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エロガッパのハーレムを甘い言葉で殲滅せよ!

#サムライエンパイア

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●温泉旅籠(但し廃墟)にて
 滔々と湯を湛える露天岩風呂に、きゃあきゃあと女性の歓声……しかも艶っぽい……が響き渡っている。
 湯につかり、はしゃいでいるのはダイナマイトボティの色っぽい妖狐忍たち。そして彼女らの中心にいるのは……。
「駄目駄目、僕の可愛い狐ちゃんたち、いくら僕でも全員一度は相手にできないよ。順番においで」
 フェロモンむんむんなイケメン河童であった。キラキラお星様と薔薇の花を背負っている。
「ふふふ大丈夫、みんな公平に可愛がってあげるよ-。だって君たち、みんなとびきり色っぽいんだもの。君たちの豊満な身体と、しなやかな手足、もふもふ尻尾、温泉ですべすべのお肌は、僕をいつでも元気にしてくれるんだ」
 しかもこの河童、口からややエロ目の甘い台詞が流しそうめんのようにするする出てくるらしい。
「でもね」
 と、イケ河童は端正な顔をわざとらしく曇らせ。
「全員を充分満足させてあげるには、もっと尻子玉が欲しいな……。僕は水の傍でしか力を発揮できないから、自力で集められる数には限界があるんだよね」
 河童のスタミナ増進には、やはり尻子玉が有効らしい。
「君たち、取ってきてくれるかい?」
 もちろんよ、任せて頂戴、と口々に言い、妖狐忍たちは我先に湯から上がっていく。
「ありがとう、助かるよ。君たちは見た目が美しいだけじゃなく、優しいんだね」
 河童は湯に浸かったまま、輝くような笑顔を妖狐忍たちに向け。
「尻子玉が多ければ多いほど、君たちを極楽に連れて行ってあげられるんだから、一生懸命取ってくるんだよ?」
 パチン、とあざといウィンクを決めた。

●グリモアベース
「全くもってけしからん河童でござる!」
 月殿山・鬼照(不動明王の守護有れかし・f03371)は憤っていた。彼は山寺で、いたって清らかに育ったので、今回の河童ような輩には殊の外憤激してしまうのだ。
 いっそまっしぐらに河童を急襲し、ぶちのめしたいところだが、そうもいかない。

●1章
「まずは尻子玉を抜きに人里を目指している、妖狐忍を撃退しなければなりませぬ」
 川沿いにある廃旅籠から、妖狐忍たちは近隣の村を目指している。すぐに現地に転移すれば、河原で妖狐忍の群と遭遇することができるだろう。
 尚、妖狐忍たちは尻子玉を抜く術を、河童から伝授されているようだ。
「妖狐忍は10体ほどいる様子……なのですが、狐共と戦うに当たり申し上げなければならないことが……」
 鬼照は嫌そうに顔をしかめた。
「妖狐らは、助平河童の甘い言葉となんやかんやに心酔しております。ですので、戦闘しながら河童を上回る甘い言葉や褒め言葉をかけると、彼女らは腰砕けになるとかならないとか……拙僧には到底無理な技でござるが……」
 鬼照は赤面して、くっ、と呻くと、
「全くもって破廉恥な依頼で申し訳もござらん。されど、この淫行河童を放っておくわけにはいきませぬので、貴殿らにお願いするしかないのでござる」
 と、深く礼をした鬼照は、気を取り直したように頭を上げ。
「ところで、皆様、河童を首尾良く撃破した暁には、奴が占拠している温泉に入って疲れを取りませぬか? いいお湯のようでございますぞ」


小鳥遊ちどり
 猟兵の皆様、ごきげんよう。
 イケ河童、書かずにはおれない小鳥遊でございます。
 もちろん温泉も大好きです。多分マニアの域です。

●シナリオの目的
 河童を撃退し、事件解決後には温泉を嗜む。

●シナリオの構造
1章:妖狐忍との集団戦
2章:河童とのボス戦
3章:温泉(日常)
※戦場は1章、2章とも河原になります。広いです。

●1章の目的
 妖狐忍の群(10匹程度)を撃破する。個々はそれほど強くありません。
 妖狐忍は甘い言葉をかけられると戦意が衰え、攻撃・防御力が減少します。
 皆様が日頃溜め込んでいる口説き文句や甘い台詞をバンバンかけてやってください。
 おっと、そこの猟兵さん、怯む必要はございませんよ。所詮河童の口説きレベルは小鳥遊程度、皆様の方がきっと上ですって!
 あ、もちろん女子の方も、ぜひ甘い言葉作戦にもご参戦下さい。ホラ、同性に褒められた方が嬉しいってのあるじゃないですか!
 小鳥遊も床掃除しながら、一生懸命書かせて頂きます。
 ※猟兵は尻子玉を抜かれることはありません。

●3章の温泉は男女別露天岩風呂(河童は混浴しちゃってますけど)
 お誘いがあれば鬼照もご一緒します。但し男湯だけ。出番なくても全然構いません。

 イケ河童になるよう頑張りますので、どうぞよろしくお願いします!
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第1章 集団戦 『妖狐忍』

POW   :    魅了の術
【全身】から【魅了の術】を放ち、【幻惑】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD   :    小刀一閃
【小刀】が命中した対象を切断する。
WIZ   :    狐火
レベル×1個の【狐火】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。

イラスト:すねいる

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

御狐・稲見之守
いるいる、こういうジゴロ。とっとと顔にワンパンくれて温泉入りたいナ。まあしかし妖狐が河童如きのスケとは情けないものじゃな…さて。

【WIZ】UC魅了の術。ふふっ我が同胞よ。古より精を啜る美しき者よ。我ら妖狐が河童如きの手管では満足すまいて。夜の帳が下りればその柔肌誰よりも熱く、その艶鳴きに堕ちぬ男などいるはずもなく、乱れ髪咲く姿に並ぶ華などなし。それが我ら妖狐、そしてお前なのだ(くすっと笑み、その手を取り魔性に帯びた瞳で見つめ)さあ、その内に眠る真の「妖狐の女」を、この世で最も美しく咲く夜華を、我が教えてやろう……。

堕とした後は唇から[生命力吸収]で精を啜り無力化、ごちそうさまじゃよ。



「いるいる、そういうジゴロ。とっとと顔にワンパンくれて温泉入りたいナ」
 御狐・稲見之守(f00307)は、いかにもなジゴロ風の河童像を脳裏に描き溜息を吐いた。
「妖狐が、そんな河童如きのスケとは情けないものじゃな……」
 元を辿れば自らの同族である妖狐忍たちを憐れまずにはいられないのだ。
 しかし。
「……さて、やるか」
 憐れんでいる暇はない。逢魔が時の薄暗がりに紛れるように、黒装束の妖狐忍の群が近づいてきているのだから。
 妖狐忍たちの動きはしなやか且つ密やかである。河原の枯れた芦叢の中を、音も無く移動している……のだが、その豊満な体型が、どうしても邪魔そう。忍びがダイナマイトボディってのはいかがなものか。
 その妖狐忍の群の中から、稲見之守は最後尾を行く1体に眼をつけた。忍びの十八番を奪う密やかさで接近し、ユーベルコード【魅了の術】を発動する。
 術を受けた妖狐は魅入られたように振り向き――こうなれば、稲見之守の傀儡も同然。
「ふふっ、ちょっとした戯れよ」
 稲見之守は彼女の虜となった妖狐忍をそっと群から引き離し、囁きかける。
「我が同胞よ。古より精を啜る美しき者よ。我ら妖狐が河童如きの手管では満足すまいて」
 川のせせらぎよりなお心地よい仙狐の囁き。
「夜の帳が下りればその柔肌誰よりも熱く、その艶鳴きに堕ちぬ男などいるはずもなく、乱れ髪咲く姿に並ぶ華などなし。それが我ら妖狐、そしてお前なのだ」
 稲見之守はくすっと笑んで妖狐忍の手を取り、魔性に帯びた瞳でじっと見つめ。
「さあ、その内に眠る真の『妖狐の女』を、この世で最も美しく咲く夜華を、我が教えてやろう……」
 そっと芦の上に横たえる。
 魅入られた妖狐忍は全く抗わず、ただ息を荒げ熱く濡れた唇を震わせている。
 その唇に、稲見之守は自らの唇を触れ……。
 ちゅーーーーーーっ。
【生命力吸収】の技能を使って、一気にエナジーを啜り上げた。
「ふふふ、ごちそうさまじゃよ」
 ――舌なめずりして起き上がった彼女の足下には、無力化され乾涸らびた妖狐忍が横たわっていた……。

成功 🔵​🔵​🔴​

フロッシュ・フェローチェス
し……尻子玉、案件なのか……!?(過去の記憶がフラッシュ・バック)
い、いやそう何度もくらうか。
河童本体じゃ無いし、何故だか取られずに行ける気がするんだよね。何でか知らないけど。

刻天炉の斬撃型・裂銃形態と、短刀・碧穿炉の二刀流で行く。
擦れ違いながら早業で斬る、ダッシュ戦法を主に使おう。碧穿炉のフェイントに、刻天炉の斬撃波付き二回攻撃でも攻める。
【断砲】はここぞという時にだ。

女性らしさを維持したまま、其処までしなやかに力強く動けるとは、まるで気高い獣みたいだ――憧れるよ。
そこへ至るまでの努力も思いも、垣間見えるから余計にね。
素直に感銘を受けたよ……うん。
(って言ってみたけどどうだろう)

※アドリブ可



「し……尻子玉、案件なのか……!?」
 過去の記憶がフラッシュ・バックし、しばし凍り付いていたフロッシュ・フェローチェス(f04767)だったが、
「い、いやそう何度もくらうか」
 頭をぶんぶんと強く振って嫌な記憶を振り払い、気を取り直した。
「とりあえず河童本体じゃ無いし、何故だか取られずに行ける気がするんだよね……何故か」
 フロッシュは斬撃型・裂銃形態に変形させた刻天炉と、短刀・碧穿炉を二刀流で構え、妖狐忍とは違う方向から芦叢に入り身を潜めた。
 茂みの中で息を潜めタイミングを見計らう。妖狐たちの走りは獣のように静かだが、それでも熟れた女体は気配と熱を放っている――。
「(……今だ)」
 スラッシュは1体の妖狐忍の前に突然姿を現し、ターゲットが驚きの表情を見せた時には、すでにダッシュで擦れ違いながら早業で一閃くらわしていた。更に【二回攻撃】の技能を使い、刻天炉の斬撃波で足を挫く。
『くっ……!』
 しかしさすがに忍、倒れこみながらも小刀を突き出してきた。
 スラッシュは小刀を握った手を咄嗟に掴んだが、それでも肩口を浅く切られてしまった。
 その腕を強く抑えたまま、スラッシュは妖狐忍に囁く。
「女性らしさを維持したまま、其処までしなやかに力強く動けるとは、まるで気高い獣みたいだ――憧れるよ」
 ハッと妖狐が息を呑む。
 河童からのエロ方面の褒め言葉は聞き慣れている妖狐であるが、戦いぶりへの、しかも同性からの賞賛は新鮮だったようだ。
「そこへ至るまでの努力も思いも、垣間見えるから余計にね。素直に感銘を受けたよ……うん」
 握っている腕の力がわずかに緩んだ……と感じた瞬間、スラッシュは。
「機械ブーツ可変完了――まとう音すら、超えてやる……」
『あっ』
 一旦妖狐を突き放し、ユーベルコード【断砲『キャロライナ・リーパー』】を発動し、超音速で突撃する。あまりの速さに、妖狐は避けようと試みることさえできないでいる。
 ザ……ッ。
 足刀が、妖狐の足をスッパリと裂断した。
 美しい脚から巨大な赤い花のように血を飛沫かせ倒れ込んだ妖狐に、もう戦う力は残っていない。
 倒れてもなお美しいターゲットを見下ろし、スラッシュは呟いた。
「……言ってみただけだけど、効くもんだね」

成功 🔵​🔵​🔴​

知念・ダニエル
(眼鏡を取った女人格にて参戦)
嫌ねぇ、女の子を手駒にするなんて!
私がお手本を見せてあげるわ!

