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バトル・オブ・オリンピア⑳〜フィールド・オブ・ナイン

作者：黒代朝希

「新生フィールド・オブ・ナイン、全員集合だ！」
　ベースボール・フォーミュラ『Mr.ホームラン』、遂に出陣。
　アスリートアースを救う為『バトル・オブ・オリンピア』を開催したダークリーガー・フォーミュラがもう一人が、全ての『新生フィールド・オブ・ナイン』を率いてスタジアムに入場する。
「グロロロロ、遂に汝の出陣か！　これは総力戦でいかねばなるまい」
　闘争の喜悦に身をよじらせながらプロレス・フォーミュラ『デスリング総統』はポージングを取る。
　既に『六番目の猟兵』を迎え撃つ準備は済ませてあるというようだ。
「リベンジマッチである！」
「ああ、彼等は『本物』だ――私達全員が全力を出して、何の差支えもない」
　そこにローグ・インターセプターに乗り込んでスタジアムに入場したのは、レース・フォーミュラ『ウィリアム・ローグ』……ともう一人、いやもう三人。
「9人に足りないから、あと2人ダークリーガーを連れてきたよ〜」
　現在の『新生フィールド・オブ・ナイン』のフォーミュラの人数は7名。
　故に足りぬ2名の枠をキャンプ・フォーミュラ『キャンピーくん』はバトロワとカードデュエルのダークリーガーを招待する事で埋めていた。
「斯様に胸躍る合戦があるだろうか。なにしろ、何人たりとも死ぬ事が無い」
「されど武蔵様、ガチデビルの齎す『滅び』だけは、本物でございます」
「理解している。アレはかの『織田・信長』と同等の『魔王』だ。しかし『彼ら』がいる」
「ええ、既に鍔迫り合いではありますが解決の目途は――『六番目の猟兵』が立てています」
　そんな風に言葉を交わしながらテニス・フォーミュラ『宮本・武蔵』とトライアスロン・フォーミュラ『時宮・朱鷺子』はスタジアムに入場する。
　全ては『バトル・オブ・オリンピア』の最終種目を達成する為――
「そう――『バトル・オブ・オリンピア』さえ成功すれば、滅びは無効化できる。だが兄貴達6人をぶち殺した『六番目の猟兵』は、より大きな勝利を得るだろうな」
　笑みを浮かべて『Mr.ホームラン』はそんな予想を立てる。
　そしてそれは現実となるのだろう。
「別にアタシは滅ぼして良かったんだが……｜猟兵の皆様《御主人様》を悲しませるわけにはいかないからなあ……しゃあねえ、クライマックスといこうか！！」
　そうして配下の勇み足で『六番目の猟兵』の配下となってしまったサッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』は『暗黒星雲ボール』を作り出していく。
「ルール説明だ――『正々堂々と戦うなら、こちらも正々堂々と戦う』！　そして『好きな『｜流儀《スポーツ》』で戦え』！……以上！」
　そう言って『新生フィールド・オブ・ナイン』はそれぞれの『｜流儀《スポーツ》』に基づいて……即ち、己がフォーミュラを誇る戦い方の準備をする。
「何せ『新生フィールド・オブ・ナイン』全員……オブリビオン・フォーミュラが七体同時に――いや『キャンピーくん』は戦わないから六体同時に連携しながら戦う！――俺を集中攻撃する事をお勧めするぜ！ちなみに絶対先制攻撃権は使わねぇ！」
　最後に、悪童染みた笑みを浮かべて予知越しに――兄と同じ様に直接『Mr.ホームラン』は『六番目の猟兵』へと語り掛ける。
「全力でぶちのめし合い、全力でスポーツをやって――全力で『｜世界《アスリートアース》』を救おうぜ……『六番目の猟兵』！」
　今此処に、最終種目『絆の最終決戦』が開幕するのであった――

第1章 ボス戦 『Mrホームラン』

POW   :    大回転暗黒竜巻打法 自身の【バット】に【オブリビオン・ストーム】を宿し、攻撃力と吹き飛ばし力を最大9倍まで強化する（敗北や死の危機に比例する）。 SPD   :    ブラックホール打法 【超重力塊化しながら飛ぶ打球】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。 WIZ   :    誓いのスーパー打法 【最強無敗の野球選手であり続ける】という願いを【試合を見守る全世界の人々】に呼びかけ、「賛同人数÷願いの荒唐無稽さ」の度合いに応じた範囲で実現する。 イラスト：カツハシ 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

