●予兆:帝都タワー
大炎上!
サクラミラージュの帝都、港区にそびえ立つ『帝都電波塔』が存在する。
通称帝都タワー。
帝都の総合電波塔であると同時に、サクラミラージュ全体の通信を霊的に守護する世界最大級の鎮守塔の役割も担っている、重要な建造物である。
その周辺には数多の幻朧桜が群生し、並び建つ多くの寺社によって霊力も高められている。
帝都タワーはこの世界を守護するために必要な、絶大な神秘的な霊力を纏っている象徴的存在なのだ。
「火事だっ!!」
ある日の
丑三つ時。
その帝都タワーの周囲が……港区の街が、燃えていた。
突如襲来した影朧によって寺社仏閣に火が放たれ、周囲全域が火の手に覆い包まれているのだ。
帝都タワーに連なる家屋が次々に延焼していき、甲高い半鐘の音が響き渡る。
叩き起こされた大勢の群衆は、避難と消火と救助と……大混乱の中、懸命に動いている。
「おれの家がっ、おれの家がぁ!」「ママァ……」「絶対手を放しちゃダメよ!」「あの家の婆さんは寝たきりだっ! 手を貸せ!」「わかった! 担架は持ったか?」「くそっ、消防団はまだか!?」「こっちの道はダメだ! 野晒しの車が燃えて道がふさがってる!」「どこのどいつだ路駐しやがったのは!?」
夜の空を赤々と照らす炎の中、避難する人々が行き交うのは桜並木。
道の両脇に咲き誇る幻朧桜の間を、人々が小走りに移動している。
燃え盛る街の炎を、幻朧桜が食い止めてくれているためだ。
「くっ……すまん、耐えてくれ……」
避難誘導をしている桜の精の老人が、苦渋に満ちた表情で火が燃え移った幻朧桜を見上げる。
この中には、老人を生んだ幻朧桜もいる。彼と共に成長してきた桜も、彼の手で子どもを取り上げた桜もいる。
百年以上の人生を共に過ごしてきた、家族と呼んで差支えのない幻朧桜たち。
老木は焼け落ちるかもしれない。若木は成長に支障をきたすかもしれない。
それでも幻朧桜たちは輝きを放ち、その身に宿した霊力を振り絞って人々を火の手から守っていた。
その献身に歯を食いしばり、報いるためにいち早く避難を済ませようと老人は毅然として動いていた。―――突然、黒い焔が幻朧桜たちを飲み込むまでは。
「……は……?」
「はっはっは、ここまで霊力を落とし込めば、幻朧桜といえども容易く焼けるか」
幻朧桜が黒い焔に包まれ、焼け落ちていく。
道に倒れ込まないよう、直立したまま燃え落ちていく。
死んでいく。
呆然とした老人の横に、いつの間にか現れた影朧が立って……大いに笑う。
「うむ! 実に美しい! やはり何事も燃え尽きる寸前が一番美しい!
寺も社も実に良かったが、桜が燃える様はまさに圧巻だな!
……ふむ、景観の邪魔だな。皆の衆、燃えてくれ!」
悲鳴を上げる人々に歩兵銃を向け、黒い焔を放つ影朧。
《全てを穿ち貫く焔》はいともたやすく人々を飲み込んでいく。
軍人の装いをしたこの男こそ、焔に魅入られし外道。
黒に魅入られた者『焔村』。
此度の事件の主犯であり、実行犯であり……確信犯である。
老人の目の前で、老若男女問わず何十名もの人々が瞬く間に灰と化した。
「あ、……え……あ……?」
「ははっ、人間が燃えるのも実に美しいな! だが、本命は帝都タワーだ。
タワーを護る寺社も幻朧桜もあらかた焼け落ちた。今ならばさぞや美しく燃え盛ることだろう!
生き残りはしばし待たれよ、本懐が成った暁には、一つ残らず美しく焼いてやろう!」
「……うつく、し……? お、あ……! あうああああっ!!」
街中に火を放ち、幻朧桜を焼き殺し、逃げ惑う人々を燃やした喜色満面の焔村を見つめ、桜の精の老人は放心したままこぶしを握り締める。
放心したまま、怒りとも悲しみとも何の感情かも定まらない激情のまま、無策に焔村へと殴り掛かる。
焔村は、迫る老人を辟易するように一瞥して軍刀を突きつける。
「それほどまでに燃えたいのであれば、よかろう!」
そして、何もなくなった並木道を踏み荒らして。
焔村は帝都タワーへ向けて、黒い焔を身に纏い悠々と進軍する。
●招集:火の魔の手から守れ!
「エブリワン! サクラミラージュで惨事の予知がありマシター! 救援を要請しマース!」
看板を掲げて猟兵たちに声をかけるのは、グリモア猟兵のバルタン・ノーヴェだ。
プロジェクターが投影するのは、赤い炎と黒い焔に包まれた帝都の姿。
帝都が誇る帝都タワーが、黒い焔に包まれて燃えている光景だ。
「犯人は生前は軍人であり、今や各地で放火事件を引き起こしている影朧!
黒に魅入られた者『焔村』!
彼奴は帝都タワーを守護する寺社に放火し、幻朧桜の群生地を焼き払うことで帝都タワーの霊力による加護を削ぎ落し、焼き落そうと画策しているのであります!」
もしも帝都タワーが炎に包まれてしまえば、サクラミラージュの通信網に途轍もない混乱が生じることだろう。
それによって引き起こされる損害は計り知れず、復興までに莫大な予算と途方もない年月を費やすことになる。
何より、数えきれない人的被害が生じることになるだろう。
被害の中には、帝都で咲き誇る幻朧桜たちも含まれる。
この事件を防げなかった時、どれほど凄惨な事態に陥るのか……想像に難くない。
「不幸中の幸い、現時点では焔村は放火を開始した直後デース!
現地に急行して消火活動を行い、焼かれて廃墟になりかけている寺社仏閣をリフォヲムすれば、霊的なパワーの削減を未然に防ぐことができマース!」
猟兵の力を振るって建物の消火と再建を同時並行すれば、帝都タワーに供給される霊力を損なうことは防げる。
上手く立ち回れば、霊力の一部を猟兵たちに分け与えてくれるかもしれない。
そうすれば、焔村と対峙する際に有利に働くだろう。
「皆様によって寺社仏閣を守りきれば、次は焔村の撃破となりマスガ……。
未然に防いだことで、奴は幻朧桜に火を放ちながら帝都タワーへ向けて逃走することが予期されマース!
放置する訳にはいきマセンガ、霊力が十分に残っている状態であれば幻朧桜たちも炎に耐えられマース!
周囲に延焼しないよう消火したり、近隣の人や取りすがりの影朧がパニックに陥らないよう鎮めてくだサーイ!」
寺社が健在であれば、幻朧桜も予知のように容易く燃え尽きることはない。
焔村も目的の帝都タワーに着く前に猟兵と戦いたくはないだろう。
霊力を有する幻朧桜を鎮火させることは命を守るだけでなく、帝都タワーを護ることにもつながる。
「焔村の行きつく先は帝都タワー!
おそらく外の鉄骨を飛び回り、上から火の手をばら撒こうとするデショー!
夜中デスシ、事前に人払いの連絡は帝都桜學府を通じて行っておきマス!
遠慮なく叩き潰してくだサーイ!」
寺社と幻朧桜を守ってここまで来たならば、霊力による加護が帝都タワーを護る。
そして、その加護は帝都を守ろうとする猟兵たちにも与えられるだろう。
足場に不安こそ残るが、焔村を討つには不足はないはずだ。
「それでは、速度が重要な今回のミッション!
帝都を、サクラミラージュを守るために! よろしくお願いするであります!」
そして、バルタンはグリモアを起動して現地へのゲートを展開する。
その先は、夜の帝都。各所で火の手が昇り始める、港区。
焔に魅入られた魔の手を防ぐための戦いが、始まる。
リバーソン
こんにちは。リバーソンです。
マスターとして皆様に喜んでいただけるよう、つとめさせていただきます。
今回の舞台はサクラミラージュの帝都、港区にそびえ立つ帝都タワーです。
街に火を放ち、無尽蔵の被害を引き起こそうとする影朧、『焔村』を撃破することが目的です。
第一章:焔村によって放火された寺社仏閣の消火と再建を行ってください。
港区の帝都タワーを守護する建物をリフォヲム(リフォーム)することができれば、霊力を確保することができ第三章で優勢になります。
プレイングボーナスはありません。また、「消火」と「再建」の片方だけでも何とかなるかもしれませんが、できれば両方とも行っていただけると安心します。
第二章:紅蓮に包まれる幻朧桜の群生地にて、消火活動を行ってください。
猟兵の出現を察知した焔村は、手当たり次第に幻朧桜に火をつけて逃げます。
幻朧桜たちは周囲に延焼させないようその身に炎を纏わせて食い止めておりますが、近隣の人が巻き添えに遭ったり取りすがりの善良な影朧が狂乱する危険があります。
しっかりと鎮火して事態を収拾することができれば、霊力を確保することができ第三章で優勢になります。
プレイングボーナスはありません。
第三章:黒に魅入られた者『焔村』との戦闘です。
焔村は帝都タワーを燃やすことが第一目標であるため、障害となる猟兵を排除するために積極的な攻撃を行います。
鉄骨でできたタワーを縦横無尽に飛び回りながらできるだけヒット&アウェイで襲い掛かります。
第一章・第二章で寺社や幻朧桜を守ることができていれば、帝都タワーを守護する霊力を与えられて有利に立ち回ることができます。
プレイングボーナスは、『霊力による加護を活かすこと』です。
また、焔村と同じようにタワーを飛び回りながら応戦した場合にもプレイングボーナスを得ることができます。
登場人物:サカイ老人。ご高齢の桜の精の男性です。
帝都タワー周辺にある幻朧桜の群生地を管理しているお爺さんです。
話し相手や水やり、生まれてきた桜の精の世話をしているだけだと本人は告げており、この夜も習慣の見回りをしている様子です。
場合によっては第二章で登場するかもしれません。
オープニング公開後、断章を公開します。
プレイングの受付期間はタグにてお知らせいたします。
皆様、よろしくお願いいたします。
第1章 日常
『廃墟再生』
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POW : 重機要らずの筋力を活かしてリフォヲムだ!
SPD : 職人顔負けの技術を活かしてリフォヲムだ!
WIZ : 科学者並みの知能を活かしてリフォヲムだ!
👑5
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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●断章:惨劇の火種。
丑三つ時の帝都に、一体の影朧が姿を見せる。
軍服に身を包み、銃と軍刀を装備した男の名は、『焔村』。
生前にある存在の影響で焔に魅入られ、外道と化した元軍人。
万物は燃え尽きる寸前が一番美しい、その思想を行動指針に各地で放火事件を引き起こしているオブリビオンである。
「さて、さてさて。今宵はいい天気だ。風が強く、雲もない。
月明りの下、さぞや炎は映えるだろう!
人よ、桜よ、世界よ! その姿が燃え尽きる様を見せてくれ!
何よりも美しく何よりも輝かしく何よりも素晴らしいその最期の時を、魅せてくれ!」
一片の慙愧の念も感じさせない純粋な眼差しは、手近な寺社の屋根を見据える。
焔村のユーベルコヲドにより、次々に建物が燃え広がっていく。
各地で火の手に気づき、声を荒げる人々の騒めきを背に浴びて。
黒に魅入られた者は人込みに紛れつつ、意気揚々と火の手を広げて行く。
そして、その惨劇が広がる前に……猟兵たちは駆け付けた。
鳴上・冬季
「塒を襲撃されるほど業腹なこともありませんね」
「出でよ、黄巾力士水行軍・改!」
・砲頭と金磚から水流弾連射し消火活動16体
・近隣住民にオーラ防御し避難誘導15体
・残った資材や追加資材で復旧作業16体
飛来椅と金磚を追加装備した上記3班を1隊として計141体黄巾力士召喚
自分と普段連れ歩く黄巾力士は風火輪と飛来椅で飛行し戦場俯瞰
特に燃え盛っている場所へ黄巾力士隊投入
消火再建に当たらせる
自分は仙術で雨雲喚び局地的豪雨
燃え盛っている寺社仏閣や幻朧桜、近隣住宅への消火活動と延焼防止に努める
「国を荒廃させるに火計は確かに有効ですが。そんなに火遊びが好きなら、見つけ次第骨も残さず焼き尽くして差し上げよう」
嗤う
御園・桜花
「今上帝の御膝下に、何て事を」
UC「精霊覚醒・虹」
飛行し火事場へ急行
氷の精霊に氷結弾を炎に連射させて消火活動をしたり(但し水蒸気爆発が起きないよう閉鎖空間がある場所には使わない)
風の精霊に人が居ない場所の空気を一瞬で奪わせ真空状態にして鎮火させたり鎌鼬で延焼しそうな可燃物を切り落とさせたり
土の精霊にその一帯に土砂を被せさせて鎮火させたりする
(人や猟兵が居るか居ないか
燃えている場所の高低差等
状況で精霊を使い分ける)
「私は桜學府所属のユーベルコヲド使いです」
鎮火後直ぐ地区の派出所へ
派出所から桜學府にも応援依頼後住民の避難場所確認
避難民の中に大工等建築関係者が居るか呼び掛け片付けと応急措置手伝い依頼
●終始微笑み、躍動して。
「今上帝の御膝下に、何て事を」
「塒を襲撃されるほど業腹なこともありませんね」
鳴上・冬季(野狐上がりの妖仙・f32734)と御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)。
転生を繰り返した大妖怪『迅雷公』と、幻朧桜による転生について日頃から思考している桜の精は、火の手が上がる街並みを前にして強い感情を奮わせて肩を並べていた。
『焔村』に放火された寺社仏閣が数多くある中、初期に火を付けられたためにもっとも勢いよく燃え盛っている区画へ向かい、二人はユーベルコードを展開して消火活動を開始する。
「出でよ、黄巾力士水行軍・改!」
冬季が素早く繰り出すのは、《黄巾力士五行軍・改(コウキンリキシゴギョウグン・カイ)》。
自作の宝貝を装備した五行属性の黄巾力士を召喚するユーベルコードにより、多数の黄巾力士が顕現する。
時速715kmで飛翔できる黄巾力士の軍勢を15,16体ずつに班分けして、三班一部隊として三つに分割して運用する。
「おお……! 何と、助かったのか!」「ありがたや、ありがたや……!」
砲頭や銃器型宝貝『金磚』から水流弾を連射して消火活動をする部隊。
神主や住職たちをオーラ防御で保護し、避難誘導の補助をする部隊。
そして、消火と避難を済ませた焼け跡に資材を運び込み、復旧作業を行う部隊。
黄巾力士の飛行用宝貝『飛来椅』による空中機動を組み合わせて、140体を越える黄巾力士たちが港区の街を飛び交っていく。
「我は精霊、桜花精。我が呼び声に応えよ七精霊。
炎氷嵐磐雷光闇の呼び覚まされし力もて、我らが敵を討ち滅ぼさん!」
そして、桜花が堂々と披露するのは、《精霊覚醒・虹(セイレイカクセイ・コウ)》。
最高時速14200kmで飛翔する能力で火事場へと急行し、桜の花びらの刻印がある『桜鋼扇』から高速・多重詠唱で七精霊たちを召喚して巡っていく。
生じた数多の精霊たちの属性は多彩であり、氷結弾を連射して火の勢いを和らげて、風の力でひと気が無いことを確認したうえで空気を奪い酸素のない真空状態を生み出して、そして土の精霊が土砂を蠢かせて壁を作っていく。
黄巾力士と連携して、火災現場の状況に合わせて放水消火による被害が出ないよう下地を整えて回っていく。
「残念ながら永続性はありませんが、消火再建は黄巾力士隊を投入すれば間に合うでしょう。
さて」
ほどなくして。
冬季と桜花が巡った箇所に限らず、後続の猟兵たちによる消火具合や避難の進捗を見計らい、普段連れ歩く黄巾力士に『風火輪』と『飛来椅』を用いらせて飛行している冬季は嗤う。
帝都上空から町全体を俯瞰して、冬季は仙術で雨雲を喚び出して局地的豪雨を作り出す。
なおも燻っていた寺社仏閣や幻朧桜、近隣住宅への消火活動と延焼防止に努める。
白い煙があちこちに立ち込める中、《精霊覚醒・虹》により飛翔する桜花は精霊の力で降り注ぐ雨水を避けつつ、地区の派出所に降り立った。
火災の報を聞きつけて出動していた駐在員や集まっていた消防団の面々が、颯爽と現れた桜花に驚いて注目する。
「私は桜學府所属のユーベルコヲド使いです。他の仲間たちもすでに活動中です。皆さんは直ぐ住民の避難場所の確認を。
それと、大工等の建築関係者の方に呼び掛けてください。各地の鎮火後に速やかな片付けと応急措置の手伝いを依頼いたします」
「っ! 了解! 直ちに回ります!」「わかった! すぐ呼んでくる!」
彼らに向けて堂々と放った桜花の言葉に従って、きびきびと人々が動き出す。
混乱することなく秩序だって動く彼らの働きにより、避難所に駆け込む多くの人々を安心させることができるだろう。
伝達を済ませた桜花が飛翔すると、大雨を制御している冬季と合流して視線を交わす。
「国を荒廃させるに火計は確かに有効ですが。
そんなに火遊びが好きなら、見つけ次第骨も残さず焼き尽くして差し上げよう」
「ええ。此度の犯人、決して逃しはいたしません」
冬季と桜花は、互いに嗤って、笑って、視線を交えるのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴

フィーナ・シェフィールド
アドリブ連携OK
「タワーに、幻朧桜に火をつけるなんて…っ」
普段は怒りを表に出すことはありませんが…。
わたしの大切な人もこの世界に生きる桜の精。
帝都に、幻朧桜に手を出す存在は、何であろうと許しませんっ!
