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【悪機襲来】ザ・ナチュラル

作者：黒代朝希

　注意！
　当依頼は、PBWアライアンス『コイネガウ』からのシナリオです。
　PBWアライアンス『コイネガウ』の詳細を以下でご確認お願いします。
　公式サイト：（https://koinegau.net/）
　公式総合旅団：（https://tw6.jp/club?club_id=4737）

「自然地区、既に多数のオブリビオンマシンによって制圧。代わりに自然地区にいた住民は無事避難に成功……か。幸いな事だな」
　そう言って青と銀の色彩を持つポニーテールを揺らしながら、襲撃が行われている希島にて避難民を受け入れ居てる歓楽街方面の学生寮寮長……アドナ・セファルワイド（セファルワイド初代にして最後の皇帝・f33942）は学生寮に集まった者達へ向けてブリーフィングを開始する。
「希島の自然地区に巨大なオブリビオン・ホール……異世界から抉じ開けた侵入の為の経路から、奇襲目的でオブリビオンマシンと呼ばれる非人道的兵器が投入された。幸い自然地区にいた住民は当時自然地区にいた軍属等によって避難誘導されて人的被害は少なかった」
　だが、そこから希島に投入されたオブリビオンマシンの群れは島のあちこちに強襲を仕掛けている。
　これを打破するべく、猟兵と希人はこの侵略に抗うべく防衛戦線を敷いている。
「妾が担当するのは自然地区の奪還とオブリビオンマシンの鹵獲だ。これは侵略部隊の補給物資を断つ作戦も兼ねている」
　侵攻は、侵攻する側の基地等から補給ラインを断たれれば脆弱な作戦となる。
　故に侵攻を阻止し希島を防衛する為には、この自然地区の奪還作戦は重要な要点となる。
「また、自然地区を占拠しているオブリビオンマシンはボスとなる個体性能が強力な機体はいない。代わりに数が多い」
　故に広域殲滅が可能な希人や猟兵なら、有利に戦えるだろうが……条件としては『自然地区の環境を破壊しない様に』という旨が通達されている。
「なので、広域殲滅を行うには精度が大事だ。後は周囲の環境を活かした戦い方も有利に働くだろう」
　それらの旨を伝えた後、アドナは自身の有するグリモアと呼ばれる特級魔術術式を使い、学生寮にいる希人と猟兵を自然地区に転移させていくのであった。

第1章 日常 『プレイング』

POW   :    肉体や気合で挑戦できる行動 SPD   :    速さや技量で挑戦できる行動 WIZ   :    魔力や賢さで挑戦できる行動 イラスト：YoNa 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

