ザンギャバス、爆発(物理)しろ!
(注意。このシナリオはコメディシナリオです。登場する敵は、従来の雰囲気や設定・口調と異なる場合があります)
「ふっふっふ~、これでグリモアベースもイチコロで~す☆」
思わずどや顔のレディ・オーシャンの目の前にあるのは巨大な月。『骸の月を喰らう月』と呼ばれるレディ・オーシャンの隠し玉だ。しかもその月の母体となっているのは、なんとあの『鮫牙』ザンギャバス大帝なのだ。儀式魔術【Q】を使い、ひそかに『骸の月を喰らう月』へとザンギャバス大帝を変身させていたのだ。世界移動能力を植え付け終わって、あとはこの世界を飛び立たせるためのエネルギーを充填させるのみ・・・なのだが。
「・・・お腹、すいたお」
「・・・儀式中に何か不具合でもあったのかしら~。なんだか、ザンギャバスの口調がおかしい気がするけれど、この際気にしな~い☆」
・・・特に問題ではないらしい。問題はそこではなく、充填するエネルギーがめちゃくちゃ必要な事なのだ。
「急いでエネルギーを充填しないとね~?やっぱり料理を食べさせるのがいいのかしら?」
月なのに時折口らしき空洞が開き、先ほどから空腹を訴えかけてくる。あの空洞に食べ物でも投げ込めばエネルギー充填出来るだろう。
「仕方ないわね~。こうなったらわたし自らが料理の腕を振るいましょう☆・・・でも、量がかなり必要ですからねぇ~」
どうやら、猟兵達にはレディ・オーシャンの企みがばれてしまったようだ。まもなくこちらの企みを阻止するために彼らがこの場にやって来るだろう。そうなると料理をしている時間はほとんど取れない。
「・・・、そうだわ!わたし、いい事思いついちゃった☆猟兵に料理対決を挑めばいいのよ!」
そうして料理を猟兵にも作らせれば、月のエネルギー充填に必要な食料も大幅にゲット出来る!
「料理対決に水を差されるのは避けたいから、特殊なフィールドを準備しましょう~。早速準備に取り掛からなくっちゃ☆」
いそいそと、レディ・オーシャンは料理対決の会場造りを始めるのであった。
●夕闇亭の食堂にて
『ザンギャバス爆破作戦』と物々しい作戦名が掲げられたこの作戦の状況を把握する為、グリモア猟兵の鳳凰院・ひりょのいる夕闇亭へと集った猟兵達。グリードーシャンでの戦争の際に猟兵達と交戦したが、撃破は叶わなかった『鮫牙』ザンギャバス大帝。どうやらレディ・オーシャンとの決戦に奴が介入してくるのだろう。しかし・・・『爆破』とは物騒な。音沙汰のなかったザンギャバスが、実はその間にリア充にでもなっていたのだろうか?それならば爆破せねばなぬまい・・・などと暗い笑みを浮かべる者達もいる中で、ひりょが状況の説明を始めた。
「レディ・オーシャンが、グリモアベースを直接攻撃しようと企てているという情報が入ってきました」
猟兵達の間に動揺が走る。もしそのような事が成功してしまえば・・・完全敗北となるだろう。これだけは絶対に阻止せねばなるまい。緊張した面持ちの猟兵達にひりょが説明を続ける。
「幸いにして、攻撃手段として準備したと思われる巨大な『骸の月を喰らう月』は動き出していません。世界移動能力を植え付けられた『骸の月を喰らう月』は、その力を使うための膨大なエネルギーが必要なのですがその供給が間に合っていないみたいですね」
ならば、今この段階で突入し『骸の月を喰らう月』を破壊出来れば・・・この作戦は成功するという事だろう。無論、そのような行動はレディ・オーシャンも阻止したいはず。必ず猟兵達の前に立ちふさがる事だろう。
「予知によると・・・、レディ・オーシャンは皆さんに料理対決を挑んでくるようです」
・・・は?聞き間違いか?なぜ、ここで料理対決が出てくるのだ?
「どうやら料理対決で猟兵に作らせたその料理を、『骸の月を喰らう月』のエネルギー補充に充てるつもりのようです」
エネルギーが足りないという事だから空腹というわけか。それを料理で補おう・・・。なんという手を使って来るのだ。決戦の場だというのに!?
「相手はどうやら特殊な場を準備したようです。その空間では相手への直接攻撃は無効化されてしまうようで・・・。料理対決で相手の心を折る事でダメージを与える特殊仕様のようです」
また、変な仕様にしたものだ。まぁ、相手の心を折るのなら絶品料理でも激マズ料理でも可能な事だろう。ちなみにレディ・オーシャンの綾里の腕はかなり低いらしい。つけ入る隙はかなりありそうだ。
「料理対決でレディ・オーシャンを下したら、『骸の月を喰らう月』の破壊に向かってもらいます。この月の母体はザンギャバス大帝らしいです」
そこでザンギャバスが出てくるのか。しかし、変身させられていたとは・・・。
「料理対決で作った料理を奴の口に放り込んでしまいましょう。特殊仕様のスーパーフードを準備しておきました!これを使えば一粒でも数百倍にお腹の中で膨らむ仕様になってます。これを料理に振りかければ・・・」
なるほど、お腹が一杯どころか、腹が破裂するくらいに膨らんでしまう・・・。いや、作戦名を見る感じでは破裂させてしまうのが狙いであろう。・・・どうしてこうなった?まぁ、それで倒せるのならそれも良いだろう。どちらにせよ破壊せねばならないのだから。
「では、皆さんを現地へ送ります!ご武運を!」
無駄にいい笑顔でエールを送るひりょであった。
黄昏空
MSの|黄昏空《たそがれ・そら》です。このシナリオは決戦シナリオ、2章で構成されています。なお、この決戦シナリオを20回成功すれば、完全にレディ・オーシャンと『骸の月を喰らう月』を滅ぼすことができます。
まずシナリオの説明に入る前に一言。このシナリオはコメディシナリオです。それに伴い、登場する敵もコミカルな感じになっております。
