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猟書家決戦~華麗なる悪の花路

#キマイラフューチャー #戦後 #キング・ブレイン

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●遡ること暫し
 吾輩は、とにかく走り抜けてきた。たとえ火の中水の中、色んなところをぶいーんと。
 ブレブレブレ!話せば長く語るには時間が大幅に足りぬ。
 秘密結社ブレインの大首領、キング・ブレインは此処にあり!
 在るときは地下の古代バーチャル遺跡にも訪れた!
 ひょんなことからプログラム開発中のドン・フリーダムの動くCGと出会いバトルエネルギーの回収が必要とのことで共闘へ――そんなこともあり、なんやかんやで「バーチャルキャラクター」の皆さんは、今やややフリーダムな姿を手に入れられたりしたそうですな、懐かしい。
 悪魔的協力を行った当時の縁もあって、何故かお譲り頂いたシステム・フラワーズ中心核に築いた吾輩のキングブレインキャッスルも、こうして華々しさを得たわけですな。吾輩の悪事の実の結びように感動のあまり、涙が……うっう。いかん、思った以上に滝のようにでる。
 そう、吾輩の特製の自転車「ブレインバイシクル1号(残骸)」の声まで聞こえてくるようだ(幻聴)。
 こちらは長年の友。コンコンコンのシステムを併用すれば!がちゃっと、設置であら不思議!
 キマイラフューチャー以外のあらゆる世界にも、この施設のパワーを送り込む事ができるようになったぞ!ブレブレブレ!これには吾輩も高笑いしてしまう!ブレブレブレ!

 手始めに、全ての世界へ向けて、コンコンコンで全ての飢えと貧困を消し去って……いきたいが吾輩は悪の大首領!無論そんなことはしない!ちょっとはしたが!些事でしかない!

 吾輩の作り上げたスーパー怪人軍団の諸君!
 そろそろお客様方こと猟兵達がやってくる。僭越ながら、諸君らは既に|吾輩のふるさと《デビルキングワールド》の住民の皆さんよりずっと強くなった。すなわち、どの世界でも遜色の無い、道路という道路、壁等を自分好みの色に染めまわる事が可能になったのだ!スーパー悪い作戦を完遂できる筈である!

 ……えっ?メンテナンスルート解禁?
 此処、ぱかっといくんです??なにそれ???

●現在のキマイラフューチャー(割れてる)
「悪の大首領は、絶賛空中キャッスルに籠城中、だそうだ」
 フィッダ・ヨクセム(停ノ幼獣・f18408)は『4thKING』の悪巧みを語る。
「いつのまにか中枢に居て、今度はコンコンコンのシステムを利用してデビルキングワールド流の悪さを流布していくつもりみてェだから、そろそろ停めにいかねェか」
 放っておけば"いい子"な部分で慈善事業をしてくれそうだが、今回ばかりは猟書家という立場を優先している様子。最終段階までたどり着いた。野望の最終地点までたどり着いた。
 つまり、悪という現象を全世界に轟かせるまで停まる必要がなくなったのだろう。
「キングブレインキャッスル、ッてーのは空中に浮いてるんだがね。そこへ突入、襲撃を行ッて欲しいッてーわけだ。そこにはスーパー怪人軍団……キング・ブレイン支持者共が居るがなにぶん"デビルキングワールド流"だから、訪問客への対応は丁寧だ。門番はいないし、トラップもない。大量の、『アーティスト』が作業中、のようだがね」
 スーパー怪人は全て芸術家。株式会社『にゃんこアーティスト』所属。
 キング・ブレインに支持されて成立している世界を大いに彩るものたち。
「その数はとても多い。対策はとるべきだろうな、相手が仮に攻撃的でなくても……非常に強いんだ、そいつらは。"スーパー怪人"の名乗りは伊達じャない」
 路を塗る、壁を塗る、全ての世界を染めまくるそれが彼らの会社が行いたい大いなる野望。
 猟兵達はそれぞれ自分の"個性の色"を持つだろう。アーティスト活動に肯定してくれるお得意様とするべく、彼らは多少の度が過ぎた行動だって行える。物理的に"彼らが好きな色"の絵の具(油性)やペンキ(油性)を被ることになるだろう。
「……攻撃的じャねえ?ハハ、自分たちを悪魔だと思ッてるキマイラだからな、基本的には愉快な事が好きなだけなんだよ。キング・ブレインは大量のアーティストを越えた先に居るだろう。……プロアーティスト4人衆を引き連れて、ふんぞりかえッているかもだ」
 とにかく数を従える恐怖の城だ。恐れおののいたら喜ぶぞ、キング・ブレインは。
「あれでも野望の為に戦う男。決戦、という舞台にたッてんだ……今度こそは結社解体から引導までをスパッと渡してやろうぜ」


タテガミ
 こんにちは、タテガミです。
 この依頼は猟書家・キング・ブレインとの決戦シナリオです。
 決戦シナリオを合計「20回」成功すれば、完全にオウガ・フォーミュラを滅ぼすことができるでしょう。ブレブレブレ。

●一章:集団戦。
 キングブレインキャッスル内部、奥に進むためには多すぎる怪人集団です。
 彼らは地獄の特訓によって「もっと愉快な仲間達」の改変ユーベルコードを追加で常時使用します。めちゃくちゃ数が多い、という認識で大丈夫です。

「もっと愉快な仲間達(改変)」
 戦闘力のない、レベル×1体の【陽気なアーティスト:キマイラ】を召喚する。
 応援や助言、技能「【アート】」を使った支援をしてくれる。

 ここが悪徳という名の美の祭典だ!
「にゃんこアーティスト」とは会社名。全員がそこの社員である。大体猫っぽい獣人姿が多く、そらとぶ個体はいません。フラグメントイラストの感じです。
 それぞれのカラーで塗りたくるのが仕事、キマイラなので全員がとにかくニャアニャア騒がしく、陽気です。対策が無いと、苦戦してしまう事があるかもしれません。

●二章:ボス戦。
 日直式キング・ブレイン四天王(4人組)の「にゃんこアーティスト:スーパー怪人」が傍に居ます。やたらと上腕二頭筋が屈強で、いかつい。それぞれが、筆や水鉄砲などのどれかを色塗り道具として使用します。水性?いいえ、油性です。芸術は爆発。スポンサーでも在るキングブレインの路は!けばけばしく、大胆に染めていく所存。同時戦闘なので、キングブレイン+4体。実質、こちらも集団戦です。

●三章:日常。
 倒せたならば、自動的に自爆装置が作動をはじめます。かち、かち。
 城が崩壊するまでの間なら、色々お話する事もできます。勝利者を讃えてくれるでしょうし、崩れ行く城から逃走中のプレイングも大丈夫。爆発から逃げるプレイングでも大丈夫。想像は無限大。

●その他
 ノリは軽めに、しかし愉快に。キマイラフューチャーなのでガチガチ真面目、に至るかどうかはプレイング次第。断章は可能な範囲で記載の予定。可能な範囲での採用を行いますが、おそらく相応にのんびり気味の運用になる可能性があります。加えて、全採用が出来ない場合もありますが、ご検討いただけましたら、幸いです。停滞を感じたら、サポートさんの採用も検討し、完結する事を優先します。
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第1章 集団戦 『にゃんこアーティスト』

POW   :    これでキミともニャン友にゃん
【対象の発言に対し、いいね】が命中した対象を爆破し、更に互いを【相互フォロー】で繋ぐ。
SPD   :    とりあえず、ぶっかけてみた
【瞬間凝固ペンキをぶっかけ芸術活動する攻撃】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を題材にしたアートが開始され】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
WIZ   :    にゃんこ絵描き歌
【にゃんこ絵描き歌】を披露した指定の全対象に【真似してみたいという】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

メメ・スカルリリー(サポート)
〇人間の魔女×闇医者、女です。
普段の口調は(自分の名前、あなた、呼び捨て、ね、よ、なの、なの?)です。
戦闘時の口調は(自分の名前、あなた、呼び捨て、ね、よ、なの、かしら?)です。
「メメ、あなたのお手伝いをしたいの。本当よ?」

ぼんやり・のんびりした性格の幼い魔女です。
口数は少なめです。
巨大なハサミと魔法で戦います。
また、医術でサポートしたりします。

〇ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!(アドリブ・連携 歓迎)


ベルベナ・ラウンドディー(サポート)
「戦闘は得意な方に譲りますよ」
自称偵察専門、宇宙出身の竜派ドラゴニアン青年


単純明快が信条、焦るとラフが混ざるも概ね穏やかな物腰です
宇宙や汚染地などの悪環境下に特に強く、変装・偵察・工作など非戦闘活動を得意と自負する一方で他猟兵達の戦闘関連の技量に感心しがちです
全部80点で100点は取れないタイプ


●特徴として
功夫・衝撃波による砲撃戦・結界術の3種が戦術の主体です
全て「偵察任務遂行のためついでに取得した」とのこと

こいつを活躍させるよりも話の調整役として扱ったほうが背後は喜びます
設定や背景を描写する際の進行役や負傷や撤退でオブリビオンの見せ場などの
演出素材としてもお役立てください


ラムダ・ツァオ(サポート)
ラムダよ、よろしく。
戦闘なら足と手数で勝負するけど、周りに合わせて臨機応変に動くわ。
見切ったり残像を残すように動いたりと、避けるのには多少の自信があるわよ。
集団戦なら死角を減らすために数を減らすのが先決、
あとは一緒に戦う人がいればその人次第かしら。

行動指針としては以下の3通りが主。
1.味方の死角にいる敵を優先して片付ける。
2.範囲攻撃を行なえる味方がいなければ範囲攻撃優先。
3.数を減らすため、止めをさせそうな相手を狙っていく。

