獣人世界大戦⑲〜その咆哮は万物と唱和する
唱和:すべては|祈り《m'aider》より始まった。
その声と共に、淀んだ空気がざわり、と揺れる。
唱和:弱き吾々は|罪深き刃《ユーベルコード》に縋り、
唱和:絶望の海に餮まれていった。
揺れた空気が鳥を、草木を、大地を飲み込んでいく。
ざわり。
鳥が、草木が、大地が蠢いた。
その全てが、姿を変え、立ち上がる。
それは、無数の朽ちた鎧だった。
それは、無数の朽ちた剣だった。
それは、無数の絶望だった。
ぎらり、と兜の奥の双眸が紅く光る。
唱和:全てを識った所で、変わるはずがない。
無数の鎧の向こうに、ひときわ大きな影が見える。
唱和:その衝動こそが、猟兵の根源なのだから。
山のような影が蠢き、咆哮する。
唱和:故に吾々は排除する。
唱和:はじまりの猟兵を。それを求むる者共を。
唱和:疾く蔓延れ、吾が『人狼病』。
唱和:|五卿六眼《ごきょうろくがん》照らす大地のあらゆるものを、吾が走狗と化してくれよう。
そこに在るのは絶望。
そこに在るのは憎しみ。
|彼《・》は|咆哮《唱和》する。
――六番目の猟兵を、全て屠るために。
●グリモアベース
「やっば、これ、かなりやばくない?」
たい焼きの最後の一口を飲み込んだハーゲル・アポステル(バーチャルキャラクターのワールドハッカー・f37296)が目を白黒させる。
あ、これ喉に詰まらせたやつだ、と思いつつもハーゲルが落ち着くのを待ち、猟兵たちは言葉を促す。
「うん、ごめん。オレがたい焼きパーティーに浮かれてる間に戦線がずいぶん進んだようだけど流石にこんなことになるなんてねえ……」
そんなことを言いつつ、ハーゲルは手元のホログラムキーボードを操作し、猟兵たちの前にスクリーンを展開した。
「出てきちゃったよ、始祖人狼。なんかワルシャワ条約機構を|五卿六眼《シャスチグラーザ》で監視してたみたいだけど、まぁはじまりの猟兵も出てきたみたいだし、配下に任せるのも信用ならん、で出た感じかなあ……」
ハーゲルが見せた映像は、大地に存在するもの全てが剣を持った人狼騎士に変貌し、その奥で蠢く始祖人狼に付き従うもの。
一目見ただけでこれはまずい、と誰もが思った。
樹が、樹に留まる鳥が人狼騎士に変化し、軍勢に加わっていく。
――これが、『人狼病』の根源。
これは始祖人狼を倒さない限り無限に続く。
猟兵たちは拳を握る。
始祖人狼を止めなければ。
ハーゲルが言うまでもなく、猟兵たちは頷いていた。
ハーゲルも頷き、空中に指を滑らせる。
空間が開き、ハーゲルが猟兵たちを激励する。
「ここから先は行くも行かないもアンタたち次第。だけど、この戦いは、止めない限り終わらない。だから、みんなを信じてる」
応、と、猟兵たちは拳を上げてそれに応じた。
蒼井 刹那
ワルシャワ条約機構よりこんばんは。蒼井 刹那です。
いやぁ、第二戦線を(たい焼きパーティーにかまけて)参戦できないうちに大変なことになっておりました。
すみません、リアルに忙殺されておりました。
今回はワルシャワ条約機構を|五卿六眼《シャスチグラーザ》で監視していた始祖人狼直々のお出ましです。
こいつを止めなければ、大変なことになってしまう、というのが今回のシナリオです。
一見集団的のようなボス戦。さて、猟兵の皆様はどのように暴れて下さるのでしょうか。
今回のプレイングボーナスは以下の通り。
「無限に現れる人狼騎士をかわし、始祖人狼を攻撃する」
「大気や大地などなどの「人狼化」に対処する」
この2点です。
大気や大地まで人狼化しちゃうのではてさて、どう対処したものやら。
皆様のご参加、お待ちしております!