まず第一章ではレディ・オーシャンと対決する事になります。ただし、料理対決です!普通にレディ・オーシャンを攻撃してもダメージが与えられません。彼女が作り出した特殊なこの空間では、相手の心を折られた方がダメージを食らう謎仕様となっております。無難に料理対決をし、相手の心を折ってやりましょう!なお攻撃系のUCは、このシナリオ中では料理対決を盛り上げるための演出的な感じで描写されます。レディ・オーシャンの料理の腕は下の中、くらい。まぁ、料理はほんの少しだけ出来る、という程度の実力です。美味い料理で圧倒するもよし、彼女より圧倒的な不味い料理で絶句させるもよし。相手の心の折り方は、猟兵の皆さんにお任せします。
第二章は冒険。巨大な『骸の月を喰らう月』と遭遇します。この月の母体となっているのは、『鮫牙』ザンギャバス大帝です。この月がグリードオーシャンから外界へと出発してしまったら万事休す・・・なのですが。どうやら空腹で動くことが出来ない模様。そこで月にレディ・オーシャンとの対決の際に作った料理を与えて、お腹を満たしてやります。実はこの料理には、お腹を数百倍にも膨れ上がらせるスーパーフードの改良版が盛り込まれております。それでザンギャバスのお腹を限界以上に膨らませ・・・爆破してしまおうというのです!『骸の月を喰らう月』となった事でザンギャバスの食欲は、従来の3倍にも膨れ上がっています。お腹が膨れて満足に動けなくなっている状況ならば、相手からの反撃も気にせずに攻撃に専念出来る事でしょう。
ちなみにザンギャバスへ与える料理は猟兵の皆さんが作った料理以外に、レディ・オーシャンが作った物も使う事が出来ます。勝者の特権として強奪、もとい、獲得した料理も使いつつザンギャバスを追い詰めていきましょう。
プレイング受付は、先に運営しているシナリオ完結後が目安。具体的にはタグでお知らせします。それでは、皆さんのご参加、お待ちしております。
第1章 ボス戦
『レディ・オーシャン』
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POW : リヴァイアサン
無敵の【海水の身体を持つアトランティスの守護竜】を想像から創造し、戦闘に利用できる。強力だが、能力に疑念を感じると大幅に弱体化する。
SPD : オーシャンアーマー
自身に【清浄なる海水の鎧】をまとい、高速移動と【金属をも断ち切る高圧水流の刃】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ : 海を統べる者
「属性」と「自然現象」を合成した現象を発動する。氷の津波、炎の竜巻など。制御が難しく暴走しやすい。
イラスト:hina
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「猟兵の皆さん、待っていたわよ☆」
転送された場所には、既に料理対決の準備が施されていた。
「この空間でわたしに直接攻撃は無意味ですよ~。どうしてもわたしを倒したければ…、貴方の料理で打ち負かしてみなさい☆」
たかが料理、猟兵相手にこちらが精神的に打ち負かされる事などないであろう…。そんなレディ・オーシャンの甘い考えは、この後、見事に打ち負かされるのであった。
『虎穴に入らざれば虎子を得ず』…。猟兵達は料理の腕に自信のある者もいれば、ない者もいるだろう。料理なんて作った事もない、という者もいるかもしれないが…。きっと勝利する事が出来る、そう信じるしかない。この空間では精神的に相手に屈したら負けなのだから。
「では、料理対決、開始よ☆」
猟書家の決戦とは思えないような妙な雰囲気漂う戦いが、今始まる!
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
変わった状況ですが、やってみましょう。
必要な食材や道具、調味料は『FTS』で用意すればまず大丈夫としまして。
尚不足する場合は『FFS』で必要な品を呼び出しますぅ。
そして【丰膳】を発動、[料理][グルメ知識]の技能Lvを「使用者のLv×10」に増幅すると共に、「料理対決の競技力」を強化しますねぇ。
レディもザンギャバスさんも海の方、「山の食材」の方が、珍しさも有るでしょう。
「猪肉の生姜焼き」に「鹿肉のハーブロースト」、「山菜と茸の炊き込みご飯」等のメニューをご用意しますねぇ。
飲物は、よく冷えた「麦茶」で如何でしょう?
これらの肉は、特に下処理が重要ですから、出来る限り入念に。
●第一戦目
「待ちかねたわよ猟兵!さぁ、わたしと料理で勝負よ~」
仁王立ちするレディ・オーシャンに出迎えられた夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)、思わず目をぱちくりさせる。
(変わった状況とは聞いておりましたがぁ、本当だったようですねぇ)
ガチの戦闘なら猟兵達をかなり苦しめるだろう存在であるレディ・オーシャンだというのに、何だろうこの展開は…。
(まぁ、平和的な解決が出来るなら、それに越した事はありませんしねぇ)
「わかりましたぁ、料理対決ですねぇ。準備いたしますぅ」
るこるはあ空間倉庫の能力を持つ祭器から次々と|武器《調理器具》を取り出した。
「へ、へぇ…やる気満々じゃない!」
その手際の良さに、思わず動揺するレディ・オーシャン。そういう彼女が準備しているのは、どこか使い古されたボロボロの調理器具たち。グリードオーシャンに流れ着いた調理器具を回収してきたのだろうか?なんだか、料理対決が開始する前段階で既に結末が見えているような…。
「そ、そんなわけないじゃない!道具がいくら良くったって、腕が伴っていなければ意味はないわ☆」
「はい、その通りですぅ。ちなみに、『料理対決』という事は、一種の競技のようなものという事ですねぇ」
「…?そうね、確かにそうかもしれないわね~。あ、くれぐれも相手に攻撃するとか、妨害工作はNGだからね☆」
「勿論ですぅ、正々堂々勝負いたしますよぉ」
レディの挑発(?)にも動じず、当たり前のように切り返するこるの様子に、流石のレディも不安になって来た。
(こ、この子…もしかして真っ向勝負で勝つ気なの?!)