「ドローンセット!!」
【Walkure Attack!】を発動、シュッツエンゲルとツウィリングス・モーントの2種類のドローンを総動員、自らも一緒に近くの水源から水を運び、また音圧の衝撃波で炎を吹き飛ばして消火します。
消火が終わった後は引き続きドローンと共に建築資材を運搬。
これまでの経験で身につけた破魔の力と結界術の知識を駆使して寺社仏閣が霊力を取り戻すのに最適な再建箇所を見出し、修復を手伝います。
黒木・摩那
こんな街中で火を付けて回るとか確信犯は厄介ですね。
犯人を追跡するのはともかく、まずは火の勢いを止めないといけません。
ドローン『マリオネット』を帝都上空に滞空して、火事の状況を把握します【情報収集】。
状況把握ができたら、火の勢いが強いところを抑えます。
UC【胡蝶天翔】を発動して、周辺の無機物、砂や鉄を蝶に変換して、火に飛び込ませます。蝶が死ねば元の無機物に戻って、火を覆う形になるので、これで勢いを抑えます。
次に応急処置。燃えた跡の建物も同様に蝶を集めて変換を解くことで、穴を塞いだり、補強をしていきます。
この蝶、電波妨害の作用もあるので、集めすぎないように、うまく穴を作る形で使っていきます。
●巧みなる無機使い。
「タワーに、幻朧桜に火をつけるなんて……っ」
「こんな街中で火を付けて回るとか確信犯は厄介ですね。
犯人を追跡するのはともかく、まずは火の勢いを止めないといけません。
協力してあたりましょう、フィーナさん」
彼岸桜の花と天使の翼を持つサクラミラージュ生まれの少女、フィーナ・シェフィールド(天上の演奏家・f22932)は普段は怒りを表に出すことはあまりないが、今この時ばかりは噴き上げる感情を抑えることはできない様子だ。
激情を露わにするフィーナとは対照的に、卓越した
超能力者である黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)は冷静に状況を見定め、燃え盛る火の勢いの強いところを調べるため索敵ドローン『マリオネット』を帝都上空に滞空させていた。
他の猟兵たちもまた消火活動と避難誘導を行っていることを把握し、摩那はフィーナと共に行動を開始する。
「ええ、摩那さん。わたしの大切な人もこの世界に生きる桜の精。
帝都に、幻朧桜に手を出す存在は、何であろうと許しませんっ!
ドローンセット!! レッツ、ダンシング!」
フィーナの意気込む呼び声に応じて展開されるユーベルコードは、《Walkure Attack!(ワルキューレ・アタック)》!
フィーナが操縦するドローンたちの飛行速度や反応速度、出力とあと装甲を増強する効果を遺憾なく発揮して、自在に宙を舞う数十枚のマルチドローンプレート『シュッツエンゲル』と、AI搭載で宙を自在に動く二対のスピーカードローン『ツウィリングス・モーント』の二種類のドローンの群れを総動員する。
摩那が『マリオネット』から得た情報をもとに『シュッツエンゲル』たちが近くの川や池といった水源から水を運び、『ツウィリングス・モーント』が音圧の衝撃波で炎を震わせ霧散させて吹き飛ばして消していく。
フィーナ自ら懸命にドローンを操縦している隣で、摩那もユーベルコードを発動する。
「天に漂いし精霊よ。物に宿りて我に従え。姿さずけよ」
それは、摩那自身から半径142m以内に存在する無機物を、各種センサーを妨害する能力を有する黒い蝶の群れに変換して操作するユーベルコード。
《胡蝶天翔(パピヨン・ノワール)》。
周辺に存在する砂石や金属片を蝶に変換して、次々に火の中に飛び込ませていく。
ユーベルコードを解除すると蝶は元の無機物に戻る性質を利用して、蝶が焼かれて死ぬことで元の無機物に戻して火を覆う形になっていく。
羽ばたく蝶たちが次々に、物理的に火の勢いを抑えこんでいく。
「おっと、集め過ぎないように」
また、《胡蝶天翔》には各種センサー、すなわち電波などの通信を妨害する作用もあるので、蝶を集めすぎないようにうまく穴を作る形で使っていく。
空いた穴から火が漏れぬよう、『シュッツエンゲル』が水を注ぎ込むことで消火作業は順調に完了した。
「さあ、ここから立て直しましょう」
「この後のことも考えれば備えておく必要がありますね」
担当していた区画の鎮火を済ませたフィーナと摩那は、引き続きドローン群と黒蝶を操って建築資材の運搬を行う。
フィーナはこれまでの経験で身につけた破魔の力と結界術の知識を駆使して、寺社仏閣が霊力を取り戻すのに最適な再建箇所を見出して修復を手伝っている。
摩那も、焼け落ちた建物に《胡蝶天翔》を用いることで、同様に蝶を集めて離れた場所で変換を解いて廃材の撤去を進めて行く。
そうして二人は住職や神主、本職の大工たちが戻ってくるまでにリフォヲムをしやすくするための準備を整えて、建物の補強を済ませていく。
仲間の猟兵が降らせた雨が火災の残滓を鎮める様子を確認して、フィーナと摩那は寺社仏閣の再建に貢献するのだった。
成功
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人型影朧兵器第壱号・仮面イェーガー
(『桜嵐号』に乗って現場に駆け付ける)
何ということを…ッ!
ともかく今は消火活動をしなければ…『影朧ドライバー』起動、変身ッ!!
ここは危険ですから逃げて下さいッ!
避難誘導しながら火の手に駆け寄る。そして気合いの込めたパンチの風圧による衝撃波で吹き消すぞッ!
放火された寺社仏閣の消火できたら次はリフォヲムだ。
【猟兵パワーハンド】を発動して、重たい木材等を持ち上げて組み立てていくぞ。
応急処置はこんなものでいいんだろうか?
修繕が完了したら幻朧桜を焼こうとする火の手をパンチやキックの風圧で消していくぞッ!
これ以上、オブリビオンの思い通りにはさせないッ!
【技能・気合い、衝撃波、怪力】
【アドリブ歓迎】

巨海・蔵人
アドリブ絡み歓迎
◼️心情
初サクラミラージュ!
通信インフラしっかりしてるし桜ものるすたじヰな良い感じだし食べ物も美味しそうだし、良いところだよね。
まぁ、今は先にインフラ破壊とか見過ごせないから全部後回しだけど
◼️うちこわ?し
緊急事態だし名乗りは後で、まずは延焼の予防からだね、
UCで呼んだのと連れてるドローン達と一応避難してなかったり火を消そうとしてる人を確保、この後の事を考えると危ないからね。まずは世界観的にも丁度良いのがあったからいくよー
融点摂氏八十度、煮えたぎる寒天すぷらっしゅ(攻撃力はない)水分たっぷりだし今のうちに寒天ごと切り出して、仮補修、鎮火を確認したら直してくよ、お菓子は使わないで
魔法少女・マジカルガール
リバーソンマスターにおまかせします☆かっこよくて可愛い魔法少女・マジカルガールをお願いします♪
「魔法少女・マジカルガール!はっじまるよ〜っ!(番組タイトルコール」
マジカルカメラで撮影開始☆
マジカルステッキから放つ、マジカルハートの魔法でみんなを笑顔にしちゃうよ♪悪者は絶対に許さないんだから!テレビの前のみんなも、応援よろしくね☆
ユーベルコードは指定した物を使用し、みんなの夢を守る愛と正義の魔法少女として多少の怪我は厭わず他の猟兵や困っている人々を助ける為、積極的に行動するよ☆また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしないよ!
あとはおまかせ♪よろしくおねがいします☆
●超弩級戦力たちの活躍シーン。
「何ということを……ッ!
ともかく今は消火活動をしなければ……『影朧ドライバー』起動、変身ッ!!」
究極性能の桜色のフォーミュラカー『
桜嵐号』に乗って現場に駆け付けたのは、帝都の闇に潜む秘密結社に拉致され飛蝗影朧の因子と融合した改造人間。
人型影朧兵器第壱号・仮面イェーガー(怪奇飛蝗ヒーロー・f40310)だ。
燃え盛る寺社仏閣を前にして、すかさず影朧因子を制御する為の影朧エンジン搭載型ベルト『影朧ドライバー』を起動して、彼は変身する。
彼こそ、人々の自由と平和を護る為、飛蝗を模したフルフェイスマスクを被り《仮面イェーガー》を名乗り戦う猟兵なのだ。
「初サクラミラージュ!
通信インフラしっかりしてるし桜ものるすたじヰな良い感じだし食べ物も美味しそうだし、良いところだよね。
まぁ、今は先にインフラ破壊とか見過ごせないから全部後回しだけど」
おっとりとした様子で駆け付けたのは、巨漢のバイオモンスター素体で構築された男性型ソーシャルディーバ試験用機。
巨海・蔵人(おおきなおおきなうたうたい・f25425)は初めて訪れたサクラミラージュの夜桜に目を向けて、そして燃える街並みに意識を向けて、対処するために行動指針を思案している。
「魔法少女・マジカルガール! はっじまるよ〜っ!」
そして、番組開始のタイトルコールと共に現れて、透明な自動飛翔撮影機『マジカルカメラ』で撮影を開始するのは魔法少女・マジカルガール(
魔法少女王国のお姫様・f38569)。
皆の願いを叶える『マジカルステッキ』から放つ邪悪や心を浄化する『マジカルハート』の魔法でみんなを笑顔にしてくれる愛と正義の魔法少女である。
「……いいね。撮らせてもらってもいいかな?」
仮面イェーガーとマジカルガール。
二人の猟兵が並び立つ様子を眺める蔵人が眼鏡をキラリと輝かせ、『テレビウム・ドローン』による撮影の許可を取ろうとする。
放映の是非は、二人次第となるだろう。
「僕の名は猟兵……仮面イェーガーと名乗らせてもらうッ! 行くぞ!」
「愛と正義の魔法少女マジカルガール、ただいま参上☆ みんな、応援よろしくね♪」
「頑張れ、仮面イェーガー! 頑張って、マジカルガール!」
カメラの向こうにいる視聴者と蔵人の声援を浴びつつ、仮面イェーガーとマジカルガールは炎に包まれた街の中へ突入していく。
「さてと。まずは延焼の予防からだね。ここからは、みんな楽しい夢の塔。
かわいいミニパンダ師匠とアシスタントテレビウムドローンの共演をお楽しみ」
火災現場に到着した蔵人は、131体のお料理用パンダ型ドローンとテレビウム型ドローンの集団を展開する。
使用したのは、《遥かに望む夢と理想の巨塔(パンダ師父監修)(クッキングマスター・パンダマジック)》。
お菓子建材を作り、状況を楽しむのに必要な属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築くことのできるドローン部隊を召喚するユーベルコードだ。
大量に展開したドローンによって、懸命に消火活動に参加している家人や寺社の関係者を探し出していく。
「ここは危険ですから逃げて下さいッ!」「かっけぇ……!」
「大丈夫だよ! わたしたちにまかせて!」「かわいい……!」
そして仮面イェーガーとマジカルガールはドローンたちと協力して、避難が遅れている人や逃げ遅れた人がいないよう、漏れなく見回っていく。
颯爽と要救助者を確保して、ヒーローと魔法少女の呼び掛けによって人々は速やかに安全な場所まで誘導されていく。
目を輝かせる子どもたちの視線を浴びてより一層やる気になった猟兵たちは、人のいなくなった燃える建物に向き直る。
「いっくよー! マジカル☆スプラーッシュ!」
「世界観的にも丁度良いのがあったからいくよー」
「オオオオオオォォッ!!! イェーガー……パンチッ!!!」
マジカルガールの水属性魔法の照射と、料理用パンダ型ドローンが用意した融点摂氏八十度の煮えたぎる寒天によるダブルスプラッシュが、次々に火の手を抑えていく。
レーザーのように放たれる無限魔力の流水と、水分たっぷりの寒天による固形物により火の勢いはみるみるうちに弱まっていく。
そして、トドメに仮面イェーガーが火の手に駆け寄り、気合いの込めたパンチの風圧による衝撃波で吹き消した。
「よし! 消火確認!」
三人は鎮火が完了して廃墟になりつつある寺社仏閣へ踏み入り、すかさずリフォヲムを行っていく。
仮面イェーガーは100t以上の対象を掴んで持ち上げることのできる《猟兵パワーハンド(イェーガーパワーハンド)》を駆使して、焼け落ちた残骸を撤去したり重たい資材を持ち上げて組み立てたりと、力仕事に協力する。
蔵人は食べれば無くなってしまうお菓子建材は使用せず、ミニパンダ師匠とアシスタントテレビウムドローンたちに指示を出して建築能力を発揮させて補修を手伝っていく。
そんな二人が懸命に頑張る様子を、マジカルガールは《グッドナイス・ブレイヴァー》で召喚した動画撮影ドローンで視聴者たちにお届けしている。
これは好感度アップになりますね。
「応急処置はこんなものでいいんだろうか?」
「うん! お疲れ様! カッコイイよ♪」
「いいと思うよ。じゃあ、ここいらでカットを入れよう」
最後に、一部始終を撮影していた『テレビウム・ドローン』と『マジカルカメラ』の前に三人は並び立ち、揃ってポーズを決める。
それは、この先の戦いに備えてパワーアップするための布石。
《グッドナイス・ブレイヴァー》によって活躍する様子を視聴者に配信することで、彼らの応援によって武器や防具が強化されるからだ。
決して、数字のためだけではないのです。
「これ以上、オブリビオンの思い通りにはさせないッ!」
「悪者は絶対に許さないんだから! テレビの前のみんなも、応援よろしくね☆」
「皆のイイねが僕の力、愉快なバイオモンスター蔵人君もよろしくね」
消火が間に合ったことで元気に咲き誇る幻朧桜の輝きを背景に、振り始めた雨の下で仮面イェーガー、蔵人、マジカルガールはサクラミラージュの人々を安心させるのだった。
大成功
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ティオレンシア・シーディア
うっわあ傍迷惑も極まれりねぇ…
この手の輩ほど無駄に実力と行動力と判断力あるからタチ悪いわぁ…
リフォヲムかぁ…あたしただの人間で知識も人並み程度だし、物理的な方はお任せしようかしらねぇ。
ゴールドシーンにお願いして●酖殺起動、描くのは
水を表す魔術文字。更にラグの別意と
孔雀明王印を重ねて
アンサズで補強、一帯に○浄化の雨を降らせるわよぉ。
浄化だけなら
五大明王印や烏枢沙摩明王印なんかのほうが強力だけど、属性が火行に寄るし今回はパス。
ラグの更に別意は「流れ」。霊脈なんかもぐっちゃぐちゃでしょうし、多少は流れを整えられるんじゃないかしらぁ?
