バトル・オブ・オリンピア⑬〜魅せろ、至高のプロレスを!
「バトル・オブ・オリンピアへの参加に感謝します。リムは状況を報告します」
グリモアベースに招かれた猟兵達の前で、リミティア・スカイクラッド(勿忘草の魔女・f08099)は現在の状況を語り始めた。
「皆様の活躍によって、大会は世界中で盛り上がっています。その熱気に呼応するように、プロレス・フォーミュラ『デスリング総統』が姿を現しました」
Mr.ホームランとガチデビルのパワーによって目覚めた新生フィールド・オブ・ナインの1人、デスリング総統。精強なダークレスラーを率いてプロレスによる世界征服を企む、ある意味わかりやすい「悪のスポーツマン」である。これまで幾度となく猟兵に作戦を阻まれてきた彼は、この大会でついに自ら決着を付けに来たようだ。
「デスリング総統は古代バトリンピア遺跡の中にあるプロレスリングで、皆様を待ち構えています」
彼はプロレスラーなので逃げも隠れもしない。「普通に戦っても、リングに上ってプロレス勝負をしてもいい」とこちらに告げ、どんな勝負でも受けて立つ構えだ。しかし、プロレス・フォーミュラであるデスリング総統に真の意味で勝利する為には、やはり「プロレス勝負」で彼を上回ることが必要だろう。
「デスリング総統はプロレスラーの『受けの美学』にかけて絶対に先制攻撃をせず、こちらの攻撃を受けきった後に反撃を仕掛けてきます」
彼の4本の腕から繰り出される『四次元殺法』を受けた相手は、一瞬にして「骸の海」に放り出されてしまう。
フォーミュラの座にふさわしい悪夢的な最強レスラーとして、これまで無数の挑戦者を退けてきた強敵である。試合だからと言って絶対に油断してはいけない。
「また、バトリンピア遺跡のプロレスリングには謎の変形機構が組み込まれており、試合ごとに様々なギミックが出現します」
ある時は電流が流れたり、炎に包まれたり、凶器やパイプ椅子が出てきたり。これらのギミックも利用して、目指すは「至高のプロレス勝負」による完全勝利だ。猟兵のプロレス魂を見せつけて、ぐうの音も出ないくらいの敗北をデスリング総統に突きつけてやろう。
「デスリング総統はプロレスラーなので、仮に本気の殺し合いをしたとしても殺せないほど頑丈ですが、試合で倒されれば潔く敗北を認めます。そして敗北数が規定の回数に達すると、猟兵の配下に入るつもりのようです」
フォーミュラが猟兵に下るという前代未聞の話だが、アスリートアースなのでそういうものだと思っておこう。
やるべき事はとにかくデスリング総統に全力でプロレスを挑み、勝つことだ。この試合がバトル・オブ・オリンピアの中でもビッグイベントの1つには違いないのだから。
「デスリング総統を倒し、プロレスによる世界征服計画を阻止するために、皆様の力をお貸しください」
説明を終えたリミティアは手のひらにグリモアを浮かべ、バトリンピア遺跡のプロレスリングに猟兵を送り出す。
新生フィールド・オブ・ナインにして最強ダークリーガーの一人、デスリング総統との至高のプロレスが幕を開ける。
「転送準備完了です。リムは武運を祈っています」
戌
こんにちは、戌です。
今回の依頼は新生フィールド・オブ・ナインの1人、プロレス・フォーミュラ『デスリング総統』との決戦です。
このシナリオでは下記のプレイングボーナスに基づいた行動を取ると判定が有利になります。
プレイングボーナス……プロレス技でデスリング総統を上回る/リングのギミックを利用し、華麗な試合をする。
デスリング総統はプロレスラーの矜持に基き、絶対に先制攻撃を行いません。
攻撃を全て受けきってから、反撃の『四次元殺法』で対戦相手を骸の海まで放り出すのが彼の必勝パターンです。
また、リングには変形機構が組み込まれており、試合を盛り上げるための様々なギミックが発生します。状況に応じてこれらを活用しながら、プロレスでデスリング総統を倒してください。
なお、凶器攻撃や反則行為については特に制限はありませんし、プロレス技以外の攻撃や武器やユーベルコードも使用は自由です。相手も文句は言いません。
それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『デスリング総統』
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POW : デスリングスープレックス
掴んだ対象を【四次元】属性の【骸の海送りのデスリングスープレックス】で投げ飛ばす。敵の攻撃時等、いかなる状態でも掴めば発動可能。
SPD : デスリングスイング
自身の【四本腕で相手の体を掴んで】から極大威力の【骸の海送りのジャイアントスイング】を放つ。使用後は【マイクパフォーマンス】状態となり、一定時間行動できない。
WIZ : デスリングラリアット
【四本腕を伸ばしての高速回転】からレベルmまでの直線上に「神殺しの【骸の海送りの四次元竜巻】」を放つ。自身よりレベルが高い敵には2倍ダメージ。
👑11
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葉月・静夏
いよいよフォーミュラが出てきたんだね〜。言動等から圧倒的な自信を感じるね。きっと実際とても強いと思う。スリルのある楽しい戦いができそうね。
先手を取らせてくれるみたいなので【夏印・盛夏斧爆】で夏印を貼り、リングを利用して盛夏斧爆を全力で打ち込むよ。この後が大事だけれど、はじめから本気でぶつかっていかないとね。
私にはディフェンダーとしての意地があるので、例え掴み技でも回避をする気はないの。とはいえ四本の腕を全ては防げないから、何とか自分の腕を一本守り、掴まれても投げられる前に敵の腕や体に【怪力】と【根性】でしがみついてタイミングを伺い、【ジャストガード】で反撃の盛夏斧爆を狙ってみるよ。
「いよいよフォーミュラが出てきたんだね〜。言動等から圧倒的な自信を感じるね」
「グロロロロ、当然だ! ワガハイこそがダークレスラーの総統なのだからな!」
天空に浮かぶバトリンピア遺跡の一角、古代の超技術が組み込まれたプロレスリングにて、猟兵達を待ち構えていたのはプロレス・フォーミュラ『デスリング総統』。肉体も、声量も、態度も、何もかもがデカい、この世をプロレスで征服せんとする野望を掲げた漢だ。
「きっと実際とても強いと思う。スリルのある楽しい戦いができそうね」
「貴様らこそ、期待外れで終わらせてくれるなよ! さあ来い!」
葉月・静夏(せい夏・f40839)が仄かに笑ってリングに上がると、どこからともなくゴングの音が鳴る。デスリング総統は四本の腕を大きく広げるように身構えたまま、かかってこいと言わんばかりの仁王立ちだ。決して自分から先に仕掛けないのが、彼のプロレスラーとしての矜持である。
「先手を取らせてくれるなら、遠慮なくいくね」
静夏は左拳をぐっと握りしめ、挨拶代わりのジャブと共に印鑑のようなオーラを敵に貼り付ける。そしてリングの変形に合わせて大きく飛び上がると【夏印・盛夏斧爆】を発動。花火のような炎のオーラを纏った、全力の左ラリアットを打ち込む。
「この後が大事だけれど、はじめから本気でぶつかっていかないとね」
「その通りだァッ! グロロロロッ!!」
デスリング総統は避けるどころかガードの構えすら取らず、静夏の攻撃をモロに食らった。そこいらのオブリビオンやレスラーが耐えられるほど、彼女の打撃は軽くない――しかし相手は規格外の耐久力を誇るプロレス・フォーミュラだ。ダメージはあったはずなのに、鋼のような肉体はビクともしない。
「フッ、まるで線香花火だな! 本当の『技』というものを見せてやろう!」
ヒールレスラーらしい傲慢不遜な態度で、今度はデスリング総統が反撃を仕掛けてくる。彼の四腕から繰り出される四次元殺法【デスリングスープレックス】は、掴んだ相手を骸の海まで投げ飛ばす恐るべきユーベルコードだ。正攻法で挑むのであれば、掴まれないよう回避するのが一番だが――。
「私にはディフェンダーとしての意地があるので、例え掴み技でも回避をする気はないの」
静夏はプロレスラーではないが、「受けて耐える」という矜持においては共通する点があった。とはいえ彼女も四本の腕を全ては防げないため、掴まれても完全には拘束されないようガードする。腕一本だけでも自由に動かせる部位があれば、まだ反撃のチャンスはあるはずだ。
「骸の海まで吹っ飛ぶがいい!」
「そうはいかないよ」
万力の如きパワーでがっちり相手を掴まえたデスリング総統は、そのままスープレックスの体勢に移ろうとするが、静夏は片腕で相手の体にしがみついて投げられまいと耐える。形成は不利だが怪力と根性なら彼女も負けてはいない。
「ヌヌッ、しぶとい奴め……!」
ギリギリの粘りを見せる対戦者を、デスリング総統は強引に力で捻じ伏せようとするが――それが小さな隙を生む。
必死に耐えながらタイミングを窺っていた静夏は、すかさず四肢に力を込めて掴みを振りほどく。握り直した左拳に再び炎が宿った。
「今度はまた私の番だね」
「なんだとッ……グロロロロォッ!!!」
がら空きになったデスリング総統の胴体に、再び打ち込まれる「盛夏斧爆」。ゼロ距離から炸裂した左ラリアットが巨漢をよろめかせた。技と技の掛け合い、反撃に次ぐ反撃の応酬――開戦から早くもアツい戦いを魅せた静夏の口元には、静かな、しかし楽しげな笑みが浮かんでいた。
大成功
🔵🔵🔵
仇死原・アンナ
アドリブ歓迎
この世界を救う為に…アスリート魂燃やす為に…
さぁ行くぞ…私は処刑人だッ!
敵に対して功夫めいた拳と蹴りを放ち重量攻撃をしよう
そして鎖の鞭振るいロープワークで八肢を縛り付け束縛し体勢を崩したら
怪力で振り回しリング上に何度も叩きつけよう
さらに鞭振るい空中に放り投げてから懐から黄金バットを取り出し力溜めて【炎獄殺法「地獄廻」】を発動
バットを全力で振るい電流流れる有刺鉄線めがけて吹き飛ばして継続ダメージを与えながら
設置された爆弾で爆破し鎧砕きと鎧無視攻撃でリングに沈めてやろう…!
総統め…只で済ませてやるものか…!貴様に敗北を与えてやる…!
私は…処刑人…だァーーーーッ!!!
