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エンドブレイカーの戦い⑱〜プラスワン!は君の手に

#エンドブレイカー! #エンドブレイカーの戦い #楽園組曲ハーティタウン #クサリク・ジ・エンドブレイカー! #アウィン

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●7人目の"勇者"の介入
「11の怪物『クサリク』……残念でしたね、僕達が此処に居る限り貴方は思い通りには出来ません」
 響く声は、自身の内側に融合して現れた化け物より放たれる。
 エンドブレイカーの先祖。はじまりのエンドブレイカー。
 遥か昔、七勇者の一人として都市国家のあらゆる場所で、大魔女との戦いと同時に、語られ続けた『少年』。
 その名はアウィン。沢山の妻たちと共に|意思《ガッツ》の力を発動して、終焉を止めるため現れたのだ。
「グゴゴゴ……貴様は、貴様はァ!」
 吠え猛る声はどこまでも空虚に至る。
 力を制限されている、女たちとアウィンによって。
「そして貴方は逃げられない。クサリク、死なない倒されない。その終焉は誰が決めたのですか?」
 勇者と称された事さえある少年は、薄く微笑んでいる。
『我の力は我のもの、我と融合した以上お前の死は眼前だ!』
「……ふふふ、魂が肉体を凌駕して、理屈も道理も捻じ曲げました。ラズワルドが僕の立場なら間違いなくそうしたはずです。体内のエリクシルをすべて自由にはさせませんよ。僕と、僕の愛する妻達がね」

●ジ・エンドブレイカー!
「突如現れた彼は、はじまりのエンドブレイカー…そして、未来に願いを託していた"勇者の一人"だよ」
 ソウジ・ブレィブス(天鳴空啼狐・f00212)は笑う。
 あれがすべてのエンドブレイカーの先祖に当たる人。エンドブレイカーという存在が世界に増える理由となった人。
 彼の行動により、彼は沢山の妻を愛し、愛された事だろう。
 だがそれも遥か昔のこと。
「この戦いの|終焉《エンディング》を壊すため、立ち上がってくれたんだろうねえ。11の怪物クサリクにも化け物と呼ばれているくらいだから、彼の精神性はどうも鋼の領域のようだね」
 彼が居るから、この戦いは少しだけ優位を取れる。
 彼らの戦いが、彼らの助力がこの場所には存在する。
「さて、肝心の戦場の様子をお知らせするね?……クサリクの形状はおおよそ「竜」のモチーフだよ。体内に持つエリクシルを体表に出現させて扱うね。大量のエリクシルを保有する「エリクシルの門番」とも異名を持つようだから、エリクシルを使用してレーザーに変換させるのも、巨竜を召喚するのもすべてのコストは体内のエリクシルを消費するみたい」
 重戦車と戦うようなものだろう。
「だけど、その全てにアウィンとその妻の皆さんが妨害行為を行うね。彼は意外と強情で、そして強気な人みたい。でも……彼、愛をばらまいて一緒に融合した|味方《妻》を大量に抱えているけれど、戦う力はないんだ。彼が武器を取って戦った、なんておとぎ話でも聞いたことがないし、本当のことだと思うよ?」
 言葉こそが最大の攻撃。アウィンはその手の手法を取る。
 強い|意思《ガッツ》の力を持ち、そして放つ。
「彼の妻たちは、昔々の戦いにおいて編み出したという集団殲滅能力「プラスワン」と呼ばれる光のオーラを付与してくれる。これは、単体攻撃を複数へ、複数攻撃をさらにプラスワンしてもっと広域に広げていく力さ。どこまでもユーベルコードを届かせてくれると思うよ。そうそう、エンドブレイカーなら、|意思《ガッツ》も合わせて順応して扱える力だから、君たちも相応に意思の力を示したら良いよ。戦う姿こそすべて、なら勿論難しい事を考える必要はないね」
 クサリクは追い込まれている。
 アウィンと妻たちによるプラスワンのオーラが広域になればなるほど体表には妻たちが浮かんで来るだろうが、気にしてはならない。彼は言うのだ、「僕達のことは気にしないで」と。
「彼は死の淵から色々を捻じ曲げてあそこに君臨しているし、皆が戦いを終わらせるまで持ちこたえようとすると思う」
 だからこそ、"気にするべきではない"とソウジは言う。
「アウィンさんが干渉したことで、クサリクの|終焉《エンディング》はズレたはずさ、……なにが起こるかはわからないけれど、戦いは戦いだ。終わらせに行こう、終わらせることがきっと|『少年』《アウイン》の願いだからさ」


タテガミ
 こんにちは、タテガミです。
 この依頼は【一章で完結する】戦争系のシナリオです。

●プレイングボーナス
 プラスワンを活用して戦う。
 このシナリオ上ではプラスワンの力を望んだり受け入れた場合、UCの範囲が単体攻撃系であっても範囲攻撃系になります。(プラスワンしてる風な書き方の場合は宣言が全く無くても問題ありません)。
 通常攻撃(UCを使わない)場合は、プラスワンとして扱いません。ご注意ください。

●簡単な概要
 集団上のボス敵(クサリク)の体に、はじまりのエンドブレイカーアウィンと妻が融合しています。
 クサリクは、アウィンの制限を一部無視して数百体もの小型四足竜型魔神エリクシルを集団敵のように配置しています。飛ぶと思えば飛びます。とにかくぶわああ、と大量にいます。
 その全ては言語を発しませんが、猟兵が見る景色はほぼエリクシルカラー(赤)です。集団敵エリクシルたちは、おおよそクサリクのPOW相当のレーザーを放ちます。戦場の魔神エリクシルは、全ての出処が一緒なので、アウィンの|意思《ガッツ》圧には怯みがちのようです。

