バトル・オブ・オリンピア⑯〜ブロークン・セラフィム
●サッカー座周辺宙域
サッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』は揺らめく暗黒星雲を封印した髪を揺らしながら、明るく笑った。
それだけで彼女が準備運動とばかりにリフティングしていたボール……第三銀河最強兵器を高く蹴り上げた。
高くボールを垂直に蹴り上げる技術は相当にコントロールがある、ということである。
そう、サッカー・フォーミュラたる彼女は銀河最強のシャーマンにして『ギャラクシィリーガー』、さらにもう一つさらに第三銀河の征服王!
「もう一つ加えると究極美少女!」
彼女は宇宙で一つ伸びをしていた。
新生フィールド・オブ・ナインである彼女にとってアスリートアースという小さな星の大会など配下である『ギャラクシィリーガー』たちに任せておけばいいと欠伸を一つする。
そう、彼女は第三銀河を宇宙史上初めて統一した最強の『ギャラクシィリーガー』なのである。
だからこそ、慢心、驕りがあった。
そう云われても仕方のないことであったが、しかし、彼女が一度フィールドに現れればロスタイムからでも逆転することが可能であっただろう。
それほどまでに彼女の髪に封印された暗黒星雲の力は凄まじいのだ。
だが。
彼女にとって誤算があったのだとすれば、配下たる『ギャラクシィリーガー』たちが勝手に『ギャラクシィリーグサッカー』を開催しているということである。
「……え」
彼女はアスリートアースから通信を受けて目を丸くする。
すでに『バトル・オブ・オリンピア』は開催され、それどころか配下たる『ギャラクシィリーガー』たちは『ギャラクシィリーグサッカー』を開催し、そんでもって猟兵達に敗北しているのだ。
だが、そんなことをまだサッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』は知らない。
「あれに負けたら、アタシ達みんな支配下に置かれちゃうんですけど……???」
彼女の危惧するところが既に起こっている。
勝手した配下たちが抜かることはないと思っていても、気になる。眠れない。
ちょっと練習したらまた一眠りしようと思っていたのにどうにも気になってしまうのだ。
「しょうがない、アタシもあの星に行くか……どうか、負けてませんように……――」
●スタジアム
そんなこんなでサッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』はアスリートアースへとやってきていた。
嘗て未公式競技『プラモーション・アクト』――通称『プラクト』の世界大会『WBC』がお行われていたスタジアムは『ギャラクシィリーグサッカー』の熾烈なる余波でもって、それはもう破壊されつくされていたのだ。
しかも、サッカーフィールドに変えた上にテニスコートにまで変形しているため、今其処では『プラクト』アスリートたちが瓦礫の撤去やらに勤しんでいたのだ。
「……ま、負けてんじゃん!!」
液晶掲示板に残る『ギャラクシィリーガー』と猟兵たちの試合結果。
そう、負けている!
即ち!
「ええ、そのとおりです。サッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』……第三銀河の征服王にしてシャーマン……さらに究極美少女!」
グリモア猟兵、ナイアルテ・ブーゾヴァ(神月円明・f25860)は彼女の前に仁王立ちしていた。
なんか無駄に威厳を出している気がする。これはよくないやつである。
「その通りなんだけど……ええぇ……第三銀河からやってきたのにもう試合が終わってるとか……」
「『ギャラクシィリーグサッカー』は私達の勝利で終えました。すでに制圧済み、というやつですね」
そう、ここから彼女がどれだけ『ギャラクシィリーグサッカー』で活躍しようが、すでに『ギャラクシィリーガー』たちは猟兵の配下なのだ。
『エル・ティグレ』であっても例外ではない。
「くっ! 一足遅かったとか……! うっかり寝すぎちゃったのが仇となるとか……! で、でも試合はしないとだし……サッカー・フォーミュラだし……!」
「なー、サッカーまたやんの?」
「またですか!? 今度はスタジアム壊さないでください。復旧に更に時間が掛かってしまいますから!」
再度サッカー試合をする、という言葉にスタジアムの片付けと復旧を行っていた『プラクト』アスリートたちが、ぶーぶー言い始める。
だが、サッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』は、ぐぬぬ、と歯噛みする。
とっても癪であるが!
確かに配下とは言えど『ギャラクシィリーガー』たちに猟兵たちは勝利したのだ。
ならば、従うのが筋である。
「お願いします! もう一度試合してください!!」
なんで敬語?
ナイアルテを含めた猟兵たちは思った。
先程までの尊大な態度は何処に行ったのか。あ、もしかして、『ギャラクシィリーガー』たちが敗北し、彼女もまた猟兵の配下となったから敬語になっているのだろうか?
「そうです! だから!」
「またスタジアムぶっ壊されるのもやだし、もうこれが最後ならいーんじゃね?」
アスリートたちの言葉に押されるようにして猟兵たちは頷く。
まあ、それなら、と。
「ありがとうございます! うう、この私が、第三銀河の征服王が、究極美少女が……! えもアタシは負けない! です! この『暗黒星雲攻撃』は絶対先制攻撃! さらにはボールは『暗黒星雲』の力を込めたユーベルコードの力を飲み込み食らうユーベルコード!」
彼女は己の髪の中に封印していたサッカーボールを具現化し、フィールドに立つ。
全部説明してくれる。
それはともかく!
なんていうか、すでに配下になっている『エル・ティグレ』であるが、彼女を打倒し『バトル・オブ・オリンピア』の元凶たる『大魔王ガチデビル』を倒し世界の破滅を防ぐため、今、キックオフなのだ――!
海鶴
マスターの海鶴です。
※これは1章構成の『バトル・オブ・オリンピア』の戦争シナリオとなります。
すでに⑫ことギャラクシィリーガーは制圧済みのため、サッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』は皆さんに敬語でしゃべります。
とは言え、泣きの一回的に始まる試合において彼女に勝利を収めなければなりません。
彼女はハッキリ言って強敵です。
伊達に第三銀河の征服王ではないのです。
彼女の髪には封印された『暗黒星雲』が存在しており、サッカーボールの形として放出することができます。
この『暗黒星雲攻撃』は先制攻撃であり、かつ、あらゆるユーベルコードを飲み込み食らう恐るべきユーベうrコードです。
極めて強力ですが、このボールを奪い取ることが、もしもできたのなら逆に猟兵であるみなさんが能力を利用することができるでしょう。
プレイングボーナス……敵の先制攻撃に対処する/暗黒星雲攻撃を奪って使いこなす。
それではアスリートアースに巻き起こる熱きスポーツバトルの祭典を戦い抜く皆さんの物語の一片となれますように、たくさんがんばります!
第1章 ボス戦
『エル・ティグレ』
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POW : ティグレ・スーパーノヴァ
【蹴りつけたサッカーボール】に【猛虎の如く吼え猛る超新星の輝き】を注ぎ込み変形させる。変形後の[蹴りつけたサッカーボール]による攻撃は、【重力反転】の状態異常を追加で与える。
SPD : ダークネビュラ・タイフーン
【「獣」の形に変幻する暗黒星雲のエネルギー】を纏いレベル×100km/hで疾走する。疾走中は攻撃力・回避力・受けるダメージが4倍になる。
WIZ : 銀河猛虎帝
光輝く【ギャラクシィエンプレス】に変身する。武器は【己の肉体】しか使えないが、[己の肉体]の射程外からのダメージは全て100分の1。
イラスト:tyone
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
李・麗月
重役出勤してきたら見せ場どころか勝負ついてたとか笑えるわねぇ。
まず魅了と催眠の視線を送ってメロメロフラフラにして暗黒星雲ボールを渡してくれるようお願いねぇ。
その後は指定コードで天狼ちゃんと一つになって強化、更に暗黒星雲ボールで
相手のユーベル・コードを奪い取ってさらに強化。
メロメロフラフラなエル・ティグレちゃんにアナタもボールよぉとシュートするわぁ。
強化されたスーパーシュートでボールもろともゴールに叩き込んであげるわぁ。
ゴールネットもぶち抜いて壁に当たるのがお約束ねぇ……あれ更に壊しちゃったかもぉ?
