためには、こういう生活に密着した魔法が大事っぽい!」
 感心するカイムに、デジタルデータの魔導書を見せて応える鬼燈。そこに記された生活に役立つ魔法を利用し、まるでキッチンのように、手際よく料理を作る。
「カイムさんと瑠璃さんたちも、材料を提供してくれてありがとー。僕の持ってきた分だけじゃ、みんなの分は用意出来なかったっぽい!」
「うん、足りてよかったよー」
 携帯食料と一緒に持ってきた毛布を配りながら応じる瑠璃と緋瑪。
「まあこういう場所じゃ必要だろうと思ったからな、役に立ってよかった。特に、飲み水に関しちゃ、不足したら命取りだ」
 カイムも応じながら、料理が出来るのを待つ少女の小さな姿に、自分の婚約者の事を思い出す。……いやロリコンではないと頭の中で否定し、そもそも今考える事ではないだろうと首を振る。
「……はい、出来たよー」
「わー!」
 すぐさま元気よく集まる子供たちに、鬼燈が手際よく配膳していく。

「修復完了……」
「お疲れ様です。こっちも全員、終わりました」
 子供たちが食事を取っている間に、埋葬作業も終わる。ユイが全ての墓石を修復して並べ終え、全ての棺を埋め終えたカナタが息を吐く。
「しかし、滅ぼされた村ですか……」
 作業を終えて手が空くと、どうしても余計な事を考えてしまうと首を振るユイ。
「今は過去を見ている場合ではありませんね」
「……そうですね、まだまだやる事はあります!」
 ユイの様子に、ことさら明るく励ますように言うカナタ。
「ついでにこっちも終わりましたよ」
 銀花も使えそうな廃材を集め終え、一箇所に集めて布を被せる。こうしておけばすぐにダメになる事はなく、何かしらの役には立つだろう。
「……ありがとうございます、皆さん」
 猟兵達の真摯な作業に、警戒をまた緩め、シスターは頭を下げる。
「鎮魂を、手伝わせて頂いても?」
「ええ、お願いします……天使様」
 フランチェスカの申し出も、容易に受け入れられた。それだけ、信頼を勝ち得たと言う事だろう。
 鎮魂の儀式を行うため、子供たちも墓場へと連れて来られる。
「大丈夫? 辛くない?」
「うん、平気……」
 先ほどソフィアが治癒した、一番怪我の重かった少年は、傷を癒やしても疲労は大分重く、紅音がおんぶしながら連れて来る。
「怪我が痛かったら遠慮せずに言ってね」
 当然ソフィアも彼を気遣いながら……あのままにしておいたら、遠からず死んでいた筈だと思うと、安堵と恐怖がないまぜになった気持ちを覚える。
「ありがとう、お姉ちゃんたち」
「ううん、良いのよ。このくらい、軽い軽い!」
 もっとも、あのままの状態で死んでいたのは、彼だけではあるまいが。
「絶対、守るからね……」
 だからこそ、もう、彼らを危険に晒すまいと、2人は決意を新たにする。

「それでは……別れの祈りを捧げましょう」
 子供たちと、そして猟兵達が見守る中、祈りを捧げるシスター。静謐な空気が流れる中で、彼女はフランチェスカに目配せを送る。
(よもや今になって、改めて神職の真似事をする機会があるとは思いませんでしたわね)
 それを受けたフランチェスカも歩み出て、聖句を紡ぎ始めた。
(昔取った杵柄ではありますが……冥福を祈らせて頂きましょう)
 過去の経験を思い出し……何より、今抱いている思いを真っ直ぐに。神を信じる事もできないほど、絶望的な世界ではあるが。せめて、天に還る魂の安息に対して、祈りを捧げる。
「汝らの御魂に安らかなる癒しのあらんことを――」
「「「あらんことを――」」」
 唱和し……それと同時に、子供たちのすすり泣く声が聞こえ始めた。
 先程までは元気に振る舞っていた彼らも、やはり、自分がどれほど過酷な状況に置かれているかは、理解していたのだろう。
 そして、それでも努めて明るく振る舞う様に――子供ですら、そうしなければならないこの世界の現状を思い、憂う。
 少しでも、彼らの後に幸いあるように。猟兵達は静かに、祈りを捧げる。

「花を供えても、いいかな?」
「私も……」
 紅音とユイの申し出に、シスターは快くうなずいた。
「もちろんです。是非」
「ありがとう」
 白い花を捧げ、改めて祈る2人。
「安らかな眠りがありますように……」
「でも、もしすぐに天に召されないというなら、少しそこで待っていても良いわよ」
 そんな人々の祈りとは逆のことを口にするアリーシャ。無論、彼らの事を思っていない訳ではない。
「憎きヴァンパイアの素っ首が飛ぶところを、特等席で見せてあげるから」
 むしろ、思っているからこそ、悪魔のように紅い瞳を輝かせ、苛烈な怒りとともに復讐の代行を口にする。
 ヴァンパイアを追いかけ、狩る。それだけが彼女の存在意義。そこに、村人達の復讐と言う思いが重なった事で、怒りはより強く滾る。
「そう、そのヴァンパイアだ」
 シスターが心を開いたと見て、尋ねるイデアール。
「いったい何があった? この村には何がある?」
「そうですね、情報がほしい。どんな些細な事でも構いません」
 デナイルも問いかけるが、シスターは首を振る。
「いえ……分かりません。本当に急に、ヴァンパイアが襲ってきて」
 そこからは、先にティオレンシアが推測したとおり。彼女は子供たちを村の大人たちから預かり、あの地下室に避難して、その後外から建物を壊して埋めて……と言う所だ。
「なるほど。何かヴァンパイアが目当てにしそうなものは?」
「それも、心当たりは……」
 重ねての問いかけに首を振るシスター。猟兵達もしばし考え込む。
「それより……」
 その思索を遮るリーヴァ。
「そろそろ、いつヴァンパイアが戻ってきてもおかしくない……みんなには、避難して欲しい」
「ああ、そうだな。我々に貴方がたを守護させてはもらえないだろうか?」
 同意し、歩み出て申し出るユーリ。真摯な表情を向ける。
「我らは力持たぬ者が襲われようとしているのならば放っては置けないのだ」
「ヴァンパイア達の魔の手から、なんとしても守ってみせます!」
 カナタも頷き、その胸を叩いて請け負う。シスターも、少し悩む素振りは見せたが……この期に及んで猟兵達を疑う理由もないと、頷きを返す。
「ただ……どこに避難すれば良いのでしょう」
「それなら、任せて」
 指を噛み、小さく血を流すリーヴァ。そこから流れる血で、手近にある瓦礫に魔法陣を描く。
「この中なら、安全」
「え、この中……?」
 理解出来ない様子のシスターの前で、その魔法陣に足を踏み入れ……その場から消えるリーヴァ。そして、再びそこから姿を現す。
「この中には、私の城がある。ここなら、ヴァンパイアに襲われる事もない」
「で、でも……」
 流石に、その超常の力には躊躇うシスターだが、リーヴァは、真摯に言葉を紡ぐ。
「貴女達を助けに来たの……怪しい人間を警戒する気持ちは分かるけど、どうかこの手を取って欲しい」
「あなたたちは、一体?」
 紡がれた疑問。それに、リーヴァは真っ直ぐに視線を向け、答えを返した。
「私達は猟兵。吸血鬼や魔獣を狩る者よ……」

「ふぅ……」
 村の外縁部。蓮は瓦礫に腰掛けながら、遠くを見つめる。
 足をぶらつかせたその姿や、脚以外をほとんど露出しない燕尾服の姿は少年のようにも見えるが、立派な少女だ。
「来たは良いけど、どうにもやる事がないね」
 他にやる者がいなければ説得でもしようかとも思ったが、彼女がやらずとも多くの猟兵達が真摯に言葉を紡いでいた。
「それなら別にボクがやる必要はないよね」
 なので、探索を終えた後は、こうしてこの場所で一人待っている。手元に仕込んだ手品の花を弄びながら寛いでいると、そこにもう1人、少女がやって来た。
「暇そうだな、蓮」
「ああ、まあね、いや……」
 そちらに青い右眼を向けながら……オレンジの左眼が、村の外に影を捕らえる。
「……今、暇じゃなくなった所」
 別に寛いではいても、サボっていた訳ではない。待ち侘びた……訳ではないが、待ってはいたその影は、最初は一つ。次いで二つ、三つ……次々と数を増す。
「どうにもキミといると吸血鬼騒動が多いね、血風姫?」
「フン、妾のせいではない。この世界が、どこも霧が晴れぬと言うだけの事よ」
 真紅の槍を抜き放ち、獰猛に笑みを浮かべるフラウロス。彼女の瞳もまた、村に押し寄せるヴァンパイア……おそらく下級のそれの姿を捕らえている。
 少数では目当てのものが見つからぬと見て、人海戦術に乗り出してきた、と言う所だろう。
「まあ、そういう事にしておこうか。それより、一人で……いや、二人で挑む気じゃないだろう?」
「む、吝かではないが……まあ、獲物を独り占めするのも悪いか」
 他の猟兵達を呼んで来る必要がある、と村の中へと走る二人。
 ちょうど、シスターと子供たちが、リーヴァの作った城の中へ避難する所だ。
「おっと、ちょうど良いタイミングだったみたいだね」
「うむ。おい、貴様ら、獲物が押し寄せて来たぞ!」
 高圧的な物言いで猟兵達を呼び、すぐに取って返す。当然、他の猟兵達も事態を把握して、その後に続く。
「さぁて……それじゃあ、ボクもボクなりに、頑張るとしようか」
 蓮も飄々とした様子でステッキを取り出した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『レッサーヴァンパイア』

POW   :    血統暴走
【血に飢えて狂乱した姿】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    ブラッドサッカー
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【レッサーヴァンパイア】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
WIZ   :    サモンブラッドバッド
レベル×5体の、小型の戦闘用【吸血蝙蝠】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。

イラスト:慧那

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


『ウァ、ァ、ァァ……』
 村に姿を現したのは、レッサーヴァンパイアの一群であった。血に飢えた女達は、理性を宿さぬ瞳で猟兵達を見据える。
『ァ、ァァ……』
 ヴァンパイアに血を吸われ、後天的にオブリビオンとなった、下級のヴァンパイア。彼女たちには、命令に従う知性しかない。『目当てのもの』を探す事と、その邪魔者を排除する事。考えているのはその程度だろう。
 まずは血に飢えたこの下僕達を退け、親玉の吸血鬼を引きずり出してやらねばなるまい。
弥久・銀花
操られているだけ……、だと思いたいのですが、ここはもう心を鬼に変えて斬り捨てます。

ちょうどついさっき死者を埋葬し終えたばかりです、墓穴を掘る事も含めてもう一働きですね。


殆ど理性が無い様ですが、なるべく苦しませずに【先制攻撃】で斬り捨てていきます。
こっちに一遍に大勢来たら鋭刃線閃で一気に斬り捨てましょう。

名も知れぬ彼女等のお墓には墓碑銘が無いのですが、吸血鬼に朽ちるまで使役されるよりはマシな最後でしょう。


最も、一番上等な最後は人間に戻って、人生を謳歌し、寿命で天に召される事なのでしょうが。

……、力不足ですみません。


月宮・ユイ
物言わぬ下僕に変えられた者達のようね
残念ながら貴方達はもう救えない…せめてこれ以上死後の安寧を穢されないよう、ここで討ち滅ぼす

▼武装
[星剣]蛇腹剣:薙ぎや”衝撃波で範囲攻撃”も
[兵装・倉庫]暗器・ナイフ”投擲や暗殺・グラップル”込みの組打ち

”視力、暗視、聞き耳、第六感”
感覚を研ぎ澄ませ敵の動きを”見切り、情報収集”戦闘中も”学習力を基に戦闘知識”を蓄積更新
村への侵入を警戒。探索目標は村の中でしょうし、これ以上村やお墓を荒らされたくはないですから
”範囲・属性攻撃、破魔、誘導弾、スナイパー、祈り”
【花鳥風月】状況に合わせ光で出来た鳥と花を舞わせる
『葬送の花を…』

絡み協力歓迎アレンジアドリブ可



「物言わぬ下僕に変えられた者達のようね」
「操られているだけ……だと思いたいのですが」
 己の獲物を構えるユイと銀花。迫るレッサーヴァンパイアの軍団を見据えると、その変わり果てた姿を悼む。
 だが、その血に飢えた姿は、もはや完全に吸血鬼そのもの。
「残念だけど、貴方達はもう救えない……」
 手にした星剣を一振りすると、蛇腹剣に変形する。それを振るい、薙ぎ払って、村に近付こうとする吸血鬼を寄せ付けぬユイ。
「くっ……操られているだけ……なら、どれほど良かったか!」
 それで陣形を崩した吸血鬼めがけ、その脚力で踏み込む銀花。先手を取っての一閃、その首を斬り捨てた。斃れた吸血鬼は、そのまま灰と化し、散っていく。
「死体すら、残りませんか……」
 おそらく、彼女達は吸血鬼となり、オブリビオンとなった時に、生命としてはすでに死んでいるのだ。
 ここにあるのは、無理やりに時に繋ぎ止められた、哀れな肉と魂でしかない。
「痛みすら感じていないようなのは……良かった、とは言いたくないけれど」
 棺桶型の兵装倉庫、それを開くと、取り出すのは一振りのナイフ。投げ放ち、吸血鬼の胸を真っ直ぐに貫く。
「これ以上、死後の安寧を穢されないよう……ここで、討ち滅ぼす」
「埋葬はしてあげられませんが、せめてお墓ぐらいは、後で作ってあげます!」
 2人の少女に進軍を阻まれた吸血鬼達は、紅い瞳をギロリと向ける。
『ァ、ア、ア……ァァァ……!』
 死してなお飢え、血を求める彼女たち。目の前に現れた力強い生き血を求めるべく、狂乱の姿を見せ始める。
「く……!?」
 その肉も強靭さを増し、銀花の刀を阻む。首の半ばまでは食い込むが、それでもなお動く吸血鬼の手が、銀花の腕を握りしめ、引き千切らんとする。
「こ、のっ!」
 それに抗い、なんとか一度は止まった刃で首を断ち切る銀花。流石に首を断てば吸血鬼も灰に還るが……次々と、他の吸血鬼達も迫ってくる。
 いや、迫ってくるだけなら良い。彼女たちを無視し、村内へ入り込もうとする吸血鬼達もいる。
「そっちには、行かせない……」
 それを見れば、ユイは星剣を地面に突き立てた。刃が、光となって弾ける。
「これ以上、村やお墓を荒らさせないから」
 羽ばたく鳥と、舞い散る金木犀の花びら。この夜の世界でなお美しく輝くそれが、吸血鬼達を包み込み、その身を裂いて動きを止める。
「そこですっ……」
 その隙を逃さず、銀花は刀を握る手に力をこめる。繰り出すは、必殺の一閃。
「鋭刃線閃ッ!」
 複数体の吸血鬼の胴を、まとめて断ち切る斬撃。吸血鬼達を一度に灰に還し……だが、喜びはない。
「本当なら、人生を謳歌し、寿命で天に召されるべきなのに……力不足で、すみません」
 こうなる前に、助けられれば。それが不可能だと、こんな命がこの世界には数多有るのだと、分かっていても認めたくはない。
「せめて、この、葬送の花を……」
 ユイの生み出す花鳥風月が手向けとなるように。祈りとともに、なお2人は刃を振るい続ける。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ソフィア・ウェスタ
レッサーヴァンパイア、後天的なオブリビオン……
えーい、難しいことを考えるのは苦手なの!
敵でしょ!?やっつければいいんでしょ!?
ヴァンパイアにされただけっていうのは可哀想ではあるけど、やっつけなきゃ私たちも危ないんだから!

