この優しい暑さはいつまでも消えない
セフィリカ・ランブレイ
【リリア(f00408)】との合わせ描写をお願いします
以下セフィリカの行動や思考となります
水着コンテスト終了後。折角だから水場で遊びたいよねとのお話
アックス&ウィザーズにある自国、ランブレイ王都近辺には海はないし
静かな湖やどこか別の世界でレジャー施設とか……など考えもしたのだが
そうだ、リリアのお家の近く、海だったわ……近すぎて見落としてたよ
少し前まで侵略軍事国家だったランブレイは、穏健なほうに舵をとった現王派閥と方針を以前に戻したい軍関係派閥で真っ二つ!
猟兵稼業の傍ら、意識不明の両親の代行として現王派閥を拡大するために身と心を砕く日々の私!
まー、やればやるほどこれは私自身もちゃんとしないと務まらないな、なんて感じるし
こうやって王族をちゃんとやるのも、私の仕事だなって思えるんだけど
利益とか打算とか損得とか、そういう面倒な話をしたくない時もあるわけで
私のそういう事情を知ってて、時には協力してくれるリリアの提案には全面的に甘えさせてもらう事にしよう!
というわけで、海で出来る遊びをたっぷりやらないとね!
手持ちのゴーレムを水中や水上用に調整して高速のボート遊びや水中遊覧など派手に楽しく遊びつくすよ
シェル姉……は意志ある魔剣で私の相棒的な存在
『私、潮風って好かないのよね。ま、ヴィクトリアがいれば退屈しないでしょ。テキトーに遊んできなさいよ』
……との事らしい。もー、肝心な時に付き合い悪いんだから
「うーん、遊んだ遊んだ!」
「リリアの今年の水着さー、是非膝枕されながら鑑賞したかったんだよね。こう、魅惑の南半球がですね、良く見えたりするんじゃないかって」
私はノーマルではあるけど萌えやフェチズムなんかも大好きだし、かわいい女の子も愛でたいタイプなのだ
何よりリリアはこんなふうにからかったりすると可愛いからね、しかたないね
※補足情報などはヴィクトリア側と同じになります
ご一考いただければ幸いです
ヴィクトリア・アイニッヒ
【セリカ(f00633)】との合わせでの描写をお願いします。
水着コンテスト後、少しだけ空いた時間を利用しての短いバカンス。
場所は、ヴィクトリアが邸宅を構えるアックス&ウィザーズ世界の辺境にある海岸。
同居する猟兵達(旅団員)以外には人気が少ない、期せずして『プライベートビーチ』となっている地です。
イメージとしては、ヴィクトリアの下記看板イラストの様な環境です。
(https://tw6.jp/gallery/?id=50411)
一国の姫であり、倒れた父母に代わり国権の代行者となっているセリカ。
彼女の国は、『鉄エルフの国』と称される程の侵略的な軍事強国です。
そんな国の有り様を正さんとする現王の方針に従う穏健派と、覇道を推し進めんとする強硬派との間で、今の彼の国は政治闘争に揺れ動いています。
……倒れて伏す父王に代わり、政治の最前線に立つセフィリカ。彼女の心労、如何ばかりか。
そんな彼女のストレス発散の為に、今日は心ゆくまで海遊びに付き合います。
とは言え、私が積極的に引っ張る様な事はせず。あくまでも、受け身の姿勢でいましょう。
主体となるのは、あくまでもセリカの側。
私はあくまでも、優しく彼女に寄り添い続ける立場を貫きます。
……セリカが姉とした意思持つ魔剣、シェルファさんは今回は表に出る気は無いようですし。尚更、ですね。
やがてセリカが疲れれば、浜辺で彼女を優しく癒やします。
サラサラの砂に腰を下ろし、太腿でセリカの頭を受ける……膝枕(UC【陽光の癒し】)で、彼女の疲れを癒やしましょう。
「セリカ。貴女の頑張りは、共に戦う私が一番知っています」
「ですから、今日。このひとときだけは、全てを忘れてゆっくりしてくださいね……」
沈む夕日を眺めながら、身を委ねてくれる妹弟子を甘やかす。
全ては、彼女が明日からも戦い続ける意思を養うため。
