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獣人世界大戦②〜ハイランダー・ソング

#獣人戦線 #クロムキャバリア #獣人世界大戦 #第一戦線 #ゾルダートグラード #『A』ubade

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●迷宮要塞
 スイス、アルプス山脈を要する大地。
 その地下に異常なほど巨大な空洞が存在している。
『迷宮要塞』
 それが、その巨大な空洞の名であった。
「まったく此処も猟兵の予知の対象になるとは」
 毒づく、とまでは言わないが、しかし辟易したように呟くのは一人の女性だった。
 眼の前にはクロムキャバリアの最新鋭キャバリア『イカルガ』である。
 居並ぶキャバリアのカラーリングは全て白銀であった。

「嘆いても仕方のないことです。猟兵が此処に迫るというのならば『これ』の出番というもの」
 彼女の言葉に従うように鋼鉄の巨人……体高5m級の戦術兵器キャバリア『イカルガ』のアイセンサーが起動を知らせるように輝く。
 次々と動き出す機体。
 白銀のカラーリングを持つ『イカルガ』たちは『迷宮要塞』の内部へと迅速に配置されていく。
 戦場となるのは『迷宮要塞』の内部。
 本来なら空中戦を得意とする『イカルガ』にとって、要塞内部での戦いは不利であった。
 だが、『迷宮要塞』は『巨大戦力の為に存在している。
 つまり、体高5m級の戦術兵器であっても十分に戦えるだけのスペースがある、ということだ。

「『疑似脳』、その性能、いえ、精度を高めるにはトライ・アンド・エラーを繰り返すしかない。失敗の連続ではありますが、何、最後に成功すればいいのです」
 女性は次々と出撃して行く『イカルガ』たちを見送り消耗も失敗も意に介していない様子だった。
 彼女、『ノイン』の目指す最終目的を妨げるは猟兵。
 この程度で止まるとは思っていない。
 だが、止められないとも思っていない。
「失敗は成功の母。積み上げた勝利は、一度の敗北で全て瓦解する。せいぜい積み上げるがいいのです。最後、最後だけ私が勝てばいいのです――」

●獣人世界大戦
 グリモアベースに集まってきた猟兵たちを迎えたのはナイアルテ・ブーゾヴァ(神月円明・f25860)であった。
「お集まり頂きありがとうございます。獣人戦線にて獣人世界大戦が勃発いたしました。此度はスイス……アルプス山間部の地下に巨大な『迷宮要塞』が存在することを予知しました」
 ナイアルテは、如何にその空洞が巨大であるかを示す。
 まるで何らかの『巨大戦力』のために存在しているかのようであったが、憶測の域をえない。
 しかし、ここで『迷宮要塞』を捨て置くことはできないだろう。

「はい。おっしゃられるとおりです。この『迷宮要塞』には多数の『クロムキャバリア製の最新鋭キャバリア』が配置されているのです。この戦力を温存させることは、この大いなる戦いに置いては禍根となることでしょう」
 つまり、この要塞に乗り込み、キャバリアを打ち倒せば良いということだ。
 だが、敵の数は多い。
 全てを撃破することは難しいだろう。
「可能な限りでよいのです。多ければ多いということには変わりないのですが……」
 そう、ナイアルテの懸念は数以外にもある。
 キャバリアが高性能だからか。
 それもあるだろう。
「問題は、その『イカルガ』の動きです。どう見ても一般兵のそれではありません。動きがよい、といえば良いのでしょうか」
『イカルガ』の運用に慣熟が見て取れるというのだ。

 油断ならぬ相手であるということは言うまでもないだろう。
「くれぐれも無茶をなさらぬように。敵の脅威は言うまでもありませんが、皆さんが消耗しては元も子もありません。可能な限り多数を。しかし、深入りすることなく破壊を確認後、迅速に撤退を」
 それをどうか徹底して欲しいとナイアルテは告げ、猟兵たちを『迷宮要塞』へと送り出すのだった――。


海鶴
 マスターの海鶴です。

 ※これは1章構成の『獣人世界大戦』の戦争シナリオとなります。

 獣人世界大戦勃発後、スイスの山間部、その地下に巨大な空洞があることが予知されました。
 名を『迷宮要塞』。
 どうやら『巨大戦力』のための空間であるようですが、詳細は不明です。
 この要塞内部での戦いになりますが、敵は多数の『クロムキャバリア製の最新鋭キャバリア』を有しています。
『イカルガ』と呼ばれる高性能量産機です。
 またパイロットは慣熟しているのか、動きがよいです。
 性能共に量産機とは言え、油断ならぬ敵です。要塞内部は広く、空間戦闘を行うには十分です。

 この状況で可能な限りの敵を撃破し、迅速に撤退しましょう。

 ※プレイングボーナス……キャバリアを用いた集団戦闘に対処する。

 それでは、超大国をも巻き込んだ獣人世界大戦にて多くを救うために戦う皆さんの物語の一片となれますよう、いっぱいがんばります!
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第1章 集団戦 『イカルガ』

POW   :    クイックスラッシュ
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【ビームソード 】から【連続斬撃】を放つ。
SPD   :    クイックショット
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【アサルトライフル 】から【連続射撃】を放つ。
WIZ   :    マイクロミサイル
レベルm半径内の敵全てを、幾何学模様を描き複雑に飛翔する、レベル×10本の【超高機動小型誘導弾 】で包囲攻撃する。

イラスト:タタラ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アレクサンドル・バジル
「敵はキャバリアか。たまにはスルトも運動が必要かねえ」
という事で『スルト』に搭乗して迷宮要塞へ。

おお、ぞろぞろと。
広いとは言え空洞内部で超音速で飛び回るとか危ねえぞ。

敵SPDUCを見た感想。

それじゃと――【闇黒炎雷】発動。
超音速に対して雷速。戦場全体に吹き荒ぶ黒い雷で動きを止めて黒い炎で燃やし尽くしていきましょう。

あん、出番がない?
まだ生きてるのがいるじゃねえか。トドメを刺して行くぞ。

とスルトを操って動きの鈍った生き残りの敵を破壊していきましょう。



『迷宮要塞』の内部は広々としていた。
 これが地下である、ということを一瞬忘れるほどであったし、同時にこれでは空間内戦闘であろうとも体高5m級の戦術兵器であるキャバリアには関係ないようにも思えた。
 とは言え、この広義の意味で室内とも言える空間で戦うことに変わりはない。
 白銀の『イカルガ』たちは粛々たる様子で『迷宮要塞』へと侵入してくる猟兵たちを迎え撃つために陣取った。
「……」
 言葉はない。
 だが、敵意だけは募るように要塞内部の空間に満ちていく。

「敵はキャバリアか」
 アレクサンドル・バジル(黒炎・f28861)は己の乗機であり漆黒のオブリビオンマシン『スルト』と共に要塞へと足を踏み入れていた。
 たまには運動が必要であろう、と彼は『スルト』のコクピットで軽く腕を組む。
「おお、ぞろぞろと」
 現れた猟兵、『スルト』に対して即座に『イカルガ』は動いた。
 背部のバックパックは元より空中戦のための装備である。
 次々と地面を蹴って飛翔し、『スルト』へと迫る。この空間内部で空中戦をしようというのだ。
「おいおい、広いとは言え空洞内部で超音速で飛び回るとあぶねえぞ」
 迫る弾丸。
 アサルトライフルと背面バックパックを利用しての立体的な機動。
 確かに高性能であると言わざるをえないだろう。

 そして、それを操るパイロットの技量も。
「なかなかやるじゃねえの」
 とは言え、とアレクサンドルの瞳が剣呑に輝く。
 ユーベルコードの輝き。
 迫る弾丸を『スルト』は肩慣らしだと言わんばかりに躱しながら『イカルガ』へと迫る。即座に空中で旋回すうように機体をひねる『イカルガ』。
「へえ、判断も悪くない。だがよ!」
『スルト』の掲げた手のひらから戦場に迸るは黒い炎と雷。
 吹きすさぶような黒色の炎雷は『イカルガ』たちへと迫り、追いすがる。

「はっ、超音速だろうがなんだろうが、こっちは雷速。例え、耐えきったとてな!」
 闇黒炎雷(クロイホノオトイカズチ)の一撃に『イカルガ』たちは機体から煙を上げながらも耐えきっていた。 
 だが、アレクサンドルは笑う。
 これは『スルト』の運動なのだ。ならばこそ、アレクサンドルは『スルト』が己に出番がないことを訴えるような思念を向けることに笑ったのだ。
「あん? 出番がない? 心配すんなよ。まだ生きてるじゃねえか。トドメを刺しに行くぞ」
 その言葉に軋む機体を持ち上げながら『イカルガ』がアサルトライフルを向ける。
 銃口から弾丸が放たれるより早く『スルト』は踏み込み、その銃身を掴み上げ、握りつぶす。

 破壊された銃身の奥で弾丸がつまり、爆発する。
 その爆発に照らされた漆黒の装甲が照り返る中、『スルト』の貫手の一撃が『イカルガ』の胴を貫く。
 ひしゃげた胴体が揺れ、『スルト』は興味を喪ったように腕を引き抜き、投げ捨てる。
 ジェネレーターが咆哮のように唸りを上げている。
 まだまだ食い足りないというように。
「久方の運動だ。存分に楽しめよ」
 アレクサンドルはそう笑って、『スルト』の咆哮と共に未だ動く『イカルガ』へと襲いかかるのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ジークリット・ヴォルフガング
●POW

ヴィルトルート先輩の配信…まさに圧巻の一言であった
雲霞の如く迫り来る敵を笑い声のみで一蹴する芸当は出来ないが、私には|剣《コイツ》がある
題して『キャバリア相手に百機斬りしてみた』
うむ、我ながら良い題目だ
ナノはプロデュースで忙しいそうだが、私ここはだけも十分である

エアシューズユニットの【空中機動】により迷宮要塞へ侵入及び応戦
キャバリアだろうが、私に言わせればダモクレスと変わりない
それに有人機ならではな、コックピットを潰すか無力化すればそれまでなのが助かる

質量はそちらが上だが、重力を解放したゾディアックソードによる『ジャストガード』で押し返し、体勢が崩れたらば『ゾディアックブレイク』だ



 ケルチューバーにとって配信とは他者と世界とを繋ぐ架け橋である。
 他世界のことであるとは言え、争いは人の憎むべきものである。
 闘いによって奪われる生命がなければよいと誰もが思うだろう。だが、争いが勃発すれば失われない生命などない。
 故にジークリット・ヴォルフガング(人狼の傭兵騎士・f40843)は思う。
 先んじて、獣人世界大戦に参じた先輩ケルチューバーとプロデューサーの敏腕なる配信はまさしく圧巻の人ことえあった。
 雲霞のごとく迫る敵を笑い声というか、ビームというか、ユーベルコードで一蹴する芸当はジークリットにはできない。
「だが、私には|剣《コイツ》がある」
 手にしているのはゾディアックソードである。
 星座の重力を宿した剣。

