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獣人世界大戦⑱〜混沌氏の計画を阻止せよ

#獣人戦線 #獣人世界大戦 #第三戦線 #人民租界 #有頂天道人

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「獣人世界大戦への参戦に感謝します。リムは状況を報告します」
 グリモアベースに招かれた猟兵達の前で、リミティア・スカイクラッド(勿忘草の魔女・f08099)は獣人戦線の世界地図を広げ、現在の状況を語り始めた。
「現在、超大国との戦闘は最終局面となる第三戦線に移行中。この戦争もあと数日で決着がつくでしょう」
 ついに姿を現した「はじまりの猟兵」、それぞれの計画を達成せんとする超大国の支配者たち。様々な思惑が複雑に絡み合った第三戦線では、全戦場が獣人戦線の今後を大きく左右する。全ての強敵を撃破して、目指すは完全勝利だ。

「今回皆様にお願いしたいのは、コンキスタドール『有頂天道人』の撃破です」
 第一戦線の段階から人民租界に出没し、第二戦線で討伐されたかに思われた有頂天道人。しかし彼は、彼が師父と呼ぶ存在――渾沌氏『鴻鈞道人』の力によって【再孵化】され、以前より濃く「渾沌化」を纏った状態で骸の海から帰ってきた。|渾沌の諸相《undefined》を身に着けた彼はすでにコンキスタドールではなく、渾沌氏の領域に至ったと言って良い。
「再孵化された有頂天道人は鴻鈞道人の命によって『はじまりの猟兵』を捕縛しようとしています」
 開戦時の段階から鴻鈞道人は「はじまりの猟兵」の目星を付けていたというが、ここに来て他勢力に先んじて「はじまりの猟兵」確保に動いたということだ。いずれの超大国もこれを阻止する戦力はなく、対抗できるのは猟兵だけだ。

「戦闘を開始すると、有頂天道人は右半身を覆っていた『|渾沌の諸相《undefined》』を全身に展開させ、『不定形の怪物の部位』を自在に発現させながら先制攻撃を仕掛けてきます」
 元より人民租界のマフィアを率いるサイバーカンフーマスターだった有頂天道人だが、師の許しを得て渾沌氏の力を解放した彼の拳技は理解不能の領域に到達しており、グリモアの予知でも詳細が掴めなかった。それがどんな技でどういった特性を持つのか、まったく分からないのだ。
「ですので、実際に有頂天道人が攻撃を発動するところを見て、その場で対処法を編み出すしかありません」
 理解不能な混沌の力を操る有頂天道人はこれまで以上の強敵だ。事前に得られる情報が極端に少ないこともあって、もはや初見の敵だと思ってかかるほうがいい。適切な対処さえ取れれば、混沌氏とて勝てぬ相手ではないはずだ。

「有頂天道人……いえ、鴻鈞道人がなぜ『はじまりの猟兵』に執着するかは分かりませんが、彼らに好きにさせる訳にはいきません。どうか、皆様の力をお貸しください」
 説明を終えたリミティアは手のひらの上にグリモアを浮かべ、有頂天道人のいるロシア戦線に猟兵を送り出す。
 世界大戦の動乱に乗じて「はじまりの猟兵」に王手をかけた混沌氏たち。その陰謀を止めることはできるのか。
「転送準備完了です。リムは武運を祈っています」



 こんにちは、戌です。
 今回の依頼は渾沌氏『有頂天道人』の撃破です。

 このシナリオでは下記のプレイングボーナスに基づいた行動を取ると判定が有利になります。

 プレイングボーナス……有頂天道人の「詳細不明な先制攻撃」に対処する。

 師父である沌氏『鴻鈞道人』の力で骸の海から復活した有頂天道人は、|渾沌の諸相《undefined》の力を全開にして理解不能の攻撃を繰り出してきます。
 この先制攻撃は「発動するまで詳細が判明しない」うえ、パターンも毎回変化するので、対処するには工夫が必要になります。ご用心下さい。