敬愛する|師《せんせい》が遺した、最後の弟子。私の妹弟子であるセリカを、護る。
それが、姉弟子である私の務めですから。
「……って、セリカ? 悪戯はいけませんよ?」
私の水着に手を伸ばそうとする彼女を制止しつつ、小さくため息。
まったく。本当にもう、この娘は……。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
★補足情報
・セリカ(セフィリカの愛称)とは、師匠を同じくする同門。
・姉妹弟子であり、血の繋がらない妹のようであり、『同じ目的』の為に戦う共犯者でもある。
・ヴィクトリアの家は、アックス&ウィザーズ世界の辺境。海の見える景観に恵まれた、一軒家。
・家には多くの猟兵の娘達が同居しており、ヴィクトリア自身は彼女達の母親代わりを自認している。
・今回はそんな家にセリカを招き、彼女が安らげるように心を砕くことになる。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
不明点等ありましたら、解釈はマスター様にお任せいたします。
また、アレンジ・アドリブ等も歓迎いたします。
字数に関しても、キリの良いところで切って頂いて問題は有りません。
マスター様の作業がし易さを優先にして頂いて結構です。
以上となります。
よろしくお願いいたします。
|剣と魔法と竜の幻想世界《アックス&ウィザーズ》の辺境には、それはそれは美しい海があった。
海岸の砂浜は砂浜としか言いようのない、特有の美しき砂の敷き詰められた海岸と、そこから広がる、やや緑がかった青の水面。
水の不規則なうねりが齎す反射が独特な光の網目を美しく彩り、誰もが見ても美しい海と形容できる場所であった。
その近くに在る草原には、木々を塀として囲み、長閑な畑と、静かな風格を感じさせる、シンプルながらも大きな邸があった。
真夏の太陽を受け、やや褪せた家の壁でも何処か清廉にして優しさを匂わせる、正しく太陽の家と言えるその場所に、真夏を象徴するかのような快活な声が響いた。
「やっほーリリア!」
その声にヴィクトリア・アイニッヒ(|陽光《たいよう》の信徒・f00408)――この邸に住まう猟兵達の面倒を見ている、母親役を務めていた女性は門の前で微笑んでいた。
「ようこそセリカ。遠慮なく上がっていってくださいね」
「はーいっ」
セリカこと、セフィリカ・ランブレイ(鉄エルフの蒼鋼姫・f00633)――ヴィクトリアの妹弟子であり、ある種の『共犯者』である彼女は、屈託のない笑顔で、微笑み続けるヴィクトリアに己の存在を示すように大きく手を振っていた。
* * * * * * * * * * *
「イィィィィィッヤッホォォォォォゥ!!」
“娘”達との戯れで賑わいを見せることも多々あれど、基本的には辺境の長閑な――いわゆるプライベートビーチに分類されるそこは、どちらかといえば静かなものだった。
だが今は、黒と金の上品な――まるでナイトドレスのような水着を纏ったエルフの、それは高らかで分かり易い興奮の声が響き渡っていた。
一人の声だけでは大きく変わらないものの、そこを静かな海から喧しさすら感じる賑やかなる海としていたのは――軽快に海面を割り進む水飛沫の音と、逆風に長い金髪と水着の黒い腰布を風に泳がせる駆動音。
魔導のゴーレムが変形した水上ボートを乗りこなし、アックス&ウィザーズの世にはやや似つかわしくない、それこそ|地球《アース》と称される世界宛らの激しいボート遊びにセフィリカは昂っていた。
邸で旅に火照った体を冷まし、乾いた体を潤すや否や、心待ちにしていた海へと、水着に着替えて一直線。
目にする広がっている海の雄大さ、美しさに両腕両脚を広げ感服の声を挙げ、何をするかの幾許かの逡巡の末に、まずはと行ったのがそれだった。
