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嵌め技禁止!プレイヤーはなぜボスを周回したのか?

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 その元はドラゴンプロトコルであったバグプロトコルの眼は憎しみに染まっていた。
「おのれ……許さんぞ」
 このバグプロトコルには悲しい過去があった。
 元はとあるイベントのボスとして登場していたドラゴンプロトコルだったのだが、超お手軽な嵌め技が見つかってしまい、当時のドロップ品だとかリソース寄こせと言った鬼気迫るプレイヤー達の手によって何千、何万、下手をすれば何億という数字で倒された実績を持っているのだ。
「邪竜よりも欲深きプレイヤー共め!お前達の欲望が身を滅ぼす事を教えてやる!此度は一人たりとも生かして返さんぞ!!」
 殺意に満ちた言葉を、誰も居ない雪原風のイベントダンジョンの一角で吠えるバグプロトコル。
 その恰好は倒した時にドロップする服で、とてもけしからん服であった。

「まあ、つまり。ドロップ品の服目当てに。そうでなくてもボスを倒せば経験値やトリリオン美味しいです。な訳で何度も倒され、ついでにゲーム内でのチャット的なあれで名誉がアレな事になる言葉が飛び交ったとか飛び交わなかったとかで、バグプロトコルとして蘇ってしまった悲しいヤツが、ゲーム内イベントを乗っ取りジーンアカウント諸共プレイヤー達を倒してしまおうとしてる訳じゃな」
 そんな事をモア・ワンタイム(夜の無い世界は甘美な味・f28116)は言いつつも、分かるわー。火力でギミック無視できるなら力押しするからなー分かるわー。等と言ってる辺り、これからもこのような悲しきボスが生まれる事はあるだろうが、それは置いておくとして。
「そういう訳で一般プレイヤーに被害が出る前に、余達で片を付けたい訳じゃが……リンドヴルムなるバグプロトコルのいる場所まで向かうには、少し面倒な手順を踏まなくてはならなくての。その手段なのじゃが、とある敵の技を食らってステータス改変と……余が着ているみたいな服をランダムに着せられる事みたいなんじゃよなー」

 そう言って自分の着ている水着を指で摘まむモア。この為にわざわざ体を張ったの?等と言う雰囲気が漂うがその事には一切触れず話を続け、今回のイベントダンジョンの仕様上、その敵には今回に限り、ステータス改変攻撃に必ずその手の服を無理やり着せる(しかもクリアまで脱げない)という効果が付与されており、これによって大元のバグプロトコルがいる場所まで行ける様になるのだという。
「あ、その敵の中にもバグプロトコルがおるので、そいつ等からステータス改変を受けて、その後はキチンと倒してくれい。後、ステータス改変を受けたら弱体化するにはするんじゃが、イベント特攻みたいな物が乗るみたいで普段よりステータスが強化されるし、何ならリンドヴルムなるバグプロトコルは、この手の服を着ている奴を倒そうと躍起になって冷静さを欠くから有利になる筈じゃよ。……まあそれはそれとして、ステータス改変攻撃自体も強力じゃから、なるべく効果を抑えられる様に、上手く耐えてくれい」
 そしてボスのバグプロトコルのリンドヴルムを倒した後は元のエリアに戻る事になるが、他にもリンドブルムが呼び寄せたバグプロトコルが居るのでそいつ達も倒してほしいし、倒すのもけしからん服を着ていれば問題ないとの事である。
「いやまあ、着ている物によっては心の傷を負うかもしれんが……とにかく、その敵はあれじゃ。こういう服を着ている奴らに会えるウサ!と勇んできたら、リンドヴルムの怒りを買って、わざわざ作ったステータス改変をする敵のいない、いわいるはずれエリアに飛ばされ、絶賛サボタージュ中の敵じゃ。今は問題ないがいずれ何かする可能性もあるから今の内に倒してくれい。……まああれじゃ、感想だとかなんだとかをあーだこーだと言われる羽目にはなるが、言うだけ言ったら満足するのでサクッとやるとよいぞ」
 そして言う事は全て言った。苦情は受け付けないとばかりにテレポートの準備を開始するのであった。
「大丈夫じゃよ。猟兵殿達なら何とかなるぞー。放っておいたら一般プレイヤーの社会的地位の危険が危ないからのー。それにイベントダンジョンクリアすればトリリオンがもらえるからのー。使い方は自由じゃが、溜めておけば今後何かするときに役に立つかもしれないからのー。余、信じてるからのー。がんばるのじゃー」


風狼フー太
 何万、何億と倒されたという事はドロップ品が小数点以下の確率の可能性が……?
 初めましての方は初めまして。ご存じの方はありがとうございます。風狼フー太でございます。
 まあはい。ネタとまではいかなくてもゆるーい雰囲気タイプのシナリオです。

 ☆つまりどういう事だってばよ?
 第一章でステータス改変+けしからん服強制装備を受けつつバグプロトコルを倒し。
 第二章で(雰囲気は真面目じゃなくても)真面目にバグプロトコルを倒し。
 第三章で不真面目でやる気の無いアレなバグプロトコルから感想やらなんやらを受けつつ倒す。

 以上です!!
 そういう訳でプレイングボーナスですが。
 一章:ステータス改変を受けてけしからん服を着せられる。
 二章、三章:ステータス改変+けしからん服のままで戦う。
 と、なっております。

 ☆ステータス改変+けしからん服強制装備について。
 今回に限りSPDユーベルコードにもPOWやWIZと同じような効果が出ると判定しますので、戦いたい能力値のユーベルコードで戦ってもらって問題ありません。
 ステータスの改変ですが、公許良俗と規約に違反しない事を前提に、敵側のユーベルコード3種の内に書かれている方法を超えない範囲でプレイングに指定してもらって構いません。
 無理やりランダムで着せられるけしからん服ですが、絶対着せないでほしいという服やその手のタイプの服があればプレイングに書いてもらえると嬉しいです。

 ☆プレイングの傾向について。
 わたくし風狼フー太はR-18にあたる様な描写が苦手ですし、規約等の問題もあります。プレイングの内容はコミカルであるとか、面白可笑しいと言った傾向で書いていただけるとありがたいです。
 ただそれはそれとして。服の露出はある程度多くなると思います。けしからん服ですし。

 ☆三章の敵について。
 ステータス改変+けしからん服の状態で戦えば、絶対勝てます。
 ただし少々セクハラじみた、ひっどい感想であるとかを言われる可能性があります。
 具体的に言えば下記に記載したシナリオに登場するウサギさんの様な事を言われる可能性があるので注意してください。

 可笑しお菓子いラビリンスパーティ!
『https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=29296』

 長くなりましたが、以上となります。では素敵なプレイングをお待ちしておりますね!
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第1章 集団戦 『バグ・ステータス』

POW   :    ステータス改竄
【種族を変化させるバグ】【ジョブを変化させるバグ】【アイテムを変化させるバグ】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
SPD   :    オールリセット
【初期化画面】を向けた対象に、【レベル・技能・装備を初期化する電流】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ   :    バグ・クリエイト
視界内の任意の対象全てに【バグったキャラクタークリエイト設定】を放ち、物質組成を改竄して【設定通りの姿に変化した】状態にする。対象が多いと時間がかかる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 テレポートを終えた猟兵達が降り立った、とあるイベントダンジョンは一面見渡す限りの冬景色だ。見ているだけで凍える様な寒さを感じるが、しかしながらそこまでの寒さを感じる事が無いのは、この世界がゲームの中であるからか、はたまた猟兵と言う特異体質のお陰であろうか。
 そしてイベントダンジョンであるが故に、辺りには一般プレイヤーもちらほらと見かける。今はそこまでの人数ではないが、大勢の人が押し寄せる事態になれば被害を防ぐ事は困難になるだろう。
 その前にこのダンジョンに巣食うバグプロトコル達を一掃し、健全なイベントダンジョンとして運営できる出来るようにしなくてはならない!
 ……まあ、わざわざステータスを改変されてけしからん服を着せられなければ先に進めないダンジョンが健全であるかどうかは置いといて。まずは目の前に居る不気味なステータス画面を浮かべているバグプロトコルを倒し……倒す前にステータス改変のユーベルコードを威力を抑えながら受けつつ、けしからん服を着せられた上で倒さなくてはならないのだった。
クリスタ・ドラグストーン
うむ、クエストの話はしかと聞いたのじゃよ
今回のボスの元ドラゴンプロトコルに言いたい事が出来たのでのぅ
わしも参加させてもらうのじゃ!

しかしドラゴンプロトコルもバグプロトコルになってしまうとは…
それを聞いた後じゃと、自身をバグらせるとか怖いのじゃが!?
ぐぬぬ…仕方あるまい、とりあえず普通に"盾受け"して大人しく受け入れるのじゃ…
とはいえ、盾が無くなるのだけは避けたいのぅ…防御だけではなく、戦闘手段がかなり制限されてしまうのじゃ
…衣装?そちらは大丈夫じゃ、儂も運営側じゃしのぅ…
改変後は『インパクトカウンター』で動きを止めてから盾でバシバシぶっ叩くのじゃ

※協力・アドリブ歓迎
服お任せ・面白い方向期待


ルナ・キャロット
けしからん服はいいものですからね。周回されちゃうのも仕方なしです。(周回済みのけしからん服装備兎)

けしからん服は下半身だけですがいつも着ているので慣れてます。
どんな服にされてもルナちゃんは可愛いのできっと大丈夫です!

