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エバーライフ:臓器売買のブタイウラ

#サイバーザナドゥ #龍爪公司 #エバーライフ #宿敵撃破

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●メガコーポからの依頼
「おはようございます、猟兵の皆さん」
 グリモアベースに集まった猟兵達に、提示される一本の映像。
 モニターの向こうには、どこかのオフィスで撮影された録画……そして、そこで優雅に一礼する、黒髪を2つシニョンにまとめたスーツ姿の女性。
 それはサイバーザナドゥからの、依頼の証である。
「今回もはじめましての方がいらっしゃるでしょうから、自己紹介から始めましょう。私はメガコーポ、龍爪公司の|特級社員《カンパニーマン》、リー・ロンファです。皆さんへ事件解決の依頼をしたく、こうして連絡を取らせて頂きました」
 サイバーザナドゥを支配し、滅びへと向かわせる数多の|巨大企業群《メガコーポ》。それは、猟兵達が戦うべき敵である。
 だが、そのメガコーポの一角、華僑系|複合企業《コングロマリット》である龍爪公司に所属するロンファは、猟兵の力に目を付けた。こちらに敵対メガコーポの計画情報を流し、その阻止を依頼する。それが彼女のやり方である。
 猟兵達にとっても悪い話ではない。どのみちメガコーポの計画は潰し、人々を救わなければならないのだ。それに、依頼を受ければ高額な依頼料も支払われる。
 もちろん、相手はメガコーポ。いずれはこの関係に破綻が来るだろうが……今の所、仮初の『良好』な関係は続いていた。

「さて、今回は皆さんにメガコーポ『エバーライフ』の工場に潜入して頂きたいのです」
 エバーライフは、サイボーグ用人工臓器の開発・販売を行っているメガコーポだ。位置づけとしては、医療系と工業系の中間と言った所だろうか。
 基本的に全ての住民が身体のどこかを機械化義体に改造しているこの世界においては、人工臓器の需要はかなり高い。
「と、言うのは表向きの話。エバーライフが行っているのは、人工臓器の『開発』ではなく『複製』なのです」
 優れた臓器を持つサイボーグを襲撃して殺害、その臓器を奪う。それをオリジナルとして複製を行い、表に裏に販売する。それがエバーライフのやり口である。
 高額な投資を行って新型臓器を開発するより、ある所から奪って来た方が安上がりで確実。効率的だが、非道極まりない。
「そしてそのエバーライフの工場に、どうやら私の部下が囚われてしまっているようなのです」
 メガコーポの重役であるロンファは、情報と言う物を重視している。そもそもロンファと猟兵の長い付き合いも、サイバーザナドゥとグリモアベースが繋がった直後に、それを彼女が察知してのこと。
 その情報源の一つである諜報部員――リンリーと言う名の女性社員が、素性を暴かれ捕らえられてしまった、と言う事のようだ。
「おそらくは彼女の持つ情報を抜き出そうとする筈なので、すぐに殺されると言う事はないでしょう。ですが遠からず、殺害され、臓器を抜き取られてしまうはず。そうなる前に皆さんには、臓器工場からその社員を救出して来て欲しいのです」

 諜報部員は、工場のどこかに囚われている。まずは工場に潜入・あるいは突入し、その場所を探し当てる必要がある。
 隠密行動で探索を行っても良いし、知っていそうな人を探しても良い。あるいは陽動として真っ向から襲撃を行う事で、探索を行う仲間のサポートを行うのも良いだろう。
 もちろん、セキュリティや警備を突破する必要も有るかもしれない。
 ただし、工場で働いているのは、強制労働力として捕らえられた一般人達だ。彼らを傷つけたり殺したりしないようにする配慮は、必要となるだろう。
「方法は皆さんに一任します。それぞれ、やりやすい方法も有るでしょうからね。可能な限り生存したまま連れて帰って頂きたいですが、もし殺害されていた場合は死体だけでも持ち帰ってください」
 これは、いざとなれば殺して口封じしろ、と言う意味合いもあるだろう。もちろん、積極的に殺して欲しい訳ではないだろうが。

「さて……今回の一件にはおそらく、公司の『反猟兵派閥』が一枚噛んでいる可能性が高いです」
 超巨大複合企業である龍爪公司は、猟兵を利用して友好的な関係を保とうとするロンファの派閥と、猟兵を積極的に排除しようとする敵対派閥で対立している。
 昨年末以降、敵対派閥はロンファへの攻撃を強めているようだ。前回は直接ロンファの暗殺を図って来たが、今回はロンファの情報源を断つ事で、諜報戦で優位に立とうと言う所か。
「メガコーポの諜報員を助ける事に思う所がある方もいるかもしれませんが、反猟兵派閥の思い通りになる事は、皆さんとしても不都合でしょう。これもお互いの未来のため。皆さんの力をお貸しください」
 そう言ってロンファは完璧な営業スマイルで、通信の最後を締めくくった。

