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エンドブレイカーの戦い⑮〜乱花狼藉

#エンドブレイカー! #エンドブレイカーの戦い #クルール・ザ・ウォータ #伝説のゴンドラ海賊ウォータ

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#伝説のゴンドラ海賊ウォータ


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●エリクシル第二軍集結地
 伝説に語られしゴンドラ海賊。
 それが『ウォータくん』である。
 エンドブレイカーであれば馴染みのある名前であるかもしれない。それは水神祭都悪エリオにて執り行われるアクエリオ水神祭にて配られるメダルに描かれた古のゴンドラ海賊のモチーフであったのだ。

 最果ての荒野が一瞬にして『広大な海原』へと変貌を遂げる。
 それは如何なる力の作用であろうか。少なくとも冒険者たちは理解が及ばなかった。眼の前で突如として荒野が喪われ、海原が現れたのだ。
 こんなことができるのは、『エリクシル』の願いの力でもなければ不可能であるようにさえ思えた。
 だがしかし。
 たった一人。
 いや、たった一柱と言うべきか。
 それが可能な存在がいた。
『11の怪物』――『クルール・ザ・ウォータ』である。

 白波立つ海原に、それは己の海賊ゴンドラを乗りこなし高らかに宣言した。
「ワガハイこそは大海賊ウォータであ~る!」
 ぺっかー。
 なんかそんな擬音が響いてそうな搭乗の仕方であったが、しかし、荒野を海原へと変えた力は本物である。
 そう、これは大規模ユーベルコード。
『11の怪物』である『クルール・ザ・ウォータ』の力。

 そして、彼は掲げた万能宝石に告げる。
 己が欲望を。
 しかし、『エリクシル』は願望者の願いを必ず歪めて叶える。
「『エリクシル』の野郎ども、ワガハイの願いをバンバン叶えるのであ~る! そう、『殺して、バラして、死体を晒せ!』」
 それは曲解のしようもない願いであった。
 生命体の鏖殺。
 それだけではない。できうる限り残虐に。できうる限り苦痛を与えるように。それは誰しもの中にある悪性を拡大し、増長させたような願いであった。
『クルール・ザ・ウォータ』は、水神祭都アクエリオの伝説に語られる通り、誠に残酷残虐なる海賊だったのだ。
 其の姿はコミカルそのものであり、何処かひょうきんささえ感じさせるものであった。

「ワガハイのこの姿を前にして舐め腐った連中は全て殺してきたのであ~る! 舐め腐ってなくってもブッ殺してきたのであ~る! 兎にも角にも半殺しなんてケチな真似はしないのであ~る! ブッ殺す! と決めたのなら、きっちり全殺しであ~る!」
 彼の願いを受けて『エリクシル』たちが煌めく。
 それは彼の言葉通り、曲解の余地など許さない進化であった。
「さっそく、ワガハイの願いを叶えるべく『凶悪進化』を始めたであ~るな? その調子であ~る! 大軍勢で、この世界をすりつぶしてしまえであ~る!!」
 凶悪改造されあたゴンドラが拘束で海原を飛ぶように、それこそトビウオのように疾駆する。
 海賊ゴンドラは万の軍勢を誇る。
 それは嘗てゴンドラ海賊『ウォータ』が誇った大海賊団を凌駕するものであった。
 ゴンドラを手繰るは全て『エリクシル』。それも『凶悪進化』した凶悪残忍な思考しか保たぬ最恐の大海賊軍団――!

●エンドブレイカーの戦い
 グリモアベースに集まってきた猟兵たちを迎えたのはナイアルテ・ブーゾヴァ(神月円明・f25860)であった。
「お集まり頂きありがとうございます。『11の怪物』の一柱『クルール・ザ・ウォータ』が最果ての荒野を大規模ユーベルコードによって大海原へと変え、『凶悪進化』した『エリクシル』による大海賊団たる第二軍を編成しています」
『ウォータ』?
 エンドブレイカーであった猟兵たちには聞き覚えのある名であった。
 それは『アクエリオ水神祭』にて配られていたコインに刻まれていた伝説のゴンドラ海賊の名である。
 これ? とエンドブレイカーの一人が記念に持っていたであろう『ウォータくんメダル』を示す。
 それを見たナイアルテは目を見開く。

「そ、それは……ッ! えっ、私の予知で見た『クルール・ザ・ウォータ』とそっくりです! えっ、本当に……?」
 ナイアルテの驚愕は尤もだろう。
 彼女の見た『クルール・ザ・ウォータ』と『ウォータくんメダル』の姿形はそっくりだったのだ。違いは、下半身が描かれていないことくらいである。
 過去の水神祭都アクエリオの人々はどうして彼をメダルのモチーフにしようとしたのだろうか。いや、それにしたって忠実が過ぎる。

「あっ、いえ、事態はそれどころではないのです。彼は大規模ユーベルコードに荒野を大海原に変えて、ゴンドラ海賊団共に迫っています。その勢いは凄まじいものであり、『エリクシル』の駆る凶悪改造ゴンドラは拘束で海原を駆けてきます」
 そのスピードはゴンドラの領域を超えている。
 更に『エリクシル』は『クルール・ザ・ウォータ』の願いによって凶悪化している。あらゆるダーティな手を使ってくるだろうし、また臆面もなく萍郷な手を行使してくるだろう。
 これに対抗するためには、猟兵たちも『水上戦、もしくは水中戦に特化した備え』がなければ立ち行かない。

「見た目は本当に上段みたいな敵なのですが、この凶悪進化したエリクシルの海賊団に対処し、なおかつ、『クルール・ザ・ウォータ』へと攻撃を叩き込まねばなりません」
 とは言え、『クルール・ザ・ウォータ』もまた伝説の海賊である。
 水上戦、水中戦はむしろ望むところであろう。
 彼はめちゃくちゃ暴力に訴えてくる。理不尽に不条理を重ねたような凶悪さを持って、猟兵を抹殺せんとしているのだ。
「この残虐性を放置などしてはおけません!」
 そのとおりだ。
 伝説に残された史上最も残忍と言われた海賊をこの手で打倒し、迫る『エリクシル』海賊団を打ち倒す時だ――!


海鶴
 マスターの海鶴です。

 ※これは1章構成の『エンドブレイカーの戦い』の戦争シナリオとなります。

 最果ての荒野を一瞬で海原に変えた大規模ユーベルコードを使う『クルール・ザ・ウォータ』との決戦になります。
 ですが、その凶悪な性質を持つ『クルール・ザ・ウォータ』は単身で皆さんと戦うことをしません。
 第二軍として編成された『エリクシル』達は皆、彼の願いによって凶悪進化を遂げ、高速で海原を飛ぶようにして走り回るゴンドラと共に皆さんに襲いかかります。
 これらを打倒しつつ、暴力の文字しか頭にない『クルール・ザ・ウォータ』を打倒しましょう。

 プレイングボーナス……凶悪進化エリクシルの群れに対処する/水上戦または水中戦に適応する。

 それでは、エンドブレイカー! 世界から猟兵たちを放逐せんとする『11の怪物』と対決する皆さんの物語の一片となれますよう、いっぱいがんばります!
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第1章 ボス戦 『クルール・ザ・ウォータ』

POW   :    海賊殺法
【剛腕】で装甲を破り、【ローキック】でダウンさせ、【馬乗りパンチ】でとどめを刺す連続攻撃を行う。
SPD   :    海賊乱舞
【海賊パンチ】【海賊キック】【海賊頭突き】で攻撃し、ひとつでもダメージを与えれば再攻撃できる(何度でも可/対象変更も可)。
WIZ   :    ウォータ・パワーボム
掴んだ対象を【水】属性の【パワーボム】で投げ飛ばす。敵の攻撃時等、いかなる状態でも掴めば発動可能。

イラスト:ばっじん

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

イリスフィーナ・シェフィールド
うーん、本当しぶといですわね。
もはや海賊というよりGと呼ばれる虫さん並みですわ。
まぁ言うことはもうありませんのでささっと撃破目指しましょう。

ブルー・マリンの効果で飛行して接近。
海賊ですし大砲、弓、投石辺りでしょうか。
回避しつつ避けれないものはオーラ防御で防御。

射程内に敵を納めたらライトニング・プレッシャーで部下とウォーターを纏めて攻撃ですわ。
ウォーターは近づかなければ驚異ではありませんし高度をとって近づかれないようにします。

海に落ちたって雷撃からは逃れませんわっ。



 最果ての荒野。
 今やそれは正しくない表現であったことだろう。
 転移した猟兵達の眼の前に広がるのは大海原。ここが嘗ては荒野であったなどと誰が信じることができるだろうか。
 それほどまでに白波が立ち、『エリクシル』による大ゴンドラ海賊船団が形成されている。そして、そのすべての『エリクシル』が凶悪進化を遂げているのだ。
「もっと、もっと、ワガハイの願いを叶えるのであ~る!」
『11の怪物」の一柱『クルール・ザ・ウォータ』はゴンドラ海賊船団の旗艦にて赤き宝石を掲げる。
『エリクシル』は願望を曲解して叶える。
 捻じ曲げて叶え、願望者を破滅に導く。

 だが、『クルール・ザ・ウォータ』の願いは単純明快であり曲解の予知などなかった。
 即ち、『殺して、バラして、死体を晒せ』。
 ただそれだけである。
「単純であるからこそ曲解できない。『エリクシル』の盲点と申しますか。しかし、そんな願望を持っているなんて、なんとも」
 イリスフィーナ・シェフィールド(女神様の巫女兼スーパーヒロイン・f39772)は青き羽衣をまといながら、海原を飛翔し、迫る『エリクシル』海賊団を見下ろす。
 彼らはしぶとい。
 これが『エリクシル』の第二軍であることからも、後から後から『クルール・ザ・ウォータ』の願望を受けて溢れ出てくることだろう。
 なんとも言い難い感情が湧き上がる。
 こう、家で一匹見かけたら三十匹は居ると思え、とか言われるたぐいの黒いアレを見かけたときのような感情である。