●アウィンと何百も居るという妻たち
 プラスワンのちからが発動した数、クサリクの体表で微笑む妻たちが発生します。わらわら。
 アウィンは、戦う力こそ無いものの、彼女たちが愛する唯一の男でもあります。
 言葉こそ力、高圧的でクサリクを動揺、威圧するような言動で猟兵たちの行動をサポートします。
 クサリクへのダメージはアウィン達へのダメージとご心配な方は、問題ないので大丈夫。
 常に|意思《ガッツ》の力を発動しているため、彼は此処で倒れるわけには行かないという「闘志」を持ち続けることでしょう。意思の強さだけで、その場に踏みとどまり続けます。ダメージは入っていますが、並の精神力を持っていないので魂は肉体を凌駕し続けます。何が何でも居続けてクサリクを抑え続けます。

●その他
 アウィンを救う、系のプレイングの採用は出来ない場合が高いです。
 断章などはありません。場合により全採用が出来ないかもしれませんし、サポートさんを採用して可能な範囲でのなるべく早い完結を目指す事もあるかもしれません。
 注意事項にもご注意、またはご留意頂けますようお願い申し上げます。
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第1章 ボス戦 『クサリク・ジ・エンドブレイカー』

POW   :    ライフイレイザー
自身の【体表面に露出させたエリクシル 】から極大威力の【知的生命体抹殺光線】を放つ。使用後は【アウィンがガッツで動きを封じた】状態となり、一定時間行動できない。
SPD   :    バビロニアンドラゴン
【エリクシルの巨竜 】を召喚する。騎乗すると【アウィンが僅かな隙を作る時以外は無敵】状態となり、【万物破壊】属性とレベル×5km/hの移動力を得る。
WIZ   :    エンドブレイカーブレイカー
【自身の体内 】から、対象の【アウィンの力を弱めエリクシル軍団を放つ】という願いを叶える【アウィン殺しの槍】を創造する。[アウィン殺しの槍]をうまく使わないと願いは叶わない。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ユキト・エルクード
(アドリブ・連携・絡み歓迎)
SPD判定

プラスワンか、懐かしい響きだ。
あの無法な力をまた使えるなんて、人生どう転がるか分からないもんだな。

【戦術】
とにかく本体に近づかないことには始まらない。
【空中機動】【推力移動】【ダッシュ】等を駆使して回避運動を取りながら接敵。

邪魔する集団敵はUCで纏めて処理してやる。単体攻撃が一体どんな風に拡大するかは知らないが…。

本体接敵後は無敵が解除されるまで回避・防御に専念。
アウィンの抵抗により無敵が解除され次第、一気に突撃。
併用可能なUC【手裏剣投げ】【刻影蝕】で動きを封じつつ、死角からUC【奉魂忍殺】を決める。

その際、急所だが痛みを感じない部分を敢えて狙い、弔う。



●紅き瞳が輝けば

「プラスワンか、勿論……忘れなんていないさ」
 ユキト・エルクード(亡霊夜警・f38900)は儚げに微笑む。
 歴戦の戦場においても、プラスワンは発動し幾度となくマスカレイドを打倒して歩んできた。
「あの無法な力をまた使えるなんて、人生どう転がるか分からないもんだな」
 猟兵たちが存在する世界へ渡った時、不思議なことに色んな手段を失った経歴を持つユキトならではの、懐かしみ。
「では、行くぞ」
 攻撃を当てるためには、クサリクへの攻撃は必須。
 そして、それはアウィンとその妻達への攻撃にもなる。
 猟兵であり――エンドブレイカーの魂を抱くユキトは駆ける、邪魔しに翼を広げレーザーを吐いて寄越す魔神エリクシル。
 スピードを持って出し抜き、ひょいひょいと、竜の頭を飛び越えて。
 まるで空を駆けるが如き素早さで、レーザーの雨を掻い潜る。これぞ忍びの技にて。
「見た目が幼いと侮ったか?これでも――いや、やめておこう」
『言ってみても良いと思いますよ?クサリクの方が断然年上でしょうから。もしかしたら僕の方が生前年齢をあわせたら上かもしれませんけどね。年齢なんて、誰が決めたのですかね』
 回避運動を繰り返しながら、アウィンが喋る様が耳に入った。
 それは、ユキトへ返す言葉でありながらクサリクへと響かせる言葉の槍。
『貴様!プレイボーイなどと言うレベルではないほどに人類に、エンドブレイカーに協力しているだろう!若作りか!』
 クサリクもまた、言葉を返し融合した存在への挑発に乗ってしまう。
 ――案外、元気そうだな。あの人。
 バビロニアンドラゴン――エリクシルが発生させた巨竜の上に、|クサリク《アウィン》が居る。
 口論をしている様子は、ユキトにも見えた。
 つまりあの状態であれば在るほど――あの存在は無敵の力に揺るぎを齎されている。
 飛ぶも疾走るも、どちらにしても破壊しか齎さない移動方法を魅せるだろうが――先に動くは周囲を埋める小型魔神エリクシルドラゴンたち。幾ら避けても、わらわらと沸き立つではないか。
 先に進ませまいとする壁など、払い除ける力こそ――プラスワン。
 ――邪魔する集団敵は、こうしてやろう。
「許せ」
 言葉なき声で吠えるエリクシル竜たちに、素早く構えたのは禊丸――短刀。
 跳ねる足は軽く、ユキトの赤い瞳に魔性の力が灯った。
「これが瞳に映るのは、死する運命を持つ者を暴くもの」
 死招きの鏡魔境の術。訪れた敵意ある場所に、そっくりそのまま自身からの敵意であると思わせて討滅さん。
 まるで自滅。アウィンの言葉が如き圧力。刃を突き立てる場所は、当然動きを潰すに必須のエリクシルが心の臓。的確に潰し回る速さはプラスワンの恩恵を受け、人間の限界を越えた速さを暗殺に特化させて齎した。
 体は羽が如き軽く、不純物は容易く絶命する。
 イノセントの忍びが巻き起こす――奉魂忍殺(シノビエクスキューション)であったことだろう。
『ほら、みてくださいクサリク。貴方の死が死の風を吹かせて此処まで来ます、どういう気分ですか?』
『ふふ、いっそのこと、速く死にたいとすら、思いませんか?』
『ですよね?僕ならいっそ派手に爆死したいですけど』
 アウィンと、そしてプラスワンの恩恵で増えた妻(複数)につらつら言われ放題のクサリク。
 彼の手段はどうしてこうも高き壁のように、言葉で傷つけてくるものか。
「捉えた」
 赤き瞳を輝かせたまま、クサリクの元へたどり着いたユキト。
 今が、無敵が解除されていると踏み、振りかぶるは自慢の手裏剣。これもまた、暗殺道具の一つ。
 研ぎ澄まされた手裏剣が、巨大なバビロニアドラゴンの影を縫い付け、動きを停め――そして急所を狙い、薙ぐ。
『グググ……小癪な手段を使いよって!!』
 ユキトの瞳は、急所であるが痛みを感じない部分を狙って行われた。
 プラスワンの力を授けるため体表に生えたアウィンの妻が、微笑みそして霧散する――悲鳴らしきものは無かった。
 彼女らが消える――役目を終える。消えれば消えた分だけ、少なくてもクサリクのエネルギーもまた奪われ消え去っていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シズホ・トヒソズマ
※連携・アドリブ歓迎