台詞回しや立ち位置などは無理のない範囲でご随意に。
ユーベルコードは状況に応じて使い分けます。
アドリブ・連携歓迎



●終わらない色塗り

 わらわらと、沢山のアーティストが溢れている。
 べたべたと、色を塗り重ね、笑い合う声。
『どうかにゃっ、これ、キマってないかにゃ!?』
『キメキメにゃ!これは色を重ねてくべきだにゃ!』
「メメ、好きよ。人が作り出すアートな世界も」
 真っ白な幼い魔女メメ・スカルリリー(白百合の魔女・f39414)はカラフルに染まった空間を見上げながら話に混ざる。彼女は無口、にゃんこ達のと問いかけに頷いたり、首を横に振ったり。
 意思疎通こそ取れているが、にゃんこ達が嬉しがって絵描き歌を歌いはじめると、不思議と体が揺れる。
 手持ちに筆なんてないけれど、なんとなく真似してみたいな、という感情が湧くのだ。
『芸術は爆発にゃ!描いてみてから考えるのニャ~ン!』
 いえーいピース。ノリノリで筆を貸してきたアーティストの筆。
 メメが受け取ろうと無意識に手を伸ばした時――。
「……あ」
 メメは気がついた。にゃんこの筆先は見た目以上にバサバサだ。
 使い込まれすぎて傷んでいる。緊急オペ(リカバリー・カット)が必要なのではないか?
「素早く、正確に……」
 愛用の白銀のハサミで手早く切り揃える。
 幼い魔女なりに、普段遣いする道具の重要性はわかる気がしたのだ。
 魔法具も、仕事道具も、手入れが行き届いているほうが気持ちがいい。
「うん、これで大丈夫」
 "治療"という名目を与えて再生させる。新品、とまではいかないが傷みの箇所は減っただろう。
 これで大丈夫。メメは手を伸ばし、筆を借り受けた。
 筆で色塗り。まるで悪い子になってしまったみたいな気分だが、にゃんこの歌を聞いてから普段は落ち着いている好奇心が、手を伸ばしているのだ。"みんなやっていることだ"。やってもいいことなのだろう。
 この城の主は、楽しいこと面白いことがきっと好きだから大丈夫。
 流された気分に高揚した気分でいると、声がメメの後ろから掛かる。
「ちょっと待って。まずは彼女自前の服装が、カラフルになる事に配慮しないと」
 ラムダ・ツァオ(影・f00001)はパチっとウインクを一つ。
『ほわあ!?プロ意識高いにゃっ!?』
 ラムダの対象の発言に対し、いいねが大量に送られる。
 キマイラフューチャーなら稀にある、電子カウンターが頭上にパッと表示された。
 実体化したスタンプがふわふわと空間に浮かび、いいねカウンターがすごい勢いで回るカラカラ回る。
 相互フォローさせて!と大量にせがまれたが、ラムダはさらりとまた今度!と躱した。
 これだけの人数全員へのフォローバックは難しい、と語ればにゃんこ達は納得して引き下がる。
 ラムダが唱える言葉はユーベルコード、想い出の灰被姫(シンデレラメモリアル)。
「本物のアーティストなら、体験会での配慮をお忘れなく」
 ――纏え、纏え。
 それは実物に良く迫った"偽物"だ。しかし、此処には見本が大量にある。
 原理は寄り精巧に迫った作業服。作りは粗いが一時のペンキをしのぐくらいは出来るだろう。
 メメの分、自分の分。
 そして――ベルベナ・ラウンドディー(berbenah・|∂《ラウンドディー》・f07708)の分も。
「……」
 自称探偵専門、まずは言葉を伏して混ざるべし。
 宇宙出身のドラゴニアン青年もまた、作業着の仲間入を果たした。
「では、着込んだ後にすることをお教え頂きましょう」
『それは簡単にゃっ!』
 にゃんこ達の目が光る。
 得意げな表情で、瞬間凝固ペンキを構えてぶちまける!
 計画性のない、ぶっかけ活動は同時に引き起こり、色とりどりのペンキが宙を舞った。
『ぶっかけアートもいいものにゃよ!』
『さあみんなでやろうにゃっ!』
 題材にしたアートが開始され、猟兵達にもやろう!と声をかけてはしゃぎだす。
 色んな色が混ざり合い、埋め尽くされる。
 眩しいほどの原色の大暴れに、ベルベナは目を細める。
「メメ、お手伝いしてもいいと思うの」
 筆を借りて、ぱしゃっとしてみる色は"白"。
 にゃんこ達はメメに似合う色を用意してくれた。ばしゃっと跳ねた白色は混ざり合わずに床を染める。
 水滴のようにまあるい後に、メメは目を丸くした。
『瞬間凝固式だから、触っても大丈夫にゃ!』
「ふむ……塗り手の届く範囲のみが染まるのは道理ですね、今一度やっていただいても?」
 首を傾げたメメに、ベルベナは頷いて――それからラムダがいいね!とサムズアップしてみせる。三人にのみ発生した連携――塗りながらこの場を駆け抜ける作戦。
 持ち上げ上手のにゃんこ達は敵対こそしてないが、アートに従事している限り行動妨害は行ってこないかもしれない。彼らは仕事をしているだけ、攻撃的ではないのだ。
 放っておいても、此処で色を塗りたくっているだけの予感がした。大量にいるアーティスト全員が、"満足する形"に整うまで終わることはないだろう。
「お?いいね、じゃあ私も一緒にやろうかしらね!」
「では同時、一斉にお願いしましょう」
 ラムダの赤、ベルベナの緑。色のモチーフはにゃんこ達が選んでくれた。ノリノリでご用意してくるあたり、彼らはみんな、猟兵の塗り仕事に期待したのだ。心なしか目がキラキラと輝いており、期待の眼差しが強い。

 猟兵達は話の裏を合わせ、借りた筆を持ち上げてばしゃり、と激しくペンキを"ぶっかける”。
 ベルベナはさりげなく、メメやにゃんこ達のペンキの上に立ち、風を起こすため、翼を広げた。
 黄龍の風は何処にでも吹く――風が無い時は、呼ばれた場所に何処へでも。
 ぶっかけるペンキが舞った瞬間、吹きすさぶ風はあらゆる物質を突風で加速させた――どこまでも遠く色を染めて見せたのだ。
 高められた力は更に遠く、三人のペンキを届かせた。
『ほわっ!?凄いにゃっ?!』
『これは負けてられないにゃ!?』
 アーティスト魂に火が付いて、長く遠く、どこまでも色を染めた三人の塗りに対抗すべくにゃんこ達はペンキを大量に準備し始める。それじゃあ今のうち。先に進むチャンスが生まれ、三色の固まったペンキの上を猟兵達は駆け抜けていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ゲニウス・サガレン
アイテム「潜水作業服」
いやはや、すごいものだね
いろんな色があることを極彩色とか虹色とか表現するけど。好きな色塗り放題、結果はカオスのごとき色彩か、全部混ざって黒か。

だが嫌いじゃない
子供の頃、私も絵の具をみんな残らず使ってやりたかった!考えれば秘密結社というのも童心くすぐるものがある。
よし、私も一緒に色におぼれようじゃないか!
UC「水魔アプサラー召喚」

我が友アプサラーは水流を操る
なぁに、ペンキにも絵の具にも多少なりとも水分はある

アプサラーよ!みんなのペンキや絵の具を操り、渦を作れ、すべてを飲み込んでこのあたり一面、多彩なるメイルシュトロームで塗りつけるんだ!
最後はビッグウェーブでざっぱーん!



●いざ溢れる色の海へ

 緑に白、赤に黄色、原色バリバリの色が男の見ている光景を埋めていた。
 故郷の海での冒険だって、こんなに人工的な色で壁や島が埋め尽くされてなんていなかった!
 "世界"が真っ二つに割れている、というこの状況もまた愉快の産物。
 ゲニウス・サガレン(探検家を気取る駆け出し学者・f30902)の探究心は踊っていた。
 ――システムへと至るメンテナンスルート。
 ――此処は本当に不思議な惑星なのだね!?
 サイバーパンク都市の中枢が割れる事は一先ず置いといても、この世界はリゾート都市とも言えた。
 そこへ聳える城。塗りたくる色への満足度は、当然"完璧"でなければならないとにゃんこアーティスト達は頭をひねる。
 にゃんにゃんと意見を出し合い、話す様子は仕事人のそれだ。ゲニウスだって舌を巻くかも知れない。
「いやはや、すごいものだね」
 潜水作業服を頭からスポッと着込みこの地に訪れたゲニウスは原住民かはさておいて、スーパー怪人とコンタクトを図る。
 まずは何気ない話から。
「いろんな色があることを極彩色とか虹色とか表現するけど。これはそう、芸術だね!」
 好きな色塗り放題、結果はカオスのごとき色彩ともいうが。
 全てが混ざり合って行き着く場所は――黒。
 思う所こそあれど、男は綺麗な面を褒め立てた。するとにゃんこ達は鼻高々にヒゲをぴんと立てる。
『そう!これぞ芸術なのにゃ!』
『芸術の路は厳しいものにゃが……お前、分かる人だにゃっ!?』
『これはついつい鼻歌以上に歌いたくなる……くっ、同士と一緒に制作するとか最強に楽しいと思うのにゃっ!』
『お前も、……やるかにゃ?』
 にゃんこ絵描き歌は下手上手の部類であった。歌唱というセンスの範囲でいえばうまくない。
 にゃんにゃんにゃーんと歌声は、べたべたぱしゃぱしゃペンキをぶちまける行為に繋がっていく。
 歌を披露されたからには、ゲニウスにも疼く"真似してみたい"という感情!
 ――嫌いじゃない!
 潜水作業服越しのゲニウスの目はおそらくキラキラと輝いていたことだろう。
「子供の頃、私も絵の具をみんな残らず使ってやりたかった!でも金銭が、なんだと考えたらそれはあまり出来ずじまい……」
 無駄遣いはいけないのだと、子供は親にいわれるもの。
 だが此処に親は居らず、ゲニウスは自由の民だ。
「噂に聞けば、君たちは"秘密結社"のいち員でもあるそうだね、ふむ……童心くすぐるものがある!」
 だっしゅだ よし、私も一緒に色におぼれようじゃないか!
「さあ、目覚めよ!水魔アプサラー!」
 飼育用の壺からざっぱーんと飛び出す水魔がちらっとこちらを見た!
 周辺のペンキや絵の具を"水"として操り、浮かび上がらせる。
 水球のように浮かび上がる水気はカラフル。アプサラーが何かいいたげに睨みつけてきたが、ゲニウスは楽しい気分で無視した!いいから、君も楽しくなろうじゃないか!
「アプサラーよ!みんなのみんなのペンキや絵の具を操り、渦を作れ、すべてを飲み込んでこのあたり一面、多彩なるメイルシュトロームで塗りつけるんだ!」
 指示を聞き、アプサラーは流れを生み、渦巻くランダムカラーの渦を生成する。
 ごごごごと大きな音を立てて出現するそれに、にゃんこ達は騒然!
 力を練り上げて作り上げた渦は、とても豪華な色合いを呈していた。
 にゃんこ達は目をキラキラさせていたが、それは浮かび上がらせた空中の渦。
 願いの強さに応じた交渉は、此処まで。
 アプサラーはゲニウスの願いを叶え、にゃんこ達の羨望を浴びて――メイルシュトロームを床めがけて叩き落とす。それはもうすごい勢いで水飛沫が溢れる!
 ざっぱーん!
 引き起こされるはビッグウェーブ!
『おわわあっ!?』
 水気ある色に染められて、にゃんこ達もゲニウスも散り散りに流されていった。
 潜水作業服、彼が着込んでいたのは――全てはこの可能性を考えた為。きっと彼は笑っただろう、"おおよそ計画通り"だと。合わせて楽しく絵の具を利用した。満足感が彼を多く満たしていたことだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

御形・菘
妾は当然アーティスト活動に肯定的だぞ?
鑑賞者の心を震わせる、素晴らしいことだ!
しかーし! 支援者がよろしくないのだけが非っ常に残念だ!
あと残念ながら自覚しておる、妾がにゃんこ絵描き歌やっても需要はない、他所を当たってくれ!

