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獣人世界大戦②〜きょだいなてきをうてようてようてよ

#獣人戦線 #クロムキャバリア #獣人世界大戦 #第一戦線 #ゾルダートグラード

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●もえあがれもえあがれもえあがれりょうへい
 ついに戦争が起こってしまった獣人戦線。そんなわけで早速アイクル・エフジェイコペン(クロスオーバー三代目・f36327)も猟兵たちを送り込むべく早速ブリーフィングを開始した。
「今回みんなに行ってほしいのはスイスにゃ」
 スイスといえば獣人戦線を襲う超大国のひとつ、機械帝国ゾルダートグラードの支配地だ。その主力は|機械兵士《ゾルダート》なる改造獣人やクロムキャバリアにもある二足歩行型先頭車輛キャバリアなわけだが。
「で、そのスイスに巨大要塞が発見されたんにゃけど、余程重要なトコらしくて、敵の最新型キャバリアの大軍が守っているらしいんにゃ。みんなにやってほしいのはその兵力を削る事にゃ」
 要は敵のキャバリア軍団と戦い、正義の怒りを怒りをぶつけて倒しまくれば良い……のだが。事はそう単純に行かない。
「やっぱりにゃ、基本でっかいてのは強いのとイコールだしにゃあ。人が乗り込む巨大人型兵器なんか普通に考えれば超絶強いわけにゃ」
 ちっこいのにパワーがあるドワーフが言ってもあまり説得力がないような。ちっこいのに。
「お前後で殺す」

 さて今回の敵は【ジェネム2】なるキャバリアだ。ジュネムはビーム兵器を搭載した量産型機として、キャバリアなのに戦艦主砲並みの威力と恐れられた名機であるらしいが、さすがに旧式化したので大規模近代改修を施して現代の戦いにも対応できるようにした機体だ……まあ最新型と呼んで差し支えないだろう。他機との連携を重視した機体のようで、以下の3種類の戦法をとってくるらしい。
 【全機一斉射撃】は文字通り、手にしたビームライフルでの攻撃だ。ビームライフル自体は強力だが単発ならばまだ防ぎようがあるかもしれないが、部隊が一斉に同じ標的を狙うとあればその破壊力を防ぎきる手段などなかなか限られてくるだろう。
 【突撃援護】は連携攻撃だ。まず一機のジュネム2がビームライフルで敵を攻撃し、それが命中、あるいは防御した時に別のジュネム2がビームサーベルで斬りかかるというもので、単純に1対2の時点で苦戦は必至だというのに、連携を組まれたらその脅威は計り知れない。
 【別動隊合流】は他のジュネム2の部隊と合流するというものだ。ただでさえ巨大なキャバリアは単機であっても驚異なのに、複数機のチームで動く事を前提に設計されたらしいジュネム2は常に複数で動いている。その数が倍になる……戦いは数だよ兄貴という言葉を多くの者が思い出すに違いない。

「とにかく、真正面からぶっ飛ばすじゃたぶん苦戦は必至だと思うんで、なんか策を考えたのがいいかもにゃ」
 巨大な上に数もそろっている相手にどう立ち向かおうか。こちらもキャバリアや同様の大型兵器で対抗するか、巨大な敵であっても体格差や数など問題ないとあえて無策で突っ込むか、それとも……全ては猟兵に一任されている。
「大変な事頼んじゃって悪いけど、なんとかしてほしいにゃ」
 アイクルの一礼を受け、猟兵たちはスイス地下へと向かうのだった。


らあめそまそ
 らあめそまそです。
 今回のシナリオにはプレイングボーナスが存在し、それをプレイングに組み込む事で判定が有利になります。

 プレイングボーナス……キャバリアを用いた集団戦闘に対処する。

 とにかく巨大な敵集団と真っ向からぶつかったらさしもの猟兵とて苦戦は免れません……普段のシナリオでキャバリアの集団相手に無双した事がある猟兵もおられるかもしれませんが今回に限ってはなんかそれっぽい理屈を考えた方が良いかもしれません。
 ついでに、私は基本的に〆切ギリギリまで粘るタイプですが、今回は戦争の仕様上、プレイングをいただいたらなるべく早くリプレイをお返しする予定です。そのため普段よりも字数少な目になる事があるかもしれませんがご了承いただければ幸いです。
 それでは皆様のご参加をお待ちしております。
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第1章 集団戦 『ジェネム2』

POW   :    全機一斉射撃
【部隊全機でビームライフル】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    突撃援護
【同型機による支援攻撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【ビームサーベルでの攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ   :    別動隊合流
【同型機で編成された別動隊】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
大変な状況ですが、やりようは色々と?

『FAS』を使用し飛行、『FLS』により|全『祭器』《未装備含》召喚後、空間歪曲障壁を形成しまして。
【獵妝】を発動、装備共々巨大化すると共に『対キャバリア限定』の『完全無敵&無双級強化能力』を得ましょう。
この状態であれば、キャバリアにより行われるものである限りあらゆる攻撃を無効化出来る上、此方の攻撃は全て特攻状態で作用しますので、全『祭器』で一気に叩きますぅ。
能力の性質上『キャバリアから降り生身で対処』とされた場合はサイズ以外の強化を得られませんが、それは「巨大化した全『祭器』に生身で挑む」状態、丁度立場が逆転することになりますので。



