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武士は名刀に焦がれる

#サムライエンパイア

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 一人の刀匠が槌を置いた。
 そして、鈍くも鮮やかな輝きを放つ刀を手に持つ。それは、たった今この世に生み出された刀。しかも、類まれなる名刀と呼ばれる逸品である。
 刀匠はその刃紋の深みを見やり満足げな吐息を漏らす。同時に彼は、俄に鍛冶場の外が騒がしくなっていることに気がついた。
 今は早朝。人々が活動を始めるにはまだ早い頃合いだが。
 不審に思いながら鍛冶場から出た彼の目に映ったのは、血に塗れ死に満ちた村。そして目前に迫る、数多の刀を携えた、かつて乱世を生き抜いた武将の物々しい姿であった。

 賑わうグリモアベースに、一人のケットシーが入ってくる。羽織を翻し椅子に飛び乗ると、彼が背負った刀が僅かにカチャリと金属音を立てた。
 ケットシーは鋭い眼光を目の前に集まる猟兵達へと向ける。
「皆の衆、よく集まってくれた。それがしはケットシーの剣豪、久遠寺・篠だ。早速だが、皆の衆には急ぎサムライエンパイア世界に向かってもらいたい。刀匠の村に敵が迫っている」
 篠はそう説明しながら、懐から資料を取り出すと机の上に広げた。まず提示したのは村とその周辺の状況を記した地図。
「この村は険しい山の麓にあり、総人口百人程度の小さく閑静な村だ。村人は主に刀鍛冶をして生計を立てている者が多く、刀匠の村と呼ばれている」
 篠は丸く小さな手で、その地図上に書き込まれた五つの赤い印を示す。
「この赤い印がついている個所全てが刀の鍛冶場だ……村では近く刀剣の展示会を開催する予定があり、そのために五つの鍛冶場でそれぞれ刀匠が魂を注ぎ込んだ名刀が作られている。その名刀に引き寄せられたのかは分からぬが……」
 続いて、篠はさらに懐からある姿絵を取り出し地図の上にのせた。ぱっと見は刀を携えた武士。しかし式神のように目元を覆う布の異様さが、それがオブリビオンであることを伝えてくる。
「この村に迫っているのは妖刀と名高い村雨……の模倣刀。そのヤドリガミがオブリビオン化した存在だ。彼らは十数体の数でもって村を襲い只管に血を求め、村人を虐殺することを目的としている。しかし」
 篠は元々目付きの悪い瞳にさらに剣呑さを深める。
「こいつらを使役している、さらに強力な存在が背後に控えているはずだ。皆の衆には、村人に被害が及ばぬようまずはこの偽村雨の軍団を倒し、さらに大将を引きずり出して撃破して欲しい」
 一度そこで言葉を切ると、ケットシーは小さな腕を組む。
「偽村雨は、皆の衆を村へテレポートさせるのと同時に村に現れるだろう。村人の数が少ないことが有利に働き、猟兵が積極的に戦闘する姿勢を示せば彼らを守ることはそう難しくはないだろうが、村の中での戦いになることは念頭に置いておいてくれ」
 彼はそこで言葉を切ると、僅かに表情を緩める。
「戦いが無事に終われば、村で行われる刀剣展示会に赴くことが出来るようだ。刀匠の眼鏡にかなう使い手だと示すことができれば、名刀を譲り受けることも出来るかもしれぬな」
 篠は広げていた資料を全て回収すると、それらをまとめて文にし、表に『依頼状』と認める。
「刀は武士の魂。どうかその刀を生み出す刀匠達を、村を守ってくれ。よろしく頼んだぞ」


三橋成
 皆様こんにちは、三橋成(みはし・せい)です。
 今回は早朝の刀匠の村でのヤドリガミとの集団戦、さらにある強力な武将との戦いになります。
 格好良い剣戟を見せつける良い舞台になるかと思っておりますが、魔術や銃などなどでの華麗な戦いも大歓迎です。

 第3章は刀剣展示会に行くことが出来ます。
 シナリオでアイテムを発行することは出来ませんが、シナリオ上で名刀を入手することも可能です。
 名刀は各鍛冶場が用意した五本のみとなりますので、万が一それ以上の方が希望された場合はプレイングにて五名の方に絞らせていただきます。

 皆様と格好良い冒険を紡いで参りたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
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第1章 集団戦 『模倣刀『偽村雨』』

POW   :    雹刃突
【呼び起こした寒気】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    怨呪流血斬
自身に【過去の被害者の怨念】をまとい、高速移動と【止血し難くなる呪い】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    氷輪布陣
【氷柱】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を凍らせて】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

雨乃宮・いづな
◆心情
妖刀のオブリビオンね…妖剣士としてはちょっと放って置けないかも。
虐殺も見過ごせないし頑張るんだよ。

◆行動【POW使用】
村の中での戦いだと範囲の広い技は使いにくいかな。
「目立たない」ように「忍び足」で村の中を索敵しつつ、偽村雨を発見次第「先制攻撃」でユーベルコード『雷切』を発動。
一気に距離を詰めて一閃、防御したとしても「鎧無視攻撃」で相手の防御の上から打ち抜いてあげる。
相手からの攻撃は「見切り」で回避努力しつつ、倒しきれなかったら「2回攻撃」で追撃を掛けてトドメを狙うね。
とにかく目立って相手の気を引く事が村人を守る事に繋がるかな?あたしの二刀流、伊達じゃない所を見せてあげるっ!


夜神・静流
鍛冶職人の方々は剣士にとって無くてはならない存在です。彼らが居なければ、我々は剣を握る事すら出来ないのですから。
ゆえに、助けるのは当然の事。ましてや悪しき妖が相手となれば尚更です。

●怨呪流血斬への対抗策は、高速移動に対しては視力と見切り、呪いに対しては気合い・武器受け、オーラ防御・呪詛耐性で対応します。
攻撃は残像・早業・カウンター・衝撃波・破魔技能を用いて一ノ太刀・隼を使用します。

「この手の相手は慣れています。お任せ下さい」
「その程度の呪いなど!」

アドリブ・絡み等歓迎


宴・段三郎
ふむ…やってしもうたの
刀鍛冶の村に来てしまうとはの

儂の様な他人の作品までも原料として妖刀を鍛刀する刀鍛冶は他の刀工にかなり恨まれてるからの…

…念のため顔を布で隠して闘わねば。

まずは偽村雨を鍛刀する。

別の依頼で偽村雨達を鍛刀して作り上げた儂の妖刀、『戎』を使い、妖刀達を釣針返しで折る【範囲攻撃】を使用する。

偽村雨は数も多い、手数で負けそうなら【残像】で移動じゃ。

うまい具合に敵が密集したら儂の鍛冶道具であり妖刀である『化生炉』の焔と大槌代わりの刃を使いユーベルコード『屍山血河』を使用し、偽村雨を一振りの妖刀へと鍛刀する

もし鍛刀できたら…号はマスターに任せるでの。


鞍馬・景正
刀匠の村――成る程、実に興味深い。
しかしまずは村人たちを護ることが先決。
鞍馬の名に恥じぬ戦をお見せ仕る。

◆戦闘
転送と同時、敵影目掛け疾走。
そのまま勢いで抜刀し、【怪力】による【鎧砕き】で切り崩します。

数の不利は先手を奪い、敵陣を攪乱して補うまで。
それに果敢に攻め懸れば、狙いも自然と村人ではなく猟兵に向くでしょうしな。
【拠点防御】の心得も活かし、必ずや護ってみせます。

切り結びながら敵の太刀筋を【見切り】、寒気は【氷結耐性】で軽減を。
挟撃されれば脇差を抜いての【2回攻撃】で二騎でも三騎でもお相手致す。

村人たちには家屋に隠れておくよう警告。
暫しの御辛抱を願いたい――すぐに片付けます。


ガーネット・グレイローズ
さあ、戦いの時間だアカツキ。本物の妖刀の力、存分に見せてやろうぞ。
<念動力>で体を軽くし、民家の屋根から屋根へ<空中戦>で飛び移りながら
戦おう。常に相手より高い場所から、地の利を活かして攻撃だ。
屋根の上から周囲を窺い、敵の密集しているエリアへ【斬殺領域】にて
刃の雨を降らせ、孤立している敵は<念動力で>ブラックバングルから
衝撃波を撃ち出して奇襲する!
防御面は<呪詛耐性>と<氷結耐性>がカギだ。マントに仕込んだ偽翼で
<武器受け>ガードして耐えつつ、ブレイドウイングによる<カウンター>で
反撃だ。
屋根へ上ってくる敵には真っ向から斬り結び、<フェイント>を交えた
<2回攻撃>で斬って捨てるぞ。


白雪・小夜
【SPD】人見知り・対人不信の為、交流低
刀のヤドリガミまで居るのね…刀剣愛好家の私はちょっとだけ、戦いづらい相手かしら?
ふざけた子だったらまぁ…躊躇なく斬るけれど、ね。

妖刀による斬撃を繰り出しながら素早く戦闘を中心に行動。
『雪夜の一振』は使う場面を慎重に見極めましょ。
攻撃を受けても『激痛耐性』で怯まないように出来ればいいのだけれど。
『殺気』立てて『恐怖を与える』事で敵を追い込む事が出来たなら。
多少なりとも敵の動きを『見切り』出来るといいのだけれど…。

