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覗きも下着泥棒もご法度です!

#サムライエンパイア

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#サムライエンパイア


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●とある温泉にて
「ああ、いい気持ち。やっぱり温泉っていいわよねぇ」
「ほんと、心が洗われるわー」
 ここはとある有名な温泉街。
 今日も若い女性の湯治客が極楽気分で湯に浸かっていた。
 だが。
「きゃーー?!」
「今そこに人影がっ?!」
 そんな女湯を覗く怪しい影が。
「もう、覗きなんて信じられない」
「早くあがりましょう?」
 そして慌ててあがる女性たちにはさらに追い打ちが。
「下着がないわっ?!」
「まさか泥棒?!」
 脱衣所の下着まで盗まれていたのであった……。

●という事件がありました
「まぁ、そんなわけで、サムライエンパイアの温泉に出た覗きと下着泥棒を退治してほしいんだよ」
 集まった猟兵達を前にして、大真面目な顔でそんなことを言うメリッサ・ウェルズ(翡翠の吸血姫・f14800)である。
「まぁ、待って、落ち着いて。
 もちろんただの覗きや下着泥棒じゃボクらは動かない、わかってる、それはわかってるから」
 という事で具体的に説明するメリッサである。
 話を纏めるとこういうことだ。
 最近その温泉街では覗きと下着泥棒が頻繁に表れて、その噂が広まって客足も途絶えがちなのだという。
 そこで温泉の下働きや街の岡っ引きらと共に大々的な捜査を行ったのだが、まったく尻尾がつかめなかったらしい。出たという話を聞いて駆けつけても、煙のように消えてしまい、手掛かりも残っていないのだとか。
「不思議なことに、女湯に若い女性が入ってない限り現れないんだ」
 いやまぁ、そりゃ覗きの目的からしたら、そうなんでしょううけども!
「そして当然、ボクがそんな予知をするという事は、この覗きの犯人はオブリビオンだっていう事なんだよね。詳しくは全然見えてないんだけど」
 犯人像も見えていれば楽なのだが、そこまでは残念ながら期待できず。
「なのでこれからやってもらうことは単純。
 女性陣には覗かれるのを覚悟で女湯に入っていてもらい、そして覗きが現れたらそれを捕まえ、退治し、あるいは追いかけてアジトを見つけ出してほしい。
 女湯に人がいる間は覗きは逃げないようだし、あるいは下着ドロしに脱衣所にいるかもなので!
 あ、水着とか着てたら覗きに来ないらしいから、囮になる人は覚悟決めといてね」
 そう酷いことを言いながらメリッサは転移の準備をする。
「あ、覗かれること前提だけど、温泉自体はとてもいいものらしいから、せめてそれは楽しんできてねっ」
 気休めになるのかならないのかよくわからないことを最後に付け加えて。


雅瑠璃
 こんにちは、またはこんばんは。雅です。
 今回は初めてのサムライエンパイアのシナリオなんですが……またこんな色物的な。

 OPでメリッサも言っていましたが、まずは女性猟兵の方に覗かれる犠牲になってもらうことになります。
 女性が参加しなかったらどうしましょうね?

 とにかく1章はそうして覗きと下着泥棒の手掛かりを見つける話です。
 囮になってくれる勇気ある女性参加者さんは、覗かれたり下着盗まれたりした際のリアクションなどを。
 捜査に従事する参加者さんは、どうやって犯人を見つけるかの方法論などを。
 そんな感じでプレイングに書いていただければと思います。

 2章ではそれに伴う集団戦。
 3章ではボス戦という事になります。

 では、プレイングお待ちしております。
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第1章 冒険 『温泉の覗き魔退治』

POW   :    囮となって温泉に浸かり、覗き魔を誘い出す。

SPD   :    温泉の周辺を見回り、怪しい存在や痕跡を探す。

WIZ   :    覗きをするであろう場所を推理し、そこを見張る。または罠を仕掛ける。

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●覗かれたいわけじゃないけれど
 転移した猟兵たちは、件の温泉宿に向かい、まずは宿の女将に話を通した。
 もちろん解決してくれるなら、宿側には否はない。
 かくして密かに貸しきりになった宿にて、囮の猟兵が女湯に向かう。
 覗きが現れることを願いつつ……。
雷田・龍子
「また温泉か。」
別件で温泉に現れるオブリビオンに対処したばかりだった。
「どうやらオブリビオンの間では温泉ブームらしいな。」

裸を見られることには特に抵抗はない。
一肌脱いで囮となり、覗き魔を誘い出すことにしよう。

・覗かれた際のリアクション
気付かないふりをして入浴し続ける。

・下着を盗まれた際のリアクション
普段からノーブラの龍子。ブラを盗まれる心配はないが、パンツが無くなっている。
「ああ!毛糸のパンツが盗まれている!」
極寒の地出身だが、龍子は寒さに滅法弱いのだ。
「母から貰った大切な毛糸のパンツを・・・おのれ許さん!」
下着泥棒が現れる現場にそんなものを穿いてくるな。

※UCは武装が無くても手に帯電する。


有希・ブラウフランメ
「まぁ、こ・こ・だよね♪」

事前に聞いた情報と第六感でいかにもな覗きポイントを発見
殊更に『覗いている』相手に見せつけるような挑発的な角度で
軽やかな鼻歌を歌いながら、元々かなりキワどかった衣装を脱ぎ
下着代わりの小さなビキニに指を掛け、殊更誘惑するよう
一糸纏わぬ艶かしい…だが外見年齢相当に瑞々しく
華奢なサキュバスボディを見せつけておびき寄せます

悪戯っ子のVRサキュバスアイドル『ゆっきー』が
この程度で手を止める訳もなく
わざと『全裸のまま転んで立ち上がり』無防備な所を見せつけて
《ボルテージアップ・エンドレス》!
自分の失態を見せつける事により自己強化
広範囲に強烈な催眠術で覗き穴の向こうの犯人を昏睡させます


ドロシー・ドロイストラ
POW

覗きに下着泥棒とは
やるやつの気持ちがさっぱりわからないのでなんて思えばいいかわからん

せっかくの温泉だしドロシーは別に覗かれても全然平気なんで
隠しもしないで普通に温泉浸かって楽しむぞ
このドロシー、人に見られて恥ずかしいところなどどこもない完璧なボディと自負している

しかし問題は…若い女性の範疇にドロシーは入るのだろうか?
あまり言いたくないが角以外はちょっと幼めだからな…

あと脱衣所の下着だけど
泥棒するやつには悪いんだが限りなく偽物だ
なぜかというとドロシー普段からそんなもんはいてないから
囮用としてちょっと穿いて脱いでポイしたやつだ
欲しけりゃくれてやってもいい、素直に捕まればな


有澤・頼
「覗きに下着泥棒って完全に女の敵じゃないか…」
どこにでもそういう困った奴がいるんだよね。やれやれ。

【POW】
囮役になって犯人をおびき寄せるよ。下着は盗まれた時のことを考えて予備のものを犯人がわからないように鞄の奥に隠しておこうかな。
それにしても、良いお湯だな。最近、戦闘ばっかりだったからゆっくりできなかったし…

覗かれた場合はびっくりして悲鳴をあげて。下着を盗まれた際はボソッと一言「あいつ、斬る。」て言おうかな。

折角の楽しい温泉を台無しにする奴には絶対に捕まえなきゃね。


ファー・ラナン
肌を晒すことに抵抗はありますが、
犯人が現れないことにはどうしようもありませんね。
囮役として一肌脱ぐことにしましょう。

目撃証言のあった周辺を警戒しつつ温泉で待機です。
は~それにしても温泉は気持ちがいいですね~
どのような効能があるのでしょう……
おっと、いけない。
今日は温泉を楽しみに来たわけではありませんでしたね。

犯人らしき人影が現れたら
【賢者の影】を放ちます
「あなたが最近温泉街を騒がしている覗き魔ですね?」
これならば否定したとしても犯人かどうか判断ことができるはずです。

そんなこんなで一息ついたところで
自分の姿恰好を思い出して急に恥ずかしくなるのでした。

はわわわ、見ちゃだめです~。


夜神・静流
……非常に遺憾ながら、それが必要だというならば囮になりましょう。
ええ、作戦のためですし仕方ありません。他の方にやらせるくらいならば私がやりましょう。

肩までお湯に浸かる等して、可能な限り見えにくくなるようにしつつ覚悟・勇気・気合い・恥ずかしさ耐性の技能を使用して耐え忍びます。
その上で視力・聞き耳・第六感あたりの技能を使って、敵の気配や正体を探りたいと思います。

「この屈辱は必ず晴らします……」
肌を見られた以上は、殿方として責任を取って貰うか斬るしかありません。前者はありえないので後者しかないですね。

下着はさらし。盗まれると静かに激怒。


アルテミス・カリスト
「女湯を覗く卑劣な輩は
この正義の騎士アルテミスがお仕置きしてあげます!」

とはいえ、誰かが女湯に入って囮にならないと賊が現れません。
ここは私が囮になるしかありませんね。

「覗かれるなんて恥ずかしいですが……
こ、これも騎士の責務です!」

赤面し、両手でなるべく身体を隠しながら全裸で温泉に浸かります。

周囲の気配を探り、怪しい気配を感じたら覗き魔を取り押さえましょう!

「そこですね、覗き魔!
動かないでくださいっ!」

覗き魔を捕まえようとして
床に置いてあった石鹸を踏むという【不幸な事故】にあい転んで尻餅をついてしまいます。

「ふぇっ?!
きゃああっ!」

両足を大きく開いた自分の格好に気付き、悲鳴をあげるのでした。


ジオレット・プラナス
「へぇ、これが温泉…中々開放的かついい香りの場所じゃない。」
巻いてたタオルを上にパッと放って背中にひっかけ直しつつ…
囮になるとはいえ、お風呂は楽しみたい所だね

まぁ、仕事は仕事
聞き耳たてたり、視線に警戒したり…
湯船堪能しつつも、観察は怠らないよ。

「さて、間違い探しだ
……今の私と風呂に入る前の私。
服を除いて…『違うのは何だ』と思う?」
湯船につかったまま…視線と思しき感触を感じた場所に…

「――追い立てろ、ヘイロゥ・アクション」
答えはタオルと一緒に空に飛ばした…光の輪(命中重視)
着弾&追尾するよう攻撃させるよ
まぁ…姿が判るようにこっちに追い立ててるから、
向こうとしては花園が見れて本望なのかもだけどね?