「さっさと撃破してしまいましょう。それが一番ですわっ」
「簡単に言ってくれるのであ~る! そんな簡単にことがなせるのなら、万能宝石なんて必要ないのであ~る! さあ、『エリクシル』共よ、あの迫る傲慢ちきな女を引きずり降ろして、バラバラにしてやるのであ~る!」
「簡単に言っているのはそちらですわねっ!」
 イリスフィーナは海原を高速でトビウオのように駆け抜ける『エリクシル』海賊団を前にして、迫る大砲や弓、投石、さらには銃弾を躱しながら、オーラを纏う。
 攻撃が重たい。
 一撃を受ける度にオーラが軋む。
 凶悪進化を遂げたというのは眉唾ものではないな、と彼女は思っただろう。

 けれど、『エリクシル』海賊団の手繰るゴンドラの速度は凄まじいものだった。
 縦横無尽に、それこそ意のままに駆け抜けるゴンドラは即座にイリスフィーナを取り囲み、その砲撃でもって彼女を打ちのめさんとしている。
 だが、彼女の瞳はユーベルコードに輝く。
「ガハハハ! 手も足も出ないのであ~る! このまますりつぶしてくれるのであ~る!」
「いいえ、それはなりませんわ。貴方の暴力は確かに脅威。けれど、近づかなければ!」
 煌めくユーベルコード。
 彼女の意思に呼応するようにして、イリスフィーナの体内から溢れ出すは意思の光。
 黄金めいた輝きを発露した瞬間、それは雷光へと変貌する。

「轟け雷光っ、ライトニング・プレッシャーですわっ」
 意思の光を雷へと変換し解き放つ全周囲攻撃。
 それは雷撃をほとばしらせながら、『クルール・ザ・ウォータ』を巻き込みながら『エリクシル』海賊軍団へと降り注ぐ。
「アバババッ!? 痺れるのであ~る!?」
「このシャイニング・ウィルからは逃れられませんわっ!」
「めちゃくちゃ痺れるのであ~る!? こなくそであ~る!」
 雷光に打たれながらも『クルール・ザ・ウォータ』はゴンドラの上に立ち上がり、宙を舞うイリスフィーナへとつかみかからんと踏み出す。
 だが、イリスフィーナの雷撃が再び降り注ぎ、そのコミカルなデザインの体を打ちのめすのだ。
「うーん、本当しぶといですわ」
 イリスフィーナは、空より『クルール・ザ・ウォータ』を見下ろし、辟易したように雷光の輝きと共に嘆息するのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シルヴィ・フォーアンサー
荒野を海に変えるなんて凄かったんだね、あのおじさん……。
『見た目は愉快だが11の怪物と言われる存在だしな、戦場は向こうに有利だ油断するな』
はーい、海に落ちたら沈んじゃうものね。

EPメガスラスター改で海面スレスレを推力移動。
弓とかそのへんは怖くないけど大砲があるならそれは注意かな。

まぁ先手必勝だね、シルエット・ミラージュを発動して敵連中を包囲。
分身と合わせてバースト・テンペストでゴンドラを破壊して皆、海の藻屑にしてあげる。

しぶとく泳いでるならガトリングとミサイルで木っ端微塵かな。

たこ焼きは美味しかったけどさようなら(別のウォーター戦の話)



「荒野を海に変えるなんて凄かったんだね、あのおじさん……」
 シルヴィ・フォーアンサー(自由を求めた脱走者・f41427)はクロムキャバリア『ミドガルズ』のコクピットの中で、嘗て荒野であったという海原を見やる。
 これが大規模ユーベルコードによって生み出された光景であるということが未だに信じられない。
 圧倒的な力。
 これが『11の怪物』と持つ力である。
 荒野を海原に変えるだけではない。戦場に煌めくは無数の『エリクシル』の赤い輝き。それ自体が次々とゴンドラ海賊団を形成していくのだ。

 それは『クルール・ザ・ウォータ』の願望によるものだった。
『殺して、バラして、死体を晒せ』
 単純明快たる暴力の権化めいた願望。
 それによって『エリクシル』たちは凶悪に進化し、海原をゴンドラでもってトビウオのように疾駆し猟兵へと迫っているのだ。
『見た目は愉快だが『11の怪物』と呼ばれる存在である証明だろうしな。戦場は向こうに有利だ。油断するな』
 AIである『ヨルムンガルド』の声が聞こえる。
 成人男性型のサポートAI。シルヴィは『ヨル』と略称で呼ぶことが多いが、彼の言う通りだった。

 この海原においてゴンドラ海賊団の機動力は凄まじいものだった。
 すぐさまに体高5mの鋼鉄の巨人めいた戦術兵器である『ミドガルズ』を取り囲み、その砲撃で持って追い込もうとするのだ。
 メガスラスターで海面の上をなんとか飛んで入るが、水力移動ではすぐさまにガス欠してしまうだろう。
「砲撃!」
『直撃を避けろ。受ければ海に叩き落される。そうなれば』
「こっちがもっと不利になっちゃうものね」
『そういうことだ。ならば、先手必勝だろう』
「だよね! コード、シルエット・ミラージュ!」
 シルヴィの瞳と共に『ミドガルズ』のアイセンサーがユーベルコードに輝く。
 瞬間、『ミドガルズ』の機体が精巧な残像分身を生み出しながら海原の上を駆け抜ける。
 白波の勢いなど物ともしないメガスラスターの噴射でもって、大波を立てながら『ミドガルズ』は戦場を駆け抜ける。

「なにをしているのであ~る! あんなブリキの巨人なんてさっさとバラしてしまえばいいのであ~る!」
 業を煮やしたかのように『クルール・ザ・ウォータ』が『エリクシル』海賊団を残像分身でもって翻弄する『ミドガルズ』へと迫る。
 ユーベルコードの輝きを宿すコミカルな姿。
 つぶらな瞳に、それが嘗て水神祭都アクエリオにおいて、マスコットめいたモチーフにされていたことを想起させる。
「本当、見た目は愉快なのに」
「ワガハイの見た目のことを嗤ったやつは全殺しなのであ~る! 喰らえ、海賊パンチ!」
 おらぁ! と『クルール・ザ・ウォータ』の怒りの鉄拳が迸る。
 しかし、その一撃は確かに『ミドガルズ』を捉えたが、残念分身である。手応えなく『クルール・ザ・ウォータ』は、すかされた勢いのままに『エリクシル』海賊団のゴンドラの上を八艘飛びの如く跳ねて、さらにシルヴィの駆る『ミドガルズ』へと迫るのだ。

「ちょこまかと鬱陶しいのであ~る!」
「う~ん、やっぱり愉快。うん、たこ焼きは美味しかったけど」
「何の話であ~る!?」
「こっちの話。さようなら」
 次の瞬間『クルール・ザ・ウォータ』は気がつく。
 シルヴィたちを包囲せんと動いていた『エリクシル』海賊団はいつのまにか彼女が放った分身によって翻弄され、その包囲を逆手に取られていた。
 そう、今まさに残像分身たちに包囲されているのは『クルール・ザ・ウォータ』なのだ。
「ま、まさか……であ~る!?」
「そう、ボコボコにする」
 放たれるミサイルランチャーとガトリングの雨。
 それは『クルール・ザ・ウォータ』に四方八方から降り注ぎ、その砲火でもって彼をぶっ飛ばすのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

バルタン・ノーヴェ
POW アドリブ連携歓迎!

よろしい、ならば闘争デース!
小柄ながら凄まじい格闘能力を有するウォータ殿!
正々堂々真っ向勝負と参りマショー!

まずは邪魔な凶悪進化エリクシルの海賊団の排除デース!
滑走靴で高速水上戦に適応しながら、火炎放射器でゴンドラを焼き、グレネードで吹き飛ばして行きマース!
HAHAHA! 海戦はグリードオーシャンでたっぷり経験済みであります!

掃除が済んだらお楽しみデスネ!
残虐で凶悪なウォータ!
対するは、圧倒的な暴力であります!
「骸式兵装展開、蛮の番!」
ヒャッハー!
滑走靴を活かしたまま、超加速形態で殴る蹴るとぶつかり合い、逆に馬乗りになる勢いで攻め立てマース!
レッツ、ダーティファイト!



 暴力!
 そう! 世の中暴力で解決できないものはないのである。暴力だけが真実。こまっしゃくれた平和主義なんてクソくらえなのである。
 それは『クルール・ザ・ウォータ』の持つ暴力への圧倒的な信頼の現れであった。
「暴力こそがワガハイのすべてなのであ~る! あらゆる世の理は暴力で解決できるもなのであ~る!」
 猟兵達のユーベルコードに寄る攻撃を受けて、海原から、ざぱりと体をゴンドラに上げてこれまたコミカルな体系のコミカルな風体の『クルール・ザ・ウォータ』は叫ぶ。
 そう、其の姿こそ水神祭都アクエリオにて行われる祭事にて配られた『ウォータくん』メダルのモチーフ! 大海賊ウォータなのである!