攻撃は【見切り】ながら避けるわ
避けながら相手に近付いていって……ドーン!と密着するの
そしたら耳元で囁くの。この上ない低い男の声でね

俺が女装してるのは何でだと思う?
俺が本気出しちゃったら、世界中の女が俺の虜になっちゃうからだよ
能ある鷹は爪を隠すって言葉、俺の為にある言葉だし

アンタ達の慕ってる男ってのは、随分とガキだね
俺なら今すぐ満足させてあげられるよ
それも、複数人を同時に、幸福の絶頂に追い込んでやるさ
さぁ、天国(ヘヴン)に行く準備は出来たか?
(パチンと鳴らす指。一斉に押し掛けるもふもふの群れ)



 知念・ダニエル(f00007)は、眼鏡を取り、女性人格を現すと、
「嫌ねぇ、女の子を手駒にするなんて! 私がお手本を見せてあげるわ!」
 可愛らしくペロリン、と舌を唇から覗かせ、狙いをつけた妖狐忍へと忍び寄っていく。
『……ハッ』
 しかし相手も一応忍の者、彼女の接近に気づき小刀を振り上げた……が。
 ダニエルはスッとその刃をかいくぐり。
 ……ドーン!
 いきなり妖狐忍びに抱きつくように密着し、そして耳元で囁く――。
『……ふあっ』
 囁かれた妖狐忍は変な声を上げ、小さく身を震わせた。
 ――何故なら。
「俺が女装してるのは何でだと思う?」
 耳に吐息と共に吹き込まれたのが、この上なく低い男の声だったから。
「俺が本気出しちゃったら、世界中の女が俺の虜になっちゃうからだよ。能ある鷹は爪を隠すって言葉、俺の為にある言葉だし」
 ふふっ、とダニエルは含み笑いを狐の耳に吹き込み、その縁を人差し指でなぞる。
「アンタ達の慕ってる男ってのは、随分とガキだね。俺なら今すぐ満足させてあげられるよ。それも、複数人を同時に、幸福の絶頂に追い込んでやれるのさ」
『……くっ』
 妖狐忍びは必死に声を漏らすまいと堪えているが、息使いの荒さや、火照った首筋は隠しようがない。
「さぁ、天国(ヘヴン)に行く準備は出来たか?」
 パチン!
 まるでソシアル・ダンスを踊っているかのような密着度のまま、ダニエルは指を軽やかに鳴らした……すると。
『こいつらに攻撃するんすか? うわっ、マジありえねーっす!』
 現れたのは100体にも及ぼうかという、めっちゃもふもふの小型毛玉犬たちであった。犬たちはキャンキャン文句を言いながらも、妖狐忍に群がっていく。
 もふもふもふもふ。
『え……あ……や……も……もふもふ……っ』
 もふもふもふもふもっふもふ。
 始めはもがいていた妖狐狐も次第にダニエルの【もふもふわーるど】に身をゆだねていく――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クラト・ディールア
・心情
またこれは……師匠の十八番の出番ですね。

【甘いかどうか分からないけど!】
「あの、そんな物騒なモノを持ってはダメです。それに、凛々しい顔も素敵ですが……笑顔の方がキラキラと輝いてて、もっと魅力的です」
無防備で近付き、じっと顔を真顔で見詰めた後に優しく微笑む。
それから普通にキスするように、手にした髪の毛に口づけしてから一気に接近して。
「貴女は、私だけのお姫様ですよ」
武器を手から落として、跪いて最後に満面の笑みで手を差し出す。
「姫、さぁ」
師匠の口説き方その1ですよ!
あの浮気者曰く女の子は皆お姫様だからね!と、言ってナンパしに行った苦行の成果ですよ!
優しく抱きしめながらUCで苦しまずに倒します。



 妖狐忍を討伐するための首尾を聞いて、クラト・ディールア(f00868)は、
「またこれは……師匠の十八番の出番ですね」
 恩人でもある師のことを思い出した。
「あの浮気者曰く、女の子は皆お姫様だからね! だそうですから……ナンパ修行までさせられましたからね!」
 ブツブツ言ってるところを見ると、修行より苦行といった感じだったようだが、今ここでその修行を生かすことができそうなのだから、全く以て人生何が役に立つかわからない。
「ま、甘いかどうか分からないけれど、師匠の口説き方その1でいってみましょう」
 あの娘にしようと決めた妖狐忍に、クラトは無防備な様子で近づいていく。妖狐は彼の接近に気付き、両掌の間に狐火を出現させたが、あまりの無防備さに攻撃を躊躇っている様子。
「あの、そんな物騒なモノを持ってはダメです。それに、凛々しい顔も素敵ですが……笑顔の方がキラキラと輝いてて、もっと魅力的です」
 腕を伸ばせば振れられるくらいの距離を保ってクラトは立ち止まり、妖狐忍の顔を真顔で見詰め……そして優しく微笑む。
 その表情に戸惑ったように、豊満な胸の前、掌の間に灯った狐火がふらりと揺れた。
 クラトはついと手を伸ばすと、妖狐の長い髪の毛をひと房取って引き寄せて、うやうやしく口づけをする。
 唇が触れた瞬間、炎だけではなく妖狐忍の肩もびくりと震えた。
 その様子を見てとったクラトは、一気に間をつめる。
「貴女は、私だけのお姫様ですよ」
 狐火を無雑作に握り消し、騎士のように片膝をついて跪き、満面の笑みで手を差し出す。
「姫、さぁ」
 姫に愛を請う王子様……女子ならば誰もが憧れるシチュエーション――もちろん妖狐だって!
 妖狐は夢見るような表情で、手を差し出した。クラトはその手を優しく握りしめ、そして引き寄せ、優しく抱きしめた、その瞬間。
「姫……ドラゴンの鎖で、苦しまずに倒して上げますからね」
 ユーベルコード【ドラゴニアン・チェイン】を発動した。
『あっ……!』
 妖狐忍はクラトの腕から逃れようとしたが、もう遅い。ドラゴンの鎖がふたりを堅く縛り付けていた。
 ボムッ!
 妖狐忍の体内で小さな爆発音がして、彼女はクラトの腕の中、くたりと脱力し動かなくなった。
 クラトは失神している妖狐忍をそっと芦の上に寝かせ。
「――お休みなさい、姫」
 あくまで優しく囁いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

月隠・望月
河童ははれんち、なの? よくわからない、けどオブリビオンは斬って捨てる。わたしの生まれた世界で、オブリビオンの好きにはさせない。

甘い言葉……言葉に味はない、と思うけど。相手を褒めればよい、ということ? がんばってみる、よ。
「あなたたちの技、すごい、ね。きっと、とても修行した。とてもがんばったのだ、と推測する」
努力して手に入れた強さは、うつくしい。それは何より価値がある、とわたしは考える。
敵に隙があったら《無銘刀》で斬りかかる。相手の手を狙って攻撃、することで小刀を落とさせたい(武器落とし)

敵は10匹程いる、と聞いた。五感を共有する【式鬼・鴉】を上空に飛ばして、奇襲や不意打ちなどを警戒、しよう。



「河童ははれんち、なの? よくわからない」
 月隠・望月(f04188)にはまだ、エロガッパの所業がどれだけふしだらで、また女性の人間性を貶める行為であるか理解できない。
 けれど。
「けどオブリビオンは斬って捨てる。わたしの生まれた世界で、オブリビオンの好きにはさせない」
 オブリビオンをのさばらせておいてはいけないと、それだけは身に染みてわかっている。
「甘い言葉……言葉に味はない、と思うけど。相手を褒めればよい、ということ? がんばってみる、よ」
 ひとまず納得した望月は、まずユーベルコード【式鬼・鴉】を発動した。すぐに音も無く鴉の使い魔がやってくる。
「行って」
 鴉は望月の命を受け、夕まぐれの空に飛び立っていく。鴉が上空から見聞きしたものは、そのまま望月の五感に伝わってくる。
 全てが俯瞰で見えてくる……妖狐忍たちが芦原を密やかに移動していく様、そしてそれを次々と堕としていく仲間の猟兵たち……。
 戦場の状況をしばし観察した後、望月も一匹の妖狐忍へと近づいていった。
 ひょい、と唐突に芦原の茂みから顔をだし、妖狐忍をぎょっとさせ、
「あなたたちの技、すごい、ね。きっと、とても修行した。とてもがんばったのだ、と推測する」
 淡々とした口調と表情だが、
「努力して手に入れた強さは、うつくしい。それは何より価値がある」
 望月は心からそう思っている。
 そして心のこもった真摯な言葉は、伝わるのだ。例え敵であっても。
『……厳しい修行の成果よ』
 妖狐は小刀を構えつつも、僅かにセクシーな口元を緩めて応じた……その時を望月は待っていた。
 ザッ。
 勢い良く地を蹴り、小刀を持つ手を狙って斬りかかった。望月の手には【無銘刀】がギラリと光る。
 ギィン!
 鋼同士がぶつかった音がしたが、小刀よりサムライブレイドの方が断然頑丈であった。
『あっ!』
 小刀が宙を舞った。
 それが地面に落ちる前に、望月は、
「とうっ」
 思いっきり遠くに蹴り飛ばした。刃がキラリと光り……ぽちゃん、と川に落ちた。
『ああっ……よくも!』
 武器を失った妖狐忍は望月の方を向き直った……が、完全に勝機を逸していた。
 その時には、既に望月はまた敵の急所目がけて愛刀を突き込もうとしていたのだから。

成功 🔵​🔵​🔴​

榎・うさみっち
ふふん、俺がフェアリー流(?)口説き術を見せてやるぜ!

そこのお嬢さん!お前は狐なんだな!
俺はウサギなんだぜ!この垂れ耳と丸い尻尾可愛いだろ!
耳と尻尾同士、なんか仲良くなれそうじゃね!
お近づきの印に俺を抱っこしてみない?
今ならそのままぎゅ~ってしてもいいんだぜ!
癒やし効果でその綺麗なお肌も尻尾も
もっとツヤッツヤになること間違いなし!

え、そっちのお嬢さんはそういう趣味はない?
仕方ねーなぁ~~

\みわくのうさみっちジェントルメン発動/

兎は寂しいと死んじゃうんだ
だから朝まで俺の傍に居てくれないか?
ああ、だけどそのフワフワの尻尾に包まれたら
幸せすぎて逆に死んじゃうかも
でもお前とならそれも良いかもな



「ふふん、俺がフェアリー流(?)口説き術を見せてやるぜ!」
 榎・うさみっち(f01902)は、自信満々で一匹の妖狐忍に話しかけた。
「そこのお嬢さん! お前は狐なんだな! 俺はウサギなんだぜ! この垂れ耳と丸い尻尾可愛いだろ!」
 妖狐忍は戸惑いの表情を見せた。
 そりゃそうだろう、なにせ相手は体調20センチにも満たない、めっちゃ可愛らしいうさみみフェアリーなのだから。敵と分かっていても、戦うべきか否か悩んでしまうのも無理はない。
 うさみっちは、妖狐忍の戸惑いにつけこみ、あくまでフレンドリーに、
「耳と尻尾同士、なんか仲良くなれそうじゃね! お近づきの印に俺を抱っこしてみない? 今ならそのままぎゅ~ってしてもいいんだぜ! 癒やし効果でその綺麗なお肌も尻尾も、もっとツヤッツヤになること間違いなし!」
『えっ、だ、だっこ?』
 ――だっこしたい……っ。
 妖狐忍の心の声が聞こえてくるようだ。
 ――この可愛いフェアリーは尻子玉狩りを邪魔する敵。でも、ぎゅっとしたい……!
「え、お嬢さんはそういう趣味はない? 仕方ねーなぁ~~」
 うさみっちは、妖狐忍に長く迷う暇を与えず、ユーベルコード【みわくのうさみっちジェントルメン】を発動した。
 しゃららら~ん♪
『……!?』
「――兎は寂しいと死んじゃうんだ。だから朝まで俺の傍に居てくれないか?」
 なんと! うさみっちが【身長180cmのイケメン(ウサ耳つき)】に変身したではないか!
 イケメンというだけではなく、ウサミミ付きというのがまたポイント高い。だってなんやかやの最中に撫でてみたいとか思っちゃうではないですか。
 しかもこの技、イケメンになるだけでなく、戦闘力もアップするのだ。
 うさみっちは、ずい、と妖狐忍への距離をつめた。だが、妖狐忍は呆然とイケメン(うさ耳つき)を見上げているだけ。
「ああ、だけどそのフワフワの尻尾に包まれたら、幸せすぎて逆に死んじゃうかも。でもお前とならそれも良いかもな?」
 確かに包まれたくなる尻尾である。しかしそうしている暇はない。なにせこのユーベルコード、寿命を削る技であるからして、早く片を付けないと。
 うさみっちは妖狐忍を抱きしめた。熱い背中に回した手には、さりげなくワイヤーが握られている――。

成功 🔵​🔵​🔴​

シキ・ジルモント
◆SPD
アドリブ歓迎

…善処する。褒めればいいんだな?

