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ディセントケイヴ探検記~暴走、アイテムプリンター!?

#ゴッドゲームオンライン #ディセントケイヴ #第二層 #アイテムガチャ

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●恐怖! 人体丸呑み錬成ガチャ!?
「う~ん……前々から思ってたけど、この3Dプリンターってメチャ便利じゃない? 後はこれに万能工作機でもくっつければ、幼稚園児でもボタン1つで好きなもの作り放題だし!」
 コンコンコンで出し放題のキマフューと違い、他の世界ではさぞかし重宝するだろうと、独りで勝手に盛り上がっているパトリシア・パープル(スカンクレディ・f03038)。そんな彼女の口から語られるのもまた、3Dプリンターに極めて良く似た道具の話。
「実はこれ、ゴッドゲームオンラインの世界にも似たようなのがあるっぽいのよ。なんか、フィールドで採取したアイテムとかモンスターの素材とか入れると、別のアイテムになって出てくるってやつ」
 その名も『マルノミミック』といい、飲み込んだものを高性能・高品質なアイテムに変化して吐き出すというモンスター。ブチ込むものはアイテムは勿論、敵キャラや味方NPCでさえも飲み込んで、より高性能なアイテムにしてしまうという。
「まあ、さすがにNPCを飲み込ませるのは、ゲーム内でも無差別PKに匹敵する悪行みたいに思われているっぽいけどね。で、ここからが本題……その『マルノミミック』がバグったのよ。それも盛大にね!」
 要するに、何でも飲み込んでアイテムにしてしまうモンスターが、バグプロトコルになったということだ。バグったことで、本来では飲み込めないはずのプレイヤーキャラクターまで飲み込めるようになってしまい、丸呑みされることはGGOのプレイヤーにとって即死に等しい。猟兵であれば、さすがに一撃でアイテム化されて死ぬことはないが、それでも装備品の一部が変なアイテムに変換されてしまったり、一時的に身体の一部がアイテム化されてしまうかもしれないわけで。
「実はね……この『マルノミミック』を飼い慣らしていた街があったんだけど、バグったのはそこにいたミミックなのよね……。ディセントケイヴっていう階層に分かれたダンジョンの第二層にある街で、冒険者達の中継地点になってたんだけどね」
 当然、そんな場所にいきなりバグプロトコルが現れたとなっては、街は壊滅的な被害を受ける。プレイヤーもNPCも関係なく全て飲み込まれてアイテムに変えられ、街は廃墟と化してしまった。
「ディセントケイヴの上層って、初心者向けのダンジョンとしても有名なのよ。そんなところにある中継地点の街だからこそ、このまま放っておくのもヤバいわよね?」
 それこそ、何も知らない初心者が足を踏み入れたが最後、新たな犠牲者が出かねない。そうなる前に、なんとしても『マルノミミック』を撃破して、街を元に戻さねばならない。
 そう言って、パトリシアは猟兵達を、GGOにあるディセントケイヴの第二層へと転送した。


雷紋寺音弥
 こんにちは、マスターの雷紋寺音弥です。

 色々なゲームに実装されている、錬金系のガチャって魅力的ですよね?
 ただし、さすがに人間を素材にするのはヤバいので、早急にバグを修復した方が良さそうですが……。

●第一章(集団戦)
 『マルノミミック』との集団戦になります。
 猟兵であれば飲み込まれても即死はしませんが、手持ちの装備やアイテムが別物に変換されてしまうかもしれません。
 なお、バグプロトコルの吐き出すアイテムは高性能・高品質の正反対になっているので、何を食わせても低品質なアイテムしか出てきません。

●第二章(冒険)
 街の修復素材を探すため採集に出かけましょう。
 バグが修復され再配置された『マルノミミック』の力を使えば、ランダムで高品質な素材を入手できるかもしれません。

●第三章(日常)
 住民達も戻って来たところで、更に街を発展させて行きましょう。
 『マルノミミック』で作ったアイテムを売ったり、NPCが欲しがっているアイテムを錬成したりすることもできます。
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第1章 集団戦 『マルノミミック』

POW   :    マルノミミックの連続攻撃!
【装備アイテムを溶かし強制的に外す唾液】で装甲を破り、【麻痺毒液の付いた舌】でダウンさせ、【対象を丸呑みして体内でアイテム化する事】でとどめを刺す連続攻撃を行う。
SPD   :    マルノミミックのアイテム化丸呑み攻撃!
【捕食】と【逃亡阻止】と【錬金術】と【化術】と【武器改造】と【肉体改造】と【データ攻撃】を組み合わせた独自の技能「【アイテム化丸呑み攻撃】」を使用する。技能レベルは「自分のレベル×10」。
WIZ   :    マルノミミックはレア宝箱に変身した!
【レアアイテムが確実に手に入る豪華な宝箱】に変身する。隠密力・速度・【麻痺毒液の付いた舌や牙、丸呑み攻撃】の攻撃力が上昇し、自身を目撃した全員に【警戒心の喪失や箱を開ける事への興味・執着】の感情を与える。

イラスト:V-7

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

李・麗月
ガチャは悪い文明って叫んでた人いたわねぇ、もうやらねぇって。
まぁ、そんなことよりさっさと倒して処分しちゃいましょう。

ミミックっぽいもの見かけたら指定コードで判別するわねぇ。
ミミックだったら月麗天牙を弓形態にして仙術で作り出した矢で撃ち抜くわねぇ。
本性表してきたら黒鞭で縛り上げて勢いよく振り回して地面に叩きつけちゃうわぁ。
トドメに天狼ちゃんをけしかけてズタズタにしてもらいましょう。



