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【狂鬼戦争】狂気は鬼を招く

#シルバーレイン #決戦 #狂鬼戦争

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●鬼と狂気と苦痛の三重螺旋
「獣人世界大戦も大詰めだね。最後まで頑張らないと、なんだけど別の世界の予知が見えたんだ。よければ力を貸してくれないかな?」
 グリモアベース、集まった猟兵達にそんな風に呼びかけたクルースニクの鈴鹿・小春(万彩の剣・f36941)というグリモア猟兵は、彼の見た予知の内容の説明を開始した。
「今回見えたのはシルバーレインの世界での事件になるよ。場所は広島県北部の三次市で、ここに厄介なオブリビオンが潜伏してるみたいなんだ。その目的は『鬼型オブリビオン』の軍団の編成……一般人の苦しみに満ちた思念から強制的にオブリビオンを生み出すユーベルコードを持つ『劉・叔成』は、それを発動させる為だけに街の人々に終わりなき苦痛を強いている。幸いと言って良いのかわからないけど命を落とした人はまだ居ない。でも、このままだと時間の問題だと思うから、速やかに向かって街を徘徊する鬼型オブリビオンを掃討、劉が潜伏している場所を見つけ出して倒して来るのが今回の任務になるよ」
 概要を説明した小春は続けて詳細について語り始める。
「まず到着したら鬼型オブリビオンの『狂気の従属種ヴァンパイア達』との戦いになるよ。以前人工島でフェンリルと戦った時に協力してくれた現地のヴァンパイアがいたから、そこからこの従属種ヴァンパイアのオブリビオンが大量にいる事件の予知に繋がったのかも……とまあそれはさておき、このオブリビオンは沢山いて街中のあちこちを徘徊してるんだけど、どうも鬼化していて普段よりパワーアップしてる。けど理性がなくなってるからそこを突けばいい感じに戦えるかもね」
 ある程度撃破できたら苦しむ人々を助ける余裕もできるかも、と小春は言って、
「それで劉が隠れてる場所を探すんだけど……具体的な場所は予知では見えなかった、というより結界で守られてて辿り着くことができなくなってる。生前の劉は除霊建築士だったからそういう陣を作るのは朝飯前って感じみたいで先にその結界『奇門遁甲陣』を破らないといけないんだ。幸いその儀式場の場所は予知で見えてるから、そこに向かって守ってるオブリビオンを倒したり道具や陣を壊したりして制圧できれば陣が解除されて劉のところへ辿り着くことができるようになるよ」
 劉は精鋭の鬼型オブリビオンに守られている上、卓越した除霊建築士の力を猟兵に向けてくると小春は説明する。
「僕も記録でしか知らないけど、生前の劉は陰陽都市計画っていう今回の事件と似たような碌でもない計画を実行してたらしいよ……まあ見えざる狂気に完璧にやられてて、鬼の力で弥勒を降臨させる為に大量の鬼を作ってたとか、オブリビオンになってもあんまり変わんないね! 兎に角碌でもないから寝言は聞き流して気兼ねなく徹底的にボコって倒しちゃってね!」
 そう太めの青年は説明を終えて、懐中時計のグリモアを懐から取り出し転送の準備を開始、金色に縁どられた懐中時計のグリモアが光り輝いて、猟兵達を広島北部の地方都市へと転送したのだった。


寅杜柳
 オープニングをお読み頂き有難うございます。
 この時来ていた金毛九尾が実は本物だったとか。

 第一章は広島県三次市の街中で鬼型オブリビオンとして作り出された『狂気の従属種ヴァンパイア達』との集団戦になります。
 鬼の角が生え筋肉の異常肥大が発生している彼らはパワーアップしていますが、理性が飛んで暴力衝動の塊になっているようです。
 上手く対応しつつ撃破して余裕があれば街中で苦しんでいる人々を助けても良いかもしれません。

 第二章以降はそれぞれ断章で状況説明を追加致しますので、そちらをご確認下さい。

 それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
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第1章 集団戦 『狂気の従属種ヴァンパイア達』

POW   :    吸血噛み付き
噛み付きが命中した部位を捕食し、【生命力やエネルギー】を得る。
SPD   :    ローリングバッシュ
【目にも止まらぬ速さで回転しながら突撃し】【チェーンソー剣や】【鎖付き棘鉄球】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    ジャンクトラップ
自身からレベルm半径内の無機物を【鋭く尖った刃の飛び出す殺人トラップ】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。