神殺しの左腕よ、解けて桜花と化すがよい!
はっはっは、美を愛するお主らに応じてやろう、妾の使う攻め手の中でも一等美しい技でな!
さて、お主らは、桜を別の色に染める覚悟が、そして芸術家としての信念はあるのかのう?

そして元は妾の左腕だ、花弁の一枚ですら強力なパワーを持つに決まっておる
触れるだけでもブン殴られるのと同じとゆーことだ!
さあエモく美しく、まとめて悉く花の嵐の中で散るがよい!



●混色よりもただ、桜の花路を

 場に溢れる多彩なペンキの濁流、流れるにゃんこ。
 いいね――つい手がボタンへ伸びる。コレを評価せずして何がアーティストか。
 いつの間にやら生放送されているこの場の評価ボタンがカラカラとすごい勢いで回っている。
 それもそのはず、御形・菘(邪神様のお通りだ・f12350)による活動が始まったからだ。
 舐るように自信満々に自分の口元を触り、そしてニヤリと笑う。
「妾は当然アーティスト活動に肯定的だぞ?」
 何度打ちのめされても立ち向かい続ける姿勢も、完成品目指して切磋琢磨する姿勢も。
 笑い合い励まし合う姿など、称賛の言葉では足りぬだろう。いいねボタンが万単位で回るほどで無くては。再生数がミリオン突入くらいしてくれなくては。
「鑑賞者の心を震わせる、素晴らしいことだ!」
『そうだよにゃ!此処をいずれ完成品へと到達させるのにゃ!』
『これだけ人員がいれば大丈夫にゃ!』
 きゃらきゃらと愉快に笑い合う姿。実に平和的。
 報酬だって出るだろう。大量の人員投入に一体いくらの|D《デビル》通貨が動くのだろうか。
 怪人である事に誇りを持つ者達なら、やはり高額に|D《デビル》貨幣であるか……?
 想像が尽きないが、しかしと菘は大袈裟な身振り手振りを加えて演説する風を装う。
 我こそが舞台の主役、妾こそが場の支配者であり"配信者"であると主張しながら。
 はーっはっはっは!盛大に笑う。
 唐突に笑い出した菘へとにゃんこ達の視線が集まる。
「しかーし! 支援者がよろしくないのだけが非っ常に残念だ!」
 大変羽振りが良いスポンサーだろうが、それは乗る船を間違えたのだ!
『まあまあ、そんな事を言わずに~』
 にゃあにゃあ歌う、彼らが自由曲にゃんこ絵描き歌。さあ塗ろう、色んな色を。
 自主性を優先し、好き放題に塗り染めて、バズりどを約束した色へと染めよう。
 スポンサーの要望は特に無いから、我らが満足するまでリテイクし放題!
 ――なんという、歌詞の自由さ……!!
「残念ながら自覚しておる、……妾がにゃんこ絵描き歌やっても需要はない、他所を当たってくれ!」
 菘は自分の力量を正しく理解する。
『にゃあ?じゃあ僕らは作業に戻るのにゃ~』
 べたべた、ばしゃばしゃと好き放題な色が跳ねて塗り染まる。
 キマイラフューチャー住人なら、100人がイイネを押すだろうクオリティ。
 まだだ、まだ足りぬ。それでは完成など程遠い。
 故に菘は歌の共感は跳ね飛ばす――さあさ疼く神殺しの左腕よ。
「解けて桜花と化すがよい!」
 カッ、とスポットライトでも当たったように声が響き渡る。
 菘の|腕《かいな》は、ぶわああと溶けて桜へ変じる――世界満たす桜の散り始め(フォールン・チェリーブロッサム)。
「さあとくと見るが良い!はっはっは、美を愛するお主らに応じてやろう、妾の使う攻め手の中でも一等美しい技でな!」
 桜の色が視界を染める。にゃんこ達は筆を停め、足を停めて見惚れた。
 見事な絶景――桜色。これは目を焼き画面映え待ったなし。
「さて、お主らは、桜を別の色に染める覚悟が、そして芸術家としての信念はあるのかのう?」
『ええ!?そんな……』
 狼狽え。それは明確な不可能を意味した。
 塗りつぶすなんて、無理だ!こんなきれいな光景に勝てない!
 にゃんこ達は手から絵筆を取りこぼし、見惚れて動くのをやめる。
 アートセンスに魅了され、目が奪われる。
「最後まで言わぬのはプライドか?いいや其れも仕事人として求められるものだろう!」
 元は菘の左腕。花弁と変わって吹き荒れようとも、強大な力を誇った。
 花弁は勿論、花びら一片でさえ、相当な威力を持ち得る。
 ひらり、とにゃんこ達の肩へ触れた花びらは――"吹き飛ばす"に相当する力で菘の歩む"花路"を編んだ。
 触れられるだけでもぶん殴られる威力。美しいものに物理で魅了を受けるのだ。
 それはとても"雅"という"花"を咲かせるだろう。
「さあエモく美しく!まとめて悉く花の嵐の中で散るがよい!」
 我こそは、と思うのならば菘の前に躍り出てみるといい。笑いながら歩く女を阻めるならば。
 にゃんこ達は花の嵐に太刀打ちできずその数を減らしていく。
 花のように儚く、アートの路に敗北し――これ以上無い芸術に"場"を譲って退場していったのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ノネ・ェメ
連携、アレンジ歓迎


 最初にこちらの色を黒ってことに決めれてしまぇればいんだけど。
 わたしが上手く塗れよーと塗れまいと、UCの効果ゎ逐次上がってくかと。

 ぬりぬり塗る末ゎ? ふふふ。
 塗れば塗るほど、色が混ざって。
 濃くなってくにつれて、黒くなってくので。
 そしたらそれもわたしの色! って言っちゃう感じで。

 ゲーム脳みたぃな感覚でずっといると、リアルでやったらどーなるかの想像がつかなくなりがち。
 一本とられた~くらぃに思わせれたりできたらいんだけど。

 相手がデビキン脳だったりしたら、黒ってゆー色だけでマウントとれちゃいそーな気も。
 悪そなヤツゎだぃたぃ黒だし?

 なんならその両方、合わせ技もアリ?



●最強の|彩《いろ》とは

 場に色が混雑している。
 赤に青、白に黄色、想像できる色は見て取れる。
 良し悪しを潰しながらばしゃりとペンキは塗り立てられて、統一感はパッと見ただけでも存在しない。
 にゃんにゃん声を揃えて歌う声。目につく色、どれもが輝かしい色に思える。
 あの色も、この色も。この場を染めるなら、ふさわしい。胸が踊る、自分自身もやってみたくなる。真似してみたいという感情が、ふわ、ふわと胸の中に生まれる。
「ぁ、ぅんこれがぃぃかな」
 ノネ・ェメ(o・f15208)が手にした筆先に、たっぷり含まれた色は"黒"。
 一番素敵に思えた色だ。全部混ぜた到達点は"黒"へと至る。
 これならば、うまく塗れても塗れなくても、結果的には"楽しく行える"。
 強い色を沢山塗り込むことで、この後のにゃんこ達の仕事が増える!一石二鳥!
 歌には歌で、ノネは口遊む。
「── ɑːnsɑ́ːmbl mɪ́ksɪŋ ──」
 〝音奏〟(アンサンブル・ミキシング)――ふわ、ふわと周囲に浮かぶ音の形。
 楽器や記号のポップアップは楽しげに揺れながら現れた。
 リズムを刻み、にゃんこ達の絵描き歌を盛り立てているようでノネの行動を後押しする。
 りんりん鳴り響く鈴の音。ぬりぬり塗る末の城は、真っ黒塗りつぶし待った無し。
『おお!良いお歌だにゃあ!』
『凄い!いいねボタンはないのかにゃ!』
 陽気に共感に笑顔を見せるにゃんこ達を横目に、黒のペンキをべたべた塗りまくる。
 隙間という隙間を塗ってしまおう。沢山重なった色の上も容赦なく塗ってしまおう。
 塗れば塗るほど色は混ざり、黒色に同調するように混ざり鮮やかな色は黒へと変じていく。
「ボタンはなぃけど、これがゎたしの色。そっちも全部ゎたしの色だょ」
 まるで陣取り合戦、白の領地を黒で塗ってオセロのように追い詰める。
『ほわあ!?ま、負けないのにゃ!』
 闘争心に火が付いたように、黒以外の色でにゃんこ達が応戦して塗り始めるが濃くなっていくに連れて全ては黒へと追い込まれる。黒より強い色なんて、この場にはないのだ。
「ゲーム脳みたぃな感覚でぃるとぉ、此処もゲームの盤面みたぃにみぇてきて」
 此処を塗れば塗り替わる。次を塗れば、角を取れる。
 角を取られたら塗り替えせない。壁まで塗れば、こちらの勝利フラグだって見えてくる気がする。
 この身は音そのものだから、音が溢れるこの場所で"何よりも"自由だ。
 リアルで実際に行ってみたらこうなった。
 おおよそ黒が場に踊り、殆どノネの一人勝ち。
「ゎたし上手でしょ?」
 完成図が想像がつかないままに彼らの真似してみたけれど、うまくいった。
『おわーーー!一本とられたにゃあ!』
「色塗りのぉ仕事、奪っちゃったヵな?」
 大量に働いたのはノネである。
 むむむと唸るにゃんこ達。何かがココロを掻き立てるのだ。
 なんだ?なんだ?と頭を捻る。
「悪そなヤツゎだぃたぃ黒だし?ぉ城も黒がベストチョイスなのでゎ?」
 黒、という色だけで同時マウントを取って見せる。
 にゃんこ達は感銘を受けたようで自分たちの絵の具を一斉に黒色に混ぜ合わせ始めた。
 これで暫く、時間が稼げたことだろう。
 ワルの色といえばそう――黒が正解に、キマっているのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アルテミシア・アガメムノン
まあ、楽しそうだこと!
これをぶっとばしちゃうのは無粋と言うものですわね。
どういたしましょうか?
――そうですわね、こうしましょう。