「トリニティ・エンハンス」で攻撃力強化しての殴り合いかなー。
敵もこっちも集団、囲まれないようにだけ注意しないとね。「属性攻撃」の強化はばっちりのはず、私たちが倒れるまでに敵を全員倒せば終わり!シンプル!
聖者のせの字もない戦いでごめんねシスターさん!

……逆に、囲まれちゃってる味方がいたら、そっち助けに行かないとなぁ。


リーヴァルディ・カーライル
…ん。何が目的か聞き出そうと思ったけど…。
アレらから話を聞くのは無理そうね。

…ならば、後は速やかに狩るだけ。
今、その渇きから解き放ってあげる。

先ほど傷付けた血が滴る指に“誘惑の呪詛”を付与。
血の存在感を強化して吸血鬼の第六感に訴えかけ、
前線に立って敵を引き付ける囮になる。

…お前たちが欲しいのは此処にある。おいでヴァンパイア。

敵が寄ってくれば【吸血鬼狩りの業・封の型】を発動。
両目に魔力を溜め殺気を視覚化した先読みと暗視で攻撃を見切り、
怪力任せに生命力を吸収する大鎌をなぎ払いカウンターを行い、
さらに傷口を抉る2回攻撃で追撃する。

…待っていて。すぐに貴女達を苦しめた吸血鬼も骸の海に送るから…。



「ん。何が目的か聞き出そうと思ったけど……アレらから話を聞くのは無理そうね」
 血の飢えのみに囚われたようなレッサーヴァンパイア達を前に、リーヴァルティは指を向けた。
 先程、魔法陣を生み出すために傷つけた指先、そこからは未だ、新鮮な血が滴り落ちており……その血に、呪詛をこめる。吸血衝動に訴えかける、強い血の誘惑。
『ウァ、ァァ……!』
 周囲の吸血鬼達がぐるり、と首を回し、一斉にリーヴァに……リーヴァの血に視線を集中した。そのまま、多くの吸血鬼達が迫り来る。
「お前たちが欲しいのは此処にある。おいでヴァンパイア」
 呼び寄せた吸血鬼達が、その手を、次々とリーヴァに伸ばす。その動きを、見切り、躱し、受け流す。
「もっとも、その渇きを満たさせるつもりはない。いいえ、満たす事は出来ない」
 リーヴァの血を全て吸い尽くしても、彼女たちが満たされる事はない。それを知っているからこそ。
「代わりに……解き放ってあげる」
 己が業のままに繰り出す、吸血鬼狩りの大鎌。吸血鬼達はリーヴァに触れる事すら出来ず、灰へと還っていく。
「大丈夫!? 助けに来……た、けど、要らなかった?」
 それは、囲まれていると見て助けに来たソフィアが、その危なげの無さに思わず脚を止めるほどだ。
「……いいえ。助かる。私一人より、もっと狩れるから」
「そう、それなら、助太刀するよ!」
 取り出したのはルーンを宿した札。それを手にした剣に貼り付けると、精霊達がその刀身に宿っていく。三属性の魔力を纏わせた剣で、吸血鬼へと斬りかかるソフィア。
「そぉ、れぇっ!」
 洗練された業を見せるリーヴァに対し、ソフィアの斬撃はシンプルの極み。精霊を宿して強化した魔法剣で、力任せに断ち切る、ただそれだけだ。
「シスターさんを守る戦いが、聖者のせの字もない戦いってのはどうかと思うけど!」
 相手の攻撃への対策も、魔力で身を護る以外にない。自分が倒れる前に、相手を倒せば良い。乱暴なくらいに単純で、けれど彼女にとってはそれが一番の戦い方だ。
「難しいことを考えるのは苦手なの!」
 それは、相手の境遇に対しても同じこと。相手が後天的なオブリビオンだと言う事に、感じるものはあるが。
「ヴァンパイアにされただけっていうのは可哀想ではあるけど、やっつけなきゃ私たちも危ないんだから!」
「そう。ヴァンパイアは、狩る。それしかない」
 そんな叫びを、リーヴァも首肯する。そう、考えようが、考えまいが、変わらない。吸血鬼に黙って襲われてやる事など、出来る筈もないのだから。
「待っていて。すぐに貴女達を苦しめた吸血鬼も、骸の海に送るから……」
 まだまだ、リーヴァの血に惹かれて吸血鬼達は集まってくる。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

イデアール・モラクス
フン、哀れな小娘達を送り込んで来たか…眷属を増やしたがるタイプの吸血鬼がいるようだなぁ?

・行動
「レジスタンスごっこはもう少し続けてみるか…騎士団、整列!」
UC【愛欲の軍勢】を『全力魔法』で強化した上で『高速詠唱』にて召喚。
「行け、敵を蹂躙して殲滅しろ!」
後衛たる魔術師達には『属性攻撃』で強化した氷の刃や聖なる光線の攻撃魔法を『範囲攻撃』で広範囲に放たせ敵の召喚した蝙蝠を一掃させ前衛を援護、前衛たる騎士達は槍を構え突撃し哀れな小娘達を『串刺し』にさせ天に掲げさせて。
「さようなら、出来損ない共」
『全力魔法・範囲攻撃・属性攻撃・高速詠唱』でその掲げられた槍に雷を落とす魔法を使い鏖殺。

※アドリブ歓迎


ティオレンシア・シーディア
※アドリブ掛け合い絡み大歓迎

ま、そりゃ来るわよねぇ。
命令聞くしかできない使い魔みたいなものみたいだし、情報収集はムリ、か。
やっぱ親玉引きずり出さないと話にならないわねぇ。

理性なんて残ってなさそうだし、人の形した獣くらいに思ったほうがいいかしらぁ。
蝙蝠の群れには●鏖殺の〇範囲攻撃で対処。
早撃ちのオマケだけど、連射も苦手じゃないのよぉ、あたし。

暴走してくれるならある意味好都合ねぇ。
動きが単純になって読みやすくなるわぁ。
〇第六感も活用して攻撃〇見切って〇カウンターで●封殺叩き込むわぁ。

この子たちも元は犠牲者だったのかしらねぇ。
…あたしにできるのは、元凶に報い受けさせるくらいだけど。



「ま、そりゃ来るわよねぇ……」
 糸目の片方を薄らと開いて、吸血鬼達を見つめ、6連装のリボルバーを手にため息を漏らすティオレンシア。
「命令聞くしかできない使い魔みたいなものみたいだし、情報収集はムリ、か」
「うむ、所詮は哀れな小娘達よ」
 イデアールは、堂々と腕組みし、吸血鬼達を見据えて傲慢に笑う。
「彼奴らの主は、眷属を増やしたがるタイプのようだ。小物ほど、そうして自分の力を示したがるものよ」
「ま、小物だろうとなんだろうと、引きずり出さないと話にならないけどねぇ」
 近づいてくる吸血鬼の一人、その額に無造作に銃弾を叩き込むティオレンシア。一瞬の早撃ちは対応を許さず、吸血鬼を灰に還した。
「という訳で、さっさと片付けさせてもらうとしましょうかぁ」
 そこからは、指の動く限りの連射。撃った端から弾丸を装填し、尽きる事なき弾丸を吸血鬼達へ撃ち込んでいく。
「そうだな、前座は早々に片付けるとするか……騎士団、整列!」
 吸血鬼の軍勢に向け、手を翳すイデアール。その招集で、再び愛欲の軍勢が呼び起こされる。
「さあ、哀れな小娘達を、蹂躙し、殲滅しろ!」
 命に従い、吸血鬼達の行く手を阻む霊の騎士達。その数に反応したのか、吸血鬼達は無数の吸血蝙蝠を呼び出していく。
「ふん、そう来るか。ならば、薙ぎ払え!」
「早撃ちのオマケだけど、連射も苦手じゃないのよぉ、あたし」
 軍勢の魔術師達が、氷刃と聖なる光でその蝙蝠達を薙ぎ払えば、ティオレンシアも更に速射の速度を上げて撃ち落とす。
 魔法と弾丸の前に、蝙蝠達は飛び立つ事すら許されない。
「そら、貫いてやれ!」
 その間に、霊騎士達が突進。その槍で、次々と吸血鬼達の胸を串刺しにしていく。
『ゥァ、ァ……!』
「ほう、まだ動くか。小娘如きが生意気な」
 その痛みすら感じず、吸血鬼達は霊騎士に手をのばす。飢えによってさらにその身を強化し、力でその鎧を引き剥がさんとしていく。 
「理性なんて残ってなさそうだし、人の形した獣くらいに思ったほうがいいかしらぁ?」
 そこに追い打ちをかけるように、ティオレンシアも銃弾を撃ち込んでいく。胸と頭、その両方を貫かれれば、さしもの飢えた吸血鬼も動きを止める。
「暴走しても、むしろ動きが単純で対応しやすいわぁ。ある意味好都合ねぇ」
「やはり、所詮は小物の下僕共に過ぎんな」
 その動きを止めた吸血鬼を、次々と天に掲げていく霊騎士たち。早贄の如く晒されたその姿を見ながら、イデアールは笑って指を鳴らす。
「さようなら、出来損ない共」
 槍めがけ、降り注ぐは豪雷。高圧電流によって、吸血鬼達を灰に還す。
「この子たちも元は犠牲者だったのかしらねぇ」
「かもしれんが、考えても益などあるまいよ」
 それを見ながら僅かに表情を曇らせたティオレンシアを、一笑するイデアール。
「そうね、あたしにできるのは、元凶に報い受けさせるくらい……!」
 冷酷とも思えるが、それは確かな事実。ティオレンシアも覚悟を決め直し、弾丸をさらに撃ちこんでいく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

仁科・恭介
※アドリブ歓迎
UC対象:共闘者

「あの吸血衝動は…なんだ?」
助けた対象の中に特殊な子が居ることを感じ、以後近づく場合は同行者をと考える。【学習力】

「これは…多いな。どうするか…あ、食べます?」
鬱憤を晴らすかのように【携帯食料】を食べ、マフラーを巻きながら前衛へ。
マフラーは目立つために。

村の残骸を死角に使いつつ、【残像】と【ダッシュ】で撹乱する。
敵の位置は【吸血】本能による血の匂いで三次元的に把握。

ある程度撹乱したら【残像】を使用後にマフラーを外し、【見つからない】ように奇襲攻撃に移行する。
猟兵を狙うヴァンパイアを抱きしめるように物陰から近づき心臓を狙う。
「安らかにお休み。今度はゆっくりとね」


日和見・カナタ
…彼女たちも、かつては人間だったんですよね。
異世界を旅するのは心踊るものですけど、今回は悲しくて嫌な気持ちにばかりなります。
申し訳ないですが、倒してから埋葬させてもらいましょう。

私は【SPD】で戦います!
【蒸気装甲】を纏って敵陣に突撃して、【属性攻撃】で熱を付与した腕で彼女たちを薙ぎ払いますよ!
【ガジェットドローン】による【援護射撃】も使って村に侵入されないよう全力を尽くします!

【連携、アドリブ歓迎】


フランチェスカ・ヴァレンタイン
こちらもまあ、いつかの犠牲者ではあるのでしょうけれども
眷属とされてしまった以上は骸の海に葬って差し上げるのがせめてもの情けでしょうかねー…

ともあれ、生存者の避難は済んでますし加減は無用ですわね
上空を高速機動で旋回しながら他の方への援護も兼ねた範囲砲撃などを
戦況を俯瞰して見つつ、斧槍での急降下強襲で適宜カバーに入ります

高機動戦を続けていれば低空時に血統暴走した個体が釣られてきそうですけれど……どの程度の高度までなら釣られてくださいますかしらね?
いずれにしても、立ち回りづらくなる程度に群がられましたらUCで纏めて一気に殲滅致しましょうか、と

※詠唱改変・アドリブ・絡み大歓迎



「さあ、焼き払いますわよ……!」
 村の防衛を続ける猟兵達。一箇所に足を止めて守る彼らを、フランチェスカは上空から遊兵として援護し、無数の砲撃を降り注がせる。
「生存者の避難は済んでいますし、加減は無用。遠慮なく、いきますわ!」
 暴走する吸血鬼の耐久力に、火力の飽和攻撃で対応する。撃ち抜かれ、脚を止める吸血鬼達。
「それじゃあ、いきますっ!」
 そこに、蒸気を噴き上げ突貫するカナタ。高熱を発する鋼の腕が、吸血鬼達を打ち砕き灰に還していく。
 戦いは順調……だが、カナタの顔に笑顔はない。
「彼女たちも、かつては人間だったんですよね」
 だと言うのに、打ち砕く手応えはあまりに軽い。脆い訳ではない、だが、命を砕く手応え、と言うものを感じない。
「異世界を旅するのは心踊るものですけど……今回は悲しくて嫌な気持ちにばかりなります」
 埋葬する死体すら残さぬ、血の下僕たち。フランチェスカも同様に、彼女たちを悼む。
「ですが、眷属とされてしまった以上は……骸の海に葬って差し上げるのがせめてもの情けでしょうかね……!」
 上空から、急降下。落下の勢いを重力に乗せて、斧槍を降り注ぐ。頭部を砕かれ、灰に還る吸血鬼。
 そして、そんなフランチェスカの姿を見ながら、恭介は干し肉を噛み千切りながら独りごちる。
「あの吸血衝動は……なんだったんだ……?」
 赤いマフラーを首に巻くと、己の吸血衝動を励起する。喰らった肉とともに、全身の細胞が活性化し……けれど、この血の衝動は、先程感じた物とは違う。
「助けた対象の中に特殊な子が居る……やはり、そういう事、か?」
 あの時感じた、強く異質な血の誘惑。それに意味があるとすれば……。
「っと。考えるのは後にするか!」
 今は戦闘中だ、と思い直せば、地を蹴り、一気に駆け出した。強化された脚力で瓦礫を蹴り、跳躍。上空からの急降下とともに、研ぎ澄ました刀で敵を斬り捨てる。
 機動力を活かした3人の動きは、吸血鬼達を大いにかき回していくが、その速度は、吸血鬼達をさらに刺激する。
 速く動くものに、より強い命を……強い血を感じるのか、彼女達は血に飢え、暴走を始めていく。
「あら、わたくしの血が望みですかしら?」
 豊満で魅力的な肉、その下に流れる血で、そんな暴走吸血鬼を惹き付けるフランチェスカ。低空を飛ぶ彼女に追い縋る者達を、わざと速度を落として飛ぶ事で集めていく。
「なら、おいでませ。望むならば、叶えて差し上げますわ……」
 真っ直ぐにフランチェスカを追い、集まってくる吸血鬼達。それを見下ろし再び高く飛翔すると、砲を地上に向ける。
「全動力炉、出力上限カット。全兵装・全能力の超過駆動、開始――!」
 夜と闇の世界の空に、集まる輝き。その光を畏れるように、吸血鬼達は再び散ろうとする。
「おっと、ダメですよ。おとなしくしてて下さい!」
 そんな彼らを取り囲むように、円の軌道で飛び回るカナタのガジェットドローン。その射撃が、彼女たちをその場に釘付けにし、さらに包囲を狭めていく。
「あの人が、血を吸いたいほど魅力的なのは、分かるけどね……!」
 恭介もまた、素早く駆け回り、敵陣をさらにかき乱す。フランチェスカの姿に感じる衝動が、彼の力をより増して、茶色の瞳を煌々と輝かせ。
「さあ、フルドライヴ、完了、ですわ……!」
「よしっ……!」
 恭介が素早く離脱した直後。集められた吸血鬼達めがけ、九天を灼き尽くす光の嵐が降り注ぐ。
「さあ……全て、光に還して差し上げますわ……!」
 地を浄化するが如き光、その圧倒的熱量が、吸血鬼の肉体を次々と灼き滅ぼしていく。
「あら……そちら、申し訳ありませんけどっ!」
 だが、範囲外縁部の数体が、その砲撃から逃げ出した。向かう先は村の方向。
「ええ。もちろん行かせませんよ!」
 すぐさまカナタが駆け、その前に立ちはだかる。
「この村は、もうこれ以上、荒らさせる訳にはいきません!」
 蒸気がさらに強く噴き上がる。その熱は、カナタの心の熱を、決意を示すかのよう。繰り出される高熱の鉄拳が、吸血鬼達を打ち砕く。
『ァ、ァ……!』
 カナタを脅威と見た吸血鬼が、その腕を振るい、彼女に掴みかかり……その胸から生える刃。
「安らかにお休み。今度はゆっくりとね」
 囁きかけ、恭介はその吸血鬼を灰へと還した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