●ガチャは悪行!?
 なんでも飲み込み、別の物にして吐き出すモンスター。それこそ、人間であってもアイテムに変えてしまうとか、まさしく恐怖の人体錬成ガチャである。
「……ガチャは悪い文明って叫んでた人いたわねぇ、もうやらねぇって」
 そんなことを呟きながら、李・麗月(《蠱惑娘娘》・f42246)は問題の街へと足を踏み入れた。
 確かに、ガチャは沼に嵌ると大変なことになる。だが、今回の敵はガチャ沼とかそういうこと関係なしに、食べられたらそれで人生終了だ。
 果たして、敵はどこにいるのだろう。恐らく、ミミックというモンスターの性質上、宝箱に擬態しているに違いない。
 その辺の宝箱を適当に蹴飛ばすという策も考えられたが、それでは反撃された際に危険が伴う。ならば、最初から宝箱かモンスターかを判別してしまえば良いのだと考え、麗月は街中に無造作に転がっている宝箱に目を向けて。
「さぁさぁアナタの全てを教えてねぇ」
 一見、宝箱に話しかけているヤバイ人にしか見えないが、それはそれ。麗月のユーベルコードは対象の情報を開示させる力がある。それは即ち、目の前の宝箱がモンスターであれば、その情報が開示されるというわけで。
「ふむふむ……。宝箱の中身じゃなくて、レベルとかそういう情報が出てきたわね。と、いうことは……」
 それだけ言って、麗月は月麗天牙を弓へと変えた。そのまま引き絞り、そして矢を放つ。放たれた矢は見事に宝箱へ命中し、凄まじい悲鳴を上げて宝箱が勢いよく口を開けた。
「グゲェェェェッ!!」
 箱の中から覗く不気味な目と、あらゆる物を変質させる唾液を含んだ気色悪い舌。バグプロトコルと化したマルノミミックが本性を現し襲ってくるが、それもまた麗月の予想の範囲内。
「残念だけど、それはさせないわよぉ」
 すかさず黒鞭で縛り上げ、麗月は敵の口を封じてしまった。相手の攻撃が丸呑みしかないのなら、口を封じてしまえば何もできまい。
「……っ!!! %#△$◆&●!?」
 箱の口を閉じられ動きを封じられてしまったマルノミミックが暴れているが、麗月に解放するつもりはなく、彼女は鞭を操り盛大に地面へと叩きつけた。その一撃が強烈過ぎたのか、マルノミミックは完全に目を回してしまい、ぐったりと倒れて動かなくなった。
「あらあら、情けないわねぇ。それじゃ、最後の仕上げと行きますか」
 気を失って動けなくなっているマルノミミックへ、麗月は相棒の天狼を嗾けた。巨大な牙が宝箱を貫き、そのままバリバリと粉砕して行く。人間を食べてアイテムへと変える醜悪なバグプロトコルは、最後は自分の方がバラバラに噛み砕かれてしまったのだ。
「まあ、こんなものかしらねぇ? それじゃ、次に行きましょう」
 まずは一匹、余裕で撃破。この調子で倒していけば問題なさそうだと、麗月は意気揚々とした様子で、街の奥へと歩を進めて行くのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
発生した場所が酷いですねぇ。
何とかやってみましょう。

【炳輦】を発動、防御結界を展開しつつ天井近くに飛行しまして。
『FLS』により結界の内側に|各『祭器』《非装備品含む》を召喚、『FPS』で敵方の情報を把握しますねぇ。
『唾液』で溶かせるのは『アイテム』のみ、【UC】による防壁の突破は難しい筈ですし、結界内のアイテムも狙えません。
何れは破れるにしても手間取っている間に[カウンター]で叩けば良いでしょう。
『FRS』『FSS』の[砲撃]を『FIS』の転移で結界外に放ち取りついて来た個体を、『時空切断の嵐』で、逃げようとする個体を其々重点的に狙い[範囲攻撃]で一気に叩きますねぇ。



●即死攻撃への対処法
 GGOにおける不確定要素、その名はバグプロトコル。猟兵からすればオブリビオンの一種でしかないが、しかし一般のゲームプレイヤーからすれば、問答無用でキャラロスト&遺伝子情報削除というダブルペナルティを強いてくる恐ろしい存在だ。
 そんなバグプロトコルは、GGO世界の至るところで発生している。その大半は平原やダンジョンといった所謂モンスターが跋扈する地だが、しかし街中で発生しないとは誰も言っていないわけで。
「……発生した場所が酷いですねぇ」
 まさかの街中にモンスター出現という事態に、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)はいつになく慎重に歩を進めた。
 通常、RPGで街というのは安全地帯。街中ではイベント以外で戦闘など起こらず、どれだけ歩いても敵と遭遇しないのは当たり前。
 だが、そんな常識をブチ壊し、しかも街中で普通に飼われていたモンスターが、唐突に牙を剥いてくるとなればどうなるか。当然、NPCは元より何も知らないプレイヤーも餌食となって、今ではご覧の有様である。街は完全に無人の廃墟と化し、このまま放っておけば遠からずダンジョンの一部になってしまうだろう。
「大いなる豊饒の女神の象徴せし欠片、その衣を纏いて典礼を捧げましょう」
 防御結界を展開し、可能な限りの浮遊兵装を繰り出した上で、るこるは飛びながら敵を探した。しばらく進むと、何やら広場に大量の宝箱が置いてあるのが目に留まったが……当然のことながら、それらは全てがマルノミミックだった。
「ギュェェェェ!!」
「ブジュルァァァァァ!!」
 獲物が飛来したことに歓喜しながら、マルノミミック達が一斉に本性を現してるこるへ飛び掛かってくる。だが、どれだけ頑張っても結界に邪魔されて、彼らの舌はるこるまで届かない。唾液が溶かせるのも装備だけなので、結界を破るまでには至らない。
「結構たくさんいましたねぇ。……では、これでおしまいですぅ」
 最後は、るこるが全方位に放った時空切断の嵐によって、マルノミミック達を滅多斬り! どれだけ頑丈そうなボディをしていても、時間や空間諸共に切断されては意味がない。
「「「グギャァァァァ!!」」」
 哀れ、砲台による追撃を行うまでもなく、マルノミミック達は全滅した。相手がバグプロトコルとはいえ、どう考えてもオーバーキル。だが、相手が相手だけに油断はできなかったので、るこるの判断は正しかった。
 ミミックといえば即死攻撃。デストラップに等しい敵を相手にするには、このくらい慎重になってもおかしくないのだと。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エアリーネ・シルベンスタイン
…なんですかその死体とか不要なものの処分向きな仕様…

…問題の宝箱ですが、基本的に警戒しますね…
とりあえずは『ポーションベルト』から(生物用の)マヒ系の毒薬類を投げつけてみて…そうですね、続けてUC【アースストライク】で持ち上げ、勢いよく振ってみましょうか…
敵であればそのまま地面や他の宝箱に叩きつけて潰しましょう…
装備しか溶かせないならこのUCはどうにもできませんよ…
まだ動くようなら遠方から竜呪杖を使った炎の魔法で焼却しますね…

