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エンドブレイカーの戦い⑱〜終焉の始まりと共に

#エンドブレイカー! #エンドブレイカーの戦い #楽園組曲ハーティタウン #クサリク・ジ・エンドブレイカー! #アウィン

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●楽園組曲ハーティタウン
「クサリク! 僕達が融合している限り、体内のエリクシルを放出する事はできません」
 強い意思を込めた声が響く。
『グゴゴゴ……貴様は何者だ……そして、何処から現れた!』
 自分の中にいる他者の存在に、クサリクが驚愕の声を上げる。
「僕の名はアウィン。はじまりのエンドブレイカー・アウィン! お前を足止めする為、妻達と共に蘇ったのです」
『馬鹿な……オブリビオンでも無い者が、どうやって蘇り、我と融合したというのだ!? エンドブレイカーといえど、そんな力は無い筈だ!』
 得られた返答は、クサリクに混乱をもたらした。そんなバカげたことができるはずがないのだ。だが、そんなクサリクに、アウィンは静かに微笑む。
「それを決めたのは、誰なのですか?」
 クサリクはその答えに悟る。
 自分に融合した者は、到底理解できない、理解してはならない存在なのだと。
『……理屈も道理も通らぬ化け物め! 貴様の意思を喰らいつくし、消滅させてくれよう!』
 クサリクの咆哮が、戦いの始まりを告げる。

●グリモアベース
「皆の活躍により、『楽園組曲ハーティタウン』を覆う拒絶の壁が、ついに破壊された」
 プレケス・ファートゥム(森を去りし者・f02469)が、ほっとした顔で集まった猟兵たちに告げる。
「これから皆には、楽園組曲ハーティタウンに向かってもらうことになる。この都市に蠢いている敵の名は、『クサリク』だ」
 クサリクは体内に大量のエリクシルを保有しており、『エリクシルの番人』とも呼ばれている。クサリクは体内に蓄えた無数のエリクシルを放出する事で、一気に大地母神を抹殺する予定だった。
 そうなれば、こちらは防ぐ手もなく大地母神を失い、結果この世界は滅びを迎えることとなっただろう。
 だが、その悲劇的な終焉を予知し、食い止めた者がいた。
「それこそが、エンドブレイカーの先祖『アウィン』だ。彼は、彼の妻たちと共に、どうやってか無理やりクサリクと融合。体内からエリクシルが放出されることを防いでいる」
 だが、このまま永遠に防ぎ続けることはできない。
 そもそもが、とんでもない無理をしているのだ。アウィンたちが力尽きる前に、クサリクを倒さなければならない。
「本来、クサリクの戦闘力は恐るべきものだ。だが、今はアウィンたちによって大きく減じられてる」
 今が勝機。
 逆に言えば、今を逃せばクサリクを倒す機会は失われ、エンドブレイカー世界は滅びの道を進んでしまうだろう。
「相手が相手だ。決して楽な戦いにはならない。だがどうか、臆すことなく、君たちの持てる力を集め、真正面から、クサリクを滅ぼしてくれ。それと……」
 プレケスが苦い表情を浮かべる。
「……アウィンたちについてだが、救出は不可能だ」
 この世のあらゆる理を無視して強引に蘇ったアウィンたちは、それ故に救い出す方法が分からないのだ。彼らもそれはわかっているし、覚悟もしている。
 彼らが望むのは、クサリクの消滅のみだ。
「君たちなら無事やり遂げてくれると信じている」
 そういうとプレケスは自身の肩に留まっていたグリモアを指でつつく。
 つつかれたグリモアは出番だなと言わんばかりに、プレケスの頭の上をクルリクルリと旋回したあと、猟兵たちのほうへと飛んでいく。
「君たちの無事の帰還を待っている」
 その言葉を合図に、プレケスのグリモアがきらきらと光を放ち、猟兵たちを戦場へと送り出した。


白月 昴
 目を通していただきありがとうございます。
 この依頼は、一章完結の戦争依頼となります。

●転移場所:楽園組曲ハーティタウン
 クサリクの目の前に転移します。
 転移後すぐに戦いが始まります。

●プレイングボーナス:真っ向勝負で倒す。
 真っ向勝負です。

●技能について
 技能は、技能名だけを並べるのではなく、その技能で何をするかを書いていただけると、より参加者様の思ったものに近い描写ができると思いますので、よろしくお願いします。

 皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『クサリク・ジ・エンドブレイカー』

POW   :    ライフイレイザー
自身の【体表面に露出させたエリクシル 】から極大威力の【知的生命体抹殺光線】を放つ。使用後は【アウィンがガッツで動きを封じた】状態となり、一定時間行動できない。
SPD   :    バビロニアンドラゴン
【エリクシルの巨竜 】を召喚する。騎乗すると【アウィンが僅かな隙を作る時以外は無敵】状態となり、【万物破壊】属性とレベル×5km/hの移動力を得る。
WIZ   :    エンドブレイカーブレイカー
【自身の体内 】から、対象の【アウィンの力を弱めエリクシル軍団を放つ】という願いを叶える【アウィン殺しの槍】を創造する。[アウィン殺しの槍]をうまく使わないと願いは叶わない。

イラスト:波留川

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

イヴ・プリマビスタ
真っ向勝負、望むところです! 覚悟なさい、エリクシル!
ユーベルコードで無敵の戦闘鎧を纏い、真正面からぶつかって行きましょう。わたしはこの世界を侵すエリクシルに敗北するわけにはいかないのです。故に、この鎧はあなたに対して無敵の守りとなるでしょう!
知的生命体抹殺光線は露出したエリクシルの位置や向きから射出方向を予測し、可能な限り回避を試みますが、かわし切れなければアリスナイト・イマジネイションの鎧を利用して可能な限りの軽減や受け流しを狙います。これさえ耐え切れば、あとはアウィンさんがチャンスをくれる筈。動けなくなった怪物に向かい、アリスランスの突進攻撃を見舞いましょう!



「真っ向勝負、望むところです! 覚悟なさい、エリクシル!」
 イヴ・プリマビスタ(創世神・f39280)はその赤い瞳で、クサリクを捉えた。
「わたしはこの世界を侵すエリクシルに敗北するわけにはいかないのです」
 見る間にイヴの体を、鎧が覆っていく。創造神であったころにはなかった力。失った力の代わりに得たもの。
「故に、この鎧はあなたに対して無敵の守りとなるでしょう!」
 美しい鎧騎士となったイヴが宣言する。それを揺るぎない事実とするために。
 そして、あらゆる理を超えて、この世界を救わんと蘇った『アウィン』とその妻たちの思いを、願いを叶えるためにも。
(人の子がここまでやってくれたのです。これに応えなくてどうするのです)
 |美しき白銀の槍《アリスランス》を握る手に力を籠める。
『ほざけ! 力を失った神に何ができる!』
 クサリクが怒号を上げる。それと共に、クサリクの体表が蠢きだし、ぼこりと異形の顔が現れた。それはクサリクの体内に蓄えられたエリクシルの一部。
 エリクシルが大きな口を開けば、その中には尋常ではないエネルギーが蓄えられているのが見えた。それは、極大威力の知的生命体抹殺光線。知性あるものを滅ぼしつくすための、悪意の光。 
『滅びよ!』
 放たれるまで、のんびりと待っていたイヴではない。
 エリクシルの顔の位置や角度から、射出方向を予測し、回避のために走り出す。だが、イヴの動きに合わせ、顔がクサリクの体表上を滑るように移動する。
「くっ!」
 よけきれないと覚悟を決める。
 あの攻撃を食らった後、自分はまだ動けるだろうか。そこまで考えて、イヴはそれを否定する。
「……いいえ! この鎧を貫くことなど出来はしません!」 
 立ち止まり、クサリクを見据える。
 自分は信じる。
 新たに手に入れた|猟兵《イェーガー》としての力をもって、この世界を守れるのだと。鎧はそれに応えてくれるのだと。
 光線がイヴの姿を飲み込んだ。
 その様子にクサリクが笑う。己を蝕むアウィンがわずかに動揺した様子が見て取れ、それがますますクサリクの笑みを深くした。
 だが。
「無駄ですよ」
 光線が消えた後、イヴはそこにいた。
 その凛とした姿は、一筋たりとも損ねられていない。
『ならばもう一度……く、くそ! 邪魔をするな!』
 これ以上はやらせまいと、アウィンたちがクサリクを抑え込みに入る。
 ほんの一瞬、アウィンの目がイヴを捉えた。
 その瞳が伝えてくる。クサリクを倒し、終焉に終焉を、と。 
 イヴはこくりと頷き、アリスランスを構え、走り出す。
「クサリク、覚悟なさい!」
 この世界を守るのだ。
 その強い願いを込めた、強力な突進により繰り出された槍の一撃が、クサリクを深々と貫いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