双剣から衝撃波を飛ばして殲滅
強ジョブ聖剣士パワー見せちゃいますよ
ある程度減らしたら…バグに当たらないとですね
種族変更はNG絶対に当たりません!人化したら泣いちゃいます。

ジョブ変化とアイテム変化にあたりに行きます。姫騎士兎からどう変えられちゃうのかちょっとだけ怖いですが…っ
(兎ケモのままなら何でもどんなのでも歓迎でお任せしたいです)
(高露出になったら自撮りスクショしてニヤニヤ楽しむ)



「済みません!あの電流だけは駄目なのでお願いします!」
「うむ、任せよ!わしの鉄壁の前には、って痛ったあ!!電気が盾を伝ってぇ!?」
「ありがとうござ、あばばばば!?二本分がががが!?」
 これは一体全体、何が起こっているのか?と言う話であるが、勿論説明しなければ何が何だか分からないので説明しよう。
 今しがた、地面を奔って襲い掛かってきたバグを引き起こす電流の一部を、巨大な大盾でクリスタ・ドラグストーン(|守護の重盾 《ヘヴィガード》・f41850)がルナ・キャロット(†月光の聖剣士†・f41791)を守ったのである。
 二人はまず初めに、集団で現れたバグプロトコルを倒すべく一気呵成に攻撃。そして数を減らした所で敵の攻撃を受けて、あの服に着替えるという作戦であった。
 少々、問題があったとすれば、だ。ルナはゴッドゲームオンライン特有のゲーム内キャラクターであり、彼女を操作している本人は統制機構に住んでいるのだが。
 そのプレイヤーはケモノを愛して止まないケモナーであったのだ。しかも重度の。
 とまあ、そんな事情がありクエストの話を聞いて意気揚々とやって来たクリスタに、種族を変更する属性を帯びた電流だけを代わりに受けてもらったという事である。
「いてて……姫騎士兎からどう変えられちゃったのか、ちょっとだけ怖いですが……お、おおお!?」
 さて、その結果ルナがどうなったかと言えば。
「……スクショしなきゃ」
 けしからん服は下半身だけいつも着ているので慣れており、どんな服にされてもルナちゃんは可愛いのできっと大丈夫!と思っていたルナ。
 そんな彼女は今、自身の恰好に思わずニヤけながらゲーム機能を使って自撮りを始めたので、改めて説明しよう。
 今のルナの恰好は、一言で言ってしまえば女子プロレスラーが身につける様なコスチュームだった。
 スポーツブラとレスリングパンツ。そして右足しか隠さないロングのスカートの様な物を腰で留めており、手には伸縮性の有るロンググローブを身につけ、その他の場所は隠していないという、中々露出度の高い恰好である。
 とは言いつつも、普段から着ているルナの恰好の方が正直露出が高いのだが、それは置いておくとして。色はバグの筈なのに律儀な物で、ゲームの世界らしく自由に変更可能。
 そして武器だが、革製の鞭に代わってしまったらしく、それを腰に身につけている。だがステータス画面を見る限り、どうやら分類としては剣らしい。
 別に剣と鞭に変形する機能が備わっている訳では無く、見た目はただ普通の革製の鞭であるが、ダメージは斬撃になるのだ。どういう事なのかと言われてもバグだから、として受け入れるしかないだろう。
「な、なんじゃこれはぁ!!」
 そして一方。種族変更の電流だけを受けたクリスタの方だが。
「もしや、これってゾンビ……いやドラゴンゾンビって奴か!?」
 そう。クリスタの体は大きさや体格と言った物は、そこまで変わる事は無かった。
 しかしながらその姿は、体の肉があちこち腐り果てて抉れており、脚の太ももの一部や尻尾の先っぽ等の場所は、肉の底にあったであろう骨が見えている。
 思わず光り輝く盾の表面に自分の顔を映してみれば、そこに居たのは生者を羨み、妬む炎を濁った赤黒さで瞳に宿したドラゴンの顔であった。
「いや、恨んでおらぬが!?しかも服や防具はまるで変わっておらぬのじゃが!」
 そう言う彼女の言う通り、彼女の姿は此処に来た姿そのままであり、バグに侵されたのは種族の部分だけの様子。
 つまる所、である。
「わしだけもう一回受けねばならぬのか……?だ、大丈夫じゃよな?ドラゴンプロトコルもバグプロトコルになってしまうと聞いた後じゃと、自身をバグらせるとか怖いのじゃが!?」
 もしも、このままバグを受け入れていたら自分も……。という考えが頭の底から出てきた所で、首を振り、盾を持つ両手に力を込める。
「ええい、今更じゃ!こんな事でわしは負けんぞ!今回のボスの元ドラゴンプロトコルに言いたい事が有るのでな!!」
 思わずいつもの癖で握った手は土の色をしていて今にも崩れそうだが、戦い支障はない。
 それにもう一度敵のユーベルコードを受ければ、この姿からも解放されるかもしれないと、覚悟を決めたクリスタは敵のユーベルコードが発動するまでじっと盾を構えてその時を待つ。
 そして。準備が整ったバグプロトコルの前方から、まるでアメーバかスライムが蠢いているかのような動きをするステータス画面が現れ、それがクリスタの構えた盾にくっつくと、瞬く間にクリスタの全身まで広がり、彼女の周囲を覆い尽くしたのであった。

「……うむ、まあ」
 その結果。気が付いた時には、彼女はへそ出し、二の腕出し、太もも出しの三拍子が揃ったミニスカートの服を着せられていたのだ。
「なんじゃこれー。メイドか?メイド服じゃな?メイドラゴンとかそんな洒落っ気を付けたつもりか?……え、何違う?ぜんぜんあやしくない喫茶店店員が着てる服?」
 余す所なくバグに侵されたが故か、目の前のバグプロトコルの意思が頭の中で囁かれたように聞こえたクリスタの言葉通り、種類としてはメイド服に似ている……いやそもそも、この様な煽情的なメイド服が合って良いのかどうか疑問であるが、まあ置いておくとして。
 兎も角として、何処からどう見てもけしからん違法改造されたメイド服の様だが、種類としては喫茶店員の着る服らしく、今のクリスタのジョブも喫茶店店員にジョブが改変されているから、喫茶店店員の服なのだろう。
「んな事、有る訳ないじゃろ!!そもそも、こんな服来た奴があやしく無い訳ないのじゃ!!」
 10人が聞けば11人がクリスタの言葉に頷くであろう正論を吐くクリスタ。
「しかも姿が全然変わっておらぬではないか!!」
 そして、一度バグに侵され改変された種族は暫く代わる事が無いのだろう。
 今のクリスタはドラゴンゾンビ喫茶店店員(けしからん改造済み&喫茶店店員服詐称のメイド服装備)という属性過重積載状態であり、自慢の大盾も見た目はそのままだが、種類がコップや皿を運ぶトレイに変更されていた。
 そんなクリスタの元へ、自撮りを終えたルナが近づく。
「あの……私はいいと思いますよ。需要あると思います」
「いあや需要の問題では……いやうむ、運営側のわしは、クエストの内容によって敵にも味方にもなるからの。この程度で取り乱していても仕方あるまいな、うむ」
「後、写真とっても良いですか?」
「え、まあ、良いが……好きなのじゃなーおぬしも」
「えへへ……けしからん服はいいものですからね。こんなに良い物なら、周回されちゃうのも仕方なしです」
 事実、いつものルナの装備も周回して手に入れた物である。
 こういう物があってこそ、やる気の出るプレイヤーが居る事実がある以上、需要が途切れる事は無いのだ。
「そうかー。では、あ奴らを倒してからでいいかの?」
 そう言って目線をバグプロトコルの方へと向けるクリスタ。
 元よりバグを受ける為だけに生かして置いたのだ。残しておいては一般人に被害を出すだけで、百害あって一利なしである。
「そうですねー。倒してしまいましょう!」
 例え武器の形が変わろうと。例え武器の分類が変わろうと。戦う力に衰えが無いのだから負ける事は無く。
 二人の猟兵によってバグプロトコルは次々と討ち取られてゆき、次なる場所へ行く間にルナは余すことなくクリスタの姿を撮影するのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

印旛院・ラビニア
「懐かしいなー。僕も前のキャラで何度も周回したっけ」
仲間内でもこいつを狩りに行く時に「ちょっとヴルってくる」みたいな感じに言ってたっけ。などと感傷に浸りつつも
「遺伝子番号の消去はさせるわけにはいかないよ。周回ボスと違って蘇ることができなくなっちゃうからね」

バグステータスにはUCを使用してヤクザやニンジャを召喚し、数で押して片付ける【集団戦術】
「何も僕が恥ずかしい格好する必要ないもんね。召喚した部下達にその役目を負わせればいいだけで」
寿司を食べながら高みの見物をしていたら、慢心中に不意打ちを受けて結局自分もけしからん格好に「うぎゃー!」
露出多めな格好とは思うけど、内容はお任せ!部下と併せの格好で


ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
寒いのは好きじゃないからあんまり寒くないのはありがたいね。
けしからん服は別に布面積が少ない分には特に気にならないし、
外見が多少変わるだけなら問題ないかな。

さて、相手の攻撃は対象が多いと時間がかかるみたいだし、
【化変妖血】で血を適当にその辺に撒いて近くの物を大量のモンスターに変えようか。
対象が増えた分ステータスが変わるまで時間がかかるだろうから、
その隙にどんどん倒していこうか。
ところでこれ倒すのって浮いてる画面ぶん殴ったらたらいいのかな?

うーん、服が変わるついでに服が触れてる近くの部分が人間寄りに変わってるかな?
まあ手足が大きく変わってないなら戦うのに支障は無いかな。



「はーっはっはっは!いけー僕の部下達!雑魚バグプロトコルをメッタメタのギッタギタにしてやれー!!」
 この全身から溢れ出んばかりの慢心オーラを醸し出して、そんなセリフを口にしながら高笑いをしている彼女の名は印旛院・ラビニア(人権焼却されたと思ったらイキりウサギに転生した件・f42058)。
 彼女が何故、此処まで増長しているのかと言われれば。
「まさか僕のユーベルコードと、あの人のユーベルコードが此処まで相性が良いだなんて!僕ってやっぱりツイてるのだねぇ!!」
 彼女の使うユーベルコードは、自身の持つクリーピングコインをヤクザやニンジャに変化させて集団攻撃を行う技なのだが、人型で召喚された筈のヤクザやニンジャの姿は、人の姿から離れた化物の様な姿に変わっているのである。
「いやー。たまたま相性の良いユーベルコードを使う人がいて助かったよー。ところで、これ倒すのって浮いてる画面ぶん殴ったらたらいいのかな?」
 そして、こののんびりと間延びした口調で話しながら、とりあえずとばかりにバグプロトコルの画面を丸太の様な異形の腕で殴り飛ばしているペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード(混沌獣・f07620)こそがヤクザやニンジャを化物と変化させた張本人。
 彼女のユーベルコードの中には自身の血を浴びた物体・生物の傷を治療し、肉体を怪物に改造する事で強化させる物がある。これをラビニアのユーベルコードで召喚したヤクザやニンジャに使う事で、身体能力が大幅に向上した怪物のヤクザやニンジャが誕生したのだ。
 そしてバグプロトコルのユーベルコードは、視界内に居る攻撃対象が多ければ多い程、攻撃まで時間がかかる。
 それを逆手に取った集団戦術を仕掛けた事で、攻撃発動までまともに攻撃する事が出来ないバグプロトコルは一方的に殴られ続けており、かといって殴ってくる化物ヤクザやニンジャを対象外にしても、結局後からヤクザやニンジャに殴られると言う踏んだり蹴ったりな状況なのである。実際強い。
「んー、お陰で楽出来て良いけど、あたしは少し殴り足りないかも」
 勿論、今の状況が自分のユーベルコードの力である事は理解しているが、此処まで効果があると返って戦いがいが無いなー等と思うペトニアロトゥシカだったが。
「次の敵に期待かな。元はドラゴンプロトコルって話だし、戦いがいがあると良いねぇ」
「あー、そう言えば次の敵はあいつかー。懐かしいなー、僕も前のキャラで何度も周回したっけ」
「うん?知ってるの?」
「まあちょっとだけ。仲間内でもこいつを狩りに行く時に「ちょっとヴルってくる」みたいな感じに言ってたっけ。まさかバグプロトコルになっちゃうなんて思わなかったけど」
 そんな会話をペトニアロトゥシカとしつつ、謎寿司のおいしさに舌鼓を打ったラビニアは、頬を緩ませて更に寿司を、今度は二貫同時に頬張る。
「可哀そうだけど遺伝子番号の消去はさせる訳にはいかないし、ささっと倒しちゃおうか!周回ボスと違って蘇ることができなくなっちゃうからね!!」
 それに、と笑いが押さえられないとばかりに腹に手を当てる。
「何も僕が恥ずかしい格好する必要ないもんねー!召喚した部下達にその役目を負わせればいいだけで!!」
 まさに自分の思いのまま!とばかりに、ついぞ笑いを堪える事が出来ず、本日二度目の高笑いを浮かべたラビニアの目の前で、漸くユーベルコードが発動出来るようになったバグプロトコルの画面の体が小刻みに震え始めた。
「おっと、そろそろ雑魚雑魚ユーベルコードが発動しそうですなぁー。まあー?一度は発動してもらわないと行けないから手加減しましたしー?」
 最早完全に舐め腐ってる態度を隠さないが、実際負けはない。
「ってあれ?」
 が、しかしである。結局の所バグプロトコルは自身の蜘蛛の糸程細い勝利の為に、多数のヤクザやニンジャを攻撃対象に取ったのである。
 であれば。その攻撃対象を、後一人か二人位多く追加しようと、大した問題ではないのではないだろうか?
「な、なんか嫌な予感がしてきたのでいったん退避……」
 異変に気が付き、後ろに下がった所でもう遅く。あの震えは怒りの震えだと言わんばかりにバグプロトコルから放たれた、無数のバグ塗れステータス画面が集まった濁流の中に、憐れにもラビニアは怪物ヤクザとニンジャと共に呑み込まれてしまった。
「うぎゃー!」」
「おっと、もう時間かー」
 その様子を遠巻きに眺めていたペトニアロトゥシカの方へと濁流が押し寄せて来るが、元より覚悟の上だとペトニアロトゥシカは避けるそぶりを見せる事無く、衝撃に備えるべく脚に力を込める。
「よーし、来なよ。別に布面積はどれくらいでもいいけど、外見はあんまり変わってほしくないかなぁ」
 それでいて、やはりのんびりとこれから起こる事を予想し、なるべく問題ないと良いな等と思いながら。
 ペトニアロトゥシカもまた、ラビニアと同じく濁流の中へと姿を消したのであった。