オリヴィア・ローゼンタール
これは……過去より蘇りし吸血鬼ではなく、その手にかかった……

【トリニティ・エンハンス】【属性攻撃】【破魔】
槍に聖なる炎の魔力を纏い攻撃力を増大
そうなってしまった以上、救う手立てはありません
今、その支配より解放して差し上げます

聖槍を振るって炎の【衝撃波】を起こし、召喚された蝙蝠をまとめて【吹き飛ばす】
数は多いですが、個々の力はそれほどでもありませんね
薙ぎ払うので一気に突破しましょう

【怪力】で聖槍を縦横無尽に【なぎ払う】
破魔の炎を宿した聖槍の一撃
吸血鬼となってしまったあなたたちには覿面でしょう
あなたたちの骸は首魁を討ち取ったあと、必ず弔います


アリーシャ・マクファーソン
レッサーヴァインパイア、ね。
理性もなく群れを成して主である吸血鬼の命にだけ従う……生かしておく理由がないわ。
慈悲も憂いもなく散らしてあげましょう。

下級とはいえヴァンパイア、数で攻めてこられるとこちらも危うい、か。
ならその数を減らすとしましょう。
真の姿を解放。金色の瞳に真紅の蝙蝠の翼、あなたたちの主吸血鬼と同じ姿よ……あぁ、反吐が出そう。さっさと始末してしまおう。

【百華凍刃】

指輪の仕込み針で手のひらを傷つけて媒介となる血を用意。
視界に入った獣たちを、氷の刃で切り裂いてあげましょう。

ただ、余裕があれば……レッサー達がどこに向かおうとしてるかは知りたいはね。教会?シスターたちのいる魔法陣?それとも…


四季乃・瑠璃
緋瑪「強制的に配下にされた吸血鬼達…」
瑠璃「遠慮も容赦もしないよ…多分、貴女達にとってもそれが救いになると思うから」

「「さぁ、吸血鬼狩りの始まりだよ」」

【ダブル】で分身

二人で連携して戦闘。
敵の直接攻撃は【見切り、残像】で回避。敵が召喚した蝙蝠は【範囲攻撃、2回攻撃、早業】接触式ジェノサイドボム(以下ボム)による飽和爆撃で敵諸共吹き飛ばすか【早業、2回攻撃、クイックドロウ】K100の銃撃で素早く撃ち落として対処。
後は距離を取り、二人で銃撃と接触式ボムによる爆破で動きを封じて爆砕するよ

瑠璃「貴女達の苦しみはこれでお終い」
緋瑪「貴女達の主もキッチリ殺してあげるから…今は眠ると良いよ」


※アドリブ等歓迎



「強制的に配下にされた吸血鬼達……」
「遠慮も容赦もしないよ……多分、貴女達にとってもそれが救いになると思うから」
 吸血鬼達の姿を見ながら、瑠璃と緋瑪は、静かに言葉を紡ぐ。愛銃を構え、祈りを捧げるように一瞬だけ目を閉じる。
「「さぁ、吸血鬼狩りの始まりだよ」」
 そして、目を開くと同時。その銃が火を噴いた。様々な魔術強化がされたカスタム銃から放たれる弾丸は、強い衝撃をもって吸血鬼達の脚を止める。
 そこに斬りかかるのはオリヴィア。手にした槍の黄金の穂先に、破魔の炎を纏わせた。
「そうなってしまった以上、救う手立てはありません……」
 彼女達を悼む思いはある。それでも、破邪の宿命を負ったその時から、このような事は覚悟している。
「今、その支配より解放して差し上げます……!」
 吸血鬼達が放つ蝙蝠の群れを、炎の波が薙ぎ払い、払い退ける。返す刀で繰り出した一撃が、吸血鬼の胸の中心に突き刺さった。
「破魔の炎です。吸血鬼となってしまったあなたたちには覿面でしょう……!」
 炎上し、灰に還る吸血鬼。だがすぐさま、払い除けた蝙蝠達が、槍を振り切ったばかりのオリヴィアに襲いかかる。
「させないよ。緋瑪!」
「合わせるよ、瑠璃っ!」
 そこへ投げつけられる爆弾。指向性の爆発がオリヴィアを守るように爆ぜて、蝙蝠達を吹き飛ばす。
「感謝します、お二人とも。数は多いですが、個々の力はそれほどでもないようですね」
「うん。この程度なら私たちが全部爆殺出来るよ!」
「残った分も、撃ち落とせるから、気にせず……!」
 蝙蝠の処理を請け負った瑠璃達に任せると、聖槍を振るうオリヴィア。次々と、吸血鬼の肉体を灰に還していく。
「とはいえ……どうにも、数が多いですね」
 一体一体との戦いは優位に進められても、吸血鬼達は数でオリヴィアに襲いかかる。
「手伝いましょう。慈悲も憂いもなく散らしてあげましょう」
「助かります!」
 手間取る彼女に気づくと、アリーシャも助太刀にやって来た。吸血鬼の前に立つと、その赤い瞳を向ける。
「この姿を晒すのは、気が進まないのだけれど……!」
 その瞳を瞬かせ……次に開いた時には、金色に。真紅の蝙蝠の翼を広げ、少女はその身から殺気を溢れさせる。
「あなたたちの主、吸血鬼と同じ姿よ……あぁ、反吐が出そう!」
 己の姿に対する嫌悪を隠さず、その手を強く握り込む。指輪に仕込まれた隠し針で自らの手を傷つけ、血を流すと、手を振るって撒き散らす。
「さっさと始末してあげるわ!」
 血は空中で凍結し、百華の如き刃となって飛び散っていく。蝙蝠ごと、吸血鬼の身体を断ち切り、四肢を跳ね飛ばし、首を斬り落としていく。
「これで、大分余裕が出来ましたね……ありがとうございます、この調子で!」
 数の不利さえ覆せば、もはや問題はない。いや、未だ十分に多いが、このくらいならば対処出来ると、縦横無尽に槍を振るうオリヴィア。
 退魔の炎が描く軌道に触れた吸血鬼は、次々と燃え上がり、灰に還る。
「よし、私達も押していこうか、緋瑪」
「余裕も出てきたしね、やろう、瑠璃」
 瑠璃達も、蝙蝠の爆破だけではなく、それごと吸血鬼の肉体を吹き飛ばしていく。
(……それにしても)
 そんな光景を見て、氷の刃をなお散らしながら、アリーシャは僅かに思案する。
(敵が『多い』のは……何故かしら?)
 無論、軍勢全体が多いのは当然として、防衛線全体を見渡せば、どうにもこの周辺の吸血鬼が多いように感じられる。
(けれど……)
 場所、と言う訳ではない。ここはただの、村の入口の一つに過ぎない。
(なら、猟兵……彼女たちの誰かを狙って?)
 理由があるとすれば他にない。しかし、猟兵達が来る前から、この村は狙われていた筈だ。
「……ああ、もう、邪魔よ!」
 思考を邪魔する吸血鬼を斬り裂いて、戦闘に意識を戻すアリーシャ。数多かった吸血鬼達も、次第に数を減らしてくる。
「あなたたちの骸は首魁を討ち取ったあと、必ず弔います……!」
 決意とともに、その言葉とともに吸血鬼を斬り捨てるオリヴィア。
「貴女達の苦しみはこれでお終い」
「貴女達の主もキッチリ殺してあげるから……今は眠ると良いよ」
 瑠璃と緋瑪も、そう告げるとともに、全く同じタイミングで、吸血鬼の額と胸を撃ち抜き、灰へと還した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

龍ヶ崎・紅音
アドリブ・絡み歓迎

「この人達、元は人間なんだよね…。かわいそうだけど、倒させてもらうね…。」

【POW】

「ホムラ」は焔【属性攻撃】、【力溜め】て跳躍後の焔を纏った急降下の一撃(UC『グラウンドクラッシャー』)、時々【槍投げ】して回収するなど焔槍形態を中心に迎撃するよ
愛刀の「黒焔竜剣」は背負ったまんまにするよ。この焔は浄化じゃない…というより呪いだから…それで燃やしたくないからね……。でも、この焔は憎きヴァンパイアにぶつけたいね

仲間があぶないときは【かばう】【武器受け】を駆使するよ

魔法陣に敵が入り込もうとしているかもしれないからその周辺を警戒するよ

「苦しいよね…今、楽にしてあげるからね……。」


露木・鬼燈
積極的に戦う方が好みだけど…
生き残りを守り抜かないとね。
魔法陣の前で迎え撃つです。
出番が来るまでは味方のサポートなのです。
秘伝忍法<結>で分身を迎撃に向かう猟兵につけるのです。
距離に制限があるとはいえ連絡が取れるのは便利なはず。
余った分身は斥候として送り出すのです。
迎撃は効率的に。
敵味方の情報と戦況は分身を通して共有するです。
それでもここまで迫る敵はでるよね。
敵を補足したら救援要請を送り…迎撃するっぽい!
棒手裏剣と連結刃を駆使して戦うです。
魔法陣に絶対に近づけさせないっぽい!
移動は最小限に。
積極的に狩りたいところだけど我慢!
全滅させる必要はないっぽい。
他の猟兵が戻るまで守り抜けば勝利なのです!



 猟兵達の防衛線は厚いが、敵も多い。合間を縫って突破して来た吸血鬼達は、シスターと子供たちが避難している魔法陣を狙ってくる。
「やっぱり、ここは狙ってくるよね……」
 その前に立ち、彼女たちを待ち構えるのは鬼燈。予め分身達を斥候に出していた事もあり、接近にいち早く気づく。
「まあ、とはいえ十分守りきれる数なのです」
「村の外周で防衛してるみんなが頑張ってくれてるんだね」
 ここまで抜けて来た敵の数は決して多くはない。下手に救援を呼んで防衛線を崩すよりも、ここは鬼燈と、そして紅音の2人で守るのが得策と判断し、互いに獲物を構える。
「とはいえ、油断出来る数でもないかな。僕は、魔法陣を死守するのです。なので……」
「うん、前衛は任せて」
 近づいてくる吸血鬼めがけ、一気に駆け寄る紅音。赤のジャケットをはためかせ、地を蹴って跳躍する。
「この人達、元は人間なんだよね……」
 見下ろしての逡巡は一瞬、けれど深く。心を痛めるが、止まる訳にはいかない。
「かわいそうだけど、倒させてもらうね……!」
 急降下し、槍の一撃を吸血鬼の左胸に突き立てた。それでもなお動こうとするその身体を、纏う焔で包み込み、灼き尽くす。
「ホムラ!」
 白銀の竜が変じているそのその槍へ呼びかけながら、今度は勢いよく投げつけ、別の吸血鬼に突き立てる。炎上し動きを止めた吸血鬼へ一気に間合いを詰めると、その柄を握り直し、抉りこんで灰に還す。
「本当は積極的に戦う方が好みだけど……」
 そんな彼女を見守りながら、冷静に戦況を伺う鬼燈。近づいてくる吸血鬼めがけ、鍛造鋼の棒手裏剣を連続して突き立てていく。
「それよりも、魔法陣に絶対に近づけさせないっぽい!」
 吸血鬼が動きを止めれば、即座に魔剣を抜き放った。オルトリンデの名を冠し、竜への呪いを宿した剣、その刃を連結刃へと変形させる。
「だから……狩る!」
 振るい、近づくよりも先に相手の首に巻き付けた。引けば切り裂き、首を飛ばして灰に還す。
 とは言え、彼の役割はあくまで魔法陣の直衛。あまり前には出られない。あくまで近づいてくる敵を狩り、それ以外は棒手裏剣で援護するのみ。
「うぅ、我慢、我慢……その分はほんとに任せたのです!」
「任されてるっ!」
 槍を使い、一体一体を確実に灰に還していく紅音。その背にも巨大な剣を背負っているが、こちらは使うつもりはない。
「この焔は、呪いだから……あなた達より憎きヴァンパイアにぶつけたいからね……」
 その思いを吐露し……それを聞いて微妙な顔をする鬼燈。
「……この魔剣は、あくまで竜を呪うものなのです」
「ああ、そういう意味じゃなくてっ!?」
 慌てつつも、慌てるだけの余裕をもって、なお槍を振るい焔を放ち続ける紅音。
 もっとも、戦いに余裕はあっても、心は決して軽くはない。
「苦しいよね……今、楽にしてあげるからね……!」
 吸血鬼達を確実に灰に還しながらも、悲しみと憤り、そして彼らの主への怒りを、その胸に澱のように溜め込んでいく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ユーリ・ヴォルフ
【ペンドラゴン】
カイム・クローバーと行動

人をこんな吸血鬼に変えてしまうとは悪魔の所業だな
…ああ、一刻も早く解放し、楽にしてやろう!

私はカイムの援護に回る
攻撃に盾にと、カイムは頼りになる先輩だ
良い旅団、良い人たちに恵まれたものだ…
私も遅れを取らぬよう、全力を尽くす!
この共闘を、炎の華で飾るとしよう!

後方もしくは上空から【メギドフレイム】で
カイムの死角より迫りし敵を撃つ。
数が多ければ、手数を増やすまで!
倒した敵や、ゾンビ化した骸は見つけ次第
【属性攻撃】(炎)、【範囲攻撃】で燃やして浄化を謀る
無理やり起こされ駒にされては気の毒だ
…安らかに眠るといい。これ以上死者を冒涜させはしない!


カイム・クローバー
【ペンドラゴン】で行動。 こいつらは…吸血鬼の犠牲者か。哀れだな。こんな姿になってまで吸血鬼の元で働くなんざ不本意だろうぜ。助ける、なんて言うガラじゃねぇがせめて解放ぐらいはしてやる(真剣に) 【S】 ユーリと共に。俺は前衛で盾の役割を果たしながらレッサー共を斬り伏せる。【二回攻撃】【鎧砕き】【なぎ払い】【串刺し】んでUC。数は多いみたいだから確実に一匹ずつになるか?【挑発】使用して、こっちに敵意を向けさせ、【見切り】や【武器受け】で被害を抑えつつ。死体は他の猟兵が埋めてるから、復活は阻止出来るだろうが、この能力って同じオブリビオンにも効果あるのかね?だとしたら際限ねぇけど…それは考え過ぎか?