第1章 ボス戦
『始祖人狼』
|
POW : 天蓋鮮血斬
【巨大化した大剣の一撃】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD : 血脈樹の脈動
戦場内に、見えない【「人狼病」感染】の流れを作り出す。下流にいる者は【凶暴なる衝動】に囚われ、回避率が激減する。
WIZ : 唱和
【3つの頭部】から、詠唱時間に応じて範囲が拡大する、【人狼化】の状態異常を与える【人狼化の強制共鳴】を放つ。
イラスト:UMEn人
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ロラン・ヒュッテンブレナー
アドリブ○
絡みNG
人狼病を撒いた者、生命を弄んで破滅を齎す者、それは許さないの
未覚醒で未熟だけど、忌むべきこの力で抗わせてもらうの
死の循環、接続
右目が闇色に染まって右頬に紋様が浮かび上がる
同時にUC発動
万物の刻を急速に早送りして風化させる波動を結界から放つよ
ぼくがこの場にいるだけで、周囲は無生物に至るまで終わりの刻に向かって風化していく
それはあなたも例外じゃないはず
人狼としての自分を、狂気を、運命を、ぼくは受け入れたよ
ぼくは孤独じゃない、助けてくれる存在がいるから
桃の香りで狂気と苦痛の共鳴に耐えて、一際大きな波動を放つよ
ぼくは人狼の魔術師、ロラン・ヒュッテンブレナー
始祖人狼、覚悟するの!
ただでさえ荒廃していた大地が淀み、朽ち、無数の人狼騎士を生み出していく。
それを物憂げに眺める少年の姿が。
「人狼病を撒いた者、生命を弄んで破滅を齎す者、それは許さないの」
ロラン・ヒュッテンブレナー(人狼の電脳魔術士・f04258)は低く、呟く。
7歳の時に人狼病を発症、現在も狼化の進行を食い止められないロランにとって、人狼病を齎した張本人、始祖人狼は最終的な目標であり倒すべき相手であった。
無数の人狼騎士のその向こうに、倒すべきそのものがいる。
しかし、人狼騎士は無数の、という表現ですら生ぬるいほど多く、今現在、ロランが立っている地面ですら人狼騎士へと変貌しつつある。
一見絶望的な状況。
だが、ロランは絶望していなかった。
「未覚醒で未熟だけど、忌むべきこの力で抗わせてもらうの」
そう言い、ロランの右手が持ち上げられ、右目を覆うかのように顔に近づく。
「死の循環、接続」
ロランは宣言する。自らに宿った忌むべき力、その開放を。
右目を覆ったロランの右手の指の間から闇が漏れる。
「封じるべきこの力…、今は、解放するの」
右目を覆っていた手を横に振る。
闇色に染まったロランの右目が昏く光る。
同じく右頬に浮かび上がった紋章が紅く輝き、ロランのユーベルコード『|【死の循環】駆け抜ける乾風《【死の循環】駆け抜ける乾風》』が解き放たれた。
ロランを中心に、刻が加速していく。
刻の加速は生命力を風化させ、人狼騎士を塵へと変えていく。
風が舞い、塵となった人狼騎士がざぁっと崩れていく。
それと同じように、始祖人狼の『唱和』が何もいなくなった大地から、塵から、大気から新たな人狼騎士を生み出していく。
ロラン自身にもその唱和は届き、狂気と苦痛が共鳴する。
苦痛に顔をゆがませるロラン。
それでも『死の循環』をより広く、より遠くに届くよう力を開放する。
生まれ、塵と化す人狼騎士。
生み出しては風化し、風化しては生み出すという高速サイクル。
一見、これは千日手に見えるかもしれない。
始祖人狼の『唱和』による人狼化の共鳴をロランの『死の循環』が食い止めているだけにしか見えないかもしれない。
だが、ロランが持っているのは死の循環だけではない。
「人狼としての自分を、狂気を、運命を、ぼくは受け入れたよ」
ロランは宣言する。自らの意志を。
「ぼくは孤独じゃない、助けてくれる存在がいるから」
そうだ。ロランは独りではない。ここでロランが『唱和』を食い止めれば、その分他の猟兵が攻撃を行う隙ができる。
いや、他の猟兵に全てを任せずとも、ロラン自身もまだ力がある。
ロランを慕うもの、ロランと共に戦いたいと願うもの、そういった「仲間」の希望を背負って、ロランは今この地にいる。
「ぼくには、始祖人狼にはないものがあるの!」
【魔符桃香】の香りに、持っていかれそうになる正気と意識を引き戻し、ロランはさらに結界を広げていく。
ロランを支える存在、その思いが無駄にならないように、ロランは『死の循環』の出力を最大にした。
「届いて!」
ざぁっ、とロランから、ロランが作り出した結界から波動が広がる。
それは、確かに、
「ぼくは人狼の魔術師、ロラン・ヒュッテンブレナー! 始祖人狼、覚悟するの!」
始祖人狼に、届いた。
成功
🔵🔵🔴
館野・敬輔
【SPD】
アドリブ連携大歓迎
ここで討ち取らねば、第二次大戦が勃発する
かなり難しい状況だが…何とかしてみよう
五卿六眼『始祖人狼』覚悟しろ!
