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2月のトライアングラー

#シルバーレイン #アリストライアングル #決戦 #continuationSR

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 その聖女は戦場に立つ。
「ハビタント・フォーミュラさま……」
 濃い潮の匂いをはらんだ風が彼女の長い髪をなびかせていった。

「さっぽろテレビ塔、東京スカイツリー、福岡タワー。この三か所をオブリビオンに襲わせ、殺戮した一般人の命をリソースとした『何らかの魔術儀式』の準備を進めているらしい」
 仰木・弥鶴(人間の白燐蟲使い・f35356)の示す三都市はいずれも市街地であり、そびえたつランドマークが目印だ。
 できるだけ、一般人に被害が出ないようにオブリビオンの注意を引き付けるようにして戦ってもらいたい。解き放たれた猫娘はその名の通り、まるで猫のように無邪気で好奇心旺盛な性質を持つようだ。
「まるで踊るように得物へ近づき、腰に絡みついたヘビで犠牲者を刻み殺す……そうして、ヘビから絶え間なく注がれる快楽に浸りながら次の獲物を求めて徘徊するという。リリス型のオブリビオンだよ」

 まずはそれぞれの都市に放たれたオブリビオンの跳梁を食い止め、一般人を守るのと同時に儀式のためのリソースを根絶しなければならない。
 その後はアリスの拠点の隠蔽に力を貸している除霊建築士のオブリビオンの居場所を突き止め、これを撃破すればアリスへの道が拓けるはず。
「どこにいるのかな」
 生き延びることに特化し、伯爵に仕えていた過去の彼女がハビタント・フォーミュラに主を変えて暗躍している状況の裏にあるのは、あれしかない。
「『夢魔随筆・下巻』の仕業と考えて間違いないだろうね。かつて洗脳されていた状態で複製された聖女アリスは侮れない。出来る限りの注意を」


ツヅキ
 聖女アリスの陰謀を食い止めるため、遠く離れた三都市を迷いがを通じて行き来し、オブリビオンによる殺戮を阻止しましょう。
 第1章、第2章をクリアすると聖女アリスの居場所が判明します。

 プレイングは常時募集中。
 事件の詳細はオープニングをご確認ください。
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第1章 集団戦 『猫女』

POW   :    キャットスクラッチ
【猫の爪】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    キャットクロー・ナインデス
自身の【猫の瞳】が輝く間、【猫爪でのひっかき攻撃】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ   :    キャットミュージカル
【猫っぽい歌と踊り】を披露した指定の全対象に【敵対したくないという】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。

イラスト:つむら

👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 三都市を同時襲撃するというアリストライアングル……だが、猟兵にはマヨイガを利用することができる。その扉を通じ、各地を転戦して聖女アリスの企みを阻止せよ。
 猫のようにしなやかに、影より出でて何も知らず日常を過ごす人々を狙うオブリビオンの群れがタワーの周辺に集まりつつあった……。
儀水・芽亜
今回は『アリストライアングル』の歴史再現ですね。
“聖女”アリス様には色んな意味でお世話になりました。一つ恩返しといきましょう。

「全力魔法」「精神攻撃」「範囲攻撃」で、真の姿に変身して蝶霊跋蠱。黒揚羽の群れは、猫女の好奇心を引くことでしょう。
そのまま中心である私の元までおいでなさいな。蝶に集られ意識を刈り取られながら。とどめは裁断鋏で断首して差し上げますからお気になさらず。

防衛しようとしている場所があれば、そこも調べておきませんとね。
黒揚羽の渦を引き連れて、敵の集まる場所へ赴きましょう。
万一私が傷を受けたら、回復と同時に黒揚羽の群れと体長が二倍ですよ。

オブリビオンども、蝶の群に飲み込まれなさい。



 アリストライアングル――さまざまな想いをそれぞれに抱くだろう、かつての戦いで彼女を知る者たちならば当然に。本当に色々な意味で世話になったものだと儀水・芽亜(共に見る希望の夢/『夢可有郷ザナドゥ』・f35644)は苦笑する。
「さあ、参りましょうか」
 ――色彩は堂々たる漆黒。
 蝶の薄翅を羽搏かせ、芽亜はかつての姿を真なるそれとして取り戻す。おいで。おいで……誘う蝶の舞に興味を惹かれたように、ぴくん、と猫娘の尾が真っ直ぐに立つ。
 一匹、二匹、次第に芽亜の周りを取り囲み始めた。
 気づかぬうちに意識を奪われ、斃されるために――だ。芽亜の裁断鋏はこういう時、断首のための刃と化すのである。
「防衛しようとしていた場所は……」
 群れを倒しながら、怪しい場所の捜索も忘れない。
 蝶たちはアスファルトの地面に集まり、どうやら地下が怪しいようだが……芽亜は首を傾げた。どこからか地下に降りれそうな施設でもあるのだろうか。

大成功 🔵​🔵​🔵​

龍巳・咲花
ハビタントは懲りずに暗躍してるでござるか
北と中央と南に儀式場ということは、日本全国を巻き込む大規模な魔術儀式になりそうでござるな
無論そんなものを見過ごすわけにはいかぬでござるし、一般人を傷付けもさせぬでござるよ!

タワーでは、ニ体のムシュマフの首を呼び出し、周囲や自身から生やした龍脈鎖を使ってワイヤーアクションよろしく派手に動きながら、敵を撒き付け空中に放り投げ一体ムシュマフの首の炎で焼いていくでござる
こうすれば否応でも敵の目を惹くでござろう?
もう一体には別動してもらい、目立つ拙者等を狙おうとしている個体や逃げ出そうとするものを優先的に遊撃してもらうでござるよ



「ハビタントの辞書には懲りるという言葉がないのでござるかね?」
 ふむ、と龍巳・咲花(バビロニア忍者・f37117)は顎に指を当てる。
 儀式場の場所が札幌――北、東京――中央、福岡――南なのはすぐにわかった。
 問題はその規模。日本全国を巻き込む大規模な魔術儀式といっても過言ではない、ということ。咲花はいつしか武者震いのような士気の高まりを感じた。
 誰一人として、その大切な命をリソースとして消費させるものか。
「では、往くでござる!」
 一般人の犠牲を阻止し、聖女アリスの居場所を突き止めて魔術儀式を破壊するために――バビロニア忍者、|出陣《で》る。

