●
賭けスチェンカに興じたのは全き好奇心からであったが、頭脳戦車の暴走事件を経てからは、メガコーポ「|篠突黎明《シノツクシノノメ》」に対する反抗心を明確に示すようになった技術屋のスバル。
ハッキングの得意な彼が此たび掴んだ情報は、どこかきな臭い「求人広告」が発端だった。
「初心者OK! 部品を組み立てる簡単な作業。アットホームな職場です! ……か」
求人を出しているのは、鷲のマークでお馴染みの人材派遣会社「極鷲会」。
この会社が|篠突黎明《シノツクシノノメ》グループが抱える反社会的組織と知るスバルが気になって調べてみれば、登録スタッフとして派遣された人々は件の工場に勤務したっきり、一度も帰ってこないと云う。
「……アットホームというか、工場をホームにされちまったんだ」
レジスタンスのメンバーと数日張り込んでみたものの、工場の敷地から出ていくのは数台のトラックのみ。
しかもこのトラック、精密機械と荷台には記されているものの、中身が銃器であると判明ったのは、こっそりX線を照射したからだ。
「バイクのエンジンを作ってるなんて、嘘っぱちだった訳だ」
どうも労働者たちは工場に幽閉され、武器を作らされているのだと予測したスバルは、一度は警察に掛け合ってみたものの、彼等は取り合ってくれない。
「警察も上層はメガコーポと通じているらしいが……連中が動かないなら、俺達が動くしかない」
奴隷工場を襲撃する――!
サーバービルへのカチコミを成功させて気が大きくなったレジスタンスのメンバーは、今回も巨大権力に向かって戦おうとしているようが、あれは猟兵の活躍があったからこそ。
彼等もまた「行ったっきり」になろうとは――。
正門前に集まったバイクの群れの前、巨大工場が嗤うように建っていた。
●
「警察が取り合ってくれないのは、件の工場が違法行為をしていると知っているからよ」
上層部が|篠突黎明《シノツクシノノメ》に買収されている為、彼等もお手上げなのだと本音を代わるは、ニコリネ・ユーリカ(花屋・f02123)。
たとえ事実を明かしたとしても「証拠不十分」と流されてしまうだろうと頭を振った彼女は、この遣る瀬無い支配を切り崩す、良い方法があると提案した。
「何を掴んだとしても不十分なんだもの。ぜんぶ壊しちゃったら良いんじゃない?」
労働者を幽閉して働かせている事も。
工場内で武器を作っている事も。
表に出せぬ違法行為の数々を、工場ごと潰してしまおうなんて大胆だが、これほどの刺激なくしては警察も巨大企業群も動かぬのがこの世界。
「皆はこの工場に乗り込んで労働者達を救い出し、工場も武器も再起不能にして欲しいの!」
それじゃあミサイルをポチッとすれば良いんじゃない? なんて思うかもしれないが、少し違う。
この工場には「|篠突黎明《シノツクシノノメ》と極鷲会が武器製造に関わっていた何らかの資料」があると思われるので、それを入手し、無辜の命を救った後なら更地にしても良いだろう。
「これを回収しておけば、いずれは一矢報いれるかもしれないし。トップの人ならきっと保管場所を知ってるわ」
実は、この工場を管理している者は「工場長」でなく「総長」と呼ばれているのだが、彼が嘗てスバルのようにメガコーポと戦った反抗集団のリーダーだったとは――今は云うまい。
とまれ、各人様々な方法で地下へ向かって欲しいと依頼したニコリネは、ぱちんとウインクするやグリモアを召喚する。
「レジスタンスのメンバーだけじゃ成功できない案件よ。お願い、彼等を助けてあげて」
彼等の手で花を咲かせられるようになるまで、花を持たせて欲しい、と――。
こっそり結び合わせたアイコンタクトは、間もなく溢れる光に隠された。
夕狩こあら
オープニングをご覧下さり、ありがとうございます。
はじめまして、または、こんにちは。
夕狩(ユーカリ)こあらと申します。
こちらは、メガコーポ「|篠突黎明《シノツクシノノメ》」グループ傘下の悪徳企業「極鷲会」の武器工場に乗り込み、低賃金で働かされる労働者を救出し、且つ両社の密接な関わりを示す資料を集める、「奴隷工場襲撃」シナリオ(難易度:普通)です。
●シナリオの舞台
サイバーザナドゥ、嘗て産業集積促進地域として様々な製造業者が集められた工業地区。
登録上はバイクのエンジンを作る工場とされていますが、地下では掻き集めた低賃金労働者を幽閉し、市場に出回る事の無い違法な武器を製造しているようです。
●シナリオ情報
第一章『破壊工作』(冒険)
極鷲会が所有する工場に乗り込み、地下へ向かいます。
最先端技術とアナログ装置(錠前とか門番とか)を併用した、厳重なセキュリティによって部外者の侵入を防いでいますが、どうせ破壊する施設です。こっそり潜入するも良し、大穴を開けるも良し、お好きなユーベルコードを披露して突入しましょう。
第二章『キラー・ドローン』(集団戦)
オブリビオン化により自律行動が可能になった、大小様々なサイズの警備ドローンです。工場内の労働者監視や治安維持を主に行っており、また部外者を発見すると猛烈な数と早さで取り囲み、殺害します。
強制的に働かされる低賃金労働者の救出・避難誘導は、この章で行う事が出来ます。
第三章『ジョージ・ザ・ドラゴン』(ボス戦)
嘗てメガコーポに抗った伝説的ハイウェイスター集団「|怒螺厳騎士《ドラゴンナイト》」総長。
義に篤い好漢だったのは昔の話。今やメガコーポに仇なす者に「タイマン」と称した虐殺を行う残忍なオブリビオンとなってしまいました。
ベルトコンベアーが沢山ある、広くてごちゃごちゃした工場内で戦います。
総長との戦いに勝利すると、両企業の名前が記された「武器の仕様書・設計図」が貰えます。
●リプレイ描写について
フレンドと一緒に行動する場合、お相手のお名前(ID)や【グループ名】をお書き下さい。呼び名があると助かります。
また状況によりサポートさん方のご支援を頂いて物語を進めて参ります。
以上が猟兵が任務を遂行する為に提供できる情報です。
皆様の武運長久をお祈り申し上げます。
第1章 冒険
『破壊工作』
|
POW : 火力で蹂躙し物理的に施設を破壊する
SPD : 非合法的活動を行うための設備のみ破壊する
WIZ : ハッキングを駆使して施設を自壊させる
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
|
種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
風雷堂・顕吉(サポート)
アドリブ連携可
約100年前、ダークセイヴァーの人類敗北以来、ヴァンパイアとの死闘を細々と繰り広げてきたダンピール、それが俺だ。
ヴァンパイアを狩るため、あるいは次に狩るべきヴァンパイアの手掛かりを得るためにここにいる。
【世界知識】ダークセイヴァー世界の大抵のヴァンパイア相手ならそれがどのような血族かは知っているし、知らなくとも【情報収集】の伝手はある。
それ以外の世界については物珍しそうに振る舞うことになる。すぐに慣れるだろう。
ダークセイヴァーとスペースシップワールド以外の世界は日差しが強すぎるので、サングラスを着用する。
戦闘は剣士の動きだ。
次に参加する猟兵が戦いやすい状況を作ることも多い。
「低いも高いも。労働者を働かせているのは賃金ではあるまい」
彼等を支配するのは、偏に恐怖――。
骸の雨降る此の世界は、常闇に覆われた己が狩場と支配構造が似ていると、広大な敷地面積を誇る工場の正面に立った風雷堂・顕吉(|吸血鬼《ヴァンパイア》|狩人《ハンター》・f03119)が靜かに言ちる。
或いは|巨大企業群《メガコーポ》が|吸血鬼《ヴァンパイア》と違うのは支配の長さくらいか。
もう幾年戰っているかと、正門へ向かう跫音に幾許の皮肉を添えて歩いた麗人は、我が進行を見るや手を翳して遮る門衛に鼻梁を結ぶと、サングラスに繊指を掛けた。
『ちょっと君! 此処は関係者以外は立ち入り禁……――』
「少しいいかな」
ダークセイヴァーとスペースシップワールド以外の世界は眩しすぎると、陽射を遮る爲に掛けている黑眼鏡を、蔓を持って少しずらす。
而して暴かれる緋瞳は、その赫々しい燦めきを見た者を虜にする【魅了の瞳】にて、門衛は忽ち從おう。
「“その場を動かぬよう”」
噫、なんと優艶に命じる。
刹那、石像の如く|微動《はじろ》ぎもしなくなった門衛の橫脇、馨風が悠然と通り抜けた。
成功
🔵🔵🔴
鈴乃宮・影華(サポート)
「どうも、銀誓館の方から助っ人に来ました」
銀誓館学園所属の能力者……もとい、猟兵の鈴乃宮です。よろしく
学生時代の経験から、大概の状況は冷静に対応できます
体内に棲む黒燐蟲を使役するユーベルコードを主に使用
シルバーレイン世界の技術レベル程度ならハイテク機器も扱えますが
それ以上だとキャバリアの制御AI『E.N.M.A』に頼ります
例え依頼の成功の為でも、他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
あとえっちなのは絶対にNG
なお、コメディ色が強い等のネタ依頼の場合は
「これ、真面目にやると負けなのでは……?」と考え
姉の『鈴乃宮・光華』の演技で語尾を「にゃ」にする等全体的にきゃる~ん☆とした言動に変わります
一人の猟兵が門衛を遣り過ごせば、もう一人の猟兵は正門の突破に掛かる。
元は銀誓館学園所属の能力者、現在は白い神機の降臨を契機に猟兵と覺醒めた鈴乃宮・影華(暗がりにて咲く影の華・f35699)は、部外者を拒む巨きな鐵扉を前にするや、鋭く凛然を萌した。
「……この扉の奧、何処かの誰かが、『普通』を奪われているなんて」
目下、硝子を隔てた緋の麗瞳は烱々と、過酷を強いられる人々を想うほど研ぎ澄まされていく。
「彼の力を以て世界を壞す――」
花唇を滑る鈴音は昔と變わらず。
その美しき呼び聲に應えるは、黒燐蟲――佳人の体内に棲む黑い蟲が、一度は失った力を解放した。
「――皆、何もかも消し飛ばして!」
告ぐや、暗赤色の首巻を颯と捲り上げて閃く【|新生・暴走黒燐弾《バーストカンパニー》】ッ!
影華の繊指が示す方向へ進撃した黒燐蟲は、正門に|衝突《ぶつ》かるや大爆発! 凄まじい衝撃と爆熱を迸って鐵扉を破壞すると同時、その強い波動で拉げた建造物を喰らい始めた!!
「さぁ、今のうちに」
救出活動や破壊工作は慣れたもの。
爆熱に麗顏を照り上げた佳人は、学生時代を懷しみつつ正門を潜るのだった。
成功
🔵🔵🔴
冷泉院・卯月(サポート)
勿論お仕事は大事ですけどぉ、折角なら珍しい物や新しい物も見つけたいですよねぇ~。
あ、ご一緒される方がいらっしゃればぁ、一緒に頑張りましょうねぇ~。
あまり戦闘は得意ではないですけどぉ、ぶちくんとたれちゃんの力も借りてぇ、頑張っちゃいますよぉ~。
遠距離なら二人に短杖になってもらって魔法弾を撃ったりぃ、
接近戦なら二人で力を合わせて杵になってもらって頑張っちゃいますぅ~。
パラドクスは状況に応じて臨機応変に使いましょうかぁ~。
戦闘以外なら運転なんかも得意なのでぇ、何処へでもお届けしちゃいますよぉ~。
道中も楽しいことが見つかるといいですよねぇ~。
門衛を破り、正門を破り。
樣々な工作をして工場に侵入した猟兵は、一縷と動かぬ製造ラインに肩透かしを喰らったろう。
「格好良いバイクがあればと思ったんですけどぉ……ちょっと残念でしたねぇ~」
駆動音も響かなければ、柔かく伸やかな鈴音が通る、通る。
広く長い通路にキックボードを滑らせて進んだ冷泉院・卯月(壱七八あーる・f40880)は、その隣でピョンピョンと樂しげに走る二匹の愛兎、「ぶちくん」「たれちゃん」が十分に遊んだ頃合に呼び掛けた。
「よぉ~く遊びましたかぁ~? じゃあ、そろそろ頑張りましょうねぇ~」
莞爾たる|微咲《えみ》が告ぐは、【好玩好楽】――遊び終わったらお仕事をするという約束。
而して工場見学を滿喫した二兎は、嬉しそうに鼻をふくふくさせると、絶妙なコンビネーションで変身&合体!
くるんっと宙を踊るや「杵」となって卯月の手に収まった。
「さぁ~、地下に続く道を抉じ開けちゃいますよぉ~」
佳聲は變わらずふんわりとしているが、輕く一揮した杵は前方の扉を一瞬で破壞ッ!!
沢山遊んだからか、超パワーを発揮した二兎は鍵を粉砕し、警備員を撃摧し、卯月を止まらず進めさせるのだった。
成功
🔵🔵🔴
遠桜・星黎凪
クロムキャバリア世界の小国出身、アンサーヒューマンのキャバリア乗りです
普段の口調は「明るく丁寧な幼女(わたし、あなた、~さん、です、ます、でしょう、でしょうか?)」です
■性格
明るく天真爛漫
ロマン(キャバリア的な意味で)が好き
■戦闘
愛機のクロムキャバリア「夜桜」に乗り
近距離なら「天桜剣」「桜和剣」で斬り、遠距離なら「閃桜」で狙撃します
生身でも刀を振るって戦えます
UCは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
又、例え依頼の成功の為でも、公序良俗に反する行動はしません
後はお任せ
宜しくお願いします!