ここは高速移動で人狼騎士を回避し、始祖人狼に吶喊しよう
指定UC発動し白い靄を纏い
人狼騎士の挙動を「視力」で観察し「見切り」つつ回避しながら
「ダッシュ、地形の利用」+UC効果の高速移動で一気に戦場を駆け抜ける
足元から人狼騎士が発生したら蹴り飛ばしつつ「ジャンプ」で回避
回避が間に合わなければ「衝撃波」で吹き飛ばす
血脈樹の脈動は回避しない
凶暴なる衝動に囚われても、俺の憎悪は増幅するだけ
始祖人狼に接敵したら衝動の儘黒剣を振り上げ
「2回攻撃、怪力」で叩き潰してやる!
いくら周りの刻を加速させて人狼騎士を風化させると言っても、その総量には限度がある。
とても厳しい戦いになるということは館野・敬輔(人間の黒騎士・f14505)にも理解できた。
「ここで討ち取らねば、第二次大戦が勃発する」
始祖人狼が現れた今、状況は厳しくとも、それは同時に猟兵たちにとって大きなチャンスだった。
討ち損じれば第二次大戦の勃発は必須、だが、逆を言えばここで打ち取ってしまえば世界は一歩平和に近づく。
だから負けられない。自身の誇りにかけてだけではない。猟兵となった自分の想いのためにも。
敬輔が地を蹴る。蹴った地面が、蹴られた小石が人狼騎士へと変化していく。
周りに群がる無数の人狼騎士を相手にせず、敬輔はまっすぐ始祖人狼に向かった。
人狼騎士を相手にしていてはキリがない。相手は打ち砕いた塵からですら人狼騎士を生み出す人狼病の感染源。
「魂魄解放!」
走りながら、敬輔が叫んだ。
敬輔のユーベルコード、『魂魄解放』、その瞬間、手にした黒剣から、剣がかつて喰らってきた魂が溢れ、敬輔を包み込む。
脳裏に浮かぶ、針が高速回転する時計。
この時計は自分の寿命を示す物差しだ。その針が高速回転するということは寿命がそれだけ削られていく、というもの。
イメージとして見せつけられるその呪いをものともせず、敬輔は人狼騎士の隙間を駆け抜けた。
時には人狼騎士そのものを踏み台にして、始祖人狼に迫る。
地を、人狼騎士を蹴り、空中に飛びあがる。
その大気ですら始祖人狼の共鳴によって人狼騎士に変わっていくが、それすら踏み台にしてさらに前進する。
敬輔を阻むように人狼騎士が壁を作る。
回避できない、と瞬時に判断した敬輔は衝撃波を放った。
衝撃波に、人狼騎士が粉々に砕け、壁に穴が開く。
その穴を突き抜け、敬輔は始祖人狼に対峙した。
そこで、敬輔は凶暴なる衝動が自身を駆け巡ることに気が付いた。
そうだ、始祖人狼を前にして『血脈樹の脈動』の波を受けないはずがない。
凶暴なる衝動を呼び起こすそれに、敬輔はふっと笑った。
――そんなもの、関係ない。
凶暴なる衝動? そんなもの、始祖人狼に対する憎悪が増幅されるだけだ。
そしてその憎悪こそ自分の力となる。
敬輔は冷静だった。戦況を把握し、自分の状況も把握し、冷静故に敵の攻撃すら自分の力へと変える。
凶暴なる衝動が手にした黒剣に伝わり、その力を増していく。
「うおおおおおおお!!!!」
人狼騎士を踏み台に、敬輔は大きく跳躍した。
黒剣を最上段に振りかぶり、始祖人狼に叩き込む。
叩き込まれた黒剣は、確かに始祖人狼に届いた。
敬輔を捕えようとした始祖人狼の腕が、深く切り裂かれる。
大成功
🔵🔵🔵
サーシャ・エーレンベルク
……そうして骸の海に呑まれて、蘇れば私たちに牙を剥く。
結局、あなた達は自分のことだけしか考えていないのね。
どれほどの理由があろうと、これまであなた達が成してきた蛮行への断罪を止める理由はない。
――いくわよ、始祖人狼!
