エンドブレイカーの戦い③〜水牢の人魚達
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「集まってくれてありがとう。エンドブレイカーの世界で大規模な戦いが始まったようだね」
レン・デイドリーム(白昼夢の影法師・f13030)は猟兵達の姿を確認し、緩く笑みを浮かべる。
「向かってもらうのは戦神海峡アクスヘイムの側に浮上した、アックスヘイムと呼ばれる遺跡だよ。エリクシル達が海底に沈んでいた遺跡に悪さをして、ここを兵器化してしまったんだ。このままだと遺跡はアクスヘイムを襲うだろう、それは止めないとだね」
アックスヘイムは起動したばかりで、まだ暴れ始めてはいないようだ。今すぐ乗り込めば、嘗ての都市が今を生きる人々を襲うという悲劇を止めることが出来るだろう。
「アックスヘイムが本格的に動く前に、その動力を止めてしまおうという話だね。遺跡の内部には戦神海峡の人魚達が連れ込まれ、動力として生命力を吸収され続けているようだ。だから遺跡に乗り込んで、人魚達を助けられれば兵器化遺跡も止められるはずだよ」
レンは話を続けつつ、グリモアを起動する。
そこから映し出されたのは、大きなシャボン玉のようなものに囚われた人魚達だ。
「今回向かってもらう区域では、こんな風に魔法の水牢で人魚達を閉じ込めているみたい。みんな衰弱しているようで、声などを発することはあまりないと思う。それを踏まえて遺跡内部を捜索して、出来るだけ多くの人魚を保護して欲しいな」
人魚達の存在を探すなら、気配や魔力を辿ったり、遺跡の構造から判断するのが良いだろうか。
見つけた人魚達を治療して、脱出の手伝いをするのも有効だろう。
遺跡内部には侵入者を阻む為のトラップ等も仕掛けられている。それを解除していくのも一つの手段だ。
「今回は敵と交戦する可能性は考えなくていいよ。とにかく人魚を探し、助ける。それが目的だ」
動力さえ無くしてしまえば、遺跡の兵器化は阻止出来る。
先の戦いに備えるためにも、今回はそれが最優先という訳だ。
「説明はこのくらいかな。それじゃあそろそろ出発しようか」
レンはグリモアを再び操作し、転移の準備を整える。
目指す先は兵器と化した、アックスヘイム内部だ。
「気をつけて。良い報告を待っているよ」
ささかまかまだ
こんにちは、ささかまかまだです。
戦争です。
●プレイングボーナス
遺跡内部に囚われた人魚を救出する。
●『人魚救出』
エリクシルによって兵器化された遺跡に乗り込み、内部に囚われた人魚達を助けましょう。
人魚達は魔力を帯びた水で出来た水牢に閉じ込められています。まだ命に別状はないものの、衰弱した者が多いようです。
人魚を探して助け出す、治療する、遺跡内部の情報を集めるなど、救出の助けになるような行動を取っていきましょう。
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オープニングが出た時点でプレイングを受付開始します。
シナリオの進行状況などに関しては戦争の詳細ページ、マスターページ等も適宜確認していただければと思います。
また、プレイングの集まり次第で不採用が出てしまうかもしれません。ご了承下さい。
それでは今回もよろしくお願いいたします。
第1章 冒険
『人魚救出』
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POW : 遺跡をくまなく歩き回り、要救助者を探す
SPD : 遺跡の罠を見つけて解除する
WIZ : 囚われて衰弱した人魚達を治療する
イラスト:Gabriel
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ジュウラ・ガイロストール
懐かしい、遺跡ね
……ええ来たこと在るわ、昔
トラップの解除を優先して在るきたいと思うの
私の普段は郵便屋さん、手紙や小さなものを届けることだもの
本来の目的が人魚さん達を救うことなら、後からやってきたひとたちの手助けのほうも、重要よね
気をつける、と言うにも限界があるので…一瞬の隙で、死を呼びそうな場合のトラップに出会ったら、UCを放って、殺気を頼りに壊すなりで対処したいかな、と。物理で解除。基本でしょう?
