●
ギルドのある街から程近い、穏やかなシャルマン平原。
ぽかぽかの陽気に包まれつつ進むのは、二人のキャラクターだ。
そのうちの片方、鎧を身につけた少女が片手ににっこり笑う。
「あ、ここだよマメジくん。ここがスタート地点」
「ありがとう、ミナミナさん。緊張してきたね……!」
マメジと呼ばれた少年も、ミナミナという少女に笑顔を向ける。
「最初はモンスター退治だよね。装備も……うん、ばっちり」
「ミナミナさんが敵を引き付けて、その間に僕が攻撃する。役割分担も大丈夫、なはず……」
初めての戦いに向け、ワクワクした様子で準備を進める二人。
大丈夫、最初の敵は可愛いし怖くないって聞いている。まずは操作に慣れて、先に進んでいこう。
果たしてこれからどんな冒険が待っているのか。緊張はするけれど、それ以上に楽しくて。進む足取りも軽くなるというものだ。
けれど二人の胸を弾ませるワクワクは、楽しい想像は、全て実ることはない。
だってこの冒険には――悪意の牙が突き立てられているから。
●
「集まってくれてありがとう。ええっと、今日はゴッドゲームオンラインでのクエスト案内だ」
グリモア猟兵、コウタ・ニイロ(足元の蔓・f41814)は猟兵の姿を確認し、言葉を紡ぐ。
ゴッドゲームオンラインというのは新規に見つかった世界のことであり、そこで行われているオンラインゲームの名前だ。ゲームの世界といっても猟兵は直接介入し、事件を解決することが出来る。今回はとあるクエストがそのまま猟兵の依頼となっているようだ。
「GGOのある初心者クエストがバグプロトコルに乗っ取られてしまったんだ。このままクエストが進行すれば、参加した初心者達はバグプロトコルに敗北し|遺伝子番号《ジーンアカウント》が焼却されちまう。それを防ぐために、皆にもクエストに参加して欲しいんだ」
バグプロトコルはこの世界におけるオブリビオンであり、これに倒された者は現実世界での|遺伝子番号《ジーンアカウント》を焼却され、人権を剥奪されてしまう。
オブリビオンの悪行はもちろん、罪のない人の人生が奪われる様を見過ごす訳にはいかない。ここは猟兵の出番だろう。
「流れを説明していくな。まず、クエストに参加した初心者達は、バグプロトコルと化した『パルニー』に囲まれちまう。こいつは本来なら初心者用の雑魚モンスターなんだが、バグと化してる影響で凶暴化・強化されてるんだ。最初は初心者達を守りつつ、バグを殲滅してくれ」
戦場となるのは穏やかな平原で、邪魔になるものはない。
元々初心者用のクエストなだけあって、他のギミックも存在しない。素直に戦うといいだろう。
「参加する初心者は|重戦士《ヘビーウェイト》と|月穹士《アルテミスガンナー》のコンビだ。よろしく頼むぜ」
初心者達も自分の身はできる限り守ろうとするし、猟兵の指示には素直に従う。必要に応じて誘導してあげよう。
「パルニーを倒したら、次は初心者達に同行してクエストを進めてくれ。今回は……『猫の集会場探し』っていうやつだな。マップに点在する猫達を利用して、こいつらの集会場を探すんだ。そうすると、ボスの居場所が判明するらしい」
この世界における猫は現実の猫と変わらない。
人語を話すことはせず、自由気ままな存在。美味しいものと日向ぼっこが好き。だいたいそんな感じだ。
猫達といい感じに仲良くなれば集会場に案内してくれるかもしれないし、こっそり後をつけたりも出来るだろう。
上手く猫達の力を借りて、集会場を見つければクリアだ。
「ボスの居場所が分かったら、クエストも最終段階だ。ボス自体はプログラム通りの敵だが、周囲の取り巻きがバグプロトコルみたいだな。ボスは初心者に任せて、皆は取り巻きの対処に当たってくれ。ボス、取り巻きの双方が倒せればクエストクリアだ」
初心者達は猟兵と共に活動することで、戦い方を学んだり勇気を出せるようになっているはず。
ここまでくれば彼らを守る必要はない。猟兵達は全力でバグプロトコルと戦えばいいだろう。
「説明はこんなもんかな」
コウタはグリモアを起動しつつ、猟兵達に頭を下げる。
「バグから皆を守るためにも、力を貸してくれ。どうかよろしく頼む」
ささかまかまだ
こんにちは、ささかまかまだです。
若葉クエストです。ノリはゆるめ。
●一章『パルニー』
バグプロトコル化により凶暴化したモンスターです。
まずはこちらを退治し、初心者達を守りましょう。
●二章『猫の集会場』
助けた初心者達とクエストに参加します。
舞台となる平原で自由気ままに過ごす猫達を利用し、彼らの集会場を探しましょう。
どうにか仲良くなるもよし、尾行するもよし。
猫達はクエストNPCなのでめちゃくちゃ頑丈です。酷い目には遭いません。
●三章『サルファーゴースト』
クエストのラスト、ボス戦です。
ボスはプログラム通りのモンスターですが、取り巻き達はバグプロトコル化しています。
なのでボス本体は初心者達に任せ、猟兵達はバグの対処に当たりましょう。
すべての敵を撃破すればクエストクリアです。
●初心者たち
シナリオに同行する初心者達です。三人とも猟兵の指示には素直に従います。
ミナミナ:|重戦士《ヘビーウェイト》の少女。のんびりした性格。重装備のタンク型。
マメジ:|月穹士《アルテミスガンナー》の少年。気弱な性格。弓で戦う後衛型。
●
どの章からでも参加していただいて大丈夫ですし、特定の章だけ参加していただくのも歓迎です。
進行状況や募集状況はマスターページに適宜記載していく予定です。
締め切りの告知もそちらで行っているので確認していただけると幸いです。
それでは今回もよろしくお願いします。
第1章 集団戦
『パルニー』
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POW : とびつく
【とびつき】で近接攻撃する。低威力だが、対象が近接範囲から離脱するまで何度でも連続攻撃できる。
SPD : はねる
【飛び跳ねて】からレベル個の【レアアイテム「パルニーヘアバンド」の偽物】を召喚する。[レアアイテム「パルニーヘアバンド」の偽物]は誰かが触れると爆発し、【火傷】の状態異常を与える。
WIZ : いたずらパルニー
【バグテクスチャ】を纏ってレベル×5km/hで跳び回り、触れた物品や対象の装備を破壊、あるいは使用不能にする。
イラスト:仮名ゆたか
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
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長閑な原っぱ、シャルマン平原。ここが初心者クエストのスタート地点だ。
クエスト受注者のミナミナとマメジは、平原を進みつつ最初の討伐対象を探す。
その時、岩陰からひょっこり身を乗り出したのはウサギのようなモンスター『パルニー』だ。
「あ、あれが初心者用のモンスターだよね? かわいい~」
ミナミナはぴょんぴょん跳ねるパルニーを楽しそうに観察している。
けれど盾はしっかり握って、いつでも挑発スキルを発動出来るように身構えていた。
「……待って、ミナミナさん。なんか、変だよ」
「変?」
マメジの言葉を受け、ミナミナは首を傾げる。
そういえばあのパルニー達、やたら動きが速くないか?
それにギルドで見せてもらった写真よりも目が赤い。
一体どうしたのだろう。ミナミナは後ろを振り返り、マメジに相談しようとするが――。
「危ないっ!」
マメジの叫びに合わせ、ミナミナは咄嗟に身を屈める。
直後自分の頭があった位置にはパルニーが飛び込み、妙なテクスチャをばら撒いていた。
「ま、マメジくん!」
ミナミナはすぐさま体勢を立て直し、マメジと自分を守るように盾を構える。
マメジも弓を取り出すが、表情は不安げだ。
「ほ、本当にどうしたんだろう……」
「まさか、バグ?」
二人の厭な予感は的中している。
パルニー達はバグプロトコルと化しており、通常モンスターとは比べ物にならない強さと凶暴性を得ているのだ。
このままパルニーを放っておけば、二人は倒され|遺伝子番号《ジーンアカウント》を焼却される。
この状況を打破出来るのは猟兵だけだ。
今すぐ戦場に飛び込み、バグと戦おう!
ユーリカ・スペクター
バグプロトコルの情報提供、感謝いたします
ゲームの円滑な進行の為、速やかに排除いたしましょう
しかし、組合員でもある私が堂々と割って入るのは憚られますね
ドラグジャケットを中級者装備風に形状変化させ
友好NPCを装い加勢しましょう
「敵の数が多いですね。私が一部、引き受けます」
「前衛と後衛の陣形を崩さぬように、敵を各個撃破していってください」
では、敵の排除に移行します
UC発動
本来のパルニーであれば一捻りできる程度のモンスターを召喚し
群れにぶつけて返り討ちにします
少々赤字になるでしょうが、やむを得ませんね
え、この子ですか?
召喚関連のスキルを伸ばしていけば
いろいろと使役できるようになるんですよ(誤魔化し)
●
ゴッドゲームオンラインに猟兵が介入したことにより、バグプロトコルへの対処は進み始めた。
事件の予知を聞いたことで、ユーリカ・スペクター(ドラゴンパトロール・f41790)はその事実をより強く感じ取っていた。
巡回AIであるユーリカにとって、バグの排除は大切な仕事だ。けれどユーリカは|組合員《ギルドスタッフ》、運営側のスタッフが堂々と介入しては初心者達も驚いてしまう。
(ここは一つ、変装でもしましょうか)
ユーリカは適当な岩陰に身を隠し、ドラグジャケットを変形させる。
制服から中級冒険者風の装いに変えれば、友好NPCに見せかけるには十分だろう。
魔導書を握りしめ、ユーリカは初心者達の前に躍り出る。彼らはすでにパルニーと接触し、いつ襲われてもおかしくない状況だった。
不安げな二人の表情を見て、ユーリカは気を引き締める。せっかくこの世界に辿り着いた人々を、無惨に倒させてなるものか。
「大丈夫ですか? 敵の数が多いようですね、私が一部、引き受けます」
「え、えっと? ありがとう、ございます」
「良かった、救援のNPCみたい……ありがとうございます」
ぽかんとしたミナミナに、安心するマメジ。二人もユーリカが助けに来てくれたことは理解しているようだ。
二人共しっかり武器を握りしめており、戦意は衰えていない。ならば自分も、しっかりこの世界の先輩らしく戦わねば。
「前衛と後衛の陣形を崩さぬように、敵を各個撃破していってください。それでは、参りましょう」
ユーリカは魔導書を捲りつつ、ユーベルコードを発動する。ダンジョンマスターの権限を利用し、トリリオンを糧に呼び出すのは――。
「ダンジョンウルフ召喚。さあ、パルニーを蹴散らしてください」
呼び出されたのは獰猛な狼型のモンスターだ。この子は中級ダンジョンのモンスター、パルニー程度なら敵ではない。
狼は見た目通り俊敏に飛び回り、次々敵を蹴散らしていく。その様子に感動しつつ、初心者達も戦い始めているようだ。
何かあればすぐに狼がフォローに入るため、初心者達が追い込まれるこもとない。そうなれば、少し余裕も出てくるもので。
「……あんなスキルあったっけ?」
ほんのり疑問が浮かんだマメジに、ユーリカはにっこりと笑顔を向けて。
「召喚関連のスキルを伸ばしていけばいろいろと使役できるようになるんですよ。でも今は、戦いに集中しましょう」
「っとと、私も狼に見惚れそうになってた。召喚スキルを調べるのは、クエストが終わってからだねー」
ミナミナの方は状況に順応し、楽しく戦っている様子。マメジも納得したのか、再び弓に集中しはじめたようだ。
二人の様子を前にして、ユーリカは心の中でほっと息を吐く。
色々と誤魔化せたのも安心したけど――それ以上に、初心者達が楽しそうだったから。
成功
🔵🔵🔴
ナナセ・ミカグラ
襲いかかるパルニーを狙撃
「サポートいるー?いるよね」
銃撃の手は止めずのしのしと敵へ近づいていく
…やっぱ手応えが変だな通常攻撃で倒せないし
二人の前で盾になる
他に助けに入る人がいたら協力
凄い人がいたらへーって興味をそそられるけど護衛が第一
いつも初心者サポする時みたいにゆるーく話しかける
「名前は?あ、オレはナナセ、月穹士やってる
よろしくー
敵データデタラメ
折角の初めてのクエストで災難だよねー」
通常攻撃で埒が明かないので群れに飛び込みUC
…やっぱ|このやり方《UC》だけは通じるな
殲滅後
「あのうさうさ
バグってないなら君らでも倒せる奴だし
ゲーム向いてなーいとか思わないでねー」
バグが危険だからと同行持ちかける
●
「わ、うわっ」
「ミナミナさん大丈夫!?」
初心者達は猟兵のサポートを受け始めたが、戦い自体はまだまだ不慣れ。
いっぱいいっぱいの彼らの元に、パルニー達はじりじりと近づいてきている。
その最中響いたのは乾いた銃声だ。見れば一体のパルニーが額から煙をあげている。
何が起きたのか? 戸惑う初心者が次に聞いたのは、軽快な足音だ。
「サポートいるー? いるよね」
再び銃声。初心者達が慌てて振り返れば、そこには銃を撃ちつつ歩くナナセ・ミカグラ(ガンカタおにーさん・f41792)の姿があった。
ナナセは自然に初心者達の前に立ち、敵の様子を観察する。先ほど額を撃った個体は、変わらず元気に跳ねていた。
(……やっぱ手応えが変だな。通常攻撃で倒せないし)
バグ化したモンスターはそれほど厄介という訳か。けれど厭な気持ちは一旦飲み込み、ナナセは笑顔を浮かべて二人を見る。
「名前は? あ、オレはナナセ、月穹士やってる」
「み、ミナミナ。重戦士、です」
「月穹士のマメジです、はじめまして」