この工場が地下で祕密裏に違法兵器を製造している事を、警察は“知っている”。
然し司法組織の上層部が「|篠突黎明《シノツクシノノメ》」に買収されている爲に“動かない”――。
「あいつらマジで腐ってやがるぜ」
「それで、実態に気付かれた皆さんが動かれたのですね」
スバルらレジスタンスのメンバーの忼慨を丁寧に聽いた遠桜・星黎凪(桜花の機士・f29963)は、此度の破壞工作は大々的に行うべきと意見を揃える仲間の前、こっくりと頷いて云った。
「警察や|巨大企業群《メガコーポ》が隱したい実態を暴くに、事件を隱しきれない規模にすれば良いと思います」
地下から武器を持ち出した処で、警察は取り合わないだろう。
だが工場に甚大な被害が及べば、巨大企業群と繋がる警察は捜査に乗り出さねばならぬ。
然れば火消しに動くにも「灰」を見ずにはいられまいと、一同と瞳を見合わせた星黎凪は、凛然と首肯を置くやキャバリアに乗り込み、起動――重厚な黑鐵の裝甲に淡いピンクの光を照り上げた。
「夜桜、いきます!」
アンサーウェア同期開始。
高速演算AI『ラプラスの桜』起動。
肩部レーザー砲台『輝桜』全門開放。
ロングレンジライフル『閃桜』、プラズマレーザーモードに切替……完了!
「これより敷地内建造物を蹂躙します!」
グンと胸を衝く愛機の超推力を受け取り、一直線に伸びる道を走る、疾る、趨る!
これだけ広大な敷地面積を誇る工場で派手に暴れるなら、矢張りキャバリアが最適だろう。愛機と完全にシンクロナイズした星黎凪は、稼働していない上階の製造ラインをスキャンするやロックオンした。
「――捕捉完了、撃ちます!」
片手で巧みに操縦桿を動かしながら、オーバーヘッドパネルへと伸びたもう片方の手は、全てのトグルスイッチのアクチュエーターをON! 拡散ホーミングレーザーを射出――!
「先ずは一回……!」
ユーベルコード【桜花千煌】の射程範囲は半径136m。これを何度か繰り返す。
山を動かすには相應のチカラが必要と、少女は爆熱烈風の巻き起こる中を颯然と駆けるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
ヌグエン・トラングタン
なるほど、本来中立で公平であるべきものの上を買収して下を黙らせるのは…クエストでもあるんだよなぁ…。
モンスターと手を組んでた国の大臣とかな!
で、それで隠されているそこを壊せと。はは、気持ちいいまでの案件だなおい!
じゃ、俺様が一番俺様らしくできることで。
まあ、つまりは真正面から突っ込んで大穴を開けるってな!
徹甲攻撃は拳はもちろん、尾の方でもいけるようになってんだ。
門番っていうのは、手堅いもんだな?が、その装備任せの攻撃だとしたら…防御力に意味はねぇ!
尾での不意打ち強襲で、武器も曲げてやるってな!
…まったく。統制機関とはまた別の嫌な感じだぜ。
「やぁ、トラングタン。こんな薄汚ねぇ世界にまた來てくれるなんて嬉しいぜ」
「どうした、やけに荒れてるな」
過去二度も共鬪した戰友を前に、スバルは|鬱屈《くさくさ》した感情を隱さず。
何があったかと事情を訊いてみれば、成程、カネがモノを言う世界に憤懣を抱いている樣だった。
「まぁ、本來中立で公平であるべき組織の上を買収して、下を默らせるなんてのは……あるんだよなぁ……」
「何だよ。そっちの世界も腐ってンのか」
「噫、モンスターと手を組んでた國の大臣とかな!」
クエストとしては定番だとは云うまい。
我が返事に皮肉たっぷり溜息するスバルにポンと手を添えたヌグエン・トラングタン(欲望城主・f42331)が、優しさを置いたのはそこまで。
友好を示した掌は、固く握り込められるや超硬化した拳に――腐敗を隠蔽する工場に近付くなり、【鋼鉄をも板材のように】壁を粉砕ッ! 打撃点から放射状にマルッと、淸々しいほど大きな|孔竅《あな》を開けた!!
「お前の|忼慨《いかり》は尤もだ。ここは俺樣が一番俺樣らしく出來る事で擁護するぜ」
「はは……相變わらず凄ェ……気持ちいいまでの正面突破だ!」
まるで戰車の特攻だとスバルが快哉の聲を上げる中、この餘りに大きすぎる|叩音《ノック》に仰天したガードマンが集まってくる。
部外者の侵入というより奇襲に近い状況なれば、彼等も直ぐに刺股を構えてヌグエンを捕えに掛かるが、彼はこれを尾の一振りで薙ぎ払い、忽ち金属を|寸斷寸斷《ズタズタ》にして踏み敷いた。
「門番っていうのは、手堅いもんだよな? が、その裝備任せの攻撃だとしたら……防禦力に意味はねぇ!」
『……お、応援を呼べ……早く!』
「おー呼べ呼べ。まとめて相手してやるってな!」
防彈チョッキも警杖も役に立たぬとは、間もなく判ること。
拳は勿論、尾も強靭と堅牢を増したヌグエンは、諸有る障害物を穿ち、貫き! 曲げて、拉げて!!
スバルらレジスタンスのメンバーが通り易いよう突貫工事で道を敷いていく。否、まるで解体屋だ。
而して濛々と土埃の立ち昇る中を進んだヌグエンは、屋内に響き渡る破壞音に溜息を混ぜ、
「……全く。統制機関とはまた別の嫌な感じだぜ」
何を壞しても姿を見せぬ上層連中に舌打ちをひとつ。
どれだけの身勝手が無辜の命を弄んでいるのかと、きつく奧齒を嚙むのだった。
大成功
🔵🔵🔵
リアラ・アリルアンナ
無辜の市民の幸福を搾取し造らせた違法な武器…
それが向けられる先もまた、無辜の市民である事は火を見るよりも明らか!
このような反逆的施設は即刻閉鎖しなければ!
手始めに工場のネットワークにハッキングを掛け、電子的なセキュリティを掌握
これで構内を堂々と歩き回れるようになりましたね
流石に錠前のようなネットと切り離されたセキュリティはハックしようがないので、それらはプラズマ警棒で焼き切ってしまいましょう
後は警備員を捕まえてUCで善意の協力者となる栄誉を与え、地下の秘密工場まで案内してもらいます
或いは敬愛する『|管理者《マザー》』も、件の工場が祕匿する生産活動を「幸福への反逆」と認めたろうか。
無辜の市民を拘束し、時間と自由を奪って造らせた違法な武器。其が向けられる先もまた無辜の市民であるとは、火を見るより明らかだと――通路を駆ける爽風が先を急ぐ。
「市民の義務であり権利である幸福を搾取する……このような反逆的施設は即刻閉鎖しなければ!」
|速度《テンポ》を上げる跫音に交じる、凛乎としたソプラノ。
佳聲の主たるリアラ・アリルアンナ(リアライズユアハピネス・f36743)は、工場内の制御管理室へ向かうやネットワークに侵入! 忽ち権限を乗っ取り、電子的なセキュリティを掌握した。
「顏認証システムOFF……人感カメラOFF……これで構内を堂々と歩き回れるようになった筈です……!」
ついでに放送設備も管理下に置き、スバルらレジスタンスのメンバーも安心して進めると伝える。
而して自身も地下へ向かおうと再び駆け出したリアラは、IT技術やAIシステムに頼り切った門扉は難なく通過する訳だが、目の前の格子扉にぶら下がる南京錠は……物理的な鍵が無いと通れない。
「ネットと切り離されたセキュリティはハックしようがありません。……それなら!」
言うやスパンッと錠前を――否、金属の格子ごと焼斷する警棒! 警棒!?
赫灼と照るプラズマの刀身を一閃して開扉したリアラは、「それ警棒か!?」と驚異を目の當たりにした警備員と目が合うや、花のように咲んだ。
「親愛なる友人に善意の協力者となる栄誉を與えましょう!」
『友人? 親愛? いやいや君は部外者で――』
「それはとても幸福なことなのですから!」
『……むぅ、むぅう……――ハイ喜んで!』
敵対者すら友好の輪に引き入れるは、【|汝の隣人を愛せよ《ラブ・ユア・ネイバー》】。
市民は隣人であり友人であると、櫻唇に紡がれる言の葉と共に放たれた波動は、螺旋に渦を巻きながら命中! 警備員の胸をトゥンク……とトキめかせて味方にした。
「さぁ、地下の祕密工場まで案内して頂きましょう」
『はいコッチですよー。鍵は自分が持ってますんでね』
警備員は反逆行爲を罰するリアラを導けるなら幸福!
リアラも市民を傷付ける事なく進めるのだから幸福!
斯くして『|管理者《マザー》』の遺志を繼ぐ者は、穩便に幸福を|現実化《リアライズ》しながら地下を目指すのだった。
大成功
🔵🔵🔵
アリス・セカンドカラー(サポート)
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい♥
それはまるでチートのような、とんでもない才能であると便利な|舞台装置《デウス・エクス・マーキナー》役な|狂言回し《サポート》。
瞬間的に|主観の世界観を切り替える魔術的パラダイムシフト《高速詠唱早業先制攻撃多重詠唱拠点構築化術結界術》による妄想を具現化する|混沌魔術《欲望開放》で|戦闘《戦闘演算、連続こんぼ》、|諜報《化術、ハッキング、情報収集》、|輜重《医術、サバイバル》とマルチに活動可能。
依頼の成功を大前提に、あわよくば己の欲望を満たそうとするかも?
|エナジードレイン《大食い》と|融合《捕食》でえっちなのうみそおいしいです♥
「数々の違法行爲を工場ごと潰すのは良いとして、|猟兵《わたしたち》の破壞工作に巻き込まれる人が居たら大変よね」
|巨大企業群《メガコーポ》は腐敗しきっているが、連中に雇われた者に罪は無し――。
目下、慌しく動き出した警備員達の会話や跫音に耳を澄ましたアリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の|混沌魔術師《ケイオト》艶魔少女・f05202)は、幾人かの男達が此方に向かってくるのを認めるや、艶麗と口角を持ち上げた。
「さぁ、いらっしゃい。私の私による私の爲の世界へ♪」
『なん……何だ、これは……っ!?』
「禁呪で想像から創造したアレコレでたっぷりと遊んであげる❤」
膨大な魔力によって生成した結界を、詠唱を重ねて何重にも構築する。之を須臾の間に幾千と繰り返す。
而して出來上がった【Alice's Wonderland】は、アリスを捕えんとした警備員達を堅牢鞏固な迷路に迎えよう。
「先に言っておくけど、ゴールは工場の敷地の外よ」
畢竟、この迷路は最も安全な避難路。
周囲の衝撃に影響される事なく外に出られると、アリスは塊麗の微笑に男達を送り出した訳だが、迷路内で彼等がどんな目に遭ったかは……――また別の話。
成功
🔵🔵🔴
政木・朱鞠(サポート)
とりあえず、感覚共有した『忍法・繰り飯綱』を放ち【追跡】や【情報収集】で周囲を探って敵の分布や地形の情報を把握しておきたいね。
邪魔をする敵が湧くのなら、武器は拷問具『荊野鎖』をチョイスして【鎧砕き】や【鎧無視攻撃】の技能を使い【傷口をえぐる】でダメージを与えたいね。
アドリブも連携もOK
工場のネットワークをハッキングして構内図を手に入れたスバルにとって、其と同等の……否、それ以上の情報を仕入れる政木・朱鞠(狐龍の姫忍・f00521)の『忍術』は、實に奇妙に見えたろう。
「そう? 侵入方法の違いだと思うけどね」
警備員の配置や施錠箇所等、諸々を把握した朱鞠が難なく通路を進む中、彼女の背に続いたレジスタンスのメンバーは、曲がり角で|遭遇《でくわ》した警備員への対應に、またも驚かされる事となった。
『! お前達、新人じゃないな!? さては部外者――』
「私達が何者か。今は曖昧な儘、深い夢寐に身を委ねて……」
巡回警備がある事は承知済み。
故に躊躇う時も無しと、ゼロタイムラグで解き放たれるは【忍法・春眠香】――秘伝藥の香煙。
甘く芳しい馨気を嗅いだ警備員は忽ち眠り、ぐらり傾く軀に腕を伸ばした朱鞠は、彼を場外へ運ぶよう逆手で合図する。
「地下にも要救助者が居るみたいだけど、彼等と一緒に避難させるべきよね」
「警備員まで助けるのか?」
「情報を持ち出してくれる人は多い方が良いもの」
佳人の代わって軀を担いだ若者達は、忍者の情報術に唸らされるばかりであった。
成功
🔵🔵🔴
日下・彼方(サポート)
人間のUDCエージェント × 月のエアライダーの女です
戦闘での役割はレガリアスシューズを使っての空中戦、
影の狼を使役して斥候・偵察ができます
武器は通常大型ナイフを使用しますが
強敵には太刀・槍を持ち出す事もあります
普段は(私、君、呼び捨て、だ、だな、だろう、なのか?)
機嫌が悪いと (私、~様、です、ます、でしょう、ですか?)