「人をこんな吸血鬼に変えてしまうとは悪魔の所業だな」
「ああ。こんな姿になってまで吸血鬼の元で働くなんざ不本意だろうぜ」
 不快感を露わにするユーリとカイム。お互いに獲物を構え、吸血鬼と対峙する。
「助ける、なんて言うガラじゃねぇが、せめて解放ぐらいはしてやる!」
 言って、先陣を切るのはカイムだ。手にした大剣は、黒と銀で誂えた業物。狼の如く、素早く、力強く、吸血鬼達を斬り裂いていく。
「ああ、一刻も早く解放し、楽にしてやろう!」
 それを援護すべく、カイムは翼を広げて上空へと舞い上がる。真紅の大剣を戦場へと突きつけると、それを通して、彼の中にある炎と竜の力が形を為していく。
「さあ、この共闘を、炎の華で飾るとしよう!」
 無数に生み出される、炎の剣。赤い流星となって降り注ぐと、吸血鬼達を貫き、灼いていく。
「なかなか心強い援護だなっ!」
「いや、カイムこそ頼りになる先輩だ」
 旅団の先輩後輩の間柄である2人。それゆえに息の合ったコンビネーションで、吸血鬼達を倒し、灰に還す。
「故に、私も遅れを取らぬよう、全力を尽くす!」
 炎の剣を生み出すペースを上げ、さらに力強く降り注がせるユーリ。
「数が多ければ、手数を増やすまで!」
 敵の数は多い。それら全てを、逃す事なく炎で撃つ。それだけでは倒しきれずとも、燃え上がり動きを止めれば、カイムの剣の的だ。
「そら、こっちだ、寄ってきな!」
 魔犬を模した銃を空に撃ち放ち、その銃声で吸血鬼達を引き付ける。近づいてきた所へ高速の突き。重く大きな剣の重さを感じさせないほどの鋭さを持って吸血鬼を葬り去る。
「当たらねぇよっ!」
 炎で動きが鈍っているとはいえ、数は圧倒的に相手が多い。だが、その力強い攻撃を見切り、躱し、確実に一匹ずつ葬っていくカイム。
「さあ、安らかに眠るといい……これ以上死者を冒涜させはしない!」
 カイムが吸血鬼をひきつけているお陰で、ユーリは援護に集中出来る。特にカイムの死角に迫る吸血鬼へと重点的に炎を降り注がせ、動きを止め、灼き尽くしていく。
「灰になってくれるのは、大分有り難い所だが……」
 倒した吸血鬼が再び仲間の力で起き上がって来る事を危惧していた彼らにとっては、倒せば灰になると言う事実は朗報だが。
「それを抜きにしても、やっぱり敵は大分多いがな!」
「どれだけの人間を吸血鬼に変えて来たのか。許し難い……!」
 キリがないとまではいかないが、気が滅入るのは間違いない。何より、戦力的な意味よりも、彼らの主であるヴァンパイアに対する憤りが募る。
「まあ、そいつもすぐに葬ってやるつもりだが、なっ!」
「その通りだ。そのためにも……まずはこの場を切り抜ける!」
 二人の連携が、確実に、吸血鬼達を灰に還していく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アイ・リスパー
「村を滅ぼしたヴァンパイアの眷属たちですか。
放置することはできません。
倒してヴァンパイアに出てきていただくとしましょう」

ホロディスプレイとキーボードを取り出し、電脳空間に接続。
【ラプラスの悪魔】と【マックスウェルの悪魔】の電脳プログラムを起動します。

【ラプラスの悪魔】により、敵の動きをシミュレートして予測し、
その予測に基づいて【マックスウェルの悪魔】による炎の矢で攻撃です。

村人の遺体をレッサーヴァンパイアとして操られたら、
申し訳ありませんが炎の矢で火葬にさせていただきましょう。
死者の冥福を祈りながら、ホロキーボードを叩きます。

「皆さんが守ろうとした子供たちは必ず助けますから、許して下さいね」


木目・一葉
現れたか
ここをお前達に荒らさせはしない
ここで亡くなった人達と、今を生きる人達の為に

・戦闘
すでに死者を埋葬したとはいえ、ブラッドサッカーを使用されてその眠りを冒涜されては堪らない
そこに近づく敵には『妖剣解放』の衝撃波で妨害を行おう
また敵は血統暴走を使用すると素早く動くものを狙うようだ
「僕がひきつけるから、隙ができたところを狙ってくれ」
敵がそのUCを使用したら『妖剣解放』の高速移動で、村に更に被害がでないように、また味方が有利になるよう【おびき寄せ】を行う
またこのとき【オーラ防御】をかけた小太刀による【武器受け】と、近くの岩石を盾にする等の【地形の利用】を行い、自身への被弾を極力少なくする



「やはり現れたか。これ以上、死者を冒涜するつもりか?」
 猟兵達が村人を埋葬したばかりの墓場。そこにも、吸血鬼が姿を現す。
 その前に立ちはだかるのは、一葉とアイだ。
「だが、ここをお前達に荒らさせはしない」
「そうですね、新しい戦力を生み出されては堪らない……とかそれ以前の問題です」
 死体から、一時的に同族を変えるレッサーヴァンパイアの力。墓場の死体に行使されれば、敵に大きな戦力が追加される事になる。
 だがそれ以上に、村人達を戦力に使われる事、それ自体が許しがたい事だ。
「村を滅ぼしたヴァンパイアの命令ですかね」
「だろうな……許せる事じゃない」
 怒りを抑えるように、フードを深く被る一葉。妖刀から力を引き出し、敵へと駆け出していく。
「僕がひきつけるから、隙ができたところを狙ってくれ」
「ええ。任せてください」
 応じたアイは、ホロディスプレイとキーボードを呼び出し、電脳空間に接続する。
「初期パラメータ入力、シミュレーションを実行しつつ、エントロピー・コントロールを並行起動……」
「さあ、こっちだっ!」
 それを背後に聞きながら、吸血鬼を斬り裂いていく一葉。手にした刀は無名。光を喰らい、命を喰らい、己の名すら喰らう妖刀に身を委ね、その身体を加速させた。
『ァ、ァァァ……ゥ……!』
 血に飢えた吸血鬼は、その素早さに引き寄せられて、アイに背を向ける。それがこそが一葉の狙いだ。
「両プログラム起動確認。ツイン・デモン・プログラム、連動開始……!」
 その隙を逃さず、電脳プログラムを起動する。生み出されるは炎の矢。
「村を滅ぼしたヴァンパイアの眷属たちを放置することはできません……倒して、ヴァンパイアに出てきていただくとしましょう!」
 それは魔法ではない。仮想空間の熱を操作し、温度のパラメータを書き換えて生み出した灼熱の炎。それを、未来を予測するほどの高度なシミュレーションとともに撃ち出していけば、吸血鬼の回避すら先読みし、一本足りとも外さず吸血鬼を灼き尽くす。
「子供たちを守ろうとした皆さんの死体を、これ以上、好き勝手にさせるつもりはありません」
 だがその炎が脅威だと、理性を喪った吸血鬼達は理解できない。目の前で動く一葉こそが、新鮮な血を滴らせる獲物だと、それしか考えられない。
「哀れなものだ。だが、利用はさせてもらおう」
 追って来た吸血鬼の動きを誘導し、繰り出される拳を小太刀で受け止める。オーラで覆った小太刀は、吸血鬼の怪力も跳ね返し……自身は、その反動を利用して、大岩の影に飛び込む。
『ァ、ァ……!』
 隠れた彼女を炙り出そうと、岩に拳を叩きつける吸血鬼。だが、その隙にアイの炎が吸血鬼を焼き、灰へと還す。
「こっちだ……付いてこいっ!」
 岩から飛び出し、さらに駆ける一葉。完全に彼女に誘導され、ついていく事しか出来ない吸血鬼を、アイが一匹ずつ確実に葬り去っていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

結城・蓮
フラウロス(f08151)と再び。

さっきは役に立たなかったからね、今回は名誉挽回と行こうか。
キミもやる気に溢れているようじゃないか、血風姫。

フラウロスの援護をするように動くよ。
殺傷力を持つ仕込みトランプを《虚実の山札》で26組錬成し、それを全てバラバラに飛ばしながらフラウロスの隙を埋めるように【念動力】で【投擲】する。
「さぁ、紙吹雪の代わりに受け取りたまえ!」

トランプを放ちながら、ボク自身は敵を一箇所に集めるように動き回るよ。
敵の目の前にカードを流したり、【パフォーマンス】的な動きをして気を引こう。
「さあさあ皆さんご注目!これから始まるのは……無慈悲な殺戮ショーだ!フラウ!今だよ!!」


フラウロス・ハウレス
再び蓮(f10083)と共に。

フン、あまりにも下等な吸血鬼だな……むしろ、こんなモノを吸血鬼と呼ぶ事自体、虫唾が走るわ!
元が何であれ、この場に現れた以上一匹残らず駆逐してやる、覚悟するが良い!!

敵陣に飛び込み、伸ばした黒爪で一気に敵を薙ぐぞ。
群がられようが気にしない。『捨て身の一撃』だ!
受けた攻撃は薙ぎ払った敵からの『生命力吸収』と『吸血』で補う。
「どうした、下等な使徒とも!この程度では吸血鬼の名が泣くぞ!!」

ある程度敵が集まったら【ブラッディストーム】で一網打尽だ!
「相変わらず良い仕事をするな、トリッカー!
さぁ、遊びは終わりだ!まとめて引き裂け、ブラッディストーム!!」

フン……物足りぬわ!



「フン、あまりにも下等な吸血鬼だな……むしろ、こんなモノを吸血鬼と呼ぶ事自体、虫唾が走るわ!」
 何がその逆鱗に触れたか、吸血鬼達を前に苛立ちを露わにするフラウロス。
「おや、随分やる気に満ちているじゃないか、血風姫」
「当然であろう。元が何であれ、この場に現れた以上一匹残らず駆逐してやらねば気がすまぬ!」
 すっかり頭に血を昇らせ、黒爪を伸ばして飛びかかる。血に飢えた吸血鬼の暴走よりもさらに荒々しく、引き裂き、薙ぎ払う。
 当然、吸血鬼達は彼女に群がり、その爪を、牙を立てるが、それで彼女が止まる事はない。
「鬱陶しいわ……退けぇ!」
 その肉を裂かれ、血を流しても、避けようとすらせず爪を立てる。敵から血を吸い上げる事で生命力を補い、ひたすらに暴れまわっていく。
「やれやれ。すっかりご立腹のようだ。まあ……」
 そんなフラウロスの様子に肩を竦めつつ、パン、と手を叩く蓮。その両手が離れれば、そこに現れるのは無数のトランプ。
「ボクもさっきは役に立たなかったからね、今回は名誉挽回と行こうか」
 飛び散り、周囲に撒き散らされたそれを、念動力によって掌握する。
「さぁ、紙吹雪の代わりに受け取りたまえ!」
 上空へと飛ばし、そしてフラウロスを中心に降り注がせる札吹雪。鋭く薄い刃のカードは、フラウロスだけを避け、周囲の吸血鬼達を斬り裂いていく。
「ほう、相変わらず良い仕事をするな、トリッカー!」
「お褒めに預かり光栄だね、姫。さあ、けれどショーはまだまだこれからだ!」
 雨の次は横殴りに、かと思えば取り囲み。派手なパフォーマンスと共に繰り出す巧みなカード捌きが、吸血鬼達を翻弄する。
「はっ、どうした、下等な使徒ども! この程度では吸血鬼の名が泣くぞ!」
 そうして翻弄された吸血鬼達は次々と黒爪にかかり、切り裂かれ、灰と化していく。
「さあさあ皆さんご注目! そろそろクライマックスといこうかな!」
 そんな光景を演出しながら煽るように言い放ち、両手を勢いよく掲げると、投げつけ、地面に落ちたカードが、一気に跳ね上がった。吸血鬼達を取り囲むように壁を作り、逃げ場を封じていく。
「これから始まるのは……無慈悲な殺戮ショーだ! フラウ! 今だよ!!」
「良かろう。さぁ、遊びは終わりだ!」
 合図に応じ、両手を広げるフラウロス。数を減らし、カードで動きを誘導し、気づけば近辺の全ての吸血鬼は、フラウロスの周囲に集まっている。
「まとめて引き裂け、ブラッディストーム!!」
 それを鏖殺する、赤黒い竜巻。血の色をした風の刃が、全ての吸血鬼を切り裂き、引き裂き、灰に還す。
「それでは、これにて終演。アンコールはまた後ほど、と言う所かな」
「フン……物足りぬわ!」
 優雅に一礼する蓮とは裏腹に、フラウロスは未だ苛立ちを抑えきれず、獲物を求めて視線を巡らせる。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

御代・燕三
相棒の【犬憑転助】と参加。

怪異との戦いですか。あの者たちに噛まれたとしても問題ないとは限りませんからね、注意するのですよ。それにただ戦うだけでは無く、全体に目を配り生存者が襲われないように倒していきましょう。支援は任せてください

UC「算術式:先見の章」を使用
最大数を召喚し30%は上空からの索敵用に展開させます。それ以外は1体を転助の近くに通話用に送り、他は自身の身の守りと転助をフォローするように動かしていきますよ。複数の式を操ることなど造作もないことです

猟兵の包囲を抜け出す存在が居れば方向と距離を転助に伝えます。回復の必要あれば「算術式:献身の章」で治療を

アレンジ・アドリブ、他猟兵との絡みOK


犬憑・転助
相棒の【御代燕三】と参加
俺はコロ助じゃねー! 転助だ!

