●狙撃手が警戒する魔術儀式
「みんな、獣人世界大戦への参加ありがとう」
そう言って、猟兵に感謝を告げるのはグリモア猟兵の風吹・香織(怠惰な「双胴の悪魔」乗り・f39889)だ。
知らない人のために、概要を軽くだけまとめておくよ、と香織が概要を話し始める。
「かつて自分達に痛手を与えた『はじまりの猟兵』の拠点を探していた超大国『ワルシャワ条約機構』、その支配者である『始祖人狼』が、遂にその手がかりを掴んだらしい」
それに呼応し、他の超大国もそれぞれに「始祖人狼の阻止」や「はじまりの猟兵の奪取」を目的として、ワルシャワ条約機構への大規模な軍事侵略を開始している。
「戦争が発生すれば、犠牲となるのは罪もない獣人達だ。そのうえ、超大国のオブリビオン達は「|世界の滅亡《カタストロフ》」さえも意に介していない。決して、超大国の好きにはさせないためにも、みんなの力を貸しておくれ」
そう言って、香織は猟兵達を見た。
「今回向かってもらうのはウラジオストク。ここには幻朧帝国から出兵してきた『|黯《あんぐら》党』が上陸し、周辺地域を占領している。厄介なのは、ウラジオストクに敷かれた多数の魔法陣や呪術仕掛け、その一つ一つが全て異世界より『悪魔の王』と称される超強大な|悪魔《ダイモン》を呼び寄せる為の大規模儀式魔術の一部となっている、と言うことだ」
召喚対象が極めて強大な為、儀式の完遂までには時間がかかるようですが、仮にこの儀式が成功してしまえば黯党への勝ち目はなくなりかねない。儀式魔術を可能な限り迅速に破壊し、召喚を阻止する必要がある、と香織は説明する。
「幸い魔術儀式の仕掛けの大まかな位置は分かっているだけど……」
そこは狙撃手達が警戒しているエリアであるらしい。
「いっそ爆撃して殲滅できれば気が楽だが、この街にはまだ市民も残っているからそうもいかない。狙撃手に対応しながら、儀式の仕掛けを発見し破壊してくれ。頼んだよ」
そう言って、香織は猟兵達を送り出すのだった。
メリーさんのアモル
まだまだ獣人戦線で戦争だ! こんにちは、メリーさんのアモルでございます。
今回は冒険選択肢になります。
狙撃手に警戒しつつ、魔術儀式の仕掛けを発見し、破壊してください。
「街中に設置された儀式魔術の仕掛けを見つけ出し、破壊する」ことでプレイングボーナスを得られます。
それでは、頑張っていきましょう。
第1章 冒険
『死を運ぶ闇夜の狙撃手』
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POW : とにかく逃げて逃げて逃げまくれ!
SPD : 飛んできた弾丸を素早く回避する!
WIZ : 魔術や賢さを活かして凶弾から身を守る!
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
スリジエ・シエルリュンヌ
なるほど、狙撃手に用心しながら…。
いえ、狙撃されても倒れなければいいのでは…?
では!光り輝いてしまいますが…【探偵は倒れない】!
これで狙撃されても…倒れることはなく。
狙撃された角度から計算して、どこにいるかを割り出して…鬱陶しいので黙らせますね。
手刀でごすっと。
そして仕掛けは、大まかな位置がわかってますから…ええ、殴ります。光り輝いてるとこれしか使えないので!
でも、安全のためにはこれで行くしか!
だから、破魔付きで殴りますね!線を切るようにすれば、魔法陣は壊れるでしょうか?
