バトル・オブ・オリンピア②〜 猟兵の不思議なサーキット
『おおっと!?此処で3台のマシンがアタックを掛ける!』
「来た!チュウとトリーとアルだ!」
「チーム『モブデ・ハカテーヌ』期待の星!」
「チームプレイに定評がある3人だ!」
実況や観客に湧くレースコースでは、今まさに彼らの目の前で一分一秒のタイムを削ぐべくユーベルコードを操る超人レーサー達が鎬を削っている。
「アル、俺の後ろに来い。スリップストリームを使え!」
「了解!トリーも遅れるなよ」
「ふん、言ってろ!」
声援に押された3人の選手は、唸り吠える鋼鉄の怪物を巧みなテクニックで操り、連携したプレイで勝利への道を駆け抜ける。
その最中に。
「はーい。貴方達はここでリタイヤですよー!」
彼らの前を走っていたダークリーガーが放ったモフモフした物がぶつかり、スピンを起こした3台のマシンは、突如せり上がったコースの壁へと激突!
「うわぁぁ!?」
『ああっとクラッシュだ!チーム『モブデ・ハカテーヌ』の3人が空を飛んだぁ!!』
選手と観客の悲鳴が飛び交う事になった此処は、アスリートアースの「F1レースサーキット」
コースを制覇する事に新たなコースが現れる「不思議のサーキット機構」を搭載した驚異的なサーキットコースなのだ!
「ニューヨ……じゃないや。魔王ガチデビルを倒したいかー!」
新年早々、レースクイーン風な恰好(水着ではない筈)で相棒のクロウロードの背に跨り片腕と時代錯誤風なフレーズを大きく掲げていたのはシーネ・クガハラ(ただいまB級テンペストプレイヤー・f01094)だ。
「はーい。そういう訳で、勇者リリリリに憑りつく形でまだ生きてた魔王ガチデビルを倒す為に『バトル・オブ・オリンピア』を攻略していくよ!」
今回の攻略目標は「F1レースサーキット」
ユーベルコードが合わされば時速にして千を超えるスピードにもなりかねないマシンを操り、ランダムに現れるコースによって突然出現するカーブを瞬時のドリフトで対処しながらゴールを目指すウルトラハチャメチャなレースである。
「さらに相手のバニーガールなダークリーガーもラフプレー……っというか、当たると何故かスピンしちゃうモフモフ等のユーベルコードを使って妨害してくるから、そっちの対処もお願いね!じゃないと超高速で壁にぶつかってクラッシュだからね」
ちなみにこのレースはチーム制なので、猟兵達の誰か一人がトップになれば、全員の優勝となる。逆に相手のダークリーガーも集団であり、彼らの誰か一人がトップで走りぬいてしまえば彼らの勝利となってしまうとの事だ。
「あ、そうそう。ダークリーガーに関係ない一般超人レーサーチームも参加してるから、彼等と連携してダークリーガーに対処するのも良いかもしれないね。それとこの世界のオブリビオンはダークリーガーって呼ばれてるのだけど、中々倒れない位には耐久力が高いし、負けたら勝手にどっか行くから兎に角、1位で走る事を念頭に走ってくれい。それじゃ皆頑張ってねー。風になってこーい!」
風狼フー太
ヒャッハー!新鮮なローグライクだ!……え、何。なんでレースしてるの?
閲覧いただきありがとうございます。風狼フー太でございます。
プレイングボーナス……突然出現するカーブに対処する/敵のラフプレーに対処する。
SPDユーベルコードについて……敵のSPDユーベルコードはホーミング性能のあるモフモフがぶつかるとスピンして、一定時間マシンの操作が出来なくなるユーベルコードに変更とさせていただきます。
プレイングボーナスは上記の通りです。
このシナリオでは実況や観客が登場し、プレイングで指定を頂ければこのレースを走る一般超人グランプリレーサー等を登場させる事が出来ます。(プレイングで指定しなくても演出上のモブ一般超人グランプリレーサーが登場する場合もあります)
ユーベルコードで他人を指定したい場合、彼等を指定する事も出来ます。また登場させる一般超人グランプリレーサーにチーム名や名前を付ける事も出来ます。良ければお試しください。
なおシナリオの成否に関係ありませんが、ヘル・マジシャン・ガールズ達の性格や設定等はプレイングの内容によって異なる物になる可能性があります。
それではスピードの向こう側を覗ける素敵なプレイングをお待ちしております!