さて、いったいシスターたちの何を狙ってるやら……
それとも……。

敵が理性を無くして攻撃してくるなら、その動きは読みやすいだろう、冷静に動きを読んで隙を付いてカウンター攻撃

第六感も嗅覚の効果
ユーベルコードが使え無くとも俺の鼻は特別でね

超嗅覚が可能な時は有効活用
超嗅覚で敵の狙ってる場所を察知し回避
敵の弱点を超嗅覚で嗅ぎ分け、そこを狙うよう指示しつつ二刀で攻撃

吸血蝙蝠はまとめて薙ぎ払う(範囲工芸)

誰か第三者が監視してないか超嗅覚でチェック、追えるなら追う
追えそうに無いなら燕三に言う

一般人に被害が行きそうなら庇う
苦労人ポジOK
アドリブ歓迎



「怪異との戦いですか。あの者たちに噛まれたとしても問題ないとは限りませんからね、注意するのですよ」
「ああ、分かってる」
「それにただ戦うだけでは無く、全体に目を配り生存者が襲われないように倒していきましょう」
「分かってるって!」
 念を押す相棒に、頷きを返しながら、転助は二刀を構える。その様子にうなずくと、燕三も帳簿を取り出した。
「よろしい、では支援は任せてください」
「ああ、信用してるぜ、燕三!」
 その言葉を待ちわびていたとばかり、飛び出す転助。吸血鬼めがけ、二刀一対の妖刀で斬りかかる。
「動きが読みやすいぜ、随分となっ!」
 それを捕らえようとする吸血鬼だが、暴走し、力を増している分動きは単調だ。見切って躱し、カウンターの双閃。×の字に切り裂かれた吸血鬼は、崩れ落ち、灰と化す。
「流石ですね。さて、わたしも始めますよ」
 広げた帳簿の1ページ。そこに書かれているのは、金勘定ではない。
「見定めよ、我が呪に従いて」
 読み上げたその言霊に応じ、飛び出すのは無数の紙人形。彼の算術によって操られる式神が、空へと舞い上がる。
「3割は索敵に。1体は転助との通話用に。残りはわたしと転助を守りなさい」
 百を越えようと言う大量の式、それを一つ一つ、正確に把握し、操る。
「複数の式を操ることなど造作もないことです」
 紡ぐ言葉は冷静な事実。巧みな式使いを見せ、転助を支援すると言う先の言葉を違えず実行する。
「流石だな。これで大分やりやすくなる……!」
 その背を式に守られながら、さらに刀を振るう転助。その刃は飛び回る吸血蝙蝠を逃さず貫き、吸血鬼の骨の継ぎ目を縫って断ち切り、首を飛ばして灰に返す。
「この鼻は特別でね。俺への攻撃も、弱い所も、全て嗅ぎ分けるのさ」
 キナ臭さ、と言う概念すら嗅ぎ分ける超嗅覚。誇るだけの事はあり、斬撃の軌道すら嗅ぎ分け、敵の攻撃を掠める事すら許さない。
「ふむ、これは楽が出来てしまいそうですね」
 治療の式を呼ぶ必要はなさそうだと、余裕を持ってその姿を見守り、その分の余裕を監視の式の制御に裂く。百の式との視覚共有、通常ならあまりの情報量に混乱してしまうであろうそれを、冷静にやり遂げる。
『……なるほど。転助、そろそろ村の吸血鬼達も粗方駆逐されそうですよ』
「そうか、俺の鼻も、嫌な臭いを感じてるぜ」
 式を通して通話しながら、転助は鼻をうごめかせる。感じる臭いは、レッサーヴァンパイアのそれとは比べ物にならない強さ。それがこちらに近づいてくる。
「が……見えるまでにはもう少し時間がかかりそうだ。その前に、こいつらを片付けとかないとな!」
『ええ、わたし達だけ倒し遅れたなどと言う不名誉は、避けたいですからね』
 燕三が、守りの式を攻めに転じさせると、その援護を受け、次々と吸血鬼を斬り裂いていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ティア・レインフィール
……あの姿は、ヴァンパイアの
そして私の身体にも流れているものの、罪の証
だからせめて、これ以上の苦しみを与えぬように
神よ、どうか私達を見守りください

神に【祈り】を捧げ
【破魔】の力を込めた【シンフォニック・キュア】による
聖歌を【歌唱】致します
皆様に力を、そして彼女達に救いを与える為に

最後の一撃は、光の【属性攻撃】を込めて
銀の短剣で胸を突き刺します
……どうか、安らかに
皆様の眠りはもう二度と、邪魔をさせません



「……あの姿は、ヴァンパイアの……そして私の身体にも流れているものの、罪の証」
 村の多くの場所で、猟兵達が戦いを繰り広げる……それを見渡せる場所で一人佇むティア。
「だからせめて、これ以上の苦しみを与えぬように、神よ……どうか私達を見守りください」
 祈りを捧げ、その懐から取り出したのは、白銀の懐中時計。蒸気機関で動くそれを、顔の前に翳す。
「皆様に力を……そして、そして彼女達に救いを」
 その時計を通して戦場全体に広がる聖歌。破魔と癒しの祈りをこめた、澄み渡った歌声が、猟兵達の傷を塞ぎ、背中を押し、勇気を与えて戦線を支える。
(どうか、ご加護を……)
 吸血鬼に、眷属とされたレッサーヴァンパイア達の姿には、強い哀しみを感じる。されど、涙は流さぬと己を律した彼女は、その思いを歌声に隠し、高らかに響かせ続けた。
 そんな歌声を止めるべく、一匹の吸血鬼が彼女へと迫る。だが、他の猟兵と戦った後なのか、その姿に力はなく……それを見つめる、深い藍色の瞳。
「良いでしょう、では、あなたは私が」
 歌を止め、抜き放ったのは銀の短剣。そこに、祈りと共に光を纏わせる。
「……どうか、安らかに」
 深く、心臓に突き立てた。鮮血と共に与える、最後の慈悲。
「皆様の眠りはもう二度と、邪魔をさせません……」
 悲しげに見渡せば、村の吸血鬼達は、全て、灰へと還っていた。それを悼むように、彼女は短く祈りを捧げる。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『ヴァンパイア』

POW   :    クルーエルオーダー
【血で書いた誓約書】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD   :    マサクゥルブレイド
自身が装備する【豪奢な刀剣】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ   :    サモンシャドウバット
【影の蝙蝠】を召喚する。それは極めて発見され難く、自身と五感を共有し、指定した対象を追跡する。

イラスト:伊藤あいはち

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「おのれ……貴様らが猟兵か。私の邪魔をしおって……!」
 全てのレッサーヴァンパイア達を滅ぼした後。現れたのは、彼らの主たる吸血鬼だ。憎々しげに猟兵達を睨み、見回す。
「この私の大望の邪魔をするとは、愚かな奴らめ……許しはせぬ!」
 猟兵達を見渡し、怒りを露わに、豪奢な刀剣を抜き放つ吸血鬼。
「この世界に希望などない。滅びの命運をたどるが宿命……それを思い知るが良いわ!」
 『ヴァンパイアとしては、さほど格は高くない』……そんな事前の情報通り、その言動にはいまいち余裕が見受けられない。だが、その身に湛えた力は本物に相違ない。猟兵達全てを相手取るだけの力を持っているはずだ。

 しかし、ここで負ける訳にはいかない。悪しき吸血鬼の主を倒し、この村に、一時の平和を取り戻すのだ!
仁科・恭介
※アドリブ、共闘歓迎
UC対象:アドリブ歓迎
吸血鬼に対する嫌悪感から言葉が荒くなる

吸血欲求、格が高くないヴァンパイア…考えるのはやめよう。
今は目前の奴に集中する。
「とうとう親玉が出てきましたか。本当に(憚られる言葉)じゃ、潜みますね」

【目立たない】よう気配を消し、吸血鬼の場所を把握。
死角からいつでも急襲できるよう【携帯食料】を貪る。
自分に「落ち着け」と三回繰り返し他の猟兵が攻撃しやすいよう攪乱を開始。

【ダッシュ】を絡めて斬りかかり相手に覚えさせる。
「お前の大望ってなんだよ。どうせ大したものじゃないんだろ?」と挑発。
そして【残像】を使用して隙を作り一撃。離脱の際に足を狙って斬る。


弥久・銀花
大望? 村征服の失敗から挽回できない様な計画性の無さか堪え性の無さか知りませんが、棒を振り回す幼児が考えるせかいせいふくと同レベルですね。

滅びの運命ですか。 ここで眷属共々、村の征服に失敗して憐れにも塵になるヴァンパイアの運命ですか?
ああ、貴方の事です。

そろそろ薬缶みたいにカンカンになってないで掛かって来なさい、吸血鬼らしからぬ感じに顔色が良くなってますよ?



と、挑発(まあ、そう思ってますが)して戦闘に入ります。
油断、慢心、逆上のどれかをさせておかないと夜間の吸血鬼なんて相手にするには怖いですからね。

そして私は刀で応戦すると見せ掛けて、初手から人狼咆哮で応じましょう。


龍ヶ崎・紅音
アドリブ・絡み歓迎
「あなたは絶対許さない!覚悟しなさい!」
【SPD】

最初に、「槍焔竜「ホムラ」」を【槍投げ】で(外してもいいから)【串刺し】にしようとするよ
さらに、槍の注意から逸らすように両手で構えた「黒焔竜剣」を【怪力】で焔【属性攻撃】、【薙ぎ払い】、【力溜め】てからの【鎧砕き】を駆使して相手に切りかかる
『マサクゥルブレイド』については、味方を【かばう】ことも忘れずに【武器受け】で対処、全部受け切れるかわからないけどそこは【勇気】と【気合い】で頑張る
完全に引き付けたら、『焔竜化身』で焔竜形態となったホムラに不意打ちしてもらうよ
「卑怯…?あなただって、無力な人たちを襲うなんて卑怯じゃない!!」



「あなたは絶対許さない! 覚悟しなさい!」
「ふん、どう許さぬと言うのだ、小娘?」
 勢いよく投げつけた紅音の槍が、戦端を開く。それを回避し、吸血鬼は余裕の笑みを浮かべた。
「貴様らなど、私の足元にも及ばん……」
「足元に? そうですね、計画性の無さでも、堪え性の無さでも、足元にも及びません」
 だがそんな調子に乗った様子に、銀花はやれやれと首を振る。
「く、口の聞き方に気をつけろ、小娘っ!」
「薬缶みたいにカンカンですね、吸血鬼らしからぬ感じに顔色が良くなってますよ?」
 その挑発に、あまりにあっさりと逆上した吸血鬼。手にした刀剣を分身させ、己の周囲に展開する。
「ええい、うるさいっ、うるさっ……むっ!?」
「さあ、いくよっ!」
 そこへ間合いを詰めた紅音が、黒焔を纏う剣で斬り掛かる。何本かの刀剣を束ね、それを受け止める吸血鬼。
「ふん。その程度の攻撃が通用するものか!」
「それはこっちの台詞よっ!」
 さらに、別の刀剣が紅音を狙って降り注ぐが、それを薙ぎ払うようにして弾き飛ばす。
「偉そうな口を聞いておいて、この程度?」
「ええい、調子に乗るなっ!」
 吸血鬼は、その慎重さ……言い換えれば小心ゆえか、刀剣の一部を常に防御に回しており、それゆえに、降り注ぐ刀剣の数は限られる。打ち払う紅音にも、余裕がある。
「こちらからもいきますよっ!」
「ちっ……!」
 さらに、銀花も守り刀を手に駆け寄る。刀剣でそれを防ごうと壁を作る吸血鬼。
「オォォォォォォッッ……!」
「何っ……!?」
 その瞬間、銀花は、その身体の底から、咆哮を迸らせた。人狼の咆哮は物理的な力を持ち、刀剣の壁を弾き飛ばした。
 そして、守りを失った吸血鬼の死角から、紅い瞳を輝かせた恭介が飛びかかる。
「喰らえっ!」
「ぐぁっ!? お、おのれっ!?」
 一閃が、吸血鬼の肩に食い込み、血を流させる。流石にオブリビオンだけあって、一撃では致命傷に程遠いが、その一撃のみで狼狽する吸血鬼。
「不意打ちとは卑怯なっ」
「どの口でそんなっ!」
 その言葉を、紅音が怒りと共に咎め、斬り掛かる。
「あなただって、無力な人たちを襲うなんて卑怯じゃない!」
「はっ、襲う、だと?」
 再び刀剣で身を守りながら、その言葉を鼻で笑い飛ばす吸血鬼。
「私は別に襲ってなどおらん。ただ、餌を刈り取っただけだ」
「餌……っ!?」
 人を見下しきったその言葉に、紅音の顔がさらなる怒りに染まった。
「吸血鬼ってのは、本当に……!」
 恭介もまた、言葉にするのを憚られるほどの罵詈雑言を叩きつけた。口にしていた干し肉を噛み千切ると、素早い動きで撹乱を図る。
「だいたい、お前の大望ってなんだよ。どうせ大したものじゃないんだろ?」
「まあ、そうですね。こんな小物の望みなんて、せいぜい、棒を振り回す幼児が考えるせかいせいふくと同レベルです」
 吸血鬼への嫌悪を露わにする恭介に、銀花も同調して肩を竦める。
「私の大望を、愚弄するかぁっ!」
 完全に怒りで逆上した吸血鬼……その刹那、彼の背後に白銀が立ち昇る。
『ゴォゥ!!』
「何っ……!」
 気配にあわてて振り向いた吸血鬼の眼前に立つのは、白銀の竜。紅音が先程投げた槍が変じた……正確に言えば、槍に姿を変えていた竜、ホムラが、その焔で吸血鬼を焼き払う。
「そこだっ!」
「ぐぅっ!?」
 さらに、その炎に悶える隙をつき、残像を伴うほどの鋭い斬撃を繰り出す恭介。素早く脚を斬りつけ、傷を刻みつける。
「卑怯なんて言わないわよね、餌に出し抜かれて?」
「二度も不意打ちを受けるなんて、単純だな。所詮吸血鬼の頭なんてその程度だろうけどさ」
 翼を広げ、炎を振り払う吸血鬼。怒りと屈辱を露わに、猟兵達を睨みつける。
「おの、れぇ……貴様ら、まとめて滅ぼしてくれるぅっ!」
「滅びる? 眷属共々、村の征服に失敗して憐れにも塵になって滅びると?」
 あまりに簡単に逆上するその有様に、挑発のし甲斐もないと呆れながらさらに言葉を重ねる銀花。
「ああ、貴方の事ですよ」
「貴ぃ、様、らぁ……!」
 降り注ぐ刀剣が猟兵達を襲うが、皆、危なげなく跳び下がって回避する。
「あれが親玉なんてな。格が高くない……まあその通りだ」
 吸血鬼の体力はまだまだ余裕があるが、心は既に余裕がなさそうだ。それを見ながら恭介は、奇襲の準備のため再び物陰に潜んでいく。
「それにしても、さっきの吸血欲求は……いや、考えるのは後だ」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ソフィア・ウェスタ
ああ、悪そうな顔してる!
いいね、あなたみたいな悪そうな顔したわかりやすい悪者は大好きよ!

そんなわけで遠慮なくぶっ飛ばして……と言いたいところだけど!
私以外にも猟兵さんはたくさんいるからね!私は生まれながらの光で怪我した人たちの治療に回るよ!決して楽したいとかいうわけじゃないからね!!
みんなの無事を祈るだけじゃなくて行動に起こしてるだけよ!

これでも最低限の自衛はできるつもりだから、皆さん私が狙われててもそんなに気にせずに!


ユーリ・ヴォルフ
【ペンドラゴン】
カイム・クローバーと行動

いよいよキングのお出ましか
カイム。ここで終わらせよう。絶望などねじ伏せてくれる!

真の姿を解放し炎の騎士となる
互いに盾となり、カイムと連携を取ろう。槍を構え
『オーラ防御』『武器受け』で攻撃をやり過ごし
『二回攻撃』『鎧無視攻撃』『串刺し』で攻め
【ドラゴニアン・チェイン】を
足元目掛けて結び付け引っ張り隙を作る
いまだ、カイム!

こんな辺境の村を襲うとは
お山の大将でも気取りたかったのか?性根が小さいな!
と挑発し、敵がこの村に執着している理由を聞くべく誘導する

ルールは「ヴァンパイアを倒す」と宣言
この世界に希望がないのなら、希望を新たに生み出すまで!
それが俺達、猟兵だ!


