エンドブレイカーの戦い⑫〜|闇夜《あんや》にカーニバル
闇は味方か敵か?
「ジェスター?」
黒弗・シューニャ(零・f23640)は首を傾げた。
「ヒーローズアースでアースクライシスが勃発するきっかけを作った世界移動存在の方らしいのですわ。それが11の魔物『ムシュフシュ』と合体して、ムシュフシュ・ザ・カーニバルとなったのですって!」
ムシュフシュ・ザ・カーニバルはエリクシル軍団を率いてラズワルド・ウォールの突破を試みている最中だ。
猟兵が止めに入れば、ジェスターの持つ『マスターデモン』の本性を解き放つことは想像に難くない。
「これは戦場全体を『侵食する黒き闇のオーラ』で包み込み、皆さまの心身を蝕んでゆく……それだけでも大変なことですが、さらにムシュフシュ・ザ・カーニバルはこの闇に紛れて必ず先制攻撃を仕掛けてきますの。この両方に対処しなければ勝ちを見出すのは難しいのですわ……!」
それはつまり敵の土俵で戦わざるを得ないということ。
闇のオーラがもたらす心身への影響に対処しつつ、先制攻撃への対策も怠らない。そのふたつが揃ってはじめてムシュフシュ・ザ・カーニバルに勝負を挑み、勝ち星を奪える可能性が見えてくる。
少なくとも相手にとって闇は最大の味方だ。
けれど、これからムシュフシュ・ザ・カーニバルと戦う猟兵とってはまだどうなるかわからない。闇を敵に回すか味方につけるかはそれぞれの戦い方次第なのだから。
「それではいってらっしゃいませ。皆さまをムシュフシュ・ザ・カーニバルの元へ送り届けますわ!」
ツヅキ
プレイングが送れる間は受付中です。
採用と執筆はタイミング次第。
書けそうなものからリプレイをお返ししていきますので、全ては採用できない場合があります。
●第1章
戦場はムシュフシュ・ザ・カーニバルの放つ闇のオーラで塗りつぶされたような状態です。
これに紛れて先制攻撃を仕掛ける敵への対処と心身を蝕む闇のオーラに抵抗することが両方できるとプレイングボーナスが入ります。
第1章 ボス戦
『ムシュフシュ・ザ・カーニバル』
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POW : デモニックアルター
自身が【悪事】で使用した道具全てをレベル秒間【ジェスターズ・マスターデモン化】し、[悪事]の腕前に比例した強さで戦わせる。
SPD : デモニックエクリプス
【漆黒のマスターデモン形態】に変身する。隠密力・速度・【超重力を放つハンマー】の攻撃力が上昇し、自身を目撃した全員に【恐怖】の感情を与える。
WIZ : ムシュフシュフォール
戦場にレベル×5本の【エリクシルの槍】が降り注ぎ、敵味方の区別無く、より【正義の心を持つ】対象を優先して攻撃する。
イラスト:シャル
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
アルクス・ストレンジ
闇は敵の味方か
心身を蝕まれたらまともに戦えるかわからないな
だが、やりようはある
真っ向勝負を挑もうとしなければな
撒菱を手に戦場へ
敵の先制攻撃は
『オーラ防御』の展開に加え
『功夫』の技での体捌きにてダメージ軽減を試みよう
闇の中でどれくらい抵抗できるか読めないが
意図的に、あるいは攻撃を受けた衝撃で
撒菱を撒けさえすればそれでいい
さあ、存分に味わえ
【ギベオンの稲妻】をな
一度、発動さえしてしまえば
稲妻はオレの意思と無関係に敵を灼く
そして、雷光は闇をも裂く
敵が移動不可になり
かつオレが闇の束縛から逃れた時が
反撃のタイミングだ
ケルベロスチェインを伸ばし
締め上げてやる
闇は敵でも味方でもない
ただ、敵ごと対処するだけだ
「闇は敵の味方、か」
アルクス・ストレンジ(Hybrid Rainbow・f40862)は誰に言うとも無しに呟いた。今にもラズワルド・ウォールを破ろうとしているムシュフシュ・ザ・カーニバルの大きな背中がここからでも目に映る。
心身を蝕まれたらまともに戦えるかどうかわからない、が――やりようはあると思った。
アルクスならではのやり方というものを、これからお見せしよう。
猟兵の接近を察したムシュフシュ・ザ・カーニバルがゆっくりと振り返りながら漆黒の異形へと姿を変える。同時に襲いかかる寒気を伴う居心地の悪い感情の名を恐怖といった。