「この世界を救う為に……アスリート魂燃やす為に……」
普段の依頼とはだいぶ違ったノリと世界観、それでも仇死原・アンナ(処刑人、地獄の炎の花嫁、焔の騎士・f09978)の成すべき事は変わらない。世界征服を企む悪のプロレス・フォーミュラなど、断じて許せるはずもない。相手がプロレスでの決着を望むのならば、リングを処刑台にしてやるまでだ。
「さぁ行くぞ……私は処刑人だッ!」
「グロロロロロロ! 逆に貴様を処刑してくれるわ!」
激しい闘志を燃やすアンナを、『デスリング総統』は真っ向から迎え撃つ構え。「受け」こそがプロレスの真髄だと豪語する彼は、どんな猟兵の攻撃も受け切るつもりだ。それが自信か、あるいは過信となるかはこの先の結果次第だ。
「その傲慢、高くつくぞ……!」
アンナはデスリング総統の懐に飛び込むと、功夫めいた拳と蹴りを放つ。処刑人として過酷な修練を積んできた彼女の拳は重く、しかして鍛え上げられたプロレスラーの肉体も重厚だ。これしきの攻撃ではせいぜいジャブ程度だろう。
「そんなものかッ!」
「まだだッ!」
反撃に移行される前に「鎖の鞭」を取り出し、巧みなロープワークで両脚と四本の腕を縛り上げる。普通のプロレスなら凶器は反則だが、ここはルール無用のデスマッチだ。敵もそんな事は織り込み済みで、全てねじ伏せる気でいる。
「こんなものッ、ヌグググググ……!」
「無駄だ……!」
デスリング総統は五体に力を込めて束縛を引き千切ろうとするが、処刑具たる鎖の鞭は簡単には壊せない。そのままアンナはブンブンと鎖ごと総統を振り回し、リング上に何度も叩きつけてから空中に放る。筋骨隆々の巨漢を投げ飛ばすとは、なんという怪力か。
「貴様に地獄が如き敗北を味合わせてやろうぞ
……!!!」
ここで彼女が取り出したのは、魔界の呪われし金塊から鋳造された「ゴールデン・バット」。野球のバッターの如く構えて力を溜めれば、身体から噴き出した地獄の炎がバットに宿る。これぞ必勝の【炎獄殺法「地獄廻」】の構えだ。
「ホームランだ……!」
「グロォッ!!?」
敵が落下してきたところに、頭をボールに見立ててフルスイング。獄炎纏うバットの直撃を食らったデスリング総統は、絶叫しながら吹っ飛んでいく。その先には古代の不思議機構により変形した、電流流れる有刺鉄線が待っている。
「グワァーーーッ!! グヌヌ、まだまだァ
……!!」
感電による継続ダメージを受けながらも、この程度の電流は食らい慣れてるとばかりに立ち上がるデスリング総統。
だが、このリングに仕掛けられたギミックは1つだけではない。いつの間にか彼の足元には爆弾が設置されており、獄炎の引火により大爆発を起こした。
「総統め……只で済ませてやるものか……! 貴様に敗北を与えてやる……!」
デスリング総統が「グワァァッ?!」と爆発で吹っ飛んだところに、アンナは駆け込んで黄金バットをもう一振り。
呪いのパワーと地獄の炎が合わさった打撃は、筋肉の鎧だって貫通する。一打一打に全力を込め、火の粉をまき散らしながらの滅多打ちだ。
「私は……処刑人……だァーーーーッ!!!」
「グ、グロロロロォォーッ
!!!?」
総統の巨体がリングに沈むまで、処刑人の猛攻が止まることはなかった。げに恐ろしきは対戦者に反撃すら許さぬ、情け容赦のない炎獄殺法だ。デスリング総統の絶叫には、得意の四次元殺法を披露できぬ無念も含まれていただろう。
大成功
🔵🔵🔵
アッティラ・ドラゴンロード
プロレス勝負で上回る必要がある、か。
やってみよう。
先制をせずという事なので【竜王の逆鱗】を発動。
敵のデスリングスイングを見越して、その技の発動が不完全になる個所を見極めて(瞬間思考力×戦闘演算)ドロップキックで攻撃爆砕。
勿論、これで決着はつかないだろう。
反撃してくる総統の攻撃をリングギミックを利用して宙を舞って躱しつつ、タイミングを見計らう。(第六感×空中機動)
そして、総統のデスリングスイング、四本腕が自分を掴んだ瞬間――
継続中の【竜王の逆鱗】、竜王闘気で四本腕を爆破。
そのまま回り込みフィニッシュフォールド、ドラゴンスープレックスからの爆砕だ。
相手の必殺技を潰して必殺技をかける。プロレスだな。
「プロレス勝負で上回る必要がある、か。やってみよう」
傲岸不遜のプロレス・フォーミュラに完全なる敗北を突きつけるため、リングに上がったのはアッティラ・ドラゴンロード(邪竜山脈の主・f41821)。『デスリング総統』も自分の土俵では相当な自信があるようだが、そのプロレスへの拘りは勝機にもなる。
「私に触れると危ないぞ」
「グロロロロ! そんな脅しにビビッてプロレスがやれるか!」
敵は先制してこないという話なので遠慮なく先手は取らせてもらおう。【竜王の逆鱗】を発動し、全身に闘気を纏いながら走りだし、勢いをつけてドロップキックを放つ。邪竜山脈の主たる彼女の「竜王闘気」とドラゴンの肉体は、たとえ竜人形態でも絶大な攻撃力を誇るのだ。
「爆砕だ」
「グオオッ!」
攻撃がヒットした瞬間、アッティラは敵の体に闘気を注ぎ込み、内部から爆発させる。この技は対象との距離が近いほど威力が増大するため、至近距離で炸裂した今回は最大火力になる。デスリング総統はプロレスラーの矜持ゆえに、ノーガードでこれを食らってしまった。
「……フンッ! こんなもの、蚊にさされたようなものだ!」
だが、総統は爆発の瞬間こそよろめいたものの、リングに膝を突きすらしない。勿論これで決着はつかないだろうとアッティラも予想していたが、それにしても恐るべきタフネスだ。あらゆる攻撃を受けきった後に堂々と反撃する――受けの美学を体現するために鍛えられた肉体は、さながら重戦車の如しである。
「今度はワガハイが行くぞッ!」
挑戦者の攻撃が終わればデスリング総統の逆襲が始まる。四本の腕で相手を掴んで投げ飛ばす、必殺の【デスリングスイング】の構えだ。恐怖の四次元殺法によってこれまで骸の海送りにされてきたレスラーは数知れず。アッティラも同じ末路を辿ることになっただろう――彼が万全の状態であれば。
「やせ我慢しても、効いているな」
彼女は予め敵のユーベルコードを予測し、その技が不完全になる箇所を見極めて【竜王の逆鱗】を撃ち込んだのだ。
重要部位に受けたダメージの影響でデスリング総統の動きはほんの少しだけ鈍り、それが回避のチャンスに繋がる。
「遅いな」
「このッ、ちょこまかと!」
変形するリングギミックや自前の翼を駆使して、空中を飛び回るアッティラ。移動範囲はリング上に限られるため、いつまでも躱し続けることはできないだろうが、それでいい。彼女はただ逃げているのではなく、反撃のタイミングを見計らっているのだ。
「捕まえたぞ……ッ!」
「そうだな。捕まえた」
そして、ついに総統の四本腕が竜人の娘を掴み、【デスリングスイング】が発動する瞬間――アッティラは内包する全ての闘気を流し込んだ。まだ継続中の【竜王の逆鱗】の効果によって、総統の腕は捻り上げられ、先程と同等かそれ以上の爆発が引き起こされる。
「言ったはずだ。私に触れると危ないぞ」
「グ、グロロロロォッ
!!!?」
四本腕に重篤なダメージを受けたデスリング総統は、たまらず相手を手放してしまい。自由の身となったアッティラはそのまま回り込んでフィニッシュフォールドのドラゴンスープレックスを仕掛ける。技をかけた後はまた闘気による爆砕のおまけつきだ。
「相手の必殺技を潰して必殺技をかける。プロレスだな」
「グハァーーッ!!!」
まるで台本でもあったような完璧な展開で、リングにねじ伏せられるデスリング総統。
誰の目にも明らかな勝利を収めたアッティラの表情には、少しばかりの達成感が浮かんでいるようにも見えた――。
大成功
🔵🔵🔵

アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。
リンコスは2021水着。
プロレスね。創生神術・虚無で
強化した技能で戦うわ。
タフネスさには自信があるの。
OKOK、受けの美学ってやつね。ではトップロープから天井付近までジャンプし、
圧縮できるだけ圧縮した
時間質量を込めたスワンダイブ式のドロップキックを放ちましょう。
「
ノヴァインパクトぉぉ!!」
まぁ、耐えるわよね。でも、骸の海送りになっても空間を
細かく切り刻んでから再構築した空間ジャンプでカウント内にリングインよ。
「プロレスね。
タフネスさには自信があるの」
艶やかなビキニの水着をリングコスチュームとして身に纏い、リングに上がるのはアリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の
混沌魔術師艶魔少女・f05202)。見た目は華奢で可憐な少女だが、本人の口ぶりからは勝算がある様子だ。
「グロロロロロ! タフさならワガハイも負けんぞ!」
対するプロレス・フォーミュラ『デスリング総統』も、自信たっぷりの様子で新たな挑戦者を迎え撃つ。四本の腕を大きく広げ、相手の攻撃を待ち構える「受け」の姿勢だ。圧倒的なパワーを持ちながらも、彼は決して先手を取ろうとはしない。
「OKOK、受けの美学ってやつね」
プロレスラーの矜持を理解したアリスは、【創世神術・虚無】で自身の技能を強化。トップロープからジャンプして天井付近まで飛び上がると、華麗なスワンダイブ式のドロップキックを放つ。神術により圧縮できる限り圧縮した時間質量を込めたその一撃は、見た目よりも遥かに重い。
「ノヴァインパクトぉぉ!!」
さらにリミッターを解除し、身体能力の限界を突破。ヒットした瞬間に大爆発が起こり、蹴りの威力を増大させる。
彼女の持てる様々な技能を駆使した必殺のフィニッシュムーブ。これを食らってリングに沈まないレスラーはほんの一握りであろう。
「グロロロロ……フンッ! こそばゆいわッ!」
だが、デスリング総統は確実にその「一握り」でも最上位のダークレスラーだった。ガードもせずにアリスの蹴りを受けた上で、揺らぎもせずに立っている。ダメージがないはずが無いのに、本人も言っていたようにタフネスが尋常ではない。
「まぁ、耐えるわよね」
アリスもこれが予想外だったようではなく、当然耐えてくるだろうと思っていた様子。そしてこちらの必殺技を耐えられたなら、次は向こうの必殺技が来るのがプロレスだ。デスリング総統を最強レスラーの座に押し上げた、恐るべき四次元殺法がヴェールを脱ぐ。
「喰らえッ! デスリングスイング!」
デスリング総統は四本腕でアリスの身体をがっちりと掴むと、豪快なジャイアントスイングを放つ。避けなかったのか、避けられなかったのか、哀れな少女はビーチボールのように軽々と投げ飛ばされ、骸の海の彼方へ送られる――。
「グロロロロロ! ワガハイに挑戦するには10年早かったようだな!」
勝利を確信した総統はリングから出てきたマイクスタンドを掴み、威勢のいいマイクパフォーマンスを始める。一般の観客はここにはいないが、それでもパフォーマンスは怠らないのがプロレスラーである。その行為が戦闘においてはまるで無防備な時間であっても。
「さあ、次の対戦相手はどいつだ!」
「あら、まだ終わっていないわ!」
しかしそのコールに応えたのは他のどの猟兵でもない、たった今投げ飛ばされたはずの少女の声だった。デスリング総統がハッと見上げれば、そこにはケガひとつないアリスの姿が。【デスリングスイング】は間違いなく決まったはずなのに、何故だ。
「なッ、貴様生きていたのか!」
「タフネスさには自信があるって言ったでしょう」
彼女は骸の海送りにされる寸前、空間を細かく切り刻んでから再構築する空間ジャンプを実現し、テンカウント内にリングに舞い戻ったのだ。自らの力が及ぶ範囲であれば、人が想像しうるあらゆることを可能にする、それが【創世神術・虚無】である。
「もう一発、ノヴァインパクトぉ!!」
「グロロォッ!!」
復帰と同時に食らわせたアリス二度目のフィニッシュムーブは、油断していたデスリング総統にクリーンヒット。
大爆発が四本腕の巨漢をロープ際まで吹き飛ばし、蹴り痕をボディに刻みつける。相手のしぶとさを見誤り決着を急いだ、それが彼の敗因であったと言えるだろう――。
大成功
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笹乃葉・きなこ
●POW
※ケモ状態
え?!骸の海へ直接投げるだべか?!
やばくね…?
