はじまりはモンスター退治から
「一つの世界の中に現実とオンラインゲームの二つがあって、私達は現実の姿でオンラインゲームがプレイ出来て、と?ややこしいことこの上ないなぁ!」
集まった猟兵達の前で眉間に皺を寄せたシーネ・クガハラ(ただいまB級テンペストプレイヤー・f01094)だったが、これ以上はめんどうな事になりそう!とばかりに考えるのをやめると、自らの予知を伝える為に猟兵達の方へと向き直った。
「まあ私達のオブリビオンを倒すっていう、やる事自体は変わらないしね?そんな訳で、討伐クエストに混ざってプレイヤー達の遺伝子番号を奪い取ろうとするオブリビオンを倒すのが今回の目的なのよー」
この討伐クエストの目的は単純明快。多数のモンスターをひたすらに倒すだけの単純な物だ。それ故に、経験を積みたい初心者からレアアイテムを狙う廃人にまで幅広く愛されており、多種多様なプレイヤーが集まっている。
それを利用して、オブリビオン達がモンスターに紛れてゴッドゲームオンラインに住んでいるプレイヤーを倒して遺伝子番号を奪い取ろうとしているのだというのがシーネの予知の内容である。
「だから、やる事自体は単純だよ。この世界に住むプレイヤーがオブリビオンの犠牲になる前に、皆の手で倒していけば一件落着。どんどんオブリビオンを倒していくと、その内隠れているオブリビオンを生み出すオブリビオンが出てくるから、そいつを倒した後は残敵処理って感じかな」
ちなみにオブリビオンを生み出すオブリビオンは、モンスターを多数倒した時に現れる隠しモンスターと言う扱いだそうだ。これを倒せば「隠しモンスター撃破」の称号も得られるとの事なので狙ってみるのも良いかもしれない。
と、そこまでシーネが言った所で、それからとさらに話を続ける。
「当然クエストをクリアすると、トリリオンっていう電子通貨がもらえるのだけどさ。これ、ゴッドゲームオンラインの世界ならゲーム内でも現実でも使える通貨がもらえるみたいでね。要らないなら私がもらっていいかな?この世界がどういう形に向かっていくかは分からないけど、備えあれば憂いなしって言うしね?」
統制機構の支配下に置かれたこの世界が、この先どうなるのかは分からない。
だが、よりよい未来を選ぶ為の準備は必要だとおもう。とそこまで話し終えたシーネは、テレポートの準備を整え、猟兵達へと笑顔を向けた。
「よし、まー、こんな感じかな?いう事言ったし、皆頑張ってー。世界をいい方向へ向かう為の第一歩だぞー!」
風狼フー太
うん、そうだね。革命(予定)だね!
閲覧ありがとうございます。初めましての方は初めまして。お久リぶりの方はお久しぶりです。風狼フー太でございます。
プレイングボーナス:一般ゲームプレイヤーの犠牲を抑える。又は、バグプロトコル(オブリビオン)を効率よく排除する。
停滞した現実と夢が広がるゲームの世界が入り乱れる新世界の、初シナリオプレイングボーナスは、全章通してこのようになっております。
このシナリオでは皆様の他に、一般プレイヤーも参加しております。プレイングに記載しない限り描写される事は無いので。RPの幅を広げる為に活用していただいたり、補助的なユーベルコードの打ち所として使っていただければと思います。(記載しなくてもプレイングボーナスに沿った行動をしていれば一般人を助けている物として見なします)
また、クエスト終了後に貰えるトリリオンの扱いについてですが、此方も現時点ではRPの幅を広げる為のフックと捉えて貰って構いません。
また私事で申し訳ございませんが、以前よりも執筆に割ける時間が少なくなっており、プレイングが流れやすくなるかもしれません。その辺りも踏まえた上でご参加いただけるとありがたいです。
長くなりましたが此処までお読みいただきありがとうございます。それでは、夢と希望が過重積載された究極のゲームへようこそ!素敵なプレイングをお待ちしております!
第1章 集団戦
『パルニー』
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POW : とびつく
【とびつき】で近接攻撃する。低威力だが、対象が近接範囲から離脱するまで何度でも連続攻撃できる。
SPD : はねる
【飛び跳ねて】からレベル個の【レアアイテム「パルニーヘアバンド」の偽物】を召喚する。[レアアイテム「パルニーヘアバンド」の偽物]は誰かが触れると爆発し、【火傷】の状態異常を与える。
WIZ : いたずらパルニー
【バグテクスチャ】を纏ってレベル×5km/hで跳び回り、触れた物品や対象の装備を破壊、あるいは使用不能にする。
イラスト:仮名ゆたか
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ティティス・ティファーナ
SPDで判定
*アドリブ歓迎
「仮装空間世界か…防衛対象の安全と敵対象の駆逐と撃滅だな」
『アストラル・エレメント・トランスフォーメーション』Lv数の半分のファンネルをティティスに変型させて残りの半数でファンネルビット/シールドビットを創造して展開し防御を優先しながら駆逐対象に対してリニアロングボウとレーザービームで各個撃破して必要な行動でテレポートによる空間飛翔を行ないつつ、周辺の猟兵などとの連携を取りながら要請や指示には従いながら接触機雷なども駆使して敵の接触を塞ぎながら対応します。
1分先の未来を見ながら情景や情報を周囲にも連絡しながら対応と対策を行ないます。
「外敵駆除は猟兵の役割だ」
例えば今まさにバグプロトコルの魔の手に掛かる寸前のとあるプレイヤーの様に、誰にだって、何であろうと、はじめてと言う瞬間は必ずある。
彼は今しがた登録を済ませたばかりの一人だ。勿論このゲームのシステムに従って登場するモンスターに倒されたからと言って、キャラクターとしての彼に降りかかるペナルティー等、些細な物。
だが、運悪くバグプロトコルに目を付けられてしまった彼の末路は違う。
「く、来るな!!」
その事を予感として感じているのか、持っている剣を必死に振り回してバグプロトコルを近づけまいとするが、それで何かが変わるわけでもなく。
今まさに。バグプロトコルの創り出した、触れると爆発する偽物のレアアイテムによる最後の一撃が初心者プレイヤーの体に触れようとして。
「ルピッ!?」
その間に高速で飛来し割り込んだ光り輝く盾によって防がれ爆発し、何処からともなく撃ち込まれた極細の光線が小さなバグプロトコルの身体を撃ち貫いた。
「仮装空間世界か……防衛対象の安全と敵対象の駆逐と撃滅だな」
何が起こったのか分からず呆気に取られているプレイヤーを尻目に、空に向かって転移を繰り返し状況を把握し整理するティティス・ティファーナ(召喚獣「アストラル・エレメント(幽魔月精)」・f35555)。
その上で彼女が現状をこの様に把握した。即ち、多数の防御手段と攻撃手段が必要であると。
「幽魔月精は機械身体、幽魔月精の機械魂魄。外敵駆除は猟兵の役割だ」
金属の粒子でもある体の一部を、ユーベルコードの力で無数のレーザー射撃の出来る砲台と攻撃を防ぐ盾へと変形させたティティスは、それ等を戦場全体へ配置する。
天に広がった小さな武装の雲は素早く地上へ向けて恵みの雨が如く降り注ぎ、バグプロトコルの攻撃を防ぐ盾として、彼等を撃ち滅ぼす剣として、縦横無尽の働きを見せるのであった。
成功
🔵🔵🔴
トラ・フーテン
※アドリブ歓迎!