第1章 集団戦
『ヘル・マジシャン・ガールズ』
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POW : 助っ人さんいらっしゃ〜い
【大鍵で異空間の扉を開き、助っ人外国人】の霊を召喚する。これは【外国人というより人外なパワーと特殊能力】や【ものすごく派手な乱闘行為】で攻撃する能力を持つ。
SPD : 先程お借りしましたユーベルコードでございます
自身が触れた物体ひとつに【ボス級ダークリーガーの力を宿したモフモフ】を憑依させ、物体の近接範囲に入った敵を【そのダークリーガーの持つユーベルコード】で攻撃させる。
WIZ : タネも仕掛けも詰め放題
【シルクハット】から、対象の【競技に勝利したい】という願いを叶える【ルールギリギリアウトな凶器や凶悪モフモフ】を創造する。[ルールギリギリアウトな凶器や凶悪モフモフ]をうまく使わないと願いは叶わない。
イラスト:ひろしお
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
【マスターより】
レースを走るマシンは二輪又は四輪で地面を走る物でお願いします。
エメラ・アーヴェスピア
来たわね、恐らく私が一番活躍できない戦争が
あまり運動は得意じゃないから、こういう出来る所で少し位は貢献しないといけないのよ
運転に関してはそれなりに得意だから、頑張らせてもらうわ
申し訳ないけれど、一台マシンを貸して頂けるかしら?
そのマシンをベースに『我が紡ぐは戦装束』を発動し、マシン性能を上昇させ、レーダーを搭載するわ
あとは逐一変わるコースを【情報収集】し、それに合わせてマシンの性能を調整しつつ【運転】するわ
相手の妨害に関しても同じ、火器が必要なら転送機能付きの「武装群」から選択
臨機応変に飛ばしていくわよ…!
※アドリブ・絡み歓迎
ロジャー・カニンガム
スーパーカー型拡張ユニット「D.A.T.T.ストライダー」に搭乗
電子接続で制御されたこのマシンは私の身体の一部であり、通常の車輌には不可能なスライディングやジャンプといった挙動により不規則なカーブの出現にも柔軟に対応可能です
もちろん、この特性を活かすにはコースの変化の予兆にいち早く気付ける事が肝要
路面の情報収集は常に欠かさないですよ
おやおや、あちらのウサギさんはこのサーキットに負けず劣らずのトリッキーな方のようです
こちらの障害になる攻撃を冷静に見極め、「戦術機動_VB」で切り裂いてご覧に入れましょう
同じ兎でも、より速いのは私です
それは譲れませんよ
カツン、カツンと。鋼鉄の部屋に靴音が響く。
(来たわね、恐らく私が一番活躍できない戦争が)
俺を選べ。と、飛び入りレーサー達に貸し出されるマシンの流線形の顔に見つめられながら、エメラ・アーヴェスピア(|歩く魔導蒸気兵器庫 《ガジェットアーモリー》・f03904)は歩を進め、やがて一台のマシンの前に停まった。
「あまり運動は得意じゃないから」
せめてそれなりに得意な運転で貢献しなければならない、と。
エメラの目に留まったのは黄色に染まった機能的なフォルムの、しかして何処か不格好にも見える姿をしたマシン。
「うん、貴方に決めた」
自分の髪と同じで愛着が湧く色だと。シートに座り、ハンドルを握る。
「暫くの間、よろしくね」
エメラの声に応えてエンジンが轟き、反応の良い加速を見せてコースまで飛んで行く。
それでも、エメラの顔は何処か期待に応えていないと言う様子だ。
「良い走りね。でも、一つこの子の為にドレスを仕立てるのも悪くないわね」
此処のドレスコードは鋼鉄のマシン。それも、けたたましいエンジンを吹かした怪物を飼いならす事。
