エンドブレイカーの戦い⑮〜ゴンドラ海賊は海を征く
●ある水神祭都アクエリオでの会話
『殺し尽くすのであ〜る!』
そんな口調で語るらしい。あの存在は。
あの顔で。あの愛嬌のある顔で。
「…………キレそう」
とある興味からウォータくんを研究し、研究し続けている星霊術師がいた。
好きとかそういうのではない。なんだこいつ嫌いなやつでは、という嫌い要素を調べ上げている存在だ。
「資料によれば昔現れたイマージュとほぼ口調も何もかも一緒じゃないっすか」
ガタリと机を揺らし、資料は舞い踊る。
ばらりと舞い上がった紙束の中で、メダルがばらばらと床の上に落ちた。
「え、……キレそう」
「……何蘇ってくれちゃってるんすか?伝説の海賊なら伝説のままでいて欲しいっす。夢が壊れる夢からでてくるんじゃないっす。イマージュなら目を瞑れるとしても!!」
星霊術師が、研究し続ける部屋からなにやら動き出そうと杖を握る。
握り込む手は大変に強い。決意の表れを、ウォータくん研究仲間は驚き、声を掛けて静止を試みた。
「落ち着いて!此処からじゃどのみち間に合いません!」
「ちょっと、噂のウォータくんが本物か確かめに、……いや殴ってくるっす。物理で」
座った目をした星霊術師。停められても向かおうとしただろう。
「ステイステイ!危ないから!戦場に出向いてる人たちに任せましょ!」
「うーん、だとしてもちょっとこの杖が疼くんで一発ぐらい……駄目っすかね。キレそう」
何度も同じ言葉を零し、星霊術師は自身の私物となってしまったニコニコ顔の肖像画のメダルを見て窓へ思い切りぶん投げた!こんな顔が戦場にいるわけ無いだろー!!
●最果ての荒野にて水神祭(概念)開幕のお知らせ
「まあ…うん。彼の話を少し、するね」
ソウジ・ブレィブス(天鳴空啼狐・f00212)が握るのは、歴史上名を残した残虐な海賊をモチーフに後世でうまれたというメダルだ。所謂、マスコットキャラクターとして採用されている、メダル。
「まさか、ウォータくん……本当に本物もこの顔だとはなあ、驚き通り越してちょっと笑ってしまうね」
笑い事ではない力を、「11の怪物」クルールと融合することで手に入れてしまったそうだ。
「彼は、昔アクエリオで『伝説のゴンドラ海賊』と呼ばれていた人物なんだ。アクエリオって都市国家では大きな帆船より、断然ゴンドラの方が多いからね……お祭りで名前が上がる愛嬌のある顔だ、ということで後世に伝わってるなら良いんだけどさ」
残忍、凶悪。顔と違い彼の行動は一つに限定されている。
願いもまた、同じ。殺して、バラして、死体を晒せ。
単純明快、殺し尽くす海賊だ。
「彼がいる場所は、たとえ水気が無くても海になる。ユーベルコードの力によって、ウォータくんは最果ての荒野を一瞬にして海に変えてしまったんだ。彼は、ゴンドラ乗り……操縦と同時に攻撃を、行える技術を持つ海賊。しかも、今回は凶悪改造が施されたゴンドラを高速移動をしつつ、"海を荒らし回っている"のだって」
彼の願いに呼応して、現れた凶悪進化エリクシルたちは――シーホースの姿を取って海賊の一員として動く。
上半身は馬、下半身は人魚。素早く動き疾走る獣達。
「水上戦、もしくは水中戦に特化した備えがあれば、彼に翻弄されずに済むかも知れないねぇ……」
ねえ、君ならどう渡り合う?ソウジは不思議そうな顔で、猟兵達の顔を見た。
タテガミ
こんにちは、タテガミです。
この依頼は【一章で完結する】戦争系のシナリオです。
●プレイングボーナス
凶悪進化エリクシルの群れに対処する/水上戦または水中戦に適応する。
●簡単な概要
凶悪進化エリクシルの群れ。
このシナリオではシーホースとして扱います。
津波をお越したりぶつかって来たり、水鉄砲をぶちまけてきたり妨害行為が主力。
メイン攻撃は、すいすいとゴンドラを操縦するウォータくんが行います。
戦場は、水上、または水中の在る「最果ての荒野」です。
猟兵が到達時、既にそこは殆ど海とかわりありません。
●その他1
OP上段部分NPCがでてくることはありません。
それくらいにもウォータくんというのはエンドブレイカーの世界において、知られた顔だったのです。
●その他2
クルールと、オブリビオンの大海賊ウォータくんは合体しています。
ただ暴力を武器に、知的生命体を殺戮を好みます。あの顔ですが、殺しに特化しています。
クルールの要素は殆どが集団敵のように配置されたシーホースたち、と思っていただいて大丈夫。
断章などはありません。場合により全採用が出来ないかもしれませんし、サポートさんを採用して可能な範囲でのなるべく早い完結を目指す事もあるかもしれません。
注意事項にもご注意、またはご留意頂けますようお願い申し上げます。
第1章 ボス戦
『クルール・ザ・ウォータ』
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POW : 海賊殺法
【剛腕】で装甲を破り、【ローキック】でダウンさせ、【馬乗りパンチ】でとどめを刺す連続攻撃を行う。
SPD : 海賊乱舞
【海賊パンチ】【海賊キック】【海賊頭突き】で攻撃し、ひとつでもダメージを与えれば再攻撃できる(何度でも可/対象変更も可)。
WIZ : ウォータ・パワーボム
掴んだ対象を【水】属性の【パワーボム】で投げ飛ばす。敵の攻撃時等、いかなる状態でも掴めば発動可能。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
紫・藍
あやー、海では海賊が強い。
真理なのでっす!
