獣人世界大戦⑲〜赦されざる者はどちらか
「唱和:すべては|祈り《m'aider》より始まった」
――その存在に、もしかしたらかつて正義はあったのかもしれない。
「唱和:弱き吾々は|罪深き刃《ユーベルコード》に縋り」
「唱和:絶望の海に餮まれていった」
真実が明らかに、なろうとしている。
「唱和:全てを識った所で、変わるはずがない」
「唱和:その衝動こそが、猟兵の根源なのだから」
――猟兵とは、何者なのかを。
「唱和:故に吾々は排除する」
「唱和:はじまりの猟兵を。それを求むる者共を」
そしてだからこそ、その存在は正義ではない。
「唱和:疾く蔓延れ、吾そのものが『人狼病』……」
「唱和:|五卿六眼《ごきょうろくがん》照らす大地のあらゆるものを、吾が走狗と化してくれよう」
全てを『人狼化』するユーベルコードを用いて世界を滅ぼそうとするからこそ、彼――五卿六眼『始祖人狼』に『資格』は無いのだ。
「奴のユーベルコードは『人狼の始祖としての人狼病の根源的なキャリア』である事……即ち、人狼という種族その物と言えるわ」
レヴィア・イエローローズ(亡国の黄薔薇姫・f39891)はそう言って今回の勝利条件である『始祖人狼』の戦場について説明していく。
いよいよ『獣人世界大戦』も第三戦線に到達……最後の戦いだ。
「――動植物はどころか大気や水すらも『人狼化』させる、其れが『人狼病』のユーベルコード」
だからこそ、戦場に存在する「全て」が鎧を纏い剣を手にした「人狼騎士」と化し、始祖人狼の命に従って猟兵に襲い掛かって来るのだ。
――無尽蔵に現れるこれら人狼騎士を退けなければ始祖人狼に攻撃が届くこと決してない。
が、そもそも……『一瞬前まで足場や空気だったものが突然敵の群れと化す』状況にも対応しなければならないのだ。
間違いなく難敵……オブリビオン・フォーミュラ級の難敵と言えるだろう。
「だけど、わたくし達はそれでも『始祖人狼』を否定しなければならないわ」
猟兵の罪を弾劾する、というのが『始祖人狼』の行動原理らしい。
しかし、赦されない存在なのは――間違いなく『始祖人狼』の方だろう。
「完全に否定して、始祖人狼の信念と正義を……『始祖人狼の方が許されない』と叫べば、幾らか動揺するでしょう」
そう言いながら、レヴィアは黄薔薇のグリモアを展開していくのであった。
黒代朝希
第三戦線到達!
今回の勝利条件である『始祖人狼』との戦いとなります。
プレイングボーナス……無限に現れる人狼騎士をかわし、始祖人狼を攻撃する/大気や大地などなどの「人狼化」に対処する。
に加えて、
プレイングボーナス……『始祖人狼』の行いを弾劾する。
が存在します。
第三戦線到達の最初の時期の為、まずは完結数が揃い次第完結に移ります。
それでは、皆様の素晴らしいプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『始祖人狼』
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POW : 天蓋鮮血斬
【巨大化した大剣の一撃】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD : 血脈樹の脈動
戦場内に、見えない【「人狼病」感染】の流れを作り出す。下流にいる者は【凶暴なる衝動】に囚われ、回避率が激減する。
WIZ : 唱和
【3つの頭部】から、詠唱時間に応じて範囲が拡大する、【人狼化】の状態異常を与える【人狼化の強制共鳴】を放つ。
イラスト:UMEn人
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ロラン・ヒュッテンブレナー
アドリブOK
絡みNG
人狼病を撒いた者、狂気を撒いた者、苦しみを拡げる者…
病に苦しめられたぼくだけど、ぼくは今のぼくを、ぼくの中の|狂気《音狼》を受け入れたよ
自身を結界で包んで防御しつつもざわつく|音狼《人狼の狂気》と浸食を強める病に苦しみながら
ぼくは人狼になって、一人になって…
UC発動、右目が闇色に染まり右頬に紋様が浮かび上がる
「死」の力に魅入られて…
周囲の生物無生物全ての刻を速めて風化させながら
そして、ぼくはたくさんの大事なものを得たから
滅ぼすつもりで撒いた病だろうけど、思い通りにはならないよ
人狼だって、孤独を越えていける、それを証明するの!