「ひっぐ……な、なんでこうなるのー!?」
 さて迂闊にも、というか、予定通りというか。全身からステータスまで、あらゆる場所をバグに侵されてしまい、溢れんばかりに涙を流すラビニアは完全に別の種族へと変貌を遂げている。
 未だに悔しさから立ち直る事は出来ないが、それでも無知なままでは戦えないと、自身のステータスを確認する事に。
「とりあえずステータス確認しなきゃ……えーっと種族は『カラス天狗』?」
 そう言われれば。と意識を向ければ、背中に生えたそれなりに大きな黒い翼がピコピコと可愛らしく動き始める。
 当然バグの産物故に飛べるような物ではないファッション翼ではあるのだが、自分のトレードマークであるウサギの要素はそのまま残っている辺り、下手な種族変更を貰わなかっただけ良しとするべきだろう。
「いやまあ、ウサギの要素入ってるのにカラス天狗とは違うんじゃないかって思うのだけど……まあ、いいや」
 もしかして天狗になってたからカラス天狗なのかな……?等とも思うが、それも置いておく事にする。問題と言えば、だ。
「何だよこの服ー……殆ど何も着てないじゃないか」
 そう、今ラビニアが着ている服を服と言っていいのか?と言われれば疑問符が残るのだが、とりあえず服であるとして。
 いま彼女が身に着けている物は、頭に烏帽子を被り、豊満な胸を隠す様に巻かれたさらし、下は袴という、実に和風奥ゆかしき伝統を重んじた衣装であった。
 そして手には武器としてニンジンを持っているのである。
「こんな伝統有ったらイカレてるよ!?後、この武器何!?ニンジン?僕がウサギだから!?しかも武器の種類が『銃』ってなってるのだけどこれ撃てるの!?」
 訳が分からないと頭を抱えるが、きっとテクスチャか何かがバグっているだけで、きっと撃てるのではないだろうか。
「……いや待って。しかもとんでもない事に気が付いたぞ。なんだか下がスースーするのだけど、もしかして……」
 何か嫌な予感がして袴の中を調べたラビニアは、直ぐに袴を下ろす。
「ねえ、これ大丈夫!?」
 一体何が大丈夫なのか?と言う事は、顔を真っ赤にしている本人の名誉の為に詳しく記載しない事にする。
 余談ではあるし特に関係はないが、現代の日本の女性が下着を身に着ける様になったのは江戸時代からとの事であり、下着の歴史は意外と浅いのである。いや本当に何の関係も無いけども。
 それにこれまた関係ないが、ウサギの脚の要素が腰辺りまで広がっているので、いわばケモノスキンの下半身を履いていると言っても過言だろう。いや何のことだかさっぱり分からないが。
 そしてこれは重大な事なので記載するが、バグに巻き込まれたユーベルコードのヤクザとニンジャもラビニアの恰好に合わせられた様で、褌一つという実に男らしさを見せつけるけしからん衣装になっていたのであった。
「落ち着きなよー。あたしも下はこんな感じだからさー」
 そんな情緒不安定になってしまったラビニアを慰めるべく、ペトニアロトゥシカはバグによって変貌してしまった体の、その下半身を人差し指で差し示す。
「んー、一応ステータスを見るけど、やっぱりこれは『アラクネ』だねぇ」
 その姿はまさに蜘蛛の胴体の上に人の体の有る怪物である『アラクネ』と呼ばれるような怪物の姿。
 当然そんな体に合うような服は存在しないらしく、蜘蛛丸出しの体をのままだが、ペトニアロトゥシカは、慣れた物だよ。とばかりに実に大らかであった。
「いや、何でそんなに冷静なのですか?」
「まあ、今まで色んな生き物に成ってきたからねぇ。そう言えば、こんな服やなっちゃったけど寒くないのはありがたいねー。寒いの苦手だし」
 兎に角、脚が増えた事で移動が出来なくなるのではないか?と、ほんの少し枯れ木の生えた雪原を走り回るペトニアロトゥシカが着ている服は体操服。
 勿論、下を着る事が出来ないので上だけの体操服である。
「んー、服の周りは少し人間っぽくなってるねー。動くのは問題なし。後は……あー、腰から下が変化出来ないやー。それは少し面倒かも」
 ほんの少し蜘蛛の体に乗っかった雪を獣の体で慣れた身震いで落とし、バグに侵された蜘蛛の体を変化させる事が出来ない事を確認して。
「それで装備が糸なのかー。へー、この服は自分の糸で作った設定なのねー。まあ、いざとなったら殴ればいいし、武器は何でもいいか」
 少し確認してみた所、服を着ている部分と蜘蛛の体以外の場所は変化できる様子。
 これなら戦いにもそこまで支障は無い筈だと、ペトニアロトゥシカが確認した所で。
「それじゃ、残りを倒そうかー」
「うー……その大らかさが正直うらやましい」
 二人は残されたバグプロトコルの方へと向き直る。
 いくばか戦い方に支障が出たとはいえ、イベント限定のバフ等も掛かっている為負けるはずもなく。
 二人の目の前に現れたバグプロトコルは、一つ残らず殲滅されたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ミア・アルタージュ
とりあえず…強制着替え、ですか?
受け入れないと目的が果たせないので仕方がないですね、不安はありますが。

…なんだか少し冷えるような…ってこれ!布が殆ど無いじゃないですか!
衣服としての意味を成してます?
けもせーふ…?何ですか、それ、知りませんよ!
ああ、もう…今日の毛づくろいをサボってたのがバレバレじゃないですか、これ…

まあ、この服はとりあえず良いです。
UCマジックマーキングで広範囲に炎の精霊による爆撃をおこして敵を一掃しましょう。
精霊による攻撃ですから、少々私自身の攻撃力を下げられても大きな影響は無いはずです。

…片づけたらとりあえず、サボっていた毛づくろいはしておきましょうか。



「とりあえず……強制着替え、ですか?」
 テレポートを終えて雪原に立ち、無数のバグプロトコルを前にしたミア・アルタージュ(ケットシーの精霊術士・f41672)は勇気をふり絞って持っている杖を両手で力強く握る。
「受け入れないと目的が果たせないので仕方がないですが、不安はありますね……」
 そうは言うが、バグプロトコルがそれで攻撃を止める理由になる訳が無く。
 バグプロトコルの画面から噴き出た、靄の様に浮かぶ3種のバグの塊は、既にミアの目の前にまで迫っている。
「全てを受けてはダメ……ジョブとアイテムはなるべく変えたくない。となると!」
 ユーベルコードを封じられて戦えなくなる事だけは避けなければならず、自身の戦い方を使えなくなる可能性は低くしたい。
 そう考えたミアは足を前に出すと、種族を変更するバグの靄の中へと自ら突っ込んだのであった。

「うっ……なんだか少し冷えるような、って!何ですかコレ!?」
 辺り一面のバグの靄の中を、雲を突き抜ける様に飛び出たミア。
 ダメージは少なくまずは一安心していた所、何やら妙に寒さを感じて視線を下に落とすと同時に、彼女の驚いた声がゲーム世界の雪原に響き渡った。
「これ!布が殆ど無いじゃない……っていうか、ただの鎖じゃないですか!!」
 そう叫ぶ彼女の言葉通り、今の彼女の服は服と呼べるような代物ではない。
 首には鉄製の首輪が、そしてそれと同じ材質の輪が手首と足首にガッシリとかせられており、数本の鉄の鎖がその輪同士と繋がり彼女の体をいくばか隠しているだけに過ぎない物なのだ。
「これ、衣服としての意味を成してます!?一応防具?けもせーふ……?何ですか、それ、知りませんよ!」
 何となく頭の中に流れてきたバグプロトコルらしきの思念に首を振ってツッコミを入れつつ。
「まあ、もう!この服はとりあえず良いです!炎の精霊よ!目標は此処です!!」
 自棄になりながらも、これ以上何かされるのはたまったものではない。と、指先から放った印をバグプロトコルに付け目標を定めるミア。
 その導きに従い、炎で出来た小鳥の体の様なを持つ精霊達がバグプロトコルへと突撃し、辺り一面をバグプロトコル諸共焼き尽くすのであった。