【白冰冬帝】を発動、冰の女王の真の姿へと変身するわ。
あらゆるモノが、全て鎧を纏った人狼騎士へと変質する……けれど、その一番の弱点は、そういったモノが意志と身体を持ってしまうということよ。
凍結の嵐で、次々と現れる人狼騎士を物言わぬ氷像に変えましょう。
氷嵐に紛れて潜伏し、それでも私を見たものは絶望に苛まれ、動きが鈍る。
凍てつき、冰れ。
始祖人狼を竜騎兵サーベルで叩き斬る!
「……そうして骸の海に呑まれて、蘇れば私たちに牙を剥く」
|人狼騎士《絶望》に包まれた戦場に、一輪の白い花が咲いた。
戦場に舞い降りたのはサーシャ・エーレンベルク(白き剣・f39904)。
階梯5の白狼の獣人、「戦場の白き剣」。
物心ついたときには既に少女兵だった。生きるために剣を握り、銃を撃った。
それでも、サーシャはこのクソッタレな世界を愛していた。
いつ訪れるとも分からない平和を、信じていた。
だからこそ、今目の前にある絶望は許せない。
だからこそ、|目の前の戦場《愛する世界》を滅茶苦茶にする始祖人狼は許せない。
「いくわよ、始祖人狼!」
サーシャはそう宣戦布告し、同時に、自分自身にも宣戦布告した。
サーシャの姿が、その戦闘服が白く染まっていく。
狼の耳がかわいらしいその頭には氷の冠が。戦闘服が氷のドレスへと変わっていく。
サーシャのユーベルコード、『|白冰冬帝《スカディ》』。自身を冰の女王へと変身させる美しく、冷たいユーベルコード。
鋭い冷気が辺り一帯を包み込む。
サーシャに襲い掛かろうとした人狼騎士が、新たに生れ出る人狼騎士が、次々と物言わぬ氷像へと化していく。
あらゆるものが人狼騎士と化していくこの戦場。一見、猟兵たちに圧倒的不利に見えるこの戦場だったが、たった一つ、致命的な弱点があった。
それはあらゆるもの、|無機質であっても《・・・・・・・・》人狼騎士と化した瞬間、意志あるもの、肉体あるものになってしまうことだった。
そう、サーシャのユーベルコードには|意志あるもの《彼女を見たもの》に多大な絶望を与える。
絶望したものはその瞬間、氷像へと変えられていく。
あっと言う間に、サーシャの周りは氷像の広場へと変化した。
勿論、氷像とて人狼病の対象である。氷像は即座に新たな人狼騎士へと変化するが、それすら新たな氷像へと作り変えられていく。
ゆっくりと、だが着実にサーシャは始祖人狼に向かって歩んでいった。
始祖人狼が巨大化した大剣を振り回し、『天蓋鮮血斬』を放つ。
サーシャの周りの氷像がただの氷のかけらと砕け散り、人狼騎士になり、氷像となる。
始祖人狼の『天蓋鮮血斬』はサーシャには届いていなかった。
サーシャは軽やかに宙を舞い、竜騎兵サーベルを構える。
「どれほどの理由があろうと、これまであなた達が成してきた蛮行への断罪を止める理由はない」
――私が愛したこの世界を壊そうというのなら。
サーシャのサーベルが始祖人狼に迫る。
始祖人狼がサーシャを捕えようと腕を伸ばす。
始祖人狼の腕に、サーベルが突き刺さる。
――凍てつき、冰れ。
瞬間、絶対零度と錯覚するほどの冷気が辺りに満ちた。
始祖人狼の腕が、凍結する。
サーシャがサーベルをひねると、始祖人狼の凍結した腕に罅が入り、砕け散る。
始祖人狼の追撃を回避し、サーシャは一歩後ろに跳んだ。
サーベルを振り、次なる隙を窺う。
その姿は、今までに看取った仲間の遺志を背負う気高き冰の女王そのものだった。
成功
🔵🔵🔴
仇死原・アンナ
アドリブ歓迎
五卿六眼…!忌々しき闇なるモノがこの世界に!
