エンドブレイカーの戦い⑭〜友と疾走したあの日を
「ヒャヒャヒャ、まさかお前が再び、この俺『嗤う剣ダイアモード』を手に取るとはなあ! 世の中分からねぇもんだな!」
その剣は笑う――約20年前、紫煙群塔ラッドシティを混沌に陥れたその粗野な口調の『喋る武器』は、かつて己を手に取った『革命聖女』ゼファーを嘲笑する様に、しかしどこか面白みを見出す様に語り掛ける。
「ここに至るまで、私は幾度もの生と死を経験してきました。システム・フラワーズにて転生し、怪人化した人類と滅亡を共にし、オブリビオンとして蘇生し、猟兵達に倒された後、ドン・フリーダムのCGにウシュムガルを移植された事で、絶対の筈の『オブリビオンの死』を克服し、ここに立っています」
ラッドシティの戦いで戦死し、しかしその後に数奇な人生を経たゼファーの心は凪いでいる。
だが、その胸の中にはラッドシティでの戦いで――否、其れよりも大きな情熱で満たされている。
「ヒャヒャヒャ、昔より躊躇が感じられねぇのは、長い人生を経たせいか!?」
「違う。私には、蘇らせたい人達がいるんだ。長い人生を共に歩んだ私の大切な友達……ラビットバニーとエイプモンキー。彼らは強大すぎて、ウシュムガルの力では弱い私しか蘇生できなかった。でも、他の『11の怪物』と沢山のエリクシルを手に入れれば、あるいは……!」
友が、いたのだ。
だが、彼女はまたしても破れて……再び、全てを失った。
故に全てを取り戻す――革命に生きた故郷での全てを贄にしてでも。
「ギャハハハ! お前正直、今、イイ目をしてるぜえ!!!――いいぜ、やろう」
「エリクシルを掌握するには時間が必要だから、猟兵に邪魔される訳にはいかない」
時間はない。その癖猟兵の介入は避けられない。
それでも、と。
「かつて革命に生きた私が、今は自らのエゴで、彼らをこの世界から放逐しようとしている」
それは紛れもない悪であろう。
己の過去を捨てている、とでも言っていい。
「だけど……それでも!――悪で構わない……誰にも、邪魔は、させないッ!――全ては、友達を助けるためにッ!」
だが、革命よりも大切な|存在《友達》を見出せたのは、罪なのだろうか――
「善悪は問わん。だが我らにとっては相容れない願いというだけだ」
己の全てをなげうってまで大切な者を救う――それの是非はあえて問わず、ブリュンヒルデ・ブラウアメル(蒼翼羽剣ブラウグラムの元首『剣帝』・f38903)は『ウシュムガル・ザ・ウインドゼファー』との戦いを告げる。
「ゼファーの能力は風と超スピード……それを活かした絶対先制攻撃権を活用してくる」
その超スピードを活用した絶対先制攻撃を、どう凌ぐかが焦点となろう。
「だが、かつて革命聖女として生きてきた過去の己は消えない……その点を突いて揺さぶるのもいいかもしれないな」
善悪を超えた境地……だが『友達の為に戦う』という根源的な願いで戦う今のゼファーは、かつての己を捨てようとしている。
「そこを突けば、僅かに動揺が生み出せるはずだ」
そう言ってブリュンヒルデは蒼いエネルギーの翼であるグリモアを広げ、ゼファーの元へとエンドブレイカーと『六番目の猟兵』を転送していくのであった。
黒代朝希
こういう『己の全てを投げ打ってでも、大切な人を救う』ってのは敵ながら熱いですよね。
しかしエンドブレイカーとは相容れないのです。
プレイングボーナス……敵の「超スピード」と先制攻撃に対処する。
に加えて、
プレイングボーナス……ゼファーの行動の是非を問いかける。
が存在します。
それでは、皆様の素晴らしいプレイングをお待ちしています。
第1章 ボス戦
『ウシュムガル・ザ・ウインドゼファー』
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POW : アクセラレイト・デザイア
全身を【エリクシルの輝き】で覆い、自身の【誰に邪魔はさせないという意志の強さ】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD : ゼファー・タイフーン
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【嗤う剣ダイアモード】から【勢いを増し続ける竜巻】を放つ。
WIZ : 嘲笑せし斬風
【嗤う剣ダイアモードから放たれる衝撃波】を【スピード怪人の加速能力】で加速し攻撃する。装甲で防がれた場合、装甲を破壊し本体に命中するまで攻撃を継続する。
イラスト:藤本キシノ
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
シフィル・エルドラド
アドリブ歓迎
■心情
超スピードを持つ敵……捕えるのは大変そうだね。
でもこっちも、勇者の威厳に掛けて、負ける訳には行かないよ!