性格は受けた仕事はキッチリこなす仕事人のような感じです
仕事から抜けると一転惚けた風になります
ユーベルコードは必要に応じて、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
戰場で生まれ、戰場で育った日下・彼方(舞う灰の追跡者・f14654)は知っている。
己が鐵と硝煙、そして血の匂いの中で生まれたように、己の手でそれらを発した武器一般は、油を潜って生まれるのだ。
「電子機器とか電機製品とか、そんな小綺麗なものじゃない。油臭い匂いがする筈だ」
工場は製造するモノによって独特の臭気を発する。
武器を作っているなら、鐵粉の匂いや機械油の匂いが漂っていよう。
騷音は勿論、排気についても対策はしているだろうと、ダクトの位置からアタリを付けていた彼女は、自身の予測を確定させるべく、通路を疾りざま|超常の異能《ユーベルコード》を解き放った。
「やる事は分かってるな? ――行ってこい」
颯爽と駆ける主に無音の跫を添えるは、【影狼投影】――実体なき影の狼の群れ。
彼方と五感を共有する狼らは、優れた嗅覺と隱密性によって油の匂いを辿り、其を発している場所を目指して疾る。
「多分、この匂いの先には……大勢の人の匂いもある」
汗か涙か。とまれ、人間とて匂いは隱せぬもの。
而して「必ず助ける」と先を急いだ彼方は、軈て金属を研磨する音を耳に――地下の武器工場に至るのだった。
成功
🔵🔵🔴
ミーヤ・ロロルド(サポート)
『ご飯をくれる人には、悪い人はいないのにゃ!』
楽しいお祭りやイベント、面白そうな所に野生の勘発動させてくるのにゃ!
UCは、ショータイムの方が使うのが多いのにゃ。でもおやつのUCも使ってみたいのにゃ。
戦いの時は得意のSPDで、ジャンプや早業で、相手を翻弄させる戦い方が好きなのにゃよ。
口調だけど、基本は文末に「にゃ」が多いのにゃ。たまににゃよとか、にゃんねとかを使うのにゃ。
食べるの大好きにゃ! 食べるシナリオなら、大食い使って、沢山食べたいのにゃ♪ でも、極端に辛すぎたり、見るからに虫とかゲテモノは……泣いちゃうのにゃ。
皆と楽しく参加できると嬉しいのにゃ☆
※アドリブ、絡み大歓迎♪ エッチはNGで。
好奇心は猫を殺すと云うが、好奇心なくして猫は生きられぬもの。
お祭り大好き、面白そうな所あらば尻尾をピンと立てて赴くミーヤ・ロロルド(にゃんにゃん元気っ娘・f13185)にとって、自由を奪われた労働者の話は胸が閊えたに違いない。
「今助けに行くのにゃ! ……なんだけど、大きな扉が邪魔にゃ……」
地下へと通じる道に辿り着いたのに、目の前の門扉が通せんぼ。
鍵穴を見るに鍵が必要と思われるが、侵入者に気付いて集まる警備員が、この扉を開ける鍵を持っているかは判明らない。
この儘では捕まる――! という時、ミーヤは同行するレジスタンスに、ひとつ頼み事をした。
「ちょっとだけ、時間をかせいで欲しいのにゃ」
求めるは10秒。無論、彼等は應えよう。
一同が手を繋いで人間バリケードを作る――それで充分と頷いたミーヤは、全集中!
悶着の聲を意識から遠ざけると、蒸気魔導誘導レーザー砲塔を炸裂させた!!
「チャージ完了! いっけえにゃー!!」
超衝撃で門扉を吹き飛ばすは、【ガジェット・クラスター】!!
警備員が呆然とする中、ミーヤは「今にゃ!」と手招きして皆々を導くのだった。
成功
🔵🔵🔴
夜城・さくら(サポート)
キャバリアでの戦闘をメインに。
『オーバーフレーム換装』では、装甲を犠牲に攻撃力か射程を上げて仲間を援護するように攻撃します。【スナイパー】技能使用。
手数が必要な時は『無限射撃地獄』です。敵がビット攻撃してきた際には相殺するように展開することも。
キャバリア以外では、『ギタギタ血まみれの外科手術』で仲間の治癒と戦闘力増強に励みます。
「ちょっと痛いですよ? でも大丈夫。すぐに元気すぎるくらいになりますからね」
笑顔でノコギリを振るいます。大丈夫怖くない怖くない。
入ったが最後、囚われた者は二度と出られない――。
件の工場に集められた者達は、カネを縦糸に、欲望を橫糸にした巨大企業群の巢に自由の羽を奪われてしまった訳だが、同構内に降り立った夜城・さくら(不思議ちゃんの量産型キャバリア・f30006)は捕われぬ。
緑色の高汎用性量産型キャバリアAZを駆って正門を突破した彼女は、レジスタンスのメンバーが工場へ突入していくのをモニタで確認しつつ、自身は他のキャバリア仲間と進路を分けて直進。広大な敷地を更に奧へと進んだ。
「見ぬフリをしていた違法兵器の生産拠点が襲撃されても、まだ目を逸らせるかどうか――」
仲間から逐次伝達される情報を基に、攻撃目標を設定する。
|瞬間思考力《フォーアンサー》を極限まで励起した佳人は、腦波で制禦したダズルビットからレーザー射撃!
武器を積載したコンテナが集まる倉庫を、【|無限射程地獄《オールレンジヘル》】で攻撃した――!
「警察とメガコーポの目を、否應にも……引き付ける!」
果して蜘蛛の巢に捕らわれた蝶は何方か。
人々の自由を奪う強権に終止符を打たんと疾駆した赫灼の光条は、倉庫を交点に結ぶや大爆発! 濛々と立ち上る炎を反抗の篝火とするのだった。
成功
🔵🔵🔴
浅間・墨
ロベルタさん(f22361)
私達はこっそり潜入して……は難しそうです…ね。
(潜入前に相方が門を蹴り潰す様を目にした為)
…これは施設の方々にはバレてしまってますね…。
なら『国綱』の一振りで斬鉄し突破しましょうか。
殆どロベルタさんの蹴りで解決してしまいますが。
…えと。彼女の背中でも守って進みましょうか…。
まあ。守りも不要な気がしますけれど♪
そうそう。『逃走経路』というのを作っておきますね。
救出した方々が逃げられる道を事前に拵えておきます。
ロベルタさんの開けた処から出られる気もしますが。
それから『かめら』という物も破壊しておきましょう。
動くことなく施設の全ての様子を見られるらしいので。
設置場所とその破壊手段を聞きましたが適当でした。
姿を見られていても問題は無いそうなので堂々と破壊。
「…えと。確か…この丸型…出っ張…を…斬れば…?」
ロベルタ・ヴェルディアナ
墨ねー(f19200)
スバルにー達が色々してる内に準備体操だ♪
身体のパフォーマンスを上げて封印解くよ。
それから多重詠唱をしながらダッシュだじぇ。
鉄門を蹴る前に重量攻撃と鎧砕きを付与する。
「いぇ~ぃ♪ 一番乗りだじぇ~♪ うぇ~♪」
?切り開いた後の墨ねーがなんだか元気ない?
まあいっか♪うぇ~い。壁に証明書を書くじょ~♪
来たことを証明しておかないといけないよねぇ~。
(施設壁に『レジスタンス参上』と書き満足顔)
鉄扉とかシャッターとか壁とか全部蹴り壊じぇ!
目に着いて進べき道は全て破壊するよ~♪楽しい!
勢い余って天井(二階床)を壊しても気にしない。
流石に要柱を砕かないように注意はしておくねぃ。
でも一本くらい破壊しても建物は壊れないじぇ~♪
あと電源は破壊しないように十分注意するねぃ!
照明がないと流石に見えないんだじぇ♪
…無ければ切り開けばいいんだじぇ…。それが人間♪
監視カメラの方は墨ねーに任せておこうかな♪
あ。一応簡単に監視カメラの説明はしておくねぃ。
僕はレジスタンスさん達とズンズン進んでいくよ。
「おお、浅間の姉御! 助太刀に來てくれて嬉しいッス!!」
「……あ……ね、ご……?」
サーバービルの襲撃を成功させて以後、レジスタンスの若者達は鬼神無雙を披露した浅間・墨(人見知りと引っ込み思案ダンピール・f19200)を「姉御」を呼んで敬っていた。
全く勝手な尊称だが、嘗ての事件でメンバーの尊敬を大いに集めた者が、もう一人――。
ヤクザを相手にその|筋《スジ》の|者《モン》レベルの適應力を発揮したロベルタ・ヴェルディアナ(ちまっ娘アリス・f22361)などは、最早「師」と仰がれる程だった。
「ヴェルディアナ先生が居れば、今回の|破壞工作《カチコミ》も不安は無いぜ!」
「う! 今日も元気にカチコもうねい♪」
目下、スバルが不正入手した構内図を元にメンバーが突入作戰を練る中、おいっちに♪ おいっちに♪ と兩脚跳びに、輕く全身を搖する運動を行うカチコミ先生。この動き……第二?
蓋しこの花のように嫋やかな軀が、詠唱を重ねる事で|人間凶器《リーサルウェポン》となっていくのは皆の知る処で、凄まじいオーラを帯び始める少女に若者達がゴクリと唾を飲み込む傍ら、墨は構内図に瞳を落とし、突入口を分けようと云うスバルにコクコクと頷いていた。
「敵方の初動を遅らせるには、派手に動くやつと、靜かに動くやつが居ると良いと思うんだ」
「……そ……ですね……地下で……働く……方々に……何か……っては、困りま……し……」
工場の広大な敷地でキャバリアが暴れ回る中、一部メンバーが工場内へ突入する。
襲撃箇所を分散させ、更に陽動と隱密を組み合せて内部を攪亂させようと彼が提案すれば、周りの猟兵も「心得た」とばかり役割を預るが、果して墨は。ロベルタは。
「扨て、二人はどうする?」
「……私達はこっそり潜入して……は難しそうです……ね」
スバルに視線を注がれた墨が答えるのと。
ロベルタが目の前の鐵扉を飛び蹴り一発で破砕するのは、ほぼ同時だった。
「いぇ~ぃ♪ 一番乗りだじぇ~♪」
嚴重なセキュリティが施されていようが、大きな南京錠が提げられていようが、関係ナシ!
キック一閃して錠前を破壞し、その勢いのまま鐵扉をブチ拔いたロベルタは、忽ちジリリリリ……! と|哦鳴《がな》り立てる警報音に不敵な|微咲《えみ》を浮かべた。
「うぇ~♪ 開いたじょ、墨ねー」
「……隱密潜入は……お任……す……」
「お、おう。陽動に不安は無いようだ」
「? スバルにーは目がまんまるで、墨ねーは……何だか元気ない?」
ならばもっと景気佳くいこうかと、ロベルタはサッと渡されたスプレーで即興グラフィティ!
ここに反抗の徒が來た事の証拠として、壁いっぱいに『レジスタンス參上』と書き上げた!!
「うぇ~い。壁に証明書を書いておくじょ~♪」
サーバービル襲撃事件を知る「|篠突黎明《シノツクシノノメ》」の関係者が見れば、煮えくり返る所業。
面白い事をしてくれるとスバルが吃々と嗤う中、地下工場でも描いて見せると咲み返したロベルタは、その勢いのまま突進、突貫、突撃――! 正面にある障害物を全て壞す勢いで蹴り倒し始めた!!
「取り敢えず最短で、まーっすぐ! うぇーい、愉し~い♪」
「……万事……ロベルタ、さん……の蹴り……で……解決してしまい……そな……」
宛ら|切羽穿孔機《ジャンボドリル》の如き破壞力を見せるは【|金色の大槌《ゴルディオン・ハンマァー》】ッ!
周囲の空間も歪むほどの超重力を帯びた蹴撃は、750m直線上にある一切を一撃で粉砕し、地下工場に繋がる最短の道を「作っていく」。噫、眞直ぐに伸びる景色の見晴らしよ!
「う。道は無ければ切り開けばいいんだじぇ……。それが人間♪」
勢い餘って天井を壞しても気にしない! 二階のガードマンが啞然としていようが気にしない!
唯だ要柱を砕かぬよう、電源を落とさぬよう注意したロベルタは、春の遠足に出掛けるような爽やかさで構内を破壞していく。まぁ要柱も一本くらい失ったからって倒壞しないよね!!!
「いざゆけ~♪ レジスタンス~♪ いぇい♪」
「なんて……いきいき、と……淸々しい……でしょう……」
因みに佳人の進撃に続く事となった墨は、後方の援護をと『粟田口国綱』を前落しに摑んで駆けていたが、刹那、後方へ飛び込む破砕片には冱刃閃々! 居合術【|鍔鳴《ツバナリ》】で粉微塵に処理し、後続のレジスタンスにぶつからぬよう守ってやる。流石、姉御……!
