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赫華繚乱カレイドスコヲプ

#アナザープレヱス・リフレイン #赫華繚乱

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#アナザープレヱス・リフレイン
#赫華繚乱


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「……はぁ……」
 眠れない。
 桜子は人知れず、眠れぬ夜を過ごしていた。
 明日はいよいよお見合いの日だ。相手は資産家の息子。元々乗り気ではなかったのだが、更に調べて貰ったところ、どうやら素行のよろしくない男であるらしいとも判明している。
 その際、色々とこの話を破断にする為の案も出して貰ったとキヨから聞いているし、そう考えれば心強くはある……のだが、やはり気が重い。
 どうにか誰にも迷惑を掛けず、出来れば相手にも極力嫌な思いをさせず、この話をなかったことにする方法はないものか。
 都合のいい考えだと解ってはいるが、桜子はそう考えずにはいられなかった。

 だがその翌朝、お見合い当日。
 桜子や協力者達が何かするまでもなく、この話は破断となった。
 ――最悪の形で。


「桜子さんの様子は? 大丈夫なの?」
 花神・玉恵(花竜の乙女・f41618)が、心底心配だという様子でキヨに声をかけている。
 キヨもまた浮かない表情で、小さく頭を振っていた。
「やっぱり気にしてるみたい。仮にも一度は関わった相手でしょ? だから……」
「そうなの……桜子さんは優しい子ね。でも確かに、無理もないと思うわ。だって、相手が死んでしまっただなんて……」
 何やら、玉恵の口から物騒な言葉が聞こえたような気がして。
 集った者達が、何の話をしているのかと二人に問えば、玉恵は一瞬だけぱっと表情を明るくして。
「来てくれたのね! とっても嬉しいわ。……でも、朝からとても心苦しいのだけど、辛いことを皆には伝えなければならないの」
 けれど、すぐに玉恵は悲しげな顔をして。
 その答えを、告げた。

「藤沢彰二さんがね、今朝亡くなったそうなの」

 ……、……それは。
 確か、桜子とのお見合いが持ち上がっていた男の名前ではなかったか。
「ええ、そう。その彼ね、今朝……いえ、正確には昨晩ね。殺されてしまったそうなのよ。その……目、をね。取られてしまって」
 目を、取られた。
 玉恵は柔らかめの言葉を選んだようだが、その意味するところは……いや、考えるのはよそう。
 ともあれ、何者かによって『殺害』されたのはこれで確定した。
「桜子も……その、お見合いがなくなったこと自体は安心してるみたいなんだけど。そんな感じだから、素直に喜べないと言うか……やっぱり気にしちゃって」
「心穏やかではないわよね。どうしてこんなことになってしまったのかしら……」
 無理もない話だ。自分と関わりのあった人物が、無惨に殺された……だなんて。
 だが、嘆いてばかりいても始まらないということで。
「皆にはね、この件に関してちょっと調べて欲しいの。どうにか出来るのは、皆しかいないと思うから……」
 とは言え、どうすればいいのか。手がかりは事件現場か、彰二本人にしかないと思うが。
「そうね。まずは解ってるところから当たってみましょう。現場を調べて貰うか……後は、ご遺体が病院に運ばれているから、そっちを訪ねてみるのもいいかも知れないわ。ただ、あんまり遅く行くと、親族の方が遺体を引き取ってしまうかも知れないわね」
 親族……藤沢グループの人間か。確かに跡取りが殺されたともなれば、無理もないだろう。
「後は……これは個人的なお願いなんだけど。出来れば、私と一緒に桜子のフォローにも誰か来て欲しいの。勿論、調査優先だから出来れば、でいいし。あんまり人数を割かない方がいいとも思うし」
「そうね、それがいいわ。一人か……多くて二人くらいがいいかしらね、桜子さんのフォローに回ってあげるといいんじゃないかしら。必要なら私もご一緒するわ」
 キヨの言葉に玉恵も頷く。
 確かに今、桜子は不安な思いをしていることだろう。その心に寄り添ってあげれば、彼女も幾分か安心する筈だ。
 ただ、二人の言う通り、あくまで優先すべきは調査。今回は誰も行かない、というのもまた選択だろう。少なくとも、キヨや桜子、玉恵がその選択を責めることはない。
 何をすべきか、僅かな手掛かりの中から今、選択を迫られる――。