先ずは怪力を使ってユーベルコードで相手をなげるべなぁ
問題は次の相手からの攻撃だべ
第六感で相手の行動を予測しながら、避ける掴まれそうになったら怪力と部位破壊とリミッター解除の自身のグーの手で弾く
それでも掴まれたら急いで掴み返して、自分が空中に浮いてたら、空中浮遊と空中戦と怪力でそのままユーベルコードでぶん投げるべ
骸の海送りっていうけど、どーなるんだろう
ひぇー怖いから相手の腕の動きには注意して間合いをとるべ
攻撃のタイミング難しそう…
「え?! 骸の海へ直接投げるだべか?! やばくね……?」
どう考えてもガチでヤバい、プロレス・フォーミュラの秘技「四次元殺法」の脅威に戦慄するのは笹乃葉・きなこ(キマイラの戦巫女・f03265)。いくら猟兵でも骸の海送りにされて無事に生還できる保証はないので、文字通りの「必殺技」と呼んでいいだろう。
「グロロロロロ! さあ、かかってこい!」
幸いと言うべきは『デスリング総統』が決して自分から先制攻撃を仕掛けず、こちらの攻撃を受けてくれることだ。
勿論どんな攻撃でも絶対に受けきれるという自信あってのことで、それが過信にならない強靭な肉体が彼の武器だ。
「けど逃げるわけにはいかねえし。行くべ」
きなこは獣人形態でリングに上がると、両腕でがっちりと相手を掴む。こと怪力においては彼女も負けてはおらず、自分より上背のある巨漢を軽々と持ち上げて【笹乃葉式我流投げ技地獄】の体勢に移行。開幕から遠慮する気はない。
「お前さんを投げ技地獄へ招待してやるな?」
「グロォッ!!!」
ぶおんっ、と力いっぱい投げ飛ばされ、脳天からリングに叩きつけられるデスリング総統。並みのレスラーなら失神もの――というか生命すら危ういが、彼はすぐに起き上がってきた。頭を押さえているあたり効いてないことは無さそうだが、ダメージを食らってなお平然と動けるタフネスが異常だ。
(問題は次の相手からの攻撃だべ)
先制攻撃を耐えられれば当然反撃が来る。きなこは第六感を研ぎ澄ませて相手の行動を予測しながら、防御と回避の構えを取った。デスリング総統は「グロロロロ……!」と高笑いしながら、そんな彼女に四本腕で掴みかかってくる。
「今度はワガハイの番だ!」
「骸の海送りっていうけど、どーなるんだろう。ひぇー怖いべ」
どこでも掴めば即必殺の【デスリングスープレックス】を発動できる構え。きなこは最大限の警戒をもって腕の動きに注意して間合いを取り、掴まれそうになれば自身のグーの手で弾く。一瞬の油断も許されない、リング状での熾烈な駆け引きだ。
「捕まえたぞ! 喰らえ、デスリングスープレック……」
「やらせないべ」
幾度かの攻防の末、ついにデスリング総統の腕が相手を掴む。そのまま投げ飛ばされる前に、きなこは急いでその腕を掴み返した。腕力だけで身体が宙に浮かび上がるが、彼女はその勢いを利用して空中に浮遊し、リミッターの外れた怪力で投げ返しを図る。
「攻撃のタイミング難しい……でも、投げ技地獄はまだ終わってないべ」
「なにいッ!?」
デスリング総統の天地がぐるんとひっくり返り、再び脳天がマットに激突する。我流とはいえユーベルコードの域まで磨かれたきなこの投げ技は、四次元殺法ほどのデタラメさはなくても達人技と言える。歴戦のプロレスラーとて簡単に破れるものではない。
「グロロロロ……油断したか……」
「危ねえところだったべ」
強烈な投げを連続で喰らえば、流石のデスリング総統も堪えたようで、立ち上がるまでの時間が一度目よりも長い。
危険な戦いを辛くも制したきなこは、ほっと胸をなで下ろし。十分にダメージは与えただろうと、次の選手に交代するのだった。
大成功
🔵🔵🔵
グラン・ボーン
「赤コーナー。11万ポンド、1816フィート!ジャイアントカラテの入場だ」
アナウンスと共に巨人が入場する
花道を歩くのは巨人拳法の使い手グランだ
プロレスラーが相手なら、プロレスを利用して勝つ
状況を利用するのは得意だ
プロレスラーが驚くほどタフなのは知っている
が、こっちも砲弾だってはじき返す【鉄壁】のデカイ肉体がある
「大変だなレスラーは、すげえと思ってるぜ」
観客席2階(6m)からダイブするレスラーもいる
観客がいなければマットがあってもやらないらしいが、居たらするし、平気な顔をする
「どっちがタフか、殴りっこしようぜ」
正拳突きをいれ、次は俺の番だと殴らせる
交互にやってよりタフなのが立ってるだろう
『赤コーナー。11万ポンド、1816フィート! ジャイアントカラテの入場だ』
どこからともなく聞こえるアナウンスと共に、一人の巨人が入場する。花道を歩くのは巨人拳法の使い手、グラン・ボーン(巨人の巨人拳伝承者・f34134)。生まれながらの巨体、鍛えられた肉体、磨かれた技を備え、好敵手との戦いを求めて世界を渡り歩く漢だ。
「グロロロロロ! なかなか歯ごたえのありそうなヤツが来たな。見掛け倒しの木偶の坊でないことを願うぞ!」
人間としては並外れた巨漢となる『デスリング総統』も、流石に巨人に比べれば背丈では劣る。しかし自分よりデカい相手だろうが彼は怯まないし、どんな挑戦者だろうが全て骸の海送りにしてきた。筋肉の鎧に包まれたボディには、圧倒的自信が詰まっている。
「大変だなレスラーは、すげえと思ってるぜ」
こちらの挑戦を真っ向から受け止める構えのデスリング総統に、グランはにやりと凶暴な笑みを浮かべる。プロレスラーが相手なら、プロレスを利用して勝つ。状況を利用するのは得意だと、まずは会場を見回してどこから仕掛けるかを決める。
「てめぇなら、こいつも受け切れるよな」
彼はその巨体をもって観客席の二階によじ登ると、そこからリングに向かってダイブする。世の中にはこんな豪快な攻撃を仕掛けるレスラーもいるらしい。観客がいなければマットがあってもやらないらしいが、居たらするし、平気な顔をするそうだ。
「面白いッ! 来いッ!!」
約6mの高さから急降下する553.8cmの巨体。尋常ならざる質量攻撃にも、デスリング総統に回避の選択肢はない。
リングが――否、バトリンピア遺跡を震撼させる【一撃必殺】の正拳突きが炸裂し、爆弾でも落ちたのかと誤解するほどの衝撃と轟音が響き渡る。並大抵のオブリビオンなら跡形も残らないような攻撃、だが。
「生きてるよな」
「グロロロロロ! 当然!」
土煙が晴れた後には、さも平然とリングに立つ総統の姿が。ボディでしっかりとグランの拳を受け止めて、さらには反撃に入れる体勢にまでなっている。故郷の巨人仲間にもまともに張り合える相手はいなかった彼の攻撃を、まともに食らって耐えるとは驚愕に値する。
「そうでなくちゃな」
まさにプロレスラーの矜持を体現した漢に、グランはますます笑みを深める。そして次は俺の番だと言わんばかりにガードを解き、あえて殴らせる姿勢を取った。彼がどんな勝負を望んでいるのか、これで分からぬ相手ではあるまい。
「どっちがタフか、殴りっこしようぜ」
「グロロ……どうやら貴様も相当なバカのようだな!」
ダークレスラーの頂点としてこの挑戦、受けねば一生の恥となる。デスリング総統は笑いながら拳を固め、グランの胴体に豪快なパンチを叩き込んだ。必殺の四次元殺法でなくても彼の攻撃は強烈で、ボディの芯にまで響く重たさだ。
(プロレスラーが驚くほどタフなのは知っている。が、こっちも砲弾だってはじき返す鉄壁のデカイ肉体がある)
ここからは鍛えた肉体と意地と根性の我慢比べだ。グランとデスリング総統は交互に殴っては殴られる、シンプルな耐久戦に移行する。ズドン! ドゴォ! と、生身の拳が人体を殴っているとは思えない音が何度も響き、男たちの血と汗がリングを濡らす。どちらかが倒れるまで終わらない、壮絶な打ち合いの末に残るのは――。
「み……見事、だ……」
「楽しかったぜ」
何十打の巨拳を受け、マットに片膝を付いたのはデスリング総統。倒れ込んだわけではないが、この殴り合いの勝敗はそれで明らかだった。グランもまた相当なダメージでふらつきながらも、勝者の特権として両脚を踏ん張り、高々と拳を天に突き上げた――。
大成功
🔵🔵🔵
ユーフィ・バウム
デスリング総統との勝負を存分に楽しむなら、やはりプロレスしかありませんわね!
《蒼翼の闘魂》を発動
真の姿:蒼き鷹として勝負です
受けて相手を引き出してこそプロレス、
わかってますわよ!では最初はこちらの攻めを
功夫を生かしたプロレス式の打撃を見舞い、
グラップルを生かしたプロレスの関節技で攻める
勿論これで終わらないでしょう、であればこちらが受ける番ですわ!
覚悟を全開に総統のプロレス技を受けます!
リングで留まる受け身を取り、骸の海送りを堪えます。
気力が尽きぬ限り、レスラーの体は折れませんとも!
限界突破し再度組み付き、力溜めた怪力を生かした投げを
総統の巨体をリフトアップしての投げ技で3カウントを狙いますわ!
「デスリング総統との勝負を存分に楽しむなら、やはりプロレスしかありませんわね!」
世界最強のダークレスラーにしてプロレス・フォーミュラ『デスリング総統』に挑戦するにあたり、ユーフィ・バウム(セイヴァー・f14574)は【蒼翼の闘魂】を発動し、真の姿に変身する。その姿は「蒼き鷹」を名乗る、青髪ショートヘアの女レスラー。白くなった肌を水玉ビキニのコスチュームで包み、自信に満ちた表情で宣戦布告する。
「お相手いたしますわ。この『蒼き鷹』が!」
「グロロロロロ! 期待外れで終わるなよ!」
新たな挑戦者の出現を、デスリング総統は高笑いで迎える。彼の辞書に「撤退」や「逃走」の文字はなく、挑んできた輩は例外なく四次元殺法の餌食にしてきた。実力でこの座にまでのし上がったプロレスラーとしての自信が、全身より溢れんばかりだ。
「受けて相手を引き出してこそプロレス、わかってますわよ!」
先手を貰ったユーフィは、遠慮なく自分の攻めを披露する。功夫を活かしたプロレス式の打撃を見舞い、グラップルの技術を活かした関節技を極める。華がありつつも見掛け倒しでは終わらない、日々の鍛錬のレベルが窺える攻撃だ。
「この程度か! こそばゆいわ!」
しかし規格外のタフネスを誇るデスリング総統に対しては、このレベルでさえ「小技」に過ぎない。殴られても蹴られても関節を取られても、彼は全ての技を受けきりリングに立ち続ける。これで終わらないと予想していたとはいえ、まるで巨岩を相手にしているようだ。
「であればこちらが受ける番ですわ!」
初手で出せる技を出し切ると、ユーフィは覚悟を全開に総統のプロレス技を受ける構えに入る。どちらかが一方的に攻撃するだけではプロレスは成立しないと、彼女もプロレスラーだからこそ理解しており、ここで相手の反撃を避ける選択肢は存在しなかった。
「覚悟はできているようだな。ならば受けよ、ワガハイの四次元殺法を!」
デスリング総統はマスクの下で邪悪に笑い、全力の【デスリングスープレックス】を仕掛けてくる。四本の腕で相手を掴み、骸の海まで投げ飛ばすというこの技は、あらゆる生命体に対する文字通りの必殺技と言える。決まってしまえば猟兵でも無事でいられる保証はない。
「くうっ
……!!」
超人的な怪力でホールドされたユーフィは、リングで留まる受け身を取り、なんとか骸の海送りを堪えようとする。
単純なパワー比べという側面では、いささか分の悪い勝負だ。それでも決着がつかないでいるのは、彼女の魂の強さに他ならない。
「気力が尽きぬ限り、レスラーの体は折れませんとも!」
心に秘めた戦士の矜持が、人々を守り抜くという誓いが、肉体の限界を突破する。必殺のデスリングスープレックスを受けきった彼女は、再度デスリング総統に組み付くとありったけのパワーを振り絞って、渾身の投げ技を仕掛けた。
「これが『蒼き鷹』の真の力ですわ!」
「ヌオオォォォッ、バカなぁぁぁッ
!!!?」
少女よりも遥かにデカい巨漢がリフトアップされ、白いリングマットに投げ落とされる。驚愕する間もなくカウントが取られ、ワン、ツー、スリー――直後にデスリング総統は立ち上がったものの、「プロレスとして」の勝敗は誰の目にも明らかだった。
「グロロロロロ、このワガハイが……やるではないか、小娘! 見事なプロレス魂だ!」
敗北を喫した総統はユーフィ、もとい「蒼き鷹」を心から褒め称える。邪悪なダークレスラーでありながら――否、だからこそ己の負けを認める潔さが彼にはあった。四本腕で拍手を送られれば、激戦を制した少女の心にも、清々しい達成感が満ちるのだった。
大成功
🔵🔵🔵

オリヴィア・ローゼンタール
体操服に赤いブルマでリングイン
とうとう姿を現しましたね、デスリング総統
ヒールの頂点、ベビーフェイスとして打ち倒します!
