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堕落

#ケルベロスディバイド #キマイラフューチャー #原罪蛇メデューサ #ドラゴンテイマー #途中参加も歓迎

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#途中参加も歓迎


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●Dangerous BossRush
「御機嫌よう、皆。よく来てくれたね」
 グリモアベース作戦会議室にて、常通り招集に応じた猟兵たちに一礼したのはカタリナ・エスペランサ(閃風の舞手・f21100)。
 此度の予知はケルベロスディバイド世界を襲う危機に関するものだと彼女は告げた。

「端的に言って状況はだいぶよろしくない。まずこの戦いを凌がないと戦線そのものが崩壊すると見てる」

 事の発端はキマイラフューチャーで起きた戦争“バトルオブフラワーズ”に於いて幹部級オブリビオンとして確認された『ドラゴンテイマー』の侵略だ。
 彼は|十二剣神《グラディウス・トゥエルヴ》が一柱『原罪蛇メデューサ』を支配下に置き、「おそれ」を触媒として配下を地球上に送り込める能力を利用して鉄竜『ダイウルゴス』の軍勢を放とうとしている。
 ダイウルゴスはアックス&ウィザーズで勃発した『帝竜戦役』幹部級オブリビオン。
 ケルベロスディバイドでは最強クラスのデウスエクス種族と認識されているドラゴンの暴虐を許せば人々の「おそれ」は加速度的に高まり、メデューサに更に膨大なエネルギーを与える事になる。
 ひとたび負のサイクルが成立してしまえばこれを止める術は無い。一巻の終わりだ。

「初手で何としてでもダイウルゴスの襲撃を阻み、おそれの蔓延を食い止める。これは大前提だ」
 鉄の帝竜を討てば次はメデューサ自身が、そして最後にはドラゴンテイマーまでもが姿を現す。
 戦争幹部級エネミーとの連戦になるが、此処で少しでも叩いて勢いを削いでおきたいとグリモア猟兵は語る。

「それとドラゴンテイマーとの戦いではもう一つ、気を付ける事があってね」
 戦闘が始まる直前、敵は予め仕掛けていた爆薬により周囲一帯の|決戦配備《ポジション》を爆破してくる。
 決戦配備の支援が受けられなくなり、爆炎に包まれた戦場での戦いを強いられる事になるのだという。
 場合によっては逃げ遅れた民間人を避難させる必要もあるだろう。

「これまで遮断されていたオブリビオンの侵攻、十二剣神の陥落……情勢も大きく動きそうだけど、今は目の前の破局を阻む事からだ」

 どうか勝利と無事の帰還を。
 最後は常通り締め括る言葉と共にグリモアが輝き、豪奢な装飾の施されたゲートが開いて。


ふーみー
 当シナリオをご覧くださりありがとうございます、ふーみーです。
 はじまりの猟兵が暴露した情報の衝撃も記憶に新しい中、更なる大事件!

 一章は『ダイウルゴス』とのボス戦。
 二章は『十二剣神『原罪蛇メデューサ』』とのボス戦。
 三章は『ドラゴンテイマー』とのボス戦。ボスラッシュ三連戦となります。

 三章では|決戦配備《ポジション》要請不可。
 プレイングボーナス:「炎に包まれた戦場」の対策や民間人避難の完遂。
 なお猟兵達が勝利してもドラゴンテイマーは多くを語らず消滅し、己の目的を語ることは無いとの事です。

 また、希望する展開の指標として難易度オプションも実施しています。
 興味のある方はMSページをご覧ください。
 それでは皆様の健闘をお祈りしています。
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第1章 ボス戦 『ダイウルゴス』

POW   :    ダイウルゴス会議
自身の【体内の無数のダイウルゴスによる合議制】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD   :    ダイウルゴス文明軍
レベル×1体の、【眼球】に1と刻印された戦闘用【小型ダイウルゴス】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ   :    文明侵略衝撃波『フロンティア・ライン』
【四肢のどれか】から【見えざる文明侵略衝撃波】を放ち、【ダイウルゴスの一部になりたいと望ませる事】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:棘ナツ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●終焉告げる鉄の竜
 時としてヒトは明日を想うが故に「おそれ」を抱く。
 まして強大な|侵略者《デウスエクス》との戦いが続くこの世界では猶更だ。
 一つの|危惧《おそれ》も抱かないなど、それこそ思考の放棄に等しい。
 ただ。

 それは気が狂う程の恐怖でも何でもない、些細な不安だった。
 誰もが抱くような、誰かが口にした何気ない一言。
 その「おそれ」を喰らって破滅の引鉄は引かれる。

『我等はここに、|無差別破壊行為《テロリズム》の実行を選択する。全ては、グリモアを手にする時の為に』

 ドラゴンテイマーの強化を受け、メデューサの能力は鉄の帝竜さえ地球上に送り込む。
 竜の暴虐はいつでも人々を蹂躙せしめるのだと突き付けられてしまえば、その|絶望《おそれ》は世界をも終わらせるだろう。

 阻み、そして示せ。
 世界はまだ、終わりはしないのだと。
 
御形・菘
はっはっは、随分と久しいではないか、戦争でバトったお主ほどの巨悪と再会できるとは嬉しいぞ
再び盛大にボコってくれよう!

つまり敵に対する作戦を決めるために妾に先手は譲るのか
ならば撮れ高を求めて好きにやらせてもらおう
巨体に向けて突っ込む奇襲を仕掛けるぞ、もし攻撃してきてもひたすら躱して真っすぐ!
愚直な突進なんて明らかな反撃へのカウンター誘い、逆に警戒度が上がり裏読みをしまくるであろう?

はーっはっはっは! お主相手にマジ突撃を仕掛けると予想できる者はそうおるまい!
決戦都市には戦闘ヘリ用からの射撃で奇襲支援を願う、妾が胸の辺りまで登るためにな
さあ邪神の切り札、右手を深くブチ込んでくれよう!



●文明たる竜の邪神的攻略法
「はっはっは、随分と久しいではないか、戦争でバトったお主ほどの巨悪と再会できるとは嬉しいぞ」
 市街を蹂躙せんとするダイウルゴスの眼前、高らかに哄笑を響かせるは御形・菘(邪神様のお通りだ・f12350)。
 帝竜に抗し得る戦力の出現に、文明を内包する鉄の竜は低く唸り警戒を示す。
「再び盛大にボコってくれよう!」
『民衆に竜の畏怖を刻む事が此度の使命。お前にそれを阻めるか』
「愚問であるな! 畏怖も歓声も妾のもの! お主はこの妾が直々に叩きのめしてくれよう!」

 強引な顕現では本来の性能を発揮しきれないのか、帝竜戦役の時と異なり此度の鉄竜は先制の能力を持たない。
 そしてこの戦いで鉄竜の取る行動は【ダイウルゴス会議】――敢えて不利な行動を取る代わり身体能力を増大させるユーベルコードだと既に割れている。
 菘と睨み合う今も九十九の竜の融合体である鉄竜は常人に及びもつかない速度で戦術立案を行っているのだろう。

(つまり敵に対する作戦を決めるために妾に先手は譲るのか)
「ならば撮れ高を求めて好きにやらせてもらおう!」
 迅速果断、先手の利を活かすなら最大限に。
 強靭な蛇尾で地を打ち、ダイウルゴスの巨体へと正面から吶喊する。

「はーっはっはっは! お主相手にマジ突撃を仕掛けると予想できる者はそうおるまい!」
『……無謀だな。蛮勇には死の報いを与えよう』
「等と言いつつ手温いのぅ! 分かるぞ、逆に警戒度が上がり裏読みをしまくるであろう?」

 竜爪の繰り出す斬撃波やブレス、此処から菘がどのように動こうと対応する余地を残した迎撃は散発的なもの。
 曲がりなりにも竜帝の振るう力だ。牽制でさえ並の勇者英傑を屠るには充分過ぎる威力を宿し、しかし猟兵として最前線で戦う菘に捌けないものではない。
 彼我の距離が零になるまでそう時間は掛からず、その段になればダイウルゴスとて菘の狙いが近接戦闘であると見解を一致させる。

『だが、やはり蛮勇に過ぎん。竜へと単身挑むには、あまりに矮小な――』
「阿呆め、その驕りが命取りよ! そうであろうスナイパー諸君ッ!」
『ぬ、ぅ……!?』

 純然たる体格差に加え、強化された身体能力。
 自ら間合いの内に入った獲物を叩き潰さんとする寸前、戦闘ヘリの射撃による奇襲支援が鉄竜に一瞬の隙を作った。

「誰が一人と言ったか! 妾の覇気に目を奪われるのも無理はないが、皆の衆の存在すら眼中に無かったであろう?」
『小癪な真似を……ッ』
「判断が遅い!」

 その身を構成する百名の決議が無ければダイウルゴスは動かない。
 菘への対処、一矢を報いた戦闘ヘリへの対処。僅かに割れた判断は、その分だけ竜の挙動を遅らせる。
 鉄竜の巨体をするりと滑るように駆け上り、狙いを定めるは頑強な装甲に護られた心臓部。

「はーっはっはっは! さあ邪神の切り札、右手を深くブチ込んでくれよう!」

 普段の戦闘では左腕を主に振るう菘の切り札の一つ。
 【|命門穿孔《ワラワノミギテニツラヌケヌモノナシ》】――至近距離へと放つ超高速かつ大威力を秘めた右の貫手。
 地を揺るがす轟音と共に、その一撃はダイウルゴスの堅牢さえ問答無用に打ち砕いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

九頭龍・達也
ダイウルゴス、ドラゴンらしいドラゴンだね。
それじゃ、久しぶりに『竜殺し』をやっちゃいますか。
敵のUCは身体能力増大化? なら、その万全の状態を叩き斬る。

【ダイウルゴス会議】で敵が体内合議している間、精神集中、『闘気』を練り上げて『勇者の剣』に注ぎ込みます。
合議を終え、敵が力を増大化させて動き出す瞬間を見切り、【一閃】を発動。
極大の斬撃波で周囲の空間ごと二等分断してみせましょう。

「今日は三連戦しなくちゃだからね。悪いけど一撃で決める」



●勇者の斬るもの
「ダイウルゴス、ドラゴンらしいドラゴンだね」
 尋常な火力を寄せ付けない鋼鉄の身体、山の如くに聳える巨体。
 数多の世界、伝承に於いて幻想種の王として語られる竜の威容を九頭龍・達也(|大宇宙《SOW》帰りの勇者・f39481)は見上げた。
 このケルベロスディバイドでもドラゴンは最強クラスのデウスエクス種族と認識されている。
 それを侵略者はいつでも送り込めるのだと思い知らされてしまえば、人々の抱くおそれは計り知れないだろう。

「それじゃ、久しぶりに『竜殺し』をやっちゃいますか」

 虚空より現れる剣の柄を気負う事なく握る。
 魔物を狩り、竜を屠り、人と争い、その道の果てに此処まで来た。
 相手取るのが帝竜であろうと、為すべき事に変わりはない。

「会議? 好きなだけやればいい。その万全の状態を叩き斬る」
『……無謀だな』

 憮然と唸る声には寧ろ猜疑の色があった。
 だがダイウルゴスに与えられた役割は人々におそれを抱かせる事であり、猟兵の撃破そのものではない。
 達也の宣言に偽りが無いと見れば、その後に備え力を高める事は寧ろ好都合であると結論づける。

「さて……」

 達也もまた、ダイウルゴスの自己強化をただ傍観する訳ではない。
 精神を集中させ闘気を練り上げ、勇者の剣へと注ぎ込む。
 ジリジリと焦れるように過ぎていく時間。
 充分な力の高まりを相手に知らせる義理などお互いに無く、故にその瞬間を確実に見極める必要がある。

「――此処だね」

 特にこの戦いに於いて勇者の斬るべきは竜以上に、その暴威が人々にもたらす畏怖そのもの。
 市街地に被害を出させる事もまた論外。
 決議を終えた鉄竜の動き出す瞬間を見切り、その一瞬先を取る。

「今日は三連戦しなくちゃだからね。悪いけど一撃で決める」

 放つ【一閃】は時空、次元を斬り裂く斬撃波。
 勇者の剣は無尽蔵の闘気に比例して際限なく威力を上昇させる。

『ッ――……!』

 それまでの膠着とは裏腹、勝敗が決するのは一瞬。
 極大の斬撃波は帝竜ダイウルゴスの巨躯をして、二等分断に断ち斬った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

暗都・魎夜
【心情】
オブリビオンとの遭遇はほぼないと思ってたが、世界が繋がっているんだ
何が来たっておかしくはねえ

『はじまりの猟兵』に触発されたのかは知らねえが、そっちが何か企んでいるのなら、ぶっ潰すまでだぜ

【戦闘】
それにしても、今までいろんな奴と戦っては来たが、1つの文明を相手にするってのはさすがに初めてだ
だが、こっちだって数多の魔性に異界からの来訪者と戦い抜いた嵐獅丸の端くれ

そっちが倒れるまで相手してやるぜ、イグニッション!