忌むべき力の波動を何度も放ち、病を削っていくよ!
「人狼病を撒いた者、狂気を撒いた者、苦しみを拡げる者……病に苦しめられたぼくだけど、ぼくは今のぼくを、ぼくの中の|狂気《音狼》を受け入れたよ」
「唱和:知った事ではない」
瞬間、ロラン・ヒュッテンブレナー(人狼の電脳魔術士・f04258)の周囲に存在する大地、大気、氷雪が『人狼病』に感染。
即座に『人狼騎士』へと変貌したそれらは、ロランを八つ裂きにするべく迫り来る――
「唱和:罪深き猟兵に裁きを与えよ」
「ぼくは人狼になって、一人になって……「死」の力に魅入られて……それでも」
しかしロランも『生命体の埒外』の持ち主。
自身を結界で包んで防御しつつもざわつく音狼……人狼の狂気と、浸食を強める病に苦しみながらも――『|罪深き刃《ユーベルコード》』を発動する。
「|【死の循環】駆け抜ける乾風《シノカラカゼ》」
ロランの右目が闇色に染まり右頬に紋様が浮かび上がる。
それは五卿六眼『腐敗の王』の権能が如き有様――結界魔術から、あらゆる物質を透過し敵に『生命力崩壊と風化』の状態異常を与える『死の循環』由来の波動を放射するユーベルコード。
この力によって『始祖人狼』は、周囲の生物無生物全ての刻を速めて風化させて『人狼病』の感染爆発を封じられようとする。
「唱和:腐敗の王のユーベルコードを複製したのか」
「うん――そして、ぼくはたくさんの大事なものを得たから……滅ぼすつもりで撒いた病だろうけど、思い通りにはならないよ」
「唱和:戯言を抜かすな――『唱和』」
叫ぶと同時、五卿六眼『始祖人狼』は3つの頭部から『人狼化の強制共鳴』を放つ。
それに対してロランは、忌むべき力の波動を何度も放ち、病を削っていく!
「人狼だって、孤独を越えていける、それを証明するの!」
その答えを『始祖』に叩き付けるべく、|人狼《ロラン》は己の『生命体の埒外』をぶつけるのであった――
大成功
🔵🔵🔵
館野・敬輔
【POW】
アドリブ連携大歓迎
ダークセイヴァーを、そして獣人戦線の人々を苦しめた元凶など
始めから許すつもりはない
五卿六眼『始祖人狼』よ…ようやく捉えたぞ!
大気や水すら人狼騎士と化すなら、全方位攻撃で退けるのが早いか?
指定UC発動後、「武器に魔法を纏う」で黒剣に「破魔」の聖なる光を宿した上で
上下左右全方位に「衝撃波」を乱射し「範囲攻撃」して退けよう
天蓋鮮血斬はあえて回避しない
大剣の間合いは俺の黒剣の間合いより遠いはずだから
仮に当たったとしてもかすり傷ですむだろう
大剣を振り切ったその一瞬を「視力、見切り」で見極め
「ダッシュ」で懐に飛び込み、黒剣の「2回攻撃、怪力」で一気に斬り伏せる!
