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セイヨウ・リバイバル4~セントラルの巨神群

#クロムキャバリア #『巨神』 #マクドナルド・クエスト

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#クロムキャバリア
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#『巨神』
#マクドナルド・クエスト


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●前日譚:伝説の巨神、現る。
 クロムキャバリアの小国家の一つ、高い山の頂上に築かれたマクドナルド王国。
 セイヨウ帝国との戦いを経て猟兵との交流を育み、ドクター・フランケンシュタインの保護やテロリスト集団『|クロムキャバリアの騎士《Knights From Chrome cavalier》』の暗躍といった様々な事件を乗り越え、今なおいくつもの問題を抱えるこの国から、数機のキャバリアが出国していた。
 行き先は、マクドナルド王国からキャバリアで三日ほどかかる距離に位置する小国家の跡地。
 旧パシフィック宗教国・リーグ領の主要都市であった古都、セントラルだ。

 パシフィック宗教国は数多くある小国家一つだったが、数年前に戦乱の最中で消えた亡国であり……先日、猟兵たちと戦ったテロリスト『|少佐《メジャー》』の故郷である。
 滅多に国外へ出ることのないマクドナルド王国から少数とはいえ部隊が派遣された理由は、セントラルの地下にある。
 リーグ少佐の一族が治めていた都市の地下には、強大過ぎる力を持つ古きキャバリア―――通称『巨神』が封印されているというのだ。
 情報源は、ドクター・フランケンシュタイン。
 彼は以前『巨神』の情報を得て調べていたのだが、乗り手を自ら選ぶという性質ゆえに後回しにしたのだという。

「その地の関係者がテロリストに身を落としていたのであれば、奴等の手に渡ってしまうかもしれんぞ? これは一刻も早く確保して研究……いや、安全に保護すべきじゃ!」

 ドクター・フランケンシュタインが建前を提示しつつ是非とも発掘したいと我が儘を言い出したものの、確かにテロリストの手に強力なキャバリアが渡っていたら大変であるため、調査も兼ねて特務部隊を送り出したのだった。

 人員は、指揮官としてジョニー王子。『巨神』に関する知見を有するドクター・フランケンシュタイン。護衛兼セイヨウ帝国の人員としてキング・ゴーレム。そして発掘した『巨神』を運搬するためのトレーラー隊と、その他諸々の雑事を担う人員数十名。
 戦闘を想定していないため必要最低限の、機動性を重視した編隊であった。

「念のために猟兵さんにも連絡はしております。
 ……誰にも乗りこなせなかったという話ですし、何事も無ければ良いのですが……」
「もウ、その国が滅んで久しいといウ。『少佐』とやらモ、口を割らなかったそうではないカ。
 すでニ、封印が解かレ、もぬけの殻かもしれんゾ」
「その時にはテロリストの戦力が強大じゃとわかる。対策は練れよう。
 あるかないかがわかるだけでも安心するじゃろう?」

 そんな会話を交えつつ、マクドナルド王国の部隊は無事にパシフィック宗教国があった土地へと侵入を果たした。
 リーグ領セントラルに到達した一団の目には、戦禍により廃墟と化した街並みが広がっている。
 そこに住んでいた人々は、速やかに近隣の諸国へと流れたのだろう。
 荒れ果ててこそいるものの、死臭や流血の痕が無い、静謐な風景が続いていた。
 警戒を絶やさずに進む部隊は、ほどなくして目的地付近で賑わう人の気配を察知する。

「誰か、いや、何か集まっていますね?」
「ふム。キャバリアの反応は、少ないナ……戦闘部隊でハ、無いようダ」
「んん? テロリスト共か? どれ、はよう集音器で聞き取らんか」

 近づく前に足を止めて耳を澄ませ、進行方向の会話を聞き取る彼らは、その内容に驚愕した。

「さあさあ! 告知通り、発掘したての最強キャバリア、『巨神』シリーズ!
 数に限りがあるよ! 早い者勝ちなんて言わないが、焦らずに予算のご用意を!」
「この機体があれば反乱軍など一網打尽だわ!」
「こういうのが欲しかったのだ。クーデターを起こすには象徴が欠かせないからな」

 そこでは、謎のロボットヘッドたちによって発掘された『巨神』が複数機、売り出されていた。
 話の内容から察するに、売り手も買い手も真っ当な立場ではない様子だ。
 なんてことをしてくれたのでしょう。

「なんで?」「販売されてル?」「ほっほっほ、発掘する手間が省けたのぅ」

●招集:買い占めてください。
「ハロー、エブリワン! お得なキャバリア獲得チャンスデース!」

 グリモア猟兵バルタン・ノーヴェが、看板を掲げて猟兵たちに呼びかける。
 プロジェクターから投影される映像は、埃を被ったキャバリアが何機か並び、ロボットヘッドたちによって売買されつつある光景だ。
 一見すると大した状態ではないのだが……それらは、あまりにも強力な『巨神』と呼ばれる古きキャバリア群なのだ。
 何者かに発掘され、今まさに販売されそうになっている。

「勢力バランスに支障をきたす強力なキャバリア『巨神』群!
 市場に流れると治安がデンジャラス!
 そして、売ってる連中も問題で、例のマクドナルド王国を襲ってるテロリストの一派なのであります!」

 現地からの通報を受けてバルタンがグリモアを使い予知をしたことで発覚した情報。
 それは、『少佐』が囚われたことでこの地の情報が洩れることを危惧したテロリストの一派が、独断でマクドナルド王国が来る前に掘り出して適当な相手に売りさばき、軍資金にしようと画策したというのだ。
 『巨神』は、自身が認めた相手にしか操縦することはできない。
 ここに集まった『巨神』を求める者たちはそのことを知らないか、あるいは知っていて活用する方法があるのか。
 いずれもオブリビオンマシンに精神汚染されている過激な思想の持ち主であり、『巨神』を渡してしまえば各々の国で凄惨な事件を引き起こすことが予想される。
 ゆえに、バルタンは集まった猟兵たちに依頼する。

「皆様には現地に向かい、マクドナルド王国の方々の代わりに『巨神』を購入してくだサーイ!
 ジョニー王子たちの顔はテロリストにバレてる可能性があるので、入手は皆様に代行してもらう形になるのであります!
 『巨神』たちは個性豊かデスガ、心を通わせることができれば操縦したり命令したりできるはずデース!
 購入資金はマクドナルド王国が提供しマスガ、その後テロリストを倒して回収すれば損失はありマセーン! 問題ないデスネ!」

 まるで強盗の所業であるが、テロリストの懐に大金を収める訳にはいかないので仕方がない。

「『巨神』を購入し、交流して認めてもらう辺りまでは騒動は起こらないのでありますが、流石にワタシたちで独占すると他の客も不満をぶつけてきマース!
 なので、『巨神』を狙って襲い来るオブリビオンマシンの集団を蹴散らしてくだサーイ!」

 続けて映像に映し出されるのは、対キャバリア用量産型機械歩兵『アバドン』。
 通常の人間と同じサイズの自律兵器たちだ。
 建物の中でもキャバリアと同等の戦闘力を発揮できることから、購入者たちの警護として連れてきたのだろう。
 これらを殲滅すれば、『巨神』を狙う連中は逃げ散ることになる。

「『アバドン』は小型ゆえ、キャバリアが無くても戦える相手であります!
 その後は、『巨神』を売りさばいていたテロリストのロボットヘッドたちを叩きのめせばミッション完了であります!」

 ロボットヘッドたちもオブリビオンマシンを用意しているようだが、猟兵たちが『巨神』群と心を通わせることができれば、撃退することは難しくないだろう。
 脅威を削り、戦力補充につながる案件だ。
 バルタンがグリモアを起動して、現地へのゲートを開く。


リバーソン
 こんにちは。リバーソンです。
 マスターとして皆様に喜んでいただけるよう、つとめさせていただきます。

 今回の舞台はクロムキャバリア。マクドナルド王国から遠く離れた旧パシフィック宗教国のリーグ領での調査です。
 その地に眠るという伝説の巨神を確保することが目的です。
 マクドナルド王国のシナリオでは王国が所有するスーパーロボット部隊をレンタルすることができますが、今回は『巨神』の力を借りることができます。

 第一章:『巨神』と交流を試みます。
  購入するための費用はマクドナルド王国が用意するため、猟兵はどの『巨神』と心を通わせるか、どのようにして認めさせるか、そういったアピールを求められます。
  獲得した『巨神』は各自でアイテム化したり、『巨神』を用いたユーベルコードを作成することは自由です。
  ただし、巨神の能力は非常に強大です。取り扱いには注意してください。
  プレイングボーナスは、『『巨神』に認められ、名を付けること』です。

 第二章:『巨神』を求める客が連れてきたオブリビオンマシン、対キャバリア用量産型機械歩兵『アバドン』との戦闘です。
  両肩に装備された高周波ブレードと額に内蔵された荷電粒子砲を駆使して戦う自律兵器たちは、多数の同型機との連携により巨大な敵をも膨大な数で圧倒します。
 学習データをリアルタイムで同期して群れ全体を強化していく為、長期戦であるほど厄介な敵ですが、小型であるためキャバリアを持たない方でも応戦することは可能です。
  プレイングボーナスは、『多勢に対処すること』です。

 第三章:KFCのテロリストが操縦するオブリビオンマシン、『オーヴァードーズ』との戦闘です。
  三位一体のオブリビオンで、ロボットヘッドたちの連携も合わさり強力です。
  第一章で認められた『巨神』の力を借りることができれば、有利に戦うことはできるでしょう。
  プレイングボーナスは、『『巨神』の有する古代武装を制御すること』です。

 登場人物:オープニングで描写されたマクドナルド王国の部隊や、『巨神』を狙う悪人たち、そしてKFCに所属するロボットヘッドたちが三機います。
  猟兵が望むのであれば、『巨神』とは別に交流したり話を聞き出したりできるでしょう。

 オープニング公開後、断章を公開します。
 プレイングの受付期間はタグにてお知らせいたします。
 皆様、よろしくお願いいたします。
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第1章 日常 『キャバリアの入手』

POW   :    破壊力に優れたキャバリアを選ぶ。

SPD   :    敏捷性に優れたキャバリアを選ぶ。

WIZ   :    特殊能力を持ったキャバリアを選ぶ。

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●断章:封印されし、セントラルの巨神群。

 |クロムキャバリアの騎士《Knights From Chrome cavalier》のテロリスト・ロボットヘッドたちによって発掘された『巨神』たちは、休眠状態で直立していた。
 その性能に個体差はあるものの、それぞれに大まかな方向性は定められていた。

 基本にして巨大なる巨神の原型、タイプ『ジャイアント』。
 白兵戦に偏重させた高速機動型、タイプ『タイガー』。
 遠距離攻撃に特化させた射撃型、タイプ『ドラゴン』。
 古代の超能力に順応させた魔法戦闘型、タイプ『スター』。
 汎用性を重視した万能の全環境適応型、タイプ『カープ』。
 大気圏離脱を想定して造られた飛行型、タイプ『スワロー』。

 多様なスペックを有する『巨神』だが、彼ら彼女らには自我があった。
 如何にしてリーグ領の地下に封じられたのか、その理由も経緯も本機体たちも記録していない。
 ただ、来たるべき戦いに備え、強大過ぎるその力を振うに足る乗り手を待ち続けて、何年、何十年、あるいは何百年と眠り続けていたのだ。
 それが無理矢理引きずり出され、有象無象の悪漢の手に渡ろうとしている。

 ……諦観しつつある『巨神』たちのセンサーに、乗り手足り得る生命体の埒外にある存在が検知された。
 もしかすれば、もしかすると……『巨神』たちは放棄しつつあった再び意識を浮上させて、彼らの接触を待つ。
 『巨神』たちは静かに、猟兵たちの|選抜《ドラフト》を待っている。
久遠寺・遥翔
アドリブ歓迎
うーん実にベースボー
あ、フランケン爺さんすっげー馴染んだな?
まぁ性格が早々変わるもんでもないだろうけどまじめに働いてるなら何よりだ
さて、巨神とな
一応規格の5mサイズなのかね?
事前情報を爺さんたちに聞いてから挑むぜ

対象はタイプ『カープ』
俺もそうだけど|骸魂《イグニス》のほうも認めてもらわないと後々が大変そうだ
だから俺は[結界術]で巨神と俺達を包み込み、ただ焔を見せる
俺達の魂の色、正義、生き方
そう言った意味を焔に乗せて同調を試みる
俺達の呼び声に応えてくれ

そして|我《イグニス》が名をくれてやろう
貴様の真名は今を生きる人間には難解すぎる
故に湖の意を冠する者よ、貴様はラクスと名乗るがいい



●黒焔宿す正義の心。

 UDC日本のごく普通の家庭で生まれ育った青年、久遠寺・遥翔(焔の機神イグニシオン/『黒鋼』の騎士・f01190)は、ドクター・フランケンシュタインの隣で並び立つ巨神を見上げていた。
 マクドナルド王国で生じた幾つかの戦いで面識のある二人だが、軋轢もなく普通に接している様子だ。

「うーん実にベースボー……。あ、フランケン爺さんすっげー馴染んだな?」
「ふぇっふぇっふぇ。心を入れ替え誠心誠意真っ当に働いておる……ということにしておるのじゃよ? 安心安全という奴じゃな」
「まぁ性格が早々変わるもんでもないだろうけど、まじめに働いてるなら何よりだ」

 この老人は懲りていなかった。
 相変わらずの反応に遥翔は笑いつつ、巨神の話を問うていく。
 巨神と相対する前に、知識があるだろうこの老博士から事前に情報を集めようというのだ。

「さて、巨神とな。一応規格の5mサイズなのかね? 何か特徴はあるのか?」
「うむ! 巨神とはな、わしらの生まれるよりも遥か以前、古に生まれた強大過ぎるキャバリアの通称なのじゃ!
 キャバリアとしてのサイズは規格通りのものが多い。無論、例外はあるがの?
 ただし、総じて現在の技術で再現することが難しい超強力な古代武装を有しているのじゃ!
 その破壊力は絶大で、資料によれば自身諸共一国を滅ぼしたことがあるという!
 是非とも研究してみたいものじゃ!」
「なるほどな……。俺もそうだけど、骸魂イグニスのほうも認めてもらわないと後々が大変そうだ」

 巨神の、その機能。
 それが猟兵たちが想定する以上に強大で、扱いを誤れば敵以外にも甚大な被害が及びかねない力だと理解した遥翔は、改めて覚悟を決めた。
 そして、遥翔は巨神たちに近づいていく。

「……よし。君に決めた。|原初起動《イグニッション》。最先より在りし焔よ、醒めよ」

 遥翔が選んだ対象は、汎用性を重視した万能の全環境適応型巨神、タイプ『カープ』。
 その巨神へと近づくと、遥翔は結界を張り、ただ焔を見せる。
 《真焔なる世界(プリミティブ・イグニッション)》。
 原初の真焔結界を発生させるユーベルコードを展開し、巨神と遥翔たちだけの空間を作り出す。
 その手には骸魂イグニスを内包する黒焔の神剣『|焔の黒剣《イグニス》』が握られており……結界の中で、巨神と遥翔、そしてイグニスが対話する。

「俺達の呼び声に応えてくれ」

 必要以上に語ることはせず、遥翔とイグニスは巨神に想いを打ち明ける。
 遥翔たちの魂の色。その胸に抱く正義。これまで生き方と、これからの生き様。
 そう言った本心を、|焔黒騎士《フレアライザー》という存在の意味を、焔に乗せて同調を試みる。
 そして……巨神はその無機質の瞳に光を宿し、遥翔に肯定の意を返す。
 遥翔の魂を感じ取り、その想いに応じるのを良しと判断したようだ。

『――――――』
「ありがとう」
「そして|我《イグニス》が名をくれてやろう」

 遥翔の隣で揺れ動く黒焔―――イグニスが、タイプ『カープ』の巨神へと名を与える。

「貴様の真名は今を生きる人間には難解すぎる。
 故に湖の意を冠する者よ、貴様はラクスと名乗るがいい」

 《真焔なる世界》が解かれた後、遥翔は『ラクス』はこぶしを突きつけ合い、その想いを紡いでいた。
 封印されていた古の巨神が、新たな主を見定めた瞬間であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鳴上・冬季
「購入ですか。面白い趣向ですねえ」
嗤う

「仙術を使うなら生身のままで充分です。全環境と遠距離も黄巾力士と合一すればすみます。黄巾力士でもガン=カタは出来ますから。でも黄巾力士は自律思考型戦車であって、純粋に功夫をするのは不向きなのですよ」

「私の購入希望はタイガーです。試乗は可能ですか」
試乗可能なら操縦席で不可なら飛行して頭部と向き合い千日仙手で功夫の演舞
「私は妖仙迅雷公。貴方に乗って功夫で戦ってみたいのです。この世界で、異世界で」
「スピードを殺されたこの世界で、銃を躱し武技で敵キャバリアを屠る。異世界で自分よりも更に大きな竜を爪で裂く。一緒にやってみませんか、闘神アスラ」



●大妖怪の大演武。

「購入ですか。面白い趣向ですねえ」

 雷使いの妖仙、鳴上・冬季(野狐上がりの妖仙・f32734)はいつものように嗤い、歩いて巨神を見て回っている。
 購入予算を気遣う必要がないために、数字を気にすることなく冬季と合う相手を見定めて回っている。
 一機、二機と目を向けて、適切な相手を求めて視線を巡らせている。

「仙術を使うなら生身のままで充分です。
 全環境と遠距離も黄巾力士と合一すればすみます。
 黄巾力士でもガン=カタは出来ますから。
 でも黄巾力士は自律思考型戦車であって、純粋に功夫をするのは不向きなのですよ」

 そうして冬季が足を止めて見上げたのは、白兵戦に偏重させた高速機動型、タイプ『タイガー』。
 冬季は嗤い、巨神を売るべくセールストークを展開しているロボットヘッドに声をかける。

「私の購入希望はタイガーです。試乗は可能ですか」
「ははは、もちろんですよ! ただし、コックピットに入ることができればですがね!」

 巨神は乗り手を選ぶが故に、試乗させては操縦できないことが露呈する。
 かといって試乗を拒否するのは怪しまれる切っ掛けとなる。
 ゆえに、ロボットヘッドは乗れるものならどうぞという風に許し、そして乗れなかった客に対して乗りたければ支払いを、という商談へと持っていく算段であった。
 そのため、快諾を得た冬季がすんなりと操縦席に入ったことで、尻もちをつくほど驚愕する。
 そんな様を気にすることなく、冬季は思いのほか広々とした操縦席の中で、巨神へと語り掛ける。

「どうぞ私の力を見ていただきましょう。
 はじめは仙人掌と称しようかと思いましたが。サボテン扱いされては業腹です。
 《千日仙手》。功夫と仙術を組合せて使うなら、このくらいが妥当かと」

 操縦席の中で冬季が行使するのは、《千日仙手(センジツセンシュ)》。
 掌底打ち、直蹴り、回し蹴り。
 それらの技を何度でも、何度でも続ける功夫の演舞。
 巨神以外に誰の目にも映らない巨神の内側で、冬季は存分に実力を披露する。
 演武に強い関心を向ける巨神の心を感じ取り、冬季は嗤って自己を称する。

「私は妖仙『迅雷公』。貴方に乗って功夫で戦ってみたいのです。
 この世界で、異世界で」

 戦乱が続くクロムキャバリアで、そして数多の世界にて、冬季は巨神と共に力を振うことを願う。
 巨神の力に振り回されるのではなく、冬季自身の力と合わせて、敵と戦いたいのだと。
 それは、戦うために備えてきて、戦うことなく封じられてきた巨神にとって、なんと甘美な誘いであろうか。