ナナセのへらりとした笑顔と言葉に、初心者達も落ち着きを取り戻しているようだ。よろしくー、と挨拶すれば、即席パーティの出来上がり。
「敵データデタラメみたい。折角の初めてのクエストで災難だよねー」
だから、手助けしにきた。直接そう言葉にしなくても、ナナセの行動がそう示している。
初心者達も落ち着くだけでなく、少しずつリラックスしてきたようだ。この状態なら戦いが続いても、自衛は出来るだろう。
「ちょっと行ってくるから、二人は怪我しないように身を守ってて。防御スキルとか、だいじょぶ?」
投げかけた言葉に二人が頷いたのを確認し、ナナセは再び前を向く。
そのまま軽く地面を蹴って、目指すは敵の群れの真っ只中だ。
パルニー達は偽物のレア装備を生み出し惑わそうとしてきているが、あの程度のアイテムにはもう惹かれない。
レア装備は自分の力で得るものだ。だから悪いウサギ達は、さっさと蹴散らしてしまおう。
ナナセはお気に入りの銃を構え、次々にパルニー達を撃ち抜いていく。迫ってくる悪い子には蹴りもお見舞いし、踊るように戦い続けて。
ユーベルコードを乗せた技だけはちゃんと通るらしい。マキシマムカウンターのスキルを発動すれば、敵はきちんと倒せた。
いい感じにパルニーの数が減れば、初心者達のフォローだって忘れずに。
「あのうさうさ、バグってないなら君らでも倒せる奴だし。ゲーム向いてなーいとか思わないでねー」
「そうなんだ……ありがとう、ナナセさん!」
ほっと安堵する初心者にナナセもにっこり笑みを浮かべて。
この状況を乗り越えたら、改めてパーティを組もう。バグ退治は勿論、楽しくゲームをすることを忘れないように。
成功
🔵🔵🔴
ミュー・シートン
「うみゃあ」
猫は物陰から見ている。
人々を守る為にやるべきことは一つ。
ライオンを呼んでウサギっぽい魔物を蹴散らしていこう。
爪や牙で一網打尽にしよう。
猫なので、人語が使えない。
「みゃーん」
●
猟兵達と手を取り合い、戦い始めた初心者達。
そんな彼らの様子を、ミュー・シートン(只の猫・f41808)は岩陰から観察していた。
「うみゃあ」
ミューは普通の猫さんだ。けれど猟兵として覚醒している。
そんな彼女の中には『人々を守らなければ』という正義感が宿っていた。
そのためにはバグプロトコルと化したモンスターを倒さなければならないのだが、どういう手段を取るべきだろうか。
ミューは尻尾を揺らして思考を巡らせ、一つ猟兵の力を選ぶ。
「にゃおん」
小さく鳴いて、地面をぺしぺし叩いて。するとミューが触れた地面に魔法陣が展開され、ユーベルコードが発動しはじめた。
魔法陣から現れたのは輝くライオンだ。ミューはライオンの背に飛び乗り、勇ましく鳴き声を上げる。
「うみゃーっ!」
ミューの声に合わせてライオンも吠え猛ると共に、一気に前へと飛び出して。
初心者達を守るように立ち上がれば、戦いの始まりだ。
「な、何!? 新手!?」
「落ち着いてミナミナさん。あの子、僕達を守ろうとしてくれてる!」
初心者コンビも最初は驚いていたが、ミュー達の動きで意図はすぐに理解してくれた。
ミューとライオンは勢いよく敵陣に突っ込むと、鋭い爪で次々にパルニー達を切り裂いていく。
偽物のレアアイテム爆弾も、猫であるミューにとっては特に興味も引かれないものだ。ライオンにばしっと振り払ってもらえば、何一つ問題ない。
とにかく悪いモンスターは片っ端から攻撃し、叩きのめして。
敵はバグ化していてもウサギ型の小型モンスターだ。勇ましいライオン相手に勝てる道理もないだろう。
飛び込んでくるものは爪で切り裂き、近くのものは鋭い牙で噛み砕いて。文字通り獅子奮迅の戦いが繰り広げられれば、パルニーの数はどんどん減っていく。
「わぁ、すごい! これも召喚系のスキルなのかな?」
「でもライオンに乗ってるの……猫?」
初心者コンビはミューの戦いっぷりに感動している様子。けれど今の状況自体はあまり理解しているようではない。
けれど彼らの疑問にミューが何か答えることはない。彼らに向けて、時折みゃあと鳴くだけだ。
「そういえば後のクエストでも猫が出てくるんだっけ」
「じゃあそういうギミックなのかな? ……可愛いからいいか!」
猫は可愛い。ライオンも可愛い。そして強い。
真実は、これだけできっと十分なのだ。
成功
🔵🔵🔴
グラース・アムレット
連携・アドリブ歓迎
シャルマン平原
長閑ですね……
のんびりとスケッチにも励んでみたいところですが、まずはマメジさんとミナミナさんの助力に駆け付けますね!
お二人とパルニーの距離が近ければ、千想戦旗を手に近接範囲へと入ります
UCを放って彼我の距離を作ってみましょう
負傷はなくとも、ある程度はパルニーを跳ね返せるはず
「大丈夫ですか?」
と声掛けはしておきますね
自己紹介はあとで致しましょう
まずは周囲のバグプロトコルを減らしていかないと、ですからね
戦旗を背に、アサルトライフルでパルニーたちを狩っていきましょう
余裕があるならば、お二人にトドメをお願いしますね
折角の経験値、稼がなきゃですから
●
ぽかぽかの日光が降り注ぎ、優しい風が草木を揺らす。きっと初めての冒険にはぴったりの場所だろう。
目の前に広がるシャルマン平原は長閑な場所だ。グラース・アムレット(ルーイヒ・ファルベ・f30082)は目を細めつつ、暖かさや心地よさを受け止める。
(いい場所ですね。のんびりとスケッチにも励んでみたいところですが……)
それは初心者達を助けてからだ。少し先では戦闘音が響いている。
他の猟兵もすでに手助けに入っているようだ。自分もそれに続こうと、グラースは平原を進んでいく。
「マメジくん、こっち!」
「ありがとうミナミナさん!」
初心者コンビは猟兵の手助けを受けつつ戦っているが、それでもバグ相手にはいっぱいいっぱいの様子。
そんな彼らの隙を狙い、数匹のパルニーが飛び込む準備をしていうようだ。
グラースはその様子を見逃さず、千想戦旗を構えつつ初心者の前に飛び込む。
「二人には近づけさせません……!」
戦旗を握る手に力を籠めて、生み出すのは光の盾。それを思い切り振れば、パルニー達はころころと吹き飛ばされていく。
一段落したところで、グラースは初心者達へと向き直って。
「大丈夫ですか?」
「は、はい! ありがとうございます」
ぺこりと頭を下げる初心者達。彼らも小さな傷こそ負っているものの、まだまだ元気なようだ。
その様子に安心し、グラースは再び敵を見据えた。
「私が出来る限りあの敵を弱らせます。お二人にも援護していただいていいですか?」
「わかりました! 僕達に出来ることなら、なんでも!」
元気な返事に、グラースは笑顔で頷く。戦意があるなら十分だ。
「ありがとうございます。それでは……」
グラースは戦旗を突き立て、アサルトライフルを構える。
敵は小さく素早いが、しっかり狙えば撃ち落とすのは難しくない。
それにこの場にいる皆の想いが一つなら、戦旗がそれを支えてくれるから。
グラースは静かに呼吸を整え、淡々と引き金を引いていく。乾いた音が響く度、パルニーは一体、また一体と倒れていって。
けれど致命傷にならないようには気を付けていた。何故なら――。
「良ければ、トドメはお二人にお願いしてもいいですか?」
「え、いいんですか……?」
「勿論です。折角の経験値、稼がなきゃですから」
今この瞬間の戦いを乗り越えても、冒険はまだまだ続いていく。
これからもっと経験を積めるよう。素敵な冒険が出来るよう。それは猟兵として戦ってきた、グラースからの贈り物だ。
二人はしっかり頷くと、それぞれの武器を手に敵へと立ち向かう。
その様子を見守りつつ、グラースは更に銃を撃ち続けるのだった。
成功
🔵🔵🔴
レティス・シェパード
(アドリブ・連携可)
初めての冒険…アルダワの地下迷宮に初めて潜った時を思い出しますね。
出発前の戸惑いと、未知に出会う高揚感、無事帰還を果たした達成感という感情は
今も鮮やかに私の中に刻まれています。
苦労もあるけど、目いっぱいの楽しさも与えてくれる冒険。
それを台無しになんてさせません!
重戦士の方は前衛で盾を、月穹士の方は後衛で火力支援を行う構成でしょうか?
うん、いい方針、よく分担ができてるかと!
でしたら私から言うことは…焦らず慌てず、困った時はすぐ助けを呼ぶこと…
あ、あはは…先輩の受け売りですねこれ。
『アストロラーベ』を<瞬間強化>し、連射力を高めた【刀身憑依・風刃】で
近寄らせる前に切り伏せます!
●
初めての冒険。その響きはレティス・シェパード(迷える子羊系ドール・f09189)にとって懐かしいものだった。
自分の場合は、アルダワ魔法学園の地下迷宮。出発前のドキドキも、未知のものに出会うワクワクも、無事に帰れた時の安心感も、全部しっかり覚えている。
だから誰かが初めての冒険をするなら、応援したい。たとえそれがゲームの世界だとしても、誰かのかけがえのない思い出には変わらないのだから。苦労もあるけど、 目いっぱいの楽しさも与えてくれる冒険。それを台無しになんてさせるものか。
レティスは意を決し、シャルマン平原を突き進む。目指すはバグに襲われる初心者達の元だ。
「大丈夫ですか? 今助けます!」
初心者達を庇うよう、レティスはモンスターとの間に割って入る。二人は怪我もしていないようだし、やる気も十分そうだ。
「作戦をお聞きしてもよろしいですか? 重戦士の方は前衛で盾を、月穹士の方は後衛で火力支援を行う構成でしょうか?」
「は、はい! そうです!」
「うん、いい方針、よく分担ができてるかと!」
マメジの返事にレティスはしっかり頷く。パニックにもなっていないようで一安心といったところか。
ミナミナも盾はしっかり構えつつ、レティスやマメジの様子を窺っている。上手く連携して動いてくれそうだ。
「でしたら私から言うことは……焦らず慌てず、困った時はすぐ助けを呼ぶこと、です」
「分かりました、焦らず冷静に……」
緊張した面持ちでアドバイスを受け取る二人に、レティスが向けるのは少し困ったような笑みだ。
「あ、あはは……先輩の受け売りですねこれ」
自分も先輩たちからアドバイスを受け、冒険をこなしてきた。自分が先輩側になるのは、なんだかくすぐったい。
先輩達のように立派に初心者の助けになれるだろうか――いや、ならなければ。
レティスはケインソードを握りしめ、呼吸を整える。
「私が一気に切り込みます。お二人は身を守ることを優先してください!」
指示を受け、初心者達が防御を固めたのを確認すれば準備万端だ。
レティスは一気に剣を引き抜き、刃に風の魔力を宿す。
「吹き荒ぶ嵐の力よ、刃に宿りて切り刻まん」
呪文と共に高まる魔力に、パルニー達はピクリと反応。勢いよく飛び跳ね、こちらへと迫ってくるが――。
「お二人の初めての冒険、邪魔はさせません!」
敵の到来より早く、レティスが風の刃を振るう。
次々に飛び出す鋭い刃は、あっという間に敵を斬り伏せ皆の安全を確保する。
その様に初心者二人は目を輝かせていた。
なんだかやっぱりむず痒い。けど――。
(……先輩達のようになれたべか?)
同時にポカポカするような、そんな想いがレティスの心を過ぎっていった。
成功
🔵🔵🔴
テッカ・ロールナイト
どっせええいッ!
『エンジンブレイド】を|バグプロトコル《レアエネミー》に叩きつけるぜ。
お二人さん。ピンチみたいだから助太刀するぜ。
…まあ俺も初心者だけど居ないよりマシだろう。
にしてもあれがバグプロトコル、遺伝子番号を焼却するなんて都市伝説があるエネミーか。倒せば経験値もたんまり貰えそうだぜッ!
うおっ、とびつく攻撃をしてきやがった!?連続で攻撃してきてウザいなッ!
なら【タンク・オブ・スティール】ッ!
攻撃力と防御力にバフかけて纏めてエンジンブレイドでなぎ払ってやるぜッ!
倒したら『捕食者の大腕』を捕食形態にしていただきますっと。
一々喰わないと経験値貰えないのがやっぱ面倒だな、魔喰者。
【アドリブ歓迎】
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「わっ、また湧いてきた!」
迫りくるバグ化パルニーに、ミナミナは思わず悲鳴を上げる。
猟兵達の援護は頼もしいが、バグのしつこさもなかなかのもののようだ。後ろで戦うマメジも、なかなか落ち着くことが出来ない様子。
二人が慌てている間にも容赦なくパルニーは迫り、あわや大ピンチといったところだが――。
「――どっせええいッ!」
突如空から降り注いだ何かが、パルニー達を吹き飛ばす!
初心者達が丸くなった目を向ければ、落下地点に立っていたのはテッカ・ロールナイト(神ゲー駆けるは、魔喰者の騎士・f41816)だ。
「お二人さん。ピンチみたいだから助太刀するぜ……まあ俺も初心者だけど居ないよりマシだろう」
エンジンブレイドを構え笑うテッカの姿に、初心者コンビは驚き半分安堵半分といった様子。
「あなたもプレイヤー? あ、ありがとう。助かったよ!」
「協力に感謝します。あのモンスター、やっぱり変で……」
二人の言葉を受け、テッカは改めてパルニーを観察する。
異様に速い動き、赤く輝く瞳、凶暴性――バグプロトコルは都市伝説だと思っていたが、実在していたとは。
あれに倒されれば遺伝子番号を焼却、なんて恐ろしい話もある。その末路の恐ろしさは、テッカもよく知っていた。
「ヤバそうな相手だが、その分経験値もたんまり貰えそうだぜッ! 思いっきり倒しちまおうぜッ!」
にっかり笑うテッカの様子に、初心者コンビも小さく笑みを浮かべる。
確かにバグは恐ろしい。けれど――冒険は始まったばかりなのだ、ワクワクしないと勿体ない!