もしモンスターでなくとも…まあ中身に期待はしてません…
…こんな目立つ所に無造作に転がっている宝箱に…
重要な、隠しておきたい物は入れませんから……

※アドリブ歓迎



●やられる前に破壊せよ
 飲み込ませたものは、何でも別のアイテムに変換して吐き出すという性質のマルノミミック。一見して便利な魔法生物に思えるが、しかしエアリーネ・シルベンスタイン(びんぼうエルフ・f26709)の頭に浮かんでくるのは、碌でもない使い方ばかりだった。
「……なんですか、その死体とか不要なものの処分向きな仕様……」
 どんな物体でも飲み込んでアイテムに変えられるのであれば、死体や犯罪の証拠を全てブチ込み隠蔽することにも使えそうだ。実際、マナー違反のグレー行為とされてはいるものの、生きたNPCを飲み込ませてアイテム化することもできるのである。
 まさか、そのために村中のNPCを飲み込ませる非道な冒険者はいない……と、思いたいが、ゲームの仕様として存在するため実際のところは分からない。まあ、あまりに目に余るようであれば運営からBANされるか、あるいは自警団を名乗るようなクランの者達によって早々にPKされるであろうから、今回の事件には関係ない。
 敵が宝箱に擬態している以上、街中といっても油断はできなかった。とりあえず、倉庫らしき場所を見つけて中に足を踏み入れてみれば、なるほど倉庫だけに宝箱が山のように置いてある。
 この内の何体かは、確実にマルノミミックだろう。迂闊に近づいたら碌な目に遭いそうもなかったので、エアリーネは持参した麻痺薬を宝箱全体にブチ撒けた。
「……ッ!? ァァ……ガガァ……」
「ゴゲ……ゲ……」
 案の定、マルノミミックだった宝箱だけが、全身を痙攣させながら舌を出した。これで敵の見分けはついたも同然だが、しかし未だ残っている可能性もあったので、とりあえず全て破壊してしまおう。
「……足元が、お留守ですよ……?」
 次の瞬間、床を突き破る形で大地が変化した巨腕が現れ、宝箱の山を掴んで握り潰し投げ飛ばす。装備しか溶かせない上に、そもそも全身がマヒしているマルノミミック達には成す術もなく、殆ど抵抗できないままに破壊され。
「念のため、焼却しておきますね」
 最後は一匹残らず、火炎呪文で徹底的に焼き尽くす。ここまでやれば、生き残りに不意を打たれることもないので安心だ。
「後は、宝箱の中身ですけれど……」
 全ての敵を倒した後、エアリーネは改めて倉庫の中を見て回ったが、目ぼしいお宝は何もなかった。
 誰でも入れる倉庫に置かれた宝箱に、貴重品など隠す者はいないはず。実際、転がっているのは薬瓶や低俗なアイテムが大半であり、貴重な品や高価な品は何もない。
 そういう物が欲しければ、それこそマルノミミックに何かを食わせろということなのだろう。もっとも、全てのバグが倒されない限りは彼らも安全な形で再配置されないため、今は残る敵を見つけ出して、早々に排除した方が良さそうだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クロエ・アスティン
あ、、危ないであります!!

マルノミミックを退治して回っている途中、飲み込まれそうになっている冒険者をかばって、丸のみされてしまったであります。
なんとかすぐに吐き出されたのはよかったでありますが……
アイテムが低品質化するとの話でしたがなんとも、って、ひゃぁ!?

見た目は何も変わっていなかったが、着ていたワンピースがまさかの触手ワンピース化。
戦槌を構えようとすると大事な部分を触手が撫でてくるせいで全然集中できないであります!?
とっさに【戦乙女の鎧】で聖鎧姿になることで戦いを切り抜けましたが……こ、これ、変身が解けたらまた触手服を着せられるでありますか……?

※アドリブも歓迎



●最低なハズレガチャ
 バグプロトコルによって住民の全てが飲み込まれ、ゴミ同然のアイテムとされてしまった恐るべき事件。街は完全にゴーストタウンと化しており、バグプロトコル意外の生き物は存在しない。
「ふぅ……随分と退治しましたけれど、まだ生き残りがいそうでありますね」
 ここに来るまでに数体のマルノミミックを撃破したクロエ・アスティン(ハーフドワーフのロリ神官戦士・f19295)は、どこかに休める場所がないかと辺りの様子を伺った。
 だが、そんな彼女に休息の時間は訪れない。なんと、堂々と正体を晒したマルノミミックが、植え込みの向こう側で動く何かを飲み込もうと突撃しているではないか!
「あ! 危ないであります!!」
 街に迷い込んだ冒険者に違いないと思い、クロエは咄嗟に庇うような行動に出た。しかし、その結果として当然ながら彼女の方が丸呑みにされ、頭から捕食されてしまった。
「んぐぐぐ……っぷはぁっ!! た、助かったでありますか?」
 もっとも、身体の全てを丸吞みにできなかったのか、マルノミミックはクロエのことを盛大に吐き出した。
 全身、涎だらけになってしまい気持ち悪いことこの上ない。おまけに、丸呑みにされたからには、装備が低品質な碌でもないアイテムにされてしまうわけで。
「アイテムが低品質化するとの話でしたがなんとも……って、ひゃぁ!?」
 見た目的には何も変わらないワンピースだったが、中で何かが蠢いたことで、クロエは思わず悲鳴を上げた。なんと、彼女のワンピースは見た目がそのままに、触手服になっていたのである!
「くっ……!! こ、こうなったら、このまま戦うしか……んぅっ! そ、そんなところ……だ、だめであります!!」
 戦槌を構えようとするも、胸の先端や股間の奥などを触手が撫でたり吸ったりしてくるせいで、まったく戦闘に集中できない。そうこうしている内に、マルノミミックは再びクロエを飲み込んで、今度は戦槌を下らないアイテムにしてやろうと襲い掛かって来た。
「そ、そうはさせないであります! 戦女神様、自分に力をお貸しください! ――ヴァルキリーズアーマー!」
 間一髪、衣服を排して聖鎧を身に纏ったことで、クロエは辛うじて触手服から解放された。こうなれば、もう怖い者なしだ。後は迫り来るマルノミミックを、戦槌で盛大にブン殴ればいい。
「ぶっぎゃぁぁぁぁ!!」
 戦槌で横殴りに叩かれたマルノミミックは、奇怪な叫び声を上げながらバラバラになった。とりあえず、これで危機は脱したか。そういえば、あの冒険者はどこに行ったのだろうと、クロエは思い出したように辺りを探して回ったが。
「……にゃ~」
「えぇっ! 人間ではなく、猫だったのでありますか!?」
 なんと、植え込みの向こう側から現れたのは猫だった。ああ、なんという勘違い。これでは身体なんか張らずに最初から敵を殴った方が……いやいや、ゲームの世界とはいえ、猫であっても尊い命。それが守れただけでも幸いだと……そこまで考えたところで、クロエは恐ろしい事実に気づいてしまった。
「……ハッ! も、もしかして……こ、これ、変身が解けたら、また触手服を着させられるでありますか……!?」
 マルノミミックによって変えられたアイテムは、二度と元の姿には戻らない。それはつまり、戦鎧を脱いで変身を解除したが最後、再び衣服が触手服に戻ることを意味している。
 こうなったら、任務が終了するまでは、ずっと変身していた方がいいだろうか。いや、しかし変身を解除するにしても、まさかグリモアベースや別の世界に、触手服などという危険物を持ち込むわけにはいかない。下手をすれば破棄された触手服が骸の海に落っこちて、触手服オブリビオンとして再誕する。
「うぅ……こ、こうなったら、元に戻ったミミックに、また服を食べさせるしかないであります……」
 バグではない通常のマルノミミックが再配置されれば、それを使って触手服を別のアイテムに変えられるのが唯一の幸いだった。だが、当然のことながら服を素材にしたからといって、服が出てくるとは限らない。アイテムのグレードが上昇したところで、それが衣服ではなかった場合、クロエは素っ裸になってしまう。
 衣服を失うリスクを抱えてでも触手服を再錬成するか、それとも我慢して触手服を着続けるのか。バグプロトコルは殲滅したものの、なんとも下らない二択を強要されてしまうのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 冒険 『採集クエスト!』