●キャラ対
 戦場一番乗りは夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)であった。数多くの祭器と呼ばれる道具を使いこなし、対単体に対集団とさまざまな戦術をとれるるこるであったが、さすがにキャバリアの大軍を前にしてはなかなか取れる戦術も……
「大変な状況ですが、やりようは色々と?」
 あるらしい。で、早速FASで3対6枚のオーラ翼を発生させ空へと舞うるこる。空といっても地下なので青い空というわけにはいかないが、それでもキャバリアが自由に動き回れるスペースぐらいはある。空高くといっても十分通じる高さだろう。で、警戒態勢に入っていたジェネム2軍団がるこるの姿を認めたのか、早速出撃してきた。
「これは、なかなかすごい光景ですねえ」
 確かに大型兵器が集団で人間サイズの相手を潰しにかかるとか、普通なら考えられない事だ。誰かはわからないが要塞の主の確実に侵入者を倒して要塞を死守しようという強い意思を感じさせる。まあ今回るこるの目的は要塞への侵入ではなく防御者の排除なので、むしろるこるの望む方向に進んでしまったとも言えるが。ともあれ強敵相手なら出し惜しみは不要だ。持てる全ての祭器を召喚し、ユーベルコードを発動させた。
「大いなる豊饒の女神の象徴せし欠片、その狩人の様相をここに」
 そのユーベルコードの名は【獵妝】といった。獵=猟、妝=装らしい。読みの『カリビトノフウコツ』はすなわち『狩人の風骨』だろうか。風骨≒風体である。そして現れた薬品をるこるは一気に飲み干した。戦闘後にすごい体格になる反動があるらしいがそんな事を言っている場合ではない。するとたちまちその姿は巨大化し3倍の大きさとなった。身長約4.5mとなったジャイアントるこるは全高5m統一のキャバリアにも負けないサイズだ。なお服も一緒に巨大化したらしいので青少年のあれやこれやも安全である。だが巨大化したという事は攻撃力や耐久力の上昇の代償として的が大きくなった事も意味する。ジェネム2軍団がビームライフルを一斉にるこるに向けた。巨大化して耐久力が上がろうとビーム兵器の集中砲火ならば撃ち倒す事ができるだろう、という判断のようだ。それは実際正しかった……が。今回に限ってはその判断は大間違いだったようだ。
「惜しかったですねえ」
 なんということだ。ビームの集中砲火を受けたるこるは小揺るぎもせずピンピンしていたのだ。肉はかなり派手に揺るぎを見せはしたようだが。タネを明かせば獵妝により生み出された薬は飲んだ者にキャバリア限定の無敵を与える力があったのだ。かなり状況限定の力なだけに、役に立つ機会があって本当に幸いだったと言えるかもしれない。
「では、まいりますよお」
 逆襲とばかりにるこるの神器が火を噴いた。本体と同様に巨大化した大量の攻撃兵器にも同様の対キャバリア特効の力が込められている。金属の体に盾まで装備して防御面も強力なはずのキャバリア軍団が紙屑のように吹き飛ばされていく。見ろ!ジェネム2軍団がゴミのようだ!と言わんばかりの壮絶な光景であった。このまま押せばるこるひとりの力であっても敵を全滅させる事すらできたかもしれない……が。
「さて、そろそろ時間切れでしょうかねえ」
 残念ながら薬の効果が切れてきたようだ。あとは他の猟兵に任せるといわんばかりに、敵の反撃が来る前にとるこるはゆうゆうと退却したのであった。なお効果が切れた後にるこるがなんかすごい感じの肉のかたまりと化してしまった事は言うまでもないだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】

おーおーこりゃまた親近感がわきそうな面構えしやがって。
宇宙カブにもどことなく雰囲気が似てるんだよ、お前ら。
勘違いするんじゃねぇよ?つまりは、お前らを侮るつもりはないってこった。
対集団戦闘だってんならとっておきを切らせてもらうよ!

仮にどれだけ練度が高くても、さすがに連携をするにゃ通信に頼るだろ?
Overedはこれでいて『ジャミング』もできるんでね、『弾幕』で牽制しつつ通信連携の阻害を狙う。それだけじゃちと弱いだろうから、要所要所で【算乱す声】での妨害補強付きさ!
そうして連中が浮足立ったところをマルチプルブラスターの『範囲攻撃』で薙ぎ払う!
適当に減らしたら即撤退するよ!



●実際はグリモアベース強制送還あたりになるかと
 量産型キャバリアのジェネム2は、純粋な戦闘用機械としての無機質ぶりとはまた別な感じのデザインが施されており、どこかしらロボットアニメチックな風にも見える。それが関係しているのかどうかはわからないが、数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)がジェネム2を見た時にこんな事を考えたらしい。
「おーおーこりゃまた親近感がわきそうな面構えしやがって。宇宙カブにもどことなく雰囲気が似てるんだよ、お前ら」
 愛用の宇宙バイクの名を挙げた多喜。まあ確かに直線主体ではあるが角がカクカクよりはむしろ曲線めいた感じなフォルムや、赤と白のツートンカラーに黒が混じっているあたりは、宇宙カブではなく地上用のホンダのカブに似ているような気がしなくもない。さすがに今回多喜が操縦しているのは宇宙カブではなく愛用のサイキックキャバリア【JD-Overed】なのだが。
「おっと、勘違いするんじゃねぇよ?」
 さすがにサイキックキャバリアが現れたとあっては敵とて感づかないはずもなく、すぐさま迎撃用のジェネム2軍団が出撃してきた。その姿を見て多喜は攻撃的に笑う。
「つまりは、お前らを侮るつもりはないってこった」
 多喜がその言葉を発したのと同時に増援のジェネム2軍団が戦場に到着した。敵がそれを聞いていたかどうかはわからないが、仮に聞いていたのだとしたらこれ以上ないタイミングであった。こちらとて敵を侮るつもりがない、そう言わんばかりの増援到着だ。そして敵キャバリア軍団は数を頼みにOveredを包囲して殲滅せんと動く。
「……はっ、狙いは悪くないけどね!」
 だが多喜は慌てる様子もない。敵を侮るつもりがないというのは完全な本心であった。そしてそのために万全の準備を整えてきたのである。
「対集団戦闘だってんならとっておきを切らせてもらうよ!」
 そして次の瞬間、Overedから強烈な妨害電波が発せられたのである。
「仮にどれだけ練度が高くても、さすがに連携をするにゃ通信に頼るだろ?Overedはこれでいてジャミングもできるんでね!」
 多喜はOvered固有のジャミング能力に、ユーベルコードによるノイズも加えた。それは名を【|算乱す声《バベル》】と言った。おそらくその名は、人々が天に届くほどの高い塔を作ろうとした伝説に基づくものであろう。神は人の傲慢さを正すべく、人々に違う言語を話させるようにし、結果として人々は意思疎通ができなくなったため塔の建設は頓挫する事になったという。その伝承になぞらえるがごとく、連携して行動を起こそうとしたジェネム2の間でコミュニケーションを取れなくさせ、連携を阻害したのである。かくして強力な連携攻撃を取るはずのジェネム2部隊は今や部隊ではなく、たんなる個キャバリアの集合と化していた。
「こうなったら精兵もただのカカシだね!こいつをくらいな!」
 動きの止まった敵を多喜はマルチプルブラスターで次々に撃破していった。このまま押せば多喜ひとりの力であっても敵を全滅させる事すらできたかもしれない……が。
「……ちっ、そろそろ限界かねえ」
 残念ながら『バベル』には1日にレベル秒(現時点で152秒)以上使ったら死ぬ(!?)というとんでもないデメリットがあったのだ。だから多喜はバベルを続けざまではなく要所要所で使用していたのだが、それでもさすがに敵を全滅させるには時間が短すぎたようだ。それでも自分の仕事は十分こなせたといえよう。いまだ混乱から回復できぬ敵を尻目に多喜はゆうゆうと撤退したのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ベルト・ラムバルド
アドリブ上等