 この戦場は【第三戦線】で、完結までの締切が6月01日(土)16時となっています。
 そのため、執筆状況によっては採用できないプレイングが出るかもしれないことを、予めご了承下さい。

 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『渾沌氏「有頂天道人」undefined』

POW   :    渾沌孤拳 undefined nackle
全身に【undefined】を帯び、戦場内全ての敵の行動を【undefined】で妨害可能になる。成功するとダメージと移動阻止。
SPD   :    渾沌奇脚 undefined asault
【undefined】姿勢のまま、レベルkm/hで移動できる。移動中は、攻擊が命中した敵に【undefined】の状態異常を与える。
WIZ   :    渾沌妖血 undefined blood
術者の血液に触れたあらゆる対象は、血液が除去されるまで、全ての知覚が【undefined】で埋め尽くされる。

イラスト:松宗ヨウ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

鳴上・冬季
「見逃せない敵は邪仙の弟子の貴方だけ。空中戦は私に一日之長があると教えて差し上げます」
嗤う

自分は風火輪
黄巾力士は飛来椅で飛行

黄巾力士は
オーラ防御しながら
金磚と砲頭から制圧射撃
敵に行動阻害与え回避し易い状況作る

自分は攻撃パターン読むため暫く回避専念
仙術+功夫の縮地(短距離転移)
空中戦・空中機動+功夫の軽身功
組合せ
敵の音速超えのヒット&アウェイ
も遠距離攻撃も羽のようにふわりと回避
渾沌の諸相による状態異常・行動制限はUCで即反射
近接攻撃しかないと敵に思わせる

パターンある程度読んだ又は敵が近接戦闘選んだら
縮地で接敵
攻撃掻い潜り貫手で体内に直接雷撃

「師と違う有限の混沌を焼き尽くせば終わりでしょう?」
嗤う



「見逃せない敵は邪仙の弟子の貴方だけ。空中戦は私に一日之長があると教えて差し上げます」
 獣人世界大戦に数多の強敵たちの中で、鳴上・冬季(野狐上がりの妖仙・f32734)は第一戦線から一貫して『有頂天道人』と戦い続けてきた。混沌氏『鴻鈞道人』に再孵化され、現世に舞い戻った彼を妖仙として逃すつもりは無いと、静かに、だが凄みのある表情で嗤う。
「カカッ、しつこい奴らめ。もうお前達の相手をしている暇はないのだ!」
 一方、有頂天道人が師父より受けた命令は「はじまりの猟兵の確保」。他のどの勢力よりも先んじて出し抜くには、これ以上倒される訳にはいかない。しかし「六番目の猟兵」も、特にこの男はみすみす逃がしてはくれないだろう――ならば今こそ、真の全力をもって打ちのめすまでだ。

「師父が与えてくださった更なる力、見るがいい!」
 右半身から拡がった混沌の諸相で全身を覆い、有頂天道人は【渾沌奇脚 undefined asault】を発動。あらゆる格闘技の型に存在しない奇怪な姿勢から、想像を絶するスピードで戦場を駆ける。混沌氏の力を解放した彼の動きを予測するのは、いかなる者にも不可能であった。
「まずは見に回りましょう」
 冬季は宝貝「風火輪」、随行する人型戦車宝貝・黄巾力士は「飛来椅」で飛行しているが、空中にいれば安全というわけではない。混沌の諸相による先制攻撃に対して、冬季は暫く回避に専念し、黄巾力士は防御を固める。まずは攻撃パターンを把握することから始めよう。

「どうした、逃げ回るだけか!」
「さて、どうでしょうか」
 吠える有頂天道人の猛攻を、縮地と軽身功の組み合わせで避ける冬季。音速を超えるヒット&アウェイも、伸長する混沌による遠距離攻撃も、全て羽のようにふわりと回避する。同時に黄巾力士にはオーラで防御を固めさせ、空中砲台として制圧射撃を実行させていた。命中せずとも多少なりと行動を制限できれば値千金だ。
「チイッ……混沌の毒も効いていないか」
「確かに万病回春という医学書もありますが。本来は時を操り命すら戻し状態を復する、という仙術です。地味ではありますが有用な仙術ですよ」
 【渾沌奇脚 undefined asault】により与えられる未知の状態異常は、自動発動する【仙術・万病回春】に反射され、効果を発揮していない。速度で翻弄しながら混沌で追い詰めていく戦法では、彼に決定打を与えるのは難しいだろう。