「なるほど、狙撃手に用心しながら……」
今回の作戦を聞いて、頷きながら何やら考え事をしている様子の猟兵が一人。
隠れ里にて影朧への癒しと探偵修行をしていたスリジエ・シエルリュンヌ(桜色の文豪探偵・f27365)だ。
「いえ、狙撃されても倒れなければいいのでは……?」
そして、出た結論はこれだ。
「では! 光り輝いてしまいますが……【|探偵は倒れない《ディティクティブ・スリジエ》】!」
夜の街の中、光り輝く桜色の文豪探偵が一人。
そんなことをすれば当然、目立つも目立つ。
狙撃手どころか、周囲の住民達でさえ、一斉にスリジエの方を見ている有様だ。
当然の帰結として、周囲の狙撃手が一斉にスリジエに狙いを定める。
直後、一斉に発報。狙撃攻撃を放つ。
突如鳴り響く発報の音に、住民達は悲鳴を上げ、建物の中へと逃げていく。
周囲の狙撃ポイントから一斉に放たれたその狙撃は回避不能。誰だか知らないが(いや光っているアイツに決まっているのだが)、狙われた誰かは即座に凶弾で倒れたことだろう。
その場にいた住民達全員が逃げ惑いながらそう思った。
だが、その凶弾に倒れた者は、いなかった。
無数の狙撃手から一斉に狙撃されたはずなのだが、倒れないどころか、もはやほとんど無傷。
「狙撃された角度から計算して、どこにいるかを割り出して……」
狙撃手の位置を確認。一気にそちらへと肉薄し。
「……鬱陶しいので黙らせますね」
桜手袋で保護した素手から繰り出される手刀により、狙撃手を黙らせる。
かくして、ある儀式場の周囲を守る狙撃手は瞬く間に全員が強制的に沈黙させられたのであった。
これこそが、スリジエのユーベルコード『|探偵は倒れない《ディティクティブ・スリジエ》』。
光り輝く事と、素手での戦闘に限定されてしまうのが欠点だが、その代わりに素手の届かない位置からの攻撃は全てほとんど無効化してしまうというまさに狙撃手対策に抜群のユーベルコードだ。
「そして仕掛けは、大まかな位置がわかってますから……ええ、殴ります」
なにせ光り輝いているとこれしか使えないので仕方ない。
もしかしたら、スリジエのユーベルコードの性質を見抜き、解除するタイミングを狙っている狙撃手がいないとも限らない。
故に。
「でも、安全のためにはこれで行くしか!」
というわけで、スリジエは床に設置されていた魔法陣を手刀でズタズタに破壊したのであった。
大成功
🔵🔵🔵
夜鳥・藍
狙撃手たちが警戒というと狙撃ポイントから見えて、かつ一般の人々からは見つかりにくい場所ですよね。
白銀を召喚、申し訳ないですが彼に囮となっていただきましょう。
体色、大きさもあって目立ちやすいでしょうし。だからと言って目障りになるほど動き回る、飛び回らないように。
ふと視界の端をよぎり意識を逸らせる程度に。目立ちすぎますと狙われる可能性もありますし、逆に気にされなくなる可能性もありますもの。
私はフードを被り髪色が目立たなないようにして、伺っていた大まかな位置、さらにそこから先程述べた狙撃ポイントから見えてかつ一般人から目立たぬと目星をつけた場所で仕掛けの捜索と破壊を行います。
「狙撃手たちが警戒というと狙撃ポイントから見えて、かつ一般の人々からは見つかりにくい場所ですよね」
フードを被り、よく目立つ銀髪の髪が目立たないように工夫しながら、そう思案するのは帝都の片隅で占い師をしている夜鳥・藍(宙の瞳・f32891)だ。
「さぁ、行きましょう」
そう声をかけて「月」のカードを媒体に呼び出すのは藍の二倍も身長があるかと思われる翼を持つ銀狼、|白銀《しろがね》。大きな翼と体長、そして、銀色の体毛もさることながら、右目が青、左目が金のオッドアイもなかなかに目を惹く存在だ。
「申し訳ないですが彼に囮となっていただきましょう」
普段は騎乗用に頼られる白銀だが、今回は囮に使われてしまうらしい。
だが、白銀はその指示に嫌な顔一つせず、街へと駆け出した。
囮とはいえ、目障りになる程動き回ったり飛び回ったりしないように、と藍は白銀にいい含めてある。
理想はふと視界の端をよぎり、意識を逸らせる程度。
まぁ、そうは言っても身長200mを超える巨大な銀狼が目立たないわけはないので、あくまで理想は理想だ。
程なくして、狙撃手達が銀狼の存在に気付く。
ただ、銀狼は見た目が目立つ以外はただ街中を歩いているだけで、特に彼らの防衛対象である魔術儀式を妨害しようとか、破壊しようとか、と動いているわけではない。
それゆえ、狙撃手達は判断に迷う。
撃って良いのか、撃たぬ方が良いのか。
狙撃手とは姿を隠し一方的に攻撃できる有利なポジションを持っている存在のようにも思えるが、同時に位置が知られれば即座に反撃を受けかねない危険なポジションでもある。
故に迂闊に狙撃を実行し、その居場所が割れてしまっては危険なため、怪しいから、と言う判断だけで迂闊に発砲することは躊躇われたのである。
これは完全に藍の判断勝ちと言えるだろう。もし、目立てば目立つほど良いとばかりに、飛んだり跳ねたり目障りになるレベルで目立っていれば、即座に危険と判断されて撃ち抜かれていた可能性は高い。
とはいえ、狙撃手としてもいつこの銀狼が攻撃的な動きに出るか分からないとなると、マークを外すわけにもいかない。
狙撃手の注意は自然と散漫になっていく。
その間にフードを被った藍が、最初に述べていたような場所を捜索し始める。
そして、狙いは的中。
そこには魔術儀式の儀式場があったのだった。
藍は狙撃手の注意が白銀の向いている間にこの魔術儀式を破壊、狙撃手がその事実に気付くより早く、そのエリアを離れるのだった。
銀狼がいなくなり、ほっと一息ついた狙撃手が本命の守るべき儀式場が破壊されている事に気付くのはその後すぐのことであった。
大成功
🔵🔵🔵
木常野・都月
◎
狙撃手……という事は、銃弾は金属?