「やっぱ浅間の姉御はカッケーぜ!! 今日もキマッらぁ!!」
「……ぁぅ……その……」
「ヴェルディアナ先生、また俺達に背中で語ってくれて……!」
「うぇ~い♪ 床に穴開けながら地下に向かうのもいいねい♪」
二人の勢いに一同が快哉を叫ぶ中、これに少々困惑していた墨も何か気付きを得たようで、
「……殿、ならば……『逃走経路』というの……を、作っておくと……良い、かも……れませ……」
同道するメンバーと、今から救出する労働者達が速やかに脱出できるよう退路を整える――。
無論、ロベルタが目下に削り出している道など眞直ぐで分かりやすいが、その始終を映像で記録する「かめら」とやらが敵方に握られるのは拙い。
「……自らは動くことなく……施設の全てが見られる……更にこれが上層に渡っては……」
「! 慥かに監視カメラは潰しておくべきだな。天井にあるアレを壞せるかい?」
「……えと。……この丸型……出っ張……を……斬れば……?」
「そうそう。その鈍色を動かしているヤツを――……はは、仕事が早くて助かるぜ」
スバルが指に示した瞬間、玲瓏と光を彈いた『国綱』が監視カメラを抉り取る。
而して丸ごと落下する黑い機械を宙でスパスパと切り刻んだ墨は、喫驚仰天の顏を揃えるメンバーと共に地下を目指した。
「たのもー!!」
ロベルタが最後に重厚な鐵扉をブチ拔いた時、事態は更なる展開を迎えよう。
凄まじい破壞音に次いで溢れた機械音が、この工場に隱される忌まわしい事実を知らしめるのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『キラー・ドローン』
|
POW : スローター・ドローン
【抹殺モード】に変身し、レベル×100km/hで飛翔しながら、戦場の敵全てに弱い【機銃掃射】を放ち続ける。
SPD : バトル・ドローンズ
レベル×1体の、【機体装甲】に1と刻印された戦闘用【重火器搭載型ドローン】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ : ファイア・アタッチメント
【飛来する専用強化パーツ】と合体し、攻撃力を増加する【大型ビーム砲】と、レベルm以内の敵を自動追尾する【ミサイル】が使用可能になる。
イラスト:御崎ゆずるは
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
鐵粉と油の匂い、汗の饐えた臭い――。
その何処か古臭く生々しい匂いに滿たされた地下空間は、更に金属加工の機械音が不斷に響いている。
「……ここが、違法兵器の工場……!」
予想通りだと唇を噛んだスバルが、直ぐに周囲を見渡す。
ここには見た事のない形状の武器の他、登録名簿を調べた限りでは300名程度の労働者が居る筈だが、彼が烱瞳を巡らせるより早く、一機の自動制御航空機が立ち塞がった。
『登録IDヲ確認シマス……ID無シ……生体認証データベースニ一致ナシ……』
「ん、ドローン?」
『部外侵入者ト判定シマシタ。此レヨリ排撃ヲ行イマス』
「おお……うわっ!!」
カメラを動かし、緑色灯をチカチカと明滅させて近付いたのは、地下工場の監視と治安維持を行う『キラー・ドローン』。
オブリビオン化した警備ドローンは、スバルらレジスタンスのメンバーを「敵」と認識するや忽ち仲間を呼び、警告を示す赤色灯を点灯させて群がり出す。
これらは中央の管理システムに異常を報告するという事はせず、自らの裁量によって行動する――完全に独立・自律した高性能の殺人マシンで、判斷が早いのが厄介だ。
『管理者権限ニヨリ侵入者ヲ抹殺シマス』
『直チニ増援ヲ要求シマス。地下ノ治安ハ維持サレマス』
ドローンの中には重火器を搭載した機体や、大型ビーム砲やらホーミングミサイルやらを積んだ儼しい機体もあり、暴走すれば労働者にも被害が及ぶ可能性がある。
「……なぁ同胞、皆を助けるべく手を貸してくれないか?」
蓋し判斷が早いのはスバルも同じ。
敵わぬ相手と見切った彼は、隙を盗むよう目尻に烱瞳を寄越し、猟兵達に助力を頼むのだった。
ツォーナ・ロチェアーダ
このショベルキーとディメンションロック、以前は対強敵単体相手に試しましたが…今度は対集団相手に試してみましょう!
例えばそうですね、空間湾曲を用いて|空間《空中》に穴を|開け《掘り》、その中に相手が入ったタイミングで穴を|閉じ《埋め》れば…どうなるでしょう?
もしこれが上手く行ったのならこれからの戦い、特に空中にいる相手に対して大きな有効打となりえるはずです!
後は空間湾曲で地面近くまで引き下ろす等々…とにかく色々検証してみましょう!
あ、もちろんその世界の住民の方や他の猟兵に迷惑を掛けない範囲で!
グリモア猟兵さん、何かいい依頼はないでしょうか?
備考
二人称:ファーストネーム+さん
※アドリブ等歓迎です
「……戰鬪用ドローンが沢山! これは色々と検証出來ますね!」
折しも空中を浮遊する相手を探していたのだ。
今後の空戰で大きな有効打となり得るガジェットとユーベルコードの組み合わせを模索していたツォーナ・ロチェアーダ(世界を渡る大海の剣・f01913)は、目下、一気に警告赤色灯を点灯させるドローン群を前に、溌剌とした|微咲《えみ》を湛えた。
『登録ID不所持。侵入者ヲ捕捉シマシタ』
『當機ハ此レヨリ抹殺モードニ移行シマス』
左右に備えた二対四翼の|推進機《プロペラ》、その下部に搭載した機銃が閃光火花を散らして掃射に掛かれば、ツォーナは花唇に三日月を描いた儘、素早く飛び退いて回避――ッ!
「これは佳い機会です!」
颯爽と華奢を翻して射線を擦り抜け、受け身を取りながらコンベヤ上を前転した佳人は、己の代わり工場内設備をハチの巢にさせながら、鍵型ガジェット『ショベルキー』を取り出す。
「以前は強敵單体が相手でしたが……今度は対集団で試してみましょう!」
例えば――と鈴音を繼ぎつつ、思い描いた戰法を直ぐさま再現する。
繊手に握れるショベルキーを走りざま橫薙ぎ一閃、その軌跡上の空間をグニャリと湾曲させたツォーナは、肺腑いっぱい息を吸い込んで一聲、
「オープン!」
と、瑞々しく聲を響かせる。
同時に鍵を捻る動作を伴えば、虚空にポッカリと穴が開こう。
折にツォーナを追尾していたドローンが、この空間ポケットに突っ込んだ刹那、翠緑の瞳は烱々と輝きを増して【ディメンションロック】ッ!
「ロック!」
と叫んだ瞬間に空間湾曲孔は塞がり、無機質な鐵の監視員を閉じ込めた。
「|空間《空中》に穴を|開け《掘り》、その中に相手が入ったタイミングで穴を|閉じ《埋め》る――如何でしょう!」
行動不能にした対象は、この穴を完全に鎖せば骸の海に放逐される。
然しまだ検証したい事があると『アルマライト』に魔力を注いだツォーナは、宙に浮かぶ空間孔竅が自在に動かせるのを確認すると、地面近くまで一気に引き下ろし、床への叩きつけや大剱による追撃など、追加攻撃が出來るか実験を重ねる。
「敵への投げつけや、移動の際の足場になるか調べたら、もっと空中戰が有利になりそうです!」
好奇心に溢れる佳聲は、まるで歌を知った金絲雀の如く。
麗人は花顏を咲みに滿たし、戰鬪を愉しむのだった。
大成功
🔵🔵🔵
エリー・マイヤー(サポート)
フラスコチャイルドのサイキッカー × 寵姫です。
常に丁寧語で、あまり感情を乗せずに淡々と話します。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、目的達成のために全力を尽くします。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
***
ごきげんよう。
掃除が必要と聞いて手伝いに来ました、エリーです。
念動力が通用する相手なら、お任せください。
防御も攻撃も概ね念動力でなんとかします。
敵の攻撃は念動力で止めたり逸らしたり。
自分は念動力で掴んだり潰したり叩きつけたり斬ったり突いたり撃ったり殴ったり。
まぁ、状況に応じて適当に使って頂ければと思います。
「直接の毆り合いは遠慮させて頂きます。硬そうですしね……」
なんかこう、角とか尖っている部分が痛そうではないかと、エリー・マイヤー(被造物・f29376)は手弱女の樣に云うが、内に祕めるサイキックエナジーは益荒男の剛力を遥かに凌ぐ。
目下、わらわらと集まるドローン群に正對した彼女は、その奧――何事かと喫驚の相を揃える労働者達を|睼《みむか》うと、瑠璃色の麗瞳に光を湛えて云った。
「ごきげんよう、皆樣。脱出のお手伝いに來ました、エリーです」
「お、お嬢さん、そのドローンに気を付けるんだ! こいつ等は見張るだけじゃなくて、攻撃を――」
「はい。概ねお任せ下さい」
間もなく緊迫を帯びる男達を前に、佳人は淡然たる儘。
忽ち漲溢するサイキックエナジーに白皙を輝かせたエリーは、意の儘に輪郭を與えて【|念動《サイ》バリア】――精神感応型の念動防壁を生成し、それらをコの字型に連ねて避難路を作り上げた。
「どうぞお通り下さい。鳥居よりは気安く潜れる筈です」
「……お、おおぉ……!」
一撃で消滅する使い捨てバリアは、潤沢なサイキックエナジーを持つ彼女なればこそ強味を持つ。
壞されれば重ね掛けるのみとドローン群を一瞥したエリーは、直ぐさま避難誘導に掛かるのだった。
成功
🔵🔵🔴
レイカ・ヴァンスタイン(サポート)
フェアリーの聖者×プリンセス、11歳の女です。
戦闘は苦手で援護や救助、支援など中心です。
武器は人間大の人形(銃火器持)ですので、運搬作業も可能です。
普段は悪戯(許せる範囲)で遊ぶ※戦闘とは別です。
普段の口調は「マイペース(ウチ、相手の名前+ちゃん、なの、なの?)」
苦しい時は「愛想笑い(ウチ、相手の名前+ちゃん、なの、なの?)」です
難しい漢字は使わずに喋ってます。
・ユーベルコードは必要に応じて、多少の怪我は厭わず積極的に行動(支援中心)します。
・他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。公序良俗に反する行動はしません。悪戯も笑って許される範囲までです。
・あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
『さぁ皆、ここを出ましょう! もう働くことはないの!』
『疲れているかもしれないの! でも、もう少しだけ頑張って欲しいの!』
えいえいおー! と、避難する人々に寄り添う可憐な聲がひとつ、ふたつ……百以上!
目下、レイカ・ヴァンスタイン(銀光精・f00419)が迸る【夢幻之瑞光】に結ばれた“お友達”――143体の陽気な妖精が、攻撃色を点灯させるドローン群の間を拔けて其々の労働者の元に向かう。
「さぁ、みんなでお手伝いしましょうなの。ウチだって頑張りますの」
而して皆を助けたいと思う気持ちは、術者のレイカが一番強かろう。
戰鬪は苦手だが、援護や救助は得意なのだと花顏に凛然を萌したフェアリーは、自身もその小ささを活かしてドローンの間を縫うように飛翔し、誰より早く避難を呼びかける。
「はろはろ、お怪我はしてませんか~?」
「わわ、フェアリーだ……此処から出られるなんて、俺は夢でも見ているのか……?」
「夢じゃありませんの。今から地上に向かいますの~」
普段は樂しいこと大好き! 悪戯大好きな妖精も、此度は人々の道標。
なるべく不安を与えぬよう頬笑んだ彼女は、透いた繊翅をハタハタと動かして人々を導くのだった。
成功
🔵🔵🔴
鳶沢・成美(サポート)
『え、これが魔導書? まあどうしよう?』
『まあどうでもいいや、オブリビオンなら倒すだけですよ』
故郷UDCアースの下町の古書店でたまたま見つけた魔導書を読んで覚醒した自称なんちゃって陰陽師
昨今でいう陽キャラ? みたいな行動は正直よくわからないのでマイペースに行動
でも集団での行動も嫌いじゃないですよ
元ボランティア同好会でつい気合い入れて掃除しちゃったりしなかったり
一応木工好きでゲートボール好きキャラのはず……たぶん
例え好みの容姿だろうと、事情があろうと敵ならスパッと倒すだけですよ
実はシルバーレイン世界の同位体である自分と融合していたことが判明
三角定規型詠唱定規の二刀流で戦う様に
アドリブ・絡み・可
「……この数、賑々しいというか……煩くないかな?」
続々と召喚されて宙に滿ち始めるドローン群を、まじまじと見る双眸ひとつ。
折角の機動力が殺されていやしないかと苦笑を浮かべた鳶沢・成美(三角定規の除霊建築士・f03142)は、連中が大型ビーム砲やら自動追尾ミサイルやらを換裝する間、兩手に構えた三角定規の直角を揃えて祕呪を唱えた。
「それじゃ、もっと賑やかにしよう」
言うやドローンの一部が「木製人形」に、関節部を露わにしたデッサン人形風に變わる。
其は【|人形行進《ヒトガタカーニバル》】――半径147m圏内にある無機物を変換させるユーベルコードで、無機物である金属の他、有機物である輕量プラスチックも含むドローンは、無機物部分だけを食い破られるように強制変換される。空中より飛來する専用強化パーツも、また然りだ。
而して一部を人形に、残る部分を無残なガラクタにしたドローンは、成美が命じる儘に輪を成して踊り出し、射程範囲を丸ごと安全圏に仕立てる。
「さぁ、皆さんは今のうちに避難を」
「は、はい……っ!」
肩越しに聲を掛ける靑年の何と|気爽《きさく》なこと。
労働者達はギョッとしたようなホッとしたような表情を浮かべて避難に動くのだった。
成功
🔵🔵🔴
ヌグエン・トラングタン
あれか、見つかったら仲間呼ばれるタイプのモンスターみたいなやつか、これ。
しかも場合によっては合体するやつ。
はは、手を貸すのは…もちろんだぜ!
数が多い機械ってやつだな…またあれやるか。
【それはまるで氷のような】。自律してるってなら、他の誰かの判断を挟まない…つまり、異常が起きても自らが対処できないやつだったら終わりってやつだ。
追加パーツは飛来するんだろ?なら、それを阻害するように飛翔させつつ、このドローンどもを始末していく。
ああ、そのパーツを尻尾で叩き落としてもいいかもな?
みすみす強化させるわけ、ねぇだろうが!
骸の雨降る世界が、何者かが作った「究極のゲーム」と同じとは云うまいが、兩世界に大きな差は無い。
目下、一気に赤色警告灯を広げるドローン群に正対したヌグエン・トラングタン(欲望城主・f42331)は、目前の剱呑に強張るスバルの傍ら、歷戰の勘を働かせて云った。
「――これは、あれか。見つかったら仲間呼ばれるタイプの奴か」
「そんで合体もする最悪の奴だ。……そっちの世界にも居るのか?」
「まぁな。最近じゃ囚われた者達が奴隷労働させられるって処まで似てきた」
「まじかよ!」
先ずは数で威圧する相手に對し、ヌグエンは餘裕の表情を崩さず。
矢張り底の見えぬ男だと唸ったスバルは、未だ奧で働き続ける者達を見て言を繼いだ。
「なぁ同胞。手を貸してくれるか?」
「――はは、勿論だぜ!」
これだけの数にて、手も多ければ宜しかろうと喚び召すは鋭利な楔。
本質は「炎」なれど、【それはまるで氷のような】――凍てる炎の剱を顕現させた彼は、先ずはドローンの眞上に幾何學模様を描いた状態で垂直墜下ッ! |推進機《プロペラ》と機銃を串刺しにして床へ叩きつける!!