イラスト:安子

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

柳・依月
寅杜柳マスターにおまかせします。

 普段はオカルト好きな普通の男子大学生でノリはいい方。しかしその本性は民俗学系ネットロア。正体は普段は隠して人間のように振る舞いますが、必要とあれば明かします。
 人外ですが人間が好きで、何でもない日常を愛しています。そのため弱き者を守ります(戦う理由)
武器は中長距離は呪髪糸(じゅはっし)、近距離は仕込み番傘。状況によって霊符を使用。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●愛すべき何でもない日常を取り返すために
 広島県北部の地方都市へと転移してきた猟兵達を迎えたのは、異様な静けさだった。
 人影のようなものはそれなりに見えるが喧騒はない異様。よくよく見れば歩き回る人影のシルエットは奇妙に膨れ上がり、頭部からは鋭い角が伸びている。
 正気など感じられないその瞳は暴力衝動に赤く染まっていて、手に持つ鉄球やチェーンソー剣は鬼型オブリビオンの彼らのベースが従属種ヴァンパイアであることを示している。
(「話で聞くのと実際に見るのとでは随分違うね」)
 和洋折衷の装いに番傘と、やや古風な雰囲気を纏う柳・依月(ただのオカルト好きの大学生・f43523)は建物の影に隠れ移動しながら状況を観察していた。
 一見普通の大学生に見える彼はその実|民俗学系ネットロア《新しい妖怪》。
 古くから恐ろしいものとして語られる鬼の形質を宿した従属種ヴァンパイアのオブリビオン達、彼らはこの街の本来の住人の苦痛を元として創り出された邪悪なる計画の産物だ。
 ――この銀の雨の降る世界の能力者特有の見えざる狂気という異常状態がある。肉体年齢が一定以上の能力者の精神が能力に対する拒絶反応を起こし多くが理性を保ったまま様々な形の狂気を発症する。
 この事件を首謀者は16年前に世界結界を破壊しかねない大事件を起こし、そしてオブリビオンとして復活した今も新たな狂気の計画を実行しようとしている。
 それを食い止める為にはまずこの従属種ヴァンパイアを撃破して突破せねばならない。
 幸い戦闘に巻き込まれる範囲に一般人の姿はない。苦痛を長く与える為に建物内等に収容されているのだろうが、人々が苦痛に晒されている時点で人間好きな依月にとっては全く好ましい状況ではない。
 街中にひしめく狂気の従属種ヴァンパイア達が依月の存在に気付く。暴力衝動のままに獣のように吼えてユーベルコードを起動すれば、周囲に大量にあった無機物が狂気を現したかのような殺人トラップへと変わっていく。
 トラップから鋭い刃が依月に一斉に発射、依月は妖力を籠めた仕込み番傘を盾代わりにして受け止めつつ後退。反撃にユーベルコード【怪異顕現:猿夢】を起動すれば、依月の影からずるり、と六つの小さな影が立ち上がり小人の形となる。
 ぼろきれを纏った彼らは声もなく従属種ヴァンパイア達の一人を標的に定めて飛びかかり、手際よくその手足に包丁のような刃を突き立て搔っ捌く。
 絶叫しながら鬼の生命力で耐える従属種ヴァンパイアだけれども、更に小人の一体が飛びかかり先の尖ったスプーンのようなものを突き立ててトドメを刺した。
 活け造り、抉り出し――ここは悪夢の電車の中ではない現実だけれども。この小人達は性質の悪い都市伝説のようにしつこく追い縋り砕かれるまで止まる事はない。
「さあて、君はこの悪夢から逃げ切れるかな?」
 その問いかけに身も心も鬼と化したヴァンパイア達は殺意の叫びで応え鬼の剛力を小人達に振るい、そして小人達も自動的な無機質さで刃やスプーンを振るいヴァンパイア達の数を減らしていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エジィルビーナ・ライアドノルト(サポート)
 私はエジィルビーナ、エジィでもルビーでも好きに呼んでくれていいよ。
困ってる人がいるなら助けたいし、倒さなきゃいけない強い敵がいるなら全力で立ち向かわなきゃ。全力で頑張るからね!
実は近接戦闘以外はあんまり得意じゃないんだけど……あっ、畑仕事ならチェリから教えてもらったから、少しはわかるよ!
力仕事はそんなに得意じゃないけど、足りない分は気合と根性でカバーするから任せといて!


ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●赤き騎士の槍は鬼を穿つ
 悪夢の小人達が狂気の従属種ヴァンパイアに襲い掛かり戦端を開くと同時に、エジィルビーナ・ライアドノルト(シールドスピアの天誓騎士・f39095)というエルフは果敢に切り込んでいく。
 この地方都市を襲う恐るべき狂気、無辜の民を苦しめるそれを打ち払い平和を取り戻す事が天誓騎士として為すべき事。
「さあ、全力で行くよ!」
 愛用の盾槍『紅玉』を構え、力任せに鉄球を振るい応戦してくる従属種ヴァンパイアの攻撃を盾の部分で受け流し、その流れで鋭く突く。
 胸を貫かれたヴァンパイア達は、されど鬼の狂気で何も感じていないかのように苦痛に悶える事もなくエジィルビーナに飛びかかってくる。
 開いた口に見える牙、生命力を捕食し奪い取る力で彼女の力を奪い負傷を癒そうというのだろう。それに合わせて他のヴァンパイア達まで飛びかかってくる。
 ならば、
「解き放て」
 エジィルビーナの方もユーベルコード【真器解放】を起動して愛用の紅玉を解放形態に変形、目にも止まらぬ速度でヴァンパイア達に連続突きを放ち、噛みつきが届く前に絶命させ便乗してきた個体も迎撃する。
 移動力を半減させた引き換えに攻撃回数は五倍、これならある程度数で攻められようと対抗は可能だろう。
 とはいえ従属種ヴァンパイアの数はまだ留まる事を知らない。この事件の首謀者は人々にどれだけの苦痛を与えこれだけの兵力を生み出したのだろうか。
 それでもエジィルビーナが挫ける事はない。困難に立ち向かう気合と根性は人一倍、この位の絶望で折れるような彼女ではないのだから。
 赤き天誓騎士は気合を入れて、共に戦う猟兵を鼓舞するかのように勇敢に盾槍を振るい、群がる鬼化従属種ヴァンパイア達を蹴散らし仕留めていく。

成功 🔵​🔵​🔴​

鳥羽・白夜
狂鬼戦争かー。あれ何年前だっけ…2008年?うわもうそんな前か!高校進学直前の春休みだったか…歳くったなー。
てかまだ懲りねえのかあのジジイ。

|起動《イグニッション》!
紅い刃の大鎌を手に。
街も広いしな、纏めて弱らせるには…
…恥ずいけどあれ使うか…
魔蝕の霧発動。詠唱で効果範囲を広げつつ霧で視界を遮り、さらに霧が見せる幻による【幻影使い】で自身の【残像】をいくつも作り出し敵を撹乱。
UC効果で殺人トラップの威力が低下してる隙に大鎌の【なぎ払い】で【斬撃波】をお見舞いし敵を【切断】。

余力の範囲で【救助活動】。【毒耐性】【浄化】作用のあるトマトジュースを飲めそうなら勧めてみる。
俺にとっては万能薬なんでな。



●霧に紅き刃は閃いて
(「狂鬼戦争かー。あれ何年前だっけ……」)
 転移してきた鳥羽・白夜(夜に生きる紅い三日月・f37728)はかつて銀誓館学園で戦ってきた能力者の中でも比較的初期から戦っていた猟兵だ。
 能力者としては次世代に能力を継承して引退して戦いの記憶もなくしていたのだが、猟兵として覚醒したことで記憶も復活している。
「……2008年? うわもうそんな前か!」
 高校進学直前の春休みの狂鬼戦争、16年も前だという事実に歳くったなーと三十路になった白夜は遠い目になる。
 だが、それだけの年月が経ったのにこの都市で繰り広げられている光景はその時の戦いとよく似ていて、
「てかまだ懲りねえのかあのジジイ」
 怒気が声に滲む。死んでも治らないその性根に再び引導を渡すために、白夜はイグニッションカードを掲げて、
「|起動《イグニッション》!」
 瞬間的に武装、紅刃の大鎌を軽く振るって、街中へと駆け出した。