■先制攻撃対策
敵の攻撃は『セイクリッドシールド』で身を守りつつ、
防御をして凌いだ後は『英雄の機関銃』で飛翔する敵を牽制攻撃するわね。
■戦闘
私は、『勇者三強』を使用して戦うわ。
勇気の力、万物の智恵、神秘の霊感で自身を強化するね。
攻撃力を重視して強化するわ。
その後、一気に敵に近付いて『聖剣エデン』で斬り付けるわね。
「これが勇者の力……思い知ったかしら!?」
ゼファーの行動の是非に対しては
「友達の為に戦う事は大事だよ、守るべき相手が居るのは誇るべき事」
と『威厳』を持って接する。
「超スピードを持つ敵……捕えるのは大変そうだね」
虚空を駆ける『ウシュガルム・ザ・ウインドゼファー』が残す音響……ドップラー効果を何百も重ね、常人の聴覚が失われるかのような状況で、シフィル・エルドラド(ハイカラさんの勇者・f32945)はしかし笑みを浮かべる
「でも――こっちも、勇者の威厳に掛けて、負ける訳には行かないよ!」
瞬間、迫るは『アクセラレイト・デザイア』――『ウシュガルム・ザ・ウインドゼファー』は全身をエリクシルの輝きで覆い、自身の『誰に邪魔はさせないという意志の強さ』に比例した戦闘力増強と加速能力も兼ねた飛翔能力を手に入れ、シフィルに剣――『嗤う剣ダイアモード』を振るう。
対してシフィルは聖なる魔力により強化された、魔法陣の描かれた小型の盾『セイクリッドシールド』を構え、ダイアモードを受け止めると同時、選ばれし者に与えられる強力な機関銃の銃口をゼファーに突きつけてから引き金を引く。
「絶対に負けられない、勇者シフィルの力を見せてあげるよ!――『勇者三強』!」
勇気の力、万物の智恵、神秘の霊感で自身を強化――特に攻撃力を上昇させ、一気に『ウシュガルム・ザ・ウインドゼファー』に近付いて『聖剣エデン』で斬り付ける。
相手もダイアモードを振るい、エデンの一撃を受け止め鍔迫り合いとなる。
「やはり……わたしを赦さないか――『六番目の猟兵』」
「ううん……友達の為に戦う事は大事だよ。守るべき相手が居るのは、誇るべき事」
勇者として、ゼファーの心境をシフィルは決して否定しない。
だが――
「それでも、世界が滅びてしまうなら――」
「――勇者が見逃すはずも無し、か!」
甲高い音が響き、弾き飛ばされる『ウシュガルム・ザ・ウインドゼファー』。
再び加速し、距離を取りながら|勇者《シフィル》と|聖女《ゼファー》は剣戟を繰り広げていくのであった。
大成功
🔵🔵🔵
バルタン・ノーヴェ
全員リクエストによる、各シナリオへの救援プレイングです。
長らく滞っていたり人手が足りてない時など、ご自由にご利用ください。
アレンジ、アドリブ、連携歓迎。自作PBWも採用歓迎です。
ユーベルコードも指定外の、公開中から適当なものを使用してもらって構いません。
HAHAHA!
グリモア猟兵殿の要請に応じて参上デース!
お困りのようデスネー? ドントウォーリー! ワタシが手伝いマスヨー!
アタック、ディフェンス、他の方への支援! おまかせくだサーイ!
白兵戦、射撃戦、集団戦もボス戦もオーライ!
冒険の踏破や日常への奉仕活動も得意であります!
|臨機応変に対処可能《好きに動かしてOK》デース!
よろしくお願いしマース!
