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猟書家の侵略~闇に潜みし教団の陰謀

#キマイラフューチャー #猟書家の侵攻 #猟書家 #マレーネ・ヴァルハイト #スクラップビルダー

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●キマイラフューチャー・某所
 華やかでポップな都市の路地裏に、ひっそりと質素な外観のビルが建っている。
 特段目立つ特徴のないビルの地下には、いつしか悍ましい呪術を行使するための秘密祭壇が築かれていた。
「あなたたちが何をすべきかは、わかるわね?」
「は。我らの役目は、呪いの強化と同志を増やすこと」
 祭壇の前に立つ女幹部『マレーネ・ヴァルハイト』に頭を垂れながら、赤黒のテレビウム『|赤黒《しゃっこく》のアヴェンジャー』たちは祭壇に祈り――否、呪いを捧げ続ける。
 己が呪術で蘇らせ、呪術怪人として生まれ変わった彼らの行為に満足しながら、マレーネは更なる指示を伝えた。
「では、これから街中に散開し、もっともっとスクラップビルダーを集めて来なさい」
「は。我らが悪の組織による世界征服の為に」
 異口同音に唱和した後、街中へ散開してゆく呪術怪人たち。
 そんな呪術怪人を見送った後、禍々しい祭壇を見上げながら、マレーネは独りごちた。
「キング・ブレインがどうなろうと、まだ諦めるわけにはいかない――私の大いなる野望は終わらない」
 マレーネの表情も声音も、一見冷徹そのものだが、その裏には微かに焦りが滲んでいる。
 それは、まるで真っ二つに割れたキマイラフューチャーがほぼ修復されつつある意味を悟っているかのようだった。

●グリモアベース
「オウガ・フォーミュラ『キング・ブレイン』の撃破が見えて来たところだが、幹部猟書家『マレーネ・ヴァルハイト』の居所を把握した」
 おどろおどろしい気配を発している丸盾のグリモアに若干眉を潜めつつ、グリモア猟兵館野・敬輔(人間の黒騎士・f14505)が集まった猟兵達にグリモアの予知を説明し始める。
「マレーネ率いる『ヴァルハイト呪術教団』は、この局面に至っても惑星全体を呪う為の『巨大祭壇』の建造を諦めていないらしく、今でもスクラップビルダーを狙っているようなんだ」
 幸い、その計画が実行される前にグリモアが察知したためか、今ならまだ阻止可能だという。
「そこで、皆にはマレーネを討ち取り、ヴァルハイト呪術教団の野望を阻止してほしい。頼めるだろうか」
 頭を下げる敬輔に、猟兵達は其々の想いを胸に頷いた。

「ヴァルハイト呪術教団は、とあるビルの地下に築いた秘密祭壇に悪しき呪いを捧げて呪術を行使し、絶えずスクラップビルダーを呼び寄せている」
 呪術にかかったスクラップビルダーは、無意識のうちにこのビルを訪れ、秘密祭壇のある地下まで足を踏み入れてしまう。
 一方、呪術にかからなかったスクラップビルダーもまた、マレーネ配下の呪術怪人に誘拐され、ビルまで連行されてしまうそうだ。
 そうして集められたスクラップビルダーは、祭壇の前で殺害された後、マレーネの忠実な下僕として蘇生し……再びスクラップビルダーを集めるために呪いを捧げたり誘拐に手を染めてゆく。
 この悪しき連鎖を断ち切るためには――教団を壊滅させるしかない。
「呪いと誘拐、両方とも阻止する必要はあるけど、まずは誘拐現場を押さえるところから始めよう。メインストリートから1本外れた裏路地で、呪術怪人と化した『赤黒のアヴェンジャー』がスクラップビルダーを誘拐しようとしているから、撃破して誘拐自体を阻止してくれ」
 なお、誘拐されかけたスクラップビルダーは、キマイラフューチャーなら誰でも知るヒーローたる猟兵の姿を見れば、その場に留まり応援し、場合によっては手を貸してくれるため、無理に逃がす必要はない。
 応援を得つつ呪術怪人を撃破した後は、呪術にかかったスクラップビルダーを追跡し、秘密祭壇のあるビルに潜入しなければならないが、猟兵達ならさほど難しい行動ではないだろう。
「ビルに潜入したら、マレーネを撃破し、秘密祭壇を破壊して教団を壊滅に追い込んでくれ」
 冷徹な女幹部たるマレーネは、その見た目に反し、残酷に猟兵達を甚振ってくる。
 総じてポップでコミカルなオブリビオンが多いキマイラフューチャーでは異色の存在とも言えるため、油断は禁物だ。

「ここ数か月で、クルセイダー、レディ・オーシャン等、オウガ・フォーミュラが次々と討ち取られているが、幹部猟書家はまだまだ残っている」
 そして、キング・ブレイン撃破が見えている今、この機を逃してしまうと、幹部猟書家を把握・追跡するだけで苦労するのは想像に難くない。
「このタイミングで僕のグリモアが把握したのも何かの縁だろう。だからこの機を逃さず、確実に討ち取ってほしい」
 だから頼んだよ、と一礼しつつ。
 敬輔は丸盾のグリモアを展開し、猟兵達をキマイラフューチャーに送り出した。


北瀬沙希
 北瀬沙希(きたせ・さき)と申します。
 よろしくお願い致します。

 キマイラフューチャーにて暗躍している幹部猟書家『マレーネ・ヴァルハイト』は、いまだ惑星全体を呪う『巨大祭壇』の建造を諦めていないようです。
 猟兵の皆様、『マレーネ・ヴァルハイト』の拠点に突入し、巨大祭壇の建造を阻止してください。

 登場するオブリビオンの性質上、ほぼ純戦となります。
 キマイラフューチャーっぽい雰囲気はほぼ皆無と思われますので、予めご了承下さい。

●本シナリオの構造
 集団戦→ボス戦の【2章構造】です。

 第1章は「赤黒のアヴェンジャー」との集団戦です。
 呪術怪人と化した彼らは、見た目以上におどろおどろしい印象を受けますが、スクラップビルダーの応援があれば十分立ち向かえるでしょう。

 第2章は「幹部猟書家『マレーネ・ヴァルハイト』」とのボス戦です。
 見た目に反し、使用ユーベルコードは総じて残虐系。くれぐれもご注意を!!