 6体、18体、66体、それ以上。
 影から湧き出るように召喚される小人がチェーンソー剣や鉄球の詠唱兵器を振り回す従属種ヴァンパイアに襲い掛かり、盾槍を巧みに操り速やかに貫いていく赤きエルフの騎士の姿があった。
 しかし次々にやってくる鬼化した従属種ヴァンパイア達の生命力と数は多く、中々押し切ることが出来ない。
「これだけいるのか。纏めて弱らせるには……」
 広い街を走り先行していた他の猟兵と合流しつつ、白夜はどうこの状況を変化させるかを考える。
(「……恥ずいけどあれ使うか……」)
 この広い街のあちこちから向かってくる従属種ヴァンパイア達、彼らを纏めて叩くための力を白夜は有している。
 気づかれぬようにユーベルコード【魔蝕の霧】を起動する為の詠唱を開始、膠着状態に陥った戦況を見据えながら効果範囲を広げる為に只管何かに耐えるかのように詠唱を続ける。
 そして、その時は来た。
「唸れ回転動力炉、広がれ魔蝕の霧ー!」
 ユーベルコードの力が解き放たれ、ブラッディサイズの回転動力炉が最大回転して周囲に霧を放出する。
 霧が立ち込め街へと広がっていけば、触れた従属種ヴァンパイアのチェーンソー剣が停止、鉄球の回転動力炉も停止して帯びていた超常の力は霧に吸い取られるように消滅して更に尋常ならざる速度で腐食していく。
 視界が悪化して、敵を見失った鬼化したヴァンパイア達はその凶暴性のままに霧に移った人影に襲い掛かるがそれは悉くが幻影、体勢が崩れた瞬間に紅き刃に薙がれ両断されていく。
(「あー、詠唱こっ恥ずかしいなもう!)」)
 効果範囲を広げる為に長々詠唱していた白夜は精神的ダメージを地味に受けながらも、紅い刃の大鎌を手に霧の中鬼化ヴァンパイア達を上手く霧の幻影と残像で幻惑して攪乱していた。 
 殺人トラップも鬼としての驚異的な攻撃力すらも魔蝕の霧の作用でかなり落ち込み、それを機と見抜いた他の猟兵達も一斉に攻勢に出て、鬼化ヴァンパイア達を次々に仕留めていく。
 紅き大鎌が薙ぎ払われ放たれた斬撃波が鬼をさらに両断、敵の勢いも収まってきた。
 先に進もうか、と白夜が周囲を見渡す。周囲には鬼化従属種ヴァンパイア達による破壊の痕跡が残されていて、その向こう、建物と建物の間の路地から這いずって姿を現した人間の姿が見えた。
「大丈夫か?」
 急ぎ駆け寄る白夜、話を聞けば彼はこの街の住人で苦痛を与えられていたが、監視していた鬼たちがいなくなった事に気付いてどうにか脱出してきたのだという。
 相当憔悴している彼に、浄化の作用のあるトマトジュースを差し出せば少し落ち着いたよう。白夜にとっての万能薬も有効に作用したらしい。
 幾つか情報を得た上で白夜は彼に近くの建物に隠れているように伝え、悪しき除霊建築士のオブリビオンを討つべく駆け出した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

儀水・芽亜
広島県三次市といえば、確か霧の海で知られる土地柄。ああ、ワインもありました。帰る時に夫へのお土産にしましょう。もっとも、全国を巡っている人ですから、この町にもとっくに来たことがあるかも。
隣町までは、昔『闇のオロチ』の対処で訪れたことがありましたが、こちらへは寄りませんでしたね。

観光気分はここまで。それでは第六の猟兵の務めを果たしましょう。

ナイトメアライドでナイトメアに「騎乗」し、高速市街戦開始。
事前にもらった地図で儀式場の位置を頭に入れ、最短距離でそこを目指します。
基本はアリスランスを構えて「ランスチャージ」での中央突破。対騎馬専用の槍衾や逆茂木を作る知能もないなら、速度にあかせて突破です。



●霧を駆ける白馬
 霧が立ち込め鬼化従属種ヴァンパイア達の力が削がれていく中、儀水・芽亜(共に見る希望の夢/『|夢可有郷《ザナドゥ》』・f35644)もこの戦場へと転移してきていた。
「広島県三次市といえば、確か霧の海で知られる土地柄……ああ、ワインもありました。帰る時に夫へのお土産にしましょう」
 もっとも芽亜の夫は全国を巡っている人、この町にもとっくに来たことがあるかもしれない。
 銀誓館学園、学生時代の大きな戦いではサーチャーとして貢献してきた彼女。オロチ大乱の時もそうで、闇のオロチを食い止めた際に隣の庄原市に訪れたことはあったが、この三次市には訪れたことはなかった。
 秋から早春にかけて霧の海が出現する日もあるというこの都市に今立ち込めている霧は他の猟兵によるものだろう。
「観光気分はここまで。それでは第六の猟兵の務めを果たしましょう」
 気分を切り替えユーベルコード【ナイトメアライド】を起動、召喚された純白の|ナイトメア《白馬型来訪者》に芽亜は騎乗、奇門遁甲陣を維持する儀式場への疾走を開始する。
 最短距離で突っ切ろうとする彼女を街のあちこちから鬼型従属種ヴァンパイア達、詠唱兵器を手に目にも止まらぬ速度で回転しながら突撃してくる。
 鎖付きの棘鉄球、チェーンソー剣――いずれも詠唱兵器で当たれば勢いが削がれ終いにはユーベルコードが封じられてしまうかもしれない。
 そうなればナイトメアの召喚は解除されて鬼の膂力と数の暴力で一気に薙ぎ倒されてしまうリスクの高い状況、しかし芽亜は鴇色のアリスランス『ディヴァイン・ユニコーン』を構え一直線に突っ込んでいく。
「さあ、誰から《悪夢》の蹄にかかりたいのかしら?」
 疾走する彼女は冷静に従属種ヴァンパイア達の動きを見定めて、回転突撃をランスで真正面からぶち抜きそのまま他の従属種ヴァンパイアにぶつけつつ、勢いを落とさず強引に突破する。
 強引に突破可能と即座に判断できたその思考力は歴戦の能力者故か、対騎馬の槍衾や逆茂木がある訳でもなく作る知能もないならば、足止めを喰らう必要も迂回する必要もない。
 目標はただ一つ、この狂気の都市計画を阻止する事。その為に僅かな時を惜しむかのように、芽亜と純白のナイトメアはその速度を上げていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『奇門遁甲陣を破れ』