後ろに誰かいないか、とか、帰り道がわかるようにナイフを配置しておいていく、というのもありだと思っているので、必要ならそうするわね
……あら、依頼が救助なら
当然、助けるまでが配達員の仕事よ
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遺跡に足を踏み入れた瞬間、ジュウラ・ガイロストール(旋律の駆け手・f30194)が感じたのは懐かしさだ。
故郷に近いこの遺跡、来るのは初めてのことではない。
漂う潮の香りも懐かしい感触を湧き上がらせてくれる。けれど遺跡内部に巣食うのは、好ましくない気配だ。
このままアックスヘイムを放置すれば、攫われた人魚達は命を使い潰され、アクスヘイムも災厄に襲われてしまう。
そんな未来を変えるため、ジュウラは遺跡内部を進んでいく。
その足取りは軽やかで、まるで風のようだ。郵便屋であるジュウラにとって、進むべき道を突き進むことに迷いはない。
進むリズムに合わせて歌を口遊み、ただただ軽やかに。その音色に合わせるよう、彼女の周囲には翡翠色のナイフが舞い踊っていた。
ジュウラが探しているのは人魚ではなく、遺跡内部に仕掛けられたトラップだ。
自分達の目標は人魚を助けること。そのために道を整えることだって、大切な作業の一つ。
分かりやすく見ているトラップなら、ナイフを飛ばして武器を振るって叩き割る。
その最中、見えない罠が自分の命を刈り取ろうとするのなら――。
「――ッ!」
ジュウラは軽やかに床を蹴り、迫る刃から後退していく。同時に飛び出したナイフが刃を弾き、一瞬で破壊していった。
これはジュウラ自身の技術は勿論、彼女の影に潜む|悪魔《デモン》との合せ技だ。
二人で同時に殺気に反応すれば、対応するのは難しくない。むしろ厄介な罠を破壊出来て安心出来たくらいだ。
(……丁度いいわね)
ジュウラは破壊した刃を脇に避け、道の中央に煌めくナイフを落とす。
これで誰かがここを通る時、ジュウラがつけた痕跡に気付くだろう。この道が安全だと、翡翠色の輝きが示してくれるはずだ。
これからの進行ルートで誰かと合流することはないかもしれない。けれど見えずとも取れるコミュニケーションが、良い結果を齎すだろう。
ジュウラは更に軽快に道を行き、どんどん罠を破壊していく。
ここは誰かが人魚を助けるために進み、誰かが人魚を抱えて戻る道になるはずだから。
そしてその誰かは――自分自身も当てはまる。
進んだ道の先に水牢を見つければ、迷うことなくそちらに進んで。衰弱した人魚を助け起こし、ジュウラは頷く。
「助けに来たわ。あなたを無事にアクスヘイムに送り届ける、それが私達の仕事よ」
人魚を抱え、歌を紡ぎつつ来た道を戻る。
配達員の時と変わらぬ様子で、ジュウラはしっかり己の務めを果たす。
その様子は、何よりも人魚を安心させるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
ハート・ライドン
※連携、アドリブ歓迎
仮に怪物どもの思惑通りになってしまえば
この世界から希望は失われることでしょう
何としても阻止しなければなりません
それに、この世界が故郷の猟兵はたくさんいるはずです
皆様の帰る場所を守らなくては
トラップを解除して慎重に進みたいところですが
事態は一刻を争います
【迅雷疾走】で壁を通り抜け
ショートカットしてしまいましょう
私は人魚の捜索と道中の危険排除に努めます
遺跡の『情報収集』
構造把握や人魚達の居場所の推測は走りながら行い
道中にトラップがあれば
すり抜けつつ雷撃で破壊します
人魚を発見したら、雷鳴音を発して仲間に伝達
仲間の到着を確認次第、後を託し探索を続行します
可能な限り助けてみせましょう
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潮の香りを感じつつ、ハート・ライドン(Never Say Die・f39996)は遺跡の中へと踏み入れる。