 言うまでもなく、彼女が長年愛用し続けている牡羊座のゾディアックソード。
 手に馴染む感触に彼女は頭に閃いた題目を口に出す。
「題して『キャバリア相手に百機斬りしてみた』、だな。うむ。我ながらよい題目だ」
 いつもはプロデュースしてくれる猟兵がいるのだが、あいにくと忙しい様子。
 ならば、己が一人でもやらねばならない。
 ひとりでできるもん! か、もしくは、はじめてのおつかいを見ているような気分にさせられるのはどうしてだろうか。
「それにここが地下の巨大な空洞にある要塞であるというのも中々に興味をそそられるシュチュエーションではないか?」
 ジークリットは『迷宮要塞』の内部に足を踏み入れ、侵入者である猟兵たちを排除せんと迫る白銀のキャバリア『イカルガ』を見上げる

 鋼鉄の巨人。
 そのくせ、機動力が高く武装も豊富。
 確かにこれならば戦場の花形となるのも頷けるところであった。
「だが、私とて!」
 エアシューズユニットが起動し、彼女の体を空へと打ち出すようにして力を発揮する。
 風が巻き起こるようにしてジークリットは『イカルガ』へと迫る。
「……」
『イカルガ』のパイロットたちは答えない。
 ただ、ビームソードを抜き払い、生身単身であるジークリットにも構わず、その熱量迸る斬撃を叩き込んでくるのだ。
 火花が散った。
 凄まじい熱量が押し込んでくるが、しかしジークリットは構えたゾディアックソードで受け止めていた。

「……」
 そこへさらに連続で叩きつけるようにしてビームソードが打ち付けられる。
 大地が割れるほどの衝撃と熱量。
 だが、ジークリットの瞳には不敵なる笑みが浮かんでいた。
「やはりな……キャバリアだろうが、私に言わせればダモクレスと変わりない。加えて!」
 ビームソードを弾き返しながら重力を開放したゾディアックソードをジークリットは構える。
 この時、配信コメントでは『狼ゴリラ』や『肉体派女騎士』だとかなんとも言えない不名誉な称号が流れていたが、そんなわけないだろ! ジークリットさんは美人騎士だろ! みたいな擁護が一切ないのがジークリットの配信のファンたちの共通の見解であった。理不尽である。
 だが、その言葉を裏付けるように彼女は体高5m級の戦術兵器の一撃を弾き返していたのだ。

 そして、返す刃でもって開放された重力の一閃が『イカルガ』の胴を薙ぎ払っていた。
 流れるような胴への一撃。
 それはまるで流水のようであり、また一部の無駄もない斬撃であった。
「これこそ剣に宿りし星辰の重力。悪しき護りなど容易い!」
 ゾディアックブレイクの一撃によって『イカルガ』が胴より一刀両断され、崩れ落ちる。
 コメントは大盛りあがりであり、『さすゴリ』などというコメントが一斉に流れジークリットは更に迫る『イカルガ』たちをも膾切りにするのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

祝・成豊
地下の巨大空洞と言うたな?
それはつまり、壁も天井も自然物で出来ておるということじゃ
岩場じゃろうが問題はない
儂ら植物は岩にも生えるでな

杖を地に打ち付け森を生む。木を伝い、壁に打ち付けまた森を生み、繰り返すことで天井まで森で埋めよう。
はは、飛びづらかろう? もちろんそれだけではないぞ。
森の植物はキャバリアを拘束しようとする。獣は群れで襲いかかる。
儂を殺すまで彼奴ばらは湧き続けるが、儂は森の中にいる限りけして死なぬ。
範囲攻撃したとて、穴はすぐ木々で埋まる。

意識が森の植物と獣に向いた隙を狙い、隠密度の上がった儂も、根で貫いたり絡め取りねじ切ったりと攻撃してゆくぞ。
ここは今より我が領土。汝ら肥料となれ。



 体高5m級の戦術兵器、キャバリア。
 それは確かに鋼鉄の巨人のごとき威容を持っていたことだろう。
 そして、その巨大な兵器を扱うためには地下という環境において巨大な空洞が必要になる。
 なにせ、人間サイズでは賄えないほどキャバリアは巨大なのだ。
 故にスイスの山間部の地下にて『迷宮要塞』は存在している。
「ならば、壁も天井も自然物でできている、ということじゃ」
 祝・成豊(豊穣・鎮守・盛衰・f42643)は、迷宮に侵入し、その壁面や天井を見やる。
 どれもが岩肌をくり抜いたものであることがわかるだろう。
 元より自然にできたものであるかもしれない。
 けれど、その後から掘り進めたか否かということは成豊にとって問題ではない。

 此処が自然物で囲まれているかどうか、とうのが彼にとって必要な情報だったのだ。
「岩場じゃろうが問題はない」
 手にした杖の先を地面に打ち付ける。
 瞬間、彼の周囲が森へと変貌していく。
 比喩ではない。
 彼の瞳がユーベルコードに輝き、その杖を打ち付けた地点を中心に木々がはびこり、根を張り、蔓延っていくのだ。
「……」
 その様子をキャバリア『イカルガ』たちは見やる。
 突如として森が現れたことへの驚愕だろうか、一瞬動きが止まるが、背面のバックパックから放たれたマイクロミサイルがこれを焼き滅ぼそうとする。

 だが、それより早く躍動する森の主(セルヴ・アミーカ)たる成豊のユーベルコードが要塞内部に木々を生み出していく。
「はは、飛びづらかろう? それに焼き払う以外に手段はない」
 ビームソードで切り裂いても、その端から木々は成長していくのだ。
 加えて。
「それだけではないぞ?」
 木々は蔦や枝を伸ばし『イカルガ』を捉えようとするのだ。
 さらに植物性の獣となって植物たちが『イカルガ』の脚部に絡まり、足取るのだ。
 身動きなど十分にできるわけがない。
 無限に湧き出す木々。
 その中心で成豊は笑む。

 樹木に鈴なりになった果実を一つもいでかじる。
 果肉から甘い果汁が溢れかえり、よく熟れていることがわかる。
 それは彼に無敵性を与え、いかなる傷をも即座に癒やす。
 そう、此処にいる限り成豊は無敵なのだ。
「ここは今より我が領土」
 ユーベルコードに輝く瞳で持って成豊は告げる。
 それは森の主としての言葉であり、絶対的な支配者としての言葉であった。
 はびこる木々は次々と『イカルガ』たちを飲み込み、さらには鋼鉄の駆体すらひしゃげさせていく。

 どんなにマイクロミサイルが降り注ぎ、炎でもって樹木を燃やすのだとしても、灰となった木々は次なる世代を育む養分となって地に還り、次なる世代たる木々が成長しては、さらに『イカルガ』たちを飲み込んでいく。
「汝ら、肥料となれ」
 それ以上でも以下でもない。
 成豊の告げる言葉と共に木々は『迷宮要塞』にはびこり、侵入者を撃退せんと迫っていた『イカルガ』たちをたちまちの内に後退に追い込むのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

神酒坂・恭二郎
この速度は厄介だね
鹿も中々に手練れだ。妙にAIっぽくないねぇ

銀河一文字を担いで参戦する
当然として引き撃ちされるだろうが、対処はある
刀を突きだして、切っ先に風桜子を籠めて前面に尖った障壁を作り連続射撃を受けとめいなす。タイミングが命だ【見切り、受け流し、オーラ防御、結界術】

反撃はシンプル。霞の構えを弓を引くような構えに変え、彼方の虚空を捉え「サイコキネシス」で突きを放つ【鎧無視攻撃、衝撃波】
狙撃ではなく、あくまで刀の延長に相手がいると思って射抜くのがコツだ

「神酒坂風桜子一刀流……無明遠当て」
ってなもんかね
もし奴等が接近戦に切り替えるなら、刃で応じるまでだ
手強い相手だ。ここで数を減らしておきたいね



『迷宮要塞』へと侵入した猟兵たちを迎え撃つはキャバリア『イカルガ』である。
 白銀の『イカルガ』たちは、この屋内という状況でありながら要塞内部を飛翔し、その機動性でもって猟兵たちを翻弄しようとしていた。
 背面のバックパックによる高機動。
 それは本来ならば屋内での戦闘に不向きなる性能であろう。
 だが、これを操るパイロット……と言って良いのかは語弊があるが、しかし、これを操る者たちはそんなことなど些細な問題であると言わんばかりに迫るのだ。
「この速度は厄介だね」
 神酒坂・恭二郎(スペース剣豪・f09970)は迫る体高5m級の戦術兵器が器用に僚機の合間を縫うようにして機動してくるさまを見やる。
 手練れた者たちだ、と理解が及ぶ。
 無人機にしては人のクセがあり、またAIというには生々しい戦意に満ちているように思えたのだ。

 大業物を構えた恭二郎は『イカルガ』より放たれたビームソードの一撃を受け止める。生身刀身たる恭二郎へと放たれる一撃は重たく鋭い。
 火花が散り、その余波で要塞内部の壁面が溶解する。
 いなすようにして恭二郎は『イカルガ』の斬撃を受け流し、踏み込む。
 すぐさま『イカルガ』が後退し、これを躱す。
 やはり人間らしい動きである、と恭二郎は理解しただろう。
「タイミングが命なんだ、これは」
 恭二郎は己が手を弓引くように掲げ、彼方の虚空を捉えるようにしてサイコキネシスを放つ。
 サイキックエナジーが放出され、『イカルガ』の鋼鉄の駆体を掴み上げる。
 いや、それは掴むという動作ではなかった。

 放たれるは矢。
 それも否である。
 サイコキネシスはサイキックエナジーを放つユーベルコード。
 しかし、あくまで恭二郎にとってサイキックエナジーは己が刀の延長である。
 射抜く形をとれど、根本的には突きなのである。
「神酒坂風桜子一刀流……無明遠当て、てなもんかね」
 放たれたサイキックエナジーによる打突の一撃が『イカルガ』の躯体を吹き飛ばし、その装甲を穿つ。
「おっと!」
 一機を打倒しても、次々と後続の『イカルガ』たちがやってくる。

 面倒この上ないことである。
 しかし、恭二郎は繰り出さえるビームソードの斬撃を刃で受け止め、また受け流す。
 躱すことができないのではない。
 敵が手強い相手だと理解しているからこそ、己に引き付け、一機でも多くを打倒したいと思うのだ。
「手強い相手だ。だが、ここで数を減らしておけるのならば」
 それに越したことはない、と恭二郎は己が刀とサイキックエナジーでもって次々と生身単身ではない間合を持って『イカルガ』たちを圧倒する。
 敵の動きがよい、というのは理解している。

 だが、戦えない相手ではない。
 敵の思惑がどうであれ、この戦いの勝利は獣人世界大戦に勝利するための礎になるだろう。
「さあ、次だ。厄介な相手だろうが手練れだろうが、此処で全て叩き斬る――」

大成功 🔵​🔵​🔵​

印旛院・ラビニア
意思あるオブリビオンマシン『劫禍』に搭乗
劫『俺様達の部隊としては手狭だが、せいぜい豪華に迎えてくれよ』
ラ「向こうが高機動を活かしきれない分戦いが楽になるんだけどね」
施設内という【地形の利用】で相手の動きを制限させることで動きを読み【見切り】、【カウンター】でクローを突き立てる。ついでに武器を奪って暴れとく
更には手足からドリル弾を射出して、UCで命中した相手を操ろうとする(無理そうなら爆破)、操るついでにイカルガの練度の高い理由を【ハッキング】して解析
『成程。有象無象に委ねるよりはよほど効率がいいだろう。ならば、俺様達にはどう足掻いても勝てぬと学習させてやろう!』
「その自信どこから来るかな」