POW   :    体力でたくさん集める!

SPD   :    素早さで一気に集める!

WIZ   :    賢さで効率的に集める!

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●なにがでるかな?
 バグプロトコルは退治され、バグっていない通常のマルノミミック達が、再び街に配置された。彼らはギルドの受付や店のカウンターなどに腰を下ろし、べろーんと舌を出したままのんびりしている。人に飼い慣らされた個体という設定も相俟って、どうやら擬態することさえ放棄しているようだ。
 そんなマルノミミック達だが、彼らの口に様々なアイテムを突っ込めば、高品質な素材にして吐き出してくれる。しかし、だからといってその辺の石だの野菜クズだのといったゴミを食べさせても、大したアイテムは吐き出さない。
 マルノミミックが吐き出すアイテムのレアリティは、飲み込ませたアイテムのレアリティに依存しているのだ。生き物を飲み込ませた場合も、その生き物の強さレベルによって吐き出すアイテムは変化する。中には元の物体とはまるで違ったものを吐き出すこともあり、その内容は一定していない。
 そんなマルノミミックを利用すれば、街の修復も容易いことだ。まずは街の周辺で基本的な素材を収集し、必要に応じてマルノミミックに食べさせてみよう。足りない建築資材や補修資材などは、これで運が良ければ確保できるはず。
 他にも、レアな素材を食べさせれば、面白いアイテムが手に入るかもしれない。この機会にマルノミミックを利用して、あれこれ試してみるのも良いだろう。
李・麗月
ミミック騒ぎも落ち着いたし次は復旧への素材集めねぇ。
それじゃ天狼ちゃん、合体しましょう。
強化された能力でもって木を切り倒したり採掘したり素材を集めて素早く持ち帰るわねぇ。
直接収集できそうにないものはミミックの変換機能を試してみるわぁ。

……天狼ちゃんも食べられてみるぅ、強くなれるかもよぅ?
ああ、冗談だからそんなに怒らないでぇ、ごめんねぇ。

アドリブ・絡みはご自由でお任せ。


夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
成程、これが本来の姿なのですねぇ。

素材収集に参りましょう。
【饒僕】を発動、沢山の『僕』達に周囲を調べて頂き、木材や石材が手に入る場所に向かいますねぇ。
途中で出たモンスター等は『FRS』と『刀』で対処、その素材も『FTS』で回収しておきますぅ。

或る程度素材が得られましたら、町に戻って仕分けしましょう。
直接使える素材はそのまま復興に、食材系は『僕』達へのお礼に充て、その他の素材はミミックさんに飲ませてみますねぇ。
変化の結果も同様に、変化後も使えない資源は御土産に。

後は試しに『彼方此方で入手した、サイズ的に着用出来ない鎧や服』を飲ませてみましょう。
良い物になると有難いですが。



●まずは素材を集めよう!
 バグ化マルノミミックが一掃され、危険が去った街の中。まずは修復に必要な素材を集めようと、猟兵達は各々で動き出す。
「ミミック騒ぎも落ち着いたし、次は復旧への素材集めねぇ。それじゃ天狼ちゃん、合体しましょう」
 李・麗月(《蠱惑娘娘》・f42246)は相棒の狼っぽい動物と合体し、凄まじいスピードで近くの森へと向かう。家屋の修復素材として必要な木材を得るためだ。目にも止まらぬ速さで木を切り倒し、ついでに鉱石などの素材も集められるだけ収集し、あっという間に街へと戻って来た。
「素早いですねぇ。では、こちらも素材収集に参りましょう」
 その一方で、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は速さではなく、手数で勝負することにしたようだ。様々な小動物の姿をした女神の僕を召喚し、彼らを使って素材を回収しようというのだろう。
 草原、森林、渓流、荒地……。およそ、第二層に存在するあらゆるフィールドに出向き、僕達は素材を集めて回収して来た。途中、モンスターに遭遇した場合は、るこるがしっかりと対峙して素材を確保。まだ第二層ということも相俟って、出現する敵も雑魚ばかりなのは安心だ。
「ふぅ……どうやら、集めきったようですねぇ」
 個人が持ち運びできるレベルの素材は、粗方収拾が終了した。これらの一部をマルノミミックで別のアイテムに変換すれば、きっと良質な素材になって出てくるはずだ。