絵琥れあ
 お世話になっております、絵琥れあです。
 何やら途端にドキドキサスペンスの気配。

 詳細は以下の通りになります。

 ☆今回の目標
 藤沢彰二を殺害した犯人の特定。
 ※進行状況によっては更にアクションをかけられるかも知れませんが、一先ずこちらが最低目標です。

 ☆シナリオ開始時点で出来ること
 現時点で取れる択は以下の三通りです。

 【1】現場を調べる。
 遺体は既にありませんが、何か手がかりが残っているかも知れません。

 【2】遺体を調べる。
 遺体を調べられますが、特に顔周りが悲惨なのでご注意ください。
 ※2回分のリプレイ返却までにこの選択肢を選ぶ方がいなかった場合、この選択肢は消失します。

 【3】桜子のフォローに回る。
 余裕があれば、事件のことを気にかけている彼女を安心させてあげましょう。
 ※キヨが同行します。玉恵はお声がけいただいた場合のみの登場になります。
 ※最大2名までの採用となります。また、余りこちらに行く人が多いと情報が少なくなる可能性があります。

 調査の結果により、取れる択が増えることがあります。
 その際はタグ及び参加者様の登場しない断章にてご連絡させていただきます。

 公開された時点で受付開始とさせていただきます。
 それでは、ご縁がありましたらどうぞよろしくお願いいたします。
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第1章 日常 『プレイング』

POW   :    肉体や気合で挑戦できる行動

SPD   :    速さや技量で挑戦できる行動

WIZ   :    魔力や賢さで挑戦できる行動

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ベスティア・ジェヴォーダン
【2】遺体を調べる。
ベスはゾンビの蔓延する未来で育ったので、グロテスクなものは見慣れている。
動揺することなく死体を調べる。(気分は良くないが我慢はできる)
目を取られた(潰された)ぐらいで人が死ぬとは思えない。
他に傷跡や何か痕跡がないか隅々まで調べる。
目やその他の傷跡が、動物などにやられたものか、鋭利な刃物や鈍器でつけられたものか(そうであれば人間の仕業)よく調べる。
衣服や持ち物なども調べ、少しでも違和感を感じたものは回収しておいて入念に調べる。
疑わしいのはゾンビや妬鬼姫だが、断定するには証拠を集めなければならない。
町の犬猫やネズミ、カラスなどの小動物にに被害者の匂いのついた者や場所を探させる。




(「よし」)
 病院に辿り着いたベスティア・ジェヴォーダン(動物使いの調査員・f39599)は、早速遺体の調査に取り掛かった。
 ゾンビの蔓延する未来で育った彼女は、凄惨な遺体を目の当たりにすることも少なくなかった。勿論気分のいいものではないが、もう慣れてしまった。
 顔には打ち覆いが掛けられていたが、一旦そちらはそのままに、ベスティアは身体の方を調べ始める。
 目を取られた、とは聞いているが、それが果たして致命傷になるのだろうかと。故に、傷跡や痕跡を隅々まで調べた。念入りに、見落としのないように。
 しかし、特に目立った外傷は見当たらない。
「んー……? 血でもたくさん出たか……?」
 つまり、失血死だとか失血性ショック死だとか、そういった類のものかとベスティアは考えたのだ。しかし目周りのみでそのようなことが起きるのか、という疑問は拭えず。
 その答えを確かめるべく、ベスティアは打ち覆いを捲り――、
「!」
 悟る。
 眼球が、綺麗さっぱり抉り取られてなくなっていた。
 上下の瞼には細かな傷が幾つもついている。その切り口は、研がれた刃物のものに間違いない。
 加えて医者に詳しい事情を聞けば、どうやら傷は脳天まで達しているようで――それが出血多量の原因だろう。
 丹念に、そして注意深く調べ抜いた結果だ。何より、卓越した着眼点のお陰で死因をほぼ明確に特定することが出来た。これは犯人の動機や心情の解明に近づく、確かな成果と言えるだろう。
 そしてベスティアは結論づける。やはり野犬に襲われただとか、そういった類の不幸な事故ではなく、明確に人為的に起こされた事件だと。それでいて、余りにも常軌を逸している。
(「こうなるとゾンビや妬鬼姫が怪しいか……?」)
 しかし、とも思う。
 ゾンビにそこまでの知性があるのか。そして、妬鬼姫の有する鉈でここまで器用なことが出来るのか。他の刃物を使った可能性もなくはないが……。
 いずれにしても、断定するには証拠を集めなければと、ベスティアは彰二のハンカチを拝借した。町の犬猫やネズミ、カラスなどの小動物に彰二の匂いのついた者や場所を捜索させる為だ。
 ここでやるべきことは終えたと、ベスティアは病室を後にする。入れ替わりに、女が駆け込むのとすれ違った。彰二の母親だろうか。
 背にした病室から、慟哭混じりの声が聞こえた。