「スピードを殺されたこの世界で、銃を躱し武技で敵キャバリアを屠る。
 異世界で自分よりも更に大きな竜を爪で裂く。
 一緒にやってみませんか、闘神アスラ」
『――――――』

 熱を、感じる。
 強い乗り手と共に戦場に立つことを熱望して、巨神が冬季を主として認めた。
 名づけられた巨神、『闘神アスラ』は冬季を乗せてその脚を踏み出すのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ハル・エーヴィヒカイト
▼心情
私を呼ぶ声が聞こえる
私の内にいつからか響く大いなる鋼からの呼び声
この国と直接関りはないが、この声に応えるために一枚かませてもらおう
この借りはこれからの働きで返させてもらうとも

▼巨神
タイプ『スター』
命名「キャリブルヌス」

▼購入
私を呼ぶ巨神は君だな
討つべき敵はいないが、実際にUCも発動して見せながら語り掛ける

我が属性は剣。私は私に内包した剣を解き放ち振るう者
君ならばそれを増幅し我が物として扱うことも出来るだろう
君の力を借りたい。巨大なデウスエクスに対抗する為の剣として
勿論君にとっての運命の戦いには力を貸そう
さぁ、私の育った世界において伝説に謳われた剣の名を君に



●咲き誇る領域の刃。

「(私を呼ぶ声が聞こえる)」

 金眼のシャドウエルフの刀剣士、ハル・エーヴィヒカイト(閃花の剣聖・f40781)は静かに巨神を見上げている。
 ケルベロスとして活躍するハルの内に、いつからか響く大いなる鋼からの呼び声。
 その声に惹かれ、ハルはグリモアベースを通じてこのクロムキャバリアへとたどり着いた。

「この国と直接関りはないが、この声に応えるために一枚かませてもらおう。
 この借りはこれからの働きで返させてもらうとも」

 |機械兵《ダモクレス》のような機械の姿で、それでいて異なる鋼鉄の騎士たち。
 ハルはキャバリアたちに相対しつつ、臆することなく視線を向けて回り……そして、一機の前で足を止める。

「私を呼ぶ巨神は君だな。ああ、討つべき敵はいないが、披露しよう」

 ハルが邂逅したのは、古代の超能力に順応させた魔法戦闘型、タイプ『スター』。
 その力を以て世界を超えてハルに呼びかけ続けていたのだろうか、その巨神は静かにハルを見下ろしている。
 その視線に応じて、ハルは剣を取ることなく、刃を魅せる。

「我が眼前に集え世界。咲き踊れ狂乱の刃、
 ―――|碧月光華《へきげっこうか》」

 《境界・碧月光華(キョウカイ・ヘキゲッコウカ)》。
 戦場全体に無数の刀剣を内包した領域を発生させる、ハルのユーベルコード。
 その持続時間は、二分以上。
 敵には花のように咲き誇る領域に内包された刃による攻撃を。
 味方には刀剣が宿した癒しの霊力の回復を与え続ける、殺界を起点に周囲を侵食した領域だ。
 美しい無数の劔が巨神の周囲を彩り、その技の冴えを照覧せよと舞い誇る。

「我が属性は剣。私は私に内包した剣を解き放ち振るう者。
 君ならばそれを増幅し我が物として扱うことも出来るだろう」

 見上げるハルと、見下ろす巨神。
 二者の視線が重なり、その思索が重なり合う。
 互いの求める戦いへの備えとして、互いの力を与え合う。
 その意を、交わしたのだ。

「君の力を借りたい。巨大なデウスエクスに対抗する為の剣として。
 勿論、君にとっての運命の戦いには力を貸そう」

 ハルの実力を認め、巨神はハルを乗り手として受け入れる。
 ハルは巨神の呼び声に応え、その力を振う。
 ここに契りは結ばれる。

「さぁ、私の育った世界において伝説に謳われた剣の名を君に。
 ―――キャリブルヌス」
『――――――』

 命名、『キャリブルヌス』。
 大いなる鋼を意味する聖剣の名を冠した巨神はハルに膝をつき、双方の意に応じるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ベティ・チェン
カープに

「ボクは、ベティ。ザナドゥの、ニンジャ」
「キミの|欲望《ねがい》を、教えて欲しい。ボクも、キミの欲望を叶える手伝いをする。ボクの欲望を叶える、手伝いをして欲しい」

「ボクは、字を教わったことがない。貴族の支配地、科学の欠片もない場所で、息を潜めて暮らしてた。なのにフラスコから、外を見た記憶がある。いつの間にかザナドゥのジャンクヤードにいて、サイバースペースでも活動できる」
「ボクは多分、オリジナルじゃない。アポカリプスヘルでオブリビオンストームに巻き込まれて飛ばされた、デザインヒューマン」

「オリジナルもデザイナーも、きっともうオブリビオンだ。彼らを、探して倒す」

「キミの名。スペランサは?」



●打倒を願う、忍ぶ者。

 クロムキャバリアとは違う世界、サイバーザナドゥで生き抜くニンジャ。
 ベティ・チェン(|迷子の犬ッコロ《ホームレスニンジャ》・f36698)は、汎用性を重視した万能の全環境適応型巨神『カープ』をじっと見上げて、語り掛ける。

「ボクは、ベティ。ザナドゥの、ニンジャ」

 ベティの呼び掛けに反応した巨神はカメラアイを動かして、足元に立つ少女を捉える。
 鋼鉄の視線を感じながら、ベティは言葉を紡いでいく。

「キミの|欲望《ねがい》を、教えて欲しい。ボクも、キミの欲望を叶える手伝いをする。
 ボクの欲望を叶える、手伝いをして欲しい」

 精神感応か、視覚情報からの伝達か、それとも周波数を特定した音波によるものか。
 巨神の抱く願いが、ベティに伝わっていく。
 来たるべき、何らかの戦いに備えること。
 その時に自分たちを駆るであろう、乗り手を待っていること。
 ―――戦いの場へ参じて、活躍すること。
 眼前の巨神の|欲望《ねがい》を聞き、ベティは頷く。

「ボクは、字を教わったことがない。
 貴族の支配地、科学の欠片もない場所で、息を潜めて暮らしてた。
 なのにフラスコから、外を見た記憶がある。
 いつの間にかザナドゥのジャンクヤードにいて、サイバースペースでも活動できる」

 ベティはサイバーザナドゥではない、『第四層』……そう称されるとある世界の、隠れ里出身のはずである。
 だが、科学の欠片もないその世界では有り得ない、フラスコの中にいた記憶がある。
 ……それは、すなわち。

「ボクは多分、オリジナルじゃない。
 アポカリプスヘルでオブリビオンストームに巻き込まれて飛ばされた、デザインヒューマン」

 果たして、如何なる因果によるものか。
 ダークセイヴァー、サイバーザナドゥ、アポカリプスヘル。
 幾つもの世界が交わった末に、ベティは今ここに在る。
 多少の知識はあれども、自身の記憶が保証できない。
 生きるために必死だった人生が、猟兵として活動するうちに考える猶予が生まれ……こうして、自覚したのだろう。
 ベティの|欲望《ねがい》。

「オリジナルもデザイナーも、きっともうオブリビオンだ。彼らを、探して倒す」

 ベティが、願いを籠めた遠吠えを放つ。
 《戦場に響く遠吠え(センジョウニヒビクトオボエ)》。
 殺気を乗せた大音声の遠吠えは弱者を逃走させ、戦場に残った強者の居場所を野生の勘で把握する。
 周囲で様子をうかがっていた者たちが身を竦ませて怯む中、巨神はそこに立ち続けていた。
 ベティは、野生の勘で目の前の巨神が確かな強者であると確信した。
 そして、巨神もまたベティへと同じ所感を抱いていることを察した。
 互いの想いは、一致した。

「キミの名。スペランサは?」
『――――――』

 『スペランサ』。
 希望を意味する名を与えられた巨神は、ベティの旅路に手を貸すと言うように、その手を差し出すのだった。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​

御園・桜花
「宇宙空間の先に行きたいのです。世界と骸の海を隔てるものの名は存じませんが。其れを成せる方、成したいと思う方はいらっしゃいますか」
性能的にはジャイアント・カープ・スワロータイプと思うが全機に確認
積極的な肯定も否定もなかった場合スワロータイプと交渉

「私は私と一緒に異世界を歩き、世界を越えても戦う方を求めます。全ての世界に転生を望むなら、宇宙の先、世界と骸の海を隔てる殻すら乗り越えて、骸の海に至る必要があると考えます。戦いの先にも戦いしかない未来、平穏とは無縁の道行きを、私と共に目指せる方を望みます。貴方は、生きた儘骸の海に至る道を、私と共に探して下さいますか」

「お名前…花燕、は如何でしょう」



●最果ての更にその先へと。

「宇宙空間の先に行きたいのです」

 数多の世界を駆け巡る、サクラミラージュ出身のベテラン猟兵。
 御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)は笑みを湛えて巨神たちに立ち、そう口にした。
 クロムキャバリアにおいては天体観測でしか認識できない、宇宙。
 果て無く遠い、更にその先へと行きたいのだと告げたのだ。
 そして桜花は、巨神たちに呼びかける。

「世界と骸の海を隔てるものの名は存じませんが。
 其れを成せる方、成したいと思う方はいらっしゃいますか」

 グリモアによる転移ではない。世界の外に存在する、骸の海という無限量の液体へ至ることを求めているのだ。
 世界を越えるという、壮大なる願い。
 桜花のその願いに反応したのは、タイプ『スワロー』の巨神であった。
 大気圏離脱を想定して造られた、飛行型のキャバリア。
 |殲禍炎剣《ホーリー・グレイル》によって飛翔を遮られたこの世界において、|宙《ソラ》へと翔ける機能を有するキャバリアだ。
 反応した巨神に顔を向けて、桜花は自らの想いを伝えていく。

「私は私と一緒に異世界を歩き、世界を越えても戦う方を求めます。
 全ての世界に転生を望むなら、宇宙の先、世界と骸の海を隔てる殻すら乗り越えて、骸の海に至る必要があると考えます」

 蒼穹の空や漆黒の宇宙のみならず、世界から排出された過去の集積体である骸の海すら制覇する。
 桜花はオブリビオンではなく、死後でもなく。
 生きた存在としてのまま、骸の海へ至ろうと考えている。
 その壮絶なる想いに、巨神は呑まれた。
 巨神群の中でも最も空の果てへの想いが強い『スワロー』であるがゆえに、桜花の想いに共感を抱いたようだ。

「戦いの先にも戦いしかない未来、平穏とは無縁の道行きを、私と共に目指せる方を望みます。
 貴方は、生きた儘骸の海に至る道を、私と共に探して下さいますか」

 果てしない道は、決して安らかなものにはならないだろう。
 それこそ望むところだと言わんばかりに、巨神が桜花に跪く。
 共に最果てを、誰もまだ見ぬ行く末を突き進もうと、誘いに応じて賛同する。

『――――――』
「お名前……花燕、は如何でしょう」

 『花燕』と言う名を頂いた巨神は、桜花のもとでその機能を発揮するだろう。
 いつしか、遥かなる隔たりを飛び越え、どこまでも戦い抜くために。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アリス・フェアリィハート
アドリブ連携歓迎

【WIZ】

この方々が
『巨神』さん…

『はじめまして、巨神さん…私は、アリス・フェアリィハートともうします…』

巨神さん(タイプ:スター)
に対し
カーテシーで
丁寧にご挨拶

『貴方…いえ貴女は「女性」の方…ですね…♪』

巨神さんの
お許しを貰い

【メカニック】で
メンテナンスや
【掃除】で綺麗にして
差し上げたり

『やっぱり…女性の方は…身だしなみを…です♪』
そうして
【情報収集】し

『貴女は…魔法が得意な方ですね?…私も、魔法は少しは自信があるんですよ…』

UCで
癒して差し上げ

もし認めて貰えたら
お名前は
【|アストライア《星乙女》】さんと…

『色々ありましたでしょうけど…私達の事…信じて頂けませんでしょうか…』



●綺麗に輝く乙女たち。

「この方々が、『巨神』さん……」

 神級オラトリオの君主級女大公フェアリィハート家大公息女。
 『時空の調停者』にしていわゆる『神』である幼き猟兵。
 アリス・フェアリィハート(不思議の国の天司姫アリス・f01939)は|錚々《そうそう》たるキャバリア、巨神の群れを目を大きくして見上げていた。
 そして、そのうちの一機の前に立ち、カーテシーで丁寧に挨拶をする。

「はじめまして、巨神さん……私は、アリス・フェアリィハートともうします……」

 アリスは、古代の超能力に順応させた魔法戦闘型巨神、タイプ『スター』に向き合い、その中にある自我へと意識を向ける。
 ここに訪れた時から、アリスの第六感で合うと感じた巨神へ語り掛ける。

「貴方……いえ貴女は「女性」の方……ですね……♪」
『――――――』

 アリスが見抜いた、その機体に規定されている人格。
 遥かなる古の時代に設定されたものか、悠久の時の中で目覚めた自我化、定かではない。
 ただ、『彼女』は自身をそうだと認識していることを、アリスは感じ取ったのだ。

「もし、許していたけるのであれば……お掃除や、メンテナンスで、綺麗にさせていただいても……よろしいでしょうか?」
『――――――』

 長い年月封印され、発掘されたばかりの巨神たちは埃が堆積しており、お世辞にも綺麗とは言い難い。
 アリスの申し出に巨神は快諾する。
 売り主であるロボットヘッドたちも、幼い少女の振る舞いに目くじらを立てる様子はない。
 巨神のお許しを貰ったアリスは空翔ぶジュエルのハートたちに乗り空中を浮遊して、自分のメカニック知識を駆使してメンテナンスを試み、機体を綺麗に掃除していく。
 ほどなくして、アリスの手によって巨神は輝きを取り戻した。

「やっぱり……女性の方は……身だしなみを……です♪」

 そうして触れ合いながら、アリスは『スター』の意志を感じ取り、彼女の情報を得ていく。
 どんな魔法が得意なのか。どのように運用することができるのか。そして、何を好むのか。

「貴女は……魔法が得意な方ですね? ……私も、魔法は少しは自信があるんですよ……」

 そして巨神の肩の上に腰を掛け、アリスはユーベルコードを披露する。
 小さく歌う、それはあらゆる負傷を、心身を癒すユーベルコード。
 《プリンセス・シンフォニック・キュア》。
 相手が鋼鉄の巨神であろうとも、その心に、その身体に、直接響き渡る歌。
 共感した対象全てを治療する、魔法のようなユーベルコード。
 長きにわたる封印の、苦しみや悲しみ、辛いといった心労を、癒やしていく。

「色々ありましたでしょうけど……私達の事……信じて頂けませんでしょうか……」

 歌を終えて、アリスが恐る恐ると巨神に申し出る。
 もし認めて貰えたら、と。アリスは巨神に名を付ける。

「お名前は……【|アストライア《星乙女》】さんと……」
『――――――』

 『アストライア』。星乙女。星のごとく輝く者。
 綺麗に身だしなみを整えられたその巨神は、アリスの想いに感応する。
 猟兵を……アリスを守護するために。
 その名を受け入れ、その強大な力を振るうと誓ったのだ。

「ありがとうございます……♪」

 『アストライア』の肩の上で、アリスは輝く笑顔を見せるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

桃枝・重吾
アドリブ絡み歓迎
気分は里親交流会

◼️心情
今回は大丈夫、
あれから頑張ったし水着着るのに仕上げてきたから(お腹さすりつつ)
あー、今回はああ言うのじゃないのか。
しかし、こう言うのも久々だね、
辺境惑星だと変なヒトに貰われないようにきちんとしたヒトと出会う交流会わりとあるけど。
こっちでもこう言うのあるんだね。
星降はうちに昔からいるけど、
多台乗りって言うのも最近は事業拡大してきたしいいよねー

◼️仁義なき神器
さて、重吾は呑気にここのパピー達と戯れるのに夢中ですが、
専従ロボとしては、やはり、
思い出と期待で夢見るパピーに支えると言うことを確りとこちらでお話が必要でしょう。
戦ってればいい等と思い違いされませんよう



●気分は里親交流会。そして……。

「今回は大丈夫、あれから頑張ったし水着着るのに仕上げてきたから」

 お腹さすりつつ姿を見せたのは、宇宙を駆ける大柄なライガー系キマイラ。
 桃枝・重吾(|スペースデコトラ使いXL《スペース食べ歩き道中》・f14213)だ。
 引き締まった腹筋はトレーニングの成果であり、夏に向けて仕上げた立派な身体をしているようだ。
 そして、売りに出されている巨神たちに視線を向けて、頬を指で軽くかいている。

「あー、今回はああ言うのじゃないのか。しかし、こう言うのも久々だね、
 辺境惑星だと変なヒトに貰われないようにきちんとしたヒトと出会う交流会わりとあるけど。
 こっちでもこう言うのあるんだね」

 惑星間を航行するスペース運送組合員である重吾にしても、こういう売買される現場はあまりお目にかかったことが無いようだ。
 発掘されたキャバリアといえどそこに自我があるのであれば、重吾にとってはヒトと変わりないやり取りに感じているのかもしれない。

「星降はうちに昔からいるけど、多台乗りって言うのも最近は事業拡大してきたしいいよねー」

 相棒のスペースデコトラを想いつつ、重吾の気分は里親交流会だ。
 並び立つ巨神たちを相手に、重吾は|子犬《パピー》と戯れるように行動を開始する。

「それではお見せするよ。俺の|資格《趣味》が光って唸る!
 お客様満足度稼げと、輝け! 本日の御依頼品!
 《オプショナルサービス・ライガー印の現状復帰修繕術(ガンバルワンマンオペレーション)》」

 重吾が巨神たちに向けて展開したユーベルコード。
 それは指定した対象を、重吾が沢山習得した資格を駆使して安心安全な状態にする《オプショナルサービス・ライガー印の現状復帰修繕術》!
 対象が安心安全な状態でないならば、死角から更に頑張ってどうにかするか、特徴と注意書を召喚して対象に粘着させるという、アフターサービスの徹底ぶり!
 これにより、巨神たちが猟兵たちと接触する前に悪しき心を持つ客たちに売られないよう、予約札がセットされたのだ。
 実際、安心安全である。

「さあさあ、機械種族用のいろいろなグッズを運んできているからね。
 たっぷりあるから、安心して楽しんでいってね」

 特定の巨神を贔屓する素振りもなく、楽し気に重吾は接客とサービスを展開していった。

 ……その一方で。
 重吾が持ち込んだスペースデコトラ『星降丸』のAIは、とある巨神に向けてひそかにコンタクトを取っていた。
 無邪気に、巨神たちをあやすように様々な商品を提供している重吾を一瞥しつつ、『星降丸』はその巨神へと釘を刺す。

「専従ロボとしては、やはり、思い出と期待で夢見るパピーに支えると言うことを、確りとこちらでお話が必要でしょう」
『――――――』

 その巨神は、重吾の振る舞いに何を思ったのか。
 マスターを有する『星降丸』に向けて如何なる思いを抱いたのか。
 それを察したのだろう『星降丸』は、重吾に悟られていないうちに巨神に告げる。

「戦ってればいい等と思い違いされませんよう。
 それだけでは、救えないものもあるのです」

 『星降丸』の意をどのように受け止めたのか。
 果たして、その『巨神』はどうなるのか。
 それは……今はまだ、誰も知らない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

兎乃・零時
アドリブ歓迎
何で売られてんの????

いやまぁキャバリア手に入るなら良いんだが…

求めるとしたらそれは魔術とも相性が良い機体、かつ俺様やパル、後は杖とも上手い事連動出来るのが望ましい
パルも式神だし、俺様自身も偽神化細胞とかで神パワーは上手い事制御できてるし!
巨神と言われてるんだ、それぐらい強いと想ってもいいだろう!