「六式武装展開、煙の番!」
次に戦場へと赴いたバルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)は煙を噴出して身を隠し、超スピードで迫り来る『ウシュガルム・ザ・ウインドゼファー』の『アクセラレイト・デザイア』に対抗していた。
「煙幕で、目晦ましになると思うか――」
「HAHAHAー……いえ全然?――ここより先は、吾輩の迫撃戦技能で対応するであります」
瞬間、ダイアモードを突き出した『ウシュガルム・ザ・ウインドゼファー』は驚愕する。
換装式の武装を見事なタイミングと力具合でダイアモードの刀身を受け止め、そのまま『ウシュガルム・ザ・ウインドゼファー』の動きを一瞬、固めていたのだから。
「クッ……何だその機械化された肉体は!?」
「生後と同時に改造され、人生を戦場に費やした兵士であった名残であります――参ります」
再び煙幕を張るバルタン。
そこに寒気を感じたゼファーは、超スピードで加速して退避を開始した。
恐らく、其れは正解だ。
「ゴバッ……!?」
脇腹に走る強烈な衝撃……肝臓の一部が破裂した感覚に、思わず喉からせり上がる喀血で窒息しかけるゼファー。
あの煙幕を張り、そこで死角から胴体に強烈な打撃を叩き込もうとしたのだろう。
「だとしても、馬鹿げた力だ……」
バルタンは肉体性能に長けた猟兵。
そのユーベルコードによる白兵攻撃は、仮に直撃を喰らったら『ウシュガルム・ザ・ウインドゼファー』といえども大打撃となるのだ――
大成功
🔵🔵🔵
アンゼリカ・レンブラント
友の為に覚悟を決め戦う者
けして共に歩むことが出来ずとも
お前さんの戦いは気高きものだ
だから猟兵として真向乗り越えるのさ!
超スピードには後の先をとる
攻撃を見切り、《黄金戦姫式格闘術》で受けると共に
武器落としを試みよう
凄まじい速度だが、来ることが分かっていれば備えができる
伊達に勝負勘は鍛えてないってな!
相手の動きを一時止めることに成功したら
ワッパー”黄金旋風”を相手の足に絡め
動きを鈍らせたうえで斧剣の一撃を見舞う
そう簡単に倒せないだろうから、ラッシュを仕掛けるよ
共に戦う仲間がいれば連携で追い詰め
最後は全力の斬撃で倒すよ
その気高き覚悟、相対できたことを誇りにしよう
けして名は忘れない――さらば、ゼファー
「友の為に覚悟を決め戦う者……けして共に歩むことが出来ずとも、お前さんの戦いは気高きものだ」
アンゼリカ・レンブラント(黄金戦姫・f38980)はそう言って『ウシュガルム・ザ・ウインドゼファー』……『革命聖女ゼファー』の選択を称賛する。
例え行動で否定する事になろうとも、その選択に宿した情熱は評価されるべきだから。
「だから――エンドブレイカーとして、猟兵として……真向から乗り越えるのさ!」
「――了解した」
アンゼリカの言葉に頷いたゼファーは『アクセラレイト・デザイア』を発動。
エリクシルの輝きと共に『誰に邪魔はさせないという意志の強さ』をどこまでも駆動させ、ただひたすらに加速していく。
「その超スピードには後の先をとる――悪いがこのおねーさんの体は、頑丈なのさ!」
刹那に、アンゼリカへと迫るゼファー。
アンゼリカは自慢の拳を振るってクロスカウンターを決め――刀身に打撃を叩き込まれ、逸らされたダイアモードの切っ先はしかしアンゼリカの肉体に突き刺さる。
そして――ゼファーが浮かべる表情は驚愕。
「何という、筋線維……!?」
アンゼリカの胴体……腹筋部分にダイアモードの切っ先の数センチは刺さっている。
だが、其れだけだ――強靭にも程があるアンゼリカのトライブとしての肉体は、既にユーベルコード『|黄金戦姫式格闘術《アンゼリカ・スペシャル》』で強化されている。
故に、内臓部分に到達するより前に、筋線維が防波堤の如くダイアモードの一撃を押し留めたのだ。
「凄まじい速度だが、来ることが分かっていれば備えができる。伊達に勝負勘は鍛えてないってな!」
しなやかな脚による鞭の様な蹴りが、ゼファーの側頭部に叩き込まれる。
そこに黄金で補強されたワッパー”黄金旋風”で動きを封じた後、今度はゼファーに直接叩き込むべく自慢の拳をアンゼリカは振るう。
「その気高き覚悟、相対できたことを誇りにしよう……けして名は忘れない――さらば、ゼファー」
顔面に拳が叩き込まれ、砕け散る仮面と共に野性味のある可憐なゼファーの素顔が、鼻血を撒き散らしながら晒される――
大成功
🔵🔵🔵
エスカ・ブランシェール
急所だけ【オーラ防御】で守る
最悪、死ななきゃOKだ
攻撃凌いだらUC発動させて物理攻撃無効モード
竜巻が与えるのは空気の流れによる物理攻撃だからな
炎や光や概念系の魔術でもない限り、いまのアタイにゃ通用しねぇ
加速するゼファーには稲妻の全放射攻撃で対抗
稲妻の進む速度は光の速さだ
いくらアンタが速くても目で見て避けられるもんじゃねぇ
それにしてもマジで堕ちるとこまで堕ちたんだな、正直ガッカリだぜ
アタイにゃ難しいことは分かんねぇけど、あの時のラッドシティに必要だったのは、革命じゃなくて「改革」だったんじゃねぇか?