初心者コンビは気を取り直し、防御優先で戦う姿勢を取っているようだ。
ならば自分は敵を殲滅しよう。テッカは再び武器を構え、迫りくるパルニーを睨んだ。
敵の殺意は凄まじいもので、次々にこちらへ飛び込んできている。一体一体は小さくとも、連続で飛び込まれるのはなかなか厄介だ。
「うおっ、連続で攻撃してきてウザいなッ! だったらこうだッ!」
テッカは|ユーベルコード《スキル》を発動し、自身にバフをかける。
装備の重量が大きければ大きいほど強力になるこのバフは、鎧やエンジンブレイドとも相性がいい。
「おりゃああッ!」
勢いに任せて武器を振るい、嵐のような一撃をお見舞いすれば小さなパルニーは一網打尽。
倒れた相手はしっかり『捕食者の大腕』で捕食して。自身のステータスが伸びていく感触は楽しいものだ。
「……一々喰わないと経験値貰えないのがやっぱ面倒だな、魔喰者」
まだまだ評価の定まらないこのジョブ。とことん鍛えてやろうと、テッカは強く思うのだった。
成功
🔵🔵🔴
ウュル・フゥ
それなりに経験積んでるGGOプレイヤーとして、初心者さんはきっちり守ってあげなきゃね!
というわけで猟兵として初仕事、頑張っていくよー。
まずはお二人さんにお手伝いを申し出。
ここの敵にはバグで理不尽に強いヤツが混じってるから、そいつはアタシが引き受ける、って形を取ろうかと。
(バグプロトコルのことは一旦伏せる)
戦闘が始まったら、お二人さんに近いトコのバグから優先的に攻撃。
キャットクローでの高速連続攻撃(【アクセルコンボ】)でざくざく斬っちゃうよ。
数が多ければUCで足止めをかけて、動けないところを仕留めてく。
バグじゃないヤツはお二人さんにお任せ。
仕様通りの部分はしっかり経験して欲しいしね。
●
GGOにログインするのは、ウュル・フゥ(貪り喰らうもの・f41775)にとっては慣れたものだ。
自由奔放に振る舞えるこの世界では、何をするのも楽しくて。そうしているうちに、プレイヤーとしての経験はそれなりのものとなってきた。
そんなウュルからすれば、初心者クエストを頑張っている子達は守るべき存在だ。
初心者達を守るべく、ウュルは元気いっぱいシャルマン平原を進む。
今日は猟兵としての初仕事でもあるのだ、楽しく頑張っていこう!
初心者達はパルニーと懸命に戦っているようだが、バグ相手だと防戦せざるを得ないようだ。
ウュルは二人の元に辿り着くと、明るく笑みを浮かべる。
「こんにちは! 良ければお手伝いさせてもらっても、いいかな?」
「ありがとうございます! あのモンスター、やたら強くて……」
初心者コンビも異常は感じているようだが、それ以上のことを気にする余裕はなさそうだ。
「大丈夫大丈夫。ここの敵にはバグで理不尽に強いヤツが混じってるから、そいつはアタシが引き受けるよ。二人は操作とか、防御スキルの感触とかを確認して欲しいかな?」
いきなりバグプロトコルというイレギュラーは知らなくてもいいだろう。まずは純粋にGGOとして、出来るから覚えてもらいたい。
そんな意味も籠めたウュルの指示に、初心者達はこくりと頷く。二人とも武器はしっかり握っており、操作のほうも問題はなさそうだ。
(敵の中にはバグじゃない個体もいるみたいだね。だったらちゃんと分担したいかな)
ウュルは初心者達とモンスターを確認し、手早く方針を組み立てる。
キャットクローを構えれば、方針通りに動くのみだ。
「バグってないのはどんどんやっつけてねー。それじゃあ頑張ろうー!」
ウュルは勢いよく地面を蹴り、戦場一帯を駆け回る。
優先的に狙うのは、初心者を狙うバグ個体。悪い子達にはキャットクローの斬撃をお見舞いし、さくっとやっつけて。
パルニーは偽レアアイテム爆弾を生成し邪魔してくるが、偽物だと分かっていれば気を引かれることもない。
「その手には乗らないよ。えーい♪」
ウュルはユーベルコードを発動し、地面を思い切り叩く。そこから極低温の衝撃波が広がれば、周囲のパルニーはあっという間に凍りついた。
「二人とも、こっちの敵はバグってないよー」
「ほんとだ! マメジくん、殴っちゃおう!」
安全な個体を示してやれば、初心者コンビも積極的に攻撃へと加わって。
その動きはまだぎこちないけれど、一生懸命だ。自分が初心者だった頃を思い出し、ウュルはしみじみと笑う。
事件が起きてしまっても、このゲームは楽しいのだから。それが少しでも伝わるように、ウュルもまた懸命に戦うのだった。
成功
🔵🔵🔴
ベルト・ラムバルド
アドリブ上等
ゴッドゲームオンライン~?大層な名前だが要はゲームの世界!
そして私達はゲームの中にいる…つまりは架空の世界…おとぎ話!
まさに騎士道物語の権化たるベルト・ラムバルドが活躍せねばなるまい!行くぞ~!
堂々と名乗りながら二人を助けるぞ
…なんか可愛い奴らが出てきたな
だが容赦はせん!デビルキングワールドの悪魔を召喚!
…あぁ!モーラットを呼んぢゃった~!お前らじゃな~い!も~!
お?モーラット達がやる気だ?マスコット対決かな?
ようし!こうなりゃモーラット達を鼓舞して集団戦術で嗾けて電撃攻撃だ~!いけ~!そこだ~!頑張れ~!
…騎士っぽくない?…こ、これが私なりの騎士道だ!えっへん!(勝者のカリスマ)
●
「ゴッドゲームオンライン~? 大層な名前だなぁ」
新世界に舞い降りつつ、ベルト・ラムバルド(自称、光明の宇宙暗黒騎士・f36452)はそう呟く。
目の前に広がるシャルマン平原という場所はなんとも長閑だ。物語の始まる場所としては、確かにそれらしい。
頬を撫でる風の感触は本物だが、それでもどこか浮世離れたような感覚があるのはゲームの世界だからだろうか。
しかしその事実は、ベルトにとっては悪くないものだ。
ここはゲームの、架空の世界。それはおとぎ話の世界と同じといっても過言ではないだろう。
「つまりこのような世界こそ、騎士道物語の舞台に相応しい! それらしく活躍しようではないか!」
ベルトは勇ましく平原を駆け抜け、戦う初心者コンビの元へと向かった。
勢いよくジャンプして、コンビを守るように立ち上がって。
「我が名はベルト・ラムバルド! 光明の宇宙暗黒騎士だ! 諸君らを助けにきた!」
「騎士さん!? かっこいい~」
「あ、ありがとうございます……!」
堂々と名乗るベルトに対し、ミナミナはきらきらとした視線を向ける。マメジのほうもぺこりと頭を下げて感謝を示していた。良い気分だ。
このままの勢いで敵を蹴散らしてやろう。ベルトは正面へ向き直り、倒すべき敵を探すが――。
「……ん!? なんか可愛い奴らが出てきたな」
今回のモンスターであるパルニーは、もふもふ可愛いウサギ型。呆気に取られそうになるが、ベルトはすぐに気を取り直す。
「容赦はせん! デビルキングワールドの悪魔を召喚してやろう!」
ベルトはびしっとポーズを決めて、ユーベルコードを発動する。そこから飛び出したのは――ふわふわ可愛いモーラット達だった。
「もきゅ!」
「あぁ~! お前らじゃな~い! も~!」
頭を抱えるベルトに対し、初心者コンビは目を丸くするばかり。一方モーラットのほうはやる気満々だ、
「こうなったらマスコット対決だ! 応援は私に任せろ、お前らは思いっきりやってこ~い!」
「「「もっきゅ~♪」」」
やる気に満ち溢れたモーラット達は、ベルトの声援を受けバリバリと電撃攻撃を放つ!
パルニー達もバグテクスチャを纏って応戦するが、やる気いっぱいのモーラット軍団に敵う道理はないだろう。
「いけ~! そこだ~! 頑張れ~! ……は!?」
応援に夢中になっていて、ついつい忘れていた。そういえば初心者コンビはどうなった。
ベルトが後ろを振り返れば、相変わらず初心者達はポカンとしていた。
騎士を名乗る青年が飛び出したかと思えば、悪魔召喚でふわふわ生物を呼び出して、めっちゃ応援してる。確かにカオスな状況である。
「……ごほん。こ、これが私なりの騎士道だ! えっへん!」
「そういう戦い方もあるんだ……」
「勉強になります……!」
ベルトのカリスマに感化され、納得する初心者達。
最終的に勝ってるから、何も問題はないのだ。
成功
🔵🔵🔴
第2章 冒険
『猫の集会場』
|
POW : 猫に己の力を見せ実力を認めさせ、集会場に案内してもらう
SPD : 猫を密かに尾行し集会場に潜入
WIZ : 猫の習性を利用して集会場の情報を手に入れる
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
|
種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
猟兵達の介入により、無事バグ化したパルニーは討伐された。
初心者コンビは改めて猟兵に向き直り、頭を下げる。
「助けて頂いてありがとうございます」
「本当にありがとう……どうなるかと思ったよ」
二人ともイレギュラーに焦りはしたが、猟兵達のおかげでやる気は衰えていない。当初の予定通り、クエストを続けるつもりのようだ。
さて、そのクエストの続きだが。
「えーっと、今度は『猫の集会場探し』ってイベントだそうです」
舞台は変わらずシャルマン平原。モンスターが掃討されたことで、マップにNPCが生成されはじめたようだ。
そのNPCとは――猫である。
マップに点在する猫は『猫の集会場』という特殊マップに向かう性質を持っている。
それを利用し、集会場を探し出せば次に進めるという訳だ。
NPCの猫達はめちゃくちゃ硬い以外は、割と普通の猫ちゃんである。
日向があればぼんやりするし、美味しいものがあれば興味を示す。
人懐っこい子もいれば、警戒心の強い子もいる。
プレイヤーと敵対することはないが、素直に言うことを聞くとは限らないだろう。
彼らとどうにかコミュニケーションを取るもよし、こっそり後をつけるもよし。
何かしらの手段で猫を利用し、集会場を探すのが次の目的となりそうだ。
ミナミナとマメジはスキルを使い、こっそり猫の後をつけるつもりらしい。
しばらくは安全なため、彼らとは同行してもしなくても構わない。
今はクエストを進めるべく、猫の集会場を探しにいこう。
テッカ・ロールナイト
よっし、倒したモンスターは中々の経験値だったな。
ミナミナとマメジだったっけ?2人はこのままクエストを続けんの?良かったら俺もついていって構わないか?
『猫の集会場探し』なんて、何か面白そうだし。
2人はこっそり猫の後をつけるのか。なら俺も『シャドウクローク』のステルス効果でついてくぜ。
…こんな平原で漆黒の外套とか目立って仕方ない筈だが…まあ、そこはゲームだからか。
抜き足差し足匍匐前進っと。
こういうのも冒険の醍醐味だよな。この先に何が待ってるか、ワクワクするぜ。2人もそうじゃないか?
にしても猫か。噂じゃAIかどうかも分からないって話だが、このゲームでどういう存在なんだろうな?
【アドリブ歓迎】
●
「よっし、倒したモンスターは中々の経験値だったな」
先程の戦果を確認し、テッカ・ロールナイトはにんまりと笑みを浮かべる。
彼の後ろでは初心者コンビも戦果の確認、というより一息ついているようだった。テッカはゆるく手を振りつつ、二人に近付く。
「ミナミナとマメジだったっけ? 2人はこのままクエストを続けんの?」
「うん。皆に助けてもらった分、続きも頑張りたいなって~」
「良かったら俺もついていって構わないか? 『猫の集会場探し』なんて、何か面白そうだし」
「ぜひお願いします!」
テッカの提案に初心者コンビも嬉しそうだ。二人の様子にテッカも安心したように頷く。
GGOには秘密も隠されているだろう。けれどそれ以上に、楽しいゲームなのだから。遊べる時はしっかり遊ぶ、それが一番大切だ。
「それで、クエストはどう進めるつもりなんだ?」
「僕達、NPCと交渉するスキルとかは取ってなくて……」
「分かりやすく猫ちゃん達を尾行しようかなって~」
初心者コンビはスキルがない分、出来る範囲の行動でクエストを進めるつもりらしい。テッカもその方向性に異論はなかった。
「こういう時は装備のスキルだって使えるぜ。ほら、こういうの」
テッカが示したのはステルススキル付きの『シャドウクローク』だ。これならGGOのプレイヤーでも所持者は多いし、分かりやすく扱いやすい。
初心者コンビもテッカを参考に装備を整え、準備を終える。
しばらく平原を散策すれば、お散歩中の猫ちゃんも発見できた。あとは三人で息を合わせて、こっそり猫ちゃんを追いかけるのみ。
猫はのんびりとした様子で平原を進んでいくが、時折周囲を警戒していた。
そんな猫ちゃんにバレないように、三人は抜き足差し足忍び足、匍匐前進すら交えて尾行を続ける。
「こういうのも冒険の醍醐味だよな。この先に何が待ってるか、ワクワクするぜ。2人もそうじゃないか?」
ふと投げられたテッカの言葉に、初心者コンビもこくりと頷く、
ゲームの外では、何かを探して大冒険なんて出来やしない。たとえゲームの世界でも、滅多に出来ない経験が味わえるのは良いことだ。
そのワクワクを味わっているうちに、猫は岩場に向かっていく。集会場はそちらにあるのだろうか?
(この世界の猫、噂じゃAIかどうかも分からないって話だが……)
謎多き猫ちゃんだが、今は確かな案内人だ。
その背中を追いかけつつ、三人は進む。ワクワクの冒険は始まったばかりだ。
成功
🔵🔵🔴
ユーリカ・スペクター
安全は保証されているようですね
なら、ミナミナさんとマメジさんとは別行動を取りましょう
自らの力でクリアすることもクエストの楽しみですからね
さて、そうなると
私は私で集会場を探す必要がありますね
クエスト参加側…新鮮な心地です
>事前に特殊マップに向かう性質を持っている
それがわかっているなら
仲良くして案内してもらうのが得策でしょうか
猫さん達、私もご一緒してよろしいですか?