幸徳井・保春
延焼の防止と避難経路の確保。とにかく人手が必要だな。その辺りも桜學府が全力で支援しよう。
【學徒出陣】で夜勤の同胞を集結させて、物量で消火や取り残された仏像などの確保など各自対応に当たってもらう。暴風雨で強引に消しにはいかぬ、風で炎を煽って被害を更に広げるだけだ。
無事に火を消し止めた班から順次、犯人の退路も塞いでいこう、狙いは帝都タワーというならその周囲を張ってれば確実にかかるはずだ。
付け火は死罪、簡単で助かるな。
●リフォヲム完遂、霊力満タン。
「うっわあ傍迷惑も極まれりねぇ……。
この手の輩ほど無駄に実力と行動力と判断力あるからタチ悪いわぁ……」
アックス&ウィザーズのとある都市にあるBar『黒曜宮』のマスターにしてバーテンダー。
ティオレンシア・シーディア(イエロー・パロット・f04145)は頬に手をあて、『焔村』の狼藉に憮然とした様子を見せていた。
燃える寺社仏閣を見つめる彼女の傍らには、帝都桜學府に所属する學徒兵の一人にして由緒正しい旧家の嫡男、幸徳井・保春(栄光の残り香・f22921)が佇んでいる。
乗り付けた『ダルマ自転車』から降りた保春は、グリモア猟兵から受けた命令を承諾する。
「延焼の防止と避難経路の確保。委細承知。直ちに対応に入る」
「浄化だけなら
五大明王印や
烏枢沙摩明王印なんかのほうが強力だけど、属性が火行に寄るし今回はパスね。
それじゃあ始めましょうかぁ」
随所で活動する猟兵たちの動きに合わせ、二人の超弩級戦力が行動を開始する。
「とにかく人手が必要だな。その辺りも桜學府が全力で支援しよう」
保春が展開するのは、《學徒出陣(ガクトシュツジン)》。
命令を承諾すると保春の周囲に幻朧桜の花吹雪が出現し、命令を完遂するか24時間経過するまでの間、保春の全技能が100レベルになるというユーベルコードだ。
花吹雪を纏った保春は、すかさず同胞たちへ連絡を取った。
「こちら幸徳井、応援願います」「「「委細承知!」」」
保春の要請を受け、夜勤の學徒兵たちが次々に駆け付け、集結していく。
そして統率の取れた動きで消火活動と住民の避難、仏像などの文化財の保護などを行っていく。
《學徒出陣》により高レベルに達している保春の指揮能力が十全に振るわれ、的確な連携で火災の被害を抑えていく。
「採算ブン投げた大盤振る舞いだもの。逃げ場なんてないわよぉ?」
保春の傍にいるティオレンシアは、シトリンの付いたペンの形をした鉱物生命体『ゴールドシーン』にお願いして《酖殺(リージョン)》を起動する。
その効果は、戦場全域に雨霰と聖水と浄化の魔術文字を降らせ、戦場全体が魔を祓う浄化の聖域と同じ環境に変化させるというものだ。
敵に与えるダメージこそ微量だが、即効性があり効果範囲が格段に広いユーベルコードである。
「ラグの更なる別の意味は、『流れ』。
霊脈なんかもぐっちゃぐちゃでしょうし、多少は流れを整えられるんじゃないかしらぁ?」
『ゴールドシーン』が描くのは、
水を表す魔術文字。
浄化の魔術文字であるラグと水天印に
孔雀明王印を重ねて
アンサズで補強し、港区一帯に浄化の雨を降らせていく。
霰が鎮火を助けると共に、聖水がティオレンシアの狙い通りに大地に染み込んでいく。
浄化の雨水はオブリビオンの放った黒い焔によって痛んでいた霊脈を癒し、その流れを正常なものへと整えていく。
他の猟兵が仙術で生み出した豪雨と合わさって、町全体に清らかな水が浸透していき、魔を祓う浄化の聖域として包まれていく。
その環境に適応した猟兵たちの行動成功率が上昇して、消火も避難も、そしてその後のリフォヲムも万全の状態で組み上がっていく。
「無秩序な暴風雨で強引に消しにいくのは、風で炎が煽られて被害を更に広げるだけだが……。
なるほど、雨霰であれば効果的だな。見事な御業だ」
「どういたしまして。さて、とぉ。
リフォヲムかぁ……あたしただの人間で知識も人並み程度だし、物理的な方はお任せしようかしらねぇ」
「ああ。任されよ、ティオレンシア殿」
ティオレンシアの制御する雨の下で、数多くのドローンや猟兵たちと共に學徒兵たちは燃やされた寺社仏閣のリフォヲムを行っていく。
無事に保護され招集された大工などの専門家も保春の指揮下に入り、瞬く間に焼かれた街並みが元の様子へと整っていく。
再建された建物や保護された品物により、帝都タワーを守護するために必要な霊力は十分に確保されている。
そして、猟兵たちの活躍を認知していた幻朧桜たちにより……この後の戦いで猟兵たちに霊力が供与されることになるだろう。
「無事に火を消し止めた班から順次、犯人の退路も塞いでいこう。
狙いは帝都タワーというならその周囲を張ってれば確実にかかるはずだ」
「そうねぇ。放火犯を追いかけて、追い詰めて……ツケを払わせなくちゃねぇ」
「付け火は死罪、簡単で助かるな」
仲間たちと共に再建を完遂した保春は、ティオレンシアと共に世界最大級の鎮守塔、帝都タワーに視線を向ける。
學徒兵や他の猟兵が召喚した無機物の軍勢に追い立てられている影朧、焔村はそこへ向かって並木道を駆けているようだ。
ティオレンシアと保春は、焔村が通るだろう幻朧桜の群生地に足を向けるのだった。
大成功
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第2章 冒険
『紅蓮桜花』
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POW : 水をかけたり消火活動をする
SPD : 見物人に被害が出ないように警備する
WIZ : 原因となる影朧の魂を鎮める
👑7
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●断章:紅蓮桜花の並木道にて。
黒に魅入られた軍人たちを伴って、黒い焔を身に纏った男が幻朧桜の桜並木を全力で疾走している。
「まさか超弩級戦力がここまで早く展開されるとは!
帝都桜學府を侮っていた訳ではないが、見通しが甘かったと認めざるを得まい!」
帝都タワーを燃やすために港区に火を放った
影朧。
黒に魅入られた者『焔村』は額に汗をにじませながら、帝都タワーに向けて一目散に駆けている。
ゆっくりと町中に火をつけて回り、霊力が損なわれて弱った幻朧桜を焼き尽くし、加護を失った帝都タワーを焼き落すという焔村の計画は初動でとん挫した。
寺社仏閣は素早く再建され、猟兵たちが降らせた雨により建物も木々も湿気て火の着きが悪く、猟兵たちが手配したドローンや帝都桜學府の學徒兵たちにより移動経路を制限され、焔村は当初の目論見を大幅に変更することを強いられていた。
すなわち、帝都タワーに籠城しての待ち伏せだ。
超弩級戦力である猟兵たちを退けることができれば、挽回することはできる。そう考えて、必死になって移動しているのだ。
そして、移動しながらも歩兵銃を構え、焔を周囲の幻朧桜に放っている。
「少しでも霊力を削ぎ、奴等の足を止めねばな!」
寺社から霊力を供給されている幻朧桜たちは、多少の火の手であれば耐えられる。
無論ユーベルコードによる黒焔を浴び続ければ限界を迎えることになるのだが、猟兵から逃げている焔村は足を止める余裕はなく、手当たり次第に火をつけて通り過ぎていくばかりだ。
そのため、火をつけられた幻朧桜たちは周囲に延焼させないようその身に炎を纏わせて食い止めている。
人に、街に、善良な影朧に、そして他の生命たちに火が回らないように。
「な、何事じゃこれは!?」
焔村とその手勢が駆け抜けていった後、燃える幻朧桜の並木道に桜の精の老人が通りかかった。
火事が起こった報を聞いて、幻朧桜たちが無事かどうか見回りに来たところ、ご覧の現場に遭遇したようだ。
目を剥いた老人は防火用バケツを探し、水を汲んで消火に廻ろうとしている。
「待っておれ、すぐに消してやる! 耐えてくれっ!」
このまま火の手を放置しては、焔村を討つことができても幻朧桜に犠牲が出るだろう。
急ぎ鎮火すれば、霊力が十分に供給されている幻朧桜たちは無事に済み、余剰分が帝都タワーを守護するために回すこともできる。
駆け付けた猟兵たちによって、紅蓮に包まれる幻朧桜への消火活動が行われる。

フィーナ・シェフィールド
アドリブ連携OK
火を食い止めている幻朧桜たちを癒し、これ以上燃えないようにします。
「この世界を支える生命の力を、信じます!」
植物に演奏を聞かせると元気になると言いますが、幻朧桜なら尚のこと、帝都や人々を守りたいと言う想いに共感してくれるはずです。
「響け、エターナルメロディ!」
インストルメントを構えて【永遠に響く癒しの旋律】の演奏を開始。
タワー周辺の全ての幻朧桜と消火や避難している人に向けて、炎に負けない生命の力を漲らせるように、スピーカードローンを駆使して広範囲に癒しの旋律を破魔と浄化の歌声と共に届けます。
「もう止めてください…!」
願わくば、影朧の心にも浄化の旋律が届くようにと、祈りを込めて。
御園・桜花
「幻朧桜が…そんな…」
死後は幻朧桜になるか影朧になるかの何方かだと思って居たので、燃える幻朧桜を見て暫く呆然と立ち尽くす
他の猟兵の活動や帝都民の避難活動に巻き込まれて漸く行動開始
UC「精霊乙女の召喚」
1430体のニンフに燃える幻朧桜や帝都民を範囲治療で癒すよう依頼
自分は高速・多重詠唱で水の精霊を召喚
水球や水流や小雨等、召喚された水の精霊が得意な方法での鎮火活動を依頼する
「木だって人と同じく生きておりますのに…人も木も、帝都に有る物全てが邪魔で憎いのでしょうか」
帝都タワーの方角眺めながら燃え残った幻朧桜を優しく擦る
「貴方の望みとは共存出来ませんけれど…少しでも其の想いを昇華して還られますよう…」
●響く癒し、優しき想い。
「幻朧桜が……そんな……」
御園・桜花は、赤々と燃える幻朧桜たちを見て暫く呆然と立ち尽くす。
死後は幻朧桜になるか影朧になるかの
何方かだと思って居た桜花にとって、眼前の光景は想像を絶する光景であった。
それほどまでに、焔村の所業は受け入れがたい蛮行なのである。
「この世界を支える生命の力を、信じます!」
何もできずにただ目を開いている桜花の隣を、フィーナ・シェフィールドが駆け抜ける。
延焼を食い止めている幻朧桜たちの前に立ち、これ以上燃えないようにしようと、癒やそうと声を張り上げる。
「響け、エターナルメロディ!」
キーボードとギターが一体化したオリジナルサウンドデバイス『インストルメント』を構えて、フィーナは《永遠に響く癒しの旋律(エターナル・メロディ)》の演奏を開始する。
それは、歌声や演奏を聞いて共感した対象全てを治療するユーベルコード。
植物に演奏を聞かせると元気になると言う。幻朧桜ならば尚のこと、その音は良く届くことだろう。
帝都や人々を守りたいと言うフィーナの想いに、桜たちが共感していく。
「この旋律で、貴方たちが癒されることを願って……どうか……!」
タワー周辺の全ての幻朧桜と、消火や避難をしている人にも、その音楽は届いていく。
炎に負けない生命の力を漲らせるように、スピーカードローン『ツウィリングス・モーント』をも駆使して、広範囲に癒しの旋律を破魔と浄化の歌声と共に届けていく。
そして……その想いは、桜花にも届いている。
「……。……ええ……ええ……っ」
フィーナの歌声を聞いて心の傷を治療された桜花もまた、背を押されるように歩み出す。
フィーナや他の猟兵たちの活動、帝都の民たちの動きを感じ取り、涙の筋を頬に残したまま顔を上げて行動を開始する。
「おいでおいで
精霊乙女達。川から泉から谷から山から樹木から。
お前達の歌と躍りで、私達を助けておくれ」
桜花が展開したのは、《
精霊乙女の召喚(ニンフノショウカン)》。
1430体の精霊乙女が桜花の召喚に応じて現れて、燃える幻朧桜や火災に遭った人々に対して範囲治療を施していく。
精霊乙女たちに手当と治療を任せている間に、桜花はさらに高速で多重詠唱を行って水の精霊たちを召喚する。
精霊たちによって水が集められ、水球や水流や小雨など、召喚された水の精霊たちがそれぞれ得意な方法で鎮火活動を行っていく。
桜花は数多の精霊たちに手伝いを依頼し、指示を飛ばしていく。
二人の猟兵の懸命な活動により、幻朧桜に着いた火の手を消して、人々の安全を、命の保護を成し遂げた。
それでもまだ、フィーナは演奏を続けていた。
「もう止めてください……! これ以上、傷つけないで……」
「木だって人と同じく生きておりますのに……人も木も、帝都に有る物全てが邪魔で憎いのでしょうか」
願わくば、影朧の心にも浄化の旋律が届くようにと、祈りを込めて演奏するフィーナ。
その隣に立ち、桜花は帝都タワーの方角眺めながら燃え残った幻朧桜を優しく擦る。
無事に生き延びた幻朧桜が淡く輝き、その身に宿る霊力を二人へと供給する。
帝都を、世界を火に包もうとする影朧との決着の役に立てるようにと、想いを託すように……。
「貴方の望みとは共存出来ませんけれど……少しでも其の想いを昇華して還られますよう……」
そして、フィーナと桜花は帝都タワーに向けて足を踏み出すのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
人型影朧兵器第壱号・仮面イェーガー
影朧を追わないといけないが、その前に幻朧桜の火を消さなければ…ッ!
