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脳みそ焼いたら誰でもメイド!?

#サイバーザナドゥ #ヤマラージャ・アイビー #大祓骸魂

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●危ない改造実験室
 サイバーザナドゥに存在する、とある病院に設けられた地下施設。時に、人々が生きるために必要な機械化義体を装着してくれるその場所は、今となっては狂った医者や看護師の巣窟だ。
「ヒヒヒヒ……改造! 改造ォォォォ!!」
「そして、洗脳! 調教よ!」
 手術台に拘束された患者を前に、焦点の合わない目をした医師や看護師達が、なにやら怪しげな機械や薬を持ってくる。患者達は手術など必要ない者ばかりだったが、狂った医者達には関係ない。
「いやぁぁぁぁ! 全身義体にしてくれなんてお願いしてないわ!」
「やめてくれぇ! 俺は別に、女体に改造してくれなんて頼んでねぇ!!」
 嫌がる患者達に、それぞれ怪しげな改造を施して行くも、なぜか最後まで頭の中身だけは改造せず。もっとも、最終的には全ての改造を終えたところで、患者達は一人残らず、全身の大半を機械化義体に置き換えられた、戦闘用メイドにされてしまった。

●求む、優秀な使用人!?
「人間を改造するとか悪の組織がよくやるけど、何でいつも脳みそ改造するのを後回しにするのかしらね?」
 そんなことだから、改造素体に逃げられた挙句、反逆されてしまうのだ。なんとも間抜けな話だと突っ込みを入れつつ、パトリシア・パープル(スカンクレディ・f03038)はサイバーザナドゥで同種の事件が発生していると猟兵達に告げた。
「もう、既に知っている人もいると思うけど、サイバーザナドゥでヤマラージャ・アイビーに汚染された人達が事件を起こしているわ」
 ヤマラージャ・アイビーとは、僅か2KBの極めて短く単純なプログラム。しかし、これはサイバースペースを介して人々の電脳を汚染する性質を持っており、これにより電脳が汚染されてしまうと、脳が焼かれて異常な行動を取るようになってしまう。
「まあ、コンピュータウィルスみたいな物なんだけど、どっちかと言うと『呪い』に近い感じ? 非科学的な話だけど、実際に事件が起きているから、さっさと止めないとヤバいことになるわ」
 ヤマラージャ・アイビーの目的は、サイバーザナドゥの人類全ての電脳を焼き尽くすことで、|炎の破滅《カタストロフ》を齎すこと。今回の事件を引き起こすのは電脳を汚染されてしまった病院関係者達で、彼らは病院を訪れた患者達を拉致監禁し、改造手術を施そうとしているのだとか。
「電脳がバグっちゃったせいで、汚染された人達は捕まえた患者を、何故か男も女も関係なく『戦闘用メイド』に改造しようとしているのよね。しかも、手術に使う地下室は厳重に封鎖されているから、強引に乗り込むわけにもいかないわ」
 手っ取り早いのは、患者を装って内部に潜入することである。そんなことをしたら、こちらも改造されるのではないかと心配になるが問題はない。脳を汚染された者達は、何故か患者の脳改造を後回しにするため、洗脳される前に脱出するチャンスはいくらでもある。
 もっとも、変な薬品を注射されたり、身体に機械を埋め込まれたりする可能性はあるため、そうなる前に脱出するのをお勧めするが。その上で、汚染された者達を適当に気絶でもさせてから、彼らの電脳にアクセスすることで、ヤマラージャ・アイビーの正確な居場所を突き止めることができる。
「電脳にアクセスしてサイバースペース内に入ると、そこにはオブリビオンがいるはずよ。こいつらは通常のユーベルコードの他に、カクリヨファンタズムの『骸魂』を移植されているから、それに由来するユーベルコードも使ってくるわ」
 パトリシアの話では、敵のオブリビオンは『連鎖する呪い』に相当するユーベルコードを追加で使用して来るらしく、攻撃を食らった者は漏れなく運が悪くなる。何もしていなくても不慮の事故で色々と酷い目に遭うようになってしまうため、下手に攻撃を食らうとそれだけで何もできなくなってしまう。
 そんなオブリビオン達は、全員が洗脳された戦闘用メイド。どうやら、既に改造行為の犠牲になってしまった人々の成れの果てらしく、彼女達を元に戻すことは不可能だ。
「サイバースペースで洗脳されたメイドを倒せば、食肉工場をハッキングしたヤマラージャ・アイビーが、人口タンパク質を使って現実世界に『受肉』するわよ。こいつを倒せば事件は解決なんだけど……問題は、その姿よね」
 現実世界に現れるヤマラージャ・アイビーの姿は、かつてカクリヨファンタズムに現れた究極妖怪『大祓骸魂』に、外見・強さ共に瓜二つ! 極めて強力なオブリビオンであり、まともに戦えば苦戦は必至だが、それでも付け入る隙はある。
「電脳を汚染された人達の行動って、ヤマラージャ・アイビーが『求めていたもの』に影響されているっぽいのよね。つまり、それを上手く利用すれば、大チャンスを作れるかもしれないってわけ」
 ヤマラージャ・アイビーが求めていたのは洗脳メイド。要するに、私情を無視して任務に対し忠実に仕事をこなすプロフェッショナル。その姿をメイドに求めていたというのであれば、プロのメイドらしく振る舞いながら戦うことで、相手を戸惑わせることができるかもしれない。
「あ、でも、単にメイド服着るってだけじゃダメだからね。大切なのは、振る舞いよ! 振る舞い! 男の人だったら条件さえ満たせば、メイドじゃなくて執事の格好でもOKかもね」
 どちらにしろ、色々な意味で大変な任務になりそうだが、それはそれ。くれぐれも、自分達が洗脳されることのないようにと釘を刺しながら、パトリシアは猟兵達をサイバーザナドゥにある病院の入り口へと転送した。