久遠・翔
…これさぁ…多分と思いますが、囮の人…多いんじゃないんっすか?
むしろ…覗きばっちこいの人いるんじゃないかなぁ?(汗)

とりあえず皆さんが女湯に行く前に見取り図なんかをもらって、覗ける場所がないかを確認します
そして何か所かに目途を付けて、そこにレプリカクラフトで作った罠を仕掛けます…殺傷性のない鳥もちやロープ系なんかを軸に捕らえることをメインにして

俺自体は目立たない12・地形の利用3で唯一残した逃げ道の脇に潜んで、逃げ出した相手を隠れつつ追跡します
こうゆう事はシーフにはお任せっすよ

…ただ、相手が急いでいるなら下着とか盗んだの落とすかもしれないので、その時は真っ赤になりつつ回収しておくっす…(汗)


涼風・穹
【行動】
女性陣が女湯へ向かうのを確認したなら密かに『影の追跡者の召喚』で追跡
五感を共有した影の追跡者(シャドウチェイサー)の視覚を通して女湯の情景、主に女性陣の艶姿をしっかりと確認していつ覗き魔が出現しても良いように備えるぜ

そして女湯を覗ける最適なポイントを探し出し、女湯をしっかりと見張り覗きの出現を待つ

【心情】
(建前)
今回は相手の姿や人数、出現場所も分かっていないんだ
囮役になってくれている女性陣の為にも対象が出現した際は見逃さないようにしっかりと女湯を確認し続けないとな

(本音)
覗きは分かるけど下着泥棒は、残念ながら俺は中身に興味がある方だし、下着だけ盗んでも何が楽しいのかはよく分からないな…



●囮は多いほどいい?
 温泉宿の女将に密かに話を通し、女湯を貸切状態にしてもらった猟兵達。
 脱衣所には続々と女猟兵が入ってくる。
「女湯を覗く卑劣な輩は、この正義の騎士アルテミスがお仕置きしてあげます!」
 真っ先に気合十分な宣言をしつつアルテミス・カリスト(正義の騎士・f02293)がやってきた。
「覗きに下着泥棒って完全に女の敵じゃないか……」
 続いて溜め息をつきながら有澤・頼(面影を探す者・f02198)が入ってくる。
「覗きに下着泥棒とは、やるやつの気持ちがさっぱりわからないのでなんて思えばいいかわからん」
 次に入ってきたのは、見た目10歳くらいの少女に見えるドロシー・ドロイストラ(寝惚けた氷嵐卿・f13158)だ。さすがにそんな奴の気持ちがわかったらダメだと思います。
「また温泉か……」
 そんなことを呟きながらやってくるのは、この少し前に別件で温泉に現れるオブリビオンに対処したばかりの雷田・龍子(ドラゴニアンの剣豪・f14251)だ。
「どうやらオブリビオンの間では温泉ブームらしいな」
 ……それはどうなんでしょうね?
 温泉はきっとどこにでもありますから、ええ。

 その後も続々と現れた総勢8名の女猟兵達。
 なぜこんなにも脱衣所に来たのか。それはもちろん、誰かが女湯に入って囮にならないと覗きは現れないからだ。
 そのため、勇敢な彼女たちは自ら囮を買って出たのである。
「覗かれるなんて恥ずかしいですが……こ、これも騎士の責務です!」
 まだ脱衣所の中であるが、既にその時のことを想像したのか、赤面しながらアルテミスが服を脱いでいく。鎧を外し、上着を脱ぎ、下着に手をかける。少女騎士らしい均整の取れた瑞々しい肢体が露になるが、胸などを慌てて手で隠しつつ、そそくさと湯船へ向かっていった。
「肌を晒すことに抵抗はありますが、犯人が現れないことにはどうしようもありません。囮役として一肌脱ぐことにしましょう」
 そういって服を脱ぎだすのはファー・ラナン(エルフのマジックナイト・f03252)である。童顔で小柄なエルフの少女だが、顔に似合わずかなりご立派な胸がぷるんと揺れた。
 頼もまた上着を脱いでいき、下着姿になったところでふと手を止めた。
「下着は予備のものを鞄の奥に隠しておこうかな……」
 盗まれた時の用心のために、下着泥棒がわからないような奥にもう1枚の下着を隠した。そして今着ている下着をするっと脱いで裸になると、脱ぎたての下着は下着泥棒用の囮にとわかりやすいところにおいて、脱衣所を後にする。
「囮になるのは構わないが、しかし問題は……若い女性の範疇にドロシーは入るのだろうか?」
 服をぽいぽいと恥ずかしげもなく脱いでいきながら、思い悩むドロシーだった。
(「角以外はちょっと幼めだからな……」)
 自分の身体を見てそんなことを思うドロシー。見た目こそ10歳程度だが、実は御年90歳のドラゴニアンである。
 悩みながらも、上着を脱いで全裸になったドロシーは、荷物から新品の下着を取り出し、一度さらっと履いてから再び脱いで籠に入れた。
「泥棒するやつには悪いんだが、ドロシーは普段からそんなもん履いてないから、これは限りなく偽物だぞ」
 普段から下着を履いてないなら、わざわざ用意しなくてもいいのではと思わないでもないが、囮としてのサービス精神旺盛なドロシーだった。
 脱ぐのに特に抵抗がないのは龍子もだ。
 裸を見られることに特に抵抗はない様子で、サクサクと服を脱いでいく。ちなみにノーブラのようで、上着を脱いだらすぐに豊かな胸が空気に晒されて揺れていた。
 そして脱いだもこもこふかふかのパンツを丁寧に籠へと置いていく。
 実は寒さに弱い龍子は毛糸のパンツを履いていたのだった。
「……非常に遺憾ながら、それが必要だというならば囮になりましょう。
 ええ、作戦のためですし仕方ありません」
 他の人たちだけにやらせるくらいならば自分もと、悲壮な決意のままさらしを解いていく夜神・静流(退魔剣士の末裔・f05903)である。しゅるしゅるとさらしを解いていくと、それによって押さえつけられていた、実はかなり大きい胸が拘束を解かれて空気に晒された。
 肌を晒したまま、覚悟を決めて恥ずかしさに耐えながら湯船に向かう静流である。
「~~~~♪」
 軽やかな鼻歌を歌いながら、元々かなりキワどかった衣装を脱いでいくのは、有希・ブラウフランメ(生意気VRサキュバスアイドル・f14456)である。下着代わりの小さなビキニに指を掛け、一糸纏わぬ艶かしい……それでいて外見年齢相当に瑞々しく華奢なサキュバスボディを見せつけるように全裸を晒していく。ブラウフランメ自身は、生まれてから100周年を迎えたバーチャルキャラクターなのだが、見た目は14歳程度の少女の身体なのだ。
 そして最後にジオレット・プラナス(月夜の鎮魂歌・f01665)が無言のままさっさと服を脱いでいき、タオルは一瞬だけ迷ったものの、身体に巻かずに脱衣所の扉を開けた。
「へぇ、これが温泉……。中々開放的かついい香りの場所じゃない」
 露天風呂を見て、少しだけ笑みを見せるジオレットだった。

●覗きの楽園女体パラダイス
 そこはとても広く眺めのいい露天風呂だった。
 覗きが出るとわかっているからちょっとだけ微妙な気分になる猟兵達。どうせなら普通に休暇できたかったというのは、おそらく共通の感想だろう。
 そんな場所に、ぞろぞろと裸の美女美少女たちが8人も一斉にやってきたのだ。

「囮になるとはいえ、お風呂は楽しみたい所だね」
 周りに聞き耳を立てて警戒はしつつも、ジオレットはタオルを頭にのせて湯船に浸かっていた。
「このドロシー、人に見られて恥ずかしいところなどどこもない完璧なボディと自負している」
 続けてそんなことを言いつつ、堂々とドロシーは湯船に入る。
 覗きがいたとしても、ドロシー自身は別に覗かれても平気とばかりに。
「せっかくの温泉だし楽しむぞ」
 ゆっくりと湯船に浸かってのんびりモードのドロシーだった。
「うん、それにしても、良いお湯だな。最近、戦闘ばっかりだったからゆっくりできなかったし……」
 頼も、まずは温泉を楽しむことにした模様。戦闘続きで疲れた体を存分に伸ばし、癒されていた。
「は~それにしても温泉は気持ちがいいですね~。
 どのような効能があるのでしょう……」
 ファーも同様だ。湯船にぷかぷか浮かぶ大きなたわわを晒しつつ、のんびりと温泉を楽しんでいた。
(「おっと、いけない。今日は温泉を楽しみに来たわけではありませんでしたね」)
 と、内心では一応目的は忘れていないものの、すっかり弛緩している。
 その傍らで静流は、身体を縮こまらせて肩まで湯船に浸かり、なるべく見えないようにしながら湯に入っている。
 アルテミスも同様だ。なるべく肌を晒さないように手で隠しつつ、真っ赤になりながら湯船に浸かっていた。
「ふたりとも、それでは覗きが警戒して出てこないかもだぞ?」
 見られても特に抵抗のない龍子は、見られないように縮こまる2人にそう声をかけた。言われてその通りだと思った2人は、羞恥に耐え包体勢をなおして、普通に浸かることにする。肩が湯の上に出て、胸の谷間くらいは風に晒されることになった。
 なお龍子本人はというと、覗きの視線があるであろう方向にちらりとも視線を向けることなく、自然と気付いていないふりで、肌を晒して湯につかっていた。
「まぁ、あ・そ・こ・だよね♪」
 ブラウフランメも龍子と同じ方向を意識している。
 これでも猟兵達は事前に旅館の見取り図等で露天風呂の状況をチェックしていたため、覗きがいるであろうポイントはおおよそ見当を付けている。
 そして本当にそこに覗きがいるならばという前提の下、ブラウフランメは湯船からいったん立ち上がり、ことさらに見せつけるように全裸のサキュバスボディを惜しげもなく披露するのだった。