抑えてもあれだけのエリクシルが出るとか
抑えてなかったらもう終わってたんじゃないですかこれ
感謝しかありませんが覚悟あるなら下手な容赦はできませんね

世界の為
住まう人々の為
そしてガッツを見せてくれたアウィンさん達の為にも
絶対にこいつらを殲滅するという意思でプラスワンしUC発動

プラスワンで増えた無数の火縄銃を空に展開し一斉発射
対創造/対召喚/対多数/超連射の弾丸の雨霰!
当然貴方が配置したエリクシル達には幾つも特攻がぶっ刺さり
UC効果消滅も含むのでアウィン殺しの槍も消滅させ
抑えが強まる!

弾丸一斉発射でエリクシルも槍も失い
本体も損傷させた所に突撃
炎獣牙剣『王劾』のマグマ剣でダメ押し斬撃



●魔王が如き射撃の雨に

「ちょっとちょっとー!抑えてもあれだけのエリクシルが出るとか!」
 考えるだけ怖い想像が、シズホ・トヒソズマ(因果応報マスクドM・f04564)の思考の隅っこをよぎる。
 眼前に見える魔神エリクシルたちの群れ、あれで少ない方なのだとしたら――。
「抑えてなかったらもう終わってたんじゃないですかこれ」
 戦いにさえならず、世界は魔神竜に埋め尽くされていたかもしれない。
 蹂躙、そして、世界の終焉だって秒読みだったかも知れない。
「感謝しかありませんが……覚悟あるなら下手な容赦はできませんね」
 ――玉砕覚悟済みで敵に融合して抗う、なんて考えないですよフツー!
 シズホの想いはひとまず棚上げし、これは世界の為なのだと意を決する。
 この流れを断てなければ、アウィンがこうして|意思《ガッツ》を発揮した意味がなくなってしまうから。
『我の邪魔をするな貴様!まずは貴様から滅ぼしてくれよう!!』
 クサリクの怒りは最もだ、こんな重荷、早いところ消滅させて――世界の蹂躙を急ぎたいのだろう。
 体内のエリクシルを強引に使用し、渦巻くように頭上に現れる無骨の槍を、シズホは見た。
 あれこそは、執念だけで穿ち殺さんと決意を固めた『アウィン殺しの槍』。
『滅ぼす?ご冗談を。僕を殺せば、融合した貴方も無事ではないでしょう。自分が死なず、僕だけ殺す。それでも出来ると言えるのですか?』
 ――住まう人々の為、そしてガッツを見せてくれたアウィンさん達の為にも。
 白い光がシズホを包む。絶対にこの群れを越えて、殲滅するという強い意志に反応し――紫色の長い髪の妻が一人、二人と体表に姿を表し――微笑んでいる。
「では――行きますよ!」
 僅かに息を吸い、ばらまくは火縄銃。
 その数は、プラスワンの効果を載せて数を増やして空を埋め尽くす。
「此処に顕現。想像は虚無、召喚は返還、変換は原型に」
 ――此処に有るべきではない不純の存在は、有るべき場所へ還るべき!
 弾丸の雨霰が迸る。対創造――召喚、多数、騎乗、超連射の属性を盛られた火縄銃を一斉に火を吹いた。その数、134✕5本の連続照射である。
 万物として数えきることも、音に驚き飛び退くことさえ難しい。当たればUC効果消滅を――アウィン殺しの槍ごとなかったことに出来る。
『させるか!我は此奴をまず殺す!!』
 クサリクの声に反応し、配置したエリクシルたちが軌道上に飛び出してくるが――魔神たちは創造物。当然、シズホの特攻が突き刺さり、ガラスが如き音をたてて割れ砕ける。
 大量のガラスを打ち砕くような音。これには、アウィンとて笑っていた。
『お見事です』
「殺されるべきは、あなたではありませんからね!」
 アウィン殺しの槍が壊され、崩れ落ちた時、クサリクは嗚咽のような音を出して狼狽えた。
 たったひとりさえ押し止められず、猟兵にもこうして遅れをとるなんて。
「弾丸一斉発射で配置済みエリクシルを失い、強く出ようとしていた槍も失われた。……それに」
 クサリクが体表、――誰も生えていない地肌とも言うべき場所に確実な損傷が刻まれていた。
 打ち込まれた弾丸の効果だ。その身に雨が如く浴びて、無事で済ませてやるものか。
「その傷、物足りそうですねぇ……じゃあ、失礼します!」
 突撃――シズホの手には、炎獣牙剣『王劾』――マグマ剣のダメ押しが刻まれる!
 痛み。砕け堕ちる不安。
『どうですかクサリク。今、どんな気分ですか?』