でっすがでっすが、フィールドを塗り替えれるのは藍ちゃんくんもなのでっすよー!
藍ちゃんくんがいるところ、即ちステージでっすので!
藍ちゃんくんマリンステーッジ!
災害対策もばっちりな水上戦用移動要塞ステーッジでっすので!
津波などでは沈みまっせんよー?
そのままステージごとエリクシルの群れを蹴散らしてウォータくんへと攻め込んじゃいましょう!
ラムアタックならぬステージアタックなのでっす!
ウォータくんは乗り込んできて乱舞するでしょうが!
ここは藍ちゃんくんのステージでっすので!
立体映像による撹乱やスモークによる目眩ましなど地形を利用して当てさせないのでっす!
●大船に乗ったつもりでこい!
広がる作り上げられた大海原。行き交うものなど何もなし。
荒野だったなど誰も思うまい。
「あやー、海では海賊が強い。真理なのでっす!」
わはは、と楽しげに笑う紫・藍(変革を歌い、終焉に笑え、愚か姫・f01052)はいつものハイテンション。
『此処はワガハイの海!アクエリオに劣らずの、自由しか無い海なのであ~る!』
ざばーんと、ヒヒンと鳴くエリクシル達の声援はやかましい。
ゴンドラ一艘に対し、水上水中を行き来する大軍勢を引き連れてるこの男、ウォータ・ザ・クルールこそ正しくアクエリオの地が生んだ(かもしれない)伝説の海賊だろう。ゴンドラ乗り能力は、並大抵のゴンドラ乗りさえ凌駕する!
ただ問題が有るとすれば――並みのゴンドラ乗りではない代わりに、凶悪に殺しに注力する。
ゴンドラ乗り捨ててでもマウントを駆けるのだ!恐るべしウォータくん!
あの顔で!既に渡りに船と突っ込んでくるではないか!
「でっすがでっすが、フィールドを塗り替えられるのは藍ちゃんくんもなのでっすよー!」
『……!』
「藍ちゃんくんがいるところ、即ち――ステージ、でっすので!」
一呼吸分しっかりと溜めて、広がれ藍ちゃんくんのマリンステージ!
観客はエリクシル製シーホース達!共演相手はウォータくん!
なんてスペシャルショータイム!
「こちら、災害対策もばっちりなぁ水上戦用移動要塞ステーッジでっすので!」
嘶く声と共に高々と大津波を引き起こすシーホースの水流は――とても見事な水捌け水路に流されて、すぅーっと海に還っていく。水になど沈まず、耐久力もあるからひっくり返る要素もない。
どうだ!と笑顔を強気に見せた藍は、そのままステージ要塞に乗りながら、思うままにイメージ膨らませてなみのり藍ちゃんくんへと大変身!ここでしか見れないミュージックビデオスタイルだ!
永久保存版だぞ!――などと、背後のモニタに書かれている様子を尻目に、エリクシルたちが蹴散らされていく!水鉄砲も津波も突進も効かないとなると、哀れなる獣たちは蹴散らされ、ぶくぶく沈んでいくのみだ。
「さあさあウォータくん!ラムアタックならぬステージアタックなのでっす!」
ゴンドラよりもだいぶ大きなその戦場。相手の土俵にのるかそるか、藍は賭けに出たものだが相手は伝説の"海賊"。海の上の勝負事には、――当然乗ってくる。
『ワガハイ相手にタイマンとはいい度胸であ~る!』
「タイマン?はて、なんのことでっすかねー?」
ここは藍のステージだから。乗り上がったら最後、海賊殺法――たとえその腕がどんなに剛腕だろうとも。連続攻撃初撃の暴力が始まる前に、スカッ……とその腕は空を切った。
「あやや、どこをみてるのでっすか?」
立体映像がすっとかき消えて、撹乱しつつもスモークを無限に炊きまくる。
ぶわああ、と荒れ狂うステージ上で、藍の声が響き渡る。
「さあさあ、今のうち!攻め入るなら今のうちなのでっす!」
地形を盛大に利用した、スペシャルな足止めだ!