マシンの性能は悪くない処か、この世界の技術的に介入できる場所はない。
だが、ユーベルコードならば話は別だ。
「敵のユーベルコードを迎撃するのに必要な兵器と加速装置。後は突然現れるコースの情報収集、か」
エメラの声が辺りに響き、この世界に呼ばれた魔導蒸気兵器の数々が彼女の乗るマシンと並走する。
宙に浮いた魔導蒸気のパーツは、髪に髪飾りを挿す様に、純白のドレスを身に着ける様に、足に硝子の靴を履く様にマシンを彩ってゆき。
「さぁ、行くわよ!」
全てを終えてコースに飛び出してきたのは、純白の魔導蒸気を備える、マシンの姿をした白鳥であった。
『さぁ此処で飛び入り参加のお知らせだぁ!ダークリーガーある所にこの者達有り!イェーガー達がチームを組んで参戦だ!!』
実況の言葉に湧く観客達。その眼は二台のマシンを捉えていた。
「来たぞ!チーム『イェーガー』だ!」
「な……なんだあのマシンは!?」
驚くのも無理はない。
後方から猛烈な追い上げを図る二台のマシン。その両方がこの世界では見る事の無い姿をしていたのだから。
一台は当然、エメラの魔導蒸気兵器を纏ったマシン。
そしてもう一方は――。
「ふっふっふ。驚いているようですねぇ」
兎型の頭脳戦車、ロジャー・カニンガム(兎型歩行戦車RIT-17/S・f36800)が四足で跨るスーパーカーである。
「スーパーカー型拡張ユニット「D.A.T.T.ストライダー」は電子接続で制御されたこのマシンは私の身体の一部なのです」
その証明とばかりに、猟兵達のマシンは次々に前を走っていたマシン達を追い抜いて行き、順位を上げてゆく。
「おかしいぞ。あの二台!」
「あのスピードで、どうして突然現れるコースに対応できるんだ!?」
疑問の声を上げたのは、彼等に抜かれたレーサー達。
その疑問はもっともである。彼等はコースに対応できる範囲の全力でマシンを走らせているが、それを優に超えるスピードで猟兵達は追い抜いて行くのだ。
「普通のレースではスピードが命なのでしょうけど、このレースは少し違うわね」
そう言いながら、まるで知っていたかのように突然現れた急カーブに合わせてハンドルを切るエメラの言葉に、ロジャーも首を縦に振る。
「私のマシンは通常の車輌には不可能な挙動により不規則なカーブの出現にも柔軟に対応可能ですが、この特性を活かすにはコースの変化の予兆にいち早く気付ける事が肝要」
つまり、と。二人の結論は一致する。
「逐一変わるコースを情報を集めて、それに合わせて随時マシンの性能を調整する」
「情報収集を常に欠かさなければ、誰でもできる事ですよ」
「ちょ、ちょっと反則じゃないですかそんなマシン!」
慌てたのは遥か前方で走っていた筈の3台のマシン、それに乗っているバニーなダークリーガー達だ。
既に距離は目と鼻の先まで来ている。何もしなければただ抜かれるだけだろう。
「マシンの性能、あっちの方が上ですぅ!」
「だったらやるしかないわね!助っ人さんカモ~ン♪」
そんな事はさせまい、と。彼女達は持っている大鍵を空間へと突き刺す。
途端に。空中には幻想的な意匠の入った大扉が現れ、外に向かって扉が開くと中から現れたのは、ベレー帽を被った筋肉隆々のガトリングガンを両手に持った、透明な体を持つ外国人の大男3人だ。
「みなさ~ん。あちらの猟兵の方々のお相手~。よろしくお願いします~」
「オウイェイ!ボス!」
一人ずつダークリーガー達のマシンの後方に飛び乗り、ぐるぐると回り始めたガトリングの砲身。
銃弾が放たれれば一瞬にして弾幕が形成され、猟兵達へと襲い掛かるだろう。
だが。
『ああっと!?猟兵のマシンの一台が空を跳んだぁ!!?』
絶叫する実況の言葉通り、ロジャーのマシンが突然飛び跳ねたのだ!
