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バトル・オブ・オリンピア⑥〜打たせないHRダービー〜

#アスリートアース #バトル・オブ・オリンピア #野球

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 アスリートVSダークリーガーのこれまでの野球対決を締めくくる、アスリートアースで数年に一度行われるスーパー野球大会「ベースボール・ファイナルリーグ」。
 草野球からプロ野球まで、あらゆる「アスリートVSダークリーガー」の野球対決の結果を元にした「得点差」が付いた状態ではじまり、決着がつけば全ての得点差を精算して恨みっこなしの状態に戻り、来期のペナントレースが開始されるのが通例になっている。
 そんな試合の余興として試合前に行われるのが「超ホームランダービー」という種目である。
 一般的なホームランダービーは打者が指名した投手に投げやすい位置に投げてもらって打って、他の打者と本数を競う物だが、それとは全くの別物だという。
「とはいえルールは簡単、ダークリーガーの投げてくるボールを9割スタンドインできれば勝利です」
 そう言ってルウ・アイゼルネ(滑り込む仲介役・f11945)は指し棒で軽くスイングをした。
 ちなみに対戦回数は最低10回で、打者の気持ちが折れない限りは9割に達するまで挑戦することが出来る。
 またいくらヒットを重ねてもホームランに昇格することはなく、ランニングホームランも認められない。
 認められるのはただ1つ。ホームランポールより内側のスタンドインのみだ。
「今回皆様が対戦する相手は摩訶不思議な魔球を3種類も投げ分ける幻惑ピッチャーです」
 相手を引き寄せ粉砕する変動超重力を宿しつつ変幻自在に曲がる「ジェノサイドアルゴル」。
 気を注ぎ込むことで巨大化した球で打者を物理的に押し潰す「ギガントダークネス」。
 ミットに収まる頃には寝てしまう超スローボール「眠りの森」。
 以上の3つを使い分け、ダークリーガーは猟兵達を全力で抑えにかかってくる。
「この戦いに負けてもダークリーガー化は起きない余興とはいえ、ダークリーガーはいつもよりも本気でくるでしょう。その闘志に飲まれず逆に粉砕してきてください。さあ、いきましょう!」


平岡祐樹
 アスリートアース通常シナリオがまだ完結していませんが、しっかりと戦争には参加いたします。お疲れ様です、平岡祐樹です。

 このシナリオは戦争シナリオとなります。1章構成の特殊なシナリオですので、参加される場合はご注意ください。

 今案件にはシナリオギミック「敵の魔球をホームランする(スタンドに叩き込む)」がございます。
 これに基づく対抗策が指定されていると有利になることがありますのでご一考くださいませ。
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第1章 ボス戦 『ジェノサイドピッチャー』

POW   :    魔球『ジェノサイドアルゴル』
【敵を引き寄せ粉砕する変動超重力】を宿した【魔球】を射出する。[魔球]は合計レベル回まで、加速・減速・軌道変更する。
SPD   :    魔球『ギガントダークネス』
【自身が投擲した球状の物体】を巨大化し、自身からレベルm半径内の敵全員を攻撃する。敵味方の区別をしないなら3回攻撃できる。
WIZ   :    魔球『眠りの森』
【催眠軌道を描く超スローボール】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全対象を眠らせる。また、睡眠中の対象は負傷が回復する。

イラスト:梅キチ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

空桐・清導
POW
アドリブや連携も大歓迎だ

「野球。それもホームランを求められるもの…。
燃えてくるじゃねえか!好きだぜそういうの!」
UCを発動させて己の戦闘力、即ち存在強度を爆発的に上昇させる
相手が重力によって引き寄せるならば、
こちらも強大な重力を有する存在となれば解決する!
それでも発生する二次被害は[オーラ防御]で対処する
舞台は揃ったならば、後は野球の実力勝負!

「こい!スタンドまでぶっ飛ばしてやる!」
放たれるダークリーガーのボールをしっかりと目で捉える
重いボールにインパクトを合わせ、
最後は[気合い]と[根性]だ!