「ムシュマフ、双龍!」
 2体のムシュマフの首がタワーを挟んで暴れ回った。
 咲花は猫娘を龍脈鎖で絡め取り、ぐるんと何度も円を描くようにして振り回す。猫娘は面食らって悲鳴みたいな鳴声を上げる。
「にゃにゃにゃ!?」
「せっかく好き放題できると思ったのに、残念でござったな?」
 自らも龍脈鎖を命綱に、空中を軽業のように飛び交う咲花である。捕まえた猫娘を豪快に擲ち、ムシュマフの炎で焼き尽くせ。
「さあ、来るでござるよ!」
 燃え盛る炎に照らされた咲花は好奇心旺盛な彼女たちの気を惹くためのよい目印だ。
 いつしか別働していたもう1体のムシュマフが遊撃を担い、敵の逃亡も奇襲も潰してゆく。
 猫娘は好奇心を満たすどころか、咲花の鎖とムシュマフの炎を恐れて踊るのさえ忘れた。こんなはずじゃなかったのにと言わんばかりに、逃げ惑う。

大成功 🔵​🔵​🔵​

暗都・魎夜
【心情】
当時もあの手この手で学園能力者の分断を画策してくれたが、その作戦方針まで『再現』か

人手不足はどうしようもねえが、その分気合い入れていくぜ!

【行動】
UCを発動して「召喚術」100レベルモーラットを呼び出し、さらに野良モーラットの増援を呼ぶ

ダンスは得意だろうが、こいつらには効かないぜ!

「野郎ども、ここを守り切ったらおやつの時間だ!」

「勝者のカリスマ」でモーラット達を「鼓舞」
お財布持つかな、魔法のボストンバッグが欲しいぜ

戦場はそれぞれにモーラットを散らせる
自身はスカイツリー→さっぽろテレビ塔→福岡タワーをバイクに乗って「運転」で移動
「斬撃波」で現地の敵を倒していく


鈴乃宮・影華
『アリストライアングル』――
あの時も今も、マヨイガの協力が無かったら一体どれ程の犠牲が……
いえ|現在《いま》は、やるべきと思い定めた務めに集中しましょう
「――|起動《イグニッション》!」

指定UC起動
|『ミーレス』《黒服さん達》の装備は
ギターマシンガンやライフルバズーカチェーンソー剣爆破スイッチetc、割と騒々しい物をチョイス
私自身も『ウルカヌスⅡ』を装備し
物騒な武装の厳ついマッチョ集団(+私)の完成です
世界結界の影響も相まって
今の私達に近づいて来るのは騒音を聞きつけた猫共くらいでしょう
後はタワーから周辺各所へ赴き
敵を見つけ次第、爪に引っ掻かれる前に蜂の巣にしていきます



「な、なんですか、これは!?」
 猫娘は驚き、そのまま白いもこもこした物体に吞み込まれる。アリストライアングルの部隊に選ばれた市街地は、いまや大量のモーラットがあふれる戦場だった。
「どうやら、うまくいったらしいな」
 暗都・魎夜(全てを壊し全てを繋ぐ・f35256)が呟く間にもモーラットは周囲にいた野良モーラットを呼び寄せ、さらなるモーラット軍団となって猫娘を圧倒する。魎夜はよく通る声を張り上げた。
「野郎ども、ここを守り切ったらおやつの時間だ!」
「「「「「「もきゅっ!!」」」」」」
 何とも頼もしい返事である。
 魎夜が醸す勝者のカリスマで鼓舞された彼らは見事に暴れてくれた。なにしろ市街地は数において猫娘を軽く上回るモーラットでいっぱいなのだから。
「――|起動《イグニッション》」
 鈴乃宮・影華(暗がりにて咲く影の華・f35699)は指先に挟んだカードを眼前に掲げた。屈強な黒服の男たちは|派手に暴れる《・・・・・・》。
 ギターマシンガンでロックな演奏をしながら撃ち抜く、ライフルバズーカや爆破スイッチでまとめて爆散、チェーンソー剣で有無を言わさず両断|等々《エトセトラ》……モーラットと黒服が入り乱れながら|オブリビオン《猫娘》を掃討するのは壮観な光景だ。
「一般人が近付いて来る気配はありませんね」
 ウルカヌスⅡを打ちっ放しながら、影華は世界結界の効用をあらためて感じる。
「マヨイガの協力がなければとんでもないことになっていました。今も昔も、感謝ですね」
「ああ。いつかは出てくるとは思っていたが、作戦方針まで過去を『再現』してくるとはな。聖女アリス……やってくれるぜ」
 魎夜はヘルメットを被り、バイクのエンジンを噴かせた。
「移動ついでにぶった切ってやる! 人手不足は気合でカバーだ!」
「蜂の巣にしてやりますよ」
 次の戦場へマヨイガの扉を通じて飛び込んだ影華の弾幕は激しく、猫娘は爪をこちらへ届かせる前に頭から爪先まで穴だらけ、だ。
「これが私の務めです。『アリストライアングル』――何度でも撃ち破ってさしあげましょう」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

山吹・慧
やれやれ、現れましたか……。
一般人の殺戮とあれば阻止さねばなりません。
何よりもアリスさんの複製とあれば
滅さねばなりません……。
覚悟はできています、ゆきましょう。

世界結界が働いてくれる事を期待して、拡声器で
「頭の悪い猫を駆除しにきました」
と挑発して回ります。
猫は好きですが、こういう手合いは駆除一択ですよ。

敵が寄ってきたならば、【功夫】と【グラップル】による
接近戦で対応しましょう。
敵の数が多いようであれば、めんどくさいので
纏めて相手にしましょう。
敵の攻撃を誘い、UCに対して【玄武の真眼】を発動させて
【カウンター】で片付けます。
今日の僕に出会ったのが不運でしたね。


大町・詩乃
猫ちゃんは大好きですが、人々を殺めて徘徊するのなら、お相手いたしましょう!
それにミュージカルよりは猫ちゃんそのものの方が好みですし。

《神力発現》発動!
弥鶴さんからご指示あった通り、マヨイガを通じて素早く移動しながら猫娘さん達を倒して回りますよ。

私物の”ちゅーる”を開封、更に猫じゃらしで猫娘さん達の気を引きます。

寄ってきた猫娘さん達に対し、煌月に神罰・雷の属性攻撃を宿して、UC効果&なぎ払い・範囲攻撃・衝撃波で纏めて吹き飛ばしていきましょう!