のんびりしている猫さん達の了承を得て
近くに座りつつ
【ステータスオープン!】発動
撫でてもらうのが好きか
あるいは遊び好きか
猫さんごとの好みに合わせて触れ合い、親交を深めます
移動する素振りを見せたら
私も同行させていただけるようお願いしましょう
●
危険が過ぎ去ったシャルマン平原は穏やかそのもの。
ミナミナとマメジも落ち着いた様子でクエストを進めているようだ。
その様子にユーリカ・スペクターも安堵していた。彼らが最初の危機を潜り抜けられたことも、クエストを続けるつもりなのも喜ばしい。
ここは一度パーティを解散し別行動だ。初心者達には自力でクエストをクリアする楽しみを味わって欲しいから。
(さて、そうなると……私もクエストを進めなければいけませんね)
バグはクエストの終盤、ボス戦にも出現すると予知されている。その現場に居合わせるためにも、ユーリカ自身もクエストを進めなければならない。
そこには使命感もあったけれど、ワクワクする気持ちもあった。ドラゴンプロトコルである彼女にとって、クエストに参加するというのは貴重な経験。楽しみながら行くのが吉だろう。
弾む気持ちのまま平原を進んでいけば、目に留まったのは数匹の猫だ。彼らは日光を浴びつつ、のんびりしている様子。
(確か、このクエストの猫は『事前に特殊マップに向かう性質を持っている』んですよね)
情報を踏まえつつ、ユーリカが選んだのは猫と仲良くなる手段だ。
なるべく警戒されないよう、リラックスした様子で歩を進めて。ユーリカは猫達の近くに座り、笑顔を浮かべる。
「猫さん達、私もご一緒してよろしいですか?」
そのまま発動するのは組合員の能力、『ステータスオープン!』。
次々に展開されるウィンドウには、猫達の情報が書き連ねられていた。
「ふむふむ、こちらの灰色猫さんは背中を撫でられるのが好き……」
手に入れた情報通りに猫さんを撫でれば、聞こえてくるのは喉をゴロゴロ鳴らす音。好評らしい。
「こっちのトビ猫さんは遊ぶのが好き……」
シャルマン平原にはふわふわした草が生えていて、猫の遊び道具にはぴったりだ。ふわふわ草をゆらゆらすれば、トビ猫さんも大喜び。
こんな風に猫の好みに合わせ、適切な遊びを提案していけば――気付けば猫達はユーリカに懐き、身体を寄せたり甘えたりし始めた。
ぽかぽか暖かな猫さんの、のびのびした様子。それを見守っていれば、ユーリカの顔にも暖かな微笑みが浮かんでいた。
(穏やかなクエストも良いですね、攻略法も人それぞれでしょうし)
楽しく遊びつつ試行錯誤が出来る。それも良いクエストの条件かもしれない。
そんなことを考えているうちに、猫達はもぞもぞと動き出す。どうやら集会場へ移動し始めたようだ。
「っと、私も同行しても構いませんか?」
ユーリカが問いかければ、猫達は小さく鳴きつつ進んでいく。ついてこい、と言っているらしい。
ならばその通りに行動しよう。ユーリカもゆっくりとした足取りで、猫の背中を追いかける。目指すは次の地点だ。
成功
🔵🔵🔴
御園・桜花
「遅れてすみません、お猫さまに御奉仕する依頼があると聞きまして」
空仰ぎ
「何処の世界にも、ぱらいそはあるのですね…」
感動を噛み締めた
「お猫さま、世界を越えて下僕がやって参りました。御奉仕させて下さいまし、さあ!さあ!」
UC「花見御膳」
雑魚と木天蓼粉材料に猫の体力が増進する猫まっしぐらなオヤツ作成
周囲の猫に貢ぎつつ手製猫じゃらし振り回しつつ猫用ブラシでブラッシングする三面六臂な御奉仕活動を展開
「お猫さま、此の地には尊き猫集会があると伺っております。下僕はもっと多くのお猫さまに御奉仕させて頂きたいのです。どうか是非、是非此の下僕を猫集会にお連れ下さいませ!」
御奉仕中のお猫さま全てにお強請りする
●
「遅れてすみません、お猫さまに御奉仕する依頼があると聞きまして」
そう言ってグリモアベースに足を運んだのは御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)だ。
桜花はこれからの流れを確認すると、早足でGGOの世界へと踏み入れる。
抜けるような青空を仰げば、思わず溜息が溢れた。
「何処の世界にも、ぱらいそはあるのですね……」
ここは架空の世界らしい。けれど猫達がいるのなら、そこはぱらいそ。間違いない。
感動を噛み締めつつ、桜花は早速猫の姿を探す。
ふと視線を向けた岩陰には――数匹の猫達が屯していた。どうやらくつろぎタイムのようだ。
桜花は目をきらきらと輝かせ、猫達の元へと進んでいく。というか、半分くらい飛び込んでいた。
「お猫さま、世界を越えて下僕がやって参りました。御奉仕させて下さいまし、さあ! さあ!」
飛び込むと同時に差し出すのは、お手製の花見御膳。
ぱかっと蓋を開ければ、猫達は一斉に興味を示し始めた。それもそのはず、御膳の中身はとっておきの猫用オヤツなのだから。
材料は雑魚と木天蓼粉、食べれば元気いっぱいになれるオヤツに猫ちゃん大喜び。その反応に桜花も大喜びだ。
「たくさんありますから、好きなだけお食べになって下さいね。元気が有り余ってる方にはこちらもあります……!」
次に桜花が差し出したのはお手製の猫じゃらしだ。そちらにも猫達は目を輝かせ、どんどん飛びついていくる。
いっぱい遊んで泥んこになっても大丈夫、桜花の手元には猫用ブラシも完備されていた。
「さあ、必要なものがあれば何でもおっしゃって下さい……!」
桜花の万全の準備に猫ちゃん大興奮。食べて遊んで撫でてもらって、幸せいっぱいだ。
そんな彼らに囲まれて、桜花もぽわぽわとした笑みを浮かべる。ああ、やっぱりここはぱらいそだ。
ひとしきり遊んだところで、桜花は猫達に頭を下げる。
「お猫さま、此の地には尊き猫集会があると伺っております。下僕はもっと多くのお猫さまに御奉仕させて頂きたいのです。どうか是非、是非此の下僕を猫集会にお連れ下さいませ!」
クエストを進めようとしう使命感もあるが、桜花の言葉は紛れもない本心だ。
彼女の申し出に猫達はうにゃんと鳴いて。その心意気、しかと受け取ったぞ――そう答えられているような、いやただご機嫌に鳴いたような。
どちらにせよ、猫達は桜花がついてくることを嫌がっていない。どうやら集会場には向かえそうだ。
「ありがとうございます……! まだまだ御奉仕させて頂きますからね……!」
幸せいっぱいの笑みを浮かべ、桜花は猫に同行していく。
それから集会場に辿り着いた彼女が、三面六臂な活動をしたのは言うまでもないだろう。
成功
🔵🔵🔴
グラース・アムレット
【花色龍】
仁さん! と手を挙げて駆け寄ります
……私達もデジタルに疎いので初心者クエストにうってつけな気がしてお誘いしたんですが、来てくださって良かったです
……まっぷ?
ミナミナさん達に倣ってマップに点在する印を見ますね
ここは、よく動くマークに狙いをつけてみましょうか
元気な猫達がいる気がしますよ
仁さんの尾にじゃれる猫を見ると、遊び足りないみたい?
平原の猫じゃらしを採取してフリフリしてみましょう
『物を隠す』ように野原の草で出たり引っ込めたり
『フェイント』もかけてっと
釣れたら猫が好きそうなペイントブキの羽ペンを使ってじゃらし
羽根の匂いや動きに興奮してくれるかしら?
仲良くなって集会所を目指しましょう
青梅・仁
【花色龍】
お、グラースちゃん。無事合流出来たな。
にしてもここ、本当にゲームの世界とは思えんくらいにリアルだな……。
ほー、こうやって地図が見れるのな?
猫ってのは気紛れだし、警戒心が強い子に無理はさせたくないしな。
よし、そのよく動くマークのところに行ってみるか。
猫を見つけたらおやつを出して呼び寄せてみる。
ん?尾になんかぶつかっ――うわ、じゃれられてる。
おいおい、これは玩具じゃねえんだ、これで遊ばないでくれ。
尾を上げて遊ばれないように対策してみるが、猫の身体能力の前じゃあまり意味がないな。
仕方ねえ、これで遊んでいいから集会所に案内してくれないか?
動物の言葉は使えないが、目を合わせて頼んでみよう。
●
平和になったシャルマン平原はぽかぽか長閑。
そこに新たにログインしてきた人物を見遣り、グラース・アムレット(ルーイヒ・ファルベ・f30082)は大きく手を振る。
「仁さん! 来てくださったんですね!」
「お、グラースちゃん。良かった、無事に合流出来たな」
声をかけられた青梅・仁(鎮魂の龍・f31913)もゆるりと手を振り返す。ぱたぱた駆け寄るグラースに向けるのは、暖かな笑みだ。
先程の戦いは乗り越えられたが、やはりデジタルの世界は未知数。ちょうど参加しているのも初心者クエストだし、共に経験を積もう。そんな流れでグラースが仁を呼んだのだ。
一息ついたところで、改めて確認するのは周囲の光景。太陽の暖かさ、風の心地よさ、緑の香り。どれもが本物そっくりで、なんとも不思議だ。
「にしてもここ、本当にゲームの世界とは思えんくらいにリアルだな……」
「さっきの戦いも凄くリアルでした。あの方達と一緒に戦って……」
グラースが視線を向けたのは、クエストに挑む初心者コンビ。ちょうど二人はマップウィンドウを開いていたところで、半透明のマップ越しに手を振っている。
猟兵達も二人に手を振り返しつつ、じっと見るのは浮遊するマップ。どうやらこのゲーム、手元に地図を表示出来るらしい。
「ほー、こうやって地図が見れるのな? ええっと、こう?」
見様見真似で操作をすれば、仁の手元にも似たようなウィンドウが浮かび上がる。グラースはマップと初心者コンビを交互に見て、首を傾げた。
「まっぷ、は見れましたが。ここからどうすればいいんでしょう……?」
「おねーさーん! なんか光ってる点! それ見てー!」
疑問に答えたのはミナミナだった。平原は長閑すぎて、近くで談笑している声も響くらしい。
ありがとうございます! と返事をしつつ、グラースは改めてマップを見遣る。
「この点々が猫でしょうか? でしたら……」
目星をつけたのは、よく動く点。きっとこの点は活発な猫ちゃんを示しているのだろう。
「ここ、元気な猫達がいる気がしますよ」
「良い案だ。警戒心の強い子に無理はさせたくないしな」
元気な猫ちゃんなら、もし嫌なことがあれば自力でさっさと逃げ出すだろう。
それに活発な子なら好奇心が強い可能性も高い。そんな子なら、きっと気だって引けるはず。
「それじゃあこちらに向かいましょうか。猫探し、頑張りましょうね」
「ああ。初めてのクエスト、スタートだな」
初めての世界でも、初めてのクエストでも。楽しいことを友達と一緒にするのなら、怖がることはなにもない。
グラースと仁はぽかぽかの陽光を浴びながら、元気に平原を進んでいく。
しばらく進んでいけば、目標の地点まで辿り着けた。
そこには予想通り、元気いっぱいの三毛猫ちゃんがいた。どうやら咲いていた花にじゃれている様子だ。
「遊んでる最中でしょうか? ふふ、本当に元気いっぱいですね」
予想はしていたけれど、実際に元気な猫を見れば笑みが溢れる。くすりと笑うグラースの横で、仁は荷物を確認していた。
「道具もちゃんと持ち込めてるな。よし……」
仁が取り出したのは猫用のおやつだ。それをぷらぷらと示しつつ、そーっと猫に近付いて。
「ほら、こっちに来な。美味しいおやつもあるぜ」
おやつの香りに三毛猫は顔を上げ、仁をじーっと見つめる。興味は無事に示せたようだ。
あとはおやつを渡して仲良くなるだけだが――猫が向かったのは予想外の方向だった。
「……ん?」
猫はおやつをスルーして、仁の後方に飛び込む。同時に仁が感じたのは小さな衝撃だ。
見れば猫ちゃん、仁の尾にじゃれついている。しかも結構勢いよく。
「おいおい、これは玩具じゃねえんだ、遊ばないでくれ」
ひょい、と尾を上げて抵抗してみても、猫の身体能力には敵わない。すごい勢いでジャンプして、すごい勢いでじゃれつかれるのだ。
「まだまだ遊び足りてないんでしょうか。私もお手伝いしますよ」
グラースは手近な猫じゃらしを摘んで、ふわりと揺らす。猫はそちらにも反応すると、元気いっぱい飛び込んできた。
けれどただじゃれつかせるだけでは勿体ない。グラースは周囲の草花を利用して、猫じゃらしを更にテクニカルに動かす。
時にフェイントをかけてみたり、時に思い切り動かしてみたり。その度に猫は機敏に動いた。
「おお、本当に元気だな……」
「もうひとつ遊び道具を出してみますね」
尾を整える仁の横で、グラースが出したのは羽ペンだ。そちらもゆらゆら揺らせば、猫はごろにゃんとじゃれつく。
猫からすれば面白いおもちゃが沢山あって、遊んでくれる人がいる――なんとも楽しい状況だろう。
「俺の尾でもうちょっと遊んでいいし、おやつもやろう。だから集会所に案内してくれないか?」
仁は猫に視線を向けて、しっかりと頼み込む。おやつを受け取った猫は、ゴロゴロうにゃん、のんびり鳴いている。多分オッケーなのだろう。
「……猫ってのはやっぱり気まぐれだな」
「はい、でも可愛いです」
「そうだな。無事に仲良くもなれたし」
あとは皆で集会場に向かうだけ。無事にクエスト進行という訳だ。
三人で進む道は、やっぱりぽかぽかで長閑。架空の世界でも、暖かさと楽しさは本物だった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ナナセ・ミカグラ
最近通常攻撃が通らないバグの話よく聞くなー
猫クエストは楽しめそうでなによりと見送る
さてさて
行き交うネコチャンをしゃがんでちちちってして逃げられたりしつつ
へそ天でひなたぼっこしてる子を見つける(毛色と模様はお任せ)
「ほらほら、おいでー」
こない
「おいでー」
ごろーん、くねくね
仕方ないので近くで寝っ転がって空を見上げる
抜けるような良い天気に欠伸
「……やばい、寝落ちする」
狩って加工したジャーキーを鼻先に近づけてみる
うわっツーンってした
お安い肉はダメ的な?贅沢は敵だぞー
しょうがないなと
レア度だけは高いが回復値はしょぼいアイテム(お任せ)を出して釣る
仲良くなったら尻尾を立てて歩き出すのについていき無事クリア
●
ナナセ・ミカグラは先程の戦いを思い返し、首を傾げる。
通常攻撃が通らないバグの話は最近よく聞いていた。実際それを前にすると、浮かんでくるのは疑問や違和感。
けれどそれより、今は目の前のクエストを進めなければ。初心者コンビも早速猫を探そうとしているようで、ナナセは彼らへ声をかける。
「そっちはそっちで探索かな。じゃあオレもネコチャン探し、行ってくるよー」
またねー、と緩く挨拶し、そのまま解散。彼らとは再び合流することが分かっているが、そうでなくても挨拶は『またね』だ。
暫しの別れの次に求めるのは、ネコチャンとのはじめまして。ナナセはのんびり平原を進み、猫の姿を探した。
「ネコチャンどこかなー……っと」
適当にぶらぶらしていれば、それなりに猫とは遭遇出来た。
しゃがんでちちちっとしてみるが、なかなか良い反応は貰えない。猫ちゃん、気まぐれである。
「難しいなー……」
何か別のアプローチが必要だろうか。小さく唸りつつ進んでいけば、次に目に留まったのは花畑だ。
見ればその中央で、サビ猫ちゃんがゴロゴロしている。見事なへそ天っぷりに、ナナセは思わず感心していた。
「おー、お見事。昼寝もいいけど、ほらほら、おいでー」
ちょいちょい、と手招きしてみるが、猫ちゃんは反応しない。声が聞こえていないのか、無視されているのか。
「おいでー」
ちょっと声を大きくしてみても、猫ちゃんは無反応。のんびりぐねぐね、ごろーんとしている。
「……よし」
ナナセは意を決し、サビ猫ちゃんの横に寝っ転がった。
花の香りは柔らかく、吹く風は心地よく、空は抜けるように青い。長閑という言葉を体現したような状況だ。
「…………ふぁ」
思わず欠伸が出たところで、ナナセは飛び起きた。やばい、このままだと間違いなく寝落ちする。
視線を横に向けてみれば、サビ猫は相変わらずゴロゴロしていた。どうにかこの子の気を引かなくては。
そこでナナセが取り出したのは安価なジャーキーだ。回復アイテムとしてはお手頃で、悪くない選択肢だと思うが――。
「これならどう? ……うわ、駄目だ」
猫ちゃん、そっぽを向く。初めてのまともなリアクションがこれだと、なかなか悲しい。
「お安い肉はダメ的な? 贅沢は敵だぞー」
しょうがない。ナナセが意を決して取り出したのは、ゴージャスキャビアと呼ばれるアイテムだった。
このアイテム、レアではあるが回復アイテムとしては微妙なものだ。けれどこれなら――思った通り。猫は目をきらきらさせ、キャビアを見つめている。
「よしよし、これあげるから集会場に案内してねー」
物に釣られた猫ちゃんに、ナナセは思わずくすりと笑う。
食事を終えたら出発だ。仲良くなったサビ猫の尻尾を導に、ナナセは平原を進んでいくだろう。
そうすれば――いずれ集会場にも辿り着けるはずだ。
成功
🔵🔵🔴
ベルト・ラムバルド
アドリブ上等
猫の集会所探し~?平和だなあ~気が抜けちゃうなぁ…
…いやいや!些細な事でも獅子が如く全力を尽くすのが獅子!…じゃなく騎士!よ~し!ベルト・ラムバルドは男だ!やるぞ~!