この世界を救う為に…さぁ行くぞ…私は…処刑人だッ!!!
鉄塊剣と妖刀抜き振るい地獄の炎纏わせて戦おう
武器を振るい敵群を怪力で吹き飛ばし、早業で切断し地獄の炎を巻き散らし
人狼騎士と人狼化する大気を焼き尽そう
妖刀で己の胸を突き刺し出血し【鮮血の海】を発動
流れる血の海で人狼化する大地を血液攻撃で焼却し無力化させよう
喧しい声だ…!鳴き声あげぬように…その首切り裂く!
全身に地獄の炎纏いて傷を修復回復してバーサークとなり血の海を駆け抜けて
鉄塊剣の鎧砕きで大剣を弾き飛ばし
その隙に妖刀を振るい首目掛け突き刺し切り裂きその首一つを狩り落とそう…!
「五卿六眼…!忌々しき闇なるモノがこの世界に!」
目の前で繰り広げられる無数の人狼騎士の誕生に仇死原・アンナ(処刑人、地獄の炎の花嫁、焔の騎士・f09978)は忌々しそうに声を上げた。
許さぬ、赦さぬ……。その想いはアンナを処刑人として奮い立たせる。
「この世界を救う為に…さぁ行くぞ…私は…処刑人だッ!!!」
人狼騎士の群れにアンナは飛び込む。
手にした鉄塊剣と妖刀、それに地獄の炎を纏わせ人狼騎士を斬り捨てるその姿はまさに処刑人、死を司る死神そのもの。
2本の|剣《つるぎ》と地獄の炎に人狼騎士が切り裂かれ、灼き尽くされ、塵へと化し、また人狼騎士へと変化し、灼き尽くされる。
ずん、とアンナが一歩踏み出す。
踏み抜かれた大地が人狼騎士へと変わるがその頭をも踏み抜き、アンナは前進する。
地獄の炎が舞う中、無数の人狼騎士が灼かれ、悲鳴が合唱する。
それに構わず、アンナは始祖人狼へと一歩、また一歩と進んでいった。
今はまだその時ではない。もう少し、もう少し近寄れば。
襲い来る人狼騎士を切り裂く。一歩踏み出す。
処刑人の剣が、始祖人狼の大剣と触れ合う距離まで迫る。
始祖人狼の三対の眼がアンナを捉える。
その視界に、アンナが妖刀を自分の胸に突き立てる姿が映った。
「唱和:――」
「遅い!」
アンナが吼える。
瞬間、アンナの全身から超高温の炎が吹きあがった。
否、炎ではない、吹き出したのは、超高温の血。
アンナから噴き出た血が地獄の炎を巻き起こし、周りの人狼騎士を、大気を、大地を、そして始祖人狼ですら灼き尽くさんと包み込む。
アンナのユーベルコード、『|鮮血の海《プール・オブ・ブラッド》』の発動、地形効果ですら無効化するそれは始祖人狼の『唱和』による共鳴ですら無効化し、唱和はただの遠吠えと成り果てる。
「喧しい声だ…!鳴き声あげぬように…その首切り裂く!」
アンナが地を蹴る。鉄塊剣を構え、地獄の炎を纏い、まるで獲物を見つけた地獄の番犬のように始祖人狼に迫る。
始祖人狼がアンナを切り裂かんと大剣を振るう。
それは周りの人狼騎士を巻き込みながらもアンナに迫るが、アンナはそれをやすやすと弾き返した!
