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残炎に寂寥を絶つ

#ケルベロスディバイド #黄道神ゾディアック #決戦都市ミツルギ

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#ケルベロスディバイド
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#黄道神ゾディアック
#決戦都市ミツルギ


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「知ってるか? 最近、決戦都市の損傷が激しいらしいぞ」
「ニュースでは言われていないがかなり“ヤバい”らしい」

 日頃のニュースの話題をなぞるように人々が言い交わす。しかし、その内容は緊迫感を煽るもの。言い交わす人々の目や表情は、揶揄するものではなく、己の語る話は近い将来、決戦都市ですらないこの街をも覆い尽くされるだろうという焦燥感に染まっていた。

「死にたくない。それなら――」
「それなら、いっそのこと――」



「要請に応じた猟兵は、あんた達だな」

 龍之宮・翡翠(未だ門に至らぬ龍・f40964)は、やって来た猟兵達に視線を向けた。

「早速だが、説明に入らせてもらう」

 かつて、そして骸の海を隔てた他の世界において名古屋と呼ばれた都市は、この|超人衛りし世界《ケルベロスディバイド》においては神剣祀る大社を拠り所にした決戦都市へと変貌していた。与えられた名は、ミツルギ。
 そのミツルギの基幹駅から小一時間程度、所謂通勤圏にある小都市に十二剣神『黄道神ゾディアック』の配下が狙いを定めた。
 既に潜入している尖兵達が、人々の潜在な不安を煽り、破滅願望を増幅させ、ケルベロスをミツルギを特務機関|DIVIDE《ディバイド》を頼る意識を削ぎ始めている。
 そうして小都市の人々や、救援に来たケルベロス達のグラビティチェインを喰らい尽くした後は、その都市を橋頭堡にミツルギをも手に掛けようという狙いなのだろう。今までのこの世界であれば、最悪と言っても過言ではない事態である。
 ――しかし。

「今は、こいつや、あんた達が居る」

 そう言って、猟兵達の顔を見たまま、翡翠は傍らに揺蕩う光の鯉を指し示す。

「あんた達なら良く識ってるんだろう?」

 グリモア。骸の海が隔てる三十六の世界の危機へと猟兵達を導き渡す力。

「今伝えた事態は、こいつが俺に報せたものだ。行けるものなら俺が行きたいところなんだが……」

 グリモア猟兵が、そのグリモアで猟兵を送り届け還す為に、前線に立つ事は許されないというのは、猟兵達には慣れた事実。しかし、デウスエクスとの戦いでは常に前線に立ち続けてきた翡翠は、その事実に歯痒さを隠さない。

「だから、あんた達に、託す」

 そう言って頭を下げる翡翠の意思を猟兵達は其々に受け取り、彼が識る未来について、さらなる情報を求める。悲劇を、阻止する為に。

「尖兵達は外れにある採掘場を根城にしていて、そこまでは転送で送り届ける事が出来る。そいつ等が壊滅状態になれば|十二剣神の配下《この一件の親玉》が炙り出される筈だ。
 勿論、ミツルギへの|決戦配備《ポジション》の要請も可能だ」

 そうして猟兵達は其々に戦いの準備へと移る。
 翡翠は密かに安堵の息を吐いたところで、ふと思い出した事を零す。

「そういえば、あの都市はそろそろ秋の観光イベントの季節だった筈だ。首尾よく片付けば、祭りを楽しむ時間もあると思う。折角ならそちらも楽しんできたら良い」

 そう言う翡翠の傍らで、|光の鯉《グリモア》が跳ねた。


白神 みや
 初めましてのかたは初めまして。お久しぶりの方はご無沙汰しております。そして、そうでない方はお世話になっております。|白神《しらかみ》です。
 ようやく、翡翠でシナリオをお送りする機会が巡って参りました。よろしくお願いします。

 各章の詳細は断章に譲りますが、OPでさらりと翡翠が触れておりますように、今回三章がお祭り……🏠(日常)となっております。
 3章に限り、お声がけ頂ければ翡翠の同道が可能です。ご指名時は冒頭に🎏もしくは▲を入れて頂けますとその様に判断致しますので、文字数節約にどうぞ。

●お願い
 MSページはお手数ですが必ずご一読ください。
 プレイング受付は各章断章投下後、タグにて告知いたします。通常オバロ共、指定日時より前、特に断章投下前のプレイングはお返しすることとなりますので、ご了承ください。
 基本的には、期間中にいただいたプレイングで進行予定ですが、状況等によっては追加を受付る可能性もあります。
 諸々タグに状況を記載しますので、ご確認の程宜しくお願いします。
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第1章 集団戦 『病魔・破滅願望症候群』

POW   :    世界はこの方が滅ぼしてくださる
無敵の【自身が崇拝するデウスエクス】を想像から創造し、戦闘に利用できる。強力だが、能力に疑念を感じると大幅に弱体化する。
SPD   :    お前達が否定してくるのなら……!
自身が【拒絶感や拒否感】を感じると、レベル×1体の【崇拝するデウスエクスの尖兵】が召喚される。崇拝するデウスエクスの尖兵は拒絶感や拒否感を与えた対象を追跡し、攻撃する。
WIZ   :    我らが神に祈りましょう
レベルm半径内を【病魔が活性化する領域】とする。敵味方全て、範囲内にいる間は【世界を滅ぼす・デウスエクスに協力する行為】が強化され、【世界を守る・デウスエクスに敵対する行為】が弱体化される。

イラスト:こおりおこ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●採掘場に潜みし悪意
 猟兵達が転送された先は、ひらけた荒野のようにも見える場所だった。視界に入る遠くに、いくつか重機のようなものが見えるので、恐らく本来は採掘場のような場所なのだろう。

 ――何者だ、お前達は。

 猟兵達の耳に声が聞こえるが、見渡せどその姿は確認できない。

 ――|デウスエクス《我等》の力を受け付けない者達……ケルベロスか!