さあさ、続け。攻め込め、いざ進め。
航海日誌の最後のページが、今日になるとはウォータくんはきっと、まだ知らない。
大成功
🔵🔵🔵
サツキ・ウカガミ
メダルの顔まんまだ……
ここで倒さないと、マスコットに使えなくなっちゃうね。
[水上歩行]で水上戦を挑もうかな。シーホースの起こす津波や攻撃も、状況を[見切り]、[悪路走破]や[軽業]で避けて対処していこう。
水上のシーホースは刀で[なぎ払い]したり【折り紙手裏剣】を投擲武器にして[ナイフ投げ]。水中のシーホースには水中に沈めた【折り紙手裏剣】を時限爆弾にして衝撃波攻撃。
クルール・ザ・ウォータは、【折り紙手裏剣】を変化させた立体映像や[ナイフ投げ]で攪乱しつつ、背後や立体映像越しから[不意打ち]の[急所突き]で[暗殺]を狙っていくよ。
残念、そのボクは外れ!正解はこちら!
●海賊の流儀VS忍びの極意
有る猟兵に振る舞わされ、ぐるぐると目を回したウォータくんの姿を、みた。
いそいそと乗り捨てたゴンドラに飛び乗る様は、船酔いはしないという強い意思の力だったのだろうか。
「わっ、……本当にメダルの顔まんまだ……」
思わず出た言葉。だってあれがリアルの顔だなんて思わないじゃないか。
サツキ・ウカガミ(|忍夜皐曲者《しのびよるめいはくせもの》・f38892)だってあまり信じていなかった。幾度となく、アクエリオ水神祭で名前を聞き、あのマスコットキャラクター化したメダルを視ていたから。精巧に再現されすぎていた、と今更聞いても驚きだけが残る。
「此処で倒して置かないと、虐殺だ殺戮だって暴れるってことだよね……それじゃあだめだよ。マスコットに使えなくなっちゃうからね」
水神祭の盛り上がりは毎年盛況――お祭り騒ぎの傍らに、あのウォータくんメダルはやはり必要だと思わなくもなかった。いきなり消失するほどの事件になる前に、悪逆を停めなければ。
「じゃあ、ちょっと――頑張ってみようかな」
心を落ち着いてけ、水上歩法で水面を蹴った。
決して踏み出す足は沈まず。沈むよりも速く、駆けて行く。
点々と残すは水面が波導。残した波導にシーホースたちが反応し、追いすがる。
高速とも言うべき水の中を疾走る馬達はざばあんと身を水面より上に押し上げて、勢いよく津波を巻き起こす!跳ね上げた津波を繰る水の妖精――いや|化物《イマージュ》に限りなく近い存在だろう。同時に吹き付けられる鉄砲水も、音をよく聞いて。踏み出す足に力を込めて、ダッ――と跳ねるサツキの体は、一瞬だが空に弧を描く。悪路を駆ける忍者にして武芸を磨くもの。
軽業とて、水面上にて容易く行うものぞ。歴戦の、戦いを潜り抜けし者である。
ウォータくんのゴンドラ目掛けて駆けていく。
水上に飛び出たしーホースは、手にした白刃の太刀――月牙によって、薙ぎ払い
次の攻撃機会を刎ね落とした。
「さあ、次の攻撃は無しだよ。じゃあ、そろそろ行くからね」
ぼちゃん、と海に落ちる音へ、耳を傾けたウォータくんの視線がサツキの方へ向いた。
『ほうほう、死角からの襲撃!ではワガハイも迎え撃つのであ~る!』
「ボクの技に対応できるかな?」
伝説の大海賊、だというのなら、こっちは歴戦のエンドブレイカーだ。
ずらりと周囲に浮かべるは、呪符の力が籠もった折り紙群。総数140。決して侮ることなかれ。
ひとつひとつが、折り紙手裏剣。攻撃性を持つ、――罠を搭載する。
全てを一気に立体映像で数を撹乱した上で投擲し、ウォータくんの出方を伺う。
『対応する必要はないのであ~る!全部潰す!壊す!それだけであ~る!』
振りかぶった拳はなにもないところへ振るわれた。
「残念、そのボクは外れ!正解はこちら!」
ウォータくんの傍を通り抜けた折り紙手裏剣は、時間差で背後を取って爆発する。
時限爆弾へといつのまにか変性させていたこれなる技が見切れたか?
暗殺するなら、なんでもする。それなるは、忍びという者。
海賊風の流儀でいうなら――そう、どんな方法でも"立っていたほうが"勝ちだ。
大成功
🔵🔵🔵
ルナチカ・カネレ
いつか歌劇でウォータくん役やるのが夢だったのに…
キレちゃう気持ちわかるー、物理は任せろ!