「ハジメマシテですかな? ワタシの邪魔をしようというのなら、カクゴは出来ておられるハズ……!」
巨大な鉄塊の如きハンマーがアルクス目がけて振り下ろされる。直撃の瞬間、間に挟み込まれた気膜が激しい抵抗を試みた。その僅かな一瞬の猶予のうちに功夫による体捌きで直撃を躱し、地面を転がって飛び退く。
いつしか周囲は真っ暗な闇に閉ざされていた。
「フフフ、アナタからワタシは見えないが、ワタシからアナタはとてもよく見えますヨ。さあ、今度こそトドメです!」
だが、一歩踏み出した途端にムシュフシュ・ザ・カーニバルは悲鳴を上げた。目を凝らせば足下に銀色の撒菱。さっき、アルクスが地面を転がった際にこっそりと撒いておいたものだ。
「い、いつのまに――」
「さあ、存分に味わえ。【ギベオンの稲妻】をな」
暗闇に閉ざされた戦場を貫くような雷撃が迸った。アルクスの心身がいかに蝕まれようとも、使い手の意思とは無関係に敵を灼くそれは刹那、闇を照らし敵をその場に足止める。
「そこか」
「しまった!」
居場所は掴んだ。
アルクスは稲妻によって裂かれた闇の狭間を縫うように伸ばした黒鎖を敵に絡みつかせ、ひと思いに締め上げた。
「うぐぐぅ~。よ、よくもワタシを出し抜いてくれましたネ!?」
「真っ向勝負を挑むだけが戦いじゃないってことさ。闇はな、敵でも味方でもないんだ」
ただ、そこにあるだけのもの。
「だからただ、あんたごと対処するまで。ちなみにそのケルベロスチェインはまだまだ絞れる。一体どこまで耐えられるかな」
大成功
🔵🔵🔵
カーバンクル・スカルン
ぶっちゃけ暗い方にいた方がまだ長いし、戦い方も他の人と比べて真っ直ぐではないし……むしろ堂々とやってる今がイレギュラーなんよね。本来なら闇に紛れてやってるべきだったんだから私は。……だから、今回は初心に帰らせてもらうわ。
闇で空や前は見えなくとも、マスターデモンが近づいてくる音は聞こえてくるはず。爪が振り上げた瞬間にボディ・サスペンションを放って捕縛しつつ、持ち前の怪力で振り回して周囲にいる他の奴らを一掃する。
前回は人質がいたから甘噛み電撃で済ませてやったが、二度目は容赦なくいかせてもらう。余裕ぶって笑ってるジェスターの声から位置を特定し、赤熱したワニを刺し向けて噛みつかせて悲鳴をあげてもらうわ
カーバンクル・スカルン(クリスタリアンの懲罰騎士・f12355)はなじみ深い闇の感覚に息を潜めた。順応力というのはわりと凄くて、どんな環境であっても生きていける限りは慣れてしまうものだ。ぶっちゃけた話、暗い方にいた方が長いくらいで。カーバンクルは開き直る。むしろ堂々とお日さまの下でいろいろやらせてもらってる方がイレギュラーなのだから、と。
「だって、本来ならさ。私は……あのまま闇に紛れてやってるべきだったの。むしろこういう場所の方が私にとってのホームグラウンド。闇は色々なものを見えなくさせるけど、全てを隠しきれるわけじゃない」
――たとえば、音。
呼吸、取り出された道具がマスターデモン化する時の手品みたいな効果音、そして何より。
「さあ、お逝きなさい!」
やれやれ、少しは黙っていられないのかな? マスターデモンの足音と爪を振り上げる微かな空気の震えを頼りに、カーバンクルはボディ・サスペンションで手近にいたのを掴まえた。
「せーの」
フックを食い込ませ、思いっきり振り回してやる。見えるとか見えないとかはもう関係ない。全部一緒くたにして、周囲にいる全部を一掃してやるだけのことだ。
「なんとランボウな!」
「私、育ちが悪いのよね。あと余裕ぶるのはいいけど、そんなに笑ってたら闇を味方につけたところで限度ってものがあるんじゃない?」
「それはドウイウ意味ですかナ」
「こういうことよ」
さっそく、カーバンクルは彼に分からせてやった。
人質に配慮して甘噛みの電撃で済ませた前回とはわけが違う。
今回は容赦なくいかせてもらうつもりでユーベルコードを発動。闇に浮かび上がる赤熱の正体は機械仕掛けのワニである。
「うあっつゥ!!」
火傷して悲鳴を上げるジェスター。
「久しぶりに初心に帰らせてもらったわ」
カーバンクルは冷静に呟いた。
「さあ、そのまま噛みちぎってあげなさい」
大成功
🔵🔵🔵
メノン・メルヴォルド
(――これはオレの出番だろ!