そう、『ギャラクシィリーグサッカー』は既に猟兵の勝利で幕を閉じた。
宇宙より飛来した異星のギャラクシィリーガーたち。
彼らを打倒した猟兵たちは、勝利した者の証として彼らを従えているのだ。しかしである。
「……負けてるなんて……!」
第三銀河の征服王にして究極美少女、サッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』はうなだれていた。
彼女は目覚めたは良いものの、アスリートアースという小さな星ならば配下で十分だろうと思っていたのだ。ギャラクシィリーガーたちも同様であっただろう。
現地のダークリーガーを洗脳して強化すれば、容易いことだったのだ。
だが、猟兵たちの介入によって、目論見は御破算となってしまった。
それどころか、彼らが敗北を喫したことによって『エル・ティグレ』もまた配下へと身をやつすことになってしまったのだ。
「重役出勤してきたら見せ場どころか勝負ついてたとか笑えるわねぇ」
けらけらと李・麗月(《蠱惑娘娘》・f42246)は笑っていた。
笑ってはいたが、己が身に同じ災難が降り掛かっていたら笑えていただろうかと思わないでもない。
「同じ重役出勤なら、ゲームセット間際に来ていればまた違ったのかも知れないわねぇ」
「それは言わない約束だろ! です!」
何故か敬語。
いや、それって敬語かな? と思わないでもないが、麗月は微笑む。
「そうよねぇ。ほら、まずはキックオフよぉ。こちらボールからで構わないわよねぇ?」
彼女はそう言って視線を送る。
魅惑の視線である。
あ、そっか、と『エル・ティグレ』は頷く。
ゲーム。これはサッカーの試合なのだ。なら、最初はキックオフから。ボールは……えっと、この暗黒星雲を込めたボールしかないようなら、仕方ないとばかりに彼女は第三銀河最強兵器たるボールを蹴り出して麗月へとパスするのだ。
えっ! と思わないでもない。
なぜなら、そのボールはあらゆるユーベルコードを食らうユーベルコードそのもなのだ。
それを麗月はキックオフという単語と寵姫としての力でシレッと奪って見せたのだ。
「ありがとう。それじゃあ、天狼ちゃん、合一よぉ」
麗月の瞳がユーベルコードに輝く。
この時点で『エル・ティグレ』は、漸くにして気がついたのだ。
「あーっ!?」
「ええ、そうよぉ!」
指を鳴らし、麗月は天狼と合一することによって狼耳と尻尾を生やした、麗月、狼Ver.へと変身し、キックオフの瞬間、その爆発的に増大した反応速度でもってスーパーシュートを『エル・ティグレ』へと叩き込むのだ。
「『エル・ティグレ』ちゃん、アナタもボールよぉ!」
なんたることであろうか。
サッカーしようぜ! お前ボールな! みたいなノリである。
ただでさえ、『エル・ティグレ』は既に勝敗が決していて、しかし、それでも戦わざるを得ないというテンションぐだ下がりな状態なのだ。
そのバッドコンディションを煮詰められたような状態で叩き込まれる麗月の強化された天狼合一(テンロウゴウイツ)、スーパーシュートである。
ハッキリ言って死体蹴りじゃないのかな? と思うほどの強烈にして痛烈なる一撃。
げぼぁ! と究極美少女が出しちゃいけない声と共に『エル・ティグレ』の体はゴールネットへと叩き込まれてしまうのだ。
ついでにネットもぶち抜いて、壁面に亀裂走らせるのだ。
人型にくぼんだ壁面に『プラクト』アスリートたちの少女たちが不満の声を上げる。
「あー! また壊した!!」
「あらぁ、ごめんなさいねぇ? 思った以上に威力出ちゃったわぁ」
てへぺろっとする麗月。
うん……まあ、可愛いからヨシ――!!
大成功
🔵🔵🔵
馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友
第三『侵す者』武の天才
一人称:わし 豪快古風
今回のでサッカーにハマった
…まあ、勝手にやっとるとは思わんかったからな…。
その『暗黒星雲』は…まずは奪い取らねばなぁ。幸い、向こうは…なんか光り輝いとる。
結界を足先に展開し、ボールに触れても大丈夫なように。
自然と近接攻撃になろうから、それは見切って避け…一瞬でも止まったのなら、そこから『暗黒星雲攻撃』ボールを奪うとしよう。
…いや、眩しいことに文句はないのだがな?
これも一応、試合でな?
※
陰海月「ぷーきゅ!」
片付け手伝ってた。ポンポン持って応援
いきなりの先制点を打ち込んだ猟兵サイドさんは、その、手心というか、加減と申しますか。
そういうのってないのかなって思うほどにサッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』は打ち込まれたゴールもとい、ネットもとい、壁から立ち上がる。
「ぐぬ……究極美少女が出しちゃいけない声出しちゃったじゃん……! いや、です!」
あ、敬語はまだ使うんだ、と馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)たちは思った。
なんていうか、こう、不憫だなぁと思わないでもなかった。
というか、『侵す者』はサッカーにハマっていた。
戦略性とチームプレイ。
それによって生み出されるゲーム展開の多彩さは、彼にとって心躍るものであったのだろう。
だからこそ、だ。
異星より飛来したギャラクシィリーガーたち。
彼らが挑んできたギャラクシィリーグサッカーは、勝負を挑まれた時点で勝利せねば、星まるごと支配下に置かれてしまうという規格外スポーツ。
棄権したって、その時点で敗北が決まって地球はギャラクシィリーガーたちのものとなるのだから、やってられない仕様である。
ならば、勝てばよかろうというものである。
実際、勝った。
「……まあ、勝手にやっとるとは此方も思わんかったからな……」
「アタシがいれば、こんなことにならなかったのに……ですよ!? 本当にアタシがいればアンタたち……や、アナタたちなんてけちょんけちょんにしてやれたんだから、ですよ!?」
敬語なのか、それは、と思わないでもない言葉遣いであったが、『侵す者』は憐憫の眼差しを向けた。
ついでに破損したスタジアムの片付けを手伝っていた『陰海月』もまたポンポンもって応援してくれているのが、さらに『エル・ティグレ』の不憫さを加速させていた。
「ええい、やめてよね! くださいね! 一応試合はするんだ、です!」
「まあ、わからんでもないが……その気持ち」
後なんか、『エル・ティグレ』、光り輝いている。
自身の肉体より発露する『ギャラクシィエンプレス』に変身しているのだ。
「この姿に変身したからには、もう止められないわよ、です!!」
「まあ、元気なのはよいことだの。さあ、行こうか! いや、眩しいな」
「『銀河猛虎帝』とはアタシのことよ、喰らいなさい、この暗黒星雲シュートを!」
蹴り出されんとする必殺シュート。
それはあらゆるユーベルコードを食らうユーベルコード。
彼女はその髪に蓄えた暗黒星雲の力でもって、この必殺シュートを繰り出し、第三銀河を統一征服せしめた女傑なのだ。
腐っても!