「……見たくないけど、見なくちゃ。水の精霊よ、鏡を」
 戦いは終わった。しかし、自分の体が一体何がどう変わったのかを確認はしなくてはならない。と、水の精霊の力を使い全身程の水で出来た鏡を創り出したミアは、やはり確認しない方がよかったかと少し後悔した。
「うー……酷い恰好。重さが無いのは、有難いですけど」
 動く度にジャラリとなる鎖の服を改めてもう一度、それも詳しく見る事になると、やはり恥ずかしさがあるという物。
 隠すべき所だけを隠している鎖や、それを留める鉄の輪は重さの概念もなく、どの様な体勢をしても隠すべき所を隠し続けて、鎖の長さに引っ張られるような感覚もない。
「どういう理屈か分かりませんが伸縮……してるのかもしれませんね。それで種族ですが……ああ『ヴァンパイア』ですか」
 妙に牙が伸びており、神秘的な、そして何処か毒々しい紫色をした瞳を見て、ステータスを確認すると種族の欄に『ヴァンパイア(ケットシー)』の文字がある。
「ケットシーからヴァンパイアが生まれた等と言う話は聞いた事ありませんが……まあ、バグのせいですから、そう言う事もありますね」
 これで全てを確認し終えたミアは、とりあえず戦闘能力に殆ど影響はないと一安心。
 とはいえ、である。
「うう、この服……確かに尻尾や耳が楽ですけど……これを服だと認めるのは恥ずかしいですし」
 それに、と。くるりと一度廻って、全身の毛並みを調べてみる。
「ああ、もう……今日の毛づくろいをサボってたのがバレバレじゃないですか、これ」
 何せ布地が無いのだ。彼女のケットシーを象徴する毛並みを隠す物は何もないのだ。
 敵を倒し終えたし、まだ時間はあるはず。誤魔化せないのならば、とその場にミアは座り込む。
「サボっていた毛づくろい、しておきましょうか」
 動く度にジャラリ、ジャラリと耳障りな音が聞こえるが、それを無視して。
 身だしなみを整えるミアが、他の猟兵と合流するのは少し後の話になるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『リンドヴルム』

POW   :    ジェノサイドフィールド
自身が【フィールドに存在して】いる間、レベルm半径内の対象全てに【多重のデバフ&悪辣な状態異常】によるダメージか【ボスにあるまじき程のバフ&リジェネ効果】による治癒を与え続ける。
SPD   :    魔槍ブリューナク
【聖槍ブリューナク】に【何度もハメ殺しで周回された恨みの念】を注ぎ込み変形させる。変形後の[聖槍ブリューナク]による攻撃は、【デスペナルティ5倍化】の状態異常を追加で与える。
WIZ   :    マルチバッドエンド
【対象が初見の武装】を使って「どのように攻撃するか」を予想できなかった対象1体に、【正しく対応しないと即死】の一撃が必ず命中する。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠夢幻・天魔です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 どの様な原理かはともかくとして。
 猟兵達の身体を侵すバグやけしからん服に導かれるまま雪道を進むと、そこには一人のバグプロトコルが立っていた。
「ふん、誰が最初に来るかと思えば、忌々しい猟兵共ではないか」
 木々が大きく開けた雪の広場に立つ彼女の名はリンドブルム。不幸な手違いからバグプロトコルとなってしまった、悲しきドラゴンプロトコルだ。
 その目で猟兵達を一瞥すると、隠すことなく憤怒と嫌悪を顔に出す彼女の服もまたけしからん服であった。
「しかもバグに侵されながら、そんな物を身に着けてまで私に会いに来るとは……よほど殺されたいと見える」
 瞬間。
 禍々しいオーラを布の方が少ない全身から蒸気の如く沸き立たせ、奥歯を噛み砕かんばかりに睨みつけながら、長物と呼べるだけの武器を構える。
 その力は、けしからん服を着ている事でイベントバフが付いている猟兵達に勝るとも劣らない物だ。
「先ずはお前達を冥府の底に送ってやる!」
 最早彼女は、この世界を運営する者ではなく、破壊し壊す存在だ。
 その憎しみと怒りは本物であり、それに裏打ちされた強さもまた本物である。
「そして思い知らせてやるのだ!この世界に潜む人間の欲望の浅ましさを!その時、彼等は思い知るだろう。我の怒りを憎しみをなぁ!!」
 だからこそ猟兵達は彼女を倒さなくてはならない。
 いつか彼女が永遠の眠りに付くかもしれない、その時まで。

 何よりバグだらけの体と、脱げない服から解放される為にも。

※二章から初めて参加される方へ。一章でバグを受けてけしからん服を着せられたとして話を進めます。
種族や装備、ジョブの変更等が行われる場合があります。NGがあればプレイングで指定してください。
スピカ・ネビュラスター
(けしからん服の内容はお任せ)

随分お怒りのようだけど……
そもそも簡単に嵌められるほど弱いのが悪いんじゃないの?
といっても、たかがイベントボス風情じゃ仕方ないかな
あははははは!!!
(火に油を注ぐ用に煽り倒す)

簡単に倒されたくないなら、相応の能力をもっていないとね
例えば……こんな風に!
(リンドヴルムに倒されたところで『無限に再臨せし災厄』で復活)

どう? これこそが『ラスボス』の力だよ!


ルナ・キャロット
んへへ…兎のむちむち感が強調されちゃってますね。(とりあえず黒系染色兎)
なんで鞭なのかはよくわかってませんが……悪レスラー的な感じなのかな…?(ペチペチ遊んで)

わ、いつも以上に激おこです
怒りの咆哮の後は突進が来るのでパリィして乱舞して…鞭のせいで違和感すごいけどやることはいつものルーティンですね。
せっかくならレスラー的な事したいです!デスペナは怖いので鞭パリィで弾き飛ばしてから!
うさキックとかうさ関節技で攻撃してみます!服固有スキルとかもあったりしないかな?
服装にRPが引っ張られながら悪いことしちゃいます。



 戦いの前に時間を遡り。
 これはとても重要な事なので、先ずスピカ・ネビュラスター(銀河の魔女・f31393)の恰好について言及しておく。
 バグに侵された彼女の姿は水着姿である。いわいる赤と青が特徴的で、無数の星が描かれている青の星条旗ビキニという格好である。
 さらに種族変化を起こしており、頭には鼠色の大きなネズミの耳が生え、お尻にはくるりと回ったネズミの尻尾が生えていた。
「まあ星を司る魔女だし、星に関係する服になるのは当然かな」
 地面に降り立ち、体を一回転しながら座っていた魔星『アークツルス』に映る自分の全身を見て、スピカ本人がこの様に言っていたので決して他の意図は無い事を此処に宣誓しておこう。
 特徴的な笑い声なんて聞こえないし、黒くもない。例え何が有っても全てバグのせいなのだ。
「んへへ……兎のむちむち感が強調されちゃってますね」
 一方その隣では。先程受けたバグによるアイテム変化と共に、プロレスコスチュームを着せられてしまったルナ・キャロット(†月光の聖剣士†・f41791)は、写真に取ったフェチズム溢れる自分の衣装と姿を何度も見返していた。
 せっかく色が変えられるならば、と。黒を基本にした色に染めたコスチュームはルナ自身の体毛の色と相性が良く、手で何度も擦って服の材質を確かめながら少々惚けてニヤニヤと笑うと言う事を、此処に来る道中繰り返している。
「ぐへへ……はっ。そろそろ敵の要る所ですし集中しないと。……それにしても、何で鞭なのでしょうか?」
 元はルナが使う剣が変化した鞭を、そう言って手に取る。武器の種類としても剣の分類に属するが、どう見ても鞭である。
 何度かペチペチと地面に振るってみた所、いつもの武器と使い勝手が違う所を除けば、十分に戦える。ただ、どうしてこの形状になったのかは気になる所だった。
「悪レスラー的な感じなのかな……ふふ、そう考えるとまたこの衣装も味わい深いような」
 また妄想にトリップし始めるルナ。
 そんな、何処か緩い雰囲気のまま、二人はリンドヴルムの元へと辿り着いたのであった。

「ははは、ははははは!!」
 そして今、件のリンドブルムは戦場の真ん中で邪悪な笑みを浮かべて高笑いをしていた。
「私の怒りを思い知ったか!愚かなる猟兵よ!!」
 彼女の周りには、彼女の怒りを象徴する様な業火に燃えるフィールドが展開されている。
 中に居るだけで、猛烈なデバフとスリップダメージの数々を受けて燃え尽きるだけを待つ事になる殺戮の間合い。
 その中に倒れ伏す人の姿が一人。それは間違いなくスピカであった。
「ひ……スピカ様!?」
「ふん……次は貴様だ」
 動かぬ骸に最早用はないと、広がる炎に触れない様に後さずるルナの方へと向き直るリンドヴルム。
 じりじりと近づき、合わせてルナの足が後ろへと下がる。舌なめずりをしながら、一気に足を一歩踏み出そうとした所で。
「随分お怒りのようだけど……そもそも簡単に嵌められるほど弱いのが悪いんじゃないの?」
 後ろから倒れた筈の、聞こえる訳が無い声が聞え、唐突に大粒の雨が戦場全体に降り注ぐ。
「簡単に倒されたくないなら、相応の能力をもっていないとね。例えば……こんな風に!」
 ウィッチクラフトによる雨が炎を消し飛ばし、蒸気に変わった水が辺りを曇らせる中、靄の中に一つの影が浮かび上がる。
 間違いなくそれはスピカの姿。しかもユーベルコードの効果により、倒れた時よりもサイズが二倍になったアメリカンスタイルのスピカだ。
 そんなサイズに似合う残酷なまでの力と態度を込めて、明らかに相手を見下した獣のように歯を見せて目の前の相手を嘲笑っていた。
「そもそも簡単に嵌められるほど弱いのが悪いんじゃないの?」
「貴様ァ!?」
 宿敵たる猟兵が、怨恨のあるけしからん服を着て嘲笑ってくる。
 そんな状況に恨みによって蘇ったバグプロトコルが耐えられる筈もなく、血走った眼でリンドヴルムはスピカを睨み返す。
「わ、さっき以上に激おこです!」
 それは、先程まで目の前に居たルナの事すら忘れ去るほどの怒りであり隙だ。
「じゃあ弾き飛ばさせていただきます!」
 余り突っつきたくはないが今がチャンスなのは間違いないと、剣が変化した鞭の先端が蛇の頭の如く、リンドヴルムの武器に絡み付いて、弾き落とす。
 ぼすっ、と軽い音を立てて雪の中に沈む武器を拾い上げる時間は、今のスピカにとって十分な時間だ。
「しまっ――」
「スピカ様!今ですー!」
「いいねぇ!それじゃあ、ご期待に応えようとしようか!」
 手に持つ『星杖ギャラクシア』の先端をスピカがくるりと回すと、出来上がったのはウィッチクラフトの雨だれが集まった巨大な一本の水の槍だ。
「あははははは!!!どう? これこそが『ラスボス』の力だよ!」
 果たしてリンドヴルムを苛立たせる為の演技なのか、それとも見目麗しいラスボスの姿である事の起因であるのか、それは置いておくとして。
 何処までもリンドブルムを嘲笑いながらスピカは水の槍をリンドヴルムへと放ち。
「ぐぉぉぉ!?」
 見事に正面から命中し、勢いで後ろに吹き飛ばされるリンドヴルム。
「え、えへへ。せっかくなのでレスラーっぽい事をさせて貰います!」
 その彼女の背中に、ルナの防御を考えぬレスラーが使うような前蹴りが遠慮なく襲い掛かり、今度はリンドヴルムの体が前へ、くの字に曲がる。
「きさ、まらぁ!!」
「い、今の私は悪者レスラーですから!……服固有スキルとかもあったりしないかな?」
 つい着ている服に合わせて、普段しないような行動をしてしまうルナだが、服固有スキルはともかくとしてイベントバフの力は本物であり。
 畳みかける様に関節技を仕掛けて動きを封じたルナに合わせて、スピカの雨のウィッチクラフトによる追い打ちをかける。
 二人のツープラトンは、リンドヴルムの身体に傷を負わせるに十分であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

印旛院・ラビニア
「あーもう、僕の完璧な作戦がぁ!」
でも、部下達みたいに褌姿にされるよりはマシだったかな?

