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哀憎の蒼

#サクラミラージュ #カルロス・グリード #デモノイド #のんびりプレイング受付中です #締切:6/28(金)23時頃予定

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●その復讐は慟哭にも似て
 嗚呼、嗚呼、何故。
 何故、このような身に堕ちたのか。
 何故、愛しい家族があのような目に遭ったのか。

 全ては——が悪いのだ。——が、悪いのだ。
 報いを与えなくては。

 影朧は哀しみ、憎む。
 その慟哭は蒼き悪魔の形で現れた。

●黯の蒼き悪魔
「先の獣人世界大戦、お疲れ様でした……無事勝利をおさめ、大変喜ばしいかと」
 寧宮・澪(澪標・f04690)はゆっくりした口調で話し出す。
「黯党の党首は斃されましたが、配下の悪魔召喚士は健在……残された彼らは同盟者である、幻朧戦線将校カルロス・グリードへと悪魔生物『デモノイド』を供与していました。カルロスは儚く弱い存在である影朧達に忠実なデモノイドの軍勢を与えて、『世界への復讐』を果たすよう囁きます……」
 生前の未練や執着に強く苛まれている影朧はその甘美な誘いに抗えない。復讐を果たそうと、デモノイドの群れをサクラミラージュへと送り出してくる。
「たとえ復讐を果たしたとしても、決してこの影朧の未練は晴れないでしょう……このまま放置すればその力に溺れ、更なる復讐に及ぶかもしれません。……報いの相手が、もういなくとも」
 サクラミラージュのためにも、影朧のためにもここで影朧のテロル行為を阻止しなくてはいけないと、澪は目を少し伏せた。
「今回、皆さんを送るのは帝都にある陸軍の駐屯地の一つです」
 影朧の命を受け送り出されたデモノイドの群れがそこに現れる、と澪はいう。デモノイドは影朧の復讐を果たすべく強大な拳で辺りの地形ごと全てなぎ倒し、鋭い剣状に変形させた腕部で切り裂き、恐ろしい咆哮で周囲を無差別に攻撃してくる。
 攻撃対象には駐屯地にいる人々も含まれているので、彼らの安全確保も必要だろう。たとえどんなに優秀な軍人であっても、猟兵でない彼らはデモノイドにも影朧にも敵わない。
「デモノイドの群れを払えば、駐屯地の人々から話を聞くこともできるでしょう……」
 蒼き悪魔、デモノイド——彼らは人間に『デモノイド寄生体』を移植することで生み出された、異形の悪魔生物だ。彼らはもう理性も言葉も失っていて、影朧について何も聞き出すことはできないけれど、彼らの行動には影朧の抱く意図が反映されている。
「狙われた人々の証言からその意図が見えてくれば、この影朧が『なぜ、世界をここまで恨むに至ったか』の手がかりが掴めるかもしれません……」
 現れた影朧との戦いの中で、手がかりを元に説得することもできるかもしれない。説得が届けば、影朧の力は弱まるかもしれないのだ。倒したあとの転生も望めるかもしれない。
「……申し訳ありませんが、影朧の正体は見えませんでした。でも皆さんなら、大丈夫です」
 今までもそうだったように、今回も無事に解決へと進んでいくでしょう、と。澪は信頼の言葉を口にした後、よろしくお願いします、と頭を下げるのだった。




第2章 日常 『営みの裏に潜む影』

POW   :    体力、勘に物を言わせて事件に向き合う

SPD   :    捜査は脚で、つまり健脚こそ事件解決の第一歩

WIZ   :    整理しよう。きっと何か見落としがちな手がかりがある

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🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●駐屯地にて
 蒼き悪魔は全て崩れて消え去った。
 人の被害はなく、建物や備品に破損が残る。
 助けられた人々は駐屯地を片付け始める。
 その間に話を聞くこともできるだろう。
 片付けられていく備品を見て、何かを推理することもできるだろう。
水貝・雁之助
アレンジ連携歓迎

心情
確かに彼女は戦を嫌っていた
自分から家族を奪った戦を、仇の配下に追われ幼くして放浪生活を送る事になった原因で自分の様な者を数多く生み出す戦を
けど彼女はこんな風に関係ない誰かを傷付ける復讐をする様な人じゃない
だから影朧が彼女だとしたら絶対に止めてみせる
其れが彼女の夫として出来る最後の事だから……

〇京雀の手助けを用いて鳥達に〇動物と話し、デモノイドが現れた瞬間や彼女の髪色と同じ女性が居なかった等の〇情報収集を行う

此処に彼女の直接の復讐の対象となりうる存在はいない
そして狙われてるのは武器や軍人……彼女が嫌ってた戦、或いは暴力を連想させる物を持つ者
当たって欲しくなかったんだけどなあ




 駐屯地にだって木々がある。空が完全に覆われた建物でもない。
 故にそこには鳥が来る。先の騒動で飛び立ってしまっていても、数羽また飛んできていた。
「皆、少し聞きたいんだ」
 見つけた鳥へと雁之助は問いかける。蒼い悪魔が現れたそのときに、愛しい妻の姿を、淡い髪色を、見なかったかと。
 鳥たちは答える。見ないと鳴く声、知らぬと鳴く声。僅かな安堵を感じながらも、雁之助はそっと拳をを握りしめた。
(確かに彼女は戦を嫌っていた)
 彼女が生まれ育ったのは戦乱の世だった。彼女から家族を奪った戦を、仇の配下に追われ幼くして放浪生活を送る事になった原因で自分の様な者を数多く生み出す戦を、とても嫌っていた。
 けれどいつも雁之助に申し訳ないと謝って、家族を奪われた怒りはあっても、それを押し付けることはしてこなかった。追われる放浪生活で疲弊し、ボロボロになっても雁之助へと謝ってくれる人だった。
(本来の彼女はこんな風に関係ない誰かを傷付ける復讐をする様な人じゃない。もし、ここに現れる影朧が彼女だとしたら絶対に止めてみせる)
 優しく微笑む彼女が泣かないように。
(其れが、僕が、彼女の夫として出来る最後の事だから……)
 握った拳を開けないまま鳥へと問いを続ければ、見た、と鳴く声がした。顔にひらめく布をつけ、淡い髪の人を見た、と。
 鳥達のさざめきは、見たと言う声が増えていく。蒼い悪魔に驚いて去り、戻ってきた鳥が増えれば増えるほど、見たと言う意思が増えていく。
「そうか」
 此処に彼女の直接の復讐の対象となりうる存在はいない。それでもここに現れた理由は想像がつく。
(狙われてるのは武器や軍人……彼女が嫌ってた戦、或いは暴力を連想させる物を持つ者)
 だからここを狙ったのだろう。仇がいなくとも、仇につながる武力を、戦を、暴力を振るう存在へ復讐するために。
 彼女の家族を、命を奪った武力へと復讐するために。
「当たって欲しくなかったんだけどなあ」
 予感は当たってしまった。きっと彼女は、雁之助の妻は影朧となってここに来る。

大成功 🔵​🔵​🔵​