獣人大戦だと!?ふざけた戦争をおっぱじめやがって!!
しかも相手は私の世界のキャバリア!数の暴力!
だが騎士たるベルト・ラムバルドは臆せず行くんだよ!行くぞ!

…数が多すぎ!ざくざくじむじむと!こうなりゃこちらも数で攻める!
UCでパロメデスと同型のキャバリアを召喚!
二刀の剣でぶった切り、サークランサーをぶん回し範囲攻撃でなぎ払う!
同型のキャバリアと共に集団戦術と大軍指揮で敵群を倒してゆくぞ!

一撃でやられてしまうのがちと惜しいが強力な味方だ!出来る限り数多く倒す!

…やっぱ数が多すぎ!これが量産型の怖いとこ…いや臆するな私!
一機でも多く切り捨ててやるー!どっせええい!!!



●サクサク描けるからサク
「獣人大戦だと!?ふざけた戦争をおっぱじめやがって!!」
 ベルト・ラムバルド(自称、光明の暗黒騎士・f36452)には確かに光の騎士な精神が備わっていたようだ。獣人戦線で大規模な戦争が起こった事に対して純然たる怒りを示したのはその証左と言えよう。早速愛機であるクロムキャバリアのパロメデスに乗り込み問題のスイスの巨大要塞へと向かった。
「しかも相手は私の世界のキャバリア!数の暴力!」
 グリモア猟兵から今回の敵について知らされてもなおベルトの闘志は尽きる事なくむしろ燃え上がるのであった。むろんキャバリアを乗りこなすベルトがキャバリアを敵に回した時の恐怖を知らぬはずがあるまい。それでもなお、である。
「だが騎士たるベルト・ラムバルドは臆せず行くんだよ!行くぞ!」
 デッデッデデデデ(カーン)デデデデ

 で、現れた敵キャバリア軍団と相対したベルトであったが。
「……数が多すぎ!ざくざくじむじむと!」
 相手が数を頼みに来る事は知らされてはいた。だがこれほどとは。どうやら敵さんは増援を呼んでその数を増やしたようなのだ。まさに数のボールいや暴力。ここに単騎で突撃してはいかに猟兵が操る強力なキャバリアであっても強烈な攻撃をどむっとくらってぐふっと血を吐く事になりかねない。これはげるぐぐいや下の下策というものだ。ではどうするか。
「こうなりゃこちらも数で攻める!」
 数には数。実に正統派な策といえよう。早速ベルトはユーベルコード【|幻影暗黒聖騎士団《ファントム・ダークパラディーノ》】を発動させると、たちまち頼れる援軍が現れた。ベルトの乗るパロメデスと同型のキャバリアが151体である。はっきり言って数だけなら眼前に現れている分のジェネム2部隊(後方にはもっといるかもしれないが)よりもはるかに多い。その全てがベルトがむちゃくちゃ外見カスタマイズしたそのままの姿のキャバリア……むろんそんなものが本物のはずがない。名が示す通り幻影なのである。
「よっしゃー!いったれー!」
 パロメデス軍団は巨大西洋剣と大型ビームソードの二刀、そして巨大槍サークランサーを構えてジェネム2部隊に猛烈な攻撃を仕掛けていった。そこにベルトの的確な指揮による連携が加わり、単体でも強力なキャバリアの力をさらに強めていく。一機また一機と倒れていくジェネム2。
「ふははははは!圧倒的ではないかわが軍は!」
 ベルトがそう豪語するのも決して自信過剰ではなく、このまま押せばベルトひとりの力であっても敵を全滅させる事すらできたかもしれない……が。
「……あ~、やっぱり耐久力には難があるんだよなあ」
 なんとジェネム2のビームライフルの一撃で幻影パロメデスが数機まとめて薙ぎ倒れされ消滅したのだ。そう、攻撃力には見るべきものがある幻影だったが、いかなる攻撃であっても一撃で消し飛ぶという弱点があったのだ。このまま押す事自体が不可能だったという事になる。が、むろんベルトとてそれくらいは割り切った運用だった。
「一撃でやられてしまうのがちと惜しいが強力な味方だ!出来る限り数多く倒す!」
 猛攻を加えるベルトだったが、こちらの紙耐久がむこうにばれた事で戦術を切り替えたらしく、さらにむこうに援軍のおかわりが加わったようだ。
「……やっぱ数が多すぎ!これが量産型の怖いとこ……いや臆するな私!一機でも多く切り捨ててやるー!どっせええい!!!」
 それでも最後まで戦意折れる事なく、無事戦い抜いて退却したベルト。その戦いぶりに、光と闇が両方そなわり最強に見えるという言葉を思い出した者もいるかもしれない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シエナ・リーレイ
●アドリブ絡み可
沢山の子と遊べばいいんだね!とシエナは把握します。

