エンドブレイカーの戦い④〜可燃物と呼ばないで
「何でエルフの居住地って事あるごとに燃やされてるの!!!!??」
それは私にも解らない!!!!!!(素)
カレル・レグロリエン(緑の夢に星を灯す・f36720)と地の文の困惑などいざ知らず、今日もエルフの森は燃えております……ではなく。エルフヘイムは燃やされかけている。
「取り敢えず急を要するから手短に説明するね! エンドブレイカーにいる11の怪物……まあ、一部はエンドブレイカーの皆や猟兵の皆が倒してるんだけど。その残り8柱がこの世界の大地でもある大地母神を殺すことで、僕ら猟兵をこの世界から追い出そうと企んでるみたいだ!」
そうなれば、11の怪物や魔神エリクシルはこの世界を手始めに、何れ全ての世界へと思いのままに侵攻を繰り返すだろう。
この戦争は、その企みを阻む為の戦い。そしてその一環で、当然と言わんばかりにエルフヘイムは燃えているのである。なんでだよ。
「エルフヘイムは巨大樹木群を基点にして形成された森の国だ。由緒のある美しい都市国家だけど、そういう場所だから当然火には弱いよね……」
何気にUDCアース地球育ちの為、余り森生活に馴染みのないエルフである。神隠しが割と色んなところで発生している三十六の世界だもの、そういうエルフもいるよね。
「現地のエルフ達が消火活動に当たっているから、手遅れになればエルフヘイムが全焼……なんてことにはならないよ。ただ、それはエリクシルを無事に倒せれば、の話」
言うまでもなく、エリクシルは猟兵の力がなければ倒せない。
エリクシルを野放しにすれば、エルフ達が全滅し、結果として消火活動を行う者がいなくなり全焼……という未来は起こり得るのである。
「と言うわけだから! 急いでエリクシルを倒してきてね! あと余力あったら消火活動もお願いね!」
困惑と同族意識の果ての無茶振りエルフである。
●
――永遠の森エルフヘイム。
美しい緑に溢れていたこの都市国家も、今や炎で天まで赤く焦がされている。
その火元と思しき地点にエリクシルはいた。
金剛石の身体を持ち、巨躯にして強靱。必ずやこの炎を絶やさず、火種を護ってみせる。そのような意志すら感じさせる佇まい……ん?
何やら落ち着きなくそわそわしているような。
視点を移す。その背後。
引 火 し と る !!
絵琥れあ
お世話になっております、絵琥れあです。
エルフの森が何したって言うんだ(しろめ)
戦争シナリオのため、今回は1章構成です。
第1章:ボス戦『金剛石の巨人』
戦いつつ消火活動やエルフ達の支援も並行して行うことでプレイングボーナスが得られます。
マルチタスク力が求められます。
また、今回ボスにも引火しています。炭素故に。
ですがエリクシルの為、これが原因で自滅したり弱体化したりすることはありません。
但しこれを上手く利用し戦闘を有利に運ぶことが出来そうなプレイングがありましたら、このシナリオ独自のプレイングボーナスが入ります。
発想力の勝負です。勿論無難に消火活動で稼いでも差し支えありません。
断章なし、公開された時点で受付開始です。
但し最低成功数での完結を目指すため、人数によっては全員採用がお約束出来ません。
内容にもよりますが、オーバーロードの方がいらっしゃれば気持ち優先になるかも知れません。
予めご了承いただければ幸いです。
それでは、よろしくお願いいたします。
第1章 ボス戦
『金剛石の巨人』
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POW : オオオォ……オォオ……
【巨体】を構える。発動中は攻撃できないが、正面からの全攻撃を【金剛石の体】で必ず防御し、【剛腕】で反撃できる。
SPD : ォォオオォオオ……
【全身から放つ光線】が命中した敵を【金剛石の体】で追撃する。また、敵のあらゆる攻撃を[金剛石の体]で受け止め[全身から放つ光線]で反撃する。
WIZ : ォォォォオオオオオォオオオオ
【体】が砕ける度に【より強固な体】に変身する。変身の度に自身の【防御力】と【反射装甲】の数と身長が2倍になり、負傷が回復する。
イラスト:朝梟
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「襞黄・蜜」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
百地・モユル(サポート)
熱血で好奇心旺盛
本が好きな小学生
正義感が強く困っている人は見過ごせない
UCは業火の一撃、灼熱の束縛に加えて
自分たちが押し切られそうになったらオーバーヒートバッシュ
🔴の数が多い場合はバーニングリベンジャーだ
攻撃には怪力、属性攻撃、2回攻撃、グラップルなどの技能をのせる
逆に敵の攻撃をからみんなをかばう、耐えるために
武器受け、挑発、おびき寄せ、時間稼ぎ、激痛耐性なども使用
敵に一撃入れられそうなら咄嗟の一撃や捨て身の一撃、カウンター
こいつがボスか…
みんな大丈夫?助けにきたよ!