カイム・クローバー
【ペンドラゴン】
ユーリと行動。執着している理由を聞く必要があるな。
…頭は良くなさそうだし、【挑発】【情報収集】を用いて怒らせてカマかけてみるか。滅ぼした村に何の用だ?人探しでもしてんのか、蚊トンボ野郎?
【P】
【第六感】でユーリと連携取ってくぜ。今回は二人で前衛だ。
【二回攻撃】【鎧砕き】【なぎ払い】【串刺し】で前に出る。ユーリとは互いに盾の役割を果たせたらと思うぜ。【挑発】交じりでこちら側にも警戒を向けさせ、攻撃に対して【見切り】で回避。
おいおい?俺に注意向けてて良いのか?炎の騎士様に狙われてるぜ?(余裕)
隙を見せたらUCだ。攻撃回数重視、そのまま頭を飛ばせりゃ良いが、駄目でも腕ぐらいは貰ってく



「いよいよキングのお出ましか」
 その真の姿を解放するユーリ。炎を身に纏い、槍を構えた騎士が、前に進み出る。
「カイム。ここで終わらせよう。絶望などねじ伏せてくれる!」
「そうだな。二人で仕掛けるぜ!」
 それにカイムも並び立つ。こちらは大剣を獲物に、吸血鬼に斬りかかった。
「ふんっ。束になってかかって来ようと、貴様らの力が私に通用するものか!」
 その二人の攻撃を、無数の刀剣で阻んでいく吸血鬼。さらにカイムめがけて誓約書を放とうとするが、それをユーリが斬り捨てる。
「おっと……使わせねぇぜ」
 逆に、カイムめがけて降り注ぐ刀剣は、槍を振り回してユーリが振り払う。
「させると思ったか!」
「ちっ、小賢しい奴らめぇ!」
 連携し、互いの攻撃を互いに防ぐ盾となり、吸血鬼の攻撃を阻む2人。さらに、そんな2人を援護するように、ソフィアが後衛で癒しの光を広げていく。
「いいね、あなたみたいな、露骨に悪そうな顔したわかりやすい悪者は大好きよ!」
「悪者だと……ふん、この世界では我らが支配者、その統治を阻もうとする貴様らこそが悪だろうっ!」
 刀剣をソフィアめがけて放っていくが、それを素早く回避。
「ふふん、前衛の相手をしながらそのついでに飛んでくる攻撃なんて、通用する訳ないでしょっ!」
「くっ……!」
 余裕の笑みを浮かべるソフィアを睨みつける吸血鬼。実際、ユーリ達の連携攻撃を前にして、彼に余裕はない。
「決して楽したいとかいうわけじゃないからね! みんなの無事を祈るだけじゃなくて行動に起こしてるだけよ!」
「いや、別に疑ってはいないが!」
 確かに直接接敵しない分、多少は楽かもしれないが。誰に聞かれるでもない言い訳に、ユーリが思わず答えを返す。
「ともかく、これでも、最低限の自衛は出来るのよねっ……みんなは私を気にせずに、戦って!」
「ああ、助かるぜ!」
 援護を受け、さらに勢いを増すカイムの斬撃。重く鋭く、吸血鬼に攻めかかる。
「それにしても、滅ぼした村に何の用だ、蚊トンボ野郎?」
「統治者とやらを自称しているが、お山の大将でも気取りたかったのか? 性根が小さいな!」
 ユーリと共に挑発を重ねると、吸血鬼は途端、軽く鼻で嘲笑うような表情を浮かべて見せた。
「はっ……貴様らには理解出来まい。この私の大望が、この程度の小さな村で収まるものか!」
「……うわぁ。典型的な小物って言うか、なんて言うか……本当、わかりやすくて良いけどね」
 思わず呆れたような声を漏らすソフィア。これでは『村そのものが目当てではない』と白状しているようなものだが、吸血鬼に自覚はないようだ。
「やれやれ、頭は良くないみたいだなっ!」
「何ぃっ!?」
 カイムの言葉に、怒りを露わにする吸血鬼。その表情に、カイムはニヤリと笑う。
「おいおい? 俺に注意向けてて良いのか? 炎の騎士様に狙われてるぜ?」
「何っ!?」
 慌てる吸血鬼の足元めがけ、槍を突きつけるユーリ。彼の纏う炎を喰らった槍が、竜のオーラで鎖を紡ぐと、吸血鬼の脚を縛る。
「いまだ、カイム!」
「おうっ……さあ、踊るとするかっ!」
 足元を繋ぎ、動きを封じた吸血鬼めがけて、カイムが繰り出すは死の剣舞。大剣を手足の延長のように扱い、狼が喰らいつくかのように斬りつける。
「ぐっ……こっ、小賢しいっ……!」
 その斬撃を刀剣で阻み続ける吸血鬼。だが、力強い斬撃は、一撃ごとにその守りを引き剥がす。
「貰った……!」
「があああっ!?」
 そして、トドメの斬撃を首へと繰り出し……咄嗟に吸血鬼は腕で庇うが、その半ばまで食い込ませ、骨を断つ。。
「ちっ。頭を飛ばしてやりたかったが……まあ一応この程度で良しとしとくか」
「お、のれぇ……!」
 鎖を切り離して逃れ、怒りと屈辱を露わに、こちらを睨みつける吸血鬼。
「この世界に希望がないのなら、希望を新たに生み出すまで……」
 そこへ、ユーリが槍を堂々と突きつけ、高らかに宣言する。
「それが俺達、猟兵だ!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

月宮・ユイ
”視力、暗視、聞き耳、第六感”
臨戦態勢維持、敵を”見切り、情報収集。学習力にて知識”を蓄積更新、”コミュ力”応用言動観察

あれが元凶ね
余裕のなさにここまでの執着…今後の安全の為にも情報必要ね
誰かのせいだったなんて後味悪い事にならないと良いけれど…

[星剣]+[ケイオス]槍剣
防御中心に戦い”目立たない様力溜めし、だまし討ち”
”高速詠唱、全力魔法、ロープワーク”【縛鎖】で拘束を狙う
成功なら解除までの”時間稼ぎ”に会話に付き合う可能性も
”破魔、属性攻撃:光”黒鎖、”吸血、生命力吸収”銀鎖、”マヒ攻撃、呪詛”金鎖
こちらも維持に集中し、質問は話術に長けた、或いは専用の力持つ人に任せたい所

協力大歓迎アドリブ可


露木・鬼燈
んー、なんだろうこの違和感?
気品とか優雅さ…何よりも支配者の風格が足りない!
こいつはなんてゆーか…
小物臭いとゆーか成り上がりっぽい雰囲気?
ヴァンパイアにも格とか位階みたいなものがあるっぽい?
レッサーヴァンパイアから力をつけて昇格、なんてね。
そー言えば元庶民出身の領主を新興貴族って呼ぶんだっけ?
こいつの持つ雰囲気から考えると…
それはそれとして、戦わないとね。
感じる強い怨念、これってここの住民のものだろうね。
生き残りを守るためにも力を借りるっぽい!
一番効果的なのは血霧腕で腕をねじ込んだとき。
怨念すべてを呪詛に変え、体内から喰らい尽くすのです。
連結刃を巻き付け、動きを封じたタイミングでやるっぽい!


アリーシャ・マクファーソン
雑魚共を蹴散らしたら、ようやく親玉の登場ね。
なんとも貧相なこと……ヴァンパイアとしての格が知れるわね。

さてと、はたしてどんなくだらない野望を抱いていたんだか。
せっかくだから、聞きだしてみると面白いかもしれないわね?
割と激昂しやすい性格みたいだし……煽ったら簡単に吐いてくれそう。

能なしの吸血鬼もどきさん、鬼さんこちら、ってね。
【絶断之氷柩】で動きを止めて、嘲笑をくれてやりましょう。
だからあなたは無能なのよ。吸血鬼としても下の下。魔獣と大して変わらないわね。

私の追い求めるヴァンパイアではなかったけども、1匹1匹潰していけばいつか辿りつけるでしょう。その日が来るまで、私は狩り続けるわ……



「なんとも貧相なこと……ヴァンパイアとしての格が知れるわね」
「気品とか優雅さ……何よりも支配者の風格が足りない!」
 アリーシャが、鬼澄が、吸血鬼を見下すように言い放つ。
「小物臭いとゆーか、成り上がりっぽい雰囲気?」
「何をっ……」
 当然のように怒りを露わにする吸血鬼は彼女たちに誓約書を放つが、それはユイが双剣で斬り捨てる。
「余裕……なさすぎね」
「くっ……ふ、ふん、貴様らの挑発なぞ私にはなんと言う事はない!」
 その冷たい言葉に、冷静さを繕おうとする吸血鬼だが、明らかに隠しきれていない。
「で、どんなくだらない野望を抱いていたのかしら、能無しの吸血鬼さん?」
「い、言う訳が、なかろ……うっ!?」
 こちらに飛んでくる刀剣の一本に敢えて手を伸ばし、握りしめて血を溢れさせるアリーシャ。魔力のこもった血は冷たく凍りつき、無数の鎖となって吸血鬼へと迫った。動揺を隠す事に意識を裂かれていた吸血鬼は、回避が遅れ、体勢を崩す。
「なら……話してもらう」
「捕まえてあげるっぽい!」
 そこへ畳み掛けるようにユイもまた、虚空より三本の強固なる鎖を生み出した。さらに鬼澄も、魔剣を連結刃に変えて絡みつかせようとする。
「き、貴様らっ!?」
 吸血鬼を取り囲むように放たれた、無数の拘束。一人のそれは防ぎきれても、三人分となれば、体勢を崩した吸血鬼には避けられない。
「ぐっ……は、離せ……!」
「あらあら。あっさり捕まってしまって」
 捕縛され、必死にもがき、逃れようとする吸血鬼。氷の鎖がその身体から自由を奪い、刃が食い込み、三色の鎖は血を吸いながら破魔と呪詛の力を流し込む。
 流石に力は強く、鎖はすぐに軋み始めるものの、ここぞとばかりにアリーシャは嘲笑を浮かべて挑発する。
「だからあなたは無能なのよ。吸血鬼としても下の下。魔獣と大して変わらないわね」
「お、おのれぇ……!!」
 怒りを露わにする吸血鬼の元へ、素早く駆けるのは鬼澄。その手に集めるのは怨念……この地に残る、吸血鬼を恨む者達の思い。
「生き残りを守るためにも……力を借りるっぽい!」
「がはっ……!?」
 その腹を腕で抉り、臓腑を握って引きずり出す。目を見開き、血を吐き出す吸血鬼。
「ぐ……だ、が……この程度、でぇ……!」
 苦悶しながらも、オブリビオンとしての意地を見せ、拘束を振り払う吸血鬼。腹に穴が開いていても倒れる気配はない、が……大きなダメージを与えた手応えはある。
「なんだか弱いっぽい。元庶民の新興貴族とか、そんな感じ?」
「ふ、ふざけるなぁっ、この私を、そのような、眷属上がりのもどきと……がっ!」
 怒りに鬼澄を睨みつける吸血鬼……だがその注意が逸れた隙をつき、ユイが油断なく吸血鬼を斬りつける。星と竜の力を宿した双剣が、幾重にもその身体に傷を刻みつける。
「嘘は言っていないようね……余裕がないのは、生来の性格?」
「生来小物とか、それは救いようがないわね」
 憐れむように煽るアリーシャ。放つ鎖は今度は当たらないものの、避ける事を強いて行動を大きく制限していく。
「ふーん、違うんだ。まあその小物っぷりなら勘違いするのは仕方ないっぽい」
「そうね、仕方ないわ」
 鬼澄の言葉にも同意すると、真っ赤に染まる吸血鬼の顔を、悪魔のように紅い瞳で見上げながら徹底的に嘲り抜いていく。
「私の追い求めるヴァンパイアではなかったけども……あなたみたいな小物でなかった事を感謝すべきかしら」
 その吸血鬼を求めるのが、彼女の全て。その全てがこんな小物であったら、確かに落ち込んでしまいそうだ。
「まあ、1匹1匹潰していけばいつか辿りつくのだから……小物であろうと、潰しておかないとね」
「き、貴様ぁ……滅ぼすっ、滅ぼしてくれるわぁっ!」
 立て板に水のように流れ出る少女の罵倒に、完全に頭に血を昇らせる吸血鬼。
「誰か他に元凶がいるのかも、なんて懸念もあったけど……」
 すっかり逆上しきった様子のその姿を見て、ユイは少々安堵のため息すら漏らす。
「仮にいたとしても、こんな相手なら後味が悪くなくて済む……」
 何であれ、悪しき吸血鬼である事に変わりはない。まかり間違っても、悲しい事情などなさそうだ。
「もう少し情報を引き出したい所だけど……」
 それは他の猟兵に任せようと、改めて双剣で斬りかかっていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

御代・燕三
相棒の【犬憑転助】と参加。
大将首と言いたいところですが、あなたの首に価値はありますか?

UC「算術式:献身の章」を使用。さあ大暴れしてくださいよコロ助。あなたの剣術が役立つ時です。

防御を考えずに戦う相棒のために、回復をし続けます。怪我をしてから式を放っては間に合わない事もあります。複数を時間差で放ち[誘導弾]により意識せずに治療。もちろん[高速詠唱]で咄嗟の回復も準備しておきます。他の猟兵が怪我をした場合も治療していきますよ。勝利のために疲労は意識しません。

わたしが怪我をしないように、戦場では[目立たない]立ち回り。いつでも回避行動がとれるように警戒します。
アレンジ・アドリブ、他猟兵との絡みOK


木目・一葉
この者で最後か
いや、何を狙ってたか分からない以上、最後ではない
だが今は目の前の戦いに集中だ
人の命を奪い、下僕として使役した敵を逃すわけにはいかない
「一体お前達は何を企んでいる?
この何もない村で、何をしようとしていたんだ」

・戦闘
真の姿を解放
フック付ワイヤーのラルマニケテで、誓約書と念力で操作される刀剣を迎撃する
ワイヤーの迎撃をぬけてきた場合、【オーラ防御】をしこんだ斧で【武器受け】か、【地形の利用】で岩石などを盾代わりにして防ごう
影の蝙蝠については【第六感】を働かせ、注意をしておく
またこのドサクサに紛れ『影の追跡者達の召喚』を放って敵を追跡させ、隙をみせたとき『影人の縫い針』によるUC封印を狙う


犬憑・転助
相棒の【御代燕三】と参加

いったんシスターたちのところに行き、キナ臭くないか確認
怪しいなら探ったりここを守ったりする(いざとなりゃ燕三は転移してくるだろう)
奇襲が無さそうならヴァンパイアを倒しに行く

第六感も超嗅覚の効果とする

超嗅覚が可能な時は有効活用
超嗅覚で敵の狙ってる場所を察知し回避
敵の弱点を超嗅覚で嗅ぎ分け、そこを狙うよう指示しつつ二刀で攻撃

蝙蝠達は殺気で動きに隙を作ってその瞬間倒す

契約は守らず敵を攻撃(回復は燕三任せ)

大量の剣は超嗅覚で回避&刀で弾く

誰か第三者が監視してないか超嗅覚でチェック、追えるなら追う
追えそうに無いなら燕三に言う(犯人を燕三に見せる事を優先)