「な、何ィ!?」
「銃弾が当たってクラッシュしたのか!?」
「いや、間違いなく自分で跳んだぞ!マシンが跳んだ!!」
困惑と驚愕に溢れかえる観客達とは変わり、ロジャーは宙に舞ったマシンのコントロールをしながら得意げな表情を浮かべている。
「おやおや、あちらのウサギさんはこのサーキットに負けず劣らずのトリッキーな方のようです」
「な、何でマシンが跳んで!?」
「電子接続で制御されたこのマシンは私の身体と言いました……っと、聞えてませんでしたかね?」
まあともかく、と。内蔵式フォトンセイバーを体の中から取り出したロジャーは着地場所に居たダークリーガーのマシンへと、その刃先を向けた。
「ジャンプ位、お茶の子さいさいです。さて同じ兎でも、より速いのは私です。それは譲れませんよ」
くるり、と。縦に身体を回転させれば、刃の鋭さの前にダークリーガーのマシンの一つは真っ二つ。
当然走れる訳はなく、勢いよく壁にぶつかったマシンから、今度は放り出されたダークリーガーが宙を舞う事に。
「あーれぇー!?」
「はっはっは。それではお先に失礼させていただきますね」
一方のロジャーは見事に着地を決めて、一気にダークリーガー達を置き去りに先へと進んでゆく。
「オゥノゥ!ボス、ドースルネ?」
「だ、だったらもう一人を止めるですぅ!」
「そ~ですねぇ。助っ人さんもまだ二人いますしぃ~……あれぇ~?」
ならばともう一人の猟兵を止める事に切り替え、エメラの方を見れば。
彼女のマシンの前方の二か所が蓋の様に左右に空き、中から何かが出てくるではないか。
「じゅ、銃だ!」
「およそ7mmの自動で照準を合わせる機関銃だ!しかも中心を鉄製の棒で支える事で、ほぼ上下左右360度撃てるタイプ!」
「前を走ってるマシンを、十分オシャカに出来るだけのパワーがあるぜ!」
観客達の言う通り、エメラのマシンから出てきたのは魔導蒸気で動く機関銃である!
「ちょっとぉ!何ですかそれぇ!卑怯ですぅ!!」
「先にガトリングなんて持ち出したのは貴方達じゃない?」
それに、と。手元に現れた機関銃のスイッチに手を掛けるエメラ。
「白鳥は水面下で努力する。って言うじゃない?切り札は最後まで見せない物よ!」
そのまま指を押せば、ドラゴンが如く火を噴く二丁の魔道機関銃。
その狙いは正確に前を走る彼女達二人のマシンを貫いて行く。
「待ってぇ!あ、無理」
「これは~、よけれませ~ん!」
操作不能になったマシンはあっと言う間にせり上がった壁にぶつかり、先程のダークリーガーと同じように二人もまた宙へと舞った。
「じゃあねー?これに懲りたら、もう少し正々堂々と戦いなさい?」
これで障害はなくなったと。空に舞う彼女達を尻目にエメラは走り去る。
『さぁ!これで勝負が分からなくなったぞぉー!!』
そんなこの大会に嵐を巻き起こすであろう二人の姿を、実況と観客達が歓声を以て送り出すのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ガーネット・グレイローズ
モーターレースか。私も腕試しに走ってみるかな。
成る程、ランダムでコースが変わるということは、
事前の情報収集が通用しないということか。
なら、ぶっつけ本番でいくしかない!
「ちょっといいか?少し力を借りたいんだが」
他のレーシングチームのエンジニアに協力してもらい、
レーシングマシンにフクロウさんEXとの《情報伝達》が
可能なように《プログラミング》してもらう。
これで少しは早くコースの状況に対応できるようになるはずだ。
敵チームが仕掛けてくるユーベルコードのモフモフや
急カーブに反応してアラートが鳴るように設定、
妨害攻撃を【ライトニングフォーミュラ】の《レーザー射撃》で
迎撃する!チームワークで勝利を掴もう!
