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【妬鬼姫戦線A1】最終話 ささやかな幸せを

#アナザープレヱス・リフレイン #妬鬼姫戦線A1 #日常シナリオ

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#アナザープレヱス・リフレイン
#妬鬼姫戦線A1
#日常シナリオ


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「皆、お疲れ様」
 そういって、労うのはキサラ・K・ヤメだ。
「最初のリフレインを乗り越えることが出来たわね。けど……まだわからないことが多々あるわ。どうして、リフレインしているのか、その原因を突き止めることができれば……って、あなた達に言っても仕方ないわよね。事件を解決することも大事なことだから。本当にお疲れ様」
 それでねと、キサラは続ける。
「本当はここにリズが来る予定だったんだけど……そう、最初のリフレインが終わったということで、リズが労いの宴の準備をしてくれてるの。だから、リフレインに参加した全員にこうして、集まってもらってるの。よかったら、来てほしいわ。リズの話によると、ビュッフェ形式で、どれだけ食べてもタダだそうよ」
 だからこそ、皆に来て欲しいという。そして、いつも案内してくれているリズは、その準備に明け暮れているようだ。
「必要なら、音楽を流してダンスとかも出来る……って、言ってるけど、そこまではいいわよね? 私もダンスってガラじゃないし」
 まあ、必要だったらリズに言ってねと付け加えて。
「そうそう、ご馳走はもちろん、スイーツも超一流のをそろえるって言ってたわ。気にせず、めいっぱい過ごすと良いわ。私もエンディカと一緒に参加するから……ね?」
 と、隣にいたエンディカにキサラが声をかけると。
「うん。美味しいご馳走にスイーツ、楽しみ……」
 ほんわかとエンディカの周りに花が開いたように、穏やかな空気を纏っているようだ。
 キサラとエンディカに誘われて、君達はゆっくりと宴が行われている迎賓館へと案内されるのであった。


柚葵チハヤ
 どうも、お久しぶりです。柚葵チハヤです。
 少々遅れましたが、最終話、素敵な宴のお誘いです。
 ただ、皆さんのプレイングで、宴に参加せずに、別のことをしても構いません。その場合は、しっかり詳細を記載していただけると嬉しいです。よろしくお願いします。

 宴はリズが全て用意してくれています。キサラの言う通り、ビュッフェ形式のご馳走やスイーツが並んでいます。立食ではなく、テーブル席も用意されていますので、ご安心を。また、リズに言っていただければ、ダンスも可能です。こちらもよければどうぞ。

 以下、NPC達の動向を参考までに。
 リズ:裏方に徹していますが、誘われればお付き合いします。
 アス:そっとご馳走をいただいてます。
 ミーヤ:にゃにゃー!! ご馳走いっぱい、スイーツいっぱいなのにゃー(食べてます)!!
 キサラ:ちょっと考え込みながら、食べてます。もれなくエンディカがついてきます。
 エンディカ:ご馳走とかに興味津々。もれなくキサラが(以下略)。
 海斗:軽く飲みながら静かなところに居ます。
 涼介:ばくばくご馳走を食べています。うまーーっ!!
 キヨ:ご馳走はほどほどに。スイーツ、凄い……しっかり食べるぞ!
 グラウェル:そっと壁際で食べています。

 上記にいないNPCは、適当に参加しているものとして、扱ってくださって大丈夫です。気になる方は、しっかりプレイングにて指定をお願いします。

 それでは、ささやかな後日談である宴を、お楽しみくださいませ!!
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第1章 日常 『プレイング』

POW   :    肉体や気合で挑戦できる行動

SPD   :    速さや技量で挑戦できる行動

WIZ   :    魔力や賢さで挑戦できる行動

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ベスティア・ジェヴォーダン
せっかくの祝賀ムードの食事会だが、浮かない顔のベス。
キサラやエンディカが、せっかく危機を知らせてくれたのに、今回の妬鬼姫との戦いの結果は前回と大して変わらず、滅びの回避につながる情報は何も得られなかった……
いったいどうすれば良かったのだろうか?
キサラとエンディカに会い、成果の無いことを謝罪し、予言や妬鬼姫についてより詳しい情報を持っていないか、または彼女たちの見解を求める。
もしかしたら、リズが言っていた『おぶりびおん』という存在が関係しているのかもしれない。
キサラとエンディカの次にリズにも妬鬼姫や滅び、リフレイン、オブリビオンについて見解を求める。
ベスは馬鹿だから脳みそが追い付かない……><



◆謝罪と見解
 華々しい祝賀会。だが……ベスティア・ジェヴォーダン(早く会いたい気持ち・f39599)は、ご馳走に飛びつくのかと思いきや、どうやら浮かない様子。
 それでも、気になる大きな肉はしっかりと噛り付いている。
 その肉を食べ終えたベスティアは、そのまま談笑しているキサラとエンディカの元へと向かう。

 ――キサラやエンディカが、せっかく危機を知らせてくれたのに、今回の妬鬼姫との戦いの結果は前回と大して変わらず、滅びの回避につながる情報は何も得られなかった……。いったいどうすれば良かったのだろうか?