 白銀のキャバリアたちが『迷宮要塞』内部をせわしなく飛び回る。
 体高5m級の戦術兵器が自在に飛び回っても支障がないほどの空洞。
 それがスイスの山間部、その地下にあることを未だに信じられない。一体何を目的として、このような空洞が生み出されたのか。
 自然的なものか。それとも人為的なものか。
 いずれにしても、ここがオブリビオンの巣窟であり、罪なき獣人たちを機械化しようとする者の尖兵がいるというのならば、戦わない理由はない。
「でも、これだけの数を用意するのは大変だよね」
 印旛院・ラビニア(エタらない人(仮)・f42058)は己が収まっているオブリビオンマシン『劫禍』のコクピットで呟く。

 敵は量産機ながら高性能。
 加えて、パイロットは手練れであるように思えた。
 隙なく飛ぶ『イカルガ』は連携こそしないものの、単騎で高い戦闘力を有していることがわかる。
『俺様達の部隊としては手狭だが、豪華なお出迎えじゃないか』
 意志持つオブリビオンマシン『劫禍』の言葉にラビニアは頷く。
「向こうが高機動を活かしきれない分、戦いが楽になるんだけど……そんなの関係ないって感じだね」
 ラビニアの言葉が示す通り、迫る白銀の『イカルガ』の振るうビームソードの一撃が『劫禍』へと振り下ろされる。
 出力の高いビームソードの一撃を受ければ、如何に『劫禍』の装甲が熱かろうが切り裂かれてしまうだろう。
 故にラビニアは『劫禍』を操り、ビームソードの連続攻撃の合間を縫うようにしてカウンターの一撃、その腕部クローの一撃を『イカルガ』へと叩き込む。

 軋む駆体。
 だが、『イカルガ』は逆手に握りしめたビームソードを『劫禍』へと叩き込まんと振り上げる。
『しぶとい』
「なら!」
『わかっている! 俺様の支配からは何人たりと逃れられんぞ!』
 打ち込まれるはピンバイス型ドリル。
『劫禍』より放たれた一撃が『イカルガ』の装甲を穿ち、さらに濃縮された『劫禍』より生み出された骸の海を流し込むのだ。
 駆体が揺れる。
 軋む、というより痙攣するように『イカルガ』が震え『劫禍』のアイセンサーが煌めく。

『爆ぜろっ!』
 炸裂する骸の海。
 濃縮されたそれは、『イカルガ』の内部へと浸透し炸裂したのだ。
 内部から破壊された『イカルガ』の爆発から『劫禍』は飛び出し、さらに迫る『イカルガ』の一撃を躱すあ。
『成程。有象無象に委ねるよりはよほど効率がいいだろう。ならば、俺様達にはどうあがいても勝てぬと学習させてろう!』
「その自信どこから来るのかな?」
『この俺様が支配する! カラミティ・ドミネイトは、そのための力だからだ!』
 咆哮するように『劫禍』のジェネレーターが唸りを上げ、更に迫る『イカルガ』を打ち倒し、要塞内部の戦いは『劫禍』に支配されるのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

村崎・ゆかり
飛行型のキャバリアか。一番面倒な。閉鎖空間と言っても、広すぎるしね。

とはいえ、やることは変わらない。飛ぶ相手にはこの絶陣。
「全力魔法」風の「属性攻撃」「範囲攻撃」「衝撃波」「斬撃波」で風吼陣。
射程を五倍に、移動力を二分の一に。

飛び回るキャバリアを、まとめて竜巻の渦に飲み込んで、ぶつけ合わせる。飛んでる刀剣がカメラや関節部を貫くこともあるかもね。
……あの動きのクセ、覚えがあるな。まさか『ブリュンヒルト』!?
コクピットの中が見えるの、ないかな?

とにかく、この絶陣で叩けるだけ叩く。射撃してこないのならこっちのものよ。撃ってくるとしても、まともに狙えないでしょうけどね。

成果は上々。ここまでね。



 背面のスラスターバインダー、そのバックパックによってキャバリア『イカルガ』は量産機ながら高い水準の性能を誇る機体である。
『迷宮要塞』内部とは言え、巨大な何かが活動するために必要な空洞は巨大であった。
 故に『イカルガ』の性能を損なうことなく、この屋内戦闘は繰り広げられていたのだ。
「閉鎖区間と言っても、広すぎるわね」
 屋内であるからこそ『イカルガ』の性能は十全に発揮されないはずだった。
 だが、改めてこの空洞たる要塞内部に足を踏み入れた村崎・ゆかり(“紫蘭”/黒鴉遣い・f01658)は、認識を改める。
「一番面倒よね、この状況で高機動で飛ぶっていうのは。とは言え、やることは変わらないわ」
 ゆかりの瞳がユーベルコードに輝く。
 どうあっても戦うしかない。
 それが猟兵とオブリビオンの間柄である。
 ならば、余計な遠慮は不要。
 そう考えたゆかりが選ぶユーベルコード、絶陣の一つこそが風吼陣(フウコウジン)であった。

「古の絶陣の一を、我ここに呼び覚まさん。天上までも響き渡る破壊の風よ。その身に宿せし無限の剣刃により触れるもの悉くを裁断せよ。疾!」
『迷宮要塞』内部に吹き荒れる暴風。
 それは刀剣を無数に抱くようにして生まれ、『イカルガ』たちを取り囲むのだ。
「力の及ぶ範囲を拡大!」
 吹き荒れる力。
 しかし、そのためゆかりは移動することができなくなってしまう。
 その欠点を補うようにゆかりは、広範囲に風の力を行き渡らせる。これだけの暴風である。如何に『イカルガ』が飛翔能力を獲得しているのだとしても、まともに飛ぶことはできないだろう。

 仮に飛ぶことができたとしても、敵は群れだ。
 互いの機体とぶつかり合って、失墜するのがオチであろう。
 加えて、ゆかりのユーベルコードは暴風の中に無数の刀剣を抱く。
 それらが風の力を受けて『イカルガ』たちのアイセンサーや駆動部を狙うのだ。
「……」
 だが、それらの刀剣を、この状況下でありながら『イカルガ』は最小限の被害に抑えていた。
 その動きは只者ではないことを示すものであったことだろう。
「あの動き……まさか『ブリュンヒルド』!? いえ、でも……」
 動きはにているように思えるとは言っても、それは検証しがたいものであっただろう。なにせ機体の特性が異なる。
 己が対峙したことのあるオブリビオンマシンは大地を疾駆する為の速さ。
『イカルガ』は空中での機動を得意とする機体である。
 その差異が微妙にゆかりが覚える感触に違和感を覚えさせるのだ。

「コクピットに乗っているのは誰……?」
 撃破された『イカルガ』の殆どは機密保持のためか、コクピットブロックが爆散しているのだ。
 打倒しても鹵獲はさせない、と言わんばかりの機構である。
「用意周到だこと。だけど、とにかくこの絶陣で叩けるだけ叩く! その後は速やかに撤退!」
 ゆかりは己が暴風司る絶塵が多くの『イカルガ』たちを打倒したことを確認し、戦果を手に速やかに撤退行を決めるのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シャルロッテ・ヴェイロン
(ホワイトラビットを【操縦】して要塞にエントリー)
まあね、異世界の邪神とかキャバリアとか、近頃世界の境界がゆるくなってるって感じですかね?(【世界知識】)

で、確かに機体もパイロットも高性能らしいですが――まとめて【ハッキング】してしまえば問題ないですよね?(で、UC発動(【全力魔法】込みで))
あとは敵機体の性能を弱体化させて、可能ならばパイロットのニューロンを焼き切ったり(【精神攻撃・データ攻撃】)、自爆させたりしちゃいましょう(フィードバックは【カウンターハック・ジャミング】で対処)。
で、生き残ってるのがあったら【野生の勘・第六感】で攻撃を【見切り】つつローラー【ダッシュ】で【切り込み】、ビームソードで【切断】していきましょうか。

※アドリブ・連携歓迎



 それは高機動型同士の戦いであった。
『迷宮要塞』内部は、体高5m級の戦術兵器同士の戦いであっても手狭に感じさせないほどに巨大だった。
 故に白銀の『イカルガ』たちは数でもってシャルロッテ・ヴェイロン(お嬢様ゲーマーAliceCV・f22917)の駆る高機動型キャバリア『ホワイトラビット』へと迫る。
 アサルトライフルより放たれた弾丸。
 それらが壁面を穿ち、または跳ねる。
 その火線の中を『ホワイトラビット』を駆るシャルロッテはゴーグルと直結した機体のアイセンサーから得られるデータと共に躱し、踏み込む。

 ここはクロムキャバリアではない。
 獣人戦線。
 獣人たちがオブリビオンの支配に抗う世界だ。
 なのに、どうしてかここにクロムキャバリア製の最新鋭キャバリア『イカルガ』が存在している。
「まあね、異世界の邪神とかキャバリアとか、近頃世界の境界がゆるくなってるって感じですかね?」
 定かではない。
 だが、この獣人戦線が特別なのかもしれない。
 多くの世界はいくつかの世界と隣り合うように繋がりがあることを猟兵たちは知っている。
 例えば、UDCアースとカクリヨファンタズム。
 この2つの世界は密接な関係があった。
 そのことを考えれば、シャルロッテは、確かにこの世界に他の世界の技術であれ、存在であれ流入しているのは驚くべきことではなかったのかもしれない。

 彼女が真に驚愕したのは、『イカルガ』を操るパイロットである。
 ただのパイロットではない。
 眼の前にてアサルトライフルを放ちながら飛翔する『イカルガ』の動きは、まさしく『エース』級であったことだろう。
 油断などできない。
 だが、連携ができていないのだ。
「機体もパイロットも高性能。でも、連携してこない。まるで一人で戦っているみたいな、そんな感じを受けますね?」
 シャルロッテはゴーグルに流れてくる情報を読み込み、『ホワイトラビット』でもって火線をかいくぐる。

 一体一体相手取るには厄介な敵だ。
 だが、シャルロッテにはユーベルコードがある。
「悪いですけど、あなたの頭脳を操らせていただきますよ!」
 シャルロッテの瞳がユーベルコードに輝き、『イカルガ』の頭部にBRAIN HACKING(ブレインハッキング)たる装置を生み出す。
 それは、脳や制御装置といった部位に対して効果を発揮し、シャルロッテのハッキングによって機体制御を奪う力である。
 軋むように『イカルガ』たちの動きが目に見えてぎこちなくなっている。
 こちらのハッキングに抗っているのだろう。
 だが、シャルロッテは構わず、その機体とコクピットに配されている『疑似脳』へとハッキングをかけ、その神経伝達系を焼き切るように大量のデータを流し込むのだ。

「やっぱりできないことはないですね」
 弾けるようにして『イカルガ』のコクピットに配されていた巨大な脳が弾けるようにして焼ききれる。
 駆体が力を失うように擱座し、次々と倒れ伏していく。
 シャルロッテは、そのさまを見下ろす。
 これらの機体は本当にクロムキャバリア製なのだろうか、と。
 だが、そんな施策を断ち切るように『イカルガ』たちが、さらに大挙してやってくるのだ。
「まったく、調査も禄にさせてもらえないとは。ですが、敵戦力を削るという意味ならば、願ったりかなったりです」
 シャルロッテは迫りくる『イカルガ』達を相手取り、ローラーダッシュを駆使して駆け抜け後退しながらビームソードで『イカルガ』を切り裂く。

 爆発の最中、シャルロッテは『ホワイトラビット』と共に駆け抜ける。
 敵地であることを差し引いても数が多すぎるのだ。
「まだまだいるってことですね!? なら、『ホワイトラビット』!」
 その言葉に応えるように『ホワイトラビット』のアイセンサーが輝き、その名が示すように兎のように機体が跳ねまわり、アサルトライフルの火線を躱しながら要塞から脱出を果たすのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

紫・藍
あやー。
疑似脳に精度を高めるでっすかー。
普通に壊しても戦闘データを送信とかされてそうでっすねー。
でしたら、ええ。
戦闘に無関係な情報をこれでもかと学習させてしまえば逆に精度を下げれて後々有利にできるのではー?
というわけで!
レッツダンシングなのでっすよー!
イカルガの皆さんをそれはもうガシャガシャ踊らせちゃうのでっす!
ミサイルだって踊らせちゃうのでっす!
ぶつけ合わせるのはもちろんのことですが!
ミサイルは燃料切れとかで落ちて爆発するでしょうし。
キャバリアも接触事故や燃料切れだけでなく、最新鋭と言えど用途に合わぬダンスで関節などが摩耗・損傷激しいのではー?
可動域を無視してるかもでっすしねー!