少しでも多くの『お友達』候補と遊んで欲しいが出来れば同時に一度に沢山の子の相手をして欲しいと頼まれたシエナは寂しがりやな鯨さんを呼び出してしまうのでした

《なんだかチクチクしてかゆいです。》

呼び出されてしまった鯨さんは|巨大と言う表現も生ぬるい程の大きさ《105歳×10m=1050m》でした
量産が前提故に|規格化サイズ《5m前後》なキャバリアが使える武器ではいくら数を集めても豆鉄砲
それどころか下手な集中砲火は鯨さんに痒みを感じさせ、|大地にその身を擦り付けて解消させる《本体と別動隊を纏めて押し潰して磨り潰す》という行動に走らせます



●でっかいてのは強いのとイコールだと確かにグリモア猟兵も言ったが
 シエナ・リーレイ(取り扱い注意の年代物呪殺人形・f04107)は称号が示す通り、もともとは持ち主を殺す呪いの人形だったらしい。いろいろあってヤドリガミとしての体を得て猟兵として戦うようになったわけだが。
「わかった!とシエナはグリモア猟兵からの依頼を受諾します」
 なにやら事情があるのかもしれないが、前半が天真爛漫な少女の口調、後半が人形を思わせる無機質な三人称視点混じりな独特の語り口になってしまっているらしい。ただ呪いの人形だった過去があっても現在は猟兵として戦っているわけだし、まあ良いのかもしれない。で、今回の相手は身長5mのキャバリアが多数、と聞かされたシエナは。
「沢山の子と遊べばいいんだね!とシエナは把握します」
 これが文字通りの『遊ぶ』なのか、それともあれだ、よくバトル物の作品で、強者が雑魚相手に「遊んでやろう」とか言う意味での『遊ぶ』なのか、ちょっと判断が難しいところである。ともあれシエナは戦場に到着し、既に他の猟兵と交戦していたジュネム2の軍団を目の当たりにした。
「この子たちと遊んであげればいいんだね!とシエナは判断します」
 遊び相手なわけだから、いわば目の前にいる巨大人型兵器はシエナにとっては『お友達』だ。それも、グリモア猟兵によればできる限り多くの『お友達』を同時に相手にしてほしいらしい。
「どうしようかなー、とシエナは思考します」
 で、考えた。巨大な相手と遊んであげられる者がいるとするなら、それと同じくらい巨大な者であろうと。で、巨大な相手が複数な場合は?こちらも同等の数を用意するか、さもなくば……。
「わかった!とシエナは発案します」
 答え。遊び相手よりもはるかに巨大な者に任せれば良い。例えば幼稚園児を大人である保母さんが世話をするように、である。そしてシエナにはそれができる者に心当たりがあったのだ。
「鯨さんも皆と一緒に遊ぼうよ!とシエナは『お友達』に呼び掛けます」
 ……呼び出されたのは【さびしがりやな鯨さん】とのことだが、その体躯は……1050mだとぅ!?1km超え!ちなみに世界最大のクジラにして世界最大の動物であるシロナガスクジラでせいぜい体長30m前後らしいぞ。ちなみにこの体躯で空を飛べるらしいので地上に寝そべったまま動けないということはなさそうで安心だ……いや安心していいのかはわからないが。ともあれ、こんな超巨大質量が現れたとあってはさすがに敵さんもあわてて出撃してきた。援軍が援軍を呼び、集まったジェネム2の数はかなりのものになった……とはいえ全長5mのキャバリアからすればはっきり言って蚊のようなものであろう。それでも敵は士気だけは非常に高いようで、数多くのジェネム2部隊がビームライフルの一斉射撃をくわえた。

《なんだかチクチクしてかゆいです。》

 やはり蚊が刺したようなものであったようだ。超巨大鯨人形は反射的にかゆい部分を地面にこすりつけた。当然そこにはキャバリア部隊がいたわけで……こんな超巨大質量攻撃くらって破壊されないキャバリアはさすがに存在すまい。自覚せぬまま大量破壊を行う鯨の力は、このまま押せば敵を全滅させる事すらできたかもしれない……が。
「鯨さんは十分遊べたみたいだね!とシエナは喜びます」
 突如その超巨体は消え失せた。実は鯨さんにはレベル秒、すなわち144秒の制限時間があり、超過したため帰還したのだ。ただまあお友達と遊んであげる事はできたようだ。どこまで意図的かはわからないが、大戦果を挙げたシエナはゆうゆうと帰還したのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

支倉・燐華
連携&アドリブ歓迎

量産型重キャバリアのドランギムRC(燐華カスタム)で出撃します
どうでもいいですがドランギムの略称はドムというらしいですね

こうやをはしるーしにがみのれつー……いえ、何故か聞いたこともない歌が脳裏をよぎったもので
とにかく、ホバー機動による高機動性でジェネム2達を翻弄します。ドランギム自慢の重装甲もビーム兵器相手では分が悪いですからね
ホバーでの高速移動をしつつマシンガンで牽制して、本命のジャイアントバズーカで撃破していきます
それでも接近を許してビームサーベルで斬りかかってきたら、敵が振りかぶった瞬間に体当たりして質量差で怯ませたらヒートダガーでコクピットを一突きします