相手の攻撃は心眼で予測して見切りで躱したり、天耀鏡の盾受けで防ぎます。
オーラ防御も纏います。

全てのタワーに地下施設がありますから第六感で探索してみましょう。



「聞こえてますか? 我々は頭の悪い猫を駆除するためにやってきました。ご近隣の皆さまにはお騒がせいたします」
 山吹・慧(人間の玄武拳士・f35371)は咳払いしてから、拡声器を通じて猫娘たちに挑発を仕掛ける。
「むかッ、誰が頭の悪い猫ですかッ!?」
 そうやってすぐに引っ掛かってくれるところですよ――なんて慧は心の中で思いながら手袋を嵌めた両手を静かに構え、功夫を指先にまで満たした。
 すぐに激しい取っ組み合いが始まった。時代劇でいう|殺陣《たて》みたいだ。慧を取り囲む猫娘をちぎっては投げる形で、纏めて相手する。
「うちらは猫娘であって猫じゃないのです! 猫じゃ――くんくん? この匂いは!?」
 猫娘に我を忘れさせた匂いの元をたどると、(私物の)猫用おやつを手にした大町・詩乃(阿斯訶備媛アシカビヒメ・f17458)が「おいでおいで」と手招きしている。
「まだ開封したばっかりですよ」
 ぱたぱたとねこじゃらしで駄目押しすると、猫娘は目の色を変えて詩乃の周りに集まった。
「それ、大好きなんです! ちゅー……ふぎゃあ!?」
 一瞬にして神力を発現し、戦巫女装束に変身した詩乃は煌月で迎え撃つ。雷を纏う神罰によって薙ぎ払われた猫娘は情けない悲鳴を上げた。
「だ、騙したんですね!?」
「はい、騙しました♪」
 悪びれることなく、詩乃はにっこりと微笑んで頷いた。
「猫ちゃんは大好きですが、人々を殺める悪い子は別です。ミュージカル? でもやっぱり、本物の猫ちゃんの方が可愛いですねー」
 詩乃の天耀鏡に攻撃を弾かれた猫娘は慧を狙うが、闘気の障壁に阻まれた挙句にカウンターを叩き込まれるという憂き目に遭ってしまう。
「ひゃあ!」
「今日の僕に出会ったのが不運でしたね」
 ゆらりと立ち塞がる慧の表情には、その手で|あの《・・》聖女アリスの複製を滅するという覚悟があった。
「そこをどいてもらいましょう」
「う……」
 思わず、猫娘たちが怯む。
 詩乃は迷うことなく、煌月で止めを与えた。
「弥鶴さんからのご指示は、マヨイガを通じて素早く倒して回るようにとのことでしたね。さあ、次のタワーへ参りましょう!」
 それと、地下が怪しいという話があったはずなのでそちらの様子をうかがうのも忘れない。
「地下、地下……」
 第六感を研ぎ澄ませると、確かにタワーの真下からよくない気配が感じられた。この先に何かが巣くっているのは間違いなさそうだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『廃墟の地下に』

POW   :    手当たり次第に床を調べ引っぺがせそうなところは引っぺがす

SPD   :    床を叩いたりして音や手ごたえなどで地下の空洞から扉を探す

WIZ   :    廃墟の構造を見て回り、怪しそうな場所を特定して調べてみる

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ……地下が怪しい、と誰かが声を上げた。
 何らかの隠蔽工作が施されているのか、あからさまな異常は検知できない。だが、ほのかに漂うよくない気配をたどれば、やがてタワーの地下にたどり着いた。
 さらに地下には巧妙に隠された通路が存在し、人々の知らない廃墟へと通じていたのだ。
「猟兵め! アリスさまの邪魔はさせんぞ!」
 侵入に気づいた除霊建築士のオブリビオンが襲いかかってきたことで、ここが本拠地であると判明する。聖女アリスの元へ至るためには、この除霊建築士を倒しながら彼らが執り行っている『大逆門』の儀式場所を見つけ、それを破壊しなければならない。
 どうやって探し出すか――それを考えている間にも、除霊建築士たちが襲いかかる。どうやら、ゆっくりと方法を考える時間を与えてくれるつもりはないようだ。
儀水・芽亜
これらは、劉大老に従っていた除霊建築士の成れの果てでしょうか? あの時の戦争では見かけませんでしたが。
まあ、片付けるまでです。全力で行きますよ。

竪琴片手に、「楽器演奏」「歌唱」「全力魔法」「範囲攻撃」音の「属性攻撃」「衝撃波」「マヒ攻撃」でブラストヴォイスを全方位に!
あなた方程度のオブリビオンが、私の音圧を抜けてこられるとは思わないことですね。

地下全域を、ブラストヴォイスで反響測位観測。音の反射が不審なところを「見切り」ましょう。

道は見つけました。後はその儀式場を叩き潰せばいいわけですよね。
ソプラノの歌声を高く高く。破壊の絶唱を解き放ちましょう!
誰が呼んだか『大逆門』。大人しく砕け散りなさい!