(ならば近接戦しかないな)
 肉薄し全力の一撃を叩き込む。それがこの妖仙に対する勝ち筋だと判断した有頂天道人は、速度を上げて跳躍した。
 一方、敵にそう思わせるために回避に徹していた冬季も、ここが勝負所とみて動きを変える。パターンある程度読むための時間は十分あったはずだ。
「貴方の混沌もいい加減見飽きました」
 いくら混沌で翼も生やせるとはいえ、空中戦は彼の土俵だ。様々な獣や魔物、あるいは見たこともない形に変化する有頂天道人の攻撃を掻い潜り、こちらから縮地で距離を詰める。互いに触れ合えるほどの間合いから、繰り出すのは渾身の貫手――。

「師と違う有限の混沌を焼き尽くせば終わりでしょう?」
「ぐっ、ガアァァァッ!!!?!」
 矛のように標的に突き刺さった冬季の貫手は、体内に直接雷撃を迸らせ、骨肉や神経を焼き焦がす。まだ「生物」の域に留まっていた有頂天道人にとって、このダメージは大きく。にこやかに嗤う妖仙の前で、邪戦の絶叫が木霊した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

笹乃葉・きなこ
◯POW/アドリブお任せ

有頂天道人くぅーん!
殺し合い(殺し合い)しましょーっ!

わぁおっ!変化する攻撃

☆先制攻撃対象

野生の勘とリミッター解除を
下段攻撃にはジャンプして避ける
追撃ありなら空中浮遊と空中戦で対処
上段、中段はなぎなたでなぎ払い
相手が空中にいたら空中戦で叩き落とす

先制攻撃時に掴めたらユーベルコードを狙う

多彩な攻撃で、興奮させてくれるべなぁ♥

ごめんな、今のおらはユーベルコードしかできねーんだべ

掴まえたらユーベルコードで投げ祭り
また、地獄へ叩き落としてやるべっ!

そういえば、こいつ幽霊みたいなものだし…

オラッ!!除霊!!
(除霊付きのユーベルコードでぶん投げる)

成仏するまで投げまくってやるべっ!



「有頂天道人くぅーん! 殺し合いしましょーっ!」
 さらなる混沌の力を手に入れて復活した『有頂天道人』に、まるで友人のようなトーンで物騒な言葉を投げかけるは笹乃葉・きなこ(キマイラの戦巫女・f03265)。いくら【再孵化】できる存在がバックに控えているとはいえ、奴自身は不死ではない。何度でも蘇るなら何度でも殺すだけだ。
「カカッ! いいだろう、殺してやる!」
 対する有頂天道人は師父より授かった力を誇示するように混沌の諸相を身に帯びる。不規則かつ変幻自在に形を変え続けるその肉体は、これまでの彼では不可能だった異形の技を可能にし――予測不能の【渾沌孤拳 undefined nackle】が放たれる。

「わぁおっ! 変化する攻撃」
 理屈では絶対に読めない混沌の諸相に対して、きなこは理性ではなく直感を信じ、リミッターを外した身体能力で先制攻撃を躱す。まずは下段――足元をすくう白蛇のうねりをジャンプで避け、来るであろう追撃に空中浮遊で備える。
「オラオラァッ!!」
 背中に翼を生やし、様々な獣や怪物、あるいは触手や刃などを顕す有頂天道人。その攻勢は烈火の如しだが、きなこも決して負けてはおらず、なぎなたで攻撃を切り払っている。極寒の地で獣たちと共に育った経験が、鋭敏な野生の勘を彼女に与えていた。