空桐・清導
SPD
アドリブや連携も大歓迎だ

「アンタの献身!無駄にはしねえ!
やるぞ、勇輝龍!オマエの力、貸してくれ!」
エリクシルの巨竜と比較してもなお紅い龍が現れる

クサリクと同様に騎乗して空中戦を繰り広げる
「流石に硬いな!無敵ってのも嘘じゃなさそうだ!
だったら、一気に決めるぞ勇輝龍![力を溜めろ]!!」
その感は[気合い]と[根性]で回避しつつ、攻撃を捌く

「此処だ!アウィン!隙を作ってくれ!」
そう叫ぶと同時に[ジャンプ]
クサリクとバビロニアンドラゴンの動きが鈍るのと同時に
キックの構えを取る
「超龍必殺!ブレイヴドラゴン・キィィック!!」
吐き出される火焔を纏い、 クサリクとバビロニアンドラゴンを粉砕する!



「もう大丈夫だ! ヒーローは此処に居るぜ!!」
 力強い声が戦場へと響き渡る。
 強力な一撃を食らってなお健在なクサリクを、抑え込んでいたアウィンが、その声に反応して視線を向けた。
「アンタの献身! 無駄にはしねえ!」
 そこには真紅の機械鎧を全身に纏った猟兵、空桐・清導(ブレイザイン・f28542)が立っていた。
 クサリクの姿など目に入っていないかのように、まっすぐな目をアウィンへとむける。驚いたようにアウィンが目を瞬かせ、そして小さく微笑んだ。
『虫けらが大口をたたいたものだ!』
 そのやり取りを不快と感じ、クサリクが苛立ちの声を上げる。同時に、その足元へ門にも似た魔法陣が描かれる。魔法陣が光を帯びると、湧き出るように何かが現れる。
 ――グオオオオオオンン!
 それは見上げるばかりの巨体を持った赤き竜、バビロニアンドラゴン。これもまた、クサリクがその体内に保有していたエリクシルの一体だ。
『抵抗は無駄だ。この状態の我は無敵。絶望しながら死ぬがよい!』
 ドラゴンに騎乗し、舞い上がるクサリクの言葉に、だが、清導は怯えも見せず、ただ力強い声で呼ぶ。
「来い! 勇輝龍!!!」
 |勇輝龍 降臨《ブレイヴ・ドラゴン》によって、現れたのは紅き龍。クサリクのドラゴンと比較しても、遥かに紅い美しき龍だった。
「やるぞ、勇輝龍! オマエの力、貸してくれ!」
 清導もまた勇輝龍に騎乗し、舞い上がる。
「勝負だ、クサリク!」
『生意気な真似を!』
 ドラゴンを操り、迫りくるクサリク。それに対し、勇輝龍が孤を描くように、クサリクの周囲を旋回し、隙を見つけては距離を詰め、清導の攻撃をサポートする。
 だが、決定打が与えられない。
「流石に硬いな! 無敵ってのも嘘じゃなさそうだ! ……だったら、一気に決めるぞ勇輝龍! 力を溜めろ!!」
 乗り手が何を望むのか、正しく読み取った勇輝龍が姿勢を変える。
 首を伸ばし、翼を小さくし、空気抵抗を極力減らして、クサリクの元へと一気に加速。
 勇輝龍を撃ち落とさんと繰り出される攻撃を、清導が気合と根性で捌く。
 二体のドラゴンがぶつかろうかという距離で、清導が叫ぶ。
「此処だ! アウィン! 隙を作ってくれ!」
 叫ぶや否や、清導は龍の背から、クサリクに向けジャンプする。
 それに合わせ、アウィンが妻たちと共にクサリクをさらに抑え込みにかかる。
『ぐ、やめろ! 邪魔をするな!』
 アウィンたちによって生み出されたわずかな隙、それは清導の前では致命的なものとなる。
「超龍必殺! ブレイヴドラゴン・キィィック!!」
 不屈の意思より生み出された炎を纏った清導は、無防備なクサリクに向け、強力無比な蹴りを繰り出した。
 ――ゴオオオオオ!
 ドラゴンが断末魔の声を上げ、砕け散る。クサリクはドラゴンを盾にすることにより、蹴りを回避したのだ。
「躱したか。だが、次は逃がさねえぜ!」
 清導は再び、勇輝龍と共にクサリクへと迫るのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

朱鷺透・小枝子
エンドブレイカーの祖。事情は兎も角、その覚悟の程は分かった!
ならば!