 誰何する声が徐々に敵視の声へと変化し、周囲の空気が揺らぐ。揺らぎは徐々に実体を持ち、竜のようなの生物の姿が何体も姿を顕す。

 ――計画を邪魔させるわけにはいかない……!
 ――下僕達よ、奴等を倒せ!

 人の心を追い込むデウスエクス達が、咆哮をあげた。
レトレダレア・タイタニア
素肌の見えない全身鎧に胸部の瞳のようなレリーフと、地面に擦るほど長い髪が特徴的
性格はお気楽で軽率

一人の参戦で集団戦はキツイし他の人と連携が取れるとも思ってないので、開幕すぐに指定ユーベルコードを発動してターゲットの分散を図る

詠唱後は「猟兵として初仕事アル!辛気臭い病魔はナイナイアルヨ!」とか言いながら大金槌を担いで敵陣に突っ込みます

基本攻撃は大金槌を振り回して『重量攻撃』や『なぎ払い』

「こんな奴らが出てくるなんて、どこの世界も人は真面目で愚かアル」

決戦配備:クラッシャー
一般人も居なくて荒れても問題なさそうな地形アルし火力支援砲撃が欲しいアルヨ




(集団戦はキツイし、連携取れる気はしないアルネ)

 転送される時点で己の性格や状況からレトレダレア・タイタニア(レトレダレア・タイタニア?? ・f41272)は単独で行動する事を選択し、採掘場へと転送された。

「『夜宙に呑まれた彼の残穢。可愛い可愛い微かな希望。ほらお前達、出番アルヨ』」

 転送され、その鎧の脚が大地を踏みしめると同時に、レトレダレアは詠唱を紡いだ。
 その身に纏う銀の鎧の胸部にある瞳のレリーフから、その鎧と似た金属の鷹が現れ出でて飛び立つ。その身に纏う橙色の光で軌跡を幾重にも描きながら鷹達は舞う。彼等が舞い敵に纏わりつくのを目印にするかのように、ミツルギよりやってきた支援列車に搭載された長距離砲から発射される攻撃が届いた。

「猟兵として初仕事アル! 辛気臭い病魔はナイナイアルヨ!」

 レトレダレアはそう名乗りを上げて、手にした大金槌を振り上げる。振り下ろされた攻撃は、|竜《病魔》達が発動したユーベルコードの力で相殺され、想定した手応えは無いものの、|決戦配備《ポジション》による支援を受け、確実に敵の数を減らしていく。

「こんな奴らが出てくるなんて、どこの世界も人は真面目で愚かアル」

 |竜《病魔》を屠りながら、レトレダレアは誰にともなくそう零した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

仇死原・アンナ
アドリブ歓迎

…|神略者《デウスエクス》の尖兵どもめ
私がここへ来たのは貴様等を屠る為だ…!さぁ行くぞ…私は処刑人…!

妖刀を抜き敵群に殺気を放ち敵群を惹き付けよう
妖刀をなぎ払い早業と切断、串刺しと急所突きで敵群を倒そう

そして決戦配備ジャマーでバイオガス散布し、敵の視界を妨害しよう
仮面を被り毒耐性の加護を得てから【空から来る黒い亡霊】で大鴉の亡霊を召喚
大鴉の群れと共にガス舞う中で敵群を不意打ちし
空飛ぶ大鴉と視覚を共有し敵群を速やかに潰してゆき蹂躙してやろう…!

…一匹も逃がすまいぞ!すべて返り討ちにしてやる…!
さぁ来い…私はここにいるぞ…!私は…処刑人だッ!




 仇死原・アンナ(処刑人、地獄の炎の花嫁、焔の騎士・f09978)は、転送された採掘場に蠢く|竜《病魔》の群れを険しい表情で|睨《ね》めつける。
 人々の安寧を脅かすモノ達を屠る処刑人であるアンナは、彼等の存在を、その行いを許さない。愛用する妖刀を抜き、その怒りを殺気に変えて放つ。妖刀の妖気とアンナ自身の殺気を察知した|竜《病魔》達がその首をアンナの方へと向ける。

「|神略者《デウスエクス》の尖兵ども! 貴様等を屠る処刑人がやってきたぞ!」

 向かってくる|竜《病魔》を薙ぎ払いながらアンナは|処刑人《己》が此処に在ると声高に吼える。アンナはそのまま流れるような動きで、愛用する仮面でその貌を覆う。

「|決戦配備《ポジション》要請、|妨害配備《ジャマー》! 