POW   :    儀式場を守る敵を蹴散らす

SPD   :    儀式の陣を形成している物品を破壊する

WIZ   :    儀式の陣を守護する魔力や結界に干渉する

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●狂気を守る奇門遁甲陣
 猟兵達の力は鬼型従属種ヴァンパイア達の暴力をも圧倒、その勢いでグリモア猟兵が予知した奇門遁甲陣の儀式場へと向かい、無事到達した。
 赤と白が鮮やかなアンテナ付きの塔の足元に設置された儀式場、その周囲には警備の鬼型従属種ヴァンパイアがうろついている。
 更に儀式の陣自体を守護する結界もあるようで、遠くから狙撃して破壊するような手段は少々厳しそうだ。
 ともあれこの儀式場の制圧を行えなければ『劉・叔成』の居場所を突き止める事はできない。
 狂気と苦痛の計画を速やかに阻止するために、猟兵達は儀式場の制圧へとかかった。
柳・依月(サポート)
 普段はオカルト好きな普通の男子大学生(民俗学専攻)でノリはいい方。しかしその本性は民俗学系ネットロア。正体は普段は隠して人間のように振る舞いますが、必要とあれば明かします。口調はステシ参照。
 人外ですが人間が好きで、何でもない日常を愛しています。そのため弱き者を守ります(戦う理由)
武器は中長距離は呪髪糸(じゅはっし)、近距離は仕込み番傘。状況によって霊符を使用。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


エジィルビーナ・ライアドノルト(サポート)
 私はエジィルビーナ、エジィでもルビーでも好きに呼んでくれていいよ。
困ってる人がいるなら助けたいし、倒さなきゃいけない強い敵がいるなら全力で立ち向かわなきゃ。全力で頑張るからね!
実は近接戦闘以外はあんまり得意じゃないんだけど……あっ、畑仕事ならチェリから教えてもらったから、少しはわかるよ!
力仕事はそんなに得意じゃないけど、足りない分は気合と根性でカバーするから任せといて!


ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●奇門遁甲陣を護るモノ
 奇門遁甲陣の儀式場へ二人の猟兵が先んじて切り込んでいく。
「負けないよ!」
 侵入者に襲いかかる鬼化従属種ヴァンパイア達に対し、赤き天誓騎士のエジィルビーナ・ライアドノルト(シールドスピアの天誓騎士・f39095)は叫ぶ。その声は先程までの戦いから来る疲労もまるで感じていないかのようで、声を張り上げて迎撃する。
(「……感覚が狂わされてるな」)
 敷地に入った柳・依月(ただのオカルト好きの大学生・f43523)が感じているのは奇門遁甲陣による違和感。首魁を隠蔽する陣を護るために、この敷地内にも妨害するための除霊建築術による仕掛けがあるのだろう。
 まっすぐ移動しているはずなのにいつの間にか別の方向を向いている。方向感覚だけでなく平衡感覚までおかしくなるーー倒れたりする程ではない、ただ不快に感じるだけだが、人外である依月でこれなら一般人など即座に倒れてしまうのでないかとも思う。
 その感覚の撹乱をものともせずにシールドスピア『紅玉』で敵を迎撃するエジィルビーナ、近接戦闘は彼女の得意とする所で、血を吸い上げようと襲い掛かってくる鬼たちを盾で阻みカウンターで薙ぎ払って切り裂いていく。
「此方から動かなければ惑わされ難い、か」
 彼女の戦い方を見てそう呟く依月に、鬼化した従属種ヴァンパイアの殺刃トラップが襲いかかってくる。妖力を籠めた仕込み番傘で弾き飛ばしつつ放った敵を見やれば、感覚の幻惑などないように真っ直ぐ後退していく。どうやらこの敷地内特有の仕掛けは鬼には無効らしい。けれど逃がすつもりも依月にはなく、
「逃げられると思ってんのか?」
 ユーベルコード【呪髪糸操術:冶葛】を起動して呪髪糸を一気に伸ばし距離を取ろうとする鬼を捕らえ呪詛を注ぎ込む。
 呪いの籠った髪の毛を編みこんで作った丈夫な糸は膂力の強化された鬼の抵抗もねじ伏せて強烈な呪詛を流し込み続け、その呪いに耐えきれず鬼化ヴァンパイアは消滅していった。
「これ、今のうちにどうぞ」
 ユーベルコードにより取り出した希少植物をエジィルビーナが渡してきて、食せばこれまでの戦いで蓄積された疲労感がみるみる癒されていく。
 感覚を狂わされつつも奇門遁甲陣を維持する仕掛けを探しにかかる二人は、やがて奇妙な物体が大量に並ぶ場所を見つけ出した。
「ええと、なんか沢山怪しいの並んでるけど」
「兵馬俑……かな? 一般的には副葬品の筈だけどこの数があるのはちょっとおかしいね」
 |異世界《エンドブレイカー》育ちの天誓騎士が首を傾げ、オカルト知識豊富な依月が民俗学の知識でそれがどういう物かを説明する。
「……変な気配も感じるし、そもそも露骨に怪しいから壊そうか」
「了解!」
 手近にあった兵馬俑を砕けば、ほんの少し感覚の狂いが和らいだ。どうやらこの敷地に生じている仕掛けは兵馬俑を砕けば弱まる類のものらしい。
 奇々怪々な除霊建築学を一から紐解き解除していくよりもこの兵馬俑を破壊してしまう方が早い、総判断した二人は手当たり次第に敷地内の兵馬俑の破壊に取りかかるのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

儀水・芽亜
こんなところに奇門遁甲陣を。速やかに儀式場を破壊しましょう。

まずは「先制攻撃」。
神楽鈴を振るって、「全力魔法」炎の「属性攻撃」「範囲攻撃」の時限発火。鴇色の炎弾で邪魔な従属種たちを焼き払います。
「オーラ防御」を纏って敵群を攻撃しながら「切り込み」、陣の主要部分へ。
辿り着いたら、結界の術式を知識にある「結界術」のパターンを元に急いで解析し、透過するように内部へ侵入します。
中へ入ったら、「侵入阻止」の「結界術」を従属種たちが入れなくなるように改変して再展開。
結界がもっている間に、炎弾で奇門遁甲陣を破壊します。

この町をあなた方の好きにはさせませんよ。さあ、正念場です。邪悪な陰陽都市計画に終止符を。


鳥羽・白夜
【POW】
前の戦争で儀式場あったのは中学校で俺もそっち行ってたけど、電波塔も戦場になってたよなたしか…
ちょくちょく以前の戦争とリンクする光景に昔を思い出しつつ。
昔は兵馬俑壊して奇門遁甲陣無効化したもんだけど今はどうなってんだか、ひとまず目の前の敵蹴散らすか。
ヴァンパイアクロス発動、UC効果の爆破で儀式場の結界の破壊も試みつつ吸血コウモリの群れと共に大鎌を振るい【なぎ払い】【斬撃波】で敵を葬る。
あっちもヴァンパイアなのに吸血コウモリに襲わせるのなんか変な気分だけど、てか昔は従属種ヴァンパイア達が手伝ってくれたのに今敵なんだもんな…いやあいつらあくまでオブリビオンだし手加減する気もねーけどな。