●本シナリオにおけるプレイングボーナス
 1・2章共に【スクラップビルダーに応援される】と、プレイングボーナスが付与されます。
 戦いに使える地形などを作ってもらえればそこそこ役に立ちますので、もし作ってほしい地形がございましたら、プレイングで指定をお願いします。

●【重要】プレイングの受付・採用について
 第1章の受付開始日時は、断章追加後、MSページとTwitter、タグにて告知。
 第2章は、断章追加後からプレイング受付開始。
 いずれも受付締切は、MSページとTwitter、タグにて告知致します。

 なお、本シナリオは諸事情により、サポート採用も交えつつゆっくり運営致します。
 もし、プレイングが失効してお手元に戻った場合は、お手数ですが再送をお願いします。

 全章通しての参加も、気になる章のみの参加も大歓迎です。
 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『赤黒のアヴェンジャー』

POW   :    お前達は絶対に許さない!
【赤黒の復讐者モード】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    全部壊してやる!
単純で重い【バールのようなもの二刀流】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
WIZ   :    この痛みを思い知れ!
攻撃が命中した対象に【自身がかつて負ったものと同じ傷】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【痛みを知ったことによる自責の念】による追加攻撃を与え続ける。

イラスト:常盤シルベ

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●キマイラフューチャー・某所――裏路地
 猟兵たちが転送されたのは、メインストリートから1本奥に入った裏路地の片隅。
 ネオンや看板がひしめく華やかな表通りに比べれば、この裏路地は街灯も看板も少なく、どこか物寂しい雰囲気すら感じられる。
 そんな裏路地に、ヴァルハイト呪術教団が広めた呪術にかかったスクラップビルダーが、次々と足を踏み入れ始めていた。

「うん、こっちだね」
「何だろうなあ、無性にこっちに来たいんだけど……ま、いっか」
 無意識に呼び寄せる呪術にかかったとは気づかず、特定のビルに向かって歩き出すスクラップビルダーたちを、裏路地を意味なく散歩していた別のスクラップビルダーが発見し、駆け寄った。
「ちょっと、どうしたん?」
「こっちは危ないよ……やめとこ?」
「え、この先気にならないの?」
「なあ、行かせてくれよ。どうしても行きたいんだよ」
 呪術にかかり、無性に先に進みたくてたまらないスクラップビルダーと、呪術にかからなかったが偶然裏路地を散歩していたスクラップビルダー。
 双方が行く行かないので押し問答をしていると、半身ずつ赤と黒に色分けしたテレビウム『|赤黒《しゃっこく》のアヴェンジャー』の集団が現れた。
「いたぞ! スクラップビルダーだ!!」
「今、足止めしている連中は呪術にかかっていない。狙え!!」
『赤黒のアヴェンジャー』が足止めしているスクラップビルダーにバールのようなものを振り下ろそうとした瞬間、猟兵たちが騒ぎを聞きつけ、駆け付けた。
「む、お前達……猟兵だな!?」
「邪魔するなら、先に始末するぞ!!」
 呪術怪人と化し、どこかおどろおどろしい雰囲気を纏った『赤黒のアヴェンジャー』は、バールのようなものを構えながら猟兵達に襲い掛かる。
「わ、猟兵さんだ!! あいつらを追っ払ってよ!!」
「あんなおどろおどろしい連中、どう見たってロクな奴らじゃない!!」
 呪術にかからなかったスクラップビルダーたちが、背後に逃げ込むのを見ながら。
 猟兵達は得物を取り出し、呪術怪人『赤黒のアヴェンジャー』へと立ち向かった。

※マスターより念のため補足
『赤黒のアヴェンジャー』の目的はスクラップビルダーの誘拐ですが、同時に猟兵達の目的が妨害であることも察しておりますので、まずは猟兵達を排除すべく襲い掛かってきます。
 呪術にかからなかったスクラップビルダーたちは、猟兵達を応援し、時にサポートもしてくれます。何らかの地形を作ってもらいたい場合は、プレイングにて指定をお願いします。

 呪術にかかったスクラップビルダーは、戦闘中も無意識にヴァルハイト呪術教団の祭壇があるビルへと向かいますが、『赤黒のアヴェンジャー』視点では呪術にかかっていることは明白ですので、特に対処せず放置します。
 ここで彼らを無理に足止めしなくても、戦闘後に急いで追いかければ十分追いつけ、なおかつ教団の祭壇があるビルに辿り着けますので、1章では特に対処しなくても大丈夫です。

 ――それでは、最善の戦闘を。
新井山・直次郎
【変装】し髑髏面として登場する
俺は待ち望まれたヒーローではないだろうが…それでも言わせてもらおう
助けに来た。怖がるな、落ち着いて行動すれば大丈夫だ

無差別攻撃…視界に入らない工夫が必要だな
幸い薄暗いであろう裏路地、【闇に紛れる】ことが可能だ
スクラップビルダーたちに障害物を配置してもらえれば【目立たない】動きができるかもな

隙を見て遠距離からUCで攻撃、アヴェンジャーどもに「貴様らを暗闇から攻撃する」という意思を伝える
後はしばらく様子見し…気が変わった
障害物を駆けのぼってアヴェンジャーどもの頭上から粉砕バットによる【鎧砕き、重量攻撃】を叩きつける