「ああ、なんてこと……! あの子の綺麗な目が……!!」

===

 結果報告

 ▼獲得
 称号『聡き金の仔狼』
 アイテム『藤沢彰二のハンカチ』
 →獲得リストを参照ください。

 ▼状況
 ・死因が特定されました(失血死or失血性ショック死)
 →犯人が知性ある人間、またはそれに類する種族であると判明しました。
 また、病院での調査の結果、犯人発覚後の動機解明の手がかりになるかも知れません。
 ・藤沢彰二の遺体が藤沢グループによって引き取られました。

===

大成功 🔵​🔵​🔵​


 ※状況に変化あり※

 遺体が藤沢グループによって引き取られました。
 【2】遺体を調べる の選択肢が消失しました。
役所・太助
大事件ではござらんか!
信頼するベス殿が調査を担うからには、それがしはそれがしのなすべき責務を果たす。

まずは帝都庁の人間として、都民の安全を図る。
都庁内の、危機管理や広報を司る部署と連携し、防犯の注意喚起をする。
恐怖を煽る情報は全面にださず、住民相互の安全確認や、恐怖心が強い者への周囲のケアの推奨などを啓発する。
避難所の拡大版が帝都だと思えば、本部の指揮経験も応用できる。

そして、キヨどのと共に桜子どののフォローに回る。
行政として今の取組を伝え安心させることと、男性目線の傾聴や助言が出来ればと思う。
桜子どのは協力的な都民で知らぬ中でなし、まして妻の親友キヨどのの親友でもあるからなおさら支えたい。




「大事件ではござらんか!」
 心の底からそう思った役所・太助(人間の公務員・f39613)の足は、帝都庁へと向いていた。
 先に調査へと繰り出していったベスティアは、かつて妬鬼姫戦線を共に乗り越えた、信の置ける人物だ。ひとまず、遺体の調査は彼女に任せて大丈夫だろう。
(「それがしはそれがしのなすべき責務を果たす。まずは帝都庁の人間として、都民の安全を図らねば」)
 太助は都庁内の、危機管理や広報を司る部署と連携し、防犯の注意喚起を行う。
 恐怖を煽る情報を全面に押し出すのは、逆に都民の不安を拡大させるだけだ。だから、住民相互の安全確認や、恐怖心が強い者への周囲のケアの推奨などを啓発することに。
(「避難所の拡大版が帝都だと思えば、本部の指揮経験も応用できる」)
 この働きで、人々の不安は少なからず緩和されるだろう。帝都庁に勤務する者として当然のこと、と太助は思うかも知れないが、間違いなく都民は彼らの働きに助けられている筈だ。
 そして、帝都庁での仕事を終えた太助は、休む間もなくキヨと落ち合い、桜子のフォローに回るべく彼女の元へと向かった。
「桜子、大丈夫?」
「キヨ……それに、太助さんも」
 来てくれてありがとうございます、と頭を下げる桜子だが、顔や肌からは血の気が引いている。彰二に対する複雑な思いは勿論だが、少なからず恐怖もあるのだろう。
 そんな桜子へと、太助は正面から、しかし前のめりになりすぎないよう、落ち着いた空気を崩さずに向き合った。
「此度の件、胸中察するに余りあるでござる。けれども、それがしにもなにか力になれることがあるかも知れぬ」
 だから、小さなことでも、気持ちを吐き出すだけでも、無理のない範囲で聞かせて欲しいと。
 話すだけで、気が楽になることもあるかも知れないから。そう伝えれば、桜子はぽつぽつと不安を吐露してくれた。
 太助は、桜子のその話を最後まで真摯に聞いた。
「相分かった、桜子どの。行政としても既に取り組みを始めているでござる。例えば……」
 そうして、帝都庁の人間として、そして男性の目線での助言を、少しでも安心して貰えればと言葉を重ねた。
(「桜子どのは協力的な都民で知らぬ仲でなし、まして妻の親友キヨどのの親友でもあるからなおさら支えたい」)
 だから自分は、帝都行政に携わる者として、妻を愛する夫として――そして、一人の人間として。
 桜子の為に、出来ることをしよう。
「……ありがとう、ございます」
 その桜子が、まだぎこちなさを残しつつも微笑む。
 太助はそれに、力強く頷いた。