●要石を砕く
 先の二人からやや遅れ、別の方角から二人の猟兵が儀式場へと切り込んでいく。
「前の戦争で儀式場あったのは中学校で俺もそっち行ってたけど、電波塔も戦場になってたよなたしか……」
 呟く鳥羽・白夜(夜に生きる紅い三日月・f37728)の脳裏に過るのはかつての紅葉南中学校で大量の兵馬俑を奇門遁甲陣を破壊するために砕いた記憶と、メガリス『殺生石』が保管されていた電波塔を攻めていた記憶。
 当時の戦いでは電波塔の方は攻めきれず妖狐に持ち逃げされたんだったか、とちょくちょくかつての戦争とリンクする光景に昔が思い出される。
「……本当に兵馬俑まであるなんてな」
 あちこちにある兵馬俑はかつて見たものとそっくりで、恐らく機能的にもだいたい同じようなかんじなのだろう。
 ちょくちょく差異はあって、昔と同じならば兵馬俑を壊せば奇門遁甲陣は破壊できる筈だが今はどうなっているのやら。
「こんなところに奇門遁甲陣を。速やかに儀式場を破壊しましょう」
 先程まで騎乗していた白馬から降りた儀水・芽亜(共に見る希望の夢/『|夢可有郷《ザナドゥ》』・f35644)は、警備の鬼型従属種ヴァンパイアの群を見るやいなやユーベルコード【時限発火】を起動、
「鳴り響きなさい、『Papagena』!」
 神楽鈴『Papagena』を振って三つの鈴の音が鳴り響けば、全力の魔力を籠めた鴇色の炎が鬼達に命中、そして炸裂。
 至近距離で炸裂した時色の炎を狂気の従属種ヴァンパイア達は回避しきれず焼き払われていく。その生命力で炎を脱して二人に襲いかかろうとする個体もいたが、
「喰らい尽くせ―ヴァンパイアクロス!」
 そこに白夜のユーベルコード【ヴァンパイアクロス】による血塗られた巨大な逆十字架が放たれて残りの従属種ヴァンパイア達を爆発で吹き飛ばした。
 周囲にある兵馬俑も巻き込む強烈な爆発、更に逆十字周囲を覆うように出現した吸血コウモリの群が生命力の高い鬼型従属種ヴァンパイア達に襲いかかり、確実に仕留めていく。
 敵は鬼化しているオブリビオンであるとはいえ従属種ヴァンパイア、彼らを吸血コウモリに襲わせるのは変な気分ではある。
(「昔は従属種ヴァンパイア達が手伝ってくれたのに今敵なんだもんな……」)
 かつての戦いで援軍に来てくれた従属種ヴァンパイア本人ではないとはいえ、かつての戦いを連想させる戦いで従属種ヴァンパイアを鬼化させて兵力にしようとしているのは悪しき除霊建築士の意趣返しなのだろうか。
 ともあれ手加減する気はさらさらない。バラバラに散らばった鬼たちへと白夜はするりと近づいて、三日月型の大鎌を振るい紅き軌跡で切り裂いた。
 感覚の違和感を感じながら二人は警備の鬼型従属種ヴァンパイア達を仕留めつつ、向かうのは儀式場の中心にそびえ立つ塔。そこが要であると二人は儀式場に飛び込んですぐに判断していた。
 なぜなら、
「あれ、でしょうね」
「あれ、だよねえ」
 テレビ塔の屋上を見上げた二人の目には奇妙な巨大兵馬俑が見えていたからだ。儀式場の外から見えなかったのは認識阻害の結界でもかかっていたのか。
 どうやって持って上がったのかは不明だが、あれが首魁の居場所を隠す奇門遁甲陣の要となっているのだろう。
 かつての戦いでもサーチャーとして参戦していた芽亜が先導する形でテレビ塔へと向かっていく。儀式場へ飛び込んだタイミングでは感覚の撹乱が酷かったが、時間が経つにつれて撹乱が弱まっているのを感じる。
(「他の猟兵が陣を砕いてくれているのでしょうか」)
 儀式場のあちこちにある兵馬俑がこの儀式場内での感覚を撹乱する力ーーもしかすると認識阻害の力も含まれるのかもしれないが、それらの力を有しているなら兵馬俑が砕かれるほどに撹乱は弱まってくると考えられる。
 そんな事を考えつつ、二人は速やかにテレビ塔を駆け上がりその屋上へと到着した。
 塔の屋上ーーかつての戦いではメガリス『殺生石』が置かれていた場所をなぞらえるように、要石たる巨大兵馬俑は存在していた。
「守護の結界も張られているようですね」
 頑丈そうな巨大兵馬俑ーー当然護衛の鬼型ヴァンパイア達も周囲にはいて、その妨害を掻い潜ってあの要石を破壊しなければならないだろう。
 吸血せんと襲いかかってくる鬼型ヴァンパイア達の攻撃を芽亜は纏うオーラで防ぎつつ、神楽鈴を振って放った鴇色の炎で吹き飛ばしながら一気に距離を詰めていく。
 それを支援する白夜の大鎌が閃きオブリビオンを切り裂いていく間に芽亜は結界の解析を開始。
(「この結界のパターンは……」)
 この地に来る前に彼女の知識にある除霊建築学の結界のパターンと照らし合わせ、侵入者を阻む結界を改竄して結界を透過、要石の近くへと侵入を果たす。
 彼女を食い止めようとするヴァンパイア達だが結界は彼らの侵入を阻止するように芽亜によって再展開されている。ユーベルコードの攻撃には長くは耐えられないだろうが、要石を破壊するまで保てば十分だ。
「この町をあなた方の好きにはさせませんよ」
 鈴の音鳴らし、炎弾を放ち鴇色の火炎で要石を焼き払う中、結界がとうとう耐えきれずに砕け散る。
「もう一丁!」
 そこに放たれた白夜のヴァンパイアクロスの逆十字が要石を直撃。吸血コウモリの群が鬼たちを足止めする間に鴇色の炎と血塗られし逆十字の爆発が巨大兵馬俑に直撃。
 ぴしり、と真っ二つに割れる。そして分かれた破片はそれぞれ転がって塔から落下、衝撃で粉々に砕け散ったのだった。
 同時に周囲に立ち込めていた違和感は完全に消失、これでこの事件の首謀者である劉・叔成への道は開けた。
「さあ、正念場です。邪悪な陰陽都市計画に終止符を」
「ああ、さっさと終わらせてここの人達を助けねーとな」
 鬼化従属種ヴァンパイアを掃討した二人はそう言ってテレビ塔を後にし、陰陽都市計画のオブリビオンの首魁の元へと向かうのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『劉・叔成』