踏み込みでクレーターのように地面を抉りながら、
かっ飛ばした勢いでスタンドまでボールを届かせる!



「野球。それもホームランを求められるもの……。燃えてくるじゃねえか! 好きだぜそういうの!」
 そう言って空桐・清導(ブレイザイン・f28542)はネクストバッターズサークルで風切り音がたつほどのスイングを見せる。
 その姿は素肌が全く見えないフルアーマー仕様。デッドボールを食らって骨折でもしたら中盤後半に響くので当然の装備であろう。
 しかしそれごと叩き潰してやる気でピッチャーはぐるぐると利き腕を回した。
「バッターは、セイドー・カラキィリ!!」
 少々アクの強いスタジアムDJのアナウンスを受け、バッターボックスに入った清導が黄金のオーラを包まれ出す。
 相手が重力によって引き寄せるならば、こちらも強大な重力を有する存在となれば解決するはず。
 己の戦闘力、即ち存在強度を爆発的に上昇させた清導は金色の光の中に二筋の緑の光を見せ、叫んだ。
「こい! スタンドまでぶっ飛ばしてやる!」
 清導の挑発を鼻で笑ったピッチャーは腕を大きく振りかぶり、第1球を投じる。
 投げた瞬間に大暴投したかに見えた球は急激に曲がってキャッチャーのミットまで飛んでいく。
 ピッチャーの選択は敵を引き寄せ粉砕する変動超重力を宿した変幻自在の魔球「ジェノサイドアルゴル」。
 死神の鎌を思わせるような切れ味はもしボールゾーンに外れても、その回転がもたらす重力で半強制的にバッターに手を出させてストライクを奪い取る。本当にすっぽ抜けてバッターに当たってもほぼ一発で病院行きの強力な魔球だ。
 しかし清導はその軌道に臆することなく放たれたボールをしっかりと目で捉えながら左脚を上げる。
 そしてクレーターを刻むようにスパイクで地面を抉りながらどんな魔球を受けても折れない特注の木製バットをまるでアッパーカットのように振り下ろす。
 特殊な回転によって本来よりも重く感じるボールにインパクトを合わせ、最後は歯を食いしばって気合いと根性で強引に振り上げる。
 ドライブがかかり高々と上がったボールはレフトスタンドの最前列に落ちて、大きく跳ねて奥の席にまで飛んでいった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

印旛院・ラビニア
(ホームランダービーか。キャラの殻でできるようになったとはいえ、どこまでやれるかな?)
ちょっと不安ではあるが、そういうのは態度に見せない
「こっちの心が折れるか9割の打率に達するかだっけ? そっちが泣き出すまでとかの条件をつけなくてOK?」
大口ぶっ叩いて挑発。UC効果で飛距離は伸ばせるけど、ここで心折れたらダメージはやばい
最初は適当に振りつつも相手の投げる動作やボールの動きを追うことに目や耳を使って【学習力】で覚え、自身の動きを【チューニング】する
「投球の動き、風切り音の変化、もう見切ったよ。もうホームラン以外は打たないよ」
もっとそれらしいセリフとかにアドリブ改変等可能です