「多彩な攻撃で、興奮させてくれるべなぁ♥」
「うおッ?!」
 一手のミスが命取りになりうるギリギリの防御。そんな中でもきなこは愉しそうに頬を好調させ、一瞬の隙を突いてなぎなたを敵の脳天に振り下ろした。有頂天道人は混沌の機械腕で咄嗟にガードするが、衝撃を流しきれずに地面まで叩き落される。
「逃がさねぇべ」
 すかさずきなこ自身も地上に降り、相手が体勢を立て直す前に混沌化した腕をがしりと掴む。その膂力は万力のようで、決して放すまいという意気を感じさせる。ここからは彼女の反撃のターン――【笹乃葉式我流投げ技地獄】の始まりだ。

「クソっ、放せ!」
「ごめんな、今のおらはユーベルコードしかできねーんだべ」
 有頂天道人は混沌の諸相を変化させ、きなこの行動を妨害して振りほどこうとするが、彼女の手はびくともしない。
 どんな形状に変わろうが押さえつけ、持ち上げ、振り回し、叩きつける。野性味あふれる豪快な投げ技が炸裂した。
「また、地獄へ叩き落としてやるべっ!」
「がはッ!?」
 投げて、投げて、また投げる。シンプルだからこそ一度嵌まってしまうと抜け出せない、恐怖の投げ祭り。有頂天道人の天地は何度もひっくり返り、地面に叩きつけられる衝撃が脳を揺らす。これではもう反撃どころではない有様だ。

「そういえば、こいつ幽霊みたいなものだし……オラッ!! 除霊!! 成仏するまで投げまくってやるべっ!」
「グゲェッ?! や、やめ……ごはぁッ!!」
 再孵化したオブリビオン相手なら多分効くだろうと、除霊効果を付与したユーベルコードでぶん投げまくるきなこ。
 悲鳴を上げようが泣いて懇願されようが止めるつもりはない。ある意味、混沌よりも恐ろしく情け容赦のない地獄から、有頂天道人はいつ抜け出せるのか――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

神酒坂・恭二郎
さて、追い詰めたぜ有頂天道人
ここで決着と行こうか
刀を抜かず、両手をだらりと下げた自然体で向き合う

奴の先制攻撃は理解不能。故に、発動する起りだけは見落とさないように【見切り】に力を注ぐ
起りを見たら、居合抜きで足元に風桜子を叩きつけて間欠泉のように噴き上げさせる【居合、早業、カウンター、衝撃波】
同時に、スペース手拭いに己の風桜子を纏わせて空蝉とし、自身は風桜子を消して爆圧で後ろに跳んで先制攻撃に対応したい【吹き飛ばし、残像】

反撃は刹那
平正眼に構え、周囲を漂う風桜子を螺旋に束ね【竜脈使い】
先制攻撃直後の奴の呼吸を狙い、渾身の『捻り突き』で勝負だ【切り込み、推力移動、急所突き、鎧無視攻撃】

「絶ッ!!」



「さて、追い詰めたぜ有頂天道人。ここで決着と行こうか」
 神酒坂・恭二郎(スペース剣豪・f09970)はそう言いながら刀を抜かず、両手をだらりと下げた自然体で『有頂天道人』と向き合う。思えばこの戦争中、第一戦線からずっと戦い続けてきた相手だが、【再孵化】されてさらに倒されれば、流石にもう復活はあるまい。
「カカッ……どこまでも邪魔をしてくれるな、猟兵!」
 決着をつけるのは望むところだと、有頂天道人も構えを取る。それはサイバーカンフーの達人である彼が見せてきたどの武技とも異なる、奇怪な構えであった。師父にさらなる力を与えられた混沌の諸相は右半身から全身にまで及び、触手、牛頭、刃、翼など不規則に変化する。

(奴の先制攻撃は理解不能。故に、発動する起りだけは見落とさないように)
 その瞬間を見切るために力を注ぎ、いつでも来いとばかりに立ちつくす恭二郎。一見隙だらけの佇まいから、並ではない"圧"を感じる。が、ここで怯むようでは武人の名折れ。有頂天道人も全身全霊を以って先制攻撃を仕掛けてくる。
「死ねいッ!!」
 混沌の諸相による不可解な姿勢から、常識外の速度で疾走する【渾沌奇脚 undefined asault】。白い呪毒の羽を撒き散らしながら、悍ましき異形が襲いかかる――その"起こり"を捉えた刹那、恭二郎は愛刀「銀河一文字」を抜き放つ。