距離を置き敵を観察
攻撃手段や間合いを把握し『見切り』回避と攻撃に役立てる
観察がバレたらごまかしつつ褒めてみる
「…ああ、あんたの戦う姿に見惚れていた」

更に誉めて『言いくるめ』、動揺を誘い攻撃の手を緩めさせて接近
「ここからでも十分良い女だが、もっと近くであんたを見たい」

隙を突いてフック付きワイヤーで敵の腕を拘束し小刀を取り落とさせ(『武器落とし』)、そのまま引き寄せる
「思った通り、近くで見るとますます別嬪だ」
…オブリビオンでなければな

駄目押して褒めて戦意を鈍らせ、体勢を整える前に片をつける
『零距離射撃』の距離でユーベルコード発動、一撃で仕留めたい



「……善処する。褒めればいいんだな?」
 シキ・ジルモント(f09107)は、芦原から少し離れた岩陰に身を伏せ、妖狐忍の群を観察していた。攻撃手段や間合いを把握し【見切り】、回避と攻撃の対策を立てるためだ。
 しかし、観察対象も忍の者である。
『お前も敵かっ!?』
 一匹の妖狐忍が彼の姿を発見し、小刀を手に用心深く近づいてきた。
 シキは敢えて無雑作に、岩陰から姿を現し。
「……ああ。だが、あんたの戦う姿に見惚れていた」
 ドキリとしたように、妖狐忍の足が止まる。
 今度はシキの方から彼女に近づいていく。
「ここからでも十分良い女だが、もっと近くであんたを見たい」
 言葉は少ない。だが、シキのようなクールでストイックな、しかも狼耳尻尾付き男子にこんな口説き文句を言われてときめかない女子がいようか。ぶっきらぼうな口調にも、きゅんっときちゃうし。
 小刀を構えていた妖狐の腕が、僅かに下がった。
 シキはその瞬間を逃さない。
 シュッ。
『……あっ!』
 フック付きワイヤーが蛇のように伸びて手首に絡みつき、妖狐忍を拘束する。カシャン、と小刀が河原の石に落ちて鳴った。
 シキはそのままワイヤーをたぐり寄せ、妖狐を抱きすくめる。
「思った通り、近くで見るとますます別嬪だ」
 じっと見つめる狼の瞳から、狐は逃れられない。
「……オブリビオンでなければな」
 その冷たい一言と、腹に押しつけられた銃口に気付いた時には、もう遅い。
 ボスッ。
 くぐもった銃声が1回……と思いきや、弾丸は2発撃ち込まれている。
 使われたのは、ユーベルコード【コンセントレイト・ラピット】。素早く二回引き金を引き、二発をほとんど同時に発射する技なのだ。
 ――シキの足下に、豊満な肢体がくたくたと崩れ落ちた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ヘルメス・トリスメギストス
「妖狐のオブリビオンのお嬢様方ですか。
執事として、お嬢様方を唆す悪い虫……いえ、悪い河童は許せませんね」

執事とはお嬢様方にお仕えする存在。
たとえオブリビオンだろうとも、お嬢様に罪はありません。
悪いのは河童なのですから。

というわけで、お嬢様方は【執事格闘術】で峰打ち(?)でお相手いたします。

「お嬢様、尻子玉を抜くなどという、はしたないことはおやめくださいませ。
そのお美しい御手が穢れてしまいます」

さらに戦いながら壁ドンの体勢に入り、顔を近づけて囁きます。

「それに、お嬢様は、この私がお仕えする存在。
お嬢様が河童などに尽くす必要などございません。
さあ、こちらでお茶でもいかがですか?」(【執事給仕術】)



 ヘルメス・トリスメギストス(f09488)は、キリッとモノクルを直し、
「妖狐のオブリビオンのお嬢様方ですか。執事として、お嬢様方を唆す悪い虫……いえ、悪い河童は許せませんね」
 芦叢に潜む妖狐忍たちを、愛しげに見つめた。
「執事とはお嬢様方にお仕えする存在。たとえオブリビオンだろうとも、お嬢様に罪はありません。悪いのは河童なのですから」
 なので、お嬢様方には、あくまで峰打ちでお相手するという。
 さすが執事なのである。
 その宣言通り、ユーベルコード【執事格闘術】を発動した彼は、ナイフとフォークの早業の峰打ちで、あっと言う間に一匹の妖狐忍を大きな岩陰へと追い詰めていた。
「お嬢様、尻子玉を抜くなどという、はしたないことはおやめくださいませ。そのお美しい御手が穢れてしまいます」
『えっ、お嬢様? お手……?』
 お嬢様扱いなどされたことなど皆無なのだろう、妖狐忍は思わず小刀の動きを止め、今の今まで戦っていた相手の顔を見つめた。
 厳しい、けれど優しげな瞳がモノクルの向こうから彼女を見つめ返す。
 ――と、そこですかさずヘルメスが放った攻撃は、なんと壁ドン(岩ドン)!
 執事は、顔を近づけて妖狐忍……もとい、お嬢様に囁く。
「それに、お嬢様は、この私がお仕えする存在。お嬢様が河童などに尽くす必要などございません」
『そ……そんな』
 戸惑い、そして明らかにときめいているお嬢様を、執事は優しく誘う。
「さあ、こちらでお茶でもいかがですか?」
 誘った先には、完璧なアフタヌーンティーセットがセッティングされていた。
『まあ、ステキ!』
 自然の中でのアフタヌーンティーに、心ときめかさない女子がいようか!
「お嬢様はどのようなお茶がお好みですか?」
『西洋のお茶はよくわからない……貴方にお任せします』
 お嬢様は、ヘルメスが作りだしたキラッキラの執事ワールドにすっかりのっかってしまい、もう敵にはならないだろう。
 さすが執事なのである。

成功 🔵​🔵​🔴​

ニコ・ベルクシュタイン
ど、どのみち倒してしまう相手を、く、口八丁手八丁で…アレコレしろと…!?
全くもってけしからん話よ…だが此れもまた仕事ならば仕方が無い…。

そ、其れなる狐のお嬢さん
俺は懐中時計のヤドリガミにして、人の姿を得てからまだ日が浅い
日々発見の毎日だが、其の、今日は「生まれて」一番の発見をした日となった
こ、このような、其れこそ時計の針をも狂わせんばかりの
美しさを持つ女性が存在しようとは…!
「美しさは罪」という言葉の意味を初めて理解した、何と罪深いのだ君(達)は

慣れない口説きに四苦八苦しながらも、忘れていなければ隙を突いて
【花冠の幻】でなるべく美しいままに散らせてやりたい

…ご、ご満足頂けたなら良いのだが…。



「ど、どのみち倒してしまう相手を、く、口八丁手八丁で……アレコレしろと……!?」
 動揺を露わに、赤い顔でおたついているのはニコ・ベルクシュタイン(虹の未来視・f00324)。
「全くもってけしからん話よ……だが此れもまた仕事ならば仕方が無い……」
 そう。やるしかないのだ。
というわけで、ニコも及び腰ながら1匹の妖狐忍を必死になって口説いていた。
「そ、其れなる狐のお嬢さん、俺は懐中時計のヤドリガミにして、人の姿を得てからまだ日が浅い。日々発見の毎日だが……其の」
 ニコは眼鏡を直し、
「今日は『生まれて』一番の発見をした日となった」
 赤面しながらも、妖狐忍をちらちらと横目で見やり。
「こ、このような、其れこそ時計の針をも狂わせんばかりの、美しさを持つ女性が存在しようとは……!」
 真っ直ぐに女性の顔を見ることもできないのに、必死に甘い言葉を紡ごうとしているニコの頑張りに、妖狐忍はほだされつつある様子。
「『美しさは罪』という言葉の意味を初めて理解した、何と罪深いのだ君は……!」
 慣れない口説きに四苦八苦してはいるが、この照れが演技でないことと、必死さは妖狐忍に伝わっている。彼女の顔に浮かんでいる表情は、
『そう、いい調子よ……もっとよ、もっと言って!』
 的な、まるでお堅い恋人が必死に恋を語るのを、ドキドキしながら応援している女子のよう。
 しかし――。
 つい忘れそうになるが、これは奇襲作戦なのである。
 ニコは、もじもじしながらも妖狐忍の隙を窺い続けていた。今や彼女は、敵とは思えない、熱っぽい眼差しを自分に注いでいて――。
 ――今だ!
「夢は虹色、現は鈍色、奇跡の花を此処に紡がん」
 ニコはユーベルコード【花冠の幻】を静かに発動した。彼の装備武器が、無数の虹色の薔薇の花びらに変わり、妖狐忍に降り注ぐ。
 まるで、結婚式のフラワーシャワーのように。
 妖狐忍は美しく降り注ぐ花びらに両手を伸ばし歓喜の表情を見せたが、それは一瞬。
 花弁は凶器となり、妖狐の肢体を容赦なく切り刻む。
 断末魔の絶叫の中、ニコは呟く。
「なるべく美しいままに散らせてやりたいと思ったのだ」
 虹色の花びらに切り裂かれ、全身から赤い血を迸らせる美女……得も言われぬ美しい光景であることは確かで。
 骸と化した美しき狐に、ニコは手向けの言葉をかける。
「……ご満足頂けたなら良いのだが……」

成功 🔵​🔵​🔴​

鳴北・誉人
アドリブ歓迎

目つきが怖ェとかでモテたことコレっぽっちもねえからァ…甘い言葉で口説く?
ヤベぇ、わからん!
んー…あー…オネーサン、キレイダネェぇえああもう!無理!
だいたい狐口説くってナンだ!何考えてんだ!(赤面
鬼照サンが嫌がってたのよく分かるぜ…

おいコラてめえ!狐!
相手、カッパだぞ?わかってンのか!?
どんだけ男に飢えてンだよォ!?

言葉を人狼咆哮に乗せて攻撃
斬り結ぶ等で接近したら瞠目し驚く

そんな可愛いツラしてンだから、わざわざカッパを選ぶ必要ねェだろ
憧れちまったもんは仕方ねェ…けどよ…
チッ…ああ、クソ!ンでてめえがオブリビオンなんだよ…!
(尻尾触りたいだけとか言えない)

…これでイイかよ!(照れ隠し



「目つきが怖ェとかでモテたことコレっぽっちもねえからァ………甘い言葉で口説く?」
 カオスを極めた戦場で、鳴北・誉人(f02030)は悩んでいた。
「ヤベぇ、わからん!」
 とはいえ引き受けてしまった仕事を放り投げるのも、プライドが許さない。半ばヤケクソで1匹の妖狐忍をとっつかまえて。
「んー……あー……オネーサン、キレイダネェぇえ」
 とナンパよろしく声をかけてはみたが。
「ああもう! 無理! だいたい狐口説くってナンだ! 何考えてんだ!」
 妖狐が返答する暇もなく、ひとりでまっかっかーに赤面して悶えている。
「鬼照サンが嫌がってたのよく分かるぜ………ッ」
 だが意外にも、妖狐はそんな誉人を面白そうに見ていた。口元に笑みさえ浮かべつつ。
 妖狐の反応もわからなくもない。だって悪ぶってる男の子が照れてる図って、とってもカワイイじゃん?
 その反応に、誉人はチッと小さく舌打ちをした。そしてキレたわけではないが、ユーベルコード【人狼咆哮】を発動し。
「おいコラてめえ! 狐! 相手、カッパだぞ? わかってンのか!? どんだけ男に飢えてンだよォ!?」
 言葉に乗せられた人狼咆哮の衝撃に、妖狐忍はよろめいた。
 だが、崩れ落ちそうになるのを、
『な……なによ、河童のどこが悪いっていうの! あの方の方を悪く言わないで!』
 河童への愛の力で踏みとどまり、小太刀を握りなおして飛びかかってきた。
 ガキンッ!
 誉人の脇差・絶花蒼天が、小太刀を危ういところで防ぎ、夕暮れの河原に火花が散った。
 その瞬間、妖狐忍の顔を間近に見た誉人は――瞠目し驚いた。
 彼女の愛らしさに。
 両者は飛び退き、間を取った。
 誉人は刀を構えたまま咆吼する。
「そ……そんな可愛いツラしてンだから、わざわざカッパを選ぶ必要ねェだろ!」
 まだ顔は赤い。けれど、先ほどよりもぎこちなさは少ない。任務のために仕方なく口にしている言葉ではないのだ。今叫んでいるのは、彼の心から発された言葉。
「憧れちまったもんは仕方ねェ……けどよ……チッ」
 だから、妖狐忍は動けない。叫びの衝撃によろめきつつも、少年の乱暴なのに甘い言葉を聞き続けたいから……!
「……ああ、クソ! ンでてめえがオブリビオンなんだよ……ッ!!(尻尾触りたいとか言えねえし!)」
 その絶叫に込められたウブで淡い恋心は、河童のアクにさらされ続けてきた妖狐忍には、あまりに甘い毒で。
『……ああ』
 妖狐忍は恍惚とした表情で河原に倒れこんだ。
 失神してしまったようである。少なくともしばらくは戦うことはできないだろう。
 誉人はぐったりとした妖狐忍の身体を抱き上げると、岩陰にそっと寝かし。
「こ……これでイイかよ!」
 照れ隠しのように掌をズボンの脇でゴシゴシ拭いながら立ち上がり、戦場の様子を見回した。
「……なんだ。大体終わってんじゃん」
 気づけば、妖狐忍との戦いは終わっていた。河原で立っているのは、仲間の猟兵たちのみ。
 妖狐忍との戦いは猟兵たちの圧勝で終わった――が、その時。