「よもや、劉大老に従っていた者たちの慣れの果てではないでしょうね?」
 儀水・芽亜(共に見る希望の夢/『夢可有郷ザナドゥ』・f35644)のかき鳴らす竪琴に合わせて歌われる|絶唱《ブラストヴォイス》。耳をつんざくような高音に倒される彼らの姿を見下ろして、やはりと記憶違いでないことを確信。あの時の戦争では見なかった顔ぶれだ。
「まあ、そういうこともありますか……いずれにせよ、片付けるまでです」
 芽亜は襲い来る魔の手を払い除けながら反響測位観測を試みる。
 大きな地下空間があるならば、音の反射が不審な場所を当たればよいというわけだ。
「やはり、より深い場所……ですか」
 全力で敵兵と応戦しつつ、階段を駆け下りる。
 まだ続いている。
 より深い、より暗い、よりたどり着きづらい……さすがに息が上がり始めた頃、芽亜はようやく儀式場と思しき場所へ繋がる扉を見つけた。
 胸いっぱいに息を吸い込み、扉を開けるために手を伸ばした。そこを開けた瞬間、聖女アリスを守る『大逆門』とやらを支える鼎を砕け散らすために。

大成功 🔵​🔵​🔵​

山吹・慧
当時の戦争のように大掛かりな事を企んでいるようですね……。
ならば、この儀式は何としても阻止せねばなりません。
アリスさんの贖罪の為にも……。

能力者のオブリビオンですか。
遊んでいる暇はありませんので容赦はしません。
【セカンド・イグニッション】を発動。
現れた敵はドリルガントレットによる【乱れ撃ち】で
片付けていきます。

除霊建築士は陰陽の気の流れを作り出すのでしたね。
ならば【集中力】による【気功法】で気を感じ取りましょう。
そして【学習力】で気の流れを把握して違和感のある場所を
探索していきます。
隠された通路はドリルガントレットで破壊して
見つけ出し、必要に応じて【トンネル堀り】で
進路を作っていきましょうか。


龍巳・咲花
地下への入り口に地下通路と、これまでの事もあるでござるし、それにこういう時の定番としては怪しくない所が怪しいといった感じでござろうか
平時の守りは薄いでござるが、いつでもどこからでも増援を集められるみたいな場所がないか探してみるでござるか

無論、その過程で襲い掛ってくるオブリビオンはしっかり倒すでござるよ!
狭い空間でムシュマフの逆鱗を使えば攻撃に足止めに目くらまし、自由自在でござる!
調べたい場所を見つけたら、別の通路にクナイと鋼糸を使った簡易トラップを仕掛けてあたかもそっちの通路に行ったみたいな偽装とか声真似でそっちに行ったぞとか陽動もしておくでござろう
ここら辺は忍者の得意分野というものでござる!



 地下は薄暗く、湿った空気に満ちている。明らかに“気”の異常な流れがあると山吹・慧(人間の玄武拳士・f35371)は肌で感じ取った。
「ここから先へは通さん!」
 風水盤や詠唱定規といった武器を手に襲いかかる除霊建築士を龍巳・咲花(バビロニア忍者・f37117)はムシュマシュの逆鱗で返り討ちにする。狭い地下道は一気に燃え盛り、呑み込まれるように後続の援軍も足止めされながら火の海にくべられていった。
「どこでござる?」
「さっきから違和感が尽きませんね……」
 慧は壁に触れ、意識を集中しながら階段を降りる。もしも当時の戦争のように大掛かりな事を企んでいるのだとしたら、何としても止めねばならない。それが過去、聖女アリスの犯した罪の贖罪であると思えばなおのことだ。
「――さらに起動せよ」
 セカンド・イグニッションの効果で増幅されたドリルガントレットは抵抗を許さず敵を屠った。
「こっちですか?」
「うむ、怪しくないところが怪しいというのは定番でござる」
 たとえば平時の守りの薄さに対していつでもどこからでも増援を集められそうな場所であるとか。咲花は別の通路へ仕掛けた簡易トラップを囮にすることで、除霊建築士たちを一か所に誘導する。
「くッ、罠か!?」
 ピンッ、と通路に張ってあった鋼糸に足がかかった瞬間、四方八方からクナイが降り注いだ。咲花は駄目押しで声真似を披露する。
「そっちの通路にいったぞ!」
「くそ、追え、追え!!」
 低い声真似で偽装された仲間の声を信じて、足音が見当違いの方向へ遠ざかってゆく。彼らが戻ってくる前に慧は一瞬だけ目を閉じて神経を集中した。
 ――どこだ?
 人為的に隠そうと気の流れは嘘をつかない。大規模な儀式が行われているのだとすれば必ず、通常時とは異なる波動を感じるはずだ。
「……そこです!」
 気の流れに乱れを生じる起点、侵入者の行く手を阻む厚い壁をドリルガントレットで壊して進んだ先にそれはあった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

暗都・魎夜
wiz
【心情】
ハビタント・フォーミュラことうーちゃん
わざわざ異世界まで追いに行ったけど、結局まだ捕らえるには至っていねえ

目的も今一つ判然としねえし、オブリビオン・フォーミュラだったゆりゆりを倒しても、まだ世界の異変は続く
手掛かり求めて戦うにしても、防戦一方ってのはキツイもんだぜ

【行動】
「人が珍しく真面目に考えてんだ、邪魔すんじゃねえ!」

「闇に紛れる」で移動しつつ、「索敵」で警戒
会敵したら「召喚術」のUCで対処する

後は「戦闘知識」を活かして、「聞き耳」「偵察」で「情報収集」

建物の構造は使うやつが使いやすいように使うもんだ
だとすれば、そこを逆にたどっていけば、『大逆門』も見つかるさ


大町・詩乃
タワーの地下を探索ですね。
ならば《神使召喚》で呼び出した眷属神さん達に探索して貰いましょう。

知覚を共有した眷属神さん達によって、除霊建築士のオブリビオンの位置を特定したり、通路や施設の位置関係から隠し部屋が有りそうな箇所を第六感・失せ物探しで当たりを付けたりします。

オブリビオンは雷の属性攻撃・高速詠唱・全力魔法・範囲攻撃による雷で纏めて倒しましょう。
相手の攻撃は高速詠唱・結界術による防御壁や、天耀鏡の盾受けや、オーラ防御で防ぎます。

近接戦では煌月でズバァッと斬ります。

人々が使う施設ですから、できるだけ破損しないよう気をつけますよ。

ここは貴方達の為の建物ではありません。
速やかにお引き取り下さい。


鈴乃宮・影華
異空間で待機中のE.N.M.Aに『デア・オクルス』を介してアクセス
|『ミーレス』《黒服さん》1体の遠隔操作を依頼
各種重火器を搭載した『轟蘭華』を背負って私に同行してもらいます