「破ッ!!」
 目にも止まらぬ居合抜きにより、刃と共に解き放たれる|風桜子《ふぉーす》。それは一度足元に叩きつけられてから間欠泉のように噴き上がった。どんな奇怪な攻撃を繰り出すにせよ、出がかりに足をすくわれれば有頂天道人の勢いも削がれよう。
「ぬおぉッ……舐めるなァ!」
 それでも有頂天道人は混沌化した右腕を巨大な剣に変化させ、風桜子の気配を頼りに敵を薙ぎ払わんとする。だが、彼が断ち切ったのは風桜子を纏った「スペース手拭い」だけ。それを空蝉として恭二郎本人は風桜子を消し、爆圧の反動を利用して後ろに跳んでいた。

「神酒坂風桜子一刀流……捻り突き……ってなもんかね」
 先制攻撃を凌げば、反撃は刹那。恭二郎は刀を平正眼に構え、周囲を漂う|風桜子《ふぉーす》を螺旋に束ねる。彼の流派は神酒坂風桜子一刀流――師・銀河剣聖から学んだ技に自身の経験を加えて創作した、大宇宙の風桜子と剣術をひとつにした流派である。刀一本で世界を巡るこの男を、スペース剣豪と人は呼ぶ。
「絶ッ!!」
 いかに混沌氏とて攻撃直後には呼吸が生じる。その空白を狙った渾身の【捻り突き】は、凄まじい念動衝撃波を引き起こし、螺旋状に超圧縮された風桜子を有頂天同時の急所に叩き込んだ。混沌の諸相に染まった彼の肉体が、メキメキと音を立てて"捻れて"いく。

「ぐ、おおォォォォォッ!!!!?!」
 体内に注ぎ込まれた|風桜子《ふぉーす》の螺旋によって、有頂天道人の肉体はねじ切れ、爆発する。混沌氏と化した彼の拳法は理外のものであったが、恭二郎の拳法もまた常識の範疇にはない。スペース剣豪の達人技を前に、たまらず膝を屈する道人であった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シズホ・トヒソズマ
※連携・アドリブ歓迎

はじまりさんを渡すわけにはいきませんからね
貴方の顔もそろそろ見飽きました
今度こそ永遠に骸の海へ消えて貰いましょう

からくり人形は◆早業で◆操縦

基本は攻撃にクロスリベルで引き上げた反応速度で
デザイアキメラを操縦
攻撃に応じて属性を変える◆オーラ防御で防ぎます

防御透過や透明化等、バリアや反応防御で防げない場合は
密かに散布させていたバルのナノマシンで感知や反応を早めて
クロスリベルの速度強化効果で回避
バルの軌道変化弾をカウンターで命中

UCを使用
ケルベロスフェノメノンの力でキメラやバルの弾に接触した敵の重力を増加
どんな形でも速さでも重力の前には同じ!
動きが鈍った所を王劾で◆燃焼斬撃です!



「はじまりさんを渡すわけにはいきませんからね」
 開戦当初から『鴻鈞道人』の命を受け、他勢力を出し抜き「はじまりの猟兵」の確保を狙っていた『有頂天道人』。
 一度は武運尽きたはずが、師父に【再孵化】されて復活し、なおも使命を果たそうとする根性は見事。だがシズホ・トヒソズマ(因果応報マスクドM・f04564)もそれを見逃さず、何度でも彼の前に立ちはだかる。
「貴方の顔もそろそろ見飽きました。今度こそ永遠に骸の海へ消えて貰いましょう」
「カカッ! これまでの俺と同じだと思うなよ!」
 骸の海から復活した有頂天道人の全身は、混沌の諸相により白く染まっている。もはや獣人としての原型さえ留めぬレベルで変異を起こし、既存の格闘技にない奇怪な姿勢を取る。それは師父より授かった御力を誇示するかのように。