 そのことが、ベスティアの気持ちを残念な気持ちへと向けさせていた。
「キサラ、エンディカ。危機を知らせに来てくれたのに、いい結果が出せなくて済まない」
 そういって、二人の元にたどり着いたベスティアは、ぺこりと頭を下げた。少々、乱暴にも見えたが……それでもベスティアの気持ちが十分に込められていた。
「ベスはよくやった」
 最初に声を出したのは、エンディカだった。そっとベスティアの手を握り、にこっと笑みを浮かべる。
「ん、もう。私もそれ言おうとしたのに。改めて、私もベスティアさんは、よく頑張ってくれたと思うわ。いち早く現場に向かって、いろいろと調べてきてくれてたし……それにいち早く帝に持ちかけてくれたおかげで、そちらの滞りなく進めることができたって聞いているわ」
 だから、気にすることはないと、改めて二人は微笑んだ。
「それにね……一度でみつかるものじゃないって思っているわ」
「……そうなのか?」
「だって、考えてみて。私だって今回の件は、ハプニングが起きすぎて、マジでパンク状態なのよね。……本音を言えば、このリフレイン、私とエンディカだけで進めようと思ってたのに、桜塚特務部隊の人達に会っちゃうわ、リズさん達、グリモア猟兵さんに会っちゃうわで、ハプニング続きなのよ。それに、正史を正しく進めることも大事なことだしね。下手したら、私達もいなくなってしまう……なんてこともありえるかもだし」
 だからこそ、前回同様、諸悪の根源である妬鬼姫を倒すことは、最重要項目であるのだ。
「……予言や妬鬼姫について、より詳しい情報を持っていないか?」
 そういうベスティアにキサラは告げる。
「今のところは皆が持っている情報が詳しいと思う。私もいろいろと分析中だけど……」
 キサラのその言葉を遮るようにベスティアが声を上げる。
「見解を聞かせてくれ!!」
 興奮気味なベスティアを宥めるかのように押しとどめてから、キサラは口を開いた。
「そうね……今回の事で分かったことが一つ。正史と関わらない部分では、未来を変えれる可能性があることね。それは皆がやりたいことをやって、変えてくれたからわかったことよ。ただ……一度の未来修正では、未来を変えることはできないみたいね。例をあげるなら」
「百合たちのことか」
 ベスティアの言葉にキサラは頷く。
「あら、楽しいおしゃべりですか?」
 そこにリズも加わった。
「そういえば、リズの言う『おぶりびおん』ってなんだ?」
 ベスティアの疑問にリズは、目を真ん丸にして驚いていたが。
「私達の住む世界での敵ですわね。中には過去に現れた味方や敵が、新たな敵として現れています。ですが……私から見ると、この世界のゾンビや妬鬼姫は、別物のように感じます。やはり、世界が違うから……でしょうか。それにしても、妬鬼姫は群を抜いて強敵な気がしますわ」
「そのことについては、私もリズさんから聞いたわ。この世界の敵と、リズさん達の敵は、何か違うって」
「……何か、違う……ううう、ベスは馬鹿だから、脳みそが追い付かない……」
 頭を抱え始めたベスティアを、リズは優しく介抱するように、そっと抱きしめる。
「わたしね、思うの。今回で学んだことを次で生かせればいいんじゃないかって。私も皆が持ってきてくれた情報を元に、更に分析して見せるわ。そして、リフレインの謎に近づいていきましょう!」
 キサラの眼鏡がきらりと輝き。
「わかった! まずは……はらぺこになったから、腹ごしらえしてくる」
「そうこなくっちゃ!」
 こうして、ベスティアは再び、食魔人へと戻っていったのである。


※称号「馬鹿でも考察はできる……はず?」を獲得しました。後程、獲得リストをご確認ください。

大成功 🔵​🔵​🔵​

狐々愛・アイ
たとえ繰り返すのだとしても、ひとつの未来を守れたことに変わりはないのです……そこに関われたことを、ぼくは誇りに思います。

それに、繰り返すのなら何度でも助けに行けば良いんです。ぼくはヒトの味方、ですからね!