『あーあ、騒がしいと思って来てみれば、なんてことしてくれるの、僕の可愛い狐ちゃんたちに』
 甘いバリトンの声が、夕暮れ間近の河原に響いた。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『サムライエンパイア絵巻『河童の怪』』

POW   :    『私の華麗なる一撃を受けよ!』
【 スタイリッシュな蹴り】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    『水も地も、空さえも克服した私に不可能は無い!』
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
WIZ   :    『誰がNo.1か決めようじゃないか!』
【『河童には負けられない』】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【特設ステージ】から、高命中力の【No.1決定戦への招待状】を飛ばす。

イラスト:鳥季

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は雛月・朔です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 声の方を振り向くと――そこにいたのは、白いスーツをスマートに着こなした、無駄にスタイリッシュな河童であった。
『猟兵ってのはひどいことするんだね、美しい女性たちになんてことを』
 と、河童は不快そうに言って、肩の埃をフッとか言って指先で飛ばした。
 ところでこの河童、温泉に入ってたはずなのに、どうしてこんなにビシッとキメているのだろう。シミ一つないスーツにきちんとネクタイは締めてるし、髪型も無造作ぶっているが、たぶんヘアワックスで慎重に整えている。頭のお皿も金色ピカピカに磨き上げられているようだし、手にしているバラの華も新鮮そう(花屋に寄ってきたのかもしれない)。
 身なりを整えている暇があるならば、裸のまま(河童なんだし)とっとと妖狐忍たちを助けにくれば良かったではないか。さすれば1匹でも2匹でも、猟兵に堕とされることなく救えたかもしれないのに。
『ふっ、ここは僕が、子狐ちゃんたちの敵をとってあげなければね……』
 河童は無駄に哀愁を帯びた表情を作ると、バラをぽーんと投げあげて。
『さあ、弔い合戦だ。かかっておいで、究極の美と強さを見せてあげるよ!』
 猟兵たちよ――時は来た。
 ツッコミどころも満載だ! 
月隠・望月
究極の美と強さ……美には興味ない、けど強さの方は気になる、ね。
大事なのは強いかどうか、だよ。

河童の弱点は頭の皿。そう相場が決まって、いる。隙を見て、【剣刃一閃】で叩き割る。
あの河童は仲間の救援に遅れてまで異世界の正装をして、きた。意味はわからない、けど河童はあの格好に拘りを持っている、と推測する。服を乱せば動揺させられる、かもね。
《陰陽呪符》を《無銘刀》に貼って、風の力を付与。風を纏った刀で<属性攻撃>して、整えられた髪や服装を乱す。
河童の皿を攻撃するときは、<怪力>で思い切り、やる。

敵の攻撃はなるべく<見切り>、回避する。と共に、<残像>が見えるように動くことで、狙いを定められないよう対策。


シキ・ジルモント
◆SPD
アドリブ歓迎

その美しい女性とやらに尻子玉集めなんて事をさせようとしたのはどこのどいつだ

それにしても、空中を移動できるというのは少々厄介だな
…そして何よりあんなものに頭上をうろつかれてはうっとおしい、銃を構えて一発撃ちこむ
回避されるのは想定内、回避先を『見切り』、『追跡』して次弾のユーベルコードで体勢を崩させ叩き落とす
頭への一発は金色の頭の皿を狙い撃つ(『スナイパー』)
目立ち過ぎて狙ってくれと言わんばかりだったからな

癇に障る言動と態度はともかくこいつもオブリビオンだ、落としても油断はしない
相手のペースに乗せられないよう挑発しつつ構える
どうした色男、狐どもの敵討ちをするんじゃなかったのか?



「究極の美と強さ……美には興味ない、けど強さの方は気になる、ね。大事なのは強いかどうか、だよ」
 月隠・望月はイケ河童のスタイリッシュな装いや立ち居振る舞いを丸無視し、即行作戦を組み立てた。
「河童の弱点は頭の皿。そう相場が決まって、いる……ならば、隙を見て」
 その隙を作るために、何をするべきか。
「あの河童は仲間の救援に遅れてまで、異世界の正装をして、きた。意味はわからない、けど河童はあの格好に拘りを持っている、ということだよね」
 望月はまず【陰陽呪符】を【無銘刀】に貼り付けた。これで属性を与えようというのである。
 準備を整えている望月に、シキ・ジルモントが囁きかけた。
「おい、あのキンキラキンの皿を狙ってくのか?」
 頷くと、シキも、
「俺もだ。まずは挑発しにいかなきゃな。あのエロガッパ、空中で何段階もジャンプするのが得意技のようだからな、ひきつけて殺らねえと」
 と銃を構えた。
 二言三言、互いの意図を伝え合い、まず前に出たのはシキ。
「その美しい女性とやらに、尻子玉集めなんて下品な事をさせようとしたのはどこのどいつだ!」
 挑発がてらにツッコミを入れながら、ハンドガン・シロガネの銃口を河童に向け、挨拶代わりとばかりに一発ぶっぱなした。
 挑発しながらの発砲であるから、河童は当然ぴょーーーんとジャンプして回避した。水かきを持つ足を、まるでコサックダンスのように振り上げながら。
『はははは、何しろ彼女らは僕に夢中だったからね、お願いすれば何でもきいてくれるのさ!』
 しかもムカつくリアクションつき。
 だが、回避されるのは想定内、
「とことんうっとおしい野郎だな!」
 シキは回避先を先読みして空中へと銃口を向ける。
「大人しくしていてもらおうか!」
 ユーベルコード【サプレッション・バインド】を発動し、トリガーを連続して引いた。
 予測が的中し、銃弾は河童の右腕と、頭の金ぴかの皿を掠める。
『ぴゃあっ!』
 河童はみっともない悲鳴を上げバランスを崩し、空中でおたおたする。
 だが、さすが空中戦を得意としているだけあり、
『何をする、僕の最大のチャームポイントのお皿に傷が入っちゃったじゃないか!』
 片手で傷ついた皿をナデナデしつつ、空中でなんとか態勢を整え、
「狙ってくれと言わんばかりに、目立ってたからな! どうした色男、来いよ、狐どもの敵討ちをするんじゃなかったのか?」
 あくまで挑発的に叫び返したシキに、
「私の華麗なる一撃を受けよ!」
 キックを見舞おうと急降下してきた――が、そこに。
 ゴオッ!
『ぴゃあっ!?』
 激しい横風が吹いて、河童の渾身のキックは空を切った。
 望月が、呪符により風の属性を纏った剣を振り下ろし突風を吹かせたのだ。絶妙のタイミングで吹かせた突風は、河童の態勢を崩させたばかりでなく……。
「わわわ、どうしてくれるんですか、ヘアスタイルが乱れてしまったじゃないですか、あっ、ネクタイも曲がっちゃって……」
 河童は手鏡を出して身繕いを始めた。
 これぞ、望月の狙った展開。
「やっぱり……風で服を乱せば動揺させられるんじゃないか、と、思ったんだ」
 わたわたと服装を整える河童に向けて、望月は素早くユーベルコード【剣刃一閃】を発動すると、河童のお株を奪うように高々とジャンプし、
「……せえのーっ!」
 渾身の一刀を、皿めがけて振り下ろした。
 カッパーーーーーーン!
 皿に、見事にまっぷたつにヒビが入った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

クラト・ディールア
(あ、このカッパ……ただのエロカッパですね。師匠と同じ匂いが……いや、師匠は見た目も良いから余計にタチ悪いです)

「カッパですね。カッパ……ハゲ、いえ頭部が豊かすぎません?」
何か、イラッとくる言動なので翼竜の槍を槍投げで串刺しにして妖狐達の呪詛を込めておきます。
UCドラゴニック・エンドで皿ごと燃やしてしまいましょう。
「いえ、何か無性にああいうタイプはダメですね。ええ……」
流石に笑顔は消えますし、遠くから攻撃しているので当たらないと思いますが『私の華麗なる一撃を受けよ!』を注意して第六感で避けます。
「蹴りの範囲が短すぎて、忍の方達はとても哀れに思えて仕方がないです」
あの世で詫び続けて下さい!



「あ、このカッパ……ただのエロカッパですね。師匠と同じ匂いが……いや、師匠は見た目も良いから余計にタチ悪いです」
 クラト・ディールアとって、河童の登場は、更に師匠を彷彿とさせるものであった。
 しかしそれは懐かしいというよりは、クラトを苛立たせるもので。
「カッパですね。カッパ……ハゲ、いえ頭部が豊かすぎません?」
 河童にしては、豊かでセットも行き届いている頭髪にさえ腹が立つ。
 イラッときながら、攻撃のタイミングを窺っていると、仲間が連携で河童の皿にぱっこしヒビを入れた。河童は割られた皿を両手で抑えて蹲っている。
「今ですね……!」
 さすがに笑顔を消して、クラトはユーベルコード【ドラゴニック・エンド】を発動した。
「何か無性にああいうタイプはダメですね。ええ……皿ごと燃やしてしまいましょう!」
 槍投げ競技のように助走をつけ、クラトは苛立ちを込めるかのように思いっきり振りかぶって槍を投げた。
 ブン……!
 槍が召喚したドラゴンを引き連れ、勢い良く飛んでいく。
 距離があったためしっかり命中とはいかなかったが、槍の穂先は皿を掠め、続いてドラゴンが炎を吹く。
「あっづううう!」
 ワックスで燃えやすくなっていたのか、河童の髪の毛がボッと燃え上がった。
 河童は慌てて川岸に飛んで行き、頭を川につけて火をジュッっと消すと、恨みがましい目でクラトを睨み付けた。皿はバキバキ、髪の毛がチリチリでイケ河童のクオリティは暴落中であるが、
「よくも……よくも、僕の自慢の髪を……私の華麗なる一撃を受けよ!」
 今までにない迫力で飛びかかってきた。
 だが、それはクラトの想定外。河童渾身の蹴りをきわどいところで避けると、髪の毛だけでなく、心をえぐる一言を放った。
「蹴りの範囲が短すぎて、忍の方達はとても哀れに思えて仕方がないです。あの世で詫び続けて下さい!」

成功 🔵​🔵​🔴​

フロッシュ・フェローチェス
脂汗が止まったよ。過去の件やら尻子玉がどうだで、もう怯んでられない。
今のアタシの胸中には――怒りが渦巻いているから。
戯言いう前に、是が非でも駆けつけるべきだったろうが……!
人情でいうなら最低だね。

アタシの戦いに美はないよ。ただ速く切刻むのみ。
武器は碧穿炉と、刻天炉・裂銃形態(刃物型)の二刀流だ。
基本のダッシュは前後左右に回避する、縮地的な超単距離に限定。
二刀の二回攻撃や、早業一閃後のヒット&アウェイに組み込む。
獣の様に荒々しく暴れよう。

ジャンプの応用での前方跳躍や、水上をも走る地形の利用で攪乱し、衝撃波込みの踏みつけで大煙幕発生。
気を取られた隙に、だまし討ちで【塵砲】の大連撃だ!
※アドリブ歓迎