●くるるからの補足
「と、言う訳で。これが今回の依頼になる訳だけども。今回も、彼女からの依頼におおよそ嘘はない事は、グリモアの予知で保証するよ」
 映像を流し終えた後、グリモア猟兵、鏡繰・くるる(属性過積載型バーチャル男の娘・f00144)は、猟兵達にそう補足する。
「で。依頼はこれだけなんだけど……ボク達としてはまあ、普通に臓器改造工場を放置して帰るってのも寝覚めが悪いよね」
 サイボーグを殺して奪った臓器を、量産する工場。捕らえられ、強制的に働かされている多くの労働奴隷。
 まあ当然、放っておくべきではない。
「という事でキミ達にはついでに、この工場をぶっ壊してきて欲しい!」
 こちらの破壊活動に対しては、『サイバークノイチ』達、そしてエバーライフの社長秘書である『イザナ・ミカ』が迎撃に出てくる。彼女達を倒せば、工場破壊を妨害する者はいない。
 ただし当然だが、戦闘時は労働奴隷達を巻き込まないようにする配慮が求められる。相手の方は自社の財産を積極的に傷つける事はないようだが、流れ弾まで気にしてはくれないだろう。
「ロンファや公司との関係も大分長く、深くなって来た。今後、あっちの内部抗争が激化していく中で、どう付き合っていくかは悩み所だけど……」
 そう言ってくるるは、少し考え込むように首を傾げ。そして猟兵を見回し、頷いた。
「まあとにかく、今回は奴隷工場を放置する訳にはいかないからね、そこをきっちりこなす事を考えよう。それじゃあ、良い知らせを待ってるよ!」


一二三四五六
 1月戦争が予想外だったので、まだまだ公司との付き合いは続く。

 ごきげんよう。この後どうしようね? 一二三四五六です。

 龍爪公司は、華僑系の|複合企業《コングロマリット》です。兵器からゆりかごまで、扱わない商品はないと言われる程、業務内容は多岐に渡ります。本来利益最優先で人道は二の次三の次ですが、親猟兵派閥に関しては、猟兵への配慮としてある程度は考慮します。
 優秀な社員は随時募集しておりますので、カンパニーマンの方は『自分は龍爪公司の社員だ』と主張しても構いません。ご自由にどうぞ。
 なお、依頼人のロンファさんは、こんな感じ(https://tw6.jp/gallery/?id=160703)の容姿です。
 過去の関連依頼はタグからどうぞ。もちろん、今回の依頼に参加する上で、把握している必要は一切ありません。

 今回は救出任務です。なんかいい感じに潜入するなり突入するなりして、工場のどこかにいるリンリーさんを助け出してください。
 そのリンリーさんをどう扱うかは、プレイング次第です。プレイング同士で扱いが対立した場合、判定によって結果を決定するので予めご了承ください。
 なお、リンリーさんの容姿についてはロンファから提供されますが、『龍爪公司の社員』であるPCは顔見知りである事にしても構いません。

 その後は、労働奴隷を守りながらの戦闘になります。リンリーさんは自衛するぐらいの能力はあります。

 それでは、皆様のプレイングを楽しみにお待ちしています。
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第1章 冒険 『現地協力者を救出せよ』

POW   :    火力で追手や監視を蹴散らす

SPD   :    ハッキングや破壊工作で撹乱

WIZ   :    誘惑して敵の目を惹き付ける

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
救出、了解ですぅ。

『FLS』により|全『祭器』《未装備品含》を召喚、以降常時使用可能な状態にしまして。
【幽測】を発動して『女神の波動』を纏い、『機械での探知』が視聴嗅覚以外となる可能性に備え『FES』で「対電脳属性」の結界を展開しますぅ。
後は『FBS』の飛行と『FIS』の転移で潜入、『波動』による『記憶』『情報』奪取と『FPS』の探査を組合わせ捜索しましょう。
パスコード等は『記憶』から得ても、『FPS』で先を調べ『FIS』の転移でパスしても良いですぅ。

発見後、先に備え『FQS』と『FXS』で負傷や精神状態を治癒しますねぇ。
何か運び出す方法のある方が居たら、護衛は其方に。


八咫烏・みずき
【アドリブOK】
優れた臓器を奪う…
私の心臓が…何か気配を感じている…
(静かな怒りが心臓にこみ上げてくるのを必死でこらえている。姉であるはづきの命が奪われた理由なのではないかと考えている。)

人助けになるならやるべきね。
気配や足音を消しつつこっそりと侵入するわ。

監視カメラや感知センサーにはユーベルコードでのハッキングを行って、怪しい人間が通らない偽の映像を写してもらってゆうゆうと侵入させてもらうわ。

敵は近い…なるべく素早くやらないと


ネフラ・ノーヴァ
血を拝借する身としては臓器略奪の是非をとやかく言わないが、美しさには欠けるものだね。それに金銭を惜しんでの事では尚更だ。
しかしロンファ殿の立場なら切り捨てるがリスクを最小限になると考えるが。
まあ、囚われの姫は救い出すものだ。
潜入には温度センサーを警戒して透明化ではなく水銀化のUCを用いる。気密されていない場所なら容易に入り込めるだろう。他の猟兵が騒いでいればそれに乗じるも良し。
ああ、無事救い出せば口付けのひとつでも望もうか。


岩社・サラ
アドリブ共闘歓迎

敵施設への潜入そして救出ですね。状況は了解しました。

この世界の施設であれば監視カメラやセンサーと言った各種セキュリティは当然存在しているでしょう。
なのでUCによって効力を高めたフルフェイスマスクを使用してセキュリティシステムへのハッキングを行いつつ敵に悟られないように進んでいきますね。

うまくシステムに入り込むことができれば、救出対象の諜報員がどこに囚われているのかという情報も手に入れることができるでしょしね。

しかし、開発するコストを抑えことができるとはいえ、やり口はもはや反社のそれですね…
改めて思うのですが、メガコーポが業務としてそういった事を行うのは色々と凄まじいですね。