マイク【パフォーマンス】で【注目を集める】のもレスラーの技量のうち
全身に【覇気】を漲らせ、【怪力】によるチョップやキックを繰り出す
出し惜しみはなし、総統の巨躯よりも高く【ジャンプ】して【天崩脚】!!
必殺技を受け切られ、反撃のスープレックス!
恐るべき膂力で放り投げられ――電流ロープを掴んでリングアウトを凌ぐ!
高圧電流が迸るが、【気合い】と【根性】で堪え、【負けん気】と【闘争心】を燃やす!
ロープの反動で先よりも高く【ジャンプ】!
【限界突破】した全霊の【天崩脚】を再度叩き込む!!
「とうとう姿を現しましたね、デスリング総統。ヒールの頂点、ベビーフェイスとして打ち倒します!」
体操服に赤いブルマという運動会的コスチュームでリングインし、プロレス・フォーミュラに堂々と宣戦布告するのはオリヴィア・ローゼンタール(聖槍のクルースニク・f04296)。マイクパフォーマンスで注目を集めるのもレスラーの技量のうちであり、それを聞いた『デスリング総統』は愉快そうに笑った。
「グロロロロロロ……! 生意気なヤツめ、返り討ちにしてくれるわ!」
ヒールならばヒールの作法がある。ベビーフェイスの挑戦を真っ向から受けきり、圧倒的な力をもって打ちのめす、それが彼の受けの美学だ。リングの中央でどっしりと身構え、相手の攻撃を待ち構えているのが、自信の現れだろう。
「参ります!」
全身に覇気を漲らせ、チョップやキックを繰り出すオリヴィア。彼女のパワーは常人離れしているが、それを受けるデスリング総統のタフネスは異常だ。この程度では挨拶にもならないと分かっている彼女は出し惜しみはせず、総統の巨躯より高くジャンプして大技を繰り出す。
「天崩脚!!」
「グロロォッ!!」
脳天をかち割らんばかりの強烈な踵落としを食らえば、流石のデスリング総統もよろめいた。だが、すぐに立ち直ると「その程度か?」と言わんばかりにニヤリと笑う。ダメージは入っているはずなのだが、こういう時は効いていないアピールをするのもレスラーの技量だ。
「貴様らのユーベルコードなど児戯に等しい! 必殺技とはこうやるのだ!」
オリヴィアの必殺技が受け切られれば、いよいよデスリング総統の反撃が始まる。四本の腕で挑戦者を捕らえ、放つは四次元殺法【デスリングスープレックス】。食らった者は骸の海まで投げ飛ばされる、凄まじきユーベルコードだ。
「グロロロロォッ!!!」
「はあっ……!」
恐るべき膂力で放り投げられたオリヴィアは、すんでのところでロープを掴んでリングアウトを凌ぐ。だがバトリンピア遺跡に組み込まれた謎の変形機構により、そのロープはデスマッチ仕様の電流ロープとなっていた。迸る高圧電流がビリビリと彼女の身体を痺れさせる。
「これしきのことで!」
だが、オリヴィアは気合いと根性で電流に耐え、負けん気と闘争心を燃え上がらせる。逆境からの逆転劇こそベビーフェイスの華――今こそ己の限界を超える時だと、ロープの反動を使ってジャンプする。先程よりも高く、天空に羽ばたく鳥のように。
「叩き割る――!」
「なにぃッ……グロロロローーーッ
!!!!!?」
技は同じでも初撃とはまるで威力が違う。全霊を込めた【天崩脚】が再度叩き込まれると、デスリング総統は本当の絶叫を上げ、リングに膝を付いた。プロレスラーが膝を屈するという意味、ダークレスラーなら尚のこと分かっていよう。華麗にリングに着地したオリヴィアの銀髪が、ライトによって煌めいていた。
大成功
🔵🔵🔵
ブリュンヒルデ・ブラウアメル
さぁ、くるがいい!
体操服黒ニーソックスで迎え撃ち、あらゆる物質を引き寄せる『万物誘引UC』に癒える事なき侵食を付与する『リリスの光』を宿し、攻撃力と吹き飛ばし力を最大9倍まで強化
『敗北や死の危機に比例する』…骸の海送りのUCを以てすれば敗北の危機は高い
故に!万物誘引UCによって『四次元』諸共フォーミュラの肉体を引き寄せ、癒える事無き浸食を与える『リリスの光』を宿した左ストレートをフォーミュラの顔面に叩き込む!
さぁ、三次元を超えた体術を扱えるのは貴様の専売特許ではないぞ!
二打目の左ストレートを振るい、プロレスVSボクシングで戦っていくぞ
「さぁ、くるがいい!」
体操服に黒ニーソックスという格好で、ブリュンヒルデ・ブラウアメル(蒼翼羽剣ブラウグラムの元首『剣帝』・f38903)はリングに上がる。すでに【蒼翼の終焉破壊・我が左手は癒える事無き光を宿す】を発動した彼女は、あらゆる物質を引き寄せる『万物誘引ユーベルコード』と、癒えぬ侵食を付与する『リリスの光』を宿していた。
「グロロロロロ、ワガハイの辞書に先手を取るという言葉は……なにッ、引き寄せられるだとォ!」
その誘引力はプロレス・フォーミュラである『デスリング総統』の肉体すらも引き寄せるほど。基本的に「待ち」の構えを取る彼が先に動かされるのは滅多に無いことだろう。オリヴィアがここまで強力な効果を発揮できたのには勿論ワケがある。
(このユーベルコードの威力は『敗北や死の危機に比例する』……骸の海送りのユーベルコードを以てすれば敗北の危機は高い)
猟兵だろうと食らえば一発で決着を付けられかねない、デスリング総統の四次元殺法。その脅威に反応してブリュンヒルデのユーベルコードは強化されたのだ。ただ、敵をあえて自分の元に引き寄せるということは、反撃のリスクをさらに高めるということである。
「生命が惜しくないようだな! ならば食らえい!」
デスリング総統は四本腕で掴みかかり、必殺の【デスリングスープレックス】で挑戦者を骸の海送りにせんとする。
だが、本来は「受け」からの反撃を得意とするフォーミュラを動かしたことで、ブリュンヒルデにカウンターの権利が渡る。敵のプロレス技が一撃必殺ならば、死中に活を見出すまでだ。
「そこだ!」
「グロロロッ!?」
四本の腕に捕まえられる刹那、『リリスの光』を宿した左ストレートがデスリング総統の顔面に叩き込まれる。鮮やかなカウンターを食らわされた総統は大きくよろめき、スープレックスは不発に終わった。四次元殺法破れたり、だ。
「さぁ、三次元を超えた体術を扱えるのは貴様の専売特許ではないぞ!」
間髪入れずにブリュンヒルデはニ打目の左ストレートを振るい、挑発的な言葉を投げかける。そのスタイルはレスリングよりもボクシングの型を基本としており、軽快なフットワークと高速のパンチが持ち味だ。古代のリングの上で、異種格闘技戦を挑むつもりか。
「グロロロロロ……! なかなか楽しませてくれる!」
デスリング総統は迷わず挑戦を受け、かくしてプロレスVSボクシングの戦いが始まる。相手の打撃を全て受け止めたうえで反撃するプロレスラーに、それを躱しつつカウンターを放つボクサー。異なる戦法がお互いの魅力を引き立て、試合をさらに盛り上げる。
「刻まれし癒える事無き侵食を以て、その終焉に終焉を!」
「やるではないか……グロロロォッ!!」
両者とも一歩も譲らぬ激闘だが、ブリュンヒルデの拳に宿るリリスの光は、デスリング総統の肉体を着実に侵食しており、戦いが長引けば総統はじりじりと消耗していく。この試合のエンディングが、すでに彼女には見えていた――。
大成功
🔵🔵🔵
エリュファシオン・アルティウス
さあ、勝負しようか!
拳を構えながら戦闘態勢に入る
『オォォー!』
オーさんも元気に応援している
くらえ!やあぁぁぁぁ!
怪力で敵に殴りかかり衝撃波も放つ
もう一度!
神罰を纏った拳を殴り飛ばしたが受け切られた
うわあぁぁぁ!
反撃に相手のUCを受けてジャイアントスイングで吹き飛ばされた
しかも投げられた時に炎に包まれてしまう
今だ!アナザーワン!
骸の海に入る前にUCの効果でUC無限逆行神皇・THE・ANOTHER・ONEを発動して真言の力で骸の海に送られる前に無限速で脱出した
もう一度私のターンだ!無限逆行奥義ANOTHER・BREAKER!
アナザーワンと共に指定UCを敵に放つ
敵は電撃ロープに当たりダメージを受ける
「さあ、勝負しようか!」
ダークレスラーを統べるプロレス・フォーミュラ『デスリング総統』に、エリュファシオン・アルティウス(“やんきー”を目指す『時間逆行』を使う不思議な旅人・f39208)は堂々と挑戦状を叩きつけ、拳を構える。本気の戦いではあるが、同時にこれはプロレスの試合だ。
『オォォー!』
彼女の相棒であるオオサンショウウオ型バイク「オーさん」も、リングの外から元気に応援している。多対一の変則マッチもこの試合ではナシではないが、やはりここはタイマン勝負だろう。プロレスとしても、"やんきー"とじても。
「グロロロロロ! 来るがいい!」
「くらえ! やあぁぁぁぁ!」
待ちの構えを取るデスリング総統に、エリュファシオンは勇ましく殴りかかる。常人離れした怪力に衝撃波を加えたパンチは強烈で、並みのダークレスラーなら立っていられないだろう。もちろん、今回の相手は並みではないのだが。
「もう一度!」
彼女はさらに神罰の力を纏った拳でぶん殴るが、鋼の如き肉体はびくともしない。相手の攻撃を全て受けきってから反撃するという無茶を実現するために、尋常ではない鍛え方をしているのだ。このタフネスがデスリング総統を頂点の座に押し上げた一因なのは間違いない。
「グロロロ、この程度か? とんだ期待外れだな!」
攻撃を受けきったデスリング総統は、反撃の【デスリングスイング】を仕掛ける。四本腕で相手の体を掴み、豪快なジャイアントスイングで骸の海まで投げ飛ばす大技だ。この『四次元殺法』で返り討ちにあったレスラーは数知れず、恐怖の最強レスラーの名を不動のものとする由縁だ。
「うわあぁぁぁ!」
避けられずに吹き飛ばされるエリュファシオン、しかも運の悪いことにバトリンピア遺跡のギミックが突如作動し、リングの周りが燃え始める。炎に包まれた彼女は悲鳴を上げて、そのまま骸の海送りになるしかないように思われた。
「今だ! アナザーワン!」
だが、この窮地においてもエリュファシオンの目は死んでおらず、【無限逆行神皇・THE・ANOTHER・ONE】を発動。
虚空より現れた赤いタキシード姿の魔神が、真言の力で敗北の結果を書き換える。これにより無限大のスピードを得た彼女は、炎を纏いながらリングに舞い戻ってきた。
「もう一度私のターンだ! 【無限逆行奥義・ANOTHER・BREAKER】!」
「な、なんだとォッ?!」
アナザーワンと共に放つは無限消滅剣による渾身の一撃。これは過程を無視してダメージという結果のみを残すユーベルコードであり、見切ることも回避も不可能。仮にできたとしてもデスリング総統に避ける気はなかったろうが――純粋に凄まじきその威力は、彼を驚愕させるに足るものだった。
「グロロロロロロォーーーッ!!!」
ロープ際まで吹き飛ばされたデスリング総統は、そこに流れていた電流ギミックに当たり、追加ダメージを受ける。
どんなにタフなプロレスラーでも、ダメージが無かったことにはならない。エリュファシオンの猛攻は間違いなく、この無敗のダークレスラーを追い詰めつつあった――。
大成功
🔵🔵🔵
エリン・エーテリオン
おう!楽しい勝負にしようぜ!