来てくれ、『桜嵐号』ッ!いくぞクルマさんッ!
《OK、フルスロットルで飛ばすぞシン。》
桜嵐号に乗り込み、更に桜嵐号【バイク形態】ッ!
桜の精のご老人、ここは僕に任せてください。
近くの防火用バケツをひっ掴みながら近くの川まで高速で移動し、桜嵐号に乗りながら勢い良く水を汲み急速ターンをして火の付いた幻朧桜に水をかけていく。
こうして高速バイク1人バケツリレーを繰り返して消火活動をしていくぞッ!
無事、消火活動が成功したらそのままバイクで影朧を追うぞ。
目指すは帝都タワー…ッ!
【技能・操縦、運転】
【アドリブ歓迎】
幸徳井・保春
ご老体、無茶はしなさんな。……ともかく時間を稼いでくれている間にそれに応えなくては。
狙うは噴水や井戸といった「水が関わる施設」。そこに護符を貼り付けて【妖異兵装】で式神の武装に変異させる。
強化するは射程、弱めるは移動力。これで水を天高く噴き上げて周囲の火がついた幻朧桜に浴びせかけよう。単体ならまだしも複数かつ5倍の射程があれば移動せずとも十分に消火は出来よう。
……こちら幸徳井。下手人と思わしき軍人どもを見つけたか。わかった、ただちに急行する。
●音速を越えて、水を撒いて。
「影朧を追わないといけないが、その前に幻朧桜の火を消さなければ……ッ!
来てくれ、『桜嵐号』ッ!」
燃える幻朧桜の並木道を目の当たりにして、人型影朧兵器第壱号・仮面イェーガーは勢いよく『
桜嵐号』を呼び出した。
行き先は車両が走れる広さだと確認して素早く乗り込み、車内に搭載されている理知的な超高性能AI『クルマさん』にユーベルコードの起動指示を出す。
「いくぞクルマさんッ! スピードを上げる! 桜嵐号、【バイクモード】!」
『OK、フルスロットルで飛ばすぞシン』
《桜嵐号【バイク形態】(サクラハリケーンゴウ・バイクモード)》。
仮面イェーガーが装備する『桜嵐号』を変形させ、騎乗する事で自身の移動速度と戦闘力を増強するのだ。
「俺も遅れる訳にはいかないな。手を貸そう」
走り出す仮面イェーガーに並走するのは、幸徳井・保春だ。
集まった學徒兵たちをほうぼうに散開させ、彼も最も苛烈に燃える並木道の幻朧桜を助けるために最大時速時速60kmを出すことのできる『ダルマ自転車』で駆け付けたのだ。
二人の猟兵は、徒歩で防火用バケツを手に水を汲もうとしているサカイ老人の前に颯爽と現れ、無茶をする前に制止した。
「ご老体、無茶はしなさんな」
「桜の精のご老人、ここは僕たちに任せてください」
「お、おお、猟兵さんがた……! わかった……頼む、任せた!」
老人から思いの籠った防火用バケツを受け取り、仮面イェーガーは近くの川まで高速で移動する。
『桜嵐号』に乗ったまま勢い良く水を汲み、急速ターンをして火の付いた幻朧桜に水をかけていく。
高速バイクを利用した、1人バケツリレーを繰り返して消火活動を加速させる。
「うおおおお! 全力だ、桜嵐号ッ!!」
「……ともかく、時間を稼いでくれている間にそれに応えなくては」
仮面イェーガーが火を消している間に、保春が狙うのは付近の噴水や井戸といった水が関わる施設だ。
手ごろな建造物を見出すと、護符を貼り付けてユーベルコードを発動させる。
「この世ならざる者よ。我が意のままに、我が為すままに」
《妖異兵装(ヨウイヘイソウ)》。
保春の呼び出した式神を何かに憑依させ、その影響が色濃く出た存在に変形するユーベルコード。
噴水や井戸を式神の武装へと変異させて、元より動かぬ移動力を半減させる代わりに、射程を強化して五倍に上昇させて、水の勢いを強化させる。
単体ならばまだしも、幾つもの水源を駆け巡って《妖異兵装》を施して行けば、その水量は十分なものとなる。
天高く噴き上げられた水が、周囲の幻朧桜に浴びせかかって火を消していく。
老人が見守る中、あっという間に並木道は消火された。
「おお……ありがとう、ありがとう……!」
「なに、無事に済んでなによりだ!」
「礼には及びません、これも私たちの役目です」
消火活動が成功した二人は、残る火の手も他の猟兵たちが鎮火していることを確認した。
そして學徒兵たちの活躍により、焔村は狙い通りに帝都タワーに向かっていることを知り、二人はそのままバイクと自転車に乗って影朧を追跡に移行する。
「……こちら幸徳井。下手人と思わしき軍人どもを見つけたか。わかった、ただちに急行する」
「目指すは帝都タワー…ッ!」
無事に光る幻朧桜の霊力を浴びながら、二人は風のように疾走していくのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
黒木・摩那
街の放火の方は何とかできました。
次は犯人たちの追跡です。
しかし、逃げる途中でも放火を続けているとは、本当に許せません。
先程とは違い、今度は追跡もしなくてはいけませんから、同じUC胡蝶天翔というわけにはいきません。
ここはUC【トリニティ・エンハンス】の出番ですね。
【水の魔力】を魔法剣に付与。
炎が上がる幻朧桜に水の剣を【なぎ払い】することで炎を消化します。
直接桜に当てずに少し外すのがコツですね。
鳴上・冬季
上空から
「力比べ、ということですか。…面白い」
嗤う
「鎮火せよ、黄巾力士水行軍」
黄巾力士143体召喚
1班5~6体で28班に編成
自分は風火輪
普段から連れ歩く黄巾力士は飛来椅で鳥瞰
激しく燃えている場所を中心に黄巾力士派遣
砲頭からの放水と可能な可燃物撤去で延焼を食い止めさせる
築陣能力使った鎮火後の効率的な片付けも命じておく
自分は竜脈使いの能力でこの地の水行強化
火勢を弱め幻朧桜の強化を図る
「水勝火、水相木。五行相勝も五行相生も、仙である私の方が通じているのは当然でしょう」
嗤う
「帝都に焼き討ちをかけてきたのが幻朧戦線か他の影朧かは知りませんが。私が居るのに好きにさせる筈がないでしょう。身の程を知りなさい」
●水の刃は火に克ち、水の流れは桜を生かす。
「街の放火の方は何とかできました。次は犯人たちの追跡です」
黒木・摩那は寺社仏閣を再建しドローンを回収した後、逃走する焔村の後を追っていた。
その行く手を阻むのは、燃え盛る幻朧桜の群生地。
摩那は足を止め、紅蓮に彩られつつも霊力で耐え凌いでいる桜たちを見上げる。
「しかし、逃げる途中でも放火を続けているとは、本当に許せません。
先程とは違い、今度は追跡もしなくてはいけませんから、《胡蝶天翔》を使い続ける訳には……おや?」
ふと、頭上に気配を感じて摩那が視線を上げれば、空には両足首に嵌めた宝貝『風火輪』で飛行する鳴上・冬季が嗤いながら立っていた。
その視線は並び立つ幻朧桜たちに向けられており……その思惑は、火を付けた影朧に向けられている。
「力比べ、ということですか。……面白い。鎮火せよ、黄巾力士水行軍」
冬季の号令に応じて、ただちに143体の黄巾力士が召喚される。
それは、先刻まで街中を飛び回っていた《黄巾力士五行軍・改》とは似て異なる軍勢、《黄巾力士・五行軍(コウキンリキシ・ゴギョウグン)》。
木火土金水、五行それぞれの属性の中から一種類を召喚時に設定することで宿すことのできる黄巾力士の軍団だ。
此度は水属性の能力を持って推参した黄巾力士たちは5~6体で一班を形成し、それを28班編成すると、砲塔から火の手に向けて放水を行っていく。
冬季とは常に伴っている黄巾力士を『飛来椅』により飛行させ、共に上空から鳥瞰して黄巾力士の班を派遣していく。
「水勝火、水相木。五行相勝も五行相生も、仙である私の方が通じているのは当然でしょう」
そして冬季は嗤い、空から龍脈使いの能力で周囲一帯の地の水行を強化する。
これにより付近の火勢は弱まり、水の勢いは増すことになるだろう。
「いい調子ですね、冬季さん。それでは私も……ここは《トリニティ・エンハンス》の出番ですね」
冬季と黄巾力士の活躍を見て、摩那もまた冷静にユーベルコードを展開する。
選択したのは、【炎の魔力】【水の魔力】【風の魔力】、任意の魔力で自身を強化するユーベルコード《トリニティ・エンハンス》。
水の魔力を魔法剣『緋月絢爛』に付与し、摩那は一際激しく炎を上げる幻朧桜のもとへと踏み込んだ。
一足飛び、そして一閃。一太刀の斬撃により、幻朧桜を覆っていた炎は薙ぎ払われた。
その枝には、花には、傷一つついていない。
「直接桜に当てずに少し外すのがコツですね」
「見事な技です、摩那さん」
冬季の龍脈干渉と、黄巾力士たちの消火活動。そして摩那の正確無比な斬撃により、並木道の幻朧桜たちは次々に火の手から開放されていく。
鎮火を終えた後には、十分な時間があれば城や街を築く《黄巾力士・五行軍》たちが築陣能力を活かして効率的な片づけと防火設備を整えていく。
幻朧桜に再び延焼が回らないよう、守りを固めていく。
「あとは帝都タワーに追い詰めて、ですね。窮鼠猫を嚙むと言いますし、油断せずに向かいますね」
「帝都に焼き討ちをかけてきたのが幻朧戦線か他の影朧かは知りませんが。
私が居るのに好きにさせる筈がないでしょう。身の程を知りなさい」
消火に対する謝意か、帝都を守るための助力か。
花びらを輝かせた幻朧桜たちから霊力を与えられて、摩那と冬季はオブリビオンの後を追いかけるのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
巨海・蔵人
アドリブ絡み歓迎
◼️心情
うん、良い仕事出来たね、
お次は映えスポットでもある桜並木!
今はまだ桜が燃えてないけど火に被われてるって状態だけど、
だいじょうぶ!そう、キマフュならね?
◼️桜コラボ?
(割とゆっくり目に行進しつつ)
今晩はー!愉快なバイオモンスター蔵人君の緊急火事場速報、
ノルスタジックで幻想的な夜桜も無理矢理コラボで
風情も情緒も右往左往するこの夜に、
火消しが大変なら、大変じゃない楽しくいこうよ、
キマフュはコラボもセカイイチィ!
(UCで街路や消火設備をキマフュ基準にしてくよ!)
狂騒も狂乱も愉しく愉快に楽しんじゃう、、キマフュストリートなら災害だってアクティビリティ、
消火ランチャーで虹もかかるよ
●ここを
都市リゾート化とする。
「うん、良い仕事出来たね、お次は映えスポットでもある桜並木!」
巨海・蔵人の眼前では幻朧桜たちが絶賛炎に包まれているのだが、彼は心配ご無用とばかりに笑顔を見せる。
『テレビウム・ドローン』による撮影は続行しており、他世界の視聴者たちの注目を浴びながら蔵人は眼鏡をキラリと光らせる。
「今はまだ桜が燃えてないけど火に被われてるって状態だけど……。
だいじょうぶ! そう、キマフュならね?」
蔵人が展開するのは、サクラミラージュとキマイラフューチャーをコラボレーションさせる、ビックリドッキリユーベルコード。
《キマイラfeverフューチャーリズム(キマフュノホニャララハセカイイチィ)》である。
「お金も労働も物資もインフラも、遠い遠い過去の産物。
キマフュ良いとこ一度はおいで、キマフュ体験ツアー好評開催だよ~」
辺り一帯に広がるフシギ空間。
それは、指定した対象を【キマイラフューチャー基準】にするという現実改変系ユーベルコードだ。
対象が【キマイラフューチャー基準】でないならば、死角からキマイラフューチャーのアレコレの体験用ポップアップたちが召喚されて、対象に粘着させる。
アレコレとはなにか? 芸術、料理、ゲームにダンスに音楽に。キマイラフューチャーを代表する様々なアートの数々であろう。
そして、今回……蔵人はこのユーベルコードの対象を、この地にしたのである。
なんてことをしてくれたのでしょう。シリアスが死んでしまうぞ!
「今晩はー! 愉快なバイオモンスター蔵人君の緊急火事場速報!
ノルスタジックで幻想的な夜桜も無理矢理コラボで風情も情緒も右往左往するこの夜に、火消しが大変なら、大変じゃない楽しくいこうよ、ってことでキマフュはコラボもセカイイチィ!」
街路や消火設備がキマイラフューチャー基準に早変わりし、コンコンコンと適切なタイミングでコンコンすればジュースやスーパーボールが飛び出してくる。
初めてのコンコンだと、何が出てくるか全くわからないのがキマイラフューチャー・クオリティ。
あちこち巡ってうまいこと消火ランチャーをコンコンできた蔵人が、幻朧桜に照準を向ける。
そこはかとなく、幻朧桜が怯んでいる気がしますが……気にしない、だってキマイラフューチャー基準ですから!
「さあお待たせ! 今助けるよ桜さん! 消火ランチャーで虹もかかるよ!」
「(たすけて!)」
豪快な水の奔流が幻朧桜を襲う! オブリビオンの放火した炎は容易く鎮火し、幻朧桜は救われた。
ちょっと水の勢いが激しいけどダメージはありません。安心してください、キマイラフューチャー・クオリティ!
木々が少々気疲れしているだけで、帝都タワーを守護する霊力に損害はありません。安心してください、キマイラフューチャー・クオリティ!