やぁ猫ちゃん?ちょっといい…逃げた!?
ねぇそこの猫ちゃ…しゃーって威嚇した?!
ねぇねぇ猫…痛!引掻かれた~!!
くそ~猫に馬鹿にされてる…
おぁ!?なんか勝手にモーラットが召喚されちゃったし…も~!
ん…なんだ?モーラット達がやる気だ?猫にも負けまいとマスコット対決だな?
よし!モーラット達の道案内と野生の勘で集会所を探し出そう!
…ん~猫のほうが個人的に好みかもなぁ…
痛い痛い!分かった私が悪かったから電撃はやめなさい!痛ッ!
●
「猫の集会所探し~? 平和だなあ~気が抜けちゃうなぁ……」
次なるクエストを思い返し、ベルト・ラムバルドは思わずぐにゃんと脱力。長閑な平原で猫探し、なんとものんびりした話である。
けれどぐにゃんとしている訳にもいかない。ベルトはぶんぶんと首を振りつつ背筋を伸ばす。
「……いやいや! 些細な事でも獅子が如く全力を尽くすのが獅子! ……じゃなく騎士!」
「わーっ! 騎士のお兄さん頑張ってー!」
ベルトの騎士宣言にクエスト進行中の初心者コンビが合いの手を入れる。彼らの手前でもある以上、騎士らしく活躍せねば。
「よ~し! ベルト・ラムバルドは男だ! やるぞ~!」
という訳でベルトと猫の戦いが始まった。しかし――。
「やぁ猫ちゃん? ちょっといい? ……って逃げるなーっ!」
「ねぇそこの猫ちゃ……やめろ、威嚇するな! しゃーってするな!」
「ねぇねぇ猫……うわっ痛っ! 引掻かれた~!!」
結果は惨敗である。
引っ掻かれたほっぺを押さえつつ、ベルトは思わず肩を落としていた。
「くそ~猫に馬鹿にされてる……こういう時はこう、不思議なことが起きたり……ん!?」
落ち込むベルトを励ますように、召喚陣が展開される。これは何か良いことが起きるか!?
しかしその予想も斜め上の方向へとかっ飛んだ。
「「「もっきゅ~♪」」」
「わーっ! また勝手にモーラットが召喚されちゃった……も~!」
先程の戦いの後、丁重にお帰り頂いたモーラットが再びやってきたのだ。
けれど幸か不幸か、モーラット達はやる気に満ち溢れている。これはチャンスなのではないか?
「ほほう、猫にも負けまいとマスコット対決だな? よし、なら力を貸してくれ!」
目指すべきは猫ちゃんの集会場。つまり動物が集まっているところ。
モーラット達の道案内パワーと野生の勘が合わされば、そういう場所を探すのは難しくないはずだ!
早速ベルトはモーラットの案内を受け、平原を進んでいく。
進めば進むほど、近くを通りかかる猫の数も増えているようだ。モーラットの案内は、おそらく正しい方向に向かっている。
その道すがらベルトが見るのは、のんびり進む猫の姿。さっきは痛い目に遭わされたが、なんだかんだで猫ちゃんは可愛いのだ。
「……ん~猫のほうが個人的に好みかもなぁ……」
「もきゅーッ!!」
ぽつりと零した言葉に、モーラットが返したのはビリビリ攻撃であった。鋭い攻撃を受けたベルトはこんがり焼けて、口からケホケホと煙を吐き出す。
「い、痛い痛い! 分かった私が悪かったから電撃はやめなさい!」
「もきゅん!」
分かればよろしい、とばかりに胸(たぶん)を張るモーラット達。そんな彼らにベルトは小さく溜息を吐いた。
きっと騎士道が続く限り、彼らとの付き合いも続くのだろう。そんな予感が胸を過ぎっていったからだ。
成功
🔵🔵🔴
ミュー・シートン
うにゃ~~~~~~~~~~ん
(周囲を見つつ猫で話していたり)
『冒険者が来るのも近い感じにゃ』
どの道、集会場と思しき場所を探し出している最中だが、猫の行動を見てこっちかなと思った方向に向かう。
ち⚪︎~る出されたら、我先と突っ込もうとするであろう。
アドリブ歓迎
●
平原の上にはまだまだのんびり過ごしている猫がいるようだ。
そんな彼らの輪の中にはミュー・シートンの姿も見える。
「うにゃ~~~~~~~~~~ん」
ミューは周りの猫達と一緒にのんびりしつつ、雑談に興じているようだ。
傍から見れば可愛い猫ちゃんの集まりも、ミューからすれば大切な情報交換の場。
けれどぽかぽかの陽気を楽しんでいるのも、また紛れのない事実であった。
『冒険者が来るのも近い感じにゃ』
ミューの言葉に、一匹のブチ猫が顔をあげる。
『さっきからチラホラ見えてる人達かにゃ? ううむ、変なことをされなければいいのだが』
『大丈夫、皆優しそうだったにゃ』
ミューは猫でありつつ猟兵でもある。
先程のバグとの戦いにも参加して、他の冒険者の姿はしっかり確認していた。大丈夫、不埒な輩はいなかった。
けれどミューはそのことを伏せ、ただ仲間を安心させることを選んだ。幸い猫達もまったりしているようで、警戒心を強めてはいない。
『どうせなら、美味しいものとかくれないかにゃ~』
ハチワレ猫がくわっと欠伸をしつつ呟く。意見に同意するよう、ミューもにゃあと鳴いた。
その鳴き声がよく通ったからだろうか。近くを通りかかった初心者冒険者達が、ミュー達に気付いたようだ。
「ミナミナさん、あそこ……」
「わっ、猫ちゃんがいっぱい! こういう時は……」
ミナミナが取り出したのはチューブ型の猫用おやつ。他の猟兵を真似して用意したらしい。
そのおやつを確認するや否や――ミューは跳んだ。一歩遅れて他の猫達もジャンプする。皆おやつが大好きなのだ。
「にゃーッ」
「わーっ! すごい食いついてきてる!」
ミナミナは猫に飛び掛かられつつもご満悦だ。猫好きらしい。
彼女の横ではマメジがあわあわしていたが、ミナミナが無事なことに気づくと安堵の息を零した。
「ただおやつに反応してるだけかな……? みんな、これをあげるから仲良くしてくれるかい?」
マメジの言葉に反応するよう、ミューは大きく鳴いて。
初心者コンビを導くことは大切だ。ミュー自身も集会場に向かうのだから、一緒に行動したほうがいいだろう。
それから少し時間は経って。
おやつを平らげた猫達は、もそもそと移動を開始する。食後の運動を兼ねて集会場を目指すようだ。
ミューはその集団の後ろについて、更に後ろに初心者コンビがつく。
皆でぞろぞろ向かうのは、猫の集会場。
ぽかぽか陽気に包まれながら、足取りは軽やかに。誰もが楽しそうに、平原を進んでいく。
成功
🔵🔵🔴
ウュル・フゥ
二人とも無事で何よりだね。
ここは普通のクエストになるから、好きにやってもらえば良いとして…
アタシもちゃんとクリアしないとね。
それにしても猫ちゃんいっぱい、皆可愛いよねえ。
ここはクエストのコトは一旦置いといて遊ぶとしようか!
というわけで、見つけた猫さん達に四つ足歩行で近づいていって、遊びを仕掛けてみよう。
ワームヘッド・テイルを尻尾っぽく振って誘ってからの追いかけっこや、インベントリから取り出したボールの転がしあいとか。
お腹が空いたらインベントリからご飯出して一緒に食べよう。
一通り遊んだところで、お友達とも遊びたいなと集会場へ連れてってくれるよう【動物と話す】ことでお願い。
●
ワイワイとクエストを進める初心者コンビは楽しげで、二人の姿を眺めつつウュル・フゥもにっこり笑う。
二人が無事なのも嬉しいし、クエストを――GGOを続けているのも嬉しい。
こんな楽しい世界に来たのだから、不本意なバグに楽しみを奪われるなんてとんでもない。この世界に訪れた人は、皆自分のように楽しんで欲しいのだ。
「だからアタシももっと楽しまないとね。普通のクエストみたいだし、さくっとクリアしちゃおうか」
初心者コンビとは暫く離れても大丈夫だろう。ウュルは平原の方に向き直り、自身のクエストをこなす為に進む。
少し歩いているだけでも、平原でまったりする猫の姿はチラホラ見えた。この世界、元々猫は多いけど。いざ自由に過ごす猫達を見ればやっぱり和むもので。
「よーし、それじゃあ一旦クエストのことは置いていおいて、遊ぶとしようか!」
急がば回れ、なんて言葉もあるし。やりたいことがあるのなら、思うままに楽しむのがウュルのスタイルだ。
ウュルはワームヘッド・テイルをゆらりと揺らしつつ、四つ足歩行の姿勢を取る。
そのまま進むのは、日向ぼっこ中のサバトラ猫ちゃんの元だ。
「もしもーし、こんにちは」
ウュルに声をかけられ、サバトラちゃんは目をぱちくりさせる。彼の目に映るのは――ゆらゆら揺れるワームヘッド・テイル!
サバトラの視線を確認し、ウュルは更に尻尾を揺らす。
「気になるよね? こっちだよー」
ひときわ大きく尻尾を揺らした瞬間、サバトラはしゅたっと起き上がり、ウュルの元へと飛び込む。
けれど簡単には捕まえさせない。ウュルは器用に尻尾を操り、猫のジャンプを回避した。
「こっちこっち♪」
そのままウュルが四足で駆け出せば、猫も懸命に追いかける。このまま追いかけっこという訳だ。
一緒に原っぱを駆け抜けて、満足すれば尻尾は捕まえさせてあげる。尾から伝わるふわふわとした感覚は、電脳世界でも心地よい気がする。
「ふふ、他の玩具もあるし、ご飯もあるよ。好きなだけ遊ぼう!」
ごろごろと鳴く猫の背中を撫でつつ、ウュルは微笑む。そんな彼女に猫はのんびりとした鳴き声を返した。
それから暫く遊び通せば、ウュルと猫はすっかり仲良しだ。
「ねえ、一つお願いしてもいいかな?」
ウュルは今まで使っていなかった動物会話のスキルを使いつつ、猫の顔を覗き込む。
「君のお友達とも一緒に遊びたいんだ。溜まり場があるなら、アタシも連れて行ってくれないかな?」
その言葉に猫は大きく鳴いて、てこてこと進み出す。どうやら集会場に案内してくれるようだ。
ウュルはその背を追いかけつつ、満足そうに笑う。
こんな風に遊んでも、しっかりクエストは進んでいく――やっぱりGGOは楽しい!