「周回の標的にされたのって、嵌め殺しバグを放置していた運営側に文句を言うのはわかるけど、プレイヤー側に文句言うのはお門違いじゃない!? ほんとその説はお世話になりました!」
お世話になったキャラのデータはバグプロトコルに倒された時に消されちゃったけどね。あ、それ思う出したら腹立ってきた。リンドヴルムはその件には関係ないけど
「その集会に使った時間や努力を消された恨み、こっちも晴らさせてもらうよ」
ニンジン(銃)でUCを使用して後方支援
「あ、本当に撃てた。絵面はカオスだけどさ」

その他、連携アドリブおまかせ


ミア・アルタージュ
何度も倒された所を更に倒す、と言うのは申し訳ないですが。
行かせていただきますね。
…さっさとこの服…と呼べるかどうかも怪しいこれを着替えたいですし。

私のヴァンパイアとしての変化は見た目だけのようですね。
突然吸血衝動に駆られる、と言うことは無さそうです。
精神面が乱れていると精霊を上手く扱えないので、とりあえずは安心ですね。
バグプロトコルの血を取り込むと体内からバグに侵されそうな感じがするので何となく嫌、と言うのもありますけど…

とりあえずUCフライングフェアリーであの槍の無力化を狙いましょうか。
周囲は雪原…多く居るのは水の精霊。
ここは水の精霊の力を借りて属性攻撃で攻めて行きますよ。



「あーもう、僕の完璧な作戦がぁ!」
 頭に付いたウサ耳を両手で掴み、頬っぺたにくっつけて出した印旛院・ラビニア(人権焼却されたと思ったらイキりウサギに転生した件・f42058)の声には悔しさが滲んでいる。
 その姿はさらしに袴と言うバグに侵されたけしからん恰好であり、全てはユーベルコードで生み出した部下に押し付けようとして失敗したが故の結果であった。
「うー……でも、部下達みたいに褌姿にされるよりはマシだったかな?」
 今は事情があり女性のキャラクターの姿になっているが、元は男。とはいえ、流石に褌は無いかな?等と思い、やっぱり褌はないよね等と思うラビニア。
 それに呼応するかの様に、ジャラリと鉄と鉄がぶつかり合う音が聞こえる。
「私のヴァンパイアとしての変化は見た目だけ……突然吸血衝動に駆られる、と言うことは無さそうですね」
 音の鳴った方に居たのは、バグによって種族に『ヴァンパイア』が追加されてしまい、何か不具合が起こるのではないかと危惧していたミア・アルタージュ(ケットシーの精霊術士・f41672)。
 不安に駆られながらも特に何も無い様子に、ほっ。と、一息ついて胸を撫でおろす。
「精神面が乱れていると精霊を上手く扱えないので、とりあえずは安心ですね」
 何より吸血衝動が出た日には、目の前のバグプロトコルから血を吸わねばならない事になりかねない。
 生まれつきのヴァンパイア系の種族であるとか、その様なユーベルコードを持っている者ならばともかく。バグによって偶々変化させられた種族による衝動で、その様な事をすれば、どうなるか予想も付かない。
 それだけは嫌だったのだが、どうやら杞憂に終わりそうである。――とは言えである。
「……さっさとこの服……と呼べるかどうかも怪しいこれを着替えたいですし」
 今ミアが着ている物は、所詮鎖と鎖が繋がり、隠す所だけを隠したような、服と呼ぶには余りにも拙い物。
 さっさと脱ぐには、このイベントをクリアする他に道が無い。
「何度も倒された所を更に倒す、と言うのは申し訳ないですが。行かせていただきますね」
「ぬかせ!貴様もこうなると知ってここまで来た不埒者であろうが!!」
 ある意味ではその言葉は正しく、例えどんな理由であろうとリンドヴルムにとって目の前の猟兵は、自らが周回される原因となった一つである服を身に着けて目の前に来た憎き相手でしかない。
「でもさー!周回の標的にされて、嵌め殺しバグを放置していた運営側に文句を言うのはわかるけど、プレイヤー側に文句言うのはお門違いじゃない!?ほんとその説はお世話になりました!」
「貴様も私を虚仮にした一人か!死をもって償うがいい!」
「いや、お世話になったキャラのデータはバグプロトコルに倒された時に消され……うん、聞いてないよね!!」
 此れもまたラビニアの言葉も正しいのだが。
 元は聖なる槍だったブリューナクを死神の大鎌の如く変形させ、怒りに満ちた形相で向かってくる姿を見れば、此方の話を聞く気が無いのは一目瞭然であるとラビニアはニンジンに変化した銃を構えて。
「でも、あー、思い出したらむかっ腹が立って来た!」
 恨みの話で言うならば、ラビニアの方もバグプロトコルに思う所がある。
「君は関係ないけどさぁ。周回に使った時間や努力を消された恨み、此処で晴らさせてもらうよ!!」
 一体何処に指をかけているのか自分でも分からないが、何故かここを引けばいいような気がした所を指で引くと、ニンジンの先から無数の弾丸が飛び出しリンドヴルムへと襲い掛かる。
「あ、本当に撃てた。絵面はカオスだけどさ」
「ぐっ、ふざけた真似を!」
「こんな事になったのも、このイベントを乗っ取った君のせいだからね!」
 大鎌を振り回し弾丸を弾き飛ばし、更に憎悪を向けてラビニアを睨むリンドブルム。
「風の精霊よ」
 だからこそ、見落とす者がある。
「大気を逆巻け!」
 ミアの言葉に従い呼び出された風の精霊が、リンドブルムの周りに飛び交い、大気に渦を作り、風の監獄の中へと閉じ込めんとする。
「させるか!」
 意図に気が付き、風の精霊へと切りかかるリンドブルム。
「させないよ!!」
 その手にラビニアのニンジンから放たれた銃弾が命中し、弾かれた大鎌が回転しながら宙へと舞う。
「おのれ、またしても!」
「水の精霊よ、風に従って!!」
 遮るものが無くなった風は竜巻へと変貌し、更にミアの呼びかけに水の精霊が応え、竜巻に身を任せる巻かれてゆく。
「身体が、凍る!?」
 そうして彩られたのは氷雪地獄。
 風と雪に身を任せる事しか出来なくなったリンドブルムは、吹雪の竜巻が止むまでその身を凍てつかせる事になったのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
恨む理由はあるんだろうけど、さすがに放っておくわけにもいかないからねえ。
悪いけど止めさせてもらうよ。
……ところで、その服は昔からそうだったの?

さて、バグった姿も幸いなことにあたしにとっては扱いやすい形だし戦うのに不便は無し。
なんなら蜘蛛の糸は普段から出糸突起から出して使ってるしね。
相手のデバフと状態異常は範囲があるなら一旦後ろに退いて回避しつつ、
装備の糸を使って罠を仕掛けて相手が近寄って来たら捕まえられるようにしようか。
相手を捕まえたらそのまま【縛索豪振】で思いっきり振り回して地面に叩きつけるよ。

……相手を縛った時の糸の巻き付き方がけしからん感じなのは仕様なのかねえ。


クリスタ・ドラグストーン
ぬわー!?盾でなくなるといくつかの|スキル《ユーベルコード》がぁ!?
しかし『|守護の重盾《ヘヴィガード》』の体裁を保ったのは幸いじゃった…
ええい!このままではいかん、ゆくのじゃ!

他にもバグと化した元同族が居ったのか!?
明日は我が身かもしれぬと考えると、やはりどうにかせぬとな…
いや、今のわしは正しく?バグっておるのじゃが
気を取り直して、まぁ基本的にた…トレイで受けて"カウンター"を叩き込むいつどうりの形じゃな
他にも猟兵が居るのなら積極的に"かばう"のじゃ
連続攻撃であっても『クイックインパクト』を差し込んで反撃じゃぞ!
…ううむ、一番有効そうなスキルが封じられておるのが辛い…

※協力・アドリブ歓迎



 ――それは、些細な勘違いから始まった事だった。
「恨む理由はあるんだろうけど、さすがに放っておくわけにもいかないからねえ」
 何であれ、一般人に手を出すことは許されない事だ。と、人の部位を残した上半身に体操服を着た蜘蛛の下半身を持つ『アラクネ』の姿を器用に動かしてペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード(混沌獣・f07620)はバグプロトコルの前に立つ。
「悪いけど止めさせてもらうよ……ところで、その服は昔からそうだったの?」
「黙れ!……ぐっ」
 ペトニアロトゥシカの言葉を煽りと受け取った様で、怒りに身を震わせ攻撃しようとするリンドブルムだが、ダメージを受けた体がそれを許さない。
 真実はどうであるかは分からないが、否定しない辺りそうだったのかもしれない、と。少し悪い事を聞いてしまったかもしれないと頭を掻いたペトニアロトゥシカの耳に、驚いた声が聞こえてくる。
「なんと、他にもバグと化した元同族がおったとは!?」
 目の前に要るバグプロトコルの姿を見て、驚きに満ちた声を上げたのはクリスタ・ドラグストーン(守護の重盾ヘヴィガード・f41850)だ。
「明日は我が身かもしれぬと考えると、やはりどうにかせぬとな……いや、今のわしは正しく?バグっておるのじゃが」
 一体何を言っているのだ?と言われかねないクリスタの言葉だが。
 今の彼女の姿はバグに侵された結果、巨大なタワーシールドのアイテム属性を皿やコップを乗せるトレイに変更され。
 種族を邪悪なドラゴンゾンビの姿に変えられ。
 その上でジョブを『喫茶店店員』なる物にさせられ。
 更に服をギリギリまで出す所を出した、違法的なメイドらしきけしからん服を着せられている。
 それでも、だ。クリスタの心構えは、今でも人々を守るドラゴンプロトコルの一人であり、重騎士である。
 だからこそ、元ドラゴンプロトコルたるバグプロトコルに対して、言いたい事が彼女にはあったのだ。
「……貴様、何を言っている?」
 そう。だからこそクリスタに誤解があるとすれば、だ。
「私の他にバグプロトコルの同族がいると?」
 まさしく、目の前のバグプロトコルがこの事件を引き起こした張本人であるバグと化した元同族だという事であった。
「えっ?……まさか、おぬしが」
「そうかそうか。そうであろうな。この有様では説得力が無いよなぁ」
 自虐気味に自らの惨状を語るリンドブルムを言葉通り、彼女は何時倒れてもおかしくない程のダメージを受けている。
 だからこそ、クリスタの言葉に含みがあると思ってしまったのであろう。
「その侮辱、素直に受け取ろうではないか。だが、その言葉の代償は必ず払わせてくれる!!」
 折れそうな足に怒りを込めて。壊れそうな体に恨みを込めて。
 最後の戦いを始めるべく、バグプロトコル『リンドブルム』は魔槍ブリューナクを手に猟兵達へと突貫するのであった。