「猟兵なにするものぞ! ワガハイ、これまで暴力で解決できなかったことなんてなにひとつないのであ~る!」
「よろしい、ならば闘争デース!」
『クルール・ザ・ウォータ』の言葉に応えるようにバルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)は戦場に真っ向から堂々と突っ込んでいた。
 とは言え、眼前に迫るのは『エリクシル』海賊団である。
 ゴンドラをトビウオのように高速で操り、一気にバルタンを包囲する。
「飛んで火にいる夏の猟兵であ~る! このまま袋にしてギッタンギッタンのバラバラにしてあるのであ~る!」
 其の号令に従うようにして凶悪進化を遂げた『エリクシル』たちがバルタンへと迫る。
 だが、バルタンは水上を滑走する靴で持って飛沫を上げながら一気に距離を詰め、手にした火炎放射器で持ってゴンドラを炎上させるのだ。

「さらにダメ押しグレネードでありマース!」
「その口調、なんかワガハイと被ってのであ~る! 許せんのであ~る!」
「HAHAHAHA! そこらへんはどっちがチキンオアエッグって感じでありマース!」
 爆煙を挙げるゴンドラに飛び乗って、バルタンはさらに『クルール・ザ・ウォータ』へと迫る。
 かの『11の怪物』を打倒しないことには、この戦場は荒野には戻らない。
 海原へと変える大規模ユーベルコードこそが、『クルール・ザ・ウォータ』の力の発露。ならば、この有利な状況をひっくり返す一手が必要だった。
「骸式兵装展開、蛮の番!」
 バルタンの瞳がユーベルコードに輝く。
 模倣様式・兀突骨(イミテーションスタイル・ゴツトツコツ)。それは魔獣兀突骨の姿を模した超加速形態へと変貌を遂げたバルタンは、一気に加速靴で得た加速を更に倍速にするようにして一気に海上を飛ぶ。

 それを捉えられる『エリクシル』海賊団は存在しなかった。
「この海上にあって、ワガハイより早く海上を移動するなどあってはならんのであ~る! あれこそ確実に仕留めなければならないのであ~る!」
 びょいん、とコミカルな体系と風体に即したような動きで持って『クルール・ザ・ウォータ』は跳ねるようにしてゴンドラを足場にしてバルタンへと迫る。
「ヒャッハー! ワタシの速度についてくるとはさすがデース!」
「褒めてもなんにもでないが、暴力だけはあるのであ~る! くらえい、この海賊剛腕の威力! これが暴力なのであ~る!!」
 どっせい!
 放たれる剛腕の一撃。それはバルタンの変じた超加速形態へとぶつかり、その装甲をぶち抜く。
 だが、バルタンは止まらなかった。

 たとえ、ローキックを放たれ、馬乗りに己へとまたがる『クルール・ザ・ウォータ』の暴力が凄まじくても。
「この程度でワタシが止まるわけないのデース!」
 バルタンは馬乗りになって拳を振り上げる『クルール・ザ・ウォータ』のつぶらな瞳にピースサインをぶっ刺した。
 そう、目潰し。
 卑怯?
 ノンノン。
 暴力に訴える輩には暴力で返すの筋ってもんである。
 即ち、これは最初っから最後までダーティファイト! 即ち、ヒールとヒールのがっぷりよつ!
「ぐわー!? であ~る!?」
「ヒャッハー! このまま海のもずく……あいや、藻屑となるのデース!!」
 バルタンはそのまま『クルール・ザ・ウォータ』をひっくり返して、ゴンドラの上で馬乗りになってしこたまにコミカルな風体を打ちのめし、ゴンドラごと彼を海原へと沈ませるのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒影・兵庫
(『早業』の『肉体改造』で背中に翅を生やし『空中浮遊』する)
超速の肉体改造ありがとうございます!せんせー!
(「これぐらい朝飯前よ。しっかしふざけた面でヤバい能力持ってるじゃない…飛べてるからって油断しちゃだめよ?黒影」と頭の中の教導虫が話しかける)
もちろんです!このままUC【一寸鋒矢】の超速移動で撃ち落とされないように飛び回って
敵ボスを直接狙います!
(「策なしで近づいたら反撃で殺されるのは確実よ?」)
なので海面すれすれを飛んで『衝撃波』で水しぶきを起こし『念動力』で敵の視界を塞ぐように操作します!
さらに{蜂蜜色の靄}を練って作ったオーラの『残像』を囮に敵の攻撃を外させた瞬間に全力で突撃します!



 海原広がる荒野にゴンドラ船団が往く光景は圧倒的だった。
 これが『クルール・ザ・ウォータ』がエリクシルに願った願望の現れであるというのならば、それは曲解なく猟兵たちに襲いかかるものであった。
『殺して、バラして、死体を晒せ』
 それは曲解の余地など何処にもないシンプルなものだった。
 眼の前に存在する生命の鏖殺。
 それを為すために凶悪進化したエリクシル海賊団は、ゴンドラを巧みに操って猟兵へと群がる。
 海中に叩き落された『クルール・ザ・ウォータ』は凄まじい勢いで随伴していたゴンドラに飛び乗ると盛大に笑う。
「ワガハイを此処までコケにしてくれるとはやってくれるであ~る! だが、笑って許してやれるのも此処らへんまでであ~る!」
 その声、風体、いずれもがコミカルであり、凶悪さを感じさせない。
 しかし、その力は暴力そのものだった。
 溢れ出る圧倒的な殺気。
 少しでも接近を許せば、即座に殺されてしまうことを予見させるには十分なものだった。

 故に黒影・兵庫(不惑の尖兵・f17150)の体は即座に翅を生やし、海原の空へと飛び立つ。
「肉体改造ありがとうございます! せんせー!」
『これぐらい朝飯前よ。でも、飛んだからって油断しちゃダメよ、黒影』
 頭の中で響く教導蟲の言葉に兵庫は頷く。
 即座にエリクシル海賊団より砲撃や矢が飛んでくるのだ。苛烈なる攻勢を前に兵庫は飛翔しながら、飛び回る。
「もちろんです、せんせー! しかし、これは……!」
 敵船団の砲撃の苛烈さたるや凄まじいものがあった。
 けれど、兵庫は、その瞳をユーベルコードに輝かせ、己の体を今まで共に戦ってきた、虫達のオーラで身を覆い、一気に加速する。
 それは、一寸鋒矢(イッスンホウシ)の如く戦場を貫く突撃であった。

 迫る砲撃も、矢も。
 すべてが兵庫の体を傷つけるには値しなかった。
 数多の虫たちのオーラ。それを信頼と絆の力へと変えて兵庫は、エリクシル海賊団のゴンドラを吹き飛ばしながら『クルール・ザ・ウォータ』へと突撃する。
 それは策なしで近づいたのならば反撃で即座に打倒されることを意味している。
 教導虫の言葉もうなずけるところであったが、しかし兵庫は念動力でもって海面を立ち上げる。
 ゴンドラが揺れ、『クルール・ザ・ウォータ』の体も大きく空中へと投げ出される。
 しかし、それでどうにかなる『クルール・ザ・ウォータ』ではない。何せ、伝説の大海賊である。むしろ、これほどの波であったのならば、乗りこなさなければ大海賊の名がすたるとでも言うかのように空中に飛び出すのだ。

「ワガハイが空中戦のできぬ海賊に思えたのであ~るな! しかし、それは誤ちであ~る! ワガハイ、海中も空中も制する暴力の化身なのであ~る!」
『やっぱりコイツ、ふざけた面しているのにヤバい!』
「大丈夫です、せんせー!」
 振るわれる『クルール・ザ・ウォータ』の拳の一撃。
 しかし、それは兵庫を捕らえることはなかった。拳が捉えたのは蜂蜜色の靄をもって造られた残像。 
 それを囮にした一瞬で兵庫は更に高く飛び立ち、太陽を背に一気に『クルール・ザ・ウォータ』へと迫るのだ。

「ワガハイの上を取るのであ~る!?」
「何兆! いやそれ以上の虫さんたちの思いを込めたこの一撃! 止められるものなら止めてみやがれ!」
 放たれる拳がオーラをまとい、『クルール・ザ・ウォータ』を再び海中へと叩き落し、沈めるのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

天王寺・七海
ここも海なら、七海ちゃんは、海に入ってから仲間のみんなを呼ぶのね。
海賊がどうのこうのいう以前に、人型の時点で海の中は、七海ちゃん達のほうが優勢なのね。
だから、一気に行くのね。(UC使用)
仲間達と一緒に敵に体当たりしてから噛みついて屠る。
あとは、ウォータも同様に船から落として襲撃する。



「う~む! これはしてやられたであ~る! 猟兵、中々の暴力であ~る!」
『クルール・ザ・ウォータ』は猟兵の一撃によって海中へと叩き込まれていた。
 海水の冷たさや息ができないであるとか、そういうことは『11の怪物』と融合した彼にとっては些細なことであった。
 海こそが己の戦場にして生きる場所。
 ゴンドラがあれば最高である。かといって、海中が嫌なのかと言うとそういうわけでもない。海の中はとてもよいものである。
 汎ゆる死の気配がそこかしこに満ちている。
 それは暴力の結果でもあるだろう。
 故に彼は海中より飛び出そうとして、煌めく輝きを認め目を凝らす。

 つぶらな瞳。
 コミカルな風体とは異なり、『クルール・ザ・ウォータ』の暴力性は正しく残虐そのものであった。そして、非道そのものでもあったのだ。
 そんな彼が海中に煌めく輝きに視線を取られたのは、その暴力の意識があるからかもしれなかった。
「ん? あれはなんであ~る?」
 彼は見ただろう。
 それは無数のシャチたちの群れであった。
 ここが己のユーベルコードでもって改変された荒野であることは知っている。だが、シャチなど居ただろうか?
 いや、己が願ったのはエリクシルの海賊団のみである。
 ならば、あのシャチは。