「リミッター解除」した「天候操作」「全力魔法」のUCでダイウルゴスを焼き尽くす
ストームブリンガー最大最強の奥義、受けてみやがれ!


たとえ雲突く巨人だろうと、立ちふさがるならぶっ壊す!



●解き放つは滅びの業火
「オブリビオンとの遭遇はほぼないと思ってたが……」
 オブリビオンの侵入を遮断していると|十二剣神《グラディウス・トゥエルヴ》『大祭祀ハロウィン』が豪語していた事を予兆で知る猟兵は多い。
 事実――六番目の猟兵として活動するビハインドを除けば――ケルベロスディバイド世界にオブリビオンが現れる事は無かった。
 だが、いま暗都・魎夜(全てを壊し全てを繋ぐ・f35256)の前に居るのはオブリビオンであると猟兵の本能が告げている。それも嘗ての戦争で猛威を振るった帝竜の一角、九十九体の竜の融合体ダイウルゴス。

「世界が繋がっているんだ。何が来たっておかしくはねえ」
 そこに如何な絡繰があろうと、帝竜の襲来という事実は同じだと短く割り切る。
 敵がデウスエクスであれオブリビオンであれ、無辜の人々を脅かすのであればこれを阻むに迷いは無い。

「『はじまりの猟兵』に触発されたのかは知らねえが、そっちが何か企んでいるのなら、ぶっ潰すまでだぜ」
『大層な志だ。意気込みで意思を貫けるなら、我等ダイウルゴス文明は此処には居ない』

 文明を構成する百名の決議が無ければ動けないのがダイウルゴスだ。
 ユーベルコード【ダイウルゴス会議】はその縛りを力に変え、帝竜の身体能力を更に引き上げる。
 矛にして盾を兼ねる|黒鉄《くろがね》の巨躯、青白く輝く破壊の|息吹《ブレス》。
 仮に十全に振るうのであれば、竜にして文明なる帝竜の力は小細工など弄するまでもなく世界をも滅ぼし得るだろう。

「それにしても、今までいろんな奴と戦っては来たが、1つの文明を相手にするってのはさすがに初めてだ」
 ただ百の竜を束ねたよりも遥かに強大なダイウルゴスという脅威を前に、相対する魎夜の姿はあまりにも小さい。
 だとしても、一歩たりとも退きはしない。

「だが、こっちだって数多の魔性に異界からの来訪者と戦い抜いた嵐獅丸の端くれ」
 魂を燃やすは数多の死線を超えてきた矜持。
 独りではない。過去と現在の全てが糧となり、戦場に立つ魎夜を支えている。

「そっちが倒れるまで相手してやるぜ、|イグニッション《起動》!」

 魔剣の柄を強く握りしめ、臆する事なく地を蹴る。
 ダイウルゴスの猛攻を掻い潜り跳躍と共に振り被るは大上段、溢れる力は灼熱となり渦を巻いて。

「十万億土までぶっ飛ばす! ストームブリンガー最大最強の奥義、受けてみやがれ!」
『グゥ、オオオッ……!』

 【|竜神爆火雷《ドラゴニック・パニッシュメント》】――魔剣より放たれ宙を疾る炎と電光、ダイウルゴスに叩きつけたそれは半径150m以上もの爆発に鉄竜の巨躯を呑み込む。
 黒鉄の装甲を焼き焦がす爆炎と雷電に見舞われながら、竜は猶も爪牙の暴虐を振るおうとして……爆発が連鎖する。
 正真正銘、加減無しの奥義が与えるのは全てを滅ぼす爆発による継続ダメージ。

「たとえ雲突く巨人だろうと……! 立ちふさがるならぶっ壊す!」

 ダイウルゴスが竜の群れに構築される文明であるなら、その悉くを打ち砕くように。
 決意を込めた宣言と同時、黒鉄の巨躯は無尽の爆発へと沈むのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒城・魅夜
希望の紡ぎ手たるこの私の前で絶望を誇る愚か者
まして以前あなたたちを屠った私にまた挑むとは度し難い
今ひとたび悪夢の底へ叩き込んであげましょう

有象無象共は合体させなければいいだけの単純な話
オーラを纏い感覚を鋭敏にし第六感と心眼で敵軍の動きを見切ります
鎖を舞わせ範囲攻撃と為し衝撃波で敵の動きを乱したら
さらに呪詛を満たした結界で多重に空間に障壁を作り
個別に絡め取り呪殺していきましょう

そしてUCは発動されています

あなたたちが何百何千体、いや何百万体いようと同じこと
すべて私を認識したのですからね、ふふ
私を見たもの万物一切滅びるが定め
さあ真の畏れを知りなさい
私こそが悪夢の滴
あなたたちを破滅に導くものです



●滅び定めしもの
「希望の紡ぎ手たるこの私の前で絶望を誇る愚か者……」
 |侵略者《デウスエクス》に|世界の敵《オブリビオン》にエトセトラ。
 幾度滅ぼされようと湧いて出る害悪に、黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)は辟易と嘆息を一つ。
「まして以前あなたたちを屠った私にまた挑むとは度し難い。今ひとたび悪夢の底へ叩き込んであげましょう」
『|我等《オブリビオン》と|お前たち《猟兵》はそういうモノだろう。嗚呼、良い迷惑だと言うところか』
 |異世界での戦争《帝竜戦役》から4年、重ねた戦闘経験は数知れず。
 メデューサの力で尖兵として送り込まれた|程度《・・》、相手にもなるものかと冷ややかに。

『まぁいい。お前も、この世界も。蹂躙し、喰らい、取り込むまで』

 鉄竜の巨躯より飛び立つは二百近い【ダイウルゴス文明軍】。
 狙いは魅夜だけではない。
 黒鉄の爪牙で、或いは青白いプラズマの|息吹《ブレス》で。
 ある個体は戦場となっている決戦都市そのものを狙い、ある個体はそれを囮に合体し戦力の増強を企んでいる。

「――させるとでも?」

 その身に纏う呪力のオーラを以て感覚を研ぎ澄まし、特に緊急性の高いものから順に敵の行動を捕捉。
 ユーベルコードにより召喚された小型ダイウルゴスなら、融合合体前の個々は今や脅威足り得ない。
 自在に舞う108の鎖より放つ衝撃波が合体を阻み、都市を狙う小型鉄竜を打ち据えて。

『……小賢しい真似を』
「文明などと気取りながら、烏合の衆は相変わらずのようですね」

 やれる、という確かな手応え。
 迫る鉄竜本体の爪牙がこの身を捉える前に、編み上げるは呪詛を満たした多重結界。
 合体の余地は与えない。一体ずつ確実に絡め取り仕留めていく。

『……! よもや、これは――』
「手遅れですよ。嘗ての敗戦から何も学んでいない……ああ。オブリビオンは原則、記憶を持ち越せないのでしたか」
 厳密には多少の個体差や例外もあるようだが今は関係の無い事。
 以前の戦いで守勢に回りながら術中に誘い込んだ時と同じだ。
 届く筈の攻撃が届かない。黒鉄の躯体が正常に機能しない。魅夜のユーベルコードは既に発動している。

「あなたたちが何百何千体、いや何百万体いようと同じこと。すべて私を認識したのですからね、ふふ」
 残るは茫洋と魅夜を睨む本体のみ。
 【|黒き深邪に染め上げよ不可避の終焉《エケノン・ウント・ツェアシュテールング》】――彼女を認識したが最後、滅びの呪詛から逃れられはしない。
 精彩を欠いた竜爪の一撃をひらりと躱し、上空より見下ろす視線はやはり冷酷に。

「私を見たもの万物一切滅びるが定め。さあ真の畏れを知りなさい」
『笑止。滅びは我等の下にこそ在り――』

 |息吹《ブレス》、ではない。
 青白い輝きは黒鉄の身体全体に溢れ、心臓部へ集中して臨界を起こそうとする。
 それが帝竜ダイウルゴスの最後の抵抗。

「私こそが悪夢の滴。あなたたちを破滅に導くものです」

 世界に絶望を焼き付ける光はしかし、解き放たれる事なく呪殺結界の闇に呑まれて消える。
 自爆は寸前に不発と潰え、斯くしてダイウルゴスの脅威は退けられたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

皇・絶華
決戦配備
クラッシャー

ドラゴン…デウスエクスの中でも最強たる存在…故に…私はずっと思っていたのだ

…ドラゴンって…栄養価が高いのではないかと!(狂気的解釈
「ぴぇぇぇ!」(怯える機神

【戦闘知識】
敵陣の動きと陣形と攻撃パターンを把握
【バーサーク・薬品調合】
神機の主発動
UC発動
というわけでさっちゃんと皆には我がチョコドリンクで圧倒的なパワーを得て貰おう
「ちょ!?俺は大丈夫だから!無理無理無理ふぎゃぁぁぁ!?」
初手から地獄発生

【念動力・空中機動・弾幕】
飛び回りながら念動光弾を叩き込み地面へと落とし
【二回攻撃・切断・爆破】
TCや鎌剣や武装で切り刻み資源採取!
序に竜にもぜっちゃんチョコ捻じ込み捻じ込み



●乱心影月の無差別蹂躙・味覚編
「ドラゴン……デウスエクスの中でも最強たる存在……」
 地球を侵略するデウスエクスと戦う世界の記憶を持つ皇・絶華(影月・f40792)は、ドラゴンが世界中で暴れ回る事により人々に生じるおそれの危険|も《・》実感と共に理解できた。
 そして。
「故に……私はずっと思っていたのだ」
 この時点で機神サートゥルヌスのさっちゃんは嫌な予感しかしないのだが、例によって止める力は無く。
「……ドラゴンって……栄養価が高いのではないかと!」
『ぴぇぇぇ!』
 竜帝クラスとなると実例に乏しいが、竜の血肉自体は栄養や薬効に優れる事も多いのは事実ではある。
 目の前のダイウルゴスは|無機物《メタル》だが。

『猟兵の介入を確認……決議に変化は無い。全て蹂躙し、侵略するのみ』

 いずれにせよダイウルゴスには与り知らぬ事。
 当初の目的を遂行すべく、黒鉄の小竜を無数に放ち獲物へと差し向ける。
「ふむ」
 敵からすれば|性質《タチ》の悪い事に、絶華の猟兵としての実力もまた確かなもの。
 襲い掛かる小竜の陣形を把握しつつ、片手間に何やら進めるは謎の調合。

「魔力リンク開始……さぁ……その力……振るってもらうぞ?」

 【|神機の主《キシンタチノアルジ》】に応じ、サートゥルヌスは|黒髪少女《人間形態》へと変身。
 同時、もう一つのユーベルコードが牙を剥く。

「お前に圧倒的なパワーを与えよう……さぁ! 我がチョコドリンクを飲み! 圧倒的なパワーに酔いしれるがいい!!」
『ちょ!? 俺は大丈夫だから! 無理無理無理ふぎゃぁぁぁ!?』
『審議。味方を……殺した……?』
『し、死んでねぇ……! いや死ぬかもしれん……ぐふっ……』
「死ねる訳がないだろう圧倒的なパワーだぞ?」

 問答無用に捻じ込まれたそれは【|心が籠るバレンタインチョコドリンク《キョウキトアクムノジゴクドリンク》】という名の劇物。
 犠牲者の身は圧倒的パワーとオーラに包まれ、自動回復と諸々の耐性を獲得する。
 巻き込まれた決戦配備のクラッシャーも同様の状態に陥り、都市を襲う小竜に逆襲を始めて。

『……メデューサにおそれを与えさせないために精神を破壊したか』
「はじめよう 収穫をはじめよう さっちゃん! 素材を採集していくぞ!」

 その空中機動は機神に搭乗している時と変わらない。
 否、人間形態のサートゥルヌスと連携する分切れ味を増していると言えるか。
 念動光弾の弾幕で小竜の群れを叩き落としダイウルゴス本体へ迫れば、【文明侵略衝撃波『フロンティア・ライン』】が二人を迎え撃とうとして――
 |アレ《・・》を取り込むのかと、ダイウルゴス文明を構成する九十九竜の中で意見が割れる。
 それは数秒の隙だったが、戦闘中に於いては致命的に過ぎた。
 無数の武装をフル活用した絶華の連撃は黒鉄の躯体を切り刻み素材として採取していく。

『おのれ――』
「お前にもお裾分けしてやろう!」
『――――ッ!?』

 竜帝の巨体が此処で仇となる。
 その口に|真の一文字を冠する《やばい方の》チョコを放り込めば、体内でどす黒い火花がスパーク。

『みんな下がれ! ダイウルゴス司令官が爆発する!』
「■■■■■■■■■■■■■■■■■――――――!!」

 爆発した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

オリヴィア・ローゼンタール
ダイウルゴス、帝竜戦役の折に倒したかと思いましたが……
蘇り牙を剝くのなら、何度でも討ち倒すのみ!

|決戦配備《ポジション》はクラッシャー! 砲撃を要請!
不用意に近付かず、援護に専念してください!