貴様たちの相手をしている時間はない
覚悟しろ

アドリブ歓迎




 呪術怪人と化した『赤黒のアヴェンジャー』の集団が誘拐しようとしているスクラップビルダー達の前に現れたのは、素顔を|髑髏面《スカルフェイス》で隠した新井山・直次郎(|髑髏面《スカルフェイス》・f40823)。
(「俺は待ち望まれたヒーローではないだろうが……それでも言わせてもらう」)
「助けに来た」
「きゃ……って猟兵さんだ!!」
|髑髏面《スカルフェイス》を見て驚いたスクラップビルダー達は、直次郎が猟兵だと気づくとすぐ警戒を解く。
(「怖がられると思っていたが、怖がっていないようだな」)
「落ち着いて行動すれば大丈夫だ」
「うん!」
 直次郎を信頼し、素直に頷き身を隠そうとするスクラップビルダー達。
 一方、アヴェンジャー達にとっては、直次郎は己が目的を妨害する猟兵だ。
「邪魔をするなら、お前達は絶対に許さない!! ユルサナイイイイイイイイイ!!」
 理性と引き換えに赤黒の復讐者モードへと変身し、おどろおどろしい気配すら消し飛ぶほどの狂気を纏うアヴェンジャー達を見た直次郎は、スクラップビルダー達に小声で依頼した。
(「視界に入らない工夫が必要になりそうだが、幸い、ここは薄暗い裏路地。理性なき相手であれば、闇に紛れてしまえば簡単には見つからないか」)
「何でもいい、障害物を配置してもらえないだろうか」
「うん!!」
「あ、そーれ!!」
 スクラップビルダー達は、陽気な掛け声と共に、鉄パイプや鉄筋コンクリートを出鱈目に組み合わせたような障害物をいくつか生成し、裏路地に設置。
 キマイラフューチャーの住人らしく、何処か緊張感がないようにも見えるが、その力は本物だ。
「ナンダナンダ!!」
 障害物に行く手を遮られたアヴェンジャー達は、思わず足を止める。
 直次郎は即座にアヴェンジャーらの腕をグラビティ・チェインで縛り、意思を伝えた。
『貴様らを暗闇から攻撃する』
「!!!!」
 宣戦布告に等しい意思を伝えられたアヴェンジャー達は、一気に殺気を膨れ上がらせ、血眼になって直次郎を探し始めた。
「サガセ!! コロセ!!」
「ドコダ!? ドコニイル!?」
 だが、理性を失った状態では、闇に紛れ目立たないよう移動し続けている直次郎を見つけられない。
 闇を味方につけた直次郎に翻弄され、怒りを募らせたアヴェンジャー達は、やがてバールのようなものを振り回しながら、障害物と建物を破壊し始めた。
「コワセ!! コワセ!!」
「スベテヲコワセ!! アブリダセ!!」
 その姿を闇越しに見た直次郎は、アヴェンジャー達に見咎められぬよう、一気に障害物を駆けのぼり始める。
 本当は宣言通り闇討ちするつもりだったが、手段を問わず直次郎を排除しようとするアヴェンジャー達の姿を見て、気を変えた。
「!!!」
「イタゾ!!」
 駆け上る音を聞きつけたアヴェンジャー達が振り向くが、直次郎は構わず障害物から飛び降り、上空から急襲する。
「貴様たちの相手をしている時間はない。覚悟しろ」
 アヴェンジャー達は反射的にバールのようなものを構え防ごうとするが、直次郎は構わず粉砕バットを勢いよく振り下ろした。

 ――ドゴォッ!!

 粉砕バットがアヴェンジャーの頭にめり込み、重苦しい音を立てながらかち割ってゆく。
 頭を割られたアヴェンジャー達は、そのまま地面に釘のように打ち付けられ、事切れた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ジード・フラミア
ジード「……スクラップビルダーの端くれとして、止めさせて貰うよ。」
メリア『フフフ、気合い十分デスネ。デハ、ワタシも頑張りまショウカ!数ニハ数で行きマスヨ!』

UC【人形のおもちゃ箱】を使用
周囲の無機物(場合によっては周囲の壁をコンコンコンして道具を出して)それらを複数の人形に変形させます。ジードがスクラップを組み合わせて武器を作り人形に持たせます。

メリア『そうダ!皆サン、合作しまショウ!皆サンの|作品《ヒーロー》を見せてクダサイ!』

可能なら周りのスクラップビルダー達に手伝ってもらい、人形達に武器や防具を装備させて貰ったりします。

アドリブ・連携は歓迎です。




 呪術怪人と化した赤黒のテレビウム『赤黒のアヴェンジャー』達の行く手を、銀髪青瞳のジード・フラミア(人形遣いで人間遣いなスクラップビルダー・f09933)と、金髪赤瞳の女の子人形が遮った。
「……スクラップビルダーの端くれとして、止めさせて貰うよ」
『フフフ、気合い十分デスネ』
 おどろおどろしい雰囲気を放つアヴェンジャー達に物静かに宣言するジードに対し、ジードのもうひとつの人格『メリア』は女の子人形に憑依したかのように陽気に振る舞う。
『デハ、ワタシも頑張りまショウカ! 数ニハ数で行きマスヨ!』

『サァ! 新しい人形達よ ワタシ達と遊びマショウ!!』
 メリアが何らかの箱を取り出し、地面に置くような仕草をすると、周囲の障害物や無機物が様々な姿の人形に変化し、目に見えない人形のおもちゃ箱から飛び出し始める。
「こんな人形に惑わされないぞ!!」
「そうだ! 人形たちにも痛みを思い知って貰えばいいんだ!!」
 次から次へと現れる人形に、アヴェンジャー達がバールのようなものを手に襲い掛かっている間に、ジードは地面をコンコンコンし、出現した道具やスクラップを組み合わせて即席の武器を制作。
 それを見たメリルが、にまっと笑いながら、見守っているスクラップビルダー達に話しかけた。
『そうダ! 皆サン、合作しまショウ!』
「えっ?」
『皆サンの|作品《ヒーロー》を見せてクダサイ!』
「あ、それは面白そう!」
 スクラップビルダーたちもまた、創作意欲の赴くままに地面やビルの壁をコンコンコンし、道具を取り出し、思い思いの武器や防具を作り始めた。
 黙々と武器防具を作り続けるジードを見て、創作魂に火が付いていたらしく、出来上がった武器防具は実に多種多彩。
 その間にも、人形たちはバールのようなものを避けたり受けたりし、とにかく時間を稼いでいる。
 何体かがバールのようなものの直撃を受け、痛みを感じたかのような素振りを見せながら元の無機物に戻るが、残った人形たちはジードやスクラップビルダーから武器防具を受け取って装備し、アヴェンジャー達を包囲した。
「くそっ、どういうことなんだ……」
「慌てるな、あの赤眼の人形を壊せば、こいつら全て止まる!!」
 逃れる間もなく包囲され、焦るアヴェンジャー達の怒りに任せた指摘を、しかしメリアはにんまりと笑って受け流す。
(『ソモソモ、ワタシは人形を作ってイマセンから、的外れナンデスヨネ?』)
 実際、人形を創造しているのは、黙々と武器を作り続けているジード。
 メリアはそれらを一斉に操作しているに過ぎないから、メリアを壊したところで人形は止まらない。
『サァ、ショータイムのお時間デスヨ!!』
 アヴェンジャー達の退路を断ったところで、メリアが人形たちに号令を発する。
 包囲に加わった人形たちは、一斉に武器を振り上げ、アヴェンジャー達を袋叩きにし始めた。

 ――ドカドカドカッ!!
 ――ガキッ!! ボキッ!!