「覚悟しろ! 次に死ぬのは貴様だッ!」
「さて、そのつもりは無いですが」
 【渾沌奇脚 undefined asault】を発動し、異常な速度で襲い掛かってくる有頂天道人に対し、シズホはからくり人形「デザイア・キメラ」を操縦して迎え撃つ。同時操作する強襲人形「クロスリベル」の力で反応速度を引き上げ、混沌の諸相の予測不可能な変化に対応するつもりだ。
「事前に予測はできなくても、見てから対応はできます」
 相手の腕が龍の顎に変わって火を吹けば、こちらは水のバリアで阻む。刃物を生やして斬り掛かってくれば、頑強な土のバリアで防ぐ。攻撃特性に応じて防御属性を変化させるデザイア・キメラの力が、変幻自在な混沌を見事に防いでいた。

「小癪な真似を! だったらこれはどうだ!」
 有頂天道人の肉体はさらに変異を続け、色彩すら変えていく。攻撃そのものを見え辛くすることで反応を困難にし、防御を透過させるつもりのようだ。師父に与えられた混沌の諸相をすでに使いこなしているようだが――そこはシズホも織り込み済みである。
「保険をかけておいて正解でしたね」
「なにっ、これも避けるだと……ぐあっ?!」
 狙撃用人形「バル」に散布させておいた探知用ナノマシンを利用して、感知と反応を早める。そしてクロスリベルの力で反応速度だけでなく移動速度まで上昇させれば、見えない攻撃でもギリギリで回避可能だ。間髪入れず放たれた、バルの軌道変化弾が反撃の狼煙となる。

「人形が吸いし過去の影、我が身に宿り力となれ。応報を持って因果を制す!」
 【幻影装身】を発動したシズホは、過去に倒してきたオブリビオンの一体、禁獣「ケルベロス・フェノメノン」の力を自身とからくり人形に与える。一転攻勢をかけたデザイア・キメラの体当たりとバルの銃弾は、狙い通りに有頂天道人を捉えた。
「ぐッ?! 身体が、重い……!」
 ケルベロス・フェノメノンの【グラビティブレイク・フェノメノン】は、接触した対象の重力を操作する力だった。
 それを再現したからくり人形たちの攻撃を受けた有頂天道人は、重力の増加により移動・行動を大幅に制限される。

「どんな形でも速さでも重力の前には同じ!」
「お、おのれ……ぐおおおぉぉッ!!!」
 重力の鎖に囚われ動きが鈍った有頂天道人に、シズホが振りかざすは炎獣牙剣『王劾』。煮えたぎるマグマの刀身が混沌の諸相を焼き、曇白の肉体を炭化させていく。ひとたび現世に舞い戻った死者を、再び骸の海へと返す葬送の炎のように――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

劉・涼鈴
出たな鴻鈞道人! いつかお前にも直接拳を叩き込んでやる!
有頂天道人――だったやつ! お前はもう有頂天道人じゃあない!
渾沌に餮まれた|傀儡《かいらい》、せめて武侠の技で死なせてやるよ!

【野生の勘】を信じて、【ダッシュ】! 【ジャンプ】! 【スライディング】!
【功夫】の身のこなし(軽業)で躱す!
お前の威は意よりも遅い!
何をするかは分からなくても、そこには【殺気】がある!
【心眼】でそれを感じ取って躱せば、遅れてやって来る攻撃も躱せるって寸法だ!
そして私の殺意は天衣無縫! 意と威は同時に放たれる!
猛攻を掻い潜って懐に跳び込み、【怪力】で【捨て身の一撃】!
【劉家奥義・神獣撃】ッ!!!