例え、もう敗着が決定していて猟兵の配下となっていたとしても!
彼女の輝かしき経歴、その実力は陰ることはないのだ!
「そういうわけで! 受けなさいよ!」
「あらよっと、なのである」
そこにインターセプト。
彼女の身に降り注ぐは真黒の雷。
それは確かに暗黒星雲満ちるボールを蹴り出そうとしていた彼女の体へと降り注ぐも、吸収される。
しかし、予め設置していた鏢より発露した麻痺の力が彼女の動きを止めたのだ。
だが、それでも刹那。
一瞬だ。
「それで十分よな」
止まったから、カットした。簡単なことだと言わんばかりに暗黒星雲ボールを奪った『侵す者』は頷く。
「え」
「そういうものである」
四悪霊・雷(シアクリョウ・カミナリ)は、確かに強烈な一撃であるが、それを暗黒星雲ボールは吸収してしまう。けれど、落ちた、という事実は変わらず。
ダメージは与えられずとも一瞬の麻痺は起こる。
そこを突いたのだ。
「卑怯じゃない!? ですか!?」
「いや、一応これも試合でな?」
ボールカット出来る時に出来ることをする。それだけなのだと『侵す者』はなんとも不憫な『エル・ティグレ』を置き去りにするようにボールを蹴り出し、センタリングを極めるのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
エミリィ・ジゼル
敬語を強いられるのかわいそ…
それはそれとして完全勝利のためにもフルボッコにさせていただきましょう。
相手の先制攻撃である暗黒星雲ボールは【第六感】で【見切り】、【念動力】で【略奪】します。
直接持ってUC使えないと困るので、そのまま念動力で確保しておきましょう。
手で持つとサッカー的には反則ですしね。念動力はセーフ。ルールにない
ボールを奪ったら反撃開始。自前のUCでサメに乗りつつ、更にボールでUCを奪い、猛虎の如く吼え猛る超新星の輝きをまとったサメで疾走し、相手を轢きます。
ついでにバックでも轢いて念入りにとどめを刺しておきましょう。
「キキー!ドン! 轢いたのは鹿でした。セーフ」
わーん! と涙声が聞こえる。
いや、涙声っていうか、ヤケクソになった声というか。
そう、サッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』である。彼女は確かに第三銀河を統一せしめた征服王にしてギャラクシィリーガーである。
彼女の凄まじき点は言うまでもなく、その髪に封じ込めた暗黒星雲である。
その暗黒星雲をボールにし、あらゆるユーベルコードを喰らうユーベルコードとしているのだ。しかも、先制攻撃する。
マジで恐るべきダークリーガーなのだ。
だがしかし。
今彼女は涙声っていうか、ヤケクソな声を上げて猟兵に上げられたセンタリングをなんとかトラップしてさらなる失点を防いでいた。
「はぁ、ふぅ、はぁ……! くっ、流石に配下たちを下しただけのことはある、ですね!」
なんか変な喋り方だなぁ、とエミリィ・ジゼル(かじできないさん・f01678)は思った。
仕方ないことなのである。
配下であるギャラクシィリーガーたちが既に猟兵たちに敗北しているため、彼女ごとギャラクシィリーガーたちは猟兵の配下になっているのだ。
「敬語を強いられるのかわいそ……」
そういうエミリィもメイドさんなのならば、敬語使うのは別段苦にならないのではないだろうか。
でもまあ、強制されるのってしんどいからね。
わからんでもないのである。
「でも、それはそれとして完全勝利のためにもフルボッコさせていただきましょう」
「メンタル的にもうズタボロなんだけど!? ですけど!?」
「慣れないなら敬語やめてもいいのですよ?」
「それじゃあ、ギャラクシィリーグサッカーでこれまで整復してきた星々に申し訳ないだろ! です!」
なんか律儀だなぁとエミリィは思ったが、しかし彼女は知るだろう。
何故、『エル・ティグレ』が第三銀河を征服できたのかを。
その力の一端を!
「試合に負けたけれど、勝負にはまだ負けてない! というわけで、喰らえ、アタシのティグレ・スーパーノヴァを! です!」
猛虎の如く吼え猛る超新星の輝き放つ暗黒星雲封じたボール。
蹴り込まれた一撃は重力反転の特性を得て、フィールドを割るようにして地を這う一撃でもってエミリィのカットを足ごとぶっ飛ばす。
あーっと、エミリィくんふっとばされたー! というやつである。
ごういんなドリブルとハリネズミドリブルを許さない。
何の話だかわからないが、それはともかくとしてエミリィの体が宙に舞う……いや、違う! エミリィはふっとばされたのではない。
あえて反転重力に身を任せて宙を舞ったのだ。
じゃあ、必殺シュートは?
「念動力で確保しました!」
「それアリなの!? です!?」
「手で持つとハンドですが、サッカー的に。ですが、念動力はセーフ。不思議な力ですし、何よりルールにないです。ですので、セーフ」
「そういう理屈!? ですか!?」
「そうなのです! さらに! 見さらせ、轢き殺すサメイドの術(ヒキコロスサメイドノジュツ)」
さっきからなにそれ!? のオンパレードである。
エミリィはユーベルコードに輝く瞳でもって竜巻を纏い、サッカーフィールドに適したサメにライドオンし、一気にボールと共に『エル・ティグレ』へと迫るのだ。
あーっと、『エル・ティグレ』選手ふっとんだー!
「じゃない、でしょ!? ファウル、ふぁーる! ってあー!?」
さらに念入りにというようにエミリィはサメで『エル・ティグレ』をバックでも轢く念の入れようである。
「キキー! ドン! 轢いたのは鹿でした。セーフ」
「アウトに決まってんでしょ1?」
「おや、『エル・ティグレ』さん。いいんですか。ボールが無人のゴールに転がっていきますよ?」
「もぉぉぉぉ!!」
エミリィはゴールラインを割りそうなボールを追いかける『エル・ティグレ』をみやり、不憫だなぁ、と他人事のように深く頷くのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
空桐・清導
POW
アドリブや連携も歓迎
「敬語はいらねえ!素のアンタと戦いたいからな!
オレは空桐清導!全世界のヒーローをやっている!
楽しい試合にしようぜエル・ティグレ!!」
キックオフ前に握手を求める
叩き込まれるティグレ・スーパーノヴァの真正面に立つ
「UCがなくともブレイザインは無敵だ!