他の猟兵が居たら協力できないわけじゃないわ
ただ私、誰かと関わるのは…苦手なの。そこは勘弁してちょうだい。
共に戦うなら、全力は尽くすわ。

アドリブ歓迎


時浦・零冶
模倣刀と言えど、有名な妖刀に出会えるとは。
この手に収まる下っ端のコイツも含め、曲者しかいないんだよ。

生まれ来る魂とその輝き。
オブリビオンなんかに汚させてたまるか。
勿論、それを生み出す魂も守らないとな。


姿を視界に入れると同時に【殺気】を放ち、刀を構える。
【敵意】を向けてくるように煽りながら立ち回る。

迫る相手には【草木モ眠ル午前弐時】を発動。
捕縛できなかった敵を優先して、確実に数を減らしていこう。
「有名な妖刀なんだ。遠慮なんて不要だろ」

他の猟兵とも連携して、
物陰に注意しながら討ち漏らさないようにも気を付けるか。
「隠すのは顔だけでいいだろうが」


国包・梅花
ただ血を流すだけの虐殺など
刀の宿り神として看過できませぬ
剣抜き放たれる時は、せめて意義がなければ

偽村雨が現れたらば「白鷹」を発動
白き梅の花びらを身に漂わせ妖刀を抜きます
「国包景光にかけて、悪しき妖怪討ち果たして見せまする!」
刀工達に目が向かぬよう【殺気】も存分に放ちますれば
流石に無視もできないでしょう

数だけは良ういますから鍔迫り合いは避け
己の【見切り】を頼りに残像を残す高速移動にて対応します

間合いをとって白刃の放射をあえて相手に受けさせ、その隙に踏み込んで一太刀
再び間合いを空け白刃を飛ばしてまた一太刀
確実に浴びせ続けて倒しにかかります
「一の太刀にて倒れぬならば、また一の太刀を見舞うのみです」


百地・八刀丸
刀匠の村とな。それは一大事よの
ワシも刀を愛する者の一人として、腕を奮わんわけに行くまいて

さて、此度は小物相手と言うことじゃしな
背の二振りの黒刀を以てお相手仕る
華麗な剣舞とは相成らぬが、古風な戦いもまた刀の謂れよ

百地の体に刀七本、己が身一刀、故に八刀丸
字をもって七刃斎。いざ参るッ

二刀を用いるとは攻防を意識するモノ
刀と言うのは確かに人斬り包丁じゃが、表と裏の顔がある
それこそが西洋剣には中々にない、刀ならではの特徴よ

尤も、御主等に説いても無駄ではあろうが……
ただひたすらに人を斬るだけが刀の誉れではなかろうよ
ほれ、敵はこちらよ。このオイボレをその刀でどうするか、試してみせい

※アドリブ、絡みOKです


御剣・刀也
刀匠の村ね
俺の刀も先祖から受け継いできたもんだが、名刀なのかどうかはわからんのだよな
一度鑑定してもらおうかね?此処の人間に

雹刃突は相手より早く打ち込めるのならば胴体に強烈な突きを打ち込んで吹き飛ばす。無理なら巻き込んで弾いてから斬り捨てる
怨呪流血斬は高速移動されると厄介なので移動先を先読みして先回りして待ち伏せる。斬られても少しの流血なら気にしない。ちょっとやばいなら下がって筋肉を締めて止血する
氷輪布陣は氷柱を避けるか斬り捨てるかしながら突っ込んで斬り捨てる
「模倣ってことは贋作か。そんなもんで俺の一撃が止められると思うなら止めてみろ。魂の籠ってない、そんな軽い剣でな!!」


信楽・黒鴉
SPD

なるほど。刀匠の村に、村雨の写し……非常に興味深いと言わざるを得ません。
人の生き死には割とどうでもいいのですが、刀鍛冶については別問題です。この方たちの打った剣が、いつか僕のコレクションになるかも知れないですしね。

【殺気】を【見切り】、【カウンター】で攻撃を叩き込んで偽村雨を迎撃。
あわよくば【盗み攻撃】によって無力化した偽村雨をそのまま刀剣目録にぶちこんで、自分のコレクションに加えてしまう。

「……オリジナルでないのは残念ですが、この際それは不問としましょう」
「たまにはこういう変わり種を集めるのも面白い」
「……さて、次行きましょう」

改変 アドリブ 他PC様との絡み いずれも歓迎です。



●刀匠の村

 時は早朝。太陽は上りかけてはいるものの、いまだ山の向こうに隠れており辺りはぼんやりと薄暗い。
 村には朝靄が立ち込め、その空気はひんやりとしてどこか清々しく心地よい。
「刀匠の村……成る程、実に興味深い」
 村に降り立った鞍馬・景正は辺りの様子を見回し、そっと吐息した。その視界に予知にあった刀の鍛冶場が入ったからである。今は戸が閉められているものの、中から響く槌を打つ音からすぐにそれと分かる。
「なるほど。刀匠の村に、村雨の写し……非常に興味深いと言わざるを得ません」
 信楽・黒鴉は同意したが、その実、関心のある個所に関しては少々の誤差があっただろう。
「この方たちの打った剣が、いつか僕のコレクションになるかも知れないですしね」
 その言葉の奥には『人の生き死には割とどうでもいいのですが』という言が含まれていたのだが、その隣に立つ夜神・静流も同意するように頷く。
「鍛冶職人の方々は剣士にとって無くてはならない存在です。彼らが居なければ、我々は剣を握る事すら出来ないのですから」
 中で行われているであろう職人の業に想いを寄せ、彼女は呟く。
「ゆえに、助けるのは当然の事。ましてや悪しき妖が相手となれば尚更です」
「ワシも刀を愛する者の一人として、腕を奮わんわけに行くまいて」
 村の様子を興味深げに見ていた百地・八刀丸もまた、鷹揚に頷き同意を示す。
「ふむ…やってしもうたの。刀鍛冶の村に来てしまうとはの」
 そんな彼らとは裏腹の感想を漏らしたのは宴・段三郎。彼は幼いながら刀鍛冶であり、そして他人の作品までもを原料として妖刀を鍛刀する彼の業が、この村の刀匠からも恨みをかっているのではないかと危惧しているのである。
 時間帯のおかげで村に人通りはないが。
「……念のため顔を隠して闘わねば」
 段三郎はその口元を布で覆うと敵を探し歩き始めた。
「俺の刀も先祖から受け継いできたもんだが、名刀なのかどうかはわからんのだよな」
 腰にさした刀の柄に触れながら御剣・刀也は語る。
「一度鑑定してもらおうかね? 此処の人間に」


●接敵

「妖刀のオブリビオンね……妖剣士としてはちょっと放って置けないかも」
 敵の注目を浴びぬようにと忍び足で移動しながら雨乃宮・いづなは言葉を漏らす。
「ただ血を流すだけの虐殺など、私も刀の宿り神として看過できませぬ」
 それに応えるのは国包・梅花。敵対する敵と、ある意味ではよく似た存在である彼女にとってはこの襲撃、敵の存在自体に思う所があるようだ。
「剣抜き放たれる時は、せめて意義がなければ」
 そう言葉を重ねているうち、不意に、いづなの狐の耳がぴくりと動いた。家の向こう、曲がり角の先から物音を聞き取ったからである。
 いづなはいっそう息をひそめると、腰から下げた刀の柄に手をやった。その手に触れた刀は無銘。触れるもの全てを切り裂く、いづな愛用の妖刀である。
 曲がり角から偽村雨の姿が見えた瞬間、彼女は地を蹴り駆け込むと一気に距離を詰め、妖刀を抜く。
「あたしの二刀流、伊達じゃない所を見せてあげるっ!」
 その刃に纏うは雷術。その太刀筋は美しく、瞬間防衛の体勢をとった偽村雨の刃の隙きをつきその身を一刀両断する。
 いづなが斬りつけた偽村雨は反撃する間すらなく姿を消した。否、その場には折れた刀が転がっていた。彼らの人の身はあくまで刀に宿っているだけのもの。猟兵達は、それをまざまざと目撃することとなる。
「模倣刀と言えど、有名な妖刀に出会えるとは」
 関心したように感嘆の声を漏らしたのは時浦・零冶。彼は妖刀を握る手に改めて力を籠めた。
 と、今しがた敵を討ったその曲がり角の先から冷気が放たれ猟兵達を包み込む。
「この手の相手は慣れています。お任せ下さい」
 瞬間、静流がいづなの横から刀を抜き放った。刃渡り二尺五寸の業物。切れ味鮮やかな刃ながら静流の身に誂えた刀から放たれる抜刀術はあまりに素早い。
「参ります。一ノ太刀・隼!」
 曲がり角を曲がりつつ抜いた刃からは斬撃派が飛び、その先にいた敵を切り裂く。
 が、そこにはさらに二体の偽村雨が待ち構えていた。偽村雨は怨念を纏い目にも留まらぬ速さで静流へ駆け寄ると、呪いを放出しながら斬りかかってくる。
「その程度の呪いなど!」
 静流は咄嗟に刀で刃を受け、辺りに高い金属音が響く。
「有名な妖刀なんだ。遠慮なんて不要だろ」
 殺気を放ち、零冶はその偽村正の脇から斬って捨てる。
「生まれ来る魂とその輝き。オブリビオンなんかに汚させてたまるか」
 偽村正には感情というものが存在しないのか、その動きには波がなく、また零冶が密やかに放っていた術も効いては居ないようであった。しかし、そうであるならば直接斬るのみと彼は腹を括る。
「梅花、もう一体そこにいるぞ!」
 零冶の言葉に応えるよう、梅花はその身に妖刀の怨念が姿を変えた梅の白花を纏う。早朝の空気に咲く白梅の花弁は、このような戦時にあってもはっとする程に美しい。
「国包景光にかけて、悪しき妖怪討ち果たして見せまする!」
 彼女が抜き放ったのは、邪なる魔を斬る為に作られた刀。そう、その銘を『国包景光』という。
 偽村雨もまたその身に怨念を纏い、梅花同様に高速移動を繰り返し刃を振るってくる。その一刃、一刃を交わし、受け、隙に踏むこむ。
「一の太刀にて倒れぬならば、また一の太刀を見舞うのみです」
 一閃で仕留めるという訳にはいかない戦い、しかし、その刀同士の命のやりとりはまるで舞台上で行われる殺陣のように美しく。
 花びら舞い散る斬撃の白刃を放った次の瞬間、梅花の刃が偽村雨の刀を両断したのであった。