本来なら海の底で静かに眠っていたこの場所は、怪物達の手に落ちてしまっている。
彼らの思惑が成功すれば、囚われた人魚や近くの住民だけでなく多くの人々が傷付き命を落とすだろう。
無慈悲に命が奪われてくことの辛さを、戦乱の世界で育ったハートはよく知っている。
それにこの世界が猟兵との関わりを失えば、帰る場所を無くす者だって出てしまうだろう。
そうはさせるものか。皆の帰る場所を守るのだ。
(事態は一刻を争います。ここは迅速に行動しましょう)
意を決したハートは稲妻を纏う黒馬に変身し、硬い床の上を走り出す。
道の先は行き止まりになっているが、スピードは緩めず、躊躇せず。
迷わず突き進むハートは壁に激突することなく、その先の道へ辿り着いていた。
今のハートの身体を構築するのは稲妻そのもの。この遺跡に彼女を止められるものは、存在していない。
それからハートは、暫く遺跡の内部を走り続けた。
壁や段差などは全て無視出来るため、スピードを緩める必要はない。
何かしらのトラップがあっても足を取られることはなく、むしろ電撃で破壊してしまえる。
そうやって内部の様子を確認し、出来るだけ多くの罠を破壊して。
そして無事に水牢を確認すれば、ハートは囚われた人魚へと声をかけた。
「今すぐ救援を要請します。大きな音がしますので、驚かないで下さい」
確認を取った上で放つのは、凄まじい雷鳴音だ。
その音に反応して仲間が駆けつけたのを確認すれば、そちらに人魚のことを託して。
「私は遺跡の調査と罠の破壊を続行します。お気をつけて」
ハートは再び遺跡を駆けて、情報を集め続ける。
ここは確かに大きな遺跡だが、つまり人工物である。つまり造りにはある程度の法則性が存在し、内部構造を予想することだって出来た。
広い空間がありそうな部分、発見されにくそうな部分、罠の多そうな部分。
時に予想は外れるが、それも大切な情報だ。
これまで培ってきた知識と経験も合わせ、絶え間なく思考を巡らせ足も止めない。
そうやって進むハートは多くの情報を、そして人魚を発見出来た。
彼女に救われた人魚達は、衰弱した意識の中でも眩い光と雷の音を聞いただろう。
けれどそれは恐怖としてではなく――自分達を導いてくれる導として、深く意識に刻まれていったはずだ。
大成功
🔵🔵🔵
紫・藍
あやー。とってもおっきな遺跡なのでっしてー。
この大きさですと人魚さんを探すにしても少人数ではとっても大変なのでっす!
というわけで!
ファンの皆様をお呼びしちゃうのでっす!
皆々様、ご協力くださいなのでっすよー!
皆様方と人海戦術なのでっす!
五人一組くらいでチームを組んでいただくと罠への対処も心配不要かつ人魚さん達を迅速に助けられるのではないでっしょうか!
一部の方々にはここに残っていただき、簡易拠点を築いておいてもらいましょう!
衰弱の酷い人魚さん達が少しでも休んで治療を受けれるようにしたいのでっす!
コンサートには救護室も完備なのでっしてー。
ではでは皆様、作戦終了後のお礼ライブ、乞うご期待なのですよー!
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アックスヘイムは嘗て都市だったからか、かなりの広さを誇っているようだ。
その様子を興味深そうに眺めつつ、紫・藍(変革を歌い、終焉に笑え、愚か姫・f01052)は入り組んだ道を進んでいた。
「あやー、この広さだと人魚さんを探すのも大変そうなのでっす。という訳で藍ちゃんくんは人海戦術をするのでっす!」
藍は広めの空間まで足を運ぶと、大きく両腕を広げる。
そのまま潮の香りを含んだ空気を吸い込んで、叫ぶのは――。
「皆々様、ご協力くださいなのでっすよー!」
藍の声に呼応するよう、遺跡の中に出現したのは頼もしいファンクラブの皆様だ。
彼らはただのファンではない。藍と共に困難を乗り越えようとする強い意思を持った者達だ。そんな彼らの力を借りれば、広大な遺跡もなんのその!