「脂汗が止まったよ」
 フロッシュ・フェローチェスは、妖狐忍を口説く(?)のに流した額の汗を無雑作に拭き。
「過去の件やら尻子玉がどうだで、もう怯んでられない。今のアタシの胸中には――怒りが渦巻いているから」
 妖狐忍は敵ではあったが、河童の仕打ちは、同じ女性としても憤ろしい。
 ギリ、と歯噛みをして河童を睨み付け、
「戯言いう前に、是が非でも駆けつけるべきだったろうが……!」
 碧穿炉と、刻天炉・裂銃形態の二刀を両手に筋が浮くほど力を込めて握りしめた。
「人情でいうなら最低だね!」
 仲間へのキックを外し体勢を崩している河童めがけて地を蹴った。
 迎える河童は、
『私の華麗なる一撃を受けよ!』
 スピードは速いが、一直線に迫ってくるフロッシュには有効と考えたのだろう、またキックを放とうと腰を屈めた。
「アタシの戦いに美はないよ。ただ速く切刻むのみ!」
 だが、河童のキックは強力でもごく短い距離しか届かない。フロッシュはぎりぎりの距離でブレーキをかけ、ごく短く横っ飛びして回避した。
 ガッ!
 片手の武器は蹴り落とされたが、その時にはもうフロッシュはもう河童の振り上げられた足の下に潜り込んでいる。片方はザックリと白いズボンの前を裂いた。
『ああっ、一張羅になんてことを!』
 切られた場所が場所だし、河童が動揺している隙に、フロッシュはダッシュで飛び退き、取り落とした武器を拾うともう一度ジャンプして川の浅瀬へと入った。
『こんなところを切るなんて、ひどいじゃないか!』
 ズボンの切れ目から悪趣味なキュウリ柄のパンツを覗かせながら、河童が彼女の方を向いた瞬間。
 ジャッ!
 2本の武器が水面を薙いだ。
『!?』
 川の水が煙幕のように飛沫き、フロッシュの姿を河童から隠したその瞬間。
「一瞬も要らない……刹那で、バラバラにしてやるよ!」
 ユーベルコード【塵砲】を発動し、フロッシュは水の煙幕を突っ切って、一気に河童の懐に飛び込んだ。
『うわあっ!?』
 狂乱した獣のように二刀が乱舞する。そのうちの幾らかは躱されはしたが、しかし河童の一張羅はズタズタに切り裂かれていく。

成功 🔵​🔵​🔴​

知念・ダニエル
(眼鏡を掛け直し)
ん、アンタが噂の河童っすね

No.1って、ちゃんと競う相手がいてこその頂点っすか?
自称だったら……ダサダサっすよ

No.1決定戦への招待状は腕に【オーラ防御】を纏わせつつキャッチ
これを渡すって事は、No.1から引きずり落されたいって事っすね?
ならばこれっす。【獅子の系譜(イケメンバージョン)】っす!
(召喚される二人の幻影。しかし服装はスーツ、花を持っている)
俺の歴代ご先祖さんっす。見ての通り、俺のイケメン力は代々受け継がれたものっす
俺達三人に勝てるっすか?
(ディルティーノは斧槍、ルーファスは歌声で攻撃)
(キャッチした招待状は雷の【属性攻撃】を纏わせ投げ返し、【傷口をえぐる】)



 二刀流攻撃から何とか得意のジャンプで逃れた河童であったが、
「アンタが噂の河童っすね」
 着地点には眼鏡をかけなおした知念・ダニエルが待ち受けていた。
「No.1って、ちゃんと競う相手がいてこその頂点っすか? 自称だったら……ダサダサっすよ」
『ふっ』
 ボロボロの服とベキベキの皿、コゲコゲの髪ではあるが、それでも河童はあちこちなでつけたり引っ張ったりすると、ダニエルにイッパイイッパイの余裕ぶった笑みを向けた。
『その言い分、君もずいぶん自信がありそうだね。よかろう!』
 ダニエルに向けてシュルリと飛んできたのは、
『誰がNo.1か決めようじゃないか!』
 No.1決定戦への招待状。それをダニエルは【オーラ防御】を纏った腕でスマートに受け取めた。防御していても招待状は鈍い痛みを腕にもたらしたが、イケメン対決をしようという今、それを顔に出してはいけない。
「これを渡すって事は、No.1から引きずり落されたいって事っすね?」
 ダニエルは招待状を格好良く指に挟んでヒラヒラさせ。
「ならばこれっす。【獅子の系譜(イケメンバージョン)】っす! 気高き心を持った騎士、ディルティーノとルーファスの幻影よ。末裔である我が呼び声に応えよ!」
 ユーベルコードによって召還されたのは、2人のイケメン(の幻影)であった。2人共スーツでビシッとキメ、花を持っている。
『む……むむっ!?』
 いきなり正統派イケメンが2人も現れ、河童はひるむ。
「俺の歴代ご先祖さんっす。見ての通り、俺のイケメン力は代々受け継がれたものっす。俺達三人に勝てるっすか?」
 自分のイケメン血統を堂々と主張しちゃうダニエルも大概アレかもしれないが、河童よりご先祖様たちの方が圧倒的にイケメンなのは確かである。
『ふっ、イケメンは見た目だけじゃないよ。最終的にはどれだけ女性を喜ばせてあげられ……ぐあっ』
 河童がまだ何か言ってるが、知ったこっちゃねえとばかりに、ご先祖様は容赦なく攻撃に出た。ディルティーノは斧槍を振り上げ突撃していき、それをルーファスが歌声で援護する。
 2体の攻撃に翻弄される河童に、
「ふっ。完全に俺の勝ちっすね。これ、お返ししとくっすよ」
 ダニエルは傷口をえぐるように、招待状をすらりと投げ返した。

成功 🔵​🔵​🔴​

太刀花・百華
河童の癖にイケメンとはな
おまけに温泉に浸かっていながら白スーツでキメているとは
何とも理解し難い存在ではあるが、こういう女の敵はここでキッチリ始末しないとな

どれだけイケメンだろうと所詮は河童
如何なる甘言を弄してこようと、厳しい剣の修行に耐えた私に通じるものではない
そう、例えどんな誉め言葉を並べ立てようと……(言いつつ内心嬉しく、照れてしまったり)
くっ……そんな下心丸出しの台詞で惑わそうとしても無駄だ……!
たかが河童如きが私をナンパするなど、千年早い!

河童のスタイリッシュな蹴りには【剣刃一閃】で対抗だ
緋焔ノ桜の一閃は、焔の華が舞う如く
見せ掛けだけの貴様の蹴りより、この一撃の方が遥かに美しいであろう



「河童の癖にイケメンとはな……おまけについ先ほどまで温泉に浸かっていたはずなのに、白スーツでキメているとは。何とも理解し難い存在ではあるが、このような女の敵はここでキッチリ始末しないとな」
 太刀花・百華(花と廻りて・f13337)は、緋焔ノ桜をすらりと抜き、仲間の正統派イケメンによる袋だたきからやっと逃れた河童へと歩を詰める……と。
『わあ、お嬢さん、綺麗な髪だねえ』
 よれよれと立ち上がりながらも、河童は百華へと微笑みかけてきた。
「……んっ」
 いきなりの褒め言葉に、百華は思わずたじろく。十七歳の今まで剣の修行に生きてきた百華には、男性からの露骨な褒め言葉に耐性が無いのだ。
『触ってみたいな。きっとつやつやすべすべなんだろうね?』
「(くっ……どれだけイケメンだろうと所詮は河童。如何なる甘言を弄してこようと、厳しい剣の修行に耐えた私に通じるものではない……っ)」
 河童の甘い言葉と声を遮ろうとするように、百華はぐっと愛刀を握りしめたが、どうしたことだろう、足が動かない。
『温泉で洗ってあげようか。僕、しゃんぷー上手なんだ。それだけで天国にいかせてあげちゃうよ?』
「(お……温泉! あ、いや、どんな誉め言葉を並べ立てようと……ッ)」
 ストイックに剣の道を究めてきた百華とて年頃の女の子、こんなことを言われたらちょっとは嬉しくなっちゃうし、照れてしまう。しかも彼女は温泉好きなので、例え河童でも心が揺らいでしまうではないか……!
「くっ……そんな下心丸出しの台詞で惑わそうとしても無駄だ……! たかが河童如きが私をナンパするなど、千年早い!」
 しかし、そこはさすが剣士、気合いで振り払った!
 だが、河童も百華の一瞬の動揺を逃さない。
『私の華麗なる一撃を受けよ!』
 すかさず蹴りを入れてきた。
 剣で防御しようとしたが、河童の方が一瞬速い。
「うッ」
 避けきれず倒れてしまった百華であったが、すぐに跳び上がるようにして態勢を立て直し、ユーベルコード【剣刃一閃】を発動した。
「緋焔ノ桜の一閃は、焔の華が舞う如く――見せ掛けだけの貴様の蹴りより、この一撃の方が遥かに美しいであろう!」
 果敢に斬り込んだ鋭い刃は、夕暮れの淡い日差しに緋色に輝き、河童の足へと食い込んだ。まるで百華が内に秘めた乙女心のようなひらめきを宿して。

成功 🔵​🔵​🔴​

榎・うさみっち
【ニコ(f00324)と共闘】
ニコくんはね~~口説き文句と花びらの演出は良い感じなんだけどね~~
もうちょっとどもらず言えたらパーフェクトですね~~
などと口説き品評会(うざみっち)

おい、ニコ!何でこの河童スーツなんだ!
ここサムライエンパイアだろ!
なんか気に入らないからそのスーツに
あんなことこんなことしてやるぜ!
いでよ!【きょうふときょうきのせみっちファイナル】!
100匹超えのせみっちが河童の白いスーツにまとわりつくー!
メンタルにもダメージを与える作戦!

…ハッ!?
あーっとニコ選手、何と真の姿を解放しましたー!
はだけた衣装がえっちですぅー!
そこから覗く美しい筋肉ー!
これぞ究極の美!!(ナレみっち)


ニコ・ベルクシュタイン
【うさみっち(f01902)と共闘】
うさみよ、其の、中々大した口説きぶりだったな
正直感心したが、同時にお前の将来が心配でもある
…何?俺について?よよ余計なお世話だ!!

其れにしても、仇討ちなどとどの口が抜かすのか
お前の身勝手さえ無ければ、彼女たちも或いは…
いや、同情などしてはいないが、兎に角お前が気に入らぬ
其の点ではうさみと意見が一致しているようだな

『かかって来い』と言ったな、良かろうならば全力だ
真の姿(ステシ参照)を解放して
双剣を体内から引き抜きつつ河童に迫る
『河童には負けられない』の感情?既に付与されておるわ!
【時計の針は無慈悲に刻む】での連撃を浴びせてくれる

そしてうさみは少し静かにしなさい



「うさみよ、其の、中々大した口説きぶりだったな。正直感心したが、同時にお前の将来が心配でもある」
 ニコ・ベルクシュタインの眼鏡の奥の瞳にクールに見下ろされた、榎・うさみっちはニッカ~~と、うざみっちなカンジに笑い返し、
「そーゆーニコくんはね~~口説き文句と花びらの演出は良い感じなんだけどね~~もうちょっとどもらず言えたらパーフェクトですね~~」
「……何? 俺について? よよ余計なお世話だ!!」
 ツッコミ返されてまた噛みまくるニコであったが、ここで身内で口説き品評会をしている場合ではない。
「いくぞ、うさみ!」
「おう!」
 2人は乙女の刃から這々の体で逃れ、川の方へと向かおうとした河童の前に立ちふさがった。
 まずはうさみっちが河童の真ん前まで飛んで行き、ぐいっと指を突きつけ、
「おい、ニコ! 何でこの河童スーツなんだ! ここサムライエンパイアだろ!」
 河童はこの期に及んでも、カッコツケながら顔をしかめ。
『お行儀の悪い子供だね、人を目の前で指さすなんて』
「むー。俺、この河童、なんか気に入らない!」
 ニコも腕組みして。
「其の点ではうさみと意見が一致しているようだな。仇討ちなど、どの口が抜かすのか。お前の身勝手さえ無ければ、彼女たちも或いは……」
 先ほど散々苦労させられた妖狐忍に思いを馳せているのか。優しい。
「……いや、同情などしてはいないが、兎に角お前が気に入らぬ!」
「そうだー! 気に入らないからそのスーツに、あんなことこんなことしてやるぜ!」
 うさみっちは空中でくるんと回転すると、ユーベルコードを開放した。
「いでよ!【きょうふときょうきのせみっちファイナル】!」
 ……ジジジジ。
『……なんだい?』
 暗くなってきた足下に数センチほどの何かがうぞうぞと出現し、もぞもぞと動き、ジジジジジジジと鳴いている。
『こ……これは?』
「うふふふ、死んだと思ったかばかめ! 夏のふーぶつし、せみっちファイナル喰らえー!!」
『な、なんだと……ぐあああっ!?』
ジジジジジジジ……!
 地面に沸いたのは100匹をも越える瀕死のセミ(形態のうさみっち)集団であった。そのリアルなセミ兵器はうさみっちのかけ声に一斉に復活し、河童の白いスーツにとびかかったー!
 ジジジジジジジジジジジジジジジ……!!!
『ぎゃああああ』
 与えるダメージは鳴き声によるものだけではない、虫の集団にたかられる恐怖でメンタルにもダメージを与え、しかもぴゅっぴゅっと撒き散らかされてる液体……つまりセミのおしっこで、衣装にもダメージを与える恐るべき作戦だ!
「やるな、うさみ」
「えっへん」
 しかし河童もさるもの、セミをジタバタと追い払いながら、
『せ、セミなど姑息な手を使わず、正々堂々と誰がNo.1か決めようじゃないか!』
 招待状を投げてきた。
 ニコはそれを、多少のダメージなどモノともしない様子で受け取って。
「『かかって来い』と言ったな、良かろう。ならば全力だ……俺だって河童には負けられぬ……!」
 覚悟を決めた表情で言い放つと、思い切りよく眼鏡を投げ捨て、上着の前を開けた。
 胸に紋章が浮き出ている。同時にオーラのように彼の周囲に七色に光る文字盤が現れ、喉元に赤い貴石を輝かせ――これが時計のヤドリガミたる彼の真の姿。
 ニコは引き締まった胸板の下、鳩尾のあたりに手をやると、くっ、と力を込めて2本の時計の針を体内から引き出した。血にまみれた長針と短針……彼の武器である時刻みの双剣だ。
 一方うさみっちは。
「あーっとニコ選手、何と真の姿を解放しましたー! はだけた衣装がえっちですぅー! そこから覗く美しい筋肉ー! これぞ究極の美!!」
 ぱたぱた飛び回りながらナレみっちしまくっている。
「うさみは少し静かにしなさい」
 ニコは河童から目を離さずにうさみっちを叱りつけ、ユーベルコード【時計の針は無慈悲に刻む】を発動した。
 即座に地面を蹴って河童へと一気に迫る。
 河童は一生懸命セミをはたき落としているが、真の姿でユーベルコードを発動したニコのスピードを躱せるわけもない。
「過去は過去に。未来は俺達のものだ!」
『ぴゃああ!』
 1本は肩に。
 もう1本は脇腹に。
 時計の針が過去の遺物へと深々と突き刺さる。
 指し示す時刻は、現在と、未来のみ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヘルメス・トリスメギストス
「どうやら親玉の河童が現れたようですね。
妖狐のお嬢様方を籠絡した罪、この執事ヘルメスが裁いてあげましょう!」

