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風水盤の導きを

#封神武侠界 #ノベル

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仰木・弥鶴
嵐(f29276)と共同
アイテムを入手した時のエピソードをノベルにしてください

『古い風水盤』
庚屋の掘り出し物。麻雀の戦利品。
(https://tw6.jp/garage/item/show?item_id=166193)

舞台:麒・嵐(東方妖怪の冒険商人・f29276)が商いをする鄙びた万屋
関係:馴染みの店主と常連客
内容:2人麻雀
経緯:麻雀に勝ったら店の中にある商品どれでも好きなのをくれると言われたので
   1番古そうなのをもらいました

対局の流れや展開等お任せ
書いていない部分は何も決めていないのでご自由にどうぞ
アイテムの詳細設定や由来なども何かアイディアをいただけましたら是非

キャラクター設定:(アレンジやアドリブの際に必要があればご参照ください)
職業:教師
ギャンブル:わりと強い
イカサマ:しない
口調:俺、だね、~なの?
相手の呼び方:そっち(の番)、知人といった代名詞を使い名前ではあまり呼ばない


麒・嵐
弥鶴(f35356)と共同
アイテムを贈った時のエピソードをノベルにしてください

『古い風水盤』
庚屋の掘り出し物。麻雀の戦利品。
(https://tw6.jp/garage/item/show?item_id=166193)

舞台:麒・嵐(東方妖怪の冒険商人・f29276)が商いをする鄙びた万屋
関係:マイペースな常連客に翻弄される店主
内容:2人麻雀
経緯:麻雀に勝ったら店の中の商品どれでも好きなのをやると言ったら
   とっておきのを持っていかれ大赤字

生業:商人
ギャンブル:好き、得意
イカサマ:できるが卑怯な悪人相手でなければやらない
口調:嵐、だよ、~かい?
相手の呼び方:あんた、客などざっくばらんな距離感



 今日も通りの人の往来は賑やかだ。
 求めるモノを探しふらりと歩く者、予定さえ無く店先を流し見するだけのもの。
 人恋しさに訪れる者というのは目的を作らない。
 鄙びた万屋というものは、その中でも変わり者の目にしか留まらない。来るものは拒まず、迎えて"変わり者"へ対応する――麒・嵐(東方妖怪の冒険商人・f29276)の商いとはいつもそうだ。

「どうも。今日も賑やかだね」
 声を掛けてきた男は馴染み在る客。
 仰木・弥鶴(人間の白燐蟲使い・f35356)は、迷わず此処へ訪れたようである。
「商いは急ぐものではなくてね、静かなくらいで丁度いいさ」
「真面目な対応ができるからねえ」
 品定めするような視線。しかし何処へとも定まらずフラフラと。
 店主は問う。何を探しているのかと。
「なにも。でも……」
 ちら、と視線が留まった。
「あれは古そうな一点だね?詠唱兵器として古い風水盤を扱う生徒もいるけれど、こちらは随分と遠い年代のモノのように見受けられるような……」
「値段はつけられない程価値の在る、掘り出し物だね。言い値でも駄目だよ。ああでも……」
 長閑な時間はこの万屋の中に流れるもの。
「曰く付きとは聞いていないが、主人を決めるのはコイツであるべきだね」
 売るとは言わず、売れないとも言わず。
 先程熱い茶を入れたばかり。飲むには熱すぎる。
 嵐は一度視線を落とし、それから思いつきを口に出す。
「こちらが負ければ、店の中のどれでも好きなのをやろう。強いて言えば制限時間を設けるが」
 淹れたての茶が程よく冷えるその僅かな時間のみ。
 風水盤の事を特記せず、あくまで雑に含めた言い方をした。
「言うだろう?人生における|時間もまた金なりと《タイム・イズ・マネー》と」