「五人一組くらいでチームを組んで欲しいのでっす。この遺跡、罠もあるそうなのでお気をつけて! 迅速に、けれど確実に救出作業を行うのでっす!」
藍の出した指示に従い、ファン達はてきぱきとチームを組んでいく。その最中に藍が見繕うのは、医療技術に長けた者達だ。
「一部の方にはここに残って、簡易拠点を築いて欲しいでっす。人魚さん達は衰弱しているそうでっしてー、少しでも休めるようにお願いするのでっす!」
コンサートには救護室が必要だろう。
人魚達をただ助けるのではなく、彼ら彼女が安心して故郷に帰れるよう――最大限の配慮をしてこそ、素敵な藍ドルという訳だ。
「無事に作戦が終了したらお礼ライブも忘れないのでっす。乞うご期待なのですよー!」
藍がにっこり笑顔でライブ告知をすれば、ファン達は大賑わい。彼らの気合がより一段と深まったのを確認し、藍の心も踊りだす。
楽しい時間を過ごす為にも、今は悔いなく救出作戦を終わらせよう。
「それじゃあ……作戦開始なのでっす!!」
力強い宣言と同時に、ファン達は遺跡の中を突き進み、拠点を作り出す。
藍もまた彼らと共に、遺跡の中を進み始めた。
それからの進行は素晴らしいものだった。
ちゃんとチームを組んだファン達は、互いに協力しあって罠を破壊し、的確に水牢を見つけ出す。
救出された人魚はすぐに拠点に運ばれ、適切な治療で帰るまでの体力を取り戻す。
藍も拠点の中を駆け回り続け、時にファンを鼓舞し、時に人魚へと声をかける。
「藍ちゃんくんと皆様がいれば百人力なのでっす。必ずお家に送り届けますよー!」
ぱっと華やぐ藍の笑顔は、ファンは勿論人魚達の心も支えるだろう。
そうして溢れ出た希望は、広い広い遺跡の中を満たすのだった。
大成功
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ダーティ・ゲイズコレクター
私はダーティ!ダーティ・ゲイズコレクター!
凶悪で極悪で劣悪で最悪な魔王ダーティとは私のことです!
エリクシルさん達はオブリビオンに負けず劣らずのワルな人達ですねぇ
どーして世界はこうも私を超えるワルばかりなのか…
とにかくこの悪事の邪魔は絶対に成功させないと!
まず遺跡の罠の攻略です!たとえ無機質な罠だろうと私に向けた視線(殺意)を逃しはしません!
{ダーティアイ}で魔力の流れを確認し罠の場所を『情報収集』しながら罠を回避します!
無事に罠を潜り抜けたら人魚の皆さんを救出しUC【露悪!虚慈憐愛揺籃】で治療します!
人魚の皆さんに後遺症が残ればそれはエリクシルさんの悪事が成功したってことですからね!
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遺跡内部には嫌な気配が漂っており、なんとも不気味だ。
凶悪で極悪で劣悪で最悪な魔王であるダーティ・ゲイズコレクター(Look at me・f31927)から見ても、それはひしひしと感じ取ることが出来た。
「エリクシルさん達はオブリビオンに負けず劣らずのワルな人達ですねぇ……」
今回の敵はオブリビオンとは別物だ。しかし故郷と違う異世界にも、どうしようもないワルがいる事実が大切だった。
どうして世界はこうも私を超えるワルばかりなのか……8thKINGの座を目指す以上、このような相手にも勝てるようにならなければ。
「とにかくこの悪事の邪魔は絶対に成功させないと! 罠の攻略には自信がありますからね!」
ダーティは堂々と遺跡の中を進み、周囲の様子を観察していく。
例え無機質な罠であろうと、ダーティを傷つけるなら此方に「注目している」のと同じこと。
その|視線《殺意》を捉えることは、ダーティにとって難しくない。
ぱっちりとしたダーティアイで周囲の様子をじーっと見れば――。
「……あちらですね!」
此方を攻撃しようとする罠は、簡単に発見することが出来た。
どんな危険な罠だって発見してしまえば対処は簡単。発動させないように気をつけつつ、先に破壊してしまえばいい。
「いきますよ!」
時に罠を殴り飛ばし、時に叩き割り。しっかり安全を確保しつつ、ダーティは元気いっぱい遺跡を進む。
そうしていけば――いずれ人魚が囚われた水牢に辿り着く。
水牢をあっという間に破壊して、ダーティは人魚を助け起こす。
「大丈夫ですか? 今治療しますからね!」
意識を集中させ、矢印ののオーラを人魚達に触れさせれば、彼ら彼女の姿は消える。
人魚達はダーティが作り出した空間に転移され、そこの病院で適切な治療を受けることが出来るのだ。
「虚栄に満ちた邪なる王の揺り籠よ! 穢れた力に身を委ねし脆弱なる魂に安息を齎せ!」
ダーティは次々にオーラを生み出し、人魚達をどんどん病院へ送り出す。
中のスタッフ達は優秀だ。異世界の人魚だろうとすぐに治療法を発見し、彼らを回復させてくれるだろう。
「人魚の皆さんに後遺症が残れば、それはエリクシルさんの悪事が成功したってことですからね! この勝負、頂きましたわ!」
敵の企みを阻止するだけでなく、アフターケアも万全に、徹底的に作戦を遂行させる。
お礼は感謝の視線で十分だ。元気になった人魚達には、しっかり自分の姿を見てもらおう。
そんなことを思いつつ、ダーティは再び遺跡を進む。
「さあ、まだまだ頑張りますわよ!」
頼もしい魔王候補は、しっかり自分の務めを果たしていくのだった。
大成功
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シモーヌ・イルネージュ
囚われの人魚を助け出すとか、燃えるシチュエーションだね。
人魚のいる牢屋だから、海中か半海中。
水中駆動可能な『ベクター』なら移動に問題ないだろう。
問題は人魚の居場所だね。
人魚たちがいるということは熱や水の流れが発生する、と考えて、
サイバーアイで熱探査【情報収集】しながら進んでいこう。
あとは牢屋といえば、奥に配置するだろうし、最後は【野生の勘】頼みだね。
人魚を見つけたら、【怪力】で人魚たちを抱えて脱出。
ちょっと締めて苦しいかもだけど、辛抱してくれよ。
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甲冑に装着したジェネレーターを起動して、シモーヌ・イルネージュ(月影の戦士・f38176)は勢いよく遺跡を駆ける。
海から浮上したこの遺跡いは、海水が残ったままの区域も多いようだ。けれど纏った甲冑と装備のおかげで、それは大した困難にならない。
(囚われの人魚を助け出すとか、燃えるシチュエーションだね)
まるで御伽話の一節のようなシチュエーションに、ぐっと気合も入るもの。
シモーヌは迷うことなく遺跡を進みつつ、人魚達が囚われた水牢を探す。
彼ら彼女らは衰弱しているようで、助けを呼ぶ余裕はないだろう。けれど人魚達がいるという事実こそが、水牢探しの情報源になるはずだ。
シモーヌはサイバーアイを起動して、遺跡内部の様子を観察していく。
例えば水の流れがある地点、熱源が集まっている地点。それらしい場所に目星をつければ、サイバーアイが自動的に情報を集めてくれる。
集めた情報と直感を駆使し、シモーヌは進むべき道を決めていく。
此方を足止めするような罠が発動しても、華麗に回避し、時には黒槍で叩き割って。
そうしてどんどん奥に進んでいけば、聞こえたのは水の流れる音だ。
「……ここか」
シモーヌが辿り着いたのは少し広めの部屋だった。
中には大きな水牢が浮遊しており、それを維持するために絶えず水が流されている。
囚われの人魚達はぐったりしているが、助けが来たことには気付いているようだ。少しだけ顔を上げ、此方を見つめている。
そんな人魚達を安心させるよう、シモーヌは明るく笑みを浮かべる。
「もう安心しなよ。すぐに助けるからな」
黒槍で水牢を叩き割り、迷うことなく腕を伸ばして。
シモーヌは人魚達を抱え、来た道を勢いよく戻っていく。罠は全て破壊してあるから、帰り道は安全だ。
「ちょっと締めて苦しいかもだけど、辛抱してくれよ」
シモーヌの進むスピードはかなりのもので、うっかりしていると人魚達を落としてしまいかねない。
そんなことは絶対にしないと、シモーヌは強く人魚を抱える。
その力強い様子こそが、弱った人魚達を安心させてくれるのだ。
シモーヌも人魚の様子をしっかり気にかけつつ、できる限りのスピードで遺跡を行く。
彼ら彼女らが命を落とす未来ではなく、無事に故郷へ帰る未来へ向けて――真っ直ぐに、迷うことなく。
大成功
🔵🔵🔵
ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
ふむ、遺跡の中で人魚さん探しか。
遺跡と戦わなくて済むならそれに越したことは無いし、人魚さんも助けないとね。
あまり時間をかけるのは良くなさそうだし、真面目に探そうか。
【超常知覚】を使って第六感を強化して人魚さんの居場所を探っていくよ。
ついでに罠の位置もチェックして、邪魔になりそうなものは斧で壊して進もうか。
水牢を見つけたらそのまま中の人魚さんを引っ張り出せばいいのかな。
衰弱が酷いようならあたしの血を与えて回復もさせられるけど、
うっかり与えすぎると上半身も魚になったりしそうだから気を付けないとね。
何人くらい捕まってるのか分からないけど、なるべく早く助けていこうか。
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今回の依頼の内容を思い返しつつ、ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード(混沌獣・f07620)は軽快に遺跡を進む。
敵と戦う必要はなし。とにかく攫われた人魚を探し出し、助け出すことが目的だ。
しかし時間はかけていられない。今この瞬間だって、人魚達は生命力を奪われているだろうから。
(真面目に探そうか。こういう状況なら色々と出来るだろうしねぇ)
ペトニアロトゥシカは意識を集中し、ESP能力を強めていく。
それに伴って強化された感覚は、一気に拾える情報を広めていくれた。
水の流れる音、微かな呼吸音、他の猟兵達が動く気配、遺跡の構造、罠の位置。
研ぎ澄まされた五感と第六感が合わされは、遺跡の内部は掌握したも同然だ。
「よーし、それじゃあ頑張ろう」
愛用の戦斧を構え、ペトニアロトゥシカは力強く床を蹴る。
目指すはただ、人魚の捕らえられた水牢だ。
進行路には幾つかの罠が設置されていたが、ペトニアロトゥシカはその全てを把握していた。
幸いどれも造りはシンプルで、飛び出す刃や落とし穴のようなものばかりだ。
「このくらいなら、っと」
邪魔な罠はサクッと斧で叩き割り、進み足は止めないように。
ペトニアロトゥシカは流れるように遺跡を進み、目的地へと辿り着く。
そこにあったのは浮遊する水牢だ。中ではぐったりした人魚が倒れていた。
「このまま引っ張り出せばいいのかな? ちょっと失礼するねぇ」
躊躇せずに腕を突っ込めば、人魚は簡単に助け出すことが出来た。
命に別状はないと聞いていたけれど、抱えた人魚はだいぶ弱っているようで。帰り道も少し時間はかかる、応急手当くらいはしておこうか。
そう判断したペトニアロトゥシカは、軽く指先を切って血を流す。その血を人魚に飲ませれば、呼吸が少し和らいだようだ。
(効いてよかった。けどあんまりあげすぎると、上半身も魚になったりしそうだね)
本格的な治療は街の人達に任せたほうがいいだろう。今は脱出を優先だ。
ペトニアロトゥシカはしっかりと人魚を抱え、来た道を戻っていく。この子を送り返したら、すぐに別の子を助けに戻るつもりだ。
「何人くらい捕まってるか分からないからねぇ……早く皆を助けないと」
口調や緩く、動きは素早く。
ペトニアロトゥシカはいつもと変わらぬ調子のまま、迅速な救助活動を続けていくのだった。
大成功
🔵🔵🔵
クローネ・マックローネ
絡みOK、アドリブ歓迎だよ。
【POW判定】
一人残らず、助けるよ。
【救助活動】はワタシの得意分野だからね。
各種医療用品を大量に用意してから遺跡に乗り込むよ。
助けた人魚ちゃん達の治療はワタシに任せてもらうよ。
UCは「クローネちゃんのキラキラなお友達★」を使用。
100体を超える数のヴァルキュリアちゃんを動員して、遺跡内の人魚ちゃん達の【救助活動】を行うよ。
罠は【野生の勘】と【幸運】で回避、または発見後解除するよ。
見つけた人魚ちゃん達は【医術】で治療し、【優しさ】と【慰め】で少しでも心を癒そうとするよ。
もう大丈夫。ワタシ達が来たよ。
絶対に誰も死なせない。もう少しの辛抱だからね。
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「っと……」
大きな荷物を背負いつつ、遺跡へやって来たのはクローネ・マックローネ(快楽至上主義な死霊術士・f05148)だ。
いつもは明るくハイテンションな彼女だが、今の表情は真剣だ。
囚われた人魚達を一人残さず助ける、そう強く思うから。
「準備も万端だね。けどワタシ一人じゃ時間が足りないだろうから……」
クローネは意識を集中し、召喚術を発動する。それに応じて現れたのは、100人以上のヴァルキュリア達だ。
「みんな、来てくれてありがとう。一緒に人魚ちゃん達を助けるよ!」
クローネの声にヴァルキュリア達はこくりと頷き、救出作業の準備を進める。
用意した医療用品を配布して、数人ずつの班を作って。そうして準備が整えば、いよいよ行動開始だ。
「罠にはくれぐれも気をつけてね。それじゃあ、行こう!」
クローネと仲間達は一斉に遺跡の中を進み、人魚の姿を探していく。
クローネは勿論、彼女が呼び出した戦乙女達も勇敢かつ優秀だ。
皆で手分けして遺跡を進み、適宜情報を共有。罠を発見すれば協力して解除し、破壊し安全を確保。
そうして遺跡を攻略していけば、いずれ水牢だって発見出来る。
水牢の中には衰弱した人魚が横たわり、か細い呼吸を行っていた。
クローネは迷うことなく水牢へ近付いて、人魚達を抱え起こす。
「確かに命に別状なないみたい。けど体力を確保するために、ここで治療していくよ」
用意した医療用品を広げて、早速治療を施して。そうしていれば、人魚もクローネの存在に気付いたようだ。
「あなたは……?」
「もう大丈夫。ワタシ達が来たよ、もう少しの辛抱だからね」
クローネの優しい言葉に、人魚は安心したように目を閉じる。
彼女達は身体は勿論、心だって傷ついているはずだ。それが少しでも癒えるよう、クローネは最大限の優しさで人魚を治療していく。
その作業が一段落すれば、遺跡の出口を目指さなければ。クローネは優しく人魚を抱え、来た道を手早く戻る。
「絶対に誰も死なせないからね……!」
強い思いと共に走る最中、目に留まったのは遺跡を行き交うヴァルキュリア達。
彼女達も次々に人魚を助け出し、遺跡の外へ運び出しているようだ。その様子には安心出来る。
遺跡内部に漂っていた嫌な気配も薄れつつあるようだ。救出作業の完遂までは、あと少し。
その終わりを目指し、クローネは懸命に走る。助けられた人魚は、そのことをきっと忘れないだろう。
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こうして猟兵達は無事に作戦を終わらせ、人魚を助けることが出来た。
エリクシルの企みは阻止に近づき、多くの人魚達の命が救われたのだ。
大成功
🔵🔵🔵