●レッツ、錬金ガチャ!
 全ての素材が集まったところで、次は必要な素材の仕分けである。食料品アイテムは、るこるが僕に謝礼として与えてしまったので、残っているのは主に資源と資材である。
「さて、そういうわけで、この子にアイテムを食べさせるわけだけどぉ……」
「成程、これが本来の姿なのですねぇ」
 間の抜けた表情で擬態さえ放棄してのんびりしているマルノミミックを見た二人は、どうにもミミックらしさがないと思っていた。ミミックといえば、冒険者の命を狩るための危険なトラップ。攻撃力が超絶に高いとか、開幕と同時に即死魔法を使ってくるとか、後は魔力を延々と吸収するとか……とにかく鬱陶しい攻撃をしてくるモンスターの代名詞なのだが、しかしこいつからはそういった脅威がまるで感じられないのだ。
 どちらかというと、人間の生活を助けるための便利な魔法生物といった方が正しかった。とりあえず、建築資材として使い物にならなそうな資源アイテムを飲み込ませると、しばらく咀嚼した後に、剣や鎧として吐き出した。
「えぇと……そういうのじゃないんだけどねぇ、欲しいのは」
「資源を食べさせると、その資源を使った装備品になるみたいですねぇ」
 苦笑する麗月と、なにやら妙に納得した表情のるこる。なるほど、アイテム錬成にも多少の基準があるようで、それを見極めることが大事なのかもしれない。
「だったら、今度はこれを食べさせてみるわぁ」
 気を取り直し、麗月がゴツゴツした岩を食べさせると、それらはレンガとなって吐き出された。試しに、割れた茶碗と鉄鉱石を合わせて飲み込ませると、今度は鉄製のコップになって吐き出された。
「混ぜるものによっても、違いがあるみたいですねぇ」
「ますます面白いわぁ。それなら、次は……」
 そんな感じで、今度は生活必需品を生成してゆく。要らないものが出て来た場合は、リセットを兼ねて再錬成だ。気が付けば、不要な素材は全てなくなり、後は家屋の破損個所を修理するのみ。
「準備は終わったようすでねぇ。では、最後にこれを……」
 全てが用意できたところで、るこるはサイズ的に着用出来ない鎧や服を飲み込ませてみた。すると、より上質な素材で作られ、おまけにサイズまでるこるにピッタリの装備になって、それぞれ排出されてきた。
 まあ、中にはサイズこそ合っているものの、代わりに露出度や派手さが増した装備もあるのだが、それはそれ。飲み込ませた者の都合にも合わせてくれるとは、なんとも便利な生き物である。
「……天狼ちゃんも食べられてみるぅ、強くなれるかもよぅ?」
「……ッ!?」
 冗談交じりに、そんなことを麗月が告げれば、思わず天狼が唸り声をあげて抗議する。いくら強くなれるとはいえ、下手すりゃ生物止めて物言わぬアイテムになる可能性もあるので、そんなことをされたらやってられない。
「ああ、冗談だからそんなに怒らないでぇ、ごめんねぇ」
 笑って済ませる麗月だったが、不貞腐れた天狼は、しばらくそっぽを向いていたという。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

クロエ・アスティン
代わりの服がないかと街を見て回りますが、修復前ではそんな余裕はまだなさそうでありますね。
我慢して触手服を着続けていましたが、敏感なところをずっと刺激され続けて、ひゃ、んんっ、も、もう限界であります。

周りに人がいないマルノミミックを探したら、触手服を脱ぎ捨てて早速投入であります。
それ以外にも服の代わりになればレアリティはなんでもいいので、周りにあるどうでもよさそうな素材も放り込んでいってみますね。

……全敗であります。
しかも運の悪いことに、下着姿でがくりとうなだれているところにマルノミミックを利用しにきた人が来て、露出狂の幼女に間違われたであります

※アドリブも歓迎



●丸呑みガチャ大爆死
 街の修復のために、まずは素材を集めねばと思ったクロエ・アスティン(ハーフドワーフのロリ神官戦士・f19295)であったが、彼女は目下、それ以前の問題を抱えていた。
「うぅ……は、早く、代わりの服を探さないといけないであります……」
 変身が解けた今、彼女が着ているのは触手服と化したワンピースのみ。当然のことながら、動く度に触手が変なところを触ってくるので、これでは歩くのも一苦労。
「ひゃ、んんっ、も、もう限界であります!」
 このままでは、盛大に街中で失禁し兼ねない状態だ。いっそのこと服を脱ぎ捨ててしまえばいいのかもしれないが、そうなった場合、クロエは全裸。
 いくら人気のない街中とはいえ、さすがに全裸で徘徊するような勇気はない。ならば、この服を錬成して別の物に変えてしまえば良かろうと、クロエはマルノミミックを探し出し。
「み、見つけたであります……。もう、こんな服は一秒でも着ていたくないであります!」
 誰もいない酒場のカウンターに置かれていたマルノミミック目掛け、クロエは触手服を脱ぎ捨てブチ込んだ。突然のことに驚いたマルノミミックだったが、クロエはまだまだ止まらない。
「と、とにかく、なんでもいいから放り込むでありますよ!!」
 殆どやけくそになって、クロエは店のカウンターに置いてあった酒瓶、店の隅に置かれた植木鉢、その他にも放り込めそうなものは何でも放り込んだが、しかし出て来るのは下らないアイテムばかり。
「うぅ……全敗であります」
 マルノミミックから吐き出されたアイテムを見て、クロエはがっくりと項垂れた。そんな彼女が入手したアイテムは以下の通り。
 エッチな下着(防御力+1。技能【魅了】が付与)。
 逆バニースーツ(防御力+1。技能【誘惑】が付与)。
 猫にゃん棒(攻撃力+1。猫の手がついた棒きれ)。
 星型メガネ(防御力+1。技能【暗闇耐性】が付与)。
 ステテコパンツ(防御力+1。オッサンの穿く一般的な下着)。
 鍋の蓋(防御力+1。何の変哲もない鍋の蓋)。
 巨乳薬(一時的に巨乳アバターにスキンチェンジできる薬。飲み過ぎダメ、絶対!)。
 手品のシルクハット(防御力+1。中から変なものが飛び出す帽子)。
 以上、殆どが碌でもない装備品か、あるいはジョークグッズのような代物ばかり。まともに裸を隠せそうなのはエッチな下着だけであり、それ以外はアホか変態と間違われるような服しかない。
 だが、それでも下着である以上、これを着ないわけにはいかなかった。なにしろ、先の戦いでワンピース諸共に下着まで触手服の素材にされてしまったのだ。ここに来るまでノーパン状態で胸やら尻やら股間やらを弄り回されたせいで、大恥をかく寸前だった。
 いっそのこと、エロ下着だけでなくすべての装備を身に着ければ、あるいは少しマシになるかとも考えたが……いや、やはり止めておいた方が良さそうだ。エロ下着の上に逆バニースーツとステテコパンツを装着し、頭にシルクハット、右手に猫にゃん棒、左手に鍋の蓋を装備し、星型メガネを装着した冒険者など、変質者を通り越した異常者でしかない。こんなやつが街を歩いていたら、それだけでゲーム世界からBANされるだろう。
「はぁ……。やっぱり適当な素材を入れても、碌な物が出てこないでありますね……」
 とりあえず下着だけ身に着けた状態で、クロエは力なく溜息を吐いた。目の前に散乱する怪しい品々。これらをどうやって始末しようか考えていると、唐突に店の扉が開け放たれた。
「やれやれ……。しばらく留守にしていたから、店が埃まみれに……って、なんだぁ!?」
 なんと、そこにいたのは店のオーナーであるNPC。バグが修復されたことでNPCの再配置も行われ始めたのか、店に戻って来たのである。
「うわぁぁぁぁ! 露出狂の変態幼女だぁぁぁぁ!!」
「ひゃぁっ! ち、違うであります! 誤解であります!!」
 慌てて否定するクロエだったが、エロ下着姿で抗議したところで説得力皆無! 結局、その後も続々とマルノミミックを利用しに戻って来たNPC住民達に目撃されてしまい、最後は街の自警団の詰め所にしょっぴかれた挙句、散々に説教をされてしまった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『プレイヤーズ・バザー!』