そんなの許せない、ボクの炎で焼き払ってやる!
技能の勇気、覚悟、気合いは常に発動状態
アドリブ絡み歓迎
影朧などの場合は説得もしたい
●
「大丈夫!?」
百地・モユル(ももも・f03218)は現場の惨状を目の当たりにし、純粋に酷い、と思った。
モユル自身、炎を操り己の力とする戦い方を得意とする身だ。だからこそ、このような大勢の命を無差別に奪うような炎の扱い方を許すことは出来ない。力は、正しく使わなければならないのだ。
「敵はボクに任せて、ボクの炎で逆に焼き払ってやるから!」
エルフ達が消火活動に専念出来るよう、堂々と敵の前へと進み出る。
悪しき炎は、正義の炎を受けるべし。
「オオオォォォ……!!」
来い、と言わんばかりに金剛石の巨人は身構える。カウンターを狙っているようだ。
だが、あの構えでは正面からの攻撃以外には対応出来まい。そして、既に背中が燃えているらしいという情報もある。
(「普通の炎じゃダメでも、ボクの炎なら!」)
モユルは駆け出した。真っ向から炎を宿した宝玉輝く手甲で殴り抜ける――と、見せかけて。
その小柄な体躯を活かして敵の股下からその背後に滑り込むと、即座に反転。赤熱する炎の魔剣を抜き放つ!
「燃ゆる命の炎、見せてやるぜ!」
燃え盛る背へと、紅蓮の一閃を閃かせる!
「グオオォォ!?」
その炎は決して森へと燃え広がることはなく、巨人の身体のみを焼いていく。
悪しき存在のみを焼き、罪なき人々の力となる、正義の炎だ。
成功
🔵🔵🔴
シモーヌ・イルネージュ
本当にエリクシルも燃えてるよ……
そこまでして火種を守っているのは敵ながらすごいね。
でも、そろそろそこをどいてくれないと消火の邪魔なんだよね。
ここは攻撃と同時に消火しないと、森が焼け落ちそうだから、
そういうUCを選んでいこう。
UC【フロストファング】を発動。
絶対零度の剣を作り出そう。
効果は【なぎ払い】にすれば、エリクシルに向かった凍気の刃で消火もできるだろ。
問題は正面の巨人。正面からだと無傷なんだよね。
ここは相手の攻撃を【武器受け】しつつ、【吹き飛び耐性】で斜めに跳ぶことで、巨人の側面に回り込んで、そこから剣で切りつけよう。
●
燃え盛る緑の森。
美しかった筈の木々は今や紅蓮の色に覆われその色を失いつつある。そんな中。
「本当にエリクシルも燃えてるよ……」
目を丸くするシモーヌ・イルネージュ(月影の戦士・f38176)の言う通り、炎の守護者として配置されたであろう敵すらも燃えていた。
いや、今はまだ背中だけではあるが。それでも燃えているという事実に変わりはない。
「そこまでして火種を守っているのは敵ながらすごいね」
確かに自らが燃えるのも厭わず、任に徹する姿勢は敵ながら天晴と言えるかも知れない。何だかんだで普通の炎で死ぬことないですしね、エリクシル。
「でも、そろそろそこをどいてくれないと消火の邪魔なんだよね」
奴がいる限り、大元を断つことは出来ない。大元を断てない限り、この森に広がる炎は消えない。
そして、エリクシルを打倒出来るのは今や猟兵だけ――ならば、やるしかない。
「ここは攻撃と同時に消火しないと、森が焼け落ちそうだからね。絶対零度の剣でお相手しようか」