そんじゃ初めましてだな、巨人!!!俺様の名前は兎乃・零時、何れ全世界最強最高の魔術師になる男!
見て貰うんなら魔術の腕を見てもらおう…化身を出して纏えば、強さの証明にもなるだろ!
桜魔の極式、行ってみよう!此れが俺様の本気の姿、テメェを扱うには不十分か?

お前の名前は…スパルタン、か、宜しく!



●其は峻厳なるもの。

「何で売られてんの????」

 数多の魔術を行使するアクアマリンのクリスタリアン。
 兎乃・零時(|其は断崖を《遥か高みを》駆けあがるもの・f00283)は眼前の状況に驚きツッコミを入れつつも、この地へと赴いた目的を果たすために気持ちを切り替えた。

「いやまぁキャバリア手に入るなら良いんだが……」

 零時は並び立つ巨神の群れを見上げ、自分と相性の良い機体を探していく。
 零時の魔術や式神である『紙兎パル』、それに使い慣れた『藍玉の杖』とも上手い事連動が出来るようなキャバリアを望み、このキャバリア入手の機会に参じたのだ。

「パルも式神だし、俺様自身も偽神化細胞とかで神パワーは上手い事制御できてるし!
 巨神と言われてるんだ、それぐらい強いと想ってもいいだろう!」

 強大な力を有する巨神であろうと、制御することはできる。
 そう意気込んで自信を表に出し、様々なタイプの巨神を見て回り、零時は一機の巨神の前に立つ。
 その機体から、零時と相性の良い波長の魔力を感じ取ったのだ。

「そんじゃ初めましてだな、巨人!!!
 俺様の名前は兎乃・零時、何れ全世界最強最高の魔術師になる男!」

 名乗り上げた零時に向けて、まだ名も無き巨神は意識を向けつつ、懐疑的な気配を醸し出す。
 零時が若いからではない。魔術を知らぬからでもない。
 全世界最強最高。
 その甚だしい目標を掲げるに足る存在であるのか、気にかけているのだ。
 大言壮語を吐いたわけではないと示してみろと、零時を見定めるように見つめている。

「見て貰うんなら魔術の腕を見てもらおう……化身を出して纏えば、強さの証明にもなるだろ!
 桜魔の極式、行ってみよう!」

 その意を汲んだ零時は、不敵に笑い渾身の魔術を披露する。
 『藍玉の杖』を構え、魔力を溜め、祝詞を唱えて、そのユーベルコードを詠唱する。

「呪い転じて祝い為す、友に授かり我が縁。
 試練果たして鳴り響け、世界に通ず我が夢想。
 纏い踊りて神降ろせ、この地は此れより我が神界ッ!」

 その瞬間、周囲の者たちが慄くほどの力の奔流が溢れ出した。
 《|龍櫻樹鎮羽織螺界皇《桜魔呪術式・極式》(リュウオウジュシンハオラカイオウ)》。
 それは、桜魔の書の桜魔呪術、夢想の魔導書の夢幻術式、そしてエルスタル・ヴォベの魔術書による自然術式。
 三目の魔術による化身を零時自身の身体に帯びて、禍津神の厄災や龍櫻、夢想などの数多の力を宿すユーベルコードだ。

「な、なんだあいつは……!?」「何事だ、何なんだ……!?」

 あまりにも凄まじい魔力に、近くにいた客たちやロボットヘッドが身動きも取れずに立ち竦んでいる。
 だが、その力は決して暴走していない。
 零時の制御下にあり、安定して放たれているのだ。
 その証拠に、この場にいるものは誰一人傷を負っていない。

「此れが俺様の本気の姿、テメェを扱うには不十分か?」

 強力な力を身に纏いながら笑顔を向ける零時に、巨神は十分だと応諾の意を見せる。
 いくつもの強力なエネルギーをその身に宿しているにもかかわらず、まったく堪えた様子のない零時を見て、巨神は自らの力を任せても良いかもしれないと判断したようだ。
 光るカメラアイが零時を捉え、巨神は零時へと膝を着く。
 零時は、見上げるその巨神に相応しいと想った名を与えた。

「お前の名前は……スパルタン、か、宜しく!」
『――――――』

 逆境に直面して揺るがない、零時も『スパルタン』も、その名に相応しい振舞いを求められることになるだろう。
 零時を認めた巨神の力を、次は零時が試すことになるだろう。
 その果てに、彼らは真の主従となれるのかもしれない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

小鳥遊・トト
変な人の手に渡ったら危ないのは分かりますしやらなきゃいけないことなんですが、ボクなんかが『巨神』さんに認めてもらえるでしょうか……?

不安を抱きながらもグリモアベースで依頼を受けたなら現地へ向かいます
見定められてるような空気に少し脅えながらも『巨神』達を見て周り、選んだのか選ばれたのかタイプ『スター』の機体の元へ

自分の所持する抗体兵器の妖刀『愛斬』が警戒を強めるので、巨神にあやまりながら愛斬の力を抑えます

「えーっと、|この子《愛斬》は危険な子なんですけど、それでもボクに力を貸してくれるし、い、良い所もあるんです(?)」

既に抗体兵器という強大な力の律し方のコツを掴んでいることを見てもらいたいです

それと背後霊として言わせてもらうとトトは自信さえ持てればもっとポテンシャルがある子なので出来れば巨神に見抜いて貰えたら嬉しいななんて

巨神が喋るなら軽い口調でも誠実な男性の感じで
細かくはお任せ

その誠実さをみてトトは巨神に尊敬を感じ、無意識にアリスだった過去から目指すべきもの
「ゲート」さんと名付けます



●敬い合う気持ちと可能性。

「変な人の手に渡ったら危ないのは分かりますし、やらなきゃいけないことなんですが……。
 ボクなんかが『巨神』さんに認めてもらえるでしょうか……?」

 シルバーレイン出身で、そしてアリスラビリンスからの帰還したと思われる少女。
 小鳥遊・トト(|愛《快楽》も知らず・f39451)は不安を抱きながらも、グリモアベースで説明を受けた依頼を果たすために現地へと赴いた。
 見定められてるような空気に少し脅えながらも『巨神』たちを見て周り、選んだのか選ばれたのか、トトはタイプ『スター』の機体の元へと足を運んだ。
 その瞬間、その巨神と、トトの所持する抗体兵器の妖刀『愛斬』が互いの気迫をぶつけ合った。
 愛する故に斬る、愛を斬り裂く『愛斬』がむき出しの警戒心を巨神に向けたがゆえに、巨神もまた頑なな反応を見せつつあったのだ。
 両者の振りまく剣吞な気配に周囲の空気が震える中、トトは慌てて『愛斬』の力を抑えて巨神に謝意を伝える。

「すみません、えーっと、この子、愛斬は危険な子なんですけど、それでもボクに力を貸してくれるし、い、良い所もあるんです(?)」
『――――――』

 既に『愛斬』という抗体兵器、ある種の強大な力の律しているトト。
 自信なさげな態度ではあるが、そうしたコツを自然体で掴んでいることが、巨神へとアピールになっている。
 引っ込み思案なトトが頑張って声を振り絞る様子を見下ろして、その巨神は……口を開く。

『もう少し、自信さえ持つことができれば。君は本来の実力を発揮できるだろう』
「あ、えっと……?」
「「「(しゃべった!?)」」」

 巨神なるキャバリアが言語を発したことに、トトも、そして居合わせた客たちも驚いた。
 無論、高度なAIを有して会話できるキャバリアは存在する。
 だが、長き年月を封印されていた古の巨神が、言葉を扱うことができるとは思っていなかったようだ。
 周囲の反応に意を介することなく、巨神はトトへと語り掛ける。

『君の持つその兵器は、恐るべき力を有している。それを容易く抑え込み、平静に扱うことができる。
 君の|可能性《ポテンシャル》は非常に期待できると考えられる』
「そ、そんな、ボクなんかが……」
『君に必要なものは、力を振るうことができるという、自信だ。
 自分を認めるといい、若き少女。君には素質があり、君には能力があるのだということを』
「……巨神さん……」

 誠実に言葉をかける巨神をみて、トトは嬉しそうに小さくはにかむ。
 そしてトトは巨神に尊敬を感じたようで……無意識に、トトがアリスだった過去から目指すべきものをイメージして、小さな声でその言葉を紡いだ。

「ゲート……」
『ほう? それは……もしや、この身への命名と受け取ってよいのだろうか?』
「あ。は、はい、その……ゲートさん、でよろしいでしょうか?」

 慌てて自信なさげに見上げるトトと対照的に、『ゲート』は嬉しそうな様子で頷く。
 名付けを受け入れ、将来性のある若き猟兵に大いに関心を抱いたキャバリアが了承の意を告げる。

『ゲート。好いな。実に、良い名だ。ありがたく拝領しよう。
 ……我が主。名を問うてもよろしいか?』
「え、あ、あるじっ? あ、ボクは、トトです。えっと……。
 ……は、はい、ボ、ボク、で良ければ……頑張ります」

 トトのもとに、また一つ強大な力が加わった。
 だが、トトならばきっと、この大いなる存在を御すことはできるだろう。
 そう期待を籠めて、『ゲート』がトトに付き従うのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

防人・拓也
「巨神…ですか。確かに異様な雰囲気は感じられます」
巨神達を眺めてそう呟く。
対話するのであれば、タイプ『ドラゴン』か『スター』。空いている方を。
心を通わせる必要があるのならグラント・サイコゼロフレームで自分の心を示す。
UCを発動し、オーロラで対話する巨神を包み込む。
「私は貴方がどういう主を望んでいるかは分かりません。ですから、私は自分の心を示させてもらいます。私に帰りを待つ人はいないし、帰る場所もありません。ですが、こんな私でも守れるものがあります。それは他の帰りを待つ人や帰る場所がある人達です。私は知り得る限りのそんな人達に、悲しい思いや辛い思いをさせない未来を紡ぐ為に戦ってきました。今、貴方に使っている力もその為に使ってきました。これからもそんな人達の未来を守ってあげたい。もし貴方が認めて下さるのなら、その力をお貸し下さい」
と話す。認めて貰えたなら、礼を言って

彼であればリュカ(ラテン語で光をもたらす人の意味)
彼女であればアイリス(実在の花が由来で花言葉は希望)

と名付ける。

アドリブ可。



●人と未来を守る光。

「巨神……ですか。確かに異様な雰囲気は感じられます」

 UDCアースで結成された特殊部隊タスクフォース101に所属し、クロムキャバリアにおいては多国籍部隊ファントムを指揮する少佐。
 防人・拓也(独立遊撃特殊部隊ファントム指揮官・f23769)は、冷静に巨神達を眺めてそう呟いた。
 超強力な古代武装を有しているという古きキャバリアたちの様子を見定めて、拓也は並び立つ中から一機の巨神に対峙する。
 遠距離攻撃に特化させた射撃型の巨神、タイプ『ドラゴン』。
 狙撃の技術も習得している拓也とは相性が良さそうな巨神だ。

「私は貴方がどういう主を望んでいるかは分かりません。
 ですから、私は自分の心を示させてもらいます」

 拓也はユーベルコードを発動し、緑色に輝く温もりと優しさを感じるオーロラで巨神を包み込む。
 《光り輝く奇跡の極光(シャイニング・ミラクル・オーロラ)》。
 敵に対しては心を蝕む邪悪な何かを浄化する優しい光による攻撃を。
 味方は傷付いた身体と心を癒す優しく温かい光による回復を与えるユーベルコード。
 拓也の有する『グラント・サイコゼロフレーム』の共鳴により引き起こされる、皆を救う為の奇跡。
 その光はキャバリアの機体内部にも入り込み、巨神のシステムと連動する。
 拓也の胸の内が、巨神に詳らかに伝わっていく。

「私に帰りを待つ人はいないし、帰る場所もありません。
 ですが、こんな私でも守れるものがあります。
 それは他の帰りを待つ人や帰る場所がある人達です」

 拓也は、赤子の頃に家族を全員オブリビオンに殺された。
 とある作戦中に、オブリビオンの襲撃を受けて所属していた部隊が壊滅したこともある。
 そんな境遇にあってなお、拓也は立ち止まることなく戦場に出続けている。
 どんな状況でも諦めることなく、冷静に、粘り強く任務を遂行し続けている。
 それは、人々を守るため。

「私は、知り得る限りのそんな人達に、悲しい思いや辛い思いをさせない未来を紡ぐ為に戦ってきました。
 今、貴方に使っているこの力もその為に使ってきました。
 これからもそんな人達の未来を守ってあげたい」

 拓也は巨神と《光り輝く奇跡の極光》により心を通わせている。
 拓也の想いに嘘偽りがないことは、巨神に明らかになっている。
 そして、目の前の巨神が拓也の想いに……人々の未来を守るという願いに、共感していることもまた、拓也に伝わっていく。
 誰かのために戦うという動機に、巨神は好印象を抱いていることが感じ取れている。

「もし貴方が認めて下さるのなら、その力をお貸し下さい」
『――――――』

 眼前の巨神は静かに頷き、拓也を主として相応しいと認めた。
 その機体に宿る強大な力を、拓也であれば誤ることなく運用できるだろうと判断したのだ。
 巨神の応えに拓也は礼を述べて、そして名を付ける。

「ありがとうございます。では貴方に名を……。
 ……アイリス。アヤメとも呼ばれる、花の名前です」

 拓也は共鳴したことで知った巨神の人格から、虹の女神に由来する花の名を与えた。
 その花言葉は、希望。
 温かい極光の中、『アイリス』は人々に光をもたらすために、その力を拓也に貸し与えることを約束した。
 大いなる力を借り受けて、拓也は毅然とした眼差しで『アイリス』を見つめているのだった。
 その瞳には、一点の曇りもない。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『対キャバリア用量産型機械歩兵『アバドン』』

POW   :    滅ぼすもの
【高周波ブレードによる鋭利な斬撃】を放ち、命中した敵を【傷口を引き裂き続ける大気の揺らぎ】に包み継続ダメージを与える。自身が【装甲などが損傷し、機体重量が軽量化】していると威力アップ。
SPD   :    奈落の底より暴食の群れ来たれり
敵1体を指定する。レベル秒後にレベル×1体の【同型の機体】が出現し、指定の敵だけを【両肩に装備された高周波ブレードでの斬撃】と【額に内蔵された荷電粒子砲による集中砲火】で攻撃する。
WIZ   :    淘汰圧への反逆
【敵対者からの意識を向けられている状態】の継続時間に比例して、自身の移動力・攻撃力・身体硬度・勝負勘が上昇する。

イラスト:エンシロウ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●断章:欲望に殉じる蝗害。

 当初の予定通り、発掘された『巨神』たちを買い占めていく猟兵たち。
 猟兵に選ばれなかった、あるいは認めることのなかった余りのキャバリアもマクドナルド王国の用意した予算によって独占することができたため、この場に集まった他の者たちの手に渡ることはない。
 そのため、当然のように集まった客たちはキレた。

「ふざけるな! わざわざこんな廃墟までやってきたのに手ぶらで帰れというのか!」
「それって、強力なキャバリアなのでしょう? 忌々しい連合を倒せると思ったのに!」
「だいたい、貴様らはどこの所属だ! 我が国に喧嘩を売っているのかね!?」
「……ん? あいつ、どこかで見たことがあるような……」

「なんか揉めそうだな」「我々の目的は達せられたし」「ちょっと様子をうかがうか」

 KFCのテロリストたちは顔を見合わせ後ずさり、怒りの矛先を向けられる前に身を隠した。
 その結果、客たちの敵意は想定通り猟兵たちに向くこととなる。

「もういい! もはや悠長に商談などやってられるか! あいつらを殺してキャバリアを奪わせてもらおう!」
「どれほど強力な兵器であろうと、乗りこなす前にパイロットを始末すれば問題はないな」
「やっておしまい、アバドン!」「……あ。もしかしてあいつ、イェーガーでは……!?」

 オブリビオンマシンに精神を汚染された客たち。
 死の商人が、某国の独裁者が、革命を嘯く悪党が、護衛として連れてきていた人型兵器を猟兵たちに差し向ける。
 多数の同型機との連携により|巨大な敵《キャバリア》をも膨大な数で圧倒する自立兵器、対キャバリア用量産型機械歩兵『アバドン』。
 巨神たちを奪い取るために、敵対者である猟兵たちを殺そうとする2mに満たない小柄なオブリビオンマシンの群れに、猟兵たちは対処する。
 巨神たちを、悪しき目論見を抱く者たちの手に渡さないために。


 ※『巨神』を求める客が連れてきたオブリビオンマシン、対キャバリア用量産型機械歩兵『アバドン』との戦闘です。
  両肩に装備された高周波ブレードと額に内蔵された荷電粒子砲を駆使して戦う自律兵器です。
  学習データをリアルタイムで同期して群れ全体を強化していくため長期戦であるほど厄介な敵ですが、小型であるためキャバリアを持たない方でも応戦することは可能です。
  キャバリアで蹴散らすことも可能です。殲禍炎剣にはご注意ください。

  なお、客たちは『アバドン』が倒されれば方々に逃げ散ります。
  放置したらどこかで悪事をすると思いますが、今回の主題ではないので放置しても問題はありません。
  もちろん、倒したり、捕まえたり、余裕があれば何かしら対応をしても構いません。
  プレイングボーナスは、『多勢に対処すること』です。
  皆様、よろしくお願いいたします。
ベティ・チェン
「スペランサ。ボクの偽神兵器、持てる?」
自分の身長大の大剣を巨神に

「握りが足りない、か」
「キミの武装が、出来たら。今日は、見てて」

「ドーモ、イナゴ=サン。ベティ、デス。ゴートゥ・アノヨ!」

偽神兵器背負ったままUC
フォトンセイバーで隙間や接合部をグサグサ刺突
どこに人工頭脳と受容器があるか確認

「自律兵器、だから。自律させる、人工知能。同型機からの情報を受信する、受容器。知能を壊せば、木偶になる。受容器を壊せば、パフォーマンスが上がらなく、なる。他のイナゴの指示でも、動かなく、なる」

確認後次々蝗に取りつき人工知能と受容器を破壊していく
「同型機、だから。弱点は、全部同じ。ベイビー・サブミッション」


桃枝・重吾
アドリブ絡み歓迎

◼️巨神
多台乗り目指すなら、
細かいところとか最終決定は星降丸に任せろって大叔父さんの残した人格データが言ってた!
(環境対応が必要なのでスワローかカープ)

◼️覚醒?
あれは…
間違いない、アストロロースト!?
しかも、普通の状態でもないしあんなもの放っておいたら蝗害被害がどれだけ出るか…

◼️農民VS蝗害
取り敢えず全力で!
UCを使うのとカードホルダーから燃焼と大気をアクティブにして纏えば良いかな?
後、星降丸がこっそり巨神と仲良くしてたのは知ってるからね、
二人ともビームロープでの援護よろしく!

後で慰霊碑でも建てるから。
取り敢えず、異常繁殖するなら蝗は死ね!

人災…?
こんな危険生物撒いた奴ら…



●イナゴスレイヤーズ!