POW   :    強い装備がないか物色する

SPD   :    使えないorもう使わない物を出品する

WIZ   :    上手く儲けられないか目を光らせる

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●丸呑みガチャ&トレードバザー
 物資の調達も終わり、NPC達も戻って来たことで、街はかつての活気を取り戻した。元は冒険者達の拠点だったことも相俟って、街では常に盛大なバザーが開かれている。
 そんなバザーを利用して、一儲けを考えるのも、また一興。なにしろ、復興が終わったとはいえ、あくまで人が暮らせるレベルに辛うじて戻した程度なのだ。家屋は戻っても日用品や食料などは不足しており、それらを得るための交易が盛んになるのも当たり前。
 街が街だけに、中にはマルノミミックを利用して、購入したものとは全く異なるアイテムを生成し、それらを売ることを生業としている商人もいる。商人達の間では錬成レシピなるものが出回っているようで、どのようなアイテムを飲み込ませれば、どれくらいの確率でどんなアイテムが出て来るのか、解析されている部分もあるのだとか。
 彼らと同じように余った素材やアイテムを錬成して売っても良いし、あるいは掘り出し物を探してバザーを回るのも良い。とにかく、ここは少しでも街の経済を活性化させるため、バザーを盛り上げなければならない。単に装備品を売り買いするだけなく、マルノミミックを上手く利用し、物々交換を狙うのも面白いかもしれない。
李・麗月
ふぅん、復興のお手伝いで売り買いすれば良いのねぇ。
それじゃ効率良くいきたいし商人のオジ様に錬成レシピ聞きに行きましょうかぁ。
もちろん迫るふりして催眠と魅了で。

インチキぃ?ボランティア、ボランティア。
アタシも儲けるつもりないし最終的にはこの人も得してるわぁ、たぶん。

手持ちの金で買えるものかって高値で売れるものに変えて
また買って売ってを充分じゃないってなるまで繰り返し。
レシピを快く譲ってくれた店から購入をはじめて
そこの素材がなくなったら別の店なりプレイヤーなりから購入。
ガンガン回していくので終わる頃にはミミックはヘロヘロになったりするかも。
ゲーム内で儲けてもねぇと思ってるので儲けはどうでも良い。



●錬金転売で大儲け!?
 荒れ果てた街を復興すると言われたら、どのような支援を考えるだろうか。
 普通であれば、家屋の修復や炊き出しなどを考える。だが、李・麗月(《蠱惑娘娘》・f42246)は全く別の視点から、街の復興に関わろうと考えていた。
「ふぅん、復興のお手伝いで売り買いすれば良いのねぇ」
 経済を回すこともまた、復興を早めるという点では手伝いのひとつ。ならば、バザーで売り買いすることも街を活性化させることに繋がると……そう考え、何故かバザーで店を開いていた商人に目をつけ、巧みに誘惑を開始した!?
「ねぇん、おじさまぁ💕 秘密のレシピ、教えてくださらなぁい💕」
「へ……? あ、ああ、勿論いいぜ! お嬢ちゃんみたいな美人には、特別サービスだ!」
 いきなり迫られ心の準備ができていなかったのか、商人のオッサンは簡単に落ちて、麗月にレシピを渡してしまった。これさえあれば、後は錬成し放題! 一見して役に立たなそうなアイテムでも、組み合わせ次第でそれなりに役立つ物へと早変わり!
 え、なに? これはインチキではないかって? いえいえ、これも立派なボランティア。珍しい商品が市場に出回れば、それらが流通することで、結果として商人達の儲けにも繋がるはずである……たぶん。
「とりあえず、錬成素材を買わないとね。それじゃおじさまぁ……ここからここまで、全部いただけるかしらぁ?」
 誘惑した商人の店の品を殆ど買い占め、麗月はそれらをレシピを見ながら街中に置かれたマルノミミックへと飲み込ませていった。葉っぱや鉱石といった素材そのままな代物も、組み合わせ次第では薬や武器防具へと変わって行く。古びた壷のような一見して役に立たなそうな道具も、貴金属と一緒に飲み込ませれば、金メッキされた壷になって出てくることもある。
 それらを売り払って得た金で、また新しい素材を買っては錬成し、売り捌くことで利鞘をしっかりと懐へ入れて行く。やがて、それなりに懐が温かくなったところで、麗月はバザーを後にした。あまりに高速で錬成を続けたので、ミミックがヘバッていたが、それはそれ。
「う~ん、なんだかさっきより活気が出た感じ? まあ、ゲーム内で儲けても仕方ないけどねぇ」
 袋一杯に詰まったゲーム内通貨を横目に苦笑する麗月。この世界の住人であれば、ゲーム内で稼いだ資金は電子マネーのような形でリアル世界でも使える。しかし、現状で猟兵はゲーム内世界しか訪れることができないため、持っていてもGGOの世界に来た時くらいしか使い道はない。
 まあ、それでも何かの役に立つこともあるだろうと、麗月は袋を持ち帰ることにした。なお、彼女の錬成したアイテムの中に稀少価値の高いものがあったのか、それらはバザーの中を巡りに巡り、後に高額で競売に出されて大いに商業を活性化させたという。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
成程、これは面白そうな市ですぅ。

この街の特色的に、バザーで『錬成用の素材を売っている店』も有りそうですねぇ。
折角ですから、そういう店を見て回り、「鉱石」や「くず宝石」、「布類」等を色々と買いこんでみましょうかぁ。
「レシピブック」の様な物を売っているお店が有りましたら、其方も購入してみますねぇ。

一通り買物を終えましたら、ミミックさんに食べさせて『錬成』してみましょう。
良品が出来る様【奘珤】で[幸運]を強化する首飾りを作成、着用しておきますぅ。
そして、色々作ってみて気になったのは「【奘珤】で作った品を入れたらどうなるか」ですねぇ。
完成した『良さそうな武具』と混ぜてみますと?