今回の戦争はガチデビル以外は楽しむ事にしている
虹炎…武装!虹炎羅刹!
UC発動して敵の鳩尾をしっかりと見る
オラぁぁぁぁ!
UCで強化された推力移動のスピードを乗せながら拳から衝撃波を放つ
流石に捕まったら不味いな…!
敵は当然のように反撃をしてくるが視力で四本腕に捕まらないようにロープの上に逃げる
そうこなくちゃ!
敵はパイプ椅子を持っていたがこっちは念動力で空を飛びながら加速して蹴りをお見舞いする
痛え!ヤベっ…!
しかし反撃に相手にパイプ椅子で殴られるも素早く敵の3本腕から離れる
プロレスも悪くねえな!
再び敵の懐に飛び込み敵の腕に捕まりそうになるも顎に向かってアッパーを繰り出した
「グロロロロ……なかなか楽しませてくれるではないが。だが、もっとだ!」
「おう! 楽しい勝負にしようぜ!」
猟兵との熾烈なプロレス勝負を繰り広げ、闘志を燃え上がらせる『デスリング総統』。そこで意気揚々とリングに上がってきたのはエリン・エーテリオン(邪神龍と虹炎の神と共に世界を駆ける元ヤンの新米猟兵・f38063)だ。今回の戦争はスポーツ大会ということもあって、彼女は(ガチでビル以外は)素直に楽しむことにしている。
「虹炎……武装! 虹炎羅刹!」
ぐっと全身に力を込めてユーベルコードを発動すると、彼女の黒髪は赤く染まり、頭から禍々しい角が生えてくる。
この姿に変身したエリンの身体能力と飛行能力、そして動体視力は飛躍的に向上し、魂や精神体のような実体のない敵でさえ殴り飛ばすことができるようになるのだ。
「オラぁぁぁぁ!」
エリンは敵の鳩尾をしっかり見て狙いを定めると、虹色の炎を背面から放出し、ロケットじみた推進力で接近する。
そのままパンチを繰り出せば、神速に達した拳は衝撃波を生む。どんな無敵・吸収・反射能力であっても、この打撃を防ぐことはできないが――。
「フンッ! 甘いわ!」
デスリング総統は当然のように彼女の攻撃に耐え、反撃を仕掛けてくる。ダメージが無かったわけでも特殊能力でもない、ただ純粋なプロレスラーとしてのタフネスで受け切られたのだ。底なしの体力とフィジカルにものを言わせた、四次元殺法【デスリングスープレックス】が襲い掛かる。
「流石に捕まったら不味いな……!」
いくら何でも骸の海送りにされては猟兵とて無事では済まない。エリンは目を凝らして敵の動きを見極め、四本腕に捕まらないようロープの上に逃げる。するとデスリング総統はリングから生えてきたパイプ椅子を持って、殴りかかってきた。
「まだまだ終わらんぞ!」
「そうこなくちゃ!」
ルール無用の凶器攻撃を、エリンは念動力で空中に避け、さらに炎の推進力で加速して反撃の蹴りをお見舞いする。
一見効いているように見えなくても、ダメージ自体は蓄積しているはずだ。攻め続ければいつかは倒れるだろう――問題は、それがいつになるのかという話だが。
「グロロロロッ!!」
「痛え! ヤベっ……!」
反撃のパイプ椅子で殴られるも、エリンは素早く追撃の三本腕から離れ、【デスリングスープレックス】を避ける。
ギリギリの攻防だが、それでも彼女の心は不快ではない高揚感に満ちていた。リングで交わされる力と技の応酬は、激しさを増すほどに華麗となる。
「プロレスも悪くねえな!」
「そうだろう、そうだろう!」
満足げなデスリング総統の懐に、再び飛び込んでいくエリン。四本の腕に捕まりそうになるが、ギリギリのところでそれを躱し――虹色の炎を拳に溜めて渾身のアッパーを繰り出す。強きレスラーに敬意を表する、全身全霊の一撃だ。
「オラぁ!!」
「グ、グロロォッ!!」
顎にクリーンヒットしたアッパーの衝撃で、デスリング総統は絶叫と放物線を描き、ロープ際までふっ飛ばされる。
だが、彼の表情はどこか満足げであり、エリンもそれは同様。肉体言語を通じて語り合ったふたりの間に、勝ち負けはあっても遺恨など存在しないのだった。
大成功
🔵🔵🔵
メイティナ・ヴァーンフォルカ
【では、遠慮なく行かせて貰います!】
UCを発動して相手の顔面を怪力の拳で殴ります
【次は凍らせます!】
凍結攻撃の弾幕を放ち凍らせる
【次は…あっ痛っ!】
凍らせ損ねた一本の腕に殴り飛ばされロープまで吹き飛んだ
あぁぁぁぁ!
看板を落とした上、ロープに電流が流れてダメージを受けるも氷を破壊してきた相手の腕が迫ってくるが推力移動で横へ逃げる
痛っ?!しまった…
氷を顔に当てられて怯み四本腕に捕まりUC発動
このままでは…不味いですね…もう一つの終断!
ジャイアントスイング中にUCの効果でUCもう一つの終断を発動して骸の海送りの起源を書き換えてロープにぶつかるだけになる
反撃です!星導拳!
相手の顔面を連続で殴り飛ばした
【では、遠慮なく行かせて貰います!】
そう書かれた看板を掲げて、リングに上がってきたのはメイティナ・ヴァーンフォルカ(狂人と勘違いされた神がクソゲーハンターとなる話・f41948)。肉声では滅多に喋ることのない寡黙な少女だが、内に秘めた闘志は本物である。
【星の龍、アステール!】
「グロロロロ! そうだ、来い!」
【星導覚醒・星龍アステール】を発動し、黄金の龍のオーラを纏いながら向かってくる彼女を、『デスリング総統』は逃げも隠れもせず待ち構える。回避という言葉が辞書にないプロレスラーに、炸裂するのは星導拳。卓越したパワーとスピードを乗せたパンチが顔面に突き刺さった。
【次は凍らせます!】
間髪入れずにメイティナは冷気の弾幕を張って敵に浴びせる。これもまた避けない――そもそもリング内では避けるスペースのない攻撃によって、デスリング総統の体はみるみるうちに凍りつき、生きたまま氷像の如き有り様になる。
【次は……あっ痛っ!】
「フンッ! 涼しいわ!」
だが、凍らせ損ねた一本の腕が唸ったかと思うと、メイティナは一撃でロープ際まで殴り飛ばされる。遺跡に仕掛けられた変形ギミックによって、このリングのロープには電流が流れていた。それもデスマッチの演出としてはやや過剰な電圧のヤツが。
「あぁぁぁぁ!」
「グロロロロ! まだ倒れてくれるなよ!」
看板を落としてしまった上、殴打と電流の二重のダメージを受けたメイティナの口から悲鳴が漏れる。だが、デスリング総統はここからが本番だとばかりに、氷を砕いて迫る。四次元殺法の危険を知っている少女は、推力を発して横方向に逃げるが――。
「痛っ?! しまった……」
「捕まえたぞ! 食らえい、【デスリングスイング】!」
割れた氷の破片を顔に当てられ、怯んだ隙に四本腕で掴まれてしまう。マスクの下で巨漢がニヤリと笑い、恐るべきジャイアントスイングの体勢に移行。少女の身体を軽々と振り回して、勢いをつけて骸の海までぶん投げようとする。
「このままでは……不味いですね……もう一つの終断!」
投げ飛ばされる寸前に、メイティナは【星導覚醒・星龍アステール】を維持したまま【もう一つの終断】を発動。
起源を上書きする斬撃によって「骸の海送り」という効果を改変する。これにより彼女は再びロープにぶつかったものの、なんとかリング内に留まることができた。
「不発だと!? ワガハイがフィニッシュフォールドを失敗するなど……!」
文字通りの必殺技を阻止されたデスリング総統が動揺を見せる。だが不発だろうと一発は一発、プロレスの流儀に則れば次はメイティナが攻撃を仕掛けるターンだ。電流ロープにも負けずに立ち上がった彼女は、再び黄金のオーラを纏って拳を握りしめる。
「反撃です! 星導拳!」
「グ、グロロロロロロォォーッ!!!」
一発目よりもパワーもスピードも増した打撃の連続が、乱れ舞う流星のようにデスリング総統の顔面を殴り飛ばす。
いかにもプロレスらしい派手な技の応酬であったが、最後にそれを制したのはメイティナであった。彼女は落とした看板を拾い上げると【いい勝負でした】と文字を掲げ、悠々と次の選手に交代していった――。
大成功
🔵🔵🔵
レティシア・ハルモニアス
夢幻戦線
まずは妾じゃ!
素早くUCを放ち相手を撃ち抜くが傷がついただけ
『次は私です!』
UC眷属召喚・ライメイザの効果で現れたライメイザが破壊雷を放つも痺れただけ
捕まるな!ライメイザ!
『は…はい!』
敵が四本腕で掴もうとしてきたのでリングが炎に包まれた
むっ…!ライメイザ、迷彩を使うのじゃ…
『…了解しました』
作戦を決めて迷彩で姿を消した
相手は姿を消した事に気づいたようでロープを背に両目を閉じてきたが突然右の方へ走りだした
『…なっ?!』
そこにいたライメイザが四本腕に捕まってしまった
ちっ!仕方が無い!
UC吸血鬼の女王を発動しマヒ攻撃の斬撃波を放ちライメイザを助け出す
『すみません…レティシア様』
気にするな…
黎明・天牙
夢幻戦線
お疲れさ〜ん、ティニ、ライメイザ
捕まりそうになったライメイザを助け出した後、俺に交代した所でリングの炎も収まった
じゃあ振動の力だ
素早く振動の力を放ち敵に攻撃
…これ殺し合いだったら厄介な野郎だな
二人の攻撃が対して効かなかったのを納得しながらも距離をとる
新技行くか…
敵のUCを視力で見ながら回避して新しく覚えた電撃の衝撃波を放つ
敵が後ろに下がり出現したとある凶器を掴む
逃げろ〜☆
敵が俺を捕まえようと迫るも推力移動でリングの端へ逃げる
捕まえようするのはフェイントで相手は油が入った水鉄砲を俺が向かう方へ放つ
おっと…
油に滑って体勢が崩れた瞬間を逃す筈も無く掴まれてUC発動された
(その瞬間魂を振動の力で揺らした)
ライメイザが小さい悲鳴をあげるもティニは何かを感じたようだ
ちゅんちゅ〜ん!
相手はスープレックスの体勢のまま動けなくなっていた
幻想の力でリングをねばねばの餅に変化させた
ちゅちゅちゅん!
俺は次元移動で相手の横に現れて相手をリングから上の方へ蹴り飛ばす
ちゅ〜ん!