●索敵

「さあ、戦いの時間だアカツキ。本物の妖刀の力、存分に見せてやろうぞ」
 能力で身軽にし、民家の屋根から屋根へと移動しながら村を索敵するのはガーネット・グレイローズである。
 駆けるたび紅き髪が揺れ、彼女の手にした刀もまた妖気を纏いその刃は赤く輝く。
 彼女の視界に、敵が集団で動いている様が映った。そこは村の中心地のようで、少しばかり開けた広場になっている。敵の数は五体。
 それらは今にも民家に入っていきそうな動きを見せていた。
 ガーネットは刃を掲げると、地上に降りることなく敵へ向けて術を放つ。
「打ち付けろ」
 それは妖刀の呪詛が生み出す斬撃の雨。それらは偽村雨の足を止め、身を切り裂いていく。不意打ちを食らった偽村雨達は視線を屋根の上へと向け、呪いを放とうとした。
 ガーネットは咄嗟に身構える、が。
「無象鍛刀」
 そこに、ガーネットの動向に気づいた段三郎と刀也が駆け込んできた。
 段三郎が手にするは大太刀、銘を『化生炉』という。あらゆる物質を溶かす程の焔を纏う、段三郎の身にしてはあまりに大ぶりな刀である。
 しかし彼が渾身の力を籠めてその刀を振り回すと、彼に迫った三体の偽村雨を一閃で切り裂いていく。偽村雨の実体は、人の身ではなく彼らが握る刀である。
 偽村雨を倒すとその場に死体ではなく折れた刀が残ることは今までの戦いで見てきたことだが、この場においては変化があった。
 敵を三体倒したはずだが、地面には一振りの小ぶりな刀が落ちている……否、ただ落ちているのではない。今まさに鍛刀されたのである。刃には水滴が描いたような美しい模様が浮かんでいた。
 残り二体を相手取るのは刀也。彼が手にしている刀は銘を『獅子吼』という。その名の通り、刃は鋭く獅子のごとく煌めき、朝日を浴びて一層の輝きを放つ。
 刀也の一太刀は飾り気がなく、だからこそ芯があり強い。冷気を纏う一体の胴体に強烈な突きを打ち込み、吹き飛ばすと同時に振り返りざまもう一体を斬り捨てる。
「模倣ってことは贋作か。そんなもんで俺の一撃が止められると思うなら止めてみろ。魂の籠ってない、そんな軽い剣でな!!」
 彼が放つのは、ただ、剣豪としての気迫。再度襲い来た偽村雨が振り上げた刀は、再度降ろされることはなかった。それは、刀也の刃に打たれ真っ二つに砕け地に刺さる。
 辺りに平穏が戻り、自身の刀を収めた段三郎は鍛刀した刀を持ち上げると、真剣な眼差しで刃の仕上がり具合を確認した。
「これは……三叢雨とでも名付けようかの」


●一匹狼達

 白雪・小夜は他の猟兵とはまた違う場所で刃を握る。そこは村の裏手。民家は少ないが、彼女の背後には鍛冶場の一つが存在していた。
 敵がこの場所を狙うであろうことは小夜には読めていたのである。
「刀のヤドリガミまで居るのね……刀剣愛好家の私はちょっとだけ、戦いづらい相手かしら?」
 刀剣愛好家。そう自負する程に数多の名刀を所有する小夜であったが、今彼女が握っている刀は、銘を『小夜切征華』という。白き柄と鞘を持ち、白雪のように美しい刃を持っている。
 彼女は目の前に立ち塞がる偽村雨の挙動を観察しその攻撃を見極めながら刀を振るい、剣戟を繰り広げる。その攻防には隙きがなく、お互いの実力が拮抗していることを示していた。
 だが、そんな小夜の足元に氷柱が立ち上る。咄嗟に飛び退いて攻撃を交わした小夜であったが、いくつも地から生まれる氷柱は地を凍らせ、その場を偽村雨に都合の良いフィールドへと変えていってしまう。
 その術を使っているのは、小夜と今まさに鍔迫り合いをしている相手ではないことは確かだ。
 小夜が敵の位置を確かめようと視線を巡らせた瞬間。
「こいつにお困りでしょう?」
 その顔ににっこりと笑顔を浮かべ、黒鴉が鍛冶場の影から現れた。その手にした刀『時不知』が瞬間切り裂いていたのは、同じく鍛冶場の影に隠れていたらしい偽村雨。
「私、誰かと関わるのは……苦手なの」
 小夜の口から感謝の言葉の代わりに思わず漏れたのはそんな一言。
「おや、奇遇ですねぇ。僕もですよ」
 しかし黒鴉は飄々と言うなり、我関せずとでもいう調子でその場に残ったもう一体の偽村雨へと斬りかかる。
「さて、次行きましょう」
「共に戦うなら、全力は尽くすわ」
 交わした視線は一瞬。
「雪羅刹の一振り……」
 氷のように透き通り、冷たい声音。小夜は呟きと共にその身を雪の妖、雪女へと变化させ、周囲に雪を纏いながら刀を振り抜いた。
 黒鴉が敵の攻撃を受け止めた瞬間、小夜の一閃が敵を両断する。
 地に落ちたのは、やはり折れた刀。
「……オリジナルでないのは残念ですが、この際それは不問としましょう」
 この程度打ち直せるだろうと、黒鴉はその刀を懐にしまい込む。
「たまにはこういう変わり種を集めるのも面白い」
 どこか楽しげに呟く彼の様子を目にし、小夜はまた敵を求め、別方向に歩き出すのであった。


●剣豪

 一方その頃、別の場所で村人を守る戦いに挑んでいたのは景正と八刀丸である。
 八刀丸は背に背負っている二振りの黒刀を抜く。それらは共に四角い鍔を持つ直刀。銘を『左源黒月』、『右源黒月』という。
「華麗な剣舞とは相成らぬが、古風な戦いもまた刀の謂れよ」
「鞍馬の名に恥じぬ戦をお見せ仕る」
 景正は敵影を目にしたと同時疾走し抜刀。その手に握られているのは『武州康重』。華やかさはないが、景正の怪力での使用に耐える強靭で剛健な打刀である。
 目掛けて行く先にいる偽村雨の数は四。人数は不利、しかしその程度の数の差など、景正と八刀丸という二人の剣豪を前にしては最早ないに等しかった。
「百地の体に刀七本、己が身一刀、故に八刀丸。字をもって七刃斎。いざ参るッ」
 八刀丸は両の手に握った刀を巧みに操り、敵の刃を受け止めながらもう一刀で斬りつけ、その偽村雨の長い髪を腕を、斬り捨てる。
 打ち合った刃は火花を上げ、眩いた瞬間、右の手に握った刀が敵を袈裟斬りにしていた。
 景正は駆け抜けながら行き違った敵一体の胴体を両断し、すぐさま踵を返す。瞬間、視線の先に、騒ぎを聞きつけ家から出てくる村人の姿が映った。
「出てきてはなりません。家に戻り隠れていてください」
 朗とした声で呼びかけると、顔を出した男は驚いたようびくりと身を竦める。と、そこへ反応を示した一体の偽村雨。男へ冷気が放たれる。
 だが、瞬時に景正が身体を割り込ませ冷気を受け止めることで男を守った。
「二刀を用いるとは攻防を意識するモノ。刀と言うのは確かに人斬り包丁じゃが、表と裏の顔がある……尤も、御主等に説いても無駄ではあろうが」
 呼応するように、八刀丸が偽村正の身体を斬りつけ刃を折る。
「暫しの御辛抱を願いたい――すぐに片付けます」
 村人の眼の前には、自身を守り立った男の、景正の背だけが見えていた。
「あ…ありがとう……!」
 村人はそう一言だけを漏らすと家の中へと戻る。
「ほれ、敵はこちらよ。このオイボレをその刀でどうするか、試してみせい」
 残った一体の敵に向け、八刀丸が不敵な笑みを投げかける。景正が語った「すぐ」は、瞬く間のうちに訪れたのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『乱世の名将』

POW   :    八重垣
全身を【超カウンターモード】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD   :    八岐連撃
【一刀目】が命中した対象に対し、高威力高命中の【七連撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ   :    永劫乱世
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【復活させ味方】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠犬憑・転助です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 偽村雨の気配の消えた村。
 しかし、その村に新たな危機が迫っていることはその場にいる猟兵達の全てが理解していた。それほどに、強烈な殺気と存在感。
 乱世の名将は、ゆっくりと歩み、村の門を潜った。
 彼が目指す先は、刀匠が名刀を仕上げた鍛冶場。それ以外には眼中にないようであった。
御剣・刀也
八本も刀持っててまだ必要なのか?
相棒は一本あればいい
自分が命を預けるのならばなおのことな