河童に対抗するように、こちらもスタイリッシュな執事服を見せつけながら、河童と対峙いたします。

向こうが薔薇を持っているのでしたら、私は【執事給仕術】で用意したクッキーと紅茶を手に持って対抗しましょう。

「究極の美――それはお嬢様方を表す言葉。
そして究極の強さとは、お嬢様方を守る執事を表す言葉です!」

【執事格闘術】の構えをとり、河童と格闘戦をおこないます。

「悪の河童が相手でしたら、もはや峰打ちの必要はありません。
執事三千年の歴史が詰まった究極の格闘術、受けてください!」

アドリブ、絡み大歓迎



「どうやら親玉の河童が現れたようですね。妖狐のお嬢様方を籠絡した罪、この執事ヘルメスが裁いてあげましょう!」
 やっとのことでセミと時計の針から逃れた河童を待ち受けていたのは、スタイリッシュな執事――ヘルメス・トリスメギストス。
 但し、手には薔薇の花ではなく、執事に相応しいクッキーと紅茶。
「究極の美――それはお嬢様方を表す言葉。そして究極の強さとは、お嬢様方を守る執事を表す言葉です!」
『な……なにを。執事ごときが』
 立て続けに猟兵との戦いを強いられている河童は、登場時のファッショナブルさはどこへやら、河童が川流れしたあげく岸に打ち上げられた水死体のような様子であるが、プライドだけはまだ残っているらしい。
 だが、執事服でビシっとキメまくっているヘルメスとの差異はもはや明らか。
 ヘルメスはクッキーと紅茶を傍らの大きな石の上にきちんと置くと、フォークとティースプーンをチャッと握り直した。
「悪の河童が相手でしたら、もはや峰打ちの必要はありません。執事三千年の歴史が詰まった究極の格闘術、受けてください!」
 繰り出すはユーベルコード【執事格闘術】。発動するなり頭を狙って投げたフォークは、
『わ……私の華麗なる一撃を受けよ!』
 河童の必死のキックに蹴り落とされたがそれは想定内。
 高く上がった敵の脚をめくらましにして、ヘルメスは一歩で間を詰める。その手には、片手にはティースプーンだが、もう片手にはフォークの代わりに、どこから取り出したのか磨き上げられた銅のケトルが!
『な、何を……?』
 驚いてあんぐり開けられた河童のくちばしに、すかさずティースプーンをつっかえ棒のようにねじ込んで。
『あが……あがが!?』
「紅茶は沸騰直後の湯で淹れなければなりません!」
 どばばばばば!
 ケトルから熱湯がくちばしへと容赦なく迸り、
『うぎゃあぁ……ごぼごぼごぼ……!』
 河童の悲鳴もまた、夕暮れの河原に迸った。

成功 🔵​🔵​🔴​

触叢・アン
仲間らが戦ってるのを確認し、忍び足6・暗殺3・騎乗7・操縦8を駆使し、敵の脇腹目がけ鎧無視攻撃9っ、で宇宙原付ど~~~ん!
「ほれ、ど~~~ん」
その弾みで…騎乗7、操縦8、逃げ足10、ジャンプ、地形の利用、等と機体に付いたワイヤーを活用しそのまま高い場所に移動

「ほんなら、ここで決めちゃらぁ!(タンクトップ破り捨て)」
ミリオンライドアタック(+鎧無視攻撃10)、それは宇宙エネルギーをその身に吸収し体内生成した幻影分身を放出…つまり露出が多いほど分身が増えその威力が増すのだ!
「とぉ!ふぅらっしゅ、Ah~~~♪」
敵目がけ降り注ぐ無数の原付サーフィン乗りセクシーネーチャン、それが1点に集束し蹴り貫く!


鳴北・誉人
アドリブ連携歓迎

このカッパ見てたら殴りたくて仕方ねえ(グーパーしながら(そんなUCないけど
ぬァにが『猟兵はひどいね(ちょっと声真似して(似てない』だ!
てめえの方がいろんな意味でひでェわ!
だいたい人様に迷惑かけようとしてンのが原因だろォが!
ぶった斬るわな、一択だわな、そりゃァよ!

剣刃一閃でシンプルにやり合うぜ
二回攻撃と残像、武器受けで渡り合えるだろう
一緒に戦ってるヤツがいんなら、俺が引きつけてる間に攻撃してもらう

足癖悪ィな!だのに伊達男気取ってんのかよ!
マジでふざけたヤローだぜ
一太刀でもいれなきゃ気が済まねェ

皿が割れてオトコマエになったんじゃねェか!?
いや、てめェにゃ到底似合わねえ言葉だったな!



「このカッパ見てたら殴りたくて仕方ねえ……」
 鳴北・誉人は岩陰で河童をぶんなぐるチャンスを窺いながら、怒りに耐えない様子で拳をグーパーしている。
「ぬァにが『猟兵はひどいね』だ!」
 ちょっとばかし声真似しているようだが、ちっとも似てない……ってのはまあおいといて。
「てめえの方がいろんな意味でひでェわ! だいたい人様に迷惑かけようとしてンのが原因だろォが! ぶった斬るわな、一択だわな、そりゃァよ!」
「わかったわかったぁ」
 昂ぶる青少年をポンポン肩を叩いて宥めたセクシーな眼鏡お姉さんは、触叢・アン(銀河疾風・f01011)である。
「おねーちゃんが今、ぶった斬るチャンス作ってやらぁで、逸らず待っとってなぁ」
 そう言うと【宇宙原付 牙‐ZOOM】にまたがった。
 岩陰から覗いてみると、河童は熱湯責めからやっとのことで逃れ、川に頭ごと突っ込んで冷やしている最中。
「今やぁ!」
 アンは無雑作にも見えるタイミングで、バイクで岩陰から飛び出した。持ち前の優れた隠密の技能……忍び足、暗殺、騎乗、操縦等々……を駆使して気付かれることなく河童に突っ込んでいき、
「ほれ、ど~~~ん」
 無防備な脇腹に、宇宙原付でど~~~ん!
『ぴぎゃああっ』
 河童は10メートルも吹っ飛ばされ、
『誰だ、こんなところでバイクを乗り回しているのはっ!?』
 顔を上げた時には、今度は優れた逃げ足系技能を使い、すでにアンは愛機と共に大岩のてっぺんで、どやっ! と河童を見下ろしている。
 そして当然、河童が態勢を立て直す暇を与えることなく、誉人がアンの作ってくれたチャンスを逃すまいと、ユーベルコードを発動しながらまっしぐらに突っ込んできていた。
「剣刃一閃! 一太刀でもいれなきゃ気が済まねェ!!」
 端正な顔が怒りで悪鬼のような迫力である。
 しかし河童も死にものぐるいで、
『か……カレーなる……』
 ガキッ!
「足癖悪ィな! だのに伊達男気取ってんのかよ! マジでふざけたヤローだぜ!!」
【唯華月代】の柄で突き出された脚をひっかけて、そのまますくいあげて転ばせる。
『ぷぎゅる』
 無様にひっくり返った河童を見下ろし、
「これだけで済むと思うなよ!」
 誉人は【2回攻撃】をも発動していた。残像を残すほどの速さで、もう片手が脇差し【絶花蒼天】を抜き、脳天に真っ直ぐ突き立てる!
 ガツッ……カッシャーーーーン!
『わああ、皿が、僕の美しい皿が~~!』
 べきべきだった皿がとうとう粉々に砕け散った。
「皿が割れてオトコマエになったんじゃねェか!? いや、てめェにゃ到底似合わねえ言葉だったな!」
 だが河童はしぶとく、
『み……水……』
 皿のなくなった頭を抑えて川へとにじり寄っていく。
「ほんなら、ここで決めちゃらぁ!」
 そこに高らかに響いたのは岩の上にいるアンの声。
 彼女はいさぎよくタンクトップ破り捨て、ユーベルコード【ミリオンライドアタック】を発動した。
「うおっ」
 誉人はアンから慌てて目を逸らしたが、意味なく露出したわけではない。このユーベルコードは、宇宙エネルギーをその身に吸収し体内生成した幻影分身を放出してなんやかやで……要するに露出が多いほど分身が増えその威力が増すのだ!
「とぉ! ふぅらっしゅ、Ah~~~♪」
 河童目がけ、無数の原付サーフィン乗りセクシーネーチャンの幻影が降り注ぐ。河童を圧しつぶすようにして次々と降りてきたネーチャンズは、すぐに河童を蹴りだした。
『ぴぎゃあ~~ああ?……ああ~~いいかも~~❤️』
 大量の褐色の肌のセクシーネーチャンが、河童を囲んで蹴りを入れまくり……。

 ……こうしてエロガッパは、最期にちょっぴりいい目をみながら、骸の海へと還ったのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『温泉旅籠で露天風呂を楽しもう!』

POW   :    竹でできた築地を登って隣の湯を覗くor覗き魔へ桶や石鹸を投げて撃退だ!

SPD   :    気づかれる前にササッと覗いて退散するorどこかから視線を感じるので俊敏さを活かして迎撃する

WIZ   :    自らの叡智を結集した完璧な覗き作戦を決行するor覗き魔の行動を先読みして罠をかける

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●3章
 河童が占拠していた温泉は、廃墟の割には手入れが行き届いていた。大きな岩風呂には少し白濁した温泉がたっぷりと溢れている。あの河童のことだから、妖狐忍たちにマメに手入れさせていたのかもしれない。
 但し、男湯と女湯の板で出来ている仕切りはかなり傷んでいて……河童が混浴として使っていたので……それは修理せねばならなかった。
 とはいえ、元々簡易な仕切りなので、廃旅籠の敷地内に生えている竹や、河原の芦を使って猟兵たちは素早く修理してのけた。これで一応互いの視界を遮ることはできる。
 まあ、元々が簡易な仕切りだし、応急修理しかしていないから、強い力を与えたりしたら倒れてしまうかもしれないが……。
 ともかく、任務は立派に果たしたのだから、皆でのんびり温泉に入って戦疲れを癒そうではないか!