 無数の白銀のキャバリア『イカルガ』たちが『迷宮要塞』内部を飛翔している。
 猟兵たちが足を踏み入れれば、即座に対応するというかのように迅速に行動しているのだ。
 この要塞内部のあちこちで猟兵と『イカルガ』部隊が激突している。
「あやー」
 紫・藍(変革を歌い、終焉に笑え、愚か姫・f01052)は戦いの気配を肌で感じる。
 何処を見ても戦いしかない。
 加えて、敵のキャバリアのコクピットには『疑似脳』と呼ばれる肥大化した脳を機械によって繋いだものが配されている。
 これを持って敵は何かデータを得ようとしているのか、それとも精度を高めようとしているのか、どちらにしたって敵に利することには変わりないだろうと藍は理解する。

「普通に壊しても戦闘データを送信されてそうでっすねー。加えて、鹵獲しようとしても機密保持のためにコクピットブロックが爆散。壊しても壊さなくても、だめ、と」
 ならば、と藍は、それこそが己の本領であると言わんばかりに笑む。
「ええ、でしたら、ええ!」
 にんまりと笑った。
 何かを思いついたのだろう。
 藍の瞳がユーベルコードに輝く。

「レッツダンシングなのでっすよー! 藍ちゃんくんと愉快な観客達!(リー・アー・アイチャンクーンッ)」
 その言葉と共に有機無機を問わない最高のパフォーマンスを藍は発揮し『イカルガ』たちの眼の前に躍り出る。
 そう、文字通り、踊り、出たのだ。
 藍の姿に即座に『イカルガ』たちは背面バインダーからマイクロミサイルを放とうとする。
 だが、『イカルガ』たちはおかしな挙動を見せた。
「はい、踊っちゃいましょう!」
 藍のダンスに載せられるように『イカルガ』たちが動き出す。
 それは奇妙な光景だった。
 戦いからは程遠く。しかし、ダンスと呼ぶにはあまりにも不格好。

 機体のフレームが軋む。
 人体に似せてあるとは言え、人体ではないのだ。
『イカルガ』たちは藍のダンスを再現しようとしてしきれぬ駆動域のもどかしさと共に、そのフレームを軋ませたのだ。
 なぜ、こんなことを、と思うだろう。
 簡単なことだ。
「戦闘に無関係な情報をこれでもかと学習させてしまえば、逆に精度を下げれて後々有利になるのでっす! どんな勝利も一つ一つ積み上げていかねばならないのでっす!」
 藍は踊る。
 戦いの最中にあっても踊る。

 狂おしいほどの熱情。
 胸より迸るパッション。
 それが『イカルガ』のコクピットに配された『疑似脳』に伝わったのかどうかはわからない。けれど、事実ついつい釣られて踊っているのが事実だ。
「いいでっすよー! お上手でっすよー!」
 はい! と藍は褒めるように手拍子と共に『イカルガ』の躯体を消耗させ、最後には銃弾一つ使わせることなく『イカルガ』たちの関節部を摩耗させ、瓦解させてしまうのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

イクシア・レイブラント
アドリブ、共闘歓迎
偵察ロボとデコイドローンを用いて[偵察、索敵、情報収集]。
迷宮要塞の広さと形状、自身と敵の座標を把握。
陸戦型なら支障なく戦闘できそうだけど、空戦型の私たちには手狭な場所ね。
それでも、やれるね? 鎧装騎兵イクシア、交戦を開始する。

ビームソードにはフォースブレイドで、超音速には超音速で応じる。【最大稼働】。
把握した情報を基に、衝突しないように立ち回る。
連続攻撃には「加速する景象」による[瞬間思考力、戦闘演算、アクセルコンボ]で[武器受け]。
[推力移動、空中機動]で踏み込み、大型フォースブレイドで[空中戦、武器巨大化、なぎ払い]。
心の有無はあれど同じ機械の戦士。最後までつきあうよ。



 スイス山間部の地下。
 そこに巨大な空洞がある。
 一体何のためにあるのかわからない。わからないからこそ、情報が必要なのである。
 イクシア・レイブラント(翡翠色の機械天使・f37891)はいくつかの偵察ロボとデコイドローンを用いて、要塞内部へと偵察を敢行していた。
 内部ではすでに猟兵とキャバリア『イカルガ』の戦闘が始まっている。
 終始、猟兵たちが優勢であるように思えたが、此処が敵地である以上、敵戦力は此方の予想以上であった。

 倒しても倒しても、次から次に『イカルガ』たちがやってくるのだ。
 このまま要塞内部で戦えば、猟兵たちは物量に押されてしまうだろう。
「広すぎる……一体ここは何のための要塞なの?」
 言ってしまえば、巨大な何かのための要塞である、と思えるだろう。
 まるで巨人の住処だ、とイクシアは思った。
「戦闘自体は陸戦型なら問題なし。でも、空戦型の私達には手狭と言えば、手狭、かな?」
 だが、それでも『イカルガ』たちは自在に飛翔して戦闘を行っている。
 パイロットが慣れているのか。
「敵がやれているのなら、やれるよね?」

 敵にできて己にできない理由などない。
 そういうようにイクシアは機体各部の安全装置を解除し、フォースリアクターを起動させる。
「最大稼働(フルドライブ)……鎧装騎兵イクシア、交戦を開始する」
 緑色のサイキックエナジーが噴出する。
 己が体を覆う力は、己が意志に比例した戦闘能力を彼女に与える。
 やれる。
 その確信を抱くことによってイクシアは飛翔し、一気に『イカルガ』の前へと飛び出す。
「……」
「遅い!」
 反応した『イカルガ』のビームソードとイクシアのフォースブレイドが激突し、火花を散らす。
 超連続攻撃。
 互いの剣閃がぶつかり合い、敵が並ならぬ技量を持つ存在であることをイクシアは理解しただろう。

 ただの量産機ではない。
 高性能であると同時に、パイロットの技量も高いのだ。
 互いに空中を交錯するようにして飛翔し、最大稼働に至ったフォースリアクターから緑のサイキックエナジーが噴出する。
 思考が赤熱する。
 だが、イクシアは構わなかった。
 敵のユーベルコードはビームソードによる苛烈な連続攻撃。
 本来ならば、ここまで敵も攻撃を繰り出すことはないのだろう。だが、イクシアは全てを受け止め、切り払っていたのだ。
 その赤熱した思考。
 熱による空白。
 それをイクシアは無理矢理に生み出し、『イカルガ』の頭上を取るように飛び、己がフォースブレイドを大型化させる。

「これで決める」
 放たれた一閃が『イカルガ』を一刀両断する。
 それは見事な一撃であったことだろう。
「心の有無はあれど同じ機械の戦士。最後まで付き合うよ」
 イクシアは爆発した機体を背に、さらに迫る『イカルガ』たちを見据える。
 戦う。それが機械の戦士の矜持であるのならば、イクシアは溢れるサイキックエナジーと共にこれらを打ち倒すのだ――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ジェイミィ・ブラッディバック
イカルガ? 加えて量産機にしては動きが良い?
…先日「フルーⅦ」に赴いた際の事件を彷彿とさせますが、さてさて。

セラフィム・リッパー隊、プラチナムドラグーン隊と共に出撃します。集団には集団ですね。

クイックショット、及びマニューバのデータを編隊各機に観測させ、データ取得。
N.E.U.R.O. DATABASE上に格納したフルーⅦにおける戦闘記録と照合。
疑似脳が使用されている場合、プラチナムドラグーンのレドームユニットから指向性マイクロウェーブを照射。
電子レンジの要領で擬似脳の無力化を図ります。

私はWORM KILLERを撃ち込みサージ電流を流し込みましょう。
念の為残骸は持ち帰って調査ですね……。



『迷宮要塞』にて猟兵の迎撃にあたっているキャバリア『イカルガ』。
 それは量産機ながら高性能を誇る機体である。
 その機体にジェイミィ・ブラッディバック(脱サラの傭兵/Mechanized Michael・f29697)は見覚えがあった。
 いや、よく知っている、といった方が良かったのかもしれない。
 どうしてクロムキャバリアにて存在するキャバリアが、この獣人戦線に存在しているのか、という疑問はつきない。
 そして、加えるのならば。
「動きがよい」
 ジェイミィは一つの事実が浮かび上がることを知る。

 先日の事件。
 クロムキャバリアにおける事件のことだ。それを彷彿させてやまぬ事態。
「『セラフィム・リッパー』隊、『プラチナム・ドラグーン』隊、出撃を。集団には集団を」
 ジェイミィは己が有する無人機と共に要塞に突入する。
 すでに他の猟兵との戦端が開かれている要塞内部にて多くの『イカルガ』が撃破されていたことだろう。
 だが、それでもまだ数があるのか、次々と踏み込んでくるジェイミィと彼が指揮する部隊に『イカルガ』が迫るのだ。
 アサルトライフルの火線が迸る。
「……やはり、動きがよい。パイロットの質が高い、ということでしょうか」
 いや、それだけではない、とジェイミィは感じる。
 あの事件を彷彿とさせるのならば、敵の動きは画一的すぎる。
 いずれの『イカルガ』も挙動が似通っているのだ。
 データを習得しながら交戦していく。

「以前、交戦した機体のものとは違う……似てはいますが」
『疑似脳』を使用された機体であることは疑いようもないだろう。
「N.E.U.R.O. DATABASE [ver.6.1] launch...completed. Welcome back.」
 量子クラウドデータベースから、類似事例を発見しジェイミィは己の機体と指揮する無人機を操り『イカルガ』に対処していく。
『プラチナム・ドラグーン』に搭載されているレドームユニットから指向性マイクロウェーブを照射し、『疑似脳』を無力化する。

 だが、無力化し鹵獲しようとした瞬間、『イカルガ』のコクピットブロックがが爆散する。
 煌々と燃え上がる機体。
「機密保持、というわけですか」
 ジェイミィは突如として爆散した機体を見下ろす。
 やはり、情報を此方に得させまいとする方策なのだろう。
 パイロットは確かに貴重である。
 だが、『疑似脳』が量産できるのならば、この問題はクリアできる。
 優秀なパイロットを養成する必要がなく、マンパワーを別のことに注力することができるからだ。

 故に、『疑似脳』は危険である。
 念の為に、と『イカルガ』の残骸を持ち帰ろうとしてジェイミィはやめた。
 機密保持のためにコクピットを爆散させる手合いなのだ。
 持ち帰ってから作動する罠がないとは言い切れない。それくらいやりそうなものであるからだ。
「……調査も封じてきますか」
 こうやって逡巡させることもまた敵の思惑のひとつなのだろう。
 ジェイミィは『迷宮要塞』の戦力の一角を打ち崩したことを良しとして、無人機と共に撤退を開始するのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

朱鷺透・小枝子
例え高性能だろうと操縦技術が高かろうと、それでも壊す!
吶喊する!!そうだ、吶喊せよ!!!