苦労人ポジOK
アドリブ歓迎



「一体お前達は何を企んでいる。この何もない村で、何をしようとしていたんだ……!」
 身体に紋様が刻まれ、炎を噴き上げる。焼け焦げた一角を露わに、真の姿を解放した一葉は、灰色のワイヤーを張り巡らせて迫る刀剣を阻む。
「人の命を奪い、下僕として使役して……!」
「はっ。ヴァンパイアにとって、人の命など気まぐれで消費すべきものだろう!」
 さらに放たれる刀剣を、素早く岩の影に隠れてやり過ごす一葉。吸血鬼の返答に、怒りがその胸に滾る。
「目的も気にはなるが、今は、戦闘に集中するか……」
「大将首、と言うには正直不足も良い所ですが」
 怒りを感じるのは燕三も同じ。相手は小物、倒して誇れる相手では無いが……。
「落とさねばならぬ首と言うのは、間違いないようですね。さあ大暴れしてくださいよ、コロ助」
「おうっ! ……いや待てコロ助じゃねぇよ、てん助だ、つってんだろ!」
 転助の定番の返しが一拍遅れたのもまた、彼がそれほどに怒りを覚えていたため、だろう。二刀一対の剣を構え、全力で斬り掛かる。
「貴様みたいな、はらわたの腐ったようなヤツは、大っ嫌いなんだ。倒させて貰うが、悪く思うな……いや、悪いと思う資格もねぇっ!」
「お前達に資格を認めてもらう謂れなどないわ!」
 無数の刀剣を放ち、転助を迎え撃ってくる吸血鬼。その飛び来る刃を、臭いで嗅ぎ取って払い除け、躱し、吸血鬼に肉薄する。
「ちぃっ……止まらんか、このっ……」
「止まれと言われて止まるヤツはいねぇよ!」
 ならば、と契約書を放つが、それを拒み、ひたすらに前に進む。当然対価としてその身から血を吹き出すが、そんな事よりも、ひたすら敵を斬る事だけを考えて突き進む。
「猪突猛進と言う諺がありますが、犬も真っ直ぐに進むものですね。まあ、こんな時は頼もしいですが」
 そんな転助を、燕三は得意の算術式で援護する。優れた計算によって繰り出される献身の術式は、対峙する吸血鬼は愚か、治癒を受けている転助すら、いつ治癒されたか分からない……それどころか、意識の端にも痛みを感じぬほどだ。
「前衛は任せましたよ。私の代わりに首を落として貰いましょう」
 吸血鬼に対する怒りと憤り。それを相棒に託し、彼は迷いなく、勝利のための計算を弾き続ける。多少の疲労など、苦にならない。
「ええい、いい加減、にっ……!?」
 目前へ迫る転助に対し、影より蝙蝠を放とうとする吸血鬼。だが、転助が迎え撃つまでもなく、その蝙蝠はワイヤーに巻き取られ、地に落ちる。
「捕らえたぞ?」
「くっ、いつの間にっ!?」
 先程物陰に隠れていた一葉が、そのまま迂回して、背後から蝙蝠を防いだのだ。そして無論、それだけではない。
「な、にぃっ!?」
 転助の盾としていた刀剣が、一斉に地に落ちる。操ろうとしてもピクリとも動かない。
 ひときわ濃く染まった、一葉の影。そこから放たれた針が、吸血鬼の針を拘束し、ユーベルコードを封じている。
「隙あり、だっ!!」
「がっ……はっ!」
 唯一手にした刀剣ごと、転助の斬撃が吸血鬼を断つ。胸元に、交差する刀傷を刻みつけると、鮮血が吹き上がる。
「ぐ、ぅ……おのれ……!」
 なんとか下がり、影針の拘束からも逃れる吸血鬼だが、その傷を抑えて猟兵達を睨みつけてくる。
「どうせ人から吸った血だろう。お前のものではないなら、流しても構うまい」
「人間の血など、全てヴァンパイアの血も同じだ。貴様の血もな!」
 一葉の挑発に逆上する吸血鬼。傷ついてなお傲慢に振る舞うその姿に、怒りは募るばかりだ。
「度し難いな……その不当な血、もっと流さねば分からないらしい!」
 再び浮き上がった刀剣を、ワイヤーが薙ぎ払う。そんな攻防を見つつ、転助は一つの懸念に眉を寄せる。
「他の臭いはしねぇな……」
 第三者の接近、あるいは監視を警戒していた転助だが、彼の超嗅覚にその臭いはかからない。少なくとも、近くに他のオブリビオンはおらず、この吸血鬼を倒せば、当面の安全は確保出来そうだ。
「だが、どうにも最大の黒幕、って柄には見えねぇよな……」
「まあ、それは確かに」
 相棒の懸念に同意しつつも、その片手間で高度な算術を続け、他の猟兵をも治癒していく燕三。
「まあ、その辺りも引き続き探りつつ、でしょうか。警戒は怠らないように、コロ助」
「てん助だっ!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

イデアール・モラクス
ようやくお出ましか…待ちかねたぞ!
さぁかかってこい!吸血鬼をも超越した私に勝てるつもりならばなぁ!

・行動
「誓約書?無数の刀剣?影の蝙蝠?
それがどうした、全て穿ち貫いてくれるわ!」
UC【鏖殺魔剣陣】を『全力魔法』で威力を増し、『範囲攻撃』で空を埋め尽くすほどの数に増やした上で『高速詠唱』を用いて連射、敵の攻撃UCを粉砕して吸血鬼を貫く。
「なぜあの村に拘っていたか教えてもらおう…貴様の口ではなく身体からなぁ!」
魔剣は命中したら敵を『串刺し』にして縫い止めた上で『属性攻撃』で刀身に雷撃を通して『傷口を抉り』ながら剣に血を『吸血』させ『生命力を奪い』ながら、血と魔力を通して情報を得る。

※アドリブ歓迎


アイ・リスパー
どうやら相手は無駄にプライドが高く、他人を見下す傾向にある典型的な吸血鬼のようですね。
ならば、そのプライドを利用しましょう。

「この村の何にそこまで執着しているのか教えてくれるのでしたら、
その誓約書の誓いを受けてあげてもいいですよ。
まあ、そんな誓約書程度では私は倒せませんが」

相手にメリットを提示しつつ、わざと相手を挑発して情報を引き出そうとします。

誓約書からの攻撃を避けきれなかったら
【シュレーディンガーの猫】により現実を改変して回避を試みます。

「吸血鬼の弱点は日光と相場が決まっていますよね」

【アインシュタイン・レンズ】で吸血鬼の頭上に出現させた重力レンズによって日光を収束。
光の束で攻撃です。


フランチェスカ・ヴァレンタイン
一度は滅んだ過去の残滓に命運を説かれましても……
希望がないのでしたら我々がその種火を灯すまで
それに…… わたしの経験から申し上げますと、宿命などというモノも些細なことで覆る程度のモノでしてよ?

「オーバーソウル、限定展開…!」
噴射跳躍で吸血鬼へ迫りながら【真の姿】を解放、翼と外殻機甲が光焔を噴き、纏い、一体化して光焔の揺らぐ翼と外殻に

視線を振り切るような高速機動で迫り、擦れ違いざまに斧槍を一撃、そのまま推力偏向機動で鎧砕きを載せた蹴撃を2回攻撃でお見舞い致しましょう
砲撃を浴びせながら交戦距離から一旦離脱しつつ上空へ、UCを発動し、頭上からの急降下強襲で斬り伏せます

※詠唱改変・アドリブ・絡み大歓迎



「一度は滅んだ過去の残滓に命運を説かれましても……」
 呆れたような言動で挑発するフランチェスカ。肩を竦めながらゆっくりと翼を広げ、飛び上がる。
「ふん、なんと言おうと、この世界に希望などないっ!」
「ならば、我々が希望の種火を灯すまで。オーバーソウル、限定展開……!」
 その翼と外殻機甲が光焔を噴き、それを身に纏う。
 光焔の揺らぐ翼と外殻から、テールをたなびかせると、高速で接近する。
「何、速っ……」
「遅いですわ!」
 吸血鬼が身構える暇があればこそ。圧倒的な高速機動でのすれ違いざま、斧槍でその身体を断ち、脇腹に大きな傷を刻む。
「がはっ……」
「ほら、ぼうっとしている場合ではっ!」
 さらに続けざま、二連の蹴撃。すらりとした脚が頭部を蹴り抜き、そのまま足場にして空へ舞い上がる。
「ぐっ……こ、この、ちょこまかと飛びおって……」
「やれやれ、無駄にプライドが高いみたいですね!」
 そんな姿を見て、アイはビシッと指を向ける。
「この村の何にそこまで執着しているのか教えてくれるのでしたら、その誓約書の誓いを受けてあげてもいいですよ?」
「何故貴様に、受けて貰わねばならんのだぁっ!」
 挑発に逆上し、契約書を放つ吸血鬼。傷つき血が溢れるが故に、次々と契約が刻まれ、アイを襲う。
「っ……きゃあっ!?」
 避けきれず、その契約に縛り付けられるアイ。動こうとした瞬間、その身体から勢いよく血が吹き上がり……。
「……と、言う世界もあったようなのですが」
「何っ!?」
 今確かに倒れた筈のアイが消え、平行世界から現れた無傷のアイがにこりと微笑む。
「やはりあなたの契約などこの程度のものなのです!」
「吸血鬼の契約を踏み倒すなど……非礼を弁えよ!」
 怒りと屈辱を露わにする吸血鬼。と、それを見てニヤリ、とイデアールが笑う。
「ほほう……ならば、吸血鬼をも超越した私ならば構うまい?」
「な、何を……吸血鬼こそがこの世界の頂点! 貴様の不敬こそ万死に値する!」
 すぐさま、再び無数の契約書を描き出した吸血鬼……だが、それが放たれるより前に、無数の魔剣がその全てを突き刺し、地面に縫い止めた。
「誓約書だの、刀剣だの。それがどうした、私の前ではあまりに無力!」
 腕組みし、傲慢に見下したイデアール。その視線が生み出すのは、無数の……まさしく無数の魔剣。
「な、な、何……」
「たかだか数十本で偉ぶるなど、所詮貴様はその程度と言う事だ!」
 降り注ぐ、鏖殺の剣雨。当然、刀剣での防御など許さない。次々と、吸血鬼の身体に突き刺さっていく。
「なぜあの村に拘っていたか教えてもらおう……貴様の口ではなく身体からなぁ!」
「ぐ、ああああ……!」
 激痛に悶える吸血鬼に雷撃を叩き込み、さらに魔剣が血を吸い上げる。身体から、とは文字通り。血より情報を、記憶を読み取らんとするそれは、まさに魔女の、法外の業だ。
「さ……さ、させる……かっ……」
「ほぉう。抗うか。無駄な事を」
 だが、相手もオブリビオン、なんとかその吸収に抗い、剣をその肉体から引き剥がす。とはいえ当然、その代償として大量の血を噴き上げていく。
「痛そうですね……その血、止めてあげましょうか?」
 あまりに凄惨な光景に眉を寄せるアイだが、手は緩めない。上空に手を翳すと、重力レンズを精製する。
「日光があればなお良いのですが、あいにくこの世界は常夜ですからね……でも、月の光だって束ねれば結構なものになるんですよ?」
「な、に、を……」
 上を見上げた吸血鬼めがけ、月光を束ねた光が降り注ぐ。
「お、ぉぉぉぉぉっっ……!」
「さあ、傷口を焼いてあげます!」
 確かに血は止まろうが、変わってその身は燃え上がる。なんとか光から逃れ、地を転がる吸血鬼。
「はぁ、はぁ、はぁ……こ、この……程度でぇ……」
 屈辱と怒り、激痛と苦悶。猟兵達を睨みつけ、立ち上がろうとする……そこへと、上空から再度、光焔が降り注ぐ。
「憚りながら……両断させて頂きますわ!」
「っ……が、はぁっ!?」
 振り下ろされる、輝く斧槍。まさしく万象を切り裂く断撃は、吸血鬼の右肩から脇腹にかけてを断ち切り飛ばし、灰に還す。
「あら、惜しい。あと少しずれていたら、真っ二つでしたのに……けれど、滅びの宿命とやらはあなたの元に訪れそうですわね?」
「ぐ、ぉ……ぉ……!」
 残念そうに斧槍を引くフランチェスカを睨むも、流石に反論の余裕もなく、苦悶する吸血鬼。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リーヴァルディ・カーライル
…ん。身に余る野望は身を滅ぼすだけ。
“彼女の血”はお前には過ぎた代物よ、吸血鬼。

…仲間の猟兵の反応や話から気合いで訳知り顔を偽装(変装)
【吸血鬼狩りの業】を駆使して敵の殺気の存在感を見切り、
怪力任せに大鎌をなぎ払い刀剣を武器で受け流す

あえて隙を晒して敵の得意な戦法を出すように誘惑し
第六感を頼りに【限定解放・血の再誕】を試みる
成功すれば吸血鬼化した生命力を吸収して力を溜め、
傷口を抉る呪詛を宿したUCを連続発動(2回攻撃)

…『血の誓約書によって相手の動きを封じ、
その隙に刀剣で全身を串刺しにする』…そう動くことは知っていた。

…限定的とはいえ吸血鬼化したし、
戦闘終了後、シスターと逢えば何か分かるかな?


オリヴィア・ローゼンタール
どうにも……小物臭いな、吸血鬼
大望とは笑わせる、せいぜい小間使いがいいところだ
どうせ主人から仰せつかって犬のように嗅ぎ回っていたのだろう?
煽って目的を吐かせる試み
直接聞くよりも勝手に決め付けて見下した方が
プライドを守るために言わなくていい事を言ってくれるでしょうか?

【血統覚醒】【属性攻撃】【破魔】
吸血鬼を狩る吸血鬼と化し、槍に聖なる炎を纏い戦闘力を増大
何れにしても、貴様の大望も命も、我が血と聖槍の前に潰えるのみ

【怪力】を以って聖槍を【なぎ払い】、【衝撃波】を起こして遠隔攻撃を【吹き飛ばす】
【ダッシュ】で槍の間合いに踏み込み、縦横無尽に斬り打ち穿つ
貴様の首を彼女らへの手向けとする!


四季乃・瑠璃
緋瑪「そんな運命知らないよ」
瑠璃「貴方のくだらない大望で多くの人が犠牲になった…その罪、贖って貰うよ」

UCの効果で分身

二人で連携戦闘。
【残像】で翻弄し、【範囲攻撃、2回攻撃、早業】接触式ジェノサイドボム(以下ボム)による飽和爆撃で刀剣や影の蝙蝠は敵本体諸共吹き飛ばして対処。誓約書は【見切り】で回避かK100で撃ち落とすよ。
銃撃と接触式ボムによる爆破で追い込んだら、二人の魔力を集中して【ジェノサイドブレイカー】発射!
わたし達の新しい切り札…一気に吹き飛ばしてあげるよ

「最後に、この村の何を狙ってたのか吐いて貰うよ」
「途中、敵がわたし達の誰かを狙った動きしてたよね?何か関係あるの?」

※アドリブ歓迎


ティオレンシア・シーディア
※アドリブ掛け合い絡み大歓迎

あらあら、楽に片付くアテが外れたかしらぁ?
随分余裕がないみたいねぇ。
そのまま乾かず飢えず無に帰りなさいな。

装填するのは聖銀の弾丸・白木の杭のシャフトをはじめとした対吸血鬼の特効弾。
強力な分弱点もメジャーな相手だもの、〇破魔の〇属性攻撃で揃えるのは当然でしょぉ?
〇暗視で〇見切りつつ〇鎧無視攻撃の〇早業で●封殺を撃ちまくるわぁ。
制約は〇激痛耐性で耐えるしかないかしらねぇ。

状況から考えると、狙いはあのシスターさんかしらぁ?
恭介クンが吸血衝動がどうのって言ってたし…
「吸血すれば存在の格が上がる」ってとこかしらねぇ?
状況証拠ばっかりだけど、そこまで外れてないと思うのよねぇ。


結城・蓮
フラウロス(f08151)と。

やれやれ、やっと追い詰めたよ。
キミのせいでウチの姫は大層ご立腹だ。無論、僕もだけどね。
悪いけど、アンコールに最後までお付き合い願おうか!