UCで次元扉を道なりに作成し飛び込んで移動
ふふー、時間経過0だから瞬間移動したように見えるよね?
シーホースを飛び越えて直接愛しのウォータくんのゴンドラにダイブ
不意打ちで蹴とばすよ
【海賊】攻撃は腕か足か頭。その3つをよく見てギリギリまでひきつけUCの次元扉を背後に作り入る
出口扉はウォータくんの背後。反応される前に蹴とばし宙返りで距離を取る
扉から出てる時は動きに注視
一度でも食らったらやばいもんね
でも頭突きは食らいたいかも
だって推しが至近距離だし!
ああウォータくんめっちゃ好き
悪い男に惹かれちゃうのは母様譲りなのさ
●有名人と会えると聞いて!
ゴンドラ海賊。
華のゴンドラ乗りではない、悪の道を進んでいったウォータくん。
伝説はやがて独り歩きして、アクエリオ水神祭でもモチーフキャラへと至った男。
「いつか歌劇でウォータくん役やるのが夢だったのに……」
魔曲使いのルナチカ・カネレ(|馬酔木《両片想いの結実》・f39233)は駆け出しの歌劇芸人。
特別な題材との遭遇に、心躍らせていたが為に、この出会いには動揺した。
「キレちゃう気持ちわかるなー、物理は任せろ!」
究極の速度を越えろ、――インフィニットゼロ。
零の世界への到達は空を駆け、真空を纏う。
静止したときの世界に通じる不可視の次元扉が路なりにひらり、ひらりと現れて、扉の内側へと跳べば、あら不思議。時関経過ゼロで確かに移動が可能。
「瞬間移動したように見えた?」
『消える敵?!いいやいいや、怯まず進め、壊せ戦えであ~る!』
ゴンドラの上より、ウォータくんは指示を出す。妙に物騒な言い草だ。
それさえ出来るのがエリクシル――だというなら、相当に厄介な号令でもある。
シーホースが飛び出してくるのをみて、しかしルナチカはウォータくんのゴンドラにダイブ!
『うおっ!?』
驚いた顔を見る前に。えいやっとふいうちで蹴り飛ばす!
『……とでも、言うと思ったであ~るか?』
ニタリと笑い、海賊は回し蹴り気味にルナチカへと攻撃を向ける。
不意打ちするほどの至近距離、ならば当たるはずだと殺戮衝動が全面に出ていた。
あの瞳には、光などなく。当然のように、殺戮のことしか考えていないのだと薄っすら思う。
――攻撃は腕か頭か足での反撃だと思ってた!
よく視て、ギリギリに引き付けて――次元扉を背後に作り瞬時に入る。
空間を繋いたゲートの出口はウォータくんの背後。
次の攻撃の連続が繰る前に、ガッと蹴飛ばし宙返りで距離を取る。
狭い場所、軽業のエキスパートであるスカイランナーに"このような場所で舞わせた"ならば、は捉えるのは難しい。凹凸やそれ以外でもなんでも足場に出来るのだから、当然"躱す"事に難しさなど、ない。ただ――ルナチカは、扉から出る時は動きに注目している。
出た瞬間を、機敏に狙い腕が飛んでくるかも知れない。
海賊とは侮れない。これは普通の海賊ではなく、"伝説"にまでなった存在だから。
「一度でも食らったらやばいもんね!」
――あ、でも!もしかしたら!
心は踊る。だってだって、リアルな推しが等身大で此処にいるんだもの!
至近距離に入るなんて造作もない。だから、頭突きで狙ってくるを見計らい――ルチナカは構わず抱きしめにいく。衝撃はちょっときついけれど、これが推しの活きの良さ。
「ああ!ウォータくんめっちゃ好き!」
――悪い男に惹かれちゃうのは母様譲りなのさ。
『離れるであ~る!』
ぶぉんぶぉんと振り回される。
だが、彼女は何故か離れようと自分が疲れてきってしまうまで、頑なに離そうとしなかった。
大成功
🔵🔵🔵
凶月・陸井
相棒の時人(f35294)と参加
なんていうか気が抜けそうになる見た目だな
ただそれでも、残虐さとエリクシルの組み合わせだ
自由にさせるわけにはいかないな
「飛ぼうか、相棒」
エリクシルの群れには悪いが、相手の舞台では戦わない
戦場に踏み込むと同時に【戦文字「昇龍」】を使用
相棒のククルカンと俺の黒龍で空へ駆ける
「ふふ、そうだな。態々水中の、相手に併せる必要はない」
空を駆けながら銃でシーホースを攻撃し
敵の攻撃は空で回避し時人の死角は俺が護ろう
空でもどこでも、二人だから安心して戦える
海賊にたどり着けたら俺はそのまま黒龍で突撃
相棒が一撃を叩き込む隙を作りながら
俺の全力の一撃も叩き込む
「お前は此処で終わりだ!」
葛城・時人
相棒の陸井(f35296)と
顔立ちに騙されてしまいそうだけど
これは悪逆
絶対に存在を許してはいけないモノ
「飛ぼう!」
水中で自由に立ち回る術は会得出来てない
だけどそもそも
「海戦は海上でやるものだからさ」
UC白燐武空翔詠唱
ククルカンに騎乗し即飛翔を
多重詠唱・高速詠唱で二匹目も従え
陸井と連携して縦横無尽に空を駆ける
まず食い千切りと俺の大鎌でなで斬りして
シーホースを狩ろう
ボムも超速で躱すよ
陸井が危ないならククルカンは俺の指示より早い
幾度もこうして二人で翔んで戦って来た
連携は一分の隙もない
到達の瞬間に全力で大鎌でも攻撃を!