「モーターレースと聞いて、腕試しに来てみたが……成程」
そう呟くガーネット・グレイローズ(灰色の薔薇の血族・f01964)の目の前では、レーサー達が火花を散らしている。
「ランダムでコースが変わるということは、事前の情報収集が通用しないということか」
彼等の前に突然せり上がる壁は見ている限り規則性はない。此処で見ていても埒が明かないのは確かだ。
「なら、ぶっつけ本番でいくしかない!」
とは言う物の、だ。出来る事はしておいた方が良いだろう。
そう思い向かったのは、マシンがリタイアしてしまい暇を持て余していた他のレーシングチームの元だ。
「ちょっといいか?少し力を借りたいんだが」
≪ヘイ、ガーネット!次は右カーブだ!!≫
「OK!」
聞こえてくる声に従いハンドルを切るガーネット。
煙を上げるタイヤが甲高い音を奏でながらドリフトを行い、突然現れたカーブを切り抜け。
≪もう一度、右!≫
更に聞こえてきた声に一瞬ブレーキを掛けて、更に深くハンドルを切る。
アシスタントロボ『フクロウさんEX』を通して聞こえてきた声の主は、先程のレーシングチームの人々の声。
プログラミングによって『フクロウさんEX』との間で通信を確立した彼等は、ガーネットの運転をサポートするべくコースの情報を提供しているのだ。
『さぁ。再びチーム『イェーガー』に注目だ!グングンと順位を上げる一台がダークリーガーと接触するぞぉ!!』
再びの伝統の対決を予感させる実況に、大きな歓声を上げる観客達。
対して、ダークリーガーの方は追ってきたガーネットの事を冷ややかに見つめていた。
「また来ましたねイェーガーさん。しつこい男は嫌われますよ」
「貴様らの方も懲りないな。いい加減諦めたらどうだ?」
「御冗談を。これでも喰らって大人しくしていてください!」
これ以上好きにはさせない!と、大量の白い毛皮のモフモフをガーネットへ投げつけるダークリーガー。
「悪いが、喰らっちゃやれないな!」
しかしながらガーネットには届かない。
彼女が指を弾くと、生体電流を用いた細いレーザーが彼女の体から無数に飛び出し、白いモフモフを次々に焼き堕としてゆく。
「この、化物が!」
「酷いこと言うじゃないか。そんな兎にはお仕置き――」
と、そこまで言った所で。
ガーネットの耳に、ピリリッ。と鳴ったアラームが聞こえてきた。
「おっと。お嬢ちゃん、急カーブ注意だぜ」
それに合わせてハンドルを切り、ガリガリと音を経てて身体を逸らすガーネットのマシン。それに合わせたかの様なカーブが突如二人の前に現れる。
予め対応していたガーネットはスピードを保ったまま潜り抜け。
「え?って、あ、しまっ」
対して、妨害に集中していたダークリーガーは曲がり切る事が出来ず、勢いよく壁に激突し、空へと舞ってしまう。
『ああっと、ダークリーガーがクラッシュだ!一方のイェーガーのマシンは無事にカーブを通過ぁ!!』
≪ナイス、ガーネット!次も任せたぞ≫
「ああ、任せろ。そっちも頼りにしてるからな!」
即席の、だが抜群のチームワークを見せるガーネットとレーシングチーム。
そんな彼女達の活躍に、万来の拍手を以て観客達はエールを送るのであった。
大成功
🔵🔵🔵
数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】
アイテムを使ってまでの妨害たぁいただけないね、
真っ向勝負のレースへの挑戦状だわ。
良いよ、その挑戦受け取った!
アタシだってライダーの端くれ、宇宙カブに『騎乗』してエントリーするよ。
見てくれこそ冴えないかもだけど、コイツの速さも相当のもんだぜ?
それにアタシ自身の『操縦』と『運転』テクが合わされば、悪魔的な複合コーナーだってなんのそのさ!
そうすりゃ会場と実況のボルテージもうなぎのぼりだろ。
そのボルテージが、アタシの【超感覚領域】のトリガーさ!