 がさっ。

 猟兵達が目星をつけていた茂みの向こうから物音がする。
 いる。
 覗きがいる。
 一同はそう悟った。

 真っ先に行動を起こしたのは、ブラウフランメだ。そもそも悪戯っ子のVRサキュバスアイドルたる『ゆっきー』が、ただ全裸を晒す程度で止まるわけもなく、そのまま覗きがいるであろう方向に、全て晒しながら湯をかき分けて歩いていき、そのまま一切隠すことなく湯船のふちに足をかけ、わざと転んだ。わざと全裸のまま身体を投げ出すように転んだ。
 これは一応、彼女のユーベルコード、自らピンチシーンを見せつけることで自己強化される【ボルテージアップ・エンドレス】のためにやっていることなのだ。
 ブラウフランメは立ち上がりながら、若干の催眠術交じりの声色で、覗きであろう物音の方向に語り掛ける。
「ちょっとぉ、ドコ見てるの……? もう、ヘンな目で見ちゃダメだよ?」
 声をかけられ催眠にかかったからか、それとも見たもので興奮したからなのか、がさがさという音はさらに大きくなり、人影らしきものが見えた。

「きゃっ?!」
 男性らしき人影を確認して、思わず体を隠して悲鳴を上げる頼と再び湯船にしゃがみ込む静流。
「そこですね、覗き魔! 動かないでくださいっ!」
 一方でアルテミスは、自身が全裸であることも忘れて立ち上がり、人影に向かって指を突き付け、そのまま湯船から出て覗きの方へと歩いていく。
 ただ、アルテミスには【不幸な事故】がつきものでして。
 勢いよく踏み出したその足の下には、なぜかお約束のように石鹸が転がっていたのでした。
 もちろん踏みました。
「ふぇっ?! きゃああっっっ?!」
 そのままどてーんと、先ほどわざと転んだブラウフランメの比ではないほどの大きな音を立てて尻餅をつくアルテミス。
「あいたたた……え?」
 アルテミスは、脚をぱっくり広げた格好で、覗きのいる茂みの方向に、乙女の秘密の部分を丸見えに晒した状態で尻餅をついていた。ここまで完璧なお約束だった。
「いやぁーーーーー?!」

 アルテミスの悲鳴と同時に、がさっと人影がこちらに転がり込んできた。
 黒装束に頬かむりをしたいかにもな怪しい男である。
 アルテミスがすべてを晒したのは無駄じゃなかったよ。それを見ようと身を乗り出したと思われる覗きがその姿を現したよ!
「あなたが最近温泉街を騒がしている覗き魔ですね?」
 そんな人影に向かい、湯船から立ち上がったファーが声をかける。
 もちろんそんなことは聞くまでもない事なのだが、これは問いかけ自体がファーの攻撃だから仕方ないのだ。【賢者の影】によって伸びたファーの影が、頬かむりの男を拘束する……が、これは男があっさりと頷いたことですぐに解除される。【賢者の影】は、命中した対象が真実を言えば解除されるのだ。ただそれで事実関係ははっきりした。
 男は拘束が解かれた後、ファーの身体をまじまじと見てから、踵を返して逃げだした。ファーもそれでようやく今自分が全裸なうえに立ち上がっていて何も隠していなかったことを思いだしたのだった。
「はわわわ、見ちゃだめです~」
 赤面して体を隠すがもう遅い。男はすでに見て、そして逃げ始めていた。

 だがそこにもう1人、ジオレットも動いている。湯船から身を乗り出して、逃げようとする男に対して問いかけた。
「逃げる前に、間違い探しだ。
 今の私と風呂に入る前の私。違うのは何だと思う?」
 もちろん回答を期待しての事ではない。だが、問われた男はついジオレットの方を振り返ってしまった。
「答えは空に飛ばしたタオル」
 頭にのせていたタオルを宙に放り投げていたジオレットは、そのままタオルの中から生み出すように光の輪呼び出して攻撃に転嫁する。それが自分を狙っていることを認識した男は、わき目も振らず一目散で茂みに向かっていった。
「――追い立てろ」
 ジオレットの【ヘイロゥ・アクション】がそのまま、慌てて逃げる男を追撃していく。
「やれやれ。あとはあれを追えばいいかな?」
 向こうとしては花園が見れて本望なのかもだけどね……と自分も攻撃の際に肌を晒していたことに気付くジオレットだった。

「あとは覗き対策していた人たちに任せて……あれ?」
「誰かそっちに行っていた人いたか?」
 囮の役目は終わったとして、脱衣所に戻ろうとしたところで、ふと龍子と頼が顔を見合わせる。
 他の6人も、あっ、という顔をした。
 グリモア猟兵に送り出されたほとんどがここに来てしまっていたのである。誰かが外に回ってくれているだろうと考えて。
 とても恐ろしい集団真理であった。

●一方そのころ
「……これさぁ……多分と思いますが、囮の人……多いんじゃないんっすか?」
 むしろ、覗きばっちこいの人いるんじゃないかなぁ?とまで思っている久遠・翔(性別迷子・f00042)は、露天風呂の外の、覗けるのではないかと思われる場所のあたりに罠を仕掛けていた。
 彼女は、この場に転送された女性の中で唯一、囮に志願せずに外に出てきていたのである。彼女というか、本人に言わせれば、身体が女になってしまっただけで、中身は男性という事なのだろうけれど。
「こうゆう事はシーフにはお任せっすよ」
 翔は【レプリカクラフト】を使いトリモチやロープの罠を仕掛けていくのだった。

 そうして準備を整え、翔自身は目立たないようにあたりの茂みや地形を利用して、逃げ道の方向に身を潜めてその時を待っていた。

 やがて、露天風呂の方から猟兵達の悲鳴が上がり、光の輪に追われた男たちが、仕掛けた罠に引っかかっていく。

●覗きは犯罪です
 ところで、ここで少し時間を戻そう。
 実は今回グリモア猟兵に転送されてきたメンバーの中に1人だけ男性がいたのである。その黒一点が、涼風・穹(人間の探索者・f02404)だ。
 彼は露天風呂の覗きポイントに向かっていた。
「今回は相手の姿や人数、出現場所も分かっていないんだ。
 囮役になってくれている女性陣の為にも対象が出現した際は見逃さないようにしっかりと女湯を確認し続けないとな」
 という建前で、女湯を覗ける最適なポイントを探し出し、女湯をしっかりと見張り覗きの出現を待とうとしているのである。
 ……建前というか、穹自身がただの覗きである。

 しかもこの男、女性陣が脱衣所に向かったところでひそかにユーベルコード【影の追跡者の召喚】を使い、五感を共有した影をを送り込んでいたのである。
 ますますただの覗きだった。
 幸いというか、追跡者を送り込んだ直後、つまり女性陣が服を脱いでいたころは、穹は覗きポイントへの移動中だったので、視覚の共有はほとんどしていなかった。視覚共有したときに見えたのは、女性陣は続々と脱衣所を出て露天風呂へと向かっていく後ろ姿だった。
 むろん、影の追跡者は、脱衣所の下着には目もくれずに露天風呂へと向かう。
「覗きは分かるけど下着泥棒は、残念ながら俺は中身に興味がある方だし、下着だけ盗んでも何が楽しいのかはよく分からないな……」
 というのが穹の弁だが、それでも追跡者を脱衣所に控えさせておけばよかったかもしれない……というのは後述しよう。

 さて、湯気で視界がかすむ中、それを確認しようと影の追跡者を進めつつ、視界を共有する覗き……もとい穹。誰かの肌が見えたか……そう思い身を乗り出してつつ、事前に目を付けていた覗きポイントに到達すると、そこには先客がいた。
「あ」
 当然というか、女湯を覗く絶好の場所を探していたのだから、そりゃ本物の覗き魔もいるよね、っていう。
 がさっ。
 とはいえ、影の追跡者の視界に集中していて気付かなかった穹は、頬かむりをした男とぶつかって、茂みが音を立ててしまった。
 前述の、女性陣が覗きに気付いた音がこれである。

 音を立ててしまい慌てたか、穹はそのまま男を突き飛ばす。
 男は茂みを越えて、女湯の中に突き出されたのだった。

 そして少しの後、泡食って戻ってきた男とともに、ジオレットの光の輪に追いかけられて逃げる羽目になる穹であった。

 そして、先ほどの翔の場面につながる。
 翔の仕掛けたトラップに引っかかった覗き魔と穹だったとさ。
 ちなみに、それを捕まえた翔が、覗き魔が落とした下着を見て真っ赤になったのはまた別の話。

●そして脱衣所では
「急いで戻りましょう! 正義の騎士として、あんな覗き魔を逃がすわけにはいきません!」
 一方、外の騒ぎを知らない女性陣は、アルテミスの号令で、急いで脱衣所に戻っていた。
「ええ、この屈辱は必ず晴らします……」
 特に静流は、肌を見られた以上は、責任を取って貰うか斬るしかないと、前者はありえないので後者しかないとめらめらと怒りを燃やしていた。……見られた肌面積については、ブラウフランメやアルテミスやファーに比べればましなのではあるが、肌を晒すことに対する抵抗は最も強いのだから仕方ない。実はかなり初心な静流である。
「……?!」
 そんな静流は、脱衣所に戻って籠に手を入れ、そこにあるべきものがなかったことで、さらに静かに怒りを深めていた。
 静流のさらしはしっかりと盗まれていたのである。