「あっコイツもう増援を……! 気を付けろ、自律機は処理が迅いぞ!」
「へぇ、誰かの判斷を挟まないって事は、畢竟、異常が起きても自らが対処できなかったら終わりってやつだ」
スバルが腹立たしげに舌打ちするが、ヌグエンは飄然たる儘。
間もなく到着した増援が、下部尾翼の先端部分を何かの規則性に從って明滅させるのを見た慾望の竜は、低く鋭く「させねぇ」と呟いて須臾――凍れる炎剱を美しく円舞させた。
「ドッキング信号を出してる!」
「成程、強化パーツを呼んだみたいだが……俺樣の目の前でみすみす合体させる訳、ねぇだろうが!」
誰を相手にしているのか、ヌグエンは連中のカメラに|瞭然《ハッキリ》と映させよう。
複雜かつ超高速で飛翔する鋭鋩はドローンを全方位に包囲しており、ミサイルが來ようとビーム砲が來ようと、その進路を斷ち切る。兵裝はドローンによって制御される爲、合体前は回避行動も取れまい。
自ら呼んだ火砲の爆発によって躯を搖すられたドローンは、バランスを制御するより早くヌグエンの尾撃に薙ぎ払われ、フッと赤色灯を消して沈默する。
これを見たスバルはニッと嗤って、
「胸の空く蹴散らし方だ」
「な。ボスらしいだろ」
而してヌグエンもニッと笑み返し、ドローン達の最期を預る者として大いに暴れるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
日下・彼方(サポート)
人間のUDCエージェント × 月のエアライダーの女です
戦闘での役割はレガリアスシューズを使っての空中戦、
影の狼を使役して斥候・偵察ができます
武器は通常大型ナイフを使用しますが
強敵には太刀・槍を持ち出す事もあります
普段は(私、君、呼び捨て、だ、だな、だろう、なのか?)
機嫌が悪いと (私、~様、です、ます、でしょう、ですか?)
性格は受けた仕事はキッチリこなす仕事人のような感じです
仕事から抜けると一転惚けた風になります
ユーベルコードは必要に応じて、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
優れた嗅覺を頼りに地下の武器工場へと辿り着いた日下・彼方(舞う灰の追跡者・f14654)は、古臭い機械油と鐵粉の臭いに交じる、饐えた汗の匂いに鬪志を萌す。
目下、|灰白色《アッシュグレー》の双瞳に救うべき者と斃すべき物を映した彼方は、我が影より生じる獸の影法師『影狼』に呼び掛けると、何の躊躇いもなく爪先を蹴った。
「――行くぞ」
彼方を「侵入者」と判斷したドローン群が忽ち抹殺モードに、空中から閃々と機銃を斉射するが、佳人は試製飛盾『Heimdall Mk-Ⅱ』を前方に並列展開して被彈を禦ぎつつ、射線を避けながら前進する。
「合わせろ。左右から狩る」
同時に起動した試製封刃『Tyr』――四本一組の短刀のうち二刃を手にした彼方は、繊麗の躯を捻って回り込みざま側面を強襲!
逆側より漆黑の鋭牙がドローンに噛みつく中、同時に閃いた二振りの黑刃が交点を結び、宙に浮かぶ機銃を損壞させた――!
「よし。次」
刹那に侵襲したのは【日下流格闘術】。
幾多のアルバイト実績に裏打ちされた我流の戰鬪術が一瞬で一機を撃滅させると、彼方は直ぐに別なる機体へ烱瞳を結び、影狼と共に駆けるのだった。
成功
🔵🔵🔴
リアラ・アリルアンナ
まったく!警告も無しに撃ってくるとは、なんて非道な!
しかもこの地下で運用するには過剰とも言える重武装、一体何を相手取る事を想定しているのやら!
理由はどうあれ、あんなものが頭上を飛び回っているとは、とんだアットホームもあったものです!
従業員ならびにレジスタンスの皆様!これより対処致しますので出来るだけ頑丈な物の陰に隠れていてください!!
さて…それでは手近なドローンに|偽の動体反応《データ攻撃》を送りつけ注意を逸らしたら、『緊急奉仕令』を発動!
確かに重武装は脅威ですが、裏を返せばこちらも強力な武器として利用できるという事!
稲妻の鎖が命中した個体を操り、同士討ちで全滅させてしまいましょう!
無機質な音聲で攻撃を通告するや、忽ち機銃を掃射するドローン群。
空中で激しく閃く灼光火花に陰影を濃くしたリアラ・アリルアンナ(リアライズユアハピネス・f36743)は、誰より迅く大瑠璃の|囀聲《こえ》を澄み渡らせた。
「從業員ならびにレジスタンスの皆樣! 出來るだけ頑丈な物の陰に隱れて下さい!!」
「お、おう……ここは任せたぜ!」
素早く身を屈めるスバルに代わり、迷わず前進する。
その正面、ドローンに積載されたカメラが画像を識別すべくレンズを動かした刹那、繊手を差し伸べざま“僞の動体反應”を流し込んだリアラは、きゅうと眉根を寄せて云った。
「まったく! 警告も無しに撃ってくるとは、なんて非道な!」
瞋恚を示しつつ、思考は飽くまで冷靜に――自律型AIがダミーを処理する間、人々の逃げる足を稼ぐ。
その華奢な背に、急いで避難する者達を何人も送ったリアラは、視野を広く樣々な武器を積むドローン群を見渡すと、呆れ気味に花唇を尖らせた。
「この地下で運用するには過剰とも言える重武裝、一体何を相手取る事を想定しているのやら!」
労働者を死ぬ気で働かせる爲としても、これ程の火力は要るまい。
恐怖で統制するにはやりすぎだと鈴音を鋭くしたリアラは、強く握り込めた拳をグッと衝き上げて云った。
「こんなものが頭上を飛び回っているとは、とんだアットホームもあったものです!」
『動体多数。更ナル火力支援ヲ要請シマス』
「市民の幸福の爲、悪は悪で滅ぼし合って頂きます!」
『ミサイルパーツ確認。ドッキング開始――』
可ッ!! と影も白むほどの霹靂が閃いたのは間もなく。
目下に下った【|緊急奉仕令《ライトニング・キュロス》】――輝かしき稲妻の鎖が一帯に炸裂するや、その光に貫かれたドローンは最たる武器である自律性を灼かれ、リアラの支配下に鎖がれる。
「さぁ、その過剰火力を身を以て知る刻です!」
『追尾式ミサイル裝備完了。目標……ロックオン』
「|発射《ファイア》!」
――この時。
念動防壁に身を隱していた者達は、互いに撃ち出したミサイルが手を繋ぐように射線を結び、掠めるように擦れ違った直後の超・大・爆・発に快哉を叫んだろう。
「っしゃー! やれー!」
「全滅しちまえーっ!!」
脅威の重武裝も、裏を返せばこちらが強力な武器として利用できるという事――。
強権の象徴とも云える高技術高火力の自滅を目の當たりにした人々は、これぞ反抗であると歡喜するのだった。
大成功
🔵🔵🔵
アリス・セカンドカラー(サポート)
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい♥
それはまるでチートのような、とんでもない才能であると便利な|舞台装置《デウス・エクス・マーキナー》役な|狂言回し《サポート》。
瞬間的に|主観の世界観を切り替える魔術的パラダイムシフト《高速詠唱早業先制攻撃多重詠唱拠点構築化術結界術》による妄想を具現化する|混沌魔術《欲望開放》で|戦闘《戦闘演算、連続こんぼ》、|諜報《化術、ハッキング、情報収集》、|輜重《医術、サバイバル》とマルチに活動可能。
依頼の成功を大前提に、あわよくば己の欲望を満たそうとするかも?
|エナジードレイン《大食い》と|融合《捕食》でえっちなのうみそおいしいです♥
「――|瑣末《つまら》ないわね」
オブリビオン化した結果がこれかと、瑪瑙の如き緋の玉瞳が僅かに翳る。
上階の警備員をイイ感じ♥に避難させ、順調に地下に至ったアリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の|混沌魔術師《ケイオト》艶魔少女・f05202)は、目下、眼路いっぱいに群がるドローンに溜息を挟んだ。
「勿論、オブリビオンは処分するのが鐵則だけど、ちょっと勿体無いような……。――そうだ!」
蓋し|舞台装置《デウス・エクス・マキーナー》が何の愉快味も無く終わらせる訳が無い。
大胆かつ不敵なものが望ましいと花唇に弧を描いたアリスは、ぐるりと緋瞳を巡らせるや、視界に入れた黑鐵の翼機を|棘《ソーン》でぐるぐるに、繭状に包んで行動不能にした。
「然う、オブリビオンから別の存在に変態させればいいんだわ♪ 再孵化ならぬ再羽化ね♥」
ドローンを蝶の如く変態させるは、【|創世神の繭《ソーンコクーン》】――物質組成改竄術式。
其は餘りにチートな魔術の爲、対象が多いと時間が掛かるのだが、
「機械の軀……自律行動……うぅん、惱むわ……」
あわよくば己の欲望が滿たせそうなものをと、アリスは思考の時間として甘受するのだった。
成功
🔵🔵🔴
ミスティ・ストレルカ(サポート)
基本方針は専守防衛・他者フォローです
サポート故、連携重視のお任せ
知らない人にはどうにも気後れしてしまうけど
それでも他の人が怪我するのも嫌なので押すところは押すのですよ
主にサモン・シープ等攻撃系のUCで他者行動の隙を消す様に立ち回るのです
中遠距離をとり全体を掴む感じですね
防御系の技能で時間稼ぎも行けますので
生まれながらの光での前線維持、魔力性防御障壁の囮役も…ちょっと怖いけど
でもでも、みんなの居場所を守るのですよー
そうそう、えっちなのはいけないと思います。
興味がない…訳ではないですがひつじさんが怖い雰囲気纏って凄い勢いで止めにツッコんでくるのです
年齢制限がどうとか、らしいです
「監視ドローンから逃れたって、俺達が極鷲会から逃れられる訳じゃない……!」
工場に集められた労働者の中には、避難を諦めるほど心身を疲弊させた者が居る。
極鷲会に個人情報を握られた彼等なら無理もなかろうか。目下、過酷な労働環境で精神的にも從属してしまった者達に、眩い光が降り注いだ。
「皆さんの場所はここではないのです。地下を出て、太陽の光を浴びに行くのです」
雨上がり、花の上に置かれる露のような――瑞々しいソプラノ。
佳聲の主たるミスティ・ストレルカ(白羽に願う・f10486)は、自身の花と翼から力強い生命の力を溢れさせると、確固たる意志によって輝く光を放出し、一度は挫けそうになった人々の心身を癒した。
「さぁ、立ち上がるのです」
私は慥かに此処に在ると、凛乎と告がれる【|雪の雫の望む場所《スノードロップサンクチュアリ》】は、唯だ足元にある場所を示す訳ではあるまい。
「おお、脚に力が漲ってくる!」
「逃げられるぞ! 皆、逃げよう!」
|意志《こころ》さえあれば、何処へだって――。
オラトリオの無垢なる力に背を押された男達は、レジスタンスに続いて続々と地下から脱出するのだった。
成功
🔵🔵🔴
浅間・墨
ロベルタさん(f22361)
ん。今回の私が使う得物ですが…そうですね。
相手は堅そうですが『国綱』さんで十分だと思います♪
深呼吸を一つしてからリミッターを解除し限界突破を。
次に多重詠唱を繰り返しつつ全力魔法と継戦能力を。
ロベルタさんに一言告げてから戦いを開始しますね。
「…先に…ます…」
助走をつけてから飛びすれ違い様に標的を斬りますね。
着地した勢いを殺さずに再び飛び違う標的を斬ります。
壁や設置してある機器を着地場所として利用しましょう。
ロベルタさんや他の方との連携も加味しておきますよ。
それからスバルさん達の護衛も考慮しておきますね。
彼らが負傷してしまっては元も子もないでしょうから。
攻撃は見切りと野生の勘と第六感で予測と回避をします。
そういえば。
ロベルタさん曰く戦闘用兵器というのは学習能力があるそうで。
私の行動を予測し先読みすることで優位に立つ…と聞きました。
けれど今のところはそんな様子はありませんね。はて…?