白き翼の姿に変身、飛翔して吶喊!(空中戦)
巧みな【空中機動】で砲撃弾幕を掻い潜り、有象無象の小竜を聖槍で【なぎ払い】、血路を【こじ開け】突き進む!
ぉおおおおおッ!!!

そのまま巨竜へ突撃!!
総身に宿る炎(焼却)と光(神聖攻撃)の力(属性攻撃)を、ゼロ距離で解き放つ!!(全力魔法・限界突破)
天に煌めく灼滅の星を識るがいい――【|極超神星爆発《シャイニング・ハイパーノヴァ》】ァアアアッ!!!



●絶望砕く輝きの星
「ダイウルゴス、帝竜戦役の折に倒したかと思いましたが……」
 少しずつ事例の増えてきた、かつての戦争で撃破された筈の幹部級オブリビオンの復活。
 オブリビオンと化し暗躍する旧き猟兵たちの活発化と併せ、何か大きな陰謀の前触れなのだろうか。
 いずれにしてもオリヴィア・ローゼンタール(聖槍のクルースニク・f04296)の覚悟は揺らがない。

「蘇り牙を剝くのなら、何度でも討ち倒すのみ!」
『我等ダイウルゴス文明の決議に変化は無い。竜の脅威を知らしめ、侵略を進めるだけの事』

 黒鉄の竜帝が翼を広げれば、二百近い【ダイウルゴス文明軍】が蹂躙を開始せんと飛び立つ。
 都市を狙うもの、オリヴィアに襲い掛かるもの、合体を図るもの。
 純然たる数の暴力はただそれだけで対処を困難にする。
 だが。

「|決戦配備《ポジション》クラッシャー! 砲撃を要請!」

 合図と共に放たれた砲撃が小型ダイウルゴスの手勢へと叩きつけられた。
 |惑星《地球》を襲う脅威に相対するオリヴィアは一人でなく、決戦都市の人々も無力ではない。
 これまでも|神に等しき者ども《デウスエクス》の侵略に抗ってきたのだ。
 相手が異界の帝竜だろうと、勇気を胸に立ち向かう事は出来る。

「皆さんは不用意に近付かず、援護に専念してください!」
『承知しました。どうか御武運を』

 応える通信を背に白き翼の姿へと変身、携えた聖槍と共に砲火飛び交う最前線をオリヴィアは飛翔する。
 苛烈な砲撃弾幕を掻い潜り、立ちはだかる小竜を薙ぎ払い、突き進む軌跡は流星の如く。

「ぉおおおおおッ!!!」
『文明軍に伝達。戦力を結集させ対応を――』
「手緩いッ!」

 かつての帝竜戦役を超え、更に数多の戦場で戦い抜いてきた。
 まして帝竜と言えどメデューサの能力を利用しての強引な顕現。
 数体の小竜を合体させた程度で進撃を阻む事は叶わない。より多くの融合は間に合わせない。
 勢いを一切緩める事なく、オリヴィアは巨竜本体の至近にまで迫る。

 低く唸った鉄竜の顎門に青白い輝きが生じる。それは都市一つ焼き払うに充分な威力を秘めた破壊の|息吹《ブレス》。
 ……オリヴィアが決戦配備の援護に距離を取るよう求めたのは、鉄竜の脅威から彼らを遠ざける為だけではない。
 |巻き込まない為《・・・・・・・》だ。
 輝きは更なる光炎に塗り潰される。

「天に煌めく灼滅の星を識るがいい――【|極超神星爆発《シャイニング・ハイパーノヴァ》】ァアアアッ!!!」
『これ、はッ――――!?』

 ゼロ距離で解き放たれた超高エネルギーの極大爆発はオリヴィアの背後を突こうと追い縋っていた小竜の軍勢諸共に、ダイウルゴスの脅威を消し去った。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『十二剣神『原罪蛇メデューサ』』

POW   :    蛇蛇獄魔獄狡兎殺
【全身から染み出す「超次元の蛇」】で近接攻撃し、与えたダメージに比例して対象の防御力と状態異常耐性も削減する。
SPD   :    朧朧蛇蝎奇霊夜行
自身が対象にとって未知の存在である限り、通常の行動に追加して「【広域感染型の金縛り】」「【鎮火できず永遠に追尾する鬼火】」の心霊現象を与える。
WIZ   :    歓歓禍禍大虞呪咒
【底知れぬ恐怖をもたらす笑い声】を放ちダメージを与える。命中すると【「おそれ」】を獲得し、自身が触れた対象の治癒or洗脳に使用できる。

イラスト:カス

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●狂喜
「禍禍禍 禍禍禍 禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍!」

 帝竜ダイウルゴスの撃破とほぼ同時、けたたましい哄笑が響き渡る。
 猟兵の介入によりドラゴンのもたらす恐怖は最小限に抑えられた。
 それでも人々の抱く僅かなおそれを掻き集め、空間を抉じ開けるようにして原罪蛇メデューサは戦場に降り立つ。

 |十二剣神《グラディウス・トゥエルヴ》が一柱、知恵と命を産み出すもの。
 その実態は元より成長した命を刈り取り喰らう怪物だったが、今の彼女には怪物としての面影さえ残っていない。
 欲に溺れ脳すらも明け渡し、傀儡へと成り下がった災厄の権化。
 顕現は万全に程遠いが、或いは完全に理性を失い無差別に暴走する危険性はそれを補って余りあるか。

「亞亞亞 愛し子よ 何処だ 其処に居るのか
 爻爻爻 喰らってやろう 全て 全テ 私のものだ
 咒咒咒 味わわセテおくれ 愛シている 私は お前タチヲ
 亞亞亞 亞亞亞 私ガ 私は お前タちに 私を――――――
 禍禍禍 禍禍禍 禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍!」

 ――堕ちたる蛇に引導を渡せ。
 
九頭龍・達也
おお めでゅーさ!
かいらいになってしまうとは ふがいない!
いや、本当に不甲斐ないよね。十二剣神とか御大層な称号持ちなのにね。

【九頭龍】を発動。
【蛇蛇獄魔獄狡兎殺】によりメデューサの全身から滲み出る「超次元の蛇」を『超感覚』で把握して『超神速』で回避。
『全てを破壊する力』を『勇者の剣』に乗せてズンバラリンと斬り裂きます。

知的生命体が一片の理性も残ってないって、もう生きてると言えないでしょ。
ドラゴンテイマーは酷いことをするね。



●錆びた身を剥いで
「おお めでゅーさ! かいらいになってしまうとは ふがいない!」
「禍禍禍 禍禍禍 禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍!」
「いや、本当に不甲斐ないよね。|十二剣神《グラディウス・トゥエルヴ》とか御大層な称号持ちなのにね」

 もはや会話も成立しない有様のメデューサに九頭龍・達也(|大宇宙《SOW》帰りの勇者・f39481)は目を細めた。
 予兆――メデューサがドラゴンテイマーの支配下に堕ちた経緯は達也も知っている。
 拠点に直接乗り込まれた奇襲の不利、絶対制御コードとやらの掌握という詰みに等しい状況ではあったのだろう。
 それ以前の問題だ。
 この蛇は戦いもしなかった。欲に囚われ、思考する事さえ無かった。
 上に立つ者としての矜持も責任も最初から持ち合わせていない。
 強さだけの怪物など十二剣神の称号を冠するには役者不足が過ぎると、乾いた軽蔑を吐き捨てる。

「亞亞亞 愛し子よ 誰でもいい お前でモイい 喰 喰ら ら ッテ 喰らってやろウ
 禍禍禍 禍禍禍 禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍!」

 地を砕き揺るがしてメデューサの巨躯が迫る。
 自分自身の力に振り回されるような不規則な動きは先読みを困難にし、そのくせ食欲に突き動かされた動きは不完全な顕現とは思えない程に速い。
 全身から染み出す超次元の蛇――【蛇蛇獄魔獄狡兎殺】は世界をも蝕みながら獲物を求め襲い掛かる。

「さあ、勝負だ」

 勇者の剣を手に、【九頭龍】の力が達也の瞳を真紅に輝かせる。
 総身に纏わりつくような呪詛のプレッシャーは闘気で食い止め、意識を集中させるは超次元の蛇。
 無数に蠢く一つ一つが物理法則を平然と無視する致命の牙。
 第六、七感をも凌駕した超感覚を研ぎ澄ませ、時間の流れから解き放たれた超神速を以て掻い潜る。
 一閃。
 全てを破壊する力を剣に宿し、原罪蛇の巨躯を正面から斬り裂く。

「咒咒咒 甘露 モッと 味ワわせるガイイ 恐れルガイい 喰ラワせてオクれ
 禍禍禍 禍禍禍 禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍!」
「しつこいな……」

 崩れ落ちたメデューサの伸ばす手が達也の脚を掴み潰す。否、その前に闘気を鎧として振り払う。
 単なる斬撃に留まらない破壊の力を叩き込まれた原罪蛇の存在は崩壊しつつある。
 或いはメデューサ自身の意思で顕現した以前であれば既に消滅していてもおかしくない。
 腐っても十二剣神という存在強度に|理性の喪失《バーサーク》、ドラゴンテイマーの支配といった要素が合わさっての生き汚さか。
 だからとこれ程にまで酷使されては永遠不滅を冠するデウスエクスと言えど重篤な後遺症が残る事も有り得る。
 尤も、達也の知った事ではないが。

「……知的生命体が一片の理性も残ってないって、もう生きてると言えないでしょ」

 泣き別れになった半身が、薄れ消えていく超次元の蛇が、最期まで狂乱し無軌道に荒れ狂う。
 超感覚の集中を維持すれば、やはり見切れぬものではない。
 介錯のように破壊の斬撃を重ねる事数度、原罪蛇は呪詛の如き狂笑の余韻だけを残し消え失せて。

「ドラゴンテイマーは酷いことをするね」

 無造作に虚空へ視線を移す。
 此度の大侵攻を仕組んだ黒幕の気配はすぐそこに。

大成功 🔵​🔵​🔵​

御形・菘
お主はおそれを、妾は歓喜喝采感動を糧とする、
好対照のキャラだと思っていたのだがな
理性を失ってしまったら、ただの獣ではないか…とてつもなく醜いぞ?

右手を上げ、指を鳴らし、さあ草木よ存分に生い茂るがよい!
で、妨害奇襲支援で、戦闘ヘリとかでばーっと撒いてほしいのだ、虫とか小動物をな
妾のコレは森を作るが、生物は生み出せんのでな
相手の蛇たちの索敵を乱し、草木に潜んで接近するとしよう

本来ならド派手に真っ向バトるところだが、此度はお主ではエモさが足りん!
樹上に上り地に伏せ草木に紛れ接近し、渾身の左腕の一撃をブチ込んでくれよう
もちろん、ちょっと羨ましいナイスボディなどではなく、腑抜けてしまった頭にな!