さて、大きな仕事を終えたんですから遠慮なく楽しみましょうか。
スイーツをいくつか取って、涼介さんの所に。お話ししながら頂いちゃいますね。

……ぼくが最後まで戦い抜けたのは、沢山のヒトとの繋がりがあったから。もちろん、涼介さんとの繋がりもです。

目一杯の笑顔と一緒に、お礼を。

改めて、仲良くしてくれてありがとうございます。

それにしても涼介さん、ものすごい食べっぷりですね……お腹、壊しませんように。



◆涼介と美味しい宴を
「たとえ繰り返すのだとしても、ひとつの未来を守れたことに変わりはないのです……そこに関われたことを、ぼくは誇りに思います」
 かつんかつんと、廊下に足音が響いた。この先に宴の会場がある。
「それに、繰り返すのなら何度でも助けに行けば良いんです。ぼくはヒトの味方、ですからね!」
 そう笑みを浮かべるのは、可愛い耳を揺らす狐々愛・アイ(愛は優しさ、愛は力・f36751)だ。
「アイは凄いな。俺は……そんなこと、なかなか言えないよ。無我夢中で走りっぱなしって感じだし」
 少し羨望の眼差しで涼介はアイを見つめる。
「ぼくだって、涼介さんにはなれませんし、涼介さんの良さもきっとありますよ」
「そうかなあ……」
 ぎいっと扉を開けて、宴の会場へと入って行く。
 煌びやかなホールに、アイも涼介も、おおおっと圧倒されていた。
 と、アイがハッとした表情になって。
「さて、大きな仕事を終えたんですから、遠慮なく楽しみましょうか!」
「ああ、美味しそうなご馳走、いっぱいだもんな!」
 二人は連れ立ってビュッフェコーナーへと足を踏み入れるのであった。

「うわーー、これも美味しい!! ほら、アイも食べろよ。この肉薄いけど美味い!!」
「……もぐもぐ、本当ですね。とっても美味しいです!」
 涼介はばくばくと、この料理を制覇する勢いで、ばっくばくと食べていた。アイはどちらかと量を弁えている感じだ。
 周りでは、素敵な音楽も流れ始めて、踊りたいカップル達がホールの広い所に集まって、楽しげに踊り始めている。
「……涼介さん」
 おもむろに口を開いたのはアイだった。
「……ぼくが最後まで戦い抜けたのは、沢山のヒトとの繋がりがあったから。もちろん、涼介さんとの繋がりもです」
 それは、アイの気持ちでもあった。めいっぱいの笑顔を見せて、アイは続ける。
「改めて、仲良くしてくれてありがとうございます」
 そうぺこりと頭を下げると。
「わわ、それはこっちのセリフだよ!! アイが来てくれなかったら、大変だったって……その、聞いてたというか、そんな気がするし。だから、俺からも言わせてくれよ。ありが、とう……」
 照れたように頭を下げる涼介が、アイにとっても嬉しくて。

 その後も楽しく美味しいディナーを食べ続け。
「それにしても涼介さん、ものすごい食べっぷりで……涼介さん?」
「う、うぷっ……た、食べ過ぎたかも」
「え、りょ、涼介さーんっ!?」
 最後には、具合が悪くなっていたが、ただの食あたり。食べ過ぎだと判断されたのだった。
 こうして、アイはベッドに横たわる涼介と楽しげに会話しながら、過ごしたのだった。


※称号「ありがとうの気持ちを」を獲得しました。後ほど、獲得リストをご確認ください。

大成功 🔵​🔵​🔵​

役所・太助
山田ふわさんと一緒のシーン希望
他にも交流歓迎

・自分も料理を振る舞う。仲間への感謝と、「男子厨房に入らず」だった自分がリフレインで変わってしまった自分を受け入れる決意として
リズに準備の手伝いを申し出て、一緒に料理しながら、自分の変化などリフレインの影響について、自分の仮説と恐れを伝え、リズの見解や励ましを聞きたい

・料理を振る舞いながら諸PC、NPCと会話希望
キサラが前作ヤメサラ氏の子孫なら、ヤメサラ氏の思出話で盛り上がりたい(災害対策本部で一緒に調整頑張ったことなど)

・出席者に挨拶。今回の件で命を賭け、リフレインの影響を考えると人生をも賭け、皆で乗り越えたことを改めて振り返る
そして、これからも帝都の危機には何度でも立ち上がる誓いを表明
皆には自分の人生を第一に、しかし可能なら合力をと願う