「猟兵の! であ~るな!」
「正解! 七海ちゃんの仲間たち!」
 そう、『クルール・ザ・ウォータ』が認めたのは、天王寺・七海(大海の覇者・f26687)の放つユーベルコードの輝きであった。
 彼女のユーベルコードはオルカライヴV2(オルカライヴ・バージョンツー)。
 海中に無数の、それこそ百を超えるシャチを召喚し、一気に海中を駆け抜けてきているのだ。
 確かに凶悪進化したエリクシル海賊団は今日的である。
 しかし、こと、海中戦という点においては、バイオモンスターである七海が呼び寄せたシャチたちに軍配が上がるだろう。
 シャチの仲間たちは次々と海中からゴンドラを食い破るようにして歯を突き立て、ゴンドラの胴を引き裂く。
 さらに海中に没したエリクシルをも喰らうように次々と噛み砕いていくのだ。

 あまりにも圧倒的な光景。
 そのすさまじい戦いぶりに『クルール・ザ・ウォータ』は面食らう。
「な、なんであ~る!?」
「だから七海ちゃんの仲間たち! 一気にいくよ! シャチはみんなで協力して狩りをするものだから! だから、狩られるのはアンタたちのほう!」
 その言葉と共に七海は一気に海中を駆け抜け『クルール・ザ・ウォータ』の体へと突進する。
 こちらに反撃を行う隙すら与えぬように無数のシャチたちが『クルール・ザ・ウォータ』の体へと体当たりをかまして、海中より空中に打ち上げるのだ。
「のわ~であ~る!?」
 それはまるで曲芸を見せるかのような光景であっただろう。
 ボールめいた扱いを受けるコミカルな風体の『クルール・ザ・ウォータ』は戦いの場にあって、その一瞬だけ切り取るのならば、体操に子供が喜びそうな光景であった。
 そこに七海の巨体による頭突きによる一撃が炸裂し、さらに『クルール・ザ・ウォータ』は空中に投げ出されるしかないのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シュプリムント・メーベルナッハ
…ホントにあのウォータくんそのまんまのお顔だ…
でも、あれでも凄く強いって話だし、気をつけていかないとね。

フルール・ヴィントで起こした風に乗って【空中機動】、海上を飛んで戦うよ。
黒忌雨を発動して周りの敵を纏めて攻撃。雨水でゴンドラを腐食させて沈ませるのも狙っちゃおうかと。

ウォータくんには呪蛇鎌から放つ【斬撃波】で攻撃、近付かれないよう距離を取って戦うよ。
飛びかかってきたり、水属性の何か…水の鞭か何かで引き寄せようとしてくる可能性もあるから、それには警戒を。
攻撃動作を【第六感】で予測、風を纏う【オーラ防御】で受け流して躱すよ。

悪い海賊さんじゃなくて、マスコットのままでいればいいよ?



『ウォータくんメダル』。
 それはエンドブレイカーであれば知る者もいただろう。
 水神祭都アクエリオにおける祭事において配られたメダルであり、そのモチーフとなったのが伝説のゴンドラ海賊『ウォータ』であったのだ。
 だいぶコミカルなデザインであったため、恐らく実物よりだいぶデフォルメされたものであろうと彼らは思っていたはずだ。
 だがしかしである。
 実際の『ウォータ』はアマツカグラ海域で消息をたったのではなく、神隠しに遭い、小世界において『11の怪物』、『クルール』と邂逅を果たしていたのだ。
 故に、今目の前にて巨大なシャチのお手玉にされて空中を飛ぶ『クルール・ザ・ウォータ』は紛れもなく、過去に在りし伝説の大海賊『ウォータ』そのものであるのだ。

「え……ホントにあのウォータくんそのまんまのお顔だ……」
 シュプリムント・メーベルナッハ(穢死檻の巫女・f38888)は思わず、顔を綻ばせた。
 何故なら、それは彼女の思い出を想起させるものでったからだろう。
 だがしかし、あんなコミカルな風体をしていながら『クルール・ザ・ウォータ』の実力は本物である。
「なめてかかるとブチ殺してやるのであ~る!」
 空中で方向を転換し、『クルール・ザ・ウォータ』はシュプリムントへと迫る。
 さらにエリクシル海賊団もまた彼女を囲い込むようにして迫るのだ。
「お生憎様、だよ。すごく強いって話、効いているもんね」
 そう言って彼女は扇を振るう。
 その扇が放つは呪詛を纏う風。その風に乗るようにしてシュプリムントは空中へと飛び立ち、その瞳をユーベルコードに輝かせる。

「よくわかっている女であ~る! だが、全殺しであ~る! ワガハイ、女子供であろうととにかくぶち殺すって決めているのであ~る!」
 あの風体で言うことが残虐そのもの。
 その空気感というか、温度差にシュプリムントはくしゃみをしそうになったが、しかし、彼女が放つ怨念の雲は呪詛を帯びた漆黒の雨を降らし、迫るエリクシル海賊団のゴンドラそのものを腐食させる。
 腐食したゴンドラでは、この荒野を海原に変えた戦場を往くことはできないだろう。
 トビウオのように飛び立とうとして、その船体が崩れていく。
「むう! なんとも役立たずであ~る! ワガハイの願いを曲解なく叶えるはずが、融通のきかない部下を得たようなもんであ~る! だが! ワガハイ一人でもやってやれんことはないのであ~る!」
 その言葉と共に『クルール・ザ・ウォータ』がシュプリムントへと飛びかかる。

 掴みかかろうとしているのは、そのお得意のステゴロ。
 即ち、パワーボムの一撃を叩き込んでやろうという思惑があるのだろう。だが、それをシュプリムントは手にした大鎌から放たれる斬撃波でもって迎撃する。
「この程度、ワガハイ止まると思わぬことであ~る!」
 黒忌雨(シュヴァルツ・レーゲン)が更に降り注ぐ。
 あらゆるものを腐食させる漆黒の雨。
 それは呪詛によって、『クルール・ザ・ウォータ』の防御力、回避力を低下させる。
 そう、彼女は『クルール・ザ・ウォータ』が、その残虐性故に必ず自分へと掴みかかってくることを知っていたのだ。
 故に風が荒ぶ。
 接近を許すほど、シュプリムントは敵を侮っては居ない。 

 迫る『クルール・ザ・ウォータ』を風纏うオーラでもって受け流しながらシュプリムントは言う。
「悪い海賊さんじゃなくて、マスコットのままでいればいいよ?」
「かーッ! そんなクソみてぇな役割はワガハイ御免であ~る!」
「なら、このまま怪物として倒されてね?」
 その言葉と共にシュプリムントは距離を詰め、手にした大鎌を呪詛まとう力と共に振り抜き、『クルール・ザ・ウォータ』の体を切り裂くのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

マリン・フィニス
あのような船で海原を渡り、しかもあの速度、か
凶悪な海賊、というのも伊達ではないようだな。油断せず行くぞ
……外見?あれはああいう種族なのではないのか?

サメットに騎乗し周囲に雷・氷属性バブルを浮かばせ、メガリスの気象操作で周囲の天候を大荒れにしたうえで海上で待ち構えるぞ

海原ならば水はいくらでも補給できる。サメットに騎乗、移動と回避を任せ、水中・水上を高速で移動しながらUC【ハイドロプレッシャー】を放ち、そのゴンドラ(と知性とか技能も)を横合いから全力で押し流してやろう。
接近戦はしない(断言)。奴自身が鮫並みに泳げる可能性もある。
奴が近づこうとするなら右手を奴に向け、思いっきり水流を浴びせてやろう



 トビウオのようにゴンドラが海原を飛ぶようにして疾駆している。
 それは『クルール・ザ・ウォータ』の願いによって凶悪進化したエリクシル海賊団の操るゴンドラであった。
「あのような船で海原を渡り、しかもあの速度、か」
 マリン・フィニス(蒼海の騎士・f26997)は蒼海の鎧を身にまといながら、巨大な鮫『サメット』にまたがり、エリクシル海賊団と同じように海原を往く。
 確かに速度は圧倒的だったが、こちらとて負けてはいない。
 それに加え、『クルール・ザ・ウォータ』の力量も彼女は認めるところであっった。

「凶悪な海賊、というのも伊達ではないようだな。油断せずにいくぞ」
「その言葉、ワガハイの見た目のことを舐め腐っての発言とみなすであ~る!」
 マリンは空中からゴンドラへと叩き返された『クルール・ザ・ウォータ』の風体を見やる。確かにマリンは『クルール・ザ・ウォータ』の風体が、コミカルだな、と思ってはいたが、それはそういう種族なのだ、という理解をしていた。
 つまり、馬鹿にしたわけでもなんでもない。
 ただ、純然と『クルール・ザ・ウォータ』は、コミカル種族と信じて疑っていなかったのだ。
「いや、そういう種族なのだろう?」
「んなわけあるかいであ~る! ワガハイ、生まれたときからこういう画風であ~る!」
「自分で画風と言うか……」

 そんなマリンに迫るはエリクシル軍団より放たれる砲撃の雨。
 それを周囲に浮かばせたバブルでもって周囲の海上を荒ばせながら、受け止め、防ぐ。
 彼女のメガリスによって操られる海水は、この大規模ユーベルコードによって改変された戦場においては、無尽蔵。
 補給は十分である。
 ならば、マリンは己に迫る砲弾の尽くがバブルによって受け止められて失墜する運命を知るだろう。
「無駄だ。どれだけ砲撃を放つのだとしても、私には届かない」
「ならば、ワガハイが直接ぶっ叩くまでであ~る!」
『クルール・ザ・ウォータ』がまるでゴンドラを八艘飛びのようにしてマリンへと迫る。
 だが、マリンは取り合わない。
『サメット』と共に海上を高速で移動しながら、メガリスをアクティブ化し、その小節から高圧水流を放出するのだ。
 それは圧倒的な一撃となって『クルール・ザ・ウォータ』が飛び乗ったゴンドラを転覆させるのだ。