「にゃーん?」
「にゃっ!」
「ふにゃあぁ……ぁ」
※全部猫の鳴き声ですが、以下、人間語に翻訳。
何か急にGGOへのアクセスが増えたね。美味しい魚、取り合いが過熱しそうだ。
ま、その方が平和で良いか。
で、駆け出し冒険者向けモンスターが、ねぇ。これじゃビギナーズ"アン"ラッキーだ。
さてUC発動。
敵連中が一般冒険者を襲いそうなら、鉄壁の守りで救助活動に励む。
組合員の理不尽な固さ、ってね。使わない手はないだろ?
ついでに重戦士ならではの超重量細剣で返り討ちだ。エンジン重撃による回復阻害攻撃だね。
……ふむ、ヘアバンドで中々手間取るね。お猫様相手にいい度胸だ。
そのヘアバンドごと徹底破壊してやろうか!
「にゃーん?」
それは誰が見ようと間違いなく猫であった。
首に巻いたリボンの中心に輝くギルドエンブレムを身につけ、エンジンで破壊力を増す細剣を尻尾で器用に操る猫ではあったが、猫は猫である。
「にゃっ!」
勿論、その様な猫を見て不審に思わない方がおかしいという物だ。とばかりに、猫を見つけたバグプロトコルは飛び跳ねると無数の【パルニーヘアバンド】の偽物が空中へと……。
「ふにゃあぁ……ぁ」
……えー、少々お待ちください。
「……ふむ、ヘアバンドで中々手間取るね。お猫様相手にいい度胸だ」
では、謎の猫の行う意思疎通が言語化され分かるようになった所で、改めて状況を説明しよう。
今バグプロトコルを相手取っているトラ・フーテン(にゃーにゃーにゃん☆・f41829)は、恐らく生まれも育ちもゴッドゲームオンラインの猫である。
しかして、その正体は首に付けたエンブレムが示す様に組合員(ギルドスタッフ)であり、世界を破滅へと向かわせるオブリビオンを倒す猟兵の一人……一匹なのだ。
そして今しがた空中へ放った、無数の触れると爆発する【パルニーヘアバンド】の偽物を見て、トラは躊躇なく空中へと身を翻した。
「駆け出し冒険者向けモンスターの中にバグプロトコルが、ねぇ。これじゃビギナーズ"アン"ラッキーだ」
そう口にするトラの後ろには、事情を知らない一般プレイヤー達が居る。この攻撃がプレイヤー達に当たり、運悪く倒されてしまえば待っているのは悲惨な結末。
それを防ぐ為ユーベルコードを使って飛び跳ね、組合員の誇る耐久力を生かし敢えて全ての【パルニーヘアバンド】の偽物の全てに体当たりをかましてゆくトラ。当然、触れた先から次々に爆発が巻き起こるが、そんな物で止まるほど彼の体はヤワではない。
「そのヘアバンドごと徹底破壊してやろうか!」
声と共に尻尾に構えた細剣のエンジン音を轟かせて、空中から急降下を行うトラを見て、再び【パルニーヘアバンド】の偽物を生み出すバグプロトコル。
しかし【パルニーヘアバンド】の偽物は既にトラのユーベルコードの影響下にある。生み出した瞬間、ネジが外れた様にバラバラに砕けた【パルニーヘアバンド】の偽物を部品の雨を抜けたトラは、尻尾の細剣を振るい次々にバグプロトコルを討ち取ってゆく。
「そう言えば、何か急にゲームへのアクセスが増えたね。美味しい魚、取り合いが過熱しそうだ」
粗方バグプロトコルを討ち取った所で、ふとトラの脳裏に思い浮かんだのはここ最近のゲームプレイヤーの増加である。
人が増えれば猫も増える。もしかすれば今まで食べてた美味しいごはんの取り合いになるか?等と思いつつ。
「ま、その方が平和で良いか」
きっと人が増えれば、自分の様な猟兵も増える。そうすればこの世界も平和になるだろうと、そう思う事にするのであった。
大成功
🔵🔵🔵
三斬・恵
バグプロトコルが暴れているみたいだね。
僕……いや、私はGGOだと『三斬・美琴』を名乗らせて貰っているわ。
何しろリアルとアバターの性別が一致するということは。
逆に言えばアバターが女性ならリアルも女性だ、ということになるものね。
ちょうどトリリオンを稼ぎたいとこだったし、レアアイテムの偽物を避けつつ華麗にパルニー狩りと行かせて貰うわ。
この先に参加できるかは分からないけど、バグプロトコルのパルニーを倒しただけでもかなりのトリリオンが稼げるものね。
人助けと実益が両立するなら、それこそ『儲けもの』よ。
「バグプロトコルが暴れているみたいだね」
討伐クエストが始まり多数のモンスターが現れる中で、そう一言口にすると鞘からゆっくりと抜いた日本刀を三斬・恵(下層階級の聖剣士・f41933)は構える。
「ちょうどトリリオンが尽きかけていた所だったし、僕……いや、私も一稼ぎさせて貰うわ」
このゲームで稼いだトリリオンは現実でも扱う事が出来る為、恵はゲームで稼いだトリリオンを現実の生活費へと充てている。
勿論、このゲームの存在を統制機構は認めてはいないが、それでも抑圧された人々は一時の自由を夢見てこのゲームにのめり込み、一時の冒険の日々が、栄誉と名声の果てに手に入れた報酬が、彼等の心と身体に夢を見せている。
そんなプレイヤーの中において数少ないプレイヤーが求めるのは、統制機構を打倒する手がかりと言われる最終クエスト「| 絶界詩篇領域《ゴッドゲーム》」の存在であり、恵もまたその一人。
名を『美琴』と偽り、少しでも身元を隠す為に女性に見える恰好を身に纏い、何時の日か訪れる筈の本当の自由を夢見る。
何方の自由を得るにせよ、この世界の自由の代償は余りにも大きい物で、戦い無くしては得られない物だった。
「それでも人助けと実益が両立するなら、それこそ『儲けもの』よ」
飛び跳ねるバグプロトコルが生み出した触れると爆発する【パルニーヘアバンド】の偽物をすり抜けて、恵が刀を振るう度に一匹、また一匹と数を減らしてゆくバグプロトコル。
「バグプロトコルのパルニーを倒しただけでも、かなりのトリリオンが稼げるものね」
後に残ったのはモンスターとしてのデータであったが故のドロップアイテム。それらをゲーム内インベントリの中へと収納し、切り上げて振るった刀が生み出した衝撃波が、また一匹のバグプロトコルを仕留める。
いつもの日常ながら、これが猟兵となった恵の最初の一歩となるのであった。
成功
🔵🔵🔴
アイ・ノルマレイス
うーん、猟兵とかまだよく解らないけれど、
この世界がどうにかなるのは困るです、丁度利用者も居なくて暇しているし、頑張るですよー
っと、早速お仕事ですよー。最近はボクの支援を欲しがる人も居なくてお肉も貰えずポイントを切らしてたから丁度いいですー
ボク自身はそこまで装備に頼らないから、一般プレイヤーさんの近くのパルニーを優先してUCで攻撃するです、そして得られたポイントで負傷したプレイヤーさんの治療をするですー
ボクを直接狙ってくるパルニーがいる?