===

 結果報告

 ▼獲得
 称号『都民想いの役所さん』
 →獲得リストを参照ください。

 ▼状況
 ・桜子の不安が少し和らいだようです。
 ・帝都庁からの啓発により、帝都の防犯意識や相互扶助の意識が高まりました。

===

大成功 🔵​🔵​🔵​

御薬袋・彩葉
【1】現場を調べる

コレは、愛の泥沼の気配です!
彰二さんは桜子さんに一目惚れしたけど振り向いて貰えないから自作自演で目を抉ったんです!知らないけど!

そして犯人は現場に戻る!
待機してればゾンビ化した彰二さんが来るはず!そこを狩れば問題ありませんね!

待ってる間現場検証して待ってましょう!

何処でどう亡くなっていたか
抵抗されたかどうか
現場が荒れていたか

あとは可能なら血縁関係や交友関係も洗いたいですよね

他に女が居た可能性もありますからね!キャー!女の敵!

【PL意図】
背後的に病室ですれ違った女が果たして本当に母親なのか確認したい

可能なら話したい

怨恨なら目を抉る理由は無いのでこの必要性も確認したいが死体無い!




「コレは、愛の泥沼の気配です!」
 現場にやってきた御薬袋・彩葉(自称『モガ』・f39642)は、どうやら何か閃くものがあったようだ。
(「彰二さんは桜子さんに一目惚れしたけど振り向いて貰えないから自作自演で目を抉ったんです! 知らないけど!」)
 ってことはヤンデレ愛憎劇……ってコト!?
 閑話休題。
「そして犯人は現場に戻る! 待機してればゾンビ化した彰二さんが来るはず! そこを狩れば問題ありませんね!」
 彩葉も妬鬼姫戦線を乗り越えた身である。ゾンビに遅れは取らないと気合十分だ。
「さて、待ってる間現場検証してましょう!」
 今は病院に搬送され、そして藤沢グループに引き取られて、もうここに遺体はないが、現場に何か痕跡が残っている可能性はある。
(「何処でどう亡くなっていたかとか、抵抗されたかどうかとか、現場が荒れていたかとか……」)
 そういったことを調べていった、結果。
 被害者である藤沢彰二は、道のほぼ中央で倒れ、その遺体は仰向けになっていたと解った。第一発見者は虚ろな空洞になった両目から血を流して倒れる遺体を発見する羽目になったわけだ。さぞやショックだっただろう。
 だが、第一発見者には申し訳ないが、今回重要なのはそこではない。
(「つまり逃げるような素振りを見せた様子はない、と! これはやはり自作自演の可能性が!」)
 ……更に言うなら、自演ではなく他殺であった場合、逃げる間もない突然の出来事だった可能性が高いだろう。
(「あとは……んっ?」)
 遺体のあった場所にしゃがんでいた彩葉が、次の調査に取り掛かるべく立ち上がろうとした、その時だった。
 彰二の遺体の足があったであろう方向に、赤黒い染みが転々と続いているのに気付いた。
 流石に時間が経過して乾いてしまっているようだが、血……だろうか。
 少なくとも即座に拭き取られた様子がないのが気にかかるが、もしかするとこれを辿っていけば、犯人の足取りが追えるのでは……?