・ふわと二人になれたら、改めて感謝を。そして、リフレインの影響を認めつつも、何があっても守ること、例え離れても何度でも迎えに行くと誓う。

そして、これからも共に来てくれるか?と、求婚以上に緊張しながら問いかける


山田・ふわ
とりあえずまだ解決!とはいかないけれど、今は宴を思いっきり楽しむ!
スイーツやビュッフェを楽しんでいると、最後の一つになったパフェに手を伸ばす。しかし、キヨがそのパフェを見ていることに気づき、そっと手を離した。
「キヨちゃん、お疲れ様! いっぱい食べてね!」
ふわは器用なことは言えない。今のキヨとどう接していいのか正直分からなかった。でも、キヨと今回の戦いもまた生き残れたことを今はただ喜びたい。

またその後、旦那である太助さんとのやり取りで。妬鬼姫との戦いでサポートしてくれたことにお礼を言う。「これからもずっと一緒だよ!」と満面の笑みでギュっとハグ(力加減忘れてしまいそうになり、慌てて緩める)。



◆聞きたいことと決意を
 ジャケットを脱ぎ、袖捲りをした後、宴の厨房へと殴り込み……ではなく、手伝いに入ったのは、役所・太助(人間の公務員・f39613)。
「たの……じゃなかった。手伝いをしに来たでござるよ!」
「まあ、太助様。お客様ですし、お手伝いは私達に……」
 しなくていいというリズに、太助はいつもの人懐っこい笑顔で、首を横に振る。
「これはある意味、それがしの我儘でござるよ。それに仲間にも感謝を伝えたいのでござる」
「……。……わかりましたわ。では、運ぶのだけ、お願いいたします。彼らにも仕事がありますので」
 リズの言葉に、太助はああっと、気付いた。今回の宴のために頼まれたのは、ここにいる厨房の料理人だ。彼らの仕事を取るつもりはない。それに、給仕達の仕事もと思ったが、給仕は少ないようだ。その分、節約しているのかもしれない。ならばと、しっかりと給仕の仕事を手伝うことに決めた。

 太助が厨房の仕事にこだわるのは、「男子厨房に入らず」だった自分がリフレインで変わってしまった自分を受け入れる決意として、だ。
 そこに入って、変わらぬことを示したかったのだが……少し時間が足りなかったようだ。
 だが、こうして、リズと共に給仕をする時間を取ることが出来た。
「リズ殿。少々話をしてもよいでござるか?」
「運びながらでよければ、喜んで」
 そう笑顔を見せるリズに太助はホッとした表情で口を開いた。
「リズ殿は……リフレインでの影響をどう考えるでござるか? もしかしたら、自分が消えるんじゃないか……とか」
 そう続けて、太助は不安をそのまま、リズにぶつけていく。
「そうですね……私は考えたこと、なかったですわ。私達がやらなければ、世界が滅亡するというのが多かったので、毎回、必死ですわね。……ここだけのお話。実はこの給仕も必死なんです」
 そういって、リズは苦笑を浮かべる。
「でも、私達がやらなければ、先へは進めない。消えるかどうかは後で考えませんか? キサラ様もエンディカ様も、そうなる確率は低いって言っていましたし、もし、そうなりましたら」
 リズは改めて太助の方を見て、手を伸ばした。
「私だけでなく、皆様一緒に考えましょう。一人で考えるよりも、きっと良い方法が見つかりますわ」
「ああ、そうでござるな! それと……ちょっと言いたかったことを先に越されてしまったでござるよ」
 えっと驚くリズの手を取り、太助は彼女の協力が得られたことに、また心の中で感謝を述べるのであった。

「皆さん、この宴にお越しいただき、ありがとうございます! こうして、皆さんと共に嬉しい宴を開くことができたのは……皆さんと力を合わせて乗り越えることが出来たからだと思うのでござる」
 リフレインの影響も何もかもが不安ではある。しかし、太助はこの宴の場で決意を固めた。
「だからこそ、それがしは……これからも帝都の危機には、何度でも立ち上がると誓うでござるよっ!! それと、皆には自分の人生を第一に、しかし可能なら力を貸してくれると助かるのでござる」
「それなら、少しなら手伝おう」
「私も協力するわ!」
 その決意と願いに、太助の元には多くの人々の協力が集まっていく。
 その事に太助は、少し気恥しさを感じながらも、また感謝の心を忘れずにと、心に刻んだのだった。