雷紋寺音弥
 こんにちは、マスターの雷紋寺音弥です。

 電子の世界に蔓延する呪い……某ホラー映画の原作小説三部作を思わせますね。
 まあ、依頼内容としては、ホラーとは真逆のライトな展開なのですが。

●第一章(冒険)
 患者を洗脳メイドに改造する、危険な手術室へと潜入します。
 こちらまで改造されたら本末転倒なので、なんとかして拘束から脱出し、電脳を汚染された病院関係者を気絶させましょう。
 殺してしまうと、二章のサイバースペース内での滞在時間に制限が生じてしまいます。

●第二章(集団戦)
 『洗脳メイド』との戦いになります。
 通常のユーベルコードに加えて『連鎖する呪い』を使用して来ます。
 彼女達を元の人間に戻すのは不可能なので、非情に徹して倒してしまいましょう。

●第三章(ボス戦)
 『ヤマラージャ・アイビー』との戦いになります。
 まともに戦うと苦戦は必至ですが、『プロのメイド、あるいは執事らしく振る舞いながら戦う』ことで、大きな隙を生じさせることができるようです。
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第1章 冒険 『洗脳改造を止めろ!』

POW   :    やめろ、ぶっ飛ばすぞぉ!

SPD   :    洗脳なんかに負けたりしない!

WIZ   :    くっ、殺せ!

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

リンシャン・カイホウ
脳より体より前に、メイドの魂を定着させるべきだったのでございます。
魂の無いメイドを量産すればその先で待っているのはコスプレ会場でございます。

…部分義体でメイドに成りたかった方(男性含む)には、見込みが有るのでございます。後ほど詳しく御聞きして[審美眼]で厳選し選び抜いた、適切な義体をおすすめするのでございます。

メイドの魂とは言語化すると、思いやる心と奉仕の心と御主人様が進む道なら茨の道でも共に寄り添いその先で果てるという覚悟でございます。
それを理解せずして、ただ忠実なだけの兵士がほしいなど言語道断でございます。