大成功 🔵​🔵​🔵​

空桐・清導
POW
アドリブや連携も大歓迎だ

「まさか伝説のエンドブレイカーに会えるなんてな!
ナイスな展開じゃねえか!!
それにその[覚悟]!気に入ったぜ!アウィン!」
その献身に無限の敬意と憧憬を抱きながら快活に笑う
故に己なりの誠意でもって応えよう
「魅せるぜ相棒!始まりのエンドブレイカーに!
最新のエンドブレイカーって奴を!!」
全ての悲劇を打ち砕くため、男は[勇気]を爆発させる
「超!必殺!!ブレイヴ・ブレイズノヴァアア!!」
瞬間、世界が静止した
天井知らずに[限界突破]した光焔が戦場を、地平を包む
エリクシルのみを一瞬のうちに焼き尽くし、
抹殺光線を純粋に出力で押し返してクサリクも飲み込む
「光の中に去れ!クサリク!!」



●怒涛の瀑布に焼かれて

「まさか伝説のエンドブレイカーに会えるなんてな!」
 空桐・清導(ブレイザイン・f28542)。ヒーローは、今此処で輝ける伝説と出会った。
 言い換えれば、世界に希望が如き未来を託した―|伝説《ヒーロー》ということ。
「つまり、ナイスな展開そのものじゃねえか!!それにその"|覚悟《ガッツ》"!気に入ったぜ!アウィン!」
 肉体・技量・精神を含めた、総合的な「闘志」の強さ――|GUTS《ガッツ》に魅せられる。
 託された希望、それは――|コンビネーション《連携》だ。
 どこまでも広がるプラスワンの輪だというのなら、攻撃を繋ぎ、倒しまくることだって可能。
『ええ、貴方のような熱い方が居たならば、それこそ百人力でしょう。クサリク、どうします?降参しますか?』
『誰がするか!!』
 クサリクの体表に、露出させたエリクシル製の筒が、大量に顔を覗かせる。
 がちゃりと照準を定めたかと思えば、音が飛ぶ――紅々と光り輝く知的生命体抹殺光線が、撃ち放たれる!
 ――その献身に、無限の敬意と憧憬を。
 清導は、澄み渡る空のように、豪快に笑う。快活に笑う。
 晴れ渡る笑い声は、自身のピンチも世界の窮地もお構いなし。
 ――故に、己なりの誠意でもって応えよう!
「魅せるぜ、相棒!始まりのエンドブレイカーに!最新のエンドブレイカーって奴を!」
 全ての|悲劇の未来《エンディング》を打ち砕くため。
 男は胸に|勇気《ブレイブ》を爆発させる。
 戦え、叫べ。声の限りに。
 これが外の世界からやってきた"エンドブレイカー"なのだと示せ!
「超!必殺!!ブレイヴ・ブレイズノヴァアア!!」

 瞬間、世界がぴたりと静止した。
 勇気と意思の大爆発。天井知らずの限界突破した光焔が戦場を走り抜け――そして地平を包む。纏めて吹っ飛んだものは地表ではなく。他の猟兵やエンドブレイカーでもなく。
 アウィンでも妻たちでもない。
 唯一の外来種、エリクシルのみ。一瞬に焼き尽くされ、多く聞こえる音は心なき願いを叶える者たちの号びが如き、崩壊音。
『我の兵達を瞬時に焼くとは――しかし我はそれらが大本!その程度では!!』
『クサリク、もう攻撃は撃ち放っていますよ。その吠え様で一体何で攻撃を行うのですか?』
 ライフイレイザーを放ち、消耗したクサリクは魔神エリクシルを扱う事もアウィンによる抵抗も阻むことは出来ず。一定時間の停止を余儀なくされた。
『さあどうぞ?お構いなく』
 抹殺光線の残光を純粋にBBE(ブレイヴ・ブレイズエクスプロージョン)によって押し返し――ヒーローが今度は輝きの向こうにクサリクを押し流す!
「光の中に去れ!!クサリク!!!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

夜刀神・鏡介
一体だけでも面倒なエリクシルが数百体……。だが、死から蘇ってまで力を貸してくれる人がいる。その思いに応える為にも、負ける訳にはいかないな

神刀の封印を解除して、廻・漆の秘剣【蒼鷹閃】を発動

基本的にはクリサクへ攻撃しつつ、プラスワンの力で周囲のエリクシルを纏めて攻撃していく方針
だがクサリクに接近する為に邪魔なエリクシルは多い。斬撃波を叩き込みながらダッシュで接近。
召喚された巨竜が飛び回ったりする前に、手近なエリクシルを足場にジャンプする事で跳び乗ってやる

騎乗中クサリクは無敵らしいが、しかし周辺のエリクシルまでそうはいくまいし
アウィンが作った隙をつく為にも、できる限り攻撃を続けよう



●ただその一撃の為に

「一体だけでも面倒な力を持つ凶悪なエリクシルが、数百体……」
 光景は、終末を迎えんとする空に、土地に思えた。
 あれらが飛び立ったなら、世界はもれなく11の怪物――エリクシルに呑まれるだろう。
「だが、死から蘇ってまで力を貸してくれる人がいる……」
 夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)の視界にも見える。
 異形の姿に融合する、エンドブレイカーたちが口を揃えて言う伝説|『少年』《アウィン》の存在を。
 ――その思いに応える為にも、負ける訳にはいかないな。
 自身にもまた湧く、決意に似た感情。
 戦いならば敗北の終焉など、当然迎えるわけにはいかない。