 ロンファからの依頼を受け、エバーライフの工場を訪れた猟兵達。各々の手段を用い、工場内へ潜入する。
 例えば夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は神器を用いた短距離転移で、工場内に侵入した。その身体は女神の波動を纏う事で、視聴嗅覚での感知を無効化している。
 ボス戦級オブリビオンならともかく警備員程度なら、この感知防御を掻い潜る事は不可能だろう。当然、それ以外の感知機能を持つ機械での探知には通用しないが、ただの機械ならば、神器の結界でも十分どうにかなる。
「さて、救出ですね、了解ですぅ。どこにいらっしゃるでしょうかぁ」
 その呟きも女神の波動によって遮断され、外に聞こえる事はない。その波動をさらに広げていくと、近くを通りがかる警備員に触れさせて。
 こちらも警備員程度が相手なら、知識を抜き取ることは容易い。もっとも――。
「……ハズレですねぇ」
 全ての警備員が、囚われたリンリーの場所を知っているとはいかないが。敵対メガコーポの諜報員となれば、それなりに重要度の高い場所に監禁されているのだろう。
 とはいえ、それもまた貴重な情報ではある。少なくとも警備員が普通に行き来出来るような場所には、リンリーが捕らえられてはいないようだ。
「とすると、奥ですかねぇ」
 足音の遮断されているが念のため、ふよふよと低空飛行しながら通路を進むるこる。監視カメラやセキュリティに対しては、対電脳結界を張る事で対処を図り――だが、そもそもそれらの機器は、ほとんどまともに機能していない。
「敵施設への潜入、そして救出ですね。この世界はやりやすくて良い」
 それらに対処しているのは、岩社・サラ(岩石を操る傭兵・f31741)だ。フルフェイスマスクの機能をユーベルコードで拡張する事で、ハッキングの効力を高めてセキュリティを無力化する。
 サイバーザナドゥは優れた機械文明ではあるが、それゆえに、機械に対処すればどうにでもなる。今頃監視カメラには、『正常』な映像が流れ続けている事だろう。
 逆にその監視カメラの映像をマスク内部に投影し、警備員の接近を察知すればルートを変えて進んでいく。
 一方、同じように八咫烏・みずき(静かなる復讐鬼・f36644)もまた、自身の人工心臓を使って施設へのハッキングを行っている。
 だが、心臓の鼓動が強く響くのは、ハッキングのために心臓を活性化させているから、だけではない。
「優れた臓器を奪う……私の心臓が……何か気配を感じている……」
 彼女の胸に収められた『女神の心臓』は、姉の心臓の、劣化品だ。エバーライフのやり口は、関連性を感じざるを得ない。
 勘違いならそれで良い。だが、そうではないと、直感が鼓動を早くする。……それを抑えるように、深呼吸を一つ。
 どれほどの焦燥も切迫も、ここで失敗していい理由にはならない。あくまで行動は冷静に。神経を研ぎ澄ませながら、ハッキングを続けていく。
「敵は近い……なるべく素早くやらないと」
「では、手分けしましょうか」
 そんなみずきとサラによって、2人がかりで機器へのハッキングを行っていく。そうして逆に引き出した監視カメラの情報を見て、小さくため息を零すサラ。
「しかし、やり口はもはや反社のそれですね……」
 目に止めたその映像は、臓器工場のラインだ。作業着に身を包んだ労働奴隷が、人権を無視され、懸命に作業を行っている。
 開発するコストを抑えことができるとはいえ、非人道的も良い所だ。だがそれを犯罪組織ではなくメガコーポが、業務として行っていると言うのだから。
「改めて思うのですが、色々と凄まじいですね」
「それが、メガコーポ……」
 マスクの下で眉を寄せて呟くサラに、この世界の住人であるみずきが答える。まあそのメガコーポの諜報員を助けに行こうとしている、と言うのだから、その点はなんとも複雑だが。

(「血を拝借する身としては、臓器略奪の是非をとやかく言わないが……」)
 そんな2人とはまた別ルートで潜入しているネフラ・ノーヴァ(羊脂玉のクリスタリアン・f04313)も、エバーライフのやり口には物申したい事がある。
 彼女は倫理観、と言う観点については、そこまで重視している訳ではないが。
(「美しさには欠けるものだね。それに金銭を惜しんでの事では尚更だ」)
 彼女が拘るのは、己の美学。その観点で言えば、エバーライフは間違いなく失格だ。
(「その点、囚われの姫を救い出す、と言うのはなかなかロマンがあって良い」)
 ロンファの立場からすれば、切り捨てる方がリスクが低いようにも感じるが。まあその辺りの事情は、考える者が考える事だろう。……そんな思考を巡らせていると、警備員とすれ違った。だが、特に相手が反応する事はない。
 それもその筈。今の彼女は、自身の身体を水銀に変えている。よほど注意深く見なければ、彼女を不審に思う事は不可能だ。
 仮に注意深く見られたとしても、すぐに隠れてしまえば良い。どんな隙間であろうと、今の彼女にとっては自在に侵入出来る。
「データがないのはこの辺りですね……監視カメラの警戒も濃いですし」
『……おっと?』
 そうして探索を続けているうちに、工場の奥のエリアへと潜入するネフラ。サラやみずき、そしてるこるも、それぞれのルートから、同じ場所に集まって来た。ハッキングで監視を無力化した上で、合流してその先に進んでいく。
 その先には閉ざされた扉があったが電子錠は同様に無力化し、水銀化と転移で中に入り込んだネフラとるこるが、物理鍵も容易く解錠する。
 部屋の中心では椅子に縛り付けられている女性……写真にある通りのリンリーが、ぐったりと俯いていた。
「だ、誰……」
「ロンファさんからの依頼で、助けに参りましたぁ」
 顔を上げたリンリーはこちらを警戒するが、波動を解除したるこるが名乗れば、ある程度は緊張を解く。
 縛られていた鎖はネフラが断ち切ると、抱き起こして。
「救けに来た報酬に、姫の口づけでも欲しい所だが……んっ♪」
 その言葉に躊躇わず、唇を重ねるリンリー。目の前の相手を利用しなければと言う素早い判断を下すのは、諜報員として優秀な証だろう。
「これで良いですか? お願いします……どうか、力を貸してください」
 ロンファの元に帰らなければと、唇を離して真摯な表情で願い出るリンリー。ひとまずこれで、最初の目的は完了だ。
 あとは彼女を連れて帰還する――前にまだ、やるべき事がある……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『クノイチエージェント』

