7
3
汝の筋肉、光源氏よりも輝きたり

#アヤカシエンパイア #平安(マッスル)貴族 #鼓筋和歌 #断章の追記は東京オフより戻ってからとなります

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#アヤカシエンパイア
#平安(マッスル)貴族
#鼓筋和歌
#断章の追記は東京オフより戻ってからとなります


0




●かくまでに削ぐるは、夜もすがらの不寝にて候へりや

 ──アヤカシエンパイア。
 彼の世界は『禍津妖大戦』なる激戦にて一度は滅亡を危機を迎えたが、日の本の国は平安貴族らの陰陽術『平安結界』をもってして辛うじて維持されている。
 だが、平安結界は脆くも儚きまぼろしに過ぎない。
 日本全土に渡る平安結界を維持するには絶え間ない儀式行為が不可欠であり、異能者たる平安貴族らが平安時代ならではの交遊や儀式などを行うことで絶えず結界を張り直している。

 時には雅な歌を詠み交わし……。

「鞠肩や 背には鬼神が 宿りしと |小《こ》なる|牛車《ぎっしゃ》 乗せたるものか」

 時には雅な儀式めいた遊びに興じる……。

「いみじ! あないみじ!」
「切れたるぞ! 切れたるぞ!」」
「腹に宿りし京の道! 胸に拓かれし大胸筋荘園開墾!」

 此頃都ニハヤル物。
 さいどちえすと。
 だぶるせいぱっぷす。
 もすとますきゅうらあ。

 光る若き貴公子らは競べ弓ならぬ競べ体で鍛え上げた身体を主張し合い、家人らによる主人の仕上がり具合を讃える声援が行き交う。遠くから眺めるうら若き姫君らは、檜扇で緩んだ口元を隠しながら眩しい笑顔を向ける君らを慎ましくお慕い申し上げている。
 なぜこの様な奇祭が開かれているのかと申されれば、この世界の平安貴族らは平安結界の向こう側たる妖蠢く死の大地から滲み出てくる妖の殲滅を高貴なる者の務めとしている戦闘集団において他ならないからだ。
 妖との闘いは熾烈極めるもので、例え陰陽術に長けていようとも妖らは様々な策謀を用いて平安結果の護り人たる平安貴族を殺めよう。その護身術として生まれたのが、この『合わせ身体』なる新たな雅な貴族遊びである。
 普段は雅な歌を読み交わし暇あれば蹴鞠を嗜む平安貴族とて、いざ夜が乱れれば軍事的指導者として立つ。まさしく文武両道を往く平安貴族、敷いては武芸を家芸として宮廷にお仕えする軍事貴族の間で瞬く間に広がったのは自然の理であった。
 まさしく、ノーマッスル・ノー平安貴族。
 何故かこれで平安結界が維持され、妖退治の土台となる頑健たる肉体作りも出来てまさに一石二鳥。貴族のたゆまぬ努力により筋肉が仕上がれば、自ずとして平安結界を護り妖を祓う戦闘集団の質も向上するのだ。

 さりとて、光あるところに影あり。
 光る身体を狙った妖の魔の手が伸びつつある──ッ!


●いといみじ
「……という悪夢を視ちゃってねぇ……」
 グリモアベースに集った猟兵の前に自らが視た白昼夢を語り終えた平安貴族、八秦・頼典(平安探偵陰陽師ライデン・f42896)は深い溜め息を吐いた。

「いや、ボクも日々の鍛錬で身体は鍛えている。だけど、ああいうむさ苦しい集いは苦手でね。どうせなら、ボクの美しく絞られた裸体は口説き落とした美しき姫君だけのものに……おっと、話が脱線してしまったね」
 この平安貴族、『恋多き御方』と市井の庶民から噂されるまでの大層な女好きである。星の位とも呼ばれる公卿の仲間入りを果たした今も、暇あらば宮中では息をするように女房女官を口説くのを日課としているまでの筋金入りであるが、そんな女好きが貴公子らの裸祭に興味があるはずもない。ないのであれば、当然ながら|妖《オブリオン》案件について得た予知報告にグリモアベースへと参内した次第である。

「近々京に住まわれる|益猪《まっちょの》・|碁里輔《ごりすけ》なる平安貴族の館にて、合わせ身体の催しが開かれる。益猪殿は武芸をもって宮中にお仕えされる叩き上げの軍事貴族で、後進への励みとして合わせ身体好きでおられる御方。参加資格は貴族のみでなく、家人への士官を願う主なき坂東武者らにも門戸を開かれるボク顔負けな酔狂者さ」
 齢50を過ぎてもなお衰えることなき身体。まさに|益荒流《まっする》の化身たる平安筋肉卿。鋼の筋肉から繰り出される陰陽術の前に破れた妖の数は幾百とも知れぬ剛なる者だ。

「どうやらその筋肉卿か参加する貴族らを亡き者としよう奸計を巡らす妖が、合わせ身体の宴に潜り込んだようでね。この催事は庶民の噂の種にもなっている。彼らに平安結界の存在、妖の正体を知られることなく速やかに退治せねばな難しい依頼さ」
 まぼろしを具現化し、自然や新鮮な水すら生み出す『平安結界』。
 平安貴族は滅びた大地と妖を人々から隠蔽しながら、妖の殲滅を目指して今日も人知れず戦い続けている。仮にそれらが暴露されたらば、仮初の平安が内から瓦解するのは目に見えている。

「手がかりなくしては犯人を突き止められないだろうし、ボクが予知の中で知り得た情報も話しておこうか。妖は筋肉に異常なる関心を寄せている。ま、合わせ身体は仕上がった筋肉を褒め称える催事だし、この場に居るもの全ては筋肉に関心ある者ばかりだ。その中で特に関心、興味を持つ奴こそが妖って訳さ。勿論それだけじゃないだろうし、後は現場での聞き込みあるべしだよ」
 果たして妖は平安貴族に化けていのか。それとも益猪卿に仕える官人に入れ替わっているか、はたまた招かれた板東武者らに化けているやもしれぬ。
 まさに有象無象から見つけるのは困難を極めようとも、生命の埒外たる存在である猟兵であれば造作ないことだと頼典は激励の言葉を送った。

「益猪卿は宮中での政務においてまだ見習いの身であるボクの上司でもあらせられる。貴殿らのことはボクから卿に話しておくよ。心置きなく調査に専念してくれたまえ」
 話は決まったと言わんばかりに、頼典は広げ扇いでいた檜扇を畳むとピシャリと掌で叩き鳴らした。そして、印を刻むと自身の陰陽術流派『|迦波羅《かばら》』の真言をしめやかに唱え始める。

「オン、アビラウンケン、ソワカ。永盧遮大日如来、ソワカ……」
 すると程なく彼の身体に宿るグリモアの光が霊気の迸りとなって、周囲を白く染め上げていく。
 かくして猟兵たちはグリモアの導きにより、儚き夢と幻によって具現化された平安京へと誘われるのであった。




第3章 ボス戦 『鬼一口』

POW   :    うわんッ
【人肉を喰らいたいという飢え】の感情を爆発させる事により、感情の強さに比例して、自身の身体サイズと戦闘能力が増大する。
SPD   :    わいらッ
自身の【人肉を喰らいたいという欲望】を解放し、物質透過能力と3回攻撃を得る。ただし毎秒加速する【飢えと乾き】を満たし続けないと餓死。
WIZ   :    おとろしッ
【口を大きく開いた】姿勢のまま、レベルkm/hで移動できる。移動中は、攻擊が命中した敵に【出血と肉体欠損】の状態異常を与える。
👑11

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は仇死原・アンナです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。