 アンナのその声に、支援列車から放たれたドローンが上空より視界を妨害する毒性のガスを放つ。事前に防毒の力のある仮面で護りを固めたアンナには影響が無いが、|竜《病魔》達は致死にこそ至らないが、視界を妨害される。

「『奴らは貴様を二度と逃がしはしない……』」

 攻撃の手を緩めることなく詠唱されたアンナのユーベルコードが展開され、大鴉の群れが天に現れる。毒の影響の薄い上空を飛ぶ大鴉と視界を共有し、|竜《病魔》達の視界の外から妖刀を振るい傷を負わせていった。

「……一匹も逃がすまいぞ! すべて返り討ちにしてやる……!」

 毒ガスの舞う戦場にアンナの咆哮が轟いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シルヴィ・フォーアンサー
……不安を煽るとか地味だけど鬱陶しいね。
『生存をかけた戦いだからな、なんだってするだろう』

親玉をあぶり出すためにも目の前の連中を消し飛ばすよ。
シルエット・ミラージュからのギガント・プレッシャーでミサイル、ガトリング、ハイペリオンランチャーの一斉発射で三回攻撃×14回。
破滅願望症候群とデウスエクスの尖兵をまとめて攻撃。




「……不安を煽るとか地味だけど鬱陶しいね」
『生存をかけた戦いだからな、なんだってするだろう』

 |愛機であるキャバリア《ミドガルズ》のコクピットの中でシルヴィ・フォーアンサー(自由を求めた脱走者・f41427)がそう零すと、|相棒のAI《ヨルムンガルド》が冷静な声で応えた。

「それもそうね。壊しちゃう方が手っ取り早いし」

 その育ちから、力でねじ伏せる事を中心に考えがちのシルヴィは、そう結論付ける。

「ヨル、サポートお願いね」
『勿論。君をサポートする為に居るからな』

 ヨルの言葉に頷くと同時にシルヴィは|愛機《ミドガルズ》を疾らせ、ユーベルコードを展開する。

「『残像だけど本物……ボコボコにする』」

 |愛機《ミドガルズ》の分身が幾体も戦場に顕れ、|竜《病魔》と対峙する。対する|竜《病魔》も、咆哮を上げると己よりも小さな竜を先兵として呼び出し、|愛機《ミドガルズ》達へと襲い掛からせるが、|愛機《ミドガルズ》達が展開した装備による攻撃が撃ち貫いていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クローネ・マックローネ
絡みOK、アドリブ歓迎
【WIZ判定】

病魔そのものが敵か
厄介だよね、本当に
…ワタシはウィッチドクターじゃあないけどさぁ
加熱消毒くらいは…できるんだよね!

UCは「ワタシの最強ドラゴンちゃん」を使用
デウスエクス『ドラゴン』の霊を【召喚術】で呼び出し、病魔を攻撃するよ
霊とはいえこちらもデウスエクスには違いない訳だけど…強化と弱体化の度合いはどれほどになるかな?
それにウチのドラゴンちゃんと戦うというのは【デウスエクスに敵対する行為】な訳だし、相手の強化の度合いを減らせるかもね

破滅するのは、貴方達の方だよ




 クローネ・マックローネ(快楽至上主義な死霊術士・f05148)は竜が蠢く採掘地を見つめる。

(病魔そのものが敵か……厄介だよね、本当に)

 人を蝕む病魔そのものが|神が如き者共《デウスエクス》として人を蝕むとは、想像を超えた事をしてくるものだと感嘆とも呆れともつかない息をつく。

「……ワタシはウィッチドクターじゃあないけどさぁ」

 この|超人衛りし世界《ケルベロスディバイド》由来のウィッチドクターという病魔呪術に長けた者たちならば、このような“病魔”には相性がとても良かっただろう。残念ながらクローネ自身死霊術士にしてシャーマンである。

「――加熱消毒くらいは……できるんだよね! 『さあ来て、ワタシの最強ドラゴンちゃん!』」

 それまでの殊勝な物腰から一転。クローネの肌とよく似た漆黒でその身を鎧うドラゴンが顕れる。この世界がグリモアベースに繋がり、渡る事が可能になった頃から喚び出す事が可能になったドラゴン――|神が如き者共《デウスエクス》が、|竜《病魔》達へと焔のブレスを放つ。対する|竜《病魔》達も応戦をするが、ドラゴンもまた、|竜《病魔》達と同じ|神が如き者共《デウスエクス》。その身を敵対者から護る力が相殺される。

「破滅するのは、貴方達の方だよ」

 己の見立てが上手く嵌った事を確信したクローネは満足そうに微笑んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

川崎・五十鈴
決戦配備:メディック「民間人の避難・救護支援」

この戦いでは意味はないだろうけど街の方にメディックの決戦配備。
これでDIVIDEは自分たちを見捨てないって意識して貰えれば住民たちの破滅願望を抑えられるかもしれない。
結局は黒幕を倒せば解決する問題なんだろうけど。やるだけやっておこう。

さて、そろそろ殺そう。
あー…だっるい。病魔って面倒…。
まあ、でも…この程度の即席の祈りに、私の人生を懸けた憎悪が負けて堪るか。
病魔による弱体化以上に憎悪で攻撃の威力を上げる。
命中率の弱体化は根性と手数でカバーする。※【限界突破・矢弾の雨】

決戦都市に真正面から乗り込む気概もない小物風情が。時間の無駄。さっさと出てこい。




 川崎・五十鈴(エコテロリストエルフ・f41042)は 先に街の方へ|救護配備《メディック》の|決戦配備《ポジション》の手配を敷いた上でこの戦場へとやってきた。黒幕を倒すのが一番確実ではあるのだが、特務機関|DIVIDE《ディバイド》は決戦都市以外の都市も見捨てないとはっきり示す事で、将来的に再び同じような事態を招く可能性を減らせるだろう。
 そんな支援活動を経てやってきた採掘場は、何人か先行した猟兵達の戦いの痕跡だけではなく|決戦配備《ポジション》による支援の痕跡も幾らか見受けられた。しかし、未だ竜はしぶとく戦場に蠢いていた。

(あー……だっるい。病魔って面倒……)