『認識不能の神威』で不可視の存在に。
記憶を奪う魔力を広範囲に広げてにゃんこ達から秘密結社の一員であるという記憶を奪いましょう。そうすればよりアーティスト活動に専念するでしょう。
まあ、必要あるかと言われると疑問符がつきますが。
わたくしはアーティスト活動をしているにゃんこ達を眼下におさめつつ空を飛んで奥へ。帰る頃には立派な芸術作品が出来上がっている事でしょう。まあ、爆発するのですが……



●働き者には、相応しい環境を

 ぎゅうぎゅうに埋め尽くされた人影。不思議なことに彼らはみんな黒という色に没入していた。誰かがその色の素晴らしさを説いたのだろうか?
 スーパー怪人の"名"を有するにゃんこ達の集まりは、アルテミシア・アガメムノン(黄金の女帝・f31382)から見たならば、微笑ましいの一言に尽きた。尻尾が揺れる、ヒゲが揺れる。にゃんにゃん笑う声からは、楽しみながら勤しんでる様がすぐ分かる。
 キマイラ集団が数え切れないほど沢山のにゃんこ達が声と意見を交わし合い、"悪さ"の完成度を高めあっているようだ。
「まあ、本当に楽しそうだこと」
 |デビルキング《7thKING》に仕事を見守られている等とは誰も思うまい。
 スポンサー、|キング・ブレイン《4thKING》より後の席に収まったモノ。
 働くワルで良い子を見ているようで、微笑ましい気分にもなった。
 ――これをぶっとばしちゃうのは無粋と言うものですわね。
 ではどうするか。アルテミシアは考える。
「――そうですわね。こうしましょう」
 彼らのニャン友枠に大量いいねを受けて収まる前に。
 大量のアーティスト達に存在が気づかれるその前に、ユーベルコードを発動。
 認識不能の神威(ヘルメース)――自分自身と武装を魔力で覆い視聴嗅覚での感知を不可にする。
 いや、初めからこの状態でアルテミシアは潜伏していた。故に、誰も近くしていなかった。
 ワルというのは正しくこのことだ、存在を教えない。そして潜む。
 にゃんこ達は互いに相互フォローの輪を広げ、ワイワイと協力して仕事を進める彼らはどうにも楽しそうだ。ニャアニャア鳴きながら、ポップアップ顕現してる謎のいいねボタンだって押しちゃう。そーれぽちぽちっとにゃ!SNSもみんなの分相互で全部繋いじゃう!
 ポチポチする肉球スタンプだって絵の具塗れ。ドロドロだ。
 他の猟兵が通り抜けても尚、仕事を続けている。
 結社のため、完成品を納品するため、仕事熱心な"アーティスト"たちであった。
「これをするのはやや憚られますが……」
 記憶を奪う魔力を、ゆっくりと確実に広範囲に広げていく。
 誰もその事に気が付かず、すっぽり全員を手中に収めることなど容易かった。
 "秘密結社の一員であること"。この記憶だけを曇らせて、奪い取る。
 スポンサーが居る。|悪《ワル》の道を歩むのは、キング・ブレインのため。その事をまるごとすっぽり奪い取った。
『ほわ?』
『こらー!手を休めるニャー!』
『アーティストは閃きを大事にするものニャ!話し合いながら、テキトーにやるのにゃ!』
 とりあえず、塗りまくってしまえばよろしい。完璧ですにゃ!
 愉快に笑う声はそのままに、目的を奪われたのにも関わらず活気はあまり変わらない。
 ――キマイラでも悪魔でも、その辺はあまりかわりませんわね。
 必要があったか、と言われれば疑問が浮かぶが。雑念は無い方が集中できることだろう。
 にゃんこ達のアート談義を横目に、翼を広げアルテミシアはすり抜けるように飛んでいく。
 奥へ。奥へ。
 ――部下が大量に減った(概念)ことを伝えて差し上げなければ。
 帰る頃には立派な芸術作品となっているに違いない。
 アルテミシアの瞳には、この後に起こり得る未来が容易く予想できる気がした。まるで何処かで経験したような……いいや、この場で例えるならば。
 自信作たる芸術が完成したならば、――最終的に、"爆発"までがワンセットだろうと。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『猟書家『キング・ブレイン』』

POW   :    侵略蔵書「スーパー怪人大全集(全687巻)」
【スーパー怪人大全集の好きな巻】を使用する事で、【そこに載ってる怪人誰かの特徴ひとつ】を生やした、自身の身長の3倍の【スーパーキング・ブレイン】に変身する。
SPD   :    本棚をバーン!
【突然、背中のでかい本棚を投げつけること】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【リアクションをよく見て身体特徴】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
WIZ   :    脳ビーム
詠唱時間に応じて無限に威力が上昇する【脳(かしこさを暴走させる)】属性の【ビーム】を、レベル×5mの直線上に放つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●お前の色は何色ですかニャ?!

 踏み込んだキングブレインキャッスルは、謎に静寂に満たされていた。
 秘密結社ブレインの大首領キング・ブレインはまるで立ったまま寝てるのではないか、と思わんばかりの不動であった。
「ンにゃ!?」
 いち早く気がついたのは、彼の優しさに心底心酔した日直式キング・ブレイン四天王。
 あまりの人望と人員の多さに、側近として収まれるのは日勤と決まっているのだ。有名人はつらいのだ。
 油性ペンキ愛好家の上腕二頭筋ががっしりした屈強な「にゃんこアーティスト」四人衆。
 今日の当番は、ミケ(猫柄)、シロ(単色)、クロ(単色)、ハチ(ワレ)の四人だ。
「起きてください!面会希望の方々ですニャよ!」
「……お?流石ミケさん。神速度で気付いたのですな」
 明らかに声を掛けられてやっと起きたキング・ブレイン。
「これも仕事ですからニャ!」
「ようこそお客人!おみゃーらを油絵の具でぎとぎとにしてやるにゃー!」
「ところで、"好きな色"、"貴方のイメージカラーは何色ですかにゃ"?」
 何故か新進気鋭のスーパー怪人達が問いかけてくるのは好きな色。
 即座に準備し戦闘に用いるつもりなのだろう。流石アーティスト。プロ意識高い。
「最終計画は既に動こうというのです。記念ということでにゃんこさん達に良ければ色をお伝え下さい」
 城のテーマカラーとかにさせていただきます。
 色の競合が起きたなら、アーティスト達の悪魔的発想でなんとかします!
 ぐっ、と出来る男の象徴として腕をぽんぽん叩いて見せる。我らは仕事が出来る秘密結社!
「……まあ、それはそれとして。吾輩は止まろうとは思いませぬからな、やることはさくっとやってしまいましょう。あ、準備は勿論よろしいですよね?」
 キング・ブレインと四天王が戦う準備を整えた。
 あとはそう――これは大首領相手ではなく、四天王とも同時戦闘。
 戦いの火蓋を斬っていくのは、猟兵側の"質問の答え"から始まるのだろう!
アルテミシア・アガメムノン
そうですわね。『黄金』でしょうか。
ええ、準備は良いですわよ。いつでもかかっていらっしゃい。

『三界の覇者』を発動。
キング・ブレインさんやにゃんこアーティスト四人衆さんの攻撃を真っ向から受けて吸収して戦闘力に変換。

え、色を塗ろうとしただけ? ほほほ、立派な攻撃ですわよ。
わたくしがそう判断いたしました。
(まあ、あまり戦闘力の足しになりませんが……)

四人衆はともかくキングの脳ビームは無限に威力があがるというもの。すなわち、こちらの戦闘力も無限大です。
まあ、無限に上昇させても意味がないので適度なところで攻撃に転じます。

大鎌や剣で斬り裂くのは何か違いますわね。
ここは爆発でしょう(と魔力爆発「全力魔法」)



●♯7thKINGカラーとは

 わくわくした表情のにゃんこ達がまあるい瞳を向ける。
「ふむ、そうですわね。『黄金』でしょうか」
 微笑むアルテミシア・アガメムノンに後光が刺す――それはまるでスポットライト。
 黄金を纏うに相応しい女に金色をリクエストされると、にゃんこ達は一斉に色の調合に掛かる。
『今すぐご用意しますのにゃ!』
『お任せを!発注から現場投入まで数分も掛かりませんにゃ!』
 銀色に輝くペンキとオレンジ色の油性絵の具は混ざるのか?
 疑問は大いに残るが、上腕二頭筋たくましいにゃんこ達は問答無用に混ぜ込む!
 マーブル?そんな半端では提供しない!当然一緒になるまで混ぜるのだ。
 かっちゃかっちゃとまるで料理風景を見ている気分になるアルテミシアに対し、大首領キング・ブレインは何やら頷いている。いい仕事ぶりだ、とかに感動しているのだろうか。
『ご発注ありがとうございます。相応しい色だと吾輩も思うわけで』
「わたくしもそう思いますわ。これ以上無いほど合う色だとも」
『準備できましたー!水鉄砲にたっぷり投入しましたにゃー!』
『こちら、サンプルカラーだにゃー!』
 二匹のにゃんこがでっかいバケツに入れたペンキをばちゃっと床に塗りつける!
 見事な黄金!それは正しく彼女の纏う雰囲気、髪の色に近しい輝き!
 どうだあ、と満足気にしたにゃんこ達に、アルテミシアが向けるものは微笑みだ。
「ええ、大変美しい色かと。床も壁も黄金で、ゴージャスに見えることでしょう。さあ、準備は良いですわよ」
『おやおや?ではお言葉に甘えて――にゃんこさん達!素敵カラー勝負に持ち込むのだ!』
 大首領は指示をだす。
『では参りましょう、初撃が吾輩が誇る――必殺のビーム攻撃を!』
 詠唱を破棄し、最速で放つ通称キング・ブレインの脳ビーム。
 直線上に向けてほとばしり、同時に飛び出す四人衆(二匹)にも当然ぶちあたる。
 彼らは特殊な訓練を受けておりますので、対して気にせず黄金色の油性絵の具を携えてアルテミシアへ飛びかかる(物理)。
 鼻歌混じりににゃんにゃんと賢そうで凛々しい表情を浮かべ、楽しげ顔にもりもりの彼らの上腕二頭筋がとにかく違和感を誘う。他の二人は色がなければ仕事にならないこの突貫現場において、黄金カラーをひたすら誠意作成中だ!