フラウや他の猟兵が駆け寄るのを見守りながら、オリジナルの『仕込みトランプ』を構えて、相手の《マサクゥルブレイド》や《サモンシャドウバット》を【投擲】で撃ち落としていくよ。
「悪いね、キミのような『ヴァンパイア』の攻撃はもう見飽きてるんでね!」
猟兵を支援しつつ、相手の隙を見て《無明の絃》で敵の四肢を絡め取り拘束する。
「さぁ、これよりお見せするはショーのアンコールだ!みんな、今だよ!!」

これで首謀者も倒してひと段落、かな?


フラウロス・ハウレス
蓮(f10083)と共に。

フン……あのような下等な使徒どもの親玉だ、どんなものかと思ったが、想像に難くない醜男だな!
早々に蹴散らしてやろう!

真の姿を解放し、黒風を纏うぞ。
「能力だけは認めてやる。妾の本気を見れることを光栄に思うが良い!」

伸ばした黒爪を携え、『捨て身の一撃』で斬りかかる。
クルーエルオーダーはダメージ覚悟で耐え、受けたダメージは『生命力吸収』と『吸血』で補うぞ。

……あ?こやつが此度の騒動の首謀者だと?
フン、貴様の耳は節穴か?
あの程度の輩が首謀者であろうはずがあるまい。
彼奴は『世界の摂理』は説いても、『教会や聖女に固執した理由』は何一つ触れてはいない。気が付かなかったか?


ティア・レインフィール
「その大望とやらの為に、この村が必要だったという事ですね。
……もしかして、あの方の為でしょうか?」

恐らく、もっと力有る者が背後に居る筈という推測から
【コミュ力】や【情報収集】で
何かを知っているかのように演技をして情報を得ます

「あの方も私達が必ず滅ぼします。
……ですが、先ず滅ぼすのはあなたからです」

神よ、どうか私達を見守りください
【祈り】を捧げ、【シンフォニック・キュア】による
聖歌を【歌唱】し、皆様を援護致します

回復不要時には光の【属性攻撃】と【破魔】の力を込めて
銀の短剣でヴァンパイアに傷を与えます



「おのれ……おのれぇぇ……」
「やれやれ、やっと追い詰めたよ」
 傷つき苦悶し、怨嗟の声を漏らす吸血鬼を、二色の瞳で見つめる蓮。
「キミのせいでウチの姫は大層ご立腹だ。無論、僕もだけどね」
「フン……当然だ」
 その言葉通り、まさしく不機嫌に、傲慢に吸血鬼を睨みつけるフラウロス。
「下等な使徒どもを率いるに相応しい、想像通りの無様な醜男だ。見るだけで不快と言うものよ」
「おの、ぉ、れぇ……!」
 罵倒に怒り、流れる血が無数の契約を生み出す。同時に、一度は地に落ちた刀剣が、再び宙へと舞い上がる。
「ほぉう、それほどボロボロになっても立ち上がれる、その能力と根性だけは認めてやろう」
 目を見開いて迫り来る吸血鬼。その姿を見おろし、傲慢に笑うフラウロスの身体が、漆黒の旋風を纏っていく。
「妾の本気を見れることを光栄に思うが良い!」
 踏み込み、振り下ろす黒爪の斬撃。突きつけられた契約書ごと、吸血鬼の身体を斬り裂いていく。
「どうした、もう少し抵抗せぬかっ!」
「こ、この……」
 吸血鬼も抵抗はしている、それどころか無数の契約でフラウロスを縛っている。だが彼女は、己の身体から血が吹き出す事を一切厭わず、血走った瞳と共に黒爪を振り下ろし、吸血鬼の血を吸い上げていく。
「どうにも……小物臭いな、吸血鬼」
 そんな様を見て、挑発的な嘲笑を浮かべるオリヴィア。
 無理やり眷属にされた相手ならともかく、元からの吸血鬼に対する容赦など、吸血鬼狩り(クルースニク)には存在しない。聖なる炎を纏った槍が、その身を貫く度に、肉を、骨を焼いて灰とする。
「大望とは笑わせる、せいぜい小間使いがいいところだ」
「この……私を……小間使いと言ったか……っ」
 その言葉に、今まで以上の怒りを露わにする吸血鬼。瀕死とは思えぬ力で刀剣と契約書を操り、猟兵達への逆襲を図る。
「神よ、どうか私達を見守りください……」
 そんな剣の嵐の中、両手を合わせ、祈りを捧げるティア。美しき聖歌が、吸血鬼の振り撒く破壊を阻むように、猟兵達を癒し護っていく。
「悪いね……キミのようなヴァンパイアの攻撃は、もう見飽きてるんでね!」
 さらに、大量のトランプが舞い上がる。蓮の放ったそれは、狙いを違えない。契約書を真っ二つに切り裂く、数多のカード。
「旅芸人は、自由であってこそだ。そんな契約に従う訳にはいかないんだよね」
 動きを縛り、自由を縛る契約。それは、彼女にとっては忌むべきものだ。吸血鬼の攻撃でなくたって、従うつもりなどない。
「私に……吸血鬼に逆らうなぁ……吸血鬼に従うのが貴様達の運命なのだぁ……!」
「そんな運命知らないよ」
 刀剣は、緋瑪と瑠璃が、爆弾によって吹き飛ばした。爆風は諸共に、紛れた蝙蝠まで容赦なく吹き飛ばしていく。
「貴方のくだらない大望で多くの人が犠牲になった……その罪、贖って貰うよ!」
「つ、罪……など……ぐふぅっ!」
 続けざまに繰り出す銃弾が、吸血鬼の左胸、心臓を撃ち抜いていく。血を吐き出し、大きくよろめく吸血鬼。
「キミが首謀者なら、倒して一段落なんだけどな」
「フン、貴様の耳は節穴か?」
 蓮の言葉に反応し、黒爪を止めて突きつけるフラウロス。
「この程度の輩が、首謀者の訳があるまい」
「どうせ主人から仰せつかって犬のように嗅ぎ回っていたのだろう?」
 オリヴィアからも鋭い言葉を突きつけられた吸血鬼は、ふらつきながらも、猟兵達を睨みつける。
「違うっ……私は……私こそが首謀者だっ!」
「ならば言ってみろ。教会や聖女に固執した理由をなぁ……?」
 迫るフラウロス。と、ティオレンシアが歩み出て吸血鬼を見下ろす。
「教会って言うよりは……狙いはあのシスターさんかしらぁ?」
「……!」
 ぴくり、と反応し、不自然に口をつぐむ吸血鬼。ボロを出しているような行為にクスリと笑うと、薄く、糸目を開いて見つめる。
「恭介クンが吸血衝動がどうのって言ってたし……『吸血すれば存在の格が上がる』ってとこかしらねぇ?」
「“彼女の血”は、お前には過ぎた代物よ、吸血鬼」
 リーヴァルディもまた、大鎌を突きつけ、冷たく言い放つ。
「な、なんの……事だ」
「状況証拠ばっかりだけど、そこまで外れてないと思うのよねぇ」
 否定する吸血鬼の言葉の端から、隠せぬ焦りを感じ取ると、ティオレンシアはくすりと笑う。
「あ……そうか」
「どうしたの、瑠璃?」
 もう一つ、思い立った証拠に、瑠璃ははっと、オリヴィアに目を向けた。
「途中、敵がわたし達の誰かを狙った動きしてたけど、あれは……」
「私を狙って? いや……」
 オリヴィアを狙っているなら、今まさに固執しているはず。そうでなく、けれど眷属はオリヴィアを狙って、それはつまり。
「『シスターを捕まえろ』と。そう命令したんだね」
「……くっ、使えぬ奴らめ、人間の見分けもつかぬとは……!」
 瑠璃の推測は、眷属の愚かさを罵る吸血鬼の言葉によってほぼ証明される。
「使えないのは、貴様の方だろう。手前勝手に人間を眷属にしておいて、使いこなす事も出来ないとは」
「私がっ……使えぬ、だとっ……!」
 会話に付き合っていたのは、吸血鬼なりの時間稼ぎだったか。その間に蓄えた出血が、今までで一番多くの契約書を描き出す。爆ぜ折れた刀剣の代わりも生み出すと、一斉に猟兵へと反撃を繰り出さんとする吸血鬼。
「私は……私はっ……!」
「あの方の為に、シスターが必要だった、のですね」
 だが、その手が、ティルの言葉……演技に、ピクリと震え止まる。
「あの方の大望のために……」
「ふざ、けるなっ……」
 すぐに止まった反撃を再開する吸血鬼。だが、その様子は今度こそ、怒りに、逆上に染まっている。
「私は、誰にも従わんっ……私こそが……あいつなどに従う私ではないっ!」
 荒れ狂う暴風の如き刀剣の嵐、そして猟兵達を縛る無数の契約。けれどもはや、猟兵達にそれを恐れる理由はない。
「そろそろ、終わりにしましょう。神の加護の元……」
 多少の傷はティアの聖歌が癒やし、破壊の中を駆ける猟兵達。
「所詮は小物……貴様の首を、眷属へと変えられた彼女らへの手向けとする!」
 豪快に振るわれる聖槍。吸血鬼狩りの業は攻撃を寄せ付けず、契約を灼き、刀剣をへし折っていくオリヴィア。
「随分余裕がないみたいねぇ」
 そして、オリヴィアが開けた契約書の隙間を縫って狙いを定め、リボルバーから弾丸を放つティオレンシア。
「ぐっ!?」
 その弾丸に、一瞬刀剣の制御を失う吸血鬼。さらに続けざま、ティオレンシアは弩を構える。
「強力な分弱点もメジャーな相手だもの……準備してくるのは当然、でしょ!」
「がぁっ!?」
 撃ち出すのは銀の弾丸、そして白木の杭。両手に構えての連射が、違わず吸血鬼を突き刺す。心臓だけは捕らえきれぬものの、退魔の力を十分以上に注ぎ込み、その力を奪い取っていく。
「そのまま乾かず飢えず無に帰りなさいな!」
「だぁれがぁ……無に、などぉ……!」
 新たに血を流すが、聖別された傷は、契約書に馴染まない。徐々に、盾となるその書の嵐を剥ぎ取られていく吸血鬼。それでも諦めず、目の前に現れた相手めがけ、一斉に攻撃を繰り出していく。
「……そう動くことは知っていた」
「な、に……!?」
 その影はリーヴァ。契約書を全身に浴び、刀剣を全身に貫かれ……だが、静かに、『紅い瞳』で吸血鬼を見据え。
「禊祓え、血の再誕……」
「ぐ、あああああっ!?」
 直後、吸血鬼の身体から、血液と言う血液が飛び散っていく。
「吸血鬼がどう動くか、よく、知っている。だから……」
 自らを一瞬だけ吸血鬼に変え、傷を呪詛として返す。吸血鬼を知り尽くしているからこその、その業。
「ぐ、ぁ……がぁ……」
 干からびかけの身体で、手をのばす吸血鬼……その四肢、いや、片腕を失っているため三肢に、無数の弦(いと)が巻き付いた。
「これは本業じゃないんだけどね。アンコールにこたえて特別にお見せしよう」
 糸の先に繋がるは、蓮の十指。細くとも、吸血鬼の力すら縛り得る、無明の拘束。
「ぐっ……離せ……はな……っ」
「本業じゃないと言ったけど、自信がないとも言ってないからね」
 激しくもがく吸血鬼だが、その糸は全く外れない。ならばと、刀剣を操り、切り裂こうとするが。
「おっと、再アンコールは無しで頼むよ!」
「そうだな、いつまでも見ておきたい顔ではあるまい!」
 残る片腕を、フラウロスが黒爪で切り裂く。両手を喪った吸血鬼は、同時に刀剣の制御も失い、無防備な姿をさらけ出した。
「ぁ……この……わたし……が……」
「さあ、今だよ。フィナーレだ!」
 蓮の言葉に応えるように、瑠璃と緋瑪は、一つの銃を二人で強く握る。
「行くよ、緋瑪」
「行こう、瑠璃!」
 集束する魔力。二つに分かたれた人格の魔力が、今、一つになる。
「これが私達の……」
「……新しい、切り札!」
 それは、闇を灼き、夜を照らし出す輝き。
「「全力全壊! ジェノサイド……ブレイカァァァァァァー!!」」
 迸る、巨大な光束。それは、吸血鬼の全身を呑み込んでいく。
「私は……わた……し……は……」
「あの方も私達が必ず滅ぼします……」
 消えゆく吸血鬼に、ティアがそっと囁きかけると、吸血鬼は、もはや何も映さぬ瞳で何かを見つめ、手を前に差し出す。
「私は……あいつを……出し抜いて……私……がっ……あああっ!」
 それが断末魔となり……吸血鬼は灰に帰り。村には静寂が訪れた。

「そうですか、吸血鬼は、私を狙って……」
 全てが終わり、魔法陣から出てきたシスターと子供たち。流石にここまですれば、彼女達も猟兵を疑う事は一切ない。
 そして猟兵達から事情を聞いたシスターは、苦しげに俯く。
「私が、村の方々を巻き込んでしまったのですね……」
「悪いのはあなたじゃない、ヴァンパイアだから」
 そんな彼女にリーヴァは言葉を紡ぎながら、改めてその視線を向ける。
(やっぱり、彼女の血は特別。……でも、ただ吸えば良いってものでも、ない?)
 限定的に吸血鬼化した彼女の吸血衝動は、シスターの血を魅力的に感じている。だがそれは、せいぜいが『他の血よりも美味だろう』ぐらいのものだ。
 享楽的な吸血鬼ならそれを求める事もあるだろうが、先程までの吸血鬼の態度とは一致しない。
(まだ……何か、秘密がある……?)
 今はまだわからない。だが、このシスターが、何かの鍵を握っているのは間違いない。
「ともかく、ありがとうございました。あなた方のおかげで、子供たちを守る事も出来ました」
 そう言って頭を下げるシスター。
「ですが、私と子供たちだけで村を再興する事は出来ません。ですから、知り合いを頼って、別の村に赴こうと思います。どこまで受け入れてくれるか分かりませんが……」
 どこの村も、吸血鬼の支配に苦しんでいる。多くの子どもたちを無償で引き受けてくれる、などと言う都合の良い村は早々あるものではない。
 そうは言っても、この場に残っても未来などない。猟兵達も手助け程度は出来るだろうが、ずっと住む訳にもいくまい。
「ですが……その村を訪れるにも、道中には危険があります。私一人で子供達を連れていくのは無理です、ですから……もしよろしければ、その道中だけでも、お手伝い願えないでしょうか? 無論、あなた方にも事情はあるでしょうし、私達の方にも、それなりの準備があります。ですから引き受けてくださるにしても、日を改めて、また来ていただく事になりますが」
 引き受けないならもちろん、引き受けるにしても、新たな予知を得るために一旦はグリモアベースに帰還する必要がある。日を改めて、と言うのは都合が良い。
「……あ。申し訳ありません」
 そこまで頼んだ後、大事な事を思い出した、と言うように、小さく声を上げ、シスターは頭を下げた。
「ここまでよくして頂いたのに、まだ名乗りもせず……私の名はセレステ、と言います。今回は本当に、ありがとうございました」

 そしてひとまず猟兵達は、グリモアベースに帰還する。
 だが……この事件は、ただの幕開けに過ぎない。猟兵達は、そう確信していた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月20日


挿絵イラスト