もし消えても二匹目に再騎乗し再度突撃を
「考える者を殺し尽くす事など出来ないと知れ!」
●空を征する者たち
あの表情は本物か?そうやって、誰もが疑った。
実物を見て疑う心が生まれるのだから、現場は常に困惑が入り乱れている。
「……なんていうか」
――気が抜けそうな見た目だな。
凶月・陸井(我護る故に我在り・f35296)だって、まず第一印象でそう思った。
「顔立ちに騙されてしまいそうだけどさ、思えば場合により愉快な顔を晒していたゴーストも多かった気がしてくるね。不運と恨みと怨念と、込められた呪いの要素とは近くて遠いのだろうけども」
なにしろ自分はゴーストをこれまでずっとみてきた立場、だったから。戦い続けてきたこれまで視た顔で、上位を争うのは間違いない――葛城・時人(光望護花・f35294)だって同意で返せる。
「ただそれでも、残忍さとエリクシルの組み合わせだ」
心せよ。自由に暴れ回らせるわけにはいかない。
騙されるな。あれぞ悪逆。根底なる悪成るぞ。
絶対に存在を許してはいけないモノだ。
「飛ぼうか、相棒」
「飛ぼう!」
「エリクシルの群れには悪いが、海上までは付き合えまい」
相手の舞台では戦わない。陸井は戦場に踏み込むと同時に、|戦文字《いくさもじ》|「昇龍」《しょうりゅう》を発動――空中に刻むは『昇龍』の二文字。
――水中で自由に立ち回る術は会得できていないだけど、そもそも――。
「海戦は、海上でやるものだからさ――輝けるその白き翼もて征け|白燐蟲《ククルカン》!」
時人の内より現れし純白の|白燐蟲《ククルカン》。|白燐武空翔《びゃくりんぶくうしょう》。
それは荒ぶりと強大さを兼ね備え、そして――矢よりも速く飛翔して、翔ぶだろう。
隅で形成された黒龍が並び立って、白と黒二対の主たる二人は騎乗し即行動を開始する。
海より上を、ゴンドラ海賊目掛けて高速で。空を、駆ける。
「ふふ、そうだな。態々水中の、相手に併せる必要はない」
『攻撃攻撃、攻め立てろであ~る!』
大海賊の号令に反応し、水上へ跳ねるシーホースたちは果敢なものだ。
決して届かぬ距離でも、泳ぎの推進力から生む速さと水鉄砲の威力で立ち向かっていたのだから。
しかし、それでも空を駆ける者たちには一歩及ばない。
空は今や、彼らが領域。
水域と空域、分かたれた時点で、届きもしない。
「水の心得も、生憎持ってるものでな。呼吸法、動作、何を視ても――動き一つでわかるものだ」
水練忍者でもある、その慧眼は、正しくシーホースの欠点さえ見抜いた。
飛び上がるにはスピードが必要。泳ぐと同時に攻撃は不可能なこと。
界面に飛び上がって狙い澄まそうが、その胴体は――当然、がら空きであること。
同時に高速多重召喚を行っていた事もあり、時人のククルカンは二匹目として独自に召喚されている。となれば、縦横無尽に駆けるは大きく3つ。
「いけっ!」
ずどんと陸井による銃撃で攻撃され海より飛び出したシーホースの首を、俊足のククルカンが食いちぎりに掛かる。逃しはしない。捕まれば終わり。
時人は大鎌で撫で斬り、ぼとりと海に素っ首は落ちていく。
此処が狩り場、ここは戦場。
空の狩人達の独壇場。
二人の死角は速さでカバーされている。
「――空でもどこでも、二人だから安心して戦える」
背中を預け、戦える。
『空しか制することが出来ぬ者たちの攻撃など恐れるに足らずであ~る!』
きゅいっ、と凄い角度でゴンドラの向きを変えたウォータくん。
僅かに聞こえるなにかの音は――問答無用の殺戮を謳う歌だ。
調和性を上げて、最適なルートでゴンドラとの共鳴力を上げて、必ず存在するように動く。
ぼとぼとと狩られるシーホースの頭部を掴み、そして同時に、激しい荒波の属性で塗りつぶし、あふれる水球として投げ飛ばす!ウォータ・パワーボム!