 静流のさらしだけではない。
「ああ!毛糸のパンツが盗まれている!」
 叫び声をあげたのは龍子だった。
「母から貰った大切な毛糸のパンツを……おのれ許さん!」
 下着泥棒が現れる現場にそんなものを穿いてくるなという説もあるが、寒さに滅法弱い龍子は、毛糸のパンツを手放せないので仕方ないのだ。
「ドロシーのもなくなってるな。まぁ、囮用に作ったやつだし、欲しけりゃくれてやってもいいが。……素直に捕まればな」
 最初から囮用と割り切ってたドロシーは平然としているが、その傍らで頼もまた怒りに震えていた。
「あいつ、斬る」
 一応予備は隠していた甲斐があって残ってはいたが……。

「ねぇ、ところで、いつ盗まれたんだと思う?」
「そういえば……あの覗きが来たのは奥の方でしたね」
 ジオレットとファーは、そう言って首をかしげた。
「覗きと下着泥棒は別?」
「というか複数犯なんじゃ……?」

 推測はいろいろできるが、実際の所は、翔が捕まえた男から聞き出すしかないだろう。もし穹の影の追跡者が脱衣所に待機していれば、こちらに現れた犯人を目撃できていたかもしれないが、それは今言っても仕方のないことだ。

 女性陣は服を着こむと、ジオレットが放った光の輪の方向、覗き魔のいる方向へと急いでいく。そこで翔たちと合流して情報交換となるだろう。

 なお最後に、予備を用意していた一部の者を除けば、女性陣のほとんどは下着を盗まれて、ノーパンノーブラになっていることは付け加えておこう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『名もなき盗人集団』

POW   :    これでもくらいな!
【盗んだ縄や紐状のものまたはパンツなど】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
SPD   :    これにて失礼!
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
WIZ   :    ここはおいらに任せておくんな!
【なけなしの頭髪】が命中した対象を爆破し、更に互いを【今にも千切れそうな髪の毛】で繋ぐ。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●捕まえた男が言うには……
 いろいろあったが、見られた素肌と失われた下着と引き換えにして、猟兵達は覗き魔の一人を捕縛することに成功していた。

 頬かむりをしたいかにも怪しい男。
 オブリビオン『名もなき盗人集団』の1人である。

 捕まえた男から聞き出したところによると、覗き&下着路傍を行っている盗人集団はかなりの数がいるらしい。マジか。
 彼らのボスの指令のもと、女性の下着を盗んではボスに届け、そしてその下着の主がどんな身体をしているのか覗いて確認してボスに報告しているのだそうな。

 ボスが一体何者かまでは口を割らなかったが、アジトの場所だけは吐いた。
 この温泉街の奥にある山の中へ、川を上っていくと洞窟が見える。
 そこがアジトらしい。

 猟兵達よ、盗人集団のアジトである山中の川辺の洞窟へと向かい、盗人集団とそのボスを倒すのだ。
 そして盗まれた下着を取り返すのだ! 
……なお、盗人の仲間たちは、着ている状態からでも盗めるとか言っていた気もするが、真偽は定かではない。
雷田・龍子
寒さに滅法弱い龍子にとってノーパンは死活問題である。

「40秒で支度しな」

守護者時代に受けた言葉が脳裏に浮かぶ。
たった今ネットで購入した毛糸のパンツを人目を憚らず急いで穿く。

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豊富な品揃え。
富岡第六商店

人派ドラゴニアンの龍子は空から帯同することにした。

【POW】竜騎士の銃槍を使用し、遠距離から〔援護射撃〕を行う。
接近戦ではUCを使用する。


有澤・頼
「こんなにも変態が…さくっと斬るいや締め上げてそのボスの情報を吐かせてもらおうかな。勿論、盗まれた下着も取り戻すよ!」

ポキポキと手を鳴らして敵集団に突撃、「見切り」や「残像」で敵の攻撃をかわしつつ敵を撹乱させていくよ。「剣刃一閃」でスパッと斬っていくよ。

「さてと、覚悟は良いかな?」
刀を敵に突きつけながら脅すのを良いかも…ね?



●下着泥棒のアジト
 捕らえた男から聞き出した譲歩王をもとに、露天風呂の裏山を登って行く猟兵達。
 やがて見えた小川に沿って、さらに上流へと歩いていくと、そこにはぽっかりと洞窟が開いていた。
 そしてその近くには、捕らえた男と同じような頬かむりをした黒装束がわらわらと。
「こんなにも変態が……さくっと斬る。いや締め上げてそのボスの情報を吐かせてもらおうかな」
 ポキポキと手を鳴らして、有澤・頼(面影を探す者・f02198)はその集団へと駆けて行った。
「勿論、盗まれた下着も取り戻すよ!」
 ……といいつつ、彼女は予備の下着を隠していたので、ちゃんと下着は身に着けているのだけども。
 だからといって、盗まれた下着をそのままにしていていいわけはない。
 それはもう1人、雷田・龍子(人派ドラゴニアンの剣豪・f14251)も同じだろう。
 母からもらった大事な毛糸のパンツを盗まれてしまっている龍子である。
 しかも、寒さに弱い龍子にとって、この季節に毛糸のパンツがないのは死活問題だ。ここが他の世界であれば、普段利用しているネット通販を使って特急便で新たな毛糸のパンツを入手できるのだが、さすがにユーベルコードでもなければ、サムライエンパイアに通販サイトはない。
 ……という事は事前にわかっていたので、事前にグリモアベースにいた時に手に入れていたのである。
 その予備の毛糸のパンツを人目も憚らず急いで履いて、そして今龍子は宙を駆けている。ドラゴニアンの翼で空を飛んで、下着泥棒がいる洞窟めがけて飛んでいくのだ。

「な、なんでやんすか?!」
「あ、あれはさっきの風呂にいた……!」
 アジトの入り口付近でたむろっていた数名の泥棒たちは、天と地から急襲する頼と龍子に完全に不意を突かれていた。
「さてと、覚悟は良いかな?」
 瞬く間に接近し泥棒たちをかく乱していく頼。
「くっ……ここはあっしに任せるでやんす!」
 泥棒のうちの1人は、頭に手をやり、薄い髪を何本か引きちぎると、それを頼に向かって投げつけてくる。なけなしの髪を使った捨て身の業……だが、頼には完全に見切られていて、ただ薄い髪をさらに薄く下だけになってしまった。
 結局、そのまま【剣刃一閃】でスパッと切られてしまうのだった。
 一方それ以外の、アジトの奥へと逃げ出していた泥棒たちも、龍子の『竜騎士の銃槍』を使った遠距離からの牽制射撃によって足を止められ、そして一気に近付いて放った【ドラゴニック・エンド】によって、一網打尽にされてしまうのだった。

 叩きのめした泥棒たちに刀を突きつけながら、盗んだ下着はどこにあるのかと脅しをかける頼と龍子。
「ひ、ひぃぃ……勘弁してくだせぇ。あんたたちの下着ももう、全部ボスにわたしてるでやんす!」
「ほう? で、そのボスってのはこの中にいるのかい?」
「へ、へい、洞窟の奥で、下着を吟味してるはずでやんす……」
 それだけ聞けば用はないと、2人は捕まえた泥棒たちをお縄にした後、他の猟兵達も呼んで洞窟の中へと入っていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

有希・ブラウフランメ
「ま、まぁボクは下着くらい…やっぱダメダメ、これじゃ垢凍結されちゃうよっ!」

下着代わりのビキニを盗まれて、とりあえずアイドル衣装を着ましたが
セットで見せる事前提のデザインなので、そりゃもう限界ギリギリ
『ゆっきー』これある意味【存在感】満点で

アジトに到着、戦闘開始すれば身軽な盗人集団相手に
こっちもサキュバスの翼を広げて【ジャンプ・空中戦】
軽やかな滑空から《サキュバス・アクセルワーク》で必殺の飛び回し蹴り
バトルに夢中で下着がない事を完全に忘れてのハイキックは当然…!

戦闘が続けば元々露出度の高いアイドル衣装もボロボロで裸同然に
《サキュバス・アクセルワーク》の威力は上がっても
早く下着を取り返さないと…


アルテミス・カリスト
「よ、よくも私の下着をっ!
盗人集団は正義の騎士アルテミスが許しませんっ!」

大剣を背負って勢い込みますが、右手はスカート、左手は胸元を抑えています。
うう、下に何も着けていないのは、すーすーして恥ずかしいです……

か、かくなる上は、早く下着を取り戻しますっ!

アジトに着いたら、大剣を構えて突撃ですっ!

「さあ悪党たち、覚悟してくださいっ!」

敵の攻撃は【騎士の直感】で回避ですっ!

……が、避けた先に運悪くパンツが飛んできて、両手を縛られて宙吊りに。
さらに盗人によって着たままの状態で鎧と上着とスカートを盗まれ……

「きゃっ、きゃああっ!」

丈の短いワイシャツ一枚の格好で、両手を挙げたまま拘束されてしまうのでした。


ジオレット・プラナス
さて、と…盗まれたものを取り返さないと、色々な意味で帰ることも出来ないからね…

正直湯冷めしそうだから、さっさと倒すよ…くしゅん!
(下着盗まれたせいで、トーガ一枚だけと言うマニアックな状態です。)

向こうが遅滞戦闘をしてくるなら…好都合。
その動き方を『学習』して…お返しするよ。
下着を盗み返して逆にコードを封じ返したり…
なけなしのトーガの裾やバスタオルを割いて、髪の代わりにしたり…だね。

「肌も体も十分見せたんだ…なら、あとは文字通り、『お縄』につくんだね」
(運動と湯上がりで上気したり、布地に張り付いた肌をさらしたまま…溜め息一つ。
でも恥ずかしいには恥ずかしいから、捕まえた相手は目隠しして転がし)


ファー・ラナン
覗き魔&下着泥棒許すまじ!
盗ったものを即刻返しなさ~い!
まぁ、返してもらったとしても
それをまた身に着けるのはやっぱり嫌なんですけども……。

【トリニティエンハンス】で【風の魔力】を身に纏い防御力を強化します。
ええ、主にスカートの防御力的な意味で!