さて、向こうから襲ってくるというなら
もういっそ直接尋ねてみましょうか
指定UC起動
「聖女アリスにお会いしたいのですが、『大逆門』は何処に有りますか?」
ろくな返答を貰えないのはわかってますが、質問してしまえば後は召喚した蟲達がやってくれるのです
聞きたい事を暴露させ終えたら黒服さんに「掃除」を依頼
片づけたら判明した場所に赴き『大逆門』を破壊するだけです



 ――アクセス。
 背にいかつい武装プラットフォームを装着した黒服を引き連れた鈴乃宮・影華(暗がりにて咲く影の華・f35699)は地下に広がる網の目のような通路に辟易する。
「迷路のつもりですかね」
「随分と惑わしてくれるもんだぜ」
 モーラットにはひとまず待機を願い、暗都・魎夜(全てを壊し全てを繋ぐ・f35256)は肩を竦めた。奢ると言ったからには約束を守るつもりだが、果たして財布が持つかどうか。
「欲しいものがたくさんだぜ。魔法のボストンバッグに、ハビタント・フォーミュラことうーちゃんの手がかり……」
 魎夜は指折り数えた。
「そもそも、目的は何なんだ? オブリビオン・フォーミュラだったゆりゆりを倒しても世界の異変は戻らねえ」
 とにかく何でもいい、彼女に繋がる手がかりが欲しい。
 防戦一方ではなく、イニシアチブを握れる何か。
「眷属神さん達が何か発見したみたいです」
 大町・詩乃(阿斯訶備媛アシカビヒメ・f17458)の合図で、影華はユーベルコードを発動した。
「聖女アリスにお会いしたいのですが、『大逆門』は何処に有りますか?」
 どうせ答えには期待していない。
 これはトリガーなのだ、蟲たちに後をゆだねるための。
「誰が教えるものか!」
「|いい返答《・・・・》をありがとう」
「ひッ――」
 何か黒いものに舐め尽くされた除霊建築士は呻いた。無線LAN内蔵の黒燐蟲である。無言の尋問は言葉で脅されるよりもよほど精神的に効くだろう。
「し、下だッ……近くに通風口がある……ぎゃああああッ」
 影華が指を鳴らすと、黒服が手早く後始末する。こういう仕事ならお手の物だ。
「この階段が怪しいそうです」
 素早く紡いだ広範囲の雷撃で行く手を塞ぐ敵を薙ぎ払い、詩乃は一気に下へ降りるための階段を駆け下りた。
「先を急ぎますので、せいや!」
「ぐはッ――」
 立ち止まることなく煌月を振るい、問答無用で斬り捨てる。
 できるだけ周囲に損傷を残したくないので、敵だけに狙いをつけての踏破だ。防御結界による盾の前に足踏みさせたところへ止めを刺す。失せもの探しなら得意なのだ。通風口というヒントさえあれば勘頼りであっても大体の方向なら掴める。
 聞き耳を立てていた魎夜がにやりと笑った。
「風の吹き抜ける音が聞こえるぜ……って、人がめずらしく真面目に考えてんのに邪魔すんな!」
 闇に紛れながら、敵の視界外より解き放つのは吸血コウモリの群れ。
「こういう場所にはお誂え向きだろ?」
 当然、地下は暗いと相場が決まっている。こいつらは暗闇でこそ真価を発揮するから、存分にくらいやがれというわけだ。
「しまった……ッ」
 完全に劣勢となった除霊建築士を打ち倒し、索敵で警戒しながら先に進んだ。建物の構造は使う人間の用途に合わせて変わる。通風口が近くにあるのも、地下へ空気を取り込む必要があるからだ。
「手掛かりを逆にたどっていけば――、ほらな」
 あからさまに怪しい扉が見えた。
「ここは貴方達の為の建物ではありませんよ。さあ、速やかなるお引き取りを願います」
 詩乃は扉を守る除霊建築士を一掃し、影華が扉に手をかける。鍵はなく、押しただけで軋んだ音を上げながらゆっくりと開いていった。
「ここに、『大逆門』が……?」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『人狼十騎士『聖女アリス』』

POW   :    鮮血聖女
【鋭く伸びた犬歯による噛みつき】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【血の味】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
SPD   :    聖女の弾丸
【詠唱ライフル】から発射した【鮮血の弾丸】を、レベル回まで跳弾できる。跳弾回数に比例して命中率・致死率が向上。
WIZ   :    群狼機動戦術
戦場の地形や壁、元から置かれた物品や建造物を利用して戦うと、【詠唱ライフル】の威力と攻撃回数が3倍になる。

イラスト:ぎん太

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「『大逆門』が……?」
 まさか、と聖女アリス|を模したもの《・・・・・・》は薄紅色の唇を動かした。彼女がいるのは洋上だった。儀式のための祭壇が組まれた巨大な客船の甲板にひとりたたずむ。
 ちょうど札幌、東京、福岡を結んで出来上がるトライアングルを反対側に引っ繰り返した頂点に当たる日本海のただ中で、自らの居場所を守るための装置が破壊されたことを知ったのだ。
「ここに、来るのですね」
 儀式を邪魔させるわけにはいかなかった。
 ハビタント・フォーミュラのために。
 ……現在仕える、主のために。
儀水・芽亜
見つけましたよ、紛い物。本物のアリス様のために、その姿を砕いて差し上げます。

「騎乗」「騎乗突撃」でナイトメアライド。アリスランスに「武器に魔法をまとう」で眠りの魔法を乗せて、「ランスチャージ」からの「蹂躙」です。

鮮血の弾丸は「オーラ防御」で耐えましょう。騎兵突撃は突進力が命。ナイトメアさえ駆けることが出来れば、私には十分です。

一旦駆け抜けたら、方向転換して改めて複製体に「ランスチャージ」。体力が先に尽きるのはどちらか、チキンレースといきましょう。
弾丸を跳弾させている余裕なんて与えませんよ。一気に行きます。