「ぬお~!? であ~る!? なんたる水圧!」
「接近戦はしない。大海賊ウォータ、貴様の肉弾戦の強さ、その自信は見て取れる。故に私は貴様に近づかない」
 そう言ってマリンはハイドロプレッシャーの一撃を『クルール・ザ・ウォータ』へと叩き込み続ける。
 苛烈なる水圧は『クルール・ザ・ウォータ』のコミカルな顔面に激突し、更にコミカルな……それこそ威厳もへったくれもないような顔面に変えて吹き飛ばすのだ。
「これでは近づけまい。このまま封殺してくれる」
 マリンは至極真面目だった。
 しかし、『クルール・ザ・ウォータ』の風体、そして、水圧に負けて水切り石のように海上を跳ねていく彼の捨て台詞は、その真面目さを裏切るものであったことだろう。
「ワガハイをよくも~! 覚えているのであ~る!」
「……いや、やはりあれはそういうコミカル種族なのではないか――?」

大成功 🔵​🔵​🔵​

紫・藍
藍ちゃんくんでっすよー!
水上戦をしつつも歌うのはアクエリオに伝わる面白おかしいウォータくんの歌!
舐めた連中を殺してきたウォータさんならおびき寄せられること間違いなしな挑発なのでっす!
海賊団が厄介なら出てきてもらうまでなのでっす!
あや、何やら海賊団の皆さんがちょくちょくウォータさんに誤射してらっしゃるようなー?
藍ちゃんくんのファンになってしまったからでっすが!
凶悪海賊団に味方を背中から撃ってはならないなんていう倫理無いでっしょうしねー!
するとどうでっしょう、ウォータさんも舐めた真似した味方を粛清してくださるかと!
ドッタンバッタン同士討ち間違いなしなのでっす!
ライブでの乱闘困ったものなのでっす!



「藍ちゃんくんでっすよー! 今日は皆々様とお歌を歌いに来たのでっすよー!」
 紫・藍(変革を歌い、終焉に笑え、愚か姫・f01052)は荒野を海原に変えた大規模ユーベルコードの主、『クルール・ザ・ウォータ』麾下のエリクシル海賊団のゴンドラ迫る海上にありて、専用マイクを手にして声を上げる。
 堂々たる佇まい。
 水上戦をすることは間違いないのだが、それ以上に藍がやらなければならないと思ったのは一にも二にもなくライブでった。
「『ウォータ』くんの『ウ』は鰻のウー!」
「そんなわけないのであ~る!」
「小さな『ォ』はー?」
「だから、そういうあいうえお作文みたいな歌はなんなのであ~る!? ワガハイを舐めてるであ~るな!? そうであ~るな!?」
 藍は笑っている。
 楽しそうに歌って笑っている。

 別に『クルール・ザ・ウォータ』を嘲っているのではない。
 ただ謳うのが楽しいので笑っているだけに過ぎないのだ。だが、それは『クルール・ザ・ウォータ』にとって、己を舐め腐っているといっても過言ではない行いであったのだ。
「海戦にやってきて歌を歌ってるだけとは、やはりワガハイを舐めているであ~るな!?」
 しっかり『クルール・ザ・ウォータ』はブチ切れていた。
 コミカルな風体からは想像できないほどの殺気をぶちまけながら、ゴンドラを操って藍へと突撃してくるのだ。
「あやー、このお歌はお気に召さなかったのでっすね? あれ? もしかして『ウォータ』さん?」
「なんであ~るか!」
「後ろ後ろでっすよー」
「何がであ~る……ってごへぇ!?」
 ごすん、と『クルール・ザ・ウォータ』の後頭部に激突する砲弾。

 それはエリクシル海賊団より放たれた砲撃であった。
 本来であれば、それは藍を狙ったものであったことだろう。
 けれど、それは間違いなく『クルール・ザ・ウォータ』の後頭部に直撃していた。目玉が飛びれるような衝撃に、まるいたんこぶ作りながら『クルール・ザ・ウォータ』は叫ぶ。
「くぉら! なんでワガハイの頭をフレンドリーファイアしてるであ~るか! しっかり狙……えええええ、であ~る!?」
 振り返った瞬間、其処に在ったのは無数の砲弾であった。
 いや、どう見ても藍を狙ったのではない。
 自分を狙っている。なんで? なんで? なんでワガハイ狙ってる!?
 何もかもが理解の及ばぬ光景であった。

「あや~、皆々様、藍ちゃんくんのファンになってしまったようなのでっすが1」
 藍の星の瞳(アイクルスイート)にユーベルコードの輝きが宿っている。
 藍は歌やダンスを、パフォーマンスとしてエリクシル海賊団へと披露していた。それによりエリクシル海賊団は無意識に砲撃の狙いを藍から『クルール・ザ・ウォータ』の後頭部へと変更していたのである。
 無論、無意識なので意識していないことであるので、『クルール・ザ・ウォータ』の言葉エリクシルたちは動揺するばかりである。
 それが彼の残虐非道なる意志に火をつけた。
「どいつこいつも役に立たないのであ~る! 粛清、粛清であ~る! ワガハイの後頭部に砲弾ごっつんこした奴らはワガハイがくびり殺してやるであ~る!」
 そこからはもう酷いもんであった。
『クルール・ザ・ウォータ』は気が狂ったみたいにそこらじゅうのエリクシル海賊団のゴンドラをぶっ飛ばしては、沈め、千切っては投げの七面六臂の大活躍。

「ライブでの大乱闘は困りますでっすよー!」
 しかし、事の張本人である藍は海上ライブに勤しんでいる。オーディエンスの喧嘩は止めるべきだろうが、しかし、藍はそれよりもやっぱり歌い続ける。
 だって、藍は藍ドルであるから!
 戦場だって海上だって、場所を選ばない。
 それを示すだけで、藍は『クルール・ザ・ウォータ』の率いる海賊団を壊滅に追い込んでいくのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊だけど、今回は!

UC使用。
陰海月「ぷきゅっ!」

…陰海月語を翻訳します…

海賊かー。悪悪(わるわる)だね!コンキスタドールとは違うけど、いちゃいけないやつだ!
だからね、今回はぼくが行くって言ったの!

結構光るから目立つよね。集まってきちゃうよね。
でも、ぼくは水中泳いじゃうし、四天霊障(極彩色)の重量でエリクシル止まってるし。おじーちゃんたちは心配性だなぁ。

あと、あのウォータさん?は近接ばっかなんだよね。
だから、遠くから光珠をポイポイ投げちゃおう。範囲にいる限り、逃げられないよーだ!



 海原に変わった荒野に次々と悪しき願望を受けてエリクシル海賊団がゴンドラと共に生まれていく。
 それは『クルール・ザ・ウォータ』の残虐性の為せる技であったことだろう。
「ワガハイ、この程度で終わる男ではないのであ~る! 海賊である矜持を捨てることなどありないのであ~る! つまり! どこまでもワガハイの願いは『殺し、バラし、死体を曝す』こと意外にありえないのであ~る!」 
 迸る凶悪さ。
 それに応えるようにして、エリクシルたちは次々と凶悪進化を為していく。
 ゴンドラはトビウオのように海上を疾駆している。
 凄まじい、の一言に尽きる。
 
 けれど、その海原にゲーミングカラーがミラーボールから降り注ぐ。
 否、それはミラーボールではない。
 それは、四悪霊・『虹』(ゲーミングカゲクラゲノツヨサヲミヨ)によって馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)と合体を果たした『陰海月』の姿であった。
 巨大なクラゲであるから、その様はまさにミラーボールそのもの。
「うおっ、まぶしっ、であ~る! 誰であ~るか! 戦場にミラーボールを、それやかましい光を持ち込んだのは、であ~る!」
『クルール・ザ・ウォータ』の憤慨を他所に『陰海月』は戦場に飛び込む。
 放たれる砲撃を躱しながら、空中から海中へと飛び込む。

 しかし、ゲームングカラーに輝いているせいで、位置はまるわかりであった。
「それで隠れたつもりであ~るか!」
 よっせい! と『クルール・ザ・ウォータ』はゴンドラから海中に飛び込む。
 しかも、海中生物みたいな速度でもって『陰海月』へと迫るのだ。
「ぷきゅ!」
 海賊恐るべしである。
 なんたる|悪悪《わるわる》であろうか! コンキスタドールとは違うのかも知れないけれど、彼はこの世界にあってはならない存在であることは言うまでもない。
 だから、『陰海月』は自分が倒さなければならないと思ったのだ。
 投げ放つゲーミングカラーに輝く光珠は、エリクシル海賊団のゴンドラに投げ放ち、さらに海中を走るようにして泳ぐ。 

「遅いのであ~る! ワガハイから逃げられると思わないのであ~る!」
「ぷっきゅい!」
 追いすがる『クルール・ザ・ウォータ』を『陰海月』は振り返る。敵のユーベルコードは、全て暴力である。 
 即ち、砲撃や銃撃などではなく、単純な肉弾戦でもって暴力性を発露するものばかりなのだ。
 ならばこそ、『陰海月』は呪詛を纏う海中で『クルール・ザ・ウォータ』へと光珠を投げ放つ。
 しかし、それを弾き飛ばしながら『クルール・ザ・ウォータ』は迫るのだ。
「これしきのことで、あ~る!」
「ぷっきゅ!」
 その鬼気迫る暴力性を前にして『陰海月』は触腕で握りしめた光珠を『クルール・ザ・ウォータ』のコミカルな顔面に叩きつける。
 それは満たされた凄まじい呪詛と共に、炸裂し、彼を海上へと打ち上げるのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

朱鷺透・小枝子
海賊は油断ならない。羅針盤戦争で学んだ。
だから、『綿津見、死に給え』

回点号【操縦】メガスラスター【推力移動】海中深くまで潜航しながら、
渇きの劫火で海原を【捕食】戦場を焔海に換える【範囲攻撃】

劫火よ、水干せ、奪え!!全てを灰にしろ!!!