照り付ける真夏の、真っ盛りな日差しが焼く肌の熱を、高速で海面を走ることで受ける逆風と水飛沫で置き去りにしていき、自らを風とすることの何と心地よきことか。
「……ふふ」
この軽快にしてとても騒がしいはしゃぎようも、咎めることもなく、ただただ微笑んでヴィクトリアは見守り肯定する。
偶にセフィリカが元気よく手を振り、それに小さく振り返し――片手を離した故にバランスを崩して転げ落ちそうになっても。
止めるでもなく、されど気をつけるように、と困ったような笑みだけで返す。
彼女が彼女の“戦場”にいる時ならば、とても考えられない振舞いもまた、微笑ましいものとヴィクトリアは思う。
何故にセフィリカ・ランブレイというエルフがこの海で激しく戯れることを、微笑ましく見守るかというと――。
* * * * * * * * * * *
――アックス&ウィザーズが某所ランブレイ。通称『鉄エルフの国』とはいわゆる軍事国家である。
ランブレイ――その名を戴くセフィリカが、国を背負う者と連なるのは言わずもがな。
かの国は発展の為の侵略を進める軍部と、大なり小なり禍根を残す侵略を改めんとする穏健派の現王家ともなればその政治的対立は想像に難くなく、旗印ともなる王家が謀略で黙らされることなどまた道理と言えるか。
その中で健全な王家の姫として、伏している父王の代わりに自ら旗印となって政争を繰り広げ常に心を砕くのも、王族の義務と割り切る他にない。ないのだが。
偶には解放されたい、心を休めたいと思うセフィリカを――時として|過去《オブリビオン》と戦うよりも辛い現在を戦う彼女を誰が責められようか。
水着コンテストも終わり、気を張るものもない状況で水遊びと洒落込みたいところではあるが、何分、王都には水辺というものがない。
なれば適当に静かな水場や、はたまた別の世界の海かレジャー施設が無難な落としどころか。前者はともかく、後者ならグリモア猟兵の手を――グリモア猟兵と思い至ったところで、セフィリカは掌に拳をポンと叩き付けた。
「……あったよ丁度良い海! 灯台下暗しってこういうことか!!」
* * * * * * * * * * *
――とまあ、思い立ったが吉日、グリモア猟兵を務め近くに海を持つ家を持っている姉弟子であるヴィクトリアに、訪問の約束を取り付けて遊びに行ったというのが此度のセフィリカであった。
ヴィクトリアとて、報せを聞いた時には若干驚いたものであるが、それでも――日々、多くのものを抱え戦うセフィリカの為に少しでも癒しになろうと、訪問を受け入れ、海を快く提供し彼女の為したいようにしているのだった。
午前を目一杯に、ゴーレムによる高速の水上ボート遊びを楽しんだかと思えば、昼食の休憩もそこそこに――午後の部から始まったものは。
「どう!? リリア!?」
また別のゴーレムの隔てる内側より覗けるのは、周囲に広がっていく海、色とりどりの魚の群れが泳ぎ回る光景、それに負けず劣らず、まるで花畑のように咲て立ち並ぶサンゴ礁の山脈。
ゴーレムを操舵しながら振り返り、返答を待つ仔犬のように――エルフでありながら、まるで尾を振るう犬のように目を輝かせ自慢するセフィリカに。
「……ええ。こういう景色も貴重だと思いますよ、セリカ」
「でしょー?」
ふふん、と鼻を鳴らすセフィリカを一切否定はしない。
実際に海中から覗ける光景は――他の文明が進んだ世界と違って、人の手が加えられていない全くの生の自然が織りなしている雄大な海中の光景は、絶景であった。
ともすれば水の中にいるということも忘れてしまいそうな、ゴーレムの中にいて、幻想と竜の世界に居て尚、幻想的と評することもできる、御伽噺のような海中の魚と珊瑚の咲き乱れる光景を巡るのは心も踊ろうか。
こういう時、何よりもセフィリカが姉とする意思ある魔剣シェルファが寄り添うものかと思われたが、訪問した時に腰に下げられていないのを疑問に思ったところ曰く。
『私、潮風って好かないのよね』
――錆びるから?
