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獣人世界大戦①〜砕氷の無限軌道〜

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 ドイツの首都であり、ゾルダートグラードの本拠地「無限軌道都市ベルリン」。
 多数の鋼鉄機械罠に守られたその地は、無限軌道によって自ら移動することすら可能な「動く要塞都市」である。
「まあ、その機械罠を掻い潜って何人か有力者を屠ってきたんですがね」
 ルウ・アイゼルネ(滑り込む仲介役・f11945)は鼻で笑った後、真剣な表情で集まった猟兵達に向き直る。
「総統『ギガンティック』の号令によって無限軌道都市がワルシャワ条約機構に向けて真っ直ぐ移動を開始しました。……そう|真っ直ぐ《・・・・》です」
 ルウはテーブルの上にヨーロッパ地図を広げる。ベルリンからモスクワまで真っ直ぐに引かれた線の上にはいくつもの都市や町村の名前があった。
「ギガンティックは時間のロスを最小限に留めようとしてるのか、あらゆる物を薙ぎ払ってでも最短距離で行くルートを現時点で選択しています。あちらからしてみれば建物はいくらでも再建出来る、人死にが出たとしても近づいてきてるのが分かるのに逃げきれなかった方が悪い、といったところなのでしょうが」
 しかし自らの欲望のためにその避難活動を妨害しようとしている者が、よりにもよってゾルダートグラード軍の中にいた。
「クレバス将軍。『凍瞳氷狼』という異名を持つ彼は自らの欲を満たすために進路にある都市へ氷結弾を事前に撃ち込んで、人も物もまとめて凍らせて動けなくしたところをベルリンの無限軌道で轢き砕こうとしています」
 猟兵には氷の魔法を使う者も数多くいる。クレバスはそうした彼らに全ての罪を被せて、自身は一切関与していない体を取るつもりのようだ。
「冤罪を被せられる前に、彼の目論見を先に命ごと粉砕してやりましょう」
 すでにクレバスは犯行現場から離れてベルリンの操縦席に座り、運転を行っているようだ。
「皆様にはこれからベルリンへ乗り込み、クレバスの首を狙うと同時に操縦席を破壊して無限軌道の駆動を阻害してもらいます。凍らされた人々の救出のため、なるべく長い時間稼いでいただけると非常に助かります。……それでは本日もよろしくお願いいたします!」
 そう言ってルウは猟兵達をベルリンへ送り出した。


平岡祐樹
 お疲れ様です、平岡祐樹です。
 このシナリオは戦争シナリオとなります。1章構成の特殊なシナリオですので、参加される場合はご注意ください。

 今案件にはシナリオギミック「移動要塞の操縦を妨害する」がございます。
 これに基づく対抗策が指定されていると有利になることがありますのでご一考くださいませ。
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第1章 ボス戦 『凍瞳氷狼『クレバス将軍』』

POW   :    120mm迫撃弾
【120mm迫撃弾】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD   :    アイスクロー
【機械の手】からレベル個の【触れると凍る氷の爪】を射出する。射出後も個々の威力を【機械の手】で調節でき、低威力ほど視認困難。
WIZ   :    広範囲式氷結弾
【背部120mm迫撃砲】から【広範囲式氷結弾】を放ち、【凍結】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:はるまき

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠テフラ・カルデラです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

溟・哀上
アドリブ等歓迎です。

うぅ、鉄と油と火薬のにおいでいっぱい……。
住民のみなさんをお守りするためにがんばらないとですが……ち、ちょっとこわいです!

ともかくペットのぶーちゃんに先導して兵隊さんの位置を探ってもらいながら、操縦室まで道案内をお願いします。
将軍さんを見つけたら、「そこまでですっ!」とか、えぇと……「投降してください!」と声を掛けます。不意打ちはしたくないですし、まずは注意を引き付けないとっ。
通常の銃火器なら、わたしも瑞獣の端くれ。盾でしっかり防ぎ切れます。
痺れを切らして氷結弾を撃ち込んできたら、因果をお見せする時です!
わたしのユーベルコードで、逆に操縦席ごと氷漬けにしちゃいますから!