「自分の得意なスポーツで勝負できるのは助かるね――それじゃ……僕は剣道で勝負するよ」
　そう言って穂村・耶子（甘党残念剣士・f35497）はキャンプ・フォーミュラ『キャンピーくん』以外のダークリーガーと相対し、ユーベルコード『秘剣・幻魔鏡影殺法』による分身生成で12体の分身を｜助っ人《サポーター》としてそれぞれ6体のオブリビオン・フォーミュラ……プロレス、レース、テニス、サッカー、トライアスロン――そしてベースボールのフォーミュラである『新生フィールド・オブ・ナイン』と耶子は対決していく。
「全てが偽りにして真……秘剣・幻魔鏡影殺法！」
　更にそれぞれのオブリビオン・フォーミュラが放つユーベルコードに対し、相手のユーベルコードに合わせる形で追撃の選択ユーベルコード『秘剣・時空超越斬』を発動――
　繰り出されるは攻撃を受ける瞬間にそれぞれの幻影を跳躍させて一気に間合いを詰め……『過程を吹き飛ばして結果だけを与える斬撃』によって連続攻撃。
　オブリビオン・フォーミュラ達の連携をずたずたに耶子は引き裂いていく。
「そして――首魁の『Mr.ホームラン』！……貴方にも残る５つの幻影を全て向かわせるよ！」
「ハッハッハ！こいつは愉快だ！」
　繰り出される『Mr.ホームラン』打球ユーベルコードが直撃する寸前に跳躍させ、刃とは反対側で滅多打ちにしていく耶子の分身。
　本体である彼女はドサクサに紛れて接近し――『Mr.ホームラン』の頭に当て身を食らわせる！
「これは……剣道で言えば……」
「本当に斬るのはダメだけど、今のは面有り……有効打だよね？」
　その言葉に、ダークリーガーの首魁は肩をすくめて『六番目の猟兵』に点を送るのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「Mr.ホームランさん――私も……貴方に対して正々堂々と戦います……！」
　アリス・フェアリィハート（不思議の国の天司姫アリス・f01939）はそう言ってテニスウェアに着替え、アンダースコート姿でも覚悟を以てベースボール・フォーミュラに挑む。
「――凄まじいですね」
　新生フィールド・オブ・ナインの連携に対し、アリスは持てる技能を全て活用して回避を試みる。
　虹や星々や花々を内に鏤め、万象に有効な力をもつ変幻自在な空翔ぶジュエルのハート達である『ハートのA』も射出する事で新生フィールド・オブ・ナイン達の連携攻撃を相殺しながらアリスはベースボール・フォーミュラへと食らいついていく。
「――もの言う花たちの噂話は……あらゆる世界に広まっていくのです……」
　掲げるヴォーパルソードは、時空等をも歪ませる衝嵐を伴った鈴蘭などの花びらへと変容。
　そのままラケットやボールに衝嵐を纏わせてユーベルコード『フラワリーズ・フェイトストーム』を本格発動――ベースボール・フォーミュラの打球ユーベルコードを撃ち落としていく。
「ホームランさん……勝負です……！」
　それでも相手は最強の野球選手……ボールを投げて来る。
　しかしアリスはラケットで打ち返し、こちらもスマッシュを打つ事でベースボール・フォーミュラに集中――衝嵐を纏った強烈な一撃を打ち込むのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「正々堂々と戦うこと。それがアスリートの｜流儀《スポーツ》じゃな！――うむ！　その意気や、良し！」
　李・玉明（豪華絢爛西欧天女・f32791）はそう言ってゆらゆら揺れる水上のフィールドで、ウレタン剣を握って頭につけたトマトを叩く競技――『ウレタンポカポカ大海戦』で新生フィールド・オブ・ナインと雌雄を決する事を決意。
　頭にトマトを付け、ウレタン剣を握る新生フィールド・オブ・ナインと最終決戦を繰り広げる――
「老君も参加選手にエントリーして挑むのじゃ！　老君、突撃ー！」
『オオオオ！（フォーミュラが何するものぞ！）』
　そこにユイミンの所持する『８ｍの｜巨人型宝貝《ジャイアントキャバリア》』――『ビッグ・ザ・老君』が参戦。
　正面から暴れる老君が新生フィールド・オブ・ナインの全員の注意を引いている間、ユイミンはユーベルコードを発動させていく。