◆キヨといっしょ
 とりあえず、一連の仕事を終えたと、山田・ふわ(人間のデスブリンガー・f39711)もまた、この宴に参加していた。
「まだ解決! ……とはいかないけれど、今は宴を思いっきり楽しむよ!」
 一度目のリフレインを解決したものの、その原因はまだ分かっていない。そのことに若干の不安を感じるが、それよりもふわが気になるのは。
「あら、ふわじゃない」
 キヨとの関係だ。今ここにいるのは、過去のキヨではなく、仲の良い方のキヨだ。瞳を細めて、キヨは嬉しそうに声をかけてきたようだ。
「き、キヨちゃん」
 ちょっとどぎまぎするのは、過去の自分を知らないキヨを知っているせいか、それとも……。
「いっぱい食べてる? って聞かなくてもいっぱい食べてるわよね。見てたわ」
「み、見てたの!? は、恥ずかしいよ、キヨちゃん……」
「ごめんごめん。でも、なんだかあれからふわが、ちょっと変かなって思って」
 その言葉にぎよっとするのは、ふわの方だった。それを気づかれない様、最後のパフェに手を伸ばし……。
「「あっ……」」
 キヨも同じパフェを取ろうとしたのか、その手が重なった。キヨが何かを言おうとしたところで。
「キヨちゃん、お疲れ様! いっぱい食べてね!」
 半ば押し付けるように、そのパフェをキヨに渡すと、ぱたぱたと違うご馳走の元に行ってしまった。
「ふわ……」
 ちょっとだけ、味気ないパフェにキヨは少しばつの悪そうに苦笑を浮かべたのだった。
「うううう……なんて言ったらいいのか、わかんないよー」
 ふわは器用なことが言えない。それもそのはず、友達と仲良くすることが乏しいふわにとって、その交流は少し難しくて。
「どうしたら、いいのかな?」
 たぶん、その答えはもう少し見えかけている。おぼろげにも。けれど、なかなかそれは実行にはできなくて。
「でもね、この気持ちはホントだよ」
 そっと、お屋敷のベランダに行き、外を見上げる。空には綺麗な星が瞬いていた。
「今回の戦いもまた生き残れた。キヨちゃんと乗り越えられた。……それが嬉しいよ」
 その気持ちはまだ、キヨには伝えられないけれど、いつかきっと……。

◆ささやかな二人の時間を
 その後、ベランダで一人でいるふわを、太助が見つけた。
「ふわ、そこで何をしてるでござるか? てっきりご馳走を食べてると思ってたでござるよ」
 外の風は少し冷たい。それを感じてか、太助は着ていたジャケットをそっとふわの肩にかけてやった。
「あ、ありがと、太助さん」
 お礼を言って、ふわは思い出したかのように口を開いた。
「そ、そういえば、ご挨拶はもう終わったの? お手伝いもするって、言ってたよね?」
「これ以上はリズ殿にも迷惑がかかると思ったから、ちょっと抜けてきたでござるよ。ふわは?」
「……んーと、ちょっとお腹いっぱいになっちゃった」
 だから、夜風に当たっていたとふわは告げた。
「ふわ……」
 何かを言いかける太助に、先に声を出したのはふわだった。
「あのね、妬鬼姫との戦いでいっぱい支えてくれたよね。すっごく嬉しかった」
「それはこっちの台詞でござるよ!! 無事に帰ってきてくれてありがとう。それがしは、まだリフレインの影響がどう出るのか、正直不安でござるが……」
 そこで言葉を区切り、太助は続ける。
「何があってもふわを守る。たとえ離れても、必ず迎えに行くと誓うでござるよ!!」
 と、そこで突然、太助は少し緊張した表情を見せる。それは求婚の、プロポーズの時には見せなかった、不安そうな表情だった。
「太助さん?」
「そして、これからも共に来てくれるでござるか?」
 ようやく出てきた太助の言葉に、ふわは満面の笑みを浮かべて。
「もちろん! これからもずっと一緒だよ!」
 そういって、ふわは太助に抱き付いた。ぎゅっと、力の限り。……力の限り?
「ふぐっ!?」
「わわわ、太助さんごめんなさいっ!!」
 なんとか、太助が三途の川を渡りかけたが、見事、戻って来た。危なかった……というのは、ふわには内緒だ。
 こうして、二人はより絆を深め、寄り添うのであった。

 ささやかな宴は、夜遅くまで続き。
 楽しい思い出の一つとして、それぞれの心に残ったのであった。



※太助:称号「人々とふわとの誓い」を獲得しました。後程、獲得リストをご確認ください。

※ふわ:称号「力は加減しよう」を獲得しました。後程、獲得リストをご確認ください。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年06月29日


挿絵イラスト