あの握力も、掴み取る顔も、何一つ人間味は感じられない。やはり、怪物と化したなにかなのだ。
ごぉ、とすごい音を立てて翔ぶボムも、二人はタイミングを合わせて躱す。
二人がシーホースを狩れば狩るほど、シーホースの残骸はパワーボム化する機構と化す。
可愛い音が幻聴で聞こえそうなほど、ポイポイ投げてくるのに威力は相当にえげつない。
被弾したシーホースの残骸が粉々に吹き飛ぶさまを、確かに目撃した。
「幾度もこうして二人で飛んで戦ってきた」
連携は一部の隙もない。
『飛ぶ鳥は落とすに限るのであ~る!』
ニコニコ顔からキッ、と睨みを付けたその瞬間。二人にとっては、ウォータくんがゴンドラ操縦もパワーボムからも意識が逸れた瞬間だと認識した。
「考える者を殺し尽くす事など出来ないと知れ!」
「お前は此処で終わりだ!」
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
天王寺・七海
相も変わらずの海賊って事なのね。
でも、あくまで人間社会に影響与えたってだけじゃないかな??
こんな七海ちゃんも、出張っていいかなって相手なのかな??
でも、放置すると確実に悪影響あるのね。主にUDCとかグリードオーシャンとか。
放置すると七海ちゃん達の海がヤバくなるから、ほんっとうに倒さないとなのね。
だから、七海ちゃんは仲間たちとみんなでエリクシルを倒すのね。
UC使用。
さて、まずは、下半身魚に上半身が馬??
なんか、UDCやヒロアスでは見かけないナリじゃねぇかよ。
でも、それで七海ちゃん達に勝とうと思うなよ。
【水中戦】【水中機動】【高速泳法】【狩猟】【集団戦術】でこいつ等をことごとく狩りつくしてやるじゃん!
なに、あたしたちの狩りは集団で行動するから、相手の隙を見つけたり1匹がはぐれたりするのを集中的に狙って倒すじゃん。
あとは、海賊ウォーターだけだから、まず、奴の船に体当たりして落としてから水中で一気に襲い掛かって後は倒すだけじゃん。
もちろん、揺動やフェイントもまじえてね。
所詮は人型だしね。
七那原・望
ネタキャラじゃないですか。え?違う?外道?そうですか。
じゃあなるべく苦しめて殺しましょう。
果実変性・ウィッシーズウンディーネで水中戦。
第六感と心眼と気配感知でゴンドラやウォータ、シーホースの行動を見切り、攻撃は高速泳法で回避を。
自身に結界術を展開したら無酸素詠唱で雷属性の全力魔法を放ち海中のシーホースを一網打尽にします。
わざわざ船に乗ってるということはそういうことですよね?
魔法でゴンドラを狙い撃ち爆破。落下したウォータをオラトリオで捕縛。雁字搦めに拘束して身動きを封じます。
そのままオラトリオでウォータを深く深く深海に引きずり込みましょう。
深海の水圧で死ななければ再び雷属性全力魔法です。
●海賊、深海に沈むであ~る!
「あの、ネタキャラじゃないんですか?」
『違うのであ~る!』
「違う?え?違う!?外道!??」
普通に繰り広げられる日常の会話のように、七那原・望(比翼の果実・f04836)はウォータくんへと語りかける。当たり前のように返事が来た。だからオーバーリアクションで返した。
だが、――言葉の口調から真実違うのだろう、と悟りすぐに自分の調子を取り戻す。
此処までは単なる――付き合いの範疇だ。
「じゃあなるべく苦しめて殺しましょう。わたしは望む――ウィッシーズウンディーネ!」
|果実変性《トランス》・ウィッシーズウンディーネ――魔法による強化。
頭部のアネモネの花を揺らし、自身に魔法の強化を重ねがけ、そして変身するように姿を――最適な水着姿に変える。それは、当然ただの水着ではない。水中でも呼吸が可能な水中戦特化形態だ!
どぼん、とすごい勢いでウォータくんの視界から大海原が如き海の中へ望は姿を隠した。
第六感を働かせ、スピードと反応速度を爆発的速度で高速に跳ね上げて、海を泳ぐ魚が如き推進力を得る。
海の中にいるものは、シーホース……しかしそれらを置き去りにする速さを得ている。
『いけいけ!シーホース大軍団であ~る!』
水上から聞こえるのは、ウォータくんの声。流石ゴンドラ海賊、ゴンドラの上からは声援だけか!?