八重垣でカウンターモードに入ったら無理に攻撃せず距離を取って体勢を整え、自分の身体のコンディションを確認する
八岐連撃は一発目を受けたら連撃が始まるのでなるべく避ける。受けてしまったら重心を落として腕力と併用して弾き飛ばされないようにする。連撃が終わったらカウンターを打ち込む
永劫乱世は気を失わない様に歯をくいしばって耐える
「剣士が命を預けるなら一本あればいい。重要なのは数じゃない。剣にかけてきた魂の重さだ!!」


夜神・静流
味方に対しては丁寧で礼儀正しく、敵に対しては冷酷。特に悪霊や妖怪、魔物の類に対してはより顕著。
味方でも悪人寄り・闇系の相手にはよそよそしい態度。

「止まれ。そこから先には行かせない。……いや、貴様の行く場所など、この地上の何処にも存在しない」

見切り・早業・属性攻撃・範囲攻撃・破魔技能を使用し、七ノ太刀・暁で攻撃します。
外れた場合は浄化結界の上で2回攻撃技能を使って戦闘続行。あえて外すのもあり。

●永劫乱世で味方や死者が操られた場合は、お祓い道具を拘束展開、投擲技能を使って霊符を投擲などした上で、早業・属性攻撃・破魔・カウンター・呪詛耐性を用いて七ノ太刀・暁を使用し、呪いの解呪・浄化を試みます。


国包・梅花
それだけ刀を携えてまだ欲しますか
貪欲もそこまでくれば立派…されど通すわけにはまいりません
こちらも負けじと殺気を放ち威嚇するとしましょう

警戒すべきは八重垣でしょうか
こちらの剣に後の先を取られてはたまりません
なれば我が妖刀の力「月世界」を
「乱世を呼ぶ外道を散らす、これが我が剣にて」
剣の間合いの外から斬撃の花びらにて、八方より斬りつけます
目の前に花びらをひらつかせたと思えば、真横より突風のごとく叩きつけたりと
【フェイント】をかける感じですね
狙えるならば【武器落とし】も
無数の刀が落ちればそれだけ攻撃力も減りましょう

あるいは永劫乱世にて操られた者を蹴散らすにも使います


信楽・黒鴉
SPD

繰り出す攻撃に宿る【殺気】を【見切り】、その一太刀目に【カウンター】でユーベルコードを叩き込み、執拗な【2回攻撃】で【傷口をえぐる】。

「普通は刀一本で十分なんですよ。マジで相手を殺す気ならね」
「だから、そういう大袈裟な前フリに頼るのは二流だと思います。 え? 僕も刀を沢山持ってるだろって?」
「僕は確かに欲深ですが、手はこの二本しかありませんし。無理して八本も刀を使いやしませんってば」
「三途の渡し賃代わりです。僕の剣をお見せしましょう」

アドリブ 他猟兵様との絡み その他もろもろ歓迎です。


鞍馬・景正
首魁が出て参ったか。
幾本もの業物に禍々しき具足、まさに油断ならざる相手。
然らば、全力全霊で迎え撃つまで。

◆戦闘
敵を確認次第、対峙。

あの八刀、掻い潜って一閃できれば最上だが、その隙を見出すのも容易ではなさそうだ。

だが無理でも勝つのが武士というもの。

刀を無造作に提げたまま歩み寄り、【無明剣】にて参る。
余計な思慮分別は捨て、己が今まで培った術技と鍛えた膂力を信じるのみ。

あらゆる返しの太刀を封じ、制御を解き放った【怪力】で【鎧砕き】の打ちを乱舞させよう。

切り落とそうと太刀を果断に迅速に揮われるほど、無我の剣は冴えるというもの。
八刀でそれぞれ一撃する間に、こちらは一刀で八撃以上でも重ねてみせる。


白雪・小夜
【SPD】人見知り・対人不信の為、交流低
あらあら、こんなところにも乱世の名将が居たのね。
まぁ刀には付き物、かしらね?

あちらも殺気立ててくるなら、こちらも『殺気』立てて行きましょ。
『恐怖を与える』のはまぁ可能なら、とみましょ。
基本は妖刀による斬撃で素早く攻めていくわ。
多少の攻撃は『激痛耐性』で多少カバー出来ればいいのだけれど。
敵の動きは『見切り』で多少見たいところね。
『雪夜の一振』を使う場面は慎重に見極めていくわよ。

他の猟兵との共闘はまぁ刀の為なら仕方の無い事、ね。
早々に決めましょ!全力で共闘してあげるわ!

私の戦う理由は刀達の為…それ以外にはないわ。
…戦う理由はそれぞれ…何か問題でもあるかしら?


雨乃宮・いづな
◆心情
とにかくこれ以上進まれるのは困るかな。
刀で勝てればとか言ってられる相手じゃ無さそうだし、あたしのやりやすい様に動かせて貰うんだよ…!

◆行動【POW使用】
剣士が多いね。なら前衛は十分、あたしは後衛に回って支援を中心に動くんだよ。
鍛冶場への道に先回りして、射程に入り次第「先制攻撃」でユーベルコード『双牙双銃』を発動するよ。
ある程度の距離を保ちつつ「2回攻撃」を駆使して攻撃回数を稼ぐね、弾幕を張って移動妨害に注力するんだよ。
相手の足が止まったら攻撃力重視に切り替えて、倒せなくとも消耗させて行く事に全力を尽くすよ。「鎧無視攻撃」でその防御ごと打ち抜いてあげるっ!


ガーネット・グレイローズ
これは驚いた。なんと八刀流の使い手とはね。
では、こちらも手数で負けないようにしないとな。

【念動武闘法】により、鋼糸をレベル分複製。それらを<念動力>で操作し、
オールレンジからの斬撃を浴びせていこう。
<フェイント>を交えながら<武器落とし>で刀を持つ手を巻き取って妨害、
糸を高速で震動させての<鎧無視攻撃>で糸鋸のように甲冑を切り裂く!
糸には<呪詛>を幾重にも乗せ、強度と殺傷力を増強させておくぞ。

基本は糸を操りながら中間距離での牽制が主体になるが、
八岐連撃を仕掛けられたら【サマーソルトブレイク】の<カウンター>で蹴り落とそう。
名将と呼ばれた男も、オブリビオンに墜ちればただの
殺戮者か。哀しいな!


百地・八刀丸
刀を八本じゃと?
オブリビオンに、よもやワシと似た者がおったとはな
さぞや名の知れた使い手であったろうな

さて、名乗るも二度目となろうが、百地の八刀丸と申す
八刀流ではなし、同時に使うは二刀のみ

故に面白そうじゃ
御主のような益荒男を相手にするは心昂ぶる
……あァ、一対一に拘らぬよ。人命第一じゃて

先ずは背の黒刀二刀。攻守にバランスの良い妥当な二刀流ぞ
次に脇の小太刀二刀。身体を回転させる、流れるような動きが特徴よ
その次は脚絆の短刀二刀。逆手に持ち、上下左右からの奇襲が売りじゃ
そしてこの大太刀一刀。正眼に構え、己を一刀として振るう魂の剣よ

果たしてワシの剣がどこまで通じるか、いざ尋常に勝負ッ!

※アドリブ、絡みOK


宴・段三郎
来たか

本命が来おったな

…これより此処を我が鍛冶場とする

目的はただ一つ、敵武将の鍛刀。

妖刀破壊の為に担当した号 『戎』を使い、鉤針を彼奴の刀に引っ掛けて破壊を試みる。

また、仲間と連携するなら号 『七葉隠』で刀身の見えない忍刀で突き刺す

敵が弱くなってきたところで号『化生炉』をユーベルコード【地国炉開闢】で解放し、本来の刀鍛冶が使用する火炉と大槌としての力を呼び起こさせる。
焔で鎧を熱し、極限まで熱せられ白く発光する刀身による鍛刀を行う