 毒づきそうになるのを極力押し隠し、愛用する二丁拳銃を構え、まるで祈りを捧げるかのようにも見える竜達に向けて照準をあわせる。

「――『死ね』」

 短い詠唱と共に展開されるユーベルコードを用いた射撃が竜達へと向けられる。竜の祈りによる護りは強く、五十鈴の攻撃は弱体化は免れない。

「……この程度の即席の祈りに、私の人生を懸けた憎悪が負けて堪るか――!」

 |神が如き者共《デウスエクス》との戦いで両親が命を落とした事、そして、五十鈴が希う自然に優しい環境が拡がる為に邪魔をする存在であるという事、これらの五十鈴の裡に燻る|神が如き者共《デウスエクス》への怒りと憎悪が、ユーベルコードの力を後押しする。

「決戦都市に真正面から乗り込む気概もない小物風情が。時間の無駄。さっさと出てこい」

 その目は既に、眼前の|竜《病魔》達ではなく、それらを操る親玉へと向いていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『地底潜航竜』

POW   :    削岩牙
自身の【竜気】を籠めた【牙】を用い、通常移動と同速度で地中を掘り進む事ができる。装甲破壊にも使用可能。
SPD   :    溶解小顎群
【全身から生える小さな首】を向けた対象に、【吐き出した溶解液】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ   :    硬化液噴出
【硬化液】を纏わせた対象1体に「攻撃力強化」「装甲強化」「敵対者に【自身への恐怖もしくは憎悪】を誘発する効果」を付与する。

イラスト:佐々木なの

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●安寧を護るために
 ――!

 空気が震えた。先刻から聞こえていたのは|竜《病魔》達とは異なっていたようだ。

 ――偉大なるより小剣を授かり得た作戦を邪魔するか……!

 明らかな怒りに“声”を震わせながら、其れは採掘場の底、||総攻撃配備《クラッシャー》の支援砲撃で抉られた地より姿を顕した。
 その大枠の体躯は、先程の|竜《病魔》達と近しい、竜といって差し支えのない生き物。しかし、全身のあちこちに牙のような刺と、手足の代わりに小さな首と頭部を備える姿は、異形と言う方が相応しい。

 ――禍根は此処で絶ち切る!

 異形は咆哮すると、魚か水面を跳ねて潜行するかのような動きで、地へと再び沈む。
 姿を追う事は厳しいが、攻撃のためには再び地よりその姿を顕す事は容易に想像できる。ならばそのタイミングを読み、攻撃を仕掛ければ良い。
 猟兵達は其々に武器を構え、あるものは|決戦配備《ポジション》の要請を始めた。
シルヴィ・フォーアンサー
……ボスがお出まし。
『さっさと返っていただくとしよう』

振動とレーダーを頼りに出てくるところを索敵して場所を特定。
決戦配備をスナイパーでミサイル要請、攻撃しに出てきたら回避してパラライズ・ミサイル。
麻痺してる所にスナイパーのミサイル着弾して苦しんでる間に
シルエット・ミラージュからのハンドレッド・イリュージョン。
残像と複製1100機以上のミドガルズで取り囲む。

瞬間思考力をリミッター解除して限界突破。
ヨルにも一部、戦闘演算を肩代わりしてもらって全機を操縦するよ。
ガトリング砲、ハイペリオンランチャー、ミサイルを全機で雨あられと叩き込んでボコボコにする。




「……ボスがお出まし」

 シルヴィ・フォーアンサー(自由を求めた脱走者・f41427)は、変わらず|キャバリア《ミドガルズ》のコクピットの中で呟く。

『さっさと返っていただくとしよう』

 |相棒《ヨルムンガルド》の言葉に、シルヴィは無言で頷いた。このような敵に話す言葉は既に無い。

「ヤツが出て来た所に砲撃して。多分、ココ」

 先んじて|狙撃配備《スナイパー》の要請をし、キャバリアの探知レーダーから特定した座標を決戦支援列車へと送る。

(――来る)

 キャバリアが探知する振動をも索敵に用い、敵が出現を見定めたシルヴィが無造作にミサイルを放った。

 ――ガッ!?

 シルヴィのパラライズ・ミサイルが地を突き破って現れた竜の頭部へと襲い掛かり、その身体に高圧電流を流し込み、地上へと引きずり出す。

「ヨル、手伝って」

 自身で対応していた戦略演算を相棒に任せ、ユーベルコードの連鎖使用で愛機を分身、複製させる。シルヴィは戦略演算を相棒に任せた己のリソースをそれ等の制御に割り振って、一斉攻撃を叩きこんだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クローネ・マックローネ
絡みOK、アドリブ歓迎
【WIZ判定】

…そういえば、ディバイドの方でも目撃情報があったんだっけ
地底潜航竜…地中を進む巨竜を相手取るのは骨が折れそうだね
ま、ワタシに骨はないんだけどさ
…始末させてもらうよ

UCは引き続き「ワタシの最強ドラゴンちゃん」を使用
デウスエクス『ドラゴン』の霊を【召喚術】で呼び出し、攻撃するよ
霊だから物理攻撃は通じないし、一方的に攻撃できそうだね
敵UCの恐怖や憎悪を誘発する効果に対しては【呪詛耐性】【狂気耐性】【勇気】で対処するよ
地上に出てくるタイミングは【第六感】【野生の勘】【気配感知】で感じ取るよ

禍根は此処で絶ち切る?
それは、こっちの台詞だよ




(……そういえば、ディバイドの方でも目撃情報があったんだっけ)

 クローネ・マックローネ(快楽至上主義な死霊術士・f05148)の脳裏にふとそんな思いがよぎる。普段のクローネの記憶のその向こうからの情報だろうか。

(それにしても、地中を進む巨竜を相手取るのは骨が折れそうだね。ま、ワタシに骨はないんだけどさ)

 そう心の中で軽口を一つ。そしてクローネは在り方を切り替える。

「……始末させてもらうよ」

地に潜行した竜の行き先を見極めようとするクローネの背後で、再び召喚したドラゴンの霊が姿を顕した。ドラゴンはそのまま召喚したクローネの指示を静かに待つ。

(――禍根は此処で絶ち切る?)