 全ての攻撃に対し、焦ること等なかった女帝は微笑みを崩さない。
「――いつでもかかっていらっしゃい」
 三界の覇者(トライローキャ・ヴィジャヤ)。
 アルテミシアは余裕を見せたまま、魔力を体に纏った。
 見ていて分かった。にゃんこ達が作り上げるペンキや絵の具は、"魔力"を元に作り出したもの。
 作り続けるのは不可能で、殆ど全てを気力でカバーしている。
 そんなにゃんこの攻撃越しに、キング・ブレインのビームが飛んでくる。
 決して避けず、無反動で"攻撃"として認識した全てを吸収した。
「これは全てに打ち勝つ力ですの」
『おわー!?我々がご準備した黄金がー!』
『お、お気に召しませんでしたかにゃっ……!?』
 オロオロと、攻撃的姿勢が何処へやら。にゃんこ達の統率が崩れた。賢さが暴走しお客様に事前に謝らなければという気分へと至ったのだろう。キング・ブレインのビーム。恐るべし。
「え、色を塗ろうとしただけ? ほほほ、立派な攻撃ですわよ」
『ほんとかにゃ』
「ええ。わたくしがそう判断いたしました」
 ――まあ、あまり戦闘力の足しになりませんが……。
 魔力で作られたペンキでも、ペンキはペンキ。アルテミシアを染めること自体は叶わなかったが周囲はバッチリ黄金に塗られている!塗られた色を見つけた瞬間にゃんこ達は目を輝かせ、キング・ブレインは拍手を送った。
『ほうほう。最高の仕事ですな』
 にゃんこ達に殺傷能力などありはしない。彼のビームにも言える。
 誰もが物理で殴る方が圧倒的に有意義だっただろう。
 彼らはアーティストであるがゆえに、命のやり取り自体に無縁なのだろうが――。
「仕事上手は、貴方もではありませんこと?」
『4thKING』放つビームの本質は、誰かを傷つけるものではない。
 しかし、詠唱時間に連動させれば威力だって上がる。あれはわざと、付与されないように詠唱破棄がされているのだ!
 悪の華であろうとするのに、小道に咲く小さな華が如く優しさが勝っている!
『はて、なんのことやら!吾輩は逃げも隠れもせずに、勝者の椅子へ座するのだ!』
 びびび、と何度も受けたビーム連続。積み重なれば、威力は無限に上がり続ける。にゃんこ達も仕事をやめず、アルテミシアの周囲を至極丁寧に塗りつぶし、黄金で床が眩しいことになっていた。
 塗り終わったら再度狙いをつけてくるつもりなのだろうが――彼らの武器は"本来武器ではない"。
 攻撃性はどうしてもこの場には無かったのだ。

 デビルキングワールド流。
 ならば剣や大鎌での一撃よりも、相応しいものを思いつく。
「椅子。ああ、後ろの方に確かに王様が座るような大きな椅子がありますわね、そろそろ攻撃の連続でおつかれでしょう?おすわりになってはいかがでしょうか」
『座っていいと。成程、吾輩が起立していては、下郎共がいつも見上げてしまいますな。お言葉に甘えさせていただきましょう』
 よいしょ、っとキング・ブレインが椅子に座る――。
 にゃんこ達がわさわさと椅子の周囲を防衛隊が如く埋め尽くした次の瞬間。
「その椅子、輝ける人が座ると特殊な装置が働くそうですのよ」
 ぽち、となにかが押される音。勿論幻聴だ。
 アルテミシアは、高めた攻撃力でキング・ブレインが放置していたもしもの時用の自爆用予備に着火した。
 まるまる無防備でおいてあったのがいけない。

 どかーんと激しく爆発音。
 高まった威力で爆発を促されたなら、当然椅子と座った人物、にゃんこ達は爆炎の中に包まれる!
 ぶわ、と強い風が吹く中で靡く髪を彼女は抑えた。
 やはりここは爆発がよく似合う。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ゲニウス・サガレン
おお!大首領の登場か!しかも四天王と一緒とはアツイじゃないか
よーし、私も全力でいこう

おっと、好きな色だね
私はアイスブルー。故郷の島の凍れる海の色さ!

アイテム「フライングシュリンプ」&「海蛍閃光弾」&「C式ガジェット」
有翅エビたちはぶんぶん飛んで彼らの意識をそらしつつ、適時閃光弾で爆撃
こっちの色は光だ!

だが最終決戦、無傷で勝てるなど思っていない
私を狙うなら狙うといい、そっちじゃないんだ

さあ大首領、いざ参る
真打はUC「ガジェットショータイム」
ガジェットは本来のタコ形態で巨大化
打撃攻撃はタコの柔軟な腕でそらして……
こっちのアートを御覧に入れよう
タコなら墨だ!ブバーっといこう
盛大な墨汁画か山水画か



●仲良し秘密結社の内場(喧嘩は一切ない)

『ブレブレブレ!ああ、吾輩は笑うしか無い!』
 どこか黒焦げになりつつも、頑丈な彼らは楽しげに笑っていた。
 猟兵という肩書の客人だらけの訪問を、キング・ブレインは純粋に喜んでいた。
 傍に仕える四天王、にゃんこアーティストたちも目を光らせて笑っている。
『にゃはは!そうですにゃ、笑うのは健康にもいいかと思うにゃ!』
 こちらも毛並みは若干焦げているのが不思議だ。どこかで爆発にでも巻き込まれたのだろう。
 一体何処で?キマイラフューチャーでそんな小さな事を気にしてはならない。
 打って変わって猟兵サイド――ゲニウス・サガレンは、普通に目を輝かせていた。
 自分がこの立場で、"大首領"という首領より高位の立場の存在の前に立つ日がくるなんて!
 不思議な笑い声では在るが、笑っているのがよく分かる。
 練習を多く積んだような見事な悪役のような笑い声を上げている。
 ――ああ、自信たっぷりで満を持して此処に居るんだな。
 ――四天王と一緒とはアツイじゃないか。
 全体的にどことなく強そうに見える。
 ゲニウスが物理で立ち向かったなら、傍のアーティスト達相手でも、少々危険の予感がした。
 ――よーし、私も全力でいこう。
「笑っているところ恐縮なのだが……好きな色、との事だったね」
 突然聞かれたのは驚いたが、思い描く色はそう多くはない。
『何色ですかにゃ?』
「答えは急がなくでもいいよ。私はアイスブルーを愛しているんだ」
 すらりと応えると、にゃんこ達は首を傾げ、色を調合し始める。
 かちゃかちゃ色を混ぜる様子は職人芸の領域。みるみる懐かしい色へと変色していく。
『理由をお聞きしても?凍えるような、色合い――そちらは明るい太陽のような色が好きそうに思えましたが』
 キング・ブレインが何故か丁寧に問いかけてきたが、ゲニウスはニコリと笑って応える。
「故郷の島の、凍れる海の色さ!」
 よく見た色、覚えている青。
 アイスブルーのペンキは、大変にココロを踊らせた。
 調合完了と同時にペンキを大筆にべしゃりとつけて、にゃんこ達は駆け出す――が、キング・ブレインもまた前線に居る!あの本棚を背中に背負いながら!
 どうやって走っているか?
 彼もまた筋力自慢だからね、その結果が周囲のにゃんこ達の上腕二頭筋だ(嘘)。
『ほう!それは吾輩もご拝謁を兼ねて伺いたいモノ!』
 ガッと掴んだ本棚を、彼は突然ぶん投げる!
 びょんとその上に飛び乗る猫たちは、本棚サーフィンを行う四匹のキマイラだった。
 楽しいことが大好きなアーティストは何を考えているか分からないが、綺麗なアイスブルーの油性絵の具がそこら中に飛び散る!
「……おっと、それはぶつかるには痛そうで困るね」
 腕を上げると同時、ぶわああと飛び上がる有翅エビたちが空中を泳ぎ始める。
 ブンブン素早く飛ぶフライングシュリンプたちに、にゃにゃっと四天王は簡単に釣られた。
 キマイラが、エビに、釣られた。うにゃーんと駆けていく彼らは、実に無邪気。
 アーティストとは気まぐれなので仕方がない。
『おや、これは威力が減ってしまいましたかな』
 ずがーんとゲニウスの立っていたところにぶつかって静かになった本棚を、キング・ブレインは静かに見定める。避け方は単純で、重量を減らし、落下地点を避けるもの。
『次はもっと的確に行おうとも。さらにその次は、ない!』
「おお怖い、だが大首領!これならどうだい!」
 足元を指差すゲニウス。釣られて視線を下げるキング・ブレインころりんと転がり込んだ海蛍閃光弾の光り輝く色に目を視界を焼かれて目を眩ませる。
『くっ……!』
「私を狙うなら狙うでいいとも、今のは避けたが――最終決戦、無傷で勝てるとは思っていないさ」
 ――私の狙いは、そちらではないからね。
『んにゃー!!』
 にゃんこ達が正気に戻って、急激な接敵。
 アイスブルーの絵の具をびしゃりと体に浴びたゲニウス。
 追加効果は――全くない。涼やかで綺麗な、高値で売れそうな光で色を変えるまさに海のような色だった。
「おお?これはセンスのいい色だね。この絵の具は高く売れそう……じゃなくて、大首領、いざ参る!」
 算盤を弾きかけたが、真打ちはここから。
 指を鳴らしガジェットショータイムは開始する。本来のタコ形態で急激に巨大化させて。
 にゃんこもキング・ブレインも驚かせた。
 突然小さなものが膨らんだら、一瞬でも隙は生まれる。
『おわー!?タコに筆を弾かれたにゃー!?』
 物理で打撃を狙ったミケと呼ばれたアーティストは逆に吹っ飛んだ。
 タコの柔軟な腕に包み込まれて、受け流されてしまったのだろう。
「こっちもアートをご覧に入れようと思ってね、お好きだろう?」
『ほうほう!そちらも色を染めると!吾輩興味あります!』
 キング・ブレイン、まさかの肯定。
「では失礼して――タコなら墨だ!さあやってくれ!」