『煉獄倍眼』発動。【闘争心】で痛みをねじ伏せ回点号【操縦】
【動体視力】で攻撃の起りを認識、【瞬間思考力】で機体操縦【空中機動】攻撃を躱し、肉薄し、BX変形フォースサーベルで【切断】攻撃!
【第六感】相手が自身の攻撃に合わせ抹殺光線を放つ瞬間に、
サイキックシールド展開、光線を【オーラ防御】

応えるのが、自分たちの役目だ!!

防御と同時に、超能力、転移能力で抹殺光線を回避、
フォースサーベル、無敵斬艦刀変形、│【念動力】≪サイキック≫をありったけぶち込み、行動停止に陥ったクサリクへ、【貫通攻撃】断つ!

壊れろ!!クサリクゥウウウウウウ!!!



「ああああアアアアアアあアアアア!!!!!!!」
 戦場に朱鷺透・小枝子(|亡国の戦塵《ジカクナキアクリョウ》・f29924)の絶叫が響く。
 原因は小枝子の左目だ。
 そこにはめ込まれた義眼が、眼孔を焼くほどの高温を発しているのだ。
 激痛に絶叫を上げる。いっそ焼けてしまえば痛みも感じなくなるのかもしれない。だが、小枝子の体は焼けると同時に再生を始める。
 桁外れの再生能力を付与された体は、楽へと逃げることを許さない。
 そして、小枝子の心もまた、痛みに狂うことを認めない。
「エンドブレイカーの祖。事情は兎も角、その覚悟の程は分かった!」
 闘争心で痛みをねじ伏せ、小枝子は声を張り上げる。
「ならば!」
 焼かれながら再生する左目を無視し、小枝子は残された右目で、アウィンたちを見る。
 その視線を受け、アウィンは小さく微笑んだ。
 頼んだ、と。
 その願いを受け取り、小枝子は|回点号《クロムキャバリア》へと搭乗する。
『痛み悶え苦しみのたうち回っておればよいものを!』
 怒りの咆哮と共に、クサリクの体表が蠢き、ぼこりと顔が浮かび出る。歪な笑みを浮かべた顔が大きく口を開けば、禍々しい光が小枝子の乗る回点号へ向け放たれた。
 だが、優れた動体視力を持った小枝子は、攻撃の起り、クサリクの体表変化を見逃しはしなかった。|知的生命体抹殺光線《ライフイレイザー》の軌道を瞬間的にはじき出し、回避する。
『逃さぬ!』
 クサリクの体表が大きく揺れ、次々と顔が浮かび出る。
「逃げぬ!!」
 小枝子は咆え、新たな顔が口を開くより早く、クサリクへ肉薄し、すり抜けざまにBX変形フォースサーベルを振るう。
 小枝子の苦痛を代償に得た、防御を無視する刃は、やすやすと顔の一つを切り裂いた。
『貴様!!』
 クサリクの怒号と共に、続けざまに無数の顔から攻撃が放たれた。急激な旋回途中の、一見無防備な回点号に極大の光線が集中する。
 サイキックシールドを張り光線を防御する。だが、万物を破壊する光線は、そのオーラさえ破壊した。
 だが、それでいい。
 シールドを破壊するために生み出された一瞬を利用し、転移を行う。アウィンにより、抑え込まれたクサリクの前に。
 死してなお、悲劇を終わらせるために戦うアウィン。
 理屈も道理も、意思だけで乗り越えた。
 そんな相手が目の前にいるのだ。 
「応えるのが、自分たちの役目だ!!」
『何!』
 回点号の手にあるのは、無敵斬艦刀。
 ただ切り裂くのではなく、すべてを滅ぼし叩き切る為の刃。
「壊れろ!! クサリクゥウウウウウウ!!!」
 咆哮をあげながら、小枝子はクサリクへ、すべてを貫く渾身の一撃を振り下ろした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

イクシア・レイブラント
●連携、アドリブ歓迎

英雄アウィン。あなたたちの覚悟、確かに受け取った。
鎧装騎兵イクシア交戦を開始する。

サイキックエナジー全開、【最大稼働】でいく。
各部を光らせて[存在感、陽動、おびき寄せ]、|AF《アームドフォート》で[砲撃]しながら
[推力移動、滑空]で敵に接近。
【知的生命体抹殺光線】はデコイドローンを囮に使いつつ[戦闘演算、空中機動]で回避し、
敵の動きが鈍ったところに大型フォースブレイドで[空中戦、鎧攻撃無視、なぎ払い]。
敵のエリクシル部位に渾身の一撃を叩き込む。