主人格であるメノンの知らない多重人格な存在として
蝕む闇から妹を守れるのはオレしかいねぇじゃん
光を黒いヴェールで覆うようにな!)
暗闇に紛れるなら遮蔽物を背にして戦うのよ
少なくとも一面だけは警戒レベルを下げられるもの
背後からの攻撃は音がするはずだから
あとは第六感とフェイントで攻撃を少しでも回避する、ね
間髪入れずに炎による旋風を巻き上げる
この柱は目印になるでしょう?
ワタシだけのチカラは弱くても、アナタの企みを阻止しようとする人は他にもいるのよ
心を強く持てば蝕むオーラに対抗できるかもしれないと思っていたけれど…
今は、それだけじゃない気もするの(胸元に手を当て
どうして、かしら
――これはオレの出番だろ!
主人格であるメノンは知らない。多重人格としてひとつの身体に共存する|兄《オレ》がいつも|妹《お前》を見守っているということを。
心身を蝕む闇の存在なんて、このオレが許すとでも思ったか? 光を黒いヴェールで覆うかのように大切なメノンを包み込んで。
お前を守れるのはオレしかいねぇじゃん。
安心しろよ。
絶対に、大丈夫だから――……。
メノン・メルヴォルド(wander and wander・f12134)は敵の急襲から身を守るため、遮蔽物を背にすることを思い付いた。
これなら、少なくとも背後の一面に対して奇襲される可能性を抑えられる。
あとは、音。
第六感を頼りに感覚を研ぎ澄ませたメノンは確かに槍が空気を裂く時に発生する独特の風鳴りを捉えたのだ。
「もらいましタ!」
「……と、思うよね?」
それはとてもシンプルで、だからこそわかりやすい|目印《・・》となる。
「火ですと!?」
驚く相手に花が綻ぶような微笑みを浮かべて曰く。
「そうよ。アナタの姿、今はとてもよく見える」
炎の旋風は轟々と竜巻の如く巻き上がり、ムシュフシュ・ザ・カーニバルの巨躯を鮮やかな紅蓮に染めた。いくら闇に潜もうとも、燃え盛る紅蓮の柱が秘匿を許さない。
「ワタシだけのチカラは弱いかもしれない。でもね、アナタの企みを阻止しようとする人は他にもいるのよ」
「ぐぬぬ、やってくれましたネ……!」
再び降り注ぐ槍をメノンはフェイントで躱して、その身に掠らせもしなかった。
「ナゼです? この闇はアナタの心身を蝕むはずなのに、ナゼ効かないのです!?」
ムシュフシュ・ザ・カーニバルは悔しそうに地団太を踏む。
そういえば、全然苦しくない。
指先を胸元に添え、メノンは小首を傾げる。
心を強く持てば闇の侵蝕に抗えるかもしれないと思ってはいたけれど。今はどうしてか、それだけではないような気がしている。
「どうして、かしら」
なんだか胸がぽかぽかして、不思議な安心感があった。
完全なる暗闇の中、それでも決して、ひとりじゃないみたいな……。
大成功
🔵🔵🔵
仇死原・アンナ
アドリブ歓迎
…時は来たれり!
この世界を救う為に…闇なる道化を屠る為に…!
さぁ行くぞ…私は…処刑人だ!
霊剣振るい破魔と浄化の力で闇のオーラを切り払おう
暗視と視力で敵の攻撃を見切りつ回避しよう
恐怖…だが…それがどうした!私は|常闇の世界《ダークセイヴァー》に生まれ落ちた!
闇を騙る道化め…
逆だ!恐怖するのは…貴様のほうだ!