あれは「鎧砕き」か、とアンナを見ていた猟兵の一人が呟く。
美しき焔の処刑人の鉄塊剣が始祖人狼を捉える。
「その首、貰い受ける!」
始祖人狼が吼える。
その首の一つが、切り裂かれ、宙を舞った。
成功
🔵🔵🔴
森宮・陽太
【WIZ】
アドリブ連携大歓迎
てめぇはダークセイヴァーと獣人戦線
両方の世界で民衆を苦しめ世界を支配して来たんだよな?
民衆に変わって、逆襲させてもらうか
「高速詠唱、言いくるめ」から指定UC発動し、悪魔「アスモデウス」召喚
アスモデウス、奴を生かしておくと人狼病とやらが蔓延する
まずはあの人狼騎士とやらを「範囲攻撃、制圧射撃、属性攻撃(炎)」の獄炎で徹底的に焼き払い道を作ってくれ!
獄炎で道が開かれたら「ダッシュ」し始祖人狼に肉薄
唱和は頭を1つ潰して阻止すっか
濃紺のアリスランスの柄を伸ばして頭を「ランスチャージ、串刺し」でぶち抜いて
淡紅のアリスグレイヴで首を薙ぎ払ってやらあ!
これが民衆の怒りってやつさ!
氷が、炎が、時間が荒れ狂う戦場。
その戦場に、新たな悪魔が舞い降りた。
「悪魔召喚『アスモデウス』!」
ユーベルコード『悪魔召喚「アスモデウス」』。召喚の呪文は高速詠唱ですっ飛ばし、現れたアスモデウスを言いくるめるは森宮・陽太(未来を見据える元暗殺者・f23693)。
「アスモデウス、奴を生かしておくと人狼病とやらが蔓延する!」
言いくるめというよりは正論ではあるが、アスモデウスは目の前の光景に納得し、協力することにしたらしい。
「しかし、てめぇはダークセイヴァーと獣人戦線、両方の世界で民衆を苦しめ世界を支配して来たんだよな?」
アスモデウスと並び、陽太は首が一つ落ちた始祖人狼を見据える。
「もう閉店の時間、民衆に変わって、逆襲させてもらうか!」
そう言い、陽太は地を、地が変化した人狼騎士を蹴った。
アスモデウスが炎を振り撒き、人狼騎士を焼き尽くしていく。
そうしてできた道を陽太は駆ける。
「唱和:――」
「その手は食わねえよ!」
始祖人狼は『唱和』する。
だが、その唱和が終わらぬうちに濃紺のアリスランスがその頭を貫く。
陽太が左手で持っていた濃紺のアリスランスの柄を伸ばしたランスチャージは今、確かに届いた。
始祖人狼のもう一つの頭が『唱和』するが、最後の頭となったその唱和は弱い。
「これは仲間たちの分!」
周りの猟兵たちの想いを受け、陽太は叫ぶ。
濃紺のアリスランスに貫かれた始祖人狼の頭がはじける。
それを振って血を、血から生まれつつある人狼騎士を振り払う。
続いて陽太は右手の淡紅のアリスグレイヴを振りかぶった。
「これは民衆の分!」
淡紅のアリスグレイヴが始祖人狼に迫る。
「誰も、お前を行かせたりなんかしねえ!」
――ましてや、猟兵を傷つけさせもしない!
淡紅のアリスグレイヴの刃が始祖人狼の残された首に食い込む。
「うおおおおおお!!!!」
全身の力と、アスモデウスの力を借りて、陽太は淡紅のアリスグレイヴを振り抜いた。
それに耐えきれず、始祖人狼の首が刎ね飛ぶ。
ゆっくりと倒れる始祖人狼。塵と化していく人狼騎士。
今、決着はついた。
民衆と、猟兵たちの想いにより、始祖人狼の唱和は食い止められたのだ。
陽介が両手の武器を頭上に掲げ、高らかに叫ぶ。
「これが民衆の怒りってやつさ!」
大成功
🔵🔵🔵