●3章補足
 エロガッパの相手、お疲れ様でした!
 というわけで、この章では温泉をお楽しみください。
 温泉は、大きな楕円形の岩風呂で、真ん中に仕切りを立てて男女を分けている構造です。泉質は白濁した硫黄泉。
 フラグメントにはなんかハードな行動例が書いてありますが、フツーにお湯を楽しむだけで全然OKですからね! もちろんやりたい方を止めることも致しませんが……。
(※プレイング〆切は、3/19火曜日17時頃とさせていただきます)
デュオゼルガ・フェンリル
おっふろー♪おっふろー♪
戦闘はちょっと参加できなかったけど、お風呂入るだけでもいいって言うなら来るしかないよなっ♪
まずは柵の補強やらやっておこうかなー
そのままだとなんか心もとない上に危ないし?

さぁて露天風呂だー!
女の人たちに迷惑になったりしないようになるべく端っこの方で浸かることにしよっかな?
……ほぁー、極楽だー…♪
お風呂入ると毛がふかふかふわふわになるし気持ちいいから好きだぜー


※改変、アドリブ歓迎!



●男湯
「おっふろー♪ おっふろー♪」
 デュオゼルガ・フェンリル(月下の人狼・f00372)は、皆より一足早く、鼻歌まじりにウキウキと風呂場へと入ってきた。
「戦闘はちょっと参加できなかったけど、お風呂入るだけでもいいって言うなら来るしかないよなっ♪」
 かついできた竹やら板きれやらをガラガラと岩の上に置き、
「まずは柵の補強やらやっておこうかなー。このままだと、まだなんか心もとない上に危ないし?」
 大工道具を器用に使い、先ほど皆で応急修理した男女風呂の仕切を、トンテンカンと補強していく。覗き予防の一貫なのかも。
 修理した箇所をわざと揺らしてみたりして強度を確かめると、デュオセルガは、よし、オッケー。と、満足げに頷いた。
 そして、
「さぁて露天風呂だー!」
 かろうじて一部が崩れずに残っている廃旅館の屋根の下で服を脱ぐと、湯端に座って桶で湯を汲み、
 ざっぱー、ざっぱー。
 しっかり掛け湯をして。
「女の人たちに迷惑になったりしないように、なるべく端っこの方で浸かることにしよっかな?」
 修理したとはいえ、同じ浴槽を男女2つに仕切っただけであるから、ちょっと遠慮してしまう。男女を分ける仕切りから、できるだけ離れた場所を選び、そっと湯に体をつける。 
「……ほぁー、極楽だー………♪」
 藍色の美しい毛皮に包まれた体を、白いお湯に沈めていく。
 白濁したこのお湯、泉質は硫黄泉だそうだがさほど卵臭くもなくほど良い濃さで、じわじわと全身に染みてくる。気持ちぬるめの温度もイイカンジ。
「お風呂入ると毛がふかふかふわふわになるし、気持ちいいから好きだぜー」
 デュオゼルガは、自慢の胸元の毛をお湯の中で満足げにもふもふした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

月隠・望月
温泉。戦って少し疲れた、ので温かい湯に入って温まりたい、ね。

温泉に入ると疲れがとれる、と聞いたことがある。また、他に様々な効能がある、とも。温泉に入ったら今より少し強くなる効果もある、かもしれない。たのしみ。
体を洗った後、温泉に肩までゆっくり浸かって温まろう。
……? 温泉に《暗器》を持って入るのは、一般的では、ない? けど、わたしは持って入る。手ぬぐいにくるんで頭の上に載せれば、濡れない。大丈夫。

のぞき……? 温泉に入っているヒトを盗み見る、の? なぜ? 理由がわからない。気になる、ので、のぞきをするヒトがいたら、なぜのぞきをするのか訊いて、みたい。
猟兵の中にそんなヒトはいないだろうけど、ね。


フロッシュ・フェローチェス
見た感じ覗くようなメンツじゃ無いし、そうであっても過剰に考える気も無い……警戒も無用だね。
普通にお風呂に入るよ。出来れば端の方で浸かりたい所。

それにしても今回の件はどうも考えてしまう。
あの狐達、何故あんな阿保な野郎に愛を持って、心酔していたんだろ。
アタシ達が声かけた、それだけでハッとなるぐらい軽い物だったとしても……惹かれていたのは事実。
――オブリビオンは過去の、歪んだ産物。
もしかして彼女等の元になった過去は、愛されなかったのかな。それとも別の理由?

……ハ、らしくない。
こんな風に他人の事を考えるなんて。
久しぶりに熱くなった所為だろうか。
ともあれ無事に終わったんだ。今は羽を伸ばそう。

※アドリブ可



●女湯
「温泉。戦って少し疲れた、ので温かい湯に入って温まりたい、ね。」
 月隠・望月は、岩の上に仁王立ちし、広い岩風呂を見回した。
「温泉に入ると疲れがとれる、と聞いたことがある。また、他に様々な効能がある、とも。温泉に入ったら今より少し強くなる効果もある、かもしれない。たのしみ」
 ちなみに硫黄泉は殺菌効果が高いので皮膚病や傷に効能がある。疲労回復と共に、戦闘の傷を癒すことも期待できるだろう。ただ、強くなるかどうかはわからないけれど……。
 望月は温泉から桶で湯を汲み上げ、丁寧に体を洗った。激しい戦いによる汚れだけではなく、エロガッパによるケガレを清めておきたい気分。
 春とはいえ、露天風呂の洗い場は寒い。しかしそれをこらえて気の済むまで体を洗うと、いよいよ湯に浸かった。
 白濁した湯にゆっくりと肩までつかり、ふうむ、と吐息を漏らす。
 と、そこへ、ざぶざぶと浴槽の中を近づいてきながら、
「その頭の上のは、いったい……?」
 フロッシュ・フェローチェスが、望月の頭の上の包みを見つけ、怪訝そうに声をかけてきた。
「……? 温泉に《暗器》を持って入るのは、一般的では、ない?」
 なんと望月は武器を温泉に持ち込んでいたのだ。
「うーん、一般的ではないだろうねえ」
「けど、わたしは持って入る。手ぬぐいにくるんで頭の上に載せれば、濡れない。大丈夫」
「のぞきを警戒しているのかい? 見た感じ覗くようなメンツじゃ無いし、そこまで過剰に考えなくても……そんなに警戒しなくても大丈夫じゃないかな?」
 フロッシュの台詞に、望月は首を傾げた。
「のぞき……? 温泉に入っているヒトを盗み見る、の? なぜ? 理由がわからない。気になる、ので、のぞきをするヒトがいたら、なぜのぞきをするのか訊いて、みたい。猟兵の中にそんなヒトはいないだろうけど、ね」
 どうやら望月は、のぞき警戒のためというよりは、忍びの嗜みとして武器を肌身離さず身につけているだけのようだ。
 フロッシュは、望月の純朴さと生真面目さに思わず笑みをこぼし、
「そんなら警戒はお任せして、アタシは普通にのんびりさせてもらっていいかね?」
 こくん、と望月が頷いたので、フロッシュは仕切から離れた隅の方、岩が丁度ソファのように包み込んでくれる一角へと落ち着いた。
 体が温まり、戦いで緊張していた神経も休まってくると――今回の事件についてどうしても考えてしまう。
「あの狐達、何故あんな阿保な河童野郎に愛を持って、心酔していたんだろ。アタシ達がちょっと褒めただけでハッとなるぐらい軽い娘たちだったとしても……でも、河童に惹かれていたのは事実で」
『恋愛は錯覚のなせる技』とはよく言うけれど、河童のヘリウム並の軽薄さを思い知った後では、妖狐忍らの心酔っぷりは大変理解しにくい。
「――オブリビオンは過去の、歪んだ産物。もしかして彼女らの過去の存在は、愛されることがなかったとか。それとも別の理由があったのか?」
 そんなことを考えていると、少し哀しくなってしまう――。
「……ハ、らしくない。こんな風に他人の事、しかもオブリビオンのことでセンチメンタルになるなんて」
 河童への怒りで久しぶりに熱くなった所為だろうか。
「ともあれ無事に終わったんだ。今は羽を伸ばそうじゃないか!」
 フロッシュは白いお湯の中、ううーん、と唸りながら思いっきり手足を伸ばした。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ニコ・ベルクシュタイン
【うさみっち(f01902)と】
ハンドタオル一つ用意していけば、後は温泉の備品で何とかなるか…
(うさみっちランドを見て)
…そのユーベルコードは本当に便利だな…
しかし、流石に玩具の類は持ち込みをお断りされる可能性が高いぞ
いざとなったら俺が支えていてやるから安心すると良い
其れにしても良い温泉だ、河童が入り浸るのも分かる気がする

髪の毛を洗え?お手手が小さすぎて手が届かないのか?ん?
仕方が無いので手伝ってやる事にする
お客様、痒い所はございませんか?(棒読み)

お礼?いや、俺は大丈夫だ
何より色々な意味で大変だろう…そのボディスポンジで
洗うとなると、一体何時になったら洗い終わるのやら…
だ、段々冷えてきた…!


榎・うさみっち
【ニコ(f00324)と!】
ゆめのくにうさみっちランドに
あれやこれやとお風呂セットを入れて持っていく
アヒルさんとかー浮き輪とかー水鉄砲とかー
↑のが持ち込みダメだったらシュンとしつつ
湯船で足がつかない俺をニコに支えててもらう
いやーひと仕事終えたあとのお風呂は最高だなー!

ニコ!髪の毛洗って!
と、ゆたんぽからシャンプーハットとシャンプーを取り出す
(シャンプーハット被るとペロンとうさ耳が乗ってる)
かゆいところー?耳の付け根の辺りかなー!

よーし、お礼に俺もニコの身体を洗ってやろう!
ボディスポンジ(フェアリーサイズ)を取り出し
ゴシゴシ…ゴシゴシ…ゴシコシ…
ニコ身体大きすぎぃ!(ぺちぺち)



●再び男湯
「ハンドタオル一つあれば大丈夫そうだな」
 ニコ・ベルクシュタインは、軽装でぶらりと露天風呂へと足を踏み入れた。
 桶や風呂椅子、石鹸など、最低限の風呂用品はグリモア猟兵が用意しているはずである。とはいえ、サムライエンパイアで入手できる程度のブツではあるが。
 同行の榎・うさみっちに至っては手ぶら……ではなく、小さなゆたんぽひとつ携えているだけ。
 だが、このゆたんぽが実はとっても優れもの!
「入園料はツケでオッケー! 幸せあふれるうさみっちランドへごしょーたい!」
 何でも収納してしまうユーベルコード【ゆめのくにうさみっちランド】のおかげで、ゆたんぽの中からは、どんどんお風呂道具が出てくる。シャンプーやタオルはもちろん、アヒルさんに浮き輪に水鉄砲に……。
「……そのユーベルコードは本当に便利だな……しかし、流石に玩具の類は一緒に入浴する人の迷惑になるかも……いや、ここでそりゃないか」
 広々とした露天風呂には、猟兵(男子)が数人、のんびりと入っているだけ。まるで大浴場を仲間内で貸し切ったようで、廃墟ならではのお得感。うさみっちみたいなちっさい子だったら、全力で泳いでも全く差し支えなさそうだ。
 とりあえず2人もいそいそと裸になり、かけ湯をして岩風呂へと入った。うさみっちは湯船の底に足が立たず。ニコの膝にのっかって支えてもらっている。
「いやーひと仕事終えたあとのお風呂は最高だなー!」
 白濁の湯にアヒルさんを浮かせて、うさみっちご満悦。
「うむ。其れにしても良い温泉だ、河童が入り浸るのも分かる気がする」
 と、しばし温まったところで、
「ニコ! 髪の毛洗って!」
 と、温まってほっぺたを赤くしたうさみっちがおねだりし、ゆたんぽからシャンプーハットとシャンプーを取り出した。
「髪の毛を洗え? お手手が小さすぎて手が届かないのか? ん? 仕方が無い。手伝ってやるか」
 ざばり、と2人は……というか、ニコはうさみっちを抱き上げて湯から上がった。
 風呂椅子に腰掛けたニコの膝の上にうさみっちが座り、
「んしょ」
 シャンプーハットを被ると、ペロンとうさ耳がその上に乗っかり、なんとも可愛らしいのだが、ニコはいたってまじめくさった顔でうさみっちのシャンプーを始めた。
 ごしごしごし……。
「お客様、痒い所はございませんか?」
 美容師さんの真似をしているつもりらしいが、とっても棒読みである。
「かゆいところー? 耳の付け根の辺りかなー!」
 ごしごしごし……。
 何せここはサムライエンパイア、しかも廃旅館の露天風呂だからシャワーなんてものはないのだが、それでも何とか洗い終え。
「ぷふー、ありがと!」
 うさみっちはシャンプーハットを外し、ぶるぶるっと頭を振って水気を飛ばし、
「よーし、お礼に俺もニコの背中を流してやろう!」
 ゆたんぽから今度はボディスポンジを取り出した。但し、フェアリーサイズ……。
「お礼? いや、俺は大丈夫だ。何より色々な意味で大変だろう……そのボディスポンジで」
「遠慮するなよー!」
 なんやかや言ってもニコはうさみっちに弱い。広い背中を小さなフェアリーが、一生懸命に洗いだす。
 ゴシゴシ……ゴシゴシ……ゴシコシ……。
 背中を流しているというより、まるでビルの壁を掃除しているようだ。
「一体何時になったら洗い終わるのやら……」
「ニコ身体大きすぎぃ!」
 小さな手がぺちぺちと背中を叩いた拍子に。
「は……ハックシュンっ」
 ニコは派手なくしゃみをかまし、ぶるりと身体を震わせた。
「……だ、段々冷えてきた……!」
 そりゃそうだ、まだ3月の露天風呂であるからして……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

知念・ダニエル
アドリブ絡み歓迎

(眼鏡を取るので自動的に女人格が表に出てしまう)
あの河童なかなか悪くない温泉に入ってたのね
私達も堪能しましょうか。ここのお湯、お肌ツルツルになったりしない?
勿論入るのは男湯よ!