●クランベリーと桃源郷
「お主はおそれを、妾は歓喜喝采感動を糧とする、好対照のキャラだと思っていたのだがな」
 奇しくも蛇の半身を持つ者同士。
 狂乱する原罪蛇を見る御形・菘(邪神様のお通りだ・f12350)の目には憂いに近しい色があった。
「理性を失ってしまったら、ただの獣ではないか……とてつもなく醜いぞ?」
「愚愚愚 お前は 何だ 愛し子か 愛し子ダロう そうに違いなイ
 咒咒咒 私は 全て 愛しテやろう
 爻爻爻 愛シ子は 全て 私ノ飯ナのだカラ
 禍禍禍 禍禍禍 禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍!」

 菘の言葉はメデューサに聞こえているのか、いないのか。
 どちらでも然して違いは無いのだろう。
 聞こえていたとして、最早それを理解する脳をメデューサは手放している。
「本来ならド派手に真っ向バトるところだが、此度はお主ではエモさが足りん! 映す価値無しっ!」
 撒き散らす呪詛と狂気を引き連れたメデューサの突進に、菘は高く掲げた右手の指を鳴らす。

「さあ草木よ存分に生い茂るがよい!」
 一帯を覆い尽くすは【|千紫万紅・全盛繁茂《グリーンワールド》】の巨大植物群。
 生い茂る密林、咲き誇る花々。強靭な植物の楽園は原罪蛇の巨躯をも絡め取り覆い隠して。
「で、ジャマー諸君よ。戦闘ヘリとかでばーっと撒いてほしいのだ、虫とか小動物をな」
『かしこまりました、直ちに!』
 待機していたヘリよりばら撒かれたのは【蛇蛇獄魔獄狡兎殺】が染み出させる超次元の蛇への囮。
 生い茂る植物に阻まれながらもこれを喰らい尽くさんとのたうつ蛇は、減衰した知覚で捉えた生体反応へ目論見通り手当たり次第に襲い掛かり標的を分散させる。
 時に樹上に上り、或いは地に伏せ、草木に紛れて超次元の蛇を掻い潜る――掻い潜れてしまう。

(分け隔てない愛、結構な事だ……と言ってやるには。この有様は、のぅ)
 囮の感じた恐怖も本物ではある。メデューサもそれを糧としてはいるのだろう。
 だが、違う。
 恐怖を与える為の暴虐と暴走の結果恐怖が生じる事の間には確かな隔たりがある。
 ……今のメデューサの醜態は。彼女の掲げる"愛"にとってさえ冒涜だ。

「恐れさせたい愛し子を見てもおらんから――迫る妾にも気付けぬのよ」
「禍禍禍 禍禍禍 禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍!」

 射程圏、死角から掛けた声に振り向く動きまでが想定内。
 神殺しと成った左腕を振り被り、タイミングを完璧に合わせる。
 思考の介在しない単なる反射よりも、揺るがぬ強固な意思の方が。余程。

「渾身の左腕の一撃をブチ込んでくれよう! その腑抜けてしまった頭にな!」

 今も染み出し続ける超次元の蛇の上から殴りつければ、重い手応えと破砕音。
 その実……空虚な中身は水の詰まった風船のように呆気なく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒城・魅夜
不快ですね
鏡には映らないダンピールの私ですが
貴女は私の歪んだ鏡写しのようです

……私もまた、愛する者の血を甘味と感じるが故にね
一歩間違えば私も貴女のようになる……
ならばこそ貴女は倒さねばなりません

限界突破した結界を展開
空間を無限迷宮に構成します
鬼火は別に消す気はありませんし追尾してきてもいいですよ
但しその追走経路は迷宮の中
私に追いつくことは永遠にありません

そして私の攻撃はこの影
多少の金縛りで私本体の動きが鈍ろうとも関係はありません
言ったはず、貴女は私のあり得た可能性だと
即ち未知などではなく苛立たしいほどに既知ゆえに
貴女の力は失われます

ではお別れです
その末期は胸に刻んでおきましょう
もう一人の私よ



●冷えた胸が悲鳴を上げるように
「不快ですね」
 黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)は短く吐き捨てる。
 だが、今回のそれには普段と些か異なる感情が滲んでいた。
「鏡には映らないダンピールの私ですが。貴女は私の歪んだ鏡写しのようです」

「虞虞虞 私の前ニ姿を晒すか
 縫縫縫 ならば喰らおウ 愛し子よ 味わっテヤろウ そノ全テを
 咒咒咒 おそレよ 私の愛し子 必要なのハ『おそれ』だケ
 禍禍禍 禍禍禍 禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍!」

「……私もまた、愛する者の血を甘味と感じるが故にね」
 吸血鬼に連なるダンピールという種族ゆえの性質。
 愛する事と喰らう事の結びつく感覚は魅夜にも覚えのあるものだった。
「一歩間違えば私も貴女のようになる……ならばこそ貴女は倒さねばなりません」

 一見して魅夜とメデューサを収める程度の空間の実態は無限迷宮。
 本来の限界以上の強度で展開した結界は【朧朧蛇蝎奇霊夜行】の鬼火に貫通も許さず封じ込める。
 この結界を維持する限り、追尾機能を備えたところで鬼火が魅夜まで届く事はない。
 無論、力尽くに結界を破ろうと爪を立てるメデューサ自身も。

「そして」
 魅夜の影が蠢く。
 物質としての実体を持たないそれは結界をすり抜け、避ける素振り一つ見せないメデューサを容易く捉える。
「言ったはず、貴女は私のあり得た可能性だと。即ち未知などではなく苛立たしいほどに既知ゆえに貴女の力は失われます」
「咒咒咒 おそれルガいイ 今におそれさセテやロう そレダけでいい
 無無無 いらなイ 理解はいラない 共感はいらナイ 愛モイらなイ
 亞亞亞 亞亞亞 愛シ子よ 私は 私ハ愛ソウ 喰らオウ セメて『おソれ』ダケデモ――――
 禍禍禍 禍禍禍 禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍!」
「……貴女は」

 【|闇に溺れよ影へと沈め、せめて末期は舞う如く《シャドウィゲート・イネインエンド》】――原罪蛇を捉えた影から、或いは結界越しに響く呪詛の声から染み込むような狂気。渇望。
 恐らくは錯覚だ。
 きっとメデューサ自身も認識などしていない、仮に在ったとしても最早残っている事など有り得ないもの。
 この世界のヒトが知恵を得る以前より生きてきた原罪蛇にも正気の頃があったのかもしれない等と、無意味な感傷。
 愛と欲に溺れ、却って愛さえ喪った者。
 仮に望んで狂っていたのだとすれば、それは。

「ではお別れです。その末期は胸に刻んでおきましょう……もう一人の私よ」

 結界の維持を意識しながら、メデューサへと幾重にも絡みつかせた鎖に力を込める。
 狂乱を撒き散らし、叫び、嗤い、蝕みながら、原罪蛇の巨躯は全てを無に帰す影の中へと沈んでいく。
 最期に一瞬、目が合ったような。
 もしかすると気のせいかもしれない。
 そこに感じたものは恐らく、魅夜にしか分からない事だ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

オリヴィア・ローゼンタール
禍き蛇怪よ、貴様を討つ者はここにいる!

白きパイロットスーツを身に纏い、ヘラクレスを召喚して【騎乗】する
ヘラクレスよ!
汝が父祖たるペルセウスの偉業に倣い、メデューサを討ち倒せ!

|決戦配備《ポジション》スナイパーを要請! ミサイルの火力支援!
染み出す蛇を撃ち落としてください!
メデューサは――私とヘラクレスが相手をします!

アスファルトを踏み砕き吶喊!(悪路走破)
速さ(ダッシュ)と重さ(重量攻撃)を込めた、【怪力】の拳を叩き込む!
虞れだの未知だの、そんなまどろっこしい力はヘラクレスに通用しない!(気合い・根性・勇気)
最も原始的な真っ向勝負で叩き潰す! 【極鋼爆裂拳】!!



●落とされてひび割れた瓶の中
「禍き蛇怪よ、貴様を討つ者はここにいる!」
 逃げも隠れもせず正面からオリヴィア・ローゼンタール(聖槍のクルースニク・f04296)は名乗りを上げた。
 白きパイロットスーツに装いを変え、呼び寄せるは|偉大なる英雄《ヘラクレス》の名を冠した巨いなる鋼の超人。

「ヘラクレスよ! 汝が父祖たるペルセウスの偉業に倣い、メデューサを討ち倒せ!」
「摩摩摩 愛し子よ その武威を拉いでクレよう
 虞虞虞 その勇猛から おそれを絞り尽クシてやろウ
 禍禍禍 禍禍禍 禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍!」

「|決戦配備《ポジション》スナイパーを要請! 染み出す蛇をミサイルで撃ち落としてください!」
『要請を受諾。最大火力、いきます!』
「メデューサは――私とヘラクレスが相手をします!」

 飛来した無数のミサイルはメデューサの全身から染み出す蛇に食いつかれた。
 眩い爆発がノックバックを強制し、しかし敵は多少のダメージなど気にも留めない。
 【蛇蛇獄魔獄狡兎殺】――腐っても|十二剣神《グラディウス・トゥエルヴ》の振るう|理外の御業《ユーベルコード》の前では決戦配備とて些か分は悪いか。
 だが、その僅かな隙でオリヴィアとヘラクレスには充分だ。
 アスファルトを踏み砕き吶喊、超次元の蛇が食い止められる間にメデューサへと肉薄する。

「縫縫縫 向かってくルか 愛し子よ 私に手折ラレに 喰らわれに
 摩摩摩 おいで 餞別に 恐怖を教エヨう
 無無無 いらない 他には何モ 考えずとモヨい 為さずとも――」
「――――恐れるものかッ!」

 速度と重量を最大限に乗せた一撃が蛇の呪言を遮った。
 肉を潰し骨を砕く手応え。
 メデューサは痛みも感じていないかのように、壊れた身体で猶も襲い掛かる。

「禍禍禍 禍禍禍 禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍!」
「虞れだの未知だの、そんなまどろっこしい力は! ヘラクレスに通用しない!!」

 絶えぬ狂笑、|生ける屍《ゾンビ》を想起させる執着。
 呪詛と心理の両面から精神を蝕む在り方は他者の心を恐怖に塗り潰すのだろう。
 だとしても。
 並外れた気合いと根性、煌々と燃える勇気が合わされば……おそれという毒にも負けはしない。

「鋼の拳よ、打ち砕け! 【|極鋼爆裂拳《デトネーション・メタルフィスト》】!!」
「禍禍禍 そウカ お前ハ おそレテはクれナいのか
 禍禍禍 禍禍禍 禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍――――」

 元より強引な顕現。
 如何にその存在を使い潰そうと、如何に理性を失い狂い果てていようと、身体能力そのものの劣化は著しいのだ。
 最も原始的な真っ向勝負は鋼の超人に軍配が上がり、幾度となく打ち据え動きを封じた原罪蛇へと叩きつけるは地形ごと打ち砕く必殺の一撃。
 それが遂にメデューサを微塵に打ち砕く決め手となった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユーフィ・バウム
私の敵はあくまでオブリビオン
この世界の戦いには関わらないつもりでした―—ですが

そのオブリビオンの手で
災厄の権化になった貴方とは戦いましょう!

覚悟を持ち距離を詰め、武器で染み出す蛇を切断しながら
功夫を生かした鎧砕きの拳をメデューサへ叩き込みます
武器で刈り取りきれない蛇達には、
オーラ防御を全身に展開、ダメージを凌ぎつつ
衝撃波を放って超次元の蛇達に埋もれるのを防ぎますっ

防御も耐性も削るなら、長期戦は避けなければなりません
パワー全開で仕留めにいきます!
脚を使い揺さぶりつつも止まることはせず、
近距離で拳を、武器を振るい続けます

相手が弱る気配が見えれば
《トランスバスター》の鎧無視攻撃で決着を狙いますよっ!