 鏡介は、神刀の封印を――すぐに解除する。
「神刀解放。駆けて刻め、蒼き爪痕――」
 |廻《かい》・|漆の秘剣《シチノヒケン》・|【蒼鷹閃】《ソウヨウセン》。
 蒼色の神気を身に纏い、身体能力は同時に跳ね上がる。
 決意を抱く姿に、クサリクの体表より、アウィンの妻がふわふわと姿を顕すのを見る。
 この力には、全てを巻き込む広範囲の力が宿っている――奔れ。戦場を。
 ――基本的には、クサリクを!
 駆け出した時、クサリクはアウィンの抵抗を押し退けて、バビロニアドラゴンの上に鎮座していた。
 既に騎乗し、そして突撃の体制でいる。
 エリクシルの巨竜は紅く、しかし咆哮さえどこかハリボテの空気感を匂わせる。
 あれなるは、魂や心に連なる概念的中身がなくても万物破壊を成すクサリクの願望そのもの。破壊し、破壊し尽くす機構なり。
 そして行く手を推し進めるが如く小型の魔神エリクシル竜が湧きまくる。
「……邪魔をするなよ!」
 無数の型から繰り出す斬撃と、衝撃波の乱舞は普段にも増して空を切り裂き、突き進む。
 ばたばたと、ぼとぼとと切り捨てて進める――エリクシルの群れはなど恐るるに足らず、というやつだ。
 接近するには、エリクシルの数は多すぎた。しかし切って捨てれば、そんな事は考える必要ない。
 速さを全面に出して、最高速で駆け抜ける――プラスワン効果でばたばた倒れ伏す音が、背後に聞こえた。
「ほらクサリク、貴方の抵抗は全体的に無駄なようですよ?どうします?」
『煽る天才か!?我は臆せぬ、戦い抜き殺し壊し尽くすのみだ!』
 アウィンの声が聞こえる――くすくす笑う妻たちの声もまた、聞こえる。
 足蹴にするはエリクシル。巨竜が飛び回る前に、ダッシュの勢いのまま飛び上がる!
 ――今のクサリクは、気を取られている!つまり!
 無敵ではない!
 踏み込みながら、向ける一刀は切り捨てる構えであった。
 金属のような音、ガラスが割れるような音。
 どしゃりと何かが堕ちる音。連続して聞こえ、女たちが笑う声が減った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

栗花落・澪
アウィンさん達が覚悟を決めてるなら
僕らがそれに答えないわけにはいかないよね

この量相手はキツイけど
アウィンさん達の…そして、この世界の人々を愛した若津姫様のために
無茶してでも守るよ

激痛耐性を乗せたオーラ防御を纏い空中戦
エリクシル達の攻撃は恐らく直線的
かつ発動前に何かしらの兆候がある筈

聞き耳で音を、気配感知で殺気や魔力の流れ等を感じ取り
目視に頼らずとも回避行動に移れるように
更にプラスワンの力を借りて指定UC
破魔の力を宿した炎の鳥達を向かわせ範囲攻撃
浄化の力でエリクシル達を焼き尽くしつつ
一部の鳥は合体させ本体へ

更に高速詠唱で雷魔法の属性攻撃、全力魔法
本体に向かって雷を起こす追撃で鳥達と連携


シュプリムント・メーベルナッハ
――ありがとう、アウィンさん。
あなたが来てくれたからこそ、運命を覆すチャンスができたんだから。
だから、このチャンスは無駄にしない。
――その|破滅の終焉《エンディング》を、終焉させる!

プラスワンの力を受け入れ、怨火涜聖符を発動。
叶う限り多くのエリクシルを狙いつつ、戦場に炎を撒いて能力を底上げ。
呪蛇鎌とそこから放つ【斬撃波】でエリクシルを、クサリクを斬り倒してく。
クサリクがアウィン殺しの槍を生み出すなら、これも斬撃波で破壊。

アウィンさん達の蒔いた種が、大魔女を倒す力になった。
そして今も、破滅の未来を覆す力として此処にある。
――エンドブレイカーの在る限り、世界を、終わらせなんかしないんだからっ!



●呪詛と浄化の|舞踊曲《メヌエット》

「――アウィンさん達が覚悟を決めてるなら、僕らがそれに応えないわけにはいかないよね」
 栗花落・澪(泡沫の花・f03165)は小さく、自身の胸の前で拳を握り込む。
 眼前に広がる赤く蠢く魔神エリクシルの群れは、実に凶悪。
 融合し、抵抗し、クサリクを大幅に弱体化させていて尚、溢れ出る狂気の光景。
 彼が魅せる|意思《ガッツ》の力を――見合うくらいに強く持たなければ。
「この量相手はキツイけど……アウィンさん達の、この世界の々を愛した若津姫様のために無茶してでも守るよ」
 人類を産み落とした魔女の愛する"ぼうや"達の頑張りが――没した彼女へと届くように。
 色々な想いが、戦場に沸き立って交差する。
「――ありがとう、アウィンさん」
 直ぐ側で零された、神楽巫女の祈りに似た声は優しかった。
「あなたが来てくれたからこそ、こうして未来への運命を覆すチャンスが出来たんだから」
 シュプリムント・メーベルナッハ(穢死檻の巫女・f38888)もまた、決意を胸に秘める。
 この戦いは、起こるべくして起こったのだと。
「だから、このチャンスは無駄にしない」

 ――この|破壊の終焉《エンディング》を、終焉させる!

 白い光が、降り注ぐ。同時に、澪は激痛に耐えうるオーラを重ねて纏い空中へと飛び出した。
 翼を広げた白い天使が、確かに空中を滑るように光の軌跡を空に生み出す――。
 プラスワンの白き力をその身に受け入れて、シュプリムントは片手に|呪蛇鎌《オークツィナーハ》を強く握り込む。
「さあ、どろどろに穢れて。燃えて、溶けて?――路を開けて貰いましょう」
 呪詛を込めて生成した符に軽く口付けを。
 響け、響け。宵闇に響く、穢死の音よ。怨火涜聖符(ブラスフェミィ・シルト)を発動し、叶う限りの多くのエリクシルへの着弾を狙う。投げて、当たればそれで良し。願いの塊が呪詛で穢れ溶け落ちる様は、氷が熱で溶けるが如し。
 符が当たったところから、どろりどろりと赤い液体は滴り溢れる。零れ落ちた残骸が持った熱から呪詛が派生転換して炎を撒き、呪詛の能力を底上げて――|呪蛇鎌《オークツィナーハ》より繰り出す黒々とした衝撃波の斬撃は雷が空気を裂くが如き音を立てて、エリクシルの数を確実に減らしていく。
 余波でクサリクまで届くなら、それでいい――あの方は、それで良いのだとプラスワン効果で増えた妻たちと微笑んでいるから。その顔が、距離があるのにどうしても、この瞳には見えるから。