「スペランサ。ボクの偽神兵器、持てる? ……握りが足りない、か。うん、いいよ」

 ベティ・チェンは傍らに立つ巨神『スペランサ』へと自分の身長大の大剣を差し出して見せる。
 およそ1.5mの巨大動力兵器はキャバリアが振るうには不足のない大きさであるが、その持ち手は人型であるベティに合わせたものであり、『スペランサ』が握るには些か小さい様子だ。
 『スペランサ』が申し訳なさそうに『偽神兵器』を返却し、ベティはその大剣を受け取るとそのまま背負い直し、『スペランサ』へと思いを伝える。

「次は、キミの武装が、出来たら。今日は、見てて」
「あれは……間違いない、アストロローカスト!?」

 ベティが迫る対キャバリア用量産型機械歩兵『アバドン』の群れに向き直ったその時、桃枝・重吾はアバドンを|宇宙《アストロ》|イナゴ《ローカスト》と認識して目の色を変えていた。
 アストロ農家出身の重吾にとって、イナゴの恐ろしさはその身に染みているのだろう。
 一糸乱れぬ軍隊行動を見せるオブリビオンマシンの様子を、重吾は睨みつけている。

「しかも、普通の状態でもないしあんなもの放っておいたら蝗害被害がどれだけ出るか……!
 ベティさん! これは全力で対処しないと!」
「うん、そう、だね? いこう、重吾さん」

 肩を並べた二人の猟兵は、巨神を背にオブリビオンマシンに立ち向かっていく。
 まず先陣を切ったのは、礼儀正しいシノビであるベティだ。
 間合いに収まった最初の一体に向けて、ベティはアイサツをする。

「ドーモ、イナゴ=サン。ベティ、デス。ゴートゥ・アノヨ!」
『ドーモ、ベティ=サン。アバドンです。貴様を殺す』

 偽神兵器背負ったままアイサツを済ませたベティは、ユーベルコードを展開する。
 その名は、《世界を分かつ神意(セカイヲワカツシンイ)》。
 自身と武装を偽神兵器が齎す【神威】で覆うことで、視聴嗅覚での感知を不可能にするのだ。

『!? 感知不能、感知不能!?』

 アバドンが《滅ぼすもの》、高周波ブレードによる鋭利な斬撃を放とうとするが、神威に覆われたベティを認識することができずにたたらを踏み、混乱する。
 その隙だらけの背中に、ベティは無数の光の粒子で形作られた刃を持つ剣を手に駆け寄り、攻撃を叩き込む。

「偽神も神で、神威を持つ。
 その、世界から分かたれようとする、神の意思を、邪魔するなら。
 等しくその存在を奪われる、だけ」

 ベティは『フォトンセイバー』で隙間や接合部をグサグサと刺突して切り開く。
 《世界を分かつ神意》には、触れた敵からはその存在の元となる生命力・思考力・耐久力を奪う効果がある。
 どこにオブリビオンマシンの人工頭脳と受容器があるか確認すると、その神威を触れさせてその力を奪い取り、破壊していく。

『~~~!?』
「自律兵器、だから。自律させる、人工知能。同型機からの情報を受信する、受容器。
 知能を壊せば、木偶になる。受容器を壊せば、パフォーマンスが上がらなく、なる。
 他のイナゴの指示でも、動かなく、なる」

 最初の一機を解体し、その内容を確認してから後は順調な破壊作業が繰り広げられる。
 ベティはアバドンたちへと次々に取りつき、その人工知能と受容器を破壊していく。
 装甲などが損傷し、機体重量が軽量化することで《滅ぼすもの》の威力は向上するが、当たらなければ意味はない。
 仲間が感知できなくなり、破壊されてから出現するという異常事態に、オブリビオンマシンたちは右往左往する獲物となっていた。

「同型機、だから。弱点は、全部同じ。ベイビー・サブミッション」

 ベティが立ち回りアバドンたちを解体していく最中。
 スペースデコトラ『星降丸』と、未だ名も無き巨神は静かに意思疎通を計っていた。
 ベティを見つめる『スペランサ』と名付けられた同型機を、『カープ』の巨神が見つめている。
 その巨神に『星降丸』は多くは語らない。

「あなたは、どうしたいのですか?」
『――――――』

 巨神が意思を伝える前に、やる気に満ちた重吾が『星降丸』と巨神に向けて声を張り上げる。

「多台乗り目指すなら、細かいところとか最終決定は星降丸に任せろって大叔父さんの残した人格データが言ってた!
 星降丸がこっそりあなたと仲良くしてたのは知ってるからね、二人とも、ビームロープでの援護よろしく!」

 笑顔を見せた重吾に二人のAIは承諾し、ビームロープを射出してアバドンたちの動きをけん制する。
 そして、重吾は前に固まる敵の群れに対峙して、自身のユーベルコードを展開する。
 出し惜しむことのない、重吾の全力のユーベルコード。
 《|王権復古《王鍵絶対》キングスロアー(ワガミハイチナルガスベテ)》。

「己が身を証に、唯一絶対を示す。我が身は唯一。
 全てを偽りへと連なるものとして棄却する」

 それは、重吾自身の愛する家族や同胞へ自らの血統を遺せない事を代償に、古の末裔として王の絶対性を体現した己が姿を創造するユーベルコード。
 古の末裔として王の絶対性を体現した己が姿の効果や威力は、代償により自身が負うリスクに比例する。
 その力の発露に、『星降丸』が、巨神が、何らかの想いを抱きつつも、言葉を飲み込んで見守っている。
 重吾は『|カード型カートリッジホルダー《超古代謹製エネルギー保管容器》』から燃焼と大気のエネルギーを有効化して纏い、重吾は絶対的な君臨者としての姿を顕わにする。

『エラー! エラー! エラー!』『計測不能、計測不能!?』
「後で慰霊碑でも建てるから。取り敢えず、異常繁殖するなら蝗は死ね!」

 王の絶対命令に、ただのオブリビオンマシンの群れが抗うことなどできはしない。
 高周波ブレードによる鋭利な斬撃も、著しく重い代償を支払った王の玉体に傷をつけることはできない。
 重吾は狼狽するアバドンたちを正面から鷲掴み、その鋼の身体を力尽くで解体していく。
 強引なパワーの前にアバドンは太刀打ちできず、距離を取った個体はベティによって切り刻まれて解体されていく。
 ほどなくして、ベティと重吾に向かってきたアバドンは壊滅した。

「ん。この辺りの敵は、倒せた、かな。……命令してた、奴ら、逃げて行った、けど」
「え? 命令……つまり、人災……? こんな危険生物を撒いた奴らが……」

 猟兵たちへの襲撃を命令した客たちは、自慢のオブリビオンマシンが容易くバラバラにされていく様子に恐れを抱き、慌てて四散していた。
 じっと見つめるベティと睨みつける重吾の視線が、|危険な代物《オブリビオンマシン》を持ち込んだ連中に突き刺さる。
 その後、逃げ惑う客たちがどうなったのかは……おおよそ察しの通りである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アリス・フェアリィハート
アドリブ連携歓迎

【WIZ】

申し訳ありませんが
巨神さん達は
私達が
預からせて頂きました

『巨神さん達を…悪い事をする為の道具にさせる訳にはいかないです…!』

殲禍炎剣にも気を付け
(飛行はしない様に行動)

UC発動
自身を護る様に
『雷撃の磁気嵐』を発生
UC内の自身も
敵の攻撃を
【第六感】【心眼】【残像】
【結界術】【オーラ防御】で
防御・回避行動しつつ

敵群に
UCをぶつけ
加えて
自身も
クイーンオブハートキーを使い
【ハートのA】達も展開し
【全力魔法】や
【誘導弾】を【一斉発射】し
多勢の敵を
纏めて攻撃&対処
(味方を巻き込まぬ様)

逃げるお客さんは
気になりつつも今は
眼前の敵に対処

(でも…今後悪い事をされるなら…何れ私達が…!)


御園・桜花
「其れでは初の共同作業を致しましょう、花燕」
花燕に乗り込みUC「精霊乙女の召喚」
1420体の精霊乙女の内、300体をテロリストと購買客に向かわせ眠り粉散布
逃がさず捕える下準備をする
1000体は武器憑依で花燕自身に憑依して貰い花燕自身を強化
残り120体に花燕への範囲治癒任せアバドンに吶喊

「棍は拳の延長でしかありませんもの。武装がなくても、最前線で殴り合うなら此の拳だけで充分です」

第六感で敵の密集地に飛び込みアバドンを叩き潰すように殴る
個を見るよりも全体を薄く面で捉えて戦う
状況に依っては掴んだアバドンを振り回して他のアバドンを殴り付けもする
敵の攻撃は第六感や見切りで躱しつつカウンターで拳を叩き込む



●流麗なる精霊たちとの舞踏模様。

「そこの小娘たち! 大人しくソレを明け渡しなさい!」
「申し訳ありませんが巨神さん達は私達が預からせて頂きました」

 アリス・フェアリィハートが『アストライア』の上に立ち、キレた客たちに毅然とした態度を見せている。
 対キャバリア用量産型機械歩兵『アバドン』を引き連れて威圧し、巨神たちの意志を鑑みることなく、ただの強力な兵器としか見做さない客たち。
 彼らに巨神を渡す訳にはいかないと、アリスは奮起している。

「巨神さん達を……悪い事をする為の道具にさせる訳にはいかないです……!」
「道具を有効活用して何が悪いのよ!」「ならば、殺してでも奪い取る!」
「まあ。其れでは初の共同作業を致しましょう、花燕」

 御園・桜花も『花燕』に乗り込み、『アストライア』の傍らに立ってユーベルコードの仕込みを行う。
 アバドンたちへの対処だけでなく……この場に集まった悪しき目論見を抱えた客たちを捕えるための下準備をしているのだ。

「先手は頼みますね、アリスさん」
「わかりました、桜花さん」

 |殲禍炎剣《ホーリー・グレイル》を刺激しないよう、飛行しないように気を付けて、アリスは『アストライア』のもと、ユーベルコードを発動する。
 アリスと桜花、『アストライア』と『花燕』を護るように、電撃の磁気嵐が発生する。

「……不思議の国の精霊さん達……その力の片鱗を……世界に……!」

 《ワンダーランド・シンフォニア》。
 それは、「属性」と「自然現象」を合成した現象を発動する圧倒的な力。
 境界や別世界・時空などの力を精霊として具現させ、今のこの世界に干渉させることができる。
 制御が難しく暴走しやすいが、精霊たちの行使する力を以て本来有得ない現象を発現させる、アリスのユーベルコードである。

「な、なんだこれは!?」「アバドン、何とかしろ!」
『ギ、ギギィ……!』

 アバドンたちのユーベルコード、敵対者からの意識を向けられている状態の継続時間に比例して、自身の移動力・攻撃力・身体硬度・勝負勘が上昇する《淘汰圧への反逆》だが、アリスは嵐の内側でオーラによる防御結界を展開して身を守っている。
 そのため、意識を向けられる時間は少なく……磁気嵐に飲み込まれ、アバドン同士がぶつかり合い、削れ合う。
 アバドンたちが翻弄される様子を見て、客たちは血相を変えて逃げ出した。

「これはヤバイわよ!?」「逃げるんだよぉ!」
「っ……!」「あちらは私に任せてくださいな」「は、はい、桜花さん!」

 逃げる客たちが気になるアリスに安心するよう声をかけ、桜花は仕込んでいたユーベルコードを開帳する。
 大勢の乙女の姿をした精霊たちが召喚され、泡を食う客たちの前に立ち塞がる。

「な、どこにこんなに!?」「なんだ、こいつは、なんだ!?」
「おいでおいで|精霊乙女《ニンフ》達。川から泉から谷から山から樹木から。
 お前達の歌と躍りで、私達を助けておくれ」

 これぞ、桜花の《|精霊乙女《ニンフ》の召喚》。
 合計1420体の精霊乙女が召喚され、桜花の指示に従い様々な行動を開始する。
 300体が客たちを取り囲み、眠り粉を散布して無力化する。
 1000体は『花燕』に集まり、武器憑依の力を行使して『花燕』自身を強化する。

 《ワンダーランド・シンフォニア》による電撃の磁気嵐の中を、『花燕』が吶喊する。
 眼前の敵に集中して対処するアリスの負荷にならないように、多少の傷は残った120体の精霊乙女が周囲を漂って『花燕』へと範囲治癒を施して治していく。
 万全の態勢を整えて、桜花は『花燕』の力を振るっていく。

「棍は拳の延長でしかありませんもの。武装がなくても、最前線で殴り合うなら此の拳だけで充分です」

 嵐の中、移動することもままならないアバドンたちが桜花から向けられた意識に《淘汰圧への反逆》を反応させる。
 だが、その時間はあまりにも短い。
 硬度は足らず、勘も鈍く、反応した次の瞬間には動く猶予もなくアバドンたちはまとめて叩き潰されていく。

 個体ずつ相手するのではなく、全体を薄く面で捉えて戦う『花燕』。
 桜花の操縦のもと、アバドンを殴り、あるいは掴み、投げて、より多くの敵を巻き込めるように激しく立ち回って見せている。

「良い調子ですよ、花燕」
「すごい……私も、私達も頑張ります!」

 そして、散り散りに残ったアバドンたちに向けて、アリスは万象等に有効な力持つハート細工の長大な金の鍵『クイーンオブハートキー』を使い、虹や星々や花々を内に鏤めて万象に有効な力をもつ変幻自在な空翔ぶジュエルの『ハートの|A《アリス》』たちを展開する。
 空中に広がったカラフルなプリンセスのハートが一斉に発射され、誘導弾のようにアバドンたちだけを的確に貫いていく。
 アリスと桜花の連携により周囲のアバドンは壊滅し、この辺りにいた客たちは安らかな眠りに包まれている。
 後でマクドナルド王国の人々に引き渡せば、あちらで素行調査を済ませた上で何かの処理をしてくれるだろう。

「でも……今後悪い事をされるなら……何れ私達が……!」
「ええ。もう悪さはさせません」

 巨神たちの基礎スペックを確認し、悪しき客たちを生け捕りにした桜花とアリスは、笑みを湛えて他の場所の戦いが落ち着くのを見届けるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鳴上・冬季
「蝗害に対するのに、一匹ずつ手で潰し足で踏み潰しするのは愚か者です。面には面を。象が鼠を踏み潰しても、誉にはなりえません。その程度は許容範囲でしょう、闘神アスラ」
嗤う

アスラの肩に立ち
「これは蜃が吐く気が見せる夢の世界。貴方達に極上の悪夢を見せて差し上げよう」
嗤う

「私の雷公鞭は宝貝です。黄巾力士は全ての装備もその存在すらも宝貝です。どんな努力も無駄な世界があるとお知りなさい」
自分は雷公鞭で雷撃
黄巾力士には飛来椅で飛行させたまま空中から砲頭や金磚で鎧無視・無差別攻撃で蹂躙するよう命じる

「攻撃力が上がろうが移動力が上がろうが、宝貝でない限り攻撃出来ない。仙の使う禁術とは、そういうものです」
嗤う


小鳥遊・トト
えっ、あっ、あ!
そうだ、敵。早くゲートさんに乗らないと。
ひぃぃっ!なんか既に囲まれてるぅ!

UC【リアライズ・バロック】使用
大量のバロックレギオン召喚で範囲攻撃
その後バロックレギオンの影から愛斬で攻撃を仕掛け道を開く。

頼りなくてすみませんんんっっっ!ゲートさん助けてください!

ゲートさんに搭乗。
技能【召喚術】で鎖のイメージを召喚術アバドンへ攻撃

同時に拘束具付きの鎖も召喚して客を捕まえる

※アレンジ・連携歓迎



●蝗害を打ち砕く驚異。

 小鳥遊・トトは殺到した対キャバリア用量産型機械歩兵『アバドン』に囲まれていた。

「えっ、あっ、あ! そうだ、敵。早くゲートさんに乗らないと。
 ひぃぃっ! なんか既に囲まれてるぅ!」

 悲鳴を上げるトトは妖刀『愛斬』を手に、《リアライズ・バロック》を行使する。
 それはトトが猜疑心や恐怖心を感じると大量のバロックレギオンが召喚されて、トトに猜疑心や恐怖心を与えた対象を追跡して攻撃する、バロックメイカーのユーベルコードだ。
 アバドンの群れに怯えた心を糧に召喚された119体のバロックレギオンをぶつけることで、トトは『ゲート』に搭乗する猶予を捻出する。
 道を阻むアバドンをバロックレギオンの影から『愛斬』を振るって切断し、トトは大急ぎで『ゲート』の手の上に駆け込んだ。

「頼りなくてすみませんんんっっっ! ゲートさん助けてください!」
「蝗害に対するのに、一匹ずつ手で潰し足で踏み潰しするのは愚か者です。
 面には面を。象が鼠を踏み潰しても、誉にはなりえません。
 その程度は許容範囲でしょう、闘神アスラ」

 慌てて『ゲート』に乗り込むトトを見守りつつ、『アスラ』の肩に立って嗤うのは鳴上・冬季だ。
 余裕を感じさせる泰然とした様子で眼下に押し寄せるアバドンに視線を向けて、簡単な命令ならこなせる人間サイズの戦闘用人型自律思考二足歩行戦車宝貝『黄巾力士』を呼び出した。
 冬季は、『アスラ』に妖仙の力を披露しようとしているのだろう。

 『ゲート』の中に入り安全を得たトトが、召喚済みのバロックレギオンの影から鎖をイメージした拘束具を召喚し、周囲のアバドンたちを足止めする。
 ついでに、近くにいる客たちが逃げないように捕縛している。
 客たちの悲鳴を聞き流して、トトは安堵の息を吐いて傍らに立つ冬季へと声をかけた。

「あ、脚は止めました、ので! 冬季さん、あとはお願いしますっ!」
「よろしいでしょう。これは蜃が吐く気が見せる夢の世界。
 貴方達に極上の悪夢を見せて差し上げよう」

 冬季が朗々と詠み唱えるのは、《宝貝・蜃夢(パオペエ・シンム)》。
 それは、戦場内を蜃が見せる夢の中の封神武侠界に交換するユーベルコード。
 この仙界の内では、【攻撃には宝貝のみ使用可能】という法則が働き、違反者は行動成功率が低下するのだ。
 すでに行動が完了しているトトは影響を受けることなく、突如として異なる世界へと招かれたアバドンたちへと、冬季は嗤って攻撃を叩き込む。

「私の雷公鞭は宝貝です。黄巾力士は全ての装備もその存在すらも宝貝です。
 では、始めるとしましょうか」

 隔離された世界の中で、冬季と『黄巾力士』がアバドンたちを蹂躙していく。
 空から降り注ぐのは、鋼鉄製の多節鞭『雷公鞭』から放たれる雷撃と、飛行時に発生するソニックウェーブで無差別に広範囲を攻撃する『飛来椅』で飛ぶ『黄巾力士』の攻撃だ。
 黄巾力士専用の銃器型自作宝貝『金磚』の光線や弾幕が、『黄巾力士』の砲頭からの砲撃が、次々にアバドンたちを無差別に破壊していく。

『《淘汰圧への反逆》を起動する!』『反撃、反、撃、撃、げげげ……!』
「無駄ですよ。どんな努力も無駄な世界があるとお知りなさい」

 アバドンたちが《淘汰圧への反逆》を駆使して耐え凌ごうと試みるも、多少身体が硬くなったところで宝貝による鎧を無視する貫通攻撃は防げはしない。
 回避をしようにも、トトの鎖に拘束されているために移動することすらままならない。
 反撃のために荷電粒子砲を『黄巾力士』に向けようと、《宝貝・蜃夢》の法則により行動成功率が低下してしまう。
 いくら攻撃力と勝負勘が上昇しようにも、ぎこちなくなった動きでは空中機動を見せる『黄巾力士』を捉えることは叶わない。
 敵対者からの意識を向けられている状態の継続時間に比例してどれだけ各種機能が上昇しようとも、関係ない。
 アバドンたちは一切の抵抗も許されず、為すすべなく蹂躙されていく。

「わわわ! すごいです!」
「攻撃力が上がろうが移動力が上がろうが、宝貝でない限り攻撃出来ない。仙の使う禁術とは、そういうものです」

 やがて、蜃が見せる夢が解け、再びセントラルの廃都へと戻ってきたとき。
 そこにいたアバドンは一機残らず撃破されており、オブリビオンマシンをけしかけた客たちは鎖に縛られ恐怖に竦み上がっていた。
 嗤う冬季と喜ぶトトは、『アスラ』と『ゲート』にその実力を披露したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

兎乃・零時
アドリブ絡み歓迎

ふぅん、力づくでこようってのか?
力は一度しっかりその眼にやきつけたが、それでも来るんだな?
ふふん、だがその勢いは嫌いじゃねぇぜ!!