UCで、変身を何回もして己の体から有線で繋がった真のメイドを増やすのでございます。
メイドの魂から発する波動は、互いに響き合い、巨大な魂の波と成って、襲います。

汚染された病院関係者たちはメイドの手による強制奉仕によって、無力化するのでございます。

行き場を失ったメイドの濁流に飲まれるのでございます。

患者さんの救助も同時に、見込み有りな方には新しいメイド生もアシストするのでございます。



●転職ご希望の方はおられますか?
 患者を捕らえ、本人の意思とは関係なしにメイドへ改造しようという狂った病院。それもこれも、全てはヤマラージャ・アイビーによって、脳をバグらされた者達の仕業である。
 彼らの目的は、もはやメイドを作ることだけ! 寝ても覚めても、とにかく改造! 強くて従順で、そしてちょっとエッチなところもある、何でもできて何でも聞いてくれるスーパーメイドを作ることのみ!
 そのためには、攫ってくる対象の性別や容姿、あるいは種族など、もはや何でも構わないようだった。あまりの節操のなさに呆れ果てるばかりだが、しかし人間やサイボーグ以外でも攫ってくれるのはラッキーだ。
「さて……こんなところに、いつまでも捕まっているわけにはいきませんね」
 手術台に拘束されたまま、リンシャン・カイホウ(心優しき野良メイド(迷走を走破する者)・f38490)は早々に切り札を発動させ、自らを新たな形態に変身させた。
 瞬間、彼女の身体が巨大化し、それと同時に腕の数も二倍になる。おまけに、変身したことによって彼女からは有線で繋がれた多数のメイド型端末が生じており、それらは次々と手術を施そうとしていた病院関係者に襲い掛かり始めたではないか!
「うわっ! な、なんだこれは! 改造が失敗したのか!?」
「でも、メイドが生えているわ! これを利用すればメイドをもっと量産でき……って、なんでこっちに来るの!?」
 医者も看護師も、メイドに襲われてどうすれば良いのか分からない状態。メイド達の圧によって完全に戦意を喪失しており、もはや改造どころの騒ぎではない。
「脳より体より前に、メイドの魂を定着させるべきだったのでございます。魂の無いメイドを量産すれば、その先で待っているのはコスプレ会場でございます」
 己の信じるメイド道を淡々と語りながら、リンシャンは巧みにメイドを操り病院関係者達を制圧して行く。その間に、捕らわれている者達を手術台から解放するのも忘れずに。
「メイドの魂とは言語化すると、思いやる心と奉仕の心と、御主人様が進む道なら茨の道でも共に寄り添いその先で果てるという覚悟でございます。それを理解せずして、ただ忠実なだけの兵士がほしいなど言語道断でございます」
 なんでも自分の言うことを都合よく聞いてくれて、時にプロの暗殺者、時にエッチなご奉仕までしてくれるなど、そんなメイドは幻想に過ぎない。それこそ、信念も覚悟もないロボットにでもやらせれば良い話であり、メイドを機械と同列に扱う冒涜的行為だと言い放つ。
「うぐぐ……そ、そんな……馬鹿な……」
「私達は……間違っていたというの……?」
 電脳を焼かれた医師や看護師達は、最後までリンシャンの言うことの意味が分からないまま、全員気絶してしまった。メイドの理念を理解してもらえなかったのは残念だが、ヤマラージャ・アイビーを倒さない限り、彼らの思考もまともな物には戻らないので仕方があるまい。
「ところで……部分義体でメイドに成りたかった方はいらっしゃいますか?」
 最後に、リンシャンは解放した患者達に、メイドへの転職を希望する者がいないか尋ねた。だが、病院を訪れていたのは義体の調整や病気の治療をしてもらいに来ていた者達ばかりで、メイドに興味がある者はいないようだった。
「えぇと……すみません。折角、変な改造されなくて済んだわけだし、メイドはちょっと勘弁です……」
「こっちとしては、女体に改造されなかっただけ万々歳って感じだしなぁ……。でも、メイドさんの需要ってのも、ないわけじゃないと思うぞ」
 患者達の話では、メガコーポの中に様々な仕事のプロフェッショナルを派遣しているものもあるのだとか。その大半が碌でもない会社なのだろうが、それはそれ。もし、本当に真っ当なメイドの派遣会社が存在すれば、意外と流行るかもしれない。
「なるほど……。この世界に限らず、メイドを求める方々のところへ、真のメイドを派遣する者も必要ということですね」
 自分の身体はひとつしかない以上、真のメイド道を広めて行くには、どうしても人手が必要である。今すぐにとはいかないが、この世界も含めたどこかの世界に、メイド派遣会社を作るのも悪い話ではなさそうだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

家綿・衣更着
アドリブ歓迎

メイド!違った、電脳を焼き尽くすのを阻止するためにも、頑張るっす!