POW   :    サクラトルネード
自身の装備武器を無数の【桜】の花びらに変え、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    フォトンスリケン
自身が発射した【光粒子の手裏剣】の軌道を、速度を落とさずレベル回まで曲げる事ができる。
WIZ   :    フブキストーム
レベルm半径内に【猛烈な吹雪】を放ち、命中した敵から【熱】を奪う。範囲内が暗闇なら威力3倍。

イラスト:えんご

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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 リンリーを救出し、奥の区画を脱出した猟兵達は、工場の作業ラインに向かう。今回のもう1つの目的は、この工場を破壊し、働いている労働奴隷を救出する事だ。
 どの道、重要度の高いリンリーを救出した時点で、どう取り繕っても侵入が露呈するのは間違いない。ならばそれより早く、行動を起こした方が良い。
「侵入者ですって……いつの間に……!?」
「龍爪公司の手の者ですか……!?」
 工場のラインに控えていたのは、サイバーニンジャのオブリビオン『クノイチエージェント』達。工場の破壊を阻止し、リンリーを奪還すべく、猟兵達の前に立ちはだかる。
 労働奴隷達を救出するには、まず彼女達を撃破しなければ。
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
このまま強襲と参りましょう。

[範囲攻撃]に労働者さん達が巻込まれると厄介ですねぇ。
『FLS』の空間歪曲で攻撃を防ぐと共に、【卛囙】を発動し『神気』を帯びましょう。
これで『時空&因果律干渉』と『祭器』各種で相手の行動を妨害出来ますから、変化直後の『花弁』を『FES』の炎結界で彼女達を包んで外に出る前に焼くなり、『因果律干渉』で命中を失敗させる等の方法を併せて無効化しますねぇ。
後は、相手の行う『防御・回避行動』を『因果律干渉』で失敗させつつ、労働者さん達を巻込まない位置の相手は『FRS』『FSS』の[砲撃]で、危険のある位置の相手は『FBS』による斬撃で、其々叩きましょう。


八咫烏・みずき
【アドリブOK ピンチ描写希望】
龍爪公司は関係ないわ。
私は人助けをしに来て、ついでにここを潰しに来たのよ。

労働者を襲わせるわけには行かないわね
敵の攻撃を爪で弾いて戦うわよ
こっちにひたすら注目を集めさせながら戦うのが最適ね…
とはいえ、流石に数が多いとやっかいね…

(敵から自分の体を値踏みされつつ猛攻を受ける。外側も内側も劣化品ばかりだと言われる)

…そうやって人をものとしてしか考えない…そういう人の集まりってことね…

(ユーベルコードを発動!敵をひたすらに切り刻んでいく、)
教えてあげる…劣化品の実力をね!


岩社・サラ
アドリブ共闘歓迎

さて、残るは工場の破壊ですね。まずは警備のオブリビオンを撃破していくことにしましょう。

敵は周囲にいる囚われた労働者たちを積極的に活用する様子はないようですし、近くにいる人たちに物陰に隠れたり離れたりするよう警告しつつ敵と交戦していくとしますね。

工場の機械を盾にしつつカスタムカービンを用いた狙撃で敵を排除していきますが、敵UCは遮蔽物に隠れた程度では花びらを完全には防ぎきれないという点が厄介ですね…

ここはUCを発動し攻撃回数を代償に装甲を強化したグラウンドゴーレムを召喚するとしましょう。
ゴーレムで私の体全体を覆うことができれば花びらを操る術であっても防ぎ切ることは可能なはずです。


ネフラ・ノーヴァ
緊急の場で躊躇なく口付け頂いたのは有難いが、少々雑であったかな。
まあ良い。主のもとへ無事送り届けよう。

攻撃があれば工場内の設備をバリケードに凌ぐ。
桜吹雪とは美しいが避けがたいか。ならば肉弾戦に持ち込みUCで敵の内臓を抉り取る。ああ、奪われる気分は如何かな?