「ま、待て!違うのじゃ!」
 慌てて盾を構え、槍の攻撃をいなすクリスタ。
 自分の勘違いが、彼女の誇りを傷つけた事は間違いなく、まだ言いたい事があるのだと弁明しようとするが。
「くどい!!」
 最早聞く耳持たぬとリンドブルムの攻撃は止む所を知らず、次第に盾を持つクリスタの手が、衝撃に耐えられず痺れが奔り始める。
 そして、回り込んだリンドブルムの一撃がクリスタを捉えんとして。
「おっと、させないよー」
 バグに侵されたが故に生み出せるようになった蜘蛛の糸を束ねてクリスタへと巻き付け、ペトニアロトゥシカは力任せに引き寄せる事で難を逃れる。
「す、済まぬ……」
「言いたい事があるのは、良いけどさ」
 礼を言うクリスタに、のんびりとした口調で。
「生き残らなきゃ、言いたい事も言えなくなるよ」
 しかしながら冷酷に此処が戦いの場である事をペトニアロトゥシカは告げると、リンドブルムを討つべく前へと進む。
「バグった姿も幸いなことにあたしにとっては扱いやすい形だし戦うのに不便は無し。蜘蛛の糸は普段から出糸突起から出して使ってる」
 その言葉通りペトニアロトゥシカの意図の使い方はこなれた物で、周囲に有る木に糸を巻き付けて巻き取り、高速で移動しながらリンドブルムを翻弄するべく動いている。
「うん、戦い方に問題はないねー」
「おのれ、ちょこまかと!」
 このままではらちが明かないと、自信を中心に紫色をした毒々しいフィールドを広げるリンドブルム。
 それを見て、ペトニアロトゥシカは木の天辺に向けて糸を履き、それを巻き付けて後ろへと下がる。
「のが、すかぁ!!」
 最早執念と言うべき物で身体を動かし、空に跳んだリンドブルムがペトニアロトゥシカに槍を向けて。
「ええい!させぬのじゃ!!」
 もう一度闘志を奮い立たせ、バグに侵されているが故に行動が制限されながらも。
 自らの本懐を遂げるべく、見た目と強度は兎も角、種別としてはトレイと化している大盾で、クリスタは二人の間へと割り込んだ。
「おのれ!邪魔をするな!!」
「嫌じゃ!決めたのじゃ、おぬしはわしが止める!そして話を聞いてもらうぞ!!」
「そうだねー。そろそろおとなしくしてもらおうかー」
 決死の一撃をクリスタに防がれて、空中で体勢を崩したリンドブルム。
 その体に、ペトニアロトゥシカが編み込んだ糸が絡みつく。
 ただ。その縛り方はどうにも、何故か煽情的な物へとなってしまい。
「……縛った時の糸の巻き付き方がけしからん感じなのは仕様なのかねぇ」
 自分でもどうしてかわからず首を傾げるペトニアロトゥシカ。
 それでも、間違いなく。
「捕まえたよ」
 一度、思い切り下へと振って。時計の針が逆に回る様に回転させて、リンドブルムを地面へと叩きつける。
「がっ、あ!」
 勢いに耐えきれず、固い地面で一度身体をバウンドさせるリンドブルム。
 その姿を悲しげに見ていたクリスタの背中をペトニアロトゥシカの言葉が押す。
「決着、付けてきなよ」
 その後何を言おうと自由なのだから、と。
「……うむ!」
 それは飛翔の術を持たずに跳躍したからではあるが。クリスタの身体は、どんどんと地面へと吸い寄せられていき。
「覚悟するのじゃ!!」
 重力と重量の二つの力を受けた大盾は、上空からリンドブルムを大地へと押し付けたのであった。

 果たしてクリスタが思いを伝えられたかの是非については、また語る事があるかもしれない。
 今わかるのは、間違いなく猟兵達はこの世界の一般人達を大いなる危機から守り抜いたという事実だけである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 集団戦 『兎詐欺の鍛治師達』

POW   :    |成功するまで鍛えてあげる《絶対成功しないけど》
【装備弱体、破壊効果のあるハンマー 】を【付与された必中効果】で加速し攻撃する。装甲で防がれた場合、装甲を破壊し本体に命中するまで攻撃を継続する。
SPD   :    |特殊効果を付与してあげよう《弱体効果だけどね》
【相手の装備や肉体 】からレベル×1個の【様々な種類の弱体化バグ(累積可能)】を召喚する。[様々な種類の弱体化バグ(累積可能)]に触れた対象は【装備や心身】の状態異常を受ける。
WIZ   :    |神は細部に宿る《疫病神だけどね》
【装備や体が勝手に動くバグ(レベル×1個)】が命中した部位にレベル×1個の【命中数に比例して被害がひどくなるバグ】を刻み、その部位の使用と回復が困難な状態にする。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


※マスターより
 差し出がましいかもしれませんが、ノベルのシステムを使えば今回のシナリオの内容に、補完したい内容の追加を入れる事が出来ると思います。
 料金は掛かりますが、ご検討いただければと。

 途中参加者様でもバグを受けて、けしからん服を装備しているという判定で進めます。

「やーってられるかウサァァーー!!」
 とある雪原の一角にて。ウサギの獣人の鍛冶屋といった出で立ちのバグプロトコルの集団は、不貞腐れた声を上げていた。
「けしからん服を沢山見れるぜ!うひょひょい!!ってやって来たのに、どうしてこんな何もない所に飛ばされないと行けないウサぁ!!」
 何故か?と言われれば、その邪な欲望ありきでリンドブルムの元へと来てしまった不運としか言いようがないが、兎も角。
 その様な巡り合わせを経て、欲望丸出しのバグプロトコル達はバグ化とけしからん服化を起こさないモンスターしかいないエリアへと飛ばされてしまい、そんな所でやる気が出る訳が無く、こうして雪原の中で不満タラタラにボイコットであるとかシエスタ等を決め込んでいたのであった。
「あー、なんかいい事無いかウサー」
「ボク達、何もしてない善良なウサギ獣人の鍛冶屋ウサー」
「そうウサー。ちょーっと、武器や防具をあれこれするだけウサー」
「バグプロトコルの本能が働け、世界を破滅させろとか言ってる気がしてるけど知らんウサ。働きたくないでござるウサ」
「でも、このままじっとしてても、どうにもならないウサねー」
 口々に出てくる不満に不満の雨霰に嵐。とはいえ、このまま放っておけば全く持ってやる気はないけど一応仕事だけしてから帰るかー。等といった事も起こり得る。
 そうなれば、一般人に被害が出る可能性も無きにしも非ずという訳なのだ。
「あー……向こうからけしからん服を着た美女でもやってこないかウサねー」
 その様な、怠惰で堕落に満ちた欲望ただ洩れの言葉を誰かが発した、その時であった。
「大変ウサ!猟兵が来たウサー!!」
 仲間達に猟兵が来た事を伝える一匹のバグプロトコルが、慌てた様子でやって来たのである。
「あー、来ちゃったかウサか」
「まあ来るよなーウサ」
「来ちゃったならしょうがないウサねー。勝てる気しないし、やるだけ嫌がらせをしたら骸の海に帰るウサ」
「そんな事言ってる場合じゃないウサ!!」
 それは当然だろう。何せバグプロトコルの宿敵たる猟兵が来たのだから――。
「猟兵達がぐへへ!でうへへ。な、けしからん服でやって来るウサ!!」
「俄然やる気が湧いてきたウサ」
「嘘だったらお前を○すウサ」
「何だって良い!堪能するチャンスウサ!!」
「神は居たウサ!祈りが通じたウサァー!!」
「皆、ガッツを決めろウサ!絶対堪能するまで死ぬんじゃないウサよー!!」
 ……バグプロトコルの本能を凌駕する欲望とは一体何なのかとは思うが、まあともかくとして。
 この調子であれば、満足するまでけしからん服やら猟兵達の姿を堪能すれば勝手に骸の海に帰るだろう。寧ろこの意気では、下手に攻撃すると手痛い反撃を貰う事に成るかもしれない。
 せっかくなら感想を聞いてみるのも良いかもしれない。欲望ただ洩れの答えにはなるが、誠実に答える筈だ。
 他にもやりたい事があれば、やってみるのも良い。服を脱ぐだとか、そう言った事以外であれば、わりかし応えてくれるだろう。

 気楽に接して、満足させればいいだけの戦いであるが、油断だけはしない様に。
 こんな事になっているが、この世界に住む一般人を色んな意味で守る為の最後の戦いなのだから。
クリスタ・ドラグストーン
い、言えぬ…件の敵は最後に出て来るものと思っていたので、先程の者は別の者だと思っていたなどと…!
つまり、言うタイミングを失ってしもうたなどとは…!
AIなのじゃがらそれぐらい修正せい、と言いたかっただけなどと…!
……ぬわぁぁぁぁぁぁ!もうヤケなのじゃああああああ!!

ふーはっはっはっ!今のわしは正しく生者を羨み、妬む炎を濁った赤黒さで瞳に宿したドラゴンゾンビ!
わしの前に出るならば、八つ当たりの対象としてくれるのじゃ!
「|守護の重盾《ヘヴィガード》」が破壊される前に積極的に敵に対して『|ブレイクインパクト《守護の重盾でぶっ叩く》』!
…そう思わんとやってられんのじゃ!

※協力・アドリブ歓迎
面白い方向期待


ルナ・キャロット
ケモ度が足りませんー!(ドロップキック過激派ケモナー兎)
ご、ごめんなさい。聞き耳で色々聞こえちゃって反射的に…。

……思わず謝っちゃったけど敵ですね。
でもなんかエロ兎っぽいことも言ってたし、もしかしたらチヤホヤしてくれるかもしれません!一旦様子見です!

感想で褒められたら露骨にニヤけて素が出る兎
調子にも乗っちゃいます!頼まれたらポーズ取ったり関節技かけたり鞭を使ったり……ちょっと恥ずかしいですが。チヤホヤされるのは嬉しいですぐへへ…。
なんでも歓迎なご満悦兎


ミア・アルタージュ
…本当に見るだけで良いのですか?
一応念のため…UC時の精霊の啓示で時の精霊の力を借りて攻撃には備えておきますが。
本当に攻撃してくる未来が見えませんね。
ただ、すごく恥ずかしい感想を言われる未来が見えたような気がしましたが。

ええ、別に見たければ見ても構いませんが…そもそもこれは服なのでしょうか?
実はパーツが不足しているのでは、と疑っているのですが…
あ、いえ。感想は結構です、何を言われるか既に把握しておりますので。
…って言わなくても良いって言ったじゃないですか。
だから、けもせーふって何ですか!
ケットシーでも恥じらいくらいはありますよ。
それに、あなた方。明らかに視線が下に向かってますよね?


ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
なんかすごく既視感のある連中だなあ。
こういうのってどの世界にも居るのかねえ。

さて、別に見られて困るような格好してるわけじゃないし、
それで大人しくなるんだったら好きなだけ見てればいいと思うけど。
しかしまあ、蜘蛛になってる下半身はともかく大して肌が出ているわけでもないだろうに、
そんなに見てて嬉しいものかい?

さすがに抱き着いてこられると邪魔くさいから引っぺがして、
【飛衝放撃】で空のかなたにぶん投げるよ。
……いや、そんな一列に並んで順番待ちされても困るんだけど。
まあ、いい加減終わらせたかったしもうそれでいいや。

はあ、普通に戦った方が早かったかなあ。



 猟兵達が訪れた、アレなモンスター達が居ない雪原の一角にて。
 縦に切った丸太の切り口を上にして、横に切った丸太を二つ付けて足にした即席のテーブルが並ぶ野外バーが存在していた。
 足よりも低い高さの丸太を椅子にして、心傷ついた者達が集うそのバーの名を「フォーエバー兎詐欺」
 知る人ぞ知る心のオアシスである。
「ぬわぁぁぁぁぁぁ!もうヤケなのじゃああああああ!!」
 勿論、そんな店などある訳はないのだが。それはそれとして即席の机の上では、ドラゴンゾンビと化した生気の感じない目から大粒の涙を流しながら、顔をテーブルに突っ伏すクリスタ・ドラグストーン(|守護の重盾 《ヘヴィガード》・f41850)の姿があった。
「……お客さん。荒れてるウサね。何があったか話せば楽になるかもウサよ」
「ぐず……い、言えぬのじゃ」
 嘆きの叫びは轟雷が如く。その様子を見ていたバグプロトコルの一人がバーのマスター風の恰好をして、面白半分にクリスタから何があったか聞き出そうとしていた。
「うーむ、大分お口チャックウサねー」
「言えぬのじゃぁー……件の敵は最後に出て来るものと思っていたので、先程の者は別の者だと思っていたなどと……!」
「いや結構ガバガバウサよ!」
「つまり、言うタイミングを失ってしもうたなどとは……AIなのじゃがらそれぐらい修正せい、と言いたかっただけなどと……そんな事いえる訳なのじゃぁあああああ!!!」
「うーん、完全に場酔いが入ってるウサねー。良い傾向ウサ」
 この様に心の内を叫びながら、コップに注がれた液体をブビリと一気に流し込むクリスタさん。
 ちなみに出している飲み物は、そこら辺の雪を溶かしてコップに注いだゲームデータ100%のただの水である。でも普通の人間は現実でマネしちゃだめだぞ汚いから。何か事情があって飲むにしても、せめて煮沸消毒位はしよう。
「まあそんな事もあるウサよ」
「間違いは誰にだってあるウサよ」
「寧ろもっと致命的な事を言い忘れたのかと心配したウサよ……ボクは何を言ってるウサ?」
「マスター、あの子に驕ってやってくれないかウサ」
「承りましたウサ。此方水のお代わりですウサ。彼方のお客様からウサ」
「ありがとうなのじゃぁぁ……」
 そんなこんなで、いつの間にか集まったウサギさん達に囲まれ慰める事となったクリスタだが、彼女の姿をまじまじと視ている視線や言葉に気が付かなかったのはある意味仕方ない事なのだろう。
「で、ドラゴンゾンビメイド服(ではない)ってどうウサ?」
「捻くれ度合いが感じるウサねー。なんていうか絶対王道に走らないって強い意志を感じるバグ化ウサ」
「だが気に入ったウサ!70点は固いウサね!」
「某、クラシックなメイド服至上主義者ウサ。こんな露出最優先のメイド服をメイド服と呼べんウサ」
「甘いぞボクと同じ姿をした奴ウサ!時代はモダンウサ!それにこれは、そう言う感じの喫茶店風の衣装であってメイド服ではないウサ!なのでセーフウサ!」
「リバースカードでトラップ発動ウサ!フィールドにいるカードの種族を変更ウサ!」
「な!?ぼ、ボクのドラゴン達がゾンビにウサ!!」
 この様に、言いたい事を言いたい放題の兎さん達。
 そんな彼等へ。
「ケモ度が足りませんー!」
 突然ドロップキックが襲い掛かる等と、誰が予想できたであろうか。

「うぎゃーウサ!?」
「突然の二回攻撃ならぬ、二本足攻撃ウサ!」
「はっ!?ご、ごめんなさい。つい聞き耳で色々聞こえちゃって反射的に」
「ふ、問題ないウサ。ボクは殴られてない訳だし、そんな事もある日もあるウサ。許すウサ」
「待つウサ!殴りじゃなくて蹴りウサ!それに蹴られたボクの意見はどうなるウサ!?」
「……いや待ってください。思わず謝っちゃったけど敵ですね。兎獣人名乗るなら、もっとモフモフ度合いを高めろぉー!!」
「ギャース!?突然のラリアットぉ!?」
 突然プロレス技を駆使してバグプロトコル達へと殴り掛かったのはルナ・キャロット(†月光の聖剣士†・f41791)である。
 理由は当然、兎獣人を名乗るバグプロトコル達のケモ度合いの不足である。ケモナー過激派主義のルナにとっては、耳と尻尾ではケモ度が足りないのは当然の事であった。過激派、怖いなぁ。
「ま、待つウサ!暴力は何も生まないウサ!」
「そうウサ、ドスケベプロレスコスの猟兵ちゃん!先ずは拳を引っ込めてほしいウサ!」
「あ、分かります?この衣装良いですよね……えへへ」
「あれもしかして割とチョロいウサ?」
 そして、それはそれとして。ルナは褒められてチヤホヤされるのが大好きであった。
「これはもう、この路線で押すしかないウサ!」
「イエッサーウサ!ブラとパンツはピチっとしていて、ムニムニ感強調ウサ!」
「それでいて衣装の入ったふわっとしたスカート風の衣装を腰に纏うのがカッコイイウサねー」
「締める所を締めて、開く所を開く!このバランスがスケベで最高ウサ!」
「そ、そこまで褒められると……えへへ」
 こうして誕生したのが、顔を赤くして恥ずかしがりながらも、なんやかんやと感想を言われる事が嬉しくて、頭を掻きながらにやけてしまうルナであった。
 言われている事は中々酷いのでは?とは思うが、まあ本人が幸せならOKでしょう。
「へーい、猟兵ちゃーん!名前なんていうウサ?」
「え?あ、はい。ルナです」
「可愛い名前ウサ!ルナちゃーん、ポーズ取ってウサ!ボディが良く見えるポーズウサ!」
「えーっと……こう。で、どうです?」
 だから、こんな感じに悪そうな笑みと共に前かがみになって挑発的なポーズを取ってしまったり。
「関節技をお願いするウサ!腕をグイっていっちゃってくれウサ!」
「んー、こうですかねー?」
「あだだ!?ありがとうございますウサァ!!あ、出来ればこう、その全身のモフモフを押し付ける感じでウサ!」
「あ、分かってきました。こうですね」
「ズルいウサ!じゃあボクにはあれウサ!顔を足で挟んで投げる奴お願いしますウサ!」
「幸せ投げって奴ですね!えへへ、良いですよー!」
 つい頼み事を聞いて関節技や投げ技を言われるままに掛けてしまったり。
「お嬢さん……その鞭で愛を刻み込んで欲しいウサ」
「え。痛いですよ?」
「構わないウサ!ボクに一生消えない傷をくれウサ!」
「じゃあ遠慮せず……やります!」
 どう聞いても色々とハードな要求な要求にも応えてしまったりもするのである。
 しかしながら、これで満足して骸の海へと還っていくバグプロトコルも居るので問題はないのでしょう多分。

「いえ、どう考えても問題だらけでしょう!?何ですかこの状況は!」
 なんという事でしょう。誰も彼もがやりたい放題なこのカオスな状況に、遂にミア・アルタージュ(ケットシーの精霊術士・f41672)の鋭いツッコミが入ったのである。
「時の精霊の力を借りて攻撃してくる未来は無いと予知して居ましたが、こんな事になってるなんて……」
「お客さんー、此処は初めてウサか?力抜くウサよ」
「こうなった以上誰にも止められないウサよ、かっぱ何某ウサよ」
「……なんだか、頭が痛くなってきました」
 思わず頭痛がして頭に手を添えるミア。そんな彼女をバグプロトコルのウサギ達は、まじまじと。そしてにやにやした顔で見つめていた。
「言わなくていいですよ」
「いやまだ何も言ってないウサ!?」
「だって見えましたから。何を言われるか既に把握しておりますので、感想は結構です」
 そう。ミアのユーベルコードは時の精霊の啓示を受ける事が出来る。それによって未来を予知する事で相手の攻撃を回避する事が出来るのだ。
「そんなーウサ」
「せっかく色々考えてたのにウサ」
「ぐへへ、鎖しか纏わないなんて随分と良い恰好してるなウサ。だとか、そんな物みせられちゃあ、見ない方が逆に失礼だぜウサ!とか言いたかったのに」
「本当ですよ。実はパーツが不足しているのでは、と疑っているのですが……って!って言わなくても良いって言ったじゃないですか!?」
 それはそれとして。相手の攻撃を阻止出来る訳では無いので、バグプロトコルが感想を言う事を阻止できるわけではないのだ。
「ああもう……すごく恥ずかしい感想を言われる未来が見えたから聞きたくなかったのに」
「そんなこと言ってー。ホントはちょっとは気に入ってるんじゃないウサ」
「ずっとジャラジャラ鳴ってる音が、ちょっと心地よくなってるとかするんじゃないかウサァ?」
「ちょっとしたペット扱いウサ!人権ならぬケットシー権の放棄ウサ!」
「変態!!」
「ありがとうございますウサ!!」
 顔を真っ赤にして目じりに涙を浮かべて、思わず蹴り飛ばしてしまったミアが、むしろ逆にお礼を言われて骸の海に還って往くバグプロトコル。
 確かに攻撃はしてこない。が、恥ずかしさのあまりどうしていいか分からなくなっているのも事実であり、何方かといえば間違いなくバグプロトコル達はそういう態度を好むタイプであったのが運の尽きかもしれない。
「ヴァンパイアと猫の牙の鋭さが良いウサ!」
「鎖にがんじがらめで、封印されてる感が良いウサ!」
「でも露出がおすぎて、BAN物ウサ?」
「なぁに、獣は毛皮があるウサ!ケモセーフウサ!」
「だから、けもせーふって何ですか!ケットシーでも恥じらいくらいはありますよ!!それにさっきから何ですか?目線が下に下がってません!?」
「そりゃあ当然、出てる所を見てるだけウサー?」
「そうウサー。可愛い尻尾ウサねー?」
「一体何を想像していたウサかねー?」
 ああ言えばこう言うとは、まさにこの事。
 すっかり疲れ切ってしまったミアは、その場に座り込んでしまう。
「もうやだぁ……」
 目じりに浮かんでいた涙は頬を伝い、自分でも一体何をしているのか分からないまま、地面に積もった雪をバグプロトコルへと投げつけるミアを見て。
「あー、えっと。御免ウサ。やり過ぎたウサ」
「あのー、スケベを楽しみにしただけで、泣いてるのはちょっと楽しめないウサ」
「え、泣いてる女の子ってかわいくないウサ?」
「今お前はちょっとだけ黙るウサ!」
 流石にまずいと思ったのか、シュンとし始めるバグプロトコル達。
「私だってぇ……こんな恥ずかしい物、着たくて着てる訳じゃないのにぃ……」
「ふむ恥ずかしい物……閃いたウサ」
「通報するウサ」
「今は真面目な話をしているウサ!ボク等のユーベルコードの応用ウサ。あの鎖に恥ずかしさ耐性付けてあげるウサ!」
「……えっ?」
 思わずミアの耳に入った言葉に何を言っているのだという表情になる。
 先程の予知では攻撃してくる未来は見えなかった。だから、相手がユーベルコードで攻撃してくる筈がないのだが。
「成程ウサー。それなら恥ずかしく無くなるウサね!」
「天才は居るウサね。悔しいけどウサ」
「いや待ってください。攻撃しない筈です貴方達は!」
「攻撃じゃないウサー、ちょっとしたお詫びのバフウサー」
「そうウサよー。今でもバグ塗れなのだから、ちょっとぐらい有益なバグが増えても問題ないウサ」
「それに有用なバグは仕様って言うウサ!!」
 本人達が攻撃じゃないと言っているのだからそうなのだろうが、兎も角として。
 バグプロトコル達の新たなる思いつきの前に、「いや、ちょっと」と、後さずるミアだが、彼らがミアを逃すはずがない。
「ちょっとお鎖に触りますよウサ!」
「この実験が成功すればキミの恥ずかしさ耐性は倍になるウサ!」
「いや、元が0なら倍にしても0ウサ!」
「何だって良いウサ!バグでコネコネ猫チャンスウサ!!」
「良いです!良いですから、やーめーてーくーだーさーいー!?」
 ウサギ達に囲まれてしまったミアは、わきわきと動かすウサギ達の手によって優しくバグを鎖の中にこねられて、恥ずかしさ耐性を付けられてしまうのであった。