回点号サイキックシールド展開『吶喊弾雨』
メガスラスター【推力移動】【闘争心】により加速!
敵機も飛翔するのなら、更に加速を掛け、飛ぶまで!!

この身なぞ、なにするものかぁあああああアアアアア!!!!!

人工魔眼の【動体視力】と【瞬間思考力】で機動を可能な限り制御し、
ウィングブースター【空中機動】ビームソードの軌道を躱しながら【シールドバッシュ】イカルガへ激突粉砕!!!

地の底を飛び蠢け!壊せ!!回点号!!!

【継戦能力】イカルガを【吹き飛ばし】更に闘争心を燃やし、加速飛翔継続。このまま、イカルガ共へ激突し続ける!!!



『迷宮要塞』に跋扈するキャバリア『イカルガ』は高性能量産機である。
 加えて、搭乗しているパイロットの練度も高い。
 それが如何なることを示しているのか。
 だが、その答えを朱鷺透・小枝子(亡国の戦塵・f29924)は知らない。知ろうとも思わない。答えがあってもなくても、正答であっても誤答であっても。
 どちらであっても構わなかったのだ。
「それでも壊すッ!!」
 関係がない。
 眼の前に存在するものがオブリビオンの手によるものであるのならば、尽くを破壊する。
 そこに問答は要らない。

 必要なのは、破壊するための力である。
 故に小枝子は己がキャバリア『回点号』にサイキックシールドを展開し、突貫するように機体を走らせる。
「吶喊する!! そうだ、吶喊せよ!!!」
 メガスラスターの噴射と共に一気に加速した『回点号』がサイキックシールド越しに『イカルガ』と激突する。
 振るわれたビームソードの一撃がシールドとぶつかって火花を散らし、その一撃が機体に食い込む。
 だが、小枝子は構わなかった。
 更に加速する。
 それは己が身を厭わぬ吶喊であった。
 加速し、さらに吶喊弾雨(トッカンダンウ)のごとく機体ごと『イカルガ』を要塞内部の壁面へと叩きつける。

 シールドとともにひしゃげた『イカルガ』のコクピットを叩き潰しながら、小枝子は機体を翻し、さらに飛ぶ。 
 飛翔した機体に迫る『イカルガ』たち。
 やはり、と思う。
 敵は確かに優れたパイロットたちが多いのだろう。
 だが、それは単騎であれば、の話だ。
 敵は連携してこない。数で圧する以外の方法を知らぬと言うかのように部隊間の連携もなしに、ただ優れた機体と技能のみを持ってこちらに対峙しているのだ。
「この身なぞ、なにするものかぁああああああアアアアア!!!!」
 ならば、それらは小枝子には意味をなさない。
 どれだけ優れていても、この意志には到達できない。
 小枝子の迸る力と共に一気に機体が弾かれるようにして飛翔し、『イカルガ』の機体へと飛び、砲弾のように駆体を壁面へと叩きつけるのだ。

 まさに激突粉砕と呼ぶにふさわしい一撃。
「地の底を飛び蠢け! 壊せ!!『回点号』!!!」
 迫りくる『イカルガ』を次々に弾き返していく。
 燃える闘争心は底など見えない。
 加速し、飛翔し、激突する。
 その単調なる繰り返しだ。だが、それでも加速した『回点号』を『イカルガ』たちは止められない。
 何をどうして求められないのだ。
 それもそうだろう。
 そこに戦術というものはない。
 ただただ、加速し、激突する。それだけのことしか小枝子は考えていない。己が機体の状況などまるで意に介さない。
 激突する度に『回点号』は加速していく。

 それは『迷宮要塞』を揺るがし、さらなる戦いを呼び込み、その尽くを破壊する小枝子の咆哮と共に響き渡るのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アネット・レインフォール
▼静
ふむ、量産機とは言え最新型か

話では遠隔操作のようだが…少し気になるな
敵本体の手掛かり、とまではいかないが
ここは一つ試してみるか

その機体――鹵獲させて貰うぞ

…まあダメ元だな
何か手に入れば儲けもの、と言った所か

▼動
四方を警戒しニルヴァーナで探索
敵が少数の戦場で強襲を

高機動を活かして量産品のブレードを手に早業や
空中戦で攪乱しつつ敵の行動を把握
確実に数を減らしていく

空中戦ならば逆に都合が良い

残り1体は貫通攻撃でコアを狙うか
切断攻撃で四肢を削ぎ無力化を試す

成功したら操縦部で端末を操作
要塞のフロアマップや敵本体の情報がないか確認

機体は…後で売るかグリモア猟兵に土産と称して丸投げかな

UC・アレンジお任せ



 対峙するだけでわかる。
 敵は量産機。
 キャバリア『イカルガ』。
 白銀の機体装甲を持ち、なおかつ最新型であることがうかがえる。
 アネット・レインフォール(剣の異邦人・f01254)は即座に理解する。
 人が乗っていることによる操作のゆらぎめいたものが見て取れるが、人の気配がしない。
 厳密に言えば、遠隔操作、というものではないのかもしれないが、少し気にかかる。
「ここは一つ試してみるか」
『迷宮要塞』のあちこちで猟兵が踏み込み、防衛戦力である『イカルガ』との戦闘が始まっている。

 アネットもまた踏み込んだ猟兵の一人であった。
 対するは体高5m級の戦術兵器。
 鋼鉄の巨人とも言うべき存在を目の当たりにしても、アネットは冷静そのものだった。
「その機体――鹵獲させて貰うぞ」
 ダメ元だ、とアネットは己が乗機『ニルヴァーナ』と共に踏み込む。
 敵は最新鋭。されど、対する此方は騎士の如き騎神。
「……」
『イカルガ』たちは即座に距離を取るように飛翔し、背面バインダーからマイクロミサイルを解き放つ。
 その尽くを『ニルヴァーナ』は手にしたブレードでもって切り裂き、爆散させる。
 爆風に煽られるようにして『イカルガ』の機体が空中で揺れる。
 だが、それこそ都合が良いとばかりにアネットは『ニルヴァーナ』と共に踏み込む。

 地面を蹴って飛ぶ『ニルヴァーナ』の手にしたブレードが『イカルガ』の駆体を切り裂く。
「【天式】剣神換装(ソード・オブ・ロード)……」
 剣刃一閃たるユーベルコードの一閃である。
 この一撃を受けて両断できぬものなどない。例え、『ニルヴァーナ』の手にしたブレードが量産品の武装であったとしても、その冴えわたる技量とユーベルコードの出力によって『イカルガ』の装甲をまるで紙切れのように切り裂くのだ。
 爆散した機体の影から影に飛ぶようにして『ニルヴァーナ』は敵機の攻撃を翻弄しながら次々と『イカルガ』を破壊していく。
「コクピットブロックを残す必要がある。やれるな、『ニルヴァーナ』」
 その言葉に呼応するように『ニルヴァーナ』のアイセンサーが煌めく。
 無論、と言うようであった。
 放たれるブレードの斬撃が最後の一騎である『イカルガ』の四肢を両断する。

 頭部をも寸断し、コクピットブロックだけになった『イカルガ』を『ニルヴァーナ』は抱えようとして、即座に手放す。
「何を」
 次の瞬間、コクピットブロックだけになった『イカルガ』が爆散する。
 己が手を加えたわけではない。
 なのに、爆散した、ということは。
「機密保持、というわけか」
 用意周到である。
 此方に情報を欠片も渡さないつもりなのだろう。アネットはしかし落胆しなかった。
「どうせダメ元と思っていた。だが、これで敵の戦力は削れた。それでよしとするさ」
 アネットはさらに湧き出す『イカルガ』たちを相手取りながら、要塞内部から撤退していくのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ステラ・タタリクス
【ステルク】
|エイル様《主人様》の!香りがしまぁぁぁぁす!!
というか、強火の同担拒否に参りました、ステラです!
そこの勇者、他人のフリしない!

ともあれ
ノイン様の計画は
成熟すれば
世界を壊す為の『ハイランダー・ナイン』が生まれてしまいます
今回の擬似脳はアイン様……とは少し違う?
いえ、後にしましょう
どうやってもデータを|持ち帰り《アーカイブ》されるのは気に入りませんが

フォル!いらっしゃい!(鳥型キャバリア召喚
ルクス様はもう好きなようにシリアス破壊してください
ええ、擬似脳とて生きているのなら
|ルクス様《理不尽》からは逃れられないはず
そこを仕掛けます
フォル!【ファム・ファタール】!
全部蹴散らしますよ!


ルクス・アルブス
【ステルク】

んー……よし。
(強火はあえてするーして)

ノインさん、暗躍っぽいムーブしてますけど、もう隠れてなくないです?
いくらなんでも『イカルガ』出過ぎですよね。

しかもたぶん全部『疑似脳』なんですよね。
ステラさんとはまた違うベクトルでやべーことになっちゃってます。

これが同族嫌悪ってことなんでしょうか?

あ、それと。
最後に勝てばいい、って言ってますけど、それダメなやつですよ?
何が目的か解りませんけど、ノインさんだけ残ってなにするんです
か?

(ここまで練乳チューブを咥えつつ)

シリアスはおしまい。ここからは文化の時間です。
今度こそ疑似脳すら魅了させていただきますよ!

かもん、ソナーレ!

一演必殺ですー!