パル、スパルタンの方を頼む!護衛でも…動かしても良い、お前と俺様は繋がってるし、其処からの遠隔起動はやろうと想えばやれる!

人の身ならばいざ知らず、今の俺様は神の身だ!結果は其れこそ、|神《俺様》のみぞ知るって奴だぜ!
さぁて、初陣と行こうぜスパルタン!

UCで桜魔の魔術を起動し神櫻の花弁でアバドンを牽制しつつ、時に植物の蔓で敵を地に縫い留め、時に夢想の魔人と共に夢想の術式で迎撃
そして桜魔の術式を用いて一気に竜を呼び出してぶっ飛ばす!
ぶっぱなして乞うぜ!!


防人・拓也
愛機であるグラントゼロに搭乗。
「ここからは荒事だな。ついでに実力も俺が主として相応しいかどうか、アイリスに示しておかないと。という事で、君はちょっと下がっていてくれ」
とアイリスに指示する。
『え? 私の出番は無いのですか?』
急にアイリスが若い女性の声で普通に喋ったので、目を点にしながら
「…君、普通に喋れたのか?」
と聞く。
『はい、巨神ですので。嫌な主が来ないように、普通に喋らないようにしていました』
「…分かった。なら、これからは普通に喋ってくれ」
『分かりました、マスター』
「…さて、始めるか」
指定UCを発動し、GZフィン・ファンネルを射出。ビームライフルやバズーカなどの攻撃を交えて、敵の群れにオールレンジ攻撃を繰り出す。敵の攻撃はシステムの未来予測や自身の気配感知、第六感などを駆使して避けたり、シールドで防ぐ。
もしアイリスに敵の攻撃が飛んだ場合はファンネルを4基使って三角錐のバリアを形成し、守る。
「俺が見ていないと思ったら大間違いだ」
と言い、アイリスを攻撃した奴らを蹴散らす。
アドリブ・連携可。



●巨神の前に立つ勇士たち。

 巨神を諦めきれない客たちが、自分たちのオブリビオンマシンに猟兵たちから巨神を奪い取れと命令する。
 命令を受諾した対キャバリア用量産型機械歩兵『アバドン』が集団を形成して、猟兵たちに向かっていく。

「ここからは荒事だな」
「ふぅん、力づくでこようってのか?」

 防人・拓也は愛機であるキャバリア、XMECX-93-GZ『グラントゼロ』に搭乗し、襲い来るアバドンの軍勢を見据えている。
 『グラントゼロ』の近くでは、兎乃・零時が選び選ばれた巨神『スパルタン』に乗ることなく『藍玉の杖』を手に仁王立ちしている。
 高周波ブレードを展開して威圧する緑色の小型オブリビオンマシンたちの群れにして、二人の猟兵は自然体で待ち構えていた。

「力は一度しっかりその眼にやきつけたが、それでも来るんだな?
 ふふん、だがその勢いは嫌いじゃねぇぜ!!」

 零時は式神『紙兎パル』を『スパルタン』のもとへと送り込む。
 事前に確認していた事柄通りならば、零時と相性の良い『スパルタン』ならば、パルを通して遠隔からの指示を飛ばすことができるのだ。

「パル、スパルタンの方を頼む!
 護衛でも……動かしても良い。お前と俺様は繋がってるし、其処からの遠隔起動はやろうと想えばやれる!」
「ついでに実力も俺が主として相応しいかどうか、アイリスに示しておかないと。
 という事で、君はちょっと下がっていてくれ」
『え? 私の出番は無いのですか?』

 零時がパルに指示を出したように、拓也も『アイリス』に指示を出す。
 すると、女性の音声が返って来た。
 急に巨神が、『アイリス』が若い女性の声で普通に喋ったのだ。
 零時が驚き目を瞠る中、拓也は目を点にしながら『アイリス』へと問い返す。

「……君、普通に喋れたのか?」
『はい、巨神ですので。嫌な主が来ないように、普通に喋らないようにしていました』
「えっ。……スパルタンも喋れるのかな……?」

 今、驚愕の事実が発覚した。
 セントラルの巨神たち、喋れた。

「……分かった。なら、これからは普通に喋ってくれ」
『分かりました、マスター』
「……さて、始めるか」
「ああ! それじゃ、初陣と行こうぜスパルタン!」

 拓也と零時は、眼前に溢れるアバドンの群れに向けて、ユーベルコードを展開していく。

「人の身ならばいざ知らず、今の俺様は神の身だ!
 結果は其れこそ、|神《俺様》のみぞ知るって奴だぜ!」

 《|龍櫻樹鎮羽織螺界皇《桜魔呪術式・極式》(リュウオウジュシンハオラカイオウ)》。
 先程披露した、『スパルタン』に認めさせた零時の圧倒的な力。
 その威に、アバドンのみならず物陰に隠れている客たちの腰が砕けて逃げられなくなっている。
 それでも、移動を阻止されながらも命令を遂行しようと駆け寄るアバドンを牽制するべく、零時は桜魔の魔術を起動して神櫻の花弁を戦場全体に展開する。
 《滅ぼすもの》による鋭利な斬撃は花弁に遮られ零時たちに届く前に威力を損ない、その隙に地面から伸びた植物の蔓でアバドンの脚を地に縫い留めていく。
 行動を妨害されたアバドンに降りかかるのは、『グラントゼロ』の攻撃だ。

『《GRANT ZERO SYSTEM、Standby!』
「蹴散らして行こう」

 拓也自身が操縦する『グラントゼロ』。
 そのシステム音声が響き渡ると共に、ジェネレーター内蔵式のオールレンジ攻撃兵装『GZフィン・ファンネル』が射出される。
 常人では操作が難しいこの兵器も、システムの未来予測による攻撃精度や回避力とシステムの強化による機動力や反応速度が増強されている『グラントゼロ』と拓也でならば、扱いは難しくはない。
 拓也は『グレネードランチャー』や『高出力ビームライフル』、『280mmハイパーバズーカ』といった射撃武器を巧みに使い分け、多彩な射撃攻撃でアバドンの群れにオールレンジ攻撃を繰り出していく。
 前後左右に上方だけでなく、地面を這った『GZフィン・ファンネル』による下方からのレーザー射撃も交えた、文字通りの全方位攻撃である。

『グギギギ……』『命令、遂行……遂行……!』『了承、ヤッチマイナー!』

 攻めることも逃げることもままならないアバドンたちは、それでも持ち主の命令を遂行するべく捨て身の突撃を敢行する。
 数機のアバドンが同型機体の脚部を切り落とし、『グラントゼロ』の背後にいる巨神たち……『アイリス』と『スパルタン』に向けて投擲する。
 損傷し、高周波ブレードを構えた上半身だけになったアバドンたちは機体重量が軽量化され、その威力が著しく向上している。
 直撃すれば、いや掠りさえすれば、巨神の装甲を切り裂いて甚大な損傷を与えるだろう。
 そう……届きさえすれば。

「俺が見ていないと思ったら大間違いだ」
『任、務……!』

 だが、それは未来予測をしていた拓也によって阻まれる。
 ファンネルを4基使って生み出した三角錐のバリアに守られ、『アイリス』にも『スパルタン』にも、《滅ぼすもの》の余波の風すら届かない。
 バリアに阻まれたアバドンは地面に落ちる前に『グラントゼロ』の『90mmバルカン砲』に貫かれ、機能を停止した。

「『アイリス』には塵一つ届かせはしない」
「ありがとよ、拓也! さぁて、ぶっ放してこうぜ!!」

 零時は拓也と『グラントゼロ』がアバドンたちと戦っている間に、その身に宿した夢想の魔人と共に夢想の術式を練り上げ続けていた。
 十分に高まった魔力をたっぷりと籠めて、桜魔呪術式を用いて一気に『櫻の龍』を呼び出した。
 もはや、撤退することも回避することもできない、あらゆる移動を阻止されたアバドンたちは零時の渾身の魔術に飲み込まれる。
 視界に収まっていたアバドンたちが桜色の光に一掃された。
 勝利を確認しながらも、見晴らしの良くなった戦場で拓也と零時は警戒を怠ることなく待機する。

「状況確認。アバドンへの対処は遂行した」
「へへっ、これが俺様たちの実力さ!」

 冷静に佇む拓也と自信たっぷりに胸を張る零時。
 二人の雄姿を見届けた『アイリス』と『スパルタン』が、その胸中で如何なる想いを抱いていたのか。

『素晴らしいです、マスター』
『――――――』

 どうやら、誇らしげに称賛を送っているようであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

久遠寺・遥翔
アドリブ連携歓迎

「へぇ、いいのかよ? 力尽くってなったら俺達の領分だぜ?」
いつも通りイグニシオンで蹂躙してもいいが、せっかくだ
ラクスの初陣と行こうかね
イグニスも焔は使うから休めると思うなよ?

レヴィアラクスに[騎乗]してオーバーロード
からの開幕UC、イグニスの力で全ての敵を攻撃し続ける黒い焔と全ての味方を癒し続ける白い焔の領域を展開
「この戦場全てが俺達の庭だ!」

全体攻撃の持続ダメージでは速攻性は見込めない
ここからはラクスの出番だ

[地形の利用]により加速しながらの[ダッシュ]で戦場を駆け巡りながら
[心眼]で最も効果的に多数を蹂躙できるポイントを[見切り]
ピンポイントで高出力のビームライフルを撃ちこみ薙ぎ払う[範囲攻撃]で攻め立てる
極力敵の増援が来る前に殲滅を心掛けるけど増援が来たらその瞬間を見計らって[2回攻撃]
残った群体のブレードと荷電粒子砲は[第六感]を駆使して虹色の[残像]を残しながら回避だ

「乗りこなす前ならやれるって誰か言ってたっけ? 悪いがそのフェーズはとっくに終わっていたのさ!」


ハル・エーヴィヒカイト
アドリブ連携○

▼心情
アバドン……同じ名を持つ竜を知っているが特に関係はなさそうだ
侮るつもりはないがこのままでも斬れない相手ではないだろう
まずは私のいつも通りの戦いをキャリブルヌスに記憶してもらおう

▼戦闘
キャリブルヌスは自衛モードで待機
教師のように教えながら戦う

[結界術]により剣を内包した領域を展開
敵機は勿論、客のうちテロリストと思われる連中の位置を[心眼]により把握
範囲攻撃に巻き込みつつ戦闘後に余裕があれば捕縛を試みよう

領域に内包された無数の刀剣を[念動力]で操り[乱れ撃ち]
降り注ぐ刀剣による[範囲攻撃]でアバドンの群れと巻き込まれテロリストを薙ぎ払う
この時にUCのキーとなる黒剣を戦場を取り囲むように紛れさせる

敵からの攻撃は[気配感知]と[心眼]により[見切り]
刀剣で[受け流し]、[カウンター]を叩き込む

敵がこれらの戦術に慣れた頃を見計らいUCを起動
味方には一言声をかける
「すまない、ちょっと下がってくれ。あぁ、それでいい。滅ッ!」
皆歴戦の猟兵だ、きっと巻き込まれずに避けてくれることだろう



●巨神を伴う黒き双剣。

 対キャバリア用量産型機械歩兵『アバドン』。
 悪意ある客たちが嗾けた小型オブリビオンマシンの群れは、猟兵たちの活躍により順調にその数を減らしていた。
 残存する個体たちは集結し、猟兵たちを殺害するという命令に殉じて真正面から猟兵たちへと向かっていく。
 その光景を、二人の猟兵は余裕をもって見つめている。

「へぇ、いいのかよ? 力尽くってなったら俺達の領分だぜ?」
「アバドン……同じ名を持つ竜を知っているが、特に関係はなさそうだ」

 久遠寺・遥翔とハル・エーヴィヒカイト。
 二人のキャバリア乗りはそれぞれ絆を結んだ巨神の上に立ち、迫る敵群を見下ろしている。
 湖に棲む者の名を冠する、あらゆる環境に適応する万能型の古の巨神、『レヴィアラクス』。
 内なる世界に招いた大いなる鋼、世界に内包した他の武器を再現して振るう古の巨神、剣の騎神『キャリブルヌス』。
 その強大な力に呑まれることも驕り高ぶることもなく、遥翔とハルは自然体で戦闘に臨もうとしていた。

「侮るつもりはないが、このままでも斬れない相手ではないだろう。
 まずは私のいつも通りの戦いをキャリブルヌスに記憶してもらおう」
「いつも通りイグニシオンで蹂躙してもいいが、せっかくだ。
 俺はラクスの初陣と行こうかね。……あ。イグニスも焔は使うから休めると思うなよ?」

 ハルは、『キャリブルヌス』を自衛モードで待機させ、自身の戦い方を教導するようだ。
 対する遥翔は『レヴィアラクス』に騎乗して、試運転と初陣を兼ねて行おうのだろう。
 二人は互いのスタンスを確認し合い、それぞれの獲物を携えて戦端を開く。


●真焔と絶剣の協奏界。

 追い詰められたアバドンたちは、ついに奥の手ともいえるユーベルコードを起動する。
 一機の敵、この戦場にて最も熱く燃え上がる存在である焔の機神『イグニシオン』を標的として定め、続々と同型の機体を出現させていく。
 《奈落の底より暴食の群れ来たれり》。
 時間が経過する度に、一度に数十機アバドンの数を増やす、無制限無尽蔵の増殖系ユーベルコードだ。
 一定の秒数ごとに出現するタイミングこそ決まっているとはいえ、放置してはこのセントラルの地は蝗害に覆い尽くされ、『イグニシオン』は集られることになるだろう。
 それ故に。
 『レヴィアラクス』に騎乗した遥翔はオーバーロードを行いつつ、速攻で決着をつけるためにユーベルコードを起動する。

「原初起動(イグニッション)。最先より在りし焔よ、醒めよ」

 戦場に、白と黒の焔が広がっていく。
 《真焔なる世界(プリミティブ・イグニッション)》。
 それは、戦場全体に原初の真焔結界を発生させるユーベルコード。
 敵には終焉の黒焔の攻撃を、味方へは再誕の白焔の回復を与え続ける、戦場を支配する焔。
 瞬く間にアバドンたちが、戦場にいるすべての敵性オブリビオンマシンたちが、黒い焔に包まれていく。

「この戦場全てが俺達の庭だ!」

 イグニスの力で全ての敵を攻撃し続ける黒い焔がアバドンたちを焼いていく。
 今の遥翔とイグニスならば141分間は持続することができるのだが、全体攻撃による持続ダメージでは速攻性は見込めない。そう遥翔は予測していた。
 ゆえに、これは布石。
 遥翔の予測通りに、ダメージを必要経費と割り切った複数のアバドンたちがイグニスの黒焔に包まれたまま捨て身の特攻を試みる。
 両肩に装備された高周波ブレードを展開し、急加速による斬撃を叩き込もうと疾走する。

『計測……損害、許容!』『突撃吶喊捨て身タックル、ヨシッ!』
「よしではないな」

 だが、切り刻まれたのはアバドンであった。
 アバドンたちを切り裂いたのは、無数の刀剣。
 ハルの結界術により、剣を内包した領域を展開していたのだ。
 ハルの前に張り巡らされた不可視の領域に踏み込んだアバドンたちが、次々に自ら切り刻まれていく。

「境界形成。今はまだ、ユーベルコードを使う時ではない」
『なん……だと……!』『警戒! 警戒! 敵のサイキック兵器と予測!』

 敵の動きを心眼により見切り、気配を感知して狙い済ませ、そっと刃を添えるだけ。
 ハルはアバドン自身の出力を利用して、自分から切り刻まれに行くように配置したのだ。
 そして、ハルの結界は|それ《アバドン》だけではおさまらない。

「なっ!? これは、剣のバリアだと!?」「やめてー! しにたくなーい!」
「抵抗しなければ不必要な血は流れないだろう」

 ハルは客の中で特に危険であろうテロリストと思われる連中の位置を心眼により特定し、把握して覆い囲んでいる。
 結界領域の範囲に巻き込み逃走を防ぎつつ、戦闘後に余裕があれば捕縛を試みるための隔離処置だ。
 念動力で操られ、縦横無尽に降り注ぐ刀剣。
 その乱れ撃ちに、遥翔とハルに近づこうとしていたアバドンたちは薙ぎ払われていく。
 余波でテロリストと思われる客も衝撃を受けてノックアウトされている。

「……さて、仕込みは良し。遥翔、頼む」
「ああ! 出番だぜ、ラクス!」

 結界により進行を阻まれたアバドンたちが刀剣を警戒しつつ、《奈落の底より暴食の群れ来たれり》により数を増やす作戦に出た。
 その|秒数《クールタイム》を確認して、遥翔は行動を開始する。
 遥翔の操縦のもと、『レヴィアラクス』は廃墟というセントラルの地形を存分に利用してアバドンたちのセンサーをかい潜り、人のいない道路を加速しながら戦場を駆け巡って、その身に宿した心眼で最も効果的に多数を蹂躙できるポイントを見切った。

 目当ての位置に到達すると素早くビームライフルを構え、ピンポイントで高出力の狙撃を開始する。
 アバドンたちが反応する余地のない高速連射。扇状に薙ぎ払うように放たれる光線で、『レヴィアラクス』は的確に攻め立てる。

『被だンっ!?』『狙撃!? 警戒、狙撃警戒!』『軌道予測、反撃を実行する!』
「乗りこなす前ならやれるって誰か言ってたっけ? 悪いがそのフェーズはとっくに終わっていたのさ!」

 遥翔たちが狙い撃つのは、アバドンの《奈落の底より暴食の群れ来たれり》によって出現してきた増援だ。
 出現するパターンを予測し、召喚に応じて現れるその瞬間を見計らっての、連続攻撃。
 すなわち、リスポーン・キルの要領で、出現直後の無防備なアバドンたちを撃破していく。
 結界に阻まれたアバドンたちはブレードを振るうことができず、只管に額に内蔵された荷電粒子砲による集中砲火で反撃するが、遥翔と『レヴィアラクス』は第六感でその砲撃を回避する。
 アバドンたちの荷電粒子砲は、虹色の残像しか貫けない。

「……よし。遥翔、準備は整った」
「わかった! やってやれ、ハル!」
「あぁ。―――よく見ておくんだ、キャリブルヌス」

 そして、遥翔と『レヴィアラクス』がアバドンの意識を引き付けている間に、ハルは戦場を取り囲む仕込みを完成させた。
 それは、結界の中で五月雨のように降り注いだ刀剣の中に紛れ込ませていた、黒剣によるもう一つの領域。
 命無きアバドンたちだけが効果範囲に取り残されていることを確認して、ハルは一切の遠慮をすることなくユーベルコードを起動する。

「この刃は我が後悔の具現――集いて喰らえ、殲びの黒剣。―――滅ッ!!」

 《絶剣・無想滅華(ゼッケン・ムソウメッカ)》。
 起動コードとなる「滅」の言葉を合図に、予め仕掛けておいた複数の黒い剣で囲まれた内部へと、空間を埋め尽くす程の刃の花を咲かせる極光を落とすユーベルコードだ。
 その刃は、内側にいる対象へと極大ダメージを与える必殺技だ。

 たとえ数十体の同型の機体が現れようとも、敵対者からの意識を向けられている状態の継続時間に比例してアバドンの移動力・攻撃力・身体硬度・勝負勘を上昇させる《淘汰圧への反逆》が機能していようとも。
 無差別に降り注ぐ幾千万の刃の花弁は、内側にいる存在すべてを磨り潰す。
 アバドンたちは断末魔も残さず削り去り、跡形もなく消していく。