確かに長老衆の爺さん達もやり方を間違ったかもしれねぇけど、そいつはアンタ達だって同じだぜ?
で、爺さん達は間違ったやり方を改めて、アタイ達の意見を受け入れ始めた
でも、その間アンタは怪人になって異世界に迷惑かけただけだ
その上、今度は友達復活させるために世界滅ぼす化け物に加担するとか、失敗を反省してやり直すどころか、自分を正当化して逃げてるだけじゃねぇか!
そういうやつ、アタイは一番許せねぇんだよ!
「最悪、死ななきゃOKだ――」
そう言って急所をオーラ防御で守り、ゼファーの先制攻撃から身を護ったのはエスカ・ブランシェール(跳ね馬の群竜士・f39110)。
展開したオーラ防御は、ゼファーの超スピード攻撃による致命傷を防ぎ、エスカのユーベルコード起動に繋げていく。
「竜巻が与えるのは空気の流れによる物理攻撃だからな――炎や光や概念系の魔術でもない限り、いまのアタイにゃ通用しねぇ」
自身の肉体を「稲妻の力を操り気脈を感知する「竜」の気」に変えるユーベルコード『美竜神拳奥義・竜気雷鳴転生』によって物理攻撃を無効化するエスカ。
稲妻の進む速度は光の速さ――幾らゼファーと言えど、目で見て避けるのは難しくなるだろう。
「それにしてもマジで堕ちるとこまで堕ちたんだな、正直ガッカリだぜ」
ここまでゼファーの選んだ道を肯定する声が多かった中で、エスカは正直に失望の声を漏らす。
「アタイにゃ難しいことは分かんねぇけど、あの時のラッドシティに必要だったのは、革命じゃなくて「改革」だったんじゃねぇか?」
少なくとも……現在のラッドシティはゼファー達の敵であった『長老』も、当時の過ちを認めてエンドブレイカー達の意見も取り入れている。
「確かに長老衆の爺さん達もやり方を間違ったかもしれねぇけど、そいつはアンタ達だって同じだぜ?――だが、爺さん達が過ちを認めて進んでいた間……アンタは怪人になって異世界に迷惑かけただけだ」
容赦なく、エスカはゼファーを断罪する。
オブリビオン化の真実がどの様なものであれ、一度ゼファーはキマイラフューチャーを滅ぼそうと企図し行動したのだ。
「その上、今度は友達復活させるために世界滅ぼす化け物に加担するとか……失敗を反省してやり直すどころか、自分を正当化して逃げてるだけじゃねぇか!」
「……そうかも、知れない……」
だが、ゼファーの抱える衝動は既に収まらない。
ならば……後は、お互いの武力で決着を着けるのみだ。
「そういうやつ、アタイは一番許せねぇんだよ!」
「許されないのだろう……それでも!」
「友達の為か――良い訳ないだろう!」
超スピードで竜巻と竜の気は互いの武器を振るい、お互いを滅ぼして自分の意見を通していく。
「――『ゼファー・タイフーン』!!」
「あたいの中に流れる生命の力……全部解放してやるぜ!――『美竜神拳奥義・竜気雷鳴転生』」
そして、最後の時――互いにユーベルコードを最大出力で発揮する『ウシュガルム・ザ・ウインドゼファー』とエスカ。
ぶつかる竜巻と竜の気――勝利したのは。
「あたいの……勝ちだ!」
竜の気を操るエンドブレイカー……エスカ。
彼女は『ウシュガルム・ザ・ウインドゼファー』を竜の気を介して焼き焦がし、無に帰していくのであった。
大成功
🔵🔵🔵