 ぶばーーーーっと大量に濁流がフロアを光すら届かぬ深淵の色に塗り替えた。
 にゃんこ達が墨の色の中に埋もれる。
 キング・ブレインから芸術点100点といういつの間にか持っていたプラカードを貰った。
 それは、まるで漫画のようなドタバタであったが枯山水が如き墨汁画。
 はたまた山水画のような痕跡を刻んだ。
 にゃんこ達はこんな技法が!?と、喜び倒してくれた。
 その間――大首領は、墨の海の中で溺れていたのだとか。暫し沈黙し、復活したらだばだばと墨を吐き出し、そして開口一番にブレブレブレ!と笑い出す。
 お見事、の言葉と共に何故か盛大な拍手がゲニウスには送られた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ノネ・ェメ
連携、アレンジ歓迎


好きな色……白、かな

さっき黒で無双してしまったし、皆して黒使ってきたりして?
黒で塗られた所、色がまざって黒っぽい所などから
優先して上書き
もし暴力まで加えられるなら、UCで遅くして回避&有利に

白、白、真白ゎ、ふふふ
雑ぜれば混ぜるほど、黒みが薄まって
そぅしてまっ白に、とゎならないまでも
口プロレスするぶんにゎ、充分かと

フォーミュラ、四天王……いずれも悪の
いわば“本物”にあたる方々のはず
わたしなんかと同程度の黒さ~グレーってそれ、全然フツーの人
それ以下なら、もはゃ善人さんぢゃん
だめぢゃん
真っ黒~い漆黒を纏えずして、真に黒幕を名乗れそ?
それで他世界とか大丈夫そ?
真ゎ、ぶれない芯ゎなきゃ



●白に悪が名乗れるものか

「ぅ……?好きな色?」
 ノネ・ェメだって首を傾げる。
 なんでも良いの?そんな気持ちと、なら、ならと心躍る気持ち。
 わくわくする音が跳ねて、踊って、強い人たちの眼の前に立って尚、虞なんて抱かなかった。
『そうにゃ!色にゃ、何色ですにゃ?』
 にゃんこアーティストたちは耳をピンと立てて、期待の目つきでノネをガン身する。
 リクエストには応える姿勢!スポンサーにはいいところだけを見せたいプロ根性!
「ん、んー……白、かな」
『白!……!?』
 にゃんこ一同に衝撃走る!
 ぴしゃあんとまるで雷が落ちるが如し。
 四人のにゃんこ達はキング・ブレインの御前で顔を寄せ合いヒソヒソ話を敢行――。
『白、白……準備、あったかにゃ』
『いや、みんな個性色はカラーなバリバリ色だったから無いにゃ……』
『全部混ぜれば黒だけど、白を混ぜて作るニャら……ワンチャン……』
 混ぜて調合、が出来ないと焦りだしたのである。
 全員弱気のヒゲでノネをちらっちら見て、申し訳無さげに顔を背ける。
 ノネはそんな様子に小首をこてん。
『く、クライアントを待たせるのはプロとしては駄目のやつ!』
『色の三原色、赤、青、黄に魔力を混ぜてなんとかいけないかニャ?!あっでもあれは黒に……』
『なら光の三原色の方は如何でしょうか、赤・青・緑を混ぜながら行うのですよ、にゃんこさん達。魔力絵の具を混ぜて発光させればどうですかな?』
 ギリギリ光の角度で白になるかもしれない!
 ちゃっかり混ざる語尾に「ニャ」がつかないなにものか。
 我らが大首領・キング・ブレインは仲間外れよりも内側に踏み込むアットホームの首領。
 にゃんこ達の不安を一つの意見で、まとめ上げた。
『『『『その手があったにゃー!』』』』

 ――さっき黒で無双してしまった、し?
 一方ノネは白というリクエストを塗りつぶす黒で歓迎されてもおかしくない、と考えていた。
 ああっと悲しいすれ違い。
 ――ぉ話合ぃは終わったのかな?
 スポンサーの指示を聞き落としたにゃんこ達は、急にやる気を見せたかと思うと真っ黒ペンキの絵筆をぶっかけアタックでパフォーマンスに偏ったアピールを始めた。
『白あるところに黒ありき、白だけでは目が眩んでしまいますからニャ!』
『まずはこう、芸術ブラックでばしゃっとニャ!』
 黒で塗られた所の上に立つノネは、その黒い強い色の上を歩く。
 瞬間凝固するペンキはすぐに歩いても足を汚さない。
『そうしてこれが、我らが最高傑作の『純白』にゃー!』
 続けざまに二匹のにゃんこが自称白いペンキで黒色の上を上書きして見せる。
 キレイなものだ、ばしゃりと跳ねる作らげられた白に近いこの色も。
 ――ァーティスト精神がっょいんだ。
 他の色が混ざって黒っぽいところも、進んで白へ変えていく。
「白、白、真白ゎ、ふふふ」
 転がす音は、口から弾む。〝音憩〟(チリン・ザッピン)は、世界に奏でて、ココロに響く。
 戦いの制止に応じる者に楽しい音楽を。さあ塗って。塗り続けて。
 真っ白純白の世界へ、塗り替えて。
『これは見事な、色合い。吾輩の本棚も超格好良く染めて頂こう!世界の頂点は白で決まりだ!』
 キング・ブレインは流行に強く流されやすい男!
 世界が白に染め上げられていくのなら、蔵書たちが白に染まろうとお構いなし!
 本棚が白くない事は宜しいと感じなかった。
 唐突に投げるその行動に、きっと意味なんてなかった。ただの童心、または、仲間になりたい大首領心だろう。
 何を隠そう、彼の攻撃速度は遅くなることは泣く、変わらなかった。
 それは――攻撃ではなかった。
「――混ぜれば雑ざる。交ざるの。するとね、」
 ふふふと笑い弾む音楽。
 白のペンキが最優先にキング・ブレインの本棚を真っ白に染まる。
 床や壁を先に黒に染めていたにゃんこ達のあとを白に染める二人が、上塗り続ける!
 ――そぅしてまっ白になってぃく。
「"悪"は白に染まるの」
『……!?』
 誰よりも、速く反応を示したのはキング・ブレイン。
『まさか、貴様……!』
 男は服装だって白に染めていこうとする真っ最中であった。
 にゃんこ達もつなぎを白に染めようと、べたべた真っ最中。
「わたしなんかと同程度の黒さ~グレーってそれ、全然フツーの人だょ?」
 ――何かに騙されたって気がっぃちゃった?
 ――ぃぃょ?口プロレスで言ぃ返して見て?
「それ以下なら、もはゃ善人さんぢゃん?だめだめぢゃん、"悪"の親玉さん」
 今や真っ白の親玉と、その手下の真っ白クリーンの良い子ちゃん結社を目の前に。
「真っ黒~い漆黒を纏えずして、真に黒幕を名乗れそ?それとも、塗りつぶせば鞍替え容易な、安価な色なの?」
 ぐっ、と鈍く呻く声。
 真っ白キング・ブレインと真っ白にゃんこ達に精神ダメージが物理的に掛かり、膝をツイた。
 ああ、にゃんこ達は精神ダメージに耐えられず咳き込んでいる!
「それで他世界とか大丈夫そ?侵略だと思われなぃかもね?」

 真ゎ、ぶれない芯ゎなきゃ。
 芯の無い悪なんて、悪になんてなりきれない良い子ちゃん。
 ノネにど正論返されて、彼らは暫く膝を折り落ち込む姿を見せつけてくれた。
 立ち向かう、反撃する。――それを選ばないから、悪には向いてないと、言うのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

御形・菘
はっはっは、妾のテーマ色といえばやはりブラックであろうな
さあ存分にパフォーマンスを魅せてくれ、妾も己の全力の最高で応えてやろう!

右手を上げ、指を鳴らし、さあ花々よ、盛大に舞い落ちるがよい!
はーっはっはっは! 芸術度を考えた連戦テーマ縛りだ!
なるほどお主らは好きに色を染め上げればよい、妾はそれでも間に合わん位に花弁を降らせてやろう
花弁に埋もれて、エモく果てるのだ!

などと宣言して動かぬフリをしつつ、戦場の視界を隠すほどの花と塗料に隠れ、ビームを警戒しながらキンブレに接近だ
本命は大首領のお主だからのう、直接ボコらず勝負を決めるはずなかろう?
邪神の全力の左腕の一撃で、盛大にブッ飛ばされるがよい!



●邪神様のお通りだ!

 塗る活力は衰えず。
 ノリの良さは失われず。
 油性ペンキでほぼ全身真っ白になったキング・ブレインとにゃんこアーティスト達は、落ちない白色への懺悔や悲鳴を小声ながら上げている。
『……こうなってしまった以上白を纏うワルで攻めるのだ!顔を上げて、仕事をするんですよにゃんこさん達!』
 いち早く立ち直ったキング・ブレインだがただの善人にしか見えず、御形・菘は笑い過ぎないように加減するのに苦労した。
 笑うな、笑いすぎるな――いや無理だ、笑わぬ方が失礼だろう。
「はっはっは、それもまた|芸術《アート》なのだろう?では誇れ、胸を張れ!」
『そうかにゃ!?では最後のお客様、おみゃーの好きな色をお聞かせ願うのにゃ!』
 ころりと感情を転がすように切り替えて、尋ねられて悪い気はしない。
「妾のテーマカラーはな、聞いて驚け!ブラックだ!」
 どかーん、と衝撃音が聞こえるようであった。
 なんだってー?!にゃんこ達のまあるい目が更に丸くなった。
「気落ち?メンタルダウン?いやいや騒げ!さあ!十分にパフォーマンスを魅せてくれ、妾も己の全力の最高で応えてやろう!」
 それは場を支配するに相応しい声量。
 面食らったのは、キング・ブレインその人も含まれる。
『……これは吾輩としたことが。動揺し過ぎて一本取られましたな。ではにゃんこさん達!正々堂々と黒染め活動を行ってください!最速で!』
『『はいにゃ!』』
 ちゃっちゃっか絵の具を混ぜる音、四人衆はまず手始めに自分たちが油性のペンキを被った。
 ワルを示すは"黒"いモノならば。これで堂々、悪事を成す者になる。
 にゃんにゃん歌いながら、行動するさまは菘から見ても異様であった――秘密結社を越えて、宗教的とも見える。
 だがそれが、面白いならば否定派しない!それがパフォーマンスであるのなら、存分にやれと笑うのみ。