 そら、と用意する麻雀セット。
 広げ、何を行うかを提示する。
「ルールはまあ、特殊なものではないほうがいいね」
 教師とて、場合により嗜むことの在る麻雀。
「だがね、"絵合わせ"で行おうか。客人を退屈させても申し訳ない」
 毎度同じでもつまらない、とは本心も告げない。
「成程」
 だが、真面目な弥鶴は自身の眼鏡をくい、と上げる。
 了承の代わりのサイン。
 これは、交渉しつつ、ギャンブルに興じる――店主の"今日"の商いの形なのだろう。
「そっち、からだよ」
「ああ。質問でもあれば聞くが……」
 常連客が尋ねる事は、果たして何か。
 ぱちん、と音を立てて、自分の番を終わらせる。
 盤面に変化はあまりない。
「いつ来ても興味深いものを仕入れますよね、秘訣とかあるんですか?」
「秘訣?妖怪に尋ねることなのかな、その辺含めて"不思議"というものだよ」
 曰く付きのものを集め、束ね宝物のように並べるのは、品揃えという範囲で面白いが"基本的には商品"だ。
 嵐は帳簿をつけ、商い自体を楽しむもの。
 いつの間にか仕入れて、品自体が行きたいところへいけたらいい。
 相応の、金銭の移動がアレば尚のこと――。
「ノーテン」
「テンパイだよ」
 流局ではあるが、当然点数は動く。
 テンパイを宣言したのは、弥鶴。
 嵐の負け点が増えてもまだまだ選局の傾きは解らずだ。
「あんた、こういう時の"運命"の手繰り寄せ方は一級品だね」
 形として存在しないのだから口惜しい。
 そのまま続けて再開すれば、そうかからないうちに同じ運命を辿る。
「提示されたルール通りに、多くのことは考えていないけれど……」
 勝負運は不思議と強い。ずっとそうだった。
 ギャンブルにはわりと強い弥鶴は、不思議と勝利を引き寄せる。
「俺に話させていると、運気が逃げるのではないかな?」
「先程からずっと語ってるそちらが黙ったところで、天運まで操作出来るものではないよ」
「不思議な力を感じる、とは来た時点で思っているだけどね……本当に、あの風水盤は古いだけなのかい?」
 尋ねながら、また一局流れる。
 今度もまた、嵐が負け点を払った。
 ――この対局は流れが悪いのかもしれないねえ。
 緩やかに温度の下ったお茶で喉を潤しながら、店主は言葉を紡ぐに勤しむ。
「ああ。名実ともに名もなき品で、あれは古いだけだ。名のある神が己の神秘を利用して、占ったモノという話だよ。その神というのも、創世神話級の嘘くささでね、……でも"過去存在した"というだけで残留し戻ってくるモノはあるのだから、格安で買い取った、というだけさ」
「ふうん?……ちなみに、誰の持ち物だったと聞いたのかな」
「嘘くさいが、|伏義《ふつぎ》だそうだ」
 封神武侠界に置ける文化の祖とされる神の名。
 オブリビオンとして蘇っていないとは聞いたような気もする。
 では彼、または彼女が使用した"武装"の類であったなら……?なにかの間違いで流れ着くこともあるだろう。
 そういうものだ、曰くがあると嵐がいうのは。
 殲神封神大戦における――三皇伏羲の祠。
 陰陽を表す図形を大きく刻み、未来を教える者とされた"八卦天命陣"をモチーフに刻んだ風水盤。
 妖の気配は嗜み。嘘でも真実でも、"名"が有名なら欲しがるモノは大金を詰む。
 だから言い値では売り渡さない。値段の提示も行わないモノとアレは飾っているだけなのだ。
「へえ、それは随分と有名人だね……俺はこれでも、世界史の教師をしてるんだよ。勿論知ってる。――よし、これで」
 ぱちん。
「……やられた」
 崖っぷちの戦いの中、静かに持ち点を全て失った嵐。
 大敗した手前、言葉が詰まった。
「なんでも一つ、くれるのだったね?」
「二言はない。好きなものを――」
「では、話題に上がり続けた古い風水盤で」
 嵐の万屋で、一番のとっておき。
 条件までつけて負けてしまえば、言いくるめるのは店主が名折れ。
「どのように扱うか、置物にするかはそちら次第だよ。此処から持ち出すのだから有意義に扱って欲しいものだけどね。これが運命というやつかな」
「真偽不明の遺物ということだろう?大事にはするさ、変なことをしたら呪われそうだからね」
 格安で買い取った、と嵐は言ったがそれは見栄というもの。
 真実は決して安く無く、帳簿の中で最も赤い字を刻んでいる。
 そして今、赤字の宝は常連客へと持ち主を変えて渡っていった。
 あれこそが、持ち主を勝手に選んで出ていったのだろう――。

 ああこれだから、――商いというのは面白い。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2023年07月05日


挿絵イラスト