 人形たちに斬られ、殴られ、貫かれたアヴェンジャー達は、次々と地面に倒れ、消滅する。
「ぐ、お前達、ただでは……」
 数と痛みに押し切られたアヴェンジャー達の恨み節は、ジードやメリアには届かない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

真宮・奏
義兄の瞬(f06558)と参加

随分長い間暗躍していたみたいですが、いい加減討伐しませんとね。キマイラフューチャーの世界に怪しげな呪術教団は要りません。スクラップビルダーさん達の安全の為に、マレーネ・ヴァルハイト、必ず倒します。

スクラップビルダーの皆さん、ご無事で何よりです。応援とサポートお願いします!!頑張りますね。

風の妖精騎士を呼び出して動いてもらいアヴェンジャーを引きつけて貰います。妖精騎士と挟撃するようにして【衝撃波】で吹き飛ばし、【怪力】を込めた【シールドバッシュ】で倒して行きます。敵の攻撃は【オーラ防御】【盾受け】【武器受け】【拠点防御】【ジャストガード】【受け流し】で凌ぎます。


神城・瞬
義妹の奏(f03210)と参加

さあ、そろそろ決着をつけませんとね。マレーネのような性質の術師は逃走を許すと他の地でまた怪しげな呪術を広めかねません。スクラップビルダーさん達の安全の為に今回の戦いで必ず討伐しましょう。

スクラップビルダーの皆さん、障害物を作成してくれませんか?僕は術を詠唱するのに時間が掛かるので少しでも物陰に身を隠しておきたい。応援お願いしますね。

【多重詠唱】【魔力溜め】【高速詠唱】で十分術の威力を高め、【限界突破】を利用して月白の闘気!!前衛で敵を引き受ける奏の負担が大きいので出来るだけ早く一掃したい。

敵の攻撃は【残像】【オーラ防御】【心眼】で凌ぎますね。




 呪術怪人と化した『赤黒のアヴェンジャー』達は、焦っていた。
「くそっ、このままじゃ……」
「あのお方のために、一人でも多く攫わないとならないのに……!!」
 アヴェンジャー達は呪術にかからなかったスクラップビルダー達を片っ端から誘拐し、幹部猟書家『マレーネ・ヴァルハイト』の元へ運びこむつもりだったのだが、そこに都合よく表れた猟兵達に徹底的に妨害され、同志を減らされ続けているからだ。
 そして今、物陰に隠れたスクラップビルダー達を探し始めたアヴェンジャー達の前に、真宮・奏(絢爛の星・f03210)と義兄の神城・瞬(清光の月・f06558)が現れる。
「あなた達の主は随分長い間暗躍していたみたいですが、いい加減討伐しませんとね」
「ええ、マレーネのような性質の術師は、逃走を許すと他の地でまた怪しげな呪術を広めかねませんから」
 キマイラフューチャーの世界に怪しげな呪術教団は要りません、ときっぱり言い切る奏に続き、瞬もため息交じりに呟きを零し。
「スクラップビルダーさん達の安全の為に、今回の戦いで必ず討伐しましょう」
「ええ、スクラップビルダーさん達が無暗に連れ去られないようにするためにも、マレーネ・ヴァルハイト、必ず倒します」
 奏が出した名を聞いたアヴェンジャー達の殺気が、一気に膨れ上がった。
「あのお方の名を知っているなら、ここで死んでもらうしかない!」
「邪魔をするお前達を許さない、ユルサナイ……!!」
 奏と瞬に敵意と殺意を膨らませたアヴェンジャー達は、理性を捨て去り赤黒の復讐者モードへと変身し、おどろおどろしい気配すら消し飛ぶほどの狂気を纏う。
 そんな彼らを見て、奏は愛用のエレメンタル・シールドを構えながら大きめの魔法石を取り出し、瞬は六花の杖を両手で構えた。

「風の妖精さん、力を貸して下さい!!」
 奏は取り出した魔法石を空中に放り投げ、風を纏う妖精騎士を召喚。
 現れた妖精騎士は、奏が命じるより早く、スクラップビルダー達が隠れている場所と真逆の方向へ軽やかに走り出した。
「ウオオオオオオ!!」
「マテ!!」
 理性を失い、速く動くものに反応するようになったアヴェンジャー達は、風のように走り抜ける妖精騎士を目にするや否や、その後を追いかけ始める。
 必然的にアヴェンジャー達の興味から外れた奏は、これ幸いと妖精騎士を追うアヴェンジャー達を挟撃するように移動し始めた。
 そんな奏の背を心配そうに見つめつつ、瞬は物陰に隠れ様子を伺っているスクラップビルダー達に声をかける。
「スクラップビルダーの皆さん、障害物を作成してくれませんか?」
「え?」
「僕は術を詠唱するのに時間が掛かるので、少しでも物陰に身を隠しておきたいのです」
「それくらいならお安い御用!!」
 瞬の願いを軽く請け負ったスクラップビルダー達は、瞬の全身が隠れる程の高さの障害物をいくつか作成。
「ありがとうございます。では応援、お願いしますね」
「うん。猟兵さん、悪い奴らを追っ払って!!」
 瞬は障害物に身を隠しながらアヴェンジャー達に接近しつつ、幾重にも術式を重ねながら、できるだけ早く術が完成するよう詠唱を重ねてゆく。
 妖精騎士に引き付けてもらっているとはいえ、前衛を張る奏の負担はどうしても大きくなる。
 だからこそ瞬は、できるだけ1度の攻撃で多くのアヴェンジャーを巻き込めるよう、魔力を極限まで高めてから六花の杖を振りかざし、術式を発動した。
「僕も男としての意地がある!!」

 ――ガガガガガッ!!