ざばーんと大波が押し寄せる。これも全て、シーホースが起こす援護攻撃!
あれよあれよと攻めてくるが、水中だ。それに意味はあまりない。
――展開。
結界術を展開したならば、無酸素詠唱で雷属性の魔法を一気に放ってシーホースたちを一網打尽に痺れさせる!
「(水中ですよ?守りきれませんよね、やっぱり)」
守りの言葉のないシーホースたちがごぼごぼと気絶するかのように動きを止める。
痺れた魚ほど、抵抗力を失うものはないのだ。
――相も変わらずの海賊って事なのね?
天王寺・七海(大海の覇者・f26687)は悠々とウォータくんによって作られた大海を泳ぐ。
――こんな七海ちゃんも、出張っていいのかな?そういう相手なのかな??
びりびりと誰かが放つ雷属性が海に疾走っている――いや、それほど目立ち、それほど強力な相手ということ。
――放置すると七海ちゃんの海がヤバくなるから、ほんっとうに倒さないとなのね。
此処がたとえ偽者の海でも、この世界の海から出奔しいずれ別の海へ訪れる――それがオブリビオン。
この海賊は海を作ってゴンドラ一つで歌って漕ぎ出してどこまでもいくのだろう。
そこに海がある限り、どこまでも他者や生き物全てに悪辣を働くのが海賊というもの。
放置すると確実に、悪影響はでるだろう――主にUDCアースやグリードオーシャン。
海が大半の世界や想像できないものが潜んでいそうな世界において、単独進出などやはり此処で断つのがいい。
「だーかーら、七海ちゃんは仲間たちとみんなでエリクシルを倒すのね」
溢れに溢れた残党軍。
海の潜む紅きエリクシルのシーホース達と視線がぶつかる。
「――さあ、全力で協力して狩りするぜ!」
ずらりと並ぶはシャチの群れ。オルカライヴV2――適正環境に呼ばれて現れる112体は七海に従う。
「さて、まずは……そうね。視線が合ったあなた達下半身魚に上半身が、馬??」
おいおい、カクリヨファンタズムから直接滲み出してUDCアース見かけそうな悪夢のような姿じゃないか。
ヒーローズアースではまずみない。なんてナリででしゃばってんだ。
あの顔の海賊が従えるから、相応に"レア"だってか?
「でも、それで七海ちゃん達に勝とうと思うなよ」
雷撃を受けた満身創痍のシーホース群は、目下にシャチの牙を剥く様を目撃する。
慌てて逃げても黒の|シャチ《魚雷》からは逃げられない群れで動くシャチ集団戦術は、追い込み同時に食らいつく。弱ったものから確実に、魚の下半身に食らいつき、食らいついたまま離さない。
一体が食らいつけば、水中起動を天性に持つシャチ軍は怒涛の勢いで高速で突撃してくる。
エリクシルが破片と化して消え失せたなら、今度は別の個体を砕きくらい尽くす。狩り尽くす、彼女はそのために――群れを率いて、部下として配置された者は、その凶悪性で喰らい尽くしていく。
「わざわざ船に乗ってるってことはそういうことですよね?」
エリクシル達を狩り尽くしてる中で、望はゴンドラに集約した魔法の雷撃を打ち込む!
どかんとすごい音を立て、ゴンドラは破壊されてしまう、哀れウォータくん。
自身の足を失った!なんと前途多難な航海か!
『不意打ち!あっ、ごぼごぼごぼごぼ……であ~る!』
ぶくぶくと、無様にも海賊は海に引きずり込まれる。
|影園《オラトリオ》――実態のあるエクルベージュ色の望に良く似た影法師が捕まえる。
つかまえた。まるで微笑む|影園《オラトリオ》は、雁字搦めにして離さない!
身動きを取れなくされたウォータくんは、そのまま深海旅行のお供にされて、ごぼごぼ泡を吐いている――。
「そこから攻撃に移られるのはゴメンだね、――さあやるか!」
深海へ、水圧をもろに浴びながら引きずり込まれるウォータくんは、七海たちシャチの群れに睨まれた。
敵の殲滅は粗方終えた。あとは海賊ウォータくんだけだ。
体当りするまでもなく、引きずり込まれたならば好都合!
さあさあ、襲え!狩りの時間だ!
「所詮は人型だしね」
その首貰ったあと言わんばかりに殺到するシャチの群れ!
哀れウォータくん。危機一髪、なるか!?
大成功
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シノギ・リンダリンダリンダ
例えどんな見た目ろうと
例えどんな言動だろうと
私の目の前で、大海賊だと。伝説の海賊だと。そう囀るのでしたら私は容赦しません
それはつまり、私の敵なので
海を呼び出せるのですか。素敵ですね
ゴンドラに向かって【海に生きる者の禁忌】を発射
例え海だろうが、津波だろうか、水鉄砲だろうが、海が消えてしまえば問題ありません
おや?塩を生み出す能力なのですが、お前は?