「見られてる間は大人しくなるんだったら、好きなだけ見てればいいと思うけど……」
 と、この様な様子を全て眺めていたペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード(混沌獣・f07620)であるが。
 勿論。彼女だけが特別見逃されている訳では無く、ペトニアロトゥシカの周りにもバグプロトコルのウサギ達が集まり、バグに侵されたペトニアロトゥシカの体をまじまじと見つめていた。
「なんか、すごく既視感のある連中だなあ」
「うーん、体操服アラクネ……新しいウサ」
「こう、人と動物の融合って、どうして此処まで心引かれるかウサねぇ」
「新感覚ウサ!しかもこの服、自分で縫ってるらしい設定ウサ!」
「そうみたいだねー」
 幾ら襲ってこないという事が分かっているとはいえ、である。
 バグプロトコルに自分の姿を見られるという事は、そうある事ではない。だと言うのに、ペトニアロトゥシカはいつもの調子その物である。
(こういうのってどの世界にも居るのかねえ)
 っと言うのも。彼女にとって、この様な事は初めてではない。この敵とは違うが、同じ様な雰囲気を持つオブリビオンと、既に何度か知り合った事が有るのだ。
「しかしまあ、蜘蛛になってる下半身はともかくだけどさー。大して肌が出ている訳でもない上の方とか、そんなに見てて嬉しいものかい?」
「何言ってるウサ!重要ウサ!」
「衣服は人の文化ウサ!心ウサ!」
「そうウサ!そういう訳で、もっと心を見せてほしいウサ。具体的に言うと、もうちょっと恥ずかしがったりとか」
「いや、別に見られて困るような格好してるわけじゃないし」
「うーん、塩対応ウサ!でもなんだか、心の何処かで嬉しく思ってるボクが居るウサ!」
「奇遇だねー。あたしも似たようなオブリビオンを知ってるんだよねぇ」
 そういった事情もあって、バグプロトコルの言葉を上手くあしらい続けるペトニアロトゥシカ。
「嬉しい事言ってくれるじゃないのウサ」
「そう言う事なら遠慮なく、その蜘蛛の体に乗らせてー、ウサァ!?」
 遂に欲望が抑えきれなくなったのか、バグ化した身体の上に乗ろうとするバグプロトコル。
 だが。それも想定済みとばかりに、抱き着いてきたバグプロトコルの頭をガッシリと腕で掴み、自分の顔の前まで持ってくる。
「あー!?頭蓋骨が割れるウサ!ギブー!ギブウサー!!」
「んー、こういう所も変わんないなぁー」
 鉄球でも投げるかのように思い切り腕を後ろへと持っていき。
「変態ウサギは飛んでけー!」
 勢いよく、力任せに投げ飛ばしたバグプロトコルは、小さな星となって骸の海へと還っていった。
 そして、それが皮切りになったかのだろうか。
「ふふ、ふふふ。ふーはっはっはっ!」
 突然、狂ったように天を見上げてクリスタが笑い始めたのである。
「お、お客様ー?どうしたウサー?」
「今だけは、わしはわしを棄てるのじゃー!」
「おっと、人間をやめる系の奴ウサ!」
「そうじゃ!今のわしは正しく生者を羨み、妬む炎を濁った赤黒さで瞳に宿したドラゴンゾンビ!」
 そう言うなりバグ化して種別がトレイになった|守護の重盾 《ヘヴィガード》を両手に構える。
「だから八つ当たりじゃぁ!!わしの前に出るならばぶん殴るのじゃ!っというか、前に出させてぶん殴るのじゃ!!……そう思わんとやってられんのじゃ!」
「うわぁー!?お客様落ち着いて、落ち着いてウサ!」
「静まり給えウサ!静まり給えーウサ!」
「場に酔って堪り過ぎたストレスを発散する為の暴力措置ウサ!何とかパス指数高めウサ!!」
「ボク達の中に執行官とかそう言う方いらっしゃいませんかウサ!?」
「居る訳無いウサァ!!」
 慌ててクリスタから離れるバグプロトコルに構うことなく、今日だけ闇に堕ちたクリスタの八つ当たりが辺り一面を破壊し始める。
 まさに今日新たな邪竜が誕生した所で。
「……そうですよねー。最初からこうすれば良かったのですよ」
 バグプロトコルが見たのは、表情がストンと抜けたミアの姿だった。
「うわーん!?ケットシーのお姉ちゃん助けてウサ!!」
「同じ獣属性のよしみウサ!」
「はっ、今勘違いしたバグプロトコルを粛清しないといけない予感が!」
「ルナちゃん、ステイウサ。まだ出番じゃないウサ」
「おかげ様でこの格好が恥ずかしくなくなって、漸く分かりました」
 律儀に約束を守ったバグプロトコルの手によって、今この瞬間だけ、ミアを戒めている鎖には恥ずかしさ耐性が付いている。
 そう言う事があり、どんどんと冷静になっていったミアの中にふつふつと、湧いて出てきたのは。
「あ、あのー?お姉ちゃんウサ?」
「嫌な時には嫌って、実力行使を伴わないといけなかったのですね。……雷の精霊よ」
 当然、怒りである。
「あ、待つウサ。えーっと謝るウサ!」
「そうウサ!人類に間違いは付き物ウサ!」
「此処は知性を見せる時ウサ!話せば分かるウサ!!」
 そんな言い訳をするウサギ達だが、当然ミアにしてみれば掛ける様な慈悲はなく。
「問答無用!とっとと、骸の海に還れ変態ウサギ!!」
 彼女の怒りを体現するかのように、辺り一帯に稲妻が奔り天罰とばかりに、バグプロトコル達へ稲妻が降り注いでゆく。
「ギャーまずいウサ!前門のドラゴンゾンビ、後門の怒髪天ケットシーヴァンパイアウサ!!」
「誰ウサあんなになるまで揶揄った奴ウサ!」
「知らないウサ!兎に角逃げるウサよ!ウサギだけに!!」
「誰が上手い事――ギャアアアウサ!?」
「一人、雷にやられたウサァー!!」
 こうなれば最早、彼等にセクハラであるとか見て楽しむような余裕はない。
「こうなったら――ルナちゃんー!!」
「僕らを、優しく骸の海へと送って欲しいウサー!!」
 追い詰められたバグプロトコルの中にあるのは、いかに楽に骸の海へと還れるかという考えだけである。
「え、あ、はい。じゃあ、投げます?」
「あ、天使ウサ」
「切腹の時の介錯だとか、処刑人が此処まで優しい存在だとは思わなかったウサ」
「いやその……チヤホヤしてくれましたし……ぐへへ」
「心の友ウサァ!同士ウサァ!!」
「その優しさに全ボクが泣いたウサ!!」
 まあ本当に友情を育んでいたのかはともかくとして、ルナのプロレス技や鞭によって骸の海へと還ってゆくバグプロトコル。
 それとは別に、ペトニアロトゥシカの方でもバグプロトコルが一列に並び、彼女に投げ飛ばされる為の準備をしていた。
「ちょっと押すなウサ!ボクが先に投げられるウサ!」
「そっちこそ押すなウサ!」
「ちょっと、何処触ってるウサ!ヤローに触られる趣味はないウサ!」
「……いや、そんな一列に並んで順番待ちされても困るんだけど」
「そう言わずにお願いしますウサ!ボクとキミとの仲ウサ!!」
「雷や盾よりマシウサ!むしろ女の子に触られて還れるとか最高ウサ!!」
「まあ、いい加減終わらせたかったしもうそれでいいや。ハイならんで―」
 ペトニアロトゥシカの方としても、そろそろ終わらせたかったのだろう。
 無抵抗に一列に並ぶバグプロトコルをどんどんと掴み、次々に空へと放り投げて、彼等を骸の海へと還してゆく事に。
「はあ、なんていうか。普通に戦った方が早かったかなあ」

 そう呟いたペトニアロトゥシカの言葉は、もしかすればそうなったかもしれないし、心の傷を負った物もいるだろう。
 しかし、此方の様に楽に勝てたかどうかについては定かではない。だからこそ、結果だけを此処に記そうと思う。
 猟兵達はバグプロトコルとの戦いに勝利した。そして彼等を蝕んでいたバグ化やけしからん服も取り除くことができ、またいつも通り再び戦いの日々が訪れる。
 そして何より。彼等は間違いなく、この世界の小さな未来を守ったのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年12月17日


挿絵イラスト