『我がお前を殺すなら、今!ただ殺す、単純明快な願い一つあればお前は死ぬだろう!!』
 クサリクが叫び、アウィン殺しの槍を差し向けんとしている――小型魔神エリクシル達の奔流は、アレが願われ想像された産物だ。
『どうでしょうか。死ぬほどの攻撃を受けたとしても僕の意思が曲がるとは思いません。どうぞ、そう思われた理由をなるべく長く語ってくださいクサリク。僕と愛する妻たちが全て丁寧に論破しましょう』
 直線的なビームを吐き散らす小型エリクシル竜たちを刻むシュプリムントと同時刻、白き奇跡は最前線に躍り出た。
 発動前にキィンと共鳴音のような音を、エリクシルの群れは放っていた。耳をよく澄まし。気配感知で殺気や魔力の流れを読み、視て判断したのだから――動作の前に必ず出力するまでの僅かな時間があると、理解した。
 シュプリムントの戦い方から、学び――耳を澄まし目視に頼らず回避行動に移れるほどに音に慣れた澪。
 借り受けた力を重ねて束ね、呪詛とは真逆――破魔の力を空域から広域に放つ。
「鳥たちよ、どうかあの人の導きを――詠うように未来へ届かせて」
 浄化と祝福(ピュリフィカシオン・エト・ベネディクション)――総数144の鳥が一斉に羽撃いた。
 広域に羽ばたく、毅き翼を持つ鳥たちは浄化の鳥、星霊|炎の鳥《フェニックス》が如き燃える炎を纏って飛んでいく。浄化の炎を業と燃やし、不滅の炎のをばら撒いて焼き払う。
 先に濃厚な呪詛に浸り犯されたクサリクの体になら、呪詛を焼く破魔の炎の弾丸は限りない痛みを生む。
『くっ……意志の力で現れていようとも、お前はただの無力なエンドブレイカー!恐るるものにあらず!』
 反論させず、死ね!と心臓狙いのアウィン殺しの偉業を成さんとした槍はぱきゃり、と呪詛の斬撃派によって破壊された。
「アウィンさん達の巻いた種が、未来で大魔女を倒す力になった。そして今も、破壊の未来を覆す力として此処にあるよ」
「そうだよ!その幻想はぶち壊す!ってやつ!」
 炎の鳥の一部を束ねあわせて、クサリクへと突撃させて更に轟と浄化の力を与え続ける。
 これは――祝福。終わりを認めた者へ安らぎをもたらすだろう、祝福。高速詠唱で雷魔法を打ち下ろし、攻撃を重ねて――攻撃の手を、アウィンが望むようにやめることのない猛攻。
 呪詛と浄化、真逆の性質を持つ攻撃を繰り出す者たちは同時に、クサリクへと強く叫ぶ。
「「――エンドブレイカーがある限り、世界を、終わらせなんかしないんだからっ!」」
 決意は力。アウィンと妻たちは、頼もしい言葉に優しげに笑うばかり。
 この場における、致命傷を浴び続けるのは唯一……クサリクだけなのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

パティ・チャン
■POW
やっぱり「七勇者と大魔女の戦いを描いたステンドグラス」を
見ておいたのは、正解でしたね

大魔女とは戦わなかったとはいえ、なるほど勇者と言われるだけのことはありますね~

さて光線の無駄使いをさせたいところですが…
[迷彩、オーラ防御、地形の利用]で自らを守りつつ、【UC】の私を模した妖精を囮にします

首尾よく抹殺光線を逃れられたら、残った妖精+私で攻撃します!
(ここでプラスワンの加護を使います)
「なるほど、強情かつ強気、というのは本当ですね。そしてそれがこの世界を大魔女から救ったのも、間違いなさそう!」

(「クサリクを倒す為、自らを犠牲にする」というバッドエンドを破壊してくれれば、いいのですが……)


神臣・薙人
葛城さん(f35294)と

アウィンさん、奥様方
ありがとうございます
プラスワンの力、使わせて頂きます
護るために

初手でヤドリギの織姫を使用
多重詠唱で葛城さんにも
その後は植物の槍を使用して
エリクシル達を攻撃しつつ
クサリクの元へ迫ります
葛城さんとは声を掛け合い
息を合わせます
相手の攻撃には注意を払い
兆候が見えれば立ち位置をずらす
撃たれる前に槍で貫く等して
回避・防御を試みます
葛城さんにも注意喚起を

クサリクに攻撃が届くようになれば
エリクシルも巻き込んで槍で攻撃
アウィン殺しの槍出現時は
植物の槍をぶつけて使用を阻害
集中を乱すようにします
その槍は使わせません
葛城さんの光使発動時には同時に攻撃
負傷時は生命の実で回復


紫・藍
あやー。
アウィン殺しの槍の槍でっすかー。
つまりつまりそれ程までに恐ろしいのでっすねー!
神様仏様エリクシル様、どうかこの崖っぷちな我をお助けくださいと縋ってしまうくらいに!
その上弱めるのが限度とは名前負けでなんとも情けないのです。
安心したのでっす!
怪物などというからどのような存在かと思いきや、弱々メンタルな一般物のようでっすので!
相手が悪すぎたと言い訳して良いのでっすよー?
クサリクさんだなんておにいさんの足元にも及ばないというか現在進行系で絶賛台座になってますものねー!
ね、奥様方!
とマイクパフォーマンスで挑発!
奥様方の高圧的な言動に動揺してらっしゃるクサリクさんには効果的かと!
槍を上手く使えないほど苛つかせ、うるさい藍ちゃんくん達に意識を向けさせ時間稼ぎ!
それにどうやら魔神さん達は出処であるクサリクさんのメンタルに影響受けてるようなのでー。
おにいさんに怯んでるように藍ちゃんくん達もうるさく思ってくださるかと!
というわけでいつもよりもよりうるさく!
ボリュームをプラスしまくっちゃいましょー!


葛城・時人
ダチの神臣(f35429)と

全てを護ろうとしての行動だ…
その意志を俺達が引き継ごう
『プラスワン』有効に使わせて貰うよ!