焔海を【念動力】で操り、航行するエリクシル共を、ウォータを、
纏めて【焼却】ダメージと移動阻止【呪詛】で焔海に沈めて燃やす!!

|壊せ、壊し《焼け、焼き》尽くせ。
海風が灰を攫うことすらできないほどに、その存在を!!

己が【闘争心】と同調した火尖短鎗型抗体兵器へ【エネルギー充填】
劫火を集合させ【投擲】極熱の槍で【属性攻撃】

焼けて果てろ!海賊!!クルール・ザ・ウォータ!!!



 海賊とは簒奪者である。
 己で何かを生み出すことはせず、奪うことで得る者である。その性根を知るのならば、『クルール・ザ・ウォータ』は正しく悪逆非道の主であったことだろう。
 故に、朱鷺透・小枝子(亡国の戦塵・f29924)は己のキャバリア『回天号』のメガスラスターを噴射させながら海中へと潜航する。
 明滅するユーベルコードの輝きが海中で何度もちらつく。
 他の猟兵が海中で『クルール・ザ・ウォータ』と戦っているのだろう。
「海賊は油断ならない。羅針盤戦争で学んだ」
 小枝子は油断などしない。
 己が破壊すべきものを見据える。

 煌めくユーベルコード。
『回天号』のアイセンサーが海中の底で輝く。
「綿津見、死に給え(オーシャン・グレイブ)」
 小さく呟く。
 それは水気を喰らう乾きの劫火。
 青白き炎は海中にあっても消えることはなかった。ただ煌々と海底を照らし、海中に在る『クルール・ザ・ウォータ』は、それが敵が放つ光であると知る。
「むむっ! あれなる光は絶対やばいやつであ~る! エリクシル共! あの光を発するブリキ巨人をどうにかするのであ~る! さっさとするのであ~る! どうなってもしらんぞであ~る!!」
『クルール・ザ・ウォータ』にはわかる。
 あれなる輝きは己を滅ぼさんとする光だった。
 同時に、この大規模ユーベルコードによって荒野から海原に変えた力を喰らうユーベルコードであるとも。

「劫火よ、水干せ、奪え!! 全てを灰にしろ!!!」
『回天号』が手にした火尖槍は抗体兵器。
 生命殺す刃は、劫火へと変わる劫火を操る。渦を巻くようにして海原が炎へと変わる。
 その渦巻く海原にエリクシル海賊団のゴンドラが巻き込まれていく。
「|壊せ、壊し《焼け、焼き》尽くせ!!」
「めちゃくちゃであ~る! やつも大規模ユーベルコードを使う猟兵だとでもいううのかで~る!?」
「海風が灰を攫うことなどできないほどに、その存在を!!!」
 小枝子はキャバリアのコクピットから『クルール・ザ・ウォータ』をとらえる。

 海中……いや、劫火の最中にコミカルな風体が見える。
 だが、小枝子はためらわなかった。
 どれだけ親しみのわくデザインだろうがなんだろうが、『クルール・ザ・ウォータ』の残虐性は言うまでもない。
 エリクシルに願った願望。
『殺し、バラし、死体を晒せ』
 それは確かに曲解のしようのない願いであった。
 同時に『クルール・ザ・ウォータ』という存在の悪性を示していた。人の中にある凶暴性を拡大解釈したかのような存在。
 誰にもある悪性。
 それを、それだけを発露させた者が如何なる者かをそれは示していたことだろう。

 そして、小枝子はそういう者こそが争いを呼び込まぬとも、火種をさらに劫火へと変えていくことを知っている。
「焼けて果てろ!」
「誰が、であ~る!」
 手にした火尖槍へとエネルギーが充填される。海水を劫火へと変えたエネルギー。それが集約される。
 海原から劫火の野へ。
 しかし、一瞬でそれは火尖槍に籠められる。膨大なエネルギーを籠めた抗体兵器は自壊しかねないほどの熱量を持って『回天号』から放たれる。
「海賊!!『クルール・ザ・ウォータ』!!!」
 投擲された一射は『クルール・ザ・ウォータ』のはなった海賊パンチと激突して明滅する。
 炸裂する炎が、一瞬で海原の一部を蒸発させ僅かであるが最果ての荒野の本来の姿を取り戻すのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鏡島・嵐
アニメとかじゃ何べんぶっ飛ばされても次の話になったらしれっと復活してくるタイプだろ、あのおっさん。
そんでもってああいうタイプこそ、敵に回すと凄く怖ぇってのも、よく知ってる。『11の怪物』の一角っていうんなら、猶更だ。
でも向こうが殺る気満々なら、こっちだって覚悟決めるしかねーよな……!

〈水中戦〉と〈水上歩行〉の心得はあるし、水の中でもスリングショットは撃てるよう事前に〈武器改造〉しておく。
〈逃げ足〉活かして距離を保ちつつ〈スナイパー〉ばりの精度でエリクシルを一体ずつ狙撃。数を減らす。

ウォータのおっさんは、UCで攻撃が来そうなタイミングを測って回避。間合いを取りつつ狙撃で反撃。少しずつ削っていく。



 凄まじい熱量が荒ぶ。
 一瞬であれど大規模ユーベルコードによって海原へと変わっていた最果ての荒野は、劫火によって本来の姿を取り戻していた。
 しかし、瞬時に『クルール・ザ・ウォータ』のユーベルコードが煌めく。
「せっかくの海原を! させるか、であ~る! このまま全て飲み込んでやるであ~る! エリクシルの野郎ども! ぼさっとしてんな、であ~る!」
 凶悪進化したエリクシル海賊団のゴンドラが取り戻された海原を疾駆する。飛ぶように、それこそ、トビウオのようにゴンドラが猟兵たちに迫る。
「くっそ、あのおっさん! アニメとかじゃ何べんぶっ飛ばされても次の話になったら、しれっと復活してくるタイプじゃないか!」
 猟兵の凄まじいユーベルコードを受けてなお、そのコミカルな風体を持つ『クルール・ザ・ウォータ』はピンピンしているかのように戦場に舞い戻ってくる。
 正直言って、最もやりづらい相手であると鏡島・嵐(星読みの渡り鳥・f03812)は歯噛みする。

 そして、知っている。
 ああいうタイプこそ、敵に回すのならば末恐ろしい存在であることも。
「『11の怪物』の一柱だっていうんなら、なおさらだ!」
「ワガハイを真っ当に評価しているであ~るな! だが、ワガハイを推し量ろうなど百万年早いのであ~る! すなわち、ブッコロであ~る!」
 ゴンドラを跳ねるようにして嵐へと『クルール・ザ・ウォータ』が迫る。
 さらにゴンドラをもって迫るエリクシル海賊団もある。
 包囲されながらも嵐は海上に立つ。
 迫るゴンドラの勢いは凄まじい。
 だが、嵐はスリングショットの一撃で迫るゴンドラを射抜く。その精確さは言うまでもない。
 逃げ足を生かすように海上を蹴って嵐は走り続ける。
 敵を引き付けるのだ。そうすることで他の猟兵も戦いやすくなるはずだ。

「逃げ足だけでワガハイをどうにかしようなんておこがましいのであ~る!」
 頭上より迫るのは、『クルール・ザ・ウォータ』の放つ海賊キックの一撃であった。
 それを嵐は紙一重で躱す。 
 飛沫を上げる海水の一粒さえも今の嵐には見えている。
 その瞳にはユーベルコードが輝く。

 そう、それは、忘れられし十三番目の贈り物(マルール・トレーズ)。
 身体能力、思考演算能力を瞬間的に引き上げ、『クルール・ザ・ウォータ』の凶悪な海賊キックの一撃を躱してみせたのだ。 
「ぬう! ワガハイの必殺キックを躱すとは何事であ~る!」
「そりゃ避けるわ!」
「ええい、くらい、海賊パンチ!」
「海賊ってつければなんでもいいと思ってないか、このおっさん!? やってることは……!」
「そうであ~る! ワガハイのはただの暴力であ~る! 何事も暴力! 暴力こそがまるっと物事を解決してくれるのであ~る!」
「暴論すぎる!」
「お、それも暴力であ~るな!」
 迫る乱打。
 その全てを嵐は躱し続けていた。
 驚異的な能力であった。海上にありて『クルール・ザ・ウォータ』を嵐は翻弄し続ける。放たれるスリングショットの一撃は、確実に『クルール・ザ・ウォータ』を削り続ける。

 全ては彼の瞳に輝くユーベルコードのおかげであった。
 確かに『クルール・ザ・ウォータ』の拳や蹴撃は恐ろしい勢いを持っている。一撃でも受ければ、即座に乱打が嵐を襲うだろう。
 けれど、嵐は一撃もかすらせもしないのだ。
「ワガハイの一撃を躱し続けるなど生意気であ~る!」
「一発でもらっちゃなんねぇってわかってんだよ! だから!」
 スリングショットを引き絞る。
 嵐の瞳が『クルール・ザ・ウォータ』のコミカルな顔をとらえる。油断なんて無い。あんなコミカルな顔しておいて、殺る気満々なのだ。
 なら!