===

 結果報告

 ▼獲得
 称号『『モガ』たるもの、調査もスマートに!』
 →獲得リストを参照ください。

 ▼状況
 ・遺体発見時の様子が掴めました。
 →仰向けに倒れ逃げた様子もなく、予期せぬ出来事だったようです。
 ・行動選択肢が追加されました。
 →断章の確認をお願いします。

===

大成功 🔵​🔵​🔵​


 ※追加選択肢発生※

 【4】血痕を辿る が追加されました。
 犯人と接触する可能性があります。十分にご注意ください。
御薬袋・彩葉
【4】血痕を辿る

これは!彰二さんの血痕!!(違)

やはり、彰二さんは蘇って歩いていました!この私の推理は正しかったようですね!今日からモガでスタァで飯炊き女の称号に+して名探偵がついてきてしまいますね!(どやぁ)
待ってて下さいね彰二さん!今楽にしてあげます☆

【PLより】
彩葉ちゃんはどんな敵が出ようと桜子さんのストーカー説を捨てないから彰二さんじゃないとしても桜子さんのストーカーだと思います

そして仰向けで血痕が足元となると真正面から殺された事なりますね

彰二さんと顔見知りの犯行の可能性がある為、仕込み杖を使用したいと思います

彩葉ちゃんは一般人なのでちゃんと峰打ちで後頭部狙います

一般人ですから




 その時、御薬袋・彩葉(自称『モガ』・f39642)に電流走る――!
「これは! 彰二さんの血痕!!」
 彩葉の中で彼女の考えが、確信へと変わっていく。
(「やはり、彰二さんは蘇って歩いていました! この私の推理は正しかったようですね! ふふん、今日からモガでスタァで飯炊き女の称号に+して名探偵がついてきてしまいますね!」)
 |名《迷》推理にドヤ顔で胸を張る彩葉。……じゃあ、病院にいた彰二の遺体はどう説明を……などと無粋なツッコミを入れる者はここにはいない。
「待ってて下さいね彰二さん! 今楽にしてあげます☆」
 ゆえに。
 地獄の底から蘇ったストーカー男・彰二(と、彩葉は思っている)に制裁を加えるべく、彩葉は仕込杖を手に血痕を辿るのだった。


 血痕はとある公園の裏手にある林へと繋がっているようだった。殺人事件が起きた後だからだろうか、公園は思った以上に閑散としている。
 万一のことがあっても一般人を巻き込む心配はなさそうか。同じ一般人(?)として彩葉は胸を撫で下ろした。
(「林の中だと身を隠しやすいですよね! 私は一般人ですから、真っ向から彰二さんとやり合うのは得策ではありません。どうにか先に彰二さんを見つけて、後頭部を狙って峰打ちを……」)
 などと、考えていたのだが。
 彩葉はそこで、信じられないものを見た。

「♪」

 一本の木の、太めの枝の上に腰掛け、無邪気に脚をぶらぶらとさせる、幼い少女。
 年の頃は、10歳になるかならないかくらい、だろうか。黒髪を微風に靡かせ、鮮やかなロオズ・ピンクの瞳をぱちぱち瞬かせて。
 大きなリボンと同じ色の袴には――血が、べっとりとこびりついていた。
(「ま、まさか……」)
 彩葉は唇を戦慄かせた。
(「あの子も桜子さんのストーカー!? つまり、同じストーカーである彰二さんが邪魔で排除した……!?」)
 おおっと話がややこしくなってきたぞ。
 ともあれ、確かにこれで仰向けで倒れていた理由は何となく理解出来た。何せ相手は子供なのだ、殺されるなどとは思わないだろう。だから逃げなかった。
「あら?」
「!」
 そんなことを考えていたら、少女が彩葉を見つけてしまった。
「あなたもあのひとの目がほしいの? きれいだものね! でもだーめ、私が先に見つけたんだから、あげないもん」
「ひゃっ!?」
 いつの間にか眼前に迫ってきた少女が、彩葉の喉元に何かを突きつけてきた。持ち手がピンクゴオルドの、アンティヰクな――そして、巨大な鋏の切っ先。
 仕込み杖ごと両手を上げれば、どうやら攻撃しない限り何かしてくるつもりはないようで、少女は鋏を下ろした。
「今日はもうかえるね!」
「えっ」
「また今度遊んであげる! ばいばーい」
「あ……」
 桜舞う振袖をふわりと舞わせ、身を翻した少女の姿が、瞬時に消える。
 これは、もしや。

「あのストーカー少女も、神通力使い……?」

 ……あっ、まだその説有効だったんですね。

===

 結果報告

 ▼獲得
 称号『自称『モガ』にして『名探偵』』
 称号『謎の少女の遊び友達?』
 →獲得リストを参照ください。

 ▼状況
 ・犯人が特定されました。
 →ここまでの情報を元に、今後詳細が判明していくでしょう。続報をお待ちください。

===

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年03月08日


挿絵イラスト