必殺!ブレイジング・タイム!」
猟兵としての規格から果てしなく[限界突破]している清導が
前方の空間を全力で蹴ることにより時間質量がなぜか消滅
一種の時間停止空間にシュートが入ることで停止したボールを奪取
即座にUC発動
砲撃のエネルギーを全てボールに集束
「超必殺!ハイパーブレイズノヴァ!!」
計測不能のエネルギーを秘めたシュートでゴール
なんとか追加失点を防いだサッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』は息を整え、ボールをキープする。
これ以上失点しては逆転の目はなくなってしまう。
わかっている。
けれど、彼女は認めざるを得なかった。
猟兵達という存在。彼らはアスリートアースにおける超人アスリートたち以上に強敵である。
「こ、こいつら……じゃなくってアナタ達なら……確かに配下たちが破れたのも頷けるですね!」
第三銀河の征服王として長らく君臨してきたが故であろう。
他者に敬語を使われど、使うことはなかった彼女はなんていうか言葉遣いが変になっていた。
とは言え、配下たちが勝手にギャラクシィリーグサッカーを開催して敗北してしまった以上彼女も猟兵の配下になってしまうのだ。一応試合はするけど。
チーム身内の練習試合みたいなもんだろうか。
だが、負けるわけにはいかないのだ。
「敬語はいらねぇ! 素のアンタと戦いたいからな! オレの名は、空桐・清導(ブレイザイン・f28542)! 全世界のヒーローをやっている! 楽しい試合にしようぜ『エル・ティグレ』!!」
戦う前にと、清導は『エル・ティグレ』に握手を求める。
本来ならば簡単に拝謁できぬ征服王にして究極美少女であるのが『エル・ティグレ』であるが、しかし、今は猟兵の配下となっているので。
「あっ、はい。よろしくおねがいしますです!」
敬語はいいのになぁって思ったが、そこはそこ。それはそれ! そう、ちゃんとギャラクシィリーグサッカーのルールを守ってて偉い!
「とは言え、手加減は不要だぜ!」
打ち込んでこい、と言わんばかりに清導は構える。
謂わばこれは、キーパー役である彼と『エル・ティグレ』の一対一!
ここで失点を取り返すにはお誂え向きのシチュエーションだった。もうPKじゃないかなっていう突っ込みは野暮なので止めようね。
「なら、遠慮なく! これが猛虎の如き吠える超新星! 必殺シュート! ティグレ・スーパーノヴァ!!」
放たれるシュート。
それは重力を反転させ、フィールドをかち割るようにして突き進む暗黒星雲を秘めたボールの一撃だった。
あらゆるユーベルコードを食らうユーベルコード。
その一打を前に清導は空間を蹴り込む。
圧縮された大気は、迫る必殺シュートの眼前に押し出される。
限界を突破した身体能力。
それによって大気すら押し出すキックは迫る『エル・ティグレ』のシュートの生み出す反転重力による一打を受け止める。
いや、受け止められては居ない。
だが、時間は稼げた。
一瞬であったが、『エル・ティグレ』のシュートを押し出した大気がとどめたのだ。
あのボールはユーベルコードを食らう。
ならばこそ、清導は踏み出す。ボールを奪う、という行為事態が、あの暗黒星雲を秘めたボールに込められたユーベルコードを食らうユーベルコードを己が利用できるというのならば、彼は渾身の力を込めてボールを蹴る。
奪った、と定義するのは自チームボールにした時である。
故に清導はきしむ機械鎧の脚部パーツを破壊されながらも必殺シュートを受け止め、一歩を踏み出した。
「アタシの必殺シュートを止めた!?」
「これが『ブレイザイン』の全力だ! ボールは奪った! なら、これはもうオレたちのボール! ここに! ファイナル・ブレイジングドライブ!!」
決着変身!(ファイナル・ブレイザイン)による覚醒。
胸部より放たれる特大二連火焔砲と超極大威力の超特大光焔砲のニ連撃を解き放ちボールを打ち込むのだ。
「超必殺! ハイパーブレイズノヴァ!」
凄まじいエネルギーで打ち出されるシュート。
シュートかな?
「蹴ってなくない!?」
でもでもシュートは足で蹴らないといけないというわけではないだろう。
手さえ使わなければ、ヘディングシュートだって打てるわけだしね! つまり! 胸からビーム出して打ち出してもシュートなのだ。
打ち込まれたシュートは『エル・ティグレ』を巻き込みながら一直線にゴールへと走るのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
テスティナ・ヴァシリッサ
ぴる。異界の宇宙列強種……このような戦場でなければ“解析”をしたかったところですが、何処かから怒られそうですのでやめておきましょう
UC吸い込み無力化で妨害を避けつつの疾駆、確かに難敵ですね
という訳でセル兵士を数人捨て身で足止めに向かわせ壁にし、
その間に指向性を持たせた念動衝撃波を直接相手の脚などにぶつけたり、見えない壁の形で念動力場を生成して衝突させバランスを崩し転倒させます
隙を作ったらボールを念動力で確保、重力変動は慣れています。少し集中してそのままUCを使用。
この場の敵全員へ大量の思念波を送信・強制的に受信させ思考処理能力を著しく減退。動きを阻害してその間にゴールを決めるとしましょう
「ぴる」
テスティナ・ヴァシリッサ(ゼルガリアスの姫巫女・f38690)はなんとも言えない気持ちになっていたかもしれない。
彼女が見ていたのはサッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』と猟兵たちの試合である。
いや、見ていた、というのは語弊がある。
彼女もまた猟兵サイドで参加しているのだ。
見ていた、というのは猟兵たちが放ったシュートが埒外の威力を持っていたからだ。
もうなんでもアリであった。
熱線でボールを打ち出すのも、サメでレッドカードすれすれのファウルをするのも。
なんていうか、如何にこれが宇宙規模のギャラクシィリーグサッカーなのだとしても、とんでもないことである。
「異界の宇宙列強種……このような戦場でなければ“解析”したかったところですが、何処からか怒られそうですのでやめておきましょう」
テスティナはそういうわけなので、真面目にサッカーしようと思っていたのだ。
確かに『エル・ティグレ』の放つユーベルコードを食らうユーベルコード。暗黒星雲を込めたボールは厄介だった。
だが、すでに試合は2-0である。
猟兵がシュートを決めている。だからこのままロスタイムまで持ち込めばなんとかなるだろうとは思えた。
けれど『エル・ティグレ』の眼差しを見ればわかる。
このまま彼女が終わるとは思えない。
「2-0なんてここからだ! です! これしきの窮地なんて、これまでたくさんあったわわよ、です!」
「ぴる。もしかして、です、とつければ敬語になると思っています?」
「ギクッ!」
そうなのである。
彼女は第三銀河の征服王にして究極美少女。
これまで敬語使われる側だったので、いきなり敬語を使わないと行けない立場に転落したのである。すっかり敬語ってもんを忘れてしまっているのだ。
「いいじゃないの! です! どっちにしろ試合はするんだから! です!」
ふざけた感じだけれど、真剣なのだ。
それに彼女は強敵にして難敵だ。
ユーベルコードを無効化されるのも厄介だが、その髪、暗黒星雲のエネルギーを纏い、虎のようにフィールドを疾駆してくる。
凄まじい。
それは彼女が正しく最強のサッカー・フォーミュラであることを示していただろう。
強烈なドリブル。
まずはボールを奪わねばならない。
なんとかして、とテスティナは動く全身鎧のセル兵士たちを突っ込ませる。
「な、何こいつら!? く、っ、レッドカードが怖くないの!?」