んー、じゃあ袖の中の腕を『黒蝕の欠落』に変えて、
包み込むようにぎゅって捕まえて……かわいいですー
かわいいからそのまま食べちゃうですー
※アドリブ歓迎ですー
鴉狼・シオン
*アドリブ&絡み大歓迎
「ふらっと覗きに来たけど…なんか面白そうな所じゃん」
今回は、配信目的で来たわけじゃないから気楽に遊んでいきますか~
このヘアバンドに触れると爆発するのか?めんどくさいの~
まぁ、俺のスピードなら当たることないけどな!それで当たったらダサいから気を引き締めていくかー
『シーブズ・ギャンビット』+「2回攻撃」でさっさと片付けて
囲まれたり他者が爆発するのを防ぐため、「野生の勘」を駆使ながら「ナイフ投げ」で遠距離から攻撃!(一般プレイヤーもお守りできちゃうね☆)
パルニーヘアバンドってレアアイテムなんだよね?
もし本物を入手できたら高く売れるかな?(にやり
「ふらっと覗きに来たけど……なーるほど?」
新しい世界と繋がったという情報を得て早速乗り込んだ鴉狼・シオン(犯罪都市育ちの配信者・f41397)の目の前に広がっていたのは、クエスト開始と共に溢れんばかりのプレイヤーとモンスター達が戦う、まさに何処かで見た事のある様なゲームの世界だった。
「ホントにゲームの世界でなんか面白そうな所じゃん。今回は、配信目的で来たわけじゃないから気楽に遊んでいきますか~」
くるりと宙を回るダガーを手で掴んだシオンは、早速とばかりに戦いの渦の中心へと飛び込むと、猛スピードで走りながら通常のモンスターを蹴散らし、バグプロトコルまで続く道を一直線に進む風となる。
それを見てバグプロトコルは一斉に飛び跳ねると、大きなおもちゃ箱をひっくり返したように雨あられとシオンの頭上から襲い掛かる爆発する【パルニーヘアバンド】の偽物を無数に生み出した。
「このヘアバンドに触れると爆発するのか?めんどくさいの~」
辺り一面に広がってバグプロトコルと関係のないモンスター達にぶつかり爆発を起こす【パルニーヘアバンド】の偽物を前にしても気だるい声を一つ上げるだけで怯まず、寧ろそのスリルを楽しもうと更に速度をあげるシオン。
地雷の如く爆発を免れたヘアバンドを飛び越え、爆風を受けて更に加速。あわや一般のプレイヤーにぶつかりそうなヘアバンドへ持っていたダガーを投げて軌道を逸らし、鞘から引き抜き様に一匹を切り捨てて。
着地と共にその場で回転し、周りに居るバグプロトコルを切り払った所で、肩で息をしながらその場に膝をつく。
「流石にちょっと、無茶しすぎたかの」
スピードを求めて敵の爆発を利用したまでは良かったが、限界を超えた加速はシオンを蝕み、体のあちこちに悲鳴を上げさせていたのだ。
「まぁヘアバンドは全部避けたし、直接当たらなかったからダサくはなかったって事で。それに少し休めば――」
「っと、早速お仕事ですよー。治療をするですー」
暫しの休息さえあれば何とかなる。そう思っていたシオンの体に手を添える者が居た。
彼女の名はアイ・ノルマレイス(知らない記憶、胸に空いた奈落・f41788)。モンスターの肉を与える事で同行し、プレイヤーの戦闘を支援するノンプレイヤーキャラクターの一人だ。
……ではあるが様々な理由から利用者が少ない為、こうして自らモンスターの肉を求めて、そして猟兵としての本能として、何よりこの世界を守る為に討伐クエストに潜むバグプロトコルを戦う為に来た一人であった。
「よう。お前ちゃんは、この世界の猟兵の仲間って奴?」
「うーん、猟兵とかまだよく解らないけれど」
シオンの問い掛けに、アイは儚げな雰囲気を持つ顔を横に傾ける。
「この世界がどうにかなるのは困るです。それに丁度利用者も居なくて暇しているし、頑張るですよー」
「イイじゃん!それで怪我とか直してくれたりするー?」
「はーい。あ、でもポイントが足りないので待ってほしいですー」
ポイント?と首を傾げるシオンの後ろに立ったアイの背中から、突如溢れたのは黒い光だ。
次々に溢れて形を為し、見る物に神聖な気持ちを抱かせる紋様を描き、さりとて傍目から見れば聖なるシンボルを禍々しい物で汚した風にか見えないそれは、輝きを増すと近くに居たバグプロトコルへと禍々しい光の一部を放つ。
不運に、そして憐れにも光に纏わりつかれたバグプロトコルの姿は光の中へと沈んでゆき、再びシンボルの中へと還って行った光はアイの中へ、彼女の力となるDEP(ドレインエネルギーポイント)を貰たしてゆく。
「お恵み感謝ですー。ポイントが溜まったのですー。回復しますねー」
「あー……うん、ありがとうのー」
果たして今起こった事は何なのか?という事については、猟兵とはそういう存在も居るという理屈で気にしない事にする。
シオンの身体に溜まっていた疲労が癒され、効果が確かであればそれでいい。と、考えた所で、ふと気になった事をアイに聞いてみる事に。
「あれは偽物だけどさー。本物のパルニーヘアバンドってレアアイテムなんだよね?高く売れたりする?」
「うーん?そうですねー。多少なりはー?」
「へぇー、イイじゃん」
どれだけの価値か?と言う事までは分からなかったが、少なくともそれなりの額にはなるという事だろうと、口の端をにやりと上げて獰猛な笑みを浮かべる 。
「それじゃー、ちょーっとばかし気合入れて探してみるかな?サンキューだぜ!」