 気配を読みながらクローネは竜の思念を思い返す。あの竜が自分達にぶつけてきた思念は明らかにそう言っていた。
 その思念に応じる言葉が浮かんだのと、竜が地上へ再び姿を顕したのはほぼ同時。そこに気を取られて回避を怠るクローネではない。硬化したその顎が襲い掛かる寸前、クローネのドラゴンが竜に喰らいついた。

「それは、こっちの台詞だよ」

大成功 🔵​🔵​🔵​

仇死原・アンナ
アドリブ歓迎

地を潜る竜か…あれを屠らねば…
ならば剣を振るうだけだ…!さぁ行くぞ…私は処刑人だ…!

地獄の炎纏いてダッシュで戦場を駆け抜けよう
決戦配備ディフェンダーでバリケードを展開しながら敵の牙と突撃を妨害し逃げ回ろう
戦場に地獄の炎を巻き散らし、揺らめく炎の動きで地中を進む敵の気配を感知して行動を見極めよう

バリケードを利用しジャンプで空中に舞い飛び鉄塊剣を構え力溜めて振り下ろし【慈悲深き乙女の一撃】を発動
怪力と重量攻撃で地面を叩きつけて地形破壊しながら地中の敵を切断しその巨体を引き裂いてやろう…!

…竜め!
貴様を生かしてなるものか…!私は…処刑人だッ!!!




(地を潜る竜か……あれを屠らねば……)

 仇死原・アンナ(処刑人、地獄の炎の花嫁、焔の騎士・f09978)は竜が地に潜ったそこを睨む。アレは、処刑対象である。ならば処刑人であるアンナが剣を振るう相手である。

「さぁ行くぞ……私は処刑人だ……!」

 アンナはそう吼えると、己がその身の裡に宿す地獄の炎を纏って地を蹴る。

「……|防衛配備《ディフェンダー》要請!」

 アンナの要請に応え支援列車から阻塞材が射出され、バリケードを形成する。それを利用し竜の攻撃から身を護りつつ、纏う炎を戦場のそこかしこへと撒いていく。そうして撒かれた炎は地の僅かな揺らぎを反映し、アンナに竜の居所を教える。

「そこだな、竜め!」

 竜の居場所を見極めたアンナは、バリケードを足場にして高く跳ぶ。そのまま手にした愛用の鉄塊剣を振り上げる。

「貴様を生かしてなるものか……! 『この一太刀で苦しみを絶ってやる……!』」

 拷問具の形を基にした鉄塊剣の重さと落下による勢いをも加味された|アンナのユーベルコード《慈悲深き乙女の一撃》。それは大地諸共竜の身を強かに傷つけた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

レトレダレア・タイタニア
セリフアレンジ大歓迎

単体デカブツ相手はちょと面倒アルネ……マ、支援もあれば何とかなる思うヨ。

決戦配備:キャスター
魔法陣の強化でUCの成功率上げて欲しいネ

タイミングを見てハンマーを投げ付けて、ナイフとひまわりの書を構えて戦闘開始

魔法鹵獲術で削岩牙、溶解小顎群のどちらか取れればいいアルが、どれでも上手いこと戦うアル

鹵獲できたのが上記二つなら普通に反撃で使うアル
戦闘スタイルはナイフで鎧無視攻撃、隙に傷が増えれば魔導書からのツタ攻撃で傷口をえぐったりするネ

もし硬化液噴出なら自分に使って突っ込むアルヨ
ハンマー拾って鎧破壊になぎ払いで戦うアル

「醜い竜ネ。まだミミズの方が龍アルヨ。」




(単体デカブツ相手はちょと面倒アルネ……)

 レトレダレア・タイタニア(レトレダレア・タイタニア??・f41272)は肩を竦める。とはいえ、此処迄に他の猟兵達の攻撃が竜を追い詰めており、更には|決戦配備《ポジション》の支援もある。

「マ、何とかなる思うヨ」

 大金槌を背に負って、平素のように飄々とレトレダレアは笑う。

「|術式配備《キャスター》、よろしくアルよ」

 |決戦配備《ポジション》を要請するとレトレダレアはその大金槌を振り下ろす。竜は地の底を潜行しており、地に落ちた大金槌はただ大地を揺らす。しかし、その合間にレトレダレアは隕鉄から創られたナイフと、小さな太陽と背を向けた向日葵畑の表装の魔導書を手にする。

「さぁて、どれが鹵獲できるアルか」

 手にした魔導書を開くとその頁が光を放つと、支援列車からきたドローンがそこへ光を照射する。ドローンの光は、その魔導書を用い展開するユーベルコードを補助する魔法陣が描いた。
 魔法陣が描ききるのと時を同じくして地から竜が顕れ出でる。その身から硬化液を吹き出しその身に纏いレトレダレアの方へと向き直るが、その時に飛んだ硬化液の飛沫が魔導書の頁へと吸い込まれ、刻まれる。

(成程、それが取れたアルか)