此度は刀剣市がある。

その展示品としておんしには素晴らしき妖刀となってもらう

妖刀を喰らう妖刀にの。

もし鍛刀できたら号はmsに任せる


時浦・零冶
真打の登場ってところか。
只者じゃないことは明らかだが…手にする刀はどんな業物だろうな。

『陰蝕』の黒を更に濃くしてくれるのは間違いないだろうが。
…落ち着け。すぐに剣戟の嵐に飛び込むんだから。

■SPD中心の戦闘
敵が目指しているであろう鍛冶場を背に正面から対峙
『妖剣解放』による高速移動でヒット&アウェイ

「沈め『陰蝕』…遠慮なく暴れていいぞ」

対・八重垣
【鎧無視攻撃】【鎧砕き】で無効化を狙う

対・八岐連撃
【武器受け】【逃げ足】で回避を狙う
外した隙を逃さず急接近して連撃を打込み

永劫乱世で偽村雨を起こす可能性も懸念
【衝撃波】による牽制も活用

※他の猟兵との連携も意識



●抱く想い
「来たか」
 そう呟いたのは宴・段三郎であった。銀の睫毛に縁取られた瞼が開く。
 太陽は山を超え、辺りは次第に日中の明るさになりかけている。
 再び静寂の戻った村。その入り口の門を乱世の名将が潜った瞬間、その声凛とした声は響いた。
「止まれ。そこから先には行かせない。……いや、貴様の行く場所など、この地上の何処にも存在しない」
 夜神・静流は名将の真正面に立ち、冷え切った視線を向ける。
 名将の背は兜も含めると二メートルを超えているだろう。その威風堂々とした佇まいは、身にまとった甲冑、それから携えている八本もの刀も相まって見るもの全てに威圧感を与える。
 名将はその面につけた赤い面を静流へと向けたが、歩みを止めることはなかった。彼の目に目の前に立ち塞がる者の姿は入っていない。ただ、その焦がれるような想いに惹かれて、名刀の元へ。
「待てよ。八本も刀持っててまだ必要なのか?」
 御剣・刀也は刀を抜き放ちながら名将に問いかける。彼が投げる眼差しには、敵意よりもむしろ、どこか同情めいた色が浮かんでいた。
「貪欲もそこまでくれば立派…されど通すわけにはまいりません」
 国包・梅花も殺気を放ちその横に立ち並ぶ。先の戦いで住人の幾人かは今が非常事態であることを認識しているが、それでも早朝から時間が経った今、家から出てくる住人がいるやもしれない。
 この先に通すわけにはいかない。その認識は、猟兵達共通の思いであった。
「とにかくこれ以上進まれるのは困るかな」
 正面に並ぶ仲間達から一歩下がったところで、支援に徹する腹を決めたのは雨乃宮・いづな。
「首魁が出て参ったか。幾本もの業物に禍々しき具足、まさに油断ならざる相手」
 名将の放つ殺気に引き寄せられ、他の場所で戦っていた猟兵達もこの地へと集結した。鞍馬・景正はその敵の姿を目にし、全身が殺気立ち血が湧くような感覚を感じた。
「然らば、全力全霊で迎え撃つまで」
「オブリビオンに、よもやワシと似た者がおったとはな。さぞや名の知れた使い手であったろうな」
 景正と共に戦っていた百地・八刀丸もまた、その姿に目を瞬く。彼はその背に二刀、脇に二刀、脚絆にそれぞれ二刀、腰に一刀と、全身で七振りもの刀を携えている。その姿は確かに名将との共通点が多いようにも思える、が。
「さて、名乗るも二度目となろうが、百地の八刀丸と申す」
 八刀丸はその面に実に愉快そうな笑みを浮かべる。
「八刀流ではなし、同時に使うは二刀のみ。故に面白そうじゃ」
「あらあら、こんなところにも乱世の名将が居たのね」
 以前にも同種のオブリビオンと対峙したことのある白雪・小夜はその白い頬にそっと手を添え、敵を見やる。一見その姿からは緊張が抜けているようだが、しかし、次に瞬いた瞬間、彼女の身に漲ったのは名将と同じ種類の殺気。
「私の戦う理由は刀達の為……それ以外にはないわ」
 刀を奪おうとする名将、そして、刀を守りたい小夜。外見はあまりにも違いすぎるが、彼らには通ずるところがあるようでもある。
「真打の登場ってところか。只者じゃないことは明らかだが……手にする刀はどんな業物だろうな」
 時浦・零冶は腰にさした愛刀『陰蝕』に触れ、不意に逸る気持ちを抑える。落ち着け、と、『己』自身に言い聞かせる。これから剣戟の嵐に飛び込むことを想えば、一時高まった心音が再び平静を取り戻す。

●八刀流
「……これより此処を我が鍛冶場とする」
 静かに宣言された言葉。周囲に集った猟兵達を意にも留めない名将に向けて真っ先に動いたのは、段三郎であった。その瞳に宿るのは殺気ではなく、職人の熱そのものである。
 彼が手にした刀、名は『七葉隠』は、しかしその刀身は透明で直接見ることが叶わなかった。ただ、その実非常に長い大忍刀を振るい、敵向けて突き刺す。
 同時、今まで無反応を決め込んでいた名将がその刀を両手に二刀抜き放つと、段三郎の見えぬ刃を弾き防いだ。
「敵は八刀流の使い手。ならばこちらも手数で負けないようにしないとな」
 敵の動きを見やり、仲間への加勢のためと鋼糸を取り出したのはガーネット・グレイローズ。彼女はその鋼糸を数多複製すると念動力で操作し、名将の四方から斬撃を浴びせかけていく。
 鋼糸は巧みにフェイントを交えながら動き、時に名将の刀を持つ手に絡みつき、その動きを妨害する。
「名将と呼ばれた男も、オブリビオンに墜ちればただの殺戮者か。哀しいな!」
 彼女の用いている糸には呪詛が幾重にもかけられ、名将の身体に触れるたびその生命力とでも言うべき力を奪い取っていく。
「剣を振るだけが能じゃないかな、こういう芸当だって出来るんだよ」
 牽制ならば加勢すると、いづなは特装魔導銃二挺を手に雷撃弾を雨あられと打ち込んでいく。
 彼女は前衛と後衛という役割を充分に理解し、仲間の動きをサポートしながら決して邪魔しあわない位置取り、攻撃場所へ狙いを定めていた。
 そして、いづなが狙っているのは、他のものに興味を示さない名将の歩みを止めること。
 しかしてガーネットといづな、その両者から数多の攻撃を浴び、名将の歩みが止まった。
 それらは無論、全てを防ぐことは困難だ。だが、彼は巧みにその八刀を操り、あらゆる方向からの致命傷となりうる攻撃を防いでいた。
「まるで曲芸ですね」
 相手の様子を、そう笑い飛ばしたのは信楽・黒鴉。地を蹴り挑みかかれば、彼が首に巻いている白きマフラーがひらりと舞う。
「普通は刀一本で十分なんですよ。マジで相手を殺す気ならね」
 飛び込んでくる黒鴉へ向けられた名将の一太刀を見切り、彼は向けられた刃を弾きながら返す刀で右腕、それから続けて左腕へと斬りつけていく。
 名将の腕を一太刀では斬り落とせない。だが、刃が閃くたび血が舞った。
「僕は確かに欲深ですが、手はこの二本しかありませんし。無理して八本も刀を使いやしません」
 いまだ軽薄な調子で話しながらも、黒鴉の動きは流水のごとく滑らかで自然体である。
「三途の渡し賃代わりです。僕の剣をお見せしましょう」
 今までにっこりと微笑んでいた黒鴉の目が開いた。覗いたのは、舞い散る血のごとき真紅の瞳。彼の手にした名刀『不語仙』が八刀の合間を縫って、名将の肩から袈裟斬りにしていく。
 が、仕掛けてきたのは、敵も同様であった。
 黒鴉の一太刀を受けながらも名将の向かった先は、彼の動きを妨げる厄介な術を放ち、かつ、そこまで立ち位置の離れていない、ガーネットだった。
 敵の攻撃を相殺しようと身構えたガーネットだが、敵の動きはそれ以上に素早かった。まず浴びたのは一太刀。そこから畳み掛けられたのは残る七刀による目にも止まらぬ連撃。
 宙に、辺りに、鮮やかな赤が舞う。ガーネットの華奢な身体が地面に崩れ落ちた。
「ガーネット!」
 地に伏せた仲間の姿に零冶が声を上げる。その身に纏ったのは妖刀の怨念。瞬時に踏み込み、高速移動で振り下ろされた一刀を太刀で受け止めガーネットへの追撃を防ぐ。
「沈め『陰蝕』……遠慮なく暴れていいぞ」
 長く鍔迫り合いを続けることなく、身にまとった怨念を活かした素早さで瞬時に飛び退きさらなる隙きを狙う。
 今までまさに零冶がいた場所に次の瞬間、名将の一太刀が振りかぶっていた。曲芸にも似た芸当で八刀もの得物を操る相手は、手数が多い。故に、一刀に煩っていては自身の隙きを生んでしまう。
 そのことを、零冶は本能で感じ取っていた。
 自身の寿命を削りながら踏み込み、さらに打ち込む一刀。その一閃は名将の脇腹付近を斬りつけた、が、別の刀が零冶の身へ襲い来る。
「その刀には我が素晴らしき妖刀となってもらう」
 瞬間割り込んだのは、段三郎の振るう多くの釣針返しが付いた刀身を持つ妖刀であった。その刀身に絡められ、零冶に迫っていた刀を絡め取り、そしてその刃を真っ二つに破壊する。
 落ちた刃の切っ先が深々と地面に突き刺さった。
「この『戎』と同じ、妖刀を喰らう妖刀にの」