「捨て身でどうにかします」
テスティナは彼らをもって『エル・ティグレ』のドリブルの足を止めようとしているのだ。
その間に指向性をもたせた念動衝撃波を放ち、『エル・ティグレ』の足を削るのだ。反則じゃない? 見えてないからセーフ。
「痛いっ、えっ、痛いっ!?」
たまらず『エル・ティグレ』は足をボールから離してしまう。
その一瞬の隙にテスティナはセル兵士たちの屍を蹴って『エル・ティグレ』からボールを奪う。
「っ、返せ!」
「だめです。あっと、ダメです。集中させてください」
「邪魔するのがディフェンスでしょう!」
「むっ……なら」
テスティナの瞳がユーベルコードに輝く。
思考ノイズ大量送信に伴う思考妨害(仮)(マインドジャミング)が迸る。
それは大量の思考ノイズであった。
拒否不可の一方的なテレパスとでも言うべきか、そのジャミングはいっきに『エル・ティグレ』の思考能力を処理落ちさせる。
「ぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴるぴる……???」
バグっとる。
そんな『エル・ティグレ』を尻目にテスティナはしれっとボールを『エル・ティグレ』側のゴールへと叩き込む。
『エル・ティグレ』に、さらに追加点が叩き込まれたことを知らせることなく、その膨大な思考ノイズに侵食されるのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
柊・はとり
俺は文化系と思われがちだが実は体育会系だ
所属は剣道部だったがサッカーも好きだぜ
こんなんサッカーじゃねえ
あー…敬語とかダルいしそれ無しで頼むわ
怖い先輩みたいでやだ
俺の時だけな
つかレジェンドじゃん
ツーショいいすか?逆に
後でイエスタに上げたいんで
マジで?有難うございます
あっやべ
やりづらいだろうな…この状況で礼儀正しいファン
俺ならガチ手心加えまくる
俺ならな
まあそんな上手くいく訳ないんで
事前に味方の試合とか見つつ
学習力/集中力/瞬間記憶で敵の癖を見抜き
普通にボール避けれるようにしとく
危な
今のPKでいいすか
あざす
その後はUCで偽神兵器をボール化し
暗黒星雲ボールと同時にシュート
これ一気に2点入んの?わかんね
サッカーはサッカーである。
まあ、ギャラクシィリーグサッカーという星の命運をかけた銀河規模のサッカーもあるが、まあ、サッカーはサッカーである。
大枠から外れなければいいのである。
つまり、ボールを手で触れるハンドとか。後、こうごういんなドリブルとかハリネズミドリブルで相手選手をふっ飛ばしてもレッドカードどころかイエローカードも切られないとか。
「こんなのサッカーじゃねえ」
柊・はとり(死に損ないのニケ・f25213)は、その一言を最後に考えることを止めた。
確かに彼は文化系男子である。
見た目だけ見たら文化系である。だってメガネ掛けてるし。だから文化系とは暴論がすぎるが、そういうもんなのである。
漲るインテリジェンスを見よ。
「ただのサッカーじゃないわ、です! ギャラクシィリーグサッカーよ、です!」
「あー……敬語とかダルいしそれ無しで頼むわ」
サッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』は、なんとも言えない顔をしていた。
さっき追加点を打ち込まれて3-0なのである。
早く巻き返したいところなのだが、相手は、はとりパイセンである。あー俺、縦の上下関係とか嫌いなんだわ、的に彼がそういうものだから『エル・ティグレ』は、頷く。
「まあ、それなら……」
「つーかレジェンドじゃん。ツーショいいすか? 逆に」
何の逆? とその場に居た誰もが思ったが、ツッコめなかった。
メガネのインテリジェンスに気後れしていた。そこまでメガネは万能じゃあないぞ。
「え、い、いいけど……」
「後でイェスタにあげたいんで。マジ有難うございます!」
はとりの圧倒的陽のオーラに『エル・ティグレ』はちょっと調子を取り戻してきた。
だってそうなのである。
彼女は第三銀河の征服王にしてシャーマンにして究極美少女ぞ?
むしろ、配下たちが負けてなければ、今頃猟兵たちを前にして圧倒的陽のオーラをばらまいて、それはもう暗黒星雲シュートをバカスカ決めていたに違いないのである。
猛虎もそう言ってますと、言わんばかりに彼女の髪に封じた暗黒星雲からボールに変じている。
もう滅茶苦茶である。
だが、はとりは思った。
「あっ、やべ」
「何、どうしたのよ」
「いやぁ、やりづらいだろうなって。この状況で礼儀正しいファンって」
礼儀正しい……?
ちょっと疑問符が浮かびかけたが、羽鳥はその気配を偽神兵器『コキュートス』で凍結させる。
「確かに。でも、アスリートとして全力を尽くすのが本当の礼儀ってものじゃないかしら?」
おらぁ! と調子取り戻して、オラ付いた『エル・ティグレ』の必殺シュートがゴールネットを揺らす。
不意打ちもいいところであった。
「あぶな」
はとりはまだスマホ持っていた。
パシャっとツーショット撮ってからずっとカメラを構えていた。礼儀正しい? うんまあ、許可取ったし……。
「これで一点返したわね!」
「いや、それはどうかなと。今のってオフサイドすよね?」
審判いないけど、はとりは己のスマホをいつのまに動画モードにしていた。セルフビデオ判定である。ありなの? ありである。ルールに書いてないからね。
「えっ!?」
「ほら、レジェンド。これ、ほら、オフサイドすよ」
はい、ゴールならずと、はとりは頷く。
じゃあ、ボール、と彼はユーベルコードを食らうユーベルコード満たすボールをユーベルコード偽神兵器へと変貌させる。
蹴り放つシュートは彼のユーベルドシュートによって、分裂する。
分裂する?
凄まじい高速回転で分裂してるように見えるっていうあれだろうか?
「いや、普通に分裂してるじゃないの!?」
え、と『エル・ティグレ』はどっちを追っていいかわからず右往左往したあげく、ボールの二つともがゴールネットを揺らす。
「これでいっきに2点入るの?」
わかんね、と彼はため息混じりに眠たげに瞼を擦って伸びをするのだった。
やりたい放題である――。
大成功
🔵🔵🔵
サージェ・ライト
【理緒さんと】
お呼びとあらば参じましょう
私はクノイチ、ボールなんて持ち歩いてないもんっ!!
ええ、球技とは縁遠いクノイチです
誰が忍べてないクノイチですか
理緒さん安心してください
りおりおはどこから見てもやべーメカニックです
さてヤバくないといいながら強請ってるところが
すでにもうやべーわけですが
それはさておきサッカーですね!またですか!?
まぁそこまで懇願されたら仕方ないですねぇ
よーしサッカーしましょう!
ってボールが増えてます!?ナンデ!?
ええい、とりあえず全部蹴り込めば問題なかろうです!
私の【電光石火】な動きで全て捉えてみせましょう!
ところで『とらたん』ってトラロックとかそういう類ですか?(マジボケ
菫宮・理緒
【サージェさんと】
【第三銀河の征服王】、【究極美少女】、そして、無理矢理感のある敬語。
ポンコツの香りがしまぁぁぁすっっっ!
はっ!?
あぶない。やべーメカニックになるところでした。
とりあえず敬語はいいから、わたしも『とらたん』って呼んでいい?
『エル・ティグレ』とか、どこかのマスクマンみたいで可愛くないし!
おっけーしてくれるなら、さっかーしてもいいよー?
(相手の弱みにつけ込んでうりうり、と悪い笑顔)
相手の暗黒ボールは【偽装錬金】で作ってみよう。
ボールは友達っていうし、友達は多い方がいいよね!
それにしても、とらたんもサージェさんに負けず劣らずすごいね。
これはどっちのボール(いみしん)が強いか決戦だね!