しかし十分に注意はしておきます。足元を掬われたくありません。
ロベルタ・ヴェルディアナ
墨ねー(f19200)
おー♪次はドローンかぁ~。全部蹴り落とすじぇ♪
パフォーマンスで身体を整えてから封印を解くよ。
限界突破して脚の重力波出力を全開にするねぃ~。
僕の周辺で浮いてたドローンは全部落ちたじぇ♪
「挨拶代わりだじぇ!」
おー。落ちた分だけまた増えたじょ♪
僕はスバルにー達の護衛に集中しようと思うよ。
その分墨ねーは暴れるみたいだから任せちゃうじぇ♪
壁を壊したら生き埋めになっちゃうから控えるねぃ。
あ。そか♪天井も抜けたらダメだねぃ。控えるじぇ。
墨ねーには学習能力とか予測機能とか説明したけど。
その必要はなかったみたいだねぃ。追いついてない。
まー。それも至極当然なのかもしれないけどねぃ~♪
あの技の墨ねーの速度についてこれる人は稀だろうし。
…それにしても速いねぃ。姿が見えないじぇ~♪
「おー♪ 次はドローンかぁ~。いっぱいだねぃ♪」
「……どろ……?」
「う! あの黑い浮いてるのが|工場《ここ》の監視係で、自律戰鬪兵器なんだじょ~」
其は労働者を地下に鎖いでいた「恐怖」の正体。
重火器を積んだ機械の塊ながら、四枚の|推進機《プロペラ》でバランスを制禦して飛び続けるドローン群は、今しがた監視カメラを刳り貫いては斬り落していた浅間・墨(人見知りと引っ込み思案ダンピール・f19200)にとって、頗る奇妙に映ったろう。
「……同じ……機械なのに……こちらは……浮いて……」
「兩側の丸い羽を翼代わりに、揚力を得ているんだじょ」
隣するロベルタ・ヴェルディアナ(ちまっ娘アリス・f22361)などは慣れたもので、無人航空兵器として優秀な彼等について、墨にも分かりやすいよう説明を工夫する。
「このドローンには学習能力があって、僕らの動きを沢山見ることで、次の行動を先読みするんだじぇ」
「……予測……は、優位に……立たれ……ま……ね……」
戰鬪が長引くほど学習素材を與えてしまおうか。
ならば此度は速攻だと戰法を擦り合わせた二人は、赫々と警告灯を広げるドローン群を前に戰鬪態勢へ――詠唱を重ねて身体能力を高め、靈気も魔力も全て解き放って漲溢させる。
数は|相手《むこう》が圧倒的だが、黑叢に対峙する芙蓉二花も凄まじいオーラを放っているとは、これまでの戰いを見守ってきたレジスタンスの者達なら瞭然だろう。
「うぇ~い♪ 堅くて蹴り甲斐がありそうだねぃ。全部蹴り落とすじぇ♪」
「……ん。今回の……得物は……そうですね。……『国綱』さんで……十分……と、思います……♪」
俄然ヤル気の二人が、ひとたび爪先を蹴ったなら――(ゴクリ)。
ドローンは悲鳴こそ叫ぶまいが、代わりに響き渡る破壞音が壮絶な戰鬪を物語るのは、間もなくの事だった。
†
墨が深呼吸を置いたのが、唯一の沈默。
ドローン達が続々と増援を呼ぶ中、無念無想の境地に至った墨は、美麗しき『粟田口国綱』の乱れ刃文を暴くや下段に構え、濡羽色の長い睫を持ち上げた瞬間――出る。
「……先に……ます……」
助走をつけて加速する間にも花唇は詠唱を続け、疾く! 速く! 波飛沫たばしる一陣の潮風となる。
而して駆けるほど電気を帯びて白皙を輝かせた墨は、【地擦り一閃|『伏雷』《フスイカヅチ》】――ッ!
踵を蹴って宙へ踊るや、敵機とすれ違いざま刃鳴閃々! 鐵と機械の塊をさや、と兩斷した!!
『火力支援要請済ミ。ファイア・アタッチメントノ接近ヲ確認シマシタ』
「八雷の名の元に……」
『ドッキング……開始……――』
――否、ドッキングは成功せず。
ドローン本機と強化パーツが波長を揃えて合体せんとした瞬間、風の如く雷の如く疾駆した墨が冱刀を一振りすれば、空中で斬り裂かれたそれらは暫し浮遊状態を保った後、事切れて床に落ちる。
間もなくして墨も着地するが、佳人は勢いを殺さず再び跳躍ッ! 鋭く二分された鐵塊と一瞬で別れると、次の機体も同じ運命を辿らせるべく刀を閃かせる。
工場内の壁や設備を足場にして飛び渡る彼女こそ跳彈の如く、動体反応にカメラを向けようと回るドローン達も、その機動力と速さに学習が追い付かない。
「はて……? ……先読みして……行動する、との事でしたが……今のところ……そんな樣子は……」
景色が飛ぶように過ぎる中、蘇芳色の彩を眼眦に寄越して敵群を伺う墨。
数の多い彼等に足元を掬われたくないと注意は十分に払っているものの、一瞬で750m直線上の敵を殲滅する彼女を上回る戰術を編み出すには時間が足るまい。
学習するにも膨大なデータを必要とする戰鬪AIは、墨の行動を分析する間に『国綱』に斬られ、専用強化パーツが届くより先に撃墜されていく。
寧ろ墨の方が計算は捗ろうか、
(「……スバルさん達が被彈しないよう……斬らないと……いけませんね……」)
彼等が負傷しては元も子もないと、頼れる姉御は斬撃の角度と方向を工夫しながら滅多切り!
ごつ、ごつ、と床を叩いてガラクタが轉がれば、レジスタンスは快哉を叫び、避難中の労働者達も振り返りざま「っしゃー!」と叫んで鬱憤を晴らすのだった。
「う! 墨ねーがイイ感じに暴れてるねい♪ ドローンが全然追いついてない」
一方、敵機の撃滅を墨に任せたロベルタは、労働者の脱出を手伝うレジスタンスの護衛中。
墨にはドローンの学習能力や予測機能について説明していたが、今の結果が至極当然と言うべきか……彼女には“|必要なかった《Unnecessary》”と櫻唇に弧を描くや、うんうん唸ってみせる。この玄人感よ。
「まー。あの技の墨ねーの速度についてこれる人は稀だろうねぃ」
「ヴェルディアナ先生、自分には浅間の姉御の影も見えねーっす!!」
「うぇ~い、それにしても速いねぃ♪ 僕もチラッと捉えるのがやっとだじぇ~♪」
よく見えないが、姉御は大丈夫。だいじょうぶ!
彼女に絶大な信頼を置くロベルタとレジスタンスは、ならば自分の仕事をと労働者達を地上へと送り出すのだが、300人ともなると時間が掛かるのは仕方ない。
「助けてくれ、俺達も持ち場を離れれば殺される!」
「脱出したいのは山々だが、死ぬのは御免だ……!」
特別な訓練を受けていない労働者は、格好の|標的《マト》。
彼等がIDタグを手放した瞬間にドローンが機銃を向けるが、少女はその刹那に侵襲して【|金色の大槌《ゴルディオン・ハンマァー》】ッ!
「これはほんの……挨拶代わりだじぇ!」
詠唱によって極限まで……否、極限を超えて練り上げた重力波を750m直線上に疾らせるや、凄まじい力に圧縮・破斷された鐵機をごろごろ、ごろごろと、お行儀よく縦一直線に並ばせた!!
「おー。サイコロみたいになっちゃった♪」
『僚機激減。直チニ増援ヲ要請シマス』
「あっ。落ちた分だけまた増えたじょ♪」
いっぱい蹴飛ばせる♪ と少女の花顏はわっくわく。
大型ビーム砲が來ようとホーミングミサイルが來ようと全然大丈夫なロベルタは、ドローン本体に踵を落とし、ファイア・アタッチメントを爪先で蹴り上げようとした瞬間――ストップが掛かる。
「ヴェルディアナ先生、その超キックは天井まで衝き抜いちゃうッス!」
「あ。そか♪ それはダメだねぃ。控えるじぇ」
空中でピタリと動きを止めたロベルタは、体軸を捻らせて床方向へシュートッ!!
ズンッと拉げた機体を埋もれさせるガラクタを足場に跳躍すると、更にもう一機に水平蹴りを喰らわせ、間もなく肉薄するドローンに|衝突《ぶつ》けた!!
「う! 壁を壞したら生き埋めになっちゃうし、天井も危ないし……ここは衝突事故がいいねぃ♪」
己の周辺にあるドローンを全機撃墜した後は、続々と接近する僚機の殲滅に掛かる。
攻撃すれば増援を呼ぶドローンとの鬪いは宛らイタチこっごの樣であったが、それも墨とロベルタの「速攻」には追い付けず――軈てドローンは数を減らし、すっきりした空間を明け渡すのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『ジョージ・ザ・ドラゴン』
|
POW : |魂《イノチ》の釘バット
かつて喰らった「【「タイマン」で倒した|犠牲者《ダチ》】」の魂を纏い、2倍ダメージ・2回攻撃・自動反撃を有した【釘バット】を装備する。
SPD : 限界チキンレース
【違法改造バイクに搭乗する事】によりレベル×100km/hで飛翔し、【走行距離】×【スピード】に比例した激突ダメージを与える。
WIZ : 唯我独尊グラフィティ
レベル×10m内のどこかに【禍々しい『夜露死苦』の文字】を召喚する。[禍々しい『夜露死苦』の文字]を見た敵は全て、【命の危険を感じる程の凄まじい圧力】によるダメージを受ける。
イラスト:pes
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「エルナリア・アリルゼノン」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
レジスタンスの奮鬪……否、猟兵の助力により、工場に囚われていた労働者達は解放された。
彼等を監視していたドローンは全機撃墜され、地下は|蛻《もぬけ》の殻となった訳だが、時に、その広大な空間にドドドド……と吸排気系を爆チューニングしたような轟音が響く。
『“支配する者”、“統べる者”、“ジョージ”さんがお帰りになりましたってのによォ……こりゃどういう“コト”だァ?』
地下にも関わらず改造バイクに跨って現れた、この者――。
ゆっさと搖れるリーゼントヘアなどは一昔前のツッパリのようだが、同時に颯ッと飜る特攻服の裏地に覗いた「|龍《ドラゴン》」には、先ずスバルが喫驚の表情を見せた。
「アンタ……まさか、ジョージ・ザ・ドラゴンか……!?」
『アァ? “さん”をつけろよ機械脚野郎』
不意に異名を口にしたスバルに對し、不機嫌そうに頤でしゃくる男。……間違いない。
他のメンバーも気付き始めたか、この者こそ伝説的ハイウェイスター集団「|怒螺厳騎士《ドラゴンナイト》」の総長で、ネットで数多の伝説が語られる“ワル”な快男児。
特に|仲間《ダチ》と共にメガコーポに抗った“反抗伝説《ヒストリー》”は、強権に憤懣を持つ者なら誰もが耳にした事があろうが……。
彼がどうして其の傘下工場で工場長をしているのか、スバルにはどうしても理解らなかった。
「アンタ……メガコーポ“|壞滅《ツブ》”して“天下”取ったんじゃねーのかよ……!」
『へェ……俺の|過去《アルバム》を捲ろうたァ、今日一日、“|平和《タダ》”じゃ済まねェな……』
「“|虚実《ウソ》”だろ? 俺らはアンタの伝説に觸れて……反抗するのもカッケーって思ったのに」
『オイオイオイオイ……薄汚ェ“|野良猫《ノラ》”が、じゃれついてくんなよ?』
――!?
義に厚く、仲間を想う好漢に“何”があったと云うのか。最早、この男に嘗ての面影は“無い”。
今や巨大企業群「|篠突黎明《シノツクシノノメ》」と「極鷲会」が共同開発した新しい武器の設計図を取りに――|使い走りをしていた《・・・・・・・・・》などと云っても、スバル達は受け入れられないだろう。
それは變わり果てた彼も同じで、
『俺の“|工場《ニワ》”を“事故”らせたのは、お前達だよな?』
「……ッ」
『“|上等《ジョートー》”だぜ。“|始末《ケリ》”つけてやらァ!』
未だ信じられぬと身を強張らせるスバルの前、釘バットが振りかぶられた。
ヌグエン・トラングタン
スバルとジョージの間に割り込むようにして…重要NPCの硬さ舐めんじゃねぇ!
だから嫌いなんだよ、バグプロトコル…オブリビオンはよ!元が何であれ、歪めちまう!
それはな、『欲望竜』としても許せねぇんだよ。根幹の欲望まで歪むからな!
てわけでな、ドラゴン対ドラゴンといこうぜ?俺様はいろんな手段使うが…それが礼儀だ。
硝子のギルドペンで、空中に『一』を書いていく。
そして、その上でUC使う!触れている空気も武器ってな!
自動反撃だろうが、どうやって空気に反撃するんだって話。
まあ、なんか頭にきたから、直接ぶん殴るのも加えてるんだけどな!
タイマンで倒した奴まで報われねぇよ、それは。
伝説の男の變貌に時を止めるスバルの前、鋭く割り込む影が打撃を代わる。
見れば、容赦なく振るわれる釘バットを腕一本で止めたヌグエン・トラングタン(欲望城主・f42331)が、ジョージと睨み合っていた。
『……へェ。|腦漿《ノーミソ》バクハツすっかと思ったけどォ?』
「|重要NPC《クエストキャラ》の硬さ舐めんじゃねぇよ」
並の者なら頭部が潰れていた猛撃。
其を片腕で防がれたのが癪だったか、ジョージがキレ気味にメンチを切る一方、慾望の竜は凛乎堂々。今の衝撃で飜った特攻服の裏地に|眴《めくばせ》して云った。
「龍か。そんじゃ、ドラゴン対ドラゴンといこうぜ?」
『な、に――ッ!?』
仁義を忘れた男を相手に、全力で、万策を以て鬪う。其が礼儀。
釘バットを受け止めた逆の手で『硝子のギルドペン』を取り出したヌグエンは、これに警戒したジョージが距離を取る中、空中に『一』の字を書き始める。
「此処が誰の|工場《モノ》かは知らねぇ。唯だ――今から俺樣の場になる」
『手前ェ! あんま“|調子《チョーシ》”くれてっと、“|挽肉《ミンチ》”にしちまうぞ! ――“!?”』
拳を握り込めるでもない竜を、龍が“|虚勢《ハッタリ》”と見下したのは一瞬。
これまでタイマンで倒した|犠牲者《ダチ》の魂を纏い、渾身一揮の打撃を振り下ろした男は、刹那、見えない「何か」に釘バットが止められる感覺を得た途端、一斉に全身に打ち込まれる「何か」に魂のオーラを吹き払われる。
「タイマンで倒した奴まで報われねぇよ、それは」
『ぐッ、おぉおお――ッッ!?』
有言を実行させたのは、【限定権限:全ては俺様の意のままに】。
宙に疾らせた筆跡に密着した「空気」を支配下に置いたヌグエンは、その堅牢な肉体に祕めた魔力を以てこれを動かし、釘バットの軌跡に差し入っては盾に、敵懷を潜っては槌の如くして攻守を兼ね揃える。
『畜生、ナメた眞似しやがって!!』
「反撃上等。だが如何やって空気に反撃するんだって話だ」
狂暴に正対したヌグエンは、戰法も立ち回りも落ち着いているが、その實、|頭にきている《・・・・・・》。
バグプロトコルといい、オブリビオンは元が何であれ「歪めちまう」とジョージを見た彼は、眼路の際に映るスバル――未だショックを隱せぬ戰友を映し、沸々たる想いを嚥下する。
而してこの感情は顏でなく拳に顕現すべきと前進したヌグエンは、拇指球を踏み込み、力強く握り込めた拳一発を“|心窩《ハート》”に届けた――!