…さよならは言わない。また、どこかで会いましょう。



「敵性存在を発見。鎧装騎兵イクシア、交戦を開始する」
 酷く落ち着いた声とともに、イクシア・レイブラント(翡翠色の機械天使・f37891)は戦場に現れた。
 彼女の翡翠色の瞳が真っすぐにアウィンを捉える。
「英雄アウィン。あなたたちの覚悟、確かに受け取った」
 先ほどまでのどこか冷たさすら感じるものではなく、敬意を宿した声をイクシアはアウィンに届ける。
 その声に、声には出さずアウィンが口を動かした。
 任せる、と。
「了承した。……機体各部、安全装置解除。フォースリアクター、イグニション」
 イクシアが己が持つサイキックエナジーを全開にすれば、イクシアの全身が緑の光に包まれる。
 目の前の敵は、アウィンが抑え込んでいてなお、最初から全力で当たらなければならないと判断したのだ。
 クサリクを倒す。
 その強い意思のまま、イクシアは戦場を舞う。
『ええい、ちょこまかと!』
 光を放ち縦横無尽に飛び回るイクシアを撃ち落とさんと、クサリクが己の体に顔を生み出した。
 攻撃を放たんと顔が口を開きかけたところを、|AF《アームドフォート》・エクスターミネイターの砲撃が撃ち抜いた。
 体表で起こった爆発に、クサリクの視界が瞬間、阻害される。だが、顔そのものにダメージはなく、発射が暫し遅れる程度の効力しかなかった。
 それを知ってか知らでか、イクシアがクサリクへと向かい飛んでくる。
『この程度の攻撃で、止められると思ったか? 滅びるがいい!』
 真っすぐに突っ込んでくるイクシアに向け、極大威力の|知的生命体抹殺光線《ライフイレイザー》が放たれた。
 回避すると思われたが、イクシアはただ真っすぐに進み、あえなく光の中へと飲み込まれていった。
『くっくっくっくっ! 残念だったな』
 勝ちを確信し、哄笑を上げるクサリク。だがその耳に、静やかな声が届く。
「機体に損傷無し。戦闘を継続します」
 先ほど光線に飲み込まれたのは、強行索敵型デコイドローンが作り出したイクシアの立体映像だったのだ。
 爆発によりクサリクの視界が遮られた瞬間、デコイドローンの映像で囮を作り出し、己は光線の影響のない場所を割り出し回避していたのであった。
 動揺するクサリクを、満身の力で抑え込んだアウィンがイクシアへと視線で合図する。
 こくりと頷き、イクシアはその手に武器を握る。
 それは、彼女の身長をも超える、決戦武装の大型フォースブレイド。
「出力最大。敵性存在を排除します」
 イクシアは今まで以上に加速し、クサリクへと向かう。
 光り輝く鋼の天使は、クサリクに向け、ひたすらに翔る。
 戦うことは己の役目。何より強者との戦いは自分にとって好ましいものだ。
 だが、この戦いは。
(アウィン。エンドブレイカーの始祖たる人物)
 イクシアの目がアウィンたちを捉える。
 世界の理すら超越し、ただ終焉を終焉させるために、すべてを賭して戦う存在を。
 武器を握る手に力に籠める。
 望むのは必殺の一撃だ。
「最適化完了、ロックオン!」
 煌めく流星と化したイクシアの光の刃が、アウィンたちを避け、クサリクだけを正確に切り裂いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夜刀神・鏡介
道理を曲げてでも蘇り、今の世界の人々の為に力を貸す……。凄まじい意思と覚悟だな
俺が死んだ時、彼と同じような事が出来るのだろうか
いや、それを考えるのは後だ。今は彼らの思いに応える為にも、奴を倒す事だけを考えよう

利剣を構えて敵と相対。不用意に近付いて攻撃を喰らう訳にもいかないので、まずはやや距離を取った状態で敵を観察
とはいえ、隙を逃したくもない……エリクシルの露出を確認した瞬間にダッシュで突貫
発射のギリギリを見極めて紙一重で回避。動きが封じられている間に踏み込んで、澪式・奥義【無念】の連続攻撃