 六花の杖の先端から、幾重にも重なった秘めたる闘気の波が全方位に放たれる。
 可視化された闘気の波は、妖精騎士に必死に食い下がるアヴェンジャー達の背中から強襲し、全身を強く叩きのめした。
「ぐあっ……!!」
「な、な……」
 背後から痛打を浴びたアヴェンジャー達は、次々と膝をつき、消滅するが、数体程が同志の身体を盾にかろうじて闘気の波を避けた。
「キサマ……!!」
 生き残ったアヴェンジャーは、同志を倒した瞬を殴ろうと身を翻し、バールのようなものを振り上げるが、振り下ろす前に奏と妖精騎士が駆け付けた。
「瞬兄さんには手を出させませんよ!!」
 ふたりに背を向けているアヴェンジャーに、奏はエレメンタル・シールドを力いっぱい叩きつけ、妖精騎士は手にした剣を振り下ろす。
「がっ……マレーネ、さま……」
「くそっ……」
 背後から闘気ではなくシールドバッシュと剣を受けたアヴェンジャーは、そのまま地面に頽れ、消滅した。


 アヴェンジャー達の姿が見えなくなったのを確認したか、隠れていたスクラップビルダー達が姿を現す。
「ありがとう、猟兵さん!!」
「ところで、他のスクラップビルダーさんたちは?」
「うん、あっちに向かったみたい」
 奏がスクラップビルダー達に仲間の行方を質問すると、彼らはそろって飾りっ気のないビル群を指差した。
 おそらく、あのビル群のどこかに、彼らを呪術で呼び寄せた幹部猟書家がいるのだろう。
 ――一刻も早く追いかけねば、彼らの命はない。
「あの人たち、何度止めても聞かなかったんだけど……なんでだろ」
「お願い、追いかけてくれる?」
「もちろんです。あなた達はここから離れて、できるだけ人目が多い所に」
「うん!」
 スクラップビルダー達は瞬の助言に従い、表通りに避難する。
 奏と他の猟兵達以外の人影がなくなってから、瞬が改めて裏路地に目を凝らしてみると、特定のビルに吸い込まれてゆく人影がいくつか目に入った。
「いました、追いかけましょうか」
「ええ、瞬兄さん、行きましょう」
 奏に頷き返しながら、瞬と猟兵達は人影が吸い込まれているビルへと駆け出した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『マレーネ・ヴァルハイト』

POW   :    来なさい帝竜達。存分に暴れ狂えるがいい!
召喚したレベル×1体の【スライム】に【相手に適した帝竜の首】を生やす事で、あらゆる環境での飛翔能力と戦闘能力を与える。
SPD   :    温かいのは返り血ぐらい、貴方もそう思うでしょ?
【瞬時に間合いを詰めての腸を抉る一撃】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
WIZ   :    私は貴方の言葉が聞きたいの。精々囀るがいい
【視認不可能になったスライム】が命中した対象の【体内】から棘を生やし、対象がこれまで話した【自身に向けた負の感情・仲間を守る意思】に応じた追加ダメージを与える。

イラスト:たけ姫

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠白石・明日香です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●キマイラフューチャー・某所――ヴァルハイト呪術教団・巨大祭壇前
 スクラップビルダーを誘拐しようとした『赤黒のアヴェンジャー』達を排除した猟兵たちは、呪術にかかったスクラップビルダーの集団が吸い込まれるように入っていったビルに突入する。
 ビルの1階には、やや広めのエントランスホールと小さなエレベーター、そして上下階に続く階段があるが、スクラップビルダー達の姿はエントランスには無い。
 エントランスホールを見回してみると、やがて階段の方角から複数の足音が聞こえてくる。
 その足音の意味を察した猟兵達は、階段を降り、地下へと向かった。

 地下に降りた猟兵達は、やや広めの地下室の奥に、異様な気を放つ巨大な祭壇があることに気づく。
 その祭壇の前では、先ほどビルに吸い込まれるように入っていたスクラップビルダー達が、黒のヴェールを被り煽情的な衣装に身を包んだ一人の女性に出迎えられていた。
「ようこそ、我が教団へ――と、その前に」
 招かれざる客の存在に気づいたのか、黒のヴェールを被った女性――女幹部『マレーネ・ヴァルハイト』が、スクラップビルダー達から猟兵達に視線を移した。
「あなたたちが来たということは、呪術怪人は失敗したという事ね。……全く、忌々しい」
 マレーネはあからさまに猟兵達を敵視しているようで、冷徹に言い放ちながら、床に手のひらを向ける。
「ならば、そこのスクラップビルダーとともに、貴方達も私達の大いなる野望の礎となってもらいましょう」
 ――目撃者は、決して生かして返さない。
 そう口にする代わりに、マレーネは床からスライムを召喚した。
「わ、わっ!!」
「猟兵さん、助けて!?」
 マレーネに向けられた敵意と、今にも襲い掛からんと身をたわめるスライムを見て、スクラップビルダー達もようやく事の次第を察したらしく、猟兵達に助けを求めてくる。
 もちろん、猟兵たちがその声に応えない理由はない。
 スクラップビルダーを助け、幹部猟書家たるマレーネの野望を挫くために。
 猟兵達はマレーネとスクラップビルダー達の間に割り込み、得物を構えた。

※マスターより補足
 呪術に呼び寄せられたスクラップビルダー達は、事の次第を把握したため、猟兵達を応援してくれます。
 よって、プレイングボーナスは1章同様【スクラップビルダーに応援される】となり、スクラップビルダーに頼めば地形もつくってくれるようになりますので、作ってほしい地形がある場合は、プレイングに記載をお願い致します。

 なお、召喚されたスライムがいかがわしい行為に及ぶことはありません。
 むしろ徹底して残虐行為を行い、猟兵達を殺めようとします。くれぐれもご注意ください。

 なお、2章開始時点でオウガ・フォーミュラ『キング・ブレイン』は撃破されておりますが、マレーネに事実を伝えるか否かは自由です。
 ただし、事実を伝えたとしてもマレーネが信じるかどうかは別の話であり、戦闘中に動揺することは決してない……ということは、先に伝えておきます。

 ――それでは、最善の戦いを。
新井山・直次郎
【変装】は継続

容姿は結構、デザイナーに感謝するんだな
だが中身は醜悪なヴィランそのもの
叩き潰して化けの皮を剥いでやる
もし矛先がスクラップビルダー達に向いたら厄介だ
ビルダー達は物陰に隠れさせ、なけなしの【コミュ力】で注意を引きつける

おそらくあのスライムの攻撃は避けきれない
喰らった後の展開を考えなければ
致命傷は避けるようにして【狂気耐性、激痛耐性】でスライムの攻撃を耐える

今だ、道を作ってくれ
そうビルダー達に告げて、周囲を走りやすい地形に変えてもらおう

UCで自己強化し、【重量攻撃】で畳みかける
貴様の気持ち悪いスライムが力をくれたよ、感謝する
痛みの礼は当然『痛み』以外にはありえないよな?