 竜から鹵獲した力を判断すると、レトレダレアはすぐさまその力を使い、先刻手放した大金槌へと手を伸ばす。
 竜から鹵獲した力で硬化液をその身に纏い、竜へと疾駆する。

「醜い竜ネ。まだミミズの方が龍アルヨ」

 寸分の迷いなく竜へと大金槌を振り抜いたレトレダレアの貌は白磁の面で隠されていたが、竜へと言葉を投げたその声は不思議と笑っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

川崎・五十鈴
流石に少しは厄介…やるか、私の殺界全部乗せ。

発動するUC『殺界形成・死ノ段』は殺界形成、ニノ段、三ノ段の合わせ技。更にそこにコンボでUC『影妖精の帳』を発動。

殺界形成で敵の位置は地中にいようが分かるし、思考と知覚が加速しているから敵が地上に出た来た瞬間も察知できる。敵は地上に出た瞬間に影の森で知覚を殺されるから、その隙を狙って影の森を利用した跳弾攻撃を雨霰と浴びせてやる。

地中を高速移動できるなら下手に絡め手を使わずに決戦都市に一気に奇襲を仕掛けてればある程度の戦果は残せただろうに…。

策を弄した結果が無駄死に。かわいそう。
ごめん、嘘。正直大爆笑。




(流石に少しは厄介……)

 川崎・五十鈴(エコテロリストエルフ・f41042)は舌打ちしつつ竜が地に潜行するのを見やり、己の立ち回りを判断する。

(やるか、私の殺界全部乗せ)

 愛用の銃を構え、展開するのは多段式かつ、複合使用が可能なユーベルコード。その身に漆黒の霧のような殺気を纏い、戦場に残る強者の気配を輝きとして炙り出す。他の猟兵達の気配も混じっているようだが、殺気を纏い武器を構え集中する事で、己の思考回転速度を引き上げる事で、目標の其れを手繰り寄せる。更に、採掘場を|影妖精《シャドウエルフ》以外の知覚を封じる影の森で覆い隠す。

 ――なんだ、これは?!

 影の森の力は地に根を下ろす事で地中に潜む竜にも及び、知覚を奪われた竜が地に姿を現した。其れを輝きの動きで察知した五十鈴の漆黒の弾丸が降り注ぎ、竜の身体や影の森の幹に跳ね返り、その身体を傷つけていく。

「下手に絡め手を使わずに決戦都市に一気に奇襲を仕掛けてればある程度の戦果は残せただろうに……策を弄した結果が無駄死に。かわいそう」

 漆黒の弾丸による波状攻撃にのたうつ竜へ語りながら銃を仕舞った後、五十鈴は冷ややかな言葉の刃で追撃する。

「ごめん、嘘。正直大爆笑」

大成功 🔵​🔵​🔵​

青梅・仁
おーおー、よく吠える竜がいること。元気そうで何より。
まあ今から消えて貰うんだがな。

決戦配備スナイパーを依頼。
俺が敢えて『殺気』を放っていれば、竜は俺を倒すべき存在と認識してくれるだろう。
飛び出してきた瞬間を狙撃して貰う。俺はこの瞬間までは囮さ。
撃ちまくって貰って地上に留めて貰っている間にUCを発動。

お前さんが地を進むのなら、俺は空を飛ぼうじゃないか。
病魔と一緒にいたのなら、お前さんには清めの方が効くか?
『浄化』の雨を降らせ、敵の力を削ぐ。
式神代わりの折紙を放ち、決戦配備に追撃を依頼。
今の俺は海水の状態だ、多少弾丸が当たろうが問題ない。

弱らせたらUC解除、|禍根《お前さん》を叩き斬らせて貰おう。




 ――何故だ。十二剣神の僕の我等がこれ程までに!

 竜は苛立っていた。十二剣神の一角たる黄道神の僕として|小剣《グラディウス》を与えられ、この|地球《地》の力を捧げる為に事を進めていた筈が、これ程迄に容易く急速に瓦解するような事は――少なくともこの竜にとっては――許される事ではない。

「おーおー、よく吠える竜がいること。元気そうで何より」

 青梅・仁(鎮魂の龍・f31913)は地に潜み姿を見せぬままにその思念を振りまく竜に苦笑を浮かべる。

(まあ今から消えて貰うんだがな)

 心の裡で口に出す事なくそう続けつつも苦笑は崩さないまま、仁は竜を誘うように殺気を放つ。

「|狙撃配備《スナイパー》、頼むぜ」

 慣れぬ|決戦配備《ポジション》要請に一抹の不安はあれど、竜は既に仁を敵と認識して迫ってきているだろう。その為にこれ程迄にあからさまな殺気を放っているのだ。
 その不安はすぐに拭われた。竜がその歪な顎を開いて地より姿を見せ、そこに支援列車よりの砲撃が着弾する。|総攻撃配備《クラッシャー》程の威力は無いが、その精密さで竜が地中へ再潜行を試みるのを許さない。その隙に仁はユーベルコードを展開し、己の姿を龍の姿へと転じ、空へ舞う。

「病魔と一緒にいたのなら、お前さんには清めの方が効くか?」

 そう言いながら首を天へを巡らせると、採掘場に雨が降り出す。浄化の力を宿した雨が竜の身を濡らす。

 ――なん、だ……これは!?