攻撃の途中で再度動き出したとしても刀を止めず。体表面に露出したエリクシルをも斬り裂いて、止めを刺す



 夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)は戦場に立つ。
 手には、淡紅色に輝く、破魔の力を宿す刀、利剣【清祓】。
 強い眼差しが捉えるのは、倒すべき敵クサリク。そして、偉大なる存在アウィン。
 エンドブレイカーの始祖だからではない。
「道理を曲げてでも蘇り、今の世界の人々の為に力を貸す……。凄まじい意思と覚悟だな」
 そのことに、畏敬の念を抱く。
 利剣【清祓】を構え、鏡介はクサリクと相対しながら、思うのだ。
 自分が死んだ時、彼と同じような事が出来るのだろうかと。
(いや、それを考えるのは後だ。今は彼らの思いに応える為にも、奴を倒す事だけを考えよう)
 まるで、鏡介が迷いを振り切ったことに気づいたかのように、アウィンが口元を小さく動かした。
 ――この世界を頼む。
 その願いを受け取り、鏡介はアウィンから、クサリクへと視線を動かす。
 アウィンにより、その力の多くを抑え込まれているとはいえ、軽く見ていい相手ではない。迂闊に近寄れば、その力に押し負けるのは必至。
 とはいえ、恐れすぎて隙を逃すつもりもない。
 慎重に距離を取り、クサリクを観察する鏡介。その様子に、クサリクもまた警戒を強くする。
 殺気だけが、静かな空間を満たす。
『……ええい! 鬱陶しい羽虫め! 消え去るがいい!!』
 暫しの睨みあいの後、動いたのはクサリクの方であった。強者であるがゆえに、『待つ』ということに耐性がないのだ。
 クサリクの体表に波紋が浮かぶ。
 それを見とると同時に鏡介は走り出す。
 黒い風となり駆ける鏡介に向け、生み出された顔が、極大の|知的生命体抹殺光線《ライフイレイザー》を放つ。
 けれど鏡介は足を止めない。
 走りながら、光線の発射角度と速度を見極め、最小限の動きだけで回避を行う。
 ――ジリッ!
 小さく音が鳴る。紙一重での回避に、数本の髪が焼き切れたのだ。 
『ぐぅ! 離せ、この化け物!』
 二撃目を放とうとしたクサリクを、これ以上はさせまいと、アウィンが抑え込みにかかる。
 アウィンの抑制が振り切られる前にと、鏡介はさらに速度を上げ。
「斬る!」
 駆けてきた勢いを乗せた利剣【清祓】の刃が、クサリクの体を薙ぐ。
 次いで、勢いを殺さぬまま、切り上げる。
 刃の勢いに引っ張られるように上へと飛び、そのまま兜割りの要領で叩き切り。
 刃を立て、切り貫いて。
「この剣で紕いを断つ。即ち――澪式・奥義【無念】」
 迷いも、悩みも、一切の邪念から離れた必殺の刃が、クサリクの体を切り裂いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

椎宮・司
真っ向勝負
いやーあたい向きだねえ

しかし始まりのエンドブレイカーか
その精力試してみ…こほん
あたいが嫁さんらに殺されそうだ
じゃあ真面目にいくとしよう
その力、ちょいとばかり貸しておくれ
ここで仕留めてみせるからサ!

シンプルで手数で攻める!
【擬・神懸かり】で強化
それから高速移動しながら剣気の乱れ撃ちサ!
無敵の時に効かないのはわかってる
でも『効く瞬間』があるだろ?
こちとら狙い撃ちなんて神経使う事は苦手なんでね!
さぁて、どれが当たるかは神様、アウィン様次第
あたいの寿命を盛大に賭けようじゃないか!

おぉっとお代はもちろんクサリク、お前さんの寿命と生命力サ
当たったら存分に吸わせてもらうよ
あたいは意外と悪食でね!