アドリブ連携歓迎




「容姿は結構、デザイナーに感謝するんだな」
|髑髏面《スカルフェイス》で素顔を隠している新井山・直次郎は、あえて幹部猟書家『マレーネ・ヴァルハイト』に冷酷に言い放つ。
「だが中身は醜悪なヴィランそのものだな」
「何とでも言いなさい。我々の崇高な野望、あと少しで成就するのだから」
 直次郎に向けられるマレーネの声も、どこか冷酷さを帯びているが、直次郎はあえて黙殺し低い声で挑発した。
「叩き潰して化けの皮を剥いでやる」

 冷酷な声が飛び交う中、マレーネの足元では召喚されたスライムが今にも飛び掛からんと身をたわめている。
 挑発した以上、マレーネの狙いは直次郎に向いたはずだが、矛先がスクラップビルダー達に向くと厄介だ。
「急いで物陰に隠れてくれ」
「え、でも、物陰って……あそこくらいしか」
 直次郎の要請に、困惑と共にスクラップビルダー達が指差したのは、地上へつながる階段のホール。
 どうやら、この地下室は異様に広い割に遮蔽物となり得る家具や調度品がほとんどなく、隠れられそうな場所は猟兵たちが降りて来た階段くらいしかなさそうだ。
「……そこでいい。急いで隠れてくれ」
 ないよりマシと割り切りながら、直次郎はなけなしのコミュ力で注意を惹きつけ、スクラップビルダー達に階段の近くに隠れてもらう。
 急ぎ隠れるスクラップビルダー達を、マレーネはどこか冷めた目で見送りながら、直次郎を指差し呟いた。
「私は貴方の言葉が聞きたいの――精々囀るがいい」
 マレーネの冷酷な声が床に落ちると同時に、直次郎の両脚にひんやりした何かが巻きつく。
 ひんやりとした気配は直ぐに消えたが、直次郎にはその正体がすぐわかった。
(「今のが、視認不可能になったスライムか!」)
 ――一体、スライムたちはどこへ消えたのか。
 直次郎が周囲を見回しスライムを探し始めた、その時。

 ――ズブッ!!

 直次郎の体内に潜んだスライムが、棘と化して胴と腕の皮膚を突き破った。
「が、は……ッ!!」
 逃れられぬ激痛が全身を襲い、直次郎の意識を刈り取ろうとする。
 致命傷を避ける努力はしたつもりだが、体内に潜む相手の致命的な一撃を避けるのはやはり至難か。
 余りの激痛に、思わず直次郎の膝が床に落ちそうになるが、歯を食いしばって必死に意識を留め、堪える。
「……今だ、道を作ってくれ」
「うん!!」
 直次郎の合図を受け、スクラップビルダー達が床を走りやすそうな地形に変えた。
 同時に、直次郎は全身を何処からか滲み出した漆黒の粘液で覆いながら、変化した地形の上を走り出した。
 全身に広がる漆黒の粘液は、突き破られた腹や腕の出血を止めつつ、直次郎の戦闘力を増強する。
「その怪我でまだ動けるとは、忌々しい」
「貴様の気持ち悪いスライムが力をくれたよ、感謝する」
 |髑髏面《スカルフェイス》以外漆黒の粘液に覆われ、文字通りダークヒーローと化した直次郎は、マレーネの目前に辿り着くや否や、手にした粉砕バットを思いっきり振り下ろした。

 ――ドスン!!
 ――メキメキ……ッ!!

 全力で振り下ろされた粉砕バットが、マレーネの左肩を粉々に砕く。
「くっ……!!」
 骨が砕かれた激痛と共に生命力を奪われたのか、マレーネはその場で膝をついていた。
「痛みの礼は当然、『痛み』以外にはあり得ないよな?」
 膝をついたマレーネの前に立ちながら、直次郎は冷淡に、冷酷に言い放つ。
 |髑髏面《スカルフェイス》の下から除く瞳は、どこまでも冷たい光を帯びていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ジード・フラミア
ジード「スライムが厄介だね。」
メリア『ナラバ、近づかず……イエ、近づかせナイのが得策デスカネ。』
ジード「……うん、自分だけじゃない、他のみんなにも近づけさせないよ!」

UC【物言わぬ物の逆襲】を使用。
スライムが体内に入らないよう、ジードの周りを無機物で囲うようにして合体します。

自身の2倍の身長を生かし、他の猟兵やスクラップビルダーの元にスライム等攻撃が行きそうになれば間に入って防ぎに行きます。

ジード(……当たり前だけど防ぐだけじゃ攻撃出来ない。武器が必要……なら、)

可能なら前章と同様に周りのスクラップビルダー達に手伝ってもらい、武器や防具を作成して貰ったりします。

アドリブ・連携は歓迎です。




 ――少しだけ、時は遡る。
「スライムが厄介だね」
 先行した猟兵の足にスライムらしきものが巻き付いたのを見て、ジード・フラミアは傍らにいる赤眼の人形『メリア』に相談する。
 メリアとジードの視線の先で、先に挑んだ猟兵が体内から飛び出した棘に皮膚を破られ、苦悶の表情を浮かべていた。
『ナラバ、近づかず……イエ、近づかせナイのが得策デスカネ』
「……うん、自分だけじゃない、他のみんなにも近づけさせないよ!」
 あの棘……正確には体内に潜り込む視認不可能なスライムの被害に遭わぬよう、出来るだけ接近させぬと誓いを立てたジードは、使えそうな残骸を手に取った。
「大切な人から離され、壊された者達よ。さぁ、反撃だ!」
 ジードは己が身体を無機物で囲うようにしながら、瞬く間に身長の2倍……3メートルを超すロボに変身。
 合体した無機物で防御を固めたロボは、そのままスクラップビルダーを守るよう立ちはだかった。
「さあ、来なさい帝竜達。存分に暴れ狂えるがいい!」
 マレーネもまた、3メートル超のロボを見て、300を超えるスライムの群れを召喚する。
 スライムからは、相手に……この場合はジードに適したと思われる帝竜の首が生えていた。
「行きなさい!」
 マレーネの命を受けたスライムたちは、一斉に飛翔し、ジードに肉薄。
 瞬く間にジードに迫ったスライムは、生やした首から炎や毒、酸や風など、様々な属性のブレスを吐き出し始めた。
 無機物の防御が炎や酸に侵食され、周囲の床がブレスではがされ、砕かれる。
 ロボ姿のジードが守っているおかげで、スクラップビルダー達がブレスに被弾した様子はないが……。
(「……当たり前だけど、防ぐだけじゃ攻撃できない」)
 さて、どうすべきかとジードが思案していると、メリルが思わぬことを口にした。
『スクラップビルダーの皆サン、武器ヤ防具を作成して貰エマセンカネ?』
「う、うん!!」
 スクラップビルダー達は隙を見てロボの影から飛び出し、ブレスで砕かれた床や先ほどの猟兵が利用した地形をはがし、床をコンコンコンして鉄パイプ等を取り出し始める。
 一見すると、スクラップビルダー達が床をはがしにわざわざマレーネの前に身を晒すのは無謀なように見えるが、スライムたちの興味は全てロボ化したジードに向かっており、マレーネ自身もなぜかスクラップビルダー達に手を出す様子はない。
(「何を作るつもりか知らないけど、あのロボを砕いた後でまとめて殺せばいい」)
 合理的な判断のもと、スクラップビルダーを見逃したマレーネの前で、スクラップビルダー達は床や鉄パイプなどを手に入れ、急ぎジードの陰に戻って武器を作成。
「できた!」
「使って!!」
 瞬く間に完成し、ジードに渡された武器は、無骨な鉄パイプや床を無造作に組み合わせ、ロボの身の丈に合わせた刀身を持つ、大量のトゲを生やした両手持ちの大剣。
『近づかないといけまセンが、これナラ行けそうデスネ!』
「うん! 行こう!!」
 ジードは大剣を両手で持つと、あえて守りを捨て、マレーネに接近。
 スライムがロボにブレスを吐きかけるも、ジードはブレスをものともせずマレーネに接敵し、思いっきり大剣を振り回した。