●七刀流
 自身愛用の得物の一つを失ったからであろうか、一瞬、名将の動きに乱れが生じた。
「まぁ刀の為なら仕方の無い事、ね。早々に決めましょ! 全力で共闘してあげるわ!」
 その隙を見逃さず、小夜が自身の力を解き放つと彼女の周囲に雪が舞い散った。同時に抜き放った妖刀で素早く斬りつけていく。
 刃を振るうたび、彼女の白く美しい髪が舞う。その動きには無駄がなく、まさに刀と一身となった立ち回りだ。しかし、名将の振るう刀は避けることが困難で、小夜の身を斬り、白き肌を赤く染めていた。
 それでも彼女が早々に倒れることがないのは、彼女がその身に妖を宿しているからである。しかし、その彼女の攻撃に特化した姿勢をより長く保たせることは至難の業であった。
 名将の振りかぶった一閃が小夜の腹部を斬り、その身が飛ばされながら地に崩れる。 
「御主のような益荒男を相手にするは心昂ぶる」
 背に負った黒刀二刀を両の手に握り、八刀丸はすぐさま名将と気を失った小夜の間に割って入る。攻守のバランスに優れた黒刀は名将の太刀を抑え込んだ。
「果たしてワシの剣がどこまで通じるか、いざ尋常に勝負ッ!」
 気迫の掛け声一つ。黒刀を収めると同時に身体を回転させながら抜き放ったのは脇に携えた小太刀二刀。流れるような動きで敵の太刀筋を受け流し、次に握るは短刀二刀。
 逆手に構えたそれで一刀の動きを抑え込むと、その隙に抜き放ったのは大太刀一刀。
「これが己が魂の剣よ」
 正眼に構え、真っ直ぐに打ち下ろした刃は確かに名将の兜を捕えた。
 八刀丸がまさに綺麗に一本を取った瞬間であった。しかし名将の動きに、警戒を続けていた梅花は異変を察知した。
「八刀丸、カウンターです。気をつけて」
 梅花の助言で咄嗟に身を引き、八刀丸は敵より放たれた超重の一撃をかわす。敵の兜は健在。名将は八刀丸の強力な一撃を完全に無効化してしまったようである。
「乱世を呼ぶ外道を散らす、これが我が剣にて」
 間断なく攻めかけるよう、梅花は手にした妖刀を怨念に鈍く光る梅の花弁へ変え剣の間合いの外から名将へと浴びせかける。
 その花弁は可憐。しかし名将の目前にちらついたかと思えば瞬く間にその強さを増し突風のごとく叩きつけられる動きは梅花の策略の高さを感じさせる。
 何より、守りの姿勢に入ってしまった名将にとって、その間合いの外からの攻撃は反撃が困難であった。

●剣の道
 戦場は舞い散る梅の花弁に支配され、このまま梅花の技で翻弄しきれるかと思われた時。
 しかし、乱世の名将の技は物理攻撃のみに留まってはいなかった。
「ガーネット様、小夜様!」
 静流が叫んだのは仲間の名前。しかし、それは彼らへ向けての警戒を促すためのものではなかった。意識を失っていたはずの二人がその身を起こし、各々の術にて梅花へと襲い掛かったのだ。
 二人の動きには生気がなく、無論その行動が彼女たちの本位ではないことは誰の目にも明らかであった。しかし、仲間である彼女達を分用意に斬りつけることは出来ない。
 それに何より、身に過ぎた切創を負い血を流している身体を動かし続ければ、彼女達の生命に関わる。
 静流は咄嗟に浄化の霊符を放つと二人へと貼り付けその動きを封じる。
「我が剣は陽。祓え、浄化の刃! 七ノ太刀・暁!」
 畳み掛けるよう抜き放つは『白夜』という銘を持つ脇差。刀身からは眩いばかりの光が放たれ、その光が二人に当たると同時に傷つけることなく彼女達の動きが完全に止まった。
「良かった……」
 静流が仲間達に駆け寄ると同時、刀を無造作に提げたまま名将に歩み寄ったのは景正であった。
 刀を一振りなくしたといえ、名将の七刀流の隙の無さはつけ入るのが難しい。何より、今彼は防衛に徹しており、下手に手出しすれば逆に命さえも盗られかねない。
 だが、ここで引くわけにはいかないのだ。
「刀也殿、この鉄壁、私が崩します。それまで近寄る事のなきよう頼みます」
 景正は仲間にそう言い置くと、形の良い唇から息を吐いた。
「我空、人空、剣空――右三空一心観。無明にて断つ」
 余計な思慮を捨て、ただ、己の剣のみに意識を集中する。そうして無我の境地に達した彼の面からは、普段の堅い理性を持つ景正の面影が薄れていた。そこにあるのはただ、剣豪という名の獣。
 超速の打ち合いは、景正の一刀から始まった。その一撃に反応し打ち込まれる刃を景正の本能が捉え、彈き、打ち込むとさらに次なる一閃が閃く。
 常人の目には、最早そこで行われているやり取りを追うことすら難しい。激しく金属のぶつかり合う高音と、時折起こる火花だけがその攻防の凄まじさを物語っていた。
「剣士が命を預けるなら一本あればいい……」
 七振の刀に一刀で対応する景正の後ろ姿に、刀也が呟く。握り込むのは、自身の愛刀。そうして、己の状態を整えながら時を待つ。仲間が時に身を呈し築いた道筋、その道を違うことなく突き進めるように。
「重要なのは数じゃない。剣にかけてきた魂の重さだ!!」
 その時は、やってきた。
 甲高い音が響き、景正の怪力が、刃を防ぐ名将の刀を次々と破壊する。
「この切っ先に一擲をなして乾坤を賭せん!!」
 刀也が吼える。
 持てる力を振り絞り、跳躍と共に振り下ろされた迷いなき一刀。
 その刃の冴えが、乱世の名将を両断した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​




第3章 日常 『刀剣展示会へいこう!』

POW   :    刀剣をモチーフとしたカフェメニューを食べる

SPD   :    展示されている刀剣を見学する

WIZ   :    刀剣の歴史について目録を読む

👑5
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 刀剣展示会は、猟兵達の働きのかいあってつつがなく行われる運びとなった。
 この村で打たれた数多の名刀が展示されているが、中でも目玉はこの展示会のために鍛刀された五振りの逸品であろう。
 それらの刀に銘はいまだついていない。これから決まるであろう所有者に合わせた銘を付けたいというのが刀匠たちの意向である。
 かくして、それぞれの刀の後ろには、刀匠が誇らしげな顔をして座っているのであった。
 また、この展示会に合わせていくつかの甘味も用意されているようである。団子であったり羊羹であったりと品は様々だが、どれも展示されている刀を発想源にして作られていることは共通している。
 展示会を純粋に楽しむも良いし、甘味とお茶に一息つくも良いだろう。
国包・梅花
SPD

展示を見て廻ります
とはいえ刀工と刀を守るために戦ったのみなれば
報酬を欲しているわけではなく…というか
妖刀の宿り神ゆえ他の刀を持つという発想さえ……

などと申したけども、実際こうして刀を眺めておりますと
どれもこれも美しう…研ぎ一つでこうも刃の輝きが変わるとは…
いえ、私も、というか国包景光とて負けてはおりませぬがっ
鞘の細工も実に凝って……い、いや私の鞘は刀に憑きし怨念を抑える役目もありますれば…!

この透かし鶴の鍔の見事な事といったら!
今にも飛び立ちそうな躍動感はいかがしたことでしょう…!
鍔だけ、鍔だけでも変えて罰は当たらぬのでは…?
ひ、冷やかしばかりも無作法
鍔だけ買うことは叶いますでしょうか?


夜神・静流
祈り技能を使用。
展示されている刀剣を見学します。
どれも素晴らしい品で、特にこの五振りは特に良い物ですね。

私の剣は普通の剣術と違い、専用の霊刀でなければならないので、自分の物に出来ないのは残念ですが……
せめて、この刀達が相応しい使い手に出会えるように、そして正しく使われるように祈ろうと思います。
それとお祓い道具を使って、武運長久・安全祈願などの祈祷・お祓いも出来ますので、必要ならばお仕事をさせていただこうと思います。


鞍馬・景正
一件落着、善哉――。

およそ名刀とは実用性、美観、霊威の三柱を備えるもの。
焼刃から地鉄まで、其々の持ち味を鑑賞させて頂きましょう。

◆譲渡希望
特に惹き付けられる作があれば、刀匠殿に預からせて頂けぬか頼み込んでみましょう。

剣術の腕を条件とされるなら、言葉を並べるより【鞍切】を披露。
嘗て我が父が関ケ原で鎧武者の兜から乗馬の鞍まで断ち切った型となります。

重んじるは基礎の全て、引いては刀の柄から切っ先まで気を巡らせ、我が身の一部たる活剣とすること。

そしてこの刀はその一念を余さずに受け止め、士道の権化、降魔の利剣たり得る逸品とお見受けしました。

叶うなら、刀匠殿が相応しいと感じる号と共に頂戴致したく。


ヨシュカ・グナイゼナウ
【SPD】
刀剣の展示会が行われていると聞きまして。未だ手に馴染んだとは言えないですが、刀を使う身として勉強になるのではと参りました。もしかしたらこの【空切】の手掛かりが見つかるかもしれません?わかりませんが。
展示してある刀剣達をひとつひとつゆっくりと見て回る。素人目に見てもどれもが素晴らしい刀だと理解できる。刀匠さん達に展示中の刀についてや、刀剣の手入方法なども聞けたらなと。え、刀って分解できるのですか?成程。

一通り見学し終えたら、喫茶で休憩するのも良いかもしれませんね。あの、こちらのお団子いただけますでしょうか?(アドリブ絡み歓迎です)


白雪・小夜
【SPD】人見知り・対人不信の為、交流低
刀剣展示会…良い響き。
目玉の五振りはどんな刀なのかしら…手に入れられれば是非と思うけれど…
その時はどんな名の刀か楽しみではあるわ。
…まぁ手に入らなくても、見れただけでも良しとして置かなくちゃね。

この展示会に展示されてる刀達…どれも良いわね。
鞘や柄…鍔のデザインとか…見てて心惹かれるものがあるわ。

私が今持つ刀は十二振り…歴史とかはまぁ一族の刀だったもあるし
どれほどのものかは分からないけれど
どれも手入れを施している自慢の刀達よ。どれが一番とも言えない程に。