成功
🔵🔵🔴
レティス・シェパード
(アドリブ・連携可)
とりあえずひと段落、ですね!
初めての戦闘からトラブルで、
お二人とも嫌気がさしてないか心配だったけど…
…うん、その心配は無用みたいですね!
猫さんの集会所探し、私もお手伝いしますね!
平原なら魚が採れる川や木の実が採れる木等もありますかね?
材料を集めたら…手持ちの『魔導鉱石』でいけるでしょうか?
【錬成術・創生想像】、お料理ゴーレムくんの完成です!
胸のオーブンのような扉の中に材料を入れるだけで料理ができる優れものです!…多分。
これでエサを作って猫さんをおびき寄せましょう!
うまく寄ってきてくれたら、帰る猫さんの後をつけて集会所を探しましょう。
警戒されないようこっそり慎重に、ですね…!
●
「……よし。とりあえずひと段落、ですね!」
念のために周囲の様子を確認し、レティス・シェパードは安堵の息を吐く。
傍らに立つ初心者コンビもリラックスしているようで、次なるクエストに意識を向けているようだ。レティスはその姿にも安心していた。
せっかくの初ゲームなのに、生命の危機すらあるトラブルに遭遇してしまう。
そんな不幸に見舞われて、二人に嫌気が差していないか心配だったが――その心配は無用だったようだ。
「次のクエストもご一緒させてもらっていいですか? 猫さんの集会所探し、でしたよね」
「うん! お姉さんと一緒なら心強いよ!」
「よろしくお願いします」
ニコニコ笑うミナミナに、ぺこりと頭を下げるマメジ。パーティは無事に継続のようだ。
一息ついたところで、レティスは平原を見遣る。猫はすでに現れているようだが、器用に隠れているのかなかなか姿が見えない。
「お姉さんどうする? 猫ちゃん探しに行く?」
早速出発しようとするミナミナを、レティスが軽く制止して。
「いえ、少し考えがあります。この辺りって川や木はあるでしょうか?」
「えーっと、近くに小さな泉があります。その側に木も生えてるみたいです」
マメジが示したマップを確認し、レティスはにっこりと笑う。
「なら、まずはそちらに向かいましょう」
それから三人で泉へ向かって。レティスは早速周囲を探り、素材となるアイテムを集めていく。
「魚も木の実もありますね。あとは『魔導鉱石』を使って……」
手にした素材を組み合わせ、イメージするのは――今この状況に最適なハイパーゴーレムくん!
レティスがばっと腕を上げれば、イメージ通りのゴーレムが姿を現した。
「出来ました、お料理ゴーレムくんの完成です! 胸の扉の中に材料を入れるだけで料理ができる優れものです!」
「わっ、すごい! お料理出来るんだ!」
「はい! ……たぶん」
レティスは恐る恐るゴーレムの扉を開き、中に集めた食材を詰める。
そのまま暫く待てば――出来上がったのは美味しそうな魚のグリルだ。
「よかった……成功です!」
ほっと一息吐きつつグリルを取り出せば、香りにつられて数匹の猫が姿を現す。
レティスは迷うことなくグリルを猫達に振る舞い、様子を観察し始めた。
「ゴーレムくん大活躍ですね。それで、えっと、これからは……」
「満足した猫さんは安心出来るばしょ――集会場に帰るはずです。そうしたら、後を追いかけましょう」
その予想は無事に当たり、猫達は同じ方向に向かって帰っていく。
レティスはゴーレムを片付けつつ、初心者コンビに笑顔を向けた。
「警戒されないようこっそり慎重に、ですね……!」
「おお、こういうのもワクワクするね!」
「レティスさん、ありがとうございます」
三人で、抜き足差し足忍び足。
皆でペースを合わせ、笑顔を向けて、楽しく進む。こんな経験も、大きな糧になってくれるはずだ。
成功
🔵🔵🔴
第3章 集団戦
『サルファーゴースト』
|
POW : ゴーストスクワッド
対象の周りにレベル×1体の【小さなサルファーゴースト群 】を召喚する。[小さなサルファーゴースト群 ]は対象の思念に従い忠実に戦うが、一撃で消滅する。
SPD : アンラック・フラッシュ
【全身 】から、物質を透過し敵に【不幸】の状態異常を与える【冷たい輝き】を放つ。
WIZ : 呪う亡霊
自身が触れた物体ひとつに【悪霊 】を憑依させ、物体の近接範囲に入った敵を【呪詛】で攻撃させる。
イラスト:リュイ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
猟兵達はそれぞれの工夫で猫達から情報を得て、集会場へと向かう。
猫の集会場はゴツゴツした岩場の奥に存在し、そこには多くの猫達がゴロゴロしていた。
そんなゴロゴロ猫ちゃん達の奥に――妙に存在感を示すのは、とある洞窟。
どうやらここがクエストの最終地点のようだ。
「この洞窟にいる『リトルドラゴン』ってボスを倒せばクエストクリアなんだってー」
新しく得た情報を確認に、ミナミナがからりと笑う。すっかり緊張は解れているようだ。
隣に立つマメジも落ち着いた様子で、洞窟の中を覗き込んでいた。
「……あ、あれかな?」
マメジが指差したのは、洞窟の奥に鎮座するポップな竜。あれが『リトルドラゴン』で間違いないだろう。
『リトルドラゴン』自体は、ゲームの想定通りのボスだ。
しかし問題はその周囲にあった。
ドラゴンの取り巻きのように浮遊する『サルファーゴースト』達――そちらは間違いなくバグプロトコルである。
このままボス戦に突入すれば、ドラゴンは倒せてもバグは倒せない。結果として初心者達の遺伝子番号は焼却されてしまうだろう。
それを防ぐには、猟兵達がバグを討伐するしかない。
「ボス戦かぁ。頑張ろうね、みんな!」
「とりあえず、まずはボスを抑えようか? 新しく覚えたスキルも使ってみたいな……」
初心者コンビは猟兵達と行動したことで、落ち着いた状態でここまで来れた。やる気だって十分だ。ボス本体は二人に任せれば問題ないだろう。
ならばあとは――猟兵達が力を合わせ、バグをどうにかするだけだ!
テッカ・ロールナイト
いよいよボス戦って訳だな。
ミナミナ、マメジッ!周りの雑魚は俺に任せろッ!2人はリトルドラゴンに集中して戦いなッ!
小さなサルファーゴースト群が群がって来やがった!?『エンジンブレイド』でなぎ払ってやるッ!
が、他にもゴーストはいるし、数が多すぎねえか!?
…なら毒を以て毒を制すってヤツだ。
サルファーゴーストの一匹に【捕食者の魔喰】ッ!
ハッハァーッ、敵のユーベルコードを奪ってやったぜッ!
んじゃ、さっそく俺のエンジンブレイドに触って…【呪う亡霊】ッ!
これでエンジンブレイドでぶった斬りながら周りの範囲内の敵も纏めて攻撃可能だぜッ!
さあ、派手に暴れてやろうかッ!
【アドリブ歓迎】
●
先程までのゆるゆる猫探しとは一変、緊迫してきた空気を感じ取り、テッカ・ロールナイトはぐっと拳を握る。
「いよいよボス戦って訳だな。問題は……」
ボスの『リトルドラゴン』は普通のモンスター。少々強敵だが、打ち倒せないほどではない。
厄介なのは周囲のゴーストだ。こちらを倒せるのは猟兵と呼ばれる者のみ、つまり自分達が頑張らなくては。
テッカは武器を構える初心者コンビのほうを向き、思い切り叫ぶ。
「ミナミナ、マメジッ! 周りの雑魚は俺に任せろッ! 二人はリトルドラゴンに集中して戦いなッ!」
「わかった、ありがとう!」
「そちらも気を付けて!」
二人がドラゴン目掛けて駆け出したのを確認し、テッカは浮遊するゴーストへ向き直る。
ゴーストもテッカの戦意に気付いたのか、ゆらゆら身体を揺らしつつ迫ってきたようだ。
ふいにゴースト達の身体が輝いたかと思えば、テッカの周囲に魔法陣が展開されていく。そこから現れたのは小さなゴーストの群れだ。
「うお、群がって来やがった!?」
テッカは咄嗟にエンジンブレイドを構え、その重々しい刃を振るう。
小さなゴーストくらいならこれで薙ぎ払えるが、彼らを召喚する本体も巻き込むとなるとなかなか難しい。
下手に時間をかければ更に小さなゴーストが呼び出され、最終的には押し負けてしまうだろう。この状況を打破するならば――。
「……なら毒を以て毒を制すってヤツだ。いくぜッ!」
テッカは意を決し、一匹のゴーストの元へ飛び込む。そのまま腕を捕食形態へと変化させ、ゴーストへと喰らいついて。
「オラァッ! お前のユーベルコードよこしやがれッ!」
ゴーストを喰らった腕が陽炎のように揺らめけば、そこに宿るは強力な呪詛。魔喰者の力がゴーストの技を奪い取ったのだ。
「ハッハァーッ! んじゃ早速――【呪う亡霊】!」
宿った呪詛をエンジンブレイドに流し込めば準備も万端。呪詛の宿った刃なら、先程よりも威力は増している。
剣を一振りしてみれば、飛び出す衝撃波は一気に敵を飲み込んで。これで形勢逆転という訳だ。
「さあ、派手に暴れてやろうかッ!」
高らかに叫びつつ、テッカは戦場を駆け回る。振るう刃は重々しく、だからこそ凄まじい。
嵐のようにテッカが暴れれば、次第にゴーストの数は減っていく。
「やっぱり『魔喰者』、可能性しか感じないぜッ! このままどんどんいくぞッ!」
戦うたびにテッカのテンションは上がっていき、動きのキレも良くなって。
彼の戦いは苛烈でありながら、どこか楽しそうでもある。テッカは――心の底からGGOを楽しんでいるのだ。
大成功
🔵🔵🔵
ユーリカ・スペクター
クエストも大詰めですね
お二方が楽しめている。喜ばしいことです
さて、バグプロトコルの排除に取り掛かりましょう
プレイヤーの皆様に安全かつ有意義なGGOライフを
それが私の仕事ですから
NPC装いムーブは継続
お二方がボス戦に集中できるよう努めます
魔法で攻撃し、敵群の注意を私に引き付けます
私自身は遠距離から攻めるゆえ
敵のUCは特に困りませんが
万一、ボス戦の邪魔になってはいけません
ここは、少しばかり強引な手段ですが…
|世界《MS様》に我儘を言ってしまいましょう
【管理者権限】発動
敵の呪詛を掻き消せれば構いません
多くは望みませんが
ついでに攻撃もできれば尚良しですね
バグ潰しが早く終わるに越したことはありませんから
●
ユーリカ・スペクターにとってボス戦とは、自分が運営するものだ。その参加者側になるというのは、やっぱり新鮮である。
いよいよ大詰めといった空気感の中で、初心者コンビがワイワイ戦う様は微笑ましい。
プレイヤーの皆様に安全かつ有意義なGGOライフを――あの楽しげな様子を守る、そのためにユーリカは立っている。
けれどそのことは初心者コンビには内緒だ。ちらりとこちらを向く二人に、ユーリカは軽く微笑みを向ける。
「ボスの対処は二人にお任せします。取り巻きの対処は私達が行いますね」
「わかったよ、ありがとう!」
二人は特に状況を疑うことなく、再びボスとの戦いに集中していく。彼らが異常に気付く前に、バグを片付けなくては。
ユーリカは魔導書を開きつつ、ゴーストの群れに視線を向ける。
「さあ、こちらですよ」
展開するのはシンプルな攻撃魔法だ。魔力を光弾へと変化させ、それを撃ち出す。分かりやすい魔法だから、コントロールも簡単だ。
攻撃を受けたゴースト達は迷うことなくユーリカに狙いを定め、呪詛を振りまきつつ接近してくる。
その様子を確認し、ユーリカは初心者達とは反対方向に走り出した。
(このまま引き付けられれればいいのですが……)
ユーリカの攻撃は的確で、敵にいきなり距離を縮められるような事態にはならない。引き付けも有効だ。
一つ気になるとすれば、ゴースト達が呪詛を振りまいているという点だろうか。
自分は悪影響を受けないとしても、いずれ広がる呪詛がボス戦の邪魔をしてしまうかもしれない。
ここは一つ、強引な手段を取ってみようか。
「今この場では、私こそがルールです。権限使用、ユーベルコード選択――」
ぱらりと魔導書を捲り、目に留まったページに視線を落として。そこに書かれた内容を参考に、ユーリカが取り出したのはギルドペンだ。
ペンに魔力を宿し、空中にさらりと文字を記して。その正体は異世界の技術、『|光輝く25文字《ヘリオンサイン》』。
敵はユーリカに注目していた。彼女の目の前に現れた文字も、当然目撃するだろう。
次の瞬間、ゴースト達は眩い光に焼かれていく。清浄なる裁きの光は呪詛ごとゴーストを浄化し、この世界から|悪しきもの《バグ》を祓うのだ。
「初めてのボス戦というのは、きっと思い出になるものでしょうから。その邪魔はさせません」
ユーリカは静かに、けれどはっきりとした言葉をバグへと向ける。
彼女の真っ直ぐな仕事ぶりは、その通りの成果を遺していくのだった。
大成功
🔵🔵🔵
ナナセ・ミカグラ
「ざぁこはこっちで引き受けるから、ミナっちとマメじーはボスをやっちゃってー」
通常の共闘を装う
初めてのクエストをややこしいもんにしたくないしね
確認するようにUC起動
これも効くっぽいね
カードは1回目だけ【攻撃範囲】であとは【攻撃回数】を選択
機関銃で複数匹を打ってタゲ取り。制圧射撃で距離をつめ2人から引き離すように追い込む
後は接近で銃撃&蹴り。一体ずつに集中して数を減らす
敵の光は顔を背け目を閉じたりでシャドウパリィ。防御にはあんま振ってない回避型だから不幸は喰らいたくない
2人は目視で把握
バグが近づいたら即銃撃しおびき寄せたり傍でかばう
「けっこうダメ入ってるじゃん、いけいけー」
いつもみたいに楽しんでく
●
大きなドラゴンに、浮遊する取り巻き幽霊。
目の前に広がる光景は『いつものボス戦』らしい光景だ。ならばそのまま通そうと、ナナセ・ミカグラは初心者コンビに顔を向ける。
「ざぁこはこっちで引き受けるから、ミナっちとマメじーはボスをやっちゃってー」
「は、はい! ありがとうございます!」
「行ってくるね!」
彼らにとってはトラブルこそあったものの、楽しいクエストの真っ最中なのだ。それをややこしくする必要はない。
(バグを倒せる手段は限られてるみたいだしねー。このスキルも効くかな?)