しかし盗人集団はいったいどれほどの規模なのでしょうか。
このまま怒りに身を任せて、と言いたいところですが、
こういう時こそ冷静にならなければいけませんね。
どれだけ人数がいようともやることは変わりません。
相手をよく観察し、行動を【見切り】、隙を見つけては、
【二回攻撃】などで全力で叩き、懲らしめてやります。
一人ひとり確実に始末していきたいところですね。


夜神・静流
退魔の剣士として、個人的な怒りで剣を振るうべきではない。
そう頭ではわかっているのですが、到底許せるものではありません。

視力・聞き耳・第六感・忍び足・目立たない技能を使用し、静かに潜入して索敵を行ないます。
……さらしが無いので走るのも難しいですし、それならばいっそ、忍び足で潜入した方がいいでしょう。
そして敵を発見し次第、暗殺・早業・先制攻撃・衝撃波の技能を使い、一ノ太刀・隼で攻撃します。
●これにて失礼!に対しては見切り技能で移動先を見切って攻撃。

それと盗まれた下着も可能な限り探して取り戻します。

「一人たりとも逃がしません。ここで死になさい」
「ええい、動きにくい……!早く取り戻さなくては……」


フロッシュ・フェローチェス
さて覗き魔をぶちのめすか。
――温泉で見なかったけど、今まで何処にいたかって?
別のとこ居たよ……でも空振りだった。お陰でアタシ(のスパッツ)は無事だけど。

戦闘開始。奴らから一定距離を取りつつダッシュ、牽制として銃を撃ちつつホロデバイスゴーグルで情報収集だ。
盗ったモノ何処に隠してる?
発見したなら生きた鎖・咆蛟炉が奴らの足を掬って、【廻砲】で加速したアタシ自身が取り返す。
その後、咆蛟炉での噛みつき援護を受け、刹那に擦れ違い短刀の早業で切刻んでいく。銃撃も忘れないよ。

無駄だよ。……アタシのスピードには、敵わない。
(速さで風を起こし、背中を向けてかっこつけ)

※アドリブ歓迎、及び盗まれハプニングもOKです


久遠・翔
覗き魔がまさか猟兵だったとか洒落にならないんっすけど…
ともかく罠にかかった人は埋めてから動きます

先行して洞窟に向かい、目立たない・地形の利用・忍び足などを使い隠れながら罠がないか確認
見張りが一人だけなら暗殺しますが複数なら皆さんが来るまで待ちます

見張りを倒したら罠を探し解除していきます
影の追跡者の召喚で追跡者を出し先行させ中の様子を確認。仲間に知らせながらゆっくり進み、隙あらば暗殺で一人一人を確殺していきます

見つかった場合は即座に物陰に隠れやり過ごす
もし晒盗まれたら…上着が一気にぱっつんぱっつんに
うぅぅ…さらに成長している。嫌になってくるっす

もし、盗んだ下着を相手が持っているなら盗んでいきます



●アジトの中は危険がいっぱい?
 先制奇襲した仲間のおかげで、気付かれることなくアジトの洞窟の前まで来た猟兵達は、慎重にその中へと足を進めていく。アジトとして使われているだけの事はあるのか、洞窟の中であってもほんのりと明るく、視界にはとりあえず困らなさそうだ。
 まず先行しているのは久遠・翔(性別迷子・f00042)だ。
 彼……もとい彼女は、【影の追跡者の召喚】で追跡者を出して先行させ、中の様子を確認しながら、慎重に歩を進めていた。が、自身の使っているユーベルコードをを見て、先程の出来事を思い出し、ちょっとだけ眉を顰めるのだった。
(「覗き魔がまさか猟兵だったとか洒落にならないんっすけど……」)
 もっとも、今そんな余計なことを考えている暇はない。
(「退魔の剣士として、個人的な怒りで剣を振るうべきではない。そう頭ではわかっているのですが、到底許せるものではありません」)
 もう1人、同じように先行して洞窟内に忍び込み、静かに索敵を行っているのは夜神・静流(退魔剣士の末裔・f05903)だ。彼女もまたある意味スニーキングミッションには似合わない余計なことを考えていたのだが……そもそも下着を取られたことで静かなる怒りを燃やしているわけなので、これは仕方あるまい。
 ちなみに彼女もさらしを失っているため、走ると揺れて痛い。静かに忍び足で先行して潜入したのは、それが理由でもある。
 2人は通路にいた見張りらしき泥棒を見つけると、音もなく近付きその首筋にサクッとナイフを滑らせ暗殺した。
「他にはいないみたいですね」
「大丈夫っす。あとは一気に行けそうっすよ」
 そして後続のメンバーに声をかける。
 それに頷いた猟兵達は、一気に洞窟の奥、泥棒たちが大勢待機していた広い場所へとなだれ込んで行くのだった。

「よ、よくも私の下着をっ!
 盗人集団は正義の騎士アルテミスが許しませんっ!」
 一気になだれ込んでいく猟兵達の戦闘にいるのはアルテミスだ。
 大剣を背負って勢いよく飛び込んでいくが、右手はスカートを、左手は胸元を抑えている。なにせパンツもブラも盗まれているからだ。
 下に何も着けていないのは、すーすーして恥ずかしい、と赤面は隠せないアルテミスである。
「ま、まぁボクは下着くらい……やっぱダメダメ、これじゃ垢凍結されちゃうよっ!」
 有希・ブラウフランメ(生意気VRサキュバスアイドル・f14456)……『ゆっきー』は、下着を身に着けていないくらいならと一瞬思ったが、下着代わりのビキニを盗まれて、とりあえずアイドル衣装だけを身に着けている自分の姿を見直して、やはり思いとどまった。
 何せこの衣装、ビキニもセットで、それもチラリと見せる事が前提のデザインなので、そんな状態で下着をつけていないという事は……つまり色々限界ギリギリなのである。こんな状態で配信したら、ポロリの期待値でアクセスは伸びるだろうが、確実にどこかでポロリしてその部分だけ拡散されてしまうだろう。ある意味存在感満点である。
「覗き魔&下着泥棒許すまじ! 盗ったものを即刻返しなさ~い!」
 同じく下着を盗まれた組のファー・ラナン(エルフのマジックナイト・f03252)も、ぷんぷんと怒りながら突入していく。突入ついでに、【トリニティエンハンス】で風の魔力を身に纏い、(主にスカートの)防御力を強化しつつ。
(「まぁ、返してもらったとしても、それをまた身に着けるのはやっぱり嫌なんですけども……」)
 内心そう思うファーである。至極当然だと思います。
「さて、と……盗まれたものを取り返さないと、色々な意味で帰ることも出来ないからね……」
 盗まれ組はもう1人、ジオレット・プラナス(月夜の鎮魂歌・f01665)もだ。
 彼女もまた下着を盗まれているので、現在はトーガ1枚だけという姿である。ある種のマニアックさが人気でそうな姿であった。
「正直湯冷めしそうだから、さっさと倒すよ……くしゅん!」
 可愛くくしゃみをするジオレット。さすがに温泉で湯船に浸かっていた後すぐに山奥まで駆けつけてきたのだから、湯冷めするのも当然か。
「さて覗き魔をぶちのめすか」
 そして最後に、下着を盗まれていない組のフロッシュ・フェローチェス(疾咬の神速者・f04767)も突入していく。
 ちなみに彼女が下着を盗まれていないのは単純な話だ。彼女は囮ではなく露天風呂の周辺で覗きを捕まえようとして張り込みしていたが、空振りしたからである。おかげでスパッツは無事だけども。
 そしてもちろん、翔や静流も一緒に突入していった。
 まずは泥棒たちを叩きのめすために。

「な、なんでやんす、見張りはいったい何してたでやんすか?!」
「やばいっす、盗ってきた下着取り返されたら……ボスに怒られるっす?!」
「まだボスがテイスティングしてない下着もあるっていうのに……!」
 慌てふためき勝手なことを言いながら右往左往する泥棒たち。
 おろおろするもの。迎え撃とうと猟兵達に向かってくるもの。ボスに知らせに行こうとするもの。統率もとれていない泥棒たちは、てんでバラバラに動き出した。意外とこの広間の天井が高いため、【これにて失礼!】を使い宙に逃れようとする泥棒までいる。
「一人たりとも逃がしません。ここで死になさい」
 そんな彼らに、いきなり物騒なことを言って静流が斬りかかっていく。
 宙を跳んで逃げようとしたものに対し、その移動先を見切って先回りしつつ。
「参ります! 一ノ太刀・隼!」
 一度収めた刀を鞘走らせ、神速の抜刀術による衝撃波……【一ノ太刀・隼】を放つ。
 あっさりと迎撃された泥棒は、頬かむりとその下のなけなしの髪の毛を一瞬で切り捨てられ墜落するのだった。
 そして神速で動いた後には、豊満な胸がぶるぶると揺れていた。
「ええい、動きにくい……!早く取り戻さなくては……」
 盗まれた自分のさらしはいったいどこにあるのか、戦闘しつつも探索は怠らない静流である。

「おっそ~い! おそいっ! お~そ~いっ!!」
 天井が意外と高いことを見て取り、ブラウフランメはサキュバスの翼を広げて宙に舞い上がる。【これにて失礼!】にて宙を駆けて猟兵達をかわして逃げようとしたものを追っていく。
 軽やかに滑空したのち、【サキュバス・アクセルワーク】で加速して追いつくと、必殺の飛び回し蹴りをぶちかました。
 なお、戦闘に夢中になって本人は気付いていないようだが、下着がない状態で思いっきり蹴り業なんて使うと、そのスカートがめくれあがって中身が……。
 蹴られた泥棒は、目を『Φ』の文字ように見開いて、鼻血を吹いて倒れるのだった。
 ……配信していなくて本当によかったね。