仮面を被り地獄の炎纏い敵に恐怖を与えてやろう
炎纏う鉄塊剣を抜き振るい敵を怪力で叩きつけて吹き飛ばそう
そして鉄塊剣を構え【炎剣レヴァンテイン】を発動
地獄の炎の範囲攻撃と斬撃波で敵と闇ごと纏めて吹き飛ばして焼却してやろう…!
道化め…闇共々消え去れッ!!!
時が来た。
まるで審判のラッパを聞いた死者が棺の中から甦るかのように、その時が来るのは約束されていた。
仇死原・アンナ(処刑人、地獄の炎の花嫁、焔の騎士・f09978)の構える霊刀が破魔と浄化の力で闇を裂き、己の近くにまで寄せ付けない。
「さぁ行くぞ……私は……処刑人だ!」
闇より深い闇を湛えた瞳で、アンナは敵の攻撃を華麗に見切った。
「マサカ、見えているのですカ!?」
アンナの暗視及び視力は超重力を誇るハンマーのひと薙ぎを確かに捉えている。見切られたことにムシュフシュ・ザ・カーニバルは少なからず驚愕した。
「そんなハズありマセン! もう一度デス!」
「無駄だ」
あっさりとアンナは身を躱す。
「貴様の言う闇の恐怖とは、この程度か……?」
「どういう意味デスカ」
鋭い視線でデモンと化した敵を射殺さんばかりに見据え、ヒントを与える。
「私は|常闇の世界《ダークセイヴァー》に生まれ落ちた! そろそろ気づいたらどうだ、闇を騙る道化よ……」
「ナ、ナニを言って」
顔を上げたムシュフシュ・ザ・カーニバルの背筋をぞっとしたものが迸る。そこにいたのは仮面で顔を隠した処刑人がただ一人。
手に持つ鉄塊剣が炎を纏いて燃えている。
「待ッ……」
「恐怖するのは……貴様のほうだ!」
抜き振るった鉄塊剣から噴出する地獄の劫火が敵を屠り、容赦なく吹き飛ばした。それも闇ごとだ。火だるまになりながら、ムシュフシュ・ザ・カーニバルは地面を転げまわった。
「うおお、おお――!!」
デモン化した横顔から剥がれるように変異が解け、ジェスターとしての姿が晒される。震える悲鳴は彼の怯えを如実に伝えた。
「こ、こんな危険なヤツがいるなんて聞いてマセンヨ!!」
地獄の炎をまるで従えるかのように纏い、仮面越しの眼差しを擲つアンナはまさしく炎獄の執行人そのものであった。
だから、最初に言っておいたというのに。
時が来たのだ、と。
「貴様が地獄へ落ちる時が来たのだ……道化め、闇共々消え去れッ!!!」
大成功
🔵🔵🔵
紫・藍
藍ちゃんくんでっすよー!
なんかこう、ぱっと避けちゃうのでっす。
どうして気づいたか、でっすか?
ダークセイヴァーに生まれ育った藍ちゃんくんにとって、闇は隣人……というには居座りすぎなので、まあ腐れ縁みたいなものなのでっす。
だからまあ相応の慣れがあるのもなのでっすがー。
マスターデモンは具現化された夜なのでっすよね?
どれだけ隠密力を上げた所で、マスターデモンである以上、夜であることだけは変えられないのでっす。
つまりでっすねー。
なんかこう郷愁を誘われてしまったのでっす!
あ、この感覚めちゃくちゃ覚えある、夜なのでっす! というのを第六感でビビッと感じちゃったのでっす!
などなどお話しながら即興詩をどうぞー!