ナナセはスキルを一つ発動すると、機関銃を構える。そのまま狙いを定めて、まずは弾丸を一斉に発射して。
複数体に狙いを定めた弾丸の雨は、ゴースト達の気を引くには十分だった。白い身体に傷が刻まれたのを確認し、ナナセは小さく安堵の息を零す。
「これも効くっぽいね。スキルもちゃんと発動してるっと」
ナナセの側にはスキルの成果である3枚のカードが浮かんでいた。そのうち1枚、『攻撃範囲倍加』を選べば、同名のバフがしっかりと付与された。
「こっちおいでー」
バフの力を頼りにし、ナナセは更に弾幕を展開していく。攻撃を喰らったゴースト達は次々にこちらへ迫ってきているようだ。
ゴーストは執念深くナナセを追いかけ、頭部らしき部分を発光させる。
危険を察知したナナセは、咄嗟に地面の上に伏せた。
直後、ほんの少しだけ目に入ったのは眩い輝き。この程度なら状態異常は受けずに済むようだ。
しかし、ゴースト達はここぞとばかりにこちらに迫る。銃使いが地に伏せたとなれば、確かに隙を晒したかのように見えるだろう。けれど――。
「実はこの距離が得意なんだよねー」
ナナセは跳ねるように起き上がると同時に、鋭い蹴りをゴーストに浴びせる。ボーナスとして現れた『攻撃回数』のカードを受け取り、次に構えるのは愛用のカスタム銃。
流れるように蹴飛ばしたゴーストに銃口を向け、一発ニ発。敵が無事に倒れたことには安心するが、危険はまだ去っていない。
「――あ!」
向かったのは初心者コンビの側、彼らに近付くゴーストの元。そちらにも素早く蹴りと銃撃をお見舞いし、ナナセは初心者達に笑顔を向ける。
「お、ボスにけっこうダメ入ってるじゃん、いけいけー」
「ありがと!」
「頑張ります!」
感謝を述べつつボス戦に没頭する初心者コンビ。彼らを見遣り、ナナセはにっこり笑う。
「うんうん。思いっきり楽しむが一番だよね」
だからオレも頑張ろう。
ナナセは再び銃を握りしめ、残りのゴーストの元へと向かう。バグ相手だろうと、クエストの大筋は変わらないのだ――やっぱり楽しい!
大成功
🔵🔵🔵
御園・桜花
「人型のようなお花のような…」
首傾げ
「彼方は彼の方々だけで大丈夫そうですから、此方は此方で始めましょう。私、やっとプロトコルな方々がどういうものか慣れてきましたの」
UC「シルフの召喚」
シルフに遠距離から敵を切り刻ませ自分は召喚敵に対応
軽機関銃連射し敵を撃ち倒す
「極々稀な方々を除き、貴方達が作られたままのプログラムである事、自由意志を芽生えさせた存在ではない事を理解しました。貴方達は定められた儘に、此の世界のフォーミュラの意志の儘に存在し動き回り、此の世界のフォーミュラが倒される迄木偶でしか在り続けられない存在。統制機構中枢近くに居るであろう方を倒す日迄、私は貴方達を只倒します」
鎮魂歌歌う
●
ふわふわ浮遊するゴースト達は、淡く身体を光らせつつこちらへ迫る。
その姿をじぃっと見つめ、御園・桜花はこてんと首を傾げた。
「人型のようなお花のような……」
生物として適切な進化を遂げた訳ではない、何者かに設定されたその姿。なんとも不思議なものだ。
ゴーストから視線を外し、少し遠くを見ればドラゴンと戦う初心者コンビの姿も見える。そちらは順調のようだ。
「彼方は彼の方々だけで大丈夫そうですから、此方は此方で始めましょう。私、やっとプロトコルな方々がどういうものか慣れてきましたの」
桜花はにっこりと笑顔を浮かべ、手を軽く叩く。
バグプロトコルにどう向き合うか納得できれば、あとは思うままに戦うだけだ。
桜花はそのまま更に手を叩き、意識を集中させる。お参りするかのような姿勢を取って、呼ぶのは頼もしい精霊だ。
「森の妖精、風の精霊。私の願いを叶えておくれ。代わりに1つ、お前の気ままに付き合おう。おいでおいで、シルフィード」
詠唱が終わると同時に、戦場に風が吹き荒れる。その風は不可視の精霊が現れた合図だ。
「シルフは遠くから敵を攻撃して下さい。私は敵の攻撃に備えます」
桜花が軽機関銃を構えた直後、ゴースト達の輝きが眩いものへと変わる。
その光の中から現れたのは小さなゴーストの群れだ。本体共々、こちらを押し潰そうとしているのだろう。
しかし小さなゴーストの方は脆い。桜花が軽機関銃での攻撃を開始すれば、あっという間に弾丸の雨に飲まれていくだろう。
すかさず次のミニゴーストを呼び出そうとした本体も、シルフの風に次々と切り裂かれていく。
戦いの流れは完全に桜花が掌握していた。
攻撃を続ける最中、桜花はゴースト達の姿をしっかりと見据えていた。
「極々稀な方々を除き、貴方達が作られたままのプログラムである事、自由意志を芽生えさせた存在ではない事を理解しました」
この世界は何者かに作られたもの。その中で自分の意志に目覚めた者も確かに見つけた。けれどゴースト達は、間違いなく違う。
「貴方達は定められた儘に、此の世界のフォーミュラの意志の儘に存在し動き回り、此の世界のフォーミュラが倒される迄木偶でしか在り続けられない存在。統制機構中枢近くに居るであろう方を倒す日迄、私は貴方達を只倒します」
弾丸の雨嵐の中、桜花はいつもと変わらぬ鎮魂歌を歌う。
自由意志のないものだろうと、それを弔いたい気持ちは何一つ偽りない。
いずれこの世界が自由を手にする時が、彼らの開放の時。それを目指して、桜花は進むのだ。
大成功
🔵🔵🔵
ベルト・ラムバルド
アドリブ上等
着いた~!愉快なドラゴン…じゃなくてあの幽霊もどきがバグってやつか!
あの二人は…呑気なんだか豪胆なんだか…まぁその度胸は十分に認めよう!
ベルト・ラムバルドは騎士だ!行くぞ!
レイピアで果敢に斬り付け幽霊もどきを切断し串刺して攻撃!
呪詛での攻撃なんぞ、御守りの呪詛耐性と霊的防護で呪詛なんぞ消し飛ばしてやる!
ふふん…幽霊もどきめ…私のすんばらしい光明で成仏させてやる!
私の威光は飾りなんかじゃあないぞ!喰らえー!
UCでカリスマオーラを飛ばして幽霊共をカリスマで消滅させてやろう!
…あの二人は……うんうん…旨くやってるな…
私の騎士道を間近で見てたものな…!(両腕を組みながら勝手に保護者顔)
●
「着いた~! ここがゴールだな!」
クエストの終着点は洞窟で、中には愉快なドラゴンとゴースト達。物語のクライマックスらしい光景に、ベルト・ラムバルドのテンションも上がる。
ただ自分達の敵はドラゴンでなくゴーストらしい。ドラゴンの方には初心者コンビが意気揚々と立ち向かっている。
「あれだけのことがあったのに、あの二人は……呑気なんだか豪胆なんだか……まぁその度胸は十分に認めよう!」
「え? ほんと? ありがとう!」
とりあえず褒められたことを理解したミナミナが一瞬だけベルトに笑顔を向ける。やっぱり呑気なのでは。
しかし二人が懸命に戦っていることは紛れもない事実。ならば彼らの手本になるよう、自分も堂々と戦はなくては。
「負けてられないな――ベルト・ラムバルドは騎士だ! 行くぞ!」
ベルトは処刑人の名を冠するレイピアを引き抜くと、一気にゴースト達の元へ飛び込む。
彼の突撃に反応したかのように、ゴースト達は不気味な光を纏い出していた。
「何かやらかすつもりか? そうはさせないぞ!」
敵が攻撃の兆候を示したのなら、それより先に仕留めればいい。そんなシンプルな理論を、ベルトは的確に実行していた。
特に強い光を纏うゴーストを優先的に狙い、放つはレイピアによる鋭い斬撃。
次々に敵を切り払いつつ、ベルトは直感的にゴースト達の性質を理解した。
「その光、呪詛だな? その程度の呪詛なら……こう!」
ゴースト達の光を打ち払うべく、ベルトが掲げたのは大切な御守り。処刑人の髪が織り込まれた御守りは、生半可な呪詛ならあっという間に吹き飛ばせる。
御守りが放つ霊的防御にゴースト達がたじろいだのを確認し、ベルトは更に一歩踏み込む。
「ふふん……幽霊もどきめ……私自身も君らみたいなのには強いぞ。すんばらしい光明で成仏させてやる!」
ベルトのテンションがどんどん上がれば、彼の後光もどんどん輝く。けれどこの光は決して飾りなんかじゃない。悪を打ち倒す騎士のキラメキだ。
「我がカリスマをその身で喰らえーッ!!」
次の瞬間、眩い光は矢と変じ、次々にゴースト達を刺し貫く!
光が消え去る頃にはゴースト達もあっさり消滅。視界が良くなったところで、ベルトは初心者コンビの方を見た。二人の戦いも順調のようだ。
「うんうん……旨くやってるな……私の騎士道を間近で見てたものな……!」
腕を組み、ウンウン頷くベルト。その様はまるで保護者のようであった。
騎士として、後続の者を育てるのも大切な務めだ。今日も騎士らしく頑張れたな、ベルトは深くそう思うのであった。
大成功
🔵🔵🔵
グラース・アムレット
【花色龍】
そうですね
ボスはミナミナさんとマメジさんにお任せしますね
頑張って!
ええ、大丈夫ですよと仁さんにお応えします
戦いはお手の物ですものね
とはいえ皆さんへの『ばふ』は掛けていきましょう
お二人も、猟兵も、今はクエストのクリアを目指していますし――
目標を定めたその心……そして遺伝子番号を死守すべく『絶対防衛戦線』を展開しますね!
狛犬のゆきちゃんには走ってもらって、体当たり攻撃やかばう防御を
小吉さん達とサーフィンするのもアリですね
冷たく暗い波が召喚されたのなら辺りの温度も下がっているかしら
ゴースト群を凍らせる魔術絵本のページを開いて便乗するように攻撃
……良い素材がドロップできると良いですねぇ
青梅・仁
【花色龍】
二人は新しいスキルを使ってみたいんだな?
二人が戦いやすいよう俺達は雑兵を引き受けよう。
ドラゴン撃破、頼んだぜ!
と、二人に声かけ。
さてグラースちゃん、行けるかい?
はは、やっぱ頼もしいぜ。
「おいおい、雑兵が“初心者”を狙わないでどうする?」
GGOについては俺達の方が初心者。
『挑発』してこっちに攻撃を向けるよう誘導しよう。
悪霊?呪詛?