「しかしこの数……盗人集団はいったいどれほどの規模なのでしょうか」
 怒りに持を焦がしそうではあるが、それでも冷静を心がけて戦っていたファーは、ふとそんなことを疑問に思った。
「どれだけ人数がいようともやることは変わりませんけど」
 とはいえ結論自体はそう変わらない。
 相手をよく観察し、行動を見切り、隙を見つけては斬りかかって1体ずつ確実に倒していった。……ただ、スカートが捲れないように風の魔力で押さえているのが災いしたか、普段よりも動きの鈍いファーであった。

「さあ悪党たち、覚悟してくださいっ!」
 アルテミスはそういうと、両手で持ち直した大剣を振りかぶって、泥棒たちに斬りかかっていく。敵からの反撃は【騎士の直感】によって回避していくが……。
「くっ、こうなったら、おいらは全部投げ捨てて逃げるっすよーー!」
 勝手なことを言い出した泥棒の一人が、【これでもくらいな!】とアルテミスに何かを投げつけてくる。
 それは、誰の者かはわからない……おそらくこの場にいるもの以外の一般の犠牲者のモノと思われるが、背中の風呂敷の中から無造作に取り出したパンツを、アルテミスに投げつけたのだった。
「きゃっ?!」
 そのパンツが顔に張り付き、そしてそれで硬直した一瞬のを狙って別の泥棒がアルテミスの身体に手を伸ばした。
「鎧着てるのなら、その下の服はある意味下着っすよね!」
 その泥棒は、そんな勝手な理屈をいいながら、アルテミスのスカートを一瞬でしゅるりと抜き取っていく。
「きゃーーー?!」
 鎧の下が丈の短いワイシャツ1枚という格好になってしまったアルテミス。下手に動くと下半身が丸見えとなってしまうため、動けなくなってしまうのだった。
 ちなみに、当初は軽やかに泥棒の攻撃をかわしていたはずなのに、なんでこんなことになったのかというと。先ほど回避の時に使ったユーベルコード【騎士の直感(バッドエンド・インスピレーション)】の効果に他ならない。なにせ、避けた結果、余計に酷い目遭うという……。

「これでも喰らうでやんす!」
 盗んだ下着を投げつけられたのは何もアルテミスだけではない。ジオレットもまたこれでもくらえと、下着を投げつけられていたのだが。
「その動きはもう学習した。……お返しするよ」
 逆にジオレットは、【ミレナリオ・リフレクション】を使い、そこらに落ちていた下着を投げ返して、攻撃を相殺した。
「肌も体も十分見せたんだ……なら、あとは文字通り、『お縄』につくんだね」
 攻撃を相殺すると同時に、接近して泥棒を捕まえ押さえつけるジオレットである。
 なお、運動によって体が上気したのか、汗でトーガがぴたりと体に張り付いて、身体のラインを浮かび上がらせていた。
 さすがに恥ずかしいには恥ずかしいようで、捕まえた相手には目隠しも忘れないジオレットだった。

 フロッシュもまた戦闘開始している。
 泥棒たちから一定距離を取りつつ牽制として銃を撃ち、さらに追撃として生きた鎖である『咆蛟炉』で、泥棒たちの足を掬っていく。
「盗ったモノ何処に隠してる?」
「そそそ、それは……」
 問いかけにはほとんど意味はない。フロッシュは戦いながら『ホロデバイスゴーグル』で情報収集をしていて、盗んだ下着の在処を探っていた。
「取り返されたらボスに怒られるでやんす!」
 フロッシュに向かって手を伸ばし必死に食い下がってくる泥棒たちだが、【廻砲『P・X』(ヒートアドバンスピーエックス)】を使って加速しているフロッシュには触れることすらできない。
「無駄だよ。……アタシのスピードには、敵わない」
 クールにそう言い放って、背中を向けてかっこつけるフロッシュだった。
「……ん? なんだかスースーするな……?」
「止まってくれたからやっと捕まえられたっす」
「えっ」
 が、そのかっこつけで一瞬止まったのがいけなかったか。気付くとスパッツをすり取られ、下半身が……。
「なーーーーー?!」

 同じような悲鳴は、別の所でもあがっていた。
「か、かえすっすよ~~~?!」
 やはり戦闘中にスキを突かれて、さらしをすり取られてしまった翔である。
 さらしでぎゅうぎゅうに押さえつけていた胸が一気に解放されたため、上半身の服がぱっつんぱっつんになってしまっている。
「うぅぅ……さらに成長している。嫌になってくるっす」
 嘆きながらも、揺れるぱっつんぱっつんと戦いながら、泥棒たちと戦う翔だった。

●ボスの正体とは?
 かくして戦いは続いていき、一部の者にはハプニングが襲ってきたものの、次第に泥棒たちの抵抗も収まり、倒され、または捕らえられていった。
 盗まれた下着も、どうやらかなりの量がこの部屋にあったらしく、次々と発見されていく。
 が。
「ボクらの盗まれた奴はあった?」
 激しい戦闘の結果、元々露出度の高かったアイドル衣装もボロボロになって裸同然になってしまっているブラウフランメが、早く下着を取り返さないとという思いでそう仲間に尋ねるが。
「だめですね。ありません……」
 やはりあたりを探していたファーがそう落胆した様子で答える。
「下着どころか私のスカートもありません」
 裸ワイシャツ状態の下半身のまま、なんとか拘束から解放されたアルテミスなど、この場で追加で盗まれたスカートもなくなっているという。
「アタシのスパッツもないね。ボスの所に持っていかれたか……?」
 フロッシュはそう結論付けた。
 なぜかは知らないが、猟兵達の盗まれたモノは、ボスの所にあるのだと。

 そうして一行はさらにアジトの奥へと進んでいった。
 やがて、再び開けた場所、地底の川辺へとたどり着く。
 猟兵達がそこで見たものは……。

「う~ん、テイスティ。やはり新鮮とれたての下着の香りはいいものだ。
 尻子玉がどんな輝きをするのか想像するのがたまらないね」

 白スーツを着て、優雅に、誰かのパンツの匂いを嗅いでいる河童だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『サムライエンパイア絵巻『河童の怪』』

POW   :    『私の華麗なる一撃を受けよ!』
【 スタイリッシュな蹴り】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    『水も地も、空さえも克服した私に不可能は無い!』
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
WIZ   :    『誰がNo.1か決めようじゃないか!』
【『河童には負けられない』】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【特設ステージ】から、高命中力の【No.1決定戦への招待状】を飛ばす。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は雛月・朔です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●下着テイスティング
「う~ん、テイスティ。やはり新鮮とれたての下着の香りはいいものだ。
 尻子玉がどんな輝きをするのか想像するのがたまらないね」

 白スーツを着て、優雅に、誰かのパンツの匂いを嗅いでいる河童がそこにいた。
 この河童が、覗きと下着泥棒のボスで間違いないのだろう。

「やあやあ、ここまでわざわざ来てくれてありがとう。美しいお尻の君」

 やってきた猟兵達に気付くと、河童は優雅にパンツの匂いを嗅ぎながら、挨拶らしきことをする。
 ……美しいお尻の君ってなんだ?

「ふふ、部下たちの報告にあったとおりだね。
 君たちの下着、とてもいい香りだった。覗き見た身体もとても素晴らしいと聞いているよ?
 とても美しい尻子玉が盗れそうで、実に楽しみだよ」

 言葉遣いも仕草も優雅ではあるが、言っていることはただの変態である。

「かぐわしき下着の香りを堪能して幾星霜。そうやって極上の尻子玉の持ち主を探してきた甲斐があったものだ。
 なぜなら、こうして君たちに出会えたのだからね。
 ああ、今からどんな輝きが見れるのか、お尻を触るのが楽しみだとも。
 というわけで、君たちの艶々と輝き濡れる美しい尻子玉を抜かせてもらおうか?」

 そういって手をワキワキさせながら、ゆっくりと猟兵達のもとへ歩き始める河童だった。

 ちなみに一応説明しておくと。
 尻子玉というのは、河童が人のお尻から抜くという玉の事だ。
 ……説明になっていない気もするが。
 とにかく、お尻を触られる事には要注意だ。
 尻子玉を抜かれると、力が抜けてそれ以上の戦いが困難になってしまうのだから。
 いいですね?
 尻子玉抜かれてはいけませんよ?
有澤・頼
「うわぁ…」
すごい変態だ…もう、ドン引きだよ。

敵の攻撃には要注意だね。「見切り」「残像」で避けるよ。下着をつけているから思いっきり動けるしね。他の猟兵たちが攻撃しやすいように「咎力封じ」で奴を縛り上げてぶっすりと刺しちゃうよ。あと、怒りと憎しみを込めて「傷口をえぐる」よ。ついでに顔面をグーで殴るよ。

「え?許してください?何を言っているんだ?お前は?」
変態許すまじだよ。大人しくお縄につくんだね。


夜神・静流
恥ずかしさ耐性技能は常時使用。

「私はこれまで様々な妖や魔物を狩ってきましたが……ここまでの度し難い変態は初めて見ました」
割合としては怒りと呆れが半々くらい。
と言うか、尻が目当てなら何でさらし盗む必要があるんですか(憤怒)

とりあえず、尻子玉を抜こうとするのには要注意ですね……自分は勿論、他の人がやられるのにも注意しましょう。
そのような動きを見せたら残像・早業・カウンター・属性攻撃を使用し、六ノ太刀・縛で攻撃します。
「我が剣は陰――汝、尻に触れる事を禁ず!六ノ太刀・縛!」
……このようなルールを宣告するのも初めてです。ええ、良い経験になりましたよ(ハイライトの消えた目)


ファー・ラナン
ヘ、ヘンタイだ~!
下着にあんなことをされてしまったら
もう燃やすしかありませんね。
ええ、あの河童ごと……!