危機感を覚えてこっちを妨害にかかろうとすれば、逆にお仕置きの『電撃』がアンタらを襲うよ?
レーサーならおとなしく走りで勝負しやがれ!
夜刀神・鏡介
毎度の事ながら、新年早々忙しいにも程がある
だが、これはあくまでスポーツ……危険はあるが、いつもより多少は気が楽かもしれないな
自身のバイク『八咫烏』に騎乗。利剣を片手に構えてレースに参加
危険なレースだが、基本的には最高速度で走っていく
変化するコースとカーブに対しては、走りながらも刻の型【瞬久】を適宜使用。知覚と思考速度を稼いで、適宜の判断で対応
思考時間が稼げれば、多少無理なアクションでもどうにかこなせるだろう
敵の放ってくるモフモフを刀で切り裂くか回避、或いは他のダークリーガーに擦り付けてやろう
一般レーサー達とはあまり関わらないでいいかな。できるだけ自分の走りに集中したい
『さあレースも遂に終盤だ!以前、トップはチーム『ダークリーガー』!だが後ろからチーム『イェーガー』の面々が迫っているぞぉ!!』
「オイ、見ろよアレ!」
レースが終盤に入った事を知らせる実況の後の事だ。突然、観客達の間でざわめきが広がり始めた。
「に、二輪だ!バイクでこのレースを走ってるやつがいるぞ!!」
そう言って指を差す観客の先には、確かにこのレースをバイクで奔る夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)と数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)の姿が見える。
「確かにルールじゃ問題無いが、二輪ってどうなんだ!?」
「先ず四輪よりも安定性はねぇ。一発どつかれればアウトだろうよ」
「だが、車体が軽い分同じ力のユーベルコードで加速する際に速く走るのは二輪の方だ!」
「それに車体が細いから、小さな隙間からだって相手を抜きされるぜ!」
「安定性重視の四輪と、ピーキーだがスピードや機動力に優れた二輪って訳か!」
突然の出来事に観客達の間に歓声の熱が、炎が広がってゆく中で。
「毎度の事ながら、新年早々忙しいにも程がある」
そう溜息一つ付き、鏡介は愛用のバイク『八咫烏』の車体ごと身体を傾けカーブを走り抜けて往く。
「だが、これはあくまでスポーツ……危険はあるが、いつもより多少は気が楽かもしれないな」
「そうだねぇ!真剣勝負でもあくまでスポーツ、楽しまなきゃ損ってもんさ!!」
だというのに。とばかりに前を奔るダークリーガーを見つめる多喜。
「アイテムを使ってまでの妨害たぁいただけないね。真っ向勝負のレースへの挑戦状だわ」
幾らルールで許されてるとはいえ、少しばかりやり過ぎだと。右手に持った宇宙カブのアクセルに力をを込める。
「良いよ、その挑戦受け取った!ちょっとばかりビリっと行くから覚悟しなよ!」
「来ましたぁ!こんな所まで!!」
アクセルを吹かし、さらに上げた猛スピードで追い上げを図る二人。
その前に、遂にトップグループを走っていた四人のダークリーガーのマシンが姿を現した。
「落ち着きなさい。私達は四人で相手は二人よ!」
「そうだ。私達の誰かがトップになるだけで良いんだ!」
「何だって良い!勝ちゃあそれでいいんだよぉ!!」
口々に闘志を滲ませた言葉を叫ぶダークリーガー達。
突然せり上がるコースの壁の中で、若干横に並んだ四台のマシンを抜くのは至難の業。
しかしながらユーベルコードは、不可能を可能にする力を持つ。
だからこそ。一気に勝負を決めるべく、大量のモフモフをダークリーガー達は手に取った。
「これを食らってクラッシュしてくださぁい!!」
標的になったのは、若干前を走っていた鏡介。
「悪いが、喰らってやる訳にはいかんな」
それを大人しく受け入れる気はないと、鏡介は鞘から刀を抜く。
「我が一心、刹那を見定めん」