金属なら対処できるかもしれない。
狙撃手の対処は、地の精霊様にお願いして、俺の周囲に電磁場を作って貰おう。
電磁障壁に当たれば、磁力の力で銃弾を止めたり落としたり出来るはず。
後は装置の捜索か。
風の精霊様、街中を[情報収集]して、仕掛けを探して欲しい。
後は風の精霊様の情報を基に、UC【狐火】で装置のみを狙っていこう。
念のため、一般人に被害が出ないように、火をコントロールしていこう。
もし風の精霊様が狙撃手を見つけたら……オブリビオンなら一緒に燃やそう。一般人なら軽く狐火で炙っておくか。
万が一、飛び火しそうなら、[高速詠唱、オーラ防御]で一般人や周囲の建物を守ろう。
「狙撃手……という事は、銃弾は金属?」
今回の作戦エリアの話を聞き、そう呟くのは狐の姿で産まれた先祖返りの妖狐、木常野・都月(|妖狐《ヒト見習い》の精霊術士・f21384)だ。
「金属なら対処できるかもしれない」
そう言って、『エレメンタルロッド』を操ると、地の精霊が姿を現し、周囲に電磁場が出現する。
「電磁障壁に当たれば、磁力の力で銃弾を止めたり落としたり出来るはず」
つまりこれが、都月の狙撃手対策であった。
「後は装置の探索か」
再び操るは『エレメンタルロッド』。
「風の精霊様、街中を情報収集して、仕掛けを探して欲しい」
そう依頼すると、呼び出された風の精霊は速やかに風となり街中を駆け回り始める。
しばらくすると、風の精霊様から情報がもたらされる。
もたらされるのは魔術儀式の儀式上の場所と、そして狙撃手の居場所だった。
「燃えてしまえ」
発動するはユーベルコード『狐火』。
総勢百四十一個もの狐火が出現し、魔術儀式装置や、狙撃手——幸いにも彼らはオブリビオンであったため攻撃を遠慮する必要はなかった——に対し攻撃を仕掛ける。
街中で火を使うと聞くと非常に危険な行動に聞こえるが、延撚したものも含めて自在に火を消すことができるので、うっかり民間人や街に被害を出してしまう可能性はない。
ところで、これまではただ街中を歩いているだけの人間であったが故、ノーマークになっていた都月であるが、流石にユーベルコードを発動し、その炎を展開し始めたとなると、狙撃手達もそれを敵と認定せざるを得なくなる。
そんなわけで狙撃攻撃が飛んでくるのだが。
結果はご存知の通り、都月が最初に行った対策が成功。まるで見えない壁があるかのように、弾丸は都月に命中する少し前に空中で静止し、そのまま落下していく。
そして、狙撃を行えば位置がわかってしまうのはもはや自明の事実。
迂闊にも、と形容するのは気の毒かもしれないが、ともかく、位置を晒す狙撃を行った狙撃手オブリビオンは速やかに駆けつけてきた狐火によって、燃やし尽くされる結果に終わる。
結局、都月はその場から一歩も動くことなく、精霊の力と狐火によって、周囲の魔術儀式を破壊して回ることに成功したのだった。
大成功
🔵🔵🔵