『ッッッ!』『…………!』『~~~!』
「……まずは、ひと段落か」
「お疲れー」

 ほどなくして、オブリビオンマシン『アバドン』は一片の残骸もなく殲滅された。
 ハルの領域の中で捕縛されていた客たちは、その圧倒的な光景を目の当たりにして気を失っている様子だ。
 斯くして、『巨神』を狙っていた者たちは蹴散らされ、残るは最後の敵を叩きのめすだけとなった。
 遥翔がイグニスの白い焔の領域を展開して、(ほとんど全員無傷ではあるが)負傷した他の猟兵や損傷したキャバリアの傷を癒していく。
 この後に姿を見せるだろう……『巨神』を発掘して売り払おうとしたKFCのテロリストたちとの戦いに備えて。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『オーヴァードーズ』

POW   :    覚醒の緑
自身の【搭乗者の正気】を乱す。搭乗者は【正気度】を代償に、【意識が研ぎ澄まされ、グリーン・デイ】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【ビームと実弾の雨】で戦う。
SPD   :    豊穣の黄
自身の【搭乗者の正気】を乱す。搭乗者は【正気度】を代償に、【強い高揚感を覚え、メロウ・イエロー】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【高速機動とブレイド】で戦う。
WIZ   :    耽溺の褐
自身の【搭乗者の正気】を乱す。搭乗者は【正気度】を代償に、【戦闘に多幸感を覚え、ブラウン・シュガー】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【強力なパワーとロケットハンマー】で戦う。

イラスト:草間たかと

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はウラン・ラジオアイソトープです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●断章:|鋼鉄の騎士《キャバリア》たちの|存在理由《レーゾンデートル》。

「そこまでだ、猟兵たち!」「羽振りの良い客と思っていたが、よもや猟兵だったとは!」「ならば巨神は渡せないな、クーリングオフしてもらおう!」

 オブリビオンマシン『アバドン』の群れが蹴散らされ、悪しき目論見から『巨神』を求めて集まった客たちもほとんどが捕縛された末に、落ち着きを取り戻した旧パシフィック宗教国・リーグ領の古都、セントラル。
 『巨神』たちとの交流も重ねて絆が深まっただろう猟兵たちの前に、隠れて潜んでいた今回の事件の主犯たちが姿を見せる。
 KFC、『|クロムキャバリアの騎士《Knights From Chrome cavalier》』のテロリストであるロボットヘッドたちだ。

「我ら、オステンシュロス共和国から流れてきた『|大尉《キャプテン》』三人組!」
「キャプテン・ブラボー!」「キャプテン・レックス!」「キャプテン・ツバサ!」
「「「三人合わせて、BLTトリオ!」」」

 サンドイッチのようなチーム名を高らかに叫び、ポーズを決める三機のロボットヘッドたち。
 その動作が合図だったのか、三体のオブリビオンマシンがどこからともなく現れて、彼らと合体する。
 『オーヴァードーズ』。
 グリーン・デイ、メロウ・イエロー、ブラウン・シュガーという三位一体のオブリビオンマシンの中から、ロボットヘッドたちが口上を上げている。

「我々は偉大なる『|大佐《カーネル》』サンダース様のために、この軍資金をお届けするつもりだったのだがな!」
「製造段階で精神汚染済みという|異常《バグ》のせいで故国を放逐された我らを拾ってくださった大いなる恩!」
「それを返すこの抜け駆けに、ボーナスタイムの好機到来! 猟兵たちに勝利したという戦果を手土産にしてくれよう!」

 と、ポーズを決めながら臨戦態勢を整えているが、それはさておき。

 猟兵たちを主と定めた『巨神』たちが、各々の手段で猟兵へと意思を伝達する。
 それは、『古代武装』の解放を可能とするメッセージ。
 猟兵たちの在り方や戦い方を見定めて、信頼した『巨神』たちがその機体に宿すあまりにも強大な力を明かすことを是としたのだ。

 あるものは、鋼を溶かし森林を瞬時に焼き尽くす光学兵器。
 あるものは、鋼を切り裂き大地を両断する鋭利すぎる刃。
 あるものは、鋼を砕き頑強な岸壁すら崩落させる武器。
 あるものは、鋼を貫き湖沼の水底すらも穿つ貫通弾。
 あるものは、あるものは、そしてあるものは……。
 いずれも、尋常ではない破壊力を有する兵器だ。

 無暗に振るえば敵のみならず味方を、都市を、世界を傷つけ壊してしまうほどの、圧倒的な力だ。
 何故そのような武装を搭載しているのか。何の為にそれほど強大な兵器を必要としたのか。
 その応えは、『巨神』たちからは得られない。
 この大いなる力を扱う際は注意しなければならないだろう。もしかすると、使用しない方が良いのかもしれない。
 それでも。
 『巨神』に認められた猟兵たちが、制御することができると判断するのであれば。
 その力を、正しく使うことができるのであれば……。
 

 ※KFCのテロリストが操縦するオブリビオンマシン、『オーヴァードーズ』との戦闘です。
  三位一体のオブリビオンであり、ロボットヘッドたちの技量と生まれてから培ってきた連携も合わさり強力です。
  第一章で認められた『巨神』の力、『古代武装』を借りることができれば、有利に戦うことができるでしょう。
  『古代武装』の形状や効果、名称などは個体によって異なるため、ご自由に設定してもらって構いません。
  ただし、『古代武装』は濫用すると危険であることには留意してください。
  プレイングボーナスは、『『巨神』の有する古代武装を制御すること』ですが、今はまだ制御することができそうにないと判断された場合には、無理に使用する必要はありません。たぶん数の暴力で勝てます。
  皆様、よろしくお願いいたします。
御園・桜花
「此れは…地上で運用するのは、かなり難しそうですね?」

古代兵装
キャバリア用大型アームドフォート(宇宙空間用)
クローアーム
長距離支援砲
巨大ブースター
複数のサイドスラスター
各種ブラスター
等を搭載
地上での運用も出来なくはないが、其の場合は高速飛行前提の為、殲禍炎剣の無差別砲撃に曝されると言うオチが付く

「此れは私と一緒に異世界で宇宙空間に到達してから使いましょう。今回は私と一緒に戦って下さいな」

敵に吶喊し接敵した瞬間にUC「幻朧桜召喚・残花」
敵の動きを止めて敵の腕をガンガン殴ってロケットハンマー奪い其の儘時間ギリギリまで敵をロケットハンマーで乱打
制限時間前にUC切り第六感で敵の攻撃躱しつつ更に乱打続行


鳴上・冬季
古代武装
胡蝶双刀八斬刀
短く幅広で槍や鉄槌の攻撃を受け止められる頑丈さを持ちほぼ鈍器扱い
「人が八斬刀を振り回すのは筋力的に難しそうですが、巨神なら出力的に可能かもしれません。…ふむ、なかなか面白そうです」
「これも自傷なり味方を殺傷するなりしないと代償が発生するタイプでしょうか」

ビームと実弾の雨を仙術+功夫の縮地(短距離転移)で回避し接敵
掌底打ち
直蹴り
回し蹴り
のコンボから
掌底打ちを八斬刀での打撃または斬撃に切り替え攻撃
自傷なり他の猟兵への攻撃衝動は高い意思力で押さえ込む

「八斬刀での戦闘なら、ブラウン・シュガーが最も向いていたでしょうが。銃器との近接戦闘はアスラも楽しみでしょう?」
嗤う


ベティ・チェン
「大剣だったら、ボクは使いやすい、けど。偽神兵器ならもっといい、けど。でも、この世界に偽神兵器はない、よね…」

古代兵装
脳波対応オールレンジ用無線ビーム兵器(複数)
(ビ○トとかフ○ンネル的なもの(笑))
エネルギー供給は本体からチャージのため長時間稼働不可だが本体に再収容すれば再使用可能
操縦者への負担は凄まじく元々ストームブレイドのようなデザインヒューマンでないと扱えない
「認識しづらい、アンブッシュ装備…」
「見えない腕10本、動かす」
「頭、痛い…鼻血、出た…」

「ドーモ、トンガリ=サン。ベティ、デス。ゴートゥ・アノヨ!」
素の能力値で高速対応
UC被弾で敵の動きが乱れた一瞬だけ古代兵装を追撃に使用



●三者三様の開戦支度。

 三位一体のオブリビオンマシン『オーヴァードーズ』の登場を前に、猟兵たちは各々の『巨神』たちと意思疎通を行っている。
 それは、この戦いと……これからの戦いに用いるだろう『古代武装』の確認のためである。
 迫る敵に対応するべく、いち早く動き出した三人の猟兵が、緒戦を開始するべく仲間たちの前に出ていく。


「古代兵装……此れは……地上で運用するのは、かなり難しそうですね?」

 御園・桜花の目に、『花燕』が搭載する古代武装のリストが映し出されている。
 キャバリア用大型アームドフォート、クローアーム、長距離支援砲、巨大ブースターに複数のサイドスラスターと各種ブラスター等々……。
 大気圏を離脱した先、宇宙空間での運用を前提とした脅威的な兵装の数々であった。
 地上での運用も出来なくはないが、その場合は高速飛行が前提となるため|殲禍炎剣《ホーリー・グレイル》の無差別砲撃に曝される可能性が非常に高い。
 それ故に、桜花は微笑みながら各種兵装を閉じ直す。
 今回は古代武装を使用せずに戦おうと判断して、桜花は『花燕』を操縦する。

「此れは私と一緒に異世界で宇宙空間に到達してから使いましょう。今回は私と一緒に戦って下さいな」
『――――――』

 『花燕』が応諾の意を告げて、桜花と『花燕』は戦闘準備を整えた。


「人が八斬刀を振り回すのは筋力的に難しそうですが、巨神なら出力的に可能かもしれません。……ふむ、なかなか面白そうです」

 コックピットの中で鳴上・冬季は嗤い、『闘神アスラ』の所有する古代武装を確認した。
 それは短く幅広で巨大な白兵武器。
 槍や鉄槌の攻撃を受け止められる頑丈さを持つ、ほぼ鈍器として扱われる双つの刀。
 『胡蝶双刀・八斬刀』だ。

「これも自傷なり味方を殺傷するなりしないと代償が発生するタイプでしょうか」

 一見すると巨大な刀でしかない『八斬刀』から尋常ならざる気配を感じつつも、試すのもまた一興かと冬季は嗤う。
 冬季は『アスラ』と共に、『オーヴァードーズ』との間合いを計っていく。


「大剣だったら、ボクは使いやすい、けど。偽神兵器ならもっといい、けど。
 でも、この世界に偽神兵器はない、よね……」
『――――――』

 通常の武装であれば、キャバリアに詳しい方に依頼して偽神兵器と化した武装を用意してもらえるかもしれないが……ベティ・チェンの問いかけに、『スペランサ』は申し訳なさそうに古代武装を開示する。
 それは、パイロットの脳波に対応して稼働するオールレンジ用無線ビーム兵器群。
 『ビ○ト』や『フ○ンネル』と称されることのあるドローンだ。

「認識しづらい、アンブッシュ装備……見えない腕10本、動かす……」

 エネルギー供給は『スペランサ』本体からチャージするために長時間独立して稼働することは不可能だが、本体に再収容すれば再使用可能な代物である。
 だが、パイロットの脳波によって複数の兵器を同時に運用するという性能は、操縦者へ凄まじい負担を強いることになる。
 生身の身体に存在ない複数の腕を動かすような違和感を、キャバリアを操縦しながら行わなければならないのだ。
 遺伝子操作によって作られたアンサーヒューマンのような……あるいは、ストームブレイドのようなデザインヒューマンでないと扱えないだろう。

「……だから、ボクには扱える」

 ベティは毅然と顔を上げ、『スペランサ』を操縦して戦闘態勢に入る。
 彼女たちの戦い方は、剣だけではないのだと見せるために。


●三位一体対三竦三人組。

 他の猟兵たちと巨神に先んじて前に出た、『花燕』『アスラ』『スペランサ』。
 三機に向けて、『オーヴァードーズ』は陣形を構築して突撃を開始する。

「まずはあの三体からだ!」「行くぞ、ブラボー! ツバサ!」「オーヴァードーズアタック!」

 研ぎ澄まされた意識で後方からビームと実弾の雨を放つ、《覚醒の緑》。
 高揚感から恐れ無き高速機動からのブレード攻撃を敢行する、《豊穣の黄》。
 戦闘に多幸感を覚えることで強力なパワーとロケットハンマーで突撃する、《耽溺の褐》。
 褐色、緑色、黄色の順番に向かってくる三体のオブリビオンマシンは、正気を乱されているとは思えないほど息の合った連携だ。製造段階で狂っていたからヨシッ。
 搭乗者の正気度を代償にして振るわれる強力なユーベルコードと、一糸乱れぬ連携攻撃。
 そのまま待ち受ければ、殴られ、撃たれ、切られることになるだろう。
 ゆえに、桜花は『オーヴァードーズ』に吶喊する。

「この数瞬を稼ぐ事には意味があります。幻朧桜と私の願いが貴方の願いを磨り潰します」

 戦闘のブラウン・シュガーに接敵した瞬間に、桜花はユーベルコードを起動する。
 《幻朧桜召喚・残花(ゲンロウザクラショウカン・ノコリバナ)》。
 桜花が召喚した幻朧桜の林から戦場内に全域に桜吹雪を放出するユーベルコードだ。
 戦場内全てのオブリビオンとその眷属、そしてその行動を無力化する強力な桜吹雪が『オーヴァードーズ』を包み込む。

「桜吹雪だとっ!」「まずい……! 視界が桃色になってしまう!」「ここにピンク何某はいないんだ!」
「ごめんなさい、お借りしますね」

 幻朧桜の花びらに視界を遮断されて動きを止めたブラウン・シュガーに『花燕』が襲い掛かる。
 至近距離に取りついてその腕をガンガン殴り、緩んだ手からロケットハンマーを奪い取ると、そのままロケットハンマーを振りかぶって延々とブラウン・シュガーを乱打していく。
 戦闘に多幸感を抱く《耽溺の褐》のせいで、キャプテン・ブラボーは逃げることなく殴られ続けている。

「ああっ! アアーッ! ブラボー、おお! ブラボォ!」
「まずい、ブラボーがやられる!」「そうはさせ、ぐぅ! この桜吹雪でうまく動けない!」

 そして、桜吹雪により『オーヴァードーズ』の連携に乱れが生じたその一瞬の隙を突き、ベティと『スペランサ』がメロウ・イエローに、冬季と『アスラ』がグリーン・デイに、それぞれ肉薄する。

「ドーモ、トンガリ=サン。ベティ、デス」
「くっ! ドーモ、ベティ=さん! キャプテン・ツバサです!」

 『スペランサ』は素の機体性能で、行動を無力化されているメロウ・イエローの高速機動に対応し、圧倒する。
 メロウ・イエローを押し込んで桜花や冬季と150mは距離を取った頃合いを見計らい、『スペランサ』の基本装備でメロウ・イエローのブレードと鍔迫り合いを行い、脚を止める。
 その瞬間、ベティはユーベルコードを放った。

「ゴートゥ・アノヨ!」
「アイエエーッ!?」

 《人狼咆哮》。
 激しい咆哮を放ち、自身から半径138m以内の全員を高威力で無差別攻撃する人狼の誇るユーベルコード。
 至近距離でベティの咆哮を一身に浴びたメロウ・イエローは、その中にいるキャプテン・ツバサはひとたまりもなく。
 敵の動きが乱れた一瞬だけ、ベティは古代兵装を追撃に使用する。
 十本のビーム兵器が射出され、四方八方からメロウ・イエローを打ち貫いていく。

「アバーッ!」
「……頭、痛い……鼻血、出た……」

 だが、そのほんの僅かな運用で、ベティ自身に多大な負荷がかかった。
 習熟せずに濫用すれば倒れるかもしれない。
 流れ出る血を拭いつつそう判断して、ベティは深追いをすることなくメロウ・イエローに痛打を与えるだけに留めた。


「八斬刀での戦闘なら、ブラウン・シュガーが最も向いていたでしょうが。銃器との近接戦闘はアスラも楽しみでしょう?」
「接近戦で射撃ができないと思ったか! やってやるよミスター!」

 まともに行動できないながらも狙いを定めて放ったグリーン・デイのビームと実弾の雨を、『アスラ』は冬季の仙術と功夫を組み合わせた|縮地《短距離転移》で回避する。
 『アスラ』の虚をつかれたグリーン・デイが狼狽えている間に、冬季は敵機の懐へと入り込み、『アスラ』の手による《千日仙手(センジツセンシュ)》を叩き込む。
 まともに防御も回避もできないグリーン・デイに、掌底打ち、直蹴り、回し蹴りのコンボが叩き込まれていく。

「ぐわああああ!」
「さて。どうなりますかね」
「ぎゃああああ!?」

 それは倒れるまで続くかに思われたが、冬季は掌底打ちを八斬刀での打撃や斬撃に切り替えた。
 頑丈なはずのオブリビオンマシンの装甲に、容易く傷が刻まれる。
 林檎を叩き潰すように、バターを切るように、あまりにも簡単で……そして麻薬のような心地よさが沸き上がる、古代武装の破壊力。
 それを目の当たりにして、冬季は強い意思力で衝動を押え込んだ。
 意志薄弱な輩がこの力を振ったならば、その快感を味わうために無差別の暴虐を繰り広げることが想像できる。
 敵も、味方も、あるいは自分自身すらも傷つけることを厭わぬことになるだろう。

「……。なるほど、これは強い攻撃衝動。おそらく、繰り返すほどに強まるのでしょう。
 なかなかどうして……御し甲斐がありますね」

 過剰な攻撃でグリーン・デイの中身を殺してしまわないよう、八斬刀のもたらす衝動を抑えながら冬季は嗤っていた。
 『アスラ』のもたらした古代武装をどのように扱うか、思案していた。


●三分未満の交戦結果。

「ふぅ。このくらいで十分でしょうか」「ああ……すごく幸せ……」

 そして、緒戦から二分強。
 戦いは猟兵たちの優勢で進んだ。
 桜花の《幻朧桜召喚・残花》は、一日に142秒以上使用すると死に瀕する強力なユーベルコードだ。
 なので桜花は制限時間に至る前にユーベルコードを解除する。そうしたことで、『オーヴァードーズ』の三機は機能を回復して慌てて距離を取っていく。
 一方的に攻撃を叩き込まれていたが、まだ戦闘を続ける意欲は残っているらしい。

「一時離脱するぞっ!」「まだだ、まだ終わらんよ……!」「お、おう……!」

 『花燕』『アスラ』『スペランサ』の三機を駆る桜花、冬季、ベティは遠ざかる敵を追撃することなく見送った。
 古代武装を使わず、あるいは使い慣れていないことで安全を優先したようにも思えるが……三人が真っ先に交戦したことで時間を稼ぎ、残る猟兵たちが各々のキャバリアたちとの交流を済ませたことを知っているからだ。
 この後のBLTトリオの結末が、予測されているが故の余裕である。

「あら、あの方。ロケットハンマーを忘れておりますね? どうしましょう」
「さて。このあとはどう済ませるのか。見させてもらいましょうか」
「うん……みんな、がんばって……」

 圧倒的な破壊力によるテロリストの鎮圧が、間もなく始まる。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

防人・拓也
『マスター、私の古代武装を使いますか?』
「…どういう物なんだ?」
すると、アイリスは自身の右手に弓型の武器を召喚し、手に持つ。
『これが私の古代武装『神弓カラドボルグ』です。威力は調節できますが、通常の威力でも大きな山も削る事が出来ます』
「…なら、威力はアレの動きを止めれる程度で頼む。俺が前衛で君が後衛だ。背中を任せたぞ」
『畏まりました。マスター、ご武運を』
彼女とそう話して指定UCを発動。サイコゼロフレームから発生したサイコフィールドが機体を包み、緑色に光る。
「これが俺の…人々を守る為の光だ!」
そう言って交戦開始。ビームサーベルやビームライフルで応戦し、敵の攻撃は盾やサイコフィールドでガードする。
一方のアイリスはカラドボルグから光の矢を放ち、拓也を援護する。
『私がいる事もお忘れなく』
ただ、拓也を馬鹿にするような発言を敵がした場合は
『…マスター。生きる価値の無いアレらを処刑する許可を願います』
とドス黒い殺気を出しながら、威力を上げて消し飛ばそうとするが、拓也が急いで制止する。
アドリブ・連携可。


久遠寺・遥翔
アドリブ連携歓迎
「クーリングオフは客の権利であって強要できるもんじゃねえから!」
くそ、なんかおいしそうな名前しやがって。帰ったらフライドチキンパーティだ!