「出たな鴻鈞道人! いつかお前にも直接拳を叩き込んでやる!」
 かつて封神武侠界にも出没し、大戦の裏で糸を引いていた混沌氏『鴻鈞道人』。それが今回の獣人世界大戦にも関与していたと知って、劉・涼鈴(鉄拳公主・f08865)は怒り心頭だった。決着はまだお預けだが、これ以上奴の企み通りにさせる訳にはいかない。
「有頂天道人――だったやつ! お前はもう有頂天道人じゃあない! 渾沌に餮まれた|傀儡《かいらい》、せめて武侠の技で死なせてやるよ!」
「カカッ、何をほざくかと思えば! 俺は師父より更なる力を授かり、生まれ変わったのよ!」
 拳を突きつけ一喝すれば『有頂天道人』は呵々と笑う。【再孵化】された肉体はより濃く「混沌化」の影響を纏い、全身に混沌の諸相を展開している。元は百戦錬磨のコンキスタドールにして、凄腕のサイバーカンフーマスターだった彼も、いまや見る影もない外道に堕ちた。

「見るがいい、これが俺の到達した新たな拳法よ!」
 全身に帯びた混沌の諸相をもって、有頂天道人が繰り出すは【渾沌孤拳 undefined nackle】。鳥獣の諸相に留まらず刃物や触手、果ては見たこともない異形へと不規則に変化しながらの攻撃は、とても理屈で予測できるものではない。
「そんなのは武侠の技とは違う!」
 対して、涼鈴は論理よりも野生の勘を信じ、混沌なる猛攻を功夫の身のこなしで躱す。走って、跳んで、滑り込み、蠢く触手を、獣の爪牙を、悍ましき刃を紙一重で避けまくる。先読みできないはずの攻撃を、なぜこうも捌けるのか。

「お前の威は意よりも遅い! 何をするかは分からなくても、そこには殺気がある! 心眼でそれを感じ取って躱せば、遅れてやって来る攻撃も躱せるって寸法だ!」
 涼鈴が視ていたのは混沌化した有頂天道人の肉体の動きではなく、精神の動き。"意"を読むことで攻撃の気配を察知し、回避を間に合わせていた訳だ。武術家の中でもこの域に到達できる者はそうはいない――若くして劉家に伝わる奥義全てを会得した、彼女の武才がなせる業だ。
「俺の意を読んだだと……?! 猪口才なッ!」
 怒りを覚えた有頂天道人の攻撃はより激しさを増すが、指摘されたところで急に殺気を消すなどできるはずがない。
 むしろ過ぎた激情は技の粗さとなり、隙を生む。それを見逃さなかった涼鈴は、猛攻を掻い潜って懐に跳び込んだ。

「ぶちかます!」
 涼鈴の殺意は天衣無縫。"意"と"威"は同時に放たれるが故に、混沌の諸相とは異なる形で予測不可能な攻撃となる。
 武侠の技で死なせてやるとの宣言通り、彼女が放ったのは劉家に伝わる絶技。使い手が矮躯であろうと、その威力は山をも砕くと謳われた、鉄拳の極意。
「劉家奥義・神獣撃ッ!!!」
「ば……ッかなぁぁぁぁッ!!!?!」
 超至近距離より叩き込まれた全身全霊の一撃は、混沌の諸相によるガードをすり抜け、有頂天道人を殴り飛ばした。
 混沌の力と引き換えに彼が捨てた武侠の技。その極みを喰らった彼の心中はいかばかりか――すぐには起き上がれぬ様子が、威力のほどを物語っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

才堂・紅葉
さて。それじゃあ、ここで仕舞いと行きましょうか
きっちり終わらせてあげる

「当てにしてるわよ、馬鹿共」
先制攻撃は、アルダワ錬金学部謹製の「紋章板」を前面において【結界術】を展開し防ぐ。【野生の勘】で、防ぎきれない時は「ガジェットブーツ」のギミックで緊急離脱をはかる二段構えだ