●あいぷれいぷれいとぅぶりんぐにあざにゅーでー
「あいーふるえーるあいー」
 支倉・燐華(戦闘侍女・f31277)が口ずさんでいた歌は、実はまったく聞いた事のない歌であった。だがなぜかこの歌がこの戦場に相応しいと思えてしまったのである。おそらくどっかで聞いたのをなんかのひょうしに思い出したのだろう。説明するにはこれが一番都合が良い。
「こうやをはしるーしにがみのれつー」
 この歌だったらキャバリアは複数、できれば3機で単縦陣を取りたかったような気もしたが、残念ながら今回は燐華は単独で戦場を駆け巡らねばならないようだ。なお燐華の愛機は十字型のモノアイとごついフォルムが特徴的なドランギムという量産型重キャバリアだ。かなり広く使用されているようで猟兵の敵として立ちはだかった事もあるようだが、燐華の機体はそれを自分用に改修を加えたドランギムRC(燐華カスタム)である。重キャバリアだがホバー移動を採用しているため機動力はむしろ高い点も特徴といえよう。どうでもいいがドランギムは略してドムと呼ばれる事もあるとかないとか。ともあれ戦場に到着したドランギムRCを、早速2機のジェネム2が迎え撃った。
「さて、ドランギム自慢の重装甲もビーム兵器相手では分が悪いですからね」
 ドランギムとジェネム2の違いは実弾兵器とビーム兵器、ホバー移動と二足歩行等あるが、そのひとつに盾の装備というものがあるだろう。防御のためにシールドを装備しているジェネム2に対し、重キャバリアのドランギムは重装甲のため盾がそも必要ない……はずであった。だがそれも実弾兵器主体の頃の話であり、さすがに戦艦主砲並みの威力と言われるビームライフルはまともにくらいたいものではない。当然の流れとして敵の攻撃は全て回避を狙う事になる。ドランギムのホバー移動による高機動性と燐華の高い操縦技術ならそれが可能なはずなのだ。
「正確な射撃です、それゆえ予想がしやすいというものでございます」
 機体性能と熟練の技で、燐華は1対2の戦いを互角事情に進めていた。重キャバリアとは思えぬような動きでドランギムはジェネム2のビームを回避しつつ、牽制のマシンガンを放っていく。敵の狙いは片方がビームを撃ち、それを当てて隙を作った所でもう片方がビームサーベルで斬りかかるというもののようだが、これだけ回避されたらその戦術もなかなか成立しないようだ。翻弄され続けた事に業を煮やしたのか、片方のジェネム2が急接近してきた。連携よりもまずはとにかくダメージを与えようという狙いだろうか。だがむしろそれは燐華にとっては思うツボといえた。
「メイドの嗜みというものをご覧に入れましょう」
 これまでの戦いで燐華はジェネム2の急所や脆弱部を把握していた。これこそ燐華の【|戦闘侍女の嗜み・その一《バトルメイド・ワン》】である。ビームサーベルを振り上げたジェネム2に対し、燐華は愛機をむしろ前に進めた。そして必殺の一撃が振り下ろされる前に強烈な体当たりをくらわせたのである。質量差によろめく敵機のコクピットにヒートダガーを一撃。返す刀でもう片方のジェネム2にジャイアントバズーカの一撃。瞬時に2機を撃破してみせたのであった。
「生半可な連携に負けるわけにはいきません、コンビネーションならばドランギムの方が上でございます」
 こうして次々と敵機を撃破していった燐華とドランギムRC。このまま押せば燐華ひとりの力であっても敵を全滅させる事すらできたかもしれない……が。手強しと見た敵は2機一組ではなくさらに多数で突っ込んできた。
「さすがに多勢に無勢のようですね」
 まあ戦果としては十分だろう。包囲される前にと燐華は無事帰投を果たしたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

高崎・カント
向こうが3機ならこっちも3機なのです

まずは巨神『ALA』さん
ALAさんには大きさと防御力を活かして敵を引き付けたり、援護をお願いするのです

次にモーラット用ミニ戦車
念動力で操って誘導弾で弾幕を張るのです
左舷はわざと弾幕薄めにして、敵の動きを誘導するのです

そしてカントなのです!
小さいことを活かして敵の背後に回り込んで挟み撃ちなのです

もきゅ! おやつ入れから大きいナッツが飛び出したのです⁉
目の前に飛んできたナッツ(種)をぱくり!
おいしいのですー! がんばるのですー!
キラキラバシューンとパワーアップなのです!【UC使用】

ALAさんが出してくれたMコロイドを纏い、増幅したパチパチ静電気で攻撃なのです!



●白い三連星
「きゅきゅきゅきゅぴー!」(か、数が多いのです!)
 むろん高崎・カント(夢見るモーラット・f42195)は事前情報で敵が多いのは知っていたが、それでもなお実際に目の当たりにするとその迫力に圧倒される。猟兵たちの戦いでかなりの数が撃破されたはずであるが、それでもなおいまだに無数と言えるほどのキャバリアが要塞を守っている。で、数を頼みに攻めてくる巨大人型兵器にどう対抗するかといえば。
(向こうが3機ならこっちも3機なのです!)
 やはり数をそろえるのは基本だ。しかし具体的に3機というのは?
(まずは巨神『ALA』さん!)
 前述したカントのキャバリアだ。巨神とはクロムキャバリアのとある国家に存在する、意思を持ち、操縦者を自ら選ぶキャバリアである。カントは天使の翼を持つ白い巨神に認められ、その操縦者になったのだ。名前の由来は『Automatic and Limitless Accelerator』の頭文字らしいが、偶然にもイタリア語で『翼』を意味するものになっている。
(ALAさんには大きさと防御力を活かして敵を引き付けたり、援護をお願いするのです!)
『承知いたしました』
 どうやら今回はカントが乗り込むのではなくALAに自動で動いてもらうつもりのようだ。
(次にモーラット用ミニ戦車!)
 ミニ戦車。モーラットが乗るのにちょうどいいサイズらしい。身長30cm足らずのカントに相応しいサイズの戦車というだけあって、その体長は40cm程度である。
(そしてカントなのです!)
 最後に自分。これで計3『機』である。カントはもちろんミニ戦車もキャバリアの大きさに比べれば豆粒のようなものであるが、果たしてどのように戦うのだろうか。