「うぅ、鉄と油と火薬のにおいでいっぱい……。住民のみなさんをお守りするためにがんばらないとですが……ち、ちょっとこわいです!」
 無限軌道が常に動くことで絶えず地面が揺れ、険しい表情の住民が忙しなく駆け回っているベルリンを溟・哀上(🐢まいごの小ガメ🐍・f35080)はペットのぶーちゃんの先導を受けながらヨタヨタと歩いていた。
 路地を抜ける前にぶーちゃんが止まれば、数秒もしないうちに鬼気迫る表情で武装した兵士が駆け抜けていく。逆にぶーちゃんが全く迷いもせずに進んでいけば誰と出くわすことなく前に進むことが出来た。
「さすがぶーちゃんで……あっ」
 素直に褒め称えようとしたところでぶーちゃんが溟の頬に尻尾を押し付けてあちらの方向を見るように指図してくる。
 視線が向いた先には、背負った大砲が背もたれに当たらないように前屈みになりながら建物の一角に置かれた操縦桿を弄るオオカミの兵士がいた。
 不意打ちはしたくないですし、まずは注意を引き付けないと、と溟は声を張り上げた。
「そこまでですっ! えぇと……投降してください!」
 兵士———クレバス将軍は溟を一瞥すると鼻で笑った。
「誰かと思ったら……兵士に憧れてるお子ちゃまは大人しくママのところに帰って寝てな? おじさんは仕事中なんだよ!」
「わ、わたしだってお仕事中ですっ! あなたの企みを止めさせていただきますっ!」
 飛び込んだぶーちゃんが、完全に舐め切った態度で隙だらけのクレバスに噛み付く。厚い軍服をも貫通する牙によって肉を穿たれた痛みにクレバスは顔を顰めながら機械の義手を器用に扱って、腰に下げていた銃を引き抜いた。
「この、コブラ野郎が!」
 引き金が引かれると同時にクレバスとぶーちゃんの間に割って入った溟が、自分の身の丈ほどもある盾でその銃弾を弾き返す。
「通常の銃火器なら、わたしも瑞獣の端くれ。盾でしっかり防ぎ切れますっ!」
「ずいじゅうが何だか知らねぇが舐めやがって!」
 簡単に頭に血が上った様子のクレバスは四つん這いになると、背中の大砲から抑えきれないほどの冷気が漏れ出てきた。溟は息を飲むと盾を持つ手の力を強めた。
「氷の中でアホヅラ晒しやがれ!」
 120mmの砲塔から放たれた氷結弾が周囲の壁や床を氷に閉じ込める。しかし亀の甲羅を連想させる大楯が白く染め上げられることはなかった。
『いっ……因果覿面、です!』
 盾の影から顔を出した溟が見たのは、四つん這いの状態で叫んだまま氷塊の中に閉じ込められたクレバスの姿だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

イーブン・ノルスピッシュ
再びベルリンへ来ることになるとはな
これ以上、屍を積ませはせん
三度目が無いよう焼き尽くしてやる
あのウサギのように

挨拶代わりに榴弾を見舞う
避けようが防ごうが、爆発の余波や飛び散った破片は周囲の操縦機器にも降りかかるだろう
UC発動
さあ、俺を見ろ
今に、操縦桿も投げ出して、最大威力で俺を叩きのめす他に何も考えられなくなるハズだ
氷の爪をギリギリまで引き付け、操縦機器に当たるよう回避
炎のオーラ防御を纏って体温を保ちつつ、突き刺さった氷の爪を徐々に溶かす
破壊され剥き出しになった配線が、床に滴る水へ浸れば、即席の感電トラップだ
動きが止まった所へ、炎を纏わせたパイルを叩き込む