「ダークセイヴァーを、そして獣人戦線の人々を苦しめた元凶など、始めから許すつもりはない――五卿六眼『始祖人狼』よ……ようやく捉えたぞ!」
「唱和:闇の救済者よ、貴様が猟兵である限りその感情も決意も全ては無意味だ」
館野・敬輔(人間の黒騎士・f14505)の怒りを、ただ静かに全否定する『始祖人狼』。
だからと言って闇の救済者の方も黙ってはいない。
「大気や水すら人狼騎士と化すなら、全方位攻撃で退けるのが早いか?――闇と光は表裏一体の存在。今こそ俺と魂たちの闇を光に変える時!」
ユーベルコード『魂魄奥義・聖戦剣戟』によって『光輝く白鎧を纏った聖戦士』に変身した敬輔は『自身と意を同じくした魂を宿す黒剣』に破魔の力を宿した神聖な光を付与。
上下左右全方位へと衝撃波と共に放射する様、振るっていく――
「唱和:殲滅系ユーベルコードをあえて使わぬか」
「――そして、天蓋鮮血斬をあえて回避しない」
大剣の間合いは俺の黒剣の間合いより遠いはず……という見立て。
五卿六眼が大剣を振り切ったその一瞬を見切り、その隙を突いて懐に潜り込む。
「唱和:予測通りだ」
「かもな?」
瞬間、敬輔は二つ斬撃を放つ――前方の『始祖人狼』と後方の……『天蓋鮮血斬』の刀身が振れた大地から『人狼病』に感染し生まれた人狼騎士に、だ。
「二回攻撃、役に立ったぜ」
「唱和:小癪……猟兵に何が成せるという、この大罪人めが」
再び剣を振るい、五卿六眼の肉体に深い裂傷を与える闇の救済者。
その姿に――『始祖人狼』はただただ不快感と怒りを募らせるだけであった。
大成功
🔵🔵🔵
パトリシア・パープル
その辺の物をなんでも味方にしちゃうってわけね
わたしもそういう技持ってるけど……それで張り合っても千日手になりそうね
だったら、開き直って自分から攻めるのを止めるわ
UCを使って自身を量子化
存在を不確定にして攻撃素通りさせると同時に、触れた人狼騎士を侵食して同時存在化……有体にいえば制御を乗っ取るってわけ
これで始祖人狼を攻撃させれば戦力はこっちが無尽蔵っしょ
始祖人狼から直接攻撃受けても死ぬのは人狼騎士だけだし
始祖人狼の剣を侵食して自傷でもさせられれば儲けものね
「始まりはどうあれ、わたしは正義の味方のつもりで戦ってるの!
「病気撒き散らして被害者増やすだけのあなたにどうこう言われる筋合いないってわけ!
「その辺の物をなんでも味方にしちゃうってわけね。わたしもそういう技持ってるけど……それで張り合っても千日手になりそうね」
「唱和:その通り、世界を文字通り味方に変えるというなら吾の独壇場である」
言葉通りに『人狼病』を周囲に散布し、環境そのものから人狼騎士を生み出していく『始祖人狼』。
パトリシア・パープル(スカンクレディ・f03038)はその様子を見て、相手の舞台に立つのは悪手だと理解する。
「だったら、開き直って自分から攻めるのを止めるわ――悪いけど、お触りは厳禁なのよね~♪」
それは『全身を触れた対象を任意で侵食する量子的存在』に変えるユーベルコード……名を『|MOF式接触禁止令《イエス・モフモフ・ノータッチ》』。
存在を不確定にして攻撃素通りさせると同時に、触れた人狼騎士を侵食していく――
「唱和:愚かな、吾こそ『人狼病』――病の概念そのものを侵食できるものか」
「そこまで思い上がっていないわ……」
パトリシアの言葉と同時……『始祖人狼』の懐から出現した人狼騎士が――『始祖人狼』を切り裂く。
「精々、有体にいえば『今この瞬間から生み出された人狼騎士』の制御を乗っ取る位よ……これで始祖人狼を攻撃させれば戦力はこっちが無尽蔵っしょ」
「唱和:馬鹿め、全てを乗っ取れると思って――」
「そうね。でもこのユーベルコードの間はわたしにあなたも人狼騎士も触れられないわ」
「唱和:ならば――」
振るわれた『天蓋鮮血斬』がパトリシアの首を薙ぐが、彼女を絶命させるには至らない。
それどころか……振るわれた『天蓋鮮血斬』が、使用者そのものを切り裂いたではないか。
「馬鹿ねー、始祖人狼の剣を侵食して自傷でもさせられれば儲けものと思っていたんだけど……其れは良いとして」
と、真剣な顔をしてパトリシアは語りだす。
「始まりはどうあれ、わたしは正義の味方のつもりで戦ってるの!――病気撒き散らして被害者増やすだけのあなたにどうこう言われる筋合いないってわけ」
「唱和:――真実を知ってから言え、無駄だろうがな」
そんな言葉とユーベルコードのぶつけ合いを、パトリシアと『始祖人狼』は繰り広げていくのであった。
大成功
🔵🔵🔵
サーシャ・エーレンベルク
あらゆるものを人狼化、周辺に存在するモノ全てが敵というわけね。
あなたの言い分はもう結構。
あなた達のせいでこの世界の獣人たちがどれほど苦しんでいるのか。
あなたの行動や目的に相当の理由があれど、それが今まで消え失せた命への免罪符にはならないのよ!