(胸元までタオルを巻いて入るので一見女性に見える)
んー、何処の世界の温泉も気持ちの良いものね
特に一仕事した後のお湯は最高に落ち着くわ
廃墟の温泉もなかなか面白いものね

もし不思議な視線を感じたら?
やだ、えっち!私そんなに綺麗?
あ、なんだ、私じゃないのね……ちっ
ほらほら、男子も女子も覗きなんて駄目よ!
(召喚されるもふもふ。しかし温泉に濡れてモップになる
覗き魔に向けてモップを放ち、顔面を覆って見えなくさせる)



 知念・ダニエルは風呂場に入るなり、歓声を上げた。
「まあ。あの河童なかなか悪くない温泉に入ってたのね!」
 彼が入ろうとしているのは当然男湯。だが入浴に際し、眼鏡を取らなければならないので、人格は女性というややこしいことになっている。
「私も堪能しましょう。ここのお湯、お肌ツルツルになったりしない?」
 なると思う!
 女性人格のため、胸元までタオルを巻いてしとやかに湯に体を沈める。
「んー、何処の世界の温泉も気持ちの良いものね。特に一仕事した後のお湯は最高に落ち着くわ」
 女らしく胸元を押さえ、膝をそろえてお姉さん座りした姿勢で、
「廃墟の温泉もなかなか面白いものね」
 朽ちて傾いた旅館の建物や、温泉成分が分厚くこびりついた岩、伸び放題で野趣満点の庭木、そして皆で直したボロい仕切りなどを興味深げに見回していると……。
 くつろいでいてもさすが猟兵、背中に視線を感じ、
「やだ、えっち! 私そんなに綺麗?」
 キッと振り向くと、一緒に入浴している男子猟兵たちが慌てて視線を逸らして、ごめん、つい、と苦笑しながら謝った。
 ダニエルが男性だということも、多重人格者ゆえに女装していることも、仲間たちは重々知っていて一緒に風呂に入ってるわけだが、ついつい注目しちゃった、ということのようである。
「あ、なんだ、私にの美しさに見とれてたわけじゃないのね……ちっ」
 見とれていたというよりは、感心して見ていた、ってカンジだろうか。
「でも、不埒者が現れたらこらしめられるように、もふもふを喚んでおきましょう」
 と、ユーベルコード【もふもふわーるど】を発動した。
 わらわらと小さな毛玉犬が現れた! しかも100頭! しかしせっかくの大量もふもふもお湯に濡れてモップ状態である。
 もふも……モップたちは、嬉しそうに温泉を泳ぎ回りながら主へと尋ねる。
『オレらなにすればいーんすか?』
「覗き魔が現れたら、顔面を覆って見えなくさせるのよ!」
『がってんっす!』
 お返事はいいが、モップたちも、むしろ温泉を楽しんでいる様子……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

太刀花・百華
戦いで汗を流した後の温泉はまた格別なものがある
しかも廃墟といった割には、なかなかどうして立派な温泉だ
これならゆっくり浸かれることができそうだ
あの河童みたいに卑猥な輩もいないわけだしな

(湯船に浸かりつつ)
ふぅ……実に沁みるのう
肌に噛みつくような熱さが実に心地好い
それにしても、私の髪が綺麗などとは……
今までそんな風に言われたことすらなかったな
いやいや、それはあやつの甘言だ。本心などでは決して……
まあどちらにしても、あの変態河童はもうおらぬのだ
それに仕切りで分けられているなら、男衆が紛れることもないだろう
だがもしもそんな不埒な真似をする奴がいるなら
気配を見切り、この桶を全力で投げて撃退してみせようぞ



●再び女湯
「戦いで汗を流した後の温泉はまた格別なものがある。しかも廃墟といった割には、なかなかどうして立派な温泉だ」
 太刀花・百華は、広い岩風呂を嬉しそうに見回した。
「これならゆっくり浸かれることができそうだ……あの河童みたいに卑猥な輩もいないわけだしな」
 キロッと鋭い目を飛ばしたボロ仕切りの向こうは男湯だが、今のところ至って静かなものである。
 百華はゆっくりと体を湯船に沈めつつ、
「ふぅ……実に沁みるのう。肌に噛みつくような熱さが実に心地好い。それにしても」
 くるりと巻いて頭の上に乗せている長い髪に何気なく触れ。
「私の髪が綺麗などとは……今までそんな風に言われたことすらなかったな」
 瀕死に近かった河童の褒め言葉を、甘い声と口調と共に思い出す。
「いやいや、それはあやつの甘言だ。本心などでは決して……」
 河童の声と姿を振り払おうと、ぶるぶると強く頭を振った拍子に、ゆるく巻いていた髪がほどけ、ぱらりと湯船に落ちた。
 細くしなやかで艶やかな、烏の濡れ羽色の髪が、ゆるりと妖しげに白い湯の表面に広がって……。
 百華は慌てて髪をすくい上げ、今度は落ちないようにしっかりと巻いて結わえあげ。
「まあどちらにしても、あの変態河童はもうおらぬのだ!」
 声に出して河童の滅亡を確認した。
「仕切を直したおかげで男衆が紛れることもなく、こうしてゆったりと入れるのだ。しっかり温泉を堪能しなければ……だが」
 と、再び仕切を透かし見てしまいそうな鋭い眼差しを男湯の方に投げ、
「もしも不埒な真似をする奴がいるなら、気配を見切り、この桶を全力で投げて撃退してみせようぞ」
 湯端から桶を引き寄せた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シキ・ジルモント
※アドリブ歓迎

オブリビオンが占拠していた場所だ、少しは警戒を…

(湯に浸かって数分後)
…ああ、良い湯だ(リラックス)
女遊びはともかく、こんな良い物を独占していた事に関しては確かにけしからん河童だ
危険もなさそうだ、ゆっくり湯を堪能して疲れを取る事にする
今回は無駄に疲れる戦いだったからな
あのエロ河童が骸の海で大人しくしていてくれる事を祈るばかりだ

それにしても…(鬼照を横目に)
…いや、予知を見たのが別の猟兵だったら、あんたの甘い言葉とやらが聞けたのかもしれないと思ってな
無理?そうか、そいつは残念だ(ニヤリと笑う)

覗きはしないが、まぁ、誰かが何やら企んでいても放置
猟兵相手にいい度胸だ、骨くらい拾ってやる


鳴北・誉人
アドリブ絡み歓迎

鬼照サンって誘ったら一緒に風呂入ってくれンのかな…?
ダメ元で誘ってみるorもう入ってたら挨拶がてら話しかける

鬼照サンの筋肉すげェ…!
俺のぺらい体を見下ろしてショックを受ける
骨格?体質…?いや…鍛えてねえからなんだろうけど…
俺も筋トレしようかな

露天風呂を楽しむぜ
あのカッパも入ってたと思うと…なんかアレだけどォ…
でもまあ、風呂に罪はねえし、硫黄でいい感じに、…あー、きっと浄化されてンだろ(そんなん聞いたことねえけど
俺、行く先々で風呂入ってる気がする…でもやっぱ、露天っていいなァ…(寝そう…(しみじみ

「…女湯に興味ィ?ないわけないけどォ…今はない!
「マジで、今日は、いろいろ疲れたァ…



●そして、みたび男湯
「オブリビオンが占拠していた場所だ、少しは警戒を……」
 露天風呂に足を踏み入れる際には周囲に油断無く目を配っていたシキ・ジルモントであったが――湯に浸かって数分後には。
「……ああ、良い湯だ」
 すっかりリラックスして、柔らかなお湯と大きな岩に身を預けていた。
「女遊びはともかく、こんな良い物を独占していた事に関しては、確かにけしからん河童だ」
 全くケシカランよね。
 危険もなさそうな様子なので、ゆっくり湯を堪能してしっかり疲れを取る事にしようと、気分を切り替える。
「今回は無駄に疲れる戦いだったからな……あのエロ河童が骸の海で大人しくしていてくれる事を祈るばかりだ」
 とはいえ、あの手のろくでもない女たらしは、残念ながら後を絶たないのが世の常で。
「それにしても……」
 と、シキは瞑想するように湯の中で目を閉じている月殿山・鬼照を横目で見やり。
「どうか致したか?」
 視線を感じて鬼照は目を開けてシキの方を向いた。
「……いや、予知を見たのが別の猟兵だったら、あんたの甘い言葉とやらが聞けたのかもしれないと思ってな」
 鬼照は、湯の火照りだけでない様子で顔を赤らめて首を振り、
「せ、拙僧には、シキ殿や皆様のような妖狐忍の相手は到底無理でござる……」
 任務を仕切るグリモア猟兵は、最終的に猟兵達を元の世界に返さなければならないという重大な任務があるだめ、戦いの最中は、ひたすら後方支援に徹していた鬼照である。
「無理? そうか、そいつは残念だ」
 シキは羅刹の狼狽ぶりにニヤリと笑った。
 そこへ、
「お疲れっス……一緒にいいっスか」
 と、やってきたのは鳴北・誉人。
「もちろんでござる」
「おう、入れ」
 鬼照とシキが応えると、
「んじゃ失礼して」
 と、近づいてきた誉人は。
「鬼照サンの筋肉すげェ……!」
 白濁湯から半ば見えている鬼照の胸板をまじまじと見つめ……そして次に自分の薄っぺらい上半身に視線を移し。
「骨格? 体質……? いや……鍛えてねえからなんだろうけど……俺も筋トレしようかな……」
 何かいきなりショックを受けちゃった様子。
 鬼照もシキも笑って、
「猟兵として戦い続けているうちに、嫌でも逞しくなってくるでござるよ」
「あんたまだ成長期終わってないだろ? 筋肉つくのはこれからだ。まずは突っ立ってないで温まれ」
「あ……ハイ、そっすね」
 やっと誉人も温泉に肩まで入った。
「あー、いい湯……あのカッパも入ってたと思うと……なんかアレだけどォ……」
 しかも妖狐忍とイチャイチャしまくってたわけだけど。
「でもまあ、風呂に罪はねえし、硫黄でいい感じに、……あー、きっと浄化されてンだろ」
 浄化というより殺菌か。
「俺、行く先々で風呂入ってる気がする……でもやっぱ、露天っていいなァ……」
 すっかり暮れた空には月と星が現れ、早春の夜風は火照った頬をほどよく冷やしてくれる。
「眠……」
 岩に背と頭を預け、誉人がうとうとしかけた時。
「ところで……」
 と、シキが風呂場を見回して。
「仕切りがボロいから、そそられて女湯を覗こうとするヤツが出るんじゃないかと、ちっとばかり心配してたんだが」
 今のところそういう不届き者はいない。男湯では、男性猟兵たちが思い思いにくつろいでいるだけだ。というか、変に神経をすり減らす戦闘だったので、皆へとへとでそこまでの元気が残っていないのかも。
「そこの青少年は、仕切りの向こうに興味津々だろうけどな?」
 いきなり振られてザバっと誉人は身を起こし。
「……女湯に興味ィ? ないわけないけどォ……今はない! ないない!」
「今は、ときたか」
「だってマジで、今日は、いろいろ疲れた……」
 体力だけでなく、色々使ったことのない神経を使わされて心身共に疲労困憊な誉人である。
「まぁ、誰かが何やら企んでいても放置するつもりだったがな」
 シキはもいちどニヤリと笑みを浮かべ。
「猟兵相手に覗きをする度胸に免じて、骨くらいは拾ってやってもいいんだが?」
「だーから、しないってェ!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月19日


挿絵イラスト