(ALAさん!お願いするのです!)
 カントの指示で天使を思わせるキャバリアが戦場へと躍り出た。当然その美しい姿はすぐに敵の目を引き、数機のジェネム2がこれを撃破せんと殺到してくる。ビームライフルの集中砲火を必死で防御回避するALAを見ながら、カントは次の行動に移った。ミニ戦車を念動力で操り、戦場へと送り出したのだ。ALAとは対照的に目立たないミニ戦車は敵に感づかれる事もなくALAを攻撃しているジェネム2部隊の近くまで到達した。
(全弾発射なのです!)
 小さいけれどミニ戦車の武装は本格的だ。足元から突然飛んできた誘導弾の嵐にジェネム2部隊の連携が乱れた。この時、わざと弾幕の一部を薄くして敵の動きを誘導するあたりはなかなかの巧者ぶりである……ちなみにあの若い艦長は左舷弾幕薄いぞとは1度しか言ってないらしく、しかも言ったのは木馬時代の事ではないらしいと今知った。
(相手の動きが乱れたのです!今です……)
 そして改めてカントが突撃をかけようとした時、ふとおやつ入れから飛び出したナッツが1粒。反射的にぱくりといったそれは、戦場の緊張もあいまって大層美味なものであった。そしてそのナッツがユーベルコード【はらぺこモーラット】のトリガーとなったのだ。
(おいしいのですー!がんばるのですー!ALAさん!)
『かしこまりました』
 ユーベルコードに加え、ALAより散布された『Mコロイド』がカントの力をさらに増幅させた。ミラージュではなくモーラットのMらしい。そしてカントは小ささを利用して敵軍の死角に回ると、強化された全力の静電気を発生させたのだ。
「もっきゅー!!」
 強烈な電撃の前に次々に敵キャバリアの機能が止まっていった。このまま押せばカントひとりの力であっても敵を全滅させる事すらできたかもしれない……が。
(さすがにALAさんの負担が大きくなってきたのです!引き時なのです!)
 そもカントひとりの力ではなかったのだ。さらなる敵が殺到してきたこともあり、戦果十分とみたカントは戦友2機とともに撤退したのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シルキー・アマミヤ
はいはーいシルキーちゃんだよ★それじゃあお仕事行ってみよ~★

美少女ホログラムを投影して位置を惑わしつつ、ローラーレッグで駆け回りながら敵機に向かって『パルスブレイド“SR-KN”』を投げつけ、発生する電磁パルスで電装系を壊しちゃうぞ★
勿論相手の方が数が多いんだけど……それならそれで★
相手がUCを使って来たらこっちもUCを使って、
出てきた増援を制御下において同士討ちしてもらっちゃうよ★
勿論、倒した敵機もそうだけど、助けてくれた方にも効果が切れる前に同じように『SR-KN』と~、おまけで『スプレッドダガー』を突き刺し爆破してもう戦闘できないように徹底的に破壊しておくね★

※アドリブ歓迎だよ★


グレアム・マックスウェル
※アドリブ、連携歓迎
NG:「!」の多用や絶叫などの熱血漢口調

強力な遠距離砲と集団戦に特化した練度の高さ、その上増援となれば
力押しで掃討してもあまり効率的ではないな

だが、やりようはいくらでもある
敵が連携頼りの戦法を取るのなら、その「連携」を逆利用させてもらおう

指定UC発動
ジャミングとハッキングにより敵機のシステムのみに介入し制御エラーを与える
ビームライフルのトリガーを引く時
ビームサーベルで斬りかかる時
援護を仕掛けようとすれば僚機を敵と認識し攻撃するように
同士討ちを誘い消耗させる
敵の自滅で頭数が減れば、こちらの負担も減るだろう

「戦いは数」とはいうが、その半数が反旗を翻せば
盤面は容易くひっくり返るさ



●むこうに減ってもらう手もある
「はいはーいシルキーちゃんだよ★」
「……騒がしいな」
 戦場に立ったシルキー・アマミヤ(何でも屋のシルキーちゃんだゾ★・f36571)とグレアム・マックスウェル(サイバーバード・f26109)は実に対照的なふたりといえた。本体が頭脳戦車であり、美少女型のホログラムで会話を行うシルキーはこのような場においてもじつに実に騒がしい。一方でもとは生体で改造されてサイボーグとなったグレアムはどちらかといえば感情の起伏に乏しく無表情で物静かな印象だ。それでもふたりには共通項があり、それがゆえにこうして並んでいるのであった。
「強力な遠距離砲と集団戦に特化した練度の高さ、その上増援となれば」
 グレアムのつぶやきは他の猟兵にも共通した認識だっただろう。それがゆえに他の猟兵は同様の力で対抗する道を選んだ。具体的にはキャバリアやそれに匹敵する巨大戦力に頼るという事だ。
「力押しで掃討してもあまり効率的ではないな」
「そだね~★さんせーさんせ~★」
 しかしこのふたりは生身のままで戦場に立っていた。グレアムに至っては自前のキャバリアを持っているにも関わらず、である。だがそれは生身をもって敵に直接火力をもって挑む事を意味することとは必ずしもイコールではない。むろんそれができる流派東方不敗ばりの猟兵もいるのだろうが今回はやめた方がいいと釘を刺されているしね。そんな事しなくてもやり方はいろいろあるのだ。例えば……。
「……どうやら同じ事を考えているみたいだな」
「そうみたいだね~★じゃあ一緒に動いた方がいいね~★」
「確かにその方が効率的だろうな」
 どうやらこの見た目も性格も正反対に見えるふたりは同じ結論に達していたようなのだ。かくしてここに即席の共同戦線が組まれることになった。
「それじゃあお仕事行ってみよ~★」
「やれやれ」
 なお相手の性格に慣れる事ができるかという問題は残っているが、まあ作戦中に破綻さえしなければ良いだろう。先に敵へと向かったシルキーの後を追うようにグレアムもまた走り出すのだった。