『そういうコトにしておいて。ま、ヴィクトリアがいれば退屈しないでしょ。テキトーに遊んできなさいよ』
――水入らずで?
『海水は沢山あるでしょう?』
……ノリは良くても肝心な時に付き合いの悪い相棒だ。
――と、結局置いていく羽目となったのだが、それが|魔剣《シェルファ》の粋な計らいか、はたまた本当に戦い以外の時で潮風で錆びるのを厭うたかは……魔剣のみぞ知る、というところであり。
恐らくは――とヴィクトリアが形は違えど同じ“姉”として察するものもありつつも、それならそういうことでと全てを肯定し続けるのも、また託された役目と思おうか。
「よぉーっし! 次は……」
利益、打算、損得――何をやろうとついて回る王族の責務から完全に切り離され、只管に楽しく心躍る場所を巡る。
比較的安全な海の中を、良く誂えられたゴーレムで巡る危きを侵すことのなくも、生の驚きを巡る冒険。
進路を巧みに変え、群れ為して何処へと巡る魚達を追いに行くセフィリカの振舞いと、心から楽しんでいる声と聞こえ“姉”として安心する限り。安心している、のだが。
海中に在ってというわけではないが、水を差したくはないものの、これだけは言っておかなくてはなるまい。
「暗くなる前にはあがりましょうね?」
「イエス、マム!」
妙に規律正しい軍人めいた敬礼を一つ、お節介かと思われたがその辺りはこの妹弟子はしっかりしているだろうと信じながら。
空の色が赤と染まり、水の暗きを推し進めるまで、セフィリカの引っ張ってくれる水中遊覧ツアーを共に楽しんでいくヴィクトリアであった。
* * * * * * * * * * *
「うーん、遊んだ遊んだ!」
海面に上がったゴーレムから降り、セフィリカは大きく腕を上げて体を伸ばしていた。
空は既に茜色に染まり、空の色を写す鏡のような海面も炎のような赤と染まり、青空の時では味わえない特有の美を輝かす。
散々に遊びに疲れた体を迎える、夕焼けと赤い海の美しさも楽しみながらも、セフィリカはヴィクトリアの方へと目を向け。
「というわけでリリアー、ひざまくらーっ」
「はいはい」
ヴィクトリアの返事と同時に、それでいて既に膝枕と強請られる僅かな前に、準備を整えていた彼女の膝の上へと、文字通りに転がり込む。
まるで大きな仔猫か何かのように、頬を擦り寄せ甘えてくるセフィリカの頭を愛おしく、柔らかく撫でていきながら――
「セリカ」
声の調子は何一つ、何時もの優しい呼び掛けと何ら変わることはない。
髪の毛を緩く梳き、そのままに顎から頬のラインを撫でて、存分に甘やかす動きは止めぬままに語りかける声は何処までも、甘く、優しい。
「貴女の頑張りは、共に戦う私が一番知っています」
――|高貴なる者に伴う、高貴なる義務《ノブレス・オブリージュ》。
望んで産まれたわけではないにしろ、産まれ持ったものからは逃れられない宿命であり、生きる使命。
この身が行うことに、何百、何千――数多くの民の命、安寧、繁栄が関わるという重圧は嫋やかな双肩には計り知れぬもの。
血を吐きながら続ける終わりのない徒競走であろうとも、その重荷、苦痛を――普段は表にも出さぬ、一挙手一投足が瑕疵となり足元を掬われる宮廷という魔境で戦う苦難。
ならば同じ師を持つ弟子同士であり、同時に妹にも等しく思えれば、尚更に彼女の抱える重荷、責務――何も考えずに、ただただ、楽しいだけの時間を与えても良いではないか。
「ですから、今日。このひとときだけは、全てを忘れてゆっくりしてくださいね……」
「…………んっ」
鼓膜の響きが脳の奥を揺さぶる、甘やかな感覚は動き回った筈のセフィリカの身体から、新たに積み重なった筈の疲れさえも甘く溶かして昇華させるように。
頭を撫でる|律動《リズム》も、囁かれる労いの優しい言葉も――このまま陶酔に浸り眠りに就いてしまうのも悪くはない、とも思ったが、それもそれで勿体無い。