要素、というのは大切なことである。
個性とも言いかえることができるし、属性とも言い換えることができただろう。
第三銀河の征服王、シャーマン、ギャラクシィリーガー、究極美少女。
それはサッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』を構成する要素であり、個性でもあったのだ。いくらなんでも盛りすぎでは? と思わないでもないが、しかして、それが彼女を彼女足らしめているのだ。
「ボールが二つになるとか聞いてないんですけどぉぉぉぉ!!!」
分裂したボールがゴールしたので2点追加。
そんなことある?
あるのである。普通のサッカーではなくって、これはギャラクシィリーグサッカーなのだ。
ボールが分裂することもあるだろうし、サメに轢かれることだって、ある。
「ポンコツの香りがしまぁぁぁすっっっ!!」
雄叫びが響いた。
既視感。
菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)は大いに叫んでいた。
要素が属性とも言いかえることができたのならば、彼女の何かよくわからないけれど、とにかく心の琴線に触れるものがあったのだろう。
『エル・ティグレ』はビク、とした。そりゃそうである。
「え、なに」
「お呼びとあらば参じましょう。私はクノイチ、ボールなんて持ち歩いてないもん!!」
サージェ・ライト(バーチャルクノイチ・f24264)も叫んでいた。
持ってるじゃろ。
その立派なのを。
『エル・ティグレ』は困惑していた。
そりゃそうである。猟兵たちというのは兎に角滅茶苦茶なのである。生命の埒外っていってもキリがあるだろうとさえ思っていたが、いきなりこれである。
「ええ、球技とは縁遠いクノイチです」
「はっ!? あぶない。ヤベーメカニックになるところでした」
もう手遅れじゃない?
『エル・ティグレ』は引いていた。轢かれたし、今更だけど、猟兵のとんでもなさに、配下たちが勇み足で彼らに喧嘩を売ったことを、それを止められなかったことを後悔した。後悔したくてもできないけれど。
この人たちに敬語使うのかぁ……という気持ちで一杯であった。
「理緒さん、あんしんしてください。りおりおは何処からどう見ても、やべーメカニックです」
「そんなことないもんっ! とりあえず、敬語は良いから、わたしも『とらたん』って読んで良い?『エル・ティグレ』とか、どこかのマスクマンみたいで可愛くないし!」
「人の名前とっつかまえていきなり何!? です!?」
理緒は深くうなずいた。
可愛いは正義。
可愛いの前には大抵のことは有象無象なのである。故に理緒は『エル・ティグレ』の手を取る。一応、今試合中だからね?
「おっけーしてくれるなら、さっかーしてもいいよー?」
「え、いや、え?」
「やばくないといいながら強請ってるところが、すでにもうやべーわけですが」
「些細なことだよ!」
「些細なこと、ですかねぇ……」
「まーだー、サッカーまーだーですか!?」
理緒は、ほら、とサージェを指差す。こんなにもサッカーを待ち望んでいる人がいるのにまたせるなんて良いのか、と言わんばかりの顔である。
というか『エル・ティグレ』は思った。
ここは、はいとうなずかないと話が始まらないやつなのではないかと。
ならば、仕方ないことである。彼女は、そういう愛称で呼ばれるのはきっと嫌がるだろうが、しかし、サッカーの試合がこうでもしないと始まらないというのであれば。
「い、いい、ですけど……」
「はい、了承頂きましたー! これで合意! 違法性はないよねー! それじゃあ、早速暗黒ボールは偽装錬金(ギソウレンキン)で作るねー」
「できるのそんなこと!?」
「ボールは友達って言うし、友達は多いほうがいいよね!」
ルール的にはどうなんだろうか。
いやまあ、さっき、ボール二つに増えてたし。分裂じゃなくて、もう一個ボール作り出してたなぁ。
「ナンデ!?」
サージェはボールが二つに増えていることに驚愕した。おそろいだね。
「おそろいじゃないですけど!? ええい、とりあえず全部蹴り込めば問題なかろうです!電光石火(イカズチノゴトキスルドイザンゲキ)な動きでシュート!」
おらぁ! とサージェは二つに増えたボールを有無を言わさず打ち込む。
「いや、さすがに一つにして!?」
なんとか『エル・ティグレ』がサージェの電光石火シュートを止める。
腐ってもサッカー・フォーミュラってことだろうか。流石である。
その様を理緒はみやり、深く頷く。
何故か意味深な顔をしていた。
「とらたん、サージェさんに負けず劣らずすごいね」
何が?
「これはどっちのボール(いみしん)が強いか決戦だね!」
だから、何が――!?
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
フィア・シュヴァルツ
「ほう、第三銀河の征服王にしてシャーマンで究極美少女だと……
ならば、全時空の覇者にして漆黒の魔女で唯一無二の美少女である我が相手になってくれよう!」
『フィア様、事実無根な肩書が増えておりませんでしょうか?』
フギンの言葉は無視し、サッカーとやらで勝負するとしよう。
ルールわからぬがな!
「ほう、それがボールの形をした暗黒星雲とやらか」
『見ているだけでございますか!?
先制点を取られてしまっております!
……ま、まさか、これで自軍ボールで試合再開。
暗黒星雲ボールはフィア様の元に……
これを狙っておられたので!?』
「え、ネットに入ったらダメだったのか?」
とりあえず、合体必殺技の暗黒星雲極寒地獄を受けるがよい!
「ほう、第三銀河の征服王にしてシャーマンで究極美少女だと……?」
暗雲立ち込めるサッカーフィールドを睥睨し、フィア・シュヴァルツ(漆黒の魔女・f31665)はとても意味深なオーラを纏っていた。
知っているのか、フィア!
うむ、あれは……となる雰囲気であった。
普通ならそうなる。
けれど、そうならぬのがフィアである。
彼女は対抗心メラメラのメラであった。使い魔の『フギン』は付き合い長いのでよくわかっていた。
こういうときは大抵碌なことにならない。
知ってる。
「ならば、全時空の覇者にして漆黒の魔女で唯一無二の美少女である我が相手になってくれよう!」
しゅば、とフィールドに降り立つフィア。
こういうところだけは決まってんだよなぁ。
『フィア様、事実無根な肩書が増えておりませんでしょうか?』
「増えてないが。全て事実しかないが?」
フィアは『フギン』の言葉を無視して、サッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』を前に立ちふさがる。
だが、彼女はもう疲労困憊であった。
ついでに試合のスコアも猟兵サイドが圧倒していた。
ハッキリ言って、彼女が凄まじまでの技量持つギャラクシィリーガーだったのだとしても、残り時間でこの点差を覆すのは難しいのではないかと思えた。
だって、分裂したボールを同時に蹴り込めば2点追加なんて、そんなことある?
それが二回も連続で起ころうもんなら、そりゃあ、心も疲弊するだろうし、摩耗だってするだろう。
だが、フィアはそんな事関係ないとばかりに深く頷く。
「くっ……こんな状況になってもサッカーをやめられないのは、アタシの性とでも言えばいいのかしら、です!」
そう、『エル・ティグレ』は諦めない。
フィアにはわかっている。同じ美少女同士通じるものがある。シンパシー!
『フギン』は、ちょっと疑問符を浮かべたが、それは無視しておく。
「ほう、それがボールの形をした暗黒星雲とやらか」
「そうよ、です! このボールはユーベルコードを食らうユーベルコード! どんな対策を取ろうが、アタシのシュートは止められない! です!」
蹴り込まれる必殺シュート。
だが、フィアは仁王立ちしたままだった。
そう、微動だにしなかった。
なんで?