奴隷の中には恐怖に支配され逃げようとしないものもいるだろうか。ならば私の魅力で応じさせよう。



「龍爪公司は関係ないわ。私は人助けをしに来て、ついでにここを潰しに来たのよ」
「ふん、これだから猟兵は。よくもそのような世迷言を……!」
 相手の誰何に対して毅然と言い返す八咫烏・みずき(静かなる復讐鬼・f36644)に対して、舌打ちしながら獲物を構えるクノイチ。
 その指で印を組めば桜の花弁が舞い、当たり一面に撒き散らされる。
「労働者さん達が巻き込まれると、厄介ですねぇ」
 その範囲攻撃に対抗し、女神に対して祈りを捧げるのは夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)。周囲に神気を張り巡らせる事で、因果律を操作し、確率に干渉する。
 元より、クノイチ達の狙いは猟兵のみ。流れ弾への配慮は全くないが、それを外させるだけなら大した力は必要ない。
「このまま強襲と参りましょうかぁ」
「ちっ……無駄よっ!」
 労働奴隷達から花びらが外れるように操りつつ、周囲の空間を歪曲して自身への攻撃を阻害する。それに対してクノイチ達は、さらなる花弁を展開する事で、こちらを呑み込もうとして来て。
「数が多いと厄介ね……けど、労働者達に手出しはさせない……」
 このまま距離を取っていても、花弁に飲まれるだけ。そう判断したみずきは、機械肢から光粒子の爪を展開し、花弁を切り払いながら一気に間合いを詰める。
 当然、全ての花弁を払い切れる訳ではない。触れた部分が切り裂かれれば、生身の部分からは血が流れ出す。
「くっ……」
「ふん、商品にする価値もない劣化品ね……」
 痛みに声を漏らすみずきの、そのサイボーグの身体を値踏みして嘲笑うクノイチ達。さらなる花弁が殺到し、みずきの身体を呑み込んで。
「さあ、廃品を処理してあげる!」
「……そうやって人をものとしてしか考えない……そういう人の集まりってことね……」
 だが、花弁の中に消えたみずきの声が、静かに響き渡る。直後、閃光が一度、二度と煌めいて……断ち切られる、クノイチの身体。
「がっ……な、に……!?」
「教えてあげる……劣化品の実力をね!」
 閃光の正体は、みずきの光爪。彼女の命の危機に反応し、その心臓が一気に出力を上げていく。
 過剰光を溢れさせ、敵を容赦なく切り裂く刃。そこから逃れようと後退するクノイチ達だが――そのうちの1人の口から、鮮血が溢れる。
「か、はっ……!?」
「さて。臓器を奪うのがそちらのやり口のようだが」
 そのクノイチの腹に突き刺さっているのは、ネフラ・ノーヴァ(羊脂玉のクリスタリアン・f04313)の右手。羊脂玉のその手が硬質化する事で、肉を貫き、背後から内臓を握り締めて。
「ああ、奪われる気分は如何かな?」
「……ごぼっ……!?」
 問いかけへの返答は、言葉ではなく、大量の吐血。そうして赤く濡れた指を、ネフラは己の唇にそっと当てる。
「それにしても。緊急の場で躊躇なく口付け頂いたのは有難いが、少々雑であったかな」
 リーリンからのキスを思い出し、軽く肩を竦めてそう呟き。まあとはいえ、受け取ったのだから返すのが流儀ではある。
 改めて次のクノイチに狙いを定めると、鮮やかな血でルージュのように濡れた唇が笑みの形を刻む。それを警戒するクノイチだが――そこに撃ち込まれるのは弾丸。
「がっ!?」
「工場の破壊のためにも、まずは警備を排除するとしましょうか」
 それを撃ち込んだのは、岩社・サラ(岩石を操る傭兵・f31741)だ。工場には遮蔽物となる機械が山程あり、そこに隠れてアサルトカービンで狙撃する。
 先程、突然ネフラがクノイチの背後から現れたのも、当然同じ仕組みだ。遮蔽に隠れたまま弾丸を続けざまに撃ち込み、相手を倒しながら、周囲の労働奴隷に呼びかける。
「皆さん、巻き込まれないように物陰に隠れてください」
「……あ。あ、ああっ。わかった」
 労働奴隷達は突然の出来事に呆然と立ち尽くしていたが、促されると慌てて、物陰に飛び込んでいく。だがクノイチは花弁を溢れさせ、隠れているサラを一気に呑み込もうとして来て。
「殺してあげるわ、猟兵……!」
「ふむ、なるほど。これは厄介ですね」
 隙間を縫いながら、大量に殺到してくる花弁。こうなっては遮蔽など何の意味もなく、だがサラは冷静に銃を降ろすと、代わりに懐から魔石を取り出す。
 一見すればただのコンクリート片だが、そこに篭められたのは土属性の魔力。それを解放する事で、サラの身体に岩が纏わりついていく。
「ですが、数はあっても一撃一撃の威力は低い様子。では、これなら?」
「くっ!? ま、まだっ!」
 そうして、サラを取り込むような形に再構築される、グラウンドゴーレム。魔力で補強された岩の鎧は、花弁からサラを守り、傷ひとつ付けさせない。
 なんとかその岩を砕こうと、クノイチ達は花弁の量を増そうとするが。
「そうはいきませんねぇ」
「っ、あああっ!?」
 そうして増えた花弁に、るこるは祭器で火をつける。突如として燃え上がった業火に飲み込まれ、悲鳴を上げるクノイチ達。
「このまま、叩かせてもらいますぅ」
「ぐ、ぐぅっ、このっ……う、くぅっ!?」
 さらにダメ押しで放たれる、砲撃に斬撃。ありったけの神器による火力の飽和で、クノイチ達をねじ伏せにかかる。
 回避しようとするクノイチ達だが、神気による因果律干渉が回避を阻害し、次々と命中させていって。それで体勢が崩れた所にみずきの光爪がトドメを刺し、苦し紛れの反撃もサラのゴーレムを傷つける事はない。
 一体ずつ、数を減らしていくクノイチ達。そのうちの出口に近い者から、内臓を掴み剥ぎ取るネフラ。
「さて……今のうちに逃げたまえ」
「う、あ……その、でも、いや、その……」
 そうして避難を促すが、労働奴隷達の中には戸惑ってばかりで立ち尽くす者も少なくない。どうやら過剰労働による疲労やメガコーポに対する恐怖で、正常な判断力を失っているようだ。
「フフ、怯える事はない。後の事は私達に任せるといい」
「はひっ――」
 もっとも、正常な判断が出来ないと言う事は、こちらからひと押しするのも容易い事。臓物を剥ぎ取り、鮮血にまみれてなお美しいネフラの姿に威圧された労働奴隷達は、ガクガクと頭を振って頷くと、言われるがままに逃げ出していく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『社長秘書『イザナ・ミカ』』