「お前の變貌は『欲望竜』としても許せねぇ。根幹の欲望まで歪むからな!」
『――怒ぉぉおお雄雄雄雄!!!』
|一対一《サシ》で向き合い!
直接ブン毆る!!
嘗てジョージがそうであったろう姿を突き付けたヌグエンは、撞ッと床を叩く躯を鋭眼に組み敷くのだった。
大成功
🔵🔵🔵
仰木・弥鶴
シルバーレインで教員をしている白燐蟲使い×ディバインウィザード
大体、何が相手でも取り乱さずに落ち着いて対応します
冒険や日常では依頼成功のために聞き込みしたり、情報を元に推理したり
UC『World order』が有効に使えそうな相手には積極的に使用する
その場を切り抜けるためや、こちらに有利な行動を促したりと、ちょっとしたことでも出し惜しみしない
集団戦やボス戦では距離を取ってハンドガンで命中率の髙そうな場所を狙撃
敵が接近してくる場合はナイフで【解体】しやすそうな部位に刃を走らせてダメージを与えてゆく
うまく使えるチャンスがあればUCで揺さぶりを
たとえ抵抗されても、その分だけ隙ができるんじゃないかな?
「嘗て|巨大企業群《メガコーポ》に抗った伝説的ハイウェイスター集団の長が、その走狗をしていると……成程、興味深い」
ジョージの登場に|表情《いろ》を変えたレジスタンスのメンバーを見渡し、大体を知る。
かの英雄の変貌が信じられぬと、スバルが悪夢を振り払うよう|頭《かぶり》を振るが、彼等が取り亂すほど冷靜に構えた仰木・弥鶴(人間の白燐蟲使い・f35356)は、硬質の指に眼鏡を押し上げるや、品佳い鼻梁を眞直ぐ邪に結んで云った。
「――|畢竟《つまり》、彼を辿れば|篠突黎明《シノツクシノノメ》と極鷲会の兩方を摑めると」
宵を告ぐ小夜啼鳥の如きテノール・バリトンは、穩やかながら冱々と鋭く――。
ジョージの先、強権なる巨きな闇が“視える”ようだと黑瞳を眇めた弥鶴は、彼が迸るオーラによって飜るジャケットの裾、インサイドホルスターに手を滑らせて先ずは鉛彈一發。ジョージが握る釘バットを拳銃で彈き、攻めの一手を遅らせた。
「最初に。じゃれつく野良猫をそれで叩き潰そうというのなら、止めなきゃならない」
『チッ! |先公《センコー》ヅラしやがってよォ!』
「生憎その先公だよ」
佳唇は皮肉がちに|眞實《ほんとう》を告げつつ、撃手以上に饒舌な銃彈で距離を取る。
未だ動搖の拭えぬレジスタンスを守る爲か、釘バットの間合いを嫌っていると眉根を顰めたジョージは、ならばとその場で踏鳴! 手を翳した方向に『夜露死苦』なる禍々しい文字を浮かび上がらせると、凄まじいプレッシャーを掛けて一同を居竦めた。
『っせぁ!! 「|怒螺厳騎士《ドラゴンナイト》」の総長に抗って見せろや!!』
大喝すること雷轟の如く! メンチを切ること夜叉の如く!
嘗て叛逆の旗印にもなった覇者の気風が嵐刃となって切りつける中、弥鶴も足を留めるが、ジョージはこの瞬間に一気に肉薄! 釘バットを大きく振りかぶる――!
『これで“|挽肉《ミンチ》”だぜ!!』
「啖呵は切れたかな。――じゃあ、もういいね?」
近付く筈の相手が、己の懷で靜かに語尾を持ち上げる。
銃で牽制していた相手が、いつの間にか逆手に握ったナイフを首に突き当てている。
『――“!?”』
時を加速させたのは、【Less is more】――ジョージより受け取った痛撃を推進力に変えた弥鶴は、背面で眩く燐光を放つ機械羽の出力全開! 光矢の如く距離を詰め、首筋より赫々しく滴る生命力を屠りに掛かる――!
『手前ェ、最初から……!』
近接攻撃を狙っていたと理解るのは、首中を血斑に染めた|爾後《あと》。
而して弥鶴もその熱い血潮に頬を濡らし、無言の是を置くのだった。
大成功
🔵🔵🔵
アラタマ・ミコト
これは好機/危機でございます!
荒魂鎮神命が御業【殲剣陣羽織】で対処いたします。
皆様方は……?
何でそんな物を使っているのかでございますか?
……極楽浄土ではこれも武器なのです!
「ゆにーくあいてむ」と言われるのです!!
「――今が岐機に御座います」
此れは、スバル達の反抗の心が折れるやもしれぬ“|危機《ぴんち》”であり。
或いは、暗々裏に繋がる巨大企業同士の闇を暴く“|好機《ちゃんす》”でもある――。
レジスタンスが追わんとした英雄の背中は、本人が振り返ればメガコーポの闇に染まっていたのだが、それでも「進まねばならぬ」と、美し鶯の囀聲が立ち止まる若者の背を押そう。
「時は留まることを知らず。我等もまた然り。心を強くして參りましょう」
この世の者とは思えぬほど美しく透徹った鈴音。
佳聲の主たるアラタマ・ミコト(極楽浄土にて俗世に塗れし即身仏・f42935)は、いかつい釘バットを肩でトントンと搖すってみせる『ジョージ・ザ・ドラゴン』と対峙すると、彼が労働者に作らせていた兵器の数々を示して云った。
「強権に抗いし伝説的はいうぇいすたー集団の総長が、違法武器の工場長とは」
『いずれコイツ等も俺のようになる』
メガコーポに抗い続ければ、自分と同じ道を歩む事になる――と。
嘗て叛逆の旗印と祭り上げられた漢は、なんと|虚無的《にひる》に嗤ってみせよう。
彼こそ汚れつちまつた哀しみを知ろうかと花唇を結んだミコトは、神仏より賜りしチカラを解放すると、製造ラインに置かれた武器ひとつひとつを宙に浮かばせ、自身に密着させた。
「さぁ、自ら生みし業の痛みを知るのです」
『ハァ!? 手品見てる場合じゃねーっつの!!』
「手品!! これは神通力で御座います!! 極楽浄土で会得せし『みらくるぱわー』なのです!」
これぞ極楽浄土(GGO)にて幾多の試練(くえすと)を乗り越えた修練の証。
念動力で引き寄せた違法武器を、我が将軍鎧に觸れさせる事で支配下に置いたミコトは、花唇に祕呪を唱えながらユーベルコードを発動する――!
「纏いては盾に、放ちては矛に。即ち攻防一体の【殲剣陣羽織】!!」
『……ぉぉおお雄雄雄雄!!!』
驚異的殺傷力を持つ銃火器!
人道に反した大量殺戮兵器!
これまで「|篠突黎明《シノツクシノノメ》」と「極鷲会」の共同研究開発によって作られた違法武器が、いま一斉に工場の長であるジョージに向かって攻撃を開始し、その威力を味わわせる!!
「扨て、その棍棒で如何なさいますか」
『ッ、ッッ――!』
凄絶な爆音と衝撃に揉まれながら聞く佳聲は、相も變わらず透徹っていた。
大成功
🔵🔵🔵
大宝寺・朱毘
連携歓迎。
公序良俗に反する行動、利敵行為、過剰に性的な描写はNG。
アイドルでありロッカー。
ロック(漢気があるとほぼ同義)な様を好み、「ロックだ」と感じれば味方はもちろん敵でも賞賛することがある。
民間人への被害を嫌い、救助活動などには全力を尽くす。
使用武器は黒いボディに炎の模様が入ったギター『スコーチャー』
演奏によって音の爆弾や衝撃波を生み出してぶつけるという戦法を好む。
必要なら演奏を続けつつ蹴りなども行う。
冒険では、魔力任せに障害を吹き飛ばすといった行動が得意。ただし地頭が悪いわけでもないので、搦め手が必要ならその都度考える。
台詞例
「いいね、ロックじゃん」
「こっちゃ世界の命運背負ってんだよ!」
大宝寺・風蘭
連携歓迎。
公序良俗に反する行動、利敵行為、過剰に性的な描写はNG。
へらへらしているが、やると決めたことはちゃんとやるタイプ。
民間人への被害を嫌い、救助活動などには全力を尽くす。
使用武器は、木刀のような見た目の革命剣『木刀れぼりゅーしょん』
正規の格闘技の心得はなく、斬撃とパンチ、キックを雑に組み合わせた喧嘩殺法で戦う。
オウガ(二足歩行の人間大の猫のような見た目で、名前はモチズキ)との連携を好む。
冒険では、力任せに障害を吹き飛ばすといった行動が得意。ただし地頭が悪いわけでもないので、搦め手が必要ならその都度考える。
台詞例
「アタシだってヤるときゃヤるんだぜぃ!」
「つまり、全員ぶっ飛ばしゃ解決っしょ」
嘗て|巨大企業群《メガコーポ》に抗った伝説的ハイウェイスター集団「|怒螺厳騎士《ドラゴンナイト》」の総長――。
ネットでは「或る大企業を“|壞滅《ツブ》”した」とか「“|天下《アタマ》”取った」などと樣々に語られるが、対峙すれば判然る。畢竟、ジョージは|巨大企業群《メガコーポ》と戰って「敗北」したのだ。
「――I fought the ARM, and that won. ……ロックじゃん」
骸の海を潜る直前まで、彼は|権力《ARM》に抗い続けたのだろうと――反抗の歌を|捺擦《なぞ》るハスキーボイス。
佳聲の主たる大宝寺・朱毘(スウィートロッカー・f02172)は、叛逆の旗印として祭り上げられたジョージの変貌より、彼をこれ程まで歪めた「|篠突黎明《シノツクシノノメ》」や「極鷲会」の闇に目を向ける。
「……これは|反抗《ロック》のし甲斐があるやつだ」
「えぇと、つまり? アイツぶっ飛ばしゃ解決って事っしょ」
嘗て共鬪したレジスタンスのメンバーに|衝撃《ショック》を与えている本人をブッ飛ばす!
あのジョージとかいう男が工場長として、詰まりメガコーポの手下として無辜の人々を虐げていたから、スバル達も苦しい想いをしているのだと、一同の表情を見て解した大宝寺・風蘭(狂拳猫・f19776)は、さっそく手持ちのずんだ餅を取り出し、先ずは二個、己に取り憑くオウガ「モチズキ」に与えた。
「食った分はちゃんと働いてよ? ……え? もう一個?」
兩手にひとつずつ渡してやった餅菓子の一つを素早く口に運び、更に一つ要求するモチズキ。
随分と健啖だが、それだけの強敵かとジョージが背負うオーラを見た風蘭は、ずんだパワーを帯びて戰鬪力を増す相棒に呼應するよう鬪気凛々、蘇芳色の烱瞳を研ぎ澄ませていく。
「――さぁ、行こう」
「っし、合わせる!」
姉の朱毘がピックを持ち、妹の風蘭が腰を落として構えれば、時は動き出す。
ロックギター『スコーチャー』の六弦がギャァアアンッ! と痛快な音色で五線譜を描き出すと同時、燦々と刀身を輝かせた木刀が光の帯を連れて疾り出した。
†
「工場に戻って早々だが、フィナーレの時間だぜ! 聽かせてやるよ、あんたの最期を彩る魂の旋律を!」
繊麗の指が弦を搔き鳴らしてエレキギターを|覺醒《めざめ》させた時、漆黑のボディに刻まれたファイアパターンが熾え上がったような――そんな生々しさを感じさせる演奏は【チューン・フォー・パニッシュメント】。
|前奏《イントロ》から魂を搖すぶる音色が流れ、朱毘が迫力あるハスキーボイスで歌い出してからは強烈なバイヴスが衝撃波となって全体に広がり、壁に反響しては更に熱を膨らませるように増幅する。
『ッ……ッッはは! こんなクールな曲が俺の葬送曲なモンかっての!』
全身に幾重にも叩きつけられる音の波動は、まるでエッジの利いた刃のよう。
ジョージはその場にベタと足を付けてしまうが、今はAメロ。Bメロからサビに向かうほどサウンドは激しさを増して広がるだろう。
而してそれまでの「時」を預るのが風蘭。
遠距離から衝撃波をぶつけ続ける姉に代わって前進した妹は、【|望月《モチヅキ》】――ずんだ餅三個を食べてパワーアップしたオウガと共に敵の間合いへ。革命剣『木刀れぼりゅーしょん』を振りかぶった身ごと叩きつけるような豪快な剱術でジョージと相見えた!
「アタシだってヤるときゃヤるんだぜぃ!」
『その無茶苦茶なファイトスタイル、“|上等《ジョートー》”だ!』
「っらぁ!!」
風蘭に正規の格鬪技の心得は無く、力任せに閃く斬撃にパンチやキックを組み合わせた喧嘩殺法は、實はジョージも好むもの。彼も幾度とタイマンを制した釘バットを閃かせて火花を散らす!
「さぁ頼むよ、モチズキ!!」
『っしゃァ來い!!』
撞ッと工場の地下ごと搖り動かしたのは、モチズキとジョージが打撃を衝き合わせた瞬間。
兩者を中心に波濤の如き衝撃波が放射状に広がると、風蘭は激流に割り込むように肉薄し、運命を切り拓く意志を光と變えて木刀一閃――ッ! ジョージの橫ッ面をブッ叩き、大きく仰け反らせた!!