POW   :    八卦風水呪
自身と装備を【風水の導き】で覆い、攻撃・防御をX倍、命中・回避・移動をX分の1にする。
SPD   :    不浄奪命陣
戦場全体に【生命と地脈を侵す「不浄の気」】を発生させる。敵にはダメージを、味方には【武装化した「不浄の気」を纏うこと】による攻撃力と防御力の強化を与える。
WIZ   :    石兵点穴波
自身が装備する【宝剣】から【「気」の力を強制的に断絶する波動】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【石化】の状態異常を与える。

イラスト:高峰 名鳥

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●狂気再来
 グリモアの予知を阻害する奇門遁甲陣が砕かれ、この事件の首魁『劉・叔成』の居場所が判明した。
 三次市役所――かつての戦いでも市庁舎を拠点として銀誓館学園の能力者を迎え撃ち敗れた悪の除霊建築士は、再び猟兵達を迎え撃たんとしている。
 市役所屋上よりやってきた猟兵達を見下ろす老爺は伸びた背筋に爛々と輝く瞳、張りのある声は強い意志を宿していて、そしてそれ以上に深い狂気に囚われた老人は猟兵達に向かって叫ぶ。
『来おったか! 我が完璧な陰陽都市計画を砕こうとする悪鬼めが!』
 かつて無数の鬼型ゴーストを生み出す陰陽都市計画を主導した狂気の除霊建築士の大老は、妄執と狂気を一層深めたオブリビオンとしてこの場にいる。彼を仕留めねばこの三次市は地図にない街として鬼型オブリビオンを造り出す苦痛と狂気の坩堝となることは疑いの予知がない。
 オブリビオンとなって、かつて以上の力を有している叔成だがそれだけではない。周囲に控える精鋭達、鬼化した狂気の従属種ヴァンパイア達はこれまで戦ってきた個体以上に強化されており、宿す狂気に忠実に従い、恐るべき膂力でその暴力衝動を満たさんと襲いかかってくるだろう。
『鬼の力を使い……弥勒を降臨させ、救世する我等が大願のために!!』
 狂気に満ちた悪しき除霊建築士のオブリビオンの叫びに呼応するかのように鬼型オブリビオン達が咆哮し、主たる叔成と共に猟兵に攻撃を仕掛けてくる。
 そして猟兵達もこの悪しき陰陽都市計画の再来を防ぐべく、狂気のオブリビオン達に攻撃を開始した。
儀水・芽亜
結局、居場所は市役所でしたか。事前に確認しておいてもよかったですね。
ともあれ、陰陽都市計画はここでお終いです。私たちの手で終わらせて差し上げましょう。

“断頭卿”ギロチン。従属種ヴァンパイアたちは任せました。存分に双剣を振るってください。
あなたにかかれば、その程度の相手は何でもないでしょう?

私は劉大老を狙います。“断頭卿”の突撃で敵陣が混乱している隙を突いて、防衛線を突破。劉大老と相対しましょう。
当てづらく硬くなっているようですね。
「武器に魔法を纏う」ことで、裁断鋏に眠りの「属性攻撃」「傷口をえぐる」攻撃を加えましょう。
「フェイント」や「カウンター」も適宜使用。
さっさと骸の海に還ってくださいな。


柳・依月
おいおい、どっちが悪鬼だよ……
人々の日常を脅かした代償、その身で支払ってもらうぞ。

ふむ、他の猟兵たちの方が因縁がありそうだし……俺はサポートにまわるとするか。
まず【霊的防護】でも張っとこう。
そんでもってUC起動、呪髪糸操術:絡新婦。
【範囲攻撃】も使って鬼型オブリビオンは俺が抑えるよ。
だからさっさとそのヤバそうな爺さん、叩いちまいな。
(アドリブ・連携歓迎!)