妨害工作を行おうなど、全く考えていなさそうなのだ。という事はそれだけの実力を持っている相手という事になる。その予想は見事に的中する事になるのだ。
「では【丰膳】を発動しますぅ。料理は…そうですねぇ。『山の食材』の方が、珍しさも有るでしょうねぇ」
いそいそと料理を始めたるこるの横で、必死に調理道具と格闘し始めたレディ。いつの間にか、レディが召喚したと思われる守護竜が待機しており、声援を送っている。
そして、しばらくの後…。
「完成いたしましたぁ」
「こ、こっちも終わったわよ!」
両者、調理が完了したようだ。ででん!テーブルに並ぶ両者の料理は…。
まずは、レディ。
「が、頑張って作ったわ!おにぎりよ!」
そこでおにぎりか~いっ!しかも、言われないとおにぎりとわからないような歪な造形。何個か作ったようだが、それぞれ形が違う。意図してそうなったわけでもなさそうだ、うん。
それに比べるこるの方は…。
「『猪肉の生姜焼き』に『鹿肉のハーブロースト』、『山菜と茸の炊き込みご飯』ですぅ」
「うそっ、同じ時間が掛ってこれだけ差が出るの?」
驚愕するレディ。逆に言えば、おにぎりにどれだけ時間かけてるの、という話である。
「み、見た目がいいだけかもしれないわよね~。…ね、ねぇ…味見してみていい?」
「どうぞぉ、遠慮なくぅ」
なんか守護竜も食べたそうなので、二人に料理をおすそ分けするるこる。
「なにこれ!?凄く美味しんですけど~!」
「(こくこく)」
守護竜も同意見なようだ。下処理もしっかり行ったるこるの料理は絶品であった。食後の麦茶もご馳走になり、レディ達は満ち足りた表情を浮かべるのであった。
お~い、勝負勝負~!
「はっ!?…これは完敗よ!ぐはぁぁっ!」
『レディ・オーシャンは大ダメージを受けた』
大成功
🔵🔵🔵
深島・鮫士
レディ、お前さん、料理できたのか……
ま、一丁気張るかね。
さて、調理する前に、だ。
俺が料理をするからには、たとえ相手が猟書家だろうと「大事な客」だ。
レディ、お前さんの味付けの好み(味の濃淡とか)を聞いておこう。
別に正直に教えてくれる必要はないかもだが、宜しく頼むわ。
彼女の好みを聞いたら調理開始。
作るのは……そうだな、白飯に味噌汁、ブリの照り焼き、根野菜の煮物にしておこう。味の善し悪しがはっきり出やすいしな。
さぁ、召し上がれ(料理技能100レベル超えの定食がお出しされる)
レディは何を作ったんだ? ふむ、味は悪くねぇ……が、もっと美味く作れるはずだ。
よぉし、俺がしっかり教えてやるから覚悟しやがれ!
●第二戦目
「わたしとした事が…。思わず動揺しちゃったわね~。つ、次よ?次の挑戦者は誰かしら☆」
「レディ、お前さん、料理出来たというのが正直驚きだったんだが…。今度は俺が行こう」
次の挑戦者は深島・鮫士(医食闘源・f24778)であった。
「ふふん、強いだけじゃなくて料理も出来たら凄いでしょ~?」
どや顔のレディだが、鮫士が一戦目の状況を見た限りでは、レディの料理の腕前は…恐るるに足らずという所だろう。
「…天は二物を与えず、とはよく言ったものだ」
「…?まぁ、勝負よ勝負!わたしの実力はまだまだあんなものじゃないわよ☆」
「ほぅ、それは楽しみだ。レディ、一応お前さんの味付けの好みを聞いておこう。味が濃いのと薄いの、どちらが好きだ?」
「ん~、そうね~。こってり系が結構好きかしら☆」
「なるほどな、濃い味か…」
まぁ、レディが真実を語ったかは不明だが、料理する際の目安にはなるだろう。
(相手は猟書家ではあるが、俺が料理をするからには「大事な客」だ。俺の全力の料理を振舞ってやる)
鮫士は超級料理人という肩書を持つ猟兵だ。料理を振舞うと決めたからには妥協はしない。
「作るのは……そうだな、白飯に味噌汁、ブリの照り焼き、根野菜の煮物にしておこうか」
鮫士はメニューに必要な材料を手元に用意し、調理準備は完了だ。
「では、行くぞ!【|鉄人調理法《テツジンチョウリホウ》】」
鮫士の体がオーラに包まれ、目にも止まらない速度で料理を始める。
「…え?!ちょ、なにそのスピード!?わ、わたしも何か作らなきゃ☆えーっと、えーっと…」
鮫士の動きに度肝を抜かれたレディが呆然としている間に、鮫士の前に次々と料理が出来上がっていく。慌てたレディも料理に取り掛かった。
そして…。鮫士の調理完了に遅れる事数刻、レディも調理を終えた。
「…これは、なんだ?」
「…焼き魚よ!」
「…限りなく消し炭に近いようだが?」
「こ、こっちの一匹の方はマシでしょ~?」
「それにしても、あなたはあんなに凄いスピードで料理していたけれど…。地味な料理ね」
いや、レディ、君がそれ言うかね。君の料理はそもそも料理といえるレベルでは…。しかも途中でひどく焦げ臭い匂いが会場に蔓延し、守護竜が慌てていたような…。
「し、試食タイム~」
レディが流れをぶった切るように試食タイムを宣言する。
「あれだけ急いで作るんだもの、手抜きじゃ…。…、………」
レディが急に無口になる。もぐもぐと、わき目もふらず鮫士の料理を頬張る。
「…どうだ?」
「…美味しい。味もわたし好みだし」
レディも思わず絶句する。
「それに比べて、わたしは…」
「どれ…。まぁ、食べれなくはないな」
鮫士はまだマシな方の焼き魚を一口。じゃりじゃりはしているが、食べれなくはない。
「……が、もっと美味く作れるはずだ。よぉし、俺がしっかり教えてやるから覚悟しやがれ!」
「えっ!?これどういう展開?!」
「つべこべ言わずに準備しろ!俺の修業は厳しいぞ!今から俺はお前の師匠だ!」
「ど、どうしてこうなるのよ~っ!」
会場にレディの悲鳴が響き渡るのであった。ここに新たな師弟関係が誕生した…のか?