ここが貴様の棺桶だ
鉄屑と共に沈め



「再びベルリンへ来ることになるとはな……」
 あの時と違い、絶えず揺れる地面を踏みしめながらイーブン・ノルスピッシュ(|死を焚べて灯る鬼火《ゲシュペンスト・イェーガー》・f40080)は安全ピンを引き抜く。
「これ以上、屍を積ませはせん、三度目が無いよう焼き尽くしてやる。あのウサギのように」
 そしてついさっき起きたばかりの轟音と共に凍りついた地点へ全力で投げ入れた。
 激しい爆発によって氷が割れ、閉じ込められていたクレバスが転がり出る。さらに爆発の余波や飛び散った破片が周囲の操縦機器にも降りかかった。
「さあ、俺を見ろ。『墜ちてこい』」
 その呼びかけに飛び起きたクレバスは手を伸ばせば届く距離にいた溟に目もくれず、雄叫びをあげながらイーブンに襲いかかった。
 イーブンは操縦席が背面にくる位置に陣取るとギリギリまでクレバスを引き付け、当たる寸前で回避する。
 氷とはいえ、殺傷能力を有するように設計された爪は金属板を易々と引き裂き、基盤を壊されたことで外れた部品が転がり落ちた。しかし目の前の|イーブン《ウサギ》を征服したい、復讐したいという欲望がクレバスの思考力を皆無にさせていた。
「ちょこ、まか、とっ、逃げんじゃねぇ! この、ウサギ、野郎!」
 自分自身が操縦席を壊しかけているという事実に全く認識できないまま、クレバスはイーブンをオオカミらしく追い立てる。しかしその実はイーブンの掌の上で踊らされているだけ。
 再び操縦席の前に陣取ったイーブンの対角線上に立つように誘導されたクレバスは義手の指を全て向けて先端に伸びる氷の爪を射出してきた。
 ウサギ族の中でも並外れた巨体である体に刺さる前に蒸発させることは出来なかったが、その身に纏っている炎のオーラが体温を保ちつつ、服を突き破って刺さった氷の爪を徐々に溶かしていく。
 そして先端から滴り落ちて溜まった水に破壊された弾みで剥き出しになった配線が浸れば、即席の感電トラップの出来上がり。
「ああああああああっ!?」
 悪霊であるイーブンには関係ないが、実体のあるクレバスには通用する。
 何の警戒もせずに水溜まりに足を突っ込ませたクレバスの動きが止まった所へ、イーブンは炎を纏わせた|杭《パイル》を叩き込んだ。
「ここが貴様の棺桶だ、鉄屑と共に沈め」
 土手っ腹に開いた大きな傷はすぐに焼き固められた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

サーシャ・エーレンベルク
……早速の被害に合う氷使いの1人な訳だけど。
一般の獣人たちに敵と味方を見誤ってもらっては困るし、私が出る。

あなたの氷の技、その機械腕の機能なんでしょう?
【冰縛結風】で対象の足や体、迫撃砲の射出口を凍結させて行動を阻害するわ。
瞬間思考力で射出された氷の爪を見切り回避、同時に使うユーベルコードは【呪詛死神】よ。
私のかつての仲間に、ゾルダートグラートに死神と恐れられた狙撃手がいてね。
機械を蝕む死神の弾丸の雨、受けてもらうわよ。