POW   :    強化血管『ブラッディ・ヴァイン』
戦場にレベル×5本の【茨のように変化した強化血管】が降り注ぎ、敵味方の区別無く、より【弱った】対象を優先して攻撃する。
SPD   :    エリミネイト・サイキックソード
【強化頭脳の超能力で操作した剣】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
WIZ   :    メディウムハート・パニッシュメント
【女神の心臓を活性化させ、その剛腕】で装甲を破り、【痛みで動けなくなるほどの残虐な連撃】でダウンさせ、【臓腑をえぐる一撃】でとどめを刺す連続攻撃を行う。

イラスト:えんご

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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は八咫烏・みずきです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 次々とクノイチを撃ち倒し、工場の制圧を図る猟兵達。残った僅かなクノイチは、追い詰められてじりじりと後ずさり――。
「がひゅっ!? ……あ、が……イザナ……さ、まっ……」
「役立たずは、我が社には不要です」
 そして、赤い茨のような強化血管に貫かれ、その場に崩れ落ちていく。その死体から血を吸い上げつつ、猟兵達をじろりと睨む彼女こそ、この工場の工場長――そしてエバーライフの美しき社長秘書『イザナ・ミカ』である。
「ですが、これは私にとっても失態ですね……猟兵の侵入を許すとは。あなた達の目当てはなんですか? ……いえ、まあなんでも良いですか」
 問いかけた後、こちらの答えを聞かずに首を横に振るイザナ。その右手を掲げれば、現れた剣が彼女の周囲を取り囲み、伸びた強化血管が妖しくうねる。
 猟兵達を見つめるその表情は、当然怒りと――そして、嗜虐。丁寧な口調とは裏腹に、彼女は美しい女性を嬲る事を快楽とする。
 クノイチ達にトドメを刺したのも、処理と言うよりは、おそらくその嗜好ゆえ。
「生じた損失は、あなた方の身体で補填させてもらいましょう。新鮮な猟兵の臓器を提供していただきます」
 そうしてイザナは猟兵達に強い視線を注ぎながら、攻撃を仕掛けて来る――!
八咫烏・みずき
【アドリブOK、ズタボロ希望】
イザナから発せられる力にみずきは気づく
亡き姉、はづきのものと同じだと
「その心臓はお姉ちゃんと同じ力…お前達がお姉ちゃんを殺したの……!」

声を荒げるみずきにイザナは答える

優れた力を持っていたはづきの心臓を社長が欲したため、ある人物に奪取を依頼したこと
【ノベル参照https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=47079】
その人物がやりすぎてはづきの体をずたずたにしたことへの不満、姉のおかげだ我が社がますます発展したと皮肉じみた感謝の言葉なども告げた

「ふざ…けるなあ!」
怒りのままに攻撃を仕掛けるも躱され
全てのユーベルコードを受けてズタボロにされるみずき

『体意外全てが劣化品の貴女に価値はない、私の玩具になるなら存在を許す』
イザナはみずきを踏み躙りながら告げるが

みずきはそれを拒絶して真の姿を発動

怒りのままにイザナを完膚無きまでに攻撃し
倒したと分かると同時にみずきは崩れ落ちる

「お姉…ちゃん…私…負けない…絶対…仇…を………」


夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
目的です?
もののついで、ですかねぇ?

このままでは【血管】がリンリーさんに当たりそうですかねぇ?
幸い『対象を取るUC』ですから、『祭礼の女神紋』で『祭器』全てを肉体同様効果範囲に含め【彁閠】を発動、『幽巫』に変身し『FMS』のバリアでリンリーさんの周囲全面を覆い隠すことで、私共々『UCの対象に含められない』状態にしましょう。
更に『衛星祭器』を全『祭器』の強化に使用すれば、攻防両面の強化に加え『FPS』の探査能力も増幅出来ますので、『秘書さんの知る工場内外の各種データ』を手土産代わりに強奪しつつ、『FRS』『FSS』の[砲撃]と『FBS』の斬撃を秘書さんに集中させますねぇ。


ネフラ・ノーヴァ
ほう、貴公も血を好むか。結構な事だ。しかしやはり相容れぬもの。

息絶えたクノイチを讃え葬送の口付けを。そして血を補給する。
因縁浅からぬ者もいるようだ、奴を消耗させるのは任せてもらおう。
私のようなものを手にかけるのがお好みだろうかと挑発。
UCで血を放ち、奪い奪われ奪い返し、赤に染まる激しさに喜悦を浮かべる。

無事仕留められたなら、後は火を放ってしまって構わないだろう。
こんな工場に役立つ情報はあると思えない。


岩社・サラ
アドリブ共闘歓迎

このような状況でも部下を粛清する辺り自身の戦闘能力に高い自信があると考えられます。注意が必要ですね。

敵UCは格闘戦に特化したもののようですね。初撃を貰えばそのまま連撃によって致命的なダメージを受けることになります。
ここはUCにより鉱石化の状態異常を与えつつ戦って行きますね。