「狂騒も狂乱も愉しく愉快に楽しんじゃう。キマフュストリートなら災害だってアクティビリティ! みんなもめいっぱい楽しんじゃおう!」
恐るべき放火事件を消火して、愉快なエンターテイメントに昇華して。
蔵人は上機嫌でコンコンしつつ、帝都タワーに通じる桜並木を進んでいくのだった。
……ところで、後で元に戻るのですかね、これは。
苦戦
🔵🔴🔴
ティオレンシア・シーディア
うっわあ手当たり次第かぁ…
放置するわけにもいかないし、実益とイヤガラセ兼ねた足止めとしてはホント実に効果的なのよねぇ…
さっきまでと違って幻朧桜が火を留めてくれてるから浄化の必要もないし、範囲より手数を重視よねぇ。
●必殺を起動、描くのは
神聖文字。表音文字であると同時に象形文字だから、その分種類がすごく多いのよねぇ。
元が魔術文字だから人が近寄れないとこでも活動できるし、雨とか川とかも召喚すれば水源も十分。どんどん召喚して消火活動するわよぉ。何体か交通誘導とか規制とかに回してもいいわねぇ。
超弩級の名に掛けて、完全試合といきましょうか。
●叡智の文字を繰り広げて。
「うっわあ手当たり次第かぁ……。
放置するわけにもいかないし、実益とイヤガラセ兼ねた足止めとしてはホント実に効果的なのよねぇ……」
ティオレンシア・シーディアは、再び眼前に広がる炎を前にして呆れたように言葉を漏らす。
群生地で咲き誇る幻朧桜たちが赤い炎に包まれている。
だが、猟兵たちによって焼けた建物を再建したことで霊力が十分に供給されており、その熱は木々に達する前に留められている。今しばらくは持ちこたえることができるだろう。
見渡す限りの幻朧桜は健在であり、周囲への延焼を押え込んでいるがゆえに火災の範囲も限定されている。
ならばと、ティオレンシアは手立てを考慮した。
「さっきまでと違って幻朧桜が火を留めてくれてるから浄化の必要もないし、範囲より手数を重視よねぇ。」
ティオレンシアが『ゴールドシーン』に描いてもらうのは、
神聖文字。
表音文字であると同時に象形文字であるために、種類が数多く存在する魔術文字だ。
「古人に曰く、勝兵は先ず勝ちて而る後に戦いを求むる。事前準備は大事よねぇ?」
そして起動するのは、《必殺(コンストラクション)》。
描かれた魔術文字が象徴する何かしらを召喚するユーベルコードであり、召喚された物や者は戦闘能力はほぼオマケといってもいい程度だが、偵察・築城・陣地構築など多彩な用途に活用できる優れた能力を有している。
小動物や鳥を呼び出しては狭い場所や高所に送り込み、人が近寄れない難所であろうと圧倒的な物量を誇る召喚物たちによって火種を次々と消化していく。
「どんどん召喚して消火活動するわよぉ。何体か交通誘導とか規制とかに回してもいいわねぇ」
そして、召喚できるのは、生き物だけに限らない。
雨や川といった意味を象徴する神聖文字を活用して、既存の水源に制限されずに消火用水を提供できる。
立地条件から水をかけるのが難しい場所にある幻朧桜も取りこぼすことなく、細部に至るまで鎮火していく。
ティオレンシアの細かな配慮に応じるように、まだ若い幻朧桜が枝を震わせて光を飛ばす。
火から己が身を護るために使っていた霊力を、これから影朧との戦いに挑むであろうティオレンシアに供給してくれる。
「……超弩級の名に掛けて、完全試合といきましょうか」
身に宿る暖かな援助を受け入れて、ティオレンシアは放火犯の逃走先である帝都タワーにその眼光を向けるのだった。
成功
🔵🔵🔴
スーパーヒーロー・ゴッドハンドマスク
もう大丈夫だぞっ!!
スーパーヒーローがぁ……来たあああっ!!
UC「スーパー・ジャスティス」を発動し、更にヒーローパワーを2段階解放だあっ!!
「この世界の平和は、私が絶対に取り戻す!!」という意思の力で戦闘力を増強し、ヒーローマントをはためかせLv×9200㎞/hで飛び回りながらヒーローブレスの凍結ブレス範囲攻撃で消火するぞっ!!
核爆発も耐え、あらゆる環境での生存能力を持つ私のヒーローボディなら単なる炎程度、何ともないなっ!!HAHAHA!!
要救助者にはヒーローフードを食べさせて体力回復っ!
火事場泥棒や暴走影朧は威力を抑えたヒーローウェブで電撃捕縛気絶攻撃!!
大人しくしたまえっ!
魔女・ウィッチ
「何よ、これ……」
幼い頃の記憶が蘇る
火の匂い
人のなく声
燃えてる町
蠢めく魔物の群
父さんも母さんもいなくなりひとりぼっちで泣いていた無力な自分
「絶対に一人も残さず助けるのよ……この手で、あの時おばあちゃんがしてくれたみたいに、あたしも……っ!」
「今助けられなきゃ、何の為の魔法よ!!」
燈箒にサーフィン乗りし飛ぶ!
禁果を齧り、導書を開き、揮杖を構え、法力を魔力溜め
使猫と共に欲望具現術の禁呪を多重高速無酸素詠唱全力魔法
『魔法の根源を直接制御し、世界を従え、天変地異をも操る偉大なる魔女とその使い魔が命じる』
『炎よ、直ちに消え失せよ!』
照鏡で怪我人の居場所を情報検索!
契環で使い魔達に救助させ薬を飲ませるわ!
●神と魔女による偉大なる貢献。
「何よ、これ……」
眼前に広がる、火災風景。
並木道の幻朧桜が火に包まれている様子を、魔女・ウィッチ(
偉大なる魔女の物語・f33446)は目を見開いて見つめている。
ウィッチの脳裏に蘇るのは、幼い頃の記憶。
火の匂い、人のなく声、燃えてる町、蠢めく魔物の群……。
父さんも母さんもいなくなり、ひとりぼっちで泣いていた無力な
自分。
「……っ」
放心しつつあったウィッチだが、各地で大勢の猟兵たちが消火活動を行う様子が感じられた。
火を消していく雄姿、人々に声を掛け合う思い遣り、そして守られた幻朧桜たちの輝き。
この地へと馳せ参じたウィッチは、唇を引き締めて足を踏み出す。
今、ウィッチの頭に思い浮かぶのは、誰よりも尊敬する偉大なる魔女の姿だった。
「絶対に一人も残さず助けるのよ……この手で、あの時おばあちゃんがしてくれたみたいに、あたしも……っ!」
「もう大丈夫だぞっ!!
スーパーヒーローがぁ……来たあああっ!!」
ウィッチの意気に呼応するかのように、また新たな猟兵が駆け付けた。
ユーベルコード《スーパー・ジャスティス》により全身に黄金のオーラを纏って飛翔するのは、スーパーヒーロー・ゴッドハンドガール。
そして彼女が愛用するヒーローマスクのゴッドハンドマスク(スーパーゴッドハンドヒーローマスク・f38708)だ。
「更にヒーローパワーを2段階解放だあっ!! この世界の平和は、私たちが絶対に取り戻す!!」
「そうよっ! 今助けられなきゃ、何の為の魔法よ!!」
二人の少女と一人のヒーローマスクが力を合わせ、サクラミラージュの帝都を守るために立ち上がった。
ウィッチは慣れた足取りで『
魔女燈箒』にサーフィン乗りし、夜空の帝都を飛翔する。
眼下の炎に照らされながら、大いなる力や智慧をもたらす『
魔女禁果』を齧り、魔術知識やユーベルコードを記述した『
魔女導書』を開いて、欲望を具現する魔術で世界の根源を操る『
魔女揮杖』を構え、全身から無限に溢れる莫大な『
魔女法力』で魔力を溜めて……。
月と夜を司る闇属性の精霊『
魔女使猫』のルナと共に、全力で魔法を行使する。
酸素を必要とせずに高速で詠唱する呪文は、多重に展開されて並木道を包み込む。
放たれるのは、大いなる
欲望具現術。
「魔法の根源を直接制御し、世界を従え、天変地異をも操る偉大なる魔女とその使い魔が命じる!
『炎よ、直ちに消え失せよ!』」
強い意思と莫大な魔力を籠められたその言葉は、まさに魔法。
ウィッチが『魔女揮杖』を振るえば広範囲に広がっていた影朧による火の手が次々に鎮火していく。
「おおおお!」
ウィッチの炎を消し去るという欲望具現術が広がる中、スーパーヒーローはヒーローマントをはためかせ、最高時速9200kmで飛び回っていた。
行く先々で急停止すると、瞬時に超強力な冷気を放射する『ヒーローブレス』を使って幻朧桜に纏っていた炎を次々に消火していく。
一見すると大雑把な凍結攻撃に見えるが、幻朧桜に影響が及ばないよう威力を調整した見事なコントロールだ。
火の手の行き先を事前に冷やしておくことで、延焼をさせにくくするという判断力も見せている。
時折焔の中へと身を飛び込ませるが、核爆発も耐えられるあらゆる環境での生存能力を持つ『ヒーローボディ』をもってすれば、オブリビオンの手から離れた自然の炎など他愛ない。
「何ともないなっ!! HAHAHA!!」
ウィッチとスーパーヒーロー、二人の少女の迅速な活躍は、多くの幻朧桜を守り抜いた。
そして、火災に当たり避難していた人々……逃げ遅れた者や身動きが困難な要救助者へと手を差し伸べていく。
「こっちに怪我人がいるわ! すぐに助けてあげるわ!」
「任せたまえ! むむっ、火事場泥棒か! 大人しくしたまえっ!」
ウィッチは主の様々な質問に答え、望む真実を照らし出す喋る『
魔女照鏡』で怪我人や病人などの手助けが必要な者の居場所を探し当て、『
魔女契環』で操る使い魔たちを送り出す。
救助した人々には《欲望具現術「魔女の秘密超理法」(ウィッチクラフト・フォーミュレーション)》によって作り上げた自慢の薬を処方して、治療や手当を施している。
スーパーヒーローも高速で飛び回りつつ、食べるとすぐに体力が回復『ヒーローフード』を与えたり、悪事を為す泥棒や火災に怯え暴走している無関係な影朧を両腕等から放つ暴徒鎮圧用プラズマ電流綱『ヒーローウェブ』で捕縛して、治安の維持を行っている。
帝都に住む人々の暮らしを守るために、ウィッチとスーパーヒーローは尽力する。
その活躍に報いるように、幻朧桜たちが二人へささやかながらも霊力を供給していく。
それは絶大な力を持つウィッチとスーパーヒーローからすればほのかな力かもしれない。
それでも、共にこのサクラミラージュの世界を守るという意思が、願いが感じられる。
二人は、笑みを湛えて救助活動を続けていくのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵

マーメイド・プリンセス
UC【シェイプ・オブ・ウォーター】を発動します♪
今ここはとても深い海の中……♪ただでさえ火を起こすのは不可能で、炎は自然と鎮火され、環境に適応出来なければ成功率はさらに低下します!
お友達のイルカさん1100頭に
超音波探査での犯人と要救助者の捜索を
イルカさん達は超音波で情報共有し、犯人には超高圧水流やキック攻撃
要救助者の方を見つけたら背負っての救助をお願いします♪
マーメイドボイスで歌唱して天変地異を巻き起こし、犯人の逃走方向と真逆に海流を流して妨害します!
一般市民やその方々が持つ家屋は味方なので深海適応を得られるでしょう……♪
魔法少女・マジカルガール
マジカルカメラで撮影継続♪
応援を貰う為、街中にも沢山飛ばして惨状(苦戦)を視聴者に伝えつつ被害とボスの位置を偵察!
「も〜っ!せっかく皆で再建したばかりなのに!」
悪を許さない正義の
魔法少女としてマジカルソウルを燃え上がらせるよ!
UCで青いスーパーヒーロー魔法少女に変身☆
「ヒーローガール☆マジカルスカイ!」
「精霊を封じ込めしマジカルカードよ!契約の下、主が命じる……今こそその力を解き放ち、我が前に示せ!封印解除、ウンディーネ!」
燃やされない様にマジカルバリアで建物と桜精さんを包み込み遮断
私のステッキは、皆の願いを叶える魔法の杖!カメラで観てくれている皆も願って!何事も無かった様に元通りになっている街並を!
●プリンセスたちの夢と希望によって。
「も〜っ! せっかく皆で再建したばかりなのに! 許せない!」
炎が盛んに燃え広がる幻朧桜の群生地にて、魔法少女・マジカルガールはその力を遺憾なく発揮していた。
自身の力となる応援を貰うため、透明な自動飛翔撮影機『マジカルカメラ』を街中にも沢山飛ばして惨状を撮影し続ける。
視聴者にこの事件の状況を伝えつつ、マジカルガールは様々な属性の精霊が封じ込められた『マジカルカード』から水属性の精霊を選び、解き放つ。
「精霊を封じ込めしマジカルカードよ! 契約の下、主が命じる……!
今こそその力を解き放ち、我が前に示せ! 封印解除、ウンディーネ!」
建物へと火が燃え移ることがないように、水属性の『マジカルバリア』で包み込み遮断する。
桜の精の老人をはじめとした通行人たちに被害を出さないために、解放されたウンディーネたちに避難誘導を指示していく。
「わたくしも手伝いにまいりました♪」
そして、活躍するのはマジカルガールだけではない。
マジカルガールの傍へと現れたのは、人魚や深海人たちが暮らすアリスラビリンスの不思議な深海の国で生まれた心やさしい人魚姫。
マーメイド・プリンセス(
深海王国の国民的人魚姫・f39716)だ。
マーメイドはこの街の人々を救助するために、歌を吟じるようにユーベルコードを展開する。
「今ここはとても深い海の中……♪
暗黒の深海。身体を押し流す水流と重く伸し掛かり圧し潰す水圧。
体温を奪うは極寒。動きは鈍り、呼吸も出来ず。天地含む方向感覚も奪われる」
《シェイプ・オブ・ウォーター(ディープシー・ザ・ワールド)》。
それは、マーメイドの味方に1140レベルの深海適応能力を付与するユーベルコード。
戦場全体を超深海帯と同じ環境に変化させ、深海適応しない敵の行動成功率を超極端に低下させる効果がある。
実際に海に沈む訳ではない、だが光すら届かぬ海の底と同じような環境になった一帯は、敵対者を容赦なく飲み込む。
すなわち、幻朧桜とサクラミラージュ……街とそこに生きるすべての命に危害を加える炎を飲み込んでいく。
逃げ遅れた、放火の主犯である焔村が召喚しただろうオブリビオンの影たちは、瞬時にに押しつぶされて流され消えて逝った。
「さあ、みんなを助けてあげて、イルカさん!」
マーメイドの頼みを受けて、千頭を優に超すマーメイドの友達の『イルカ』たちが戦場を自由に飛び回る。
メガリスで飛行能力を得た『イルカ』たちは、
超音波探査で要救助者を捜索し、その背に乗せて避難誘導を行っていく。
ついでに火事場泥棒のような不届き者は、軽く蹴り飛ばして鎮圧している。
「よーし……あとは私に任せて!」
そして、マジカルガールもまたこの環境に適応している。
火の手で煙が立ち込める街並みを、幻朧桜が守ろうとした帝都を、そしてサクラミラージュの世界そのものを……オブリビオンの魔の手から守るために、マジカルガールはユーベルコードを展開する。
「スーパーヒロイン! マジカル・ジャスティス!」
悪を許さない正義の
魔法少女として、マジカルガールは窮地において覚醒し、如何なる困難も可能にする不屈の魂『マジカルソウル』を燃え上がらせる。
眩い輝きと明るい音楽を伴って、マジカルガールの変身バンクが描写され、光が収まるとそこには青いスーパーヒーロー魔法少女が立っていた。
《マジカル・ジャスティス(スーパーヒロインフォーム)》。
魔法の力に比例した戦闘力増強と、最大時速12100kmの移動能力を得るマジカルスカイ☆ヒーローガールに変身するユーベルコードだ。
正義のために戦うその姿、桃色のオーラで全身を覆う真の姿をうまく使わなければ願いは叶わないが、マジカルガールに不可能はない。
「ヒーローガール☆マジカルスカイ! 皆の願いを叶えるよ♪」
皆の願いを叶える杖、感情に応じ無限魔力増幅する『マジカルステッキ』を高く掲げて、マジカルガールは魔力を放つ。
カメラの向こうで観てくれている視聴者と、帝都に住む多くの人々の願いを集めて、奇跡のような魔法を振るう。
炎が鎮まった辺り一帯、何事も無かった様に元通りになっている街並を具現化させたのだ。
火に焙られた建物の跡も、人々の火傷や擦り傷も、そして幻朧桜も誰もかも、綺麗に癒されている。
焔村による被害を、なかったかのように直して見せたのだ。
「やりましたね、マジカルガール様♪ 誰も傷つかずに済んで、本当によかった♪」
「皆の願いのおかげだよ! マーメイドさんも、助けに来てくれたしね!」
二人の少女は笑い合い、平穏を取り戻した桜並木の道でハイタッチを交わした。
もはやここに、涙を流す人も、傷つき苦しむ桜もいない。
霊力をたっぷりと蓄積して輝く幻朧桜の灯りの中、マーメイドとマジカルガールは元気よく成果を見上げているのだった。
残る役目は……帝都タワーへと逃げ込んだ、黒に魅入られた者『焔村』。
此度の事件の首謀者を、撃破するのみである。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第3章 ボス戦
『黒に魅入られた者『焔村』』
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POW : 全てを穿ち貫く焔
【歩兵銃から黒い焔】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD : 我が魂を燃やす焔
自身に【黒焔】をまとい、高速移動と【軍刀による斬撃波と黒い焔】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ : 悉くを蹂躙する焔
レベル×1体の【黒に魅入られた軍人】を召喚する。[黒に魅入られた軍人]は【黒焔】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。
👑11
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●断章:帝都タワーは健在ナリ!