「ウォォォ!やめろぉ!メイドになんてなりたくないっす!ちなみにどんな感じにするつもりなんす?…あーいけません、女体化はコンプラ違反っす!」
間者もとい患者として潜入っす。
この医者たちもある意味被害者なんすよね…欲望のまま動いてないっすよね?
催眠術で動きを止めて、化術で小さな狸姿にどろんと変身して拘束から抜け出て、殺さないようさっくり気絶させて拘束していくっす。

被害者は念のためプログラム汚染がないかUCで確認し、可能なら治療や破魔しつつ救助活動っす。

…妖怪にとって忘れられるのは辛い事。愛を求めた結果が、メイドなんすかね?



●メイドを求める理由
 敵地へ潜入を果たすためには、自ら敵に捕まるしかない! なんとも危険な任務であるが、これ以外に方法はないのだから仕方がない。 
「ウォォォ! やめろぉ! メイドになんてなりたくないっす!」
 患者に変装して潜入した家綿・衣更着(綿狸忍者・f28451)は、早々に狂った医者に捕まっていた。気が付いた時は手術台の上であり、このままでは問答無用でメイドに改造されてしまう。
「ちなみにどんな感じにするつもりなんす? ……あーいけません、女体化はコンプラ違反っす!」
 なお、狂った医者達の脳内にはメイドといえば女性という情報がインプットされており、それ故に男であろうと女体に改造した上で、更にメイドサイボーグへと改造するという性質の悪いプランが出来上がっていた。
(「この医者たちもある意味被害者なんすよね……。欲望のまま動いてないっすよね?」)
 どうにも怪しい雰囲気になってきたことで、衣更着の脳内に疑念が浮かぶ。だが、そもそも医者達は電脳を焼かれ狂っているので、彼らにまともな常識など期待するだけ無駄である。
 このままでは、本当に身体を女に改造された挙句、おかしなメイドにされ兼ねない。戦争もできてエッチもできる。そんなメイドなんぞ、この世にいて堪るものかと思うのだが……改造の方向性がそっち方面に傾いている以上、さっさと脱出しなければ一大事。
 簡単な催眠術で相手の動きを一瞬だけ止めたところで、衣更着は化術で小さな狸に変身して拘束から脱出した。獲物が狸になったことで戸惑う医者達だったが、それでも彼らは諦めきれないのか、今度は狸になった衣更着を再び捕まえ、メイドに改造しようと襲い掛かって来た。
「なんと! こいつは狸だったのか!」
「こうなれば、獣であっても構わん! 人間の身体に脳みそだけを移植して、新たなメイドに改造するのだ!」
 いや、それってもう、普通に人間の身体を改造した方が早いじゃん。というか、衣更着の脳みそを移植するとして、移植される側の脳みそはどうなるんだよ!?
 電脳を焼かれた医者達は、もはや1+1は=2という簡単な計算さえ思いつかず、1+1=1であってもメイドが作れれば構わないようだった。
 なんというか、これは色々な意味で酷過ぎる。早急に解決しなければいけないと判断し、衣更着は元の姿に戻ると、迫り来る医師達を難なく気絶させて行く。
「ふぅ……。こっちは、なんとか片付いたっすけど……」
 問題なのは、未だ捕まった状態の被害者達。彼らを解放するついでにプログラム汚染がないかも調べておいたが、とりあえず妙な洗脳の類は施される前だったようで一安心。
(「……妖怪にとって忘れられるのは辛い事。愛を求めた結果が、メイドなんすかね?」)
 果たして、ヤマラージャ・アイビーは、何を求めてメイドなんぞを量産させようと思ったのか。答えは未だ不明のままだったが、それをはっきりさせるためにも、まずは敵を現実世界に引っ張り出すことが先だろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​