神臣が織姫の力を授けてくれる
プラスワンとも呼応する絶大な加護だ
「ありがと神臣!百人力だよ!」

真正面に立ち大鎌で真っ直ぐクサリクを指し示そう
UCは『天より来る百億の光使』
144秒後の発動まで時間が必要でも
「神臣の加護は鉄壁だから!」

神臣と足並みを合わせ可能な限り近づく
どれ程の攻撃でも槍と大鎌でなぎ払える
声を掛け合い互いを護りつつ光使を待とう

勿論蟲にも手伝って貰う
乱舞だけでも目測を誤らせるに十分だ

さぁ…光使が来る
光使と共に槍も大鎌も叩きこんでやるよ
「これがお前の終幕だ、クサリク!」



●最終章

「アウィンさん、奥方様……ありがとうございます」
 神臣・薙人(落花幻夢・f35429)は頭が下がる思いを抱く。
「プラスワンの力、使わせて頂きます――護るために」
 あの行動全てが、未来を護ろうとした|意思《ガッツ》あってこその強引な融合だというならば、始祖たる彼の屈することなき強い意思を今度は自分たちが引き継ぐまで。
 すぐ隣、攻撃姿勢を取る葛城・時人(光望護花・f35294)の行動を、薙人はアシストするように言葉を奔らせた。
 何人にも言葉を聞き取ること能わず。
 多重詠唱されたユーベルコード、ヤドリギの織姫により二人の体がヤドリギのローブに包まれる。装甲と隠密力。同時に付与する力を持って、行動を開始しよう。
 |神臣《ダチ》のアシストを受け、白く輝くオーラもまた重ねがけて纏った。
 プラスワンの加護、そして友人が付与した加護。
「ありがと神臣!百人力だよ!」
 こくりと、頷く薙人。
 輝ける程の連携。アウィンは目を細めた事だろう。
 今を生きる者たちが、繰り広げる目を焼く程のコンビネーションへ。
 真正面に立ち、大鎌でまっすぐにクサリクを指し示す――。
「さあ、光使となりて来い、ククルカン!」
 天より来る百億の光使――。
 少し離れた場所に、光が集る集約するのを感じる。暫定位置は鎖区のすぐ真上付近。
 144秒後。あの場所に、現れる。発動するまでに必要な時間は自力で持ちこたえなければ。
「現れるまで、援護しますから――行きましょう、脇目もふらずにどこまでも」
 植物の槍を握り、時人と共に同時に二人は駆け出した。
 時人と薙人が足並みを揃え、着実に。
 周囲に配置された集団敵が如き魔神エリクシル竜たちのプチレーザーを一先ず躱し、前を見る。

 ――ああ、やっぱり。
 耳に届くは、『はじまりのエンドブレイカー』という言葉。
 パティ・チャン(月下の妖精騎士・f12424)はその姿を見た時、合点がいった。
 都市国家のどこでも存在する"七勇者と大魔女の戦いを描いたステンドグラス"――彼は、隅に描かれた人物だ。事前に見ておいてよかった、正解だったとさえ想う。
「大魔女と戦わなかったとはいえ、なるほど勇者と言われるだけのことはありますね~」
 後世では勇者の一人として、間違いなく数えられたハズ……もしくは。
 勇者とともに冒険した唯一の名無しの『少年』として、広がっていたか。
 真実とは奇なり。アウィンが成した功績は、全てが今"へと繋がっているのだから。
 ――さて、光線の無駄遣いをさせたい所ですが。
 フェアリーのパディは自身の小柄さを活かして紅々と滅びの色を映す大地の色に溶け入るようにオーラを纏う。それは、迷彩となって彼女を極力見えなくしてしまう――守りこそ最大の防御。
「さあ、後々に悔し涙を流しなさい……!」
 Raging Fire(レイジング・ファイヤー)――自らを模した武装をした妖精が、ふわああとパティを起点に飛び立つ。総数131。炎属性を携えるパティに良く似た妖精は、四方八方に散っていく。
『そこか!』
 クサリクの体表に、露出したエリクシルの砲台が見える――血液より赤い赤黒い光の粒子が集まっていた。願われる――滅ぼす力を呼び起こすように。怪物たち以外の生命根絶を成し得るだろう知的生命体抹殺光線を撒き散らしだした。これが本命たるクサリクから来たる最大の一撃!――のはずが明後日の方向にそれは撃ち放たれた。
 ――掛かったわね!
 首尾よく抹殺光線の軌道を逸らすことに成功したパティは光線から逃げ切れた妖精たちを集めて飛んでいく。
 可能な範囲、最速、で敵という敵に炎のダメージを与え続けながら。
 顔を見合わせる時人と薙人だが、これ幸いと怯んだ様子の敵の群れを薙ぎ払いにかかる!
『クサリク、しっかり狙ったのですか?どうやら外れているようです。それともお疲れですか?』
『……う、うるさい!』
『静かな方が良いのですね。でもすみません、僕の愛する妻たちが沢山姿を現していて……』
『うるさいと言っている!!』
 プラスワンの数だけ、数を増やした妻たちは、不敵に笑う。
 アウィンの意思に乗っかる形で、滅ぼされるまいとガッツを発動し続ける!
『私達が此処に訪れ現れ続ける限り、この方の意識は折れないの』
『消滅するまで、執念深くきっとここにいらっしゃるわ』
 ガッツ発動と同時にクサリクは動きを一時的に止める。言動圧をただ聞かされ続ける地獄の時間がやってくる。
「成程、強情かつ強気、というのは本当ですね……そしてそれがこの世界を大魔女から救ったのも、間違いなさそう!」
 パティが、英雄の戦い方を見つめて笑った。
 この11の怪物最大の敗因は――アウィンに悟られていたことだろう。
 クサリクの抵抗――アウィン殺しの槍を創造し、願いを叶える為に振りかざす。
 これが最後かもしれない。気力としても、成功させる可能性としても。
 自身の堪忍袋という意味でも。
 戦場にひらりひらりと舞う通常の白燐蟲にも群れのエリクシルの露払いを任せる――倒さずとも、目眩ましでも。乱舞だけでも一つとして問題はなかった。目測を誤らせるに十分。ただひたすらに駆け抜けて、――さあ、144体分の、光使が光を纏って舞い降りてくる。