そう言って手の甲を見せて手を振りながら、再びモンスター達の群れの中へと飛び込んだシオンを見送り、ふと周りを見たアイの目に留まったのは一匹のバグプロトコル。
必死の抵抗の表れなのだろう。バグテクスチャを身に纏い、震えてる姿を見て。
「かわいいのですー」
心の底から、そう思ったのだ。
装備に頼らない自分に効果の薄いユーベルコードで抵抗しようとする姿がではなく、例えるならペットショップから買ったばかりのペットを初めて自分の家に連れて帰り、部屋の中に放した時の愛らしい姿に心を奪われた時の様に。
そういう愛しさを確かに感じたのだ。
「かわいいから」
不意に、両の袖の中から。
先程の黒い光とは違う、実体を持った漆黒の肉の塊がバグプロトコルを襲った。
「そのまま食べちゃうですー」
音もなく、声もなく。オブリビオンたるバグプロトコルを倒す為に。何より彼女自身がモンスターの肉を喰わなければならないが為に。
抱きかかえて、食べた。それだけの話であり、食事を終えたアイは再びバグプロトコルをユーベルコードで捉え、プレイヤー達が倒れない様、支援に回るのであった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第2章 ボス戦
『データドレイナー』
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POW : レベルドレイン
【先端を尖らせたデータドレイン触手】で近接攻撃し、与えたダメージに比例して対象の防御力と状態異常耐性も削減する。
SPD : ドレイナーファング
【触手で貫いた敵への食らいつき攻撃】で敵の肉片を捕食する。自身の身体部位ひとつが変異し、敵のユーベルコードひとつを使用可能になる。
WIZ : テンタクルスバインド
【データドレイン触手】を最大でレベルmまで伸ばして対象1体を捕縛し、【データドレイン】による汚染を与え続ける。
イラスト:朝梟
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
まだ討伐クエストが続いている中、奇妙な気配を猟兵達は感じ取っていた。
今までの敵とは違う強力な存在。だというのに人目に付かないような場所からそれを感じ取ったのだ。
もしかすれば、いや此れこそがグリモア猟兵の言っていた多数のモンスターを倒した時に現れるという、バグプロトコルを生み出す隠しモンスター扱いのバグプロトコルに違いない。
この場に居るバグプロトコルの掃討は終わってはいないが、暫くの間であれば一般プレイヤー達に危害が及ばない程には勢いが弱まっている。
今こそ隠しモンスター扱いのバグプロトコルを討つ好機だと、猟兵達は気配を感じた場所へと急ぐのであった。
トラ・フーテン
※アドリブ・連携等歓迎!
「にゃっ!?」
「うぅ、にゃん……っ」
「ぎにゃあぁぁ!!」
※以下、人間語にて。
うわなんだコイツ。あからさまに正常なモンスターじゃないじゃないか?
こんなもん、さっさと片付けるに限る……が、俺だけじゃ骨が折れそうだ。
エンジン重撃と鉄壁さをフルに活かして、敢えて敵へ無防備なフリで単身挑んでやろう。
……よしよし、技を繰り出してきたな。
そう、これはほんの小手調べさ。
【ステータスオープン!】ってね。
俺は引き続き、皆や一般プレイヤーたちの盾役になってヘイトを稼ごうか。
他の人がこの情報と盾役の俺とを利用して、討伐してくれることを期待していよ……うわっ!?気持ち悪い虫だな!こっち見るな!!
鴉狼・シオン
*アドリブ&絡み歓迎
うわぁー、なんじゃこいつ…
正々堂々と突っ込むのは、危ない気がするぜ「野生の勘」
この世界は、ゲームと同じ仕組みなら…こいつのデータベースをいじれるかも!やってみる価値あるな!
まずは、この世界とこいつのデータに「ハッキング」し「プログラミング」&「データ攻撃」
(1つだけ一時的に弱体化とユーベルコードを使用時に1回だけ無効化…出来るか試し)
やりおわったら…気配を消し急所狙いの一撃を食わせるか!
【シーブズ・ギャンビネット】+「急所突き」
後の攻撃は、任せて援護に回りますか。
(「ナイフ投げ」で気を逸らしたりとかね)
アイ・ノルマレイス
親玉がこんな所に居たですー、でも……これが親玉?
まさか、さっきのパルニー達はあの口から出してた……?
……うん考えないようにするですー
とりあえず食べられるのも触手攻めもごめんです、ボクはおいしくないですー。なのでパタパタと逃げ回るですよー
その合間にUCでの攻撃を狙っていくですー
貰ったポイントは味方がいるなら味方の回復に、もし触手に捕まったならデータドレインを『白の聖衣』のカウンターハックで凌いで、どうやっても「触手はボクに接触してる」訳だからそっちを逆に「洗脳」して隙を作り、捕まってる部分を『黒蝕の欠落』化して捕食し脱出するですー
※アドリブ連携等歓迎ですー
セフィリカ・ランブレイ
ゲーム好きに合法的に遊べる機会は大歓迎!
愛想笑いと打算で政務官と交流するお姫様より楽しいし
出来れば自分で一からプレイしたいけど
統制機構の方へは行けないから無理か
『セリカはハマると際限ないから禁止よ。ってか、目の前の相手に集中したら?』
相棒の魔剣……シェル姉の言う通りかな!
『デスクワークで身体が鈍ったなんて言い訳はしないようにね』
当然!