「こっちだって覚悟決めてんだ!」
 放つ一撃が『クルール・ザ・ウォータ』の眉間を捉え、そのコミカルな風体と同じようにこれまたコミカルに海上に跳ねるようにして吹っ飛ぶのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シーザー・ゴールドマン
「ハハハ、エリクシルからなる海賊団か。豪華なものだ。
 それだけに壊滅させ甲斐がある。そうは思わないかね? ウォータ君」

『真紅の波動』を発動。
戦場全体に『赤』を降り注がせてまずはエリクシルの群れを排除。
流石にウォータは動けるでしょうから真っ向勝負。

水上戦、水中戦いずれになっても|魔力《オドⅢ》の権能により地上同然に。
敵SPDUCは海賊パンチ、海賊キック、海賊頭突きと種が割れている。
戦闘勘(第六感×戦闘知識×瞬間思考力)により見切って『オーラセイバー』を振るって迎撃。暴力しか頭にないウォータに洗練された真の暴力を叩き込む。(暴力×功夫×怪力)



「いつつ、よくもやってくれたであ~るな!」
『クルール・ザ・ウォータ』はコミカルな体を跳ねるようにして海上からゴンドラの上に飛び乗る。
 猟兵の一撃を顔面に受けたのであるが、しかし、なんかこう、めり込んだ感じで、ぎゅっぽん! とコミカルな音を立てて礫を海に放り投げる。
 何処まで行ってもコミカルである。
 本当に実在した人間なのかと疑うほどのコミカルさであったが、事実である。
「ええい、エリクシル海賊団の野郎ども、さっさと前身であ~る!」
「ハハハ、エリクシルからなる海賊団か。業火なものだ」
「何者であ~る! この偉そうな笑い声! どう考えてもイケメンな感じがするし、ワガハイとはデザイン性が最初から異なる感じがする嫌な感じであ~る!」
 ば、と見上げた『クルール・ザ・ウォータ』が見たのは、シーザー・ゴールドマン(赤公爵・f00256)の姿であった。

 確かに画風が違う。
 コミカルな『クルール・ザ・ウォータ』の三等身としゅっとした八頭身のシーザー。
「愉快な男だ」
「愉快なのは貴様の出で立ちであ~る! そんな目立つ格好してくさってからに、砲撃をぶち込みまくってやるであ~る!」
 その号令と共にエリクシル海賊団から放たれる砲撃。
 瞬間、シーザーのユーベルコードが、その瞳に輝く。

「ルフス・ウーヌス」
 告げる言葉から放たれる真紅の波動(シンクノハドウ)。
 それは真紅に輝く魔力波。
 エリクシル海賊団を捉え、一瞬で吹き飛ばし、海の藻屑に変えてしまうのだ。
「ぬ~にぃ~!? であ~る!?」
「壊滅させ甲斐があったよ、ウォータくん」
「友達みたいな気安い呼び方すんなであ~る! ぶち殺してやるであ~る!」
 おらぁ! とゴンドラから真紅の波動を飛び越えて迫る『クルール・ザ・ウォータ』はぷんすこしていた。
 いや、コミカルな風体だから、そんな感じに見えているだけで、その内心は荒れ狂うどす黒い殺意にとぐろを巻くようであった。

「喰らえい、そのきれいな顔面に海賊パーンチであ~る!!」
 ぼひゅ! とものすごい音を立てて放たれるかいぞkパンチの一撃。
 しかし、それをシーザーは涼しい顔で躱す。
 どれだけ凄まじい一撃であっても、攻撃の起点が接近戦。即ち、暴力の発露であるというのであれば、それを見切ることは可能だったのだ。
「見事な暴力だ。だがね、ウォータくん」
「馴れ馴れしいであ~る! 海賊キック!」
 おっらぁ! とケンカキックが炸裂する。しかし、それをシーザーは華麗に宙を舞うようにして躱し、頭上から呼びかける。
「暴力しか頭にない君にはわからないかもしれないが、世界には武というものがあるのだよ。君のそれは理を解するのではなく、押さえつけるものだ。だから」
「知ったような口を聞くなであ~る! ワガハイの暴力はあらゆるものを屈服させるのであ~る!」

 迫る『クルール・ザ・ウォータ』の一撃を前にシーザーは空中からオーラセイバーの一閃を叩き込む。
「これが武によって洗練された真の暴力というものだよ」
 シーザーの振るう一撃は暴力其の者であった。だが、そこに鍛錬が組み込まれ、さらには魔力によって増強された怪力が掛け合わされるのならば。
 それは純然たる暴力を超えるものであった。
「ワガハイの暴力が……!?」
「そうさ、いつだってそうだが、君も過去。なら、その暴力性も人間は更新していくとは思いもしなかったかね」
 そう告げ、シーザーはオーラセイバーの一撃を『クルール・ザ・ウォータ』に叩き込むのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ロニ・グィー
アドリブ・連携・絡み歓迎!

であ~るであ~る!

●移動手段ならあるであ~る!
UC『神知』により冴え渡るボクの【船上戦】と【ジャンプ】のセンスでゴンドラとゴンドラを渡り飛びながらゴンドラごと[球体]くんで潰しながらエリクシルくんたちを倒してくのであ~る!
それまでウォータくんからは逃げ回るのであ~る!
そしてウォータくんには【第六感】に任せた回避からの神パンチ・神キック・神頭突きの【カウンター】を決めるのであ~る!

ボクの勝ちであ~る!
ところでさっきからであ~るが抜けないのであ~る!
どうしてくれるのであ~る!
おのれウォータくん恐ろしい敵だったのであ~る!



 猟兵のはなった一閃が『クルール・ザ・ウォータ』の体を切り裂く。
 コミカルな風体のせいだろうか、血潮は出ない。
 いや、もしかしたのならば『11の怪物』と融合しているからこそ、血潮は出なかったのかも知れない。
「くそったれが、であ~る! よくもワガハイを此処まで追い詰めてくれたであ~るな!!」
 激昂してもなんだかコミカルなデザインなので、イマイチ怖く見えないのは問題であった。
 しかし、内在する残虐性、凶悪さは言うまでもない。
 海原を埋め尽くすゴンドラ。
 エリクシル海賊団は一気に『クルール・ザ・ウォータ』の願望を叶えるべく海原を往く。

「であ~るであ~る!」
「ぬっ! ワガハイの語尾をパクる不埒者の気配がするであ~る! エリクシルの野郎ども、ぶっ殺すであ~る!」
「アハハハ! 神知(ゴッドノウズ)冴え渡る今のボクにそういうのは通じないのであ~る!」
 ロニ・グィー(神のバーバリアン・f19016)はゴンドラの船上を飛ぶようにして渡り飛びながら、エリクシル海賊団の攻撃を躱しながら走る。
 一直線に、いや、雷光のごとくジグザグにゴンドラの上を跳ねて『クルール・ザ・ウォータ』へと迫るのだ。
「生意気であ~るな!」
「こっちこっちであ~る! 捕まえてごらんよ、であ~る!」
「だから、ワガハイの語尾をパクるなであ~る!」
 ロニは球体たちを駆使してエリクシルたちを遠ざけ、または吹き飛ばしながら『クルール・ザ・ウォータ』から逃げ回る。

「ちょこまかとすんなであ~る!」
「いやであ~る!」
 振るわれる海賊パンチの一撃をロニは躱す。
 一撃を受ければ、そこを起点にして凄まじ殴打が始まることは知っている。
 蹴る殴るの暴力の嵐。
 それが巻き起こることを知っていたからこそ、ロニは第六感を煌めかせる。
 理屈なんて無い。
 そんなもんはない。
 敵の動きを見切るだとか、そんなもんは必要ないのである。なんとなくそうしたほうがいいと体が動いているだけである。

 故に『クルール・ザ・ウォータ』の動きは圧倒的暴力に裏付けされた経験による喧嘩殺法であるのに対して、ロニの動きはコミカルそのものな動きだった。
 全部無駄な動きだった。
 跳ねたり、足を広げたり、側転したり、バク転したり、はたまた三回転半トリプルリッツやら何やら、もう訳がわからん状況である。
「海賊パンチであ~る!」
「ならこっちは神パンチ! 神キック! 神頭突きであ~る!」
 決まった!
 なんかよくわからんが、全部決まった。綺麗に『クルール・ザ・ウォータ』に決まった。
 しかし、別段何かが起こるわけではない。

「ボクの勝ちであ~る! ところでさっきからであ~るが抜けないのであ~る! どうしてくれるのであ~る!」
「知るかであ~る! そっちが勝手にパクっているだけであ~る!」
 そこへロニの神頭突きが炸裂する。
「おのれウォータくん恐ろしい敵だったのであ~る!」
 ロニは理不尽そのものとなって『ウォータ』の頭蓋を叩き割るのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

マウザー・ハイネン
…毎日新鮮な生首を見ないと気が済まないのであ~るとか言っててもおかしくなさそうな。アポヘルの方が合ってそうな?
アクエリオ水神祭のイメージを守る為ここで滅ぼさねば…!

