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獣人世界大戦⑧〜action of action

作者：黒代朝希

　――世界大戦……『獣人世界大戦』は勃発した。
　超大国が一つ『ワルシャワ条約機構』が盟主にして五卿六眼が一柱『始祖人狼』が、かつて自分達に痛手を与えた『はじまりの猟兵』の拠点の手がかりを掴んだ事が始まりとなる。
　他の超大国もそれぞれに「始祖人狼の阻止」や「はじまりの猟兵の奪取」を目的として、ワルシャワ条約機構への大規模な軍事侵略を開始――これに『六番目の猟兵』も呼応して武装蜂起を開始する。
「予兆を見れば分かる通り、あのコンキスタドールは危険……そして、ユーベルコードの特性からして――渾沌氏『鴻鈞道人』が関与している可能性が非常に濃厚よ」
　レヴィア・イエローローズ（亡国の黄薔薇姫・f39891）……獣人戦線出身のシカのグリモア猟兵は、コンキスタドール『有頂天道人』に関する依頼のブリーフィングを開始していく。
「このコンキスタドールのユーベルコードは『サイバー化による人外の膂力と反応速度、そして渾沌化のもたらす「自在に変化する肉体」を余すところなく使いこなす』というものと、武術系ユーベルコードとして『機械化義体の膂力と速度で繰り出す「サイバネ殺法」で、敵を渾沌化させてしまう』というものが確認されているわ」
　封神武侠界の戦い『殲神封神大戦』を経験した猟兵なら理解できるだろう――渾沌化、即ち『骸の海そのもの』を名乗り恥じぬ実力を有した存在の関与を。
「兎に角、相手の「サイバー化」と「渾沌化」を利用した功夫殺法に対処する事が求められるわ。だからこそ……アクロバット・アクションで対処するという予知が見出されたわ」
　封神武侠界の租界を支配していたコンキスタドール『編笠』との戦いにおいて有効だったアクロバット・アクション。
　同じコンキスタドールの相手として、敵の武術系ユーベルコードに対して有効である可能性は高いだろう。
「それじゃあ、気を付けて行って頂戴……相手は強敵よ、油断しないでね」

第1章 ボス戦 『有頂天道人』

POW   :    サイバネ殺法 undefined cyberne 【機械化義体でカンフー技】を放ち、命中した敵を【undefined】に包み継続ダメージを与える。自身が【中国拳法の構えを】していると威力アップ。 SPD   :    サイバー渾沌拳 undefined kungfu 【サイバー化した肉体】と【渾沌化した肉体】を組み合わせた独自の技能「【サイバー渾沌拳】」を使用する。技能レベルは「自分のレベル×10」。 WIZ   :    渾沌波動弾 undefined aura レベル秒間、毎秒1回づつ、着弾地点から半径1ｍ以内の全てを消滅させる【undefined】を放つ。発動後は中止不能。 イラスト：松宗ヨウ 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

「サイバネ拳法に渾沌化とは恐れ入るね……中々に剣呑だが、ここで引いてはスペース剣豪の名が廃るってもんだ」
「カカッ……いざ尋常に、勝負！」
　神酒坂・恭二郎（スペース剣豪・f09970）はコンキスタドール『有頂天道人』と相対――まずはゆったりと前に出て、愛刀を抜いて霞の構えを取る。
　その構えを見て『有頂天道人』はすぐさまユーベルコード『サイバネ殺法 undefined cyberne』を発動してカンフー技を繰り出していく――
「半端な刃を通さない義体の体に、圧倒的な速度のカンフー技が厄介だ……」
　だからこそ、恭二郎は無理に刀を合せず、後退しながらカンフー技を受け流していく。
　そこから反撃として功夫の動き……不意に地に伏せて回避し、滑るように這って避け、そして不意に背面跳びで蹴ったりして拍子を外しに行く。
「動きは素直だ。あの構えによるルーティンで、凶悪なまでの身体能力を肩に押し込み制御してると見た」
「良き観察眼だ。だが――」
「ならば、その型を崩すまでだ」
　瞬間、不意に『有頂天道人』へと肉薄してからユーベルコード発動――『石動』。
　零距離で突きつけた刀の切っ先を全身のバネと螺旋状に練り上げた風桜子で加速し攻撃するユーベルコードだ。
「神酒坂風桜子一刀流陰太刀……石動……ってなもんかね」
「愚かな！　このサイバー化によって――何！？」
　そしてもう一つ……『石動』には能力が宿っている――装甲で防がれた場合、装甲を破壊し本体に命中するまで攻撃を継続する、というものだ。
「剣の使えぬ筈の間合いでの隠し玉……堪能しろ」
　砕けるサイバネ装甲が、この戦いの始まりとなる――