『レディ・オーシャンは甚大なダメージを受けた』
大成功
🔵🔵🔵
フェリチェ・リーリエ
ザンギャバスのことはよー知らんけども、リア充なら爆破せんと!(ぐっ)
その前に料理対決だべな、任しとけ!なんせおらは自分のレストランも持ってる生粋の料理人!料理では負けねえべ!
料理人としてのこれまでのスキルを活かし【早業】で【料理】
今は桃が旬だから、桃のフルコース作るべ!
まずは前菜。桃の冷製スープに桃と白身魚のカルパッチョ。フルーツと魚介って意外と相性いいだよ。
お次は桃と生ハムの冷製パスタ。
メインは鴨肉のロースト、赤ワインとバルサミコ酢で煮込んだピーチソースがけ。桃とルッコラのサラダを添えて。
デザートは桃のコンポートをバラの形に盛り付けたタルト。
桃だけでこれだけのレパートリー!どうよ!(ドヤ顔)
●第三戦目
「ん?…どうやら戻って来ただべか?」
他の猟兵にずるずると首根っこを捕まれ会場を後にしていたレディが、どうやら帰還したようだ。
守護竜と茶を飲みながら小休憩していたフェリチェ・リーリエ(嫉妬戦士さんじゅうはっさい・f39205)は、レディに次の挑戦者として名乗りを上げた。
「今度はおらの番だべ!料理対決だべな!この勝負に勝って、ザンギャバスとかっていうリア充を爆破せんといかんでな!」
「貴方達、ザンギャバスを爆破なんて事を考えていたのね☆そうはさせないわよ~」
「…どうやら、こんな美女に庇われているザンギャバスはやっぱりリア充だべ!(ぎりぃ」
許すまじ、と怒りの炎を燃やすフェリチェ。彼女は根っからの嫉妬戦士であった。リア充疑惑のある相手は爆破すべし!そういう信念の元に今日まで戦い(?)続けてきた。大抵空回りするだけであったが。
フェリチェの見せる異様な闘志に若干引き気味のレディだが、気持ちを切り替え第三戦目の料理勝負が開始された!
「UCなど使わずとも、おらの技量だけで解決してやるべ!」
「ふん、わたしもさっきまでのわたしと思わない事ね~。師匠との地獄の修業の成果、見せてあげるわ☆」
一瞬レディの瞳のハイライトが消えかけた気がしたが、気にしない方が良さそうだ。
「そうだべな…。よし、今が旬の桃のフルコース作るべ!」
「何それ、凄く美味しそうなんだけど☆楽しみ…じゃ、なかった!わたしも負けてられないわね☆」
フェリチェは自分の店も持っている生粋の料理人だ。料理で負けるわけにはいかない。愛用の調理道具を使い、次々と料理を作り上げていく。
それに対し、レディもいよいよ会場へ持ち込んだ料理器具を使う時が来たのだろうか?(二戦目までは、ほとんど活躍する場面がなかったようにも思われる)
果てして、両者の料理対決の結果はどうなるのか?
そして…。ついに試食タイムの時間がやってきた。
「…それ、なんだべ?」
「…プッ●ンプリンよ?」
アウト~!市販品じゃないですか!しかも二戦目よりひどくなってますし!
「し、仕方ないのよ!頑張ろうとして…大失敗しちゃったから…」
気合だけは凄かったが、やはり付け焼刃ではどうにもならなかったようだ。ひっそりと守護竜によって会場の隅へと片付けられた消し炭の山。レディの料理の結果であろう。やはり料理の道は一日にして成らず。日々の精進が大事なのだ。
「…とりあえず冷蔵庫でしっかり冷やしておいたから美味しいはず☆」
…冷蔵庫で冷やすだけでは料理とは流石に…。うん、流石にこれは判定するまでもなさそうだ。それに対し、フェリチェの方は…。
「前菜は、桃の冷製スープに桃と白身魚のカルパッチョだべ!続けて桃と生ハムの冷製パスタ、メインは鴨肉のロースト、赤ワインとバルサミコ酢で煮込んだピーチソースがけ『桃とルッコラのサラダを添えて』。デザートは桃のコンポートをバラの形に盛り付けたタルトだべ!」
「こ、これ…全て桃で出来てるっていうの?!」
レディの驚愕の表情に、思わずどや顔のフェリチェ。
「さぁ、堪能するといいべ!」
「そ、それじゃぁ…いただきま~す」
…勿論、レディはこの後『美味しゅうございました』と白旗を上げる羽目になったのであった。
『レディ・オーシャンは特大ダメージを受けた』
大成功
🔵🔵🔵
リカルド・マスケラス
「ウェーイ、どもっす〜、さすらいの料理人っすよ〜。最高の料理でもてなすっす」
そんな感じで現れたのは、狐のお面
【念動力】で調理道具を動かし【料理】をする
「んじゃ、とくと味わうといいっすよ〜」
【世界知識】でレディ・オーシャンが登場したと言われる土地の食材で当時のことを思い出させるような【郷愁】を誘う味を再現する
タコのマリネ、タイの香草焼き、エビたっぷりのチーズリゾット、貝の浜焼きなどなど
「アンタを育んだ過去の味……じっくり味わうっすよ」
UCの効果でレディの服が弾け飛んで、リアクションして欲しいっすね。料理を通して世界の素晴らしさを感じて浄化されるみたいな
「さあ、|過去《骸の海》に還るっすよ」
●第四戦目
「ど、どうしよう…このままじゃ~」
目が空ろなレディに挑戦するのは…、颯爽と登場した仮面、リカルド・マスケラス(ロープ際の魔術師・f12160)だ。
「ウェーイ、どもっす〜、さすらいの料理人っすよ〜。最高の料理でもてなすっす」
陽気な口調のリカルドに、空ろだったレディの瞳に光が戻った。
「なんかチャラいのが来ましたね~。こ、これなら勝てるかも☆」
一見浮遊するただの狐のお面であるリカルドに、今度こそ勝利出来ると思ったレディ。だが、甘い!猟兵とは無限の可能性を秘めた存在なのだ。
若干の心の余裕を取り戻したレディとリカルドとの料理対決は、こうして幕を開けたのであった。
「そういえばレディ、アンタは元々はどんな所に住んでたんっすか?」
「そうねぇ~。普段は海中に拠点を構えてたわね~。懐かしいわ~」
(やっぱり海の幸が良さそうっすね。郷愁を誘う味でレディの心を鷲掴みっす)
巧みな話術でリカルドはレディの身の上話を引き出し始める。レディの方もリカルドを「勝てそうな相手」と油断したのか、思わず口が軽くなる。
レディの話と自身の持つ知識を掛け合わせ、作るメニューを決定したリカルド。
「さて、じゃあ始めるっすよ~」
リカルドの周囲に置かれていた料理道具達が突然ふわふわと浮かび上がり、なんと調理を始めたではないか!