●制裁なドギマギを
「私の敵はあくまでオブリビオン。この世界の戦いには関わらないつもりでした」
 猟兵は|オブリビオン《世界の敵》と戦う為に選ばれた存在。
 このケルベロスディバイド世界の地球と|デウスエクス《侵略者》の戦いには生存競争の面もあり、これに対するスタンスは猟兵によっても異なる場合がある。
「―—ですが」

 理性を失くし狂乱するメデューサの姿を、ユーフィ・バウム(セイヴァー・f14574)は決意と共に見据える。

「そのオブリビオンの手で災厄の権化になった貴方とは戦いましょう!」
「摩摩摩 何でもイい 誰でモいい
 咒咒咒 全テ 私ノ愛し子 私の飯なのだカラ
 禍禍禍 禍禍禍 禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍!」

 全身から染み出す超次元の蛇を伴いメデューサが迫る。
 ユーフィもまた一歩も退く事なく、携えた斧剣と共に前へ。
 巨躯に相応の怪力、物理法則ごと食い破る超次元の牙が襲い掛かり――神経を削るような甲高い音が響き渡った。
 メデューサの猛攻をオーラで食い止め、斧剣を薙いで超次元の蛇を斬り払う。

「縫縫縫 私ノ牙を 私の抱擁ヲ拒ムか
 爻爻爻 構ワなイ 削リ潰シ おそれヲ絞り出シ 喰ラッてやロウ」
「させません……っ!」

 ユーフィの纏うオーラの護りは|異能《ユーベルコード》に勝るとも劣らぬ域にまで練り上げられ、超次元の蛇さえ跳ね除ける。
 問題は【蛇蛇獄魔獄狡兎殺】の性質、防御と耐性を削減する守護者殺し。
 絡め取られてしまえば詰みだ。斧剣より放つ衝撃波で蛇を散らし、フットワークで揺さぶり、無尽蔵にも思える超次元の蛇に呑まれぬよう立ち回りながら攻撃を重ねていく。
 長期戦は不利……だが、それはメデューサも同じだろう。
 暴走するメデューサは受けた負傷をものともせず、しかしただでさえ強引に顕現した身体は実のところ脆弱。
 防御など考えもしないが故に蓄積したダメージは着実にその身を崩しつつある。

「此処っ……!」
「禍禍禍 禍禍禍 禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍――」
「パワー全開で――行きますよぉっ! これが森の勇者の、一撃ですっ!」

 頭から噛み砕くようなメデューサ本体の大口を掻い潜り零距離へ。
 鍛え上げられた豊満な肉体から放たれる【トランスバスター】の拳打は攻防一体を為す超次元の蛇ごとメデューサの心臓を捉え、狂える傀儡を打ち砕いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

暗都・魎夜
【心情】
年明け以来だな、『原罪蛇メデューサ』
随分と気合い入ってるじゃねえか

派手な大攻勢で厄介なところではあるが、この程度で退くわけには行かねえんだよ!

【決戦配備】
スナイパー:こっちが前で押し止めるので遠距離攻撃を当てて弱らせてほしい

【戦闘】
「心眼」「見切り」「武器受け」で防御しながらこちらも近接戦闘を挑む
「限界突破」「リミッター解除」で「グラップル」のUCをぶち当てる

周りのディバイドのメンバーも「勝者のカリスマ」で「鼓舞」

愛してくれているのは結構だが、その愛をこの世界の人たちに届けてやるわけには行かねえな
せめてここで引導を渡してやるぜ、メデューサ!



●わずらって 真っ赤に彩って
「年明け以来だな、『原罪蛇メデューサ』。随分と気合い入ってるじゃねえか」
「禍禍禍 禍禍禍 禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍――」
 無数の蛇に隠れた視線がギロリと暗都・魎夜(全てを壊し全てを繋ぐ・f35256)を睨む。
 音声に対する原始的な反射だ。
 ドラゴンテイマーの支配を受け入れ脳さえ手放し、原罪蛇は魎夜が以前一戦交えた相手である事も理解していない。

「歓歓歓 ヨく来た 愛し子よ
 爻爻爻 私ハ来タぞ お前たチヲ喰らイに
 苦苦苦 おそれるガイい お前タちは全て 私の飯ナのだカラ
 禍禍禍 禍禍禍 禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍!」

「覚えておきなって言ったんだが、まさかこんな形で忘れられちゃ世話無ぇな」
 相対して分かる。余程の無理を押しているのだろう。
 このメデューサが発揮できる力は以前に劣り、しかし危険性はまるで引けを取らない。
 地を揺るがし呪詛を撒き散らしながら、此度はメデューサが猛然と襲い掛かる。

「派手な大攻勢で厄介なところではあるが、この程度で退くわけには行かねえんだよ!」
 覚悟を奮い立たせて呪詛を跳ね除け、魎夜も放たれた矢のように地を蹴って。
「こっちが前で押し止める。遠距離攻撃を頼むぜ、スナイパー!」
『かしこまりました。どうか御武運を』

 遠隔からの射撃支援に貫かれた事などメデューサは気にも留めない。
 だが、ダメージは着実に通っている。重心は乱れ、叩きつけんとする腕の狙いもブレる。
「良い仕事だ。おかげでヤバい攻撃に集中できるぜ」
 狂乱し荒れ狂う【蛇蛇獄魔獄狡兎殺】の動きは読み難いが狙いも粗い。
 超次元の蛇の中でも危険なものを研ぎ澄ませた心眼で見切り、武装の強度を頼みに力任せに振り払う。

「さぁ――見せてやるぜ、これが死を超越した力!」

 出し惜しみはしない。帝竜との戦いで昂った闘志の熱が燃え盛る儘に限界以上の力を引き出し、|重力《グラビディ》の因子を注ぎ込んだガントレットが変形する。
 それは生と死の境界線で手に入れた|力《アビリティ》。
 鷲掴みに捕え、解き放つ。

「亞亞亞 亞亞亞 タた 足リな ナい まだ 満チてイナい モっと
 爻爻爻 全テヲ そノオそれヲ あ愛シ 喰ラい わ 私 ハ――――
 禍禍禍 禍禍禍 禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍!」

「愛してくれているのは結構だが、その愛をこの世界の人たちに届けてやるわけには行かねえな」
 超重圧に圧し潰され、肉体を磨り潰されながらもメデューサは猶も蠢く。
 のたうち、重力さえも喰らわんと染み出し続ける超次元の蛇。

「師匠が言ってたぜ! 「守る為の戦いなら、敵が何であろうと怯む理由にはならない」ってな! 異世界の帝竜だろうと、十二剣神だろうと、それを支配する程ヤベぇ奴だろうと! 負けるものかよ!!」
 敵がどれほど強大だとしても、負けられない理由がある。
 打ち克ち守り抜く事は出来るのだと、共に戦うディバイドを鼓舞する魎夜の戦いぶりが力を与える。

「せめてここで引導を渡してやるぜ、メデューサ!」
「禍禍禍 禍禍禍 禍 禍禍 禍 禍禍禍 禍――――」

 魎夜とディバイドの力が合わさり、最期の瞬間まで暴れ続けるメデューサを遂に討ち果たして。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ウィズ・ザー
連携重視、SPD
3人称、そちらサン、又は名前呼び捨て
話し掛けるより思巡が多い
(脳を明け渡す…、哀れに思えば良いのか、それとも蔑めば良いのかわっからねェなァ)
敵の攻撃は予兆のおかげで未知とまでは行かない筈
地面に溶け敵の攻撃をそもそも受けづらい状況を作る。

「悪ィな。俺、眼孔無ェンだわ。」

(…俺らのコードが世界によって組み込まれたモノなら、剣神に組み込まれたモノは一体いつからあったのかねェ
疑問は尽きねェが…此方にできる事は滅ぼす事だけだァな
石にする能力あった方が遥かに脅威だったろうよ。触れたメデューサを食い尽くすぜ
「喰われンのはお前の方な。」
…身体つきだけはエロいんだよなァ……全くソソられねェけども


エリー・マイヤー(サポート)
フラスコチャイルドのサイキッカー × 寵姫です。
常に丁寧語で、あまり感情を乗せずに淡々と話します。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、目的達成のために全力を尽くします。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。

***
ごきげんよう。
戦力が必要と聞いて手伝いに来ました、エリーです。
念動力で、戦いをサポートしますね。

敵の攻撃を妨害したりとか目潰ししたりとか、そういうセコイ工作は任せてください。
攻撃は念動力で締めたり潰したり斬ったり突いたり…
まぁ、敵の物性に合わせてそれっぽくやりましょう。
状況に応じて、適当にこき使ってください。



●曇って 真っ黒に縋って
「エリーです、手伝いに来ました」
「おー、助かる。ウィズだ、よろしくなァ」
 ウィズ・ザー(闇蜥蜴・f11239)とエリー・マイヤー(被造物・f29376)、戦場に現れた猟兵へと意識を向けるメデューサの動きは単なる反射に等しい。
 そこに理性は無い。思考は無い。
 剝き出しになった本能の儘に張り上げた哄笑、悍ましく禍々しい姿、それ自体が呪詛となり無差別に襲い掛かる。

「歓歓歓 来タか 私の愛し子 私ノ飯
 咒咒咒 抗うか 委ねルか 何でモいい
 禍禍禍 喰らってやろウ 愛しテやロウ
 禍禍禍 禍禍禍 禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍!」

「開幕から喧しいこって……悪ィな。俺、眼孔無ェンだわ」
(脳を明け渡す……、哀れに思えば良いのか、それとも蔑めば良いのかわっからねェなァ)
 とぷん、と|不定形《ブラックタール》の身体を地面に溶かして第一波をやり過ごす。
 |十二剣神《グラディウス・トゥエルヴ》の一角を占める原罪蛇が如何な経緯で傀儡に堕ちたのか、その一部始終は予兆を通じ識っている。
 未知というアドバンテージを力とする【朧朧蛇蝎奇霊夜行】に陰りがあるのもその影響か。
 降りかかる鬼火や地面ごと砕かんとする直接打撃を、影の中を泳ぐように潜り抜ける。

「抑え込みましょう」
 一方、後衛に位置取り煙草を一服したのがエリーだった。
 彼女に襲い掛からんとする鬼火は大河の奔流に呑まれたようにあらぬ方向へ流れていく。
 理外の御業たるユーベルコードにも真っ向から抗し得る程の念動力の極致。

(んじゃ、俺はそちらサンの御膳立てかね)
 暴走するメデューサのもたらす破壊規模は甚大だが狙いは粗く分かり易い。
 操る無数の武装で足元から攻め立てれば、愚直に殴り返すメデューサの動きはある程度誘導できる。

「では……バン、です」
 隙を晒したメデューサを【|念動ショット《サイ・ショット》】が捉えた。
 エリーに注意を移したところで、刃の如き尾の斬撃を喰らわせてやれば標的は直ぐに闇蜥蜴へ戻る。
 伽藍堂と化した頭では優先順位もまともに付けられはしない。
 出来の悪いAIを嵌めるように、念動力の弾丸は一撃ごとに命中精度と威力を高めていく。

(……俺らのコードが世界によって組み込まれたモノなら、剣神に組み込まれたモノは一体いつからあったのかねェ)
 或いは絶対制御コードとやらの存在を自覚していた節のあるメデューサなら何か知っていたのかもしれない。
 尤も、脳を明け渡した今のメデューサに問うたところで答えを聞き出せる筈もないか。
(疑問は尽きねェが……此方にできる事は滅ぼす事だけだァな)

「なぁエリー。物は相談なンだが、この辺一帯を暗くする事って出来るかい?」
「お安い御用ですよ」

 元より限られた活動時間、椀飯振舞にはちょうど良いタイミングだろう。
 メデューサの作り出した瓦礫の山を念動力で持ち上げてやれば、日差しを遮り影を作り出す程度は造作も無い。
 序でに対メデューサの最適化が進んだ念動ショットを数発叩き込めば、純然たる破壊力がその巨体を仰け反らせる。

「ありがとサン。ったく、石にする能力あった方が遥かに脅威だったろうよ」

「咒咒咒 オソれるがいい 私ヲ
 無無無 い イらな ナイ 他にハ 何もいらナ い
 禍禍禍 その為ニ知恵を与え そノ為に慈シミ ソノ為に愛しタノだかラ
 禍禍禍 禍禍禍 禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍!」