【トリニティエンハンス】で【炎の魔力】を
武器に纏わせて攻撃力を強化します。
そういえば、河童はあの頭で光っているお皿が弱点と聞いたことがある気がします。
【フェイント】で無作為に攻撃してるように見せかけて、頭を重点的に狙いましょう。
隙あらば【二回攻撃】です。
この熱気でそのお皿を干上がらせて差し上げましょう!

スカートの中を見通そうとするようなその視線
なんだか寒気がする気がします。
背後を取られないよう気を付けなければいけませんね。

ひぁあ、ど、どこ触ってるんですか~!!


雷田・龍子
「盗んだものをすべて返してもらおうか!」

【POW】近づくと厄介そうなので竜騎士の銃槍で対応するよう試みる。
距離によって遠距離ならば銃攻撃の【援護射撃】【零距離射撃】を、近距離で槍攻撃が命中した場合はUCを使用。
尻子玉を抜かれそうになった場合、尻尾で【なぎ払い】を試みる。


フロッシュ・フェローチェス
スースーするぅ……ふざけるなよこの変態野郎……!
スパッツ返せクソ河童――って尻子玉ぁ……?!
あ、あんな思いは二度と……。
(前に油断してやられた記憶が蘇る)

先手を打とう。
魔改造ドスを縦横に伸ばし背後に壁を作る。
そこから散弾銃・刻天炉と、鎖・咆蛟炉を使う。
早業での銃撃と、追跡する顎を存分に活かす。
これで問題はない。絶対に大丈夫。

隙見て【迅速貫槍】発動。半分はそのまま、半分は合体させて放つよ。

チ、ちょこまかと。アタシはお前の所為で跳べないってのに……!
所作もムカツクんだよこの――!!
(頭に血が上り服装を忘れドスを元に戻し)
ってちょっ、ダッシュしちゃ駄目だって!?
全く。

※アドリブ歓迎、尻子玉もOKです


アルテミス・カリスト
「尻子玉……そのようなもののために私達の下着を盗ませるとは
この正義の騎士アルテミスが許しません!」

『河童には負けられない』という決意を秘め敵を睨みつけ
正々堂々と勝負を受けてあげましょう!

裸ワイシャツ姿でステージ上に立ち、尻子玉を抜かれないように
左手でお尻をガードしつつ右手で大剣を構えて河童に斬りかかります。

「騎士の一撃、受けてくださいっ!」

ですが敵の視線が私の下半身に向けられていることに気づき失敗を悟ります。

尻子玉とは実在しないもの。
つまり何かの比喩なのだとしたら?

河童の手が無防備な下半身に迫ると身体を電流が駆け抜け……

「ひゃああんっ」

女の子の『尻子玉』を責められて力が抜けてしまうのでした。


久遠・翔
というかなんで尻子玉抜くのに下着嗅ぐ必要があるんっすか…ただの変態じゃないっすかね、これ?
そして思うっすけど…これ、ブラ盗む必要なくね?(汗)

ともかく河童ならば頭の皿が弱点のはず…ならばそこを狙うだけっす!
シーブズ・ギャンビットで高速移動して狙いを悟られないように腕や足をククリナイフで切りつけます
蹴りは何とか避けますが…避け損なったら他の女性のほうに吹っ飛んで胸や股間に突っ込みます
そこがどこか分かった途端離れ、鼻血を拭いてすみませんっと土下座

残像を残すように高速移動して相手の頭上に飛び苦無を取り出し頭に渾身の一投を投げ込みます

全てが終わったら下着のある場所突き止め皆さんに回収してもらうっす



●変態?いいえソムリエです
「やぁ、まずは君たちが相手をしてくれるのかい、美しいお尻の君たちよ」
 河童は、まず自分の前に現れた3人に対して、懐から取り出た下着のにおいを嗅ぎつつ、そんなことを言い出した。なお、この河童、無駄にいい声である。いわゆる爽やか系イケボ。本当に無駄ではあるが。
「うわぁ……って、それ私のじゃ……?」
 ドン引きしているのは有澤・頼(面影を探す者・f02198)だ。気持ちはわかる。
 どう考えても変態ですものねこの河童。
「ああ、これは貴方のですね。
 エレガントで味わい深く、とてもバランスがよい香りです。素晴らしい」
「んなっ?!」
 もとよりドン引きしていたが、さらにショックを受ける頼である。さもありなん。
「私はこれまで様々な妖や魔物を狩ってきましたが……ここまでの度し難い変態は初めて見ました」
 そう呟いたのは、怒り半分呆れ半分な夜神・静流(退魔剣士の末裔・f05903)である。至極当然の感想だろう。
「ヘ、ヘンタイだ~!」
 ストレートに感想をらしたのは、ファー・ラナン(エルフのマジックナイト・f03252)だ。
「変態とは失礼ですね、美しいお尻の君たち。
 私はただ、このかぐわしい香りを堪能しているだけだというのに」
 そうして新たに懐から別の下着を取り出して鼻に近付け、すぅっとその匂いを吸い込むのだった。
「それ、私のーー?!」
 悲鳴を上げるファーである。
「ふふ、これは貴方のでしたか。
 静寂な森林浴を楽しんでいるような爽やかで安らぐ香り。柔らかく果実味が豊かで上質な味わいを感じる。実に素晴らしいね」
「ひぁあ~~、やめてください~~~?!」
「何という破廉恥な……」
 ファーに同情しつつ、怒りにわなわなと震える静流に対し、河童はさらに懐からシュルっと長い布を取り出した。そしてそれを鼻に当ててクンクンと臭いを嗅ぐ。
「?! 私のさらし……?!」
「ふふ、これはやはり貴方のですね。豊かな母性の温もりを感じさせる暖かな陽だまりの香り。豊満で絹のように滑らかな味わいを感じさせるとも」
 とうとう自分もまきこまれてしまった河童の品評?に絶句する静流である。
「な、な……何を言ってるんですか?!
 というかそもそも、尻が目当てなら何でさらし盗む必要があるんですか。さらしは関係ないでしょう?!」
「そうっすよ! ブラ盗む必要ないっすよ! というかなんで尻子玉抜くのに下着嗅ぐ必要があるんっすか……ただの変態じゃないっすかね、これ?」
 静流の言葉に続くように声をあげるのは、久遠・翔(性別迷子・f00042)だ。
 彼女自身は、お風呂覗きの間は囮になっていなかったので無事だったが、配下の泥棒たちとの戦いの中で晒しを盗まれていた。
「何を言うんだい。ただお尻さえあればいいというものではないんだ。
 美しいお尻には、美しい胸、腰、脚、つまり身体のバランスが大切さ。
 そしてその身体のバランスは、こうして匂いに現れてくるのだよ」
 いいながら、もう1本別のさらしを取り出す河童である。この場でもう1本のさらしといえばもちろんそれは翔のだろう。
「俺のじゃないっすか~?!」
「ああ、このかぐわしき香り。清らかな乙女のようでいて、雄々しき雄の魂さえ感じる二律背反な香りは、50年に1度の出来栄えといっても過言ではないね」
「な、なななな……」
 絶句するしかない翔である。
「……ふざけるなよこの変態野郎……! スパッツ返せクソ河童!」
 スースーする服の裾を抑えながらフロッシュ・フェローチェス(疾咬の神速者・f04767)はそう怒りを露わにする。だがまぁ、この流れだと……。
「ふむ。スパッツとはこれかね?
 ふむふむ。実にかぐわしい香りだ。豊かな果実味と程よい酸味が調和した味といったところかな。特にツンと鼻に来る酸味が素晴らしいとも。これは尻子玉の輝きを見るのも楽しみになるね」
 ……ある意味予想通り、懐から取り出したスパッツの匂いを嗅いで感想を優雅に述べる河童である。
「……って尻子玉ぁ……?! あ、あんな思いは二度と……」
 尻子玉の単語に思わず反応してしまうフロッシュである。過去にやられたこともあったらしい。
「それ以上は言わせない。盗んだものをすべて返してもらおうか!」
「尻子玉……そのようなもののために私達の下着を盗ませるとは、この正義の騎士アルテミスが許しません!」
 眼鏡の奥の瞳に怒りをたぎらせて槍を突き付ける雷田・龍子(人派ドラゴニアンの剣豪・f14251)とアルテミス・カリスト(正義の騎士・f02293)である。
 が……言われた河童の方は平然と、2枚の下着を取り出すのだった。
 片方は毛糸のパンツ……言うまでもなく龍子のである。
「ふふ、貴方たちのはこれですね?
 毛糸というのはまた違った趣があっていい。毛糸が柔らかくしなやかで、香りもまた豊満で朗らか、なにより爽やかでバランスが良いですね」
「貴様! 言うなと言っただろう! ましてや母から貰った大切な毛糸のパンツにそのような……許せん!!」
 当たり前だが激昂する龍子である。
 そして、もちろんもう1人のも。河童は懐からスカートとパンツをセットにして取り出していた。
「そしてこちらが、女騎士の貴方のものですね。
 うん、実にみずみずしさが感じられる素晴らしい品質です。糖度と酸度のバランスが良く、軽やかでフルーティーな仕上がりが極上ですね。いやとても素晴らしい。きっと尻子玉もキラキラと輝いているでしょう」
「なっ……?!
 いつまでもそんな戯言を言ってないで、正々堂々と勝負しなさい!!」
 鎧の下はほぼ裸ワイシャツ状態のアルテミスは、服の裾を抑えながら、真っ赤になって河童に大剣を向けてそういった。
「そうですね。実に尻子玉を見るのが楽しみになるかぐわしき香りたちですが、いつまでも嗅いでいるのも失礼です」
 アルテミスに応えるように、河童はそういうと、今まで匂いを嗅いでいた下着等をすべて懐にしまいなおし、手をワキワキさせつつ7人に向き直った。
「では、そろそろ貴方たちの尻子玉の輝きを見せてもらいましょうか!」