●風水の守りを突破せよ
「結局、居場所は市役所でしたか。事前に確認しておいてもよかったですね」
 呟く儀水・芽亜(共に見る希望の夢/『|夢可有郷《ザナドゥ》』・f35644)。かつての戦いでもこの劉・叔成が陣取っていた場所をなぞらえているのは単に都合が良かっただけか、それともリベンジマッチの意図も含んでいるのかは不明だ。
 ただ、奇門遁甲陣がある中ではかつての戦いと同様に結界に阻まれてしまい、最初から目指していてもこの場所に到達する事はできなかっただろう。遠回りには見えるがこれが最善だったのだと納得する事にする芽亜。
 そしてもう一人、
「おいおい、どっちが悪鬼だよ……」
 行きつく所まで見えざる狂気に囚われきった除霊建築士の老爺の姿と言葉に、柳・依月(ただのオカルト好きの大学生・f43523)は心底呆れたように呟く。
 こんな下らない、狂気そのものの野望のために人々が地獄の苦しみを負わされるなど、人を愛する妖怪としては何一つとして許容など出来ない。
「ともあれ、陰陽都市計画はここでお終いです。私たちの手で終わらせて差し上げましょう」
「人々の日常を脅かした代償、その身で支払ってもらうぞ」
 真っ向から敵対する姿勢を見せた二人の猟兵に対し、悪の除霊建築士は見下すように鼻で笑ってユーベルコードを起動する。
 戦場全体に溢れ出す不浄の気、咄嗟に依月は霊符を周囲に貼り付けて霊的防護の結界を展開、戦場全体に充ちた害ある空気からのダメージを凌いだ。
 だが、精鋭の鬼共の体には不浄の気が物質化して武装を形成し、その力を底上げする。
 気を用いて戦場を操り敵を弱める事は除霊建築士の常套手段、本来ならゴーストが存在できないように建築物を清める事も能力として有しているが、この悪の除霊建築士はその真逆、不浄の気を自軍の強化に利用しているのだ。
「厄介ですが速やかに突破しなければなりませんね」
 呟いた芽亜がユーベルコード【落ちる刃】を起動すれば、つなぎの上にマントを羽織った”虐殺師””が出現する。
 彼女の想像より創造された存在の表情はマフラーで隠され分からず、二本の大剣を軽く振るう姿からは殺意しか感じられない。
「ーー“断頭卿”ギロチン。従属種ヴァンパイアたちは任せました」
 存分に双剣を振るい好きなように殺してしまってくださいな、とできるのが当前というように言う。
「あなたにかかれば、その程度の相手は何でもないでしょう?」
 無敵の断頭卿――その能力に疑念などなく、故に狂気の鬼型従属種ヴァンパイアなどに負ける訳はない。
 恐ろしい速度で建物へと飛び込んだ断頭卿は、群がる精鋭鬼型オブリビオン共の首を刎ねながら屋上を目指し、除霊建築士の護衛の鬼たちを殺戮して陣形を崩しながら暴れまわる。
 精鋭であるが故に鬼型従属種ヴァンパイア達は乱された防衛ラインを即座に修正し体勢を整えようとするが、それより速く猟兵達は屋上まで駆け上がる。
 そして、猟兵達は悪の除霊建築士と護衛の鬼たちと対峙する。
『あの者共を近づけるな!』
 老爺の号令に鬼型オブリビオン達は地を啜り詠唱兵器で引き裂かんと襲いかかってくるが、それを黒い糸ーー呪髪がそれを阻む。
「壁に乱るる蜘蛛の網は、庭の真葛が蔓にあらそふ……ってな」
 同じく市役所内へ飛び込んできた依月の【呪髪糸操術:絡新婦】により放たれた呪髪糸だ。蜘蛛の巣の如く放たれたそれは、触れた吸血鬼から生命力を吸い上げて依月の生命力へと転化させていく。
『そちらの男は土蜘蛛か……?』
「残念だけど違うね」
 依月を中心とした呪髪糸の結界はこの世界の能力者であるなら土蜘蛛の檻を連想するかもしれない。古き怪談由来のその力は蜘蛛に関わっているという点では同じだが、実際はまるで別物。
 今回の戦いでは他の猟兵が自分よりもこの悪しき除霊建築士と因縁がある、そう判断した依月は彼らのサポートに徹すると決めていた。
 戦場を侵す不浄の気を祓うため呪髪糸に霊符を貼り付けて、絡新婦の巣の領域内に霊的防護の結界を拡張していく。
 それにより武装実体化した不浄の気も一部が浄化されて、生命力も奪われている精鋭鬼型オブリビオンの勢いは衰えていく。
「鬼型オブリビオンは俺が抑えるから、さっさとそのヤバそうな爺さん、叩いちまいな」
「有難うございます」
 そう依月に感謝の言葉を向けながら、断頭卿を鬼たちにけしかけ生じた混乱の間に芽亜は劉へと肉薄、
『そんななまくら鋏、我が風水には効かぬわ!』
(「当てやすく、硬くなっているようですね」)
 八卦風水呪ーー劉を覆う風水の導きは動きを制限される代わりに攻撃力と防御力を跳ね上げる特性を持っている。
 いくら強い攻撃であっても当たらねば意味はないが、この場には護衛の精鋭鬼型従属種ヴァンパイアが大量にいる。自分自身を鉄壁の防御で守り時間を稼ぎ、体勢を立て直した精鋭たちとの連携で強烈な攻撃を叩き込む、という戦法だろうか。
 細い二振りの軍刀を組み合わせた裁断鋏『Gemeinde』を振るえど風水の守りに阻まれ、ほんの僅かしか傷を与えることは出来ない。
 しかし、その掠り傷により劉の動きが突然緩慢になる。
 まるで耐え難い眠気に無理やり耐えているようなその原因は裁断鋏、芽亜が刃に眠りの魔法を纏わせて、傷口から眠りの魔力を通したのだ。
『おのれ……こんな眠気など!!』
 気合を入れて踏みとどまる劉だが、その風水の導きを操る業には乱れが生じている。
 裁断鋏の追撃と、逃げ場を封じるように襲いかかる黒き呪いの糸の猛攻をまともに喰らい、悪の除霊建築士は派手に吐血。
「さっさと骸の海に還ってくださいな」 
 そう静かに告げる芽亜を、劉は凄まじい形相で睨みつけるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鈴乃宮・影華(サポート)
「どうも、銀誓館の方から助っ人に来ました」
銀誓館学園所属の能力者……もとい、猟兵の鈴乃宮です

かつての様にイグニッションカードを掲げ
「――|起動《イグニッション》!」で各種装備を展開
友人から教わった剣術や
体内に棲む黒燐蟲を使役するユーベルコードを主に使用

TPO次第では
キャバリアの制御AIである『E.N.M.A』が主体となるユーベルコードを使用したり
『轟蘭華』や乗り物に搭載した重火器をブッ放したり
「|神機召喚《アクセス》――|起動《イグニッション》!」からのキャバリア召喚で暴れます

例え依頼の成功の為でも、他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
不明な点はお任せします



●咲き誇るは赤黒き葬華
 二人の猟兵が市役所に飛び込んでいき、少し遅れて新たな猟兵が加勢する。
「――|起動《イグニッション》!」
 イグニッションカードを掲げ叫んだ女は瞬時に武装を装着、そのまま勢いよく市役所の入口へ突撃し、混乱やまぬ鬼化した狂気の従属種ヴァンパイア達へと切り込んでいく。
「どうも、銀誓館の方から助っ人に来ました」
 彼女、鈴乃宮・影華(暗がりにて咲く影の華・f35699)は銀誓館学園で戦ってきた能力者であり、現在は銀誓館学園所属の猟兵だ。
 この悪しき除霊建築士の引き起こした事件よりも後に家族と呼べた人の遺言に従って入学したために、この狂気に囚われきったオブリビオンの生前とは直接の面識はない。
 だが、世界を蝕むオブリビオンの悪しき計画を見逃すようなことはない。鬼化した従属種ヴァンパイアの精鋭達の猛攻をいなしながら屋上を目指す影華。かつて彼女自身も従属種ヴァンパイアの力を操っていたこともあり、膂力こそ桁外れになっているが敵の動きを見切ることは十分可能。
 友に教わった剣術で操る『黒の葬華』という魔剣を振るい、鋭い鉄球の一撃を受け流しつつ鋭い殺人トラップの嵐を潜り抜けカウンター、起動したユーベルコード【黒燐装攻・禍祓】により黒燐蟲より借りた呪いの力を魔剣に籠めて鬼型オブリビオンを貫く。不浄の気による武装強化を得ている鬼は途端に痙攣し、装備がバラバラに破壊されて倒れた。
 赤黒く輝く黒燐蟲の呪いの力が齎したのは強化に対する力の奔流による強制解除及び以降の無効化、呪言師の必殺の一撃を模倣したそれは、悪しき除霊建築学により強化されているオブリビオンには覿面に効くようだ。
 鬼たちを迎撃しながら屋上へと至れば、眠気にふらつく除霊建築士の姿が見える。
 周囲を抑え込んでいる黒き呪髪糸の結界を潜り抜け一気に飛び込もうとする影華に気づいた劉は、手にした宝剣を掲げ周囲に波動を放つ。
 気の力を強制的に断絶するその波動はまともに受ければダメージのみならず石化させられてしまう、即座に見切った影華は呪髪糸に張り巡らされた霊符の霊的防護を盾にしつつ纏うオーラを全力の防御に回し、波動をガードすることに成功。
 そして波動が停止した瞬間一気に劉へと距離を詰めて、
「彼の力を以て世界が消える――綺麗になぁれ!」
 赤黒く輝く呪いの刃で貫いた。
『がッ……! 気が乱される……!』
 かの除霊建築士を守っていた風水の守りは力の奔流に霧散させられ、その生命も風前の灯にまで追い詰められた。