「範囲攻撃はありますが精密というには程遠いのですよね」
　故にイリスフィーナ・シェフィールド（相互扶助のスーパーヒロイン・f39772）は自然破壊をしないよう地道に殴って撃破しようと、オブリビオンマシンを殴りつけていく。
　無論の事、ただ愚直にオブリビオンマシンに拳を叩きつけているわけではない。
　自然地区に存在する深い森を活かし、分身を使った攪乱作戦を行いながらイリスフィーナは拳を振るっていく。
「シンメトリカル・ブランチっ、いわゆる分身の術ですわっ」
　それは『冷静で冷酷な無傷のもうひとりの自分』を出現させる異能。
　片方が姿を表して注意が片方に向いたところに反対側からもう一方が攻撃を仕掛けるヒットアンドアウェイ――
「これをゲリラ的に、地道に仕掛けて撹乱しながら地道に数を減らしていきましょう」
　オブリビオンマシンも、搭載されている兵装を使って生身のイリスフィーナをミンチに変えんと砲火を噴き上げる。
　しかしイリスフィーナは身体能力に長けている――その域は『生命体の埒外』という資質を手にしている『六番目の猟兵』の迫撃戦特化型にも勝るとも劣らない。
「統率する個体がいれば対応されるでしょうがこれといっていないようですしね」
　拳だけでなく持ち主のオーラを吸収する事で切れ味や強度を強化できる2メートルの長さの両手剣『ブレイズ・スラッシャー』を取り出し、オブリビオンマシンを両断し切断していくイリスフィーナ。
　見渡せば、木々は折れているものの復興は十分に可能だ。
「このまま、オブリビオンマシンを……」
　今回はあくまで鹵獲だ。
　関節パーツのみを破壊し『動けなくしただけ』の状態にしたオブリビオンマシンを確保した後、残りのオブリビオンマシンを掃討するべく再びイリスフィーナは拳を振るうのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「嗚呼、やってしまったな……？　逸れて逃げ遅れた上、悪機共が跋扈して居るか！？」
　自然地区にオブリビオンマシンが出現する前後、テレサ・バスカヴィル（ザ・オカルティック・ノベリスト・f35021）アトリエ付近の自然地区の畔で俳句を詠んで居た。
「先程、軍隊が避難を喚起して居たが、ボクは創作に熱中して居てね……」
　オブリビオンマシンの軍勢に察知されない様、テレサは森に潜みながら様子を伺う。
　全ては不意打ちで全てを決める為に。
「隙有り！　投擲の一撃で仕留めるか！」
　テレサが西洋魔術で愛用するタロットカード『バトル・タロットカード』を、軍勢から単騎離れて周囲を索敵していたオブリビオンマシンに投げつけて呪いで蝕んでいく。
「……さて、此れに塔乗して乗っ取ろう」
　悪機を制圧して操縦を行い、オブリビオンマシンの兵装を使いながらまたもや奇襲を仕掛けるテレサ。
　自然地区の環境を破壊しない様、機銃を掃射してオブリビオンマシンを攻撃する。
「其処を退け、悪機共！――ボクの文豪と云う道を邪魔するなっ！！」
　創作者にとって、最も許しがたいのは妥当性のない行動で創作を邪魔される事。
　故にテレサは怒りのまま、鹵獲した｜悪機《オブリビオンマシン》で暴れていく。
「――『アルカナ・ブラスター』！」
　射出されるは、白炎属性の破壊光線。
　オブリビオンマシンに登場する事で本来の水準から大幅に引き揚げられた凄まじき出力で、テレサは精密にオブリビオンマシンのみを薙ぎ払っていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「さて、準備はいいですか？」
「はい。大丈夫です」
「いつでもＯＫだよ。ご主人様」
「はい。大丈夫でしゅ」
　ベルカ・スノードロップ（少女へ愛を注ぎ快楽による幸福で染め救済せし夜の王・f10622）は、側仕えしている三人の少女……とある異界人の要望により、希島のテクノロジーで生み出された二名のバーチャルキャラクターであるココア・シナモン（deux personnes pour une.・f39516）と月城・朱里（隷属するは一族の掟・f32669）はそれぞれ｜主《ベルカ》の言葉に頷く。
「では、はじめましょうか。ココア、シナモン」
　瞬間、自然地区には敵――オブリビオンマシンをこちらの領域に引きずり込むココア・シナモンのユーベルコード『｜戦場を現世から断絶し封鎖する《シャットアウト・コンファイン》』によって『戦場と定めた地点を特殊空間化する。一般人がおらず、周辺の全環境への損害を配慮不要とする事で味方全体の手加減を不要にする事で自身を強化する』という力が発動する。
「一般人を戦場から排除」
「空間内では建物や自然環境に被害出ても現実には影響ないから、本気でいけるよ」
「地形が抉れたりしても、元となっている『実際の自然』には影響がないらしいですね……」
「それは何より……｜軽小説《ラノベ》を読んで思いついたものらしいですが、まぁ、今回の目的である『自然地区に影響が出ないようにする』のにハマるユーベルコードがあったのは僥倖ですね」