 右手を大仰に掲げ、――ぱちん。
 鋭く響く澄んだフィンガースナップを合図に、盛大に花びらがぶわああと上空よりひらりひらりと落ち、積もる。
 |花驟雨《ヘリオガバルス》――それはバトルに必要とされる無数の花弁を喚ぶ合図。
 桜のようで、異なる鮮やかな花弁は戦いは終わりが近いと菘が彩る無限の花束代わり。
「早う活動せねば、埋もれるぞ。色が花弁に負けてよいのか?」
『良くないにゃ!スポンサー!』
『吾輩は、この機会に詠唱し続ける!ファイナルブレイン砲(今考えた)の発動を!ブレブレブレ!恐れ!恐怖せよ!』
 詠唱時間に応じて無限に威力を上げていくというビームの詠唱。
 するなら好きにするが良い、菘もまた、寛大に許した。
「はーっはっはっは! 芸術度を考えた連戦テーマ縛りだ!余興も、本命も、全力で行うのが良い!」
 ――お主らは、望むように塗りたくれば良い。
 にゃんこ達が大きな絵筆とバケツで塗りつぶしていくさまは、実に爽快。
 他の猟兵にも指摘されたのだろう、ワルは黒の上でこそ成り立つからと、隅っこ塗り残し、全てを許さぬ徹底ぶり!
 これには日直式四天王も、仕事に没頭し続ける!
 攻撃的の要素はどこにもない――。
「塗りきれるか?この浴びるほど降り注ぐ花弁を無視して」
『んにゃーーーー!!』
 花弁が止まらない!塗り続けるにゃんこ達はどんどん埋もれていく。
 その中で悲鳴もまた、花弁の中に埋もれていく。
「さあさ、プロ意識高くエモくの中に沈むのだ!」
 四天王の声は、埋もれ始め、こうなれば向かうべきはただ一人。
「――さあ、大首領。詠唱は十分行えたか?」
 戦場の視界を隠すほどの大量花弁の中を、自由に動ける菘は場の支配さえお手の物。
 身を隠し、するりするりとキング・ブレインの元へと迫った!
『当然!吾輩の視界へと!必ず入り込むと分かっていた!』
 放つはファイナルキングブレイン|砲《ビーム》!直線に激しく大量に差し向ける!
 輝きは避けるには難しく、|脳《賢さ》を暴走させるビームを受けて尚、菘はただ笑っていた。
 戦いとはこうでなければ。小難しい事は、考えたところで追いつけない。
「大本命は、大首領。お主だからのう」
 邪神の|全力《左腕》の一撃を用意するべくブンブン回す!
 菘の賢さは――物理に特化するように暴走していた。
 難しいことは投げ捨てろ!ただ見せ方は重視しろ!
「――とりあえず殴れば解決、正しくその通りというヤツだ!」
 拳は、キング・ブレインの顔面に突き刺さりそのまま盛大にブッ飛ばした。
 カメラに映えるベストな姿勢、やりきった爽快感が表情に現れていたという。
 重力なんて無いが如し、中心核へと激突し――同時に鈍い音が、菘の耳に届いた。
 頑丈な悪魔でさえ、内側にも響くダイレクトアタックが、よおく効いたようである。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『キングブレインキャッスルの最期』

POW   :    相手の強さを讃えて行く

SPD   :    少しでも長く話せるよう工夫する

WIZ   :    デビルキングワールドの話を土産に聞かせる

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●日直式四天王は骸の海へ先に帰ってしまったようです(残りは大量のアマチュアにゃんこ――)

 げふ、げふ。咳き込む其れは悪の華。
 秘密結社ブレインが大首領。此処まで追い込まれては、外の世界へ挑む作戦は発進直後に停止が関の山。
 賢い頭脳が悟ってしまった。
「吾輩は、余力をまだ持っているが」
 しかし押そう。このボタン。
 ぽちっとな。自動的に自爆装置が作動――。
 かち、かちと時計の音がドン引きするほど鳴り響き、どーんどーんと激しい爆破音を立てながら城自体を崩落させんと企てる。
「大首領は、秘密を残さないもの。吾輩の功績は吾輩が持っていけばいいだけだ!キマイラの皆さんにはお手数をおかけしませんとも!」
 キング・ブレインは、この城もろとも終わりを認め埋もれるつもりのようだ。
「勝者はそちら。敗者は黙して爆破の海に消えるのみ……」
 まだ少し時間がある――声をかける時間も在るだろう。
 逃げ出す時間もあるだろう。爆風に煽られるまで滞在することも可能であるし、色塗りしている筈の大量にゃんこアーティストの様子を確認することだって短い時間ながら出来るはず。
 猟兵は何を選び、この場所を後にするのだろう。
 最後まで、駆け抜けろ!コミカルに、爆破の音を背に受けて。
アルテミシア・アガメムノン
ほほほ、最期は秘密基地ごとの大爆発ですか。
悪の組織の大首領として相応しい行いですわね。流石です。
(『三界の覇者』継続発動で自身への爆発の影響は気にせず)
でも、にゃんこさん達は大丈夫かしら?
芸術作品が爆発するのもお約束とは言えここで骸の海に還っちゃうのは可哀想な気もしますわね。
(とにゃんこ達の様子を見る)
まあ、なるようにしかならないでしょう。
(可愛くてもオブリビオンなので自身が助けるという選択肢はない)

さて、キング・ブレインさん。
今回はゆっくりとお話する時間もないようですし、これでお別れですわね。
ああ、これだけはお約束しましょう。
デビルキングワールドのことはご心配なさらず。それではごきげんよう!


御形・菘
はっはっは、ド派手に潔く散るのをお主は選んだのか
ならば妾も相応に、全力で応えよう!

右手で、眼前の空間をコンコンコンっと
はーっはっはっは! エモく美しくでテーマを通してきて、クライマックスも乱れ咲く花で〆ようではないか!
システム・フラワーズのこの地こそが、この技にとって最も素晴らしく発揮される場所だしな!

…妾はお主のことを、結構尊敬しておるよ
デビキンの頂点、心優しき魔王が、如何なる変節を経て猟書家と成ったのか、知りたくはあったがな
まあ黙して逝くのもまた巨悪の美学!
演出は整えた、お主は花園の中でイイ感じに最期の姿をキメてみるがよい!
妾も振り返らずに超カッコ良く去る! さらばだ、キング・ブレインよ!



●敗者も勝者も笑え、笑え

 連鎖爆破の音は、留まるところを知らない。
「ほほほ、最期は秘密基地ごとの大爆発ですか」
 まずは小規模から、そしてだんだんと全てを破壊しつくすのだろう。
 木っ端微塵までやってのける威力、爆薬、導線の数々。
 最初から、撤退を考えていない防衛戦のつもりだったのだろう。
『なにか言いたげに聞こえるが……』
「いいえ?悪の組織の大首領として相応しい行いかと」
 あらゆる攻撃を無効化する、アルテミシア・アガメムノンの三界の覇者は継続して使用している為その爆撃は何の効果もない。魔力で衝撃を吸収する――その爆弾の数々に、特殊なものは仕組まれていなかった。単純な、ダイナマイト群。これは頑丈な"悪魔"ならなんとも無いが、建物は粉砕可能の量である。
『だろう!吾輩は、吾輩の努めとして終わりまでスマートでキめるのだ!』
「あらあら。でも、……そう。にゃんこさん達は大丈夫かしら」
 爆破の雨の中、崩れる城の中。
 ペンキや絵の具の数々は、彼らが此処に居た軌跡。
 まだ大量の"従業員"は居るはずだ。継続して作業を進めているはずだ。
『彼らはプロを目指す者達ですからね、仕事完了までの依頼料はきっちり支払い済みなのでご心配なく』
 給料分の働き以上は、最期に添える華があればよい。
 そう、芸術の頂点は――爆発。
『この現状を見ろ、全て崩壊した時に芸術は昇華する!』
「芸術作品が爆発するのもお約束とはいえ、ここで骸の海に還っちゃうのは可哀想な気もしますわね」
 視線を移すと、爆破の衝撃で落下した瓦礫に黒中心のキング・ブレインに捧ぐカラーリングと共に大量のにゃんこアーティスト達がその数を減らしていっていた。彼らは没することに、躊躇などなかった。
 仕事したー!頑張ったー!おつかれー!と口々に消えていく始末だ。
 清々しく愛嬌がある。あれでオブリビオンなので、救う事はないのだから――愛らしさとは、|悪《つみ》である。

「はっはっは、ド派手に潔く散るか!」
 バックミュージックに爆破音!そしてにゃあにゃあ泣き叫ぶ声!
 仕事上がりのクランクアップ!お疲れ様、の音頭はどうぞ骸の果で。
 だが良いじゃないか、クレイジーで。
 建造物破壊もダイナミックが良い。まだ少し時間あるのだから、余興代わりに手向けても良い。
 これがパフォーマンスというもの!独創性こそ、爆発させよう。
「お主が選んだのだから、妾も相応に、散り際の華を咲かせてやろう!」
 御形・菘が応えんと、右手で叩く。
 眼前の空間だ、小刻みに"コンコンコン"!
 始まる一時的な借用の合図。
 落花狼藉・散華世界(イキナリクライマックスバトル)――それは静かに始まっていく。
 花々咲き誇るエモい空間で埋め尽くし、ハートフルな気持ちを演出する。
 デジタルではあり得ない、走馬灯を再現しよう。
 是なるは、人類滅亡して遠く失われし地球?らしき惑星の――楽園かもしれぬ領域なれば。
『……ずっと笑っているな、ブレブレブレ!』
「これが笑わずしてなんになる!はーっはっはっは!」
 此処が笑顔と笑い声に溢れる職場です(違います)。
 お客様と、大首領。どちらも平和的に壊滅的な音を聞きながら笑っているなんて。
「映えたいとは思わないか、エモく美しくをテーマに終わり色に!ならば、クライマックスも乱れ咲く花で〆ようではないか!」
 ぶわわ、と降り注ぐは桃色の花弁。
 あれが何の花弁かなどと、誰も知るものはいない。
 ただどこか優しい桜のようで、桃の花のようにどっしりしてて。
 強いて言えば、いいね、のハートに良く似た花弁である。それが無限に吹き出して、空間を埋め立てる。
 手向けの華にしては鮮やかで軽く、まるで重さを感じない"花びら"。
「システム・フラワーズのこの地こそが、この技にとって最も素晴らしく発揮される場所だしな!」