守りに定評のある“聖女”アリス様の複製体とはいえ、単騎では真価は発揮出来ませんね。



「見つけましたよ、紛い物」
 儀水・芽亜(共に見る希望の夢/『夢可有郷ザナドゥ』・f35644)を乗せた|白馬《ナイトメア》は降り注ぐ弾丸をオーラで耐えつつ突進する。
 ――一直線に、聖女アリス目がけて。
「本物のアリス様のために、その姿を砕いて差し上げます」
「私がまがい物? 戯言を……」
 船の手すりや床など、鮮血の弾丸は何度も跳弾しながら芽亜を掠めていった。白馬はアリスの脇を駆け抜けた後、方向転換して再び立ち向かう。
 傷を受けるのは構わない。
 相手より、一秒でも長く立っていられたらそれでいい。
 芽亜は跳弾を待たず、電光石火で攻め立てる。魔法を纏わせたアリスランスを操り、蹂躙するかのようにそれを振るった。
「……!」
 繰り返しの猛攻に、さすがの聖女アリスも態勢を揺らがせた。
 芽亜はその変化を見逃さない。
「守りに定評のある“聖女”アリス様の複製体とはいえ、単騎では真価は発揮できませんね。さあ、一気にいきましょう!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

龍巳・咲花
◇とも取れるでござるし、一方で弓を引く様な魔術儀式陣とも取れるでござるな
線を結んで矢の先にハビタントなりフォーミュラ候補がいるとかでござろうか
まだまだ分からないことだらけでござるな
それはともかく、この儀式は阻止させてもらうでござるよ!

七体のムシュマフの首を呼び出しその一体に騎乗し戦うでござる!
空中戦を仕掛ければ跳弾の影響も低減できるでござるしな
敵に守るべき物があるならそれを狙うのが定石でござろう!
空から祭壇目掛けて拙者の手裏剣やクナイの投擲と、複数の角度からムシュマフの火炎と毒煙で飽和攻撃するでござるよ
避ければ祭壇が壊れるでござるし、迎撃するにも手が足りるでござるか?


大町・詩乃
本当のアリスさんと親しい人達にとっては許せないでしょうね。
私も色物オブリビオン化した偽物が出てきた時はぷんおこしましたし。
(分かつは言う、あれは可能性の一つであり、偽物ではないと)

犬歯が伸びるとはさすが人狼。
ですが噛みつきなど戦場格闘技では基本の一つにすぎません!
これより人狼処刑のお時間です。

相手の攻撃は第六感・心眼で予測しての見切り回避や天耀鏡の盾受けで対応。オーラ防御も纏います。

《漂耀陣》発動
結界術・高速詠唱で自身の周囲に防御結界を敷いて、近づいた火の玉は弾く。

近接戦を挑む相手にとっては動きにくい筈。
神罰・雷の属性攻撃・全力魔法・高速詠唱による貫通攻撃を相手に放ちます。

神鳴る力を受けなさい



「聖女アリス、お主の企みもここまででござるよ!」
 他に六体のムシュマフの首を引き連れた龍巳・咲花(バビロニア忍者・f37117)はそのうちの一体に騎乗して聖女アリスの待つ客船へ迫る。眼下は一面の青い海であった。
(「他の儀式場との位置関係的に『◇』の形とも取れるでござるし、一方で弓を引く様な魔術儀式陣とも取れるでござるな……もしや線を結んで矢の先にハビタントなりフォーミュラ候補がいるとかでござろうか」)
 あまりにも、ハビタント・フォーミュラに関する手掛かりが少なすぎるのだった。
 いま、どこでなにをしている?
 聖女アリスを使って企んでいることはなにか。
 これからしでかそうとしている企みとは一体――。
 それらの問いには未だ手が届かない。だが、目の前でハビタント・フォーミュラのために動いている聖女アリスを止めることができるのは今しかなかった。
「ハビタント・フォーミュラさまの邪魔はさせません!」
「あらまあ」
 大町・詩乃(阿斯訶備媛アシカビヒメ・f17458)は両目をぱちくりする。
「本物のアリスさんと彼女と親しい人たちにとっては許せないでしょうね、これは……」
「本物? 何の話ですか」
「そういうところですよ」
 詩乃は腰に手を当て、叱るみたいに言った。
「私だって色物オブリビオン化した偽物が出てきた時にはぷんおこでしたし……」
「ぷんおこ、ですか」
「ええ、ぷんおこです」
 もっとも、分かつは言っていたのだが。
 ――あれは可能性の一つであって『偽物』ではないのだと。詩乃はえいやと薙刀でその言葉を脇にうっちゃった。
「あれは|偽物《・・》なのです! さあ、あなたも退治させてもらいますよ。ただでさえやっかいなハビタント・フォーミュラが強化されるなんてごめんですもの」
「では、遠慮なくまいりましょう」
 聖女アリスの犬歯が伸びて詩乃に襲いかかる。|だからなんだというのか《・・・・・・・・・・・》。
「さすが人狼ですね」
 ですが、と詩乃はそれを躱した。
 第六感と心眼による先読みのおかげで。所詮噛み付きなど戦場格闘技における基本中の基本。オーラを纏わせた天耀鏡を盾代わりにして急所を狙う矛先を紙一重で受け流す。
「一筋縄ではいかないようですね」
 聖女アリスは片手で持った詠唱ライフルを撃ち放しながら船の影に身を隠した。
「地の利はそちらにあると言いたげでござるな。しかし!」
 ムシュマフに乗った咲花は空中戦を仕掛けることで跳弾の狙いを確実に逸らす。
 相手の得意な土俵で戦ってやるほどお人好しではないのだ。狙いは――敵が守ろうとしているもの、儀式のための祭壇そのものだ。
「しまッ……」
 咲花の狙いに気づいたアリスは祭壇を護るように弾幕を張る。だが、空から降り注ぐ手裏剣やクナイはそれをかいくぐって損傷を与えた。
「ムシュマフ!」
 一斉に火を噴く龍頭の前に、聖女アリスは臍を噛む。この場所を突き止められてしまった時点で彼女に勝ち目などありはしないのだから。
 船上を飛び交う火の玉は詩乃の《漂耀陣》による猛攻の証。
 自身を護る結界に弾かれた火の玉はどこから飛んでくるかもわからない。激しい牽制を前に攻めあぐねるアリスの元へ届かせる神罰こそ、神鳴る力。
「観念してください、アリスさん」
「く……ッ」
 神威の雷を纏った一撃に貫かれ、アリスは低く呻いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ムゲン・ワールド
【莉出瑠(f36382)と】連携アドリブ歓迎