そんなわけで引き続きレヴィアラクスに[騎乗]、イグニシオンはいったん戦場から自動操縦で退避だ
相手の高速機動は[第六感]に任せる形で[残像]回避
近距離はビームブレード、中距離以上はコラプサーライフル(ロングレンジビームライフル)による射撃で迎撃する

え、なんだよラクス。古代武装?
撃てます?
頃合いです撃ちましょう?
つーか撃っちゃえ?
いや待てなんか嫌な予感する。撃つのはいいけど着弾点と影響範囲を予測して味方に通達
味方や一般人に被害は出さない瞬間を[見切]ってUC発射だ
……よし、やべーやつだ。しばらく封印!
コラプサーライフルはさっきまで同様通常モードで運用
あの球体消えるまで皆近寄らないように!
でも敵は容赦なく球体めがけて蹴り飛ばす
出てこれたらまた会おうぜ!

ふぅおしまい
イグニス、ちょっと先輩としてラクスに指導を頼むぜ。思ったよりやんちゃだこの子


アリス・フェアリィハート
アドリブ連携歓迎

【WIZ】

アストライア『アリス…私達もいきましょう…!』

私の巨神
『アストライア』さんが
自律機動し
若い女性のお声で
私に話しかけ

『アストライアさんも喋る事が…お話できるんですね…?』

アストライアさんは頷き

機体全身の余剰な装甲が
外れ

顔の
ロボットタイプの
フェイスマスクが外れ
人間の女性タイプの
素顔が露わに…微笑み

装甲ヘルムも脱ぎ
光輝く長い髪が靡き

身体も
女性らしい体型のボディで
ドレス型装甲を纏った姿に

『それが…本来のお姿…可憐です』

アストライアさんに
取込んで貰う様に搭乗

アストライア『私の古代武装の一つ…「剣」を』

敵の攻撃等
【第六感】【心眼】【残像】
【結界術】【オーラ防御】で
防御・回避

【武器に魔法を纏う】で
剣に強大な魔力を纏い
【なぎ払い】や
【斬撃波】【誘導弾】
で攻撃

アストライア『私の剣に、貴女の力を乗せて…!』

UCで
剣を
衝嵐に変え
敵に大打撃

(攻撃時
味方等巻き込まぬ様
【結界術】等で制御)

『本当に…凄い力…』

戦闘終了後

降機すると
アストライアさんは
人間サイズの
12~14歳程の外見の
少女の姿に


皇・絶華
(空間が歪み出現する機神

此処がさっちゃんの故郷たる世界か
何故か初めてな気がしないな!
「そうかもしれませんね…(主様と出会った冥界はこの世界の冥界ともいえるからな…)」

「つか…巨神シリーズとか…!神機シリーズのプロトタイプたる俺様が眠ってる間にイキってるのが沸いてるじゃねーか!」
さっちゃん
彼らは味方のようだぞ?倒すべき相手は彼方の様だが?
やはりまだパワーが足り(チョコ用意
「ぴぇ…!?わ、分かってますよ!」

しかし古代兵装と巨神の力を使った方がいいと言ってたが…
「俺もある意味巨神です!寧ろ王です!んなもんに後れなんぞ取りません!」

うん、やる気になってるのは良い事だ
では私も力を尽くすとしよう

尚、言い合ってる間にも敵機の観察は怠っていない
その動きと癖等も把握

UC起動

超高速で飛び回り緑に迫る勢いで襲い掛かった瞬間
転移して黄の傍に
鎌剣による連続斬撃で…その空間毎切り刻む
「教えてやる…時間と空間を制するこの俺こそが最強だってなぁ!俺こそが巨神の王って奴だ!」
ちゃんとロボットヘッドは不殺で捕らえるぞ


ハル・エーヴィヒカイト
アドリブ連携○

▼心情
主犯以外のテロリストはだいたい片付きあとは目の前の連中だけ
ならば今はこちらに専念できるというものだ
巨神には十分私の剣は伝えた
次は実践と行こう

▼戦闘
キャリブルヌスに[騎乗]する
彼は私の剣をキャバリアのスケール感で再現する
殺界を起点とした[結界術]により戦場に自身の領域を作り出し
内包された無数の刀剣を[念動力]で操り[乱れ撃ち]斬り刻む
敵の高速機動から繰り出されるブレードは[気配感知]と[心眼]により[見切り]
[霊的防護]を備えた刀剣で[受け流し]、[カウンター]を叩き込む
全て同じだ
ならば彼自身が持つ古代武装とはなんなのか

なるほど……機械文明を分解して自然に還す光
対キャバリア、対機械、対文明に特化した禁断の兵装
危険な力だが一度は肌で感じておくべきか

使用前に味方にも敵にも通告してからマント型の装甲を展開しUCを起動
「機械に生を委ねる者は念のため下がってほしい。命に関わるかもしれない。古代武装"妖精"を起動する」
セントラルの街にも極力影響を出さないよう短時間の発動にとどめよう


兎乃・零時
アドリブ連携可

っていうか実際スパルタンも喋れんのか?
『当然、私も喋れるとも』
なんか物静かな声…!

ってか古代武装…これ、杖取り込む感じじゃん
古代武装…杖の型式変形みたく魔術武器になる感じか
ん?なんで俺様の武器を組み込めるシステムが…?
『其方の技師に我らの技術に似たものを持つ者が居るのではないか?』

…ふーん?
まぁ良い…だったらどの道これも修行の一環、ギア全開で行こうじゃん!

パル、操作の援護宜しく!
スパルタン、文字通りの初陣、全開で行くぜッ!

UC展開、藍玉の杖Ⅳ型、Ⅴ型、常時解放―――敵が全力で来るんなら使える魔術駆使しつつ叩き返してやるさ!

古代武装は…ん?真名解放?Ⅰ型じゃなくて壱式……『蒼玉海杖|《星を目指すもの》』…
…俺様自身、この杖の全部を知れてるわけじゃない!お前切っ掛けで新しい可能性が見れるんなら…
…見せてくれよスパルタン、俺様の杖と、お前自身の可能性を!
水の魔力をフルスロットル!莫大な力の制御が出来ずに何が最強!最高の魔法使いだ!

御してやるさ、何もかも!
魔術を構築して!いっけー!


小鳥遊・トト
えっと、すみません。ゲートさんはどんな武装があるんですか?

サイキックの刃をもつ大鎌型武装でありながらもサイキックの増幅機構によりいわゆる魔法の杖としても使える『BXSミスティックサイス』、さいすと類似の機構を備え追撃やサイキックの補助が可能なドローン群『BS-Fオベリスクソードビット』が搭載。
これらの武装を使用したサイキックは凄まじい威力がでるが、搭乗者の負担は重く並の能力者が使おうとすると反動で身体が弾け飛んでしてしまう。

そんな代償の話を聞いたらトトは恐怖で震え上がるので技能【召喚術】【封印術】 拘束具型のバロックレギオンを召喚
普通に鎌として使えばいい事を忘れて
UC【白黒の地獄】使用
ミスティックサイスの増幅機構とバロックレギオンの封印能力を良い感じに合わせてUCをそこそこの強化状態で使用します。

※アレンジ・連携歓迎


桃枝・重吾
アドリブ絡み歓迎不採用覚悟済

◼️心話
んー、
繋がったかな。
あ、びっくりさせちゃったかな?
うちは基本星降丸をハブにした念話が基本なんだ、
ようこそー、|我が社《個人事業主》は零細だけどアットホームな所だからね、
ここの宙は飛ばせてあげれないけど後で宙に上がろう。

名前?
ボンなんとかって旅立ちの言葉、あったよね、
だからね、梵天丸とかどうかな?

◼️古代武装
現地で生成し爆撃、ないし砲撃する超高密度圧縮エネルギー弾。
巨神のコンセプト含めて地上では扱いきれない

◼️必殺技は|ミドルレンジ《宇宙基準》
さて、他の人が稼いでくれた時間で早速いってみようか、古代武装。
丁度、砲身はあるからね。

UCで拘束と周囲への環境保護、
あと、ついでにこちらの反動も殺して。
キャンプウェアからへそくりのガルベリオン二回分(普段は恒星間ゲートなんて使えない)出して、
悠々荷台展開して、星降丸の頑丈さで耐えつつ、
平練卜零さんと梵天丸をハブして、一回分をビームロープに回して保護強化。もう一回分は平練卜零さんで更に圧縮成型!タイプホローポイント!



●開戦前の談話時間。

 先陣を切った三人の猟兵が緒戦を優勢に済ませている頃。
 残る八名の猟兵たちは、各々の愛機との交流や古代武装の確認を行っていた。


『マスター、私の古代武装を使いますか?』
「……どういう物なんだ?」

 傍に立つ『アイリス』からの進言に『グラントゼロ』に乗っている防人・拓也が問い返すと、『アイリス』は自身の右手に弓型の武器を召喚して握りしめる。

『これが私の古代武装『神弓カラドボルグ』です。
 威力は調節できますが、通常の威力でも大きな山も削る事が出来ます』
「……なら、威力はアレの動きを止めれる程度で頼む。
 俺が前衛で君が後衛だ。背中を任せたぞ」
『畏まりました。マスター、ご武運を』

 弓を構える姿勢を取る『アイリス』を背に、拓也は『グラントゼロ』の手に専用の『高出力ビームサーベル』と『高出力ビームライフル』を装備して、ユーベルコードの発動を準備する。


「クーリングオフは客の権利であって強要できるもんじゃねえから!」

 久遠寺・遥翔は『イグニシオン』を自動操縦に切り替えていったん戦場から退避させつつ、巨神を奪い返そうと叫んだテロリストの発言にツッコミを入れた。
 更には、テロリストたちの組織名にも思うところがあるようだ。ナンノコトデショウ。

「くそ、なんかおいしそうな名前しやがって。帰ったらフライドチキンパーティだ!」

 白色の『レヴィアラクス』に乗ったまま『ビームブレード』と巨神の古代武装『コラプサーライフル』を構え、遥翔と『レヴィアラクス』は機動戦に移行する準備を整えた。


『アリス……私達もいきましょう……!』

 徐にアリス・フェアリィハートと絆を結んだ『アストライア』が若い女性の声を発して、アリスに話しかける。
 自律機動して声を上げた『アストライア』に驚く様子もなく、アリスは彼女の顔に視線を向けて嬉しそうに微笑みかける。

「アストライアさんも喋る事が……お話できるんですね……?」

 『アストライア』が頷くと、機体全身の余剰な装甲が外れていく。
 そして、その顔のロボットタイプのフェイスマスクも外れて……その内側に隠されていた、人間の女性タイプの素顔が露わになる。
 微笑みを返した『アストライア』は装甲ヘルムも脱ぎ、光輝く長い髪が風に靡いていく。
 その身体も女性らしい体型のボディが開放され、無骨だった全身装甲もドレス型の装甲を纏った姿に転じていく。
 これが、『アストライア』の真の姿なのだろう。

「それが……本来のお姿……可憐です」
『ありがとう。……さあ、はじめましょう』

 アリスは『アストライア』に取り込まれるように、その内へと搭乗する。
 そして、二人の初陣が今始まろうとしていた。


 巨神を伴う猟兵たちのもとに、新たなキャバリア―――『機神』が出現する。
 空間を越えて現れたのは、禁断の力たる時間に干渉する力とすごい自我を持つ連環神機『サートゥルヌス』。
 そしてその操縦者である、ケルベロスブレイド世界出身の螺旋忍者にしてチョコ作りに凝っている絶望的な辛党。
 皇・絶華(影月・f40792)だ。

「此処がさっちゃんの故郷たる世界か。何故か初めてな気がしないな!」
『そうかもしれませんね……(主様と出会った冥界はこの世界の冥界ともいえるからな……)。……つか』

 クロムキャバリアの地上に出たのは初めてであろう絶華は興味深そうに周囲を見渡しているが、『サートゥルヌス』は周囲にいる巨神たちに敵愾心を向けているようだ。
 彼ら彼女らの主である猟兵たちを気に留めることなく、視線をぶつけ……もとい睨みつけている。

『巨神シリーズとか……! 神機シリーズのプロトタイプたる俺様が眠ってる間にイキってるのが沸いてるじゃねーか!』
「さっちゃん。彼らは味方のようだぞ? 倒すべき相手は彼方の様だが? やはりまだパワーが足り」
『ぴぇ……!? わ、分かってますよ!』

 好戦的な自我を持つ『サートゥルヌス』だが、すっとチョコを用意した絶華には従順であるようだ。
 ただの、超高濃度カカオと健康に良い漢方や多種多様の様々な虫や植物を配合した地獄のような味のチョコだというのに。
 こちらに用意された資料によりますと、かつてビルシャナと呼ばれるデウスエクスたちが涙を流しながら喜んで貪っていたという情報があります。
 不思議なことだ。

「しかし古代兵装と巨神の力を使った方がいいと言ってたが……」
『俺もある意味巨神です! 寧ろ王です! んなもんに後れなんぞ取りません!』
「うん、やる気になってるのは良い事だ。では私も力を尽くすとしよう」

 戦意十分の主従は、言い合っている間にも敵機の観察は怠っていない。
 相手の動きと癖をしっかりと把握して、絶華と『サートゥルヌス』は巨神たちと共にオブリビオンマシンとの戦闘に参加する意欲を見せた。


「あとは目の前の連中だけ。ならば今はこちらに専念できるというものだ」

 ハル・エーヴィヒカイトは静かに『キャリブルヌス』の中で精神を落ち着かせていた。
 この場に集った危険な輩、主犯であるKFC以外のテロリストは捕縛済みで、だいたい片づけることができた。
 あとは、抵抗の意志を向けるオブリビオンマシン三機を鎮圧すれば、今回のミッションは完了となる。

「私の剣は十分に伝えた。次は実践と行こう、キャリブルヌス」
『――――――』

 ハルの意に応じるよう、『キャリブルヌス』がその真価を発揮する。


「っていうか実際スパルタンも喋れんのか?」
『当然、私も喋れるとも』
「なんか物静かな声……!」

 拓也と『アイリス』の対話を目の当たりにした兎乃・零時が『スパルタン』に語り掛けると、当然のように返事があった。
 すべての巨神がそうではないのだろうが、どの機体も結構個性豊かなようだ。

「ってか古代武装……これ、俺様の杖を取り込む感じじゃん。
 ……古代武装……杖の型式変形みたく魔術武器になる感じか。……ん?
 なんで俺様の武器を組み込めるシステムが……?」

 『スパルタン』から開示された古代武装の情報に目を通した零時が、その機能に目を瞠る。
 零時の持つ武器とリンクするシステムが組み込まれていることに驚いている。
 その答えを『スパルタン』は有していないが、AIなりの推測を提示して応える。

『其方の技師に我らの技術に似たものを持つ者が居るのではないか?』
「……ふーん?
 まぁ良い……だったらどの道これも修行の一環、ギア全開で行こうじゃん!」

 何故、スペーシシップワールド出身の零時とクロムキャバリアの巨神の間に似たような技術があるのか。
 謎が深まるところだが、今はそれをじっくりと考慮している時間はない。

「パル、操作の援護宜しく! スパルタン、文字通りの初陣、全開で行くぜッ!」
『了解した』


「えっと、すみません。ゲートさんはどんな武装があるんですか?」
『ええ。開示しよう。我が恐るべき兵器を……』

 小鳥遊・トトの言葉に『ゲート』は快く応じ、自身の古代武装のリストを展開する。
 サイキックの刃を持つ、大鎌型武装でありながらもサイキックの増幅機構によりいわゆる魔法の杖としても使える『BXSミスティックサイス』。
 サイスと類似の機構を備えながらも追撃やサイキックの補助が可能なドローン群『BS-Fオベリスクソードビット』。
 近距離、遠距離を問うことなく、凄まじい威力のサイキック能力を存分に振るうことができる強力な武装である。

『君ならば、これらを支障なく用いることができるだろう』
「はわわ……えと、えっと……そ、そうですね、はい……」

 ただし、これらの武装を使用した際の搭乗者の負担は非常に重く、平均的な|能力者《サイキッカー》がほんの数瞬でも使用すれば反動で身体が弾け飛んでしてしまうという。
 そんな代償の話を『ゲート』から聞いたトトは恐怖で震え上がり、代償を支払わずに扱える方法を思案する。
 そして、その手段としてバロックレギオンを召喚して帯同させるのだった。
 ……サイキック能力を用いず、古代武装を物理的な武器として振るう分には支障はないのだが、その点は失念しているようである。


 そして。

「んー、繋がったかな。あ、びっくりさせちゃったかな?」
『―――?』

 じっくりとたっぷりと『アバドン』を持ち込んだ者たちへの対処を済ませていた桃枝・重吾は『星降丸』に乗り込み『巨神』に音声ではなく直接念話を送り付けていた。
 肉声ではない突然のメッセージに、『巨神』が動揺の反応を見せる。

「うちは基本星降丸をハブにした念話が基本なんだ。
 ようこそー、我が社個人事業主は零細だけどアットホームな所だからね」

 いつの間にか、というか重吾が蝗害対策に本気を出している間に、『巨神』は『星降丸』を中核としたネットワークに接続されていた。
 そのネットワークは、『巨神』の意志でいつでも切断することはできる。
 それはすなわち、重吾はこの『巨神』、『カープ』との契約を結ぶ意思の表明である。
 特別な言葉はいらない。一緒に来るならばと、手を差し伸べているのだ。

「ここの宙は飛ばせてあげれないけど後で宙に上がろう。
 名前? ボンなんとかって旅立ちの言葉、あったよね、
 だからね、梵天丸とかどうかな?」
『――――――』

 『カープ』は……否。『梵天丸』は、重吾の手を取りその機能を開示する。
 共に、果て無き|宙《ソラ》の先へ上がるために。


●分散しての各個撃破。

 先に会敵した猟兵たちの活躍により、武器を奪われたり衝撃で前後不覚に陥ったり古代武装の破壊力で装甲をボロボロにされながらも、いまだ戦意を失わないKFCの『|大尉《キャプテン》』三人組。
 三位一体のオブリビオンマシン『オーヴァードーズ』の連携を行わせないために、残る猟兵たちは分散して各個撃破の構えを取ることにした。
 すなわち、拓也とトトがグリーン・デイと。
 遥翔と絶華、ハルがメロウ・イエローと。
 アリスと零時、重吾がブラウン・シュガーと対峙する。
 三つの戦場で戦いが始まり、そして決着がつこうとしていた。


●緑の覚醒を止める者たち。

「これが俺の……人々を守る為の光だ!」
「守れるのか、猟兵に! この世界が!」

 『サイコゼロフレーム』から発生したサイコフィールドが『グラントゼロ』を包み、緑色に光る。
 《勇敢なる意思の奇跡の極光(ブレイブ・ミラクル・オーロラ)》。
 拓也が操縦する『サイコゼロフレーム』を搭載したキャバリアの機動性と反応速度、攻撃力と防御力を増強するユーベルコード。
 それは単純明快な強化であり……それ故に、その効果は絶大だ。
 『アイリス』と、トトと『ゲート』の前に立つ『グラントゼロ』が盾としてグリーン・デイに迫る。
 グリーン・デイの中にいる『大尉』が拓也の言葉に噛みつきながら、その両腕に取り付けられた銃口を向ける。