●完成、豊穣の杖!?
 マルノミミックの存在前提で、錬成したアイテムや錬成素材を売っているバザー。他の街とは少々異なる様相に、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は興味津々だった。
「成程、これは面白そうな市ですぅ」
 錬成された品を買うのも良いが、こういう場所だからして、錬成素材を売っている店もあるはずだ。バザーを探して回っていると、単品では価値のない鉱石や宝石の欠片、あるいは布などを売っている店も多かった。
 街の住民ならまだしも、冒険者からすれば、そのままでは何の価値もないものだ。この街が巨大なダンジョンの二階層に位置し、冒険者達の拠点として使われているのであれば、普通ならこんなものを売らないはず。
 だが、ここはマルノミミックの錬成によって潤う街。よって、これらのアイテムも錬成素材として使うのであれば、冒険者達にとっても価値がある。
(「実際、これだけの数をフィールドで揃えるとなったら、それだけで日が暮れそうですしねぇ……」)
 素材を山ほど買い込んだるこるは、そんなことを考えていた。なにしろ、モンスターを倒し、希少なアイテムを手に入れ、更なる下層へ向かうのが冒険者達の本業。それなのに、素材集めで何日も同じ階層を周回する必要が出てきたら、その時点でどれだけ面白いゲームも作業ゲーと化す。
 意外と、その辺の問題を解決するために、マルノミミックのようなモンスターが作られたのかもしれない。あれこれと考えながら、ついでに錬成のレシピに関する本も揃え、るこるはいざ錬成に入る! なお、錬成本にも種類があるようで、最上位のレシピが乗っている本は企業秘密により通常の方法では入手不可能になっていたが。
「大いなる豊饒の女神の使徒の名に於いて、豊潤なる才腕の結実よ、私の元へ」
 予め良い品ができるように、るこるは幸運を強化する勾玉の首飾りを作成して着用した。反動で胸やら尻やら凄まじく大きくなってしまったが、今はどうでもよい。それよりも、錬成して良品を手に入れることが先だとばかりに、るこるは次々と素材をマルノミミックへ飲み込ませて行く。
「なるほど、なるほど……。元が粗悪な装備品でも、飲み込ませる素材次第では、なかなか良い品が出てくるみたいですねぇ」
 鉄の鎧をベースにしたのに、素材次第で鋼の鎧に変化したり、あるいは魔術耐性の高い鎧に変化したりと、その錬成パターンも様々だ。どうしても組み合わせ的に難がある場合は全く別のアイテムにもなるようだが、パターンを熟知してしまえば、ポンコツ装備として売却するしかなかったものが、一転して最強装備に早変わりするのは面白い。
 聖なるローブと騎士の鎧を飲み込ませれば聖騎士の鎧に。鋼の剣に魔力鉱石を合わせれば魔具として使用することも可能な水晶剣に。ミミックにとっては酷かもしれないが、馬の糞と火薬を合成したら、凄まじい悪臭を放つ煙玉にもなる。
 だんだんと、錬成するのが面白くなってきた。そうなると、やはり気になるのはGGOに存在しなかった物体を飲み込ませた場合はどうなるのかだ。ゲームデータに存在しないものであっても、このミミックは別の何かに錬成できるのだろうか。
 今、るこるの手には錬成に錬成を繰り返し、神々しい輝きを放つ杖があった。この杖と、自分の装着している勾玉を合わせて錬成した場合はどうなるのか。怖いもの見たさ半分、るこるがそれらをマルノミミックへ飲み込ませれば……特に何の問題もなく錬成は行われ、吐き出されたのは勾玉が埋め込まれた杖だった。
「あぁ……これは予想通りといいますか、それとも予想外といいますか……」
 杖に秘められた力を確認し、るこるは思わず苦笑する。この杖、とある儀式を行うことで、使用者にとんでもない幸運を付与してくれる代物だ。だが、その儀式の方法は垂直に立てた杖を胸元で抱きしめるというもので……えぇ、胸の大きな人がやれば、どう考えてもアレなお店のアレなショーにしか見えないもの。使用方法が方法だけに、勾玉もいつになく卑猥に見えて仕方がない。
(「さすがにこれは……人前で使うのは憚られますねぇ……」)
 豊穣の女神の属性が、まさかこんな形で付与されるとは思わなかった。どちらにしろ、このアイテムは現状ではGGOの世界でしか使えないので、本気で使うなら猟兵自身が自らの武器として調整し直す必要があるのだが。
 果たして、このクソ恥ずかしい儀式が必要な杖を使う機会はあるのだろうか。それとも、この杖も再びマルノミミックへ飲み込ませ、別の物に変えてしまった方がいいだろうか。
 るこるが、どちらを選んだのか。それは彼女にしか分からないことである。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クロエ・アスティン
や、やっと解放されたであります。
事情を説明してぼろ布を一枚もらえましたけど……や、やっぱりきちんとした服が欲しいであります。

もうガチャはこりごりなので、先ほど出たアイテムを売ってなんとかならないでしょうか。
巨乳薬を除いてバザーに出品してみますが……うぅ、やっぱり売れないであります。
諦めかけていたところに、「エッチな下着」をかなりの金額を出すからと探している人が!?
じ、自分、さっきガチャから出たであります!!と思わず呼び止めてしまいます。

けど、よく考えると「エッチな下着」は装備した状態で……
この場で脱ぐわけにも行かず、路地裏に呼び出して、恥ずかしいけど背に腹は代えられないと覚悟を決めるであります