 どんなものにもこだわり、というものはあるのである。
 嗜好であったり、考え方であったり。
 何の話、と思われるかもしれない。わかっている。
「|『エイル』様《主人様》の! 香りがしまぁぁぁぁす!!」
 ステラ・タタリクス(紫苑・f33899)の叫びが『迷宮要塞』に木霊する。
 反響する音。
「というか、強火の同担拒否に参りました、ステラです!」 
 自己紹介できて偉い! とはならんのである。
 彼女の叫びに呼応したキャバリア『イカルガ』たちが一斉にアサルトライフルを向け、発砲してくるではないか。

「んー……よし」
 あえて、スルーする、と決めたルクス・アルブス(『魔女』に憧れる『出禁勇者(光属性)』・f32689)は砲火に晒されるステラとは他人ですよ、という顔をしていた。
 なんていうか、思うのだ。
 この事件の黒幕っぽいムーヴをしている『ノイン』。
 隠れているように思えて、もう隠れていられないって感じがしてならないのだ。
「だって、いくらなんでも『イカルガ』を多用しすぎですよね。しかも、多分全部『疑似脳』が搭載されてるってことなんですから……うん、ステラさんとはまた違うベクトルでやべーことになっちゃってます」
 もしかして、とルクスは思う。
 ステラの言うところの同担拒否って、もしかして同族嫌悪的なあれなのではあいのか、と。

「そこの勇者他人のフリしない!」
「してませんよー。ちゅーって練乳チューブちゅーちゅーしているだけですー」
 ステラの言葉にルクスは練乳チューブを咥えながら言い返す。
 溢れるシリアスにこれがないと耐えられないのである。
 なんとも難儀な体質であろうか。
 というか、とルクスは思う。
「最後に勝てれば良いみたいな考えなんでしょうけど、それダメなやつですよ? 何が目的かわかりませんけど、『ノイン』さんだけ残ってなにするんでしょう?」
「わかりませんよ! というか、『ノイン』様の計画は成熟すれば世界を壊す為の『ハイランダー・ナイン』を生み出すことなのでしょうか、ていうか、勇者! 勇者! 何物陰でチューブちゅうちゅしまくってるんですか!」
「シリアスだからですよ!」
「ええ、そんなことは後にしましょう! どうやってもデータを持ち帰りされるのは気に入りませんが!」

 ステラは手を掲げる。
 己がキャバリア『フォルティス・フォルトゥーナ』を呼び出し、搭乗する。
「ルクス様はもうお好きなようにシリアス破壊してください」
「え、いいんですか?」
「構いません。『疑似脳』とて生きている、というのならば! |ルクス様《理不尽》からは逃れられないはず」
「今、理不尽ってルビ打ちませんでした?」
「気の所為ですよ」
「仕方ないですねー、なら今度こそ『疑似脳』すら魅了させていただきますよ! かもん、『ソナーレ』!」
 その言葉と共にルクスの背後に降り立つは『ソナーレ』。
 彼女の演奏を増幅するアンプのような役割を果たし、ルクスの迸るかのような演奏……もとい、悪魔のトリル(アクマノトリル)を響かせる。

 それは汎ゆる耳栓、遮音物を貫く音の洪水。
 爆音による衝撃によって『イカルガ』たちの動きがきしみ、止まる。
 さらにステラの駆る『フォルティス・フォルトゥーナ』は、その演奏に乗って一気に飛翔するのだ。
 いや、なんか逃げてる、という格好になっているのは気のせいか。
「今こそ仕掛けます! ファム・ファタールは私です! 同担拒否! こればかりは譲れませんので!」
 その言葉と共に『フォルティス・フォルトゥーナ』は『イカルガ』を衝撃波でなぎ倒し、己こそが唯一の担当であると示すように、これらを打ち倒すのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アルカ・スィエラ
……またこの機体……それだけ運用しやすいって事かもしれないけど、本来の設計者はいい迷惑でしょうね

プロトミレス…いえ、アルカレクスで出るわ
相手は高機動機、建造物内部、なら…これよッ!!
機体各部より結晶装甲『リフレクションスケイル』を分離し展開、【煌めく星の円舞曲】!!
機体から放ったレーザーを分離・配置した「エネルギー偏向結晶装甲」で反射・偏光させ、反射・偏光し乱舞するレーザーの嵐で空間内を“埋め尽くす”!

下手に動けば光の網に絡めとられるし、当然|本体《アルカレクス》からも『Eフィールド』を展開し、敵の動きを抑え込み、集中放火で落としていくわ

(……あの機体の動き、どこか見覚えが……?いや、まさか)



 白銀のキャバリア『イカルガ』。
 それはクロムキャバリアにおけるオブリビオンマシン事件の折にアルカ・スィエラ(鋼竜の戦姫・f29964)が遭遇した機体である。
 だが、此処はクロムキャバリアではない。
 獣人戦線である。
 本来ならば、クロムキャバリアにて生み出されたキャバリアが存在してる理由などない。
「……またこの機体……それだけ運用しやすいってことかもしれないけれど、本来の設計者はいい迷惑でしょうね」
 アルカは『アルカレクス・ドラグソリス』を駆り、スイス山間部の地下にある『迷宮要塞』へと踏み込んでいた。
 敵の数は膨大である。
 これだけの戦力があれば、猟兵たちを退けられると思っているのだろう。

 事実、数が多すぎるがゆえに戦力を削った後、猟兵たちは逐次撤退を開始している。
 加えて、敵は高性能であり、またパイロットも質の高い者が揃っているようにアルカには思えた。
「……あの機体の動き、どこか見覚えが……」
 いや、まさか、とアルカは頭を振る。
 見覚えがあるだけ、だ。完全にそれであると決まったわけではない。
 だが、類似している。
 完璧に同じではないが、近しいものをアルカは感じてやまなかったのだ。

「いいえ、考えるのは後! この状況ならば!」
 アルカの瞳と『アルカレクス・ドラグソリス』のアイセンサーがユーベルコードに輝く。
「スケイル展開、軌道及びエネルギー反射・偏向演算準備、よし」
 その言葉と共に機体装甲が展開し、結晶装甲が飛ぶ。
『リフレクションスケイル』と呼ばれたそれは、分離し迫る『イカルガ』を包囲するように展開される。
「……さあ、踊りなさい! 煌めく星の円舞曲(ティンクルスターワルツ)!」
『アルカレクス・ドラグソリス』より放たれた拡散レーザーの嵐。
 それは展開された『リフレクションスケイル』に反射し、偏光し、檻……いや、網目のようなレーザーを放ち、空間内を埋め尽くすのだ。
 避けようがないレーザー攻撃。
『アルカレクス・ドラグソリス』の大出力があればこそできる芸当であった。
 敵が高機動で飛翔するのならば、光の網で捉えれば良い。

「Eフィールド展開! 敵の動きを抑え込む!」
『イカルガ』が部隊ごとアルカの放った光の網に捕らえられ、そのレーザーでもって機体を焼き切られていく。
 爆散する機体。
 確かにアルカはあの機体の動きに見覚えがあった。
 だが、同一でもないと感じていた。
 なぜならば、己が対峙した存在は『イカルガ』以上だったからだ。
 単騎で多くの猟兵を持ってしてようやく打倒できる存在。
 眼の前の『イカルガ』からは、その圧とも言うべきものが感じられなかったのだ。
「でも、似ていた……これは、いや、まさか」
 あのときとは違う別の『疑似脳』が搭載されている、ということなのか。
 わからない。
 けれど、アルカは敵の目的がなんであれ、これを打倒すると決めているのだ。
 なぜなら、己を襲った悲劇を繰り返させないために――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

テスティナ・ヴァシリッサ
ぴるぴる
高速で動き回るというのならこうします。UCにより操縦者へと強制的に思考ノイズを送り込み処理速度を鈍らせます、ぴる

…ぴる?ぴるぴる?……きゃばりあ、とは有人の機械兵器と聞いていましたが、あの中の気配、というより思念が妙なような……それともこの世界の「ヒト」は「ああいう気配」がするものですか?まあ、確かめればいいだけですね、ぴる

ではあなたの出番です、『守護獣スクリオ』(どことなく羊と言われたらそんな気もしてくるデザインの怪獣っぽい宇宙生物)。動きの鈍った敵機を押さえつけ、あの鉄騎の手足を砕きなさい。動きを止めたら接近して『故郷の水』…『パルセノ』を浴びせて外殻を溶かしてしまいましょう



 スイス山間部の地下。
 そこにオブリビオンの『迷宮要塞』が存在している。
 敵戦力を叩くために、この要塞に突入し、配されているキャバリアを破壊することが猟兵たちの目的であった。
 とは言え、キャバリア『イカルガ』は量産機でありながら、高性能。
 背面バインダーによって飛翔する機動性は侮れないものであった。
「ぴるぴる。高速で動き回る、というのなら」
 テスティナ・ヴァシリッサ(ゼルガリアスの姫巫女・f38690)は、突入した要塞内部にて迫る『イカルガ』を認め、その瞳をユーベルコードに輝かせる。

 己が精神を集中する。
 放つは、大量の思考ノイズ。
 思考ノイズ大量送信に伴う思考妨害(仮)(マインドジャミング)を引き起こすユーベルコードは、彼女から一方的に送りつける思念波のようなものであった。
 頭に響くは、たった二文字。
 そう、彼女が時折口に出す鳴き声めいた声。
 今まさに『イカルガ』のパイロットたちの頭に響くのは――。

 ぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴる……

 といった意味不明にして遮ることのできない思考のノイズの嵐であった。
「……ぴる? ぴるぴる?」
 テスティナは己が思考ノイズを一方的に送りつけながら、首をかしげた。
 確かキャバリアというものは、有人の機械兵器であると聞き及んでいた。
 だが、彼女が送りつけた『イカルガ』のコクピット内……そこに座す者の気配というより思念が奇妙に感じたのだ。
 いや、とも思う。
 これが自分の思い違いなのかもしれない、と。
「この世界の『ヒト』は、『ああいう気配』がするものですか?」
 五体がない。
 返ってくる思念めいたものはヒトのそれなのに、テスティナにはどうしても、それが『ヒト』と認識できなかったのだ。
「まあ、確かめればいいだけですね、ぴる。では、あなたの出番です、『守護獣スクリオ』」
 その言葉と共にテスティナの側より洗われる羊の如き宇宙生物。
 彼女の言葉に従うように一気に戦場を駆け抜け、動きの止まった『イカルガ』へと肉薄し、押さえつける。
「その鉄騎の手足を砕きなさい」
『スクリオ』の押さえつけた『イカルガ』の手足がひしゃげ、更にコクピットブロックのハッチ付近を生きている海とも称される『パルセノ』で溶かし、その内部を暴き立てる。
 そこに在ったのは肥大化した脳であった。
『疑似脳』と呼ばれるもの。
 ヒトではないが、ヒトの一部とも言うべき器官。

 それがキャバリアのコクピットに配されていたのだ。
 それをテスティナは見やり、首をひねる。
 やはり、ヒトではない。
「……おかしいですね?」
 だが、次の瞬間『イカルガ』が爆散する。
 機密保持のために仕掛けられていたものが作動したのだろう。それをテスティナは『スクリオ』に守られ、防ぐ。
「やはり、ヒトではなかったですね、ぴる」
 この世界の全てのヒトが、テスティナが感じるものばかりであったのならば、彼女はどう思っただろう。
 どちらにせよ、敵戦力を削る、という目論見は達したのだ。
 テスティナはその場から離れ、要塞から撤退していくのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鏡島・嵐
生身でキャバリアに立ち向かうんも慣れたもんだ……なんて口が裂けても言えねーよ。何べんやったって怖ぇモンは怖ぇんだ。
……でも、やるしかねえんだったら、肚括る。それがいつものおれの戦いだ。

広いっつっても閉鎖空間なのは変わんねぇ。そんなトコでキャバリアの群れと戦うとか、ぞっとしねえな。
UCで〈第六感〉を強化して、空間内の敵機の把握に努める。
どれだけ数が多くても位置さえ把握できてりゃ、弾幕をやり過ごす術なんていくらでも。〈地形を利用〉したり、〈敵を盾にする〉したり。
隙が見えたら、〈限界突破〉した〈スナイパー〉ばりの一撃を見舞う。
SSW製の戦闘機だって墜とせたんだ、ただの玩具と思うなよ……!