 さすがに等身大のふたりは敵には感づかれづらいようだ。先刻等身大の相手に敵キャバリアが反応した例はあったが、その時と違い、敵ジェネム2部隊は猟兵のキャバリアの相手をする必要に迫られていた。人間大の敵よりもそちらへの対応が優先されるのは当然の流れといえたが、ふたりにとっては好都合であった。
「じゃ、いっくよ~★」
 そんなわけで、戦場に突然美少女のホログラムが出現したわけだからそりゃあ敵さんとて驚く。それでも倒すべきである事には変わりはないわけだからすぐに衝撃から立ち直ったジェネム2は早速ビームライフルで攻撃を仕掛け、ホログラムはすぐに消滅した。
「もう、乱暴なのはめーだぞ★」
 だがまた次のホログラムが現れる。それでも律儀に攻撃を仕掛けるジェネム2だが、その間隙を縫ってシルキーはローラーレッグで敵の足元まで到達していた。そしてパルスブレイド“SR-KN”を投げつけると、たちまちジェネム2の電装系に異常が生じ、動きが止まった。
「せっかくだし便乗させてもらおう」
 グレアムもまた動き出した。戦場に美少女のホログラムを出してかく乱する手段をビジュアル的にはともかく有効な事は認めねばなるまい。敵の混乱に乗じて戦場の真っただ中まで進出したグレアムの前で、ちょうど2機のジュネム2が猟兵のものと思われるキャバリアに連携攻撃を仕掛けようとしていたところだった。グレアムはヘッドセットマイクを装着した。
「敵が連携頼りの戦法を取るのなら、その『連携』を逆利用させてもらおう。踊れ、死の刃の端で。自らの愚の果てに待つ運命を知らぬままに」
 その時起こったのはまさに驚くべき事であった。猟兵機に放たれるはずのジェネム2のビームライフルは、あろうことか僚機を撃ち抜いていたのだ。その後もジェネム2たちは同士討ちを繰り返し、自滅していった。
「『戦いは数』とはいうが、その半数が反旗を翻せば盤面は容易くひっくり返るさ」
 勝ち誇るような様子も見せず、淡々と事実のみを語るグレアム。それは対象に意志制御を阻害する命令コードを放ち、自傷や同士討ちを誘発する制御エラーを引き起こさせるユーベルコードであり、まさに【|愚者の行進《silly walk》】の名に相応しい光景を出現させるものだったのだ。
「なかなかやるね~★シルキーちゃんも負けてられないな★」
 同士討ちを始めた友軍を救うべく、敵はジェネム2部隊の増援をよこしてきたようだ。シルキーはそこに狙いを打冷めたのだ。
《――無差別支援要請システム「LAW-LACK」、起動します――》
 ハート型のホログラムに見せかけた電脳ウイルスを撃ち込まれたジェネム2はたちまち狂いだし、シルキーの思い通りに動かされてやはりビームライフルを友軍に撃ち込む事になった。これでは敵は自らの意思で罠に飛び込んだも同然だ。それにしても【|シルキーちゃんを助けて★《クグツ・コントロール・システム》】とはなんと皮肉めいたネーミングだろうか。
「みんなありがとー★シルキーちゃんのために頑張って★」
 敵軍が同士討ちを行う光景にシルキーは無邪気な声で歓声をあげた。むろんただ敵の瓦解を見守るだけではなく、ダメージを受けた敵機やコントロールを外れかけた敵機には先刻のパルスブレイドに加え、命中した箇所を爆破するスプレットダガーKu-9をぶつけてきっちりとどめを刺す徹底ぶりだ。
 かくしてシルキーとグレアムの暗躍により敵軍は混乱を極めていた。このまま押せば敵を全滅させる事すらできたかもしれない……が。
「うーん、だいぶ敵を削ったし、そろそろ帰るね~★」
「お、おいおい」
 シルキーのユーベルコードは自らの寿命を削るデメリットがあったのだ。それがゆえに長時間の運用を避けたいシルキーが先に撤退する事になった。一時的にとはいえ共同作戦をとった相方が撤退を決めた事でグレアムに動揺がないでもない。だがすぐに気持ちを立て直す。
「……まあ、これだけ敵が自滅してくれて頭数が減れば、こちらの負担も減るだろう」
 そして戦果十分と判断し、シルキーに合わせてグレアムもまた戦場を後にするのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

メアリーズ・エリゴス
めびうすのわからぬけだせなくて

あぁ、なんて|殺《愛》し甲斐のある方々でしょうか!
くひっ!もう我慢できません!メアリーズ・エリゴス、ロートガル出ますよぉぉ!!

試作重キャバリア「ロートガル」の生体CPUとして性能を限界まで引き出しますよぉぉ!
私の念動力を首から提げたT型サイコマテリアルが増幅して、機体のサイコ・コントロール・システムを介して不可解な現状が起きて機体から禍々しい赤い光のオーラが立ち昇りますよぉ
敵のビームはオーラに阻まれ、此方のサイコビットやロングビームライフル、胸部メガビーム砲は普段以上の極太ビームを放ちますよぉぉ!
増援!お代わりをくれるなんて、お礼に|愛《壊》してあげますよぉぉぉ!



●平和より自由より正しさより
 猟兵の猛攻によって大打撃を受けたジェネム2部隊であるが、量産型としての高い生産性とゾルダートグラードの高い国力を反映してか、いまだに健在と言えるだけの数が残っている。並みの精神ならその事実だけで折れてしまいそうになりそうだが、メアリーズ・エリゴス(生体CPU・f30579)に関してはその理屈は当てはまらないようだ。
「あぁ、なんて|殺《愛》し甲斐のある方々でしょうか!」
 むしろ恍惚とした顔でそんな事をつぶやいた。メアリーズは称号が示す通りにキャバリアの操作特化のために強化を受けた人間らしい。で、その際にいろいろと薬物投与を受けた関係で精神的にもかーなーり不安定であるらしい。こんな風になるのは戦場においてであり、普段はもうちょっと大人しいとのことであるが。
「くひっ!もう我慢できません!メアリーズ・エリゴス、ロートガル出ますよぉぉ!!」
 嬉々とした表情でメアリーズは真紅の試作型重キャバリア『ロートガル』を出撃させた。そういえば生体CPUとして薬物投与を受けていた別世界の方々の中には定期的に薬物を打たないと禁断症状に苦しむ人もいたようであるが、そのあたりメアリーズはどうなのだろうかとちょっと心配にはなるが、所属組織が壊滅して自由の身になってそれなりに時間経ってるのにちゃんと稼働できている事をかんがみてもそのあたりは大丈夫なのだろう、おそらく。真紅の重キャバリアは当然敵の目をひきまくり、さっそくジェネム2部隊がロートガルに殺到してきた。殺意をもって迫りくる相手にメアリーズも殺意を返す。
「来ましたよぉぉぉ!この|殺意《アイ》は、遊びではないですよぉぉぉ!」
 メアリーズの首にかけられたT字型のアクセサリーが赤く光り、それに合わせてロートガルの全身からも禍々しい赤いオーラが立ち上り始めた。愛の反対は憎悪ではなく無関心と人は言う。いわば愛と殺意は相反するものではなく同じコインの表裏なのである。まさにそれはメアリーの殺意にも似た愛が増幅されあふれ出た形、【|死の愛の過負荷《dead love overload》】とでも呼ぶべきものであった。常人ならそのプレッシャーに当てられただけで戦意を喪失し死を覚悟するものであろうが、よく鍛えられた、あるいはオブリビオンと化した事により恐怖と無縁の存在になったジェネム2のパイロットは戦意だけは失う事がない。早速ビームライフルの集中砲火を開始した。
「私は|愛《殺》されるよりも|愛《殺》したいんですよぉぉぉ!」
 だが戦艦主砲並みと称される威力を持つはずのビームは赤いオーラに阻まれて届く事はない。逆にロートガルの全力攻撃が開始された。念動力で動く|小型浮遊砲台《サイコビット》群が飛び、手にした専用ロングビームライフルや胸部に内蔵された大口径内蔵ビーム砲が次々に火を噴く。それらの威力もキャバリア強化目的で調整されたメアリーズの力で格段に上昇している。次々に破壊されていくジェネム2。強敵を撃破すべくさらにジェネム2の増援が到着したが、メアリーズの歓喜はむしろ増した。
「増援!お代わりをくれるなんて、お礼に|愛《壊》してあげますよぉぉぉ!」
 わらわらと現れる援軍相手にも無双するメアリーズ。このまま行けば単機でジェネム2部隊を全滅させる事すらできたかもしれない……が。
「……うっ、愛が……足りなくなりましたわぁぁぁぁぁぁッッッ」
 やはり薬物は大丈夫ではなかったようだ。禁断症状の出現によりメアリーズは惜しくも撤退を余儀なくされたのだった。ああ、めびうすのわからぬけだせなくて。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リカルド・マスケラス
戦争は数。総合力の優れた量産機が戦場を蹂躙する。だが、今は違う!
「ユーベルコードはそうした数の優位差もひっくり返すっすよ」
そう言って『ヴェガ』に騎乗っすよ
ビームライフルも【結界術】で織るかのように展開した結界で弾く
「拠点防御型の防御力は伊達じゃないっすよ!」
結界で攻撃を防ぐ間にUC発動
「合体するっすよアルタイル!」
合体し、アルタイルに搭載のビーム砲の発射準備。そして【なぎ払い】
「こうなったら新しい合体パーツでデネブとか欲しいっすねー」
とか言いつつ、残った敵もミサイルランチャーで掃討にかかるっす