「さー、藍ちゃんくんのお時間でっすよー!」
紫・藍(変革を歌い、終焉に笑え、愚か姫・f01052)は、ぱっと相手の攻撃を躱す。その心は『闇は隣人』あるいは『腐れ縁』。ダークセイヴァーに生まれ育った藍にとって闇に隠れ潜んでの攻撃を察知することなど朝飯前のようなものだからして。
「相応の慣れというべきでっすかねー」
「マサカ、それだけで?」
「いえいえ、まだ隠し玉があるのでっすよー」
ちちち、と指先を左右に振りながら。
「マスターデモンである以上、具現化された夜なのでっすよね?」
「仰る通りデス」
なぜか偉そうなムシュフシュ・ザ・カーニバルに藍はビビッと来た理由を親切にも教えてあげる。
「つまりでっすねー。一言で表現すれば哀愁ってやつでしょうか」
どれだけ隠密力を上げようとマスターデモンである以上は夜であることだけは変えられない。藍は覚えのある|夜《・》の感覚を頼りにムシュフシュ・ザ・カーニバルとハンマーによる襲撃を躱し、いつのまにか即興詩の世界に開いてを引きずり込んだ。
「しまッ……」
うっかり会話に乗ってしまったムシュフシュ・ザ・カーニバルの失態によってその一撃は目にも止まらぬ域にまで素早さを増して命中する。
「や、やりましたネ。このワタシを出し抜くとは、不覚デシタ!」
くらくらと、ムシュフシュ・ザ・カーニバルはふらつきながら頭を抱えた。予想外の攻撃に度肝を抜かれたようだった。
大成功
🔵🔵🔵
クロービス・ノイシュタット
なぁんにも見えない、闇の中
ヤだねぇ…
昔の記憶が蘇ってくるや
暗視に慣れて、遮光の為に眼鏡をかけ始めた程、真闇には覚えがあるから
動揺はきっと、無い
それに、勝負時の勘は有るつもりだし
蝕まれ続けるなんて窮地ほど、どっちに避けるかとか閃くもの
つまりが、自分を信じて!
自分の気配は消せても、槍の風切り音や着地音は如何だろうね?
…そんな皮肉を嘯ける程度に、俺は正義なんぞとは程遠いモンなんだが
音、エリクシルの光…
それらを頼りに、広範へとUC
当たれば上々
あの煩いの喋らせて居場所を特定出来ればなお良し
闇も序でに吹き飛ばせれば、万々歳
俺。何にも見えないっての大嫌いなんだわ
虎の尾っての?
踏まれて戯けさせとく気、無いんで
真なる闇のなかでクロービス・ノイシュタット(魔法剣士・f39096)は眼鏡を押し上げ、軽く肩を竦める。本当に何も見えやしない。ヤだねぇ……蘇る昔の記憶に嘆息ひとつ零して。
動揺はなかった。
暗視に慣れ、遮光の為に眼鏡をかけ始めたくらいには真闇というものに対して覚えのようなものがあったから。
あとは、勝負勘。
――自分を信じろ。
蝕む闇がじわりとクロービスの体に染みる。だが、窮地ほど感覚が冴え渡る。火事場の何とかっていうだろう?
「たとえ気配は消せようが、動作音については如何だろうね?」
クロービスの嘯く皮肉がムシュフシュ・ザ・カーニバルの耳に届くのとアイスレイピアから冬の嵐が放たれるのとが同時だった。
「ワタシの居場所がドウシテわかったのデスカ!」
「わからいでか」
指差す先には、エリクシルの光とそして――音。
槍の風切り音も足音も、全てが敵の位置を知るための手掛かりになる。
「いすれにしても、俺は正義なんぞとは程遠いモンなんでね。あとお喋りなのはよした方がいいんじゃないかな。それも決めての一つだよ」
「ぬうう――!」
冬嵐に吹かれ、吹き飛ぶムシュフシュ・ザ・カーニバルの全身が凍り付いてゆく。
「そうだ」
言い忘れないうちに言っておこう、とクロービス。
「俺。何にも見えないっての大嫌いなんだわ。虎の尾って知ってるよな?」
ついでに闇も一緒に払い除けながら、ぶっきらぼうに告げた。
「踏まれて戯けさせとく気、無いんで。悪しからずご了承くださいな」
大成功
🔵🔵🔵
アルジェン・カーム
…58人
この数を知っていますか
ムシュフシュ…いいえジェスター
嘗て貴方がクトラさんを浚い
その結果…僕らに刃を向けた果て…変えることのなかったエンドブレイカーの数です
それは彼等の選択だったのでしょう
それでも…
せめて貴方を彼等の下へ送ることで手向けといたします
対先制闇
【オーラ防御・戦闘知識・武器受け・念動力・勇気・弾幕】
オーラを広域展開
精神の侵食軽減
ジェスターの位置捕捉
恐怖は勇気と怒りでねじ伏せ
ハンマーに念動光弾を打ち込んで迎撃
【空中戦・二回攻撃・切断・貫通攻撃・串刺し】
UC発動
英霊剣群展開発動
剣群と宝剣と聖刃で切り刻み
砲撃兵装で串刺しにして破壊の波動を流し込む!