「――さて、|4thKING《キング・ブレイン》さん?」
『何かな、現在の|7thKING《デビルキング》さん』
「あら、さん付けですのね。ですが今回はゆっくりとお話する時間もないようですし、これでお別れですわね」
 ――積もる話、聞きたい話。
 それはいくらでもあるのだが、とどまれば爆発に巻き込まれるのは必須である。
 宜しく無い。それは。敗北を受け止めた相手に対し、それは――勝者が行うべきではないのだ。
『お別れだとも、悪魔の皆さんによろしくお伝えください!吾輩は、確かに最期までワルであったと!』
「ええ。……それからこれだけは、お約束しましょう」
『約束とは?』
「デビルキングワールドの事は、ご心配なさらず!」
 にこりと笑うその顔に、迷いはなく。
 瓦礫や揺れに動じぬ堕天使は、称号を冠するに相応しい表情で男を見ていた。
『……心配など、等に無い。それは没する吾輩の責務でもないですが、宜しくお願いしますね』
 丁寧な口調。見送る言葉。
「……妾はな、お主のことを、結構尊敬しておるのよ」
 菘はKING達の会話の中に、湧き上がる笑い声を引き連れる。
「――デビキンの頂点、心優しき魔王が、如何なる変節を経て猟書家と成ったのか、知りたくはあったがな」
『蔵書もまた吾輩が没すると同時に終わるのだ。スーパー怪人大全集など、悪に必要な悪を学ぶには愉快極まりないものではあったが――これは、吾輩以外が知るには早すぎるというもの!ブレブレブレ!』
 笑いには笑い声を。
 なるべく声色は先程と変わらず、しかし疲れたような声色も見え隠れする。
「まあ黙して逝くのもまた巨悪の美学!」
 大量蔵書の中身など、それを入手した経緯など語り尽くす時間などありはしまい。
 途端、菘は背を向けて早々に場を後にする。
 振り返ることなどない――演出は終えたのだ。
 お花畑の中に埋もれる大首領。実にエモい、映え度が強い。
 ――最期の最期に、キメた顔で"いい感じ"を決めるがいい!

「さらばだ、キング・ブレインよ!」
「では、ごきげんよう!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ノネ・ェメ
連携、アレンジ歓迎

終始ノネ口調ですが、全て心情のプレ文です
どこが台詞といった意図も、とくにゎなしです

一応、UC効果のLv100見切り等で逃げ遅れ防止


いみふ。
二、三歩ゆずって尊重したとしても、意味がなくなぃ?
こんなに大勢のにゃんこさん達を好きにさせとぃて、みーんなほっぽってってしまうの?
(UCで猫耳をはやし、にゃんこ達と同じ表情で訴え)

やめよ? やめやめ。
四天王さん達も、今こそ自分たちのキングを文字通り助けるべきだょ。

ここゎキマフュだし。
そんなかっこつけみたぃな事してみたって、シリアスの方がまさっちゃって、全然相応しくなぃんだから。
このキマフュ出身のわたしが、ゆるさないんだからー! ──


ゲニウス・サガレン
む、アジトごと自爆する気か
この度のなんとも憎めない戦い
思うところはあるけど、覚悟を決めた者を「助けたい」というのも……なんというか、無粋かな

ならば探検家としてやるべきことは、記録!
UC「眠れる力を呼び起こせ!」
頑張れ私!残された時間でにゃんこアーティストの絵画、キャッスルの形状、キング・ブレインの姿、猟兵の戦いぶり、ここであったことを書き留めるんだ!ええい、眠れる画力よ、まぐれでいいから目覚めよ!

……この記録から紀行なり探検記なりを書いて残そう
私の筆は拙いが、いつか誰かが心に何かを受け止めてくれるかもしれない

アイテム「トビウオ空翼機」
どうやらお別れの時間だ
さらばキング・ブレイン
粋な王よ



●ブレブレ街道崩落劇

「む、せっかくの秘密結社設立も、こうもたやすく……」
 そこら中から聞こえてくる爆発音。
 立っていた場所まで揺れて、ゲニウス・サガレンは思わず足場の安全性を確認したほどだ。破裂の音に乗せてくるのは城たる結社が粛々と崩壊し欠損していく終焉の音と――ブレブレブレの笑い声。
 キング・ブレイン。男はどこまでも、何度も練習した――極上のワルの笑いを響かせた。
 あれが笑い声なのだと、もう誰も疑う者などいない。
『潔い別れの挨拶!いいぞ、猟兵ならば其れでいい!』
 ブレブレブレ!笑う、笑う爆破音に混ぜて、笑い続ける。
 追撃などするつもりもなく、落ちつつ在る城と共に終わりを眺めるつもりの姿勢が嫌にキマイラフューチャーのノリとは別モノに映る。死するのを構わずと受け入れて。秘密結社ブレインは、今日此処に没するならば――大首領もまた同時に没るべし。
「……ああ!思うところはあるのけど!」
 ――覚悟を決めた者を「助けたい」というのも……なんというか、無粋かな。
 此処で生きろ、と手を差し伸べたい気持ち。
 ワルから更生するのは難しいだろうが、活動の方向性をいい子、もとい善良な作戦一本に絞れば、彼がいても良いのではないか?大首領としてそれこそ正義の首領にでもなればいいんだ!ゲニウスの頭の中に駆け巡るのは、イメージ。
 過去という枠に収まる者だからこそ、助けることは――叶わないのだろうけれど。

「……まって。それでぃぃの?」
『勿論。ワルは去り際まで潔くなくては』
「んーん、いみふ」
 ふるふるとノネ・ェメは首を横へ降るのみだ。
 正義?悪?そんな話はノリが悪い!
 崩壊寸前とはいえ、此処の名は現在キングブレインキャッスル。
 城主は貴方、大首領も貴方。
「主張は尊重するょ、でもね、それが二、三歩譲って尊重したとしても、意味がなくなぃ?」
『意味など無いですとも。しかし吾輩が決めた!』
「こんなに働きモノの大勢のにゃんこ達を好きにさせとぃて、みーんなほっぽってってしまうの?」
 ノネの頭に猫の耳がぴょこんと映える。
 青の耳がぱたぱた動く。
 キング・ブレインからだって見える。今も尚色を塗り続ける者達の姿が。
 もうすぐ完成だ、完成間近をスポンサーに見せよう、いやもっと完成度をあげようとにゃんにゃん話す姿は目に映る。
 尾が揺れている、筆をばしゃばしゃバケツをばしゃり。
 今も尚、彼らは塗り続けてる。終わる時間さえ、締切と捕らえる彼らは楽しげでこそあって逃げようともしない。
「ぁー、ぁーやめよ?やめやめ」
 王は此処で眠るという姿勢も、塗り続けて仕事をこなそうという姿勢も。
 そんな誰かがつまらない形は、――相応しくない!
「彼らが日直式四天王さん達だってぃうなら、明日の当番も昨日の当番もぃるんでしょ」
『はいにゃ!自分昨日当番だにゃ!』
『おいらは明日にゃあ!』
『明後日とその三日後も当番は俺様だにゃー!』
「じゃぁみんな四天王ってことでしょ、四天王さんたちも、今こそ自分たちのキングを文字通り助けるべきだょ」
 作業なんて辞めて、楽しい方へ意識を向けなよ。
 ココロは悪魔のように強くなったかも知れないけれど、アーティストである君たちは、|キマイラフューチャー《イカした未来でハシャごう》じゃないか。楽しいことが大好きな、ココロを忘れてなんていないだろう。
「ここゎ、キマフュ。真面目だけはょくなぃ。このキマフュ出身のわたしが許さないんだから――!」
 低評価のカウンターがカラカラ回っている。
 城の片隅の生放送は、ずっとされていた様子。
 先の猟兵達が大量の花弁を撒いた時――いいね、エモい!泣ける!などスタンプの嵐だった。
 だが今は――低評価ボタンのカウンターが無限に回り続けている。
 これは"エモく"ないのだと、評価が下げに下がっている!
「プロ意識ぃ?そんなかっこつけみたぃな事してみたって、シリアスの方がまさっちゃって、全然相応しくなぃんだから」
 にゃんこ達は、顔を見合わせて動き出す。筆もバケツも持ったまま、お互いに絵の具やペンキを好きずきに掛け合って、大首領の元へ駆け寄る。
 逃げようだなんて、彼らはいわない。
 ただ。はしゃぎ倒す一員に、逃げる気のない大首領を加えて、更に色を添えたのだ。

「……私は、冒険家だ!冒険家としてしたいことなら許されるだろう!」
 すなわち、記録――。
 眠れる魂の鼓動に問いかけろ、呼び起こせ――魂の叫びに載せて。
「さあ頑張れ私!全力で呼び起こすんだ、残された時間でにゃんこアーティストの絵画、キャッスルの形状、キング・ブレインの姿、猟兵の戦いぶり、ここであったことを書き留めるんだ!ええい、眠れる画力よ、まぐれでいいから目覚めよ!」
 目に焼き付いた光景を。するするとゲニウスの手は書き記していく。
 箇条書き、ざっくばらんな城の内装絵を添えて。
 此処にあった色を、想いを、ハチャメチャな活動の欠片を。
 キング・ブレインと秘密結社ブレインのその実情――最終章を。
 羊皮紙、ノート、スケッチブック。白紙の地図、なんでもいい!
 此処から撤退していく間に、記すんだ。彼の事を!
「これは私の体験談。いいや、……この記録から、紀行なり探検記なりを書いて残そう」
『それをして、どうなりますかな』
「粋な王、キング・ブレインは"此処に居るぞ"と蔵書の一つに刻めましょうな」
 ――私の筆は拙いが……。
 ――いつか誰かの目に留まれば心に何かを受け止めてくれるかもしれない。
 ――悪の華は、華のような人生を言葉通りに彩ったのだと。
『ブレブレブレ!それは――吾輩もまた、スーパー怪人ということに!?』
 ゲニウスは、留まれる限界を悟り、トビウオ空翔鰭――自転車に乗り、死物狂いでペダルを踏んだ。
 加速の風速は爆破の衝撃。
 吹き飛ぶ瓦礫は、色とりどりの宝石のような――落ちない油性の色。
 にゃあにゃあ叫ぶ、大量のアーティストの損失。
 落ち込むことも再起を願うこともない、曇りなきブレブレブレの笑い声を背に浴びて――ばさばさと少し浮く自転車はその場を後にした。

「さらばだ、ワルを極めし優しい王よ!」


 連続する爆破音、崩れ落ちる瓦礫の音。最後の猟兵が出来る範囲を見守って立ち去った後。横たわる男が居た場所へ、大きな欠片は崩れおいた。
 遠くどこまでも響いていた笑い声が――途絶えた。
 その音は、潰えたのである。

  どかーん。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年07月12日


挿絵イラスト