回転しながら相手ほ腹に突っ込んだ
「グロロロロ……! 久しぶりだな、これほど血湧き肉躍る戦いは! さあ、次はどいつだ!」
猟兵との激しいプロレス勝負を繰り広げ、今なおリングに健在の『デスリング総統』。さらなる挑戦者を求める彼の前に、現れたのは吸血鬼の女王、レティシア・ハルモニアス(奪われた全てを取り返す為に〜吸血鬼戦線〜・f40255)であった。
「まずは妾じゃ!」
「来るがいい!」
どんな攻撃も正面から受け止める構えのデスリング総統に対し、レティシアは素早くユーベルコードを発動。彼女の闇刃銃『エレクトニアス・ヴァラージュ』から放たれる【紅い矢弾の雨】は次元を超え、神速で目標を撃ち抜くが――総統は傷が付いただけで平然としている。
『次は私です!』
直後に【眷属召喚・ライメイザ】の効果で現れたレティシアの配下、ライメイザが雷を放つ。その破壊力は自然界の稲妻を上回るが、これを食らってもデスリング総統は動じなかった。ダメージが無いわけではないが、ちょっと痺れた程度だ。
「フン、二対一でこの程度か! ワガハイも舐められたものだな!」
プロレスラーの「受け」の美学を重視する総統は、二人の攻撃が終わってから悠々と反撃を開始する。四本の腕を広げた独自の構えから繰り出される「四次元殺法」は、どれも相手を骸の海まで投げ飛ばす恐ろしいユーベルコードだ。
「捕まるな! ライメイザ!」
『は……はい!』
レティシアが警告を発し、ライメイザは四本腕の間合いから距離を取る。半端な攻撃が通用しないと分かった以上、ここで隙を見せるわけにはいかない。高まる試合の熱気に呼応するようにバトリンピア遺跡の謎ギミックも動きだし、リングは真っ赤な炎に包まれた。
「むっ……! ライメイザ、迷彩を使うのじゃ……」
『……了解しました』
この炎を利用すれば敵の隙を突けるかもしれないと考えたレティシアは、作戦を決めて指示を出す。陽炎に溶け込むようにライメイザの姿がリングから消え、デスリング総統が「ムムッ?」と唸る。おそらく向こうも彼女達の狙いには気付いているだろう。
「姿を消したか……だが……」
デスリング総統は猪突猛進のバカではない。一人残ったレティシアに掴みかかろうとはせず、ロープを背にして両目を閉じる。消えたライメイザの気配を探っているのか――二人が迂闊に攻められないでいると、彼は突然右の方へ走り出した。
『……なっ?!』
そこにいたライメイザは、逃げる間もなく四本腕に捕まってしまう。油断したつもりはないのに彼女の迷彩を見破るとは、これもプロレスラーの直感なのだろうか。デスリング総統はそのまま【デスリングスイング】の構えに移行し、愚かな挑戦者を投げ飛ばそうと――。
「ちっ! 仕方が無い!」
このまま眷属がやられるのを見過ごすわけにはいかないと、レティシアは【吸血鬼の女王】を発動。蝙蝠の翼を生やした黒いドレス姿に変身すると、凍結剣『コキュートス』より斬撃波を放った。溢れるヴァンパイアの力を込めたその一撃は、絶対零度となって敵を打つ。
「グロロッ!!」
この攻撃は流石に無視できなかったようで、冷気の斬撃を食らったデスリング総統の動きが一時的にマヒする。この隙にライメイザは四本腕の拘束を逃れ、辛くも骸の海送りを免れた。間一髪だった自覚はあるのか、その額には冷や汗が流れている。
『すみません……レティシア様』
「気にするな……」
ただのプロレスと侮っていたつもりはないが、敵の力はレティシア達の想像以上だった。これが新生フィールド・オブ・ナインの一人、プロレス・フォーミュラの実力――底なしのタフネスと必殺のフィニッシュフォールドを有する、恐るべきダークレスラーだ。
「すまぬ、あとは任せた」
「お疲れさ〜ん、ティニ、ライメイザ」
これ以上は策もないレティシア達は、外で待機していた黎明・天牙(夢幻戦線のリーダー『パラダイス・ブレイカー』・f40257)と交代。超人プロレスは選手の交代自由であり、試合中の交代もルール違反ではない。彼がリングに上がると、炎のギミックも丁度収まった。
「じゃあ振動の力だ」
まずは小手調べとばかりに天牙は指を鳴らし、生じた振動を敵にぶつけるが、やはりと言うべきかデスリング総統はびくともしない。そこらのオブリビオンならこれでも吹き飛ばすくらいの威力はあるはずなのだが、一歩も退かせられなかった。
「どうした、貴様もその程度か!」
「……これ殺し合いだったら厄介な野郎だな」
二人の攻撃が大して効かなかったのを納得しながらも距離を取る。ここで無理してもさっきの二の舞になるだけだ。
デスリング総統は今度は【デスリングスープレックス】の構えを取って、のっしのっしと近付いてくる。彼の四次元殺法にはいくつか種類があるが、食らった場合の結果はどれも変わらない。
「新技行くか……」
天牙はよく目を凝らして四次元殺法を躱しつつ、新たに会得した電撃の衝撃波を放つ。激しい光がリングを照らし、デスリング総統を後退させた。それで向こうは彼の評価を改めたらしく、「ほう!」とマスクの下で笑みを浮かべる。
「思ったよりはやるな! そう来なくては!」
総統はリングから出現した凶器を掴み、四本腕で構える。巨漢のレスラーが武器を持つのはそれだけで迫力があり、ここにはルール違反を咎めるレフェリーもいない。流石にこれを正面から相手するのは不利と見たか、天牙はへらりと笑いながら踵を返した。
「逃げろ〜☆」
「待ていッ!」
振動の力を推進力にしてリングの端へ逃げる天牙。デスリング総統は捕まえようと迫るがそれはフェイントで、これまたリングから生えてきた油入りの水鉄砲を放った。つるつるの油はローションのように足元の滑りを良くし、相手の移動を妨げる。
「おっと……」
「そこだッ!」
油に滑って体勢が崩れた瞬間を総統が逃すはずも無く、四本腕で掴んで即座に【デスリングスープレックス】を発動する。先程ライメイザが喰らいかけたのと同じ、相手を骸の海まで投げ飛ばす文字通りの「必殺技」。そして今度は、リング内に助けてくれる味方はいない。
『いけない……!』
「いや、あれは……」
観戦していたライメイザが小さい悲鳴を上げるも、レティシアは何かを感じたようだ。四次元殺法を食らう瞬間に、天牙は魂を振動の力で揺らし、ユーベルコードを発動していたと。それは【『楽園』奥義・OVER THE PARADISE】――奇跡さえ起こす力だ。
「ちゅんちゅ〜ん!」
「なにッ?! う、動けぬ……これは!?」
全長3mほどの巨大な白雀に変身した天牙。それを掴むデスリング総統は、スープレックスの体勢のまま動けなくなっていた。ねばねばの餅に変化したリングが、彼の身体にくっついて動きを封じていたのだ。一体何が起きたのか分からないだろうが、『楽園』の力の前ではあらゆる可能性と幻想が現実に変わる。
「ちゅちゅちゅん!」
「グロロッ!?」
即座に天牙は次元を飛び越えて四本腕の拘束を脱し、敵の横に現れてキックを放つ。蹴り飛ばされたデスリング総統の身体はリング上で放物線を描き――それが落下してくる前に白雀は両翼を羽ばたかせ、神速を超えるスピードで突っ込んだ。
「ちゅ〜ん!」
「グロロロロォーーーッ
!!!?」
回転をかけたライフル弾のような体当たりを腹に食らって、さらに吹っ飛ばされるデスリング総統。タフさが売りのプロレスラーといっても、これだけのダメージを受けて平然としてはいられまい。不沈艦の如き肉体に、限界の兆しが見え始めていた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
カタリナ・エスペランサ
負けを認めさせればフォーミュラが軍門に、ね
オブリビオンの力を利用する猟兵の前例自体はあると思えば……まぁ……?
それはそうとプロレスだね、望むところだ
先に貰った尺で《軽業+歌唱+ダンス+パフォーマンス》
これは《鼓舞+ドーピング》の自己強化であり
《目立たない+誘惑+催眠術+精神攻撃+罠使い》も兼ね相手の知覚に対する罠を仕込んでおく
UC【装演】、降魔拳伝承者のチャイナドレスに《早着替え》
《功夫》強化して《先制攻撃+連続コンボ》を叩き込もう
相手にターンが回れば攻撃は《第六感+戦闘知識》で《見切り》
先の歌声で仕込んだ知覚《ハッキング》を起動して
UCを受ける寸前《早業+式神使い》で囮を身代わりに
アタシ自身は《ものを隠す+迷彩》で隠れ逆転されたフリ
マイクパフォーマンスが一段落したところで迷彩解除、
【装演】で狼の毛皮纏うバーバリアンに変身しフィジカル増強
鍛えられた身体に磨かれた技、フォーミュラを冠するだけの事はある
だけどチャンピオンの座は頂くよ!
〆は《早業+怪力+蹂躙+アクセルコンボ》でワイルドに飾ろう
「負けを認めさせればフォーミュラが軍門に、ね。オブリビオンの力を利用する猟兵の前例自体はあると思えば……まぁ……?」
そこらの一般オブリビオンではない、仮にもフォーミュラが配下になるという前代未聞の話に、カタリナ・エスペランサ(閃風の舞手・f21100)が困惑したのも無理はない。ここアスリートアースのダークリーガーはオブリビオンながら独自のポジションを確立しているため、ともかく「そういうもの」と受け入れるしかない。
「それはそうとプロレスだね、望むところだ」
「グロロロロ! まだまだ挑戦者は募集中だぞ!」
当の『デスリング総統』はリングの中央に陣取ったまま、カタリナがリングに上がるのを待っている。彼女がどんな攻撃を仕掛けてこようとも全て受けきって、堂々と反撃する構えだ。油断や慢心ではない、それがプロレスラーとしての「美学」と信ずるがゆえのスタイルである。
「なら、貰った尺は有効活用しないとね」
カタリナは軽い身のこなしでリングに飛び込むと、歌いながらダンスを始める。これは自らを鼓舞して能力を高めるドーピングの一種であり、また一定のリズムに則ったパフォーマンスは催眠術のごとく密かに相手の知覚を惑わせる。
「おい、ここはライブ会場ではないぞ! 早くかかってこい!」
意図が分からない者から見れば、その行為は華麗でこそあれただの歌と踊りである。いくら「受け」が信条とはいえ待ちくたびれたデスリング総統が叫ぶ。これを受けて、そろそろ仕込みも十分だろうと判断したカタリナも、攻撃態勢に入った。
「これは自慢じゃなくないけれど。十分な地力とセンスがあれば何事も様になるものさ、それなりにね!」
そう言ってカタリナは【装演:異郷撫子七変化】を発動し、降魔拳伝承者のチャイナドレスに早着替え。強化された功夫による先制攻撃を仕掛けた。パンチ、キック、払い、投げ、連続コンボが次々とデスリング総統に叩き込まれる。
「グロロロロ……待たせた割にはこの程度か! 笑止!」
だが、その全てをノーガードで受けてなお、彼はリングに立っていた。一体どうすれば倒れるのかと思うほど異常なタフネスだ――そしてカタリナのコンボが終了すれば次は自分のターンだと、必殺の四次元殺法で襲い掛かってくる。
「食らえ! デスリングスイング!!」
四本腕で相手を捕まえ、骸の海まで投げ飛ばさんとするデスリング総統。掴まれまいと第六感と戦闘知識を駆使して回避するカタリナ。ことリング上の駆け引きにおいて分があるのは前者だが――ここで、攻撃前に仕込んだ罠が意味を持ってくる。
「捕まえたぞ! グロロロロロォーッ!!!」
デスリング総統が掴んだのはカタリナ本人ではなく、彼女が作りだした式神だった。知覚ハッキングのせいで正体を見抜けなかった彼は、意気揚々と囮を【デスリングスイング】で投げ飛ばすが、もちろん本体にダメージはなかった。
「グロロロロ! 見たか!」
華麗な逆転劇を収めたと思い込んでいるデスリング総統は、悠々とマイクパフォーマンスを始める。対してカタリナは迷彩で姿を隠しながらそれが一段落するのを待ち――頃合いを見てから潜伏を解除すると、再び反撃に打って出た。
「残念だけど、まだ終わっていないよ」
「なッ、何いッ、貴様は!」
服装はチャイナドレスから狼の毛皮に変わっているが、たった今骸の海送りにしたはずの相手がピンピンして出てくれば、流石にデスリング総統だって驚く。その隙にカタリナは獣のように低い姿勢からタックルを仕掛け、相手の懐に潜り込んだ。
「鍛えられた身体に磨かれた技、フォーミュラを冠するだけの事はある。だけどチャンピオンの座は頂くよ!」
降魔拳伝承者からバーバリアンへ、技とスタイルを変化させたカタリナはフィジカルに物を言わせたアクセルコンボでデスリング総統を蹂躙する。ワイルドに繰り出される猛烈なラッシュが、鋼の如き体にダメージを蓄積させていく。
「これで、どうだ!」
「ぐ、グロロロロロロ……! このワガハイが、まさか
……?!」
ついに耐えきれなくなったか、締めを飾る一撃でロープ際まで殴り飛ばされ、ガクリと膝をつくデスリング総統。無敗にして最強を誇ってきたダークレスラーの脳内に、敗北の二文字がちらつき始める。プロレスという舞台で猟兵がここまでやるとは、彼も予想外だっただろう――。
大成功
🔵🔵🔵
黒城・魅夜
以前作った「漆黒の熱帯魚」の水着(https://tw6.jp/gallery/?id=166726)を
リングコスチュームとして参戦します
花道から登場し優雅にコーナーポスト最上段に飛び乗ると一礼
オーラを全身に纏いライトの光を反射して
この身をキラキラと輝かせアピール
さらに誘惑の呪詛を相手に向けて放ち、視線を誘導します
ダークレスラー?