「っ!?噓でしょ!?」
「次々行くっすよ~」
リカルドは念動力で巧みに調理道具を操り、調理を進めていく。その動きは洗練されおり、この動きを見れば彼が料理人である事は明らかだ。
「焦らない、焦らない。さっきは動揺して大変な事になったものね~」
深呼吸し落ち着きを保ったレディ。彼女は既に後がない。全力で挑むべき局面なのだろう。
「オーシャンアーマー装着からの…、水流の刃☆」
海水の鎧(何故か今回は鎧形状ではなくエプロンであったが)を装備したレディが、高速で射出した高圧の水流で次々と野菜を切断していく!先ほどまで見せていたドジっ子ぶりを想像出来ないような戦果だ!(切ってるだけだけど)
「レディも本気みたいっすね~。自分もギアを上げるっす!」
両者が料理に没頭してしばらくの後…。ついに完成した料理のお披露目の時間がやって来た。
「これは…野菜炒めっすね」
「ふ、ふふん。わたしも頑張れば出来るのよ☆」
至って普通の野菜炒めではあるが…、今までの事を思えばかなり善戦したと言える。一方リカルドの方は…。
「タコのマリネ、タイの香草焼き、エビたっぷりのチーズリゾット、貝の浜焼き…その他諸々、海の幸尽くしっす」
「こ、これは!?。試食は…」
「勿論オッケーっすよ!」
レディはリカルドの料理に手を伸ばす。
「…!?こ、これは…う~、ま~い、わよ~!?」
口と目から光を放出しながら衣装をパージするレディ!瞬時にして貝の着ぐるみ身に纏っていた。
「どれも美味しいけれど…特にこの貝の浜焼き!シンプルながら味わい深いわ~」
「どうっすか?懐かしい味っすよね?」
「あぁ、なんだかあの頃に還ったみたいね~」
昔を思い出すかのような表情を見せるレディに、リカルドも満足げなようだ。
「そのまま|過去《骸の海》へと還るがいいっすよ」
そうして、レディは満ち足りた表情を浮かべ骸の海へと還っていったのであった。
『レディ・オーシャンに会心の一撃。敵を撃破した』
大成功
🔵🔵🔵
第2章 冒険
『骸の月を喰らう月』
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POW : 真正面から敵の攻撃に耐え、エネルギーを削る
SPD : 敵の攻撃をかわしながらチャンスを狙って攻撃する
WIZ : 魔法や搦め手で敵の行動を誘導する
イラスト:山下しゅんや
👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
レディ・オーシャンを平和(?)的に撃破した猟兵達。後に残ったのは自分達やレディの作った料理達だ。レディの料理は一般人に振舞うには躊躇われるレベルの料理も結構あるが、まぁ、今度の相手は腹ペコのザンギャバスだし。食べてくれるだろう、たぶん。
レディの作り出した空間を出た猟兵達が島の奥へと進んて行くと…。そこには巨大な月が浮遊していた。
「…ご飯の時間?」
野太い声がして巨大な月が突然、姿を変じさせる。その姿はキマイラというか鵺というか…。巨大な異形の姿であった。ザンギャバスの能力をさらに強化した恐るべき存在。普通に戦えば苦戦は必至だろうが…猟兵達にはグリモア猟兵の策がある。
「お腹すいたお!ご飯くれなきゃ、暴れちゃうよ?」
ハロウィンの時に子供達が言っていそうなセリフを吐きながら、異形が駄々をこねる。ここに来るまでの間に、特注品のスーパーフードは料理に混ぜ込んである。これを食べれば巨大な異形もお腹いっぱいに、いやお腹が破裂するくらいになるはずだ!
グリモア猟兵から最初話を聞いた時には、暑さで脳がやられたのかと思った作戦ではあるが。今回に限って言えば有効そうだ。さて、敵を満腹にさせたら攻撃を仕掛けていこう。相手が満足に動けない状態なら、いくら強大で凶悪な存在でも安全に攻撃する事が出来るはずだ。料理を手に、猟兵達の決戦が始まった!
=====================
【補足説明】
巨大な月は異形の姿に変じました。空腹状態の敵は本能のままに暴れまくる為、非常に危険な存在です。
そこで第1章で皆さんが作った料理達の出番です!
UDCとかでダイエットに使われる『水分を含むと膨れるスーパーフードの改良版』を仕込んだ料理を異形の口へと放り込みましょう!相手は一瞬にお腹が満たされ、動きを止めます。お腹を満たされた敵は行動不能になるので、その間に攻撃しちゃいましょう!
お腹が膨れるのも一瞬ですが…。相手の空腹感も儀式により姿を変じた事で増幅されている為、次の猟兵が攻撃する頃にはまた腹ペコになってます。
【猟兵達の戦利品】
・第一章で猟兵達が各自で作った料理(自分が作った物を使用)
・レディが作った料理(ボロボロおにぎり、消し炭焼き魚、プッ●ンプリン、渾身の野菜炒め)
レディが作った物は利用しても、しなくてもオッケー(特に第二章から参戦したい方は利用していただければ、と思います)
【その他】
戦闘要素はありますが、あくまでコメディ!(ここ重要)楽しんでプレイング書いていただければ幸いです。
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フェリチェ・リーリエ
…は?あれがザンギャバス…?あんな美女に囲われてるリア充がどんな野郎かと思えば怪物でねーか!あんなでかい怪物のどこがいいんだべ!?
まあいいべ、どんな姿形だろうとリア充は爆破あるのみ!さあ渾身の料理(スーパーフード)を喰らえ!おら特製の桃のフルコース…はリア充に食わせるにはもったいねえからあの美女が作った(※市販品)プッ●ンプリンを巨大な口に放り込む!