あの触手に触れられるとヤバいってんなら、触られなきゃいいだけだものね
【月詠ノ祓】
地形を確認して追い詰められることがないようにしつつ、伸ばされる触手を高速で切り払って的確かつ確実にダメージを与えていくよ
ま、私ほどの姫騎士になると触手には負けないもんだよ
「にゃっ!?」
それは一瞬の奇襲であった。
無防備な姿を晒していたトラ・フーテン(にゃーにゃーにゃん☆・f41829)へとバグプロトコルの触手が体に幾重にも巻き付き、彼を空中へと持ち上げたのだ。
「コイツ!放しやがれって!!」
「待ってて、今助ける!」
それを見た鴉狼・シオン(犯罪都市育ちの配信者・f41397)はバグプロトコルに向かってナイフを投げ、セフィリカ・ランブレイ(鉄エルフの蒼鋼姫・f00633)は相棒の魔剣を両手に持ち、下に構えて高速で肉薄する。
しかしながら投げたナイフの間には別の触手が庇う様に立ちはだかりトラを持つ触手には当たらず、セフィリカの突撃もまた幾つもの触手を切り払うが迫りくる触手の壁に攻めあぐねていた。
「駄目ですー。仲間を返すのですよー」
間延びした口調ながらもアイ・ノルマレイス(知らない記憶、胸に空いた奈落・f41788)もまた仲間を助けるべく、背後に浮かべた神聖な形をしながらも禍々しく黒く光る紋章から漆黒の光をバグプロトコルへ放つ。
命中し肉体の一部を食らいつくして紋章へと光が戻ると、トラを助けるまでは行かないが猟兵達の攻撃は効いている様でバグプロトコルの大きな口から苦悶に満ちた声が響いて来る。
だが、それを合図にした様にバグプロトコルの身体が大きく振るえ、体中から生えた触手を地面に脚を付ける残りの猟兵へと伸ばし始めたのだ。
「っと、あぶねえじゃん!」
それを持ち前の機動力でシオンが躱し。
「危ないわね!危うくそれっぽい本みたいなことになる所だったわ!!」
セフィリカは迫る触手を切り払って凌いでゆく。
「やめてー。ボクはおいしくないですー」
そして、恐らく先程の攻撃で一番ダメージを受けたのがアイのユーベルコードだった影響か、触手の多くが彼女を狙っていた。
捌き切れる数ではなく、逃げ回るアイが着ている、余裕のある神聖な装飾の入った白い服が動く度にパタパタと音を立てる。
と、突然アイの脚が何かに引っ張られたと思えば、身体を逆さまにしてトラと同じ様に空中へと飛び立った。
「やーだー」
慌ててスカートが捲れない様に押さえるアイの足首に巻き付いていたのは、土の中から伸びていたバグプロトコルの触手だ。
「ぎにゃあぁぁ!!」
その姿を見てトラ……うん?
「うぅ、にゃん……っ」
あー、はいはい。少々お待ちくださいねー
「おいやめろ!やるなら俺だけにしろって!!」
さて、余りにも無防備に捕まったトラだが、これには訳がある。
当初の予定では、自身の耐久力を生かしてトラが囮になり、その間に他の猟兵が攻撃を重ねる手筈だったのだ。
トラを助けようとする行動は半ば演技の入った攻撃であり、作戦はうまくいったかに見えた。
誤算があったとすれば、想像以上に無差別に攻撃を行う敵であったという事だろうか。ともあれ、過ぎた事を言ってもしょうがなく、今はとにかく自身にもう一度注意を向けさせる方が先決だと、蝶の形を思わせる装飾の入ったエンジン付き細剣を尻尾で巻き付けて構える。
「気持ち悪い虫だからあまり見られたくないが、コッチを見ろ!!」
エンジンを始動させて、巻き付いている触手の一本へと切りつける。
それを逃げる為の行為と勘違いしたバグプロトコルは、トラへと先の鋭い触手を向けた。
「よしよし、技を繰り出して――ッ!」
獲物を捕らえて捕食するが為に、何のためらいもなく。
鋭い触手は早贄の如くトラの体を貫き、得る物は得たとばかりに地面へと叩きつける。
「おい、大丈夫か!?」
「勿論、平気だ!」
慌てて駆け寄るシオンの前で、致命傷の様な傷でもハーブやらワインやらでHPをを回復するゲームのキャラクターさながらの耐久力を見せつける様に、一度宙でくるりと回って見せて、トラは体勢を立て直す。
一方のバグプロトコルだが、特徴的なすぼんだ口に触手を入れると、何かを咀嚼している風な動きを見せ始めた。
その表現は正しく、今まさに触手で貫いた時に得たトラの一欠片を体の中へと取り込んでいるのだ。そうする事で、このバグプロトコルは相手のユーベルコードを使用可能になる能力を持っている。
故に、バグプロトコルはトラの持つユーベルコードを即座に使用して。
猟兵達のステータスをオープンしたのだった。
「あれ知ってる。最近アニメとかラノベでよく見かける奴だ」
思わず目の前で起こった事に素直な反応を漏らすセフィリカの下で、笑いが押さえきれない様子のトラが応える。
「ぷ、くく。俺達のデータの吸収とか、あからさまに正常なモンスターじゃないよな……!」
一体何が起こったのかと言われれば、答えは単純である。
トラの持つユーベルコード【ステータスオープン!】の力を吸収したバグプロトコルは【ステータスオープン!】のユーベルコードを使用可能になったのだ。
そして、この世界を見渡しても他に類がないであろうステータスオープンデータドレイナーが今ここに爆誕!した訳である。
「うわぁー、なんじゃこいつ……」
思わずシオンも目の前の光景に困惑した様子だが、一番困惑しているのはバグプロトコルの方だ。
ユーベルコードと言う強大な力を吸収したはずなのに、意味の分からない情報が出ている画面が出てくる様になっては割に合わないという物である。
「むー、いい加減放すのですー」
おおよそ敵味方問わず戦場全体が混沌としていた中で、持ち前の気質と未だに窮地を抜け出していない事が重なり、その影響を殆ど受けなかったのがアイだった。
データドレインの触手が持つデータドレインを『白の聖衣』が持つハッキングへのカウンターで相殺し続けているが、いずれは限界が来る。その前にどうにかしなければならなかった彼女にとって、この機を見過ごす事は出来ない。
「またポイントが無くなるけど、仕方ないですー。ひざまずけー」
そうアイが言うなり、突然バグプロトコルの体が何かに押し付けられた様に地面へと倒れ伏し、アイ自身は地面にたたきつけられる前に、絡まっている部分を漆黒の捕食器官へと変異させると、肉体を触手と同化させて引きちぎり脱出した。
「ずっとボクに触ってるからそうなるのですー」
アイのユーベルコードは自身が触っている対象に癒しや洗脳を齎す効果があり、触手は常に彼女の足首に絡まっていた。