真夜中の帝都、港区にそびえ立つ『帝都電波塔』。
その外壁を駆けあがり、鉄骨をよじ登る影朧がいる。
その男こそ、黒に魅入られた者『焔村』。
生前ある存在の影響で焔に魅入られ、外道と化した元軍人。
万全て、一切合切を燃やし尽くすことを望むオブリビオンである。
「ははっ、はっはっはっ! よくも邪魔をしてくれるものだ、超弩級戦力! 猟兵!」
焔村は鉄骨の上を器用に跳び回り、追ってきた猟兵たちに振り返る。
その手には頑丈な軍刀と使い込まれた歩兵銃が握られており、その身には黒い焔を纏っている。
計画は潰え、悪足掻きの放火も効果はなく、残した爪痕は立ちどころに再生されて、こうして追い詰められる有様になった。
それでも、焔村は微笑みを絶やさずにいた。
「この帝都が焼け落ちる様を眺めたいという、自分の本懐を妨げられ……まこと憤懣遣る方無い!
が、帝都を守ろうという貴様たちの信念もよくわかる!
なれば、互いの我を通すために決着をつけるほかあるまい!
最精鋭たる貴様たちをここで始末すれば、後続を差し向ける猶予はないだろう!
丁寧に燃やし尽くすことができないのは、何よりも無念だが……そこは妥協するほかあるまい!」
帝都に生きる人を、傷ついたか弱い影朧を、それらを癒す幻朧桜を、あらゆる他者を何一つ思いやることない自分本位なその振舞い。
その荒ぶる魂も、屈強なる肉体も、容易く鎮めることは適わないだろう。
ゆえに、討つ。提示された依頼は、容赦なく叩き潰すことだ。
「さあ来い猟兵、さあ行くぞ猟兵!
貴様たちが美しく燃える様を魅せてもらえれば、この胸も多少は空くだろう!」
焔村は百体を越える黒に魅入られた軍人を召喚し、帝都タワーを縦横無尽に跳び回る。
人数差を埋め、地の利を活かし、諦めることなく火の手を撒こうと殺意を向ける。
ここで猟兵たちが焔村を倒せなければ、帝都タワーが焼け落ちることになるかもしれない。
だが、そうはならないだろう。
帝都の土地がもたらす霊力、住まう人々の祈り、そして幻朧桜の輝きが。
猟兵たちを支え、後押ししているのだから。
月明りの鉄塔にて、決着の時が迫る。
※黒に魅入られた者『焔村』との戦闘です。
第一章・第二章で寺社や幻朧桜を守りきることができたため、帝都タワーを守護する霊力が猟兵たちにも供給されており、ステータス向上や炎に対する耐性強化、ユーベルコードの効果上昇など、様々な恩恵を得ることができます。
霊力による加護を活かせば、有利に立ち回ることができるでしょう。
プレイングボーナスは、『霊力による加護を活かすこと』あるいは焔村と同じように『タワーを飛び回りながら応戦すること』です。
皆様、よろしくお願いいたします。
黒木・摩那
やっと追いつきましたよ。覚悟してください。
ここまで追い詰めたなら、あとは焔村を倒すだけ。
ただ、タワーに入り込まれたのは少々面倒ですね。
タワーを駆けるのは、マジカルボード『アキレウス』で飛ぶことで対応します。
UC【矢印過流】を発動。ボードの順方向に矢印を配置します。
焔は正面にUCの矢印の壁を作るとともに、一部の流れを反らし、それにボードが乗る形でさらに勢いを付けます。
霊力の加護も十分にある今ならやれます。
あとは魔法剣『緋月絢爛』ですれ違いざまに【衝撃波】【電撃】も籠めて、切りつけます。
●冥界送りの魔法剣。
「ここまで追い詰めたなら、あとは焔村を倒すだけ。
ただ、タワーに入り込まれたのは少々面倒ですね」
様々な環境に対応するマジカルボード『アキレウス』に乗って、空中を飛翔する黒木・摩那。
帝都タワーの鉄骨の上を跳び回る焔村を捕捉して、夜空を駆けて魔法剣『緋月絢爛』を抜刀している。
猟兵のもたらした雨によって澄み切った夜空の星々を背に、摩那は焔村と視線を交わす。
「やっと追いつきましたよ。覚悟してください」
「ははっ! 覚悟など無用! すべては炎に焼かれ落ちるのみ!」
摩那へと向き直る焔村が歩兵銃を構えて、ユーベルコードを行使する。
《全てを穿ち貫く焔》。
焔村から一定範囲内の指定した全ての対象を攻撃する黒い焔が、歩兵銃から放たれる。
「貴様も美しく燃え尽きろ、猟兵っ!」
「お断りです。励起。昇圧。空間イメージ展開。操作開始」
歩兵銃から射出された焔に対して、摩那は涼し気にユーベルコードで対抗する。
繰り出されるのは、《矢印過流(ベクトル・ボーテックス)》。
半径142m以内を空間に浮かぶ念動力を可視化した多数の矢印で覆い、範囲内のあらゆる物質を矢印の順方向で加速、もしくは逆方向で減速できるユーベルコードだ。
これにより『アキレウス』の進む方向に順方向の矢印を配置して、摩那は加速する。
同時に、迫る黒焔の正面に逆方向の矢印を張り巡らして壁を作ることで、その勢いを減速させつつ一部の流れを反らしを逸らていく。
焔村の視界が黒い焔に遮られ、距離を取った摩那の姿を見失う。
「くっ! どこだ、上か、左右か……!」
摩那の反撃を警戒し、脚を止めて周囲を警戒する焔村。
その動きを第六感で認識して、摩那は加速した『アキレウス』を突進させる。
進路は正面、黒焔を逸らした矢印の壁。
《全てを穿ち貫く焔》から逆方向だったということは……反対側にいる摩那からすれば、順方向だ。
相乗した加速は更に勢いを増し、摩那は高速で弱まった黒焔を突き破る。
帝都の幻朧桜たちが分け与えた霊力の加護が十分にある今、その身に煤一つ付くことはない。
虚をつかれた焔村に、摩那の刃が迫る。
「な、正面だとっ……!? ぐあああああっ!!」
「まずは一太刀。いかがです?」
笑みを湛えた摩那が、万華鏡のように光り輝く『緋月絢爛』を振り抜いた。
すれ違いざまに籠めた衝撃波と電撃が、焔村の全身を強く痛めつける。
残心を忘れることなく駆け抜けた摩那は、月を背にして焔村を見下ろすのだった。
大成功
🔵🔵🔵
人型影朧兵器第壱号・仮面イェーガー
オブリビオン、これ以上お前の悪行を許す訳にはいかないッ!
いくぞッ!
帝都タワーの鉄骨をジャンプを駆使しながら駆け上がっていくぞ。
敵の歩兵銃から放たれる黒い焔を帝都タワーを守護する霊力の加護による炎耐性の付いた両腕で防御しながら突っ込んでいくぞ。
敵に接近できたら怪力によって繰り出すパンチの攻撃だ。
一気に決めるぞッ!
超高速移動で鉄骨をジャンプやダッシュで敵の周りをタワーを飛び回るように駆け回り、敵の攻撃を避けながら隙を見切ってッ!
イェーガー…ライジングインパクトキイイィックッ!!!
【技能・ジャンプ、ダッシュ、怪力、見切り】
【アドリブ歓迎】
●仮面イェーガー、必殺のライジングインパクト!
「オブリビオン、これ以上お前の悪行を許す訳にはいかないッ! いくぞッ!」
「っ! 来るか、仮面イェーガー! 返り討ちにしてやろう!」
人型影朧兵器第壱号・仮面イェーガーが、帝都タワーの鉄骨をジャンプを駆使しながら駆け上がっていく。
先行する焔村が反転し、笑いながら歩兵銃を構えて仮面イェーガーへと照準を合わせる。
銃口から放たれるのは、《全てを穿ち貫く焔》。
焔村から一定範囲内の指定した全ての対象を攻撃する、黒い焔が仮面イェーガーへと迫る。
仮面イェーガーは臆することなく、両腕を交差して焔に突っ込んでいく。
「僕は猟兵だ……! こんな炎に、負けるものかッ!」
帝都タワーを守護する霊力の加護により、仮面イェーガーには炎耐性が付与されている。
足を止めることがなければ、オブリビオンの強力な炎であろうとも……耐えることは可能である。
仮面イェーガーは両腕で防御しながら黒焔の中を突き抜けて、焔村との距離を一気に詰めた。
「なんだと!? それは、自分の黒焔は全てを焼き尽くすのだぞ!?」
「そんなものに、何も燃やさせはしないッ!」
焔村に接近した仮面イェーガーが、影朧因子によって引き上げられた怪力によってパンチを繰り出す。
重い右ストレートが焔村の頬を捉え、鉄骨の間へと吹き飛ばす。
そして、再び鉄骨を足場に跳び回られる前にと、仮面イェーガーは追撃のユーベルコードを発動させる。
それは、防御力が0になり、被弾する全ての攻撃が致命傷になる代わりに、圧倒的な威力をもたらすユーベルコードだ。
リスクを覚悟の上で、仮面イェーガーは勝負を決めに行った。
「一気に決めるぞッ! うおおおおおッ!!」
「くっ、まだまだぁっ! 燃えろ猟兵ィ!!」
気合いを籠めた仮面イェーガーは超高速移動で鉄骨を走り、勢いよく跳躍する。
空中で態勢を整えた焔村が軍刀を抜いてカウンターを狙う動きを見切り、紙一重でその斬撃を避けて、影朧因子を活性化させて必殺技を叩き込む。
超高速移動からの猟兵キック。雷撃を纏い、通常の猟兵キックの8倍のエネルギーを持つユーベルコード!
「イェーガー……ライジングインパクトキイイィックッ!!!」
「がああああ!!」
《猟兵電光キック(イェーガーライジングインパクトキック)》が焔村の胸を突き、勢いよく吹き飛ばした。
タワーの鉄骨に激しく叩きつけられた焔村を見つめ、仮面イェーガーは大きく息を吐くのだった。
成功
🔵🔵🔴
鳴上・冬季
「地を這う者に空往く者の討伐は難しいでしょうが。貴方如き俄かと天翔る仙を同一視されるのは実に業腹です」
「帝都の威光を嫉む付け火強盗如きが大言壮語も甚だしい。二度と帝都に立ち入れぬほどの恐怖を味会わせてくれる。…夢叶わぬ苦しみに悶えて逝け」
嗤う
空中戦と空中機動使用
トリッキーな飛行で敵を翻弄しながらUC
雷公鞭での雷撃や仙術+功夫で仙丹指弾し命中した敵に自力覚醒不可で致死ダメージ与える磔刑の悪夢見せ空中から墜落させる
敵の攻撃は仙術+功夫で縮地(短距離転移)して回避
「悪夢に落下ダメージが重なれば、大抵の者は即死でしょう。速やかに悪夢を終わらせる、実に優しい技だと思いませんか?貴方も疾く逝くがいい」
嗤う
●仙人仙術、
夢幻に包まれて。
「地を這う者に空往く者の討伐は難しいでしょうが。
貴方如き俄かと天翔る仙を同一視されるのは実に業腹です」
宝貝『風火輪』を足に嵌めて、空中に立つ鳴上・冬季が焔村を見下ろし微笑みを浮かべている。
帝都タワーの鉄骨を駆け回っていた焔村が脚を止め、冬季を見上げて視線を交わす。
両者ともに、相手に向けて嗤いかけている。
「これはこれは、偉大なる天仙様とはいざ知らず!
ご無礼を許されよ、詫びに天下が燃ゆる様を御覧じよ!」
「帝都の威光を嫉む付け火強盗如きが大言壮語も甚だしい。
二度と帝都に立ち入れぬほどの恐怖を味会わせてくれる。
……夢叶わぬ苦しみに悶えて逝け」
嗤い、震える両者の肩。
その表情と同様に、緊迫した空気が張りつめる。
その静寂を破ったのは、堪え切れぬ焔村であった。
「ははっ! 大層なことを囀るのはどちらかな!
ならばよかろう猟兵よ、貴様に目にものを見せてやろう!
来い! 黒に魅入られた軍人たちよ!」
焔村が号令を上げると、四方八方の物陰から軍人たちが姿を晒す。
何処かに隠れ潜んでいた訳ではない、これは焔村のユーベルコード。
《悉くを蹂躙する焔》によって召喚された、百体を超す黒に魅入られた軍人たちだ。
軍人たちは焔村と同じく、黒焔属性の戦闘能力を有しており、宙に浮かぶ冬季に狙いを定めて刀や銃から炎を放つ。
「さあ! 自分たちが魅入られし黒き焔! 存分に味わわれよ!」
視界いっぱいに放たれる黒色の焔の弾幕。
それを冬季は涼し気に、軽やかに回避してみせる。
それこそ仙人の面目躍如、空中戦と空中機動はお手の物。
トリッキーな飛行能力を披露して敵の軍勢を翻弄しながら、冬季は『雷公鞭』を構えつつ悠々とユーベルコードを詠唱する。
「屠所の羊も釜中の魚も、そのままであれば死ぬだけです。
貴方達には、さぞ良く効くことでしょう。永の夢に揺蕩い、苦しんで逝きなさい」
詠唱と同時に放たれる雷撃が軍人たちの間を走り抜け、その身に少なくない傷を負わせる。
それでもなお攻撃を続けようとした黒に魅入られた軍人たちが、一人二人とふらついては崩れ、そのまま鉄骨から転げ落ちていく。
ただ一人、電撃の奔流を避けられた焔村だけが、驚き慄いていた。
「な……何だと? 何をした、猟兵っ!」
「さて。きっと快い夢でも見ているのでしょう」
嗤う冬季が繰り出したユーベルコードは、《仙術・羊魚之夢(センジュツ・ヨウギョノユメ)》。
攻撃が命中した対象に、自力で覚醒することができず、痛みを感じれば死に至ることもある悪夢を付与するユーベルコードだ。
対象が冬季から半径143m以内にいる間、悪夢による睡眠状態と精神を消耗させるダメージを与え続けるのだ。
タワーの鉄塔という限られた空間にいる軍人たちはその間合いから逃れるすべはなく、電撃を受けた時点でその末路は確定されたものであった。
ひとたび眠りに陥ったならば、仲間によって起こされるまで……彼らは決して、起きる目覚めることはない。
悪夢の中で磔刑にされながら、軍人たちは地上まで墜落していく。
「悪夢に落下ダメージが重なれば、大抵の者は即死でしょう。
速やかに悪夢を終わらせる、実に優しい技だと思いませんか?