水上戦も水中戦もお前より上だと自負していますが。お前が大海賊を名乗るのならこうするしかありません
効果が消えても何度も打ち込みます
肉弾戦といきたい所ですが、その前に呪詛や毒を込めた銃弾を放っておきます
死んでください。大海賊の名は、お前のものではないんです
●危機一髪?終了報告だろ!
海上にあがってきたウォータくんは満身創痍。
血に塗れ、なんなら自慢のゴンドラさえ失う始末。
現状を言えば、満身創痍のエリクシルに捕まって浮上しているのみだ。
『ぐぬぬぬ、……満身創痍であ~る!』
艘を落ちても海賊。水は揺りかご、信念は折れず。
移動の手段が一つアレば、十分。まだまだ願いは果たしに行ける。
ため息の一つもでる。
例えどんな見た目だろうと。
例えどんな言動だろうと。
クルール・ザ・ウォータ――あの男は確かに伝説の存在であると後世に語り継がれ、少なくともこの世界に済む住人やエンドブレイカーに伝説の大海賊であると"認知されている"。
「私の目の前で、大海賊だと。伝説の海賊だと?そう囀るのでしたら私は容赦しませんが」
――それはつまり、私の敵だ。
シノギ・リンダリンダリンダ(|強欲の溟海《グリードオーシャン》・f03214)は静かに睥睨する。
略奪と蹂躙。簡潔で、曲がらない志と願い。
だからなんだ。シノギは想う。
そんなの――生粋の海賊なら、欠片でも持ってる"普通"の理だ。
「海を呼び出せるのですか、素敵ですね」
『ごふっ……一流の海賊とも成るとこれくらいできるのであ~る!』
丁寧に語りかけると何故か、偉そうで。内心ムッとしたものだが、抑える。
すいぃいと水を駆る満身創痍のシーホースに乗り、まるでゴンドラ扱いしながら鼻歌のように歌を歌っている――陽気な歌だ。
口遊ぶメロディに狂気の音が乗っていて、何でも殺し尽くしたい、そんな願いが凶悪な願いとなってシーホース達を活気付ける。願いの数だけ増やされてはやっかいだが、その中でも、シノギは焦らない。
「海賊らしからぬ呪いで、海賊らしく戦ってあげましょう」
逃しません。この虚栄の海に逃げ場はないのですから。
例え海だろうが、津波だろうが、鉄砲水だろうが、全ては作り出された海から始まるのだ――ならば全て、呪詛弾による渇きを与え、元の荒野に戻してしまえ。
打ち込んだ場所は丁寧に、おおよそ暫定四方が四隅。
打ち込まれた場所から143メートル半径内大量の塩が溢れ、山が作り上げられた。
こんもりとした大量の塩。水を失った哀れな伝説の海賊は、びちびちと跳ねるシーホースを乗り捨てて、キッと僅かにシノギを睨んだ。
『なんてことを、なのであ~る!』
「おや?塩を生み出す能力なのですが、お前は?」
見下げる視線は、海よりも冷たき冷酷の色。
|ゴンドラ《足》を奪った者たちがいるのなら、今度は海賊ウォータくんより海を奪え。此処に海賊がのさばる理由を略奪してやるぞ。蹂躙の限りは既に尽くした。
お前の居ていい、海はない。
『しかし場合によっては塩は財宝の……』
「そんなわけないでしょう」
言葉を遮られ、破れかぶれの海賊乱舞へ勤しもうとする果敢な男に改めてため息を。
「水上戦も、水中戦もお前より上だと自負していますが。お前が大海賊を名乗るのならこうするしかありません。あとこんなに大量の塩、価値がなさすぎて無駄です」
肉弾戦といきたいところだが、乗れば強さ凄さを見届ける羽目になるうかもしれない。だがその前に、呪詛や毒を込めた散弾を大量に放つ!
お前を防ぐ壁はなく。塩しかないこの場で唯一、ウォータくんが武装を肉体のみに特化していた事は、シノギにとって――好都合だった。
当然当たる。あの愉快な顔が苦痛に歪む。
耐性など、持っておるまい。
「死んでください。大海賊の名はお前のものではないんです」
『ぬあ~!!』
叫びをかき消すように、銃弾が連続して聞こえ続ける。
その叫びが、荒野の海が消え去るまで。
古きを生き|る《た》海賊は新しい時代に没するものだ。覚えとけ。
●あるエピローグのようなもの
「えっ、倒されたんすか……!?そうっすか、うん……二度と復活すんなバーカ!!」
アクエリオの片隅で。ウォータくんの終焉を後に伝え聞いた星霊術師は、そう大きな声で、|号《さけ》んでいたようだ。アクエリオに、水路に、吹き抜ける穏やかな風とさざ波の音が木霊した。
大成功
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