今日は楽しめたわ。一人で出かけて久々に心が踊ったもの。
また開催されたらまた出向きたいところね



アドリブ歓迎


御剣・刀也
SPD行動

刀剣の展示会か。ついでに俺の刀も鑑定してもらえたらしてみようかねぇ
古くから伝わるものってこと以外、全然わかってないからな

刀剣を見つつ感嘆の溜息をもらす
日本刀が芸術品だって言われるのも納得だ。と頷く
透き通った刃と綺麗な波紋、西洋の剣ではこういうのは絶対まねできないなぁ
刀剣を見つつ、鍛冶師が居たら出来たら自分の刀を見てもらう
「こいつがどういうものかわかるか?実家に古くから伝わるものだってこと以外分ってないんだが」
と、見せて何かわかるならその話を聞き分からないなら返してもらう


信楽・黒鴉
SPD

【暗殺】の仕事で磨いた【忍び足】で人の波を上手くすり抜けつつ、名刀を見学。トランペットのショーケースに張り付く少年よろしく食い入るように名刀を見物しまくる。ついでに無駄に高い【コミュ力】を活かして、これと見込んだ名刀のそばに控えた刀匠に刀を譲ってもらえないかと持ちかける。

目当ては抜刀術に向いた刀で、美観そのものよりも使い勝手を重視しているらしい。

まあ、普段であれば気に食わない輩の刀は殺してでも奪い取るのが僕なのですが、カタギの相手にそんな無茶は致しません。
優れた仕事をする刀匠にはきちんと敬意を払う程度の分別もあるのです。

アドリブ 改変 他猟兵様との絡み なんでも歓迎致します。


百地・八刀丸
【SPD】

いやはや、ワシの剣は通じんかったか
年齢のせいにはしとうない、まだまだ修行が足りんわ

さて、反省はここまでじゃ。気を取り直して、刀達を見るかよ

ほほう、これはこれは。どれもこれも良い刀じゃ
匠の業が文字通り光っておるわ
長年様々な刀を見てきたが、なるほど。素晴らしいのう……
孫娘の雪も連れてこれば良かったか。都合が合えばなァ、勿体ない

っと、おお……なんと言葉も失おうか
天下五剣とは斯くたるや、確かに確かたる名刀。眼の保養になるのう
ワシも年齢じゃが、斯様な刀を見ると体が熱くなる
カカッ、ワシの刀共もいささか嫉妬しておるわ、愛いヤツ共め
いやはや、まっこと良い刀達じゃ。孫娘に見せてやりたいモンだのう……


宴・段三郎
儂も…鍛刀した刀の展示をよいか?
あそこの、隅っこでもよいから展示させてくりゃれ

【目的】
自分の鍛刀した妖刀の展示

【行動】
まず展示するにあたって、顔バレせぬように布で口を覆うかの。

展示する刀は一振り

妖刀『化生炉』

万物を妖刀へと鍛刀する妖刀にして、儂の鍛冶道具じゃ

まずはどんな妖刀か見てもらう為にでもんすとれ〜しょんをするでの

此処にそびえるは悪しき武将から奪いとった大太刀

今からこの刀を、たった一振りで妖刀へと鍛刀しようぞ

少し皆、後ろへ下がるがよい。


ユーベルコード【地国炉開闢】を使用し、折れた大太刀を化生炉の、熱さで白き輝く鍛刀と鞘から吹き出る火炉の焔で、展示会内を振動させる様な一振りで鍛刀する


ガーネット・グレイローズ
【SPD】
今回の目玉である、五振りの
名刀の展示会をを見学しに行こうか。
うん、どの刀も刀匠の自信作だけあって素晴らしい出来栄え。
刀身の反り、浮かび上がった刃紋、柄や鍔の装飾を眺めて楽しむよ。
展示会に触発され、私のアカツキに合う柄や鍔があるか村を回って探してみよう。
「こんにちは。この刀に合うような、いい感じの装飾品はないかな?」

村中を巡って歩き疲れたら、茶屋に入って一休みしよう。
「すまんが、お茶と団子をくれないか」
春の陽気と、人々の賑わいを楽しみながらゆっくりと味わう。
戦いの疲れもどこかへ吹き飛んでいきそうだ。おや、どこからかウグイスの鳴き声が聞こえてきたな。



 朝靄の晴れ、日光降り注ぐ刀匠の村は、そこであった戦いを思わせぬ活気を見せていた。
 規模と住民の数は少ない村ではあるが、今は近隣の地域から、時には遠方からも集まってきた人々がそれぞれに展示された刀剣を眺め、その所有を願っていたりする。
 国包・梅花もまた、刀剣展示会を楽しむ者のうちの一人であった。
 彼女は、彼女自身が妖刀のヤドリガミ。なので他の刀を所有するという発想自体持ったことがなかったのだが。しかし。
「う……」
 並ぶ素晴らしき仕事の名刀を眺めていると、妙にうずうずとした感覚が湧き起こるのである。
「どれもこれも美しい……研ぎ一つでこうも刃の輝きが変わるとは……いえ、私も、というか国包景光とて負けてはおりませぬがっ」
 じいっと刀に見入りながら、思わず独り言も漏れる。
「鞘の細工も実に凝って……い、いや私の鞘は刀に憑きし怨念を抑える役目もありますれば……!」
 そんな彼女の様子に、刀匠の一人が声をかけた。猟兵達の活躍は、村中の誰もが知っている。
「あんた、俺たちを助けてくれた人だよな。そんなに刀が好きなら何か見繕おうか」
「はっ……いえ刀工と刀を守るために戦ったのみなれば、報酬を欲しているわけではなく!」
 首をふりふり丁重にお断りする梅花だが、その視線はそこに展示されている鍔に向いていた。
「この透かし鶴の鍔の見事な事といったら! 今にも飛び立ちそうな躍動感はいかがしたことでしょう…!」
 そうしてついに意を決し。
「鍔だけ買うことは叶いますでしょうか?」
 刀匠は愉しげに空高く響く笑いを一つ。透かし鶴の柄が入った鍔を包み梅花へと渡してくれたのであった。

 そして梅花と同じように、夜神・静流も刀に思い入れの深い者。
「私の剣は普通の剣術と違い、専用の霊刀でなければならないので、自分の物に出来ないのは残念ですが……」
 刀匠が魂を籠め鍛刀した名刀の仕上がりに見入りながら、彼女は呟く。その悩みは、刀に対するこだわりが強い者につきものの悩みなようである。
 しかし、と。静流は心を決めて商売道具であるお祓い道具を取り出すと、そこに座っていた刀匠に、自身が祈祷が出来る旨を伝えた。
 刀匠は喜び、ではこの刀剣展示会の中央で村の繁栄を願ってくれないかと、規模の大きな依頼へと発展する。
 静流は愛らしい笑顔で快く受け入れると、仕事を行う。
 この刀達が相応しい使い手に出会えるように、そして正しく使われるように。そして、村が安全で、末永く繁栄しますようにと。
 彼女の撒いた聖水が清々しく場を清め、その雫がキラキラと陽の光に輝くのであった。

 静流の祈祷が早速効果を発揮したのかどうかは神のみぞ知るところではあるが、生まれたばかりの名刀は、一人目の所有者と出会う。それは、運命と呼んでも差し支えない巡り合わせ。
 刀剣展示会を見て回っていた鞍馬・景正は、足を止めるとある刀から発せられる気に足を止めた。
 その刀は、五振りある特別な名刀の中では比較的華やかさのない刀であった。
 柄巻き、目貫共に黒く、鞘も黒、鍔にも余計な細工がなく、一見すると見過ごしてしまいそうになる。
 しかし、その刀身に浮かぶ紋は濤乱刃。まるで荒波が刃から柄に上るがごとく、美しい曲線を描いている。
 景正は刀匠に、その刀を譲り受けることが出来ないかと頼み込んでいた。
「この刀は士道の権化、降魔の利剣たり得る逸品とお見受けしました」
 腕組みをしたまま黙していた刀匠であったが、ついに口を開くと、景正にその剣技を披露するよう要求した。
 さすがは刀匠の村とでも言うべきか、早速試し切り用の巻藁が用意された。
 景正は自身の刀を握り、巻藁の前へと立つ。ふっと短く息を吐き、そこからの呼吸はごく自然に。意識は握った刀の柄から切っ先までに巡る。それは刀と自身が一体となる感覚。
 一閃の後、巻藁は鮮やかな切り口を残して両断されていた。いつの間にやら集まっていた観衆から歓声が上がる。
「嘗て我が父が、関ケ原で鎧武者の兜から乗馬の鞍まで断ち切った型となります」
 照れるでも恐縮するでもなく、景正がそう静かに説明した時。
「見事!」
 黙って見ていた刀匠が吠え、ずい、とその目の前にあった名刀を差し出した。
「この刀……『濤景一文字(とうけいいちもんじ)』はそなたに託そう」