「みんなを癒しに連れて行くのじゃ！――『｜月光天女精霊飛翔《フライミー・ムーンライト》』！」
　飛天の羽衣で飛翔しながら、戦場の味方全ての負傷を徐々に回復する『月光のような柔らかい光』を散布していくユイミン。
　そのまま『薄絹の外套』の性能を姿隠しの術に応用――ベースボール・フォーミュラの頭にあるトマトを狙っていく。
「勝っても、返り討ちになっても、真剣勝負を楽しむのじゃよ♪」
「ああ、既に世界は救われる……ならば、全力勝負をするのが道理ってもんだろう！」
　そうして、ベースボール・フォーミュラとユイミンはウレタン剣を交差させるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「わたしのスタイルって言ったら勿論、カードデュエルだよね！　みんなには何もさせずにやっつけちゃうんだから！」
　天ヶ崎・聖羅（メスガキデュエリスト・f41704）はカードデュエリストとして魔法カード「情報撹乱」と「魔霧の外套」による残像生成を使う事で自分の居場所を欺瞞。
　新生フィールド・オブ・ナインの攻撃方向を撹乱しつつベースボール・フォーミュラ『Mr.ホームラン』の方へ接近していく。
「気が付きそうならば、「惑わす黄金蝶」を召喚するつもりだったけど……このままなら、上手くいきそうだね」
　幻惑的な輝きで他者を惹きつける効果を持つ、蝶型モンスターのカードを構えながらも聖羅はベースボール・フォーミュラに肉薄――
　ユーベルコード『妨害魔法カード『｜女王の威光《クイーンズ・マジェスティ》』』を起動させ、掲げたカードから威圧的な雰囲気を纏う光を放射。
　ベースボール・フォーミュラを『ターン終了時まで一切の行動を禁じる効果』で動きを封じていく。
「そこに連鎖する火力の攻勢を発動――全攻撃を『Mr.ホームラン』に叩き込んで……一気にダメージを与えていくよ！」
「これがカードデュエリストの『六番目の猟兵』の力か！」
「ふふーん、これがわたしのスタイルだよ。どんな相手にだって負けないんだから」
「『ガチデビル』は兎も角……俺達『新生フィールド・オブ・ナイン』相手にはまだまだ分からないぞ？」
　そんな風に幼いカードデュエリストと、老練な野球選手は対峙するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「！……そうか、俺達が『フィールド・オブ・ナイン』であるならば、あの『六番目の猟兵』が来ない訳がないな」
　そう言ってベースボール・フォーミュラは件の『六番目の猟兵』――ルドラ・ヴォルテクス（終末を破壊する剣“嵐闘雷武“・f25181）へと視線を向ける。
　二対の剣、未来を奪還する『ストームブリンガー』、終末を破壊する『デスブリンガー』を持つ『アポカリプス・ランページ』の果てに救世を使命として再誕した戦闘型となったルドラは、即座に――一礼を披露する。
「……今の俺達は、ダークリーガーだからか」
　その『Mr.ホームラン』の言葉に対し、他の『新生フィールド・オブ・ナイン』もルドラに一礼を返す。
　やがて挨拶が済んだ後……ルドラと『新生フィールド・オブ・ナイン』は戦闘を開始。
　二対の剣を振るい、ルドラは新たなる『フィールド・オブ・ナイン』と対決する――
「｜禍風の手繰り手《フィールド・オブ・ナイン》よ、今は競技者の精神に則り、闘おう――生命よ！我が敵を討つ意志よ！今こそ破滅と死を象らん！」
　ユーベルコード『｜解き放たれし力《アストラ》』を起動するルドラ。
　具現化するは『自身の生命、仇敵を打倒する意志』そのもの――それを『｜剣《ブレイド》』としてルドラはベースボール・フォーミュラに挑む――
「己の魂を投球に込めて放つ、最も速く鋭い光輝の魔弾、振り抜く打法が上か、撃ち抜く投法が上か、限界を超えた闘争にしよう」
「ああ――最高の戦いになりそうだな！」
　そうして、また一つ『六番目の猟兵』と『新生フィールド・オブ・ナイン』との最終決戦が終結を迎えるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2024年01月29日