逆に言えばアイは足首を通して触手に触っている訳であり、それを利用する事でバグプロトコルを支配下に置いたのだ。
これを期に流れは猟兵達に傾いたと言っても良かった。
「アイツのデータのハッキングか?一発デカい攻撃を当てて、内側のデータを露出させな!」
そして先程、ステータスを見れるようになった位では割に合わないとは言ったが、要は使い方の問題である。
例えば、バグプロトコルのデータをハッキング出来ないか試そうとしているシオンへ【ステータスオープン!】によって弱点を把握したトラは最適な方法を導き出した様に、力のみが戦いの情勢を決定づけるとは限らない。
「成程ー?それじゃ先ずは一発お見舞いしますか!!」
それに従い未だ洗脳と困惑から抜け切れていないバグプロトコルへ気配を消しつつユーベルコードを乗せたダガーの一撃を喰らわる。
胴体へ傷を付け、そのままバグプロトコルの向こう側へと抜けたシオンの背には、バグプロトコルの傷口から伸びた実体のない青いコードが尾の様にシオンへと続いており、何時の間にか彼の前に宙に浮かんだヴァーチャルキーボードへと繋がっていた。
ニヤリと獰猛な笑みを浮かべて、パグプロトコルのデータを解析するべく音もなくキーを叩き、軽口を一つ叩くシオン。
「さーて、何が起こるんでしょう―なーっと!」
「まあ、多分だけど、私達に有利な事が起こるのでしょうね?」
それに応えるセフィリカは相棒の魔剣を肩に乗せながら、バグプロトコルの姿を見据えていた。
「私、こー言うゲームって大好きでねー。愛想笑いと打算で政務官と交流するお姫様より楽しいし、合法的に遊べて世界も救える機会なんてそりゃあ大歓迎って奴で」
『セリカ』
「出来れば自分で一からプレイしたいけど、統制機構の方へは行けないから無理かー残念」
『セリカはハマると際限ないから禁止よ。ってか、目の前の相手に集中したら?』
まるで誰かと話している風な独り言だが、会話の主は彼女の持つ剣である。
彼女の持つ『魔剣シェルファ』は意思ある剣であり、セフィリカを窘める立場にある。
その彼女は自らの役目を果たすべくセフィリカに小言を漏らすが、当のセフィリカはその態度とは裏腹に警戒を緩めてはいない。
それでもこの様な態度になってしまうのは、先程目の前で起こった気の抜ける光景と、この世界が彼女の好きなゲームの世界であるから。
そして何より。勝利を確信しての事だ。
「そうねーシェル姉の言う通りかな!」
肩に構えた剣を両手に構え、肩に乗せたまま足を踏み出す。
『デスクワークで身体が鈍ったなんて言い訳はしないようにね』
自由の効かない体で、それでもバグプロトコルは触手をセフィリカへと向ける。
「当然!こうなったからには負けるわけないわよ!」
まるでフラグの様に聞こえるセリフと共に、無数の触手を相棒の魔剣で切り裂いて、さらに先へ。
「ではお披露目のショウターイムって奴だ!!」
もう一度、触手を伸ばそうとした所でハッキングを終えたシオンによってユーベルコードの使用が制限される。
「はーい。動いちゃだめですよー」
その場から動いて躱そうにも、アイの洗脳はまだ解けておらず。
「バラバラに切り裂いてしまえ!」
バグプロトコルのステータスを知り尽くしたトラが、何処を切り裂けば良いかを教えてくれる。
だから、一気に踏み込んだ。
「【月詠ノ祓】・一式」
姿がブレて、剣先が瞬く間に何度も空気を切る音が聞こえる。
後に残っていたのは天に向かって口を開け、自重に耐えきれず輪切りになって地面へと落ちてゆくバグプロトコルの姿であった。
「うーん、こんな所に親玉が居たなんて驚きですー」
戦いは猟兵達の勝利に終わった。だが、それはそれとして、だ。
「でも……これが親玉?」
後に残ったバグプロトコルの肉塊は誰もいらないというので、アイが貰う事となった。
「まさかですけどー、さっきのパルニー達はこの口から、出してた……?」
その最中、つい特徴的な口を見て思ってしまったのは、先程美味しく食べていた小型のバグプロトコル達の事であった。
「……うん考えないようにするですー」
その方が良いだろうと考える事にした。もうすでに食べてしまっているのだし。
何よりこれから、美味しく頂くのだから。
大成功
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第3章 集団戦
『サルファーゴースト』
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POW : ゴーストスクワッド
対象の周りにレベル×1体の【小さなサルファーゴースト群 】を召喚する。[小さなサルファーゴースト群 ]は対象の思念に従い忠実に戦うが、一撃で消滅する。
SPD : アンラック・フラッシュ
【全身 】から、物質を透過し敵に【不幸】の状態異常を与える【冷たい輝き】を放つ。
WIZ : 呪う亡霊
自身が触れた物体ひとつに【悪霊 】を憑依させ、物体の近接範囲に入った敵を【呪詛】で攻撃させる。
イラスト:リュイ
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
戦いの末、バグプロトコルを生み出すバグプロトコルを倒し、隠しモンスター討伐の称号を得た猟兵達。
しかしながら、未だ討伐クエストが行われている戦場にはいくばかのバグプロトコルが残っている。
先程の敵と比べればどうという事はないが、それでもこの世界に住むプレイヤー達に被害が及んでしまえば取り返しのつかない事になる。
それだけは避けなければならないと、思い思いに武器を構え、力を解放する。
全ては少しでも良い未来を掴む為に。はじまりの物語の終わりに向けて、その第一歩を猟兵達は踏み出したのであった。
トラ・フーテン
※アレンジ連携等歓迎
「ふにゃぁ〜」
「にゃお……うにゃ?」
「にゃーん☆」
※以下、人間語にて
バグプロトコルのとりあえずの源泉を撃破したって、その前に生み出されてた奴らまで消える訳もないか。やれやれ、あとひと踏ん張りするとしよう。
俺は装備重量ペナも喰らいにくいジョブなんでね。さてUC発動だ。
仲間や苦戦して一時退却に踏み切った一般プレイヤーが落としてった装備を少々拝借。こうすることで俺の鉄壁の頑丈さは補強されつつ身軽さは変わらないままに重い一撃を食らわすことができる。
ついでに猫の素早さ、液体のような変幻自在ぶり、とくと思い知るがいい。どんな大群を出そうが、ヤワな奴らは飛びつき引っ掻き切りつけてやるよ!