―――貴方も疾く逝くがいい」
「ほざけぇ!!」
部下を喪失し焦ったのか、汗を滲ませて焔村が歩兵銃を構えて黒い焔を冬季目掛けて撃ち放つ。
だが、冬季は仙術と功夫を組み合わせた縮地にて、短距離転移の技法で容易く躱し、おやつ扱いで持ち歩いている自作の『仙丹』を指弾で放つ。
眉間に『攻撃』が命中した焔村は、一瞬表情を引きつらせたものの、速やかに微睡み崩れ落ちる。
落ちていく焔村を見下ろして、冬季は余った『仙丹』をボリボリとかじり、静かに嗤って見送るのだった。
大成功
🔵🔵🔵
御園・桜花
「帝都を大火に沈めるのが望みなら、私達の望みは共存出来ません。骸の海へお還りを」
桜鋼扇構える
UC「精霊覚醒・虹」
マッハ12で高速飛行しつつ高速・多重詠唱で召喚した七精霊、特に氷と雷の精霊の属性攻撃多用
焔を阻害したり時間差で追い込んで雷撃を命中させたりする
自分の飛行ルートは第六感だけで選択
敵の攻撃も第六感や見切りで躱しながら近接距離を擦り抜ける時は桜鋼扇でぶん殴る追加攻撃も忘れない
「桜鋼扇は広げなければ棍ですもの。全力で叩けば、刀くらい普通に曲がります。刀も歩兵銃も、私が圧し折って差し上げます」
最終的には肩からぶつかる等して地上に叩き落とすのを目論む
「戦に満足されたらどうぞ骸の海へ」
鎮魂歌で送る
●パーラーメイドを侮るなかれ。
「帝都を大火に沈めるのが望みなら、私達の望みは共存出来ません。骸の海へお還りを」
「そうはいかん。自分の本懐はまだ果たされていないのでな!
相容れぬ望みが重なったならば……押し通すまで!」
もはや問答では解決できぬと。
常日頃より幻朧桜を、影朧を、今上帝を、サクラミラージュのあらゆるものを想っている御園・桜花は、『桜鋼扇』を構えてユーベルコードを展開する。
それは、港区の火災を食い止めるために行使した、《精霊覚醒・虹(セイレイカクセイ・コウ)》であった。
「我は精霊、桜花精。我が呼び声に応えよ七精霊。
炎氷嵐磐雷光闇の呼び覚まされし力もて、我らが敵を討ち滅ぼさん!」
最高時速14300km、マッハ12に達する高速で飛行する桜花が、歩兵銃の狙いを定められないように帝都タワーの周りをぐるぐると飛び回る。
鉄骨の上を跳び回り、桜花に注意を払っている焔村に攻撃を叩き込むべく、高速・多重詠唱で七精霊を召喚する。
特に氷と雷の精霊に力を注いでいるようだ。
「参ります。願わくば安らかにお還りください」
桜花が『桜鋼扇』を振ると、精霊たちが焔村に襲い掛かる。
氷が黒い焔を阻害し、他の炎・嵐・磐・光・闇の属性を持つ精霊たちが時間差で連携して追い込み、雷撃が焔村を貫く。
その手筈で放った精霊たちの前で、焔村はユーベルコードを展開する。
「黒焔よ! 自分の身に纏わりつけ!」
「っ!」
焔村は笑みを深めて、自分自身に黒焔を纏った。
《我が魂を燃やす焔》。
黒焔を纏うことで、高速移動と軍刀による斬撃波、黒い焔の放射を可能とするユーベルコードだ。
戦闘終了まで毎秒寿命を削るというリスクが、その威力を物語る。
氷の精霊が斬撃波に斬られ、黒い焔がそのほかの精霊たちを脅かす。
そして一瞬生じた精霊たちの間隙をついて、高速移動する焔村が鉄骨を跳び出した。
飛翔する桜花へ狙いを澄まして、軍刀を振り上げ斬りかかった。
「覚悟ォ!」
残忍な笑みに口を歪めた焔村の軍刀が桜花に届き……その刃が、閉じられた『桜鋼扇』に阻まれる。
焔村の動き、刀の軌道を見切った桜花のカウンターにより、軍刀が甲高い音を立てて圧し折られた。
「な、にぃ
……!?」
「桜鋼扇は広げなければ棍ですもの。全力で叩けば、刀くらい普通に曲がります」
焔村は精霊を使役する桜花を見て、後方から術を駆使する弱い婦女子と侮っていたのだろう。
どれほど華やかで可憐な姿をしていても、桜花は百戦錬磨の猟兵……超弩級戦力なのである。
自由落下する猶予を与えず、桜花は振り上げた『桜鋼扇』を焔村の肩へと振り下ろす。
「刀も歩兵銃も、その性根も。私が圧し折って差し上げます」
「あぐっ、あ、あああぁぁぁ
……!?」
空を飛ぶ能力を持たない焔村はそのままタワーに沿うように地上へと叩き落されていく。
遠くなる悲鳴を耳に、落ちていく焔村を見送って、桜花は頬に一筋の汗を垂らしながら息を吐いて呟いた。
「戦に満足されたら、どうぞ骸の海へ」
世界に響かせる歌声を披露して、桜花は焔村へと鎮魂歌を送るのだった。
苦戦
🔵🔴🔴
幸徳井・保春
美しい物が崩れる「滅びの美」が至高だと思う者がいるのは小説や文芸誌で見たことはあるし、思うのも勝手にすれば良いと思う。
だがお前の言う通り、それを防ぐのが俺達の仕事なのでな。しかし一人と思っていたが複数犯だとは……予想外の大捕物になりそうだ。総員、桜學府の矜持を見せつけるぞ。
それにしてもまさか自ら火だるまになって戦うとは。ここまで拗らせていたらもうどうしようもないな。滅びの美がというより、燃えてれば何でも良いと言ったところか。評論で滅びの美学を熱弁していた者が見たら呆れ返るだろうな。
徹底的に挑発し、冷静さを失ったところで一気に距離を詰めて切り払う。炎の熱で茹だった頭では防げなかったようだな?
●桜學府の矜持を見よ。
「美しい物が崩れる『滅びの美』が至高だと思う者がいるのは小説や文芸誌で見たことはあるし、思うのも勝手にすれば良いと思う」
「ほほう? 理解を示すというのであれば、自分の邪魔立てをせずに見逃してもらえるのかな?」
帝都タワーの鉄塔の中、鉄骨の上に立ち幸徳井・保春は静かに口を開く。
手に握るのは、清水と神鋼で鍛え上げられた『退魔刀』。
夜風に『桜學府マント』を靡かせて、『學徒兵帽』を目深に被り、視線の先に佇む軍人……焔村と対峙する。
焔村も軍刀を抜いて、臨戦態勢の構えだ。
間に走る空気は……一触即発。
「だがお前の言う通り、それを防ぐのが俺達の仕事なのでな。
しかし一人と思っていたが複数犯だとは……予想外の大捕物になりそうだ。
総員、桜學府の矜持を見せつけるぞ」
「「「承知!」」」
帝都を護る為に集結した學徒兵たちが幻朧桜たちから与えられる霊力を身に宿し、鉄骨の上を駆けていく。
焔村が呼び出したで黒に魅入られた軍人たちと、周囲で剣戟を交わしていく。
保春は焔村と睨み合い、そして距離を詰めてぶつかり合った。
「そうか。ならば、帝都桜學府、超弩級戦力、猟兵。その首もらい受けるぞ!」
「お前に譲ってやれるほど。この首は安くはないのだがな」
焔村が行使するのは、《我が魂を燃やす焔》。
その身に黒焔を纏い、高速移動と軍刀による斬撃波、そして黒い焔の放射を可能とするユーベルコードだ。
上段から繰り出される一撃を、保春は足場の悪さをものともしない身軽さで躱していく。
《我が魂を燃やす焔》は強力なユーベルコードだ、それ故に消耗も激しい。
戦闘が終了まで毎秒寿命を削っていく。時間は保春の味方だ。
「それにしてもまさか自ら火だるまになって戦うとは。
ここまで拗らせていたらもうどうしようもないな」
「フッ! 口先はっ! 達者な、ようだなっ!」
袈裟斬り、横薙ぎ、突きからの黒焔の放射に、切り上げによる斬撃波。
多彩な技を組み合わせて保春を害そうとする焔村。だがしかし、保春の方が数段階上手であった。
斬撃を防ぎ、受け、見切って躱す。
刃先はおろか、炎も斬撃波も、ひらひらと舞う『桜學府マント』にすら掠らない。
露骨に時間を稼がれていること、一撃も攻撃が届かないことに、焔村が目に見えて焦り出す。その顔に汗が滲み出る。
その焦燥は、焔村から冷静さを奪い去る。
「滅びの美がというより、燃えてれば何でも良いと言ったところか。
評論で滅びの美学を熱弁していた者が見たら呆れ返るだろうな」
「黙れっ! 自分は、俺は! すべてを燃やし尽くすのだっ!」
保春の徹底的な挑発に怒った焔村が、渾身の一撃を放とうと力を籠めて軍刀を振り上げる。
隙が生じたその一瞬を見逃すことなく、保春は一気に距離を詰めて切り払う。
『退魔刀』が焔村を切り裂いたことに、焔村本人は気づかなかった。
「鳴くまで待てるほど、気は長くないので」
「な―――にぃ!?」
《九箇之太刀(クカノタチ)》。
相手を苛つかせ、怒らせることで戦闘行為を誘発させる。
そして生じたその隙に、超高速連続攻撃を叩き込んだのだ。
相手が冷静で、回避されれば止まることができずにカウンターを叩き込まれることになるが……焔村はまんまと怒り心頭になり、全身を刻まれた。
保春が納刀し、鍔が鳴った瞬間。焔村は全身の切傷から血を噴き出した。
「ば、かなああああ!?」
「炎の熱で茹だった頭では防げなかったようだな?」
血塗れになり、鉄骨の上でのたうちまわった焔村が鉄塔から転げ落ちていく。
保春は油断なく冷静に、焔村が地面に叩きつけられる様子を見届けた。
周囲では、學徒兵たちも黒に魅入られた軍人たちを制圧することに成功している。
帝都に火を付けた大罪者に罰を下した保春は、静かに踵を返して帝都タワーを降りるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
巨海・蔵人
アドリブ絡み歓迎
◼️心情
高所作業…
うーん、安全マージン無しでは怖いよね、
ほら、僕って配信では隠してるけど(?)重くて鈍いし、
ちょっとあまりタピるのも良くないし(?)
あ、丁度いいのあったかも
◼️総天然色スカイランタン
UCのスクリーンを二枚重ねにして、外側を透明に内側にスカイランタンを投影して、
いっぱいそれっぽい動きをさせて浮かべよう。
燃えてるのすきなら喜んでくれるかも?
僕も四つくらい集めたのにそろそろ乗って浮かぶよ。
攻撃を受けたらそれっぽい演出で本物っぽく。
防戦して、飛びかかってきてくれたら、シールドの斥力強めて突き落としたり、足場にしようとしたら消えたり、僕のもそっとしないと消えるからね、これ
●総天然色のスカイランタン・オン・ステージ。
「高所作業……うーん、安全マージン無しでは怖いよね」
巨海・蔵人は帝都タワーのふもとに立ち、見上げている。
ドローン、トレーラー、タピオカに内蔵サーバー。
撮影の為に必要な、様々な機材や道具を取り揃えているが……高所や空中での戦闘活動はあまり得手ではない。
敵が軽快に鉄骨を跳び回る以上、同じような機動力を要求されるには……蔵人はちょっと大柄だった。
「ほら、僕って配信では隠してるけど(?)重くて鈍いし、ちょっとあまりタピるのも良くないし
(?)……。
あ、丁度いいのあったかも」
ここでタピると帝都タワーが大変なことになる。
眉間にしわを寄せていた蔵人は、眼鏡をキラリと輝かせ、名案を閃いてユーベルコードを展開するのだった。
「……? なんだ?」
それから間もなくして、鉄骨の上を身軽に跳び回って鉄塔を登る焔村は周囲の異変に気付いた。
軽快な電子音を連ねたメロディを発しながら、タワーの周りに大量のスカイランタンが浮かび上がっているのだ。
怪訝に思いつつも、気づいた時にはすでにスカイランタンに囲まれている有様だ。
「な、なんだ、この天灯の群れは
……!?」
「燃えてるのすきなら喜んでくれるかも?」
スカイランタンの正体は、タワーの周囲を飛び交っている小型のパネルによる映像だ。
それらは二枚重ねになったスクリーンで構成されており、外側を透明に、内側にキレイなスカイランタンを投影して、本物のような細かな動きを偽装しているのだ。
《セイブ・ウィンドウズ》。
程々の強さを持つが、一撃で消滅する戦闘用電磁シールド発振式総天然色スクリーンを召喚するユーベルコードだ。
その強みは、その数。実に、660体。
300個を超えるスカイランタンに囲まれて、焔村は唖然としていた。
そこへ、四つ合わせたスクリーンをいくつか集め、その上に乗った蔵人が浮かんで近づいていく。
ここからが、蔵人と焔村の戦いだ。
大量のスカイランタンを動かして、蔵人が笑って撮影を開始する。
「さあはじめるよ、クライマックス! ぼくの用意したステージを、焔村くんはクリアできるかな?」
「ハッ! 何ともふてぶてしい猟兵か! よかろう、貴様の目論見焼き尽くしてくれよう!」
叫ぶ焔村が軍刀を鉄骨に突き立てる。
その瞬間に、漏れ出た黒い焔から次々に軍人たちが召喚される。
《悉くを蹂躙する焔》。
黒焔属性の戦闘能力を持つ黒に魅入られた軍人たちを呼び出すユーベルコードだ。
「さあ行け、あの猟兵を
天灯諸共燃やしてやれっ!」
「わあ、たいへんだぁ」
次々に放たれる黒焔に、蔵人を庇うように動いたスカイランタンたちが焼け落ちる……そんな演出が表示されてから、パリーン! と次々に割れていく。
《セイブ・ウィンドウズ》は一撃を受けただけで消滅するほど、脆い。
だが、謎バリアもとい電磁シールドにより、どれほどの威力であろうと割れたスクリーン一枚の被害で収まっている。
軍人たちが次々に黒焔を放つが、スクリーンの数の方がまだ多い。
「まだまだ在庫はあるからね、気にしないで。あ、そこ危ないよー」
斥力を強めたスクリーンに殺到されて、身体を押されてバランスを崩し、鉄骨から転落する軍人が出始める。
勢いよく砕こうと軍刀を構えて突進した結果、勢い余って割れたスクリーンと共に虚空へと身を投げ出す者もいる。
そんな中、焔村が軍刀を構えて蔵人に向けて跳びかかっていく。
「貴様が座っているということは、上からの力には強度があるとみた!