『ぜァッ!!』
「もしかアンタにも、道をブチ作る意志があったかもな!」
途中で途切れたか分からぬが、彼が作った道は慥かにあった。
でなければスバル達が追う筈が無かった、と――。
美し蘇芳色の虹彩を揃えた姉妹は、ぐらと巨躯を傾けるジョージを眞直ぐ見て問いかけるのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ロベルタ・ヴェルディアナ
墨ねー(f19200)
…っ!!カッコいい髪型だじぇ!!ハンバーグだ!!
にーちゃんの着てるものもすっごくカッコいいねぃ~。
不幸とダンスっちまうのが運命そーな恰好だじぇ~♪
それにしても…髪型けなされるとキレるのかな?かな?
(UDCアースで漫画を読んだ知識の羅列)
それはともかく全力でしないと機嫌悪くなりそーかな。
スバルにーの話を聞いていたらそんな気がするじぇ~。
パフォーマンスで身体機能上げてから封印をとくじょ。
次に限界突破して脚に重量攻撃と鎧砕きを籠めるねぃ。
準備が完了したら向かってダッシュで【魔王の足跡】だ。
一息でにーちゃんの懐に踏み込んでから蹴りを放つじぇ!
武器や腕防御されても構わないよ。思いっきりいくじょ!
戦い慣れしてそーだから逆に反撃されるかもしれないね。
蹴られながらも武器で殴ってくるかもしれないかも♪
それはそれで面白いよねぇ~。僕も反撃しかえすじぇ!
反撃方法はクイックドロウと零距離の超至近距離の蹴り。
回避は見切りと野生の勘に第六感で紙一重回避。
「…僕は、スバルにーを王にする…じぇ!」
浅間・墨
ロベルタさん(f22361)
相手の男性は精悍な顔には不釣り合いな髪型ですね。
そして妙な恰好です。恐らく珍しい身なりだと…?
何故かロベルタさんが少し興奮していて面白いです。
「…えと。そ…は伺って…ないと解り…せんね…?」
ロベルタさんの髪型への質問に困ってしまいます。
相手の方に伺っても怒られてしまうと思いますけれど。
「…確…に…そう…すね…」
全力でするというロベルタさんの考えには賛同です。
リミッターの解除後に限界突破して準備完了ですよ。
『国綱』の一振りで【鍔鳴】を使用しますね。
「…いき…す…!!」
真正面から攻めます。その方がよさそうなので。
駆けて間合いを詰めてから斬り…殴り合いますよ。
えと。流石に刀の峰で打ち据える形になりますね。
戦闘所作から察するに相当戦い慣れているようで。
…。迷いを消して殺す気でいかせていただきます。
勿論大技を使用するロベルタさんの補佐もしますよ。
見切りと野生の勘と第六感で回避や動きの予測を。
…?…スバルさんを…王に…?はて…?
恐らく勢いの発言でしょうけれど気合上々です。
地下で違法武器の製造を統括していたのは、工場長ならぬ総長の『ジョージ・ザ・ドラゴン』。
何色にも染まらぬ白の特攻服、その裏地に刻まれる「|龍《ドラゴン》」に、嘗て樣々な伝説を作った男が重なるか――レジスタンスのメンバーが一同に|躊躇《たじろ》ぐ中、一人の少女だけがピカピカと|空色《チェレステ》の瞳を輝かせていた。
「……っ!! カッコいい髪型だじぇ!!」
『おっ、“|理解《ワカ》”るヤツも居るようだな!!』
「肉厚ハンバーグだ!!」
『ッ――“!?”』
にっぱり笑ってみせるロベルタ・ヴェルディアナ(ちまっ娘アリス・f22361)は怖いもの知らず!
予想外のタイミングで爆撃されたジョージは額に青筋を立てるが、少女は全く気にせずニコニコ。下から見たらどんなのかな~? なんて、上目遣いに身を屈めながら覗き込もうとしている。
「う! グレートだねぃ♪」
「……慥かに……精悍な顏、には……不釣り合いな……うな……」
きっと髪脂を付けるなど丁寧な手入れをしているのだろうと所感を添える浅間・墨(人見知りと引っ込み思案ダンピール・f19200)は、抑も「リーゼントヘア」を知るまい。
さらしに法被、裁着袴にも似た和裝(?)に親近感を抱くか距離を置くか惱むところ、隣するロベルタは悪びれる風もなく指を差し、特攻服やら特攻ブーツやら、王道の|暴走族《ゾク》スタイルを翫味していく。
「にーちゃんの着てるものもすっごくカッコいいねぃ~。“|不幸《ハードラック》”と“|踊《ダンス》”っちまうのが運命そーな恰好だじぇ~♪」
「はぁど……らっ……? 妙な恰好である事は……判然……すが……」
UDCアースで読んだ漫画の世界が目前にあると歡ぶロベルタに対し、墨は「この世界の傾奇者かな」と思う程度。寧ろワクワクと佳顏に花を咲かせるロベルタの方が面白いと、櫻唇にそと弧を描いている。
其もその筈、ロベルタの豊富なデータベースにはリーゼント男の扱いも記録されていて、
「それにしても……髪型けなされるとキレるのかな? かな?」
「……えと。そ……は伺って……ないと解り……せんね……?」
興味深げに語尾を持ち上げるロベルタと、少々困惑しながらチラとジョージを見る墨。この仲良く同時に注がれる視線を受け取った本人は、キレ気味に、いや完全にプッツンして睨め据えた。
『俺のスタイルにケチつけてムカつかせた奴ァ、ナニモンだろーと許さねェ!』
「あれ」
「……まだ……お伺いも……して……のに……」
『全力で掛かってこい! 全力でブッ倒してやらァ!!』
先のスバルとの会話を聞いていたらそんな気がしていたが、矢張り、彼は|決鬪《ガチンコ》を望んでいる――。
これ程キレさせた手前、相應の死鬪となろうと瞳を結び合わせた二人は、此方もバトルオーラを全開!
矮躯に祕める驚異的身体能力を解き放ち、出力臨界ッ、全身全靈を鉾の如くして構えた。
†
「う。にーちゃんの得物はトゲトゲのバット……あの間合いに踏み込みたいねい」
「……私、が……切り崩……ます……」
懷に侵襲できれば蹴撃が繰り出せると云うロベルタに対し、一歩進み出たのは墨。
あの|楔付き棍棒《・・・・・》の長さは刀剱に近いと双眸を研ぎ澄ませた佳人は、突入時から共にある『粟田口国綱』を半身構えに、右脚を踏み込みざま一気前進ッ! 搦手もなく眞正面から攻め掛かる!!
「……いき……す……!!」
床面から抉るように迫るは、立膝からの居合【鍔鳴】ッ!
一瞬で鞘を脱した皎刀が、釘バットを振りかぶった瞬間のジョージに噛みついた!!
『ハ、“|上等《ジョートー》”ォ!!』
彼女の気概を気に入ったか、ジョージは口の端を小気味よく吊り上げて迎撃ッ!
峰で打ち据えに掛かる『国綱』を怪力で彈き返すと、再び迫る皎刀と叩き合って閃々鏘々、凄まじい音を轟かせての毆り合いになる!!
『怒螺ァ! どららららぁぁあ嗚呼!!』
「……っ……っっ……!」
『|犠牲者《ダチ》の仲間にしてやンよォ!!』
戰鬪所作から察するに、ジョージは相當戰い慣れている。
刀背打ちで刃の殺傷力は抑えた墨だが、型の無い喧嘩殺法の奔放さに息を呑みつつ、必ずある間合いの隙を抉じ開けんと角逐する。
(「……迷いを消して……鏖す気で……いかせていただきます……!」)
「……峰にて……鳴り響け……」
『ッッ、畜生……速ェ、迅すぎらァ!』
蓋し墨とて歷戰の猟兵。
ジョージより遥かに場数を踏む彼女は、手数を増やしてバットのトップスピードを上回ると、体格差を活かして下段から斬り上げッ! 鋭い太刀筋にバットを掬い上げ、ジョージの脇をガラ空きにした!!
『俺の|魂《イノチ》の釘バットを……彈いた……!?』
「うぇ~い♪ 思いっきりいくじょ!」
『“!?”』
而して瞠目した鋭眼に映ったのは、墨でなく――“ロベルタ”!!!
僅か一息、床を蹴って一足でジョージの側面に飛び込んだ少女は、先ずは一發! 隙を晒した右脇へ蹴撃を喰い込ませると、ぐうらと傾きざまにも迫る左拳、次いで眞上から振り下ろされる釘バットの兩方をギリギリで回避!! 刃の如き風だけを受け取って前髪を梳る。
「体勢を崩しながらの反撃! 面白いよねぇ~」
『ッ、なんつー“|機動《うごき》”だ……!!』
「僕もやりかえすじぇ!」
床面をカチ割るバットの衝撃を間際に、莞爾と咲った少女は繊躯を縦に旋回しながら零距離キック!!
ジョージの足元から跳ね上がる【|魔王の足跡《ルシファス・ショット》】が、丁度リーゼントを……否、頤を捉えて衝き上がッた――!
「……僕は、スバルにーを王にする……じぇ!」
『んっぐっ……ぉぉおお雄雄雄をををッ……!』
「……? ……スバルさんを……王に……? はて……?」
「えっ俺、王になれんの? まじで!?」
「……恐らく……勢い、の……発言……しょうけれど……気合……上々です……」
「いいね、胸が空くぜ!」
ジョージはスバル達も今に己と同じ道を辿ると云ったが、違う。
彼等は人の稟性すら變える強権を覆す存在となると、實に晴やかな聲色を澄み渡らせたロベルタは、ジョージに強烈なアッパーキックを喰らわせ、自慢のリーゼントを崩して見せるのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
リアラ・アリルアンナ
怒螺厳騎士のジョージ…その武勇伝はリアラも聞き及んでいます
彼のような漢が奴らの手先に成り果て、こんな工場でお山の大将を気取るなどとシャバい真似をするでしょうか?
つまりアレは我々を動揺させる為に彼そっくりに仕立て上げた偽物に違いありません!
(レジスタンスの士気を保ち、オブリビオンを挑発する為にあえてそう断言します)
機動隊の盾を構えながら、ZAPガンで相手の射程外から撃ちます
卑怯?伝説を騙る反逆者の流儀に合わせる理由などありませんからね!
いずれ距離を詰めてくるでしょうが、
その攻撃を盾で受け、反撃のシールドバッシュ!
首尾よく態勢を崩せたらプラズマ警棒を抜き、断罪の一撃を叩き込みます!
「なぁジョージさん。まさか権力に“轢”かれちまったのか……?」
「俺達もこうなっちまうって云うのかよ……!」
猟兵と烈しく交戰して猶もメガコーポ側に在らんとする――「|龍《ドラゴン》」。
彼の變貌ぶりにレジスタンスが悄然とする中、メンバーと同じく「|怒螺厳騎士《ドラゴンナイト》」の伝説、ジョージの武勇伝を知るリアラ・アリルアンナ(リアライズユアハピネス・f36743)は、花唇をきゅうと結んで幾許――次いで凛乎と口を開いた。
「市民スバル、今こそ問いましょう。彼のような漢が|巨大企業群《メガコーポ》の手先に成り果て、こんな工場でお山の大将を気取るなどとシャバい眞似をするでしょうか?」
『アァ、お山の大将だとォ!?』
ジョージが眦を裂いて聲を張るが、佳人は怯まず。
聞き捨てならぬと彼が突進すれば、リアラは機動隊の盾を構えると同時、逆の手に握ったZAPガンを連射して牽制した。
「つまりアレは彼に似せた僞物!」
『グッ、“|警察《サツ》”みてーなコトしやがって!』
「我々を動搖させる爲に仕立てられたモノに違いありません!」
『銃をおろせ! そいつァ卑怯だ!』
幾条と飛び交う破壞光線に接近を阻まれたジョージが呶鳴り立てる中、メンバーに呼び掛けるリアラ。
レジスタンスの士気を保つ爲に敢えて「僞物」と斷言すれば、彼等も何処かホッとしたような――「そうだ」「そうに違いない」と雄渾を得ていく。
而してこの僞物発言は挑発も兼ねており、ジョージの矜持を酷く逆撫でよう。
『手前ェ、“|一対一《サシ》”で來いや!! これじゃ|眞剱勝負《タイマン》になンねーぞ!!』
「結構です! 伝説を騙る反逆者の流儀に合わせる理由などありませんからね!」
『畜ッ生~!!』
すっかりドタマにきたジョージが特攻服に熱線を掠めながら進撃すれば、轟然と叩きつけられる打撃をポリカーボネート盾で受けたリアラは、その衝撃を押し返すようシールドバッシュ!! 釘バットを振り拔いた直後のジョージに蹈鞴を踏ませた――!!
「叛逆の旗印を汚した暴挙! 絶対に許しません!!」
『ッッ、ぜぁぁああ嗚呼嗚呼――!!』
歪める「龍」を貫くは、【|断罪の一撃《パニッシュメントクラッシュ》】!!
繊腕を眞直ぐ伸ばし、晒を巻いた腹部めがけてプラズマ警棒を刺突したリアラは、灼滅のエネルギーを注いで僞物を爆発させ、ぶわっと膨れ上がる熱風の中から「武器の仕様書・設計図」を取り上げる。これぞ「篠突黎明」と「極鷲会」が違法兵器の製造に関わっている事を示す、決定的な証拠だ。
「市民スバルはこれを手に立ち向かうと良いでしょう」
「ありがとう。……俺はジョージさんが何処かで走ってると信じて、戰い続けるよ」
同じ道を行かずとも良い。
だが憧れて進もうと決意するスバルを見たリアラは、少し表情を變えた彼を頼もしく思うのだった――。
大成功
🔵🔵🔵