ほんとにお腹膨れるんだべな、スーパーフードってすごいべなー。
動きを止めた隙にすかさず指定UCで攻撃!リア充爆破用のとっておきだべ!【虚無】と【超絶侵食】の状態異常も食らっとけ!
また一人、リア充を爆破してやったべ(ドヤ顔だけどたぶんリア充ではない)
「…は?あれがザンギャバス…?」
嫉妬戦士もとい、フェリチェは驚愕していた。敵の強大さに圧倒されたからでは決してない。
(おら、もしかしてひどい勘違いしてただべか?)
レディはザンギャバスを爆破しようとしている事を知ると、必死にそれを阻止しようとしていた…口ぶりであった(料理の腕はアレであったが)
あんな美女に囲われてるリア充がどんな野郎かと思ってきてみれば…。
「怪物でねーか!あんなでかい怪物のどこがいいんだべ!?」
思い返してみれば、グリモア猟兵も「リア充だ」と断言はしていなかった気もする。作戦名に『爆破』などとあったから、いつもの癖でリア充確定だと思っていたのだが…。「リア充なのか?」みたいな呟きは一体誰のものだっただろうか?いや、それは今はどうだっていい。
「…どうしたものだべか。リア充でないのなら…」
フェリチェの瞳が揺れ動く。原動力となる嫉妬の炎が立ち消えそうでこのままでは戦えない。だが…、人とは不思議なもので…。事実と異なる事柄でも『そうだと思ってしまえば、当の本人にとっての事実と成り得てしまう』のだ。
「…あの怪物、あの美女相手に食事を準備させてたんだべな?もしかして、赤ちゃんプレイみたいな事してただべか?それならリア充だべ!」
強引な話ではあるが、ザンギャバスがこの姿になるまでの間レディが世話していたのは間違いなく…。そういう意味では「リア充といえなくはない」のかもしれない。
「…オブリビオンの恋愛観は、良くわからんだべなー」
無理やり自分を納得させ、フェリチェは内の炎を再度点火させた。
「そうとわかればやる事は一つだべ!どんな姿形だろうとリア充は爆破あるのみ!」
フェリチェは投下用の料理を手に取った。
「おら特製の桃のフルコース…は、リア充に食わせるにはもったいねえから…。あの美女が作った(※市販品)プッ●ンプリンを喰らえ!」
この場に来る前に容器の中で仕込みを施し、再び封をしたプッ●ンプリン。容器ごと放り込めばいい事から、携帯するのに非常に便利だったのだ。
「どうせ一つじゃ物足りないべ?持ってきた分全部くれてやるべ!」
次々と怪物の口へとブツを放り込んでいくフェリチェ。
しかし…、数個放り込んだとはいえ、あの巨大な図体に対してはあまりにも少量だ。本当にこれで腹が膨れるというのだろうか…?懐疑的ながらも、敵の動向を観察していると…。
「うまうま…。げっぷ」
どうやら、仕込みは上手くいったようだ。容器ごと食べ終えた怪物は満足げに地べたに寝そべってしまう。
「…ほんとにお腹膨れるんだべな、スーパーフードってすごいべなー」
でも、この膨れ方はどう考えても異常だ。人が口に入れるべき代物ではない。おそらくこの戦いが終わったら厳重に封印される事だろう。
「今だべ!リア充爆破用のとっておきも食らうだべ!」
大口を開けて居眠りを始めた怪物の口にそれを放り込むのは容易かった。今度フェリチェが放り込んだのはUCで作り出した爆発するカボチャだ。
それは怪物の内部で爆発し、虚無と超絶侵食を体内へとまき散らしていく…。
「完全爆破まではもう少し掛かるべな。でかいだけあって爆破し甲斐があるべ!」
怪物が再び動き始めるまで、フェリチェは思う存分爆破しまくるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
さて、後は此方ですねぇ。
『FAS』により飛行、『FLS』の空間歪曲結界と『FIS』の転移で『月』の攻撃を回避しつつ向かいまして。
『FTS』に作った[料理]を収納、『月』の口元へ『FTS』から放出することで、『食べ物』を認識させて食べさせますねぇ。
後は、動きを止めている間に全『祭器』を展開、可能な限りの攻撃を撃ちこむことにしますぅ。
ところで、気になったのですが。
結構生物的な外見をしておりますし、若しかして食べられませんかねぇ?
【變豅】を発動し『祭器』の攻撃に乗せれば、[切断]付与でより深く斬れますし、食材としても得られるでしょう。
固さ次第では出汁を取る為に使用する方法も?
「うぅ、またお腹空いてきたお、ご飯~っ!!」
月から変じた怪物は、再び空腹を訴えご飯を要求してきた。
「まるで小さな子供のようですねぇ」
るこるは飛行しつつ、慎重に怪物へと近付いていく。時空湾曲を自身の周囲に展開させつつ、万が一の際には短距離転移も使用し敵の攻撃は回避するつもりだ。
「次に空腹になるまでにどのくらいの時間があるのか、様子を見ながら情報を収集してまいりましょうかぁ」
実際、怪物の図体は恐ろしいほど大きい。こちらの攻撃をどの程度食らわせれば倒せるのか、正直予測不能な部分がある。真っ向勝負となればかなりの激戦となるであろう。
「そういう意味では、今回の任務は少々風変わりなものになりましたねぇ」
まぁ、相手も今回は少々特殊なパターンのようだし、ちょうど良かったのだろうか?