剛腕による打撃を得意とするのであれば、敵の利き腕の肩の辺りに鉱石を生やしそのまま魔力を送り続け鉱石の侵食範囲を拡大させていきましょう。
装甲を破壊するような打撃力も腕全体の動きを阻害できれば脅威度は下がるでしょうね。

敵の戦闘力を削げたのであれば、カスタムカービンによる弾幕を浴びせて対処することも可能でしょう。



「目的です? もののついで、ですかねぇ?」
「ふん、これだから猟兵と言うのは……」
 夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)がそう返答すれば、不快そうに眉を寄せるイザナ。一気に強化血管を殺到させてくる相手に対し、こちらは胸元の宝玉を輝かせる。
「リンリーさんに攻撃されては困りますのでぇ」
「ちっ……」
 宝玉は彼女を巨大化させ、祭器と共にリンリーを覆い庇う。女神から与えられしは、敵の攻撃対象から自身を外す『不明の加護』。もちろんそれだけで無敵になれる訳ではないが、半自動で動く強化血管との相性は良いだろう。
「ならば他から奪うまでです」
 無論、るこるとリンリーが対象から外れただけで、血管は別の猟兵に狙いを変える。それが迫りゆくのは、ネフラ・ノーヴァ(羊脂玉のクリスタリアン・f04313)。ちょうどクノイチの死体を抱えていたため、それも影響したか。
「任務に殉じたその健闘。我々には及ばぬとはいえ、見事だった。そして――」
 いや、抱えていたと言うよりは、抱擁していたと言うべきか。亡骸に葬送の口づけを与え、その血を吸い尽くすネフラ。
 そうしてゆっくりと顔を上げれば……補給した血が撃ち出され、イザナの身体に突き立てられる。
「ぐっ!? 何を……」
「貴公も血を好むか。結構な事だ。しかしやはり相容れぬな」
 当然避けた訳ではない以上、相手の強化血管もネフラの身に突き刺さる。そこから血を奪われ、強い脱力感を感じるが、一方でこちらもまた、相手の血を奪い返して。
「私のようなものを手にかけるのが、お好みだろう? なら、共に赤く染まるとしよう」
「小賢しい真似を……染まるのはあなただけで十分ですよ」
 互いの身体を行き交う、互いの鮮血。血が交換され、相手が自分に、自分が相手に染まりゆく感覚。
 その過程で溢れた鮮血に互いの身体が赤く染まれば、ネフラの顔は恍惚に、イザナの顔は不快に歪む。
「忌々しい……ですが無駄です。この心臓は、その程度では止まらない」
 だがすぐに首を振り、笑みを取り戻すイザナ。その左胸に手を当てれば、心臓の鼓動と共に力が全身へと行き渡る。
 互いの繋がりを力任せに引きちぎると、そのままこちらに襲いかかろうと――。
「その心臓……」
「む……?」
 そこでイザナの前に歩み出るのは、八咫烏・みずき(静かなる復讐鬼・f36644)。呆然と怒りの合間の表情を向け、ふらふらと歩みを進める。
「その心臓はお姉ちゃんと同じ力……お前達がお姉ちゃんを殺したの……!」
「何を……いえ、あなたは……」
 その問いかけに、一瞬怪訝そうに眉を寄せるイザナ。だが、みずきの姿を、そして溢れる力を観察し、納得したように頷いて。
「『これ』のオリジナルの関係者ですか。なるほど」
「答えて……!」
 だがこちらは納得していないとばかりに、強く睨みつけ、叫ぶみずき。イザナは口元に嗜虐の笑みを浮かべると、とても楽しげに頷いた。
「ええ。カグヤ様――我が社の社長が、この心臓を欲していたので。『収集員』に依頼して、奪い取って頂きました」
「っ……!!」
 みずきの姉、はづきは、何者かによって殺され、心臓を奪われた。はづきのこれまでの戦いは、その仇を取るために存在した。
「少々やりすぎたのは頂けませんでしたね。心臓以外にも使える所があったかもしれないのに。とはいえこの心臓のおかげで、我が社がますます発展しました」
 その1人が、今、目の前にいる。視界が真っ赤に染まりゆくのを感じる中、イザナは楽しげに語り続け。
「ありがとうございますと、彼女にお伝えください。……ああ、もう死んでいましたか」
「ふざ……けるなぁ!!」
 そして、みずきの怒りが爆発した。激情のままに飛びかかり、その光爪で斬りかからんとする。
 憎い。目の前の相手が憎い。絶対に許す訳にはいかない――!
「お前が! お前がぁぁ……ぁっ!?」
「ああ、いい顔です、とても」
 だがその爪が、イザナに届く事はない。それよりも早く無数の剣が、みずきの身体を貫き、空中に縫い留める。
 大量の鮮血を溢れさせながら、懸命にもがくみずき。その顔面に、イザナの拳が突き刺さる。
「あなたがいかに怒ろうと。……所詮は、劣化品です」
「ごっ……がっ、ぶっ、ぐぇっ!?」
 『はづきの心臓』の力で繰り出される、容赦ない連撃。その細腕からは想像もつかぬ剛力が、みずきの肉を潰し、骨を砕き、無惨な姿へと変えていく。
 傷口には強化血管が突き刺さり、鮮血を吸い上げられて。憎い仇が目の前にいるのに、手も足も出ず、嬲られ続ける。
「身体以外劣化品の貴女に価値はありません。私の玩具になるなら生かしてあげますが」
「だ、れ……が――」