先制を凌いだら、“楔”の【封印を解く】事で励起状態に持って行き、湧き上がる怨念を受け入れる事で超強化を行う。滴る流血をすくい、自身の顔に戦化粧とする

超強化された身体能力で「渾沌奇脚」を紙一重で触れさせぬように【見切り、受け流し】、手榴弾やアサルトライフルで【体勢を崩す】
本命は“楔”による【零距離射撃】だ

「骸の海に還りなさい」



「クソっ……なぜだ、なぜ勝てない……!」
 混沌氏『鴻鈞道人』の手で【再孵化】され、さらなる力を得て復活した『有頂天道人』。「はじまりの猟兵」を確保すべく現世に舞い戻った彼はしかし、またもや猟兵に追い詰められつつあった。全身を覆った混沌の諸相でも誤魔化しきれないほど、すでに満身創痍である。
「さて。それじゃあ、ここで仕舞いと行きましょうか」
 そこに現れたのが才堂・紅葉(お嬢・f08859)。この戦争中何度も現れた厄介なコンキスタドールに、完全な引導を渡すために来たのだ。口元には笑みを浮かべつつも、その表情には凄みがある――世界大戦も終結が迫りつつあるが、ここで逃亡などさせない。

「きっちり終わらせてあげる」
「く、カカッ……終わるのは貴様らの方よ!」
 進退窮まった有頂天道人に残された手は、血路を切り開くことのみ。混沌の諸相を不規則に変化させ、奇怪な構えを取った彼は【渾沌奇脚 undefined asault】を使い、猛スピードで先手を打ってきた。どのような形状にもなる攻撃を、予測して躱すのは困難だ。
「当てにしてるわよ、馬鹿共」
 紅葉はアルダワ錬金学部謹製の「紋章板」を前面において、結界術を展開する。避けられない攻撃なら防ぐしかない――極薄の特殊鋼板を108枚重ねて術式を構築するこの装備は、制作者の人間性に不安はあっても、性能的には申し分のない傑作だ。

「こんな物でッ!」
 白い獣の爪牙が、白い刃が、白い触手が、幾層にもなった結界を削る。有頂天道人の猛攻は凄まじく、混沌の諸相がもたらす異常は器物すら蝕まんとしていた。だがそれでも、アルダワ錬金学部の技術の結晶はひとときの猶予を紅葉にもたらした。
「やるじゃないの!」
 錬金部長作の「ガジェットブーツ」のギミックで大きくジャンプし、結界が突破される寸前で緊急離脱。二段構えの備えによって彼女は辛くも先制攻撃を凌ぎきった。今度はこちらが反撃する番だと、【対戦車杭打銃"楔"】を構える。

「着いて来なさい」
 封印を解かれ励起状態になった"楔"から、怨念のオーラが湧き上がる。この装備は強大なオブリビオンストームに挑み、そして散っていった奪還者の遺物の欠片であり、その無念を受け入れ取り込むことができれば、使用者は大きな力を得ることができる。
「こいつでぶち抜いてあげるわ」
「なッ……なんなのだ貴様は!!」
 滴る流血をすくい、自身の顔に戦化粧として、酷薄に笑う戦場傭兵。その姿に脅威を感じた有頂天道人は、渾沌奇脚を維持したまま追撃を図るが――今度はさっきのようにはいかない。身体能力も超強化された紅葉は、迫る混沌を紙一重で触れさせぬように見切り、受け流す。

「言ったでしょう。終わらせてあげるって」
 片手で投じられた手榴弾とアサルトライフルの弾幕が、有頂天道人の体勢を崩す。その間隙を突いて懐に飛び込んだ紅葉は、本命となる"楔"の零距離射撃を撃ち込んだ。超偽神兵器の欠片を加工した神殺しの杭が、混沌の心臓を貫く。
「骸の海に還りなさい」
「がはァッ……おのれ、六番目の猟兵め……師父よ、申し訳ありませぬ……」
 命脈を絶たれた有頂天道人は、最期に猟兵への怨嗟と鴻鈞道人への謝罪を口にすると、白い肉塊となり崩れ去った。
 混沌氏に力を与えられ大幅に強化されてもなお、その運命は変わらず。邪なる拳士は再び骸の海へと還っていった。



 かくして猟兵は再孵化された『有頂天道人』を倒し、その背後にある『鴻鈞道人』の野望を挫いた。
 終戦の迫る世界大戦にて、猟兵たちがここで挙げた戦果が、戦後にもたらす影響は決して小さくはないだろう――。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年06月01日


挿絵イラスト