自前ゴンドラで。
ウォータくんメダルを肖像画ですよとウォータに投げつけてみましょう。
挑発半分感想聞きたい半分。
回答は暴力でしょうし多重詠唱で星霊クリン召喚、氷塊で迎撃しつつゴンドラを操り距離を取る。
海賊団については海賊達の隙間を抜けるように操船しつつゴンドラ自体を狙い沈没させます。
氷壁をゴンドラの上に創り遠距離攻撃はガード。
ウォータ接近時は氷壁盾にUC起動、相殺された瞬間氷槍でぶち抜きゴンドラから叩き落とします。

※アドリブ絡み等お任せ



 頭突きに頭蓋を確かにかち割られながらも『クルール・ザ・ウォータ』のコミカルな風体は変わらなかった。
 血すら見せないのは、画風が違うからであろうか?
「ぐおおお~! マジで頭痛いのであ~る! よくもやってくれたであ~るな! これはもうこれから毎日新鮮な生首を見ないと気が済まないであ~る!」
『クルール・ザ・ウォータ』はめちゃくちゃに怒り狂っていた。
 だが、ぷんすこぷん! という雰囲気にしかならないのは、そのコミカル風体のせいであっただろう。
 何やっても、コミカルになってしまうが、やっていることは凶悪そのものであったのだ。

 その様子をマウザー・ハイネン(霧氷荊の冠・f38913)は見やり、どう考えてもアポカリプスヘルに居たほうが似合うのではないかと思った。
 いや、それはそれで他世界に良い迷惑である。
 アポカリプスヘルへの熱い風評被害ってやつである。
 しかしながら、マウザーは思うのだ。あのデザイン。水神祭都アクエリオの祭事で配られてあウォータくんメダルのデザインのままである。
 モチーフにしたっていう話であったが、クリソツであった。
「これは、ただの戦いではないのでございますね。アクエリオ水神祭のイメージを護る為の戦いでもあるのでございます……!」
 マウザーはやる気に満ちていた。
 今回の戦いで『クルール・ザ・ウォータ』とアクエリオ水神祭のメダルが、そっくりだなんて知れ渡ってしまっては、イメージダウンも免れない。

 故にマウザーは勝手知ったる己のゴンドラでもって海原に漕ぎ出す。
「ワガハイを前にしてゴンドラで挑むとは、正気を疑うのであ~る!」
「確かに伝説のゴンドラ海賊である貴方様……しかし、貴方は存じあげないでしょうが、これが!」
 マウザーはゴンドラで海原を進みながら、『クルール・ザ・ウォータ』に手にしたメダルを投げつける。
 それを受け止め、『クルール・ザ・ウォータ』は驚愕する。
「なんであ~るか!? これは!?」
「それはウォータくんメダル! 貴方様の肖像画でございますよ!」
「ふぁっ!? なんたるクオリティ! 鏡を見ているようであ~る! この彫師は一体どんな技術力をもっているのであ~るか! クリソツすぎてワガハイ失禁ものであ~る! っていうか、ワガハイに断りなくワガハイのデザインをパクるとか、これ盗用であ~る! 賠償金を要求するであ~る!」
 喜んでるのか、怒っているのか、マウザーにはイマイチわかんなかった。
 けれど、戦うことにかわりはないだろう。
 どっちにしたって暴力って感じである。

「そういうわけえ、手始めに猟兵、貴様をボコして、ボコボコにしてやるであ~る!」
 おっらぁ! とゴンドラに飛び込んでくる『クルール・ザ・ウォータ』を氷塊でもって迎撃しつつ、エリクシル海賊団のゴンドラの隙間を縫うようにして操船知って飛び込む。
 戦場を撹乱するつもりもあったし、また己を追う『クルール・ザ・ウォータ』を振り切るつもりでもあったのだ。 
 しかし、その速度を持ってしても『クルール・ザ・ウォータ』はマウザーを執拗に追うのだ。
「待て~であ~る! 待たないと殺すであ~る! 待ってもボコボコにしてからバラしてやるであ~る! どっちも嫌でも死体を晒してやるであ~る!」
「コミカルなのかヴァイオレンスなのか、どちらかにしていただきたいのですが」
「どっちもワガハイの持ち味であ~る! いい加減、ぶっ飛ばすであ~る!」
 ゴンドラからゴンドラに飛び乗り、マウザーに迫る『クルール・ザ・ウォータ』の拳が眼前に迫る。
 瞬間、マウザーの瞳がユーベルコードに煌めく。

 立ち上がるは氷壁。
 パワーボムを仕掛けようと迫っていた『クルール・ザ・ウォータ』。しかし、氷壁から現れた氷の『クルール・ザ・ウォータ』と激突してごっちんこである。
それは、マウザーのユーベルコード、応報消失の氷壁(アイスキャンセラー)より生み出された精巧な『クルール・ザ・ウォータ』の氷像であった。
「ぐわ~であ~る!? またワガハイの肖像権が侵害されたであ~る!?」
「立体物はセーフでしょうか?」
「アウトに決まってるのであ~る! 当日版権でも無理であ~る!」
「そうですか、ならば物別れですね!」
 氷壁越しにマウザーは己の手にした氷槍の一撃でもってぶち抜きながら『クルール・ザ・ウォータ』を彼方へとぶっ飛ばすのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メルヴィナ・エルネイジェ
ふざけた見た目に騙されてはいけないのだわ
あれはきっと油断させる為の作戦なのだわ
エリクシルを持っているし、残虐性は本物なのだわ

戦場が海なら私とリヴァイアサンにも都合が良いのだわ
速く泳げるし海竜装甲の力も発揮できるのだわ

収束したオーシャンバスターでゴンドラを薙ぎ払うのだわ
何も無い海原だから射線が良く通るのだわ
大砲で狙われたら海中に潜るのだわ
機雷や魚雷を撒いているかも知れないから予めソナーで探知しておくのだわ

だいたい片付けたらウォータを狙うのだわ
ゴンドラに食らい付くのだわ
当然反撃されるけど…その反撃が狙いなのだわ
馬乗りされた瞬間に水刃一閃で切り刻むのだわ
リヴァイアサンに乗っていいのは私だけなのだわ…



 はっきり言って『クルール・ザ・ウォータ』の見た目はコミカルであった。
 どう見ても三等身。ギリ四等身。
 そんなスーパーデフォルメな姿を前にして、油断しないなんて無理な話であろう。
 しかし、『エリクシル』に願った願望は正しく伝説の大海賊にして凶悪さを示すものであった。
「『殺して、バラして、死体を晒せ』……ふざけた見た目に騙されてはいけないのだわ」
 機神『リヴァイアサン』と共にメルヴィナ・エルネイジェ(海竜皇女・f40259)はエンドブレイカー世界の最果ての荒野……大規模ユーベルコードによって海原へと変わった戦場に降り立っていた。
「ふざけた見た目ではないのであ~る! ワガハイ、生まれてこのかたこの姿であ~る! クソでかブリキの竜だろうがなんだろうが、ワガハイを舐め腐った奴はぶっ殺すときめているのであ~る!」
『クルール・ザ・ウォータ』のブチ切れた声が響いている。
 しかし、なんてうか。その。コミカルな風体でプンスコやっているだけにしか見えない。
 だが、メルヴィナは頭を振る。
 あれもまた自分を油断させるための作戦なのだ。

「『エリクシル』に願った残虐性は本物なのだわ。ならば、私が。『リヴァイアサン』!」
 その言葉に応えるようにして『リヴァイアサン』のアイセンサーが煌めく。
 迫る凶悪進化したエリクシル海賊船団の砲撃も『リヴァイアサン』の海竜装甲を前にしては無意味だった。
 装甲を抜く一撃を受けても、即座に海水を組み上げて装甲を補填する。
 此処海原において、『リヴァイアサン』の性能は一線を画す。どれだけの攻撃を放たれてもすべて受け止めて見せる。
 そして、無力さを思い知らせるのだ。
「なんでエリクシル海賊団の砲撃が、ち~っとも効いてないのであ~るか!? ええ、やっぱりワガハイが往くしか無いのであ~る! 喰らえ、剛腕一閃! その装甲に海賊パーンチであ~る!!」
 おっらぁ! と放たれる『クルール・ザ・ウォータ』の拳の一撃が装甲をぶち抜く。
 機体が揺れ、メルヴィナはやはりと思う。

「その残虐性は本物なのだわ!」
 揺らめく『リヴァイアサン』はそのまま海中へと飛び込む。
 たまらず逃げ込んだのではない。
『リヴァイアサン』は距離を取ったのだ。口腔より放たれたオーシャンバスターの収束された水圧の一閃がエリクシル海賊団のゴンドラを薙ぎ払い、彼らを海の藻屑へと変えていく。
 そのすさまじい一撃は確かに『クルール・ザ・ウォータ』にとって予想外の一撃であったが、自分意外のエリクシルがどれだけやられても構わなかったのだ。
 何故なら。
「馬鹿め、であ~る! エリクシルなぞ、ワガハイの願望でいくらでも湧いてでてくるのであ~る! それよりも、ワガハイの海賊パンチのお次は、海賊ローキックであ~る! 一体全体何処らへんがローかわからん巨体であるが、ここらへんであ~る!」
 どっせい!
 放たれたローキックが『リヴァイアサン』を海中にさえ追いすがって放たれる。
 海中であっても『リヴァイアサン』の巨体が傾ぐ。

「きゃあっ、なのだわ!?」
 凄まじい力である。残虐性以上に、圧倒的な暴力が『リヴァイアサン』とメルヴィナを襲う。
 しかし、メルヴィナの瞳は恐怖していなかった。
 海中で『リヴァイアサン』に馬乗りになる『クルール・ザ・ウォータ』は拳を握りしめていた。
「このままボコして海底に沈めてやるであ~る! 覚悟するであ~る!」
 拳が振り下ろされんとした瞬間、『リヴァイアサン』のアイセンサーが煌めく。
 それは本来ならば『クルール・ザ・ウォータ』の馬乗りによって行動不能たる状況であり、もはや逆転は如何ともし難いものであったはずである。
 しかし、『リヴァイアサン』の口腔より放たれたのは、海中であっても勢いを衰えさせることのない、水刃一閃(アクアエッジ)であった。
 それは、『クルール・ザ・ウォータ』の拘束すら無視し放たれた。

「ば、ばかな、であ~る!?」
「この水刃……触れれば切れるのだわ。それ以前に……」
 メルヴィナの瞳がユーベルコードと共に強烈な意志を放つ。
「『リヴァイアサン』に乗っていいのは、私だけなのだわ」
 己だけ、という独占欲。 
 その揺らめく闇めいたオーラと共に『クルール・ザ・ウォータ』は己の残虐性を量がするものを感じ、慄きながら……しかし、己の銅が両断されたことすら気がつけぬまま、海中に没するのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年09月20日


挿絵イラスト