(ホームランダービーか。キャラの殻でできるようになったとはいえ、どこまでやれるかな?)
 ちょっと不安ではあるが、そういうのは態度に見せないように心がけつつ印旛院・ラビニア(エタらない人(仮)・f42058)は抉れた部分を埋めたばかりのバッターボックスの土を均す。
「こっちの心が折れるか9割の打率に達するかだっけ? そっちが泣き出すまでとかの条件をつけなくてOK?」
 マウンドにまで届くほどの確認にピッチャーは片眉を動かす。
(うわ〜、調子に乗って言っちゃった! これは下手こいたら恥ずか死ぬ!)
 内心顔を真っ赤にさせながら、ラビニアは平静を装ってバットを構える。
 一発で脇腹か腕にぶつけて退場させるのはつまらない。徹底的に甚振って甚振って甚振り尽くして打率.000で終わらせてやるとピッチャーは凄まじい憤怒を持って初球を投じた。
「うえっ?」
 特殊な回転が生んだ重力がラビニアのバットを強引に射線上に出させる。するとボールは上がることなく、力無くライン際を転がっていった。
「ファールボール!」
 最初は適当に振るか見に回るつもりで当てる気はなかった。今ラビニアは飛距離を伸ばす代償としてありとあらゆる防御力を失う覇気を纏っていることにより、変にバットに当ててしまうと伝わってくる衝撃によって両の手と手首に甚大なダメージが入るからだ。
 バッターボックスから一旦外したラビニアはバットを支えにしながら声にならない悲鳴をあげる。
 だがここで退いた方がダメージがやばい。あれだけ大言壮語を吐いていたにも関わらず、どん詰まりのゴロを打ったことにスタンドから白けた空気がもうすでに漂ってきている。
「さ、さぁこい!」
 叫んで痛みを誤魔化し、涙目になりながらラビニアはバッターボックスに入る。赤い目が充血する様にピッチャーは満足しつつもさらに追撃を加えて身も心も複雑骨折させてやろうと2球目を投じる。
 そうして甚振られながらもラビニアはピッチャーの投げる動作やボールの動きを追うことに目や耳を使って覚え、自身の動きをチューニングしていく。
「投球の動き、風切り音の変化、もう見切ったよ。もうホームラン以外は打たないよ」
 5球連続でファールになって手の痺れが限界突破しそうなところで、必要なピースは全部出揃った。
 ピッチャーは未だに挑発を続けるラビニアを潰すべく、ほんの少しフォームを崩して力みの入ったボールを投じる。
 今までよりも少し甘い、それでも球威と球速が増している一球をラビニアはスタンド中段にまで打ち返した。
「アウトにならない、ファールはノーカウントだったよね? ならあと44回ぶち込む必要はないってことでOK?」
 スクリーンの表示を信じられない物を見るような目で眺めるピッチャーの背中にラビニアはほんの少し声を震わせながら確認した。

成功 🔵​🔵​🔴​

豊川・芳仁
アドリブ/連携可

「今回の魔球に対抗するにはこれしかない」
『銀牙号』に乗って打席に立つ。
「今回のルールブックには『キャバリアの持ち込む不可』と書いていなかったはずだが?」
渋々納得する審判。
「『キャバリア野球』の実力、刮目せよ」
敵が魔球を投げると同時にUC発動。反応速度を増大させる。
タイミングを合わせ、吹き飛び耐性で堪えつつ加速したバットスイングでインパクトを合わせ、巨大化ボールをなぎ払い+吹き飛ばし。
「的が大きくなればそれだけ当てやすくなる。簡単な話だ」



「今回の魔球に対抗するにはこれしかない」
 そう呟いた豊川・芳仁(|夢舞台《フィールド・オブ・ドリームズ》作業員・f41321)は副業の仕事道具である「銀牙号」に乗って打席に立った。
 キャッチャーがギョッとした表情で見上げてくる中、芳仁は審判に確認を取る。
「ルールブックには『キャバリアの持ち込み不可』と書いていなかったはずだが?」
 審判は渋々どころか当然規定内だと頷きつつもバットを見せるよう要求してきた。リミッターを解除したキャバリアのパワーに耐えれるような違法なバットを使ってないか確認をしたいのだという。
 やましい事が何一つない芳仁が素直に渡し、確認してもらっている間にキャッチャーはマウンドに行ってピッチャーと相談をし始めた。同じ人が相手とはいえ直接と機械越しでは勝手が違うのだろう。
「『キャバリア野球』の実力、刮目せよ」
 キャッチャーが定位置に座り直し、銀牙号が自分の体躯より遥かに小さなバットを構える。
 サインの交換を終えたピッチャーが1球目を投じると、緩い弧を描いた白球がまるでエアバッグのように巨大化した。
 魔球「ギガントダークネス」だと即座に判断した芳仁は指を鳴らすことによる音声認証で銀牙号の反応速度を増大させることでバッドスイングを加速させ、物理的に大きくなることで急接近してきた球にタイミングとインパクトを合わせる。
 ギガントダークネスは風船のように膨らませて図体だけを大きく見せかけるのではなく内部までみっちりと詰まった魔球、常人ならばその巨体にバットだけでなく全身を押し潰されてしまう。
 しかし銀牙号は押し潰されることなく2本の脚だけでこらえ、豪快なスイングで押し返した。
 打たれても巨大化したままのボールはグラウンドとスタンドを隔てるフェンスのギリギリ上を通り抜けて、逃げ遅れたファンを薙ぎ払っていく。
「的が大きくなればそれだけ当てやすくなる。簡単な話だ」
 ホームランを打った代償でへし折れたバットの交換を終え、稼働域がいかれてないかネクストバッターズサークルで確認の素振りを行う。
「さあ、次は何を投げてくる。今の球が通用しないのはもう分かっただろう?」
「……どうせ生身なら打てないくせに」
 苦々しい表情を浮かべるピッチャーの呟きを集音器が拾い、芳仁の元まで届けてくる。あまりに正直すぎる反応に芳仁は思わず鼻を鳴らした。