研ぎ澄まされた刀が心に集中を重ねて。眼を見据えるは眼前に襲い掛かる大量のモフモフ達。
「刻の型【永瞬】」
瞬間。鏡介の思考は、時が止まったかの様に物事を見ていた。
自分にぶつかるモフモフ達のどれを切り捨て、不規則に動くマシンの動きを読み、己が進むべき道を見出す。
その全てを瞬きの間に終わらせて、鏡介は『八咫烏』を奔らせた。
「悪いな。付き合ってる時間が惜しい」
「おっとぉ!近づいてくるなんてぶっ潰して――ちょっと待て!モフモフがこっちにぎゃああ!?」
『ああっとクラッシュ!仲間のユーベルコードが当たっちまったぁ!!』
二度、三度とモフモフを切り捨て道を開き、追尾するモフモフを近場に居たダークリーガーのマシンにぶつけ『八咫烏』がダークリーガー達の前へと躍り出ると、更にスピードを上げてダークリーガー達を突き放すべく進んでゆく。
「ちょっとぉ!何やってるんですかぁ!」
「落ち着け!残りのイェーガーを倒したら追いつけばいいだけだ!」
「まだ私達は三人居るわ。それに――」
そう言いながら、三人のダークリーガーはシルクハットを手に持った。
「此れなら確実に抜けられないわ!」
マジシャンの武器はシルクハット。種も仕掛けもやりたい放題、とばかりに。
彼女達のシルクハットから出てきたのは、鋼鉄の針が付いたまきびし。それがレースコースの辺り一面に広がったのだ。
「よーし!これだけのまきびし、例え二輪だろうと突破は不可能ですよ!」
「ほーん、確かに二輪じゃぁ無理そうだ」
絶体絶命の状況の筈。それでも多喜ニヤリと笑う。
「じゃあちょっとばかし、沸かせますかぁ!!」
そう言うなり、多喜の乗っている宇宙カブの前輪が持ち上がったのだ!
「な、何ィぃ!?」
「ウィリーだ!ウィリー走行だ!!」
「しかもあの状態で曲がってるぞ!まきびしを避けて曲がってやがる!」
「二輪じゃ避けられねぇ。なら一輪って事か!!」
湧き上がる観客達だが、それでも足りないとばかりに車体を戻して左腕を上げる多喜。
それに合わせて大歓声が会場内を包み込んだ!
「良いねぇ!やっぱレースってのはこうでなくちゃな!」
会場全体を揺るがす大歓声に応えて手を振り、さて。とばかりに多喜ダークリーガー達へと目線を戻す。
「それ以上はやめときな?じゃないと、お仕置きの『電撃』がアンタらを襲うよ?」
「そんな脅しに屈する訳無いでしょう!?もう一度――ぎゃああ!?」
それは今までレースを貶めた天罰とばかりに。
はたまた観客達のボルテージが生み出したとばかりに。
頭上から雷撃がダークリーガー達へと襲い掛かったのだ。
「だから言ったのになぁ。まったく」
当然これらは多喜のユーベルコードが生み出した物ではある。
黒こげになったマシンとダークリーガー達を一瞥すると。
「今度からはレーサーならおとなしく走りで勝負しやがれ!」
それだけ言い残して走り去る多喜。
そしてこの瞬間、コースを走るダークリーガーが全滅したのであった。
『チェッカーフラッグが振られて今ゴォォル!トップはイェーガー!トップはイェーガー!!トップはイェーガー!!!やはりダークリーガーの野望を止めて複雑怪奇なコースを制覇したのはこのチームだぁ!!』
かくして。表彰台に上がったのは猟兵達。
勝者を盛大に祝う花火が鳴り響き、ひらひらとカラフルな紙吹雪が宙を舞う中で、各々が勝利を噛みしめて観客達へと応えてゆく。
「あーう、負けちゃったー……」
「ふん、良いですよ!今回は素直におめでとうって言ってあげます!次は負けませんからねー!!」
そしてこの世界のしきたりとしてか先程まで戦ったダークリーガー達も、猟兵達の勝利を一応は祝福を送っている。
栄光輝く『バトル・オブ・オリンピア』
その中で行われた不思議なモーターレースを、猟兵達は見事に制してみせたのであった!
大成功
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