「真っ向勝負。いやーあたい向きだねえ」
 カラカラと場違いな明るい笑い声をあげながら、椎宮・司(裏長屋の剣小町・f05659)はその場に現れた。まるで遊びに来たかのように軽やかに。
 薄黄地に大柄の花を配した振袖に、目につく朱拵えの野太刀という装いが戦場を華やかに彩っていた。
「しかし始まりのエンドブレイカーか」
 司の紫の瞳が、アウィンを捉える。
 ぎょっとしたアウィンの様子に、司が艶やかな笑みを浮かべる。
「その精力試してみ……こほん」
 刹那飛んだ、四人の妻たちの鋭い眼差しに、慌てて司は言葉を濁す。周囲の妻たちにぎゅっと抱きしめられたアウィンが、今まで見たことのないこまり顔をしていた。
「あたいが嫁さんらに殺されそうだ」
 仲いいねえと言わんばかりの視線を送られ、アウィンが頬を赤く染める。
 なぜかほのぼのとした空気が流れる中、それを許さぬものもいる。
『低俗は戯言はそこまでにしておけ!』
 クサリクの苛立ちに応えるかのように、その足元に魔法陣が展開し、|巨竜《バビロニアンドラゴン》が姿を現した。
「おやまあ、でっかいねえ」
 そのまま何か続けそうになったが、奥様方の視線が鋭くなったので口を閉ざす司。
「じゃあ真面目にいくとしよう。その力、ちょいとばかり貸しておくれ」
 すらりと野太刀を引き抜いて、
「ここで仕留めてみせるからサ」
 言うが早いか、懐にある宮神社の御守からあふれた神気が司を覆う。
 神気を纏う司は、目にもとまらぬ速度でクサリクと巨竜の周囲を移動する。
『ちょこまかと!』
 司を捕まえようとするが、なまじ巨体であるがゆえに、小柄で素早く移動する相手には不利というものだ。
 その上、司は駆けまわりながら、清涼なる剣気を、まさしく乱れ撃ちとばかりにクサリクへと放ってくる。
 ダメージにはならなくても、苛立ちは募っていく。
『無駄なことはやめておけ! 我にこんな攻撃が通じるとでも』
「無敵の時に効かないのはわかってる。――でも『効く瞬間』があるだろ?」
 司の言葉にクサリクが舌打ちを漏らす。
「こちとら狙い撃ちなんて神経使う事は苦手なんでね!」
 無数の剣気が、雨あられとクサリクに降り注ぐ。
「さぁて、どれが当たるかは神様、アウィン様次第。あたいの寿命を盛大に賭けようじゃないか!」
 怯えもなく、それどころか楽し気に、自身の寿命をかける司。
 それは献身か。
 いや。
「おぉっとお代はもちろんクサリク、お前さんの寿命と生命力サ。当たったら存分に吸わせてもらうよ」
 きちんと使った分は取り戻すつもりなのだ。
 どうせ倒してしまう敵なのだから、有効利用してもよいだろう。
『なに!』
 自分を食おうとする司の言葉に、クサリクが動揺の声を上げる。それを好機と見たアウィンが妻と共に、クサリクの力を抑え込む。
 アウィンが今だとばかりに司に視線を送る。
「あいよ! さあ、食らいな! いや、食らうのはあたいだね!」
 剣気が降り注ぐ。
『ギャアアアアア!!』
 切り刻まれるたびに、その傷口から生命を吸い取られ、悲鳴を上げるクサリク。
「あたいは意外と悪食でね!」
 司は、途切れることなく剣気を放ちながら、艶やかに微笑んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルシア・ナドソコル
「母を亡くした少年」もその後の人生を生きてたってことですね
【心情】
エンドブレイカーの出自を考えれば当然ですが、僕にも祖先がいたってことですね
彼がアウィン、最初に終焉を否定した人物
あの女性の誰か、ひょっとしたら何人かも僕の祖先なんでしょう

そうした繋がりとは無縁に生きている僕ですが、今回ばかりはそれを誇りに思います

【戦闘】
(アウィンに)
先に謝っておきますと、僕はこれからあなた達のことは気にせず戦います

もっとも「世界を守って愛する妻達と共に死ぬ」なんて結末、僕の祖先なら納得しないでしょうし
始祖のエンドブレイカーなら、この程度の理不尽ぶち壊して帰ってきますよね?

知的生命体抹殺光線を「気配感知」「軽業」で回避
動きが止まったらUCを発動し、「空中戦」から「武器に魔法を纏う」「なぎ払い」「叩き割り」の連続攻撃
「気合い」が尽きるまで「不眠不休」で止まらず戦い続けましょう