 迫るは鋼鉄の巨人。
 体高5m級の戦術兵器キャバリア。
 その白銀の装甲を持つ『イカルガ』たちが『迷宮要塞』に突入してきた猟兵たちを迎え撃つ。
 まさしく大乱戦とも言うべき様相であった。
『イカルガ』は飛翔し、その手にしたアサルトライフルより放たれる弾丸でもって猟兵たちを撃退せんとしている。
 臆してはならない。
 わかっている。
 鏡島・嵐(星読みの渡り鳥・f03812)にとって、キャバリアと生身で戦うということは初めてではなかった。
「けどさ! 慣れたなんて言えるもんじゃねーよ! 口が裂けても言えねーよ! なんべんやったって怖ぇモンは怖ぇんだ!」
 嵐は思わず叫んでいた。
 怖い怖い。
 本当に怖い。
 アサルトライフルの弾丸は、人のサイズのそれではない。当たれば一発で人間謎吹き飛ぶ口径なのだ。

 これに恐怖を感じないなんてほうがどうかしている。
「……でも、やるしかねえんだったら、肚括る! それがいつものおれの戦いだ!」
 嵐は走る。
 砲火の中を、ひたすらに走る。
 確かにここは広いが閉鎖空間だ。それは高機動の飛翔する機体にとっては戦いづらいものであったかもしれない。
 けれど、それは逆に生身で戦う嵐にとっては逃げ場がないことを示していた。
 ぞっとしない。
 けれど、嵐は踏み出したのだ。
 己が手には、残されし十二番目の贈り物(ベニル・ドゥーズ)がある。
 己の第六感を冴え渡らせ、迫る砲火をかいくぐる。

「クソっ、敵のパイロットもやりやがる! 怖すぎるだろ!」
 嵐は物陰に飛び込みながら、アサルトライフルの弾幕をやり過ごす。
 どれだけ数が多くても『イカルガ』は連携していない。
 単騎で好き勝手に戦うばかりで、部隊間の連携というものに重きをまるでおいていないのだ。
 ならば、やれる。
「いくらでもやれる! 行くぜ!」
 利用できるものはいくらでも利用した。
 地形を利用し、敵機の影を利用し、走り回る。生身単身である利点は一つだ。小回りが効く、ということだ。
 故に嵐は駆け出し、『イカルガ』の背後を取り、手にしたスリングショットを引き絞る。
 ゴム紐で弾を打ち出す簡単な機構。
 機構とも言えないものであったが、しかし、嘗てはこれでスペースシップワールドの戦闘機だって撃ち落としたのだ。
「ただの玩具と思うなよ……!」
 嵐の裂帛の気合と共に引き絞られたゴムから弾丸が放たれ、その一撃が『イカルガ』を貫き、射落とす。

 空中で体勢を崩した『イカルガ』が地面へと失墜し、爆散するさまを見やり、嵐は拳を突き上げる。
「ほら、見ろ! 舐めるなよ! って、おわ!」
 更に迫る砲火。
 嵐は、その集中砲火を掻い潜るように要塞内部を駆け回り、敵を翻弄しながら撤退するのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ジャック・アルファード
【炎心】 アドリブ○
きゃばりあ……??(宇宙背景)(ロボットも知らん民)
あ、アレのことか。
清導、エドワルダ、俺そのきゃばりあ?っての持ってないから地上で支援しておくよ。
UC【稲妻迸る時間】発動。
ここから始まるのは、触れたら即死の音ゲー戦場だ!

敵の視線を切るように衝撃波を放ち、清導とエドワルダを支援。
衝撃波が敵に直撃するようなら2人に追撃を任せる。
躱される? なら縦横にも幅広い衝撃波でなんとかするさ。

敵の攻撃は……まあ痛いだけだ。激痛耐性で耐えていく。
どんなに撃たれようと、俺には『支援する』という使命がある限り倒れやしない。

連携も取れねぇような連中に負けたくはないんでね。
ここらで倒れてくれや。


空桐・清導
【炎心】
SPD
アドリブ大歓迎

「来てくれてありがとよ!ジャック!エド!
この要塞を落として、戦争を有利に進めるぞ!」
内なる[勇気]を滾らせながら光焔を燃やす
「キャバリアが相手ならこっちは巨神だ!
顕現せよ!アフラ・マズダー!!」
≪我を喚んだか。…面白い細工をしている機兵が相手のようだな。
我を喚んだ以上、完全勝利を成してみせよ。≫
神剣と炎の翼を生み出してUC発動

≪去ね≫
神剣を振るい、
戦場全域を一瞬で光焔が覆い尽くしてイカルガを呑込む
更に光焔が全身を覆ってエドの荷電粒子砲もエネルギーに変える

ジャックの支援を受けながら、
吸収したエネルギーで更に自身を強化してイカルガを次々撃墜する
「オレ達に不可能はない!」


エドワルダ・ウッドストック
【炎心】アドリブ歓迎
清導、ジャックさんと共に挑みますわ。

キャバリアが闊歩する地下要塞とは驚きですわね。
ですが、ここの戦力を外に出す訳には行きませんわ。
参りましょう。

わたくしは『カナリア』に騎乗して参ります。
機体操縦はペドロに任せ、搭載している荷電粒子砲の攻撃に専念しますわ。
オーバーブースト・マキシマイザー、発動!
機動力ではカナリアも引けを取りませんわよ!

ジャックさんの雷を纏った衝撃波が敵の視線が切る一瞬の隙を逃さずに、イカルガへと瞬時に銃口を向けて砲撃いたしますわ。
ついでにアフラ・マズダーにもメガビームを誤射して、エネルギー吸収させましょう。

わたくしたちの連携で敵軍を撃滅いたしましょう!



「来てくれてありがとよ! ジャック! エド!」
 空桐・清導(ブレイザイン・f28542)はスイス山間部の地下に広がる広大な空間『迷宮要塞』に共に突入してくれた仲間たちに振り返る。
 共に戦う仲間がいるということは心強いことだ。
 それを人は戦友と呼ぶのだろう。
 人は一人では生きてはいけない。社会というものを持つ生命であるからだ。確かに猟兵は単身強大な力を持つ者たちだろう。
 だが、そんな彼らをしてもオブリビオンは強大なのだ。
 故に共に戦う。

 迫る白銀のキャバリア『イカルガ』たち一つとってもそうだ。
 脅威以外の何者でもない。
「キャバリアが闊歩する地下要塞とは驚きですわね」
 エドワルダ・ウッドストック(金雀枝の黒太子・f39970)は、驚嘆するばかりであった。
 これほどの広大な空間がある、ということもそうだが、それ以上に敵がクロムキャバリア世界の兵器、キャバリアを有しているという点に脅威を感じていた。
「きゃばりあ……??」
 この要塞内部を闊歩する鋼鉄の巨人を見やり、ジャック・アルファード(黒の雷光・f38511)はなんとも要領を得ない顔で首を傾げていた。
 きゃばりあ。
 そう、それはクロムキャバリアの戦場における花形である。
 そして、オブリビオンマシンへとすり替わることでも知られている。故にジャックはピンと来たのだろう。
「あ、アレのことか。清導、エドワルダ。俺、そのきゃばりあ? ってのもってないから地上で支援するぜ」
「ああ、ありがとうな! この要塞を落として戦争を有利に進めるためにはジャックの力が必要なんだ!」
「おうよ、任せておきな!」
「お任せいたしますわ。ここの戦力を外に出すわけにはいきませんので。参りましょう!」
 エドワルダが騎乗するキャバリア『カナリア』が黄金の装甲を輝かせながら戦場たる要塞内部へと飛び込む。

 その動きに呼応するように白銀のキャバリア『イカルガ』たちが一斉に動き出す。
「敵の反応が疾いですわね!」
「なら、まかせな! ここから始まるのは、触れたら即死の音ゲー戦場だ!」
 ジャックの瞳がユーベルコードに輝く。
「さあ、うまく避けれたら褒めてやるよ……避けれたらの話だけどなぁ!!」
 ジャックが放つは、雷纏う衝撃波。
 それは敵の視線を着る用意して放たれる。
 稲妻迸る時間(ライトニング・リズム・ビート)が始まった瞬間だった。エドワルダの乗機『カナリア』にアサルトライフルの銃身を向けていた『イカルガ』たちは、ジャックの放った衝撃波を躱す。

 だが、幅の広い衝撃波の影響は飛翔する『イカルガ』たちの躯体を揺らし、体勢を崩させるのだ。
「チッ、躱すかよ」
「いや、十分だジャック! キャバリアが相手なら、こっちは巨神だ! 顕現せよ!『アフラ・マズダー』!!」
 清導の言葉と共に召喚されるは、黄金の光輪と翼を持つ文字通りの巨神であった。
 開放される力と意志。
『我を喚んだか……面白い細工をしている機兵が相手のようだな』
『アフラ・マズダー』の言葉に清導は頷く。
「頼めるか!」
『我を喚んだ以上、完全勝利を成して見せよ。それが主の役割だ」
 神剣を構えた『アフラ・マズダー』の背に炎の翼が生み出され、銀翼の白鎧(インビンシブル・シルバリオン)を纏う。

 そのユーベルコードの力の発露と共に振るわれる神剣の一撃はジャックの放った雷まとう衝撃波と共に戦場を切り裂く。
「はっ、すげえな、きゃばりあ? ってのは!」
「オレたちに不可能はない! 行けるか、エド!」
「ええ、おかげさまで! オーバーブースト・マイシマイザー、発動!」
 ジャックと清導の支援を受けて『カナリア』が飛翔する。
 確かに『イカルガ』は高性能であり、高機動型である。
 だが、こちらとて負けてはいない。
 凄まじい速度を得ながら『カナリア』が一気に飛翔する。それだけの機動を行えば、照準など合わせられようはずもない。

 だが、エドワルダは己が乗機の制御を己が飼うシカ『ペドロ』に任せ、搭載している荷電粒子砲の照準に注力していたのだ。
「ジャックさん!」
「あいよ、任せなよ! かわされるのなら、縦横に幅広くしてやればいいのさ! こんなふうにな!」
 ジャックの放つ衝撃波が網目のように『イカルガ』へと迫る。
 そして、さらに『アフラ・マズダー』の神剣より放たれた一撃が追い込んでいく。
 それは敵を切り裂くには足りないものであった。
 だが、彼らの攻撃は連携が取れていた。
 倒せなくとも、敵を一箇所に誘導する。その目的をもって攻撃を全て放っていたのだ。

 対する『イカルガ』たちは連携が取れていない。
 ただ単騎で戦うばかりと言わんばかりに他者との連携を密にしていないのだ。
「連携も取れねぇような連中には負ける道理なんてねぇよな! ここらで一発頼むぜ、エドワルダ!」
「ああ、今だ、エド!」
 その言葉を受けてエドワルダは荷電粒子砲より砲撃を行う。
 目がビームの一撃は『イカルガ』と『アフラ・マズダー』へと放たれ、敵機は打ち据え、そしてエネルギーを吸収した光焔が戦場に吹き荒れる。
「来た……! 行くぞ、『アフラ・マズダー』!!」
『去ね』
 その刀身が放つ一撃は要塞内部を揺るがすほどの一撃となって『イカルガ』たちを飲み込むのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

星野・祐一
「イカルガが相手か…へっ、改修したキャバリアの初陣には丁度いいや」
SPD

「…だけど動きがいいってのはあれか?コクピットに疑似脳でも詰まってるのか?…ま、それならそれでやりようはあるさ」
ブルースティールに搭乗し要塞に突入。接敵と同時に発動したUCの先制攻撃でイニシアチブを握る
機体を帯電させれば満足に動けねぇだろ!