「あやー……アウィン殺しの槍でっすかー」
 口笛を吹き出さんばかりに、クサリクの用意した槍を視て紫・藍(変革を歌い、終焉に笑え、愚か姫・f01052)はニィと口角を上げた。自分と融合する存在を殺す願いを掛けた槍。
 準備しなければ、真っ先に狙わなければならないと考え作り上げた槍。
「つまりつまり!それ程まで恐ろしいのでっすねー!」
 まるでスポットライトが当たるが如し、独壇場とはこの事だ。
 マイクパフォーマンスをそこで聞けオーディエンス!
 藍ちゃんくんワンマンショー!(ワールド・イズ・アイ)此処に開演だ。
『クサリク、どうなのですか?……こほっ』
『こ、こいつら……!』
 意思の力を強く持つアウィンが多少むせたようだが、抑え込む様子に衰えはない。
 アウィンを、支えるのは一緒に介入している妻たちのおかげ。
 猟兵たちがプラスワンの恩恵を受けて、暴れれば暴れるほど妻達の包容力はあがるばかり。
 クサリクの体表に、意思持つ者たちが大量発生し多勢に無勢という形に追い込まれる。
「おーおー!神様仏様エリクシル様、どうかこの崖っぷちの我をお助けくださいと縋ってしまうくらいに!その上弱めるのが限度とは名前負けでなんとも情けないのです」
 何が11の怪物か。たった一人の始祖エンドブレイカーと大勢の妻に抑え込まれるとは――強さと凶悪さもこれでは名折れ。およよ、と鳴き真似を挟む藍に、クサリクから怒りの声が飛ぶ。
『黙れ!こやつがいなければ我が全てを虐殺にしていた!』
「……っはは、安心したのでっす!」
『ですね、これは――』
 アウィンと藍、二人の殺気のない緩んだ声。
 クサリクとて度肝を抜かれた気持ちだろう。
「怪物などというからどのような存在かと思いきや、弱々メンタルな一般物のようでっすので!相手が悪すぎたと言い訳して良いのでっすよー?」
 ほらほらどうぞ、とマイクをぐりぃとクサリクに密着させにいく藍はやりたい放題だ。
 しかし、槍を生成すると同時にアウィンの力を弱め、エリクシル軍団を更に放っている――とはいえ、何故この場に援軍として向かわせないのか。野望がデカすぎて足元を掬われているではないか。
「クサリクさんだなんておにいさんの足元にも及ばないというか現在進行系で絶賛台座になってますものねー!……ねっ、奥様方!」
 返事の矛先はクサリクから、アウィンの妻たちへ。
 愛用のマイクから、響き渡るのは共にクサリク弱体化に微力ながら協力する妻たちの至極真っ当なご意見である。
『ええ、正直情けないと申しますか……』
『強引に融合を解くだとか、もっと願いの使い方があると思うのですよね』
 散々の言われようであった。そこへふふふ、なんて笑い声だけで圧を掛けてくるアウィンがいるのだから、クサリクのメンタル面からもどんどん追い込まれていく。
 返す言葉がない。事実その通りだ、お荷物を抱えていないで戦場に出る前になんとか切り落としてから来るべきだった。
 解除しようにもアウィンが逃さない。クサリクには――強引に割り込んだアウィンを振り解く術など、無かった。
『言わせておけば……!』
 槍を上手く使えないほどの動揺、怒り心頭のクサリクは――重ねてうるさいほどにパフォーマンスし続ける藍に対しても殺意を向けた。
『お前を、殺せば――!』
「おーこわ、でもでっすよー?」
 意識は完全に世界から"この場に向いていた"。
 藍の時間稼ぎは実り、周囲の魔神たちの様子もまた統率が崩れぼとぼとと機能停止を起こし地面に無惨にも落ちていく。
「おにいさんに怯んでいるように、藍ちゃんくん達もうるさくおもってくださるなら、騒ぎがいがあるというものでっす!」
 さあさあ終わりの話を始めよう。
 ボリュームプラスワンの、同調威圧フルセット!輝く藍のオンステージは続く!
 騒いでください奥様方!体表上に奥様だらけの井戸端会議inクサリクを続けましょう!
「クサリクさんの終わりは、こうして訪れるのでっした!」
 ねっ、とアウィンにひとつウインクを投げると、アウィンの返答は、簡潔だった。
『クサリク。僕達は終焉を織っています。それの行き先を決めるのは、当然――僕達、ですよ』

「これがお前の終幕だ、クサリク!」
 じわり、じわりとヘリオンサインが如く輝きを収めて、時人の呼び出した存在が、現れる。
 |敵一体《クサリク》を完全標的の圏内に捉え、発生するは擬人的に翼人化した白燐蟲たちは、光剣に強く光魔法を纏わせて、思いきりクサリクに切りかかった。がしゃがしゃと切り刻む音が響く。
「これはおまけ!取っておいてよ!」
 時人も薙人も続く。槍も大鎌も、連続して叩きこまれる。
 これ以上攻撃を行うな!アウィン殺しの槍の発動だって食い止めよう!
 露払いはもはや必要ない。同時に攻撃を繰り出す手は、もう一つ――。

 ――クサリクを倒す為、自らを犠牲にするというバッドエンドを破壊してくれれば、いいのですが……。
 ぐぐぐ、くぐもった声。痛みは限界に達する頃だろう。
『僕達の事は、大丈夫。道連れだなんて思わなくて、大丈夫ですよ』
 クサリクの消滅は、同時にアウィンの消滅でもある。
『僕達が融合している限り、クサリクは体内のエリクシルを殆ど消費できなかった。そこにこうして倒す危害を持つ者たちが現れた。未来を決めるのは、誰なのでしょう?』
 ふふふ。笑いながら消えていく妻たち。
 崩壊していくクサリクの体と、アウィンの姿。
『未来を生きる人々。そう有るべきと、僕は思いますよ』
 崩れ去り、消えた英雄の姿。
 紅々と燃えるような光景の空の下、都市国家より帰っていくのは戦場に加わった者のみ。
 されど、――世界には確かに静寂が広がっていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年09月14日


挿絵イラスト