ゴールネットを揺らす『エル・ティグレ』のシュート。
漸くに2点を返して追いかける展開となったが、これで彼女は息を吹き返したようだった。
『見てるだけでございますか!? サッカーは点を取られてはならぬスポーツなのですよ!?』
だが、フィアは泰然自若としていた。
うろたえることなど何一つ無いというように仁王立ちしていた。
コロコロとネットを揺らしたボールがフィアのもとにやってくる。そう、ゴールを決めたのなら、ボールはあいてちーむのボールになるのである。
即ち、ユーベルコードを食らうユーベルコードたるボールは今、フィアのうちにあるのだ。
『……ま、まさか、これで自軍ボールで試合再開。暗黒星雲ボールはフィア様のもとに……これを狙っておられたので!?』
ゴゴゴゴ、とただならぬ雰囲気をまとうフィア。
『フギン』が全部言ってくれたが、まあ、そういうことであろう!
「え、ネットに入ったらダメだったのか?」
その言葉に『フギン』は空いた口が塞がらなかった。あいや、空いた嘴が塞がらなかった。
フィアは深くうなずいた。
大仰にうなずいたとも言えるだろう。
「とりあえず、合体必殺、暗黒星雲・極寒地獄(コキュートス)シュートを受けるがいよい!」
ルビ振るなら、だーくねびゅら・こきゅーとす・しゅーと、である。
その必殺シュートはあらゆる物を凍てつかせながら一直線に『エル・ティグレ』をも凍りつかせながらゴールネットをぶち抜くのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
鹿村・トーゴ
配下の責任取って戦う女頭って格好いいじゃーん
てぃぐれの名の通り虎に恥じない勢いと潔さだねェ姐さん
対先制
【聞き耳、情報収集】敵の動きを【視力でも追跡】し軌道を予測の上【野生の勘】でボール回避に全力
さすがに宇宙規模の破壊力を受けたらやばいし重力反転なんてされたら速さが取り柄のオレは身動き出来なくなったら詰むからねぇェ
回避後バク転側転跳んで移動など常に動き回り翻弄
UCでオレ自身を武器として強化しとく
敵の2擊目が来る前に地を蹴り弾丸的に急接近
懐に入る距離で視線阻害の為一度とんぼ切ると同時に【不意討ち】
高めた【念動力】でボールを奪い
【スライディング】で敵を出し抜きそのままゴール方面に蹴りつける
アドリブ可
異星より到来したギャラクシィリーガーたち。
彼らの目的はギャラクシィリーグサッカーを仕掛けることによる星の支配である。恐るべきことに、サッカーの試合一つが星の命運を掛けた戦いなのである。
アスリートアースがスポーツの勝敗でもって大抵のことが決まる世界であったとしても、スケールがデカすぎる。
ついでに言うと、試合を棄権放棄しても負けであるので、戦うしかないのである。
ともあれ、猟兵たちは迫るギャラクシィリーガーたちを打倒し、なんとか星を守ったのである。
だが、そう。
ギャラクシィリーグサッカーは敗北した側が全て勝利した側の配下につくという絶対的なルールがある。
そう、それはサッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』であっても例外ではないのである。
「ぐ、ぐぬぬぬ……! こ、ここまでアタシが追い込まれる、とは、です!」
彼女は急いで第三銀河のサッカー座周辺宙域からかっ飛んできたが、時に既に遅しである。
ギャラクシィリーガーたちは敗北を喫し、猟兵達の配下となっていたのだ。
一応、試合はするが、なんでか敬語だったのだ。
「配下の責任取って戦う女頭って格好いいじゃーん。てぃぐれの名の通り、虎に恥じない勢いと潔さだねェ姐さん」
鹿村・トーゴ(鄙村の外忍・f14519)の言葉に『エル・ティグレ』は咆哮する。
「嫌味か! です!」
「いやいや、本心だって。本当に心から思うよ!」
トーゴの言葉に暗黒星雲ボールを打ち込む『エル・ティグレ』、そのシュートの一撃は正しく猛虎の咆哮のようだった。
苛烈なる一撃。
それは重力反転の一撃であり、サッカーフィールドを分断するかのような強烈シュートだったのだ。
それを受けてはならぬとトーゴは地面を蹴って宙を飛ぶ。
「シュートを躱していては止められないだろう、です!」
「たしかにな。だが、まだ点差は開いている。そっちが点数を取るより多くこっちが点を取れば良い。一点だけだっていいんだからな!」
空中で身を翻し、いっきにトーゴは『エル・ティグレ』へと迫る。
シュートが決まったのなら、マイボールである。
「やはり開いた点差を利用して暗黒星雲ボールを……! 小癪な、です!」
「そりゃそうだ。サッカーのルールにはあまり詳しくはないが!」
『エル・ティグレ』のカットが入る。
なんたる技量であろうか。
だが、トーゴには秘策があった。ボールをうばわれたのならば、奪い返す。旋風のように『エル・ティグレ』にスライディングでもってボールをカットし、蹴り出す。
「ぬぅぅぅ、もうー! さっきからなんでこんなに簡単にアタシのドリブルが止められるのよ、です!!」
「こちとら念動力やらなんやらなんでもアリだからなー」
できないことはないのだと言うようにトーゴは笑う。
そう、サッカーに念動力を使ってはならない、というルールはない。
ならば、トーゴは第三の足として念動力を使って『エル・ティグレ』からボールを奪う。だが、そのボールを奪い返さんと『エル・ティグレ』も迫るのだ。
一進一退の攻防。
トーゴは自然と笑う。
これは殺し合いではない。ただの童のじゃれ合いだ。
そこに生き死にが関係しないのならば、トーゴはただ、楽しいものだと笑うように蹴鞠をするようにギャラクシィリーグサッカーを『エル・ティグレ』と楽しむのだ。
「ハハハッ、こんなに楽しいのに支配だとか征服だとかバカらしくないか!」
「んなわけないでしょ、です! 勝つか負けるかなんだから、ですよ!」
「そうか。でも、オレは楽しいぞ」
ただボールを追う。
無邪気に。
まるで童心に返ったように。トーゴは笑ってボールを蹴り出す。追いかけ、ただ一つのボールを求めて集うプレイヤーたち。
なんて平和なんだろう、と――。
大成功
🔵🔵🔵
戒道・蔵乃祐
部下が勝手にしでかしたこと
しかし上に立つものとしての責務を果たし、掟を撤回することは無い。
|潔し《いさぎよし》
立派ですね
我々猟兵には上下関係というものが無く、全員の関係は対等に在る
故にフィールド・オブ・ナインである貴女も今や轡を並べ、七難八苦に挑む。第三銀河生まれの同志であると言えます
遺恨の残らない全力の勝負を決した暁には
このバトル・オブ・オリンピアで凱旋し、共に勝鬨を上げましょう
いざ参る!
◆ヘツファーラのサティヤ
限界突破+ダッシュで切り込み
見切り+フェイントで激しくプレスを仕掛けて読心術で隙を伺い、早業+野生の勘でボールを奪う
ジャンプ+空中戦のダイレクトシュート
ダークネビュラ…タイフーン!!