PHBで頭部や腕部の破壊を狙い、CBRとDHBを乱れ撃ち、弾幕による制圧射撃で数を減らす
その際、瞬間思考力や集中力を駆使して可能な限りコクピットを狙う
一撃で仕留められれば倒せる数も増やせるからな

敵の攻撃は空中機動、推力移動によるダッシュで対処な
ついでにカウンターも付けとくぜ!

アドリブ歓迎



 量産機でありながら高性能機。
 それが『イカルガ』である。
 キャバリアの中にあっては、破格の性能であろう。
 機動性に優れ、汎用性のある武装を手繰ることができる。加えて、背面バインダーによる飛翔。
 これがクロムキャバリアではない世界において存在すればどうなるかなど言うまでもない。
 体高5m級の戦術兵器。
 これが自在に飛翔し、その武装を手繰るのだ。
 人型の戦術兵器が戦術を人と同じく手繰る。
 そのことにこそ、キャバリアの意味があるのだ。
「『イカルガ』が相手か……へっ、改修したキャバリアの初陣には丁度いいや」
 星野・祐一(シルバーアイズ・f17856)は己の乗機……『ブルースティール』を駆り、戦場に飛び込む。
 鈍色の機体装甲は、夜空を思わせるメタリックブルー。
 元の機体の名を『クロムスティール』と言う。
 大幅な改修を施した際に機体色を一新したのだ。

「いくぜ!」
 祐一は『ブルースティール』と共に『イカルガ』の放つアサルトライフルの弾丸を躱す。
 照準が疾い。
 銃撃のタイミングも一般のそれとは大きくことなるようだった。
「……動きが良い。やっぱ、あれか? コクピットに『疑似脳』でも詰まってんのか? いや、だが、あの時ほどじゃあないってんなら!」
 そう、敵の動きは疾い。
 此方が動くよりも早く決断し、銃撃を放ってきている。
 だが、その全てを覆す一打が祐一にはある。

『ブルースティール』の手のひらから放たれた雷球。
 それが瞬時に炸裂し、音よりも早く広がった光速の雷撃が『イカルガ』たちを貫くのだ。
「ハッ! 機体を帯電させれば満足に動けねぇだろ!」
 一瞬で踏み込み、『ブルースティール』はフォトンヘッドバルカンでもって『イカルガ』の頭部を打ち抜き、ビームライフルとバズーカでもって機体をうと落とす。
「とは言え、数が多いよな!」
 瞬時に祐一は視界に納めた『イカルガ』たちを睨めつける。
 瞬間思考によるターゲッティング。
 サイトに納めた瞬間に引き金を引く。

 敵の数は多い。
 なら、無駄玉を使っている暇はない。
 一撃で仕留める、と放たれたビームの光条やバズーカの弾頭が『イカルガ』のコクピットを貫く。
 爆散する機体。
 その爆風の最中を『ブルースティール』が駆け抜ける。
「よっし、次! やっぱ『疑似脳』が違うのか? 前のアイツとは違う……!」
 もしも、あの時遭遇したオブリビオンマシンに搭載されていた『疑似脳』と同じなのならば、此処まで容易く戦うことができなかっただろう。
 祐一は、己の新たなる乗機の力を確かめ、これならば戦い抜くことができると確信を強めながら、迫る砲火を躱しさらなる戦果を上げるのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ロニ・グィー
アドリブ・連携・絡み歓迎!

ぇー?なにそれー?
んもー迷宮だっていうから迷路探検のつもりでいたのにー
くっくっくっ、猟兵め迷宮を越えてここまで来れるものなら来てみろーとか言う義務がオブリビオンにはあるとは思わないの!

●全速順回転で粉砕し、破砕し、爆砕し、塵芥と化せ!
ドカデカ級の[ドリルボール]くんたちで要塞天井に穴を穿って要塞に吶喊!
加えて吶喊後は大きな[球体]くんたちを空間を埋め尽くす勢いで塊で出していって球体くんたちごと突っ込んで彼らの連携を分断してこう!
荒れ場を作り出して【第六感】に任せてUC『神撃』で殴ってまわってドーーーンッ!!

んもー
次があれば、そのときはちゃんと迷路を用意しといてよねー!



 見上げた先にあったのは空洞だった。
 此処はスイス山間部の地下。
『迷宮要塞』である。
 だが、ロニ・グィー(神のバーバリアン・f19016)が想像していたのは、言葉通りの迷宮であったのだ。
「ぇー? なにそれー? んもー迷宮だっていうから迷宮探検のつもりでいたのにー」
 ロニはがっくり肩を落としていた。
 つまんない。
 ただの空洞だけっていうのならば、これほどつまらないことはない。
 彼にとって迷宮とは探検するもの。踏破するもの。
 その先にお宝がある、というのが定番だったのだ。
 だが、此処にあるのは爆発と硝煙ばかりである。

「んもー! ここはさ、くっくっく、猟兵め迷宮を超えてここまで来れるものなら来てみろー! とか言う義務がオブリビオンにはあると思わないの!?」
 あるのかな、と思わないでもない。 
 だが、ロニの憤慨に答えを返すのはキャバリア『イカルガ』のビームソードであった。
 放たれる一撃。
 それは無慈悲であり、問答無用なる一撃であった。
「もー、本当に面白くないよね! こういうの!」
 ロニの頭上に振り下ろされるビームソード。
 だが、そのビームソードが彼を捉えることはなかった。彼の頭上から掘り進められていた掘削球体が『イカルガ』の頭部を削り、その躯体をも押しつぶし爆散させたのだ。
「こういうときは雑にやるべきだよね! さあ、球体くんたち、やっちゃってよ!」
 その言葉と共にあふれかえる球体。
 戦場を埋め尽くし、まるで荒らすかのように縦横無尽に駆け抜ける球体。

 これに『イカルガ』たちは対処していたが、連携が取れていない。
 元より、分断すべき連携など『イカルガ』にはないのだ。彼らは単騎で行動している。確かに数は多いが、いずれもが連携しようという発想がないのだろう。
 次々と迫る球体に個でもって対応してしまうのだ。
 そこが付け入る隙だった。
「まったく元から連携も何もないっていうのなら、数で来る必要ないよね! はい、どーんっ!」
 ロニは球体の影から飛び出し、己が拳を振るう。
 神撃(ゴッドブロー)たる一撃は『イカルガ』の頭部をひしゃげさせ、その勢いのままに敵機を砕く。
 爆散する機体を背にロニは降り立ち、溜息を吐き出す。
 つまらない。
 こういうのをやりにきたわけじゃないのに、意に反してこういうことをやってしまうなんて。
 不機嫌の極みのような顔をしてロニは憤慨する。

「んもー、次があれば、その時はちゃんと迷路を用意しといてよねー!」
 それが叶えられるかどうかはわからない。
 けれど、少なくともロニを退屈させることはないのかもしれない。
 そんな淡い期待を抱きながら、ロニは破壊という蹂躙と共に戦場を後にするのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友

第三『侵す者』武の天才
一人称:わし 豪快古風
武器:黒燭炎(と四天霊障)

キャバリアなぁ。手に入れてもいいとは思えど、何故か反対されるのよな…。
(それは『侵す者』が機械壊す人だから)

さて、集団でかかってくると。なれば、それも力にしてやろうぞ!
UC発動。これでわしに傷をつけても、強化にしかならぬ!
足を薙ぐように、黒燭炎を振るおう!

…ところでな。さっきから遠目のも壊れとるが、なんぞ?
(制御効かなくなった四天霊障で、無意識ジャミングしてる)



 キャバリア。
 それはクロムキャバリアにおける戦場の花形である。
 体高5m級の戦術兵器。
 オーバーフレームとアンダーフレームという上半身と下半身を操縦席であるコクピットブロックで挟み込んだ機構をしている。
 その汎用性は高い。
 例え、オーバーフレームが損壊しても、新たなるオーバーフレームを得れば、再び戦いに赴くことができる。
 故に多種多様な機体が存在している。
 そういう意味では多くの猟兵たちがこれを有している。
「キャバリアなぁ」
 馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)の一柱『侵す者』もまた、キャバリアを手に入れてもよいと思う猟兵の一人であった。
 
 だが、他の柱たちから反対される。
 何故かはわからない。いや、わかっているのだ。
 己が触ると何故か機械の類が壊れてしまうのだ。本人は何もしていない、というのだが、何かしたからそうなるのだ。
 そうでなければ、まさしく呪いか何かの類いであったことだろう。
「さて、とは言え敵の戦力を削らねばならん」
『侵す者』は『迷宮要塞』に突入しキャバリア『イカルガ』と対峙する。
 だが、集団で事に当たる、とう言う考えが彼らにはないのだろう。猟兵を見つけたとなれば、即座に『イカルガ』は単騎であれ数騎であれ向かってくるのだ。
 まるで条件反射である。

「ほう、数を有していながら連携をしない、か。まあ、よかろう。それも力にしてやろうぞ!」
 ユーベルコードの輝きを宿しながら、己が体躯を四悪霊の呪詛にて覆う。
 放たれたマイクロミサイルの爆発に飲み込まれながらも、その全てを力へと変換していく。
 それこそが四悪霊・『回』(シアクリョウ・マワル)。
 攻撃を受ければ受けるほどに力が増していく。
「如何にお主たちの攻撃が苛烈であったとしても、悪霊たるわしらには通用せぬよ。受けよ、我が槍を!」
 ふるった槍の一撃が『イカルガ』のアンダーフレームを薙ぎ払う。
 その一撃は強烈だった。
 まるで装甲などないかのように薙ぎ払った一撃は『イカルガ』を破壊し、さらに機能を停止さえるのだ。

 すると『イカルガ』は次々と爆散していく。
「な、なんぞ?」
 またか、と『侵す者』は思っただろう。
 なんか触ってもいないのに『イカルガ』が爆発してる。どういうことなのだろうか。
 いや、制御が効かなくなった霊障の類いであることは言うまでもないが、元より『イカルガ』には機密保持のための自爆装置が積んであるのだろう。
 爆散した機体が燃え上がる様を見やり、『侵す者』はまあ、構わぬか、と呟く。
『迷宮要塞』の戦力は大分削り落とした。
 ならば、後は速やかに撤退するべきだ。
 この空洞たる『迷宮要塞』がなんのためかは、戦線を押し上げて行けば判明することだろう。
「では、往くかの」
『侵す者』は破壊した『イカルガ』の残骸を背に、疾く要塞の外へと飛び出すのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年05月08日


挿絵イラスト