「一般の獣人たちに敵と味方を見誤ってもらっては困るし、私が出る」
 そう言ってベルリンに降り立ったサーシャ・エーレンベルク(白き剣・f39904)は拳銃では起こり得ない轟音で異変に気づき、現場へ駆けつけた。
「氷使いだとは聞いてたけど、確かにキレイに凍ってるわね」
 爆発によって多少抉られてはいるものの、近くの建物の壁や道路には氷の膜が残っている。
「……早速の被害に合う氷使いの1人な訳だけど。覚悟は出来ているんでしょうね?」
 そしてその端にはこれまでの戦闘ですでにボロボロになった操縦席の前に陣取る、電気ショックと熱された杭によって正気を取り戻した様子のクレバスの姿があった。
 肉薄されると同時に振り下ろされるサーベルの刃をクレバスは息を飲みながら、義手から即座に展開させた氷の爪で受け止める。
 鍔迫り合いながら顔を触れない程度まで近づけたサーシャは語りかける。
「あなたの氷の技、その機械腕の機能なんでしょう?」
「だから何だ!」
「あなた自身の力じゃないなら、氷に対する耐性は持ち合わせてないと思って」
 そう言って微笑んだ魔力の暴風が辺りを包み込む。するとその渦中にいたクレバスの四肢が氷に包まれ出した。
 息を呑んだクレバスは背中の大砲から120mm迫撃弾を放とうと身を屈めるが、その射出口もすでに凍りついていた。
「このっ!!」
 背中の大砲が使えないと気づくや否やクレバスは力任せに腕を壁に叩きつけることで氷を砕くと、再び凍りついてしまう前に義手から氷の爪を掃射する。
 しかしクレバスが腕を動かした瞬間に相手が何をやろうとしているか察したサーシャは氷の爪が届かないところにまで届かない位置に飛び移り、狙撃銃を構えていた。
「私のかつての仲間に、ゾルダートグラートに死神と恐れられた狙撃手がいてね。機械を蝕む死神の弾丸の雨、受けてもらうわよ」
 射撃反動による衝撃全てを銃弾のエネルギーに組み込む術式が音もなく動き出す。
『死神の所以を知りなさい。』
 一切のブレも無く放たれた弾丸をクレバスは交差させた義手で受け止める。すると弾丸を受けた箇所から腐蝕が始まる。
 当たったのは全く違う部品でも腐蝕は予想外の速度で小さなネジにまで侵食し、留めを半分失った外殻が外れかける。
 視界の端で大きく動いたそれに気を取られたクレバスは、額に銃弾を叩き込まれて大きくのけ反った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヌグエン・トラングタン
そういうのは、迷惑なんだよなぁ…。やることが汚ねぇ。
しかし、やれることはやらないとな。

金翅蝶をやって、操縦を邪魔するように。
で、だ。氷の爪ってのが成立するには、「水分の凍結」がないといけない。
だからな、UCで吸ってやるよ、その『凍結』をな!
まあ、さっきまで凍ってたものも一時的に解けるが…すぐに俺様ので凍るだろうよ。
視界内なら、操縦席にも行くだろうしなぁ…。

言っとくが。その趣味の悪い欲望は、俺様は否定する。
当たり前だろ、人の命がかかってんだから。



「そういうのは、迷惑なんだよなぁ……。やることが汚ねぇ」
 ヌグエン・トラングタン(欲望城主・f42331)はこめかみを叩きながら唸る。
 クレバスの目論見通りに事が進めば、守る対象である住民から冤罪だろうと恨み辛みを買うことは間違いない。ゾルダートグラード軍による虐殺だと証明する証拠をこちらは有していないから。
 街の状況をなぜ確認しなかった、とゾルダートグラード軍にも批判は集まるだろうが言い訳じみた発表をして強引に納得させるか、臭い物に蓋をするように口封じするのだろう。
「しかし、やれることはやらないとな」
 ベルリンの無限軌道を完全に停止させるどころか、その回転を鈍らせることも難しいだろう。だがだからと言って|首謀者《クレバス》を捨て置くことは出来ない。
 金属の躰で敵を切り裂く蝶がベルリン各地で行われている運転の邪魔をしに飛び立つ中、ヌグエンは銃声が絶えず響く一角を覗き込んだ。
 すると腐った皮膚の下に隠れていた機械部を露出させ、壊れかけの義手をもう一方の手で押さえるオオカミの獣人———クレバスの姿があった。
「くそっ、敵は続々集まってくるってのに味方が誰1人来ねえっていうのはどういうつもりだ!」
「単にお前に人望がないだけじゃないのか?」
「うるせぇ!」
 それだけボロボロになっていても肝心の機構は壊れてなかったようで、煽りにキレたクレバスの8本の指から鋭利な氷の爪が展開される。
 そして四つん這いになって爪を地面に突き刺し、120mm迫撃弾を発射した。
 正面からその一撃を食らったヌグエンだが、メガネがひしゃげて飛び、筋骨隆々の上半身を隠す布が散らされただけで済んだ。
 「欲望竜」の名を冠するボスキャラとして、この程度は耐えないとな、とヌグエンは目を閉じつつ、立てた人差し指をくるくると回しながら告げた。
「氷の爪ってのが成立するには、『水分の凍結』がないといけない。だからな、ユーベルコードで吸ってやるよ、その『凍結』をな!」
 ヌグエンが目を見開いた瞬間、クレバスの氷の爪も壁や道に張りついていた氷も総じて溶け落ちる。そして凍結という現象を作り出すエネルギーを固めて作られた炎の弾丸がヌグエンの周囲に浮かび上がった。
「言っとくが。その趣味の悪い欲望は、俺様は否定する」
「はぁ? なんでだ!?」
 「己があるままでいたい」という欲望を肯定するNPCという立場であっても、超えてはいけないラインという物はある。
「当たり前だろ、人の命がかかってんだから」
「さっきから何を偉そうに!」
「お前は俺様のことを知らなくても、俺様はお前のことをよおく聞かされてた。それだけの違いさ。この先の街で何をやってからここに入ったか、とかな?」
 ヌグエンの言葉にクレバスが息を呑んで固まる。その反応こそが何よりの証拠だと内心嗤いながら、ヌグエンは弾丸を放つ。
 燃え盛るビジュアルであるが、参照したデータを元にした一撃はクレバスごと壊れかけの操縦席を凍結させた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ウィズ・ザー
認識弱い子騙して同士討ちさせるってェ手段はよくあるけどよ。小賢しいンだよなァ…
何より、未来の国民潰す頭の無さが気に食わねェわ。