炎の中に在ってなお、己の身体が冷えていくのを感じる。
だが、体温を代償に創り出された剣は、薙ぎ払えば周囲の空気の温度すら下げ、燃焼そのものを止めるのだ。
(「消火は兎も角、問題は正面の巨人。正面からだと無傷なんだよね」)
ばかりか、手痛い反撃を食らってしまうだろう。
(「後手後手にはなるけど……ここは空いての反撃を、更に反撃する形で立ち回っていこう」)
シモーヌは敢えて浅く敵を斬りつけ、反動を抑えることで反撃に備える。その一撃は金剛石の強固な身体により弾かれ、更に固く握り締められた豪腕がシモーヌへと迫る。それを狙う!
「っ!」
重い。剣で受け止める腕が痺れそうだ。
ならば、無理に逆らうことはない。一瞬の鍔迫り合いで方向だけを巧みに調節し、斜め後方へ吹き飛ぶ。
受け身を取り、そのまま弾かれたように駆け出した。狙うは攻撃直後で守りの浅くなった側面!
「これでどうだっ!」
「!!」
冷たき一閃が胴を払う。
不動の巨人の体勢が崩れ、その場にがくりと膝を着いた。
大成功
🔵🔵🔵
荒谷・ひかる
ドウシテコンナコトニ……?
いや、単なる人選……エリクシル選?ミスだとは思いますけど。
ともあれ、何とかしてきましょうか。
【精霊さんの加護】発動
炎属性の加護を纏い、周辺の火災を吸収して鎮火&自身を強化
あらかた吸収したら金剛石の巨人へ精霊銃で攻撃を仕掛けます
この際用いるのは特性の「火炎放射弾」、着弾の衝撃ではなく火炎の熱で以て「焼却」する弾です
つまり砕けさせずに全部燃やしちゃいます
吸収してきた力も込めて、一気に焼却処分と参りましょう!
……あ、延焼させちゃった分はわたしが改めて吸収し直すので安心してくださいねっ。
●
「ドウシテコンナコトニ……?」
荒谷・ひかる(|精霊寵姫《Elemental Princess》・f07833)は暫く開いた口が塞がらなかった。
燃え盛る森、消火活動に勤しむエルフ達。その中心に火種と共に在るエリクシルは、不動の構えを見せながらも時折そわそわと背後を気にする素振りを見せるのである。そしてその背は燃えている。
どうして炎の中に炭素の塊を放り込んでしまったんだ。
(「いや、単なる人選……エリクシル選? ミスだとは思いますけど」)
勿論、奴がここに来たのが自らの意志であれ上からの指示であれ、見過ごすという択はない。放置すればエルフヘイムの森と、そこに生きるエルフ達が滅びてしまう。
「ともあれ、何とかしてきましょうか」
手早く詠唱、召喚を終え、炎の精霊の加護を身に纏う。この加護は同属性、今回の場合は炎やそれに類するものを吸収して無効化するというものだ。加えて、吸収した分だけひかる自身の強化にも繋がる。
そうして森を回って火を消し止めながら、少しずつ炎の中心にいる敵へと近づいていく。
(「あらかた吸収出来たでしょうか……では、行きましょう!」)
ひかるが抜き放ったのは、黒い銃身に金のパーツと装飾が煌めく精霊銃。装填するのは『火炎放射弾』。
「着弾の衝撃ではなく、火炎の熱で以て『焼却』するこの弾で――砕けさせずに全部燃やしちゃいます!」
吸収した炎の力も惜しみなく宿し、砕かれることでより強固となる敵の力を完封する一撃を、放つ!