「喰われンのはお前の方な。――"傍らに"」

 ウィズを起点として全方位に放たれた【|闇顎《アンガク》】の影がメデューサの総身に喰らいつき呑み込んだ。
 瓦礫の山が落とす影も取り込み力に変え、原罪蛇が存在する為のリソースを魔力として奪い取っていく。

(……身体つきだけはエロいんだよなァ……全くソソられねェけども)

 呪詛の声さえも余す事なく分解し、喰らい尽くす。
 影が晴れた時には狂乱の痕跡だけを残し、堕ちた蛇の姿は跡形もなく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『ドラゴンテイマー』

POW   :    クリムゾンキャリバー
【赤き剣の右腕】が命中した対象に対し、高威力高命中の【黒竜ダイウルゴスの群れ】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    ギガンティックダイウルゴス
レベル×1体の、【逆鱗】に1と刻印された戦闘用【大型ダイウルゴス】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ   :    文明侵略(フロンティア・ライン)
自身からレベルm半径内の無機物を【黒竜ダイウルゴスの群れ】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。

イラスト:ハルヨリ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●盤上に舞い戻りし者
 猟兵たちは竜帝ダイウルゴスを退け、狂える原罪蛇メデューサをも打ち破った。
 激戦から一息つく暇もなく――爆発。戦場は火の海に閉ざされる。
 目も眩む陽炎と薄い酸素、臓腑まで炙るような高熱は抗う術無き生命の生存を許しはしないだろう。

「御苦労。前座との戯れは楽しめただろうか」

 いつの間にか佇んでいたのは六枚の翼と赤き剣の腕を持つ男。
 僅か一瞬の間に地獄の如き光景を生み出した元凶は、特に感慨もなく淡々と言葉を紡ぐ。

「初めての者には改めて名乗ろうか。私の名はドラゴンテイマー。身中に剣を抱きし『|竜《ドラゴン》』を操る者……」

 構え一つ取らない立ち姿に隙は無く、意図も思考も読み取る事は困難。
 底知れない気配だけを漂わせ、彼は事も無げに口にしてみせる。

「さて……六番目の猟兵。殺してみるとしようか」

 実に5年の月日を経て再びその姿を現した暗躍者。
 討ち果たせ。


※第三章のプレイングボーナスは「炎に包まれた戦場」の対策や民間人避難の完遂。
 ガードを間に合わせる手段があれば戦場に居たDIVIDE人員も守れるかもしれません。
 ただし決戦配備の要請はギミックとして不可能であるため御注意ください。
 救助対象がどのような形で被害を受けるかはプレイングに準拠します。
 特に描写なければボーナス的には炎に包まれた戦場への対処がメインとなるでしょう。
 
ユーフィ・バウム


五年前の貴方との闘い
身に刻まれた敗北の想い出と共に
一度も忘れたことはありません

ですが、まずは民間人避難の完遂を
武器を振るいて衝撃波を生み出し、
炎を吹き飛ばすことで避難の道を作りましょう
今の内に、早く逃げてくださいっ
逃げ遅れた人がいるならばかばうことも厭いません

ですが、私の役割としてはやはり
ドラゴンテイマーの意識を惹きつけること
接近戦を果敢に挑み、DIVIDEの方や一般人から注意を反らします

体術に優れている相手であることも覚えています
功夫を生かし受け、いなし、反撃を叩き込み

相手の必殺の赤き剣に合わせ突き出すようにオーラ防御を全開!
体勢を崩したところで、
必殺の《トランス・コンビネーション》ですッ



●不屈の勲
「ドラゴンテイマー……」
 ユーフィ・バウム(セイヴァー・f14574)の脳裏によぎるのは五年前の戦い。
「貴方との闘いは身に刻まれた敗北の想い出と共に、一度も忘れたことはありません」
「そうか」
 逃げ惑う民間人も決死の避難活動に当たるDIVIDEも一顧だにせず、ドラゴンテイマーは悠然と佇むのみ。
 測られている、と感じる。
 謎に包まれていたこの男の正体も、二番目の猟兵『アーカイブ』であろう事を突き止めるところまで来た。
 絶望的なまでに隔たっていた実力の程は、どこまで縮められたか。

「ですが……!」
「……ほう」

 大型武装ディアボロスを振るい、放つ衝撃波の狙いはドラゴンテイマーだけではない。
 瓦礫と炎を吹き飛ばし、ユーフィは先ず人々の避難する道を切り開く。

「今の内に、早く逃げてくださいっ」
「健気な事だ。しかし待ってやる義理も無い」
「覚悟の上です……!」

 牽制を兼ね差し向けていた分の衝撃波を容易く掻い潜り、無造作に踏み込んだ男が赤き剣の右腕を振り上げる。
 恐れはしない。
 得物を手放した拳を握りしめ、ユーフィは果敢にドラゴンテイマーの懐へ飛び込む。

「蛮勇は健在か。だが、剣を振るうのみが私の能でないと忘れた訳ではあるまい?」
「当然!」

 繰り出される左の掌底を見切り、修めた功夫の技術で受け流す。
 総身が軋む程の重みを感じながら、しかし動きを止めていられる猶予は一瞬たりとも存在しない。
 無我夢中に死力を振り絞ったあの時とは違う、確かな手応えがある。

 だからこそ――このまま押し切れる相手ではないという確信があった。
 それは未だか細い勝利への可能性を掴み取る為の備えだ。
 まさに次の瞬間、抱いた危惧は現実となる。

「ならば此方も、もう一つ手札を見せるとしよう」
「ッ……!」

 ユーフィへ襲い掛かったのはドラゴンテイマーの背にした巨大な六翼。
 防御の上から少女を打ち据えた連撃は帝竜の羽ばたきを思わせる威力を伴い、強制的に後退を強いる。

「此処までだ」
「まだ……まだです!」
「む――ッ」

 今にも倒れそうな足に力を込めて踏み止まる。ただ意地を示す為の足掻きではない。
 此度は……今度こそは、動ける。まだ。
 必殺の【クリムゾンキャリバー】が振るわれるに合わせ、叩きつけるは全力展開したオーラの護り。
 数多の死線を超え練り上げた力と技の結晶が。敵の強大を知り、猶も諦める事を知らない勇猛な魂が。
 ドラゴンテイマーがユーフィの戦術を上回ったように、ユーフィもまたドラゴンテイマーの読みを上回る!

 赤き斬撃はユーフィを逸れ地面を斬り裂くに留まった。
 天地を揺るがし群れなす黒竜ダイウルゴスの脅威も、自身には当たらない事を知っている。

「今こそ仕留めます! トランス、バスター……!」
「ぐッ……!」

 一瞬の隙を逃す事なく踏み込み、叩きつけるは渾身の力を振り絞った拳技。
 ドラゴンテイマーの防御を崩しホールド、上空高く舞い上がる蒼翼天翔の投げ技に繋ぐ。

「……ドライバーッ、そして――」
「成程。よく此処まで鍛え抜いたものだ、ユーフィ……!」
「クラッシュ、です……っ!」

 全身がバラバラになりそうな痛みを覚悟と勇気で捻じ伏せ、オーラを矛とした一撃で締め括る。
 標的を捉えた【|トランス・コンビネーション《トランス・トリプルアタック》】が此処に嘗ての雪辱を果たし、戦士の矜持を打ち立てた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

御形・菘
初めましてではないが名乗ろうか
妾はキマフュを統べる者、御形・菘だ、よろしく頼むぞ!
てなわけで5年振りの再会、妾がお主をボコりに来た理由は明白であろう?

そしてまた妾の目の届く距離で随分とやってくれるのう
諸々のオーラを全力で広域展開! 妾の元気を皆に与え、火事場の馬鹿力、リミッターを外してやろう!
はっはっは、妾は火を消すような力は持っておらんが、皆をアゲることは最も得意な分野でな
避難は互助で頼む!

もちろんお主も黒竜も限界までテンションは下げるぞ
妾がやることはシンプル、腑抜けた黒竜どもをブッ飛ばしつつまっすぐ突っ込む!
はーっはっはっは! 邪神の左腕の一撃、食らってエモく盛大にブッ飛ぶがよい!



●花の戦争、場外篇
「初めましてではないが名乗ろうか。妾はキマフュを統べる者、御形・菘だ、よろしく頼むぞ!」
 ドラゴンテイマーも菘も強烈な存在感を誇る猛者だが、活動期間の長さに関わらず初見というのは存在し得るもの。
 朗々と名乗り口上を響かせ、御形・菘(邪神様のお通りだ・f12350)はドラゴンテイマーをびしりと指さす。

「てなわけで5年振りの再会、妾がお主をボコりに来た理由は明白であろう?」
「ならば果たしてみせるがいい。出来るものなら」
 此度の男は――決戦配備が機能停止する程の爆破を引き起こしたとはいえ――先んじる素振りも見せない。

「そしてまた妾の目の届く距離で随分とやってくれるのう」
 その狙いはやはり計り知れないが、先手を譲るというなら好都合。
 菘は右手を高く掲げ、再び弾いた指を打ち鳴らす。
「【|極寒から灼熱まで《テンション・モチベーション・アジテーション》】――妾が自在に変えて震わせてやろう、魂の温度を!」
 存在感に気合いにオーラ諸々、戦場に広がったそれは人々もドラゴンテイマーも纏めて呑み込む。

「はっはっは、妾は火を消すような力は持っておらんが、皆をアゲることは最も得意な分野でな。避難は互助で頼む!」
 哄笑と共に号令を掛ければ、炎に撒かれていた人々からは力強い声で応えが返った。

「……話は終わったかね? 相変わらず児戯に等しい策が好みと見える」
 |切り札《ユーベルコード》を切って為したのは攻撃どころか攪乱ですらない扇動。
 何とやらも煽てれば木に登るとは言うが、不可能は誤魔化したところで不可能に変わりない。
 赤き剣の右腕で地を叩く仕草一つ。
 ダイウルゴスの【|文明侵略《フロンティア・ライン》】――効果圏内の無機物はドラゴンテイマーの意の儘に、菘の足元の地面そのものが黒竜の群れと化し牙を剥く。

「はーっはっは! お主こそ、やはり分かっておらんのう!」
「なに……?」

 ドラゴンテイマーが怪訝に眉を顰めたのは傲岸不遜な菘の振る舞いに対して、ではない。
 竜の暴威を以て彼女を叩き伏せんとしたダイウルゴスの群れは、逆に蛇尾の一振りで薙ぎ払われる。
 嘗ての戦いより力を増した菘のフィジカルは想定の範囲内。
 無論、自身とダイウルゴスに対しオーラが精神力減衰の効果を及ぼしている事も理解している。
 所詮は虚仮威しの小細工、だった筈だ。

「これが|エモ《感動》の力よ! 真にバトルに必要なのは何たるか、その身でとくと味わうがよい!」

 確かに感情のみで不可能は覆らない。
 ドラゴンテイマーが読み違えたとすれば二つ。
 傷つきながらも助け合い避難に当たる人々も、襲い掛かる黒竜相手に大立ち回りを繰り広げる菘も、その真価は彼の一方的な分析より遥かに力強い事。
 そして感情など無意味だと切り捨てたところでドラゴンテイマーもダイウルゴスも、自覚している以上に自らの心の影響を受けている事。
 元より初手の爆発を引き起こして以降、ドラゴンテイマーは人々の存在など歯牙にも掛けていない。
 砕かれては再生し襲い掛かるダイウルゴスを蹴散らしながら、菘は真正面から獲物へ迫る。

「言ったであろう、『あらゆる世界は妾の物なのだ』と! 持ち帰る等という不遜もキャラ被りも断じて見逃せん!」
「ぐ……!」
 真に神殺しとなった菘の左腕が赤き剣の右腕とぶつかり、鬩ぎ合う。
 焼けるような痛みと共に滲む鮮血。だが、押し負けはしない。

「はーっはっはっは! 邪神の左腕の一撃、食らってエモく盛大にブッ飛ぶがよいッ!!」

 四元五行の気合いは際限なく高まり、より強く拳を押し込んで。
 殴り抜く――――!