機械ってンなら通電物質使わない訳無ェよな。影翔を発動。ガワでも、中枢機関でも仲間が傷つけた場所なら何処からでもイケる
通電物質間の移動能力で、移動要塞の動力源へ一気に移動し、動力ごと|吸収し喰らう《破壊する》。

操縦者は他に任せるぜェ

間違っても暴走させねェよ。

◎アドリブ歓迎
属性攻撃や生命力吸収など技能使用



「認識弱い子騙して同士討ちさせるってェ手段はよくあるけどよ。小賢しいンだよなァ……」
 ウィズ・ザー(闇蜥蜴・f11239)はチロチロと舌を出しながら、銃弾の雨霰にあって奇妙な踊りを舞うクレバスを見つめる。
「何より、未来の国民潰す頭の無さが気に食わねェわ。自分の殺戮衝動だか私利私欲だかを? 満たすためだか何だか知らねェけどさァ?」
 何物よりも黒い蜥蜴の姿が歪み、稲妻が体のあちこちから迸るようになる。
「機械ってンなら通電物質使わない訳無ェよな。『一時身体を貸せ、ドゥーガ。』」
 そして大きな膜の張った翼をはためかせる飛龍と化したウィズは凄まじい速度でクレバスの体をすり抜けた。
「……っ、なんだ!?」
 飛び交う弾幕に気を取られ、ウィズの巨体を見逃したクレバスであったが高速の物が通り過ぎた時に起こる風でその存在があったことは認識する。
 しかし体自体に異常は見出せず義手の外殻がまた大きく外れかけたことに意識がいってしまい、風圧の原因を探ることなくヌグエンと対峙することになった。
 そうして悠々と関門を突破したウィズは操縦席の基盤に潜り込むと通電物質間の移動能力で、ベルリンの無限軌道の動力源へ一気に移動していた。
 この体ならガワでも、中枢機関でも傷ついて開いた場所なら、何処からでも———例え壊れて修理しなければ動かなくなった代物でさえもイケるのだ。
「間違っても暴走させねェよ」
 ウィズは動力を産み出す機械ごと吸収し喰らい、破壊する。
「ごッちそうさん」
 そして再び接続先を失った機械に潜り込み、だいぶ広くなった空間から退散する。
 直後、ベルリンの無限軌道の動きが停止する。
 操縦桿をいくら動かしても動かない緊急事態を知らせる通報を矢継ぎ早に受けて慌てて駆け込んできた整備班は、すっからかんになった部屋を見て愕然とした。
 単純な故障なら部品を1つ2つ直せばどうにかなる。しかし機器丸ごと奪われてしまったら1から全部作り直さねばならない。
 ワルシャワ条約機構と猟兵の板挟みにあいながら、要塞に保管されている部品をどのように組み合わせれば代替品を作れるのか。また総統にどのように報告すればいいのか。
 担当者は突然降って湧いた難題に絶望した。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年05月04日


挿絵イラスト