 あれがアリスさんですか。
 彼女が敵だった頃、私は銀誓館にはいませんでしたから、こうして戦うのは初めてですね。

 お会いできて光栄です、アリスさん。どうぞ、私と踊りましょう。
 などと【誘惑】【お誘い】して口説く事で注目を集めつつ、UCを発動。
 【白銀の騎乗槍】と【詠唱アサルトライフル】を構えます。

 まずは敵の攻撃を地面を駆けて回避しつつ、悪夢爆弾とアサルトライフルで【呪殺弾】【自動射撃】で牽制。

 周囲のものを使って反撃かな? いいですよ、やって見せてください。

 莉出瑠が隙を作ったら、いななき一つ、騎乗槍で【ランスチャージ】【貫通攻撃】。反復攻撃です


有栖川・莉出瑠
【ムゲン(f36307)と】連携アドリブ歓迎

 うー、アナタ(ムゲンのこと)、また、他の女、口説いてる。
 と、いけない、いけない。あれ、作戦。私、潜んでないと。

 ※莉出瑠はムゲンを恋人だと思っている(ムゲンは莉出瑠の事を良き相棒だと思っている)

 私、マント、周囲、溶け込み、隠れる

 アリス、手近な無機物、利用しよう、したら、UC、発動。
 無機物、ワタシ自身、して、【おどろかす】【不意打ち】、アリス、体の全身、と、【蛇の尾】、使って、拘束、する。

 可能、なら、精気貪って、行動力、奪う。

 アナタ、背中、乗る。アナタ、反復攻撃、加わって、【アリスランス】、【ランスチャージ】【貫通攻撃】、する。



 海風が強い――ムゲン・ワールド(愛に生きたナイトメア適合者・f36307)は目を細め、修道服にマシンガンという異様な姿の聖女を見つめた。
「あれが、アリスさん……」
 噂に聞く聖女は本物を知らないムゲンにとって、ひどく新鮮なものに感じられた。
「お会いできて光栄です、アリスさん。どうぞ、私と踊りましょう」
 優雅に一礼してダンスに誘うムゲンを有栖川・莉出瑠(サキュバス・キュアのパーラーメイド・f36382)はマントで周囲に溶け込んだ姿で見守っている。
「うー、また、他の女、口説いてる」
 ムゲンはなぜ莉出瑠が拗ねているのか、きっとわからないだろう。文句を言いたいけど、今は作戦の最中だから、莉出瑠はちゃんと潜んでいなければならないのだ。
「……是非」
 アリスは薄っすらと微笑み、銃器の引き金を引いた。誘惑に乗った。ムゲンは姿勢を低め、槍と自動小銃を構えたまま戦場を駆ける。狙いが逸れ、当たらなかったアリスの弾丸が船の手すりを掠めた。
 その直後、ムゲンの放った悪夢爆弾と呪殺弾が炸裂する。
「さすがですね」
 客船の最上部へ駆け上ったアリスは、銃でポールの根元を撃ち抜いた。ムゲンに向かって鋼鉄製のポールが倒れて来る。
「なるほど、そう来ましたか。でも――」
「え?」
 何が起こったのか、一瞬、アリスはわからなかったはずだ。ムゲンに向けて倒したはずのポールが莉出瑠に変身して、そのまま彼女に蛇の尾を絡めながら捕まえてしまったのだから。
「しまった!」
「これで、もう、動けない」
 分身に生気を貪り喰らわせ、莉出瑠はナイトメアと一体化したムゲンのために道を譲った。高らかないななきと共に突進するムゲン。
「くッ……」
 ランスチャージで腕を貫かれたアリスが苦痛に呻いた。
「まだ、続く、よ」
 ムゲンの攻撃に加わった莉出瑠も、同じくアリスランスを使っての激しい突撃を繰り出した。ふたりの挟撃による反復攻撃がさらに聖女アリスを追い詰めてゆく……!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

暗都・魎夜
【心情】
当時の聖女アリスは『伯爵』の下僕だったわけだが、今回はうーちゃんの下僕として自意識を持ってるわけか
そうなると、主のために何をするかなんて想像もできない
まともに頑張っている本物アリスのためにも、札幌・東京・福岡の人のためにも、負けてやるわけには行かねえな

「(誰何の言葉に)俺は通りすがりの能力者さ、覚えておきな! イグニッション!」

【戦闘】
「何のため、とは聞かねえさ。俺は俺のため、あんたを止める」

UCを発動して鮮血の弾丸を「残像」「見切り」で回避
周りに情報を伝達
「リミッター解除」「限界突破」で「斬撃波」による攻撃

「クルースニクのアリスだったらともかく、吸血鬼のあんたに負ける気はしねえ」


鈴乃宮・影華
やれやれ、よもや海の上とは……
こんな船何処から調達して来たのやら

引き続き同行してもらっている|『ミーレス』《黒服さん》に
背負わせた『轟蘭華』や搭載中の『R.I.P』『ラドン』を
儀式場の破壊も兼ねてぶっ放してもらいます
私自身は『黒の葬華』から斬撃波で攻撃
聖女様からは凄い機動から凄まじい射撃が飛んできてますけど
ある程度なら黒服さんのマッチョボディに庇ってもらえますし
「周囲の環境を利用できるのは、貴女だけではありませんよ?」
指定UC起動
そこら辺の床や壁から鉄筋製の杭を生やしたり
彼女の足場をトラバサミ等の即席罠に変えたりします