「オオオオォォ……ッ!?」
「一気に焼却処分と参りましょう!」
燃え上がる。
金剛石の輝きすらも、炭の黒へと変じさせるように。
赤々と燃え上がる炎――それを、エルフの少女が『ほぁ』と声を上げて眺めていた。その声にひかるははっとして。
「……あ、延焼させちゃった分はわたしが改めて吸収し直すので安心してくださいねっ」
この炎は森を焼くことはない、と説明すれば、少女はコクリと頷いた。
元より消火活動にも貢献してくれていたひかるである。エルフ達は彼女のことをちゃんと信じてくれていた。
大成功
🔵🔵🔵
馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友
第一『疾き者』唯一忍者
一人称:私 のほほん
武器:漆黒風
『誰かの故郷を燃やすのは許すまじ』で来たんですがー。
ああ…そうですね。金剛石って炭素ですものね…。
さて、UC使いましてー。天候操作+結界による『酸素断ち消火剤』を数個作って火元へ。
で、敵へは…『荒れ狂う風のある結界』で包むように。まあ、酸素補給マシマシですよー。
何するかって、つまりは『引火した火による目眩まし』なんです。
その光線は、凝縮した呪詛によって減衰しまして絶ちますし。
受け止めるってことは、必ず当たるということなのでー。投擲した漆黒風に、『破砕呪詛』つけました。
…金剛石って、脆いですから。
●
「ああ……そうですね。金剛石って炭素ですものね……」
身構えながらも時折背中の炎を気にしているらしい敵の姿に、思わず|馬県・義透《疾き者》(死天山彷徨う四悪霊・f28057)は瞼の裏で遠い目をした。
彼――正確には『彼ら』――もまた、故郷を滅ぼされた身。それ故に、『誰かの故郷を燃やすのは許すまじ』と馳せ参じたわけであるが。
その犯人と思しき敵すら燃えている。ドウイウコトナノ。
ともあれ、奴を仕留めなければエリクシルに対抗する手段を持たないエルフ達の消火活動の妨げになることは明白なので。
「さて、『消火剤』はこんなもので大丈夫ですかねー」
手元にはユーベルコードで作った『消火剤』が数個。勿論ただの消火剤ではないのだが、種明かしはこれから。
準備を整えて火元へと近づく。当然、敵にも近づくこととなる。
「今、この森は悪霊のあるところとなりました」
悪霊の周囲には、怪奇現象がつきもの。
突如として、敵を包み込むように荒れ狂う風が吹く。疾き者の力で形成された結界。それが、敵を包んでいるのだ。
敵の背の炎は煽られて揺らいでいるが、その勢い自体は増しているようにも見える。
(「まあ、酸素補給マシマシですよー」)
炎は供給された餌を食らって育つかのように燃え上がり、燃え広がり。
やがて敵の前進を包み込んだ。
「ォォオオォオオ……!」
敵の身体が輝く。金剛石の眩いばかりの輝きが、そのまま光線となる。
だが、その狙いは覚束ず、何処か無差別的なものだった。
そう、炎を広げた理由は敵への攻撃が目的ではない。引火した火による目眩ましだったのだ。
これならば致命的な一撃を確実に避け、かつ凝縮した呪詛により減衰させて断ち切ることも容易。
「そして、受け止めるってことは、必ず当たるということなのでー。これならどうですー?」
投擲された、緑の光纏う漆黒風。
一見、何の変哲もない手裏剣が命中したその一点が、破裂して砕け散る――敵の身体ごと。
「……金剛石って、脆いですから」
硬度はあれど衝撃には弱い。『破砕呪詛』による破壊だった。
崩れ落ちる身体を背に、疾き者は火元へ消火剤を投下。『酸素断ち消火剤』だ。
餌を失った炎は、嘘のようにふっと掻き消える。
やがては森を、天を覆う赤も、消えゆくだろう。
大成功
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