●イケない☆下着転売!?
 他の猟兵達が経済を活性化させて復興支援に励む中、誤解で連行されたクロエ・アスティン(ハーフドワーフのロリ神官戦士・f19295)は、ようやく詰め所から解放された。
「や、やっと解放されたであります……」
 露出狂という誤解は解けたが、しかし錬成を失敗した挙句にエロ装備やジョークグッズばかりになってしまったということで、最後は哀れみの視線で見られていた気がする。とりあえず、下着姿で街を歩かれるのは拙いので、ボロ布を一枚だけもらえたが……はっきり言って、これはこれで酷い。巨大な雑巾で作った袋に穴を空けて頭と手足を通しているだけなので、奴隷商人から逃げて来たと言っても通用するレベルである。
 いっそのこと、このボロ布含めて全てマルノミミックへ飲み込ませてしまおうか。いや、ダメだ。そもそもベースのアイテムが粗悪品では、出てくるアイテムも大したことないのである。素材を自分で入手する手段がないクロエは、錬成でアイテムのランクを上げることもできず、完全に手詰まりになっていた。
「こうなったら……もう、手持ちのアイテムを売り捌くしかないであります……」
 バザーの片隅に場所を設けさせてもらい、クロエは自分のアイテムを売ることにした。とにかく、今は少しでも金を稼がねば始まらない。
 なお、巨乳薬だけは売らずに確保していたようだが、これはあくまでGGO内で使えるアバターを変化させるもの。ゲームキャラクターではないクロエに効果があるかどうかは不明であり、仮にあったとしてもGGOの内部でしか使えないので、他の世界に持ち帰って使うことができないのは残念過ぎた。
「……うぅ、やっぱり売れないであります」
 それでも、頑張って残りのアイテムを売ろうとするクロエだったが、やはり売れない! まったく売れない! 装備したところで防御力が+1しかされず、碌な技能もつかない上に、ともすれば見た目が残念な装備など売れるはずもないのだ。
 あまりに惨めなクロエを見兼ねてか、それとも物乞いの少女と勘違いされたのか、通りすがりのおばちゃんからパンを恵んでもらってしまった。そのことが、ますますクロエを惨めな気分にさせて行き、頭のネジを凄まじい速度ですっ飛ばして行く。
「あ~、またミミックガチャハズレかよ~。今度こそ、エッチな下着が手に入ると思ったんだけどな~」
 そんな中、クロエは通りすがりの男が、エッチな下着を欲している声を聞いてしまった。普段であれば聞かなかったことにするところだが、しかし今のクロエは背に腹は代えられない状態だ。
「じ、自分、さっきガチャから出たであります!!」
「え、そうなの? だったら、100,000T出すから譲ってくれね?」
 思わず呼び止めてしまい、しかも超高額での売買を提案された。これは、もしかしなくても運が傾いて来たのでは……と、そこまで考えたところで、肝心の下着を自分が装備していることに気が付いた。
「じ、実は……その……。そ、装備しているので……この場で脱ぐのは……」
 装備品を売るにしても、公衆の面前で生脱ぎシーンは公開できない。仕方なく裏路地に向かい、そこで改めて下着を抜いで手渡すと、男は大喜びで下着を手に取りいやらしい笑みを浮かべている。
「うっひょ~♪ 美少女の生脱ぎ下着ゲット~♪ 清楚な顔してこ~んなエロ下着を装備しているなんて、君ってもしかしなくても変態?」
「ち、違うであります! というか、早く代金を払ってください!」
 全力で抗議しつつ代金を求めるクロエだったが、どうやら相手は悪質なプレイヤーだったようで、クロエの下着を持ったまま逃げ出した。
「バ~カ! 誰が金なんか払う買っての! 騙される方が悪いんだよ!」
「そんな……話が違うでありま……ひゃぁっ!?」
 慌てて追いかけるクロエだったが、ノーパンノーブラの上に薄いボロ布を纏っているだけなので、走るだけで布がめくれあがってポロリしそうに! 思わず前を両手で抑えるも、その隙に男は逃げ出して、路地裏の奥に見えなくなってしまった。
「うぅ……最悪であります……」
 最後の希望であったエッチな下着を失って、クロエはその場に泣き崩れた。なお、路地裏でこっそり取引をしたつもりだったが、下着の販売現場を誰かが見ていたようで、クロエは通報を受けて到着した自警団の面々に再びしょっぴかれ、更なる説教を食らったという。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エアリーネ・シルベンスタイン
家探しは失敗でしたね……外の方が色々手に入ったかもしれません……
まあ、建築様式等を見れたのでよしとしましょうか…

……バザーに私が出せると言ったらこの『みどりのキノコ』ぐらいですが…
これだけではダメ?…なら仕方ありません……UCを使い、「今戦っている相手に有効な、衝動買いしていたマジックアイテム」を『ぷちぽーたるくん』からとり出しましょうか……
ご存じですよね…これもまた「戦い」なのだと…
まあ、これらの(メタで言うと所持アイテムやUC化してない)アイテム類は大体調べつくしていますし…
いくつか手放しても問題はありませんから……

(なおお金を手にしてもまた別の品物を衝動買いし結局手元には残らない模様)



●バザーは戦場だ!
 多くのマルノミミックを一網打尽にしたエアリーネ・シルベンスタイン(びんぼうエルフ・f26709)だったが、彼女にとって今回の探索は、あまり利のあるものではなかった。
「家探しは失敗でしたね……外の方が色々手に入ったかもしれません……」
 理由は、倉庫の中に置かれた宝箱の大半がハズレだったことである。大したアイテムなどないと思っていたが、本当にゴミ同然のものしかなかったので、ほんの少しだけガッカリした。
 街に入ったら、まずは民家のタンスや机を漁るのが、勇者としてのお約束。そんな話を聞いたこともあるが、しかし場合によっては外に置かれた樽や壷の中に貴重なアイテムが隠されていることもある。それらは街によって異なるため、どこに稀少なアイテムが隠れているかは一概に決めつけられないのだ。
「まあ、建築様式等を見れたのでよしとしましょうか……」
 とりあえず気を取り直して、エアリーネはバザーに出す品を選別し始めた。もっとも、彼女がバザーに出せるのは『みどりのキノコ』ぐらいしかなく、これだけでは商品としては不十分だった。
 さすがに、キノコだけで儲けを得ようというのは無理が過ぎる。ならば、ここは出し惜しみせず、過去に衝動買いしたマジックアイテムを余すところなく売るしかない!
「ご存じですよね……これもまた『戦い』なのだと……」
 なにやら意味深なことを呟きながら、エアリーネは珍しい品の数々を店先に並べた。早速、客が訪れるが、エアリーネはそう簡単に売却しない。バザーはレートが決まっているわけではないので、売値も買値も交渉次第。つまり、そういう意味での戦いなのだ。互いに値段を吊り上げ、値切り……真ん中くらいで落ち着いたところで、双方共に納得して売買するのが普通である。
 まあ、エアリーネとしては既に調査済みのアイテムを売っているだけなので、そこまで売値にはこだわっていなかったのだが。それでも、気が付けば懐は随分と温かくなり、街にもこの周辺では手に入らないようなアイテムを流通させることができたので結果はオーライ。
 なお、それらの資金は全て衝動買いで消費してしまったので、エアリーネの手元には最終的に殆ど金が残らなかった。しかし、それでも新しいアイテムはいくつか手に入ったので、今度はそれらを色々と調べることで、何か新しい発見があるだろう……たぶん。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年02月21日


挿絵イラスト