大成功 🔵​🔵​🔵​

「おや、困りましたね……でも獣人さん達の為にもやりましょう」
　西恩寺・久恩（妖怪陰陽師（物理）ここに見参！・f42881）はファイティングポーズを取り、コンキスタドール『有頂天道人』と拳を構えて対峙。
　コンキスタドールの方も油断せずに『渾沌化』を練り上げていく――
「かの『使い手』すら侵食する『師父』の技……堪能すると良い」
「ならば、心眼で見るだけです――」
　迫り来る触手化されたサイバー義体を、久恩は｜異能《ユーベルコード》の域に到達した心眼で完全に見切り、更に霊力による推力移動で回避していく。
　そこから反撃として先んじて発動――無意識化に発動しているユーベルコード『｜超越者の肉体《フォフォノカラダ》』……無効化と改変されない力と全デバフ無効の力、異次元の速度と身体能力と動体視力と防御力に加えて次元干渉や防御貫通と状態異常とコピー無効を保持する絶大なユーベルコード。
　其れを用いて功夫殺法をアクロバットの要領で回避していく！
「ホイホイホイホイホイホイホイホイ――足元を警戒するのも忘れません」
「何という……その肉体、何という強靭さ！」
　ついでにお祓い棒で『サイバー渾沌拳』を受け止め、反撃のユーベルコード『無限天理陰陽術式『飛竜乗雲』』を発動する久恩。
　技能を超常的なまでに増強した上で繰り出される『反射と吸収と無敵無視する千乗ずつ増える拳』――それを用いて『サイバー渾沌拳』を叩きのめしていく！
「まあ、これで倒せた何て思ってませんよ……かかってこい」
　最後まで油断せず、コンキスタドール『有頂天道人』に久恩は拳を振るっていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「HAHAHA！　ドーモ、有頂天道人！　自前の功夫にサイバネを添え、渾沌エッセンスを加えたそのボディ！　ユニークでありますな！」
「いかにも、サイボーグの極致たる者の一人である貴殿に言われるとは光栄である」
　コンキスタドール『有頂天道人』はバルタン・ノーヴェ（雇われバトルサイボーグメイド・f30809）と相対――強靭な機械化された肉体を持つバルタンは、オブリビオンの間でも有名であるだろう。
　万能鍋を構え、功夫殺法に組み込まれたサイバー化も渾沌化もバルタンは見切っていく――
「道理としては人型の格闘技の延長戦――見切るのは不可能ではありマセーン！……そして、お喜びくだサーイ、アナタを料理してあげマース！」
「……UDCダイナーという訳か」
　アクロバティックに駆け回って跳び回り、互いにユーベルコードの直撃を回避しながら立ち回っていくバルタンと『有頂天道人』。
　しかし意を決した『有頂天道人』がユーベルコード『サイバネ殺法 undefined cyberne』によるカンフー技をバルタンに繰り出していく――
「これで――」
「肉薄してくれるのは助かりますな――『コック・バルタン』」
　瞬間、迫り来る拳へと万能鍋を叩きつけて弾き落とすバルタン。
　この行動によって発動するユーベルコードの能力とは――
「オブリビオンの食材化！　アナタを調理しマース！　きっと、有頂天な美味となるデショー！」
「ぬ、ぐおおお！」
　蝕まれていく『渾沌化』の肉体……それを『有頂天道人』は侵食が全身に行き渡る前に肉と骨を断つ形で切り落としていくのであった――

大成功 🔵​🔵​🔵​

「これは私向きの相手かしらね。真っ向勝負を挑ませてもらうわ――サイバー化した相手でも本質は変わらない、見極めさせてもらうわ！」
「――来い！」
　手負いの『有頂天道人』に対し、リリスフィア・スターライト（プリズムジョーカー・f02074）はリリスの人格を以て接近戦を挑む。
　アクロバット・アクションを意識し、リリスが叩き込むユーベルコードの名は――
「戦いの中だからこそ華やかさは忘れない！自身の肉体も武器にして！――『｜紅蓮乱舞《バーニング・ダンス》』！」
　爆炎の魔力を纏った至近距離からの寸勁で『有頂天道人』のユーベルコード『サイバネ殺法 undefined cyberne』の中国拳法の構えを崩し、生じた隙を逃さず疾風の魔力を纏った回し蹴りを叩き込んで一気に畳みかける――
「――『渾沌波動弾』！」
「悪いけど、そっちは敏感……というより、経験しているのよ」
　軌道を見切り地形を利用して、アクロバットに避けるリリス。
　範囲が半径１ｍであることも忘れていなかった彼女は、完璧に不意打ちを回避する。
　外れた『渾沌波動弾』の光景を前にして……
「――成程、一度『師父』に取り込まれたグリモア猟兵だったか……」
「らしいわね」
　そっけなく言うと同時、機械仕掛の巨大剣、リリス・ギア・ブレイドを構えるリリス――
「――見事」
「ありがと――私の全力を華麗に叩きづけてあげるわよ！」
　瞬間、振るわれた機械仕掛けの巨大剣がコンキスタドール『有頂天道人』を薙ぎ払う！
　そうしてリリス・ギア・ブレイドを下ろしてリリスは一息つくのであった――

大成功 🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2024年05月02日