鴉狼・シオン
*アドリブ&絡みOK
めんどくさそうなのか、出てきやがったわ~
【シーブズ・ギャンビネット】していくけど…
「不幸」状態付きの透明の何かが飛んでくるを対策しないとな…仕方がない…”運”試しで避けますかー
「第六感」「野生の勘」「オーラ防御」駆使しで挑む
流石に無防備で挑むことなんでしないぜ!
後の事は、仲間ちゃんたちに任せるわ
俺は、後ろの方で援護してまーす
大元たるバグプロトコルを倒した猟兵達の残す仕事は残敵の掃討のみ。そんな彼らの相手は実体の無いゴーストの様なバグプロトコルだ。
見えない風の中を漂い彷徨う様に浮かぶ不気味な姿の群れ。その間を縫って一つの影が縦横無尽に奔っている。
「あー。最後の最後で、めんどくさそうなのか出てきやがったわ~」
両の手に刃持つ影の鴉狼・シオン(犯罪都市育ちの配信者・f41397)が今しがた一体のバグプロトコルに刃を突き立てながら、そうぼやくのも無理はない。
バグプロトコルの放つ冷たい輝きに触れた者には不幸が訪れるのだというが不幸とは一体何なのか?
そして見えそうもない冷たい輝きに触れずに戦うにはどうすれば良いのか?
その答えが出ないまま何となくで戦い続けては、無駄に消耗して足元を掬われる事もあるという物だ。
「どうしたモンかなー、っと!」
手ごろな所に居たバグプロトコルに切りかかろうとして、何か不穏な気配を感じ後ろに飛んで距離を取るシオン。
「ふにゃぁ〜」
一方で、シオンと同じ様にバグプロトコルと戦う猟兵が居た……。
「にゃお……うにゃ?」
はいはい、お馴染みのね。
「にゃーん☆」
「やれやれ。バグプロトコルの源泉を撃破したって、その前に生み出されてた奴らまで消える訳もないか」
さて改めて。シオンがバグプロトコルと戦う傍らで、面倒な奴らだとトラ・フーテン(にゃーにゃーにゃん☆・f41829)もまた首を横に振りながら、鋭い猫の爪でバグプロトコルを引き裂いていた。
「だよなー、でだ、いい案あるかい?」
「対応策は無いねぇ。ただまあやり方はあるさ」
何処かげんなりとした雰囲気を放つシオンの言葉にもトラは首を振りながらも、地面に落ちているモノへと目を向ける。
一体誰がこんな物をこんな所に置いて行ったのかは分からない。プレイヤーなのか、それとも一般的なモンスターのドロップ品なのか。
兎も角としてそれは、どこからどう見てもまさしく、人一人が両手で持つ事で漸く持てそうな大きさの有るドリルであった。
「ちょいと拝借してっと」
そう言うなり、小さな猫の体である筈のトラは、抜け落ちた羽根でも持ち上げる様にドリルを持ち上げると、ヘルメットでも被るが如く顎の下でベルトを締めて頭の上にドリルを装備したのだ。
「なあ、何やってるんそれ?」
「俺は重戦士だからな。こういう重い物を装備すると、頑丈さは補強されつつ身軽さは変わらないままに重い一撃を食らわすことができるのさ」
そう言って可愛らしくウィンクをするトラを見て、シオンもまた意を得たりとニヤリと笑う。
「対策が無けりゃ」
「得意分野で勝負って訳か!」
お互いに顔を見合わせて一度頷くと、真っすぐと敵を見据えて二人は走る。
あれだけの物を頭に乗せながらまるでスピードが落ちる様子はなく、さりとてただの小さな猫の爪が虎を思わせる傷跡に代わったトラと、一応の対策としてオーラを全身に纏い勘任せの運任せにスピード勝負に出たシオン。
そんな二人にバグプロトコルの全身から噴き出た冷たい輝きが襲い掛かるが、もうそんな事は二人にとってどうでもよかった。
「猫の素早さ、液体のような変幻自在ぶり、とくと思い知るがいい!」
避けきれない不運は耐えてしまえばいいと。
「流石に無防備で挑むことなんでしないが、要は手早く済ませればいいってこった!」
避け切れない不運が追いつく前に敵をしとめてしまえばいいと。
戦い方や言葉、態度は違う二人だが、そう決めたからこそ迷いが無いのは同じであり。こうなってしまえばその実力は本物である。
二人の手によって、この戦場に残ったバグプロトコルはどんどんと討ち取られていったのであった。
「ほらこいよ!どんな大群を出そうが、ヤワな奴らは飛びつき引っ掻き切りつけてやるよ!」
「あーでも、あんまり大量なのは勘弁な!そろそろ後ろの方で楽したいなーなんて思ってるんで!」
大成功
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セフィリカ・ランブレイ
さっきより若干難易度は落ちる感じかな
でも1体の強力なボスよりそこそこの複数敵が強いって事もあるし
動きを見る限り、相手はバステ戦法を重視した作りかな
仕込んだ物体で時間稼ぎ、相手にバステを与えて回避の目を潰して分身攻撃
うーんこれは害悪モンスター!
『その割に楽しそうね』
仕込みを回避しつつ、ガード透過の冷気はかわす前提で一気に肉薄!攻撃!
なんて流れ、テクニカルでいいんじゃない?
『じゃ、その戦法で行くのね』
私一人ならその戦法でいいんだけど……
【紫砲の将軍】
複数エネミーには範囲攻撃、やっぱこれでしょ
『清々しいまでの力押しじゃない』
それもまた王道だよ。味方にはあてないようにして……いっくよー!