●尻子玉を抜かれるという事は?
「騎士の一撃、受けてくださいっ!」
 真っ先に河童に突っ込んでいったのは、左手でお尻をガードしつつ右手で大剣を構えたアルテミスだった。
 とはいえ、大剣を片手で、しかも身体を気にしながら振るうのは無理があった。
 河童は、視線をある1点に向けたまま、易々とその突進をいなす。
「? 何処を見て……はっ?!」
 河童が見ているのはもちろん、アルテミスの股間。裸ワイシャツ状態で、なんとか片手で押さえて隠している部分。
「いやあ?!」
「ふふ、まずは女騎士の尻子玉、いただきましょう」
 見られていることに気付いて悲鳴を上げたアルテミスだが、それよりも素早く河童の手がアルテミスのお尻へと伸びた。
 スカートもぱんつもない無防備なお尻に、河童の手が触れ、その柔らかな肉を撫でるように触り、尻を揉みながら菊座へと指を伸ばす。この間僅かコンマ数秒。
「ひゃああんっ」
 わずかの間に尻を揉まれたアルテミスは艶めいた悲鳴を上げ、そしてそのお尻から、金色に輝く宝玉が取り出されて河童の手に収まった。
「いやぁあああああっっ?!」
 その悲鳴が【騎士の苦難(カース・オブ・ナイト)】というユーベルコード、自らにいやらしい視線を向けた相手に、さらにいやらしいことをされてしまった場合にあげた悲鳴による攻撃にはなっていたが、河童はそれを受けても涼しい顔をして金色に輝く尻子玉を見ていた。
「いや、実に美しい。エレガントで申し分の無い仕上がりの尻子玉です。
 やはり私の目に狂いはなかった。皆さんの尻子玉は、実に美しく、コレクションのし甲斐がありますとも」
 ここまで1分も経っていない。他の猟兵達から見れば、先陣を切ったアルテミスが、瞬時に返り討ちにあい、お尻をぴくぴくさせて悶えている前で河童がうっとりと玉を見て満悦しているだけだった。
 それにしても、いったい尻子玉とは何なのだろうか。言うまでもなく、女子のそんな場所に玉があるわけでもない。河童の力で、女子の恥ずかしい姿と精気から作り出したもの、とでも理解するしかない。
「ふふ、次はどなたの尻子玉をいただきましょうかね?」

 あっという間の出来事に戦慄する一同だが、これ以上被害を受けるわけにはいかないという事では思惑は一致していた。
 独りで行ってはアルテミスの二の舞になってしまう。
 なので一同は期せずして同時に動き出し、河童を取り囲むように攻撃を重ねていった。
 予備の下着をつけているから思いっきり動ける頼がまず接近して河童の動きを封じようと、河童の伸びる手を見切りかわしながら隙を伺えば、龍子とフロッシュは、それぞれの武器による射撃で援護攻撃をする。静流やファー、そして翔も、援護を受けながら河童を囲むように接近し、攻撃の隙を伺っている。
 だが、龍子の『竜騎士の銃槍』による銃撃も、フロッシュの『散弾銃・刻天炉』による早業の銃撃も、河童を捕らえるには至らない。
「チ、ちょこまかと。アタシはお前の所為で跳べないってのに……!」
 銃だけではらちが明かないと、【迅速貫槍】を使って飛翔用の槍型機械生命体を召喚し、それを放っていくフロッシュだが、河童は多少は喰らいつつも涼しい顔で言い放つのだった。
「いやいや、存分に動いてくれて構わないのだよ、美しいお尻の君?」
「そういう所作もムカツクんだよこのーー!!」
 合体させて強化した槍を放つが、それはかわされてしまい、さらに河童の挑発(?)までうけて頭に血の登ったフロッシュは、自らの格好も忘れたままダッシュで河童へと近づいていった。接近戦で片を付けようとして。
 しかし。
「美しいお尻が丸見えですよ?」
 河童はむしろ望むところと、するっとフロッシュに近付いて、そのお尻を撫でた。
 フロッシュだけではない。自分はもちろん、周りの人が尻を狙われるのも防ごうと注意していた静流も、この動きはとらえられなかった。
「なーー?!」
 そのままさわさわとフロッシュのお尻を撫でると、そのまま尻子玉をするっと抜いてしまった。
「ふむふむ。こちらは翠玉のようだ。爽やかでバランスが良く、実に素晴らしい品質ですね」
 そのままアルテミス同様にぴくぴくと悶絶するフロッシュだった。

●これ以上お尻はやらせない
「さて次は毛糸の君でも……」
「させるかっ?!」
 続けて龍子の尻に手を伸ばそうとした河童だが、そこは龍子が尻尾で薙ぎ払いをして防いだ。
 そのまま龍子は、近付かれたなら仕方ないと槍を振るい、続けて【ドラゴニック・エンド】を河童にぶちかました。
「ぐはぁっ。……なかなかやりますね毛糸のお尻の君。では、貴方はあとにしましょうか」
 アルテミスやフロッシュの攻撃……アルテミスのは攻撃といっていいのかは不明だが……には涼しい顔だった河童でも、ダメージを受けていたことには変わりなく、そして今龍子の一撃を喰らったことで、少しずつ涼しい顔も出来なく放ってきた様子。
 だがそれでも河童は変わらずに、次の狙いにと定めたファーに、周りの攻撃をかわしながらするすると近付いていく。
「スカートの中を見通そうとするようなその視線、なんだか寒気がする気がします」
 背後を取られないよう気を付けなければと思っていたファーだが、それでもまだ河童の動きは素早く、その手はファーのお尻へと伸びていく。
「ひぁあ、ど、どこ触ってるんですか~!!」
「無論、貴方の可愛らしくも柔らかいお尻だとも。このまま貴方の尻子玉もいただきましょう」
 ファーの尻を撫でていく河童。
 だが、先ほどまでのように尻子玉を抜こうと、菊座を目指す指の動きが、突然ストップした。
「我が剣は陰――汝、尻に触れる事を禁ず! 六ノ太刀・縛!」
 静流である。
 フロッシュには間に合わなかったが、今度はその動きをとどめることができた。
 抜刀術から放たれた影の刃が、禁止ルールを課すというユーベルコード【六ノ太刀・縛】である。
「なっ?! お尻を撫でる手が動かない、だと……?!」
 これにはさすがの河童も驚愕であった。
「……このようなルールを宣告するのも初めてです。ええ、良い経験になりましたよ」
 ハイライトの消えた座った眼でそう宣告する静流であった。
 さらに、この隙を逃さず、頼もまたユーベルコード【咎力封じ】にて、河童に手枷を与え動きを封じていく。
「やっと捕まえた。ここからお仕置きの時間だね」
「くっ、なんという事だ。まさかこんな窮地に陥るとは……。仕方ありません。尻子玉2つで今回は満足しておきましょうか。また別の地に行き、配下を呼び出して新たにコレクションを……」
 手枷を付けられ、これ以上の尻子玉入手が厳しいとなれば見切りは早い。河童は即座に離脱をしようとするが。
「逃がさないっすよ!」
 高速移動して回り込んだ翔が、【シーブズ・ギャンビット】で河童の手足をククリナイフで斬りつけていく。
「ええい、煩わしいですね?!」
「河童ならば頭の皿が弱点のはずっすね!」
 ならばそこを狙うだけと、手足への攻撃をフェイントにしつつ、ジャンプして河童の頭上から苦無を投げ込もうとする翔。
「させません。わたしの華麗なる足はまだ自由なのですよ?」
 だが、翔が飛び上がって苦無を構えた瞬間、河童のスタイリッシュな回し蹴りが翔の胴体を捕らえた。
「っああ~~~~~?!」
 よけそこなった翔は、そのまま吹き飛ばされて、尻子玉を抜かれて悶絶していたフロッシュとアルテミスの方に突っこんでいった。
「ふぅ、まったく危ないですねぇ……」
 翔を撃退して冷や汗を拭う河童。だが、翔の言葉は、河童を倒すためのいいヒントになっていた。
「そういえば、河童はあの頭で光っているお皿が弱点と聞いたことがある気がします」
 先ほどお尻を触られたファーは、静流と頼のおかげで解放された後、翔の言葉を聞いて【トリニティエンハンス】を発動させた。むろん、そこで纏う魔力は炎の魔力だ。
「えっ、待ちたまえお尻の君?!」
「待ちません! この熱気でそのお皿を干上がらせて差し上げましょう!」
 炎を纏った剣で河童に斬りつけていくファー。フェイントを交えた攻撃に河童のガードが釣られたことで一瞬開いた頭めがけて、ファーの二回攻撃がその皿を焦がし割った。
「ぎゃああああ?! 私の美しい皿があああああああ?!」
「これで終わりですね。報いを受けなさい」
 皿を割られ悶絶する河童を、ファーと静流と頼と龍子が取り囲んで立っている。
 河童の命運はここまでだった。

 そこからはもう一方的だった。
 4人の連続攻撃を受けてボコボコにされた河童は、尻餅をついた体勢で命乞いをする。が……。
「も、もう許して。盗んだものは返しますから……」
「え? 許してください? 何を言っているんだ、お前は?」
 変態許すまじ。
 もちろんこれだけの事をして許されるはずもなく、最後に頼の顔面パンチを喰らって、河童は完全に沈黙したのだった。 

 河童が倒れたことにより、アルテミスとフロッシュの抜かれた尻子玉も消え失せ、2人も回復している。
 翔はなぜか鼻血を吹いて、2人に土下座をしているが……先程蹴り飛ばされた時、いったいどこに突っ込んだのだろうか。
 それはともかく、河童の懐と、そして洞窟の中から盗まれた下着を残さず取り返した一同は、旅館に事件解決の報を届けるため、洞窟を出て下山していくのだった。

 なお、取り戻した下着を今後どうするのかは、また別の話である。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月05日


挿絵イラスト