お覚悟を
|貴女《本物》の心の安寧の為に、|貴女《模造品》を討ちます



「やれやれ、よもや海の上とは……」
 鈴乃宮・影華(暗がりにて咲く影の華・f35699)は呆れたように呟いて眼鏡を押し上げる。
「こんな船、何処から調達して来たのかしらね。ほんと謎だわ――黒服さん」
 呼ばれたのを合図に『ミーレス』は重火力による武装を一斉解放。儀式場ごと火の海と化した戦場を影華の斬撃破が迸る。
「企みもここまでよ、聖女様」
 アリスが唇を噛んだ。
 激しい弾幕から影華の身を守るため、『ミーレス』は筋骨隆々の身体を盾にする。
「ハビタント・フォーミュラさまのため、ここは譲れません!」
「なるほどな。今は『伯爵』じゃなく、うーちゃんの下僕として自意識を持ってるわけか」
 暗都・魎夜(全てを壊し全てを繋ぐ・f35256)はなるほどと頷いた。となれば、聖女アリスのことだ。主のためには犠牲も厭わずに目的を遂行しようとするだろう。
「つまり、何をするかなんて想像もできない。負けてやるわけには行かねえな」
 この一戦にさまざまな人たちの未来がかかっている。アリストライアングルの現場に選ばれてしまった三都市の市民たち、それにまともに頑張っているであろう本物のアリスのためにも――だ。
「なぜ邪魔をするのです」
 立ち塞がる魎夜にアリスが尋ねた。
「何者? まさか……」
「そうさ、俺は通りすがりの能力者。――覚えておきな! イグニッション!」
 鮮血の弾丸は魎夜を外れ、残像だけを貫いて海の彼方へ消えてゆく。
「なぜ!?」
「|知ってるからな《・・・・・・・》」
 剣を握る手に力がこもる。
 リミッター解除、全力全開だ。
「何のため、とは聞かねえさ。俺は俺のため、あんたを止める」
 ――直後、恐るべき斬撃波の奔流がアリスに襲いかかった。躱しきれない。しかも、同時に影華も動いていた。
「周囲の環境を利用できるのは、貴女だけではありませんよ?」
「!」
 突如、船上のありとあらゆる無機物が黒燐蟲の群体へと変換される。しかもそれだけに留まらなかった。
「罠――!?」
 黒燐蟲はトラバサミに姿を代え、アリスの足首に噛み付いたのだ。その上、床からも壁からも突き出した鉄筋製の杭などで動きを封じにかかる。逃れられない。
「く……」
 呻くアリスに魎夜は当たり前のような顔で言ったのだ。
「クルースニクのアリスだったらともかく、吸血鬼のあんたに負ける気はしねえ」
「お覚悟を」
 影華もまた、容赦なく宣告する。
「|貴女《本物》の心の安寧の為に、|貴女《模造品》を討ちます」
 ……船上で爆炎が上がった。
 『ミーレス』を風除けにした影華は風に煽られる髪を抑え、アリスがいたはずの場所を振り返る。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

山吹・慧
愛する人の複製を討つというのも
少々キツイものがありますが、
彼女が背負った十字架に比べれば
全然大した事ありませんね……。

あなたは彼女の忌まわしき過去……。
僕はこの命も魂も彼女に捧げた身……。
彼女の笑顔の為、彼女に代わって
この場で抹消させてもらいますッ!

複製の攻撃を【グラップル】の技術と
【ジャストガード】【残像】で凌ぎながら
【エネルギー充填】を行っていきましょう。
充填が完了したならば攻撃に転じ
【光輝聖天】を発動させます。
「アリスの未来の光明の為にッ!」
そしてエンジェリックウィングの
光の【羽を飛ばす】事で怯ませてから
【集中力】による【気功法】で高めた【衝撃波】を
【リミッター解除】して放ちます。

複製は所詮複製でしたか。
僕の命も魂も奪う事は出来ませんでしたね。
本物のあなたはこの魂が燃え尽きるまで
支えますから安心して下さい。
おやすみなさい、永遠に。



 ――聖女アリス。
 重い十字架を背負った貴女のことを思えば、山吹・慧(人間の玄武拳士・f35371)はどのような苦痛にも耐えられる。
 たとえそれが愛する人の複製を討つ……という重く圧し掛かるような責任であったとしても、必ずや。
「あなたは彼女の忌まわしき過去……」
 握り締めた拳に満ちる、極限まで練り上げた我が功夫。
 慧はアリスと向かい合い、アリスは牙を剥いて飛びかかるための態勢をとった。
「僕はこの命も魂も彼女に捧げた身……。彼女の笑顔の為、彼女に代わって、この場で抹消させてもらいますッ!」
 聖女の姿をかなぐり捨て、噛みつく牙を慧は受け流すようにして凌いだ。残像に惑わされ、こちらを見失っている間に反撃の準備を整える。
 功夫を宿す拳から陽炎のように立ち昇る闘気――指先にまでそれが満ちた瞬間、慧は真の姿へと変身した。
「!!」
 ただならぬことが起きるのだと、本能で察知したのだろう。アリスはその場に踏みとどまり、防御を固める。だが、慧の翼が眩く羽搏き、羽が降り注いで彼女の守りを強引にこじ開けた。
「アリスの未来の光明の為にッ!」
 集中せよ。
 ここで完遂できねば、あの儀式が完成すればハビタント・フォーミュラは新たなる力を手に入れるのだろう。己が――己の複製がそのような悪事に加担したと知れば彼女はどう思うだろうか。何を感じるだろうか。やはり苦しむに違いない。まるで自分がそれを為したも同然の如く。
「そんな思いはさせたくないのです。だから――!」
 限界まで高まった気功法を衝撃波と変え、慧はアリスの複製を全力で打ち据えた。
「う……ぁ――ッ」
 消えてゆく。
 複製は虚の存在らしく、無へと……慧は元の姿を取り戻して息をついた。
「僕の命も魂も奪うことは出来ませんでしたね」
 本物の|あなた《・・・》へ捧ぐ、この想い。魂が燃え尽きるまで支えると誓おう。
「ですから安心してください。そしておやすみなさい、永遠に」

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年02月29日


挿絵イラスト