アイ・ノルマレイス
んー、それじゃあ残りの処理ですー
ちょっと多めに『モンスターミート』も手に入ったですし、成長の証を見せるですよー
さっき手に入れたMミートの情報を基に……さあ出てくるですー
UC【昏く暗い黒い穴】で黒喰・異形化しボクの『黒蝕の欠落』と同じ性質と別種のモンスターの性質を加えた「ワーム型モンスター」を『白の聖衣』の下より呼び出すですー。恥ずかしいから出すときは見ちゃダメですー
このワームがやっつけた分も『Mミート』は手に入るですよー
ボクは後ろから肥大化した『聖冥の福音』の光で援護射撃するですー
もしワームがやられてもそれまで手に入った分の『Mミート』で別のモンスターを繰り出すですー
※アドリブ連携等歓迎ですー
「ユーベルコードを仕込んだ物体で時間稼ぎ、相手にバステを与え回避の目を潰して分身攻撃ねぇ」
討伐クエストの残り時間に比例して、討伐するモンスターも少なくなっている。
そして同じ様に、猟兵達の活躍によって残す数も少しとなったバグプロトコルを前にして、セフィリカ・ランブレイ(鉄エルフの蒼鋼姫・f00633)は顎に手を当てながら思案を重ねていた。
「動きを見る限り、相手はバステ戦法を重視した作りかな。うーん……これは害悪モンスター!」
「なのですー。残りの処理にしては大変ですー」
出てきた結論にめんどくさそうな雰囲気を出すセフィリカ。それに同意して、隣に居るアイ・ノルマレイス(知らない記憶、胸に空いた奈落・f41788)も首を縦に振って頷く。
「一応さっきより若干難易度は落ちる感じかな……でも1体の強力なボスよりこういった複数敵の方が強いって事もあるし」
「数は力なのですー。対したダメージじゃなくても動きを封じられたら一方的にやられるのですー」
「だよねぇ!本当にめんどくさい!」
大きなクマが蜂の群れに襲われて逃げ帰る等と言った物に類する例え話がある様に。
数が多い上に此方の行動に制限を掛けてくる集団の敵という物は、一体の強力な敵よりも厄介度で言えば上と言う事は良くある話。
だからこそ、二人は対策を練っているのだが。
『そう?その割に楽しそうね』
セフィリカの持つ『魔剣シェルファ』の声がそう言って彼女に耳打ちをすると、ニッコリと笑って魔剣の声にセフィリカは答えた。
「まあねー、こういった対策を考えるのもゲームの楽しみだし?」
そう言うなり腰に納めていたシェルファを手に構えたセフィリカは、頭の中のイメージを固める様に何度か腕を動かして軽く宙を切り裂いてみる。
「敵の仕込みを回避しつつ、ガード透過の冷気はかわす前提で一気に肉薄!攻撃!なんて流れ、テクニカルでいいんじゃない?」
『じゃ、その戦法で行くのね』
「私一人だったらそうだったかもなー」
ね?と、意味ありげに隣に居る人物へ顔を向けるセフィリカに対して、任せろーとばかりに自信ありげなアイは、両手で自身の服の裾を掴む
「ふふーん。ちょっと多めに『モンスターミート』も手に入ったですし、成長の証を見せるですよー」
そう言うなりアイが着ている服の全身の至る所が浮き上がり、うぞうぞと何かが服の下に這いまわっている動きを見せ始める。
「さっき手に入れたMミートの情報を基に……さあ出てくるですー」
両手に持っていた裾を少し持ち上げて、アイの体から離れて出てきたのは先程討伐したばかりのバグプロトコルに似たワームの様な姿をした何かである。
違いと言えば、先帆とのワームは白い色をしていたが先程アイから出てきたワームは彼女が纏う光の様に、黒い色をしているという事であろう。
「ボクの『黒蝕の欠落』と同じ性質を、別種のモンスターの性質に加えた『ワーム型モンスター』ですー。この子達に接近戦は任せるのですー」
「ねえ今、服の下から出てこなかった?」
「恥ずかしいから出すときは見ちゃダメですー」
『そうよセリカ。はしたない事をしないで。もうちょっと恥じらいって物を持ちなさい?』
「ふふーん、私の恥ずかしさ耐性は100レベよ!」
そう言う事を言っているのではなくて。等と言って頭を押さえるシェルファさんの姿が見えてきそうではあるが、それはそれとして。
「皆ー。頑張ってボクにモンスターミートを届けるのですー」
これならば敵の厄介なユーベルコードを気にしなくて済むと、一斉に突撃を指示するアイ。
それに従いデータで出来た地面に一斉に潜ったワーム達を見て、セフィリカは何かを思いついた様に指を鳴らした。
「あ、良い事思いついた。アレが有るじゃんシェル姉」
『アレじゃ分からないわよ。ちゃんと言いなさい』
「アレよアレ!ほら、オーラス将軍の砦のアレを出して!」
まるで熟年夫婦か何かの会話の様なアレの応酬の後。
『ああアレね。結局、清々しいまでの力押しじゃない』
結局の所、アレで通じてしまったシェルファは溜息混じりに軽口を叩きながらも、アレを使うべく空間に切れ目を作り始めた。
「まあ、それもまた王道だよ。それに複数エネミーには範囲攻撃、やっぱこれでしょ」
やがて切れ目は大きな次元を繋げる扉となり、このゲームの世界とは別の次元の先にあったのは、砦であった。
それも、ただの砦ではない。城壁の至る所から砲塔をハリネズミの如く突き出した、守るよりも攻める事を優先させた超巨大要塞型ゴーレム。
その名を、バルディメオラスと言った。
「七虹最大火力!|紫砲の将軍 《バルディメオラス》全砲門開け!味方に当てず更地にしない様に、短時間のみのお披露目でよろしくお願いしまーす!」
彼女の命令を皮切りに、次元の扉の向こう側から無数の砲塔が火を噴き、雨あられと砲弾の嵐をバグプロトコルへと降り注がせる。
「ボクも続くのですよー。砲撃に巻き込まれてもお肉さえ手に入ればまた生み出せるですー」
突然の砲撃に混乱するバグプロトコルの群れに、さらに追い打ちを駆けるべくアイのワーム達が地中から襲い掛かり、既に倒れたバグプロトコルには食らいつきそのデータを吸収してゆく。
確かに今回のバグプロトコルは自衛能力が高い。しかしながら自分達から攻めると言う力は乏しい、いわば鉄壁の要塞の様な物。
勿論、対応策として猟兵達の周りに自分と同じバグプロトコルを召喚する技はあるが、使えなければ無いに等しく。
鉄と火の力で城塞を打ち破り、自身の代わりとなる攻撃の手を用意した二人に為す術は無かった。
「これが最後ですー」
故に決着は早々で、圧倒的だった。土煙が晴れる頃と、そこにバグプロトコルの姿はなく、ついでに巻き込まれた一般モンスターの姿もなく。
残っていたのは範囲攻撃に巻き込まない様にしていた一般プレイヤーと多くのモンスターを討伐した証である多数のドロップ品。
「びくとりーですー」
「うーん、スッキリキチっと片付いたわねー!」
後はハイタッチしながらお互いの健闘を称える二人の猟兵の姿。
そして忘れてはならないのは。この世界に住む人々が失うかもしれなかった未来の形だろう。
大成功
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