 己の身の力を削ぐ感覚に竜が戸惑う。仁は今の龍の身体は己の原初である『怨嗟の海』の海水で形成されている。故に決戦支援の砲撃もダメージには成り得ない。悠々と空を漂い、竜の様を見つめる。

(そろそろ、頃合いかね)

 竜が弱ってきた事を確認し、仁は龍の姿から人の姿へと再び戻る。そのまま手にした太刀で|禍根《竜》を叩き斬った。


 ――おのれ……我の……。

 竜の思念は既に途切れ途切れにしか聞こえない。極限られた状況で無ければ永遠不滅であるデウスエクスはいずれ遠くなく再び彼等の本拠で蘇生する。しかし、今この都市から、デウスエクスの脅威は確かに滅ぼす事は出来たのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『ご当地うまいもの広場』

POW   :    どんどん出てくる料理を沢山食べる

SPD   :    地元ならではの珍味に挑戦する

WIZ   :    料理の作り方を教えてもらう

イラスト:del

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●寂寥絶ち斬られた街で
 竜が消え去り、デウスエクスの脅威が去った都市の駅周辺では既に観光イベントの準備が進められていた。
 参加をする猟兵達は駅前へと送り届けられ、案内チラシを渡される。曰く――。

第一会場:駅前武者行列🚉
 地元所縁の武士や戦国~江戸時代辺りの装束を模した一団や、鼓笛隊の子供達、更には時代関係無く仮装した大人等が駅前の目抜き通りを歩く行列。駅の広場では大道芸の披露が行われたり、屋台やキッチンカーが出店している。

第二会場:収穫祭⛪
 駅からやや離れた――どちらかといえば先の採掘場のほど近く――の高台にある修道院の広場で行われる収穫祭。成人であればワインやサングリアが振舞われる(未成年にはぶどうジュース)。こちらでもキッチンカーが出店。こちらの方はワインのおつまみに向いたジビエ料理等も並ぶ。

 更に、ミツルギの決戦支援列車も、駅に留まり一般市民に向け見学説明会を開くらしい。ただ、此方は一般市民向けの見学会なので、猟兵であれば特務機関|DIVIDE《ディバイド》の支部で直接聞いた方がより詳細な情報が受けられるだろう。

 既にどの会場もイベントの準備は万端。さて、折角のイベント、どう満喫しようか――
シルヴィ・フォーアンサー
SPD判定。

……終わったしお食事タイム。
『そういって大半は私が処理するわけだが』

ジュース飲みつつ屋台巡り、アレコレ食べたいけど少食なので
一掴み食べては次の品と食べてく。
残った分はヨルの人形外部端末に押し付け。
(某猫型ロボットよろしく食べたものはエネルギーに分解される)

お腹一杯になったら人の少なそうな方でのんびり一休みしてから帰るよ。




 武者行列のゴール地点であり、小規模なパフォーマンスも行われる駅前に、屋台が並んでいる。そこに顕れたのは、シルヴィ・フォーアンサー(自由を求めた脱走者・f41427)。そして、その相棒のサポートAI、ヨルムンガルド――その人形外部端末である。

「……終わったしお食事タイム」
『そういって大半は私が処理するわけだが』

 居並ぶ屋台に興味の彩をひらめかせるシルヴィの傍らでヨルムンガルドが肩を竦める。AIであり、その青年の姿の人形外部端末は仮初の姿である筈なのだが、その仕草には違和感が無い。そんな彼の反応を聞き流して、シルヴィは屋台へと向かって行った。

 たこ焼きに、焼きそば。焼き鳥にフランクフルト。目につく屋台から1品づつとはいえ、その量はかなりのもので、周囲の人間の目を惹くが、そんな人々の目を気にすること無く二人は屋台で買ったものをその場で食べられるように用意された休憩所へと足を向けた。

「……はい」

 一口二口、もしくは一つ二つ。シルヴィは買ってきたものをそれだけ食すと、皿ごと相棒へと向けていく。対してヨルムンガルドは、己の前へ次々と回される皿にも、何時もの事と黙々とその端末の裡へと取り込んでいく。そうして取り込んだ食物は、ヨルムンガルドの端末が活動する為のエネルギーへと分解変換されていいった。
 一通り買ってきたものを食べきった二人は一緒に買ってきた飲み物を片手に、遠目に行列のパフォーマンスを見ながら休憩をし、人心地が付いた所でその場を後にした。

「こういうのも、たまには悪くないかもね」

大成功 🔵​🔵​🔵​

仇死原・アンナ
アドリブ歓迎

・⛪

…終わったね
……観光?………せっかくだから行こうかな……

お酒が飲めるの…?じゃあ…一杯貰おうかな……うん…美味しいね…
…つまみもあるのか…いいなぁ‥‥美味しそう……食べていい…?

それじゃあ…頂きます……うん…お肉も美味しい……お酒にも合う……

…お酒もお肉もなくなっちゃったな……お替わり…いいかな…?

…遠くのほうから賑やかな音…笛や太鼓の音がする……後で覗いてみようかな…?




「……観光?」

 仇死原・アンナ(処刑人、地獄の炎の花嫁、焔の騎士・f09978)は、案内チラシに目を落としながら首を傾げた。戦いが終わったためか、処刑人としての苛烈さは鳴りを潜め、ゆるりとした雰囲気を纏っている。

「………せっかくだから行こうかな……」

 渡されたチラシの楽しさに釣られるように向かった修道院は、先刻の戦場にほど近い高台にあった。修道院そのものはこじんまりとしたものだが、広場と葡萄畑を併設しており、そこが収穫祭の会場となっていた。

「……え。お酒が飲めるだけじゃなくて貰えるの……?」

 修道院に入る際、ボトルワインと、中でグラス売りされるワインのためのプラスチック製のグラスを渡される。|闇深き世界《ダークセイヴァー》で生まれ育ち、猟兵として数多の世界を渡って来たアンナだが、こういうイベントは珍しく映った。