大成功 🔵​🔵​🔵​

ウィズ・ザー
WIZ 連携重視、臨機応変
ドラゴンテイマーねェ… 知性失わせる事がテイムって言われちゃァ、な。
「…否定せざるを得ないな?」
皮膚を変形、突き出す様に背中から巨大な皮膜の翼を生やし、空へ
空中戦と先制攻撃の技能を使う
鬣の様に背や尾から20の触手と手足を合わせ掻っ攫う形で民間人を回収。
頭部は飛行に適した形へ。顎開き破壊光線を連射。避難と同時に仲間を援護するぜ。
敵が|建物《無機物》変化させたおかげで隠れてた奴も見つけ易いわ
「…暴れるなよ?|猟兵《ミカタ》だ。」
いやまぁ、普通に怖ェよな。わかるわかる。気にすンな。な?
避難終われば敵を狙い撃つ
街一個滅ぼす動力入りだぜ
「滅びろよ。」
仲間の回収も臨機応変に


オリヴィア・ローゼンタール
キマイラフューチャーに地獄創生樹アヴェスタを齎したことといい、よほど地獄が好きなようだな
ならば今すぐ|骸の海《地獄》へ叩き返してやろう!

ヘラクレスの巨躯は対人戦では取り回しが悪い
虚空へと送還し、地に降り立った時には元のシスター服に

聖槍を核に雷霆の魔力(電撃・属性攻撃)を凝縮(武器に魔法を纏う)、圧縮(全力魔法)、形成(限界突破)――【天叢雲剣】!
吹き荒ぶ嵐(天候操作)が戦場の炎を鎮火するのみならず、宙を舞う大型ダイウルゴスのバランスを崩し、激しい稲妻が打ち据える
嵐と稲妻の権能を展開しつつ、私自身も吶喊!
紅き剣腕と雷霆の大剣で斬り結ぶ!(怪力・斬撃波)
ぉおおおおお!!!



●地獄を呑むは極限の闘争
「キマイラフューチャーに地獄創生樹アヴェスタを齎したことといい、よほど地獄が好きなようだな」
 状況の変化に合わせ巨いなる鋼の超人を虚空へ送還、元のシスター服となりオリヴィア・ローゼンタール(聖槍のクルースニク・f04296)は再度地上へ降り立つ。
 |二番目の猟兵《アーカイブ》と目される暗躍者。強大な力を以て民に害為す悪党を、彼女は決して許しはしない。
「ならば今すぐ|骸の海《地獄》へ叩き返してやろう!」
「では力を以て為すがいい。その気迫が虚勢で無いのなら」

(おー、頼もしい事で)
 ダイウルゴスとメデューサを退け可能な限り盛り返したとはいえ、未だ戦略的にも戦術的にも防衛側の守勢。
 故に満を持して現れた黒幕へと正面から啖呵を切る旗印の重要性をウィズ・ザー(闇蜥蜴・f11239)は理解する。
 一帯は既に【|文明侵略《フロンティア・ライン》】の支配圏。
 破壊された瓦礫や地面がダイウルゴスの群れへと変貌すると同時、ウィズもまた【デモンウイング】を広げ空へ。

「天地に轟く雷霆よ! 遍く邪悪を焼き尽くし、神の御稜威を知らしめよ!」
 オリヴィアの掲げた黄金の穂先へと落ちるは一条の雷霆。
 その魔力は破邪の聖槍を核に凝縮・圧縮され【天叢雲剣】の形を成す。
 吹き荒ぶ嵐は戦場の炎を鎮め、激しい稲妻が【ギガンティックダイウルゴス】の合体も許さず黒竜を打ち据える。
 強固な信念とそれを貫く為の力は、はっきりと戦場の地獄を塗り替えてみせた。

(ドラゴンテイマーねェ……知性失わせる事がテイムって言われちゃァ、な)
 ダイウルゴスの暴威が人々に降りかかるのをむざむざ見過ごしはしない。
 飛行に適する鋭利な流線形に変じた頭部を向け、敵に先んじて放った破壊光線が黒鉄の竜を撃ち墜とす。
 その様相は少なからずメデューサと同類だ。
 或いは単独でオブリビオンとして現れたか、ユーベルコードに呼び出されたかの違いに依るかも定かではないが……いずれにせよ動きは精彩を欠き、脆い。
 本来の力も満足に発揮できずいいように使われる姿は、なんとも。
「……否定せざるを得ないな?」
 嵐と稲妻と破壊光線。
 歴戦の猟兵たちが振るう|超常の御業《ユーベルコード》は都市を灰燼に帰せしめる程の竜群をして圧倒していく。

「嵐と|建物《無機物》変化のおかげで隠れてた奴も見つけ易いわ。救助はこっちで請け負うぜェ」
「承知しました。感謝します……!」

 敵以外を傷つける事の無い嵐が場を整え、すかさず自在に流動するブラックタールの身体から救助の手が伸びる。
 竜の鬣めいて揺れる20の触手と手足を合わせて文字通りの十人力以上、ドラゴンテイマーの操る膨大なダイウルゴスを打ち払いながら民間人の回収は瞬く間に。
「……暴れるなよ? |猟兵《ミカタ》だ」
 念のため声を掛ければ、強張った頷きを背から感じ取れる。
 老若男女、戦場のパワーバランスが僅かに崩れるだけで零れ落ちてもおかしくない小さな命。
 ただでさえ竜のおそれを知らしめんとするドラゴンテイマーの策に見舞われた最中に、助けたウィズも今は竜を思わせるカタチをしているのだ。全く以て無理もない。
「いやまぁ、普通に怖ェよな。わかるわかる。気にすンな。な?」
 あやすように笑ってみせた口から放つ破壊光線でダイウルゴスを撃ち落とし旋回。
 戦いも正念場だ。此処から然して長引かせるつもりも無い。

「これが今の猟兵の力か。……随分と、やるようになった」
「当然っ……! 貴様たちが罪無き者の安寧を踏み躙るなら、私たちは幾度でも打ち倒す! 必ず!」
 降り注ぐ稲妻を背の六翼で振り払い、凄まじい膂力で振るわれる雷霆の大剣を紅き剣腕で迎え撃ち、ドラゴンテイマーは未だに息一つ乱しはしない。
 手応えはある。
 邪悪を焼き払う雷電のダメージは確実に蓄積し、斬撃を叩き込んだ傷からは今も煙が上がっている。
 ならば今なおどれだけの余力を残しているか分からないとしても、力の限り攻め続けるまで――その時、ダイウルゴスを相手取りながら旋回する闇蜥蜴の姿が見えた。民間人は一通り救出できたらしい。
 敢えて語る言葉は不要。
 現在の戦況は互いに一目で理解できた。勝利の為に取るべき動きも。
 気合いを奮い立たせれば稲妻は苛烈さを増し、タイミングを合わせ放たれた破壊光線がダイウルゴスを駆逐する。
 絶えず無機物より生じる竜帝の戦力は無尽蔵だが、今はその一瞬があればいい。

「滅びろよ」
「ぉおおおおお!!!」

 街一個滅ぼす程の動力を込めた破壊光線と、戦場に満ちる稲妻を今一度大剣に束ねた雷霆。
 共に超級の火力は標的を挟み撃つ形で一つに重なり……防御諸共、ドラゴンテイマーを跡形もなく消し飛ばした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

九頭龍・達也
「俺を殺す? お前には無理だよ」

『闘気』を活性化する事で炎の環境に対応。
灼熱や極寒が存在する宇宙空間より厳しいという事はないだろう。
戦場に居る人員を守りながら戦うのは手持ちの札では難しいので、できるだけ手早く倒す事で被害を抑える方針。
達也は善よりですが全てを救うつもりはないし、救えるとも考えていません。口には出さないですが。

【竜神の再来】を発動。

【クリムゾンキャリバー】の太刀筋を見極めて回避。
(第六感×心眼×集中力)
回避行動をそのまま反撃の一撃に繋げて――
いつの間にか顕れていた『勇者の剣』に無尽蔵な闘気で無限の威力を持たせ、光速×超怪力で振るってドラゴンテイマーを屠りましょう。
(カウンター)



●竜使い殺し
 敢えて口にこそしないが……九頭龍・達也(|大宇宙《SOW》帰りの勇者・f39481)の在り方は悪性より善性に寄るとはいえ、全てを救おうと背負う程の理想主義でもない。
 如何に力があろうと出来ない事もあると彼は考える。
 それはこの惨状を生み出した元凶も同じ。

「俺を殺す? お前には無理だよ」
「では検証するとしよう」

 宇宙空間での活動も可能とする闘気を纏い灼熱に支配された戦場に対応。
 闘志どころか悪意さえ感じさせず無造作に距離を詰めるドラゴンテイマーへと、達也からも迷いなく踏み込む。

「愚直な選択だな。焦燥に駆られたか」
「真顔で|惚《とぼ》けるなよ。分かりにくいだろ」

 掠りでもすれば黒竜ダイウルゴスの群れによる追撃で蹂躙し尽くす【クリムゾンキャリバー】の過剰火力は個人を対象とするには常軌を逸していると言っていい。
 身体と一体化しドラゴンテイマーそのものでもある赤き剣の右腕が並の武装である筈もなく、浅慮や楽観による正面衝突では勝負など成立する余地もなく全てが終わるだろう。
 無論――勝算はある。
 身につけた力と、それを振るう者としての自負がある。
 達也は全てを救える等と考えてはいない。
 だが、出来る事をしない理由も無い。

「倒すよ」

 【|竜神の再来《クズリュウ》】の闘気が活性化する。
 視認不可能な程に加速するドラゴンテイマーの剣速に光速の機動力でタイミングを合わせ、培った技術で赤い剣閃の軌道を見極める。
 ドラゴンテイマーのユーベルコードを前にして防御や打ち合いの選択肢はまず無い。
 故に激突はただ一度。
 物理法則の極限で繰り広げられる刹那、空だった筈の手を握りしめれば其処には使い慣れた剣がある。

「――――ッ」

 その身に宿すは|惑星《ほし》さえ砕く怪力。
 勇者の剣は無尽蔵の闘気に応え、無限の威力を生み出す。
 赤き剣腕を紙一重に躱し、迫る敵との相対速度をも上乗せして……一撃。
 衝撃に戦場が震撼する。
 攻撃力に特化した極大火力の炸裂がドラゴンテイマーを呑み込んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

暗都・魎夜
【心情】
話は聞いていたが、これ程とは思わなかった
さっきのダイウルゴスがその扱いとか冗談じゃねえ
正直15年前、学園の戦いが一番派手だった頃に出会ってたら、うちの世界が滅んでたぜ

【戦闘】
クリムゾンキャリバーの攻撃を「リミッター解除」「勝負勘」「見切り」で回避

「師匠が言ってたぜ、"知恵と勇気があれば負けはしない"ってな!」
「勝者のカリスマ」でDIVIDEを「鼓舞」
「火炎耐性」とUCの力で周囲の火の海を自身の中に吸収

「限界突破」した「捨て身の一撃」体当たりを叩きつける

「俺は通りすがりの能力者さ、覚えておきな、ドラゴンテイマー!」

戦いの後には「天候操作」で優しい雨を降らせる



●絶望より希望を掴む者
 ドラゴンテイマー……文字通り「|竜《ドラゴン》」を操る者。
 戦闘に於いては黒き鉄の竜帝ダイウルゴスを雑兵のように造作もなく、そして大量に使役する支配者。
 話には聞いていたが、規格外にも程があると暗都・魎夜(全てを壊し全てを繋ぐ・f35256)は感じ取った。

「正直15年前、学園の戦いが一番派手だった頃に出会ってたら、うちの世界が滅んでたぜ」
「15年前……か」
 僅か、ドラゴンテイマーが懐旧するように目を細める。
 永き時を生きる者からすれば取るに足りない……だが社会、技術が革新を迎えるには充分な時間。
 あの頃の未熟な少年は大人になり、今も戦場に立ち続けている。