「では…、この辺りから始めましょうかぁ」
ある程度怪物に接近した所で待機し、るこるは小箱より持ち込んだ料理を次々と取り出す。そして怪物の口の中へと料理を放り込んでいった。
「ご、ご飯だぁ。うまうま…」
口に放り込まれた料理が美味しかったのだろうか?怪物はご満悦のようだ。
「これはレディさんとの戦いの際に作った物ですがぁ、どうやらお気に召したようですねぇ」
もとよりザンギャバスにも振舞う予定だった料理だ。口に合うならそれに越した事はない。そこでふと、興味本位に駆られたるこるは、ついでに持ち込んでみた『ブツ』も放り込んでみた。
「…まずっ、もぐもぐ」
「…味の認識はどうやら出来るみたいですねぇ」
今、るこるが放り込んだのはレディが作った『消し炭焼き魚』だ。
「という事は…。私達が来るまでの間、大変だったのでしょうねぇ」
お世辞にも(全く)美味いとは言えないレディの料理を振舞われていただろう怪物。まぁ、状況的に最後の晩餐状態なのだから、美味しいものを沢山食べてもらうのもありだろう。
「お腹いっぱい…すやすや」
「食べては直ぐに寝て…を繰り返して、ここまで大きくなられたのですかねぇ」
多分違います、多分。
「さて、動きも無事に止まりましたしぃ。攻撃開始しますぅ」
るこるが全祭器を展開し、一斉攻撃を開始した。だが、それにも関わらず怪物は反撃らしい事も一切してこない。やはり相当な耐久力があるようだ。脅威とは感じていないのかもしれない。
「では、やはり仕込みの効果を待ちつつ、出来る限り消耗させていくしかないみたいですねぇ」
最終的には仕込んだスーパーフードの効果で爆散させる形になるのだろうが、それと同時に少しでも攻撃を加えておけば撃破までの時間を短縮する事が出来るだろう。
そんな少しだけ退屈な時間の中で…、るこるは不意に脳裏にある疑問が浮かんできた。
「そういえば、外見的には生物的な感じですしぃ…。もしかして食べれたりしますかねぇ」
…おぃ。何て事を考えているんだるこるさん!事もあろうに、『一見、獣の類にも見える姿に変じたザンギャバスは果たして食べれるのだろうか?』などという考えが思い浮かんでしまったようだ。
「少しだけ…採取させていただきましょうかぁ」
そう言いつつ、UCを発動させ怪物の体の一欠片を切断、回収してしまった。
「サンプルの検証は、帰ってからのお楽しみにいたしましょうぅ」
るこるがそのサンプルを実際にどう扱ったのか…。それは彼女にしかわからない。
大成功
🔵🔵🔵
深島・鮫士
「この」ザンギャバスと相対するのも2回目か。
性悪女神のモルモットになるたあ、何度聞いても見ても哀れになってくるぜ。
まあ、本人がやらかしたことへの因果応報と思っておくか。
さて、食いもんを武器にするのは少々微妙な気分にもなるが……背に腹はかえられないか。
とりあえず……テーブルに俺の作った定食を置いて物陰で待っていよう。
情報通りなら、こんな罠でも食いにくるはず。
いや、本当におつむの方は残念すぎることになってやしないか!?
……何とも見事な太鼓腹になったな。
スーパーフード恐るべし。
この状態なら動きもかなり鈍かろう。
【蟻穴天破】で何カ所かに傷を付け、後は崩壊を見ているとしよう。
(「この」ザンギャバスと相対するのも2回目か)
鮫士は、既にこの姿になったザンギャバスと交戦経験があった。
「あの時は島民の力を借りて何とか突破口を開く事が出来たが…」
今回は残念ながら、この島で協力者と呼べる存在とは合流出来なかった。とてつもなく強力な相手だが、一人でやるしかないのである。
「それにしても…何度聞いても見ても哀れなもんだな」
あれが、かつて猟兵達の前に立ちふさがったザンギャバスとは…。
「性悪女神のモルモットになるたぁ、ご愁傷様としか言いようがないが…。まあ、本人がやらかしたことへの因果応報って所だろうな」
実際、猟兵達と戦争の際に交戦したザンギャバスは凶暴な存在で、部下さえも一振りで肉塊へと変え食らうような存在であった。猟兵達は善戦したものの完全撃破には至らず、その後の消息は途絶えていたが…。まさかこんな事態になっていようとは誰も思いもしなかっただろう。
「さて、食いもんを武器にするのは少々微妙な気分にもなるが……」
料理人としては、自分の料理を犠牲にするような行為だ。正直別の手で有効な方法があるなら、その手を使いたい所だ。しかし、そうも言っていられない。
「こいつはこの姿になった事で、さらに俺には手に負えない存在になった。……背に腹はかえられないか」
不本意ではあるが、レディとの戦いの際に作った料理の余剰分をテーブルに置いておく。テーブルはレディと戦った会場から持ってきたものだ。もはや、それを準備した主も不在の状況。使っても誰も文句は言うまい。
「しかし、本当にこんな作戦であいつ、食いつくのか?こんな明らかに怪しい罠とわかりそうな状況だってのに…」
グリモア猟兵のいう通りにしてみたが、本当に食いつくのか?グリモア猟兵が暑さで頭湧いてたとかじゃねぇのか?と思いたくなる自分を必死に抑え、身を潜める。
「…、またお腹空いてきたお!食べ物~。…お?くんくん。いい匂いがするお」
テーブルから立ち上るいい匂いに釣られ、のこのこと標的は姿を現した。近くの物陰に隠れる鮫士の事など気にも留めず、テーブルの上の定食を頬張り始める。
「うまうま…。お腹、膨れたお。満足だお~」
「…、本当に食いつきやがった。いや、本当におつむの方は残念すぎることになってやしないか!?」
完全に退行していると言わざるを得ない。
しばらく様子を伺っていると、横になった敵は高いびきをかき始めた。暢気なものである。盛大に腹を膨らませて無防備を曝している敵の姿は、非常に滑稽なものであった。
「……何とも見事な太鼓腹になったな。スーパーフード恐るべし」
しかし、このスーパーフードも規格外としか言いようがない。どうやって準備したんだか、あのグリモア猟兵。
「まぁ、この際その事はどうでもいいか。この状態なら、仮に目を覚ましたとしても動きはかなり鈍かろう」