(……つまみもあるのか……美味しそう……)

 広場の一角には、ワインの肴として合うよう、ジビエ料理や、ピザ、海鮮料理まで並んでいて、食欲を刺激される。思わず目についたものをワインと一緒に手に入れると、広場の一角に見つけた木のテーブルと椅子に落ち着く。

「……頂きます」

 まずは、手にしてた料理から勧められたワインを一口。程よい酸味が口の中に広がった。勧められただけに、ジビエの腸詰とよく合う。

(……うん……お肉も美味しい……お酒にも合う……)

 舌鼓をうちながら周りを見渡すと、葡萄畑の方ではボトルコンテナを椅子やテーブル代わりにして、ワインや買った料理、更には持ち込んだと思われる料理を拡げて楽しむグループが幾つも見受けられる。更には広場に作られていたステージから、賑やかな音も聞こえてくる。
 賑やかな雰囲気に身を委ねながら、アンナは穏やかに笑みを浮かべた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

青梅・仁
二🎏
どちらも面白そうだったが、たまにはワインでも飲んでみるかと思ってな。
翡翠くんはまだ未成年だからぶどうジュースになっちまうが、一人で行くのもつまらんし付き合っちゃくれないか?
おじさんケルベロスディバイド来るの初めてだし、な?

へえ、ワインも色々あんのなあ。
ワインはあまり飲まないからよくわからなくてな。
数種類試したらジビエ料理を頂きに行こう。
ん、美味いなこれ。
翡翠くんもちょっと食べてみないか?
酒を飲まない子でもおつまみは好きという子も多いしな。
それ以外の料理もいくつか挑戦しつつ、翡翠くんにも分けよう。

おじさんに付き合ってくれてありがとな。
翡翠くんも少しは楽しんでくれてりゃいいんだが。




(どちらも面白そうだったが、たまにはワインでも飲んでみるか)

 過去に開催された際の楽しげな写真やご当地キャラと思われるキャラクターの絵などに彩られた、各会場の案内が記されたチラシを手に行き先を定めた青梅・仁(鎮魂の龍・f31913)の視界に、龍之宮・翡翠(未だ門に至らぬ龍・f40964)の姿が入った。仁はすかさず其方へと足を向ける。

「なあ、翡翠くん。おじさんと収穫祭に行こう!」

 そう声を掛けた仁に向けられた、翡翠のその名の彩の瞳が不思議そうに揺れた。そのまま無視を決め込む心算ではない様子に、仁は内心安堵する。

「翡翠くんはまだ未成年だから葡萄ジュースになっちまうが、一人で行くのもつまらんし付き合っちゃくれないかってな。
 それに、おじさん、|ケルベロスディバイド《ココ》来るの初めてなんだ」

 そう言って笑みを浮かべた仁から翡翠は視線を逸らす。

「……会場に向かうバスは向こうだ」
「お。ナビしてくれるのか? 頼むよ」

 表情を気取られぬよう先に立って歩きだす翡翠に、仁はそれまでと変わらぬ柔らかさで笑った。



 シャトルバスで辿り着いた修道院は既にかなり賑わっていた。  
 成人している仁にはボトルワインとプラスチックのワイングラスが渡されるが、翡翠には渡される事は無い。猟兵やケルベロスに対しては特務機関|DIVIDE《ディバイド》が負担してくれているが、本来成人の入場者は有料で、未成年は無料なのだそうだ。そんな説明もさらりと受けて、二人は広場の方へと足を向ける。

「ワインはあまり飲まないからよく判らないんだが……色々あんのなあ」

 グラスにワインを注いでもらうための行列が何列も並んでいるのを見ながら仁が呟く。
 傍らの翡翠に至ってはワインどころか酒そのものと未だ縁が無い身だ。色の違いくらいは辛うじて知っているがそれ以上の事は判らないので、仁が勧められるままにいくつか試飲をするのを黙って見つめる。

「……っと。そろそろおつまみでも見に行くか」

 そんな視線を受けて、仁はワインを片手に、もう片手で翡翠の背を押して試飲会場を後にして、ジビエ料理の屋台へと足を向ける事にする。

「おつかれさん」
「……感謝する」

 葡萄畑の一角。レジャーシートとボトルコンテナを借りて陣どった二人は、ワインと葡萄ジュースで乾杯し、見繕ってきた食べ物にありつく。

(ん、美味いなこれ……!)

 仁が齧りついたのは、鹿肉のソーセージ。口の中で肉の内に閉じ込められていた旨味が拡がって、焼きたてでまだ熱いにも関わらずつい食べ続けてしまう。翡翠にも勧めようと視線を向けると、仁がワインと共に渡されていたドライフルーツとナッツを齧っていた。年齢的にも身長的にもさほど幼いとも言えない筈の翡翠だが、黙々と齧るその姿は何処か小動物めいて映る。

「……何だ?」
「いやぁ、おじさんに付き合ってくれてありがとな」

 何処かはっきりと言葉に出来ない危うさめいたものが垣間見えたような気がして声を掛けてこうして時間を過ごす事にしてみたが、視線に気づいて目を逸らした翡翠からそれは大分と薄れたように感じられて、仁は笑みを浮かべる。そんな穏やかな空気が自分に向けられる事に慣れない翡翠は、ビニールパーカーのフードを目深に被ってその表情を隠してしまう。

(楽しんでくれちゃいるんだな)

 経験からこういう反応の本音を想定した仁は、安堵と共にワインを飲み干した。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年10月24日


挿絵イラスト