配下の勇み足。
それによる失敗と損失を贖うのはいつだって上司の仕事である。それしか仕事がない、というのは語弊であろうが、しかし、いつだってそういうものである。
しかし、と思うのだ。
それをいざ清く実行できる者がどれだけいるだろうか。
そういう意味ではサッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』は稀有なる存在であっただろう。
敗北した配下ごと彼女は猟兵に降らねばならない。
まともに戦っていたのならば、勝負は分からなかっただろうし、きっと良い勝負ができたであろう。
「もぉぉぉ!!」
彼女は吠えていた。
猛虎っていうか、ミニタイガーな感じだったが、吠えていた。
猟兵たちの奇想天外なユーベルコードと戦法にペースを乱され、大量失点してしまっていたのである。
「なんでアタシがこんなドサ回りみたいなことをしないといけないのよ! です!」
変な敬語、と戒道・蔵乃祐(荒法師・f09466)は思ったが、しかし彼女の潔さはダークリーガーながらもアスリートであるからであろうと思った。
上に立つ者として、その責務を果たし、掟を撤回することもなく。
一応、試合をするすがたは、正しく。
「|潔し《いさぎよし》。立派ですね」
「さっきも言われたけど、それ嫌味にしか聞こえないんだけども、ですけど!?」
「ハハハ、そうですか。ですが、我々猟兵には上下関係というものがなく、全員の関係は対等に在る。故に『フィールド・オブ・ナイン』である貴女も今や轡を並べ、七難八苦に挑む。第三銀河生まれの同志でも在ると言えます」
そうなのか。
そうなのかな? と『エル・ティグレ』は思った。
大量失点しているので蔵乃祐との問答をやっている暇なんてないのだが、でもなんとなく聞き入っていた。
言われてみればそうなのか?
「遺恨の残らない全力の勝負をした曉には、このバトル・オブ・オリンピアで凱旋し、共に勝鬨を上げましょう」
「……そ、それは確かに素敵なことなのだと思うわ、です。私も勝ち……ってコト!?」
「まあ、それはそれとして。いざ参る!」
一瞬の隙を見て蔵乃祐は『エル・ティグレ』からボールを颯爽とカットして奪っていた。
今までの語りからして、正々堂々かなと思っていたら、当たり前のように隙を見つけてボールを奪ってみせたのだ。
なんかいい感じの説法みたいな言葉に『エル・ティグレ』は聴き惚れていたのだ。
確かに。
猟兵配下となったのだから、猟兵の勝利は自分の勝利でもある。
あれ、なら結構戦う理由なんてなくない? と彼女も思ってしまったのだ。
それがまずかった。
その一瞬を蔵乃祐は見逃さず、ボールを奪っていっきに飛ぶのだ。
「悪因苦果の三業。邪智暴虐を贖うべし!」
「な、何? なんて!?」
ヘツファーラのサティヤ(インガオウホウノカルマ)。そのユーベルコードで持って『エル・ティグレ』のアタックもなんのその。
金剛身によって受け止めた『エル・ティグレ』のユーベルコードは一時的に彼のものとなるのだ。
即ち。
「ダークネビュラ・タイフーン!」
「あー! それアタシのユーベルコード!」
「これが、ダークネビュラ……タイフーンというものだ!!
しれっと蔵乃祐は『エル・ティグレ』からコピーしたユーベルコードで『エル・ティグレ』をぶち抜き、悠々とシュートをゴールに決めるのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
ロニ・グィー
アドリブ・連携・絡み歓迎!
こう、アスリートって上下関係に厳しいんでしょー?
おらーコーラ買ってこーい!とか!
●勝負は勝負
おたがい全力でたのしもー!
受けはタイミングが命!
たのんだよーみんな!
と【第六感】でタイミングを読んで[影]から[球体]くんたちをばばーっと出して勢いを殺し…
コントロールを奪ったところ最高のタイミングでUC『神撃』の力をボクの脚に籠めて?籠めて蹴り返す!
ゴーーーッル!!って感じでゴールするよう狙っていこう
まあ寝過ぎはよくないねー
ボクもよくやるよ!
ところでその『究極美』は要るの?
かわいーとは思うけれど!自分で言うと意識つよつよすぎー
サッカー少女エル・ティグレくらいがいいと思うの!
偏見かもしれないが、スポーツ社会において先輩とは絶対である。
年功序列の極致とも言うべきものであり、使い走りにいたっては悪しき慣習であると言わざるえをえないだろう。
そういう意味では敗者が勝者の配下になる、というアスリートアースならではの価値観はサッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』には受け入れがたいものであったのかもしれない。
それも、自身が関与するところではない場所で勃発した配下の敗北もまた彼女にかかるのならば、これはとばっちりとも言うべきものであっただろう。
「こう、アスリートって上下関係に厳しいんでしょー? おらーコーラ買ってこーい! とか!」
「コーラ、ですね!?」
体育会系の性かな。
悲しいかな、ロニ・グィー(神のバーバリアン・f19016)の冗談に『エル・ティグレ』は反応してしまっていた。
本当に悲しいことである。
一刻も早くこの悪しき慣習を取り除かねばならない。
「冗談だってば。お互い全力でたのしもー!」
ほら、とロニはボールを『エル・ティグレ』へと蹴り出す。
「りょ、猟兵パイセン……!」
「まあ、それはそれとして、頼んだよみんなー!」
次の瞬間現れるは無数の球体たち。
彼らをロニは一気に放出して、『エル・ティグレ』の前に並べ立てるのだ。
彼女の必殺シュートであれば、ものともしない物量であろうがロニの姿をブラインドする、という意味では厄介極まりない。
打ち込まれたシュートは確かに球体たちをぶっ飛ばしていく。
けれど、勢いが削がれてしまうのは無理ないことであった。
その勢いのそがれたシュートをロニは胸でトラップして受け止め、軽くボールを真上に蹴り上げる。
「まあ、寝過ぎはよくないねー」
「こんな小さな星なら配下だけでよゆーだと思ってたんだけど、です!」
慢心、驕り、気の緩み。
第三銀河征服王という偉業は確かに素晴らしいものだ。誰もができることではない。
けれど、アスリートたるもの、弛まない努力がいつだって結果を残してくるのだ。そういう意味では『エル・ティグレ』は慢心に身を浸し過ぎたとも言えるだろう。
まあ、そういうのってロニもよくやるやつである。
「ロスタイムももう終わりを告げようとしているけれど、これでダメ押しのゴールを貰うよ!」
その言葉と共にロニは空中に飛ぶ。
ぐるりと反転し、足に込めたのはユーベルコード、神撃(ゴッドブロー)。
強烈なる一蹴。
それはあらゆる障害を破壊するオーバーヘッドシュートであった。
身をひねって着地したロニは己のシュートがゴールネットを揺らし、ホイッスルの音が鳴り響く音を聞く。
ゲームセット。
猟兵と『エル・ティグレ』の試合は猟兵たちの勝利で幕を閉じた。
けれど、いいのだ。
勝敗の先にこそスポーツの意義がある。
「うぅ……やっぱり負けた……この究極美少女が……!」
「まーいいんじゃない? ところで、その『究極美』は要るの? かわいーとは思うけれど、自分で言うと意識つよつよすぎーサッカー少女『エル・ティグレ』ぐらいがいいと思うの!」
ロニの言葉はパイセンとしての言葉。
なら、配下となった『エル・ティグレ』は飲み込むしかない。
縦割り社会の弊害。
上下関係の徹底。
スポーツを通して得た社会通過儀礼。
その洗礼を今、『エル・ティグレ』は受け、『究極美少女』、『第三銀河征服王』改め!
サッカー少女『エル・ティグレ』として、猟兵たちを前に敗北をもって幕を閉じるのだった――。
大成功
🔵🔵🔵