【白冰冬帝】を発動、冰の女王の真の姿へと変身するわ。
あらゆるモノが、全て鎧を纏った人狼騎士へと変質する……けれど、その一番の弱点は、そういったモノが意志と身体を持ってしまうということよ。
凍結の嵐で、次々と現れる人狼騎士を物言わぬ氷像に変えましょう。
氷嵐に紛れて潜伏し、それでも私を見たものは絶望に苛まれ、動きが鈍る。
凍てつき、冰れ!
竜騎兵サーベルで叩き斬る!
「あらゆるものを人狼化、周辺に存在するモノ全てが敵というわけね」
だからこそ、サーシャ・エーレンベルク(白き剣・f39904)はユーベルコード『|白冰冬帝《スカディ》』を発動する。
冰の女王の真の姿『白冰冬帝』へと変身し、何もかもを凍てつかせていく。
「凍てつき、冰れ――あらゆるモノが、全て鎧を纏った人狼騎士へと変質する……けれど、その一番の弱点は、そういったモノが意志と身体を持ってしまうということよ」
戦場一帯に展開された凍結の嵐で、次々と周囲の環境が『人狼病』に感染する事で現れる人狼騎士を物言わぬ氷像に変えていく。
それでも凍結から生き残った人狼騎士は、氷嵐に紛れて潜伏するが……
「私を見たわね」
瞬時に絶望し、己の持つ武器で自害していく。
自身を見た全員に『絶望』の感情を与える――それこそが『戦場を包む凍結嵐を展開する』と並ぶ『|白冰冬帝《スカディ》』のもう一つの能力。
そうして周囲の人狼騎士を全滅させた後、冷厳にサーシャは五卿六眼『始祖人狼』と相対する。
「唱和:全てを識った所で、変わるはずが――ゴフッ!?」
「もう、良い……自分だけ安全な場所で大上段から演説する存在の言葉に、どんな重みがあるというの?」
サーシャは怒っていた――『始祖人狼』の卑劣さに。
「あなたの言い分はもう結構……あなた達のせいでこの世界の獣人たちがどれほど苦しんでいるのか」
其れだけが、『始祖人狼』の真実。
ワルシャワ条約機構という暴虐によって、どれだけ多くの罪のない獣人が絶望に苛まれながら死んだのか。
――バイカル湖が、いい例だろう。
「あなたの行動や目的に相当の理由があれど、それが今まで消え失せた命への免罪符にはならないのよ!」
「唱和:何も知らぬ猟兵が――」
「何もかも知っているからって、赦されると思わないで!」
竜騎兵サーベルで、五卿六眼『始祖人狼』の全ての首を――言葉と信念ごとサーシャは叩き斬る!
「凍てつき、冰れ!」
首を失い、倒れ伏す『始祖人狼』の肉体は氷結し……そのまま凍結粉砕されていく。
その様子を見届けたサーシャは、踵を返すのであった――
大成功
🔵🔵🔵