待っていますよ…彼等が門の向こうで
「……58人」
アルジェン・カーム(銀牙狼・f38896)は言った。
「この数を知っていますか。ムシュフシュ……いいえジェスター。嘗て貴方がクトラさんを浚い、その結果……僕らに刃を向けた果て……変えることのなかったエンドブレイカーの数です」
「さて、ドウでしたっけネ」
しらばっくれるムシュフシュ・ザ・カーニバルに、アルジェンは表情一つ変えないままに続ける。
「それは彼等の選択だったのでしょう。それでも……せめて貴方を彼等の下へ送ることで手向けといたします」
オーラを広げ、闇の侵蝕による心身への影響を可能な限り軽減する。恐怖など勇気と怒りでねじ伏せてやればいい。
「そして、ハンマーには――」
念動力で操る弾幕で対処する。
「やりますネ」
ぐぐ、とハンマーの軌道が僅かに逸れた。
空中に舞い上がったアルジェンは他のユーベルコードと同時に使える英霊剣群を展開し、まずはムシュフシュ・ザ・カーニバルに圧倒的な数の斬撃を与えることに成功する。
「さあ、仕上げです……」
砲撃兵装で串刺しにしたところへ、対神滅殺機構『冥界の神』を発動。流し込まれた破壊の衝動にムシュフシュ・ザ・カーニバルが悲鳴を上げた。
「ぐああああ!!」
「待っていますよ……彼等が門の向こうで」
大成功
🔵🔵🔵
祓戸・多喜
あー!こんな所からアタシ達の世界に来てたのね!
しかも何かよくわかんない怪物と融合までしちゃって!
どうせこっちでも碌な事してないんだからまたぶっ倒してあげるわよ!
侵食する闇には破魔と光の属性を込めたオーラで全身覆い防御、更に矢を周囲の地面に撃ち込んで陣を作り少しでも影響抑えてみるわね。
暗視も活かして目を凝らし敵を探すわよ。
道具が襲いかかってくるなら弓での速射と念動力で通連操って切り落としていくわ。
凌げたらUC起動!
この闇もジェスターもどうみても人を惑わす障害!
ならぶっ飛ばしてやるわよ!
弱気にならぬよう只管強気に、ありったけの矢で狙撃して防御ごとぶち抜いちゃうんだから!
※アドリブ絡み等お任せ🐘
「あー! こんな所からアタシ達の世界に来てたのね!」
祓戸・多喜(白象の射手・f21878)怒り狂い、地面を踏み鳴らす。ムシュフシュ・ザ・カーニバルというよくわからない怪物と融合してまで悪事を働こうとは言語道断。どうせ碌なことをしないのだから、何度だって倒してやるまでのこと。
侵食する闇を全身に纏わせた破魔と光のオーラで遮断し、周囲の地面に撃ち込む矢で影響を抑えられるか試みる。
「結構効いてるみたい?」
あとは――暗視で、索敵。
マスターデモン化した武器が襲いかかるのを弓での連射と念動力で操る通連でうまい具合に切り落としてやればこっちのものだ。
「おかしいデスネ、手ごたえがありません――」
もう少し近づいてみようとムシュフシュ・ザ・カーニバルが進み出た時だった。すかさず多喜はユーベルコードを起動し、障害を退ける神の力で闇とジェスターの排除を始める。
「どっちも人を惑わす障害そのもの! まとめてぶち抜いちゃうんだから!」
ありったけの矢を撃ち放せば、ムシュフシュ・ザ・カーニバルの身体という身体を貫いた。弱気だけは禁物。只管強きに矢を番え、追い撃ちをかける。
「逃がさないわよ!」
「これは計算外デス! どうにかしなければ……」
だが、どうにもならない。
ムシュフシュ・ザ・カーニバルはもはや引き返せないところまで来てしまったということを今更ながらに思い知るのだった。
大成功
🔵🔵🔵
御門・儚
えっと
ムフフ・ザ・フェスティバルさん?(違)
空を飛ぶのは鳥や羽のある御虫さんの特許なんで止めて差し上げて欲しいんだよね。
断わりなく他所様の世界にお邪魔するんじゃありません。
不法侵入罪とか色々罰則が…
あ、侵略何だからオッケー?
ふーん。
じゃあ俺も超法規的措置で治外法権行使だねっ♪
気配察知と見切り、受け流しと暗視で初手の先制を防ぐよ。
やられた振りして暗視でムシャムシャ(違)の動向探ってみようか。
ふーん中二全開だねぇ。
はい。強い強い。嬉し嬉しいねぇ〜♪
若い頃にあんなの結構見たから怖くないや。
同じ事仕返しちゃうよ。
鬼ごっこしましょ♪
楼籠景射・闇津日!