「クサリク、お前は獣の中でも強力だったが相手が悪かった」

お前たちの決めた勝手な結末に僕たちは従わない

「僕の旅の行き先は、僕だけが決める」



「先に謝っておきますと、僕はこれからあなた達のことは気にせず戦います」
 ルシア・ナドソコル(自由と冒険を求めて・f39038)は、アウィンに、最初に終焉を否定した人に向け、はっきりと告げた。
 多くの猟兵たちの攻撃により、満身創痍となったクサリク。当然融合しているアウィンたちも同じように傷だらけだ。
 だが、アウィンは当然だとばかりに頷いた。妻たちも覚悟を決めた様子で、アウィンに寄り添う。 
「……『母を亡くした少年』もその後の人生を生きてたってことですね」
 強い絆を感じさせる姿に、ほろりと言葉が漏れた。
 そんな、何とも言えない温かさと寂しさを感じさせる世界を、クサリクの轟音のような声が切り裂いた。
『忌々しい猟兵どもめ!』
 クサリクの体表が揺れる。揺れて揺れて、次々と顔が生み出されていく。
『ただでは滅びぬ! 道連れだ!』
 クサリクのダメージが、体内に蓄えられたエリクシルにも影響を与えているのか、顔たちは苦悶の表情を浮かべていた。だが、それでも大口を開き、|知的生命体抹殺光線《ライフイレイザー》を放っていく。
 しかしエンドブレイカーたるルシアが、エリクシルの気配に気づかぬはずもない。
 気配を読み取り、発生したエリクシルの正面にならない様に移動しながら、まるで演舞のように軽やかな動きで光線を避けてゆく。
『ええい! 大人しく滅びろ!』
 己の力を振り絞った攻撃だったのだろう。クサリクが体をふらつかせる。それでもなお、ルシアに突撃しようとしたクサリクを、アウィンたちも残された力を振り絞り、抑え込む。
 アウィンがルシアを見た。
 その瞳が告げる。とどめを、と。
「輝け、紅炎刃」
 頷く代わりに、ルシアは|紅く輝く短剣《紅炎刃》の柄を強く握る。
 炎の魔力を帯びた短剣からあふれた不死鳥の炎を纏い、ルシアは空へ舞う。
「クサリク、お前は獣の中でも強力だったが相手が悪かった」
 紅炎刃が今まで以上の炎を刀身に纏う。
「お前たちの決めた勝手な結末に僕たちは従わない」
 急降下でクサリクに迫り、炎の刃でクサリクの体を薙ぎ払う。
「僕の旅の行き先は、僕だけが決める」
『や、やめろ!』
 斬って突いて、薙ぎ払い、再び斬って。
 クサリクの紅い体のあちこちに傷が作られ、ひびが広がっていく。
 そして。
「今こそ滅びろ! クサリク!」
 ありったけの力を込めて、刃を振り下ろす。
『アアアアアアアアアア!!』
 紅い結晶のようなクサリクの体を破壊しながら刃は進む。
 ルシアと短剣の纏う炎が、力尽きたように消えたとき、クサリクの体は両断された。
 ――ガラガラリ
 切り裂かれた体は、ひび割れ、砕け、転がり落ち、最後に塵となり、消えていった。
 そうして、残ったのは満身創痍のアウィンと妻たち。誰が見ても、長くないことが見て取れるほどだというのに、それでもアウィンは笑っていた。
 ――ありがとう。
 アウィンが音にならぬ感謝を伝えてくる。
 その様を見て、本当に強い人だと、改めて思う。そんな人とエンドブレイカーである自分は、血がつながっているはずなのだ。
 自分にも祖先がいたのかと、当たり前の事を今更ながら思った。
「あなたの妻の誰か、ひょっとしたら何人かも僕の祖先なんでしょう」
 全員の子孫かもしれませんね。
 その言葉に、妻たちが小さく笑う。
 それはあり得る事だ。アウィンからルシアにたどり着くまでには、多くの時が流れ、それだけ縁は複雑に繋がっているだろう。
 といっても、ルシア自身はスラムの出身で、そういった家族の縁とは程遠い育ちをしていた。
 けれど。
「そうした繋がりとは無縁に生きている僕ですが、今回ばかりはそれを誇りに思います。……もっとも!」
 突然のルシアの大声に、アウィンだけでなく妻たちも、驚きに目を瞬かせた。
 彼らの注目が集まっていることを確信して、ルシアは口を開く。
「もっとも『世界を守って愛する妻達と共に死ぬ』なんて結末、僕の祖先なら納得しないでしょうし」
 ルシアは、消えかけるアウィンを、真っすぐに見つめる。
「始祖のエンドブレイカーなら、この程度の理不尽ぶち壊して帰ってきますよね?」
 その問いに、アウィンは肯定を返しはしなかった。けれど否定もしなかった。
 ただ、強い意思の宿った目でルシアを見返し、妻たちを抱き寄せた。妻たちもまた、凛とした姿を損ねることなく、アウィンを抱きしめ返した。
「いつかまた」
 ルシアの言葉に、アウィンは微笑み、妻たちと共に世界へと還っていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年09月15日


挿絵イラスト