やー、ギリギリのプレイングですまないっす



●猟兵無双
「やー、ギリギリのプレイングですまないっす」
 いえいえ。ちょうどいいタイミングで来てくれたような気もしております……と現れたのはリカルド・マスケラス(|希望の仮面《マスカレイド》・f12160)であった。というのも現在の戦況がある。今回のグリモア猟兵の依頼はあくまで敵キャバリア軍団を削る事であり、全滅させるにはさすがにいちグリモア猟兵が動員できる兵力を大きく超えているわけで。グリモア猟兵がいっぱい送り込む事でなんとかできるかも、ってのを前提の作戦なので。そして実際ジェネム2軍団は相当数の数を減らしている。できれば一押ししたい状況という観点でいけば、ここで無傷の猟兵をとどめとして投入できるのはむしろ最善のタイミングだったこともしれないよと。
 で、リカルドも自前のキャバリアを持っている。『ヴェガ』と名付けられたそのキャバリアは拠点防御型らしい。攻撃を行うのに防御型とはこれいかにと思う人もいるかもしれないが、むろんリカルドとて理由あっての事であった。それはいずれわかるとして、早速ヴェガに乗り込んだリカルド、敵に突撃……の前に。
「そういえば言ってたっすよね、戦いは数だよ兄貴って」
 まあ筆者が言ったわけじゃないですが、確かにそんなセリフを思い出すだろうとか書いたような気はします。
「確かに戦争は数。総合力の優れた量産機が戦場を蹂躙する……だが、今は違う!」
 眼前に向かってくる、その総合力の優れた量産機であるジェネム2軍団に主張するかのようにリカルドは叫んだ。その声が聞こえたかどうかは不明だが、早速ジェネム2軍団はビームライフルの集中砲火を仕掛けてきた。単発なら防げなくもないビーム攻撃も集中されれば貫けぬものなどない……はずだった。
「無駄っすよ。拠点防御型の防御力は伊達じゃないっすよ!」
 だがヴェガの張り巡らせた結界は強力なビームライフルの一点集中攻撃を見事に防ぎ切った。防御型を選んだのはまさに敵の強力な火力に対抗するためだったのだ。防御面については十分に見せつけた。今度は攻撃する番だ。ぼやぼやしていてはヴェガの強力な結界とてぶち抜かれかねない。
「合体するっすよアルタイル!すごいとこ見せてやるっすよ!」
 どうやらヴェガには固定武装はないらしい。ならば外付けしてやればよい、とばかりにリカルド愛用の宇宙バイク『アルタイル』がその姿を変え、ヴェガと合体した。いわばスーパーヴェガといったところであろうか。パーフェクトヴェガでもヴェガバスターでもスタークヴェガでもいいのだろうが。そして発動したユーベルコード【|牽牛星覚醒《アルタイル・オーバーロード》】はアルタイルの方を強化するものであった。
「焼き払うっすー!」
 そして一条のビーム砲を横薙ぎに放つと、ジェネム2の装甲も盾も全て撃ち抜き、たちまち敵を数機爆散せしめた。生き残りのジェネム2軍団は戦意衰えることなくビームライフルを撃ってくるが、今度はミサイルランチャーの雨あられが容赦なく降ってきた。
「こうなったら新しい合体パーツでデネブとか欲しいっすねー」
 三連星、ではなく大三角形の残りひとりならばたしかに組み合わせとしてはこれ以上ないだろう。ともあれ、このまま押せば敵を全滅させる事もできただろうが……。
「……いや、もう終わってるみたいっすよ」
 ……あ。どうやら本当に全滅してしまったようだ。まあ今回担当の分は、であるが、おそらく他の戦線でもうまいことやってくれている事だろう。むろんこれはリカルドひとりの力ではなく、猟兵たち全員の努力の結果である事は言うまでもあるまい。まずは緒戦を制した猟兵達は、早速次に行くなり、休息をとるなり、それぞれの道を選ぶのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年05月04日


挿絵イラスト