 時同じ頃、白雪・小夜もまた、一振りの刀と出会っていた。
 それは、実に華やかな一刀であった。真白の柄巻きに、目貫は銀。雪の結晶の文を描く鍔、鞘共に同じく白く、刀全体が白い。陽の光の下にあると、降り積もったばかりの雪原のようにきらきらと輝いている。そして、刀身に浮かぶ紋は直刃。真直ぐに、根本から切っ先までを貫いている。
「美しいわね……」
 小夜はそう呟き、叶うならばこの刀を手に入れられないかと奥に座っていた刀匠に話す。そこに座る刀匠は、女性であった。歳は小夜よりも僅かに上程度だろうか。しかし、その身に纏う重厚な空気から、彼女がかなりの力量を持つ刀匠であることが分かる。
「あなたが持っているその刀……ただものじゃないね?」
 彼女は、小夜が腰に下げている刀に目をやりそう問いかけた。
「ええ。私が今持つ刀は十二振り……歴史とかはまぁ一族の刀だったもあるし。どれも手入れを施している自慢の刀達よ」
 そう、小夜は刀剣愛好家。しかし、彼女が持つ刀はどれも重い歴史を持つ妖刀である。それ故に、彼女はその力を持って戦える。
 だが、今彼女の目の前にある刀は、今まさに生まれたばかりの一刀なのだ。
「この刀の銘は、『無垢』と」
 刀匠はそれだけ言うと、小夜に自身の刀を託した。
 小夜は目を見開く。
 その時初めて、名刀『無垢』は剣士の手に触れた。

 多くの人々で賑わう刀剣展示会を、どこか舞うように歩き、存分に楽しんでいたのは信楽・黒鴉だ。あちこちの刀を見物し、その隅々までを眺め、刀匠達に語りかけては説明などを聞いていたりする。
 普段から笑顔でいることの多い彼だが、どうも表層のみの笑顔である。しかし今は、おそらく心からの笑みが浮かんでいる。
 そんな彼も、ある刀と出会うことになる。
「これは……」
 展示されていた一振りの名刀を、許可を得て握った彼は、その刀に自身への馴染み具合に思わず嘆息していた。
 普段の彼であれば問答無用で手に取っていただろうが、この場において、優れた仕事をする刀匠に敬意を払おうという意識があるようである。
 その刀は比較的短く、刃の湾曲が普通の刀よりも深いことが特長であった。彼の戦闘スタイルである抜刀術に実に良くマッチしている。
 柄巻きは黒、鍔も黒く、鳥の羽根の紋が入っている。目貫は鈍い金だが、鞘は深い朱色で、その色のコントラストがいっそう刀の存在感を増していた。
 刀身に入った紋は重花丁字。炎が上ったような、八重桜が咲き誇るような実に華やかな仕上がりだ。
 しかし、その美観は黒鴉にとってはさして重要なことではなかった。ただ、刀を試しに振るうたび、比較的小柄な黒鴉が刀の根本から切っ先までの全てを支配出来る感覚は、快感にも似て。
 そしてその刀と黒鴉の親和性は、その様子を眺めていた刀匠も感じたことであるらしい。その刀を譲ろうという一言は、刀匠の方から発せられた。
「銘は……そうさな。『一刃同躰(いちじんどうく)』と」

 刀の勉強になるのではとこの刀剣展示会に訪れたヨシュカ・グナイゼナウは、愛刀『空切』の柄を撫でながら、並んでいる刀達を眺めていた。
 その刀は、ヨシュカもまたどういった歴史を持っているか知らないもの。何らかの手がかりが見つからないかとも考えていた彼だったが、この地にはその刀に反応する者はいないようであった。
「え、刀って分解できるのですか?」
 刀匠と刀について話していたヨシュカは、刀匠にその刀の手入れなどについて聞き、驚きに金の目を瞬かせた。
「刀は刃だけの状態で鍛刀し、柄、鍔やらなんやらをつけて刀にするのさ。儂らが名刀と呼ぶのは基本は刀身の良し悪しだな。拵えはいくらでも変えてやることが出来る」
「成程」
 求めていた手がかりは見つからなかったが、存分に勉強は出来たようである。

 御剣・刀也もまた、その場にいた刀匠と、刀のことで語り合っていた。
 彼はしばし展示されていた刀を西洋の剣などと比較してその美しさに見とれてたのだが、自身の持つ刀のことが気になり、その鑑定を願い出たのである。
「こいつがどういうものかわかるか? 実家に古くから伝わるものだってこと以外分ってないんだが」
 刀匠は手渡された刀を鞘から抜き、その刃を眺めほう、と吐息した。
「これはいいものだな。反りは浅め、刃は薄いながらも強靭で、刀匠の力量が見て取れる。切っ先は大嶺で……この紋は乱刃って言ってね、特に前の乱世の頃によく作られたもんだ。今でももちろん人気が高いもんだがね」
「なるほど……刀の見た目だけでもいろいろあるものなんだな」
「そりゃあそうさ。刀なんてもんは結局は金属さ。それをこねくり回して形を整える。刀の本質は全部その面に現れてくる」
 刀匠は刀を鞘に戻すと、刀也へと返す。
「残念ながら作者なんかは一介の鍛冶屋である俺には分からんが、良いもんだってことは分かるよ。その反り具合と切れ味に直結する刃の薄さを見るに、古いといっても平安だの何だのって古さではないと思うね」
 改めて刀を腰に下げ直した刀也は、丁重に礼を述べるとその場を後にする。刀匠はその背に、大事にしな、という一言を贈ったのであった。

 刀剣展示会をそぞろ歩き刀を眺めながらも、つい思考が先の戦いへと向いてしまっていた百地・八刀丸は、一人の人物と出会った。
「お、あんた! 朝俺のこと守ってくれた人だよな。実はあの後もこっそり窓からあんたの戦いを見てたんだがね、いやー、見事だったよ」
 そう語りかけてきたのは一人の男性。確かに八刀丸が斬った敵が狙っていた男であった。
「いやはや、あの乱世の名将にワシの剣は通じんかった。まだまだ修行が足りんわ」
 八刀丸はそう言葉を続けたが、男は笑う。
「何を言ってんだ、充分に通じてたじゃないか。確かにあの化物はすごかったが、あんたら皆で削って、貫いて、崩して、この村を守ってくれたんだろ」
 そこまではどこかはしゃいだ様子だった男だが、そこからありがとう、と、神妙に。
「本当に、ありがとうな」
 八刀丸は頷き、その顔に笑顔が浮かぶ。それから彼は気を取り直し、刀を見ることに集中する。
 展示されている刀はどれもこれも素晴らしく、八刀丸は己が身が熱くなるのを感じる。
「カカッ、ワシの刀共もいささか嫉妬しておるわ、愛いヤツ共め」
 そう、腰に提げた一刀を撫でながら、意識がふっと刀から別のものへと移る。
「いやはや、まっこと良い刀達じゃ。孫娘に見せてやりたいモンだのう……」

 他の者達とは少々違う目的を持ってこの展示会を訪れたのは、宴・段三郎であった。
 彼は顔がばれぬようにと布で口を覆い、自身の鍛刀した妖刀の展示を願っていた。
「儂も…鍛刀した刀の展示をよいか? あそこの、隅っこでもよいから展示させてくりゃれ」
 刀匠達ははじめ面食らったようだが、村を救った者の一人が刀鍛冶であったことに喜び、特別展示として快く彼の展示を迎えてくれた。
 展示した刀は一振り。妖刀『化生炉』。
「万物を妖刀へと鍛刀する妖刀にして、儂の鍛冶道具じゃ。まずはどんな妖刀か見てもらう為にでもんすとれ〜しょんをするでの」
 段三郎は、彼の刀を見に集まった人々の前でそう説明し、刀を握ると実践しはじめる。
「此処にそびえるは悪しき武将から奪いとった大太刀。今からこの刀を、たった一振りで妖刀へと鍛刀しようぞ」
 その鍛刀術故に顔を隠している段三郎なので、果たしてその技を披露して良いものかは分からぬが、同じ職人としての血が騒いでならないのだろう。
「少し皆、後ろへ下がるがよい」
 彼はそう告げると、大太刀に向かい化生炉を振るい、鞘から吹き出る火炉の焔を使用し一閃。
 展示会に響き渡る金属音の後、そこに、新たな刀が生まれた。

「なんだか盛り上がってるみたいだ」
 そんな人々のざわめきを聞きながらも、ガーネット・グレイローズはマイペースに刀剣の展示会を楽しんでいた。
 その刀身の反り、刃紋、装飾と、彼女は刀の鑑賞ポイントを弁えている。だが、本当の目的は別にある。
「こんにちは。この刀に合うような、いい感じの装飾品はないかな?」
 彼女の愛刀、アカツキの装飾品を探すこと。他の刀を入手する気は、彼女にはないのである。
 職人はその刀を見やると、鍔ではないが、と、一つの装飾を手渡した。朱色の組紐に、透きとおる赤い水晶がついている。その輝きは、まるで闇夜に浮かぶ紅き満月のごとく。
「それは鞘にくくって使うんだ。あんたの髪にもよく似合うと思うよ」
 ガーネットは職人の説明を受け、その飾りを貰い受けることにした。
 それから向かったのは、展示会に併設された茶屋。
「すまんが、お茶と団子をくれないか」
 店の者にそう声をかけ、外に出された長椅子に座ると、先客のヨシュカがそこにいた。
「ここの団子はどうだ?」
 先に団子を頬張っていた彼の様子に問いかけると、ヨシュカは満足げに頷く。
「とても美味しいですよ。見てください、これ、串が日本刀の形になってるんです」
 ガーネットの元へと届いた団子も、同じように日本等の串が刺さっていた。団子は白。頬張れば、中には風味豊かな漉し餡が詰まっている。
「本当だ。さすが刀匠の村」
 そう感心しながら、香ばしい薫りの緑茶を一口。
「戦いの疲れもどこかへ吹き飛んでいきそうだ」
 人々の賑わいは耳に心地よく、どこかで鳥の鳴き声がする。もう、春が来たのだと風が告げていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月15日


挿絵イラスト