「狙い撃つぜ!」

 自身の搭乗者の正気を乱し、搭乗者の正気度を代償に比例した戦闘力を発揮する『オーヴァードーズ』。
 意識が研ぎ澄まされ、ビームと実弾の雨で戦うグリーン・デイの《覚醒の緑》が発揮され、『グラントゼロ』に精密射撃の乱射を敢行する。
 だが、拓也と『グラントゼロ』は、グリーン・デイの放つビームの雨をサイコフィールドでガードし、実弾をネオキャバリニウム合金製の『万能コーティングシールド』で受け止める。

「狙いが精密すぎる。それならどこを防げばわかるというものだ!」
『私がいる事もお忘れなく』

 拓也は正確な射撃を完璧に感知し、被弾することなく『ビームライフル』で応戦してグリーン・デイの動きをけん制する。
 一方の『アイリス』も『カラドボルグ』から光の矢を放ち、拓也の攻撃を援護する。
 そうして動きを誘導した先で、トトの乗る『ゲート』が回り込む。

「今だ、トト君!」「は、はいっ……!」
「くっ! 一対二……いや、三、四っ!?」

 グリーン・デイが『ゲート』に意識を向けた時、その肩には拘束具型のバロックレギオンが乗っていた。
 バロックレギオンの封印能力が『ミスティックサイス』の増幅機構と良い感じに合わさったのか、古代武装の強化状態がほどよく加減されて、代償を抑えながら放たれる。

「お、思い出せないんです。この地獄がなんなのか……。でも……!」

 トトが、古代武装により増幅させて使用するユーベルコードは、《白黒の地獄(モノクロインフェルノ)》。
 己のうちから溢れ出す無彩色の炎。放たれた地獄は、無限。
 トトの抱える黒い感情が命中した対象を燃やす凄まじい思念の劫火である。

「も、燃えてください……」
「アチッ、アチチッ! あ、まずい誘爆すr」

 グリーン・デイの両腕に取り付けられた銃火器が無彩色の炎に包まれ、爆発四散する。
 武装を失ったグリーン・デイの両足を急接近した『グラントゼロ』のビームサーベルが切断する。

「まず、一機!」「や、やりましたね……」

 拓也とトト、『グラントゼロ』と『アイリス』に『ゲート』が繰り出した連携攻撃によって、『オーヴァードーズ』の一角がスムーズに撃破された。

 グリーン・デイ、およびキャプテン・レックス、戦闘不能。


●黄の豊穣を呑み干す者たち。

「うおおおお! オレはやるぜオレはやるぜぇ!」

 自身の搭乗者の正気を乱し、搭乗者の正気度を代償に比例した戦闘力を発揮する『オーヴァードーズ』。
 強い高揚感を覚え、高速機動とブレイドで戦うメロウ・イエローの《豊穣の黄》が勢いよく加速する。
 それを、遥翔と絶華とハルの三人は心眼や第六感で動きを見切り、残像が出るほどの回避性能や刀剣による受け流しで躱していく。

「速いだけじゃ当たらないぜ!」
「なに!? オレが遅い? オレがスロウスだというのかぁ!?」
「……そうか。これが君の力か、キャリブルヌス」

 機動戦の最中、『キャリブルヌス』はハルの剣をキャバリアのスケール感で再現する。
 殺界を起点とした結界術により、戦場に『キャリブルヌス』の領域を作り出し、内包された無数の刀剣を出現させる。
 周囲を刃に囲まれたメロウ・イエローがたたらを踏む中、『キャリブルヌス』は数多の刀剣を念動力で操り、乱れ撃ち、斬り刻む。
 『レヴィアラクス』の『ビームブレード』と連携して、白兵戦でメロウ・イエローを押し込んでいく。

「ぐ、ぐむーっ! このままでは、まずい……! もっと速さをっ……!」
「今だ、さっちゃん! お前の力を見せる時が来たぞ!」
『承知致しました主様! ……お前らに見せてやる……時空を統べる俺こそが最強って事をよぉ!」

 そして、二機の巨神が抑えているところへ、『サートゥルヌス』が介入する。
 稼働するのは、《亜空間戦術級制圧機構『巨神の王』(キョジンゾクノオウ)》。
 時速13300kmで飛翔しながら、次元転移による特殊機動や亜空切断を放つユーベルコードだ。
 超高速で飛び回った『サートゥルヌス』が正面からメロウ・イエローに襲い掛かった瞬間、刹那の間にその背後に転移する。

「消えたぁ!? テレポート、ぎゃあああっ!?」
『俺こそが巨神の王って奴だ!』

 『サートゥルヌス』の鎌剣による連続斬撃で、メロウ・イエローがその空間ごと切り刻まれていく。
 背後からの防ぎようのない攻撃を浴びて絶叫を上げる敵の隙を、遥翔とハルは見逃さない。

「全て同じだ。ならば彼自身が持つ古代武装とはなんなのか……」

 戦場に再現された刀剣に意識を向けたハルが、『キャリブルヌス』へと問う。
 答えとして提示されるは、機械文明を分解して自然に還す光。
 対キャバリア、対機械、対文明に特化した、禁断の兵装であった。

「なるほど……危険な力だが一度は肌で感じておくべきか」
「お? ハル、使うのか?」
「ああ。機械に生を委ねる者は念のため下がってほしい。命に関わるかもしれない」
「わかった」『主様! 俺は巨神シリーズの古代武装なんかに負けたりは』「はいはい、離れるぞ」

 射程外へと移動する『レヴィアラクス』と、急ぎ次元転移により距離を取る『サートゥルヌス』。
 味方が敵機から離れたことを確認したハルは、『キャリブルヌス』のマント型の装甲―――古代武装を展開して、ユーベルコードを起動する。

「―――外套展開、古代武装"妖精"を起動する」
「待って! オレ、|ロボットヘッド《人工知能搭載型機械》ォ!?」

 《"妖精"(フェアリーシステム)》。
 時速13700kmで飛翔しながら、自身の巨神『キャリブルヌス』が持つ外套型の古代武装"妖精"から人工物・機械生命を分解し自然物を癒す波動を放つユーベルコード。
 放たれた眩い波動が、メロウ・イエローの表面を分解していく。

「アバババババ!!」
「……ふむ、このくらいにとどめよう」

 そのまま持続すればメロウ・イエローの中にいる『大尉』も分解することになるが、それだけでなく戦場であるセントラルの街にも影響を及ぼしかねない。
 そう判断して、ハルはすぐにユーベルコードの発動を解除した。
 もうほぼほぼ大勢は決していたが、『レヴィアラクス』がまだ古代武装を残していた。
 目の前で同胞たちが己の主に古代武装のアピールをしたことで、自分も使用したいと感じたのだろう。
 『レヴィアラクス』が遥翔に強く進言する。

「え、なんだよラクス。古代武装?」
『――――――』
「撃てます? 頃合いです撃ちましょう? つーか撃っちゃえ?」
『――――――』
「いや待てなんか嫌な予感する。撃つのはいいけど着弾点と影響範囲を予測して味方に通達」

 次元潜行したままの『サートゥルヌス』と《"妖精"》の影響範囲外にいたことで離れている『キャリブルヌス』が射線上にいないこと、巻き込まれないことを確認したうえで、遥翔はズタボロになっているメロウ・イエローに『コラプサーライフル』の照準を合わせる。
 背面を空間諸共斬り刻まれ、前面を《"妖精"》で分解された豊穣の黄に、|古代武装《ユーベルコード》が発射される。

「よし。ラクス、撃っちゃえ!」
『環境計算影響軽微。友軍通達完了。『コラプサーライフル』限定解除。撃てます』
「イベント・ホライズン、発射!」

 巨神の古代武装『コラプサーライフル』から超超小型縮退星を放つ攻撃。
 その後、着弾点から半径142m内が、光すら逃がさない超重力の暗黒状態になる。
 《イベント・ホライズン》。
 それこそが『レヴィアラクス』の古代武装であった。

「お、おお……ガッデム……」

 メロウ・イエローは闇に呑まれた。

「……よし、やべーやつだ。しばらく封印!
 あの球体消えるまで皆近寄らないように!」

 持続時間は、現時点で142秒間。
 直撃を避けられても、その後しばらく戦場に大きな影響を残し続けることになる。
 今も、メロウ・イエローが超重力の暗闇の中、音もなく圧し潰されていることだろう。
 そして……。

「ただいまー」
『教えてやる……時間と空間を制するこの俺こそが最強だってなぁ!』
「お。おお、出てこれたか。よかったよかった!」
「亜空をも往来するか。……ほう」

 時間と空間を制する『サートゥルヌス』が、超重力の《イベント・ホライズン》の中からパイロットのロボットヘッドだけを回収して再び姿を現した。
 半死半生だが命に別状はなさそうなパイロットを見て安堵する遥翔と、絶華たちの技量に目をつけたハルが見つめる中、三人三機は快勝を果たしたのだった。

 メロウ・イエロー、およびキャプテン・ツバサ、戦闘不能。


●褐の耽溺を討つ者たち。

「もっと気持ちよくなるさぁぁぁ! 男ならぁぁぁ!」

 自身の搭乗者の正気を乱し、搭乗者の正気度を代償に比例した戦闘力を発揮する『オーヴァードーズ』。
 戦闘に多幸感を覚え、強力なパワーとロケットハンマーで戦うブラウン・シュガーの《耽溺の褐》が発動する。
 もっともロケットハンマーは先の戦いで失われているのだが、パイロットは怯む様子なくキャバリアの拳を振り上げて全力ダッシュで襲い掛かって来る。

「この先には……行かせません……」
「なんとぉ!? サイキック!?」

 迫り来るブラウン・シュガーの前に、アリスが『アストライア』と共に毅然と立ちはだかり結界を展開する。
 心眼と第六感で敵の動きを読み取り、阻害するために適切な配置にオーラを張り巡らせ、『アストライア』や仲間たちに肉薄できないよう足止めを行う。
 そうしてブラウン・シュガーを隔離した上で、『アストライア』の力を発揮する。

『アリス。私の古代武装の一つ……「剣」を』

 『アストライア』が手にした、巨大な剣。
 それこそ、強大な魔力を、魔法を纏わせることで絶大な破壊力をもたらす古代武装である。

『私の剣に、貴女の力を乗せて……!』
「はい。――もの言う花たちの噂話は……あらゆる世界に広まっていくのです……。
 《フラワリーズ・フェイトストーム》」

 『アストライア』の言葉に、アリスが応える。
 自身の装備武器を無数の鈴蘭の花びらに変えるユーベルコード、《フラワリーズ・フェイトストーム》により『剣』が衝嵐を伴った鈴蘭へと転じていく。
 衝嵐は時空等の万象を歪め斬り裂き、『アストライア』から半径142m以内に存在する全ての対象を選択し、誘導式の斬撃波により攻撃を叩き込む。
 変化する武器によっては外傷を与えないことも可能だが、その『剣』の力によりアリスの魔法が拡大し、増幅し、強力に膨れ上がっていく。
 切裂かれるブラウン・シュガーで、パイロットが悶えている。

「新しい価値観ンンン!!」
「本当に……凄い力……」

 アリスは味方を嵐に巻き込まないよう結界術を行使して制御を試みるが……それは成功するのだが、あまりに激しい力の奔流にアリスの手が震えている。
 強固な結界と凄まじい衝嵐に封じ込められたブラウン・シュガーはまだ戦う意思を失っていないのか、荒々しい花びらの中を姿勢を低くして這うように動き、踏破を試みている。
 そこへ、零時と重吾が照準を合わせる。

「『スパルタン』の古代武装は……ん? 真名解放?
 Ⅰ型じゃなくて壱式……『|蒼玉海杖《星を目指すもの》』……」

 『藍玉の杖』を組み込もうとした零時だったが、『スパルタン』より提示された形状は杖であるⅠ型ではなく、壱式と記載されていた。
 それはすなわち、Ⅰ型からⅤ型へと主が望んだ形へと形状変形できる『藍玉の杖』の形態とは異なる……零時すら知らざる姿があることを指し示している。

「……俺様自身、この杖の全部を知れてるわけじゃない!
 お前が切っ掛けで新しい可能性が見れるんなら……。
 ……見せてくれよスパルタン、俺様の杖と、お前自身の可能性を!」
『委細承知』

 『藍玉の杖』の常時解放―――小型機械手袋のⅣ型、外装武装靴のⅤ型と、変形した状態の『藍玉の杖』の力を組み込み、『スパルタン』は零時へと常識外の魔力を供給する。
 大海すべての水を注ぐのかと錯覚するほどの、膨大な魔力の奔流をその身に受けながら……零時はユーベルコードを展開する。

「敵が全力で来るんなら、使える魔術を駆使しつつ叩き返してやるさ!
 ……此れが、これこそがッ!! 限界切り拓く可能性の化身ッ!
 俺様の超克《オーバーロード》だッ!!」

 《神輝宝煌・超克(クリスタル・オーバーロード)》。
 偽神細胞液による神の力と鉱石生命体の真祖たる純化形態を掛け合わせならも完全制御した真の姿、宝神に変身するユーベルコード。
 『藍玉の杖・改』のⅣ型とⅤ型の外装武具形態と魔術の威力増強を行い、全術式の超強化にクリスタリアンの力を完全に覚醒させて、時速665kmの飛翔能力を得るのだ。

「くぅ……水の魔力をフルスロットル!
 莫大な力の制御が出来ずに何が最強! 最高の魔法使いだ! 御してやるさ、何もかも!」

 零時が高ぶる魔力を制御し収束させて大規模な魔術を構築している間に、重吾もまた古代武装の準備を進めていた。

「んー。これは……地上で使うのは難しいかな?
 でもまー。アリスさんが稼いでくれた時間で早速いってみようか」

 『梵天丸』の有する古代武装。
 それは、随時現地で生成することのできる、超高密度圧縮エネルギー弾だ。
 巨神のコンセプトであることを含めて、地上では扱いきれない|宇宙基準《ミドルレンジ》の破壊力を発揮する爆撃、ないし砲撃用の必殺技だ。
 迂闊に地上で発射すれば……どれほどの被害をもたらすかは想像に難くない。

「丁度、砲身はあるからね」

 重吾は『キャンプウェア』から出したへそくりのガルベリオン通貨を用いて、普段は使えない恒星間ゲート二回分の使用量をねん出する。
 それは、地上を破壊し尽くさないよう、これから射出する古代武装の威力をワープゲートを通して遥か彼方へと送り出すためだ。

「周囲への環境保護配慮、よし。……うん、準備完了!」
『音声認識コード承認、対象スケール計測完了、お客様各位に申し上げます、危険ですので当機荷台より離れることを推奨します、安全確認了発射』

 《トラクター・アンカーロープ・バラージュセイヴァー(ユニヴァーサルビームロープ)》。
 宇宙空間では超近接距離となる半径125m以内の敵全てを、幾何学模様を描き複雑に飛翔する1250本のステルスビーコンにより包囲攻撃するユーベルコード。
 ステルスビーコンから射出されるビームロープが、アリスの結界に沿うように多重のロープが張り巡らされる。
 這いつくばるブラウン・シュガーは、大量のビームロープに拘束され、身動きが取れなくなった。

「おおっ! やめてくれ! 癖になってしまう!」
「……。あ、あとついでにこちらの反動も殺して、と。……よし、平練卜零さん!」

 重吾は悠々と『星降丸』の荷台を展開して、その頑丈さで反動に耐えることを試みながらビームロープも回して『梵天丸』の保護を強化する。
 そして、謎の超古代技術ですら完成に至らなかった高次圧縮型超長距離弾成形変換ユニット、超古代試作機『平練卜零さん』を……魔改造された試作便利道具を展開して、『梵天丸』の超高密度圧縮エネルギー弾を更に圧縮成型していく。
 ……これ以上威力を上げるんですか?

 そして、準備が整った零時と重吾が、示し合わせてその力を解き放つ。

「いっけー! 俺様の、全力全開! ぶっとべーッ!!」
「タイプ・ホローポイント! 発射!」
「~~~~~~!!」

 そして。
 尋常ならざる大質量の水の魔力が、計測不可能なほどに圧縮し尽くされたエネルギーが、ブラウン・シュガーへと同時に叩き込まれる。
 着弾した瞬間。辺り一面は白色に包まれる。
 どれほどの衝撃が結界の中で起こったのか。それは、結界を抑えきったアリスの消耗を見れば察することができるだろう。
 音を置き去りにした光が、ワープゲートの向こうへと消えていく。
 引き起こされた甚大な大爆発はアリスの結界とビームロープによる保護により外部に漏れ出ることはなく、セントラルの市街地への破壊は防がれた。
 長い、長い白色の破壊が収まった時。そこには何も残されてはいなかった。
 ……パイロット、死んだんじゃないの?

 ブラウン・シュガー、およびキャプテン・ブラボー、|戦闘不能《生死不明》。


●決着。そして大団円。そして、大混乱。

 『大尉』たちのうち、ワープゲートを通じて銀河の彼方に吹き飛ばされたブラボーは時間と空間を制する『サートゥルヌス』を駆る絶華さんが救出してきたので不殺で済みました。
 あれほどの破壊力を受けて五体満足であるのは、運が良かったのか……あるいは、零時と重吾の全力全開を受けてなお耐えられるほどにオブリビオンマシンの戦闘力が高かったのか……。鹵獲されたグリーン・デイを研究すれば、明らかになるかもしれない。
 それはさておき。
 臨死体験により意識混濁状態にあるキャプテン・ツバサとキャプテン・ブラボーと共に、無事に生け捕りになったキャプテン・レックスが拘束された状態で苦々しく悪態を吐く。

「おのれ、おのれ猟兵なんかに……どこの馬の骨ともしれない連中にぃ……」
『……マスター。生きる価値の無いアレらを処刑する許可を願います』

 キャプテン・レックスの恨み節に『アイリス』がドス黒い殺気を出しながら反応して、『神弓カラドボルグ』を構えて威力を上昇させていく。
 そのままでは『大尉』たち諸共辺り一帯諸共消し飛ばすことになるだろう。助かった命は儚く散ることになる。

「待て『アイリス』、捕虜への加虐行為は禁止だ」

 拓也が急いで制止したので儚い三機の一命は取り留めた。
 他の猟兵たちも、戦いに巻き込まれないように離れていたマクドナルド王国の部隊が到着するのを待っている間、各々の巨神……キャバリアたちと語らっている。

「うーん、安全対策してて良かった。やっぱり初回は不具合が出ることを想定して運用しなきゃね」
「いやあ、すげぇぜスパルタン! これからもよろしく頼むぜ!」『御意』
『これで俺が巨神よりも優れていると証明できたな!』「うん、そうだね。お疲れ様」
「えっと、あ、ありがとうございました、ゲートさん、これからも、よろしく、お願いしますね……?」『ああ。もちろんだとも、我が主』
「ふぅ、おしまい。イグニス、ちょっと先輩としてラクスに指導を頼むぜ。思ったよりやんちゃだこの子」
「さぁ、行こうかキャリブルヌス。次の戦いの場へと……おや?」

 そして。
 戦闘が終了したことで、アリスが降機すると『アストライア』が発光する。
 眩しさに幾人かの猟兵が目を閉じ、再び視線を向けると『アストライア』のいた場所には人間サイズの12~14歳程の外見の少女が立っていた。
 幾人かの猟兵が、驚き過ぎて真顔になっている。

「アリス」
「アストライアさん」

 その少女とアリスが微笑み合い、寄り添う。
 何ということでしょう。
 『アストライア』は人の姿へと変化することができたようです。

『神機シリーズでもないのに人化しただと!?』

 戦いの後の静かな古都に、猟兵とキャバリアたちの混乱する騒めきが轟くのであった。
 ……他の巨神の皆様の状態は、各自でご確認しておいてください。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年08月17日


挿絵イラスト