俺達の得意分野だな。
今は『絶対防衛戦線』の力もある。
――見せてやれ、小吉(UC)
『オレ達に呪詛が効くと思うなよ!』
『お、波乗りか?よーし、やったろうぜ、ゆきちゃん!』
二人にもグラースちゃんにも指一本触れさせない。
本体やゴースト群が近づいてきたら波で押し返そう。
●
初心者コンビは初めてのボス戦を全力でエンジョイするつもりのようだ。
二人の様子にグラース・アムレットと青梅・仁も暖かな笑顔を向ける。
「新しいスキルを使ってみたいんだな? なら俺達は雑兵を引き受けよう」
「そうですね、ボスはミナミナさんとマメジさんにお任せしますね」
猟兵からの言葉を受け、初心者コンビも楽しげに笑う。
「ありがとう、すっごく助かる!」
「ドラゴン、必ず倒してきます……!」
元気いっぱい走る二人の背に、猟兵達が向けるのはしっかりとした声援だ。
「がんばって!」
「ドラゴン撃破、頼んだぜ!」
たとえゲームの世界だとしても、目の前に頑張る者達がいる。猟兵達は心の底から二人を応援していた。
そして頑張りたいという気持ちは、二人も一緒。
「さてグラースちゃん、行けるかい?」
「ええ、大丈夫ですよ」
「はは、やっぱ頼もしいぜ。おじさんも頑張らないとな」
「仁さんのこと、頼りにしてます。戦いはお手の物ですものね」
仁は黒い書物を、グラースは魔術絵本を構え、共に戦場を見る。二人の周囲には、猟兵の気配を察知したゴースト達が集まってきていた。
このままこちらを狙ってくれれば都合がいい。けれど数体のゴーストはボス戦のほうにも意識を向けているようだ。
そこですかさず仁は気怠げな笑みを浮かべつつ言葉を紡ぐ。
「おいおい、雑兵が“初心者”を狙わないでどうする?」
事実、GGOという舞台に関しては猟兵達は初心者だ。
その事実を指摘され挑発されたゴースト達は、猟兵のほうにしっかり意識を向ける。この幽霊達、見た目に反して知能は高そうだ。
「連携したりしてくるでしょうか。こういう時、GGOなら……『ばふ』が必要でしょうか」
覚えたての言葉を思い浮かべつつ、グラースは深く意識を集中していく。
今この場にいる人たちは、皆同じ目標に向かっている。クエストクリアという、たった一つの、けれど大切な目的を。
その心を、遺伝子番号を守り抜く。皆の想いを一つにすべく、グラースは大きく手を掲げた。
「大切なものを守る。それが今、この時、唯一の願いです」
グラースの願いに応えるように、柔らかな光が戦場へと降り注ぐ。その輝きは皆を支える力に変わり、心に籠めた想いを強めていく。
「あ、あれ? なんか調子いい……」
「グラースさんがバフをかけてくれたみたいだよ。ありがとうございます!」
光は初心者コンビのことも支援してくれたようだ。笑顔を向ける二人に向けて、グラースはしっかりと頷いた。
「グラースちゃん、ありがとう。これでおじさん達も思いっきり戦えそうだ」
支援を受けた仁は書物のページを捲りつつ、そこから呪詛の力を広げる。それに反応したかのように、ゴースト達も動き出したようだ。
しかし彼らの進軍は小さな影によって阻まれる。グラースの側から飛び出した狛犬のゆきちゃんが、皆を守るように立ちはだかったのだ。
「ゆきちゃん、援護をお願いしますね」
グラースの言葉にゆきちゃんは勇ましく吠える。その身体から仄かに浮かぶ蒼炎は、幽霊達の光より不思議と強い気がした。
ゆきちゃんが敵の進軍を阻んだことで、仁のほうの準備も整ったようだ。気付けば彼の周囲からは、波のように呪詛が揺蕩っている。
「サルファーゴースト……つまり悪霊で呪詛使いと。残念だったな、俺達の得意分野だ――見せてやれ、小吉」
ざぱんと、ひときわ大きく呪詛が波打つ。
それに乗るように飛び出したのは、仁を慕う怨霊達。先頭に立つ小吉という少年は、特に元気いっぱいだ。
『オレ達に呪詛が効くと思うなよ! 一気に飲み込んでやる!』
呪詛は本物の海のように変じて、暗く冷たい波はゴースト達をざぱんと飲み込む。
それに便乗するようにゆきちゃんも更に前へと飛び出したようだ。波にざぷざぷ器用に乗る様は、愛らしくも頼もしい。
「あら、なんだかサーフィンのようですね」
『お、波乗りか? よーし、やったろうぜ、ゆきちゃん!』
元気いっぱいの返事を返すゆきちゃんと、楽しそうな小吉達。彼らもこの不思議なゲームを楽しんでいるようだ。
「おー、しっかり頼むぜ。二人にもグラースちゃんにも指一本触れさせないからな」
「でしたら、私も便乗させてもらいますね」
緩く笑顔を浮かべつつもしっかりと呪詛を操る仁の隣で、グラースも魔術絵本をぱらりと捲る。そこから広がるのは氷の魔術だ。
展開された魔術は時に幽霊を攻撃し、時に波を凍らせ盾と変えさせていく。
周囲の気温はどんどん下がるが、この場にいる者達のテンションはどんどん上がっていた。
「うわーっ! ドラゴンすごい!」
「でも、僕らのスキルも負けてないよ!」
猟兵達のサポートを受け、懸命に戦う初心者コンビ。大変そうだが楽しそうなその様子を見かければ、グラースはほっと息を吐く。
「あの二人ならきっと勝てますね……良い素材がドロップできると良いですねぇ」
「ああ、ゲームだからそういうのもあるんだっけか。お宝が拾えるかも、なんて夢があるな」
デジタルなものに疎い仁も、少しずつこの世界のことは理解してきた。
仮想空間でも、ワクワク出来る楽しいことがある。誰かと手を取り合って頑張れる。それはきっと、良いことだから。
「……最後までしっかり二人を守ってやらないとな」
「はい。楽しい思い出と一緒に帰りたいですからね」
猟兵達はぐっと気合を入れ直し、更に戦いを続けていく。
どうか今日この瞬間が、皆にとって良いものになるように。その未来を、ただ目指して。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ミュー・シートン
みゃみゃ~~ん。(ボスがいる方向に応援)
雑魚があっちに行かないように適当に相手してあげた方がいいので、今回もライオン呼んで集団を襲撃する。
「うなぁん(はいはいこっち)」
●
初心者コンビは猟兵達の援護を受けて、元気いっぱいドラゴンと戦っているようだ。
二人の様子を見守りつつ、ミュー・シートンはぐぐっと顔をあげる。
「みゃみゃ~~ん」
「あ、猫ちゃん応援してくれてる! かわいい!」
「なんだか嬉しいな……ありがとう」
猫は人語を話さない。それでも不思議と想いが通じる時はあるのだ。初心者コンビはミューの鳴き声を受けて、楽しそうに笑っている。
二人の元気や気力は十分のようだ。ボスとの戦いもほどよい難易度のようで、大ピンチといった雰囲気ではない。
きっと何事もなく戦い抜けば、二人は勝てるはずだ。ならばその未来を目指すべく、ミューはゴースト達のほうへと向かう。
ゴースト達はミューがただの猫ではないと感じ取っているのか、彼女の接近に緊張している様子。
相手がこちらを警戒してくれているならラッキーだ。そのまま思いっきり吹き飛ばしてやればいい。
「うみゃ~ん」
ミューは大きく鳴き声をあげて、黄金のライオンをその場に呼び寄せる。
そのままライオンの背に乗って飛び込むのはゴーストの元だ。
飛び込むと同時に鋭い爪を振るえば、ゴーストの身体はあっという間に切り裂かれる。物理的な攻撃も有効のようだ。
流れるようにライオンは戦場を駆けて、更に爪や牙を振るう。
ライオンの身のこなしなら、ゴースト達が放つ不気味な光だって簡単に避けられた。決して不幸を付与されることなく、ライオンは輝きを放ち続けている。
その圧倒的な存在感に、慌てて逃げ出そうとするゴーストもいるようだ。このまま放っておけば、初心者コンビの戦いを邪魔するかもしれない。
「みゃおん」
ミューはすかさず敵の様子をライオンに報せ、そちらの方へと向かわせる。
逃げようとする個体を優先的に狙い、更にライオンの猛攻は続いた。
「うなぁん(はいはいこっち)」
ミューが司令塔となり、ライオンは思い切り暴れまわる。二人のチームワークは抜群であった。
「わー、猫ちゃんとライオンさんもすごいね!」
「僕らもチームワークで頑張らないと……!」
ミュー達の勇ましい戦いぶりは、初心者コンビの励ましにもなっていた。
その様子を確認し、ミューは嬉しそうにうなんと鳴いて。
皆が楽しく頑張れる。それが一番なのだ。
大成功
🔵🔵🔵
ウュル・フゥ
おっけー、ミナミナちゃんとマメジくんはボスの抑えをよろしく!
周りのザコはアタシに任せといてね♪
お二人さんの周りにいる敵から順次攻撃していくよ。
【ダッシュ】で走り回ってはキャットクローの【斬撃波】で斬り裂き、纏まっていれば回転斬撃の【範囲攻撃】で一掃を狙う。
敵がUCで小さいゴーストを呼んできたら、これをワームヘッド・テイルで【捕食】しUC発動。
覚えた敵のUCでゴーストを呼んで、お二人さんへの攻撃を阻止させる方向で動かすよ。
大事なはじめての経験、台無しになんかさせないんだからね!
●
GGOでパーティを組んだなら、役割分担は大切だ。やる気いっぱいの初心者コンビを前に、ウュル・フゥは元気に笑う。
「おっけー、ミナミナちゃんとマメジくんはボスの抑えをよろしく! 周りのザコはアタシに任せといてね♪」
「先輩にそう言ってもらえると心強いなぁ。頑張るね!」
「ありがとうございます、よろしくお願いします!」
ボスに向かって駆け出す初心者コンビ。緊張はしているようだが、楽しそうで何よりだ。
今回は二人にとって初めてのボス戦。その思い出は、遺伝子番号を焼かれるなんて悲劇にさせない。
ウュルはワームヘッド・テイルを揺らしつつ、ゴースト達に向き直る。
「バグだけどみ~んな美味しそう♪ 悪い子はどんどん食べちゃうからね!」
迷うことなく敵陣へ飛び込んで、弾むように笑顔を浮かべて。黒教らしく自由に楽しく、けれどしっかり戦い抜こう。
ウュルはその決意のままに、流れるように戦い始めた。
ゴースト達は見た目の通りふわふわと浮かんでおり、その動きは比較的緩やかだ。
彼らの合間を潜り抜けるよう、ウュルは縦横無尽に飛び回る。
「それじゃあまずは様子見、かな」
勢いのままキャットクローを振るえば、飛び出す衝撃波が次々と敵を切り裂く。
ただ薙ぎ払うだけでなく、時には身体ごと回転させて。踊るようにウュルが戦えば、その度にゴースト達は散っていく。
このままだと圧倒される。そう直感したのか、ゴースト達は慌ててスキルを発動し始めたようだ。
「さて、何をしてくるかな~?」
ウュルは敢えて攻撃の手を止め、敵の様子を観察した。魔喰者であるウュルにとって、待ちというのも大切な選択肢なのだ。
ゴースト達が発動したのは仲間召喚スキルようだ。気付けば周囲には小さなゴーストが浮かび、物量でこちらを押し潰そうとしてきている。
「ちょうどよかった。いただきまーす♪」
ウュルは躊躇することなく尾を操り、小さなゴーストを捕食してしまう。
そのまま奪い取ったスキルを使い、呼び出すのは同じくゴースト軍団。こちらはウュルが使役していることを示すためか、ぴょこんと猫耳が生えていた。
「よーし、ゴースト達はあの子達を守ってあげてね。こっちのゴーストを堰き止めちゃおう!」
指示を受けたミニゴーストはその通りに動き、初心者コンビを守るように陣形を組む。これで守りは十分だろう。
ならばあとは――攻めて攻めて攻めまくるのみだ!
「大事なはじめての経験、台無しになんかさせないんだからね!」
戦いは楽しく、けれど守るべきものは大切に。自身の欲と使命、その二つを大切にしつつウュルは更に走り回る。
その軽やかなステップは、更に敵を切り裂いていくのだった。
大成功
🔵🔵🔵
レティス・シェパード
(アドリブ・連携可)
猫さんの集会所経由でこんな場所に辿り着くとは…!
もっと猫さんとゆっくり遊びたかったような…
ううん、それはクリアした後のお楽しみ、ですね!
ボスはお二人にお任せして、私は取り巻きを片付けますね!
近接範囲外から攻撃したいですが、纏まってくれた方が狙いやすそうですね…
『プロキオン』!<動物使い>として命じます、
ゴースト達がドラゴンと戦ってるお二人の方へ行かないように、
走り回って注意を引きつけて!
【魔弾・星群統制】、誘導した集団を取り囲む軌道で魔力弾を発射、
<連携攻撃>といきましょう!
試すも失敗するも自由にやれるのは初心者の特権、
そしてそれを支えるのが上級生の役目、ですからね!
●
「猫さんの集会所経由でこんな場所に辿り着くとは……!」
ぱちぱちと瞬きしつつ、レティス・シェパードは戦場である洞窟を見る。
平原から岩場の集合所へ、そして洞窟へ。なんとも不思議な道のりだった。
どうせなら猫達ともっとゆっくり遊びたかった、とは思うけど。全部が解決したら、きっとまた集会場には行けるはず。
「クリアした後のお楽しみ、ですね!」
今はとにかくボス戦を無事に終わらせなければ。
初心者コンビはボスと懸命に戦い続けているようだ。そっちは任せても大丈夫だろう。
「ドラゴンはお任せしますね。私は取り巻きを片付けます!」
「ありがと!」
「お気をつけて!」
しっかり意思表示もしたなら、その通りにレティスは進む。彼女の進む先にはふわふわとバグのゴースト達が浮かんでいた。
(数はそれなりですが、ちょっと散らばっていますね。纏まってくれた方が狙いやすそうです……)
戦況を把握したレティスは、アストロラーベを構えて言葉を紡ぐ。
「プロキオン! 動物使いとして命じます、走り回って注意を引きつけて!」
ぽん、と武器から飛び出すのは、コーギーの姿をした精霊『プロキオン』だ。
プロキオンは言われたままに洞窟内を駆け回り、ゴースト達に次々と攻撃を仕掛けていく。
体当たりされたり吠えられたり――プロキオンに引き付けられたゴースト達は、次々と引き付けられているようだ。
出来る限り初心者コンビの反対側に敵を集めたら、今度はレティスの活躍する番。
「流転する魔力の渦よ、矢と成し狙いて貫かん」
アストロラーベを再び構え、紡ぐのは魔弾を呼び出す呪文。
展開された魔術は煌めく魔力弾へと変わり、流星のように美しい軌道を描きつつ飛び回る。
ゴースト達の呪詛すら貫くその輝きは、矢となって次々に敵を穿ち始めた。
逃げようとする個体はプロキオンが足止めしてくれる。レティスは攻撃に意識を向け、着実に敵を倒すことに集中していた。
そうして連携しつつ戦えば、次第にゴーストも減っていって。余裕が出来た瞬間を見計らい、レティスは初心者コンビの方を見た。
どうやらそちらの戦いはクライマックスのようだ。色々試しつつも頑張る二人に、レティスは暖かな笑みを向ける。
「試すも失敗するも自由にやれるのは初心者の特権、そしてそれを支えるのが上級生の役目、ですからね!」
自分もかつての先輩達のように、初心者達をしっかりと支えたい。
レティスの確かで暖かな想いは、しっかりとした結果――皆の勝利として結実するのであった。
●
猟兵達がゴーストを殲滅した直後、洞窟内にドラゴンの断末魔が響き渡る。
「え、わ、やった~!」
「勝ってた……やったね!」
続いて響くのは、初心者コンビの歓声とファンファーレ。無事にクエストは終了したようだ。
二人はぱたぱたと猟兵達の元に駆け寄り、ぺこりと頭を下げる。
「ここまで連れてきてくれて、本当にありがとう!」
「ありがとうございます。皆さんのおかげで、無事にクエストクリア出来ました!」
バグに巻き込まれるというトラブルこそあったものの、それ以上に楽しい思い出と嬉しい気持ちが初心者達を満たしているようだ。
きっと二人はこれからもGGOを続けていくだろう。
ひとしきり後処理が終われば、パーティーも解散だ。
「改めて、今日は本当にありがとうね!」
「ありがとうございました。またご縁があれば、その時はよろしくお願いします」
今日の挨拶は『さよなら』じゃなくて『またね』。
GGOが続く限り、きっとまたどこかで会える。そんな気がするから。
二人が前向きにそう思えるのも、猟兵達の手助けがあったからこそ。
楽しい思い出を胸に、初心者クエストは終わりを告げる。
その先に続くのは、さらなる思い出を重ねる冒険の道筋だ。
大成功
🔵🔵🔵