 ――ドスッ!!

 咄嗟にスライムを集め守りを固めたマレーネの胴を、ジードが振り回した大剣が強打する。
「がは……ッ!」
 棘だらけの大剣のフルスイングを受けたマレーネは、防御のスライムごと吹き飛ばされていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

真宮・奏
義兄の瞬(f06558)と参加

お綺麗な方である事は間違い無いのですが、スライム召喚した性質からするとお近づきになりたく無いですね。兄さん、遠距離戦にしましょうか?

スクラップビルダーさん達は危ないので後ろに下がっててください。声援を送ってくださるだけで力になります。正直、かなりまずいです。

距離とってますが何されるかわかったものでは無いので、【オーラ防御】【盾受け】【武器受け】【拠点防御】【ジャストガード】【受け流し】の完全防御体制をとり、いつでも兄さんとスクラップビルダーさん達を庇えるように。

兄さん、酷いことになる前に痛打を与えましょう!!兄さんと彗星の剣で総攻撃!!近づかないでくださ〜い!!


神城・瞬
妹の奏(f03210)と参加

美しい薔薇には棘がある、ですね。メンタル強い奏が流石に引いています。まあ、床からいきなりスライム召喚される、と。そうですね、近づくのは危険そう。遠距離戦で狙いましょうか。

スクラップビルダーさんは後ろに。正直、この現場の酷さから応援してくれるだけで助かります。

【高速詠唱】で六花の舞を発動。22枚を僕の姿に、50枚を爆発物に70枚を投擲用に。僕の姿の結晶を囮に、爆発物を牽制に、70枚を奏との連携攻撃に。

距離をとっていても油断ならないので【オーラ防御】【第六感】でいつでも防御できるように。

爆発物には【マヒ攻撃】【目潰し】を仕込んでおきます。さあ覚悟してください!!




「お綺麗な方である事は間違い無いのですが、スライム召喚した性質からするとお近づきになりたく無いですね」
 幹部猟書家『マレーネ・ヴァルハイト』の足元で蠢くスライムを眺めつつ、真宮・奏は腰がかなり引けている。
「美しい薔薇には棘がある、ですね。メンタル強い奏が流石に引いています。……まあ、床からいきなりスライム召喚されると、わからなくもないですが」
 一方、神城・瞬も、普段見ないような奏に共感半分、珍しさ半分で同意しつつも、スライムを遠ざけるだけでよいとは思っていない。
 それは、スライムへの警戒心というよりは、魔術を操る魔術師としての勘だけど。
「兄さん、遠距離戦にしましょうか?」
「近づくのは危険そう。遠距離戦で狙いましょうか」
 もし、仮にスライムに暴れられたらたまったものではない……と判断したふたりは、じりじりと後ろに下がりつつ、スクラップビルダーを誘導する。
「スクラップビルダーさん達は危ないので後ろに下がっててください。正直、かなりまずいです」
「ええ、スクラップビルダーさんは後ろに。正直、この現場の酷さから応援してくれるだけで助かります」
 声援を送ってくださるだけで力になりますから……! と半ば涙目の奏に促され、スクラップビルダー達は階段近くのホールまで避難。
(「一応、距離は取りましたが、正直、スライムに何をされるかわからないです……!」)
 そんな奏に、マレーネはなぜか冷めた視線を向けながら、足元のスライムに命令した。
「動く必要はない。ここで待機」
「え?」
 スライムをその場に待機させ、マレーネは自ら軽やかな足取りで前に出る。
 その腹部は棘の付いた何かで強打されたらしく、血に塗れていた。
「温かいのは返り血ぐらい、貴方もそう思うでしょ?」
 己が腹部から滴る血を眺めながら、マレーネは瞬時に奏の目前に迫り、手刀を放つ。
 狙いは……奏の腹。
「!!」
 奏も咄嗟に腹を護るようにエレメンタル・シールドを構え、タイミングを合わせて手刀を逸らそうとするが、マレーネの手刀はエレメンタル・シールドを叩き割った。
「え!?」
 完全防御体制を崩され、若干後ずさった奏の腹に、マレーネの手刀が迫る。
 あわや腹に手刀が叩き込まれるかと思われたその時、瞬がぐいっと奏の手を引っ張り、手刀を空振りさせた。
「まさか、スライムを待機させて近接戦で来るとは」
「瞬兄さん、ありがとうございます……」
「さて、この氷の結晶は色んな事に使えるんですよ?」
 奏の手を引いたまま、瞬が高速で呪を練り上げ、周囲に142個の氷の結晶を召喚する。
 投擲武器や時限爆弾、あるいは瞬自身の立体映像に変化する氷の結晶は、うち22枚を立体映像に、50枚を形状はそのままに爆発物に変化させた。
 残りの70枚は投擲用として手元に置き、奏との連携攻撃に用いるつもりだが、虎の子のエレメンタル・シールドを割られている上、超高速の一撃を放たれれば、ふたりとも回避できない。
 ――ならば、なおの事急がねば。
 そう、思い直した瞬は、22体の立体映像をマレーネの周囲に舞わせ始めた。
「ただの映像に何ができるのかしら」
 それが立体映像であると看破したのか、マレーネは手刀で片っ端から立体映像ごと氷の結晶を叩き割り始めた。
 割れた結晶の欠片は、ぱっと室内に広がって僅かな灯りを乱反射し、別の氷の水晶の存在を隠す。
 たちまち室内に飛び散った破片に紛れるように、爆発物と化した氷の結晶が、四方八方からマレーネに迫った。
「しつこいわね」
 それを立体映像の媒体と誤認したのか、マレーネが爆発物の氷の結晶も叩き割ろう……と手刀を浴びせた、その瞬間。

 ――ボムッ!!
 ――ドゥンッ!!