 こちらを嘲りながらのイザナの問いかけに、赤い涙を流しながら、懸命に拒絶するみずき。だが、イザナは軽く肩を竦めると、その右腕で、みずきの心臓を――。
「……ぐっ!? 何が……」
「それ以上の暴虐を、許すとでも?」
 そんなイザナの右肩が、突然鉱石へと変じていく。それを為したのは岩社・サラ(岩石を操る傭兵・f31741)の土魔法だ。
 先程からの干渉がようやく実を結び、イザナの身体を魔力が侵食する。
「自身の戦闘能力に高い自信があるようですが……利き腕を失えばどうなりますか?」
「ちっ……超能力の類ですか。そのようなものは――!」
 侵食がじわじわと広がる中、イザナは舌打ちしてみずきの身体を放り捨てると、サラへと間合いを詰めて来る。
 右腕が動かずともと左拳を握り、真っ直ぐに殴りかかって来て。片腕でもなお十分に、その剛腕による打撃力は脅威だ。
「やはり注意が必要です……ですが、やはり戦闘力は落ちているようですね」
「ちっ……!?」
 その接近を阻止すべく、アサルトカービンでの射撃を加えるサラ。イザナは咄嗟に超能力でそれを弾いて来るが、集中のために立ち止まったその隙に、一気に飛び退って間合いを取る。
 追ってくる相手へ冷静に引き撃ちを繰り返しながら、魔力での侵食し続けるサラ。鉱石化はイザナの二の腕を覆い、肘のあたりまで広がって。
「こ、の……くっ!?」
「こちらも忘れて頂いては、困りますぅ」
 ならばと超能力で剣を動かそうとするイザナだが、横合いからるこるの祭器による砲撃が叩き込まれる。
 周囲に展開した衛星祭器からの、雨あられと降り注ぐ砲撃。イザナは咄嗟に剣を束ねて盾とするが、それに構わず攻撃を続け、足止めしていく。
 敵から情報を引き抜くのは流石に猟兵一人の力では手に余るが、嫌がらせのように精神的干渉も加えれば、イザナの苛立ちは募る一方だ。
「いい加減に……鬱陶しいんですよ。その刻み甲斐のある肉、引き裂いてあげましょう」
「それは、ご遠慮願いたい所ですがぁ……!」
 多少のダメージを顧みずにこちらへ突っ込んでくるイザナを、バリアによって阻まんとするるこる。イザナはそのバリアを引き裂かんと、心臓の力をさらに励起して。
 ボロ雑巾のように投げ捨てられていたみずきの心臓が、それに呼応するように、ドクンと跳ねる。
「ぅ、ぁ……」
「さて。何やら因縁浅からぬようだ」
 それでも動けぬみずきの身体に、そっと触れるネフラ。イザナから大量に吸い上げた血を、ユーベルコードによってみずきの血に変えていく。
「ならば最後は、貴殿が決めるのが美しかろう」
「う……ぁ……ぁ、ぁ――――」
 足りなかった血が、心臓に供給される。鼓動が跳ね、血液は全身に行き渡る。発光する機械肢。吹き上がる蒸気。みずきの身体が、真なる姿へと変じていく――!
「ぁ、ああああああああっ、あああああああああ――!!!!?」
「っ、な……ぶっ!?」
 次の瞬間、イザナの身体が壁まで吹き飛んだ。跳ね起きたみずきの身体は、明らかに限界を越えて動いている。
 目にも止まらぬスピードで、吹き飛ばした所へ接近し。イザナの顔面を殴りつければ、余剰の威力だけで壁にクレーターを作っていく。
「ああっ、おっ、あああっ、あああああっ――!!」
「や、めっ……がっ、あああっ!?」
 さらに連撃。怒りと激情のままに、イザナを殴りつけ、蹴りつけ、破壊していく。もちろん、オーバーロードと真の力があっても、本来ここまでの力など発揮出来ない。
 それを補うのは、自らの痛みも顧みない限界以上の稼働。与えられた以上の血液を失いながら、その痛みを憎しみによって塗り潰し、有り得ぬ速度と力をもって、イザナを徹底的に蹂躙する。
 イザナの口からは悲鳴が漏れ――程なくそれは、呻きに変わっていく。鉱石化した右腕は砕け散り、左腕もまた骨が砕け、顔面は歪み。
 そして限界を越えたみずきの身体は、そんなイザナ以上に激しく傷ついて、それでも止まる事はなく――。
「あ……あああ……あっ!!!」
「っ――――が、はっ……い、や……う、そ……カグヤ、様……」
 最後にその拳が、イザナの左胸を貫き、その心臓を、力任せに引き抜いた。愛しき相手の名を零し、瞳から光を失うイザナ。骸の海にも還れず滅びゆく、その姿を見つめ。
「お姉……ちゃん……私……負けない……絶対……仇……を…………」
 そして、それを確認した瞬間、みずきもまた、意識を失った。

「さて、撤収しましょうかぁ」
「そうですね。離脱した労働者の皆さんも、無事送り届けなければ」
 戦闘が終了すれば、リンリーと、そしてみずきを連れて、工場を脱出する猟兵達。工場はネフラの提案により、火が放たれる。
「こんな工場に役立つ情報はあると思えないからな」
「そうですね……改めて、ありがとうございました」
 リンリーは猟兵達に頭を下げると、そしてロンファの元へと戻っていく。
 いずれ彼女とも再会する事もあるのか、その時果たして味方なのか、それとも――未来はまだ、誰にも分からない。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年02月21日
宿敵 『社長秘書『イザナ・ミカ』』 を撃破!


挿絵イラスト