この面妖な板の群れ、足場に使わせてもらうぞ!」
「あーっと、ここで焔村くん、痛恨のミス―――」
スカイランタンを踏みつけた焔村は、パリーンと割れたスクリーンと共にボッシュート。
決め顔のまま、軍刀を構えて落下していく。
「焔村くん、アウトー。……僕のも、そっとしないと消えるからね、これ」
残存していた軍人たちを片っ端からはたき落して行き、蔵人はいい画が取れたことに満足して帰路に着くのだった。
追記:蔵人のキマフュ体験ツアーによってコンコンコンされていた港区は、あのあと無事に戻ったそうです。
成功
🔵🔵🔴
ティオレンシア・シーディア
何に魅入られたんだか知らないしさほどの興味もないけれど。
これ以上好き放題傍迷惑なことさせるわけにもいかないもの、きっちり叩き潰しておきましょ。
何かに乗ってじゃなく生身での空中戦は久々ねぇ…
まずは
ラグと
エオローで◯火炎耐性のオーラ防御を展開。幻朧桜の加護も乗るし、多少の火じゃびくともしないわぁ。
そしてここはタワーの内部、周りは鉄骨――即ち障害物の山。跳弾の射角には事欠かないわよねぇ。●鏖殺・狂踊で片っ端から釣瓶打ちの乱れ撃ち、●黙殺・砲列弾幕も絡めて空間纏めて制圧するわよぉ。
実はあたし、こういう戦場が一番得意なのよねぇ。御生憎様、御免なさいねぇ?
●
黙殺封殺鏖殺領域。
「何かに乗ってじゃなく生身での空中戦は久々ねぇ……」
ティオレンシア・シーディアは軽々とした足取りで帝都タワーの鉄塔を登り、焔村の前へとたどり着く。
接近に気づいた焔村が軍刀を抜くよりも早く、ティオレンシアは『ゴールドシーン』に頼み
ラグと
エオローのルーンを刻む。
展開された火炎耐性のオーラ防御は幻朧桜から供給された霊力の加護も併せて、多少の火ではビクともしない強固な守りとなってティオレンシアを包み込む。
防護を万全にしたティオレンシアは、余裕のある様子で愛用のシングルアクション式6連装リボルバー『オブシディアン』に手を添えた。
「何に魅入られたんだか知らないし、さほどの興味もないけれど。
これ以上好き放題傍迷惑なことさせるわけにもいかないもの、きっちり叩き潰しておきましょ」
「っ! 来たか、猟兵! 我が黒焔を受けて見よ!」
焔村は振り向きざまに全身に黒い焔を纏い、軍刀を抜いてティオレンシアへ向けて走り出す。
ユーベルコード《我が魂を燃やす焔》により、毎秒寿命を削ることを代償として高速移動と軍刀による斬撃波、黒い焔の放射を強めているのだ。
鉄骨の上を素早く走りティオレンシアとの距離を詰め、軍刀の間合いに収めようとする。
振り下ろした刀を回避されれば斬撃波を、防御されれば黒焔を放てばよい。
そのような焔村の思惑は、微笑むティオレンシアの手にかかれば容易く崩される。
「跳弾の射角には事欠かないわよねぇ」
細められた目から見える赤い瞳が焔村を射抜く。
同時に、発砲音が響き渡り焔村の太ももが貫かれた。
体勢を崩した焔村が膝を着き、驚いたように銃痕を見つめている。
「なっ……!? 銃撃、だと……! いつの間に抜いたっ!」
「さぁて、それじゃあ御立ち合い。一指し御付き合い願いましょうか。
……嫌だと言っても逃がさないけれど、ね?」
ここはタワーの内部、周りは鉄骨―――即ち障害物の山。
ティオレンシアにとって得意な、閉所戦闘の空間だ。
一度の銃声の中、放たれた銃弾は一発だけではない。
タワーの鉄骨が甲高い音を立てて、弾丸の群れが焔村を取り囲んでいる。
いつの間にか抜かれていた『オブシディアン』から、すでにいくつもの弾丸が放たれていたのだ。
《鏖殺・狂踊(アサルト・タランテラ)》。
間断ない連射と跳弾による、不規則三次元の弾幕を放つユーベルコード。
戦場の地形や壁、元から置かれた物品や建造物を利用して戦うことで、その威力と攻撃回数が3倍になる。
空間的な見切りによる超絶技巧が披露され、文字通りの全方位から焔村を貫いていく。
「がっ!? 間にっ、合わ……! ぐっ
……!?」
「手数の多さは即ち強さ。ゴールドシーン、お願いねぇ」
片っ端から放たれる、釣瓶打ちの乱れ撃ち。
一瞬で撃ち尽くす弾倉にクイックドロウで弾を込め、『オブシディアン』が火を噴き続ける。
さらには『ゴールドシーン』がティオレンシアに追従して魔術文字を描く、《黙殺・砲列》の弾幕も絡めて空間纏めて制圧する。
前後左右、手足胴体、急所もそうでない部位も区別なく、一方的な攻撃にさらされる焔村は恨みがましい視線をティオレンシアに向けることしか適わない。
その視線を涼しい様子で受け流して、ティオレンシアは小さく微笑んだ。
「こ、このっ! お、のれぇ、おのれ猟兵っ……!」
「実はあたし、
閉所戦場が一番得意なのよねぇ。御生憎様、御免なさいねぇ?」
脳が溶けるとすら称される甘い声色をトドメに下し、月明りの下でティオレンシアはワンサイドゲームを達成するのだった。
成功
🔵🔵🔴

フィーナ・シェフィールド
アドリブ連携OK
消火活動を終えて走ってきた勢いのまま翼を広げて舞い上がり、タワーの展望台の上に降り立ちます。
「これ以上、何一つ傷つけさせません!」
タワーや幻朧桜から帝都を守護する霊力を受けて、破魔と浄化の力を強化。【もう一度、この世界で生まれ変われたら】を発動してタワー中のあちこちにスクリーンを投影します。
「鎮めよ!」
焔村と召喚された軍人も含めた敵全てに対し、スクリーンから破魔の歌声を放つことで、自らの行為を悔いて破壊行動を止めると共に、歌声の力で召喚された存在を浄化して消し去ります。
映像を見ればわたしの現在位置が分かるので、歌を止めたければ見える範囲に来るはず。
「人々の平穏を、幻朧桜の想いを傷つけたその行い、心より悔いて消えなさい!」
焔村さんが目の前に現れたら、破魔の力を込めた生の歌声を直接聞かせて、その魂を浄化します。
「ありがとう、守ってくれて…」
無事に影朧をこの地から退去させられたら、タワーの社の前で、タワーと傷ついた幻朧桜、桜の精たちに向けて感謝の唄を歌います。
魔法少女・マジカルガール
マジカルカメラでクライマックス感溢れる音楽を流して撮影!
「そこまでだよ!これ以上、この世界を傷付かせない!」
台詞とポーズで応援を稼ぐよ!
UC+真の姿
塔の加護を受ける事でUC効果上昇
ステッキを聖剣に、ドレスを騎士鎧に変え
UC「シルフィード・クローク」を聖剣に纏って隠す事で敵が剣身の間合を把握出来なくする
ウィングで飛翔して61500㎞/h移動しながら更に加速!
塔を飛び回り、攻撃を受ける直前に突然瞬間移動で背後を取ったりしながら増加した攻撃力で手下を倒して行くよ!
敵の攻撃はバリアとドレスで防御!
竜巻で塔の外へ吹き飛ばし、塔へ当てずに光の斬撃波を放つ!
「エクス……」
「カリバァァァアアアアアッ
!!!!」
●桜と幻想、祈りの歌声。
「これ以上、何一つ傷つけさせません!」
「そこまでだよ! これ以上、この世界を傷付かせない!」
消火活動を終えて走ってきた勢いのまま天使の翼を広げて舞い上がり、フィーナ・シェフィールドが帝都タワーの展望台の上に降り立った。
感情に応じて加速する極超瞬速飛翔光翼『マジカルウィング』で飛翔して駆け付けた魔法少女・マジカルガールも並び、帝都タワーの頂上付近に登り切った黒に魅入られた者『焔村』と対峙する。
月明りの下、猟兵たちとオブリビオンは向かい合う。
「させぬと言われて止めるものなどいるものか。
この世界を傷つけるというのはあくまでも結果……自分は、この世界を燃やし尽くしたいだけなのだからな!
さあ、来い、部下たちよ! 共に”黒”に魅入られし亡者たちよ!
この帝都を、黒き焔で覆い尽くそう!!」
焔村の叫びに応え、鉄骨のあちらこちらから黒い軍人たちが召喚される。
《悉くを蹂躙する焔》。
黒焔属性の戦闘能力を持つ、百体を越える黒に魅入られた軍人たちが武器を手にフィーナとマジカルガールを取り囲む。
多勢に無勢の真っ只中、それでもマジカルガールは笑顔を輝かせ、フィーナは明るく笑みを見せる。
何故なら二人は猟兵であり……国民的スタアなのだから。
「フィーナさん……私が、焔村を討つよ!」
「……わかりました。ならばわたしは、喚ばれた軍人の皆さんを!」
猟兵たちが再建した寺社仏閣、そして守り抜いた幻朧桜から帝都タワーを守護する霊力。
その一部を借り受けて、破魔と浄化の力を強化したフィーナがユーベルコードを展開する。
黒焔を纏った軍刀が、歩兵銃から放たれる黒焔が、二人に届くよりも早く。
フィーナはその旋律を歌い出す。
「心を鎮め、希望を願って。奇跡を祈った瞬間、新たな一歩を踏み出したその先に」
《もう一度、この世界で生まれ変われたら(スターティング・オーバー)》。
戦場中にいくつものスクリーンが投影される。
そこに映るのは、翼を広げて歌うフィーナの姿だ。
物質を透過し敵に自らの邪な行いを恥じ、悔い改める悔悟の状態異常を与える浄化の力を込めた破魔の歌声を放つユーベルコードが、影朧たちに響いていく。
タワー中のあちこちに投影されたスクリーンは、戦場のどこからでも目に入る。
「鎮めよ!」
焔村に召喚された軍人たちが、肉声とスクリーンから伝わる破魔の歌声を浴びて、次々に手を降ろしていく。
狂気的に爛々と輝いていた瞳に人の情が宿り、これまでの振る舞いを省みるかのように首を垂らし、武器を手放していく。
自らの行為を悔いて破壊行動を止める軍人たちが、歌声の力で浄化され幻朧桜の癒やしを受けるように消えていく。
ただ一人、焔村のみが歌声に抗い震えている。
「やめろ……! その歌を、やめろっ!
自分たちの黒を……! 俺たちを惑わすな……! この、魔女めがぁぁぁ!」
軍刀を構え、焔村は血走った眼付きでフィーナへと襲い掛かる。
フィーナの歌を止めるために、燃やすのではなく排除するために攻撃を仕掛けようと駆け出している。
焔村の視界には、今。フィーナしか映っていない。
そこが、マジカルガールがユーベルコードを発動する好機となる。
「みんなの理想を一身に背負って戦ったアーサー王」
『マジカルカメラ』からクライマックス感溢れる音楽を流し、撮影を続行しつつ、マジカルガールは台詞とポーズで人々の応援を稼ぐ。
フィーナの歌唱の効果も合わさり、視聴率は順調。
盛り上がりは良好で、好感度は青天井だ。
絶好の注目の中、マジカルガールは変身を遂げる。
「その力を今……少しだけ使わせてもらうね! セイバー!」
《
英霊召喚「セイバー」(アーサー・ペンドラゴン)》!
職業:勇者のとある英霊と合体し、攻撃力を増加するユーベルコード!
その移動速度は時速61500km! 宇宙探査機ボイジャーが飛行する速度に匹敵する加速力!
123m以内の敵を自動追尾する瞬間移動能力と、自身と武装を竜巻で覆い視聴嗅覚での感知を不可能にする《シルフィード・クローク》を併用する、マジカルガールの真の姿の一つである!
「この世界のみんなの希望を、あなたには奪わせない!」
ステッキを聖剣に、ドレスを騎士鎧に変えて、帝都タワーの周囲を飛び回りマジカルガールが焔村に斬りかかる。
《シルフィード・クローク》により竜巻を纏った聖剣は、その刃渡りが隠されることで間合の把握を困難にする。
マジカルガールの攻撃を受け流そうとする焔村だったが、読み違えたことで軍刀を斬り折られ、その身に一筋の切傷を受ける。
それでも、焔村は戦意を落とさず歩兵銃に持ち替える。
「くぅ……! 理想だと、希望だと? そのようなものはまやかしだ!
この世の真理は”黒”にあり! すべてを燃やし尽くし、焼き尽くすことこそ至上なのだ!」
「そんなことはない! 私たちはいつだって、夢と希望に溢れてる!」
歩兵銃から放たれる黒焔がマジカルガールを捉える直前、突然の瞬間移動能力によりマジカルガールは焔村の背後へと回り込む。
そして、攻撃を放った直後で隙だらけのその背中を《シルフィード・クローク》の竜巻で吹き飛ばし、鉄塔の外へと吹き飛ばした。
絶叫を上げる空中の焔村に、マジカルガールは聖剣を振りかざす。
「エクス……」
マジカルガールの魔力と帝都の霊力を注ぎ込まれた、聖剣から放たれる神殺しの光の斬撃。
15km先まで届く必殺技が、焔村に叩き込まれる。
「カリバァァァアアアアアッ
!!!!」
帝都の夜空を、真昼の陽と見紛うほどの光の奔流が通り過ぎていく。
サクラミラージュを脅かした影朧が、光りに飲み込まれて消えて行く。
焔村の末路を見つめて、フィーナは破魔の力を込めた生の歌声を送り続ける。
せめて、その魂が浄化されることを祈っている。
「人々の平穏を、幻朧桜の想いを傷つけたその行い、心より悔いて消えなさい」
こうして。
帝都タワーを焼き落そうと目論んだ影朧、焔村は討伐されたのだった。
●払暁の帝都タワー。
「……ありがとう、守ってくれて……」
無事に影朧をこの地から退去させた後。
地上に降りたフィーナは、帝都タワーの社の前に立っていた。
その近くでは魔法少女の姿に戻ったマジカルガールやこの戦いに馳せ参じていた大勢の猟兵たちが佇み、フィーナの行動を静かに見守ろっている。
これからフィーナは、帝都と傷ついた幻朧桜たち、そして桜の精たちに向けて感謝の唄を歌うのだ。
長い夜が明けて、暖かな朝日が差し込む中で……人々の日常を護った猟兵たちは、その輝きに耳を傾ける。
「~♪」
フィーナの歌声が響く帝都タワーは、その威風に仄かな霊力を纏わせて誇らしげにそびえ立ち続けることだろう。
こうして。サクラミラージュの平和はまた一つ護られたのであった。
大成功
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