「あっ、そうそう。リリアの今年の水着さー、是非膝枕されながら鑑賞したかったんだよね」
「……?」
穏やかで緩くなってきたかのような時の流れを、一瞬で正常なものに戻すかのような唐突なセフィリカの言に、ヴィクトリアは小首を傾げた。
水着と言われても特段変なものは無い筈だ。
確かに上下ビキニ、露出は多めの方かもしれないが猟兵の中では特段、珍しい露出でもなく、水着のデザインとて上下二つとも白のシンプルな――フリルの彩りこそやや特徴的かもしれないが。
見る場所を変えたからといって、どうなるものかと疑問にも思ったが、その答えはすぐに――うぇへへと締まりのない笑い声と共に告げられた言葉が示す。
「こう、魅惑の南半球がですね、良く見えたりするんじゃないかって」
花嫁のヴェールを解き放つように、目の前で揺れる布地のひらひらとしたことに伸ばされる指を――呆れ笑い一つ浮かべ、窘めるように柔くヴィクトリアは己の指を重ねて制して。
「……って、悪戯はいけませんよ?」
「えー、悪戯じゃないしー」
「なお悪いです。全く、もう本当に……」
――セフィリカ・ランブレイは性的嗜好は至ってノーマルである。ノーマルな筈である。
しかしそれとは別に、一種の萌えやフェティシズムなどの趣向を理解もすれば、素直に可愛い女の子を愛でたい人種でもあるのだ。愛でるとは本当に愛でるだけである。
本当に変な意味もなく、こうした“戯れ”とてセフィリカにとってはヴィクトリアの反応を楽しみ愛でる手段に過ぎないのだ。
それもこれも、彼女が可愛いから仕方がないのだ。
制するように置かれる指が簡単に逃れられるものという加減もまた、それを擦り抜けて再度伸びてしまうことにも、それを制する指の重ねられる淡きも――ますます猫じゃらしを戯れる猫のように。時折編み込まれたヴィクトリアの銀髪も指先で揺らしてみせる、黄色い声を挙げる戯れを繰り返し。
「……ねぇリリア」
「なんですか?」
不意に戯れの勢いが緩くなっては――完全に止めている訳ではないが――ぽつりと、見上げてくる瞳の僅かな曇りを伴い問いかけられれば、手指の戯れもそこそこに、ヴィクトリアはセフィリカの頬を撫でた。
「まだ……良いよね? こんな風に……」
茜差す空は否応なしに一日の終わりが近いことを物語る。
遺された時間の僅かなることへのせつなさと、それが終わり新たな日を迎えてしまえば、否応なしに彼女の戦場に戻らなければならないことも。
何事にも囚われることのなく、心を解き放ち存分に安らげる休日を楽しめるのは、浮いた心が行きつく先が必ずあるから。
旅が楽しいのは、帰る場所が必ずあるから――何処かの識者が語る言葉の通りに、彼女セフィリカにとってはそれは逃れえない枷であると同時に、己の足を落ち着ける場所でもあり。
――だけど、そこに帰るまでの|猶予期間《バケーション》は、まだ終わっていない。それを考えるのは、その後でも遅くないのだから。
しなやかに髪の毛を梳く白魚のような指先と、豊かな半球に隠れても見える慈しみの瞳が、言葉交わさずともヴィクトリアの答えとして。
そんな指先に、まるで仔猫のように甘え縋るセフィリカを宥めるようにヴィクトリアが指を踊らせながら――アックス&ウィザーズの沈み行く夕陽を眺める。
それが沈む迄、例え沈んでも眠りに就くまでの実時間にして僅かでも――存分に“濃密な”時間を過ごすことを許してくれるはずだから。
さて、日が沈んだ後はどうしてくれようか。夕食はもちろん、夜の浜辺で――考えれば考える程、遊ぶネタは尽きることがない。
――そう。まだ楽しい休日は、終わっていない。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