成功 🔵​🔵​🔴​

エイプリル・ブルーウィンド
【アレンジ歓迎】
わたくしが、あなたの魔球『ジェノサイドアルゴル』を必殺打法『フレイムブリンガー』(POW)で打ち返してみせますわ。

必殺打法「フレイムブリンガー」
死の危機に比例して打撃力を強化するこの技の特徴を活かすため、魔球をギリギリまで引き付けて打ち返しを試みます。

さあ、実力勝負ですわ。



「わたくしが、あなたの魔球【ジェノサイドアルゴル】を【必殺打法『フレイムブリンガー』】で打ち返してみせますわ」
 右打席に入って早々、バットの先端をスタンドに向けて水着姿のエイプリル・ブルーウィンド(4月の青い風・f37998)はそう宣戦布告する。
 しかし主流で勝ち目がなかったから傍流にいったのだろうとピッチャーは鼻で笑いながらセットポジションに入る。
「さあ、実力勝負ですわ」
 過疎化した業界でトップになった結果、自分の実力を見誤った哀れな愚か者を作り出そうとピッチャーはエイプリルのお望み通りに【ジェノサイドアルゴル】を投じる。
 敗北や死の危機に比例して打撃力を強化するこの打法の特徴を限界まで活かすため、エイプリルがバットを引き寄せようとする重力に歯を食いしばって抗い、魔球をギリギリまで引き付けているとその気持ちに呼応するかのように真っ青なバットが赤い炎に包まれた。
 ダメ押しとばかりに手元で鋭く変化した魔球に反応し、バットが振るわれる。芯を食った打球は弾丸ライナーでライトのホームランポールを直撃してグラウンドに跳ね返った。
 線審がくるくると右手を回す様を見てピッチャーは苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる。ポールに当たらなければファールになるはずの打球だったのにと。
 そんな態度から、ピッチャーが大きな思い違いをしていることをエイプリルは察していた。
 エイプリルはビーチベースボール選手として活動するだけでなく、野球選手としても別の球団と契約して二足の草鞋を履いている。
 そうでなければ|四刀《・・》流は名乗れない。
 それを証明すべく、ライトのポールから少しずつ左にホームランを打ち込んでみせた。
 ライトスタンド右、中央、左、バックスクリーン、レフトスタンド右、中央、左。そしてレフトのホールランポールに当てて9連続を達成した時にはピッチャーの顔色はあからさまに変わっていた。
「あなたはわたくしが波打ち際でチャプチャプしているだけだと思われていたようですが……ちゃんと芝と土の上でもプレイしているのですよ?」
 そう言ってエイプリルは一旦ベンチに戻り、野球選手として支給されているユニフォームを羽織って戻ってくる。その胸に印字されていた球団名にはピッチャーも見覚えがあった。
「次が10個目ですわね。お望みのやられ方がございましたら叶えて差し上げますわ、あなたがわたくしのご指名に応えてくださったように」
 左打席に入ったエイプリルがスイッチヒッター用のヘルメットを被っていることに遅まきながら気づいたピッチャーは歯を食いしばりながら告げた。
「右だ……最後まで、右で打ちやがれ!」
「かしこまりましたわ」