成功 🔵​🔵​🔴​

鳥羽・白夜
相変わらず高いとこからご高説垂れやがって…お前の野望は16年も前に潰されてんだよ、寝言は寝て言え。

まあここは昔よく使ってた技で締めるか…
黒影剣発動。自身と武装を隠しUC効果で【生命力吸収】、弱らせた上で大鎌の【なぎ払い】、【斬撃波】で周囲の従属種ヴァンパイアを屠る。
いくら狂気に犯されてるつってもジジイの方は姿隠したくらいじゃ騙しきれねーかもしれないけど…
けどあっちの強化も万能じゃねーし、勝機はある!
UCの生命力吸収と姿を隠しての【死角攻撃】に加え大鎌の斬撃波に【貫通攻撃】【鎧砕き】【鎧無視攻撃】を乗せて防御を砕き、畳み掛けるように大鎌で斬りつけ攻撃。

…昔の戦争、いつまで続くんだろうな…



●狂鬼終焉
 向かってくる鬼型従属種ヴァンパイア達を見ながら、赤き三日月の大鎌を構えた鳥羽・白夜(夜に生きる紅い三日月・f37728)が忌々し気に屋上の劉・叔成を見上げた。
「相変わらず高いとこからご高説垂れやがって……」
 かつての狂鬼戦争でも、戦争の最終盤にもみじヶ丘市庁舎の屋上から能力者達をドン引きさせたあの老人は、オブリビオンになっても狂気は弱まるどころか一層悪化しているようにさえ見える。
「お前の野望は16年も前に潰されてんだよ、寝言は寝て言え」
『かつては潰されただろう! だがぁ……オブリビオンとして復活したなら成し遂げる事こそが天命なり!』
 狂気に爛々と輝く瞳は白夜の言葉にもまるで揺るがず、狂気の目標を達成する事だけしか見えていないようだ。
 言葉は伝わっているのに会話が成立する気がしない――そこで鬼型オブリビオン達が屋上や市役所の窓から飛び降りてきて、地上の白夜へと襲い掛かってくる。
 16年前の再演、であるなら昔使っていたアビリティがユーベルコードに昇華したこの力で締めると決めた。
 ユーベルコード【黒影剣】――闇を纏い操る魔剣士の力を昇華したようなその力を起動すれば、闇のオーラが白夜とその武装を覆う。
 同時に周囲からの視聴嗅覚での感知はシャットアウトされ、鬼型オブリビオン達は白夜の姿を見失いきょろきょろと周囲を見回す。
 昔よく使っていたアビリティが元であるから非常に扱いやすく使い勝手がいい。闇のオーラに身を隠しながら、直に触れず闇のオーラで生命力を奪い取って静かに弱らせていく。
 十分弱ったなら大鎌で薙ぎ払い始末して、数をある程度削り白夜は除霊建築士のオブリビオンが待ち構える屋上を目指す為に精鋭鬼型オブリビオン達蔓延る建物の中へと突入する。。
 隠密優先、しかしあまり残しておくと肝心のタイミングで邪魔が入る可能性がある。
 道中遭遇した鬼型ヴァンパイアを確実に始末しつつ、やや遅れて屋上へと到達。
 呪髪糸の結界が張られ緑髪のナイトメア適合者が軍刀を組み合わせた祭壇鋏で劉大老を斬り裂いたタイミングで、周囲の鬼達もか動揺し混乱しているように見える。
 その混乱に乗じて周囲の従属種ヴァンパイア達の生命力を闇のオーラで奪いつつ、暴れ回る断頭卿の攻撃に混ざる形で死角から紅き三日月の刃を振るい斬撃波で弱った鬼達を狩って護衛を削っていく。
 確実にこの場で仕留める、他の猟兵が仕掛け魔剣で貫いた間に白夜も下準備は整えていて――そして狂気の劉大老と|目が合った《・・・・・》。
『……そこにおるなぁ!?』
 完全に狂気に陥っているとはいえ、気脈を意のままに操る除霊建築士の中でも相当高位であることは間違いない。視聴嗅覚での感知を防いでも其方で感知された可能性がある。
 だが、先の猟兵の魔剣の一撃で既に風水の導きは崩されていて、そしてそれを再付与する事も不可能となっている。
『敵はそこじゃ! 我を守れぃ!!』
 力強くオブリビオンは号令をかけるがもう手遅れだ。既に周囲の護衛は粗方倒れていて、守りに向かえる個体はいない。
 劉大老に向かっていくのは猟兵達だけ。裁断鋏の眠りの刃と絡まる呪髪糸に動きを縛られ、その中で魔剣士の刃を宝剣でどうにか受け止める劉大老。
 だがそこまで。死角に潜り込んだ白夜の守りを斬り裂く大鎌の一閃が狂気のオブリビオンを断ち切った。
 ――仮に風水の守りが万全であってもその致命の一撃を防ぐ事は叶わなかっただろう。
『おのれ……だが大願を果たすまで、我は復活する……成功するまで、何度でも、何度でも……!』
 ごぼり、と血を吐いて崩れ落ちて『劉・叔成』は消滅した。彼に生み出された鬼型オブリビオンの姿も周囲には見当たらない。
「……昔の戦争、いつまで続くんだろうな……」
 静寂を取り戻した市役所の屋上で、白夜は呟いた。

 首魁の劉大老が討伐され、残った鬼型オブリビオンもきっちり掃討された事で住民達は無事解放された。
 早急な討伐が成った事で幸い死者は出ず、後の救護等の対応は銀誓館学園が行ってくれるようだ。
 これからもこの世界では過去の事件のオブリビオンが復活し、再び惨劇を引き起こそうとするのだろう。
 終わりは未だ見えない、けれど永遠には続かないだろう。そう願いながら、猟兵達は帰還したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年06月19日


挿絵イラスト