さて、鬼は俺だよ。逃げ切れるかな?
空中戦とリミッター解除と空中機動でムッシュ(違)の目を狙って爪で攻撃するね。
目潰しどーん!
決まれば連続コンボで地面に叩きつけるよ!
目が見えないって怖いでしょ?
俺の姿が見えなくても怖いよね?
他所様の世界にお邪魔するにはまずカシオリとか持って行かなきゃでしょ!
俺の知ってる人はそうしてたよ!
ムシュフシュ・ザ・カーニバルは焦っていた。本来ならば、とっくの昔にラズワルド・ウォールを突破できているはずなのに。
「なぜ、このワタシが猟兵如きに勝てないのデス!」
「そりゃあ、この世に悪が栄えた試しはなしってやつだからじゃないの~。えっと、ムフフ・ザ・フェスティバルさん?」
「アナタ、さてはワザト間違えてマスネ! ウヌヌ……こんなはずではなかったのデスガ……」
一発逆転を狙い、これまでに悪事で使用した道具全てをマスターデモン化して御門・儚(銀雪の梟(もりのふくろうちゃん)・f35472)に襲いかからせるが――儚の暗視を可能とする瞳にはその動きが逐一見えていたし、焦燥の気配は到底消しきれてはいなかったので見切るのに支障はなかった。
(「とはいえ、ここはやられた振り作戦といきますか」)
断りなくよそさまの世界にお邪魔するような輩には、相応の鉄槌を降してやらねばなるまい。不法侵入に器物破損、無断占領……数え上げれば罪状にはきりがない。
「あとね、空を飛ぶのは鳥や羽のある御虫さんの特許だから。今すぐに止めて差し上げて欲しいんだよねー」
「おだまりナサイ! くッ、大人しく侵略されていればよいモノヲ!」
「あ、はーん? そういうつもりなわけね。ふーん」
同情の余地は無し、と判断した儚は人の悪い笑みを浮かべてしなやかにデモン化した道具による攻撃を受け流す。
「じゃあ、超法規的措置の発動だ。俺も治外法権行使させてもらうよっ♪」
傍から見れば攻撃を受けて地面に倒れ込んだ風を装いながら、しっかりとその目はムシャムシャ(違)の動向を探っていた。
自分が強いと無根拠に信じられる中二病特有の感覚に溺れた者の末路を思えば、同情させも禁じ得ない。
「はいはい、強いんだねぇ。嬉し嬉しいねぇ~♪」
これも懐かしいってやつなのかな。
儚は昔を思い出して苦笑する。時代が変われど、ああいう輩の精神構造は決して成長しないものらしかった。
……じゃあ、そろそろ仕返しの時間だね♪
「鬼ごっこしましょ♪」
「む――」
突如、鋭い羽ばたきが聞こえたのでムシュフシュ・ザ・カーニバルは面食らった。闇を味方につけるのは自分だけだと思い込んでいたのだ。ゆえに儚が姿を変えた闇色の梟がその漆黒に紛れて襲いかかるなどとは予想外だったのだろう。
しかもこちらは空中戦ならお手の物。ムッシュ(違)の隙をつき、規格外の空中機動をもって相手の懐へ飛び込んだのだ。結論から言えば、ムシュフシュ・ザ・カーニバルは逃げ切れなかった。
原因は奢りか油断か。
「ぬああッ!!」
目玉を爪で抉られ、身の毛もよだつような悲鳴を上げるはめになる。
「目が見えないって怖いでしょ?」
ふふっ、と儚が笑った。
「俺の姿が見えないのも恐いはず。意趣返しってやつだよね! 自分がやったことは自分に返って来るんだ」
「ぐ――!?」
さて、と相手の反応を待たずに地面へ叩きつけてやりながらお説教タイム。儚は今度こそ懐かしそうな顔で言った。
「いいかい? 他所様の世界にお邪魔するにはまずカシオリとか持って行かなきゃでしょ!」
「カ、カシオリ……!?」
「そう。|彼《・》みたいにね」
片目をつむり、息の根を止める。
「礼儀は大事だよ。まずはそこから改めて出直すんだね」
大成功
🔵🔵🔵