ダンピールの悪霊と言う闇の住人たるこの私、悪夢の滴に対して
ダークを名乗るとは烏滸がましい
真なる闇の力を思い知るといいでしょう
……とマイクアピール
試合開始後は衝撃波を纏った空中戦(ルチャリブレ)で波状攻撃を掛け
リングの変形は第六感と心眼、見切りで回避
相手がぐらついたところでUCを発動
ええ、これであなたはおしまいです
パフォーマンスもマイクアピールも華麗な連続攻撃も
全てはあなたに私を印象付けるための布石
技を受け切るも何もありません
私を認識した瞬間にあなたは滅びていたのです
ああ、観客の皆様は結界を張っていますのでご心配なく、ふふ
「次は私がお相手しましょう」
バトリンピア遺跡で繰り広げられる熾烈なプロレス勝負に、新たに参戦するは黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)。
以前作った「漆黒の熱帯魚」の水着をリングコスチュームにして、花道より堂々と登場すれば、観客と選手の注目は釘付けだ。全身に纏ったオーラがライトの光を反射してキラキラと輝くことで、その存在感はさらに増す。
「ご機嫌よう」
「ムウッ。こやつ、できる……!」
彼女はそのまま優雅な身のこなしでコーナーポスト最上段に飛び乗ると一礼する。そつのないアピールで場の空気を一気に持っていった手腕は『デスリング総統』も認めざるを得なかった。単純な強さだけではない「魅せる」技術も、プロレスラーにとっては重要なのだ。
「ダークレスラー? ダンピールの悪霊と言う闇の住人たるこの私、悪夢の滴に対してダークを名乗るとは烏滸がましい」
魅夜は誘惑の呪詛をかけて相手の視線を誘導しながら、挑発的なマイクアピールを行う。本物の闇の世界で生まれた自分の前では、プロレス・フォーミュラなにするものぞ。服装も相まって女王の如く傲然とした振る舞いだが、そこには確かな実力がある。
「真なる闇の力を思い知るといいでしょう」
「グロロロロ! 真なる闇だと? そんなもの、ワガハイの四次元殺法で骸の海送りにしてくれるわ!」
自信に満ちた態度で挑発されては、デスリング総統も黙っておれまい。そうでなくても彼のポリシーは「受け」だ。
彼女の言う「真なる闇の力」を真っ向から受け止めて、力の差を見せつけてから反撃する。これがプロレス的に最も盛り上がる完全勝利の形だ。
「では、その身で味わいなさい」
いざ試合が始まれば、魅夜はポストから跳躍して空中戦を仕掛ける。いわゆるメキシカンスタイル――ルチャリブレとも呼ばれるスタイルだ。コスチュームのスカートを華麗に翻しながら、衝撃波を纏った波状攻撃を敵に叩きつける。
「ヌググッ……!」
「まだ終わりではありませんよ」
試合中に遺跡のギミックが作動すれば、魅夜はリングがどう変形するかを第六感と心眼で察知し、仕掛けを見切って回避する。時にはそれを攻撃に織り込みさえする。まるで宙を泳ぐが如き空中殺法に、デスリング総統はタジタジだ。
「グヌヌヌ……フッ。闇の力とやらはこれで終わりか?」
だが、相手は過去あらゆる挑戦者を退けてきた最強のダークレスラー。魅夜の猛攻でぐらつきはしたものの、すぐに体勢を立て直してニヤリと笑う。ダメージを受けてもそれを感じさせないタフネスと根性は見事と言うべきか。そして攻撃を受けきった後は、いよいよ四次元殺法の反撃が始まる――。
「ええ、これであなたはおしまいです」
「なに……ぐうッ?!」
四本の腕を伸ばして掴みかかろうとする相手の前で、優雅に微笑み続ける魅夜。その理由は彼女が発動したユーベルコード【黒き深邪に染め上げよ不可避の終焉】にあった。空中殺法を受けていた最中にも見せなかった苦悶の表情に、デスリング総統の顔が歪む。
「パフォーマンスもマイクアピールも華麗な連続攻撃も、全てはあなたに私を印象付けるための布石」
このユーベルコードは魅夜を認識した対象に滅びの呪詛を与える。たとえ無意識レベルでも効果を及ぼすほどに強力で、なおかつ致命的な呪いだ。一連の流れで魅夜を強く意識してしまっていたデスリング総統は、すでに深刻な呪いに侵されている。
「技を受け切るも何もありません。私を認識した瞬間にあなたは滅びていたのです」
「な、なんだとぉッ……グロロロロロォーッ!?」
呪詛に蝕まれた体から力が抜けていく。この状態ではもはや【デスリングスイング】を放つどころではないだろう。
一瞬で消滅せずに耐えているあたり、タフネスに関しては本当に常識離れしているが――それでも、重篤なダメージに違いあるまい。
「ああ、観客の皆様は結界を張っていますのでご心配なく、ふふ」
「グロロロ、それは良かった……ではなくッ、グワァァァーーッ!!」
認識した対象全てを呪うユーベルコードは、下手すれば無差別攻撃になりかねないものだが、魅夜に抜かりはない。
結界に囲われたリング内で、呪詛に侵されるのはただ1人。事態がプロレスの範疇を超えなかったことにデスリング総統は一瞬安堵したが、すぐに容赦のない滅びの呪いに悶え苦しむのだった――。
大成功
🔵🔵🔵

四王天・燦
上半分の狐面に真紅のコスでザ・フォックス参上
ベルトを賭けて勝負だ!
カウンターの名手に迂闊に手を出せないな
取り合えずロープを切って絞めてみたり、鉄柱引き抜いて投げつけたりしましょ
卑劣なんでブーイング受けるでしょうけどアタシ
悪役レスラーですから、えっへん!
埒があかないんで空中殺法で攻めるぜ
ロープから飛んでヒット&アウェイで頭部を踏みつけるようなキックを見舞う
四次元竜巻が来たら此処で序盤のロープの出番だ
鞭のように(念動力も駆使して)どっかに絡みつけて竜巻に耐えるぜ
きつけりゃ逆手でアークウィンド抜いて風の衝撃波で竜巻を斬ってやる
ここらで【フォックスファイア・拾式】を発動させ、炎を纏って全身大改造
火属性攻撃バリバリの身体で、伸びきったロープの反動を活かしカウンターの
フライングクロスチョップを叩き込むよ
このままトドメの吊り天井固めを狙う
炎で焼き上げ
必殺技・フォックスBBQの完成だ
覆面レスラーの命とも言えるマスクを焼いてやるぜー
あいあむぱわー!
「ザ・フォックス参上。ベルトを賭けて勝負だ!」
上半分の狐面に真紅のコスチュームという、いかにもプロレスラーらしい格好でリングに上がるのは四王天・燦(
月夜の翼・f04448)。タイトル戦にも匹敵する注目と盛り上がりを見せる試合に乗じてか、彼女は『デスリング総統』の腰のベルトをびしりと指差す。
「グロロロロ! ワガハイのベルトを簡単に取れると思うなよ、小娘!」
こうした挑戦的な選手は向こうも大歓迎らしく、銅鑼声で笑いながら迎え撃つ構え。どこからでも打ってこいと言わんばかりの様子だ。全ての攻撃を受けきった上で堂々と反撃する、プロレスラーの「受け」の矜持は今だ健在である。
(カウンターの名手に迂闊に手を出せないな)
ここで攻撃をためらう燦ではないが、下手に飛び込んでも返り討ちにあうだけだ。とりあえずリングのロープを手刀で切り、それでデスリング総統の首を締めてみる。だが即席の道具では強度が足りないのか、相手が窒息する様子はまるでない。
「どうした、手緩いぞ!」
「んじゃ、これはどうだ」
ならばと次は鉄柱を引き抜いてぶん投げる。リングの設備やギミックを使った卑劣な攻撃に、観客からはブーイングを受けるが、本人はアタシ
悪役レスラーですからと逆に得意げだ。もちろんダークレスラーのデスリング総統も文句を言うはずがない。
「まだまだァ! 全然足らんぞ!」
鍛えられたレスラーの肉体は鉄柱よりも固いのか。ルール無用の凶器攻撃を食らっても、デスリング総統はビクともしなかった。彼が期待するのは試合のボルテージを高めるような派手な技だ。中途半端な攻撃を受けたところで反撃が盛り上がらないではないか。
「埒があかないんで攻め方を変えるぜ」
どうやらモノに頼るのは止めたか、燦はロープを足場にして跳び上がり、頭部を踏みつけるようなキックを見舞う。
身軽さを活かした空中殺法によるヒット&アウェイ。怪鳥の如く鋭い一撃が、デスリング総統を少しぐらつかせた。
「グロロロロ……! いいぞ! では反撃といこう!」
マスクの下でにやりと笑って、四次元殺法の構えを取るデスリング総統。四本の腕を伸ばしてぐおんぐおんと竜巻のように高速回転する【デスリングラリアット】の体勢だ。旋風がリングを渦巻いて燦を空中から引きずり込み、骸の海まで吹き飛ばさんとする。
「来たな。此処でこいつの出番だ」
その反撃が来るのは予想済みだと、燦は序盤で切ったロープを出す。手首のスナップと念動力で操るそれを、適当なところに絡みつけて固定し、四次元竜巻の引力に耐える。それでもキツそうだと判断すれば、空いてる片手で短剣「アークウィンド」を抜いて――。
「おりゃ」
逆手で振るった短剣より放たれた風の衝撃波が、竜巻を断ち斬る。風と風の激突により生じた凪が、リングに一瞬の静寂をもたらした。ここからが逆襲のターンだと、燦はすかさず【フォックスファイア・拾式】の詠唱を紡ぎ上げる。
「ザ・フォックスの狐火をもって癒しとなせ。炎宿りてその身に更なる力を与えよ!」
温かな炎が全身を包み込み、肉体改造によって一時的に戦闘力を増強する。真紅のコスチュームの上からさらに炎を纏ったその姿は、まさに狐火の化身である。そして彼女は伸びきったロープの反動を活かし、フィニッシュフォールドの体勢に入った。
「フォックス・ミサイル!」
「グロォッ!?」
不死鳥の如き炎のフライングクロスチョップを叩き込まれ、デスリング総統が大きくよろめく。四次元殺法を破った上でカウンターとは、プロレス的にも見事だと認めざるをえまい。それでも倒れなかったのは流石のタフさだが――。
「このままトドメだ!」
「ぐ、グオオォーーッ!!」
燦は即座に吊り天井固めの体勢に移行し、両手両足で相手を持ち上げながら炎で焼き上げる。これぞ必殺技・フォックスBBQの完成だ。関節を極められる痛みに炎の熱が加われば、ダメージは2倍どころの話ではない。並みのレスラーならあっという間に黒コゲだ。
「あいあむぱわー!」
「グワーーーッ!!」
覆面レスラーの命とも言えるマスクにまで炎が燃え移れば、さしものデスリング総統も悲鳴を上げる。もちろん燦は限界ギリギリまで技を緩めたりしない。最強のダークレスラーがリングに倒れ伏す時は、もう間近にまで迫っていた。
大成功
🔵🔵🔵
紫・藍
あやややや!?