 手刀で叩き割られた氷の結晶が爆発し、飛び散った氷の欠片が周囲の爆発物と化した氷の結晶に突き刺さって誘爆を招く。
 結果、氷の結晶の連鎖的な爆発は、マレーネの全身を包み込むほどの大爆発に発展した。
「くっ……!!」
 さらに爆発物に仕込まれていた麻痺と目潰しの術式がマレーネの全身を包み込み、あっという間に目を潰し、全身を麻痺させる。
 その間に、なんとか立ち直った奏が、ブレイズセイバーを142個に複製し、念力で全て空中に浮かべる。
「奏、今です!!」
「はい! かわさないでくださいね? 行きますよ~!!」
 瞬の合図と共に、残してあった70枚の結晶と142個のブレイズセイバーが、一斉に宙を舞った。

 ――ガガガガガッ!!
 ――パリン!! パリン!!

 結晶と剣の豪雨が、マレーネの周囲に降り注ぐ。
「くぅっ……!!」
 マレーネも咄嗟に氷の結晶とブレイズセイバーを手刀で払いのけるが、すぐに新しい結晶とブレイズセイバーがマレーネの身体を貫かんと一直線に迫っていた。
 離れた位置にスライムを待機させておいたのが仇となり、マレーネに己が身を護る術はない。
「さあ、覚悟して下さい!」
「もう、これ以上近づかないでくださ〜い!!」
 これ以上マレーネもスライムも近づけさせない、と言わんばかりに、瞬と奏は四方八方から雨あられと氷の結晶とブレイズセイバーを降らせ続ける。
 次から次へと飛び掛かる氷の結晶とブレイズセイバーに、マレーネはなす術なく全身を切り刻まれて行った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

白石・明日香
お前の野望なんざ知らぬただここで終わるだけだ。
ビルダーたちには相手の攻撃を遮るような障害物を複数作ってもらい第六感で攻撃を躱し残像で攪乱しながらダッシュで接近。
一気に間合いに入り込み相手に反撃する間を与えないうちに怪力、2回攻撃、属性攻撃(炎)、鎧無視攻撃で頭頂部から一刀両断絶命奥義してくれる!
嗚呼、温かい雨だ・・・・赤い雨が降っている。
何をやろうとしたかは知らぬけど・・・まぁ、どうでもいいか。
じゃあな。




「このままでは、私の……教団の野望が……」
 全身を切り刻まれ、血を滴らせながらも、幹部猟書家『マレーネ・ヴァルハイト』は冷静に祭壇を見上げる。
 そんなマレーネの背後に、いつの間にか白石・明日香が立っていた。
「お前の野望なんざ知らぬ」
 マレーネの野望を言の葉の刃で一刀両断しながら、明日香は妖刀『全てを食らうクルースニク』を抜き放ち、炎を纏わせる。
 明日香自身は、目の前の幹部猟書家と何らかのかかわりがあるわけではない。
 だが、何故か……自らの手で討たねばならぬ気がするのだ。
 それが、いつの間にか紡がれた宿縁であるとは、明日香もマレーネも気づくことはないのかもしれない。
 今、確実に言えるのは……ひとつだけ。
「ただ、ここで終わるだけだ」

「攻撃を遮るような障害物を作ってくれ」
「う、うん!!」
 スクラップビルダー達が、明日香とマレーネの間を遮るように、いくつもの障害物を作り出す。
 マレーネがスライムに帝竜の首を生やし、飛翔能力を与えている間に、明日香は一気に走り出した。
「来なさい帝竜達。存分に暴れ狂えるがいい!」
 飛翔能力と戦闘能力を与えられたスライムたちは、空中から様々な属性のブレスを吐き出す。
 浴びせられたもののいのちを奪う、炎の、氷の、毒の、酸のブレスを、明日香は第六感で察し躱し、残像を囮に撹乱して逸らし、あるいは障害物を盾に防ぎながら、ダッシュでマレーネとの距離を詰めた。
 手慣れたようにブレスを回避し、あっという間に接近する明日香を見て、マレーネも全身に走る痛みをこらえながら手刀を構える。
「くっ……!!」
 マレーネが明日香の腹に向けて手刀を振るおうとするが、明日香もまた、クルースニクを大上段に構え、怪力任せに一気に振り下ろした。
「虚無に還るがいい!!」

 ――斬ッッッ!!

 炎に包まれたクルースニクの最初の一振りは、あらゆる魔法や精神的な護りを破る斬撃となって頭頂部からマレーネの身体を両断し。
 続けざまに薙ぎ払うような一振りは、あらゆる物理防御を貫く致命の斬撃となりてマレーネの心臓ごと胸を両断していた。


 四つに分かたれたマレーネの肉体が、ごとりと床に落ちる。
 切断面から噴き出し続けた血は、やがて明日香の頭上から雨のように降り注ぎ、彼女の身体を紅に染めた。

 ――嗚呼、温かい雨だ……赤い雨が降っている。

 舌なめずりひとつしながら、明日香は改めて祭壇に目をやる。
 主の死と共に祭壇から力が失われたらしく、何も感じ取れない。
「何をやろうとしたかは知らぬけど……まあどうでもいいか」
 じゃあな、とすでに事切れた幹部猟書家に声をかけながら。
 明日香は主のいなくなった祭壇をそのままにして、地下室を後にした。

 ――幹部猟書家『マレーネ・ヴァルハイト』撃破。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年10月06日
宿敵 『マレーネ・ヴァルハイト』 を撃破!


挿絵イラスト