「では、今は違うと言えるだけの力がお前にあるか。確かめるとしよう」
「ッ……!」

 敵意は無く、前触れも無く、ただ踏み込み振るわれる【|クリムゾンキャリバー《赤き剣の右腕》】が異様に速く、そして鋭い。
 一か八かの勝負勘に賭け、その一瞬を制する為に自らのリミッターを外す。
 まだ周囲には爆発に巻き込まれたDIVIDEのメンバーも居る。ダイウルゴスの召喚を許す訳にはいかない。

「無力な民の為に自ら選択肢を縛るか」
「縛る? 俺が不利を背負い込んでると思ってんなら大間違いだぜ」

 引き延ばされたような時間の中、やはり感情の読み取れない声を笑い飛ばす。
 何より――|世界《故郷》を襲う脅威に抗う彼らは、蹂躙されるだけの無力な存在ではないと信じている。

「師匠が言ってたぜ、"知恵と勇気があれば負けはしない"ってな!」
「む……ッ」
 その宣言は相対する敵のみならず、今も生きるため必死に戦う人々に向けて。
 同時、戦場を蹂躙していた爆炎が音もなく消失した。

「希望を見せるには随分とお誂え向きの力だ。まるで英雄だな」
「俺は通りすがりの能力者さ、覚えておきな、ドラゴンテイマー!」

 DIVIDEが壊滅状態に追い込まれる程の爆炎を飲み乾し、口許に獰猛な笑みを刻む。
 内側から魎夜を食い破らんと荒れ狂う炎は、だからこそこの強敵を仕留めるに相応しい。
 捨て身の策は此処に成った。
 赤き剣腕を掻い潜り、「|太陽の爆弾《レッドダイナマイト》」と化した己自身を限界以上の火力で叩きつける。

「さぁ……全力で行くぜ! 耐えられるかどうか、試してみやがれッ!」
「――――――」

 男が最後に呟いた言葉も、その姿も、極大の爆炎に呑まれ消え失せて。
 灼熱の余韻は上昇気流を生み出し、やがて静かに雨を降らせる。戦いの傷を癒すように、優しく。

「どうにか一件落着……って言うにはまだ早いか。最後にもう一働きだな!」
 よし、と気合いを入れれば周囲から力強い声が応じる。
 戦いの日々は険しく、行く先もまだ見えず。
 それでも守るべきものの為に何度でも立ち上がり、立ち向かい続けるのだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

皇・絶華
機神搭乗
おお…お前がアーカイブとやらか!

お前の目的は判っている!
私の圧倒的なパワーを誇るぜっちゃんチョコをお持ち帰りする事だろう!?(違う!
いいだろう…利敵行為になってしまうがお前に圧倒的なパワーを与えるとしよう!
「わ…わぁ…!」(恐怖に震える機神

【戦闘知識】
敵の動きと能力を把握

救出行為
神機の主発動
ころちゃんも手伝ってくれ
「お任せ下さい主様!ケルベロスや一般人の美少年を守って見せます!」
ライオン着ぐるみ幼女が荒ぶる
【戦闘知識】
敵と竜達の動きと陣形
民間人と人員を捕捉視認
【薬品調合・バーサーク・医術・念動力】
UC発動
ころちゃんは視認外にある人達の救出
念動障壁を展開し炎から防衛
民間人はそのまま溢れるパワーで全てを砕き避難!
人員はその圧倒的なパワーで竜達を引きちぎり
うむ!皆健康で善い事だ!
「ぴぇぇ」
【二回攻撃・切断・爆破】
鎌剣で切り刻み

お前がこのような事を行っているのはパワーが足りないからだろう!だが喜べ!我がチョコを食し!圧倒的なパワーに酔いしれるがいい!
真・ぜっちゃんチョコ捻じ込み
何故か爆発



●無機物の群れと有機物の群れと
「おお…お前がアーカイブとやらか!」
 戦場を包む爆炎の中、姿を現したドラゴンテイマーと相対する皇・絶華(影月・f40792)。
 なお今は機神モードのサートゥルヌスに搭乗している。

「お前の目的は判っている! 私の圧倒的なパワーを誇るぜっちゃんチョコをお持ち帰りする事だろう!?」
「…………」
「いいだろう…利敵行為になってしまうがお前に圧倒的なパワーを与えるとしよう!」
『わ……わぁ……!』
 今回も妄念に囚われている絶華、戯言には反応一つ示さないドラゴンテイマー、恐怖に震える機神、爆炎に見舞われる人々。
 地獄絵図はしかし、未だ序の口だった。

「魔力リンク開始……ころちゃんも手伝ってくれ」
「お任せ下さい主様! ケルベロスや一般人の美少年を守って見せます!」
 それはそうとドラゴンテイマーの【|文明侵略《フロンティア・ライン》】を分析、【|神機の主《キシンタチノアルジ》】の力で輝光神機『ロクシアス・コロニス』を金髪の幼い姿で活性化。
 ライオン着ぐるみ姿で荒ぶる彼女の援護や念動障壁を駆使しながら戦場の無機物が変化し襲い掛かるダイウルゴスの挙動、巻き込まれた民間人、被害者救助と離脱に当たっているDIVIDE人員を捕捉する。

「……ほう。その戦術眼でダイウルゴスに何処まで食い下がるつもりだ」
「安心するがいい……あらゆる傷も病もあらゆる災いを我がチョコの圧倒的なパワーで祓ってくれよう!」
「…………」
「さぁ……喜びの叫びをあげるがいい!!」

 【|ぜっちゃんとハッピーチョコ天国《ジゴクヨリオリタツフジミノセンシタチ》】は視界内任意の全対象に完全治療を与えるユーベルコード。
 味覚と嗅覚を穢す劇物は今回生きた波濤めいて襲い掛かり、救助対象である人々を汚染する。
 理性を奪われた彼らにもたらされる現象は絶華への従属と不死身の超絶戦士への変貌であった。
 民間人はそのパワーで戦場からの離脱を。
 そして――本来なら生身でデウスエクスに抗し得る程ではないとはいえ鍛えてはいたのである――DIVIDE人員は狂化、もとい強化の恩恵を以てダイウルゴスの群れへの対処を。

「敗れ死なぬ為に玩弄されるか。巧く駒を使うものだ」
「うむ! 皆健康で善い事だ!」
『ぴぇぇ』

 曲がりなりにも統率された意思系統を有する群体同士。
 無機物からの再生成と不死身化による再生という性質もあり、激突は拮抗の様相を呈する。

「お前がこのような事を行っているのはパワーが足りないからだろう! だが喜べ!」
「…………」

 血肉飛び散る戦場を突き抜け、赤き剣腕と鎌剣ハルペー2で斬り結ぶ。
 汚染が抜けるまでのタイムリミットは153分。
 高速戦闘下では無きに等しい制限はさておき、勝敗を決したのは数多の兵装を操る文字通りの手数の有利。

「我がチョコを食し! 圧倒的なパワーに酔いしれるがいい!」

 名称にチョコを冠するその物質は放たれた空中で不定形に溶け、粘つくヘドロめいてドラゴンテイマーを汚す。
 知らぬ者からすれば取るに足りない筈の一手。
 それは装束に沁み込み、触れた肌からその内側まで急速に浸透していく。

「ッ……」

 血肉が腐り爛れるような異常に違和感を覚えた時には手遅れ。
 その身は爆ぜ散り、悪い夢のようにこの世界から消え去った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒城・魅夜
私は本来、殺し屠り滅ぼすもの
救うものではありません

ですがこの場に満ちる未来への希望を捨て去るわけにもいきませんね
オーラを満たした結界を限界突破して展開
炎熱を遮断し人々の避難経路を作ると共に
皆さんがパニックにならないように軽い精神操作

さて…あなたはどうせ都合の悪いことは忘れているのでしょう
私がかつてあなたを幾度も討ち滅ぼしたことをね

でも私は覚えていますよ
あなたは以前ドン・フリーダムと共にあり今はメデューサを連れて現れた
……どちらも裸身の巨乳の女性ですね
欲望塗れかマザコンかのどちらかなのでしょう
そんな変質者とは早々に決別するに限ります

鎖を舞わせ衝撃波を放ち龍たちの挙動を乱し
さらに範囲攻撃として渾身の呪詛を掛け動きを鈍らせることで
心眼と第六感で攻撃を見切っていきます

そう、どうせあなたは忘れているのでしょう
自分のかつての呼び名さえもね、|「持ち帰ろうとするもの《アーカイブ》」よ
返答など不要、されどもその魂に刻みなさい
私こそは悪夢の滴
そして、あなたが失った呼び名を持つものです
──「猟兵」という、ね



●狩りたてる名の意味を
「|悪夢の滴《私》は本来、殺し屠り滅ぼすもの。救うものではありません」
 爆炎に蹂躙された戦場。
 巻き込まれた人々の存在に、黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)は普段敵に向ける侮蔑とは別種の嘆息を一つ。
「ですがこの場に満ちる未来への希望を捨て去るわけにもいきませんね」
 先のメデューサ戦に引き続き限界以上の性能で炎熱阻む結界を形成。
 軽い精神操作の要領で混乱と恐慌を鎮めれば、人々は整然と危険域から離脱していく。

「さて……」
 この惨状を生み出しておきながら、ドラゴンテイマーに避難する人々への関心は無い。
 巻き込まないよう配慮するような殊勝さも無いだろうが、この結界の強度なら彼らの安全は確保できたはずだ。
「あなたはどうせ都合の悪いことは忘れているのでしょう。私がかつてあなたを幾度も討ち滅ぼしたことをね」
「だとすればどうする。都合の良い武勇伝でもひけらかすか」
 皮肉とも言えないような相槌には取り合わず、敵に向ける漆黒の双眸は今度こそ軽蔑の色を湛えて。
「あなたは以前ドン・フリーダムと共にあり今はメデューサを連れて現れた……どちらも裸身の巨乳の女性ですね」
 いずれも世界を脅かす危険な存在であったが、それはそうと目に毒な恰好である事も両立する。
 一人の女性として忌避するに足る有様であり、それとつるんでいる男にも嫌悪は波及するもので。
「欲望塗れかマザコンかのどちらかなのでしょう。そんな変質者とは早々に決別するに限ります」
「……品の無い発想だ。時間稼ぎの口上にしては粗末に過ぎるな」
「愚かですね。私に時間を稼ぐ必要があると思っているなら節穴もいいところです」

 ドラゴンテイマーの【|文明侵略《フロンティア・ライン》】が戦場の至るところからダイウルゴスを生み出すと同時、百八の鎖が乱舞する。
 かつての交戦時に最大の脅威だったのは質と量を兼ね備えた帝竜という純粋な暴威の極致。それは今も変わらない。
 変わったのは魅夜の側。
 放つ衝撃波は帝竜をして無視できるものでなく、渾身の呪詛は確かにその身を蝕み鈍らせる。
 心眼と第六感を研ぎ澄ませ、全方位から襲い掛かるダイウルゴスの攻撃に対処するだけの力がある。

「ふむ……」
「そう、どうせあなたは忘れているのでしょう。自分のかつての呼び名さえもね、「|持ち帰ろうとするもの《アーカイブ》」よ」
 ダイウルゴスの猛攻を凌がれるに当たって、漸くドラゴンテイマーは何らかの関心を抱いたようだった。
 遅い。
 次の手など打たせる義理は無いと、鎖と呪詛が包囲網を形成する。

「返答など不要、されどもその魂に刻みなさい。私こそは悪夢の滴」

 【|狩られる身へと堕ちしもの、畏れよ永劫の狩人を《ビヨンド・ザ・イェーガー》】は特に嘗て猟兵と呼ばれた存在に特効を持つユーベルコード。
 標的の全周囲直近より放たれる漆黒の鎖は回避不可と防御不能の性質を持ち、物質を透過して獲物を捉える。

「そして、あなたが失った呼び名を持つものです──「猟兵」という、ね」
「……成程。ともすれば、これは持ち帰るにも値するか」

 勝手な呟きは独白めいて、やはり真意を悟らせはしない。
 貫かれ縛められたままに赤き剣腕を振るおうとして、その存在は鎖のもたらす必滅に崩れ消えていく。
 ドラゴンテイマーが痕跡一つ残さず消失する頃にはダイウルゴスも物言わぬ瓦礫へと還り……斯くして此度も、ケルベロスディバイド世界を滅ぼさんとする危機は打ち払われたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年07月02日


挿絵イラスト