骸の海送りでっすかー!?
受けるわけにはいかないのでっす!
先制を許してくれるのならこちらも一撃必殺で反撃させず……それ、プロレスと言えるのでしょうかー?
決めたのでっす。
藍ちゃんくんも藍ドル、パフォーマーなれば!
歌うのでっす、踊るのでっす!
ロープの上を駆け回り加速するのでっす!
ギミックによりロープに電気が走ったり炎に包まれるでっしょうが!
それら全て藍ちゃんくんのパフォーマンスで味方につけちゃうのでっす!
燃える雷、藍ちゃんくんの空中殺法、受け取ってくださいなのでっす!
飛び込んだ藍ちゃんくんを受け止めきっての反撃が来るでしょうが望むところ!
受けきってこそのプロレス、そうでしょう?
ファンになったのはロープだけではないのでっす。
プロレスは独りよがりではなく、互いに盛り上げる魂のコミュ!
総統さんが真のレスラーだからこそ、腕一本、指一本でも心通じてくださると信じてるのです!
竜巻を僅かにでも逸らさせフィニッシュホールドを破って魅せる!
それでこそプロレス!
それでこそ藍ちゃんくんでっすよー!
「あやややや!? 骸の海送りでっすかー!? 受けるわけにはいかないのでっす!」
食らえば猟兵でも無事では済まないであろう『デスリング総統』の四次元殺法。紫・藍(変革を歌い、終焉に笑え、愚か姫・f01052)も慌てて警戒心を露わにするが、幸いにも相手はどんな時でも先制攻撃しない「受け」のスタイルを美学にしている。そこに付け入る隙はあるはずだ。
(先制を許してくれるのならこちらも一撃必殺で反撃させず……それ、プロレスと言えるのでしょうかー?)
だが、藍は猟兵である前に1人のパフォーマー。一方的に相手を殴って即決着なんて、盛り上がりに欠けるシナリオには疑問があった。ただ勝利のみを目的とするならそれでもいいだろう。しかし相手と同じリングに立ち、プロレスという形式で完全決着を付けるのなら――。
「決めたのでっす。藍ちゃんくんも藍ドル、パフォーマーなれば! 歌うのでっす、踊るのでっす!」
今日はこのリングこそが自分のライブステージだと、藍は高らかに歌いながらロープの上を駆け回り加速していく。
ここは一般の試合会場ではなく、古代バトリンピア遺跡に存在する特設リング。試合を盛り上げるために用意されたギミックが作動し、ロープは電流や炎に包まれる。
「藍ちゃんくんでっすよー! 皆々様を藍ちゃんくんのファンにしちゃうのでっす!」
「グロロロロ! 面白いヤツだな、気に入った!」
藍はそうした危険なギミックさえも【星の瞳】で味方につけ、自分のパフォーマンスの一部にしてしまう。炎や雷を纏いながら歌い踊る彼の姿に、デスリング総統はジャンルこそ違えと同類の心意気を感じた。リスクを負ってでも最高の展開をファンに魅せつける、揺るぎのない信念だ。
「燃える雷、藍ちゃんくんの空中殺法、受け取ってくださいなのでっす!」
「来るがいい!!」
会場も十分に暖まったところで、藍はロープからリングにダイブ。派手なステージ衣装を翻し、華麗なる空中殺法を放つ。無論、どんな攻撃だろうとプロレスラーに回避の二文字はない――デスリング総統は藍ドルのパフォーマンスを真っ向から受け止めた。
「グロロ……軟弱なアイドルかと思いきや、なかなかやるではないか! ではワガハイの美技も魅せてやろう!」
ガッツリとクリーンヒットを貰いながらも、総統は当然の如く耐えきった。ここで倒れるなどプロレスラーに非ず。
挑戦者の攻撃を受けきった後は、いよいよ最強ダークレスラーの反撃が始まる。もちろん藍もそれは望むところだ。
「受けきってこそのプロレス、そうでしょう?」
「分かっているな! ではいくぞォッ!!」
四本の腕を伸ばしてグルグルと高速回転し、【デスリングラリアット】を発動するデスリング総統。神さえも骸の海に吹き飛ばす、驚異の四次元竜巻がリングに吹き荒れる。相手の懐に飛び込んでしまった以上、もはや藍に逃げ場はないし、逃げる気もない。
(ファンになったのはロープだけではないのでっす。プロレスは独りよがりではなく、互いに盛り上げる魂のコミュ!)
一見耐えられたようでも、藍の渾身のパフォーマンスが通じていたのであれば【星の瞳】はデスリング総統にも効果を発揮する。わざと手加減してくれるほどではなくても「試合を盛り上げる」という共通意識に訴えかければ、無意識にでも手心は加わるはずだ。
「総統さんが真のレスラーだからこそ、腕一本、指一本でも心通じてくださると信じてるのです!」
憎らしい敵ではなく、同じステージに立つ共演者への信頼をもって、四次元竜巻に向かっていく藍。これまで数多の超人レスラー達をノックアウトしてきた必殺ラリアットが、その先で待っている――刹那、ふたりの目と目が合った。
「ここなのでっす!」
「ヌゥッ!!」
全身全霊をかけて、ほんの僅かに竜巻を逸らす。荒れ狂う暴風と衝撃は、しかし藍をリングの外まで吹き飛ばすには至らなかった。デスリング総統会心のフィニッシュフォールドが破られた瞬間――会場はおろか、この試合を観戦していた世界中が震撼した。
「これでこそプロレス! これでこそ藍ちゃんくんでっすよー!」
「グロロロロロ! 見事なり!」
最高のパフォーマンスを魅せられたことに、藍はもちろんデスリング総統まで満足げな笑みを見せる。この時だけはお互いにもう、試合の勝敗など二の次になっていた。リングを揺るがす万雷の拍手と喝采、これこそがパフォーマーにとっては何にも勝る報酬なのだから――。
大成功
🔵🔵🔵
キリカ・リクサール
アドリブ連携歓迎
フォーミュラーが我々の傘下に入る…?
確かに前代未聞だが…まぁ、プロレスではよくある話か
武器は装備せずスクレットコートのアームギアで挑む
まずは逆水平チョップからの延髄蹴り
相手が膝をついたら無理矢理立たせてモンゴリアン・チョップを何度も食らわせる
かつて、私の故郷であるUDCアースの著名なレスラーが使用した技だ
一発一発が重く、両の鎖骨に食い込むような威力だろう?
相手がふらついたら掴んでロープへと投げ、跳ね返った反動を利用してブレーンバスターでマットに叩き付ける
そのままトップロープへと登りダウンしているデスリング総統にギロチン・ドロップだ
グッ…避けられたか!
これは寸前で躱されるだろう
盛大に自爆してマットへと倒れる…が、これも仕込みだ
相手が掴もうとやって来たら飛び起きてUCを発動
口の中で真っ赤な毒霧を発生させて敵に思いきり吹きかける
毒性は強くないが、目に染みてしばらく開けられないぐらいの威力はある
あとは顔を覆っているデスリング総統にドロップキックで追撃だ
望み通り、叩きのめしてやろう
「フォーミュラーが我々の傘下に入る……? 確かに前代未聞だが……まぁ、プロレスではよくある話か」
オブリビオンとの戦争としては異例なことだらけのバトル・オブ・オリンピア。この程度はもはや不思議に値しないのだろうと、キリカ・リクサール(人間の戦場傭兵・f03333)は受け入れることにした。目の前にはプロレスリングがあり、倒すべき相手が待っている。
「グロロロロ……! さあ、そろそろクライマックスといこうではないか!」
「フン。そうだな」
よく見れば満身創痍でありながら、それを感じさせぬ堂々とした佇まいの『デスリング総統』。この強大なるダークレスラーをプロレスで制するために、キリカはリングに上がった。武器は装備せず、用いるのは「スクレットコート」のアームギアのみという格闘戦の構えだ。
「『受け』が真髄だと言うのなら、この技を受けて貰おう」
待ちの姿勢を崩さぬデスリング総統に対して、キリカはまず逆水平チョップからの延髄蹴りを食らわせる。頭部を刈り取るような強烈な打撃で相手が膝をつけば、無理矢理立たせてチョップ、チョップ、チョップ――斜め方向に両手で打ち付ける、モンゴリアン・チョップの連打だ。
「かつて、私の故郷であるUDCアースの著名なレスラーが使用した技だ。一発一発が重く、両の鎖骨に食い込むような威力だろう?」
「フンッ……なかなかやるではないか。だが、まだまだァ
……!!」
デスリング総統は強気に叫ぶが身体がふらついている。ここまでの連戦で蓄積したダメージが効いてきているのか、それとも試合を盛り上げるための演技なのか。どちらにせよまだ攻め時だと判断したキリカは、彼の頭を掴んでロープへと投げ飛ばす。
「これならどうだ?」
「グロォッ
……!!」
ロープから跳ね返った反動を利用したブレーンバスター。相手の首と腰を保持して逆さまに投げ落とす、脳天砕きの名前通りの大技だ。デスリング総統の巨体がマットに倒れ伏すと、キリカはそのままトップロープへと登り、無慈悲なギロチン・ドロップを仕掛ける――。
「……甘いわァッ!!」
「グッ……避けられたか!」
が、フィニッシュされる寸前で総統は起き上がり、標的を逃したキリカは盛大に自爆してしまう。派手で強い技ほど失敗した時の隙も大きいものだ。入れ替わるようにマットへと倒れ込んだ彼女に、いよいよ反撃の四次元殺法が来る。
「今度はワガハイの番だな!」
四本の腕をぐっと伸ばし、キリカを掴もうと近付くデスリング総統。骸の海送りの【デスリングスープレックス】を食らったら、いかに猟兵と言えども再起は困難だろう。全ての攻撃を受けきった後で反撃のフィニッシュフォールドを決める、これぞプロレスの王道展開である。
「食らえ、デスリング……ヌオッ?!」
「フッ!」
しかし、キリカは掴まれる寸前でぱっと飛び起きると【プワゾン】を発動。口の中で真っ赤な毒霧を発生させ、敵に思いきり吹きかけた。毒性はさほど強くないが、顔に浴びれば目に染みてしばらく開けられないぐらいの威力はある。彼女は最初からこれを狙っていたのだ。
「ヌヌヌ……ワガハイとしたことが!」
ピンチを演出したのも全てはこのための仕込みだったかと、デスリング総統が気付いた時にはもう遅い。毒霧攻撃を食らった顔を覆っている隙に、体勢を立て直したキリカは再反撃の構えに入っていた。助走をつけ、全身の筋肉をバネのように躍動させて飛び上がり。
「望み通り、叩きのめしてやろう」
「グロロロロォーーーッ!!!」
ここまで数々のプロレス技を魅せてきた彼女がトドメに放つは、徹甲弾の如く強烈なドロップキック。ヨロヨロとよろめいたデスリング総統は、絶叫しながらゆっくりと背後に倒れ込んでいき――ついに、深々とマットに沈んだ。カウントが取られ、決着のゴングが鳴り響く。
「グロロロロロ……まさか、このワガハイが敗れるとは……猟兵め、ここは認めておいてやろう!」
最後まで悪役レスラーらしい負け惜しみを言いながらも、デスリング総統は敗北を認めた。
最強のダークレスラーをプロレス勝負で下す。文句の付けようのない勝利を猟兵達が掴み取った瞬間であった。
ここに、新生フィールド・オブ・ナインの一角は崩れ、(なぜか)猟兵の配下に加わったのである――。
大成功
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