大成功 🔵​🔵​🔵​

鬼河原・桔華
●POW

打者の気持ちが折れない限り挑戦することが出来る、な
気持ちが折れる前に体が悲鳴を上げちまいそうだが、可能な超人を異世界から侵略者が来た際の防人にする話も頷けるものだ
そうなればデビキンの悪魔連中並みに厄介な存在となっちまうが…それを防ぐのが私ら猟兵の役目ってか

さぁて、私の番が回ってきたか
あれだけ重い魔球だ
それなら目には目、歯には歯…重さには重さだね?
私のバットはこの鬼棍棒さ
それに私は、仏に帰依する前は暴れん坊で名を馳せた夜叉を先祖に持つ妖怪だ
ご先祖様の顔に泥を塗らねぇよう、小細工なしで決闘だ
敵を引き寄せ粉砕する変動超重力に体が悲鳴をあげそうだが…行くぜ、UC打法グラウンドクラッシャー!!



「打者の気持ちが折れない限り挑戦することが出来る、な。気持ちが折れる前に体が悲鳴を上げちまいそうだが、可能な超人を異世界から侵略者が来た際の防人にする話も頷けるものだ」
 いずれ異世界より侵略者が来たときの為に、アスリート達のスポーツ能力を鍛え上げる———Mr.ホームランが高らかに語っていた方針に共感するように、ベンチに座っていた鬼河原・桔華(仏恥義理獄卒無頼・f29487)は1人頷く。
「そうなればデビキンの悪魔連中並みに厄介な存在となっちまうが……それを防ぐのが私ら猟兵の役目ってか」
 対戦を終えた選手を立ち上がって出迎えた桔華はベンチの壁にかけられた順番表を見て、自分の記憶に間違いがなかったことを確認する。
「さぁて、私の番が回ってきたか」
 頑丈さには定評のある猟兵にすら強烈な衝撃を与えたのはこの目で見たばかり。ならばこちらもそれ相応の装備で挑まなければと、ベンチの保護のために付けられたフェンスの影に立てかけていた得物を手に取って、グラウンドに出る。
「あれだけ重い魔球だ、それなら目には目、歯には歯……重さには重さだね?」
 滑り止めのスプレーがかけられるのは丈夫で重いトゲトゲのついた漆黒の棍棒だった。
 あからさまな凶器にスタンドがどよめき始めるが、釘バットならぬ棘バットを持つ桔華を審判は止めようとはしなかった。
「私のバットはこの鬼棍棒さ。それに私は、仏に帰依する前は暴れん坊で名を馳せた夜叉を先祖に持つ妖怪だ。ご先祖様の顔に泥を塗らねぇよう、小細工なしで決闘だ」
 木製よりも金属製の物の方が飛ぶのは一般常識として理解しているはずのピッチャーがキャッチャーのサインに首を振り続ける。耐えかねてタイムを取ったキャッチャーがマウンドに行くとピッチャーは力任せに抑えることを要求してきた。ここまで【ジェノサイドアルゴル】がほぼ通用してないことも、その考えを固執させる原因となっていただろう。
 説得を諦めたキャッチャーがグラブを構え、ピッチャーが第1球を投じる。
 バットもバッターも引き寄せ粉砕する変動超重力に体が悲鳴をあげそうになるが、桔華はバッターボックス内で前に動かされながらもそれらを振り払うように叫んだ。
「行くぜ、ユーベルコード打法【グラウンドクラッシャー】!!」
 単純に重い叩きつけがボールに炸裂し、バックスクリーンへ飛んでいく。
 そうして生まれた電光掲示板についた凹みの中心にはボール|だったもの《・・・・・》がめり込んでいた。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2024年01月04日


挿絵イラスト