刀を手にじわりじわりと敵へと間合いを詰める鮫士だが…。相手は一向に目覚める気配すらない。
「まぁ、楽に倒せるならそれに越した事はない…か!」
鮫士の刀による斬撃が、敵の胴体に跡を残す。そして、その傷跡は見る見るうちに広がり始めた。鮫士の放ったUC【|蟻穴天破《ギケツテンハ》】は、つけた傷跡を加速度的に広げていく継続ダメージ系のUCだ。
あとは、この傷が敵の全身へ回りさえすれば…。鮫士は同じように何ヶ所か傷をつけると再び身を潜め、有事の際に備えるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
リカルド・マスケラス
相手をお腹いっぱいにするのは得意っすよ
「さあさあ、お上がりよ!っすよ」
料理を相手の口に放り込めばいいんすよね。【霧影分身術】で人手を増やし、どんどん口に運び込む。分身の姿はお任せ
「スーパーフード……こんなに膨れるのはすごいっすね」
いけそうなら、分身の何体かを相手の腹の中に送り込んで水【属性攻撃】なりで食事に水分なり魔力なりを与えて膨れ上がらせるのを促進させるっすよ
万が一料理が足りなくなっても人海戦術に頼って新しくどんどん作るっすよ。
あとは残った分身達と武器を使ったり、魔術で重力【属性攻撃】を仕掛けるなどして適当にトドメをかけるっすかね
「お粗末さまっした。お土産もいるっすか? 冥土の土産」
「だいぶ、目に見えてお腹一杯になってきてるみたいっすね」
リカルドが相手の様子を眺めていた感じでは、交戦開始の頃よりも空腹になるまでに掛かる時間が長くなってきている。
「しかも、ちょっと苦しそうっすね。自分の気のせいかもしれないっすけど」
しかし、これだけ頻繁に空腹になるとは…。体が巨体であるがゆえに維持するのに必要なエネルギーも尋常ではないのだろうが…。毎日の食費が大変な事になりそうだ。
「まぁ、それはそれ。今は目の前の事に集中っすね。あともう一息っぽいっすし、張り切っていくっす!」
リカルドはUCを発動させて、肉体を与えられた分身を次々と出現させた。軽快な身のこなしが必要な任務になりそうという想定なのか、皆忍び装束を纏っている。
分身達は各々手に武器を…いや、料理を持っていた。
「さあさあ、お上がりよ!っすよ。大盤振る舞いっす!」
レディとの料理対決で作り出した料理達を、余す事無く敵の口の中へと放り込んでいく。
「まだ足りなさそうっすかね。そのまま置いていくのも勿体ないと思って持ってきたレディの料理も、ついでにお上がりっすよ!」
レディの作ったおにぎりやら、黒こげの焼き魚やら…。次々にそれらも放り込んでいく。一斉在庫処分だ。
「スーパーフード、凄いっすね。こんなに膨れるもんなんすね。でも…、まだまだ入りそうっす。じゃあ分身の何体かは、相手の腹の中への侵入をよろしくっす!お腹の中で膨れ上がるのを促進するのお願いっすね」
若干、相手は膨張してきたお腹に苦しそうだが、まだまだいけそうな感じがする。本当にお腹が破裂するくらいになるのなら、もっともっと膨張してくるはずだから。
リカルドは分身達に役割分担させ、一部は相手の内部へ侵入させた。そのうえで残った分身達で料理の準備を始める。足りなければこの場で作る算段だ。幸いにして人では余るほどいる。会場から食材を運搬する者、料理を作る者、相手の口の中へ放り込む者、各班多人数を配置可能なのだ。
料理の準備をしている間にも、相手の内部へと侵入を果たした者達は水や魔力を注ぎ込み、料理が膨張していくのを助長させていく。
そしてついに…。
「う、う~。もうお腹一杯。お腹破裂しそう、苦しい~」
「お?流石に苦しくて目を覚ましたっすか?じゃあ、食事はこれが最後っす!それ~!」
「がぼぼぼ…」
作った分の料理がもったいないので、作った分は全て相手の口の中へと放り込む。それを入れ替わりに相手の内部へと侵入していた分身達が颯爽と帰還を果たす。
「それじゃあ、後は倒すだけっすね。一斉攻撃っす!」
リカルドはトドメとばかりに、分身達と共に身動きが取れない相手へ一斉攻撃を開始した。手に持った鎖鎌で斬りつける者、鎖分銅を叩きつける者、バイクに内蔵された武器を一斉発射する者まで、非常に多彩だ。料理だけじゃなく攻撃まで大盤振る舞いと来た。太っ腹である。
「お粗末さまっした。お土産もいるっすか? 冥土の土産。お代わりも受け付けるっすが…、いらないみたいっすね」
「もう一杯!もういらない!苦しい、助けて!」
巨体で涙目になっている(ように見える)相手に、いよいよこの戦いも最後が近い事をリカルドは感じ取っていたのであった。
大成功
🔵🔵🔵
猟兵達の過剰な(?)接待によって、元ザンギャバスである怪物にも限界の時がやってきたようだ。
「もう…ダメ…限界…」
怪物が異常に苦しみだした。どうやら内部での膨張が限界突破を迎えるようだ。
「そういえば…、おら達ここにいて大丈夫だべか?」
一人の猟兵の言葉に、その場が一瞬凍り付く。
「おいおい、グリモア猟兵。大事な事い言われてるんじゃないかっ!?」
「急いで退避っす!バイクにもう一人くらいなら乗れるっすよ!」
「それだと間に合わないかもしれませんねぇ。空中へ一旦退避いたしましょうかぁ」
慌ててその場にいた猟兵達は、空中へと避難を開始する。幸いにしてこの場にいた猟兵達は各自なにがしかの飛行手段を持っていた為、直ちに空中への避難に成功した。
そして…島の上空へ猟兵達が避難完了すると同時に、地上では大爆発が起こった!周囲の空気を震わせるほどの大爆発を起こし…バラバラとなった怪物は一片の欠片も残らずに骸の海へと還っていった。爆発が収まり、猟兵達は怪物との交戦場所へと着地する。爆発の中心地は物凄い破壊具合だ。あの場に留まっていたら…。
「これは、流石に…な」
「言い忘れていた、では済みませんねぇ…」
「うっかりにもほどがあるっすよ」
「帰ったら説教だべな」
猟兵達は無事に任務を終えて帰還する。後日、今回の作戦の落とし穴部分に関して…。猟兵達に平謝りするグリモア猟兵の姿が確認されたとかされなかったとか。
【完】