　朱里の言葉に頷きながら、ベルカは自身のユーベルコードを起動させていく。
「では、こちらも行きますので――朱里」
「はい、存分に力を振るいください」
　ベルカからの呼びかけに、朱里も準備を整えていく。
　彼女の主であるベルカは、歴戦の武装神官にして『六番目の猟兵』。
　故に戦場を多く見ている｜朱里のご主人様《ベルカ》は、作戦立案が出来る。
「(そんなご主人様共にあるための軍師を目指してはいますが、歴史上の臥竜鳳雛や両兵衛には遠く及びません)」
　けれども、並び立つ者になる為……白虎の権能を持つ瑞獣の少女は、ユーベルコードを起動させていく。
「ご主人様の憂いは、わたしが晴らしましゅ！――『｜救極の縛鎖《バインドチェーン・マスタードレスキューイング》』！」
「常世、現世、幽世と数多ある世界より、来たれ。ここには、過去も架空も無い。我が血、我が声に応え、顕現せよ――『｜三千世界の二千本桜《ドゥミールス・フルール・デ・チェリスター》』」
　やがてベルカも｜詠唱《のりと》を唱え終え、自身の『｜罪深き刃《ユーベルコード》』を発動。
　朱里のユーベルコードは『敵性キャバリアを鹵獲し、パイロットが生体部品として非人道的に扱われていれば鹵獲と同時に救助するどこまでも伸びる《魔法鎖》を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる』封印系ユーベルコード。
　ベルカのユーベルコードは『143m半径内の敵全てを、幾何学模様を描き複雑に飛翔する、1430本の『戦場に適した様々な武具』で包囲攻撃する』広域殲滅ユーベルコード。
　それぞれ、大量のオブリビオンマシン相手に非常に相性の良いユーベルコードだ。
「(大体、年端のいかない子が生体ユニットとして使われているのですよね)」
　クロムキャバリアは、闘争の煉獄だ。
　闘争に勝利するために、余裕と倫理観のある国は真っ当に闘争の美学等を掲げられるだろう。
　しかし、倫理観のない国や余裕のない国の場合……闘争に勝利する為、あらゆる非情の限りを尽くす。
　年端も行かぬアンサーヒューマンの少年少女を『製造』し、使い捨てのキャバリアの生体ユニットとして使い潰す等『まだ優しい』方なのが業の深さを物語るというものであろう。
　ダークセイヴァーとはベクトルの違う嘆きの体現を前に、嗾けたベルカは行動を開始する。
「ココア、シナモン」
「改めて言うけど、これで問題ないよ。ご主人様」
「特殊空間化による効果は、戦場となるエリアの自然や建物に被害を及ぼさないようにするものです……」
　空間内で建物の破損や、木々の倒壊があっても元の領域の｜複製《コピー》である為、『実際の建物や木々』に被害はゼロ。
　また、特殊空間外への敵の逃亡阻止も兼ねている。
　そんな空間内で、ベルカは『｜三千世界の二千本桜《ドゥミールス・フルール・デ・チェリスター》』による広域殲滅を開始。
　オブリビオンマシンの軍勢を相手に、武具の爆撃を仕掛けていく。
「(まぁ、今回の本命は朱里のユーベルコード……私は、囮なのですよね)」
　朱里が魔力を地中に伝播させ、オブリビオンマシンの軍勢がベルカの攻勢に気を取られている間に、敵キャバリアの足元から『｜救極の縛鎖《バインドチェーン・マスタードレスキューイング》』による魔力の鎖を放出して拿捕・鹵獲。
　そのまま鹵獲して身動きの取れなくなったキャバリアから生体ユニットとなっていた少年少女を解放していく。
「これで、終わりのようだね」
「ユーベルコード、解除」
　やがて自然地区がオブリビオンマシンの選挙から解放されたことを確認したココアとシナモンは『｜戦場を現世から断絶し封鎖する《シャットアウト・コンファイン》』を解除。
　ベルカが抉った地面にも、跡一つない上に朱里の鎖は魔力の鎖である為、地面から生えていても自然地区への損傷は存在しない。
「と、救護班がやって来たね……女の子はご主人様が回復させるから、男の子優先でね」
　ベルカは既に、自身の奉じる神の権能を以て生体ユニットにされていたアンサーヒューマンの内、少女の方を回復させていく。
　ココア、シナモン、朱里の主の権能は、神の性質上異性にのみ効果を発揮する代わりに、効果は絶大だ。
　故に三人は救護班の手伝いを行い、アンサーヒューマンの少年達を介抱していく。
　希島の科学力を以てすれば快復させ、寿命問題も解決できるだろう。
「後は、安全圏に退避させるだけですね」
　既に自然地区での鹵獲・解放作戦は完了している。
　しかし未だにオブリビオンマシンの軍勢による希島への侵攻は続いている。
　保護したアンサーヒューマンの少年少女達の安全の為に、ベルカ達は救護班に率いられて安全地区へと向かう。
「さて、クロムキャバリア式のカウンセリングの準備を整えますか……三人とも、手伝って下さいね」
「わきゃりました」
「わかったよ！」
「大丈夫です」
　